なんとでもなるさ最終更新 2024/11/01 02:091.名無しさんuFCdUきついなあ2023/11/27 22:14:47270コメント欄へ移動すべて|最新の50件221.名無しさんKNE6Xメガバンクと証券、国債購入の積極的な減額を主張-日銀の実務者会合https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-09/SG5ABFT0AFB400 日本銀行が9日午後に開催した債券市場参加者会合では、メガバンク3行と複数の証券会社が、日銀に国債買い入れの積極的な減額を求めた。複数の関係者への取材で分かった。 関係者によると、銀行との会合で、三菱UFJ銀行と三井住友銀行、みずほ銀行の3行のうち、1行が早い段階で大きく一気に減額すべきだと発言。別の1行は最終的に月間1兆円への減額を主張し、もう1行は3兆円に減額すべきだと述べた。地銀からはより慎重な姿勢が示されたという。メガ3行の広報担当者はいずれも、コメントを差し控えると回答した。 また、証券会社などとの会合では、複数の社が8月に即時に3兆円に減額した上で1年間継続するよう要望したほか、1年をかけて徐々に3兆円に減らすことを求めた社も複数あったという。日銀は現在6兆円程度を毎月買い入れている。 日銀は6月に国債購入の減額方針を決定。市場の意見は30、31日の金融政策決定会合で決める「今後1-2年程度の具体的な減額計画」を議論する上で重要な材料となる。きょうの会合では減額の幅やペースに関する日銀の情報発信や参加者の意見が注目を集めていた。日銀は具体的な減額計画を提示しなかったが、参加者からは積極的な姿勢が示された形だ。 日銀は会合を開催した経緯やヒアリングで寄せられた意見などについて説明した上で、参加者の意見を聞いた。日銀からは金融市場局長や市場調節課長らが出席。10日には機関投資家からも意見を聞く。会合の議事要旨を作成する予定だが、公表日は未定という。通常はおおむね3週間後に公表されている。 植田和男総裁は6月会合後の記者会見で、「減額する以上、 相応な規模になる」との見解を表明。ブルームバーグがその後実施したエコノミスト調査では、まず5兆円程度に減額し、半年ごとに段階的に縮小して、2年後に3兆円程度まで圧縮する姿が中心的な見方となった。それ以上の減額となれば、市場にインパクトを与える可能性がある。 ニッセイ基礎研究所の福本勇樹金融調査室長は、債券市場参加者会合の焦点は「買い入れ額を見極めるためにマーケットがどれくらいの国債発行分をカバーできるかをヒアリングし、懸念点を解消することにある」と指摘。各社にどれくらいの年限でいくら買えるかを質問するとみており、「重要な2日間になる」と述べた。 鈴木俊一財務相は9日午前の閣議後会見で、債券市場参加者会合に関する記者からの質問に対し、協議の場について具体的に説明を受けている訳ではないとした上で、「ある意味、重要な協議」であり、その行方を「注意深く見ていきたい」と語った。特に財務省側から要望することはないとも述べた。追加利上げ 日銀の減額方針を踏まえて、財務省は国債の発行年限を短期化することで、日銀に代わる買い手となり得る銀行が保有しやすい環境を整えるなどの対応に動き出した。国庫短期証券を除く日銀の国債保有割合が過半を超える中、日銀の購入減は市場に大きな影響を与え得る要素になっており、植田総裁は減額に際して「市場参加者の意見等も伺って、丁寧に進めたい」としている。 次回の決定会合を巡っては、今月初めに38年ぶりの水準となる1ドル=162円台寸前まで進んだ円安による物価の上振れリスクなどを背景に、国債買い入れの減額計画と同時に追加利上げを決めるとの見方も市場に浮上している。 大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは8日付リポートで、債券市場参加者会合に関して「日銀からある程度の目線を提供することが期待される」と指摘。その上で、金融政策運営について「市場が減額内容を十分に織り込めば、追加利上げの検討を俎上(そじょう)に載せやすいだろう」とみている。関連記事日銀の国債購入減額計画と利上げの同時決定、3割超が予想-サーベイ日銀の空白埋める国債投資家を確保へ、多様化が不可欠-奥理財局長日銀減額後の国債購入、月2兆-3兆円が下限の可能性-宮野谷元理事日銀が国債購入を減額へ、相応の規模と植田総裁-7月利上げ排除せず(会合に関する関係者情報を追加して更新しました)最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE2024/07/10 07:07:52222.名無しさんFWM3H円が急騰、一時157円台半ば 米消費者物価が予想下回る2024/07/11 22:07 日経速報ニュース 11日のニューヨーク外国為替市場で円が急激に上昇した。一時1ドル=157円60銭前後と、6月20日以来3週間ぶりの円高・ドル安水準を付けた。11日に米労働省が発表した6月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、幅広い通貨に対してドル安が進んだ。足元で円売りが歴史的な水準まで膨らんでいたため、円を買い戻す動きも強まった。 6月の米CPIは総合指数(季節調整値)で前月比0.1%下落と、市場予想(0.1%上昇)と比べて下落に転じた。米連邦準備理事会(FRB)が早期に利下げに動くとの見方が強まり、米金利が急低下。日米金利差の縮小を受けた円買い・ドル売りが膨らんだ。 円はCPI発表前には161円台半ばで推移しており、発表後に4円超も円高・ドル安が進んだ。投機筋による円売りが膨らんでいたため、CPIの下振れを受けて円を買い戻す動きが一気に強まった。37年半ぶりの円安水準で政府・日銀が為替介入に動くとの警戒感も根強く、円買いがさらなる円買いを呼ぶ展開となった。2024/07/11 22:14:13223.名無しさんT1kng円相場が急伸、想定外の介入観測 投機筋の傷深く-日経QUICKニュース(NQN)編集委員 今 晶2024/07/12 09:44 日経速報ニュース 11日のニューヨーク外国為替市場で円相場が急伸した。一時1ドル=157円台半ばとこの日の安値の161円70銭台から4円強も円高・ドル安方向に振れた。市場予想を下回った6月の米消費者物価指数(CPI)で円の弱気派の腰が砕けかけたところに、日本政府・日銀の為替介入が疑われる大量の円買いが入った。前週から急速に円売りの持ち高を増やしてきたヘッジファンドなど投機筋は深い傷を負った可能性が高い。 市場参加者は円が急伸した直後、日本の当局の介入について半信半疑だった。だが、財務省の現場責任者である神田真人財務官がそう間を置かずに省内でメディアに対応し、空気が変わった。神田氏は日本時間の11日夜、「介入の有無についてはコメントする立場にない」と語った。相変わらず煙に巻いたものの、市場では「介入を実施した可能性は高い」との見方が広がった。 米国でCPI発表など相場を動かしやすい材料があった後に介入観測が出るのは、5月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表後に円が急速に買われて以来だ。この時もイベントに便乗するかのような動きに多くの市場参加者は意表を突かれた。米国の庭先で暴れ回った円買いには当時、「米当局の立場を考えれば同じ手はもう使えないのではないか」との声も出ていた。それだけに、もし今回も円買い介入があったとすれば、マーケットにとっては完全な不意打ちだったといえる。 もちろん効果は大きかった。米CPIの発表前、ファンド勢はかなり極端な円売りに傾いていた。CPIで浮足だったコンピューターは介入絡みかもしれない想定外の円買い注文に惑わされ、損失覚悟の円買いを急いだ。対ドル以外でも膨らませていた円売りの持ち高解消も進んだ。 日米の金利差や実需などを考慮すれば11日の円高はオーバーシュート(行き過ぎ)の域に入る。円の上値では、日本で外為証拠金(FX)を手掛ける個人が戻り待ちの円売りに傾いたほか、過去に介入期待で積み上がっていた円の買い持ち高整理を加速させる場面がみられた。 米国では利下げ観測が改めて強まっているものの、開始時期は早くても9月と予想されている。利息収入を狙う投資家がすぐに撤収するわけではない。 次の焦点は日銀の出方だ。介入が日銀の政策修正までの時間稼ぎである構図は何も変わらない。「円安一服で余裕が生まれ、政策正常化の歩みを緩めてしまっては元の木阿弥になりかねない」(バルタリサーチの花生浩介氏)。次回の金融政策決定会合の重要性は再び高まってきた。2024/07/12 09:52:28224.名無しさんStrymアシックス、政策保有株すべて売却へ 銀行側も売り出し2024/07/13 日本経済新聞 朝刊 アシックスは12日、三菱UFJフィナンシャル・グループやロート製薬など自社が保有する政策保有株式を2024年中にすべて売却すると発表した。併せて三井住友銀行や三菱UFJ銀行などが保有するアシックスの株式も国内外で売り出す。海外の機関投資家などから日本企業の慣習として批判を受けてきた株式の持ち合いの解消を進める。 日本企業は投資目的ではなく取引先などとの関係を維持するなどの狙いから政策保有株を持ち合ってきた。ただ、利益を生みにくく資本効率を悪化させることから海外投資家の批判が強く、23年に東京証券取引所が上場企業に資本コストを意識した経営を求めたこともあり、持ち合い解消の動きが進んでいる。 アシックスも協業相手のロート製薬、取引先のイオンやゼビオホールディングスなどグループで25の上場企業の株式を保有してきた。12日に開いた取締役会で全ての政策保有株式の売却を決め、24年中に実際に売却する。6月末の株価で計算すると売却額は総額約110億円で、約70億円の売却益が出るという。 広田康人会長兼最高経営責任者(CEO)は12日の会見で「安定株主はいなくなるが、緊張感のある経営をしていく」と語った。海外売上高比率は8割を超えており、「グローバルな資本市場に正面から向き合っていく」とする。今後も政策保有株は持たない方針だ。 12日には三菱UFJ銀行やノーリツなど国内15社が保有するアシックスの株式を売り出すことも決めた。最大で発行済み株数の11%にあたる8500万3900株を売り出す。売り出し価格は今後決まるが、12日終値で計算すると約2180億円。アシックス側から金融機関や事業会社に政策保有株の売却を求めた。 損保や生保では損害保険ジャパンや明治安田生命保険がアシックス株を全て手放すかたちになる。このほか三菱UFJ銀や三井住友銀、みなと銀行など金融機関のほか、竹中工務店や上新電機なども売却する。23~26日のいずれかの日の終値から最大で1割の割引価格で売り出す。 株式売り出しの半分は米国など海外市場で実施する。アシックスの株主に占める海外機関投資家の比率は23年12月末で40.7%だが約46%に高まるとみている。アシックスは7月1日に1株を4株に分割し、個人投資家も買いやすいようにした。国内での売り出しは新しいNISA(少額投資非課税制度)などを活用した個人投資家の保有を期待する。個人投資家の比率も昨年末の9.6%から15%程度まで高めたい考えだ。2024/07/13 06:28:54225.名無しさんsWJMB国債減額巡る会合、割れた銀行の願望 日銀はノーヒント-日銀ウオッチ2024/07/14 05:00 日銀は9?10日、7月末に決める国債買い入れの減額の仕方を巡り、市場参加者の意見を聞く会合を開いた。国債の保有余力を期待される銀行だが、業界内でも温度差が大きい。各行の願望のような提案が寄せられたため全方位が納得する正解はなく、正常化に向けた国債市場の「日銀離れ」は難路が予想される。 「忌憚(きたん)のない意見をお聞きしたい」。非公開で開かれた会合では日銀の藤田研二金融市場局長が口火を切った。複数の参加者によると「意見を聞く」という言葉通り、日銀から具体的な案が示されることはなく、コンセンサスを形成しようという意思も感じなかったという。 日銀は異次元緩和を終えた後も月6兆円程度で国債買い入れを続けてきたが、正常化に向け、6月に開いた金融政策決定会合で買い入れを減額する方針を決めた。7月30?31日に開く決定会合で今後1?2年程度の具体的な減額計画を決めるため、今回、市場参加者から話を聞いた。 会合は①銀行②証券会社③生損保らバイサイド――の3グループに分けて開いた。特に銀行などの「預金取扱機関」は、異次元緩和を始める前の時点で全体の4割を占める最大の国債保有主体だ。日銀が買い入れを減らしていく過程で、代わりに購入する役割を担うとの期待があるが、銀行グループ内でも主張が割れる展開になったようだ。 「ゆるやかな減額では買いにくい」「大規模に減額すべきだ」。複数のメガバンクは大胆な決断を求めた。減額の規模感も、足元の月6兆円程度から月1兆?1.5兆円まで減らす提案だったという。金利上昇を見込んで国内債の保有を落としてきており、金利の天井が見えれば投資余地があるとアピールしたというわけだ。 複数の地銀も参加していたが、温度差があったとの証言もあった。日銀の減額で長期金利が急上昇(債券価格は下落)すれば、地銀が保有している国債の含み損が拡大する懸念があるためだ。 日銀のデータでは、24年2月時点のリスクアセット全体に対する国債の含み損の比率は、大手行では0.2%程度にとどまる一方、地銀では0.7%、信用金庫では約1.8%だった。23年後半のピーク時よりは縮小したが、運用先が限られる地銀・信金にはなお重荷になっている。 日銀は会合初日の9日、参加者から会合前に募った意見の一部を公表した。その中には急激な減額について「金利リスクを抱えている地域金融機関等のリスク許容度を低下させ、国債消化の不安定化を招くリスクがある」との声があった。 地銀内も一枚岩ではない。金融政策の正常化に伴って金利リスクを抑える運用をしてきた地銀は、慎重な減額を要望することが地銀の総意ではないとの考え方をにじませたようだ。残りの証券やバイサイドグループでも月3兆円程度という意見が複数出たもようだが、減額ペースなどについての意見は割れた。 会合を終え、国内証券関係者からは「ガス抜きのための会合と受け止めた」と冷めた感想もこぼれた。6月会合時に減額計画を決めることもできたが7月に先送りし、市場意見をもとに決めたという立て付けにすることで「日銀の責任逃れにするつもりではないか」との声もくすぶる。 日銀は市場の意見を踏まえて月末の決定会合で減額計画を決める。日銀関係者は「コンセンサスをつくるのが目的ではなくフラットに意見を聞きたかった」と話すものの、これだけ意見が割れていると落としどころを探るのは簡単ではない。 SMBC日興証券の奥村任氏は「事前ヒアリング結果からは月3兆?4兆円がイメージされる」との見方だ。日銀が9日公表した意見のなかに「IRRBB(銀行の金利リスク量の規制)上の制約等」を理由に月3兆?4兆円との提案があった点に注目し「日銀は市場での順調な国債消化を重視する必要があるため、投資家の保有余力に関する意見は重要視される可能性が高い」とみる。 日銀関係者は減額について「『相応の規模』と既に言っている通り、減らしたい意志は明確だ」と解説する。別の関係者は「上下に極端な提案が採用されることはないだろう」との見方を示しており、減額幅は市場予想の中央値に近い結果になる可能性が出ている。 11日には対ドルで161円台だった円相場が一時157円台まで急騰し、政府・日銀が3兆?4兆円規模で円買い介入を実施したとの観測が広がった。12日にも再度1ドル=157円前半をつけた。日銀が7月末に決める減額幅やペースが市場の予想よりゆるやかだった場合、円安進行の材料になりかねないとの指摘もある。2024/07/14 07:52:46226.名無しさんsWJMB最高値から買う日本株、緊急調査で探る有望銘柄2024/07/14 04:00 日経速報ニュース 「面談予定はフルに埋まった。日本株への関心が非常に強い状況は変わっていない」。7月上旬に香港とシンガポールを訪れたBofA証券の圷正嗣チーフ日本株ストラテジストは、100人規模の投資家とのミーティングを終えた実感を表現する。 日経平均株価は7月に過去最高値を更新。12日終値は4万1190円と高値圏での推移が続く。日本株は日経平均が3万円台を回復した2023年春、約34年ぶりに過去最高値を更新した24年初と2回の大相場を経験した。足元の急騰ぶりを見て「売り手が見当たらず、『第3波』に入った」(明治安田アセットマネジメントの竹田太樹トレーダー)との声も出はじめた。 短期筋が上昇トレンドをつくるのは同じながら、過去との違いは買い手の広がりだ。「年金など長期の投資家から問い合わせや資金流入が増えている。日本株のウェートを引き上げる動きは今後本格化するだろう」とBofA証券の圷氏は指摘する。 年度末にかけ上昇 上値余地はどれほどか。日経ヴェリタスは7月上旬に市場関係者へ緊急聞き取り調査をした。年度内の日経平均見通しについて、高値予想の中央値は4万4000円だった。「年度末にかけ上昇基調が続く」との回答が大勢を占めた。 強気の理由は企業業績の上振れ期待だ。アナリストによる業績予想の上方修正から下方修正の件数を引いた値を全修正件数で割って算出するリビジョン・インデックス(RI)はプラス方向への改善傾向が鮮明だ。 4?5月に発表された主要企業の25年3月期業績見通しは控え目だった分、秋に本格化する4?9月期決算で、通期見通しの上方修正が相次ぐとの期待が高まっている。 為替の円安定着もサポート要因だ。今期の想定為替レートを1ドル=145円とするトヨタ自動車をはじめ期初時点では実勢より円高を想定して業績予想を立てた企業は多い。米国の利下げ開始が当初の市場想定より後ろ倒しされる中、1ドル=160円前後の為替水準が定着。「輸出関連企業の業績改善への期待が高まっている」(米ファースト・イーグル・インベストメンツのポートフォリオマネジャーのマシュー・ランフィアー氏)という。 物色にも広がり けん引役も広がっている。年初は生成AI(人工知能)期待を背景とした一部の高PER(株価収益率)銘柄主導の色が強かった一方、足元では伝統的な日本企業が気を吐いている。三菱重工業の年初来の上昇率は2.2倍と6月下旬?7月上旬にかけては11連騰した。日立製作所も上場来高値の更新が続く。「事業の入れ替えなどで時代に対応した」とマネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストはみる。 グロース(成長)株でも出遅れ感の強かったTDKや太陽誘電は7月に年初来高値を更新した。