幼少期に体験した怖い話アーカイブ最終更新 2023/10/30 03:131.以下、VIPがお送りしますPaQAiコメントのURLをコピーこの ID を非表示コメントを通報コメントの削除依頼10歳くらいだったかな、俺は父親母親兄貴の4人でJRウォーキングみたいなのに参加した母親は足が遅いのでかなり後ろを歩き、俺と兄貴は父親に連れられ長い道のりをひたすらに歩いていたコース中には休憩所?みたいな芋の天ぷらやら飴やらをくれる所が一定間隔に設置してあって、俺は飴をポケットいっぱいに貰うことだけが楽しみで全く気付かなかったが兄貴曰く毎回俺たちより後ろにいたはずなのに俺たちより早く休憩所に着いてるおじさんがいたそうな。そう言われて次の休憩所を意識して見てみると兄貴に「ほらそこ」と。見ればチェックの上着を着たロン毛のおじさんが、何をするでもなく休憩所の脇の方で突っ立っていた。父親が休憩所のおばちゃんと談笑してる横で俺ら二人はおじさんの方を見ながらヒソヒソ話していると、おっさんがグイッと首だけを動かしてこっちを見た。バッチリ目があって一瞬心臓がビクッと跳ねたが、おじさんは真顔を数秒貫いたあとニコッと自然ではなくわざとらしく作ったような笑みを浮かべて、スタスタと歩いて行った。俺と兄貴はポカンとしたまま、再び父親の後ろに付いて歩き出した。後ろからおじさんが来た。さっき前を歩いて行ったはずのおじさんが、なぜか後ろから来た。そしてあろうことか父親に話しかけた。内容はよく覚えてないけど、「家族で参加されてるんですか?」「ええ、そうなんです」のようなたわいない世間話だったと思う。しかし異常はすぐに出始めた。おじさんがいつまでも俺たちに着いてくる。たまに俺たちいずれかに話しかけて、10分くらい並走してたくらいに父親も徐々に態度に不信感を漂わせるようになってきた頃。おじさんはスッと俺たちの前に躍り出て進路を妨害したと思った次の瞬間。兄貴を思いっきりサッカーボールキック。俺の真横を駆け抜ける風圧。後ろに1メートルほど吹っ飛びうずくまる兄貴。おじさんの胸ぐらを掴む父親。子供の俺には何が起きてるのか理解ができなかった。理解はできてたと思うけど圧倒的に処理できる情報量を超えていて、俺は地面を見つめてただ突っ立っているしかなかった。背中の皮膚からフツフツと変な汗が浮き出る感覚を認識しながら、いつのまにか俺は父親の車に乗って帰路を辿っていた。外はすっかり夕方。家を出発したのは午前7時で着いたのが8時頃。おじさんの事件も9時半ごろに起こったことのはずだ。なのに今は車のメーターに付いてる時計を見るに午後5時。俺はその間ずっと意識を飛ばしながら行動してたらしい。実際には記憶はあって、でもそれは断片的だしなんとなくパトカーとか何人かの人に囲まれて心配されたような記憶が昨日見た夢のように徐々にハッキリとしてきたが、やはり体感としてはあれから10分も経たないくらい。とりあえず怖いのでその日のことは今日まで一度も聞かなかったし、家族の誰もその話を掘り返さない。あのおじさんが何者だったのか分からないけど、多分今なら確実にボコボコにできると思う。2023/10/30 03:13:231すべて|最新の50件
母親は足が遅いのでかなり後ろを歩き、俺と兄貴は父親に連れられ長い道のりをひたすらに歩いていた
コース中には休憩所?みたいな芋の天ぷらやら飴やらをくれる所が一定間隔に設置してあって、俺は飴をポケットいっぱいに貰うことだけが楽しみで全く気付かなかったが兄貴曰く毎回俺たちより後ろにいたはずなのに俺たちより早く休憩所に着いてるおじさんがいたそうな。
そう言われて次の休憩所を意識して見てみると兄貴に「ほらそこ」と。
見ればチェックの上着を着たロン毛のおじさんが、何をするでもなく休憩所の脇の方で突っ立っていた。
父親が休憩所のおばちゃんと談笑してる横で俺ら二人はおじさんの方を見ながらヒソヒソ話していると、おっさんがグイッと首だけを動かしてこっちを見た。
バッチリ目があって一瞬心臓がビクッと跳ねたが、おじさんは真顔を数秒貫いたあとニコッと自然ではなくわざとらしく作ったような笑みを浮かべて、スタスタと歩いて行った。
俺と兄貴はポカンとしたまま、再び父親の後ろに付いて歩き出した。
後ろからおじさんが来た。
さっき前を歩いて行ったはずのおじさんが、なぜか後ろから来た。
そしてあろうことか父親に話しかけた。
内容はよく覚えてないけど、「家族で参加されてるんですか?」「ええ、そうなんです」のようなたわいない世間話だったと思う。
しかし異常はすぐに出始めた。おじさんがいつまでも俺たちに着いてくる。
たまに俺たちいずれかに話しかけて、10分くらい並走してたくらいに父親も徐々に態度に不信感を漂わせるようになってきた頃。
おじさんはスッと俺たちの前に躍り出て進路を妨害したと思った次の瞬間。兄貴を思いっきりサッカーボールキック。
俺の真横を駆け抜ける風圧。後ろに1メートルほど吹っ飛びうずくまる兄貴。おじさんの胸ぐらを掴む父親。
子供の俺には何が起きてるのか理解ができなかった。理解はできてたと思うけど圧倒的に処理できる情報量を超えていて、俺は地面を見つめてただ突っ立っているしかなかった。
背中の皮膚からフツフツと変な汗が浮き出る感覚を認識しながら、いつのまにか俺は父親の車に乗って帰路を辿っていた。
外はすっかり夕方。家を出発したのは午前7時で着いたのが8時頃。おじさんの事件も9時半ごろに起こったことのはずだ。
なのに今は車のメーターに付いてる時計を見るに午後5時。俺はその間ずっと意識を飛ばしながら行動してたらしい。
実際には記憶はあって、でもそれは断片的だしなんとなくパトカーとか何人かの人に囲まれて心配されたような記憶が昨日見た夢のように徐々にハッキリとしてきたが、やはり体感としてはあれから10分も経たないくらい。
とりあえず怖いのでその日のことは今日まで一度も聞かなかったし、家族の誰もその話を掘り返さない。
あのおじさんが何者だったのか分からないけど、多分今なら確実にボコボコにできると思う。