このスレッドはアーカイブ化された過去ログです。

「波消しブロックのその奥から呼ぶ声」星野よしおアーカイブ

1.
ユーザー
名無しヒーリング
NN6dMi0Z
その男は幼少の頃から釣りが好きだった。
父親に連れられて港の堤防釣りや、子供たちだけで近所の渓流へと足を運んだ函館時代。
成人し東京に出てからは、東京湾や奥多摩などで釣りをした。
地元を離れ30年、苦労ばかりだった彼だが、魚を相手にしている時だけは借金のことを忘れることができた。
父親の死をきっかけに地元に戻った彼は、幼き頃の父親や友人たちとの思い出を辿るように釣り場へと通うようになった。
そんなある日、波消しブロックで穴釣りをしていた。
その日はよく釣れた。
夢中になった彼はブロックの奥へ奥へと入って行った。
いつもは慎重男だが、その日は波も穏やかだし危険はないだろうと考えた。
魚の当たりがピタッと止んで10分ほど経過した頃、そろそろ納竿にしようした彼の耳になにやら人の声が聞こえたのだ。
堤防にギャラリーでも来てるのかな?そうも思ったが、その声はブロックの更に下の方から聞こえてくる。
「お前はここに来てはいけない、まだ来ちゃダメだ」
男はハッとした。それは父親の声に間違いない。
父親が何かを伝えようとしているのだ。

つづく
1
すべて
|
最新の50件
このスレッドはアーカイブ化された過去ログです。

人気のスレッド

もっと見る
>