PGIMジャパンの鴨下健・株式運用部長は「6月に米アップルの『AI搭載スマホ』が話題となり、久しぶりに電子部品銘柄を強気で見ている」とみる。 市場は総楽観に包まれているわけではない。波乱要因になりそうなのが11月の米大統領選だ。現職であるバイデン氏の選挙戦からの降板がささやかれるほか、トランプ氏の再選シナリオも織り込まれ始めている。大統領選の数カ月前から市場のボラティリティー(変動率)が高まりやすい。 金融政策の引き締め姿勢を鮮明にしている日銀の動向も気がかりだ。植田和男総裁は7月会合での利上げを否定せず、国債買い入れの減額も予告している。「緩和的な金融環境を理由に日本に流入していたマネーは、政情不安に一定の落ち着きがみられる欧州などに戻りやすくなる」と岡三証券の松本史雄チーフストラテジストはみる。 日本株には割高感が意識されており、銘柄選別の重要度は増している。日経ヴェリタスは大型のグロース、バリュー、中小型で買い余地のある銘柄を探った。「高所恐怖症」にならず、買える日本株を考えてみよう。2024/07/14 07:56:45227.名無しさんsWJMB 日本企業の変化を買う 史上最高値を更新した日本株はどこまで上がるのか。市場のプロ10人に日経平均株価の年度内の見通しを聞いたところ、大半が4万4000円以上と回答した。米大統領選前にいったん調整したのち、不透明感の払拭や企業業績の上方修正を受けて2025年3月末にかけて高値をつけるとの見方が多い。 「変化への期待で買う相場から、実際に起こり始めた日本経済や企業の変化の持続性がけん引する相場に移りつつある」。UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメントの小林千紗・日本株ストラテジストはいう。日本株が上がり始めた昨年来、「賃金と物価の好循環」と資本効率改善に代表される「企業統治改革」は投資家が注目する二大テーマだ。当初は日本経済や企業が変わるかもしれないとの期待が先行した。ここにきて賃上げや高水準の自社株買いなど、変化の「証拠」は増えている。 企業改革が現実に この流れは続きそうだ。24年4?9月期の決算発表時に、企業はこれまで公表した25年3月期の保守的な業績予想を引き上げると見られる。資本効率改善の取り組みにも再び注目が集まるだろう。来春にかけて賃上げムードが盛り上がるなど、さらなる証拠がそろえば海外投資家の日本株買いの動きは強まる。「25年2?3月にかけて日経平均は4万5000円まで上昇する」と小林氏は予想する。 日興アセットマネジメントの神山直樹チーフ・ストラテジストも「日本株への期待が確信に変わり始めたことが株高の背景」と分析する。ここから先は「緩やかな上昇が続き年度末には4万3000円になる」と見る。 バリュエーション(投資尺度)がどこまで拡大するかも論点になる。日本株の予想PER(株価収益率)はおおむね12?16倍だった。PERが過去のレンジ内におさまるなら「年度末で4万4000円程度が妥当な水準」(PGIMジャパンの鴨下健・株式運用部長)という。一方で「過去のレンジよりも1?2倍程度高くても許容される」との見方もある。 円安トレンドが転換するかにも注目が集まる。カギを握るのは日米の金融政策だ。日銀は早ければ7月に追加利上げを実施すると見られる。一方、米連邦準備理事会(FRB)は9月にも利下げを開始するとの見方が広がる。 海外投資家は日本株への関心が高いものの、ドル建てでみると運用収益の目減りにつながる円安進行を警戒している。日米の金利差縮小を背景に円安トレンドに歯止めがかかれば、「日本株を買う好機になる」(SMBC日興証券の安田光チーフ株式ストラテジスト)。安田氏は25年1?3月に高値をつけると見るが、円安が止まれば24年7?9月に4万4000円まで上昇するという。 「円高進行のリスクは見ておくべきだ」と岡三証券の松本史雄チーフストラテジストは話す。足元までの株高の背景には、円安による企業業績の上方修正期待がある。米景気の減速が意識され始めており、「円安トレードが?落し、株価が調整する可能性がある」と警戒する。 米大統領選も波乱要因だ。6月下旬からトランプ前大統領が有利との見方が広がり、日本株の上昇要因の1つになっていた。ただ、過去の経験則に従うと大統領選の2?3カ月前からボラティリティー(変動率)が高まり、株価は軟調になりやすい。市場では秋口に3万6000?3万8000円程度まで下落する可能性があるとの見方が多い。2024/07/14 07:58:16228.名無しさんsWJMB 今後有望な業種は こうした中で有望な投資先はどこか。市場関係者が注目する業種の1つが米アップル向け製品などを展開する電子部品だ。アップルは6月、iPhoneに生成AI(人工知能)機能を搭載すると公表した。これまでスマートフォンの販売は振るわなかったが「AI搭載スマホの登場で買い替え需要が喚起される」とPGIMジャパンの鴨下健・株式運用部長は見る。在庫調整が進んだタイミングでもあり、電子部品の収益拡大期待が高まっている。 金融を挙げる市場関係者も多い。日銀は年内の追加利上げが確実視され、金利上昇の恩恵を受けやすい銀行などが物色されそうだ。個人消費回復を見込み小売りやレジャー、百貨店など消費関連銘柄を有望と見るプロもいる。 ここまでの日本株上昇は大型株や割安株がけん引してきた。時価総額の大きい30銘柄で構成するTOPIXコア30は昨年末比で3割高だが、中小型株の上昇率は1割強、グロース市場にいたっては5%安に沈む。今後の株高も海外勢主導との見方が多く、主力大型株がけん引する構図は変わらない。 ただ、個別銘柄を選別する中長期投資家の参入も増えていると見られ、「超大型株への一極集中ではなく普通の大型株や中型株にも資金が向かう」(インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジスト)との声もある。有望な個別銘柄を点検しよう。 TOPIXミッド400に注目 ヌビーン ポートフォリオ・マネージャー ピーター・ボードマン氏 円安を受けた企業業績の上振れ期待とコーポレートガバナンス(企業統治)改革を背景に、日経平均株価が最高値をつけた。投資や資本配分への姿勢も変化しており、日本企業の配当性向は30?40%となっている。余剰資金を自社株買いに回すようになっており、構造的な変化が見られる。 大企業と中小企業で株価が二極化している。海外資金が大型株に集まり、時価総額と流動性が高い主力の大型株30銘柄で構成する「東証株価指数(TOPIX)コア30」の強さが続いている。 今後は余剰資金が多い中型株に投資家の関心がシフトしていく。中型株で構成するTOPIXミッド400の4割の企業が割安で、キャッシュポジション(現金比率)も高い。 1ドル160円とした場合、日経平均は年末にかけ4万3000円まで上昇する余地がある。金融株も自己資本利益率(ROE)の上昇を考えると割安だ。 日本は他国と比べ人工知能(AI)分野においてまだリードできていない。それでも半導体の製造に使用する化学製品を供給するレゾナック・ホールディングス(4004)や三菱ガス化学(4182)などはAIブームの恩恵を受けることができる。 金利やインフレなどマクロ経済の変動が日本市場にはリスク要因となるだろう。11月の米大統領選でトランプ前大統領が全輸入品への関税を引き上げる考えを示している。 トランプ氏再選の場合、特に自動車産業のような米国市場に依存している日本の輸出企業に打撃を与える可能性がある。大統領選がある11月にかけて株価は緩やかに減速する。日本の政治がリスクになることは考えにくい。2024/07/14 07:59:48229.名無しさんsWJMB 日本株の投資割合 15%に拡大 英ウェイバートン・インベストメントマネジメント ステファン・ラインヴァルト・株式リサーチヘッド 運用する世界株ファンドでは、日本株の投資割合を全体の約15%と、MSCI世界株指数の3倍に相当する割合までオーバーウエート(強気)として買い増した。 日経平均株価は過去最高値を付けたが、今後のラリーの3分の1に過ぎないだろう。世界のアセットオーナー全体でみれば、まだ日本株への投資姿勢はアンダーウエート(弱気)とみられるためだ。日本企業への資本効率改善のさらなる浸透をきっかけに強気に転じれば、一段高が期待できる。 業種別では銀行株に注目している。過去の日本銀行の利上げ局面を研究した結果、収益改善効果は現状の株価にまだ十分織り込まれていないと判断した。なかでもアジアのノンバンクへの出資や米証券ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループとの連携が期待できる三井住友フィナンシャルグループ(8316)が有望だ。 アサヒグループホールディングス(2502)は欧州やオーストラリアなど海外が成功し、コスト削減による自助努力が見込める。注目される業種ではない分、株価はまだ割安だ。 世界のマネーが低金利下の米国の成長株に向かったため、アベノミクスの日本株高の勢いは長く続かなかった。現状では日米金利差が大きく開いており、日本株には有利だ。 日本はようやくデフレマインドを払拭できたとみているが、実はこの考えが間違っていると判明する可能性があるのが今後のリスクシナリオだ。消費が抑制されてネガティブな景気見通しが広がることになる。賃上げコストは企業全体の費用からみれば小さいので難しいことではなく、賃上げの継続が問われている。2024/07/14 08:01:06230.名無しさんXsGyt円安対応、次は日銀か 「消費が弱いから利上げ」の現実味-金融PLUS 編集委員 大塚節雄2024/07/15 05:00 日経速報ニュース 歴史的な円安をどうにか食い止めようと、財務省が再び円買いの為替介入に動いたとの観測が広がる。次に問われるのは日銀の対応だ。7月末の金融政策決定会合では国債購入を減らす具体的な計画を決める。基本方針は公表ずみ。政策催促モードの市場をなだめられる保証はない。ここで利上げまで繰り出すのかが焦点となる。気になるのが、日銀内に「個人消費が低調なのは物価高のせいなのだから、その原因である円安にもっと強い姿勢で臨むべきだ」との意識が芽生え始めたことだ。 1ドル=161円台と37年半ぶりの安値圏にあった円相場。財務省は11日夜、6月の米消費者物価指数が予想を下回ったのをみて、ドル売りの流れに便乗する3兆円規模の円買い介入に踏み切った可能性が指摘される。12日夜にも再介入の観測が浮上した。 円売り圧力を根絶できたわけではない。米連邦準備理事会(FRB)が利下げに動けば流れが変わる可能性もあるが、目先は利下げ観測がリスク投資を刺激し、むしろ新たな円売りを誘発する懸念すらある。いきおい日銀の対応に関心が集まる。 企業に円安の負の影響じわり、恩恵はインバウンドに限定 日銀が7月の支店長会議と併せて公表した地域経済報告(さくらリポート)。全国本支店で集めた企業などからの声を地域ごとに整理したコメント集を調べると、「円安」への言及が18件あり、このうちマイナスの影響を訴えたのが7件だった。前回4月の報告(それぞれ5件、1件)から急増している。 報告の編集過程で意識的に「円安」を盛り込んだ可能性もあるが、それ自体が日銀の姿勢変化を示唆する。具体的な円安の弊害は物価高による需要減や収益の下振れ、価格転嫁の難航だ。一方でプラス効果のコメント数は11件とマイナスの7件を上回るが、すべてがインバウンド(訪日外国人)関連だった。 過去、為替絡みの声が多かったのは、2022年秋にかけて円安が急激に進んだあとの23年1月で15件。うち負の影響は3件だった。当時、円安のプラス効果はモノの輸出増や生産の国内回帰といった伝統的なものづくりに関わる恩恵が目立った。今回、そうした声は影を潜めた。 円安のダメージ面は、23年当時は減産や収益圧迫が目立ったが、今回は主に家計の消費意欲の低下にシフトした。この短い間の変化にも、ものづくりの地盤沈下で伝統的な円安効果が思ったほど浸透しなくなっている現実と、そのために家計を中心に円安のデメリットに敏感になっている状況が映し出されているのかもしれない。 円安で利上げ余地拡大? 政策委員の認識に変化の芽 円安由来の物価高が家計の消費意欲をなえさせる。この「現実」を日銀も直視し始めた。植田和男総裁は6月会合後の記者会見で「最近の円安の動きは物価の上振れ要因であり、政策運営上、十分に注視している」と表明した。 そのうえで「消費の現状をどう読むか」をめぐって「一つは、おそらく物価上昇の影響で、特に非耐久財を中心に弱めのデータが出ている」と語った。間接的にせよ「円安」→「物価上昇」→「弱めの消費」という因果関係を認めたことになる。 もちろん、植田氏が「消費を下支えするために利上げを急ぐ」という思考に変わったわけではない。4月の会合後の会見で円安の影響を軽視するかのような受け答えが円安に拍車をかけてから「円安にもきちんと目配りしていますよ」というポーズづくりに腐心しており、その域を出ない。2024/07/15 06:38:06231.名無しさんXsGyt だが、歴史的な賃上げが現実の給与増に効いても消費がいっこうに回復しないようなら話は別だ。6月会合で出た政策委員らの主張の概要を示す「主な意見」からは、変化の芽もうかがえる。 「円安は物価見通しの上振れの可能性を高める要因であり、リスクマネジメント・アプローチに立って考えれば、リスク中立的な、適切な政策金利の水準は、その分だけ上がると考えるべきである」 ある委員は、円安が利上げ余地を広げると明確に主張した。「金融政策運営に関する意見」という項目で6番目に載った主張だ。「主な意見」は各項目での掲載の順番が早いほど、正副総裁の執行部か、それに近い意見だという「クセ」があるともささやかれる。そうだとすれば、主流から外れた少数意見との見方が成り立つ。 仮に少数意見だとしても、他の見解と併せてみることで様相は変わってくる。次の見解はこの項目で2番目に掲載されている。執行部かそれに近い立場のメンバーが発したのかもしれない。 「見通しに沿った物価の推移が続くなか、コストプッシュを背景とする第2ラウンドの価格転嫁によって物価が上振れする可能性もあるだけに、リスクマネジメントの観点から金融緩和のさらなる調整の検討も必要である」 円安への言及はないが、「リスクマネジメント」という言葉が6番目の意見と共通する。物価が予想以上に上振れするリスクを制御できるよう、いざというときにスムーズに利上げに動けるように備えておく、というような考え方を意味する。 「主な意見」の極め付きは、3番目に物価高による消費の弱さと利上げの可能性を結びつけるような主張が出ていることだ。 「来年度後半の2%の『物価安定の目標』の実現に向けて、オントラックで進んでいるが、上振れリスクも出てきている。こうした点が消費者マインドに影響していることも意識しつつ、次回会合に向けてもデータを注視し、目標実現の確度の高まりに応じて、遅きに失することなく、適時に金利を引き上げることが必要である」 パズルの片々を集めて推理すると、「円安が物価を上振れさせるリスクと、そのことが消費者マインドに与える影響を注視しつつ、利上げの機をうかがう」という構図が浮かぶ。 物価高と金利上昇でダブルパンチのリスクも 日銀は個人消費について「底堅く推移」との認識を崩していない。自動車の認証不正問題が峠を越し、名目賃金の伸びが物価高を上回って実質賃金がプラスに転じれば、消費者心理も改善する、との読みがある。 春季労使交渉での歴史的な賃上げが給与増に効き始めたのは確かだ。読みどおりに回復に向かうなら、賃金と物価の好循環の持続性を見極めるという王道の理屈で利上げの道を探ればよい。賃金が力強く伸びて消費が持ち直すのなら、円安を抑える効果が不発でも日銀の傷は浅い。仮に7月末の会合で利上げを決める場合も、裏では円安を強く意識しつつも、表向きは好循環をアピールするだろう。 一方、消費がさえないままなら、円安による物価高が主犯だと明確に位置づけたうえで「消費が弱いからこそ利上げに動く」という逆転の論理を持ち出さざるを得なくなるかもしれない。 この理屈で利上げを完遂するのは簡単ではない。突き詰めると、消費を支えるためには円安を反転させるまで金融を引き締めないといけないからだ。最悪の場合、円安抑止にめぼしい効果のないまま金利だけが上がって景気を冷やし、物価高と金利上昇のダブルパンチで消費が底割れしかねない。 企業や市場が思う物価見通しが2%にきちんと固定される前に物価を抑え込もうとするのだから、2%の物価目標との整合性が問われ、植田日銀の政策原理にさまざまな無理が生じる懸念もある。 「究極の決断」を迫られる前に、米国のインフレの減速を受けて円安が自然と収束する――。日銀はそんなシナリオを祈っているのかもしれない。【金融PLUS】・株式持ち合いは日本だけか 神田財務官の著書が映す課題・日銀総裁、強まるタカ派発信 財務省の「警鐘」2024/07/15 06:39:24232.名無しさんyv1qT株、金融・防衛に買いか・りそなアセットの黒瀬氏 「レーガンの再来」の予感も2024/07/16 08:37 日経速報ニュース 黒瀬浩一・りそなアセットマネジメント運用戦略部チーフ・ストラテジスト 米国のトランプ前大統領が13日、11月の大統領選に向けた選挙運動中に銃撃を受けた。銃撃を受けた直後にトランプ氏が立ち上がって拳を突き上げるなど暴力に屈しない姿勢を示したことで有権者からの支持がさらに高まりそうだ。1981年に銃撃された共和党のレーガン大統領は事件後に支持率が上昇した経緯もあるだけに「レーガンの再来」を予感させ、金融市場ではトランプ氏の再選を織り込む動きが加速しそうだ。財政拡張を背景にした米金利上昇で金融株が買われやすいほか、防衛費増額の思惑から三菱重などの関連銘柄に資金が向かいやすいだろう。 16日の東京株式市場で日経平均株価は祝日前の前営業日終値(4万1190円)を挟んで荒い値動きとなりそうだ。米国の利下げ観測の高まりを背景に15日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が2カ月ぶりに最高値を更新したことが日本株の支えとなる。一方、日経平均は12日に今年最大の下げ幅となった。このところの急ピッチな上昇を背景にした高値警戒感は引き続き上値を抑えそうだ。2024/07/16 09:21:04233.名無しさんaDL4Hマネーフォワード、三井住友カードと新会社 個人向け事業分離、51%出資 オリーブと連携2024/07/18 日本経済新聞 朝刊 マネーフォワードは17日、三井住友フィナンシャルグループ(FG)傘下の三井住友カードと共同出資で新会社を立ち上げると発表した。家計簿アプリなどを展開するマネーフォワードの個人向け事業を分離する。