【特集】 陸上の400メートル走は「究極の無酸素運動」…人間の限界に挑んだゴール後の「ケツワレ」とはアーカイブ最終更新 2025/09/07 00:431.朝一から閉店までφ ★???2025/09/03 17:00 (2025/09/04 08:42更新) 陸上の世界選手権東京大会は9月13日に国立競技場を主会場に開幕する。東京での開催は34年ぶりとなる大会で注目される競技の見どころに迫る。(デジタル編集部)日本選手権11連覇の金丸祐三さんに聞く 短距離種目で、最も距離が長いのが400メートル走だ。「究極の無酸素運動」とも言われるこの種目の男子世界記録は43秒03、日本のトップ選手も44秒台の記録を持ち、瞬発力と持久力を兼ね備えたアスリートが人間の限界の、その先に挑む過酷な種目だ。 「小、中学生で陸上を始めると、まずは100メートルにあこがれます。でも400メートルはきついから人気がない。自ら飛び込んでいく人はなかなかいないですね」――。日本選手権でこの種目11連覇の偉業を打ち立て、3度の五輪と7度の世界選手権に出場した金丸祐三さん(大阪成蹊大女子陸上部監督)は苦笑する。 最後まで走り切るためにランナーに必要なことは何か。金丸さんは「まずメンタルの強さが最初に必要です。もちろん技術も必要ですが、メンタルの部分を克服できなければ技術の確立も難しく、トップの領域にはたどり着けないと思います」と話す。いささか抽象的だが、金丸さんは具体的な例えで話してくれた。「限界で、失神しそうな時に、もう一歩、前に踏み出せるかどうかというメンタリティー。もう少し深くまでいきたいという、素潜りの時みたいな気持ちですね」 「究極の無酸素運動」だが、呼吸は行われている。ただ、短距離走のような激しい運動では、速い動きを生み出す「速筋」と呼ばれる筋肉が糖を分解(解糖)し、酸素を使わずに素早くエネルギーを作り出す。この時にできるのが乳酸だ。ウォーキングなどの有酸素運動に比べ疲労物質の乳酸がたまりやすく、レース後半に疲労を感じ、ゴール後は、地面に倒れ込む選手の姿も見られる。 「乳酸を除去しきれなくて、痛みに変わります。これが『ケツワレ』という状態。お尻に痛みが走ってなかなか取れない。でも、これは、エネルギーを出し切れた証拠でもあるんです」(金丸さん)
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2025/09/03 17:00 (2025/09/04 08:42更新)
陸上の世界選手権東京大会は9月13日に国立競技場を主会場に開幕する。東京での開催は34年ぶりとなる大会で注目される競技の見どころに迫る。(デジタル編集部)
日本選手権11連覇の金丸祐三さんに聞く
短距離種目で、最も距離が長いのが400メートル走だ。「究極の無酸素運動」とも言われるこの種目の男子世界記録は43秒03、日本のトップ選手も44秒台の記録を持ち、瞬発力と持久力を兼ね備えたアスリートが人間の限界の、その先に挑む過酷な種目だ。
「小、中学生で陸上を始めると、まずは100メートルにあこがれます。でも400メートルはきついから人気がない。自ら飛び込んでいく人はなかなかいないですね」――。日本選手権でこの種目11連覇の偉業を打ち立て、3度の五輪と7度の世界選手権に出場した金丸祐三さん(大阪成蹊大女子陸上部監督)は苦笑する。
最後まで走り切るためにランナーに必要なことは何か。金丸さんは「まずメンタルの強さが最初に必要です。もちろん技術も必要ですが、メンタルの部分を克服できなければ技術の確立も難しく、トップの領域にはたどり着けないと思います」と話す。
いささか抽象的だが、金丸さんは具体的な例えで話してくれた。「限界で、失神しそうな時に、もう一歩、前に踏み出せるかどうかというメンタリティー。もう少し深くまでいきたいという、素潜りの時みたいな気持ちですね」
「究極の無酸素運動」だが、呼吸は行われている。ただ、短距離走のような激しい運動では、速い動きを生み出す「速筋」と呼ばれる筋肉が糖を分解(解糖)し、酸素を使わずに素早くエネルギーを作り出す。
この時にできるのが乳酸だ。ウォーキングなどの有酸素運動に比べ疲労物質の乳酸がたまりやすく、レース後半に疲労を感じ、ゴール後は、地面に倒れ込む選手の姿も見られる。
「乳酸を除去しきれなくて、痛みに変わります。これが『ケツワレ』という状態。お尻に痛みが走ってなかなか取れない。でも、これは、エネルギーを出し切れた証拠でもあるんです」(金丸さん)