【サラリーマンを狙い撃ち 姑息な退職金増税を諦めない財務省の嘘八百】京都大学大学院教授・藤井聡氏 「1円でも多くの税金を搾り取るのが財務省の仕事、国民に対する配慮は全く見られない」アーカイブ最終更新 2025/03/23 09:361.影のたけし軍団 ★???週刊新潮 2025年3月20日号掲載特集「サラリーマンを狙い撃ち 姑息な退職金増税を諦めない財務省の『嘘八百』」よりサラリーマンを狙い撃ちする「退職金増税」について石破茂首相が国会で言及した。そもそも退職金税制とはどのような仕組みなのか。なぜ財務省は「優遇制度見直し」を諦めないのか。「雇用の流動化が促進される」という説明は本当なのか――専門家による徹底解説。少数与党に陥っている石破政権にとって大きな関門になるとみられていた来年度本予算。日本維新の会が訴える「高校授業料無償化」案を丸のみすることで意外にすんなり衆院を通過したが、最後の最後にどんでん返しが待っていた。参院での審議中に“待った”の声がかかったのは、医療費の患者負担に月ごとの限度を設けた「高額療養費制度」の見直しについて。政府案では今年夏から負担限度額を引き上げる方針だったが、3月7日、石破首相は「引き上げ見送り」を表明。全国がん患者団体連合会が引き上げ凍結を求める声を上げる中、野党ばかりか与党内からも慎重論が沸き起こり、追い込まれて凍結を宣言した格好である。「夏に選挙を控えた自民党参院側が高額療養費制度見直しに反対するのは当然。松山政司自民党参院幹事長が中心となって森山裕幹事長や小野寺五典政調会長に『引き上げ凍結』を求めていました」 と、政治部記者が言う。「元々引き上げに消極的だったとされる森山さんらの念頭には2007年の参院選大敗があるのは間違いない。郵政造反組復党問題や相次ぐ閣僚の不祥事に加え、『消えた年金』問題が争点になり、自民党は大敗しました。暮らしに直結する社会保障費の問題は選挙の趨勢に大きく影響するのです」ちなみに、「森山幹事長は今や国会のみならず政権運営をも一手に担っている状況です。何しろ、石破首相はことあるごとに“森山さんは何て言ってる”と口にしますから。石破首相に政策決定権限などないのです」(同)京都大学大学院教授で元内閣官房参与の藤井聡氏は、「石破氏が限度額引き上げに動いたのは、高額療養費制度に助けられている患者が国民のごく一部に過ぎなかったからでしょう」と指摘し、こう語る。「今回の上限額引き上げは『物価上昇分』であると説明されています。極めて真っ当な説明ですが、各種税制を物価に連動させるべしという原則を守ることが、それにより治療を受けられなかったり亡くなったりする方が増えることよりも重要であるというのならば、あらゆる制度において物価に適正に連動させる態度を財務省は持ってしかるべきです。しかし決してそういう態度ではありません」財務省は今回のような「支出削減」や「増税」につながる制度改変なら物価連動を主張するものの、「支出拡大」や「減税」につながる制度改変の場合は物価連動をおくびにも出さない。「財務省にとって必要なのは緊縮の完遂であり、1円でも多くの税金を搾り取り、1円でも多くの支出を削減するのが彼らの『仕事』なのです。その際に、国民に対する配慮は全く見られないのが実情です。『反発の少なさ、多さ』にだけ対応しており、反発が大きくない、と見ると今回のように削減が完遂されそうになってしまうのです」(同)財務省がもくろむ「退職金税制の見直し」についての質問が国会で飛んだのは、高額療養費の負担限度額「引き上げ見送り」が表明される2日前のことだった。「拙速な見直しはいたしませんが、慎重な上に適切な見直しをすべきだ」 石破首相はそう答弁し、将来的な見直しを否定しなかったのだった。「退職金税制の見直しについては23年6月、当時の岸田文雄政権が経済財政運営の指針『骨太の方針』に『見直す』と明記したものの、SNSで『サラリーマン増税』という批判が相次いで炎上した経緯があります」(前出の政治部記者)現行制度では、退職金から控除額を差し引いた金額の2分の1に所得税と住民税が課せられる。勤続20年までは1年あたり40万円の控除額だが、勤続20年を超えると、控除額が毎年70万円に拡大される。この「勤続20年の壁」を取り払い、20年以降も控除額を一律40万円とする案などがこれまで検討されてきた。もちろん、サラリーマンにとっては大幅な増税となる。https://www.dailyshincho.jp/article/2025/03220556/?all=1