三井住友FGのスマートフォンを軸とした総合金融サービス「Olive(オリーブ)」と組み合わせた事業を計画する。 新会社にはマネーフォワードが51%、三井住友カードが49%出資する。新会社の社長にマネーフォワードの辻庸介社長CEO(最高経営責任者)、会長には三井住友カードの大西幸彦社長が就く。17日の記者会見で大西氏は「オリーブとマネーフォワードの組み合わせで新しい世界をつくっていける」と述べた。事業開始は2024年12月を予定する。 マネーフォワードが24年8月に子会社を設立し、分割する個人向け事業を統合する。マネーフォワードは新会社の株式を三井住友カードに140億円で売却する。新会社は三井住友カードを引受先とする第三者割当増資を実施し、50億円を調達する。 新会社の株式売却により、マネーフォワードの単体決算で140億円程度の売却益が発生するが、連結決算への影響は軽微という。 マネーフォワードの開示資料によると、分割対象になる個人向け「Home」事業の23年11月期の売上高は35億円と連結全体の1割強に相当する。マネーフォワードにとって家計簿アプリは祖業にあたる。 分割を決めたことについて辻氏は「(会社設立以来)最も思い切った意思決定だ」と話した。家計簿アプリは利用者が1600万人を超えて国内最大規模。さらにサービスの質を高めていくには「単独では限界があった」(辻氏)という。 24年春に辻氏と大西氏が懇談する機会があり、提携話は一気に進んだ。背景にあるのがオリーブに対する辻氏の高い評価だ。辻氏は「オリーブは使い勝手がよく、開かれたサービスを標榜している。われわれがやりたかったサービスを一緒につくっていける」と述べた。 三井住友カードにとってもオリーブを拡大していくには自社グループのサービスにとどまらず、ほかの金融機関と組んでいく必要があった。マネフォのアプリはさまざまな金融機関と情報連携している。 新会社はマネーフォワードの家計簿アプリにオリーブの機能を入れるような形を想定する。例えばオリーブ口座からほかの銀行の口座にワンタッチで資金を移したり、家計簿の利用状況に応じて共通ポイント「Vポイント」を付与したりするサービスを想定する。 家計状況により人工知能(AI)が資産運用を提案するようなサービスも検討する。新会社の事業は個人向けが中心だが、法人向けへの展開も計画する。 新会社の課題は三井住友FG以外の金融機関との連携だ。例えば、スマホでワンタッチで資金移動するサービスを提供する場合、ほかの金融機関にとって利点が見えなければ提携は進みにくい。 独立色の強かったマネーフォワードだが、三井住友FGの色が強くなることに警戒する動きが出てくる可能性もある。他行などと互いにウィンウィンの関係を築いていけるかが焦点になる。2024/07/18 06:15:51234.名無しさんaDL4H日銀の国債買い入れ減額、総じてプラスの影響=全銀協会長[東京 18日 ロイター] - 全国銀行協会の福留朗裕会長(三井住友銀行頭取)は18日の定例会見で、日銀による国債買い入れ減額の影響について、銀行業績に対して「総じてプラスの影響が見込まれる」と述べた。足元で円高方向に進む為替動向については、円安からの「潮目が変わる可能性が出てきた」との見方を示した。福留会長は、日銀が国債買い入れ減額方針を示したことで、金利上昇により銀行が保有する国債の評価損益が悪化する一方で、新規の長期固定化した資金の貸し出し金利や新規の債券投資利回りが改善すると説明した。「市場の資金量が減少していくため預金の重要性も増す」と指摘した。日銀に代わる国債の買い入れ先としては、主に生保、銀行、海外投資家を挙げたが、業態間で投資スタンスは異なるとした。超長期年限に対しては生保が主体で、「貯蓄から投資へ」の流れの中で、個人による国債保有が進むことも期待されるとの見解を示した。為替市場については、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長やトランプ前大統領の発言を受けここ数日で、「円安方向のトレンドから潮目が変わる可能性が出てきた」との見方を示した。そのうえで、「ここから急ピッチで円安が進んでいく雰囲気はなく、時間の経過とともに緩やかな円高に進んでいく」との見通しを示した。ただ、米国でインフレリスクが再び浮上してくると日米金利差の拡大が意識され、再び円安が発生するリスクはあるとも話した。2024/07/18 21:00:33235.名無しさんbA5y3日経平均、利益確定売り出やすく(先読み株式相場)2024/07/19 07:58 日経速報ニュース 19日の東京株式市場で日経平均株価は続落か。前日の米株式市場で主要3指数が下落した流れを引き継ぎ、売りが先行しそうだ。米国による対中半導体規制に対する警戒感も依然強く、利益確定売りが優勢となる可能性が高い。日経平均の下値メドは前日終値(4万0126円)より200円程度安い3万9900円程度と心理的節目の4万円を割り込む場面がありそうだ。 18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は7営業日ぶりに反落し、前日比533ドル(1.29%)安の4万0665ドルで終えた。前日までに連日で最高値を更新しており、幅広い銘柄に利益確定売りが出た。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数、多くの機関投資家が運用指標とする米S&P500種株価指数も下落した。 日経平均は7月11日の史上最高値(4万2224円)からおよそ2000円下落したが、最近の上昇相場の起点となった6月下旬時点の3万9000円近辺からは依然高い水準にある。米国の対中半導体規制の強化や日本政府・日銀による円買い介入への警戒感以外に、これから発表が本格化する2024年4?6月期決算を見極めたいとの思惑から引き続き利益確定売りが進みそうだ。 一方で日経平均は前日に半導体関連株を中心に売られ1000円に迫る下落となったことで、下値では自律反発狙いの買いが入りやすい。日本株の先高観が崩れたわけではないとの見方は多く、目先の下値支持線となっている25日移動線(18日時点で3万9948円)近辺では押し目買いも入りそうだ。 個別ではディスコが注目となる。18日発表した24年4?6月期の連結決算は、生成AI(人工知能)向けの精密加工装置の出荷が伸び、純利益が前年同期比87%増の237億円だった。米国の対中半導体規制の強化への警戒も強まるなかで値動きに注目が集まる。 国内で総務省が6月の全国消費者物価指数(CPI)を発表する。6月の訪日外国人客数が発表される。海外ではボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事やウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が講演する。2024/07/19 08:43:41236.名無しさんxnWR5トランプ相場、資源・金融にシフト テック150兆円消失2024/07/20 06:08 日経速報ニュース 【ニューヨーク=竹内弘文】トランプ前米大統領への銃撃事件が起きてから20日で1週間となる。15?19日の米株式市場では、同氏の再選可能性が上がったとみて政策影響を先取りする「トランプ・トレード」が席巻した。エネルギー大手や金融に資金がシフトする一方、半導体株急落によりハイテク株の時価総額は円換算で150兆円以上消失した。 規制緩和期待、マネーの流れ変える 「大統領就任初日は2つのことをする。ドリル・ベイビー・ドリル(石油の大量生産)と国境の閉鎖だ」。18日、共和党大統領候補の指名受託演説でトランプ氏は、不法移民の流入抑制とあわせ、石油・ガス採掘の規制緩和を最重要課題の1つに挙げた。 石油・ガス大手の株価は軒並み上昇している。エクソンモービルやシェブロンは12日終値比でそれぞれ2%高となった。バイデン政権による再生可能エネルギー普及促進は180度転換するとみて、太陽光パネルのファースト・ソーラー株は7%安、太陽光発電インバーターのエンフェーズ・エナジー株も12%安。対照的な動きとなった。 財政拡張や保護主義の高まりも相場を動かした。トランプ氏は自身が政権を握っていた2017年に導入し25年末に期限を迎える個人所得減税など「トランプ減税」を延長する考えだ。16日公表の米ブルームバーグとのインタビューでは、米国製造業の復活のためにドル高是正や関税引き上げを進める姿勢を示した。 こうした施策は少なくとも短期的には米国内需要を喚起する。インタビュー内で触れた建機大手のキャタピラーは4%高になるなど、景気敏感株は幅広く買われた。長期金利が短期金利を下回る「逆イールド」の解消への期待や金融規制の緩和観測は、大手銀行の収益環境好転を意識させて金融株高を促した。 9月利下げ観測、トランプ相場を支え 前週11日に発表になった6月の消費者物価指数(CPI)が市場予想に反して前月比下落に転じ、米連邦準備理事会(FRB)の「9月利下げ」シナリオが濃厚となると、株価が出遅れていた景気敏感株などの銘柄を買い戻す動きは生じていた。銃撃事件以降のトランプ・トレード本格化は、この流れを加速させた面がある。 トランプ氏の発言が冷や水を浴びせた銘柄群もあった。インタビューでは、半導体サプライチェーン(供給網)の要となっている台湾が「米国の半導体ビジネスをすべて奪った」と述べた。一方で中国の脅威から台湾を防衛する重要性については言及がなかった。半導体関連銘柄は軒並み急落した。 半導体世界大手のエヌビディアは週間で9%下落。生成人工知能(AI)の基盤開発に注力するIT(情報技術)大手にも売り圧力は波及した。エヌビディアやマイクロソフト、アップルなど巨大テック7銘柄「マグニフィセント・セブン」にS&P500種株価指数採用の半導体関連銘柄をあわせた約20銘柄は時価総額が週間で9680億ドル(約152兆円)目減りした。 トランプ相場の継続性、見方分かれる 株価指数ごとに騰落率で明暗も出ている。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数やS&P500種株価指数は12日比でそれぞれ4%安、2%安となった。一方で景気敏感株の比率が高めの大型株指数、ダウ工業株30種平均は1%高、中小型株指数のラッセル2000は2%高だった。 今後も景気敏感株の優位やハイテク株劣後という「セクター・ローテーション」は続くのか。米運用大手インベスコのストラテジスト、クリスティーナ・フーパー氏は「9月利下げシナリオと米景気の軟着陸期待が続く限りはローテーションも継続する可能性が高い」とみる。 一方で「テック株の急落は、極めて有望な押し目買いのチャンス。AIブームは終わらない」(米ウェドブッシュ証券のダニエル・アイブス氏)との声もある。AIの爆発的な普及という成長性を背景に続いてきたテック株優位の構図が本当に崩れるかは見解が分かれる。ただ、大統領選を優位に進めるトランプ氏の言動が相場を動かす状況は当面続きそうだ。2024/07/20 06:24:35237.名無しさんe9QyM10兆円迫る24年自社株買い枠 7月半ばまでの実施率3割2024/07/22 04:00 日経速報ニュース 日本の株式市場で最大の買い手として存在感を高める企業の自社株買い。今年は過去最速ペースで、すでに10兆円近い自社株買い枠が設定されている。今のところ計画に対する実施率は3割にとどまる。株価が下がった局面で入ることが多いとされる自社株買い。足元で調整色を強める日本株相場では、買い余力の高さが下値抑止力として機能している面がありそうだ。 大和証券の集計によると、東証株価指数(TOPIX)採用企業の自社株買い枠の設定は、今年に入り7月12日までに9兆9718億円にのぼる。過去最大で約10兆円の枠が設定された2023年通年にすでに匹敵する。だが、実際に自社株買いが実施されたのは3兆4440億円と、計画に対する実施率は35%にとどまる。自社株買いは必ずしも期日までにすべてを実施する必要はないが、過去の通年での実施率がおよそ7?8割であったことを考慮すると、数兆円規模で買い余力があるといえる。 自社株買いの実施状況は企業により差がある。日本郵政(6178)は5月、25年3月末までを期限とする3500億円を上限とした自社株買いの実施を発表した。実施状況を見ると毎月約260億円ずつ買い入れている。相場動向に左右されず、機械的に同規模の買いで毎月、実施していることがわかる。 短期間で自社株買いを終わらせる企業もある。川崎汽(9107)の場合、5月に7月末を期限とした1000億円を上限とする自社株買いの実施を発表し、6月末時点の実施状況はすでに7割強となっている。野村(8604)は1月末に1000億円を上限とする自社株買いを発表。期間は2?9月だったが、すでに実施率は100%だ。メガバンクでは実施率が5割を上回っている企業もあり、市場では金融株を中心に追加の自社株買い枠の設定に早くも期待が高まっている。 一方、自社株買いの実績がゼロの企業もある。代表が日本企業で時価総額最大のトヨタ(7203)だ。トヨタは5月、国内企業では最大となる1兆円を上限とする自社株買いの実施を発表したものの、6月末までは買い入れを実施していない。トヨタは設定時に「トヨタ株の売却要請に応えるとの意味合いで、金融機関やグループ会社の持ち合い解消に向けた準備」と説明。実際に市場で解消売りが出るまで実施しない可能性が高いと市場ではみられている。 企業により姿勢に差はあるものの、過去最大ペースで設定される自社株買い枠。東海東京インテリジェンス・ラボの鈴木誠一チーフエクイティマーケットアナリストは4?5月の自社株買い枠の設定規模が想定以上だったことから、7月に入り24年通年の設定枠の予想を従来の11兆円から15兆円に引き上げた。アベノミクス初期の13年など過去に海外投資家が大規模に買い越した規模と比べても遜色なく、「無視できない大きな買い手になる」(東海東京の鈴木氏)。 4?5月の日本株の調整局面でも底堅く推移した要因の一つに自社株買いの存在をあげる市場関係者は多い。海外投資家は4?5月にかけ日本株を売り越した。だが、そうした売りを自社株買いが吸収し、海外勢がそれなりの規模で売ったにもかかわらず底堅い相場展開だったことが、「6月後半から始まった株高につながった面もある」(国内証券アナリスト)との声も出ている。 日経平均は11日に史上最高値を更新した後、急激な調整に見舞われている。だが、企業の自社株買いが無視できぬ下値抑止力として機能する限り、相場の底堅さを意識した買いで、折に触れて上値を試す展開になる可能性があるだろう。2024/07/22 06:12:52238.名無しさんe9QyM市場に残る日銀7月利上げ説 根強い円安と高賃金が後押し2024/07/22 13:54 日経速報ニュース 市場では日銀が7月にも追加利上げに動くとの観測がくすぶり続けている。日経QUICKニュース(NQN)がこのほど実施した専門家調査でも約3割が7月利上げを予想した。日本政府・日銀による円買いの為替介入観測で水準は切り上がったが、歴史的な円安が再開する可能性は拭いきれない。さらに足元では日銀が重視してきた高めの賃金上昇率が実現し、追加利上げの環境は整いつつあるためだ。 日銀は30?31日開く金融政策決定会合で国債買い入れの減額方針を決める予定だ。NQNが12?17日に実施した金融政策を分析する民間金融機関の「日銀ウオッチャー」を対象にしたアンケート調査では、日銀は国債減額と追加利上げの同時決定を避けるとして27人中18人が現状維持と回答。だが、9人は追加利上げを予想した。 7月の「利上げ派」が着目するのは長引く円安だ。3日に1ドル=162円に迫って37年半ぶりの安値をつけた円相場は、政府・日銀による断続的な円買い介入観測もあって18日には155円台前半まで急伸。しかし、その後は157円台まで値を戻しており「月末にかけて再びじりじりと円安が進むようなら、(日銀が)追加利上げに動く可能性はかなり高い」(明治安田総合研究所の小玉祐一氏)という。 賃金が日銀が描くように「オントラック(想定通り)」で上昇しているのも追加利上げを後押しする。5月の毎月勤労統計では、基本給にあたる所定内給与の伸び率が前年同月比2.5%と1993年1月以来31年4カ月ぶりの高水準となった。2024年の春季労使交渉(春闘)での高い賃上げ率が着々と統計に反映されてきていることがうかがえる。 日銀も賃金上昇には前向きだ。12日発表した「地域経済報告(さくらリポート)」の別冊では、地域の中堅・中小企業の賃金動向を巡って「昨年を上回るあるいは高水準であった昨年並みの賃上げの動きに広がりがみられている」と説明。大企業だけでなく、中小企業にも賃上げの裾野が広がっていることがみえてきている。 物価も依然として高止まりしたままだ。6月の全国消費者物価指数(CPI)では生鮮食品を除いた総合が前年同月比2.6%上昇した。政府の電気・ガス代の補助縮小で足元では再び騰勢を強めつつあり、22年4月以降27カ月連続で日銀が物価安定の目標とする2%を上回っている。7月利上げを予想するJPモルガン証券の藤田亜矢子氏は「日銀は2%目標達成への確度を一段と上げたと考えられる」とみる。 もちろん、長引く物価高で実質賃金はマイナスが続き、国内消費も精彩を欠く。円安是正に向けて日銀に利上げを求めたとされる河野太郎デジタル相も釈明に追われ、足元では翌日物金利スワップ(OIS)市場が織り込む7月利上げの確率は2割台まで低下した。しかし条件がそろい始めているのは確実で、きっかけ次第では「おき火」のような追加利上げ観測が燃え上がる可能性を秘めているといえそうだ。2024/07/22 14:48:56239.名無しさん0pkqq植田日銀、ジレンマの7月会合 追加利上げ焦点――政府・与党、正常化へ前向き 首相「経済の移行後押し」2024/07/23 日本経済新聞 朝刊 金融政策を巡っては、岸田文雄首相や閣僚、自民党幹部の発言が相次いでいる。首相は長野県軽井沢町での経団連夏季フォーラムに出席し「金融政策の正常化が経済ステージの移行を後押しする」と述べた。「日銀とも経済の大局観を共有しつつ、緊密に連携していく」と語った。 河野太郎デジタル相は19日の記者会見で「金融政策は日銀が決めることだ」と軌道修正したものの、17日の米ブルームバーグ通信のインタビューでは「日銀は政策金利を上げる必要がある」との見解を示した。 22日には自民党の茂木敏充幹事長が都内での講演で「段階的な利上げの検討も含めて金融政策を正常化する方針をもっと明確に打ち出す必要がある」と語った。 茂木氏は日銀に対し、過度な円安を是正するため、金融市場への情報発信をわかりやすくするよう求めた。金融正常化に関して「日本企業の経営から言って基本的に十分対応できる」とも発言した。 家計への影響を懸念する声がある中でこうした発言は追加利上げの追い風になる可能性もある。 日銀関係者からは「国内外経済の不確実性は大きい。経済を腰折れさせず、金融正常化をうまく進めてほしいということだろう」との声が上がる。2024/07/23 06:21:11240.名無しさんhU956円相場、154円台後半に上げ拡大 1カ月半ぶり高値、株安に歩調2024/07/24 13:21 日経速報ニュース 24日午後の東京外国為替市場で円相場が上げ幅を広げている。13時すぎには一時1ドル=154円76銭近辺と6月上旬以来およそ1カ月半ぶりの高値をつけた。日経平均株価が下げ幅を広げたのに歩調を合わせ、積み上がっていた円の売り持ちを解消する動きが加速。24日の40年物国債入札が「弱め」の結果で国内金利に上昇圧力がかかるとの見方が広がったのも日米の金利差縮小を意識した円買い・ドル売りを誘った。2024/07/24 13:35:01241.名無しさんv9JJn■村田製作所<6981.T> 3596.0円 +15.0■On-device AIの普及でMLCCを中心にコンポーネント事業の利益成長が高まると想定、野村が「Buy」継続、目標株価3600円→4200円 野村証券が業績予想を上方修正。レーティング「Buy」を継続し、目標株価を従来の3600円から4200円に引き上げた。 目標株価引き上げの背景は、第1に、為替前提の円安方向への見直し(1ドル150→155円)に加え、スマホやタブレット、PCにAIエージェントを搭載するOn-device AIの普及が始まることで、同社が強みを持つ小型MLCCは今後更なる小型品の採用が進み、MLCC事業の製品ミックスが改善する見方とした。この結果、MLCCを中心に、コンポーネントの収益性が改善すると予想。第2に、主力のMLCCの利益成長見通しが高まったことに鑑み、目標株価算出に用いる株主資本コストを5.2%から4.9%に引き下げた。 今回の業績修正では、On-dvice AIの普及拡大で同社のMLCCの製品ミックスが改善する見方を取り入れた。エージェント型AIを搭載したOn-device AIでは、DRAMの搭載容量とプロセッサの稼働頻度がともに上昇することが予想される。例えば、Apple Intelligenceは4GB程度のRAM容量を使用すると、我々は推測。AIを用いたワークロード実行に伴うプロセッサ負荷の上昇に対しては、超小型MLCCをプロセッサの近傍に設置し、省電力や熱対策を行うのが基本。同社のMLCC事業は、小型になればなるほど市場シェアと採算性が高い傾向(例えば、0603以下のサイズでは60%程度の市場シェアなど)があり、On-device AIの普及がMLCC事業の収益性改善につながると考えた。なお、デバイス・モジュール事業では、我々の業績予想には今のところ明示的に反映していないが、25年冬に予想される主要顧客の無線プラットフォーム変更に際して、同社の無線モジュールの採用がどの程度上がるかに注目している。 25年3月期第1四半期(4~6月)は売上高4100億円、営業利益730億円程度と推定。MLCCはAIサーバーとPC向けの需要が強かったほかは会社計画通りの需要環境であったと見ている。なお6月末の在庫は、3月末比で80億円程度増加したとの前提で予想は作成、と指摘。 今2025年3月期連結営業利益を会社計画3000億円(EPS124.4円)に対し従来予想3200億円(EPS127.5円)から3520億円(EPS141.4円)へ、来2026年3月期連結営業利益を3850億円(EPS153.1円)から4200億円(EPS168.4円)へ、2027年3月期同4430億円(EPS175.9円)から4780億円(EPS191.4円)へ増額している。2024/07/26 06:34:49242.名無しさんv9JJnドル神経質、日銀会合の結果次第で荒い値動きか 米FOMC見極め=来週の外為市場[東京 26日 ロイター] - 来週の外為市場で、ドルは神経質な動きとなりそうだ。30ー31日に開催される日銀金融政策決定会合や植田和男総裁会見の内容次第では値幅を伴う荒い値動きとなる可能性がある。米利下げ時期を占う上で、30ー31日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果に関心が集まる。月末と月初を挟む週となり、フロー主導で上下に振れる場面も出てきそうだ。予想レンジはドル/円が151.50━155.50円、ユーロ/ドルが1.0700―1.1000ドル。最大の注目材料は日銀決定会合。国債買い入れをどの程度減額するのか、追加利上げの是非の議論など、市場の関心が集まる。上田東短フォレックスの営業企画室室長、阪井勇蔵氏は「日銀会合の結果次第で円高もしくは円安に振れるか、(ドルの)方向感が決まる可能性がある」とし「注目度が高いだけに2-3円の値幅が出てもおかしくない」との見方を示す。 米FOMCについては政策金利が据え置かれるとの見方が大勢。米連邦準備理事会(FRB)高官によるタカ派的な発言が徐々に収まる中、9月会合での利下げが示唆されるかが焦点となる。日米の金融政策決定会合を経て、市場で米利下げ観測と日銀の利上げ観測が同時に後退するような状況となれば「日米金利差が縮小せず、円キャリーが再開する可能性がある」とSBIリクイディティ・マーケットの金融市場調査部長、上田真理人氏はみる。 また、米国ではISM製造業景況指数や雇用統計など主要な経済指標が発表されるほか、マイクロソフト(MSFT.O), opens new tabやアップル(AAPL.O), opens new tabなど大手企業決算も相次ぐ。ドルは材料を見極めながら一喜一憂の動きが予想される中、米株価の調整局面が続けばリスク回避の流れから「円高/ドル安方向のリスクが警戒される」(阪井氏)との声も聞かれる。このほか、7月31日に月次ベース(6月27日ー7月29日)の外国為替平衡操作の実施状況が公表される。2024/07/26 22:28:44243.名無しさんIBkXk三井住友銀行、欧州で融資ファンド設立 総額約750億円2024/07/26 18:25 日経速報ニュース 三井住友銀行は26日、欧州で融資を手掛ける総額4億5000万ユーロ(約750億円)規模のファンドを立ち上げたと発表した。ファンドによる企業向けの融資は「プライベートクレジット」と呼ばれている。新ファンドは中堅企業のLBO(借り入れで資金量を増やした買収)向け融資など利回り、リスクともに比較的高い案件に重点を置く。 設立は6月20日付で、専門企業の英キャンベル・ルティエンスなどをアドバイザーとして起用した。三井住友銀の欧州事業のノウハウをベースに、銀行と同様の案件に融資する。別途ファンドを設けると外部の機関投資家の投資を募れるといった利点がある。今後米国やアジア太平洋地域などでも設立を視野に準備作業を進める。 三井住友フィナンシャルグループ傘下の三井住友DSアセットマネジメントもファンドに参画し、海外の機関投資家向けの運用商品の組成にも活用する。収益率は13%程度を見込む。政府が掲げる資産運用立国に対応し、オルタナティブ(代替)資産分野の運用力を強化する施策の一環となる。【関連記事】・リテール金融、効率化に転機 三井住友銀行が手数料下げ・米ファンド大手アレスが日本進出 三井住友銀からトップ2024/07/27 07:11:02244.名無しさん8UDxh3メガバンク、四半期利益が過去最高 「稼ぐ力」向上映す2024/08/02 17:30 日経速報ニュース 3メガバンクグループの2024年4?6月期決算が2日、出そろった。合計の連結純利益は前年同期比16%増の約1兆2165億円と、05年度に3メガバンクの体制になってから四半期で最高を更新した。店舗の統廃合など効率化を背景に「稼ぐ力」が高まっていることを象徴する。 2日に決算を公表した三井住友フィナンシャルグループ(FG)の連結純利益は前年同期を5割上回る3713億円と11年ぶりに最高益を更新した。企業部門の預貸金収益や手数料収益が旺盛な設備投資需要や金利上昇を受けて増加したほか、830億円に達した政策保有株式の売却益が下支えした。 3月にマイナス金利政策が解除された影響で、3メガバンクの4?6月期の収益は合算で400億円近く上積みされた。金利上昇は企業や個人向け融資に反映されるほか、債券運用の利息収入を押し上げる。7月末の追加利上げの効果を含めると、25年3月期通期で三井住友は700億円、三菱UFJは600億?800億円の資金収益増につながるという。円安も3メガバンクの4?6月期の収益を600億円ほど押し上げた。 好決算は長引く低金利下で採算性の改善を進めてきた成果でもある。3メガ銀合計の支店数はマイナス金利政策が始まった16年と比べて約3割減り、事務職を中心に採用も絞り込んできた。採算性が低い融資からの撤退も進めている。本業のもうけを示す連結業務純益は26%増の1兆4445億円となった。 25年3月期の通期では、前期比6%増の3兆3100億円の純利益を見込む。各社の業績予想は日銀の追加利上げを織り込んでおらず、11月に公表する4?9月期決算の公表時などに上方修正を検討する。大手行の幹部は「長期・短期の金利水準や預貸金量の変化による業績への影響を検討する」と話す。 今後の波乱要因となり得るのは海外経済の動向だ。米連邦準備理事会(FRB)は9月にも利下げに転じる方針を示唆し、業績を支えてきた海外貸し出しの利ざやが縮小に転換する可能性がある。景況感の悪化で「投資銀行ビジネスにも減速感が出ている」(幹部)という。 3メガ銀体制に移行してから四半期ごとの純利益をみると、23年4?6月期の1兆515億円が最高だった。四半期単位では大口の与信費用や債券売却益の計上が影響しやすく、単純な比較が難しい面はある。それ以前は計8000億円程度が最高だった。 メガバンクは発足からしばらくは不良債権処理に追われ、低金利もあって成長に向けた攻めの経営を進めづらかった。今後は逆風に備えた上で、将来の収益増加につながる投資を重ねられるかが一段の成長を確保するための条件となる。 りそな、三井住友トラストの両ホールディングスも前年同期比で増益を確保した。5大銀行グループの純利益は19%増の計1兆3386億円と最高益を更新した。【関連記事】・3メガバンク、預金金利0.1%に上げ 三菱UFJ銀は短プラも・3メガバンク、政策株4000億円減の3.3兆円 24年3月期2024/08/02 20:34:19245.名無しさんEBg9x崩れるメガバンク 日銀利上げも揺らぐ「利ざや」拡大2024/08/05 16:31 日経速報ニュース 5日の東京株式市場でメガバンク株が連日で急落した。長期金利の低下などを背景に景気悪化や利ざや縮小を懸念した売りが優勢となった。これまで日銀の政策修正に歩調を合わせる形で株高トレンドを描いてきた銀行株――。市場は依然として日銀を金融引き締めに積極的な「タカ派」と受け止めているが、政策修正を見込んだ銀行株物色の一巡が意識され始めた。 三井住友フィナンシャルグループ(8316)は制限値幅の下限(ストップ安水準)となる前週末比1500円(15.52%)安の8162円まで下落した。2月26日以来の安値となる。売買代金が多い三菱UFJフィナンシャル・グループ(8316)も12%安で午前を終え、年初来高値(7月5日、1849円50銭)からの下落率が27.87%に達した。みずほフィナンシャルグループ(8411)も11.59%安で終えた。 銀行株は黒田東彦氏が日銀総裁だった2022年12月の金融政策決定会合で長期金利の変動幅拡大が決まって以降、金利先高観やPBR(株価純資産倍率)是正期待を背景に買われてきた経緯がある。株価は3メガバンクともに倍以上になった。 しかし、24年7月の会合で植田和男総裁が政策金利について「0.5%は壁ではない」と発言したことで空気が一変。「日銀が今までの緩和姿勢とは異なるメッセージ発信をしたことで株買い・円売りの巻き戻しが起きた」(みずほ証券の小林俊介チーフエコノミスト)。政策修正トレードの「銀行株買い」の動きに強烈な逆回転が起きたもようだ。 長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは5日午前に一時0.785%と4月9日以来約4カ月ぶりの低水準をつけた。日銀が短期金利に影響する政策金利を引き上げるなかでの長期金利低下とあって、イールドカーブ(利回り曲線)は米雇用情勢や日本株安といった景気悪化を織り込んだ「ベアフラット化」が意識される。長短金利差の縮小は短期で借りて長期で運用する銀行業に逆風で、今後日銀が利上げを進めても今までのような利ざや改善を見込んだ「銀行株買い」が起きない可能性が強まってきた。 金利上昇による預貸金収益の増加などが貢献し、三井住友FGが24年4?6月期に最終増益となるなど足元の業績は堅調だった。ただ、今回の株安や金利低下という外部環境の変化は無視できない。「日銀トレード」の中心的存在だった銀行株が再び上昇トレンドに回帰するハードルは高いと言えそうだ。2024/08/06 06:23:31246.名無しさん3dKGm【3284】フージャース ちょい買い増ししてみた2024/08/09 21:45:31247.名無しさんUjcND東証10時 日経平均は一時1000円高 好決算銘柄に買い2024/08/13 10:13 日経速報ニュース 13日前場中ごろの東京株式市場で日経平均株価は上げ幅を拡大し、前週末に比べ860円ほど高い3万5800円台後半で推移している。前日の米ハイテク株高を受け、引き続き東エレクなど値がさの半導体関連株が堅調で、相場を押し上げている。日経平均の上げ幅は一時1000円を超え、節目の3万6000円を上回る場面もあった。 上場企業の2024年4?6月期の決算発表は前週末にピークを迎えた。好決算を材料にした個別物色の動きも活発となっている。市場では「波乱相場でこれまで決算にはあまり目を向けられてこなかったが、全体として4?6月期決算の出足は悪くない」(国内運用会社のストラテジスト)との声が聞かれた。業種別では保険の値上がりが目立ち、SOMPOやMS&ADが高い。 10時現在の東証プライムの売買代金は概算で1兆5520億円、売買高は7億1918万株だった。 フジクラや荏原、楽天グループ、キーエンスが上昇している。一方、シャープや明治HD、ヤマトHD、NXHDは下げている。2024/08/13 10:21:48248.名無しさんYo6y3三井住友、米投資銀へ出資比率上げ ジェフリーズ1割超に M&A助言など連携強化2024/08/14 日本経済新聞 朝刊 三井住友フィナンシャルグループ(FG)がM&A(合併・買収)といった投資銀行ビジネスの強化を急いでいる。米独立系投資銀行のジェフリーズ・ファイナンシャル・グループへの出資比率を引き上げた。三菱UFJFGが投資銀ビジネスで先行しており、挽回へ次々に手を打っている。 出資比率を当初の4.5%から10.9%に引き上げた。ジェフリーズが13日までに発表した。10%を超えたこともあり、同社の取締役に三井住友FGの中島達社長が12日付で就任した。 両社は2021年7月に資本業務提携を結び、クロスボーダーM&Aの助言業務などで連携を深めてきた。FG傘下の銀行や証券会社も連携に加わり、株式・債券の引受業務(ECM、DCM)を含め23年度に100件弱の案件で協力が実現した。 提携関係は23年以降、矢継ぎ早に強めてきた。主に米国での(1)投資非適格企業向けビジネス(2)ヘルスケア(3)日本企業関連のクロスボーダーM&A――の3分野に限られていたが、23年に米投資適格企業などに拡大した。 国内市場が縮小する中で、クロスボーダーM&Aは日本企業の関心が高い。ノウハウが手薄なままでは融資先企業との関係が弱まりかねず、手数料による安定的な収益を狙うメガバンクが力を入れている分野だ。 「ジェフリーズと組んだ海外投資銀行のビジネスモデルを確立していく」。三井住友FGの幹部はこう強調する。 三井住友FGは米国の投資銀事業をジェフリーズを軸に展開すると決め、欧州・中東・アフリカやカナダなどへと協業の対象も広げた。今後アジア地域を対象に加えることも視野に入れている。 三井住友FGは「両社の強みを生かした戦略を検討している」とコメントした。 三井住友FGは海外証券業務の業務純益について、26年3月期に23年3月期比2倍の490億円を目指している。 三井住友FGはこれまでジェフリーズに対し議決権を持たない優先株を取得し、25年までに持ち分を最大15%に引き上げる計画を公表して、段階的に株式の取得を進めてきた。15%以上の出資が実現すれば、ジェフリーズを持ち分法適用会社にすることも視野に入る。 矢継ぎ早に講じる強化策の背景にはクロスボーダーの投資銀業務で出遅れているとの危機感がある。 三菱UFJFGは08年のリーマン・ショックで信用不安に陥った米投資銀大手のモルガン・スタンレーの優先株を引き受けて資本業務提携した。約23%出資しており、関係は15年に及ぶ。 モルガンがM&A助言や株式引き受け、三菱UFJが融資分野に特化しながら協力して稼ぐ収益モデルをつくった。 みずほFGも投資銀業務の強化を目指して23年12月に米投資銀行グリーンヒルを完全子会社化した。 23年の世界の投資銀行の手数料リーグテーブルでは米欧勢が上位を占めるなか、みずほとして初めてトップ10に入った。成長に向けて注力する分野の一つとして、米国を含むグローバルの投資銀ビジネスを位置づけている。 三井住友FGの投資銀行ビジネスを直接担うSMBC日興証券は、旧4大証券の流れをくみ、国内の事業基盤は他のメガバンクと比べ見劣りしない。証券業務を通じて海外で稼ぐ形をどう示せるかが長年の課題となっていた。 米連邦準備理事会(FRB)の利下げが今後本格化すれば、一時的に収益が落ち込んでいた投資銀ビジネスも復調が予想される。今回の提携拡大はその流れに沿うものになる。 もっともジェフリーズの出資比率の引き上げは議決権の生じない優先株を通じたもので、協力関係をどこまで深められるかは見通せない面がある。世界各地で協業する案件を増やし、提携の果実を示す重要性が高まっている。2024/08/14 10:44:53249.名無しさんYQWjX銀行株に見直し買い、日経平均、急落銘柄が反発2024/08/16 日本経済新聞 朝刊 15日の東京株式市場で、銀行株を買い戻す動きが広がった。みずほフィナンシャルグループと三井住友フィナンシャルグループがともに一時6%高まで買われた。内閣府が同日発表した4~6月期の国内総生産(GDP)が実質の季節調整値で、2四半期ぶりのプラス成長となり、景気改善によって収益が拡大する期待が高まった。 