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特集「サラリーマンを狙い撃ち 姑息な退職金増税を諦めない財務省の『嘘八百』」より
サラリーマンを狙い撃ちする「退職金増税」について石破茂首相が国会で言及した。そもそも退職金税制とはどのような仕組みなのか。なぜ財務省は「優遇制度見直し」を諦めないのか。
「雇用の流動化が促進される」という説明は本当なのか――専門家による徹底解説。
少数与党に陥っている石破政権にとって大きな関門になるとみられていた来年度本予算。日本維新の会が訴える「高校授業料無償化」案を丸のみすることで意外にすんなり衆院を通過したが、最後の最後にどんでん返しが待っていた。
参院での審議中に“待った”の声がかかったのは、医療費の患者負担に月ごとの限度を設けた「高額療養費制度」の見直しについて。政府案では今年夏から負担限度額を引き上げる方針だったが、3月7日、石破首相は「引き上げ見送り」を表明。
全国がん患者団体連合会が引き上げ凍結を求める声を上げる中、野党ばかりか与党内からも慎重論が沸き起こり、追い込まれて凍結を宣言した格好である。
「夏に選挙を控えた自民党参院側が高額療養費制度見直しに反対するのは当然。松山政司自民党参院幹事長が中心となって森山裕幹事長や小野寺五典政調会長に『引き上げ凍結』を求めていました」 と、政治部記者が言う。
「元々引き上げに消極的だったとされる森山さんらの念頭には2007年の参院選大敗があるのは間違いない。郵政造反組復党問題や相次ぐ閣僚の不祥事に加え、『消えた年金』問題が争点になり、自民党は大敗しました。暮らしに直結する社会保障費の問題は選挙の趨勢に大きく影響するのです」
ちなみに、「森山幹事長は今や国会のみならず政権運営をも一手に担っている状況です。何しろ、石破首相はことあるごとに“森山さんは何て言ってる”と口にしますから。石破首相に政策決定権限などないのです」(同)
京都大学大学院教授で元内閣官房参与の藤井聡氏は、「石破氏が限度額引き上げに動いたのは、高額療養費制度に助けられている患者が国民のごく一部に過ぎなかったからでしょう」と指摘し、こう語る。
「今回の上限額引き上げは『物価上昇分』であると説明されています。極めて真っ当な説明ですが、各種税制を物価に連動させるべしという原則を守ることが、
それにより治療を受けられなかったり亡くなったりする方が増えることよりも重要であるというのならば、あらゆる制度において物価に適正に連動させる態度を財務省は持ってしかるべきです。しかし決してそういう態度ではありません」
財務省は今回のような「支出削減」や「増税」につながる制度改変なら物価連動を主張するものの、「支出拡大」や「減税」につながる制度改変の場合は物価連動をおくびにも出さない。
「財務省にとって必要なのは緊縮の完遂であり、1円でも多くの税金を搾り取り、1円でも多くの支出を削減するのが彼らの『仕事』なのです。その際に、国民に対する配慮は全く見られないのが実情です。『反発の少なさ、多さ』にだけ対応しており、反発が大きくない、と見ると今回のように削減が完遂されそうになってしまうのです」(同)
財務省がもくろむ「退職金税制の見直し」についての質問が国会で飛んだのは、高額療養費の負担限度額「引き上げ見送り」が表明される2日前のことだった。
「拙速な見直しはいたしませんが、慎重な上に適切な見直しをすべきだ」 石破首相はそう答弁し、将来的な見直しを否定しなかったのだった。
「退職金税制の見直しについては23年6月、当時の岸田文雄政権が経済財政運営の指針『骨太の方針』に『見直す』と明記したものの、SNSで『サラリーマン増税』という批判が相次いで炎上した経緯があります」(前出の政治部記者)
現行制度では、退職金から控除額を差し引いた金額の2分の1に所得税と住民税が課せられる。勤続20年までは1年あたり40万円の控除額だが、勤続20年を超えると、控除額が毎年70万円に拡大される。
この「勤続20年の壁」を取り払い、20年以降も控除額を一律40万円とする案などがこれまで検討されてきた。もちろん、サラリーマンにとっては大幅な増税となる。
https://www.dailyshincho.jp/article/2025/03220556/?all=1