東証業種別株価指数では銀行が2・8%高となり、すべての業種で上昇率のトップだった。三菱UFJフィナンシャル・グループの株価が一時5%、千葉銀行が5%上昇した。 GDPがプラス成長となり、景気が緩やかに回復するとの見方から、15日は長期金利が上昇した。立花証券の馬場正夫アナリストは「GDPがプラスに転じたことで、景気回復が意識され、長期金利の上昇に伴う利ざやの拡大や融資の増加への期待が高まった」と指摘する。GDPが改善したことは「マクロ指標を重視する海外投資家にとっては、銀行株のような大型株を買う上での好材料となった」(アセットマネジメントOneの浅岡均シニアストラテジスト)面もあるという。 3メガバンクグループの2024年4~6月期の連結純利益の合計は、05年度に3メガバンクの体制になってから四半期で最高を更新した。業績好調を受け、自社株買いなどが増えるとの見方も出ている。明治安田アセットマネジメントの福川勲シニア・リサーチ・アナリストは「メガバンクは(財務の健全性を示す)中核的自己資本(CET1)比率が改善しており、今後は株主還元が強化されるとの期待が大きい」と指摘する。 15日の日本株は、5日までに急落していた銘柄が買い戻され、日経平均株価は前日比284円高と、約1カ月半ぶりに4営業日続伸した。特に3メガバンクは7月末から8月5日までに25~29%下落していた。同期間の日経平均(20%安)と比べても下げがきつかっただけに、自律反発の買いも入りやすかった。 足元でも3メガバンクのPBR(株価純資産倍率)はいずれも1倍を下回る。明治安田アセットの福川氏は「今後の自己資本利益率(ROE)の改善を見込むのであれば、PBR1倍割れは割安感がある」と話す。2024/08/16 06:09:20250.名無しさんVhwT9大分回復7月のピークを超えるまでアト僅か…2024/08/16 18:35:13251.名無しさんOzrWxオリックス、航空機リースに1500億円 50機超購入へ2024/08/18 日本経済新聞 朝刊 オリックスは主力事業の一つである航空機リース事業を強化するため、1500億円以上を投資する。中小型の中古機を中心に50機以上を購入し、保有する機体数を倍以上に増やす。世界的な旅客需要の回復でリースへの引き合いが強まっており、積極投資によって収益拡大を目指す。 オリックスは6月末時点で、57機のリース用機体を保有しており、保有機数で世界20位前後につけている。2024年度中だけで1500億円以上の資金を投じるほか、25~26年度にも追加投資を検討し、今後3年間で新たに50機以上を購入。保有機数を100機以上に増やす。加えて、自ら保有せずに管理を請け負う機体数も現在の140機程度から50機以上上積みする。保有と管理を合わせた機体数を現在の200機から、3年後の27年度には300~400機に増やす計画だ。 オリックスが多数の航空機購入に動くのは、リースへの需要が高まっているためだ。新型コロナウイルスの感染収束で旅客数が回復する一方で、欧州エアバスや米ボーイングといった航空機メーカーの生産は需要に追いついていない。航空会社は足りない機体をリース会社から確保しようとしており需要の増加で直近のリース料は20年に比べ5割程度上昇している。 事業環境の好転によって、オリックスの航空機事業の利益は24年3月期に203億円と、前の期比で56%増えた。 日本航空機開発協会の予測では、43年の世界の旅客需要は19年の2.3倍となり、中長期的にも機体の需要は右肩上がりで推移すると見込まれている。オリックスはここ数年、保有機体の売却を進め、機体数を19年の100機から半減させてきたが、再び攻勢に転じる。 他のリース会社も需要の高まりを見据え、航空機の確保に動いている。三井住友フィナンシャルグループ(FG)傘下のSMBCアビエーションキャピタルは23年、小型機を60機発注。購入総額は5000億円超とみられる。今後は航空機リース会社間の契約獲得競争も激しくなる見通しだ。2024/08/18 06:47:20252.名無しさんGz3Ag大手銀、事業部門に人事権 雇用の流動化見据え移譲 三菱UFJ信託は部門ごとに原案、三井住友は専門人材評価を主導2024/09/03 日本経済新聞 朝刊 大手銀行で人事権を人事部から事業部門に移す動きが目立ってきた。三菱UFJ信託銀行は2025年までに従業員およそ7000人の人事権を各部門に移譲し、人事の原案作成を委ねる。三井住友銀行も26年に専門人材の評価で事業部門の権限を強める。集権的との指摘もあった銀行の人事運営は転換期にある。 三菱UFJ信託銀は、各部門の主要ポストから異動したり、登用したりする人材の原案を25年春から原則として各部門で作成する。これまでは各部署が提出した評価をもとに人事部が全社単位で検討して案を決めていた。 背景には銀行の人材確保が難しさを増す中で各事業部門の採用を維持するには、権限移譲により組織を強くすることが重要との見方がある。 今後の事業部門の幹部をどのように育てていくかを各部門で決める仕組みも順次、整える。幹部間で議論する組織などをつくり、将来の部門長といった幹部の配置を幹部らで協議するようにする。 これまでは人事部で計画を練っており「各部門からはブラックボックスになっていた」という。 段階的に円滑に移行していくため、人事部出身者を中心に各部門に「ヒューマンリソースビジネスパートナー」と呼ぶ担当者を設ける。資格や経歴などの人事情報の閲覧権も各部門に広げていく。専用の人材マネジメントシステムを先行して導入した。 人事部門は次世代の経営陣の育成などの業務に特化する。各部門の人事運営の取り組みを管理、監督して経営陣とすり合わせる役割も担う。 三菱UFJ信託銀が人事の現場への権限移譲に着手する背景には、将来的な人材確保への危機感がある。 バブル期前後に大量採用した世代が60代に達しはじめ、退職したり、高齢者向けの雇用体系に移ったりしている。事業部門では、減少する人手を補うために新卒を上回る中途採用に取り組んでいる。 成長性の高い資産管理・運用や不動産などの採用に重点を置くが、外資系の資産運用会社や不動産といった異業種と競合する中、働き方が異なる各事業にあった人事運営が必要だと判断した。 法人融資をグループの銀行に移管するなど、専門性の高い人材が必要な事業の成長が一段と求められている事情もある。 人事権を現場に移譲する事例は銀行業界の潮流になってきている。三井住友銀は20年に事業部門主導で専門人材を「エキスパート」に認定し、業域をまたぐ異動をなくしたり、手当を支給したりする制度を導入した。 従業員組合との協議を経て全従業員を対象に専門性を評価する仕組みを26年に導入することも検討している。人事への事業部門の関与を強める狙いがある。 三井住友銀は26年に入社年次を給与に反映する「階層」を廃止するほか、シニア層の給与を自動的に引き下げる仕組みの撤廃を予定している。 20代の社員でも年収2000万円を得られるようになるなど処遇の自由度を広げる施策を組み合わせ、行員の専門性を高める。 みずほフィナンシャルグループ(FG)は24年度の新人事制度で仕事内容と給与をひもづける「役割給」を導入した。人員計画、配置計画の策定を各事業部門に委ねた。人事部門は運用の管理などに徹する。 海外の金融機関は人材の採用、解雇も含めた権限を事業部門が持つ例が多い。ポストの差配を人事部が仕切ってきた日本の銀行の慣行は特殊との見方もある。 年功序列・終身雇用の前提は専門性の高い部署を中心に崩れつつあり、同業の銀行間で転職する例も広がる。雇用の流動化を見据えた人事制度の見直しは今後も広がるとみられている。2024/09/03 06:30:26253.名無しさんGz3Ag東証前引け 日経平均、続伸 円安進行で、金融株に買い2024/09/03 11:54 日経速報ニュース 3日午前の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、午前終値は前日比86円93銭(0.22%)高の3万8787円80銭だった。上げ幅は一時200円を超えた。3日の東京外国為替市場で円相場が一時1ドル=147円台前半まで下落し、トヨタやホンダなど輸出関連株への買いにつながった。国内長期金利の上昇(債券価格は下落)を受け、三菱UFJや第一生命HDなど金融株も買われた。半面、東エレクやアドテストなどの半導体関連の一角が朝高後は売りに押され、指数の上値を抑えた。 3日午前の東京外国為替市場で、円相場は一時147円20銭近辺まで下落し、2日の海外市場で付けた安値を下回った。円安進行を受け、日経平均は10時25分に3万8967円まで上昇する場面があった。 日経平均が心理的節目の3万9000円に近づくと上値が重くなった。市場では「米景気の堅調さや米国での年内複数回の利下げが日米株にはすでに織り込まれているため目先は調整リスクが高い。上値では個人投資家や海外のヘッジファンドなどによる戻り待ちの売りが出やすい」(みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリスト)との声があった。日経平均は前日の取引時間中に一時、3万9000円を上回ったが、その後は売りが強まり、上げ幅を縮小した。 東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは16.75ポイント(0.62%)高の2732.74だった。JPXプライム150指数は反発し、4.45ポイント(0.36%)高の1225.69で前場を終えた。 前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6352億円、売買高は7億6631万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1336。値下がりは272、横ばいは36だった。 ファストリやダイキンなどの値がさ株が買われた。投資有価証券の売却益を計上する見込みとなったTBSHDが上昇したほか、外資系証券が投資判断を引き上げたNTTデータが大幅高となった。一方、TDKや太陽誘電などの電子部品株が下落した。減益決算を発表した伊藤園が下げたほか、データセンター向けの光ファイバー需要増加への期待から連日で買われていたフジクラがきょうは売りに押された。2024/09/03 12:17:23254.名無しさんd6srY野村HD、信託銀行を第4の柱に 投信受託でみずほ超え-信託誕生100年の岐路㊤2024/09/10 05:00 日経速報ニュース 「信託期間ハ大正拾参年八月七日ヨリ向フ百ケ年トス」――。ちょうど100年前の大正13年(1924年)に結んだある契約がこのほど役割を終えた。三井信託(現三井住友信託銀行)が東京都文京区の護国寺と結んだ信託契約だ。 活用したのは信託会社が委託者に代わってお金を管理・運用する金銭信託。護国寺が檀家総代から寄付されたお金を100年に渡って保全・運用し、期間終了後に石灯籠や記念碑などの保存費用に充てる目的だった。 信託とは、財産を代わりに管理・運用してもらう制度だ。護国寺との案件は1924年設立の三井信託が創業時に扱った日本初の信託契約とみられる。その形式の基本はいまも変わっていない。資産運用を支える投資信託、高齢化に伴う相続、社会貢献のための公益法人への寄付――。預金として眠る個人のお金が資産形成や寄付などの多様な使い道に向かうにつれて、信託の裾野は広がっている。 2024年3月時点の日本の信託財産総額は1702兆円と、10年でおよそ2倍に膨らんだ。それぞれ約100年の歴史を持つ三井住友信託、三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行の3大信託が日本の業界を長らく支えてきた。そんな業界にくさびを打ち込もうとしているのが、野村ホールディングス(HD)だ。 「バンキングを第4の部門にする」。野村の奥田健太郎社長は5月、こう宣言した。担い手は1993年につくった野村信託銀行だ。3大信託に比べると後発ながら、資産運用に特化した証券会社ならではのサービスで存在感を高める。 野村信託の岡田伸一社長は「銀行と証券の特徴をいかして野村ならではのブティック(独立)型を推進する」と話す。総花的なメガ信託と異なり、とがった分野を磨くという。 注力するのが投資信託の受託業務だ。信託銀行は運用会社からの運用指示に従って投信に組み込む株式や債券などの売買や管理を担当する。メガ信託が資産管理を専門とするグループの信託銀行に再信託をするのに対し、野村は1社で完結する。 機動力をいかしてデリバティブ(金融派生商品)や未上場企業株といった値動きが把握しづらい資産を組み込んだ投信など、取扱商品を増やしつつ柔軟な対応力を強みに顧客を広げてきた。24年3月時点の投信受託残高は33兆円とみずほ信託を上回る業界3位が定着してきた。 4月には投信の価格を運用会社と信託銀行がそれぞれ算出する「二重計算」をなくした日本初の「1者計算」の公募投信も受託した。「大手の半分くらいの時間軸で新たな商品にも対応できる」(岡田社長)という。遺言信託、株・債券を担保とした富裕層向けローンなど個人向けにも力を入れる。 業界に新たな風を吹き込もうとしているのは野村だけではない。三井住友フィナンシャルグループ傘下のSMBC信託銀行は、13年に三井住友銀行が買収したソシエテジェネラル信託銀行が母体で、15年にはシティバンク銀行のリテール部門が加わった。 外貨預金でトップクラスのシェアを持ち、ためた外貨を海外で直接使えるサービスで転勤者などからの支持を集める。ファンドマネジャーが個別の顧客の運用方針に基づいて顧客の信託口座を運用・管理するサービスなど、富裕層ビジネスは独自路線で大手と差別化している。 24年3月期は純利益で257億円とみずほ信託(294億円)に近づきつつある。足元ではライバルから人材を引き抜き不動産仲介の陣容拡大を急ぐ。23年に「ハイアットリージェンシー東京」売却を取り仕切るなど大型案件でメガ信託の牙城を切り崩しにかかる。 約80年ぶりの全面改定となった04年施行の改正信託業法は事業会社にも参入の道を開いた。免許を取得する信託会社は年々増え、24年6月時点で36社にのぼる。留学支援や再生可能エネルギー開発、知的財産管理など目的も多様だ。 岐阜県高山市に本社を置くすみれ地域信託は地方振興に特化した信託会社だ。地元の小水力発電所や商業施設の管理・運営に始まり、21年には前橋市で市街地のにぎわいを生み出すために必要な民間資金を管理する事業に乗り出した。 第一生命保険が資金拠出し、歩行者の通行量の達成度合いに応じてリターンが定まる「ソーシャル・インパクト・ボンド」の仕組みを取り入れた。井上正会長兼社長は「これからも大手では担いきれないきめ細かい信託サービスを提供し、地域の実情に沿った課題解決を実現したい」と語る。金融以外にも信託の担い手が広がりつつある。2024/09/10 06:40:01255.名無しさんZ4Imc三井住友信託、100年目の脱銀行 「融資は増やさない」-信託誕生100年の岐路㊥2024/09/11 05:00 日経速報ニュース 「(株式分類の)銀行セクターから離れたい」。三井住友信託銀行の大山一也社長の口癖だ。個別の企業努力だけでなく金融政策が材料視され、金利変動の思惑で投資家も株を売り買いする。そんな銀行株の宿命に見切りをつけたいと考えている。 三井住友トラスト・ホールディングス(TH)と傘下の三井住友信託は信託業界の源流だ。信託業法に基づく初の信託会社は前身の一つ、旧三井信託だ。31年3月期までの計画では資産管理や運用など信託業務の残高を増やす一方、「融資は横ばい」(三井住友THの高倉透社長)とする。この方針はライバルとの競争関係と無縁ではない。 3大信託の三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行はメガバンクグループの傘下にある。三菱UFJ信託は18年に法人融資の業務を三菱UFJ銀行に移管し、兄弟会社の商業銀行とすみ分けを加速。4年後の22年3月期には信託財産で三井住友信託を抜いた。 一方、三井住友THは三井住友フィナンシャルグループとの資本関係はなく、日本唯一の独立系信託銀行だ。だが競争が激しく融資に頼る従来のビジネスモデルでは成長が見込めないとみる。金利ある世界で100周年を迎え信託回帰を鮮明にする。 信託が銀行と兼営する日本独特のスタイルは戦時中につくられた。「兼営法」と呼ばれる銀行と信託の兼営を進める法律が制定され、戦後はGHQ(連合国軍総司令部)の方針で、信託会社が銀行法に基づく信託銀行になった。 信託銀行に与えられた使命は重厚長大産業に目線の長い資金を供給して経済成長を支えることだった。大きな役割を果たしたのが、バブル期に「ビッグ」の愛称で知られた貸付信託だ。ただ日本経済が停滞期に入るとともに資金需要が減少。2000年代に幕を閉じ、代わりに融資を増やさざるを得なかった。 その融資も足元は振るわない。全国銀行協会によると、都市銀行5行の貸出金残高は24年3月までの10年間で2割以上増えた一方、信託銀行は8%減少した。投資家から自己資本利益率(ROE)の向上を求められるという面でも、バランスシートが膨らむ融資には走りづらくなっている。 先行して信託業務への特化を進めてきたのが、法人融資を三菱UFJ銀行に移管した三菱UFJ信託だ。信託協会によると、三菱UFJ信託の投資信託受託残高はこの7年で2倍以上に増加した。17年3月時点では三井住友信託が上回っていたが、24年は三菱UFJ信託の145兆円に対して三井住友信託は80兆円と大きな開きがある。三井住友信託の残高はここ数年ほぼ横ばいだ。 三菱UFJ信託は世界戦略で資産管理を中核業務と位置づけており、23年には豪資産管理大手を約1000億円で買収することを決めた。長島巌社長は「より信託銀行らしいノウハウを生かせる業務に特化するため、融資の移管で余った資本を使って運用受託や資産管理会社を買収している」と話す。 一方、三井住友THが33%出資する資産管理銀行、日本カストディ銀行ではガバナンスが課題だ。三菱UFJ信託が大株主の日本マスタートラスト信託銀行と双璧をなす資産管理専業銀行だが、元取締役の業務などを巡り問題が発覚。4月に第三者委員会が報告書を公表し、その後日本カストディ銀は任意の指名・報酬委員会の設置などでガバナンスを立て直す方針を明らかにした。 報告書は日本カストディ銀について「金融市場の機能向上と家計金融資産の形成に果たす役割が極めて重大」と指摘する。三井住友THの経営にとっても重要な銀行だ。 三井住友THは資産管理などの残高を31年3月期に23年3月期比で7割多い535兆円(日本カストディ銀は除く)にする目標を掲げる。米ステート・ストリートや米バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)の管理資産は数十兆ドルだ。世界と戦うには資産管理のてこ入れが避けられない。【信託誕生100年の岐路】㊤野村HD、信託銀行を第4の柱に 投信受託でみずほ超え【関連記事】・100年目のリスキリング 「正社員7割、DX人材」への挑戦・みずほ信託、個人営業拠点を母店に集約 承継事業を強化・三菱UFJ信託、事業部門が人事原案作成 進む脱人事主導2024/09/11 06:11:26256.名無しさんZ4Imc株、自動車や銀行に売りか・三井住友DSの市川氏 3万6000円が下値メド2024/09/11 08:26 日経速報ニュース 市川雅浩・三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト 11日の東京株式市場で日経平均株価は続落し、3万6000円が下値メドとなりそうだ。10日の米市場で主要株価指数はまちまちだったが、外国為替市場での円高進行を受けて自動車株や機械株には売りが出そうだ。国内の長期金利も低下しそうで銀行株にも逆風になるほか、米原油先物の下げもあり原油関連株の売りにつながりやすい。 午前10時からは11月の米大統領選に向け、民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領の両大統領候補によるテレビ討論会が開かれるが、持ち高を大きく傾けるような展開にはなりにくいだろう。仮に法人減税を掲げるトランプ氏に勢いがあっても、対外的な強硬姿勢が政治的な不透明感として意識されやすい。ハリス氏の場合でも法人増税への懸念がある。11月の大統領選まで票読みの動きが続くだろう。 焦点は、日本時間11日夜に発表される8月の米消費者物価指数(CPI)だ。食品とエネルギーを除くコア指数の前月比の上昇率は0.2%と、7月と同程度と市場で予想されている。物価上昇が落ち着いていることが示されれば買い安心感につながりそうで、日米株にはプラスとなる。2024/09/11 09:15:59257.名無しさんbdBdt新NISAマネー、日本株シフト 円高・株安で8月30%増2024/09/13 02:00 日経速報ニュース 新NISA(少額投資非課税制度)口座での個人の買い付け額をネット証券5社に聞いたところ、8月は国内個別株が7月比30%増えた。日本株安に加え、円高で海外株や海外株投信の円換算での資産価値が目減りし日本株買いが膨らんだ。 日本経済新聞がネット証券5社(SBI、楽天、マネックス、auカブコム、松井)に個人顧客の8月の投資状況を聞き取りした。 8月の日本の個別株(上場投資信託=ETFなど含む)の買い付け額は前月比30%増の2835億円と5カ月ぶりの高水準だった。NISAは年初に枠上限まで買う層がいるため、例年1月の買い付け額が最も多く、その後は減少する傾向がある。 8月に日本株買いが進んだ背景には、株価水準が急速に切り下がったことがある。米景気減速への警戒感や日銀の利上げに伴う円高進行で日経平均株価は5日には過去最大の下げ幅を記録した。長期の資産形成に向けて積み立て投資する個人投資家にとっては押し目買いの好機となった。 買い付け額の上位にはトヨタ自動車(122億円)や三菱UFJフィナンシャル・グループ(114億円)など大型銘柄が並んだ。7月以前と顔ぶれに大きな変化はないが、買い付け額はトヨタやJTが7月比2.2倍、三菱UFJFGが3.0倍になった。 東海東京インテリジェンス・ラボの鈴木誠一チーフエクイティマーケットアナリストは「積み立てを前提にした『売らない買い』による買い支え効果は大きく、8月の急落後の反発にはNISA勢が一定程度寄与している」と指摘する。 海外株の買い付け額は7月比34%減の286億円、投信は14%減の4855億円だった。円高が進むと海外株の円ベースでの資産価値は目減りする。「相場の下落と円高で日本株の投資魅力が相対的に高まり、海外株から日本株に資金を振り向けた人が一定数いる可能性がある」(鈴木氏)という。 投資経験値の差が急落時の投資行動の差につながったとの声もあがる。 松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「日本株は伝統的な逆張り姿勢が鮮明なベテラン投資家が多い」と指摘。一方で、海外株は「2020年代以降に定着した銘柄が多く、株価下落や円高を経験したことがない投資家層が多い」と分析する。海外株の急落場面では「ろうばいし、買いを入れられなかった人も多いのではないか」とみる。 投資初心者を中心に人気を集めている世界の企業を幅広く組み入れた指数連動型投信「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の買い付け額は8月に1533億円と前月から12%減った。 フィデリティ投信が9月10日に発表した「フィデリティ・ビジネスパーソン1万人アンケート2024年」によると、世代別の新NISAを通じた投資先で日本の個別株に投資している人の割合が33%と最も高かったのは高齢層(53?64歳)だった。 若年層(28?36歳)の投資先として最も多いのは外国株投信(34%)で、日本個別株は27%だった。フィデリティ・インスティテュートの浦田春河首席研究員は「変動幅が大きい相場は割安な価格で優良な株や投信に投資する機会だと前向きに捉える考え方が重要だ」と指摘する。【関連記事】・日本株、株式分割で個人も買いやすく 米欧となお格差・新NISAで高配当株どう選ぶ 財務指標・還元方針を確認2024/09/13 03:16:07258.名無しさんHd6AC三井住友FG中島社長「日本経済、再成長あっての金利復活」-金融ニッポン・トップに聞く①2024/09/19 05:00 日経速報ニュース 日銀が金融政策を転換し、日本経済は「金利ある世界」に一歩踏み出した。金利上昇は金融機関経営に追い風になる半面、低金利に慣れた経済には痛みも伴う。相場やビジネス環境はどう変わり、どこに商機を見いだそうとしているのか。10月2日に開く「金融ニッポン」トップ・シンポジウムに登壇する5人のトップに聞く。初回は三井住友フィナンシャルグループ(FG)の中島達社長。 ――金利ある世界に戻ることに伴う日本経済全体への影響は。 「日本経済がいよいよ再成長へ向けて動き出した。それがあっての金利の復活だ。企業のトップと会っても、みな自信を深めている。勝つための投資を考えており、前向きな資金需要も大きくなっている」 「一方、日本企業は必ずしも金利上昇への耐性があるところばかりではない。中堅・中小企業に対しては一定程度、重荷になるリスクはある。住宅ローンも変動型金利で借りている個人はけっこう多い」 ――負担がかかるセクターにはどのように取り組んでいきますか。 「金利がないことでサポートされてきた中小・零細企業が一定程度あるのは事実だ。新型コロナウイルス禍には企業倒産件数が減った。金利がつき、政府支援が終わると企業倒産が増えるのはやむを得ない」 「一方で人手不足は深刻だ。従業員がより生産性高く働けるセクターにシフトするのは長い目で見れば日本経済にとって良いことだ。留意すべきは、企業倒産が増えても、こうしたシフトが進むように従業員を保護して、新しい仕事に就けるようなリスキリングをサポートしていくことが金融機関としても必要だ」 ――この先の相場をどう展望しますか。 「人手不足に伴う賃上げの動きは大企業から中小企業までかなり続くとみており、インフレ圧力は強まっていく。2%近い物価上昇が長い期間見通せる前提で考えれば、日銀は政策金利を1%くらいまで上げる方向で考えているのではないかと思う。米国の利下げ転換も踏まえれば、円安リスクというのは大きくないのではないか」 ――三井住友FGは2025年3月期の連結純利益が1兆円の大台に乗る見通しを公表しています。「金利のない世界」でどのような取り組みをしてきたのでしょうか。 「三井住友FGが発足してからずっと金利のない世界で奮闘してきた。業務のウイングを拡大することで補ってきた。それは事業の多角化であり海外ビジネスの拡大だ。コストベースの引き下げにも一生懸命取り組んできた。それがいまの好業績につながっている」 「最初は3メガバンクで3位だった時価総額も今はしっかり2位で、トップとの差も着実に詰めている。今期の純利益見通しは1兆円だが、1兆円で満足しているわけにもいかないので、これをしっかり伸ばしていくのが私の使命だ」 ――金融は国力と直結しており、アジアを含めて各国とも保守的な傾向が強まっています。グローバルでのビジネス環境をどうみていますか。 「この夏もアジアの国々をまわったが、必ず『もっと日本から投資してほしい』と言われた。日本企業に対する期待は非常に大きい。たしかに各国が自国の利益優先に傾いている感じはあるが、歴史を振り返ると、国際協調で豊かになってきた。あまり心配していない」 ――富裕層ビジネスの戦略は。 「貯蓄から投資への流れが出てきており、いよいよチャンスが来たなと思っている。気をつけているのは短期的な売買を勧めて手数料をいただくようなやり方はダメだということ。収益水準は落ちても、長い目で着実に資産が増える提案をする。幸い、SMBCグループのファンドラップ残高は首位になった。海外の運用力強化が課題だ」2024/09/19 06:44:47259.名無しさんyUdHE<東証>銀行株が高い FRB大幅利下げも米金利が上昇2024/09/19 14:21 日経速報ニュース (14時20分、プライム、コード8306など)銀行株が高い。三菱UFJは前日比47円50銭(3.35%)高の1465円を付けた。米連邦準備理事会(FRB)が18日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.5%の大幅利下げを決めた。ただ、今後の利下げペースは緩やかになるとの見方から、同日の米国債は下落(金利は上昇)した。9月に入り、銀行株は米利下げによる運用収益の悪化を意識した売りに押される場面が目立っていたとあって、見直し買いが入っている。 三井住友FG(8316)、みずほFG(8411)も高い。外国為替市場でもFOMCを巡る思惑的なドル売りなどで一時1ドル=139円台まで円高・ドル安が進行していた。市場では「過度な織り込みが進んでいただけに、米利下げ決定後に円売りと米長期金利上昇という教科書的な動きとは逆の展開となった。銀行株も会合前から収益減を警戒した売りが出ており、きょうは買いやすいのだろう」(国内中堅証券)という声があった。2024/09/20 01:49:53260.名無しさんfvVgYさてピークはいつかな?2024/09/26 19:59:02261.名無しさんtUK9J東証10時 日経平均、弱含み 一時1800円超安 前週の大幅高の反動続く2024/09/30 10:23 日経速報ニュース 30日前場中ごろの東京株式市場で日経平均株価は弱含み、前週末比1650円ほど安い3万8100円台後半で推移している。27日の取引終了後自民党の新総裁に石破茂氏が選出された。石破氏は投資家や企業への課税強化に対して前向きな姿勢を示していたことから株式市場では経済政策への警戒感が強く、目先の不透明感を嫌気した売りが引き続き優勢となっている。外国為替市場での円高・ドル安基調も輸出関連株の売りを促している。日経平均の下げ幅は10時前に1800円を超える場面があった。 日経平均は前週(24?27日)に週間で2105円(5.58%)上昇していた。米経済のソフトランディング(軟着陸)観測が高まっていたほか、週末には積極財政の高市早苗氏の自民党総裁選での勝利が意識され円安・株高が急激に進んだため、その巻き戻しの動きが大きくなっている。テクニカル分析上で中期トレンドを示す75日移動平均線(3万8293円、27日時点)を割り込んだことも売りに拍車をかけた。ただ、心理的節目の3万8000円近辺では押し目買いを入れる動きもある。 10時現在の東証プライムの売買代金は概算で1兆7211億円、売買高は7億9454万株だった。 ソフトバンクグループ(SBG)が一段安。東エレクやアドテスト、ファストリが下落した。一方、ニトリHDが高い。三井住友FGやみずほFGなど銀行株の上昇が引き続き目立つ。2024/09/30 11:21:11262.名無しさんtUK9J日経平均1910円安 石破新総裁、初日は「最大の下げ」-桝田大暉2024/09/30 15:06 日経速報ニュース 30日の東京株式市場で日経平均株価が大幅に反落し、節目の3万8000円を下回った。自民党の総裁選で石破茂氏が勝利し、高市早苗氏の勝利を見込んだ「円安・株高トレード」が逆回転するとともに新政権の政策への不安が広がっている。日経平均は自民党総裁選後の初日の取引としては1990年以降、最大の下落率となった。 30日の終値は前週末比1910円(4.8%)安の3万7919円だった。 大幅安について、市場では「高市トレード」の逆回転が指摘されている。前週の日経平均は週後半に大きく上昇し、26日と27日の2日間で1959円(5%)上げた。金融緩和的な政策と「アベノミクス」の継承を掲げる高市氏の勝利を織り込んだ「円安・株高トレード」が水準を押し上げた反動が強い。 さらに、石破新政権の政策への不透明感も漂っている。りそなアセットマネジメントの戸田浩司シニア・ファンド・マネージャーは「総裁選の結果が出る前に思惑で上げた分がはがれ落ちた。政策の方向性が十分には見えていない石破氏への警戒感もある」と話す。 日本時間28日早朝の大阪取引所の夜間取引で日経平均先物は急落し、12月物は前日の清算値に比べ2410円安い3万7440円で終えた。この水準に比べると30日午前の日経平均は踏みとどまっている。背景の一つとされるのが石破氏の「軌道修正」だ。 石破氏は27日のテレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」で経済対策などについて「必要であれば財政出動する。当然のことだ」と主張。金融所得課税の強化について「少額投資非課税制度(NISA)に代表される貯蓄から投資への流れは加速しなければならない」と表明した。 和キャピタルの村松一之運用本部部長は「課税強化を警戒したマーケットに配慮した格好で、投資家の過度な不安はいくぶん和らいだ」と指摘する。その上で、「報道される党幹部の顔ぶれをみると緊縮財政の意向がうかがえる。いまは爪を隠しているだけかもしれない」となお警戒する。 石破相場は多難な船出となった。自民党総裁選後の初日の取引を振り返ると、1990年以降では、2003年の小泉純一郎氏再選の際の4.24%安(終値ベース)が最大だ。30日午前の下落率4.8%はこれを上回る。 2003年の当時は主要7カ国(G7)会議が為替介入をけん制したことによる円高進行が日経平均を下押しした。下落率2位は1999年の小渕恵三氏の総裁再選時の3.39%安で、日銀が量的緩和を見送ったことで円高が進んだ。石破氏勝利で円高・株安となった今回を含めて、3例共通して為替相場の変動が打撃になっていることがわかる。 石破氏は週末のテレビ番組などで「金融緩和を継続する」と発言しており円高進行への市場の不安感を一定程度払拭した。ただ、市場では追加利上げを意識する動きもある。それを示したのが30日の銀行株の上昇だ。 三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループを中心に銀行株はこの日軒並み逆行高となった。日銀の利上げは銀行にとって利ざやの拡大につながる。為替相場も円高圧力が強く午前は1ドル=142円台で推移していたが、午後に入り141円台に上昇した。 市場には冷静な声も多い。足元で世界に目を移すと、米国は利下げ転換に動き、中国は景気のてこ入れに金融緩和策に動いた。和キャピタルの村松氏は「米中が世界景気を下支えするため、本来は株式市場が崩れる環境ではない」と話す。 「日本の脱デフレの方向性は現時点で大きく変わったわけではない。また、解散・総選挙も近く視野にあり、過去の経験則のように株価が上昇する可能性がある。今日の下げは短期的な買い場を投資家に提供した」(大和証券の坪井裕豪日米株チーフストラテジスト)との声もある。 りそなアセットの戸田氏は「石破氏が短期的に実施すべきことと、中長期で掲げる理想が混在しており、いまはすべてを織り込むことはできない。投資家は今後の行方をじっくり見極めることになる」と話す。【関連記事】・石破新政権、株・円・金利どう動く 市場は早期解散に期待・10月株価は荒れやすい 米中「景気重視」、市場「政策注視」・日経平均大幅反落 午前終値1849円安の3万7980円2024/09/30 15:11:54263.名無しさんtqeq5三井住友FG系インドネシア銀、名称「バンクSMBC」に2024/10/01 日本経済新聞 朝刊 三井住友フィナンシャルグループ(FG)傘下でインドネシアで銀行事業を手掛けるバンクBTPNは10月にも行名を「バンクSMBCインドネシア」に変更する。前身の「年金貯蓄銀行(BTPN)」に由来する名前からブランドイメージを刷新する狙いがある。 現地の金融当局の認可を前提に行名を変更する。ブランドの一元化にあわせて三井住友銀と連携を強める。出資先の商業銀行が「SMBC」のブランドを冠するのは初めてとなる。2024/10/01 06:44:49264.名無しさんbTRp9自社株買い進化論(下)「稼ぐ力」と両輪欠かせず、ROE、資本コスト超えカギ2024/10/02 日本経済新聞 朝刊 「マイナス金利時代でさえ最高益を達成しているという安心感があり、今後も株主還元を積極的にしてくれるはず」。都内の女性翻訳家は9月三井住友フィナンシャルグループ株を2回にわたり計200株買い増した。累進配当の導入に加え大規模な自社株買いへの積極姿勢が決め手だった。 自社株買いは株高を導く要因の一つになった。JPモルガン証券は2024年3月期に約10兆円の自社株買いが東証株価指数(TOPIX)構成企業の自己資本利益率(ROE)を0・2ポイント押し上げたと試算する。資本効率改善への期待が海外投資家の背中を押した。 株高効果には一定の持続力がある。野村証券が9月末までの1年間に自社株買いを発表したTOPIX500構成企業を分析したところ、発表20日後もTOPIXの値動きを1・3ポイント上回った。 都内の男性(50)は9月、サンケン電気株を新規に2500株購入した。同社は7月、子会社株売却で得た資金の一部を自社株買いにあてる方針を示しており、株価上昇を先回りする狙いだ。 自社株買いへの注目はプロも同じ。大和アセットマネジメントで「日本企業PBR向上ファンド」を運用する須田浩仁シニア・ファンドマネージャーは「自社株買いを継続的に実施している企業は(将来の成長への)信頼度が高い」と話す。キャッシュを生み出し続ける力の証左になるためだ。 中長期的に自己資本利益率(ROE)を押し上げるには、還元だけでなく成長投資による「稼ぐ力」の向上も欠かせない。 米運用大手のファースト・イーグル・インベストメンツなど海外機関投資家が大株主に名を連ねる厨房機器大手のホシザキは5月、08年の上場後初となる100億円の自社株買いを発表した。羅針盤となったのは資本効率改善に向け26年12月期までの5カ年で株主還元に約650億円、成長投資に約1750億円を投じる中期計画だ。国内外の販売好調を背景に、23年末時点の現預金は2500億円強と総資産の55%まで積み上がっていた。 自社株買い発表の翌営業日に株価は一時11%高となり分割考慮後の最高値を付けたが足元では最高値より2割安い。小林靖浩社長は「一時的な株価上昇のための自社株買いは効果がない。成長投資を第一としつつ、株価を意識しながら自社株買いを機動的に実施していくことが必要だ」と語る。 統合報告書で「資本コストは6~7%」としており、前期のROEは10・6%とこれを上回った。今後も資本コストを上回るROEを持続的に達成するため、新製品開発や海外での増産に加えM&A(合併・買収)にも積極的に取り組む方針だ。 日本企業の株主還元にはまだ拡大余地がある。QUICK・ファクトセットによると、純利益から自社株買いと配当にどれだけ振り向けるかを示す「総還元性向」は直近決算期の日本企業が50%だったのに対し、米S&P500種株価指数構成企業は81%だった。 「日本企業は10年後を見据えた投資ができておらず、安易に配当や自社株買いに流れている」(一橋大学大学院の藤田勉客員教授)との指摘もある。市場は積極的な株主還元だけでなく、成長戦略との両輪を求めている。2024/10/02 06:23:58265.名無しさんN0AjLOpenAI、借入枠5900億円を設定 三井住友銀など9行と2024/10/04 04:56 日経速報ニュース 【シリコンバレー=山田遼太郎】米新興企業オープンAIは3日、米JPモルガン・チェースや三井住友銀行など9行と40億ドル(約5900億円)の借入枠を設ける契約を結んだと発表した。2日に実質的な増資でソフトバンクグループ(SBG)などから66億ドルの資金調達を発表した。負債も使って人工知能(AI)開発への投資を急ぐ。 一定期間、限度額内で繰り返し借り入れできる「リボルビング・クレジット・ファシリティ」の仕組みを使う。ゴールドマン・サックスやシティグループ、モルガン・スタンレーといった米金融大手や、英HSBC、スイスのUBSも融資する銀行団に参加した。 オープンAIのサラ・フライア最高財務責任者(CFO)は声明で「借入枠は当社のバランスシートを強化し、成長機会をつかむための柔軟性を提供する」と述べた。銀行団の多くはオープンAIの顧客でもあるという。 同社は対話型AIの「Chat(チャット)GPT」を手がけ、生成AIの開発競争で先行する。AIの高度な計算にはコンピューターを大量に使うため、クラウドサービスの利用料が膨らむ。クラウドの利用料金が開発費の多くを占め、年数十億ドルの赤字を計上している。 投資資金を確保するため、ベンチャーキャピタル(VC)の米スライブ・キャピタルや米マイクロソフト、米半導体大手エヌビディアなどから66億ドルを調達したと2日に発表した。 オープンAIは資金調達の条件を明らかにしていないが、新株予約権付社債(転換社債=CB)の仕組みを使ったとみられている。 同社は非営利組織(NPO)が傘下の営利企業を支配する特殊な組織構造だ。これまで、マイクロソフトなどの投資家はオープンAIから利益の分配を得る権利を持つものの、オープンAIの株式を保有しないと説明してきた。投資家が得るリターンに上限を設け、超過分はNPOに寄付する仕組みとしていた。 オープンAIは営利企業を主体とする体制への変更を検討している。再編が完了すると、今回の資金調達ラウンドの投資家はオープンAIの株式を得るもようだ。【関連記事】・OpenAI、9600億円調達 NVIDIAやソフトバンクGが投資・ソフトバンクG孫氏「OpenAI新モデル、思考力持つ進化」・OpenAIが1兆円調達 生成AI「勝者総取り」の規模追求へ2024/10/04 14:05:18266.名無しさんFdRhb債券寄り付き 長期金利、0.910%に上昇 1カ月ぶり高さ2024/10/07 09:19 日経速報ニュース 7日朝方の国内債券市場で、長期金利が上昇(債券価格が下落)している。指標となる新発10年物国債の利回りは前週末比0.030%高い0.910%と9月3日以来およそ1カ月ぶりの高水準をつけた。米雇用情勢が市場の想定する以上に堅調だとの見方から米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げ観測が後退。米金利の先高観が強まり、国内の長期金利にも上昇圧力となっている。 4日発表された9月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数が前月比25万4000人増と市場予想を大きく上回った。失業率は4.1%と8月(4.2%)から低下し、平均時給の伸びも市場予想を超え、米景気がソフトランディング(軟着陸)するとの期待感が高まった。4日には米長期金利の指標となる米10年物国債利回りが一時3.98%と2カ月ぶりの高水準をつけ、国内債の先物の売りにつながった。 外国為替市場で円安・ドル高が進んでいるのも国内債相場の重荷となっている。7日早朝に円相場は一時1ドル=149円台前半と約1カ月半ぶりの安値をつけた。円安進行は輸入物価の上昇を通じ国内のインフレ圧力となるため、日銀の追加利上げを後押しするとの見方が改めて広がり、国内債の売りを促している。 債券先物相場は大幅続落した。中心限月の12月物は前週末比35銭安の144円33銭で寄り付いた。その後は144円24銭まで下げ幅を広げる場面があった。 短期金融市場では無担保コール翌日物金利(TONA)先物が下落している。大阪取引所では中心限月となる12月物が前週末の清算値と比べ0.0175安い99.6725をつけた。2024/10/07 09:28:29267.名無しさんFdRhb<東証>三菱UFJが1カ月ぶり高値 長期金利上昇で2024/10/07 13:06 日経速報ニュース (13時5分、プライム、コード8306)三菱UFJが続伸している。前週末比70円(4.72%)高の1550円まで上げた。9月4日以来およそ1カ月ぶり高値となる。4日発表の9月の米雇用統計をきっかけに米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げ観測が後退し、米長期金利が一時は3.98%と8月上旬以来、約2カ月ぶりの高水準を付けた。国内の長期金利も上昇しており、銀行株に利ざやや運用収益の改善を期待した買いが入った。第一生命HD(8750)など保険株も高い。 三菱UFJは7月5日に1849円50銭で年初来高値を付けてから伸び悩んでいた。日銀による早期の追加利上げの観測が後退したことが重荷となっている。市場では銀行株について「日銀の追加利上げの観測が強まれば、見直し買いの機運がさらに高まってくる」(ニッセイ基礎研究所の前山裕亮主任研究員)との声がある。2024/10/07 13:32:24268.名無しさんOfhxm金融株軒並み上昇、米金利高、業績に恩恵期待2024/10/08 日本経済新聞 朝刊 7日の東京株式市場で銀行株などの金融株が軒並み高となった。日経平均株価は続伸し、前週末の4日に比べて上げ幅は一時900円を上回った。前週末発表の9月の米雇用統計が堅調な内容となり、「世界景気の敏感株」とされる日本株の再評価につながった。なかでも米金利高を受けて、日本でも金利高が業績改善期待につながる金融株の値上がりが目立った。 9月の米雇用統計は、雇用者数の伸びや失業率、時給の伸びとそろって好調さを示した。これを受けて前週末の米国市場では主要株価指数や金利が上昇し、為替市場では円安・ドル高が進んだ。週明け7日の東京株式市場では、輸出関連やインバウンド(訪日外国人)関連に買いが入った。 もっとも、この日の主役は金融株だった。業種別日経平均株価で「銀行」は4%高、「保険」は3%高と全36業種のうち1位と2位に並んだ。 T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジストは「米景気の底堅さを確認し、日銀による年内の利上げに向けて一歩前進した」と指摘する。特に銀行にとって金利上昇は融資の利ざや改善につながるため、業績期待につながる。 金融株のなかでも地銀株の上昇が目を引いた。ほくほくフィナンシャルグループとちゅうぎんフィナンシャルグループはともに一時7%高となり、終値でも5%以上の上昇率となった。 アイザワ証券の三井郁男投資顧問部ファンドマネージャーは「地銀各社が地方企業の再生に力を入れていくと発信してきた中で、石破茂首相の地方創生に取り組むとの表明がプラス効果になった。バリュエーション(投資尺度)も割安で循環物色の対象となりやすい」と指摘する。 もっとも、日経平均は7日に3万9000円台を回復したが、取引終了にかけて上げ幅を狭める展開となった。8月急落後の戻り高値である3万9829円(9月27日)を上回るか市場には懐疑的な声も多い。 農林中金全共連アセットマネジメントの中尾真也ファンドマネージャーは「世界景気は回復を探ると考えつつも、足元では『全力リスクオン』になりきれない」と明かす。 中尾氏が警戒するのが、中間決算発表を控える個別株の動向だ。前週末に2025年2月期の予想営業利益を下方修正した安川電機は一時2%安に沈んだ。中国需要の回復が鈍い。3月期決算企業の中間決算に先駆けて決算を発表する安川電は各国の設備投資動向や景況感を占うとして注目度が高い。 中尾氏は、安川電の決算について「受注は期待に届かない内容で、世界景気の本格回復を織り込むには不足」と評し「下期回復を前提に業績予想を立てている企業が多いなか先行き不透明感は強い」と話す。 7日に大幅高となった金融株だが、日経平均の上値の重さが今後に一段と目立ってくるようだと、その流れにつられて利益確定などの売りに押される展開も想定される。2024/10/08 06:26:45269.名無しさんFuHdhJPX総研、「TOPIX銀行業高配当指数」算出開始 12月16日から2024/10/16 16:51 日経速報ニュース 日本取引所グループ(JPX、8697)のJPX総研は16日、東証業種別株価指数「銀行業」構成銘柄のうち、配当実績の高い15銘柄で構成する「TOPIX銀行業高配当指数」を12月16日から算出・公表すると発表した。12月13日を基準日とし、基準値は1000とする。銘柄の定期入替は、年1回で、7月最終営業日に実施する。 構成銘柄には、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)や三井住友フィナンシャルグループ(8316)、みずほフィナンシャルグループ(8411)などメガバンクに加え、ゆうちょ銀行(7182)やセブン銀行(8410)などが組み入れられる予定だ。2024/10/17 06:06:29270.名無しさんD5IVV三井住友FG、過払い金一括引き当て 負の遺産一掃へ2024/10/31 20:30 日経速報ニュース 三井住友フィナンシャルグループ(FG)は2024年4?9月期の連結決算で、過去に顧客が払いすぎた利息を返す「過払い金返還」の費用を一括計上する。費用は1000億円規模で調整している。06年以降、消費者金融各社の業績を圧迫してきた「負の遺産」の最終処理と位置づけ、デジタル分野に集中投資する方針だ。 消費者金融「プロミス」を運営するSMBCコンシューマーファイナンス(CF)の利息返還引当金を計上する。これまでに計上した引当金とあわせ24年3月期の過払い金返還に支出した額の約9年分となる。過払い金の返還請求は年々減り、24年3月期は前の期に比べて2割縮小した。 過払い金の時効は取引完了時点から数える。SMBCCFは07年に貸出金利を下げているものの、借り換えて取引が完了していない顧客も残っている。その分の請求が一定程度続いており、費用計上が必要になっている。 三井住友FGは11月14日に24年4?9月期連結決算を公表する。同社は4?6月期の時点で純利益が前年同期比で約5割増の3713億円となり、1兆600億円の通期予想に対して業績が堅調に推移している。4?9月期でも政策保有株式の売却益や国内の金利上昇で預貸金収益の拡大が下支えし、業績の上振れ分で引当金の計上費用は吸収できる公算が大きい。 過払い金は顧客が消費者金融業者に払い過ぎた利息を指す。かつて各社は旧出資法の上限金利(年29.2%)の範囲で利息制限法の上限金利(年15?20%)を超えた金利の貸し付けを実行してきた。利息制限法を超える金利での貸し付けを事実上認めない判断を下した06年1月の最高裁判決を境に、金利の返還を求める訴訟が急増した。 過去にはアコム、アイフルを含む大手3社で年2000億?3000億円の返還金の支払いがあった。24年3月期でも支払額は合計で500億円強に達する。日本貸金業協会によると、業界全体の返還額は8月で月50億円ほど。武富士が経営破綻した10年と比較すると10分の1ほどの規模だ。 債務者の請求が支払いの起点となる過払い金の請求は、消費者金融大手の経営上の不安要因になってきた。法律事務所が過払い金請求を呼びかけるテレビCMを放映するなどの外部要因で業績が圧迫されるためだ。近年ではアコムが19年3月期決算で過払い金請求への引き当てを主因に、業績予想を200億円規模で下方修正した経緯がある。 三井住友FGは引当金の計上を機に、消費者金融事業でデジタルを軸に積極的な投資へ転換したい考えだ。生成AI(人工知能)を顧客対応で利用できないか探るほか、将来的に総合金融サービス「オリーブ」との連携も視野に入れる。過払い金の返還が数年単位で費用がかかるデジタル投資をためらわせる要素になっていた。 SMBCCFは10月に三井住友FGのノンバンク事業の再編で持ち株会社から三井住友カードの傘下に移し、両社の事業を一体的に運営できるようにした。SMBCCFは24年3月期で三井住友FGのリテール事業の業務純益の4割を占め、コロナ禍以降の「リベンジ消費」に伴う新規顧客の増加もあって市場が拡大している。 ただ、LINEクレジットの「LINEポケットマネー」が24年に累計貸付額が2000億円を超えるなど、個人向け金融サービスはスマートフォンで顧客をつかむIT(情報技術)など異業種の攻勢が激しい。消費者金融はなおテレビCMなど旧来型の顧客獲得手法に依存している面がある。スマホ時代にあわせた事業モデルの確立が急務となっている。【関連記事】・三井住友FG、フィンテックと法人決済 100億円出資・過払い金返還いつまで? 「最後の返済」後10年で消滅2024/11/01 02:09:00
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-09/SG5ABFT0AFB400
日本銀行が9日午後に開催した債券市場参加者会合では、メガバンク3行と複数の証券会社が、日銀に国債買い入れの積極的な減額を
求めた。複数の関係者への取材で分かった。
関係者によると、銀行との会合で、三菱UFJ銀行と三井住友銀行、みずほ銀行の3行のうち、1行が早い段階で大きく一気に減額すべきだ
と発言。別の1行は最終的に月間1兆円への減額を主張し、もう1行は3兆円に減額すべきだと述べた。地銀からはより慎重な姿勢が示され
たという。メガ3行の広報担当者はいずれも、コメントを差し控えると回答した。
また、証券会社などとの会合では、複数の社が8月に即時に3兆円に減額した上で1年間継続するよう要望したほか、1年をかけて徐々に
3兆円に減らすことを求めた社も複数あったという。日銀は現在6兆円程度を毎月買い入れている。
日銀は6月に国債購入の減額方針を決定。市場の意見は30、31日の金融政策決定会合で決める「今後1-2年程度の具体的な減額計
画」を議論する上で重要な材料となる。きょうの会合では減額の幅やペースに関する日銀の情報発信や参加者の意見が注目を集めていた。
日銀は具体的な減額計画を提示しなかったが、参加者からは積極的な姿勢が示された形だ。
日銀は会合を開催した経緯やヒアリングで寄せられた意見などについて説明した上で、参加者の意見を聞いた。日銀からは金融市場局長
や市場調節課長らが出席。10日には機関投資家からも意見を聞く。会合の議事要旨を作成する予定だが、公表日は未定という。通常はお
おむね3週間後に公表されている。
植田和男総裁は6月会合後の記者会見で、「減額する以上、 相応な規模になる」との見解を表明。ブルームバーグがその後実施したエコ
ノミスト調査では、まず5兆円程度に減額し、半年ごとに段階的に縮小して、2年後に3兆円程度まで圧縮する姿が中心的な見方となった。
それ以上の減額となれば、市場にインパクトを与える可能性がある。
ニッセイ基礎研究所の福本勇樹金融調査室長は、債券市場参加者会合の焦点は「買い入れ額を見極めるためにマーケットがどれくらいの
国債発行分をカバーできるかをヒアリングし、懸念点を解消することにある」と指摘。各社にどれくらいの年限でいくら買えるかを質問するとみて
おり、「重要な2日間になる」と述べた。
鈴木俊一財務相は9日午前の閣議後会見で、債券市場参加者会合に関する記者からの質問に対し、協議の場について具体的に説明を受
けている訳ではないとした上で、「ある意味、重要な協議」であり、その行方を「注意深く見ていきたい」と語った。特に財務省側から要望する
ことはないとも述べた。
追加利上げ
日銀の減額方針を踏まえて、財務省は国債の発行年限を短期化することで、日銀に代わる買い手となり得る銀行が保有しやすい環境を整
えるなどの対応に動き出した。国庫短期証券を除く日銀の国債保有割合が過半を超える中、日銀の購入減は市場に大きな影響を与え得る
要素になっており、植田総裁は減額に際して「市場参加者の意見等も伺って、丁寧に進めたい」としている。
次回の決定会合を巡っては、今月初めに38年ぶりの水準となる1ドル=162円台寸前まで進んだ円安による物価の上振れリスクなどを背景
に、国債買い入れの減額計画と同時に追加利上げを決めるとの見方も市場に浮上している。
大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは8日付リポートで、債券市場参加者会合に関して「日銀からある程度の目線を提供する
ことが期待される」と指摘。その上で、金融政策運営について「市場が減額内容を十分に織り込めば、追加利上げの検討を俎上(そじょう)に
載せやすいだろう」とみている。
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(会合に関する関係者情報を追加して更新しました)
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2024/07/11 22:07 日経速報ニュース
11日のニューヨーク外国為替市場で円が急激に上昇した。一時1ドル=157円60銭前後と、6月20日以来3週間ぶりの円高・ドル安水準を
付けた。11日に米労働省が発表した6月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、幅広い通貨に対してドル安が進んだ。足元で円売
りが歴史的な水準まで膨らんでいたため、円を買い戻す動きも強まった。
6月の米CPIは総合指数(季節調整値)で前月比0.1%下落と、市場予想(0.1%上昇)と比べて下落に転じた。米連邦準備理事会(FRB)
が早期に利下げに動くとの見方が強まり、米金利が急低下。日米金利差の縮小を受けた円買い・ドル売りが膨らんだ。
円はCPI発表前には161円台半ばで推移しており、発表後に4円超も円高・ドル安が進んだ。投機筋による円売りが膨らんでいたため、CPI
の下振れを受けて円を買い戻す動きが一気に強まった。37年半ぶりの円安水準で政府・日銀が為替介入に動くとの警戒感も根強く、円買い
がさらなる円買いを呼ぶ展開となった。
2024/07/12 09:44 日経速報ニュース
11日のニューヨーク外国為替市場で円相場が急伸した。一時1ドル=157円台半ばとこの日の安値の161円70銭台から4円強も円高・ドル安
方向に振れた。市場予想を下回った6月の米消費者物価指数(CPI)で円の弱気派の腰が砕けかけたところに、日本政府・日銀の為替介入が
疑われる大量の円買いが入った。前週から急速に円売りの持ち高を増やしてきたヘッジファンドなど投機筋は深い傷を負った可能性が高い。
市場参加者は円が急伸した直後、日本の当局の介入について半信半疑だった。だが、財務省の現場責任者である神田真人財務官がそう間
を置かずに省内でメディアに対応し、空気が変わった。神田氏は日本時間の11日夜、「介入の有無についてはコメントする立場にない」と語った。
相変わらず煙に巻いたものの、市場では「介入を実施した可能性は高い」との見方が広がった。
米国でCPI発表など相場を動かしやすい材料があった後に介入観測が出るのは、5月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表後
に円が急速に買われて以来だ。この時もイベントに便乗するかのような動きに多くの市場参加者は意表を突かれた。米国の庭先で暴れ回った
円買いには当時、「米当局の立場を考えれば同じ手はもう使えないのではないか」との声も出ていた。それだけに、もし今回も円買い介入があっ
たとすれば、マーケットにとっては完全な不意打ちだったといえる。
もちろん効果は大きかった。米CPIの発表前、ファンド勢はかなり極端な円売りに傾いていた。CPIで浮足だったコンピューターは介入絡みかも
しれない想定外の円買い注文に惑わされ、損失覚悟の円買いを急いだ。対ドル以外でも膨らませていた円売りの持ち高解消も進んだ。
日米の金利差や実需などを考慮すれば11日の円高はオーバーシュート(行き過ぎ)の域に入る。円の上値では、日本で外為証拠金(FX)を手
掛ける個人が戻り待ちの円売りに傾いたほか、過去に介入期待で積み上がっていた円の買い持ち高整理を加速させる場面がみられた。
米国では利下げ観測が改めて強まっているものの、開始時期は早くても9月と予想されている。利息収入を狙う投資家がすぐに撤収するわけ
ではない。
次の焦点は日銀の出方だ。介入が日銀の政策修正までの時間稼ぎである構図は何も変わらない。「円安一服で余裕が生まれ、政策正常化
の歩みを緩めてしまっては元の木阿弥になりかねない」(バルタリサーチの花生浩介氏)。次回の金融政策決定会合の重要性は再び高まって
きた。
2024/07/13 日本経済新聞 朝刊
アシックスは12日、三菱UFJフィナンシャル・グループやロート製薬など自社が保有する政策保有株式を2024年中にすべて売却すると発表
した。併せて三井住友銀行や三菱UFJ銀行などが保有するアシックスの株式も国内外で売り出す。海外の機関投資家などから日本企業の慣
習として批判を受けてきた株式の持ち合いの解消を進める。
日本企業は投資目的ではなく取引先などとの関係を維持するなどの狙いから政策保有株を持ち合ってきた。ただ、利益を生みにくく資本効率
を悪化させることから海外投資家の批判が強く、23年に東京証券取引所が上場企業に資本コストを意識した経営を求めたこともあり、持ち合い
解消の動きが進んでいる。
アシックスも協業相手のロート製薬、取引先のイオンやゼビオホールディングスなどグループで25の上場企業の株式を保有してきた。12日に
開いた取締役会で全ての政策保有株式の売却を決め、24年中に実際に売却する。6月末の株価で計算すると売却額は総額約110億円で、
約70億円の売却益が出るという。
広田康人会長兼最高経営責任者(CEO)は12日の会見で「安定株主はいなくなるが、緊張感のある経営をしていく」と語った。海外売上高比
率は8割を超えており、「グローバルな資本市場に正面から向き合っていく」とする。今後も政策保有株は持たない方針だ。
12日には三菱UFJ銀行やノーリツなど国内15社が保有するアシックスの株式を売り出すことも決めた。最大で発行済み株数の11%にあた
る8500万3900株を売り出す。売り出し価格は今後決まるが、12日終値で計算すると約2180億円。アシックス側から金融機関や事業会社
に政策保有株の売却を求めた。
損保や生保では損害保険ジャパンや明治安田生命保険がアシックス株を全て手放すかたちになる。このほか三菱UFJ銀や三井住友銀、み
なと銀行など金融機関のほか、竹中工務店や上新電機なども売却する。23~26日のいずれかの日の終値から最大で1割の割引価格で売り
出す。
株式売り出しの半分は米国など海外市場で実施する。アシックスの株主に占める海外機関投資家の比率は23年12月末で40.7%だが約
46%に高まるとみている。アシックスは7月1日に1株を4株に分割し、個人投資家も買いやすいようにした。国内での売り出しは新しいNISA
(少額投資非課税制度)などを活用した個人投資家の保有を期待する。個人投資家の比率も昨年末の9.6%から15%程度まで高めたい考
えだ。
2024/07/14 05:00
日銀は9?10日、7月末に決める国債買い入れの減額の仕方を巡り、市場参加者の意見を聞く会合を開いた。国債の保有余力を期待される
銀行だが、業界内でも温度差が大きい。各行の願望のような提案が寄せられたため全方位が納得する正解はなく、正常化に向けた国債市場
の「日銀離れ」は難路が予想される。
「忌憚(きたん)のない意見をお聞きしたい」。非公開で開かれた会合では日銀の藤田研二金融市場局長が口火を切った。複数の参加者に
よると「意見を聞く」という言葉通り、日銀から具体的な案が示されることはなく、コンセンサスを形成しようという意思も感じなかったという。
日銀は異次元緩和を終えた後も月6兆円程度で国債買い入れを続けてきたが、正常化に向け、6月に開いた金融政策決定会合で買い入れ
を減額する方針を決めた。7月30?31日に開く決定会合で今後1?2年程度の具体的な減額計画を決めるため、今回、市場参加者から話を聞
いた。
会合は①銀行②証券会社③生損保らバイサイド――の3グループに分けて開いた。特に銀行などの「預金取扱機関」は、異次元緩和を始め
る前の時点で全体の4割を占める最大の国債保有主体だ。日銀が買い入れを減らしていく過程で、代わりに購入する役割を担うとの期待があ
るが、銀行グループ内でも主張が割れる展開になったようだ。
「ゆるやかな減額では買いにくい」「大規模に減額すべきだ」。複数のメガバンクは大胆な決断を求めた。減額の規模感も、足元の月6兆円程
度から月1兆?1.5兆円まで減らす提案だったという。金利上昇を見込んで国内債の保有を落としてきており、金利の天井が見えれば投資余地
があるとアピールしたというわけだ。
複数の地銀も参加していたが、温度差があったとの証言もあった。日銀の減額で長期金利が急上昇(債券価格は下落)すれば、地銀が保有
している国債の含み損が拡大する懸念があるためだ。
日銀のデータでは、24年2月時点のリスクアセット全体に対する国債の含み損の比率は、大手行では0.2%程度にとどまる一方、地銀では0.7
%、信用金庫では約1.8%だった。23年後半のピーク時よりは縮小したが、運用先が限られる地銀・信金にはなお重荷になっている。
日銀は会合初日の9日、参加者から会合前に募った意見の一部を公表した。その中には急激な減額について「金利リスクを抱えている地域
金融機関等のリスク許容度を低下させ、国債消化の不安定化を招くリスクがある」との声があった。
地銀内も一枚岩ではない。金融政策の正常化に伴って金利リスクを抑える運用をしてきた地銀は、慎重な減額を要望することが地銀の総意
ではないとの考え方をにじませたようだ。残りの証券やバイサイドグループでも月3兆円程度という意見が複数出たもようだが、減額ペースな
どについての意見は割れた。
会合を終え、国内証券関係者からは「ガス抜きのための会合と受け止めた」と冷めた感想もこぼれた。6月会合時に減額計画を決めることも
できたが7月に先送りし、市場意見をもとに決めたという立て付けにすることで「日銀の責任逃れにするつもりではないか」との声もくすぶる。
日銀は市場の意見を踏まえて月末の決定会合で減額計画を決める。日銀関係者は「コンセンサスをつくるのが目的ではなくフラットに意見を
聞きたかった」と話すものの、これだけ意見が割れていると落としどころを探るのは簡単ではない。
SMBC日興証券の奥村任氏は「事前ヒアリング結果からは月3兆?4兆円がイメージされる」との見方だ。日銀が9日公表した意見のなかに
「IRRBB(銀行の金利リスク量の規制)上の制約等」を理由に月3兆?4兆円との提案があった点に注目し「日銀は市場での順調な国債消化を
重視する必要があるため、投資家の保有余力に関する意見は重要視される可能性が高い」とみる。
日銀関係者は減額について「『相応の規模』と既に言っている通り、減らしたい意志は明確だ」と解説する。別の関係者は「上下に極端な提
案が採用されることはないだろう」との見方を示しており、減額幅は市場予想の中央値に近い結果になる可能性が出ている。
11日には対ドルで161円台だった円相場が一時157円台まで急騰し、政府・日銀が3兆?4兆円規模で円買い介入を実施したとの観測が広
がった。12日にも再度1ドル=157円前半をつけた。日銀が7月末に決める減額幅やペースが市場の予想よりゆるやかだった場合、円安進行
の材料になりかねないとの指摘もある。
2024/07/14 04:00 日経速報ニュース
「面談予定はフルに埋まった。日本株への関心が非常に強い状況は変わっていない」。7月上旬に香港とシンガポールを訪れたBofA証券の
圷正嗣チーフ日本株ストラテジストは、100人規模の投資家とのミーティングを終えた実感を表現する。
日経平均株価は7月に過去最高値を更新。12日終値は4万1190円と高値圏での推移が続く。日本株は日経平均が3万円台を回復した2023
年春、約34年ぶりに過去最高値を更新した24年初と2回の大相場を経験した。足元の急騰ぶりを見て「売り手が見当たらず、『第3波』に入っ
た」(明治安田アセットマネジメントの竹田太樹トレーダー)との声も出はじめた。
短期筋が上昇トレンドをつくるのは同じながら、過去との違いは買い手の広がりだ。「年金など長期の投資家から問い合わせや資金流入が
増えている。日本株のウェートを引き上げる動きは今後本格化するだろう」とBofA証券の圷氏は指摘する。
年度末にかけ上昇
上値余地はどれほどか。日経ヴェリタスは7月上旬に市場関係者へ緊急聞き取り調査をした。年度内の日経平均見通しについて、高値予
想の中央値は4万4000円だった。「年度末にかけ上昇基調が続く」との回答が大勢を占めた。
強気の理由は企業業績の上振れ期待だ。アナリストによる業績予想の上方修正から下方修正の件数を引いた値を全修正件数で割って
算出するリビジョン・インデックス(RI)はプラス方向への改善傾向が鮮明だ。
4?5月に発表された主要企業の25年3月期業績見通しは控え目だった分、秋に本格化する4?9月期決算で、通期見通しの上方修正が
相次ぐとの期待が高まっている。
為替の円安定着もサポート要因だ。今期の想定為替レートを1ドル=145円とするトヨタ自動車をはじめ期初時点では実勢より円高を想定して
業績予想を立てた企業は多い。米国の利下げ開始が当初の市場想定より後ろ倒しされる中、1ドル=160円前後の為替水準が定着。「輸出関
連企業の業績改善への期待が高まっている」(米ファースト・イーグル・インベストメンツのポートフォリオマネジャーのマシュー・ランフィアー氏)
という。
物色にも広がり
けん引役も広がっている。年初は生成AI(人工知能)期待を背景とした一部の高PER(株価収益率)銘柄主導の色が強かった一方、足元で
は伝統的な日本企業が気を吐いている。三菱重工業の年初来の上昇率は2.2倍と6月下旬?7月上旬にかけては11連騰した。日立製作所も
上場来高値の更新が続く。「事業の入れ替えなどで時代に対応した」とマネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストはみる。
グロース(成長)株でも出遅れ感の強かったTDKや太陽誘電は7月に年初来高値を更新した。PGIMジャパンの鴨下健・株式運用部長は「6月
に米アップルの『AI搭載スマホ』が話題となり、久しぶりに電子部品銘柄を強気で見ている」とみる。
市場は総楽観に包まれているわけではない。波乱要因になりそうなのが11月の米大統領選だ。現職であるバイデン氏の選挙戦からの降板
がささやかれるほか、トランプ氏の再選シナリオも織り込まれ始めている。大統領選の数カ月前から市場のボラティリティー(変動率)が高まり
やすい。
金融政策の引き締め姿勢を鮮明にしている日銀の動向も気がかりだ。植田和男総裁は7月会合での利上げを否定せず、国債買い入れの
減額も予告している。「緩和的な金融環境を理由に日本に流入していたマネーは、政情不安に一定の落ち着きがみられる欧州などに戻りや
すくなる」と岡三証券の松本史雄チーフストラテジストはみる。
日本株には割高感が意識されており、銘柄選別の重要度は増している。日経ヴェリタスは大型のグロース、バリュー、中小型で買い余地の
ある銘柄を探った。「高所恐怖症」にならず、買える日本株を考えてみよう。
史上最高値を更新した日本株はどこまで上がるのか。市場のプロ10人に日経平均株価の年度内の見通しを聞いたところ、大半が4万4000
円以上と回答した。米大統領選前にいったん調整したのち、不透明感の払拭や企業業績の上方修正を受けて2025年3月末にかけて高値を
つけるとの見方が多い。
「変化への期待で買う相場から、実際に起こり始めた日本経済や企業の変化の持続性がけん引する相場に移りつつある」。UBS SuMi TRU
STウェルス・マネジメントの小林千紗・日本株ストラテジストはいう。日本株が上がり始めた昨年来、「賃金と物価の好循環」と資本効率改善
に代表される「企業統治改革」は投資家が注目する二大テーマだ。当初は日本経済や企業が変わるかもしれないとの期待が先行した。ここに
きて賃上げや高水準の自社株買いなど、変化の「証拠」は増えている。
企業改革が現実に
この流れは続きそうだ。24年4?9月期の決算発表時に、企業はこれまで公表した25年3月期の保守的な業績予想を引き上げると見られる。
資本効率改善の取り組みにも再び注目が集まるだろう。来春にかけて賃上げムードが盛り上がるなど、さらなる証拠がそろえば海外投資家
の日本株買いの動きは強まる。「25年2?3月にかけて日経平均は4万5000円まで上昇する」と小林氏は予想する。
日興アセットマネジメントの神山直樹チーフ・ストラテジストも「日本株への期待が確信に変わり始めたことが株高の背景」と分析する。ここか
ら先は「緩やかな上昇が続き年度末には4万3000円になる」と見る。
バリュエーション(投資尺度)がどこまで拡大するかも論点になる。日本株の予想PER(株価収益率)はおおむね12?16倍だった。PERが
過去のレンジ内におさまるなら「年度末で4万4000円程度が妥当な水準」(PGIMジャパンの鴨下健・株式運用部長)という。一方で「過去の
レンジよりも1?2倍程度高くても許容される」との見方もある。
円安トレンドが転換するかにも注目が集まる。カギを握るのは日米の金融政策だ。日銀は早ければ7月に追加利上げを実施すると見られる。
一方、米連邦準備理事会(FRB)は9月にも利下げを開始するとの見方が広がる。
海外投資家は日本株への関心が高いものの、ドル建てでみると運用収益の目減りにつながる円安進行を警戒している。日米の金利差縮小
を背景に円安トレンドに歯止めがかかれば、「日本株を買う好機になる」(SMBC日興証券の安田光チーフ株式ストラテジスト)。安田氏は25年
1?3月に高値をつけると見るが、円安が止まれば24年7?9月に4万4000円まで上昇するという。
「円高進行のリスクは見ておくべきだ」と岡三証券の松本史雄チーフストラテジストは話す。足元までの株高の背景には、円安による企業業
績の上方修正期待がある。米景気の減速が意識され始めており、「円安トレードが?落し、株価が調整する可能性がある」と警戒する。
米大統領選も波乱要因だ。6月下旬からトランプ前大統領が有利との見方が広がり、日本株の上昇要因の1つになっていた。ただ、過去の
経験則に従うと大統領選の2?3カ月前からボラティリティー(変動率)が高まり、株価は軟調になりやすい。市場では秋口に3万6000?3万8000円程度まで下落する可能性があるとの見方が多い。
こうした中で有望な投資先はどこか。市場関係者が注目する業種の1つが米アップル向け製品などを展開する電子部品だ。アップルは6月
、iPhoneに生成AI(人工知能)機能を搭載すると公表した。これまでスマートフォンの販売は振るわなかったが「AI搭載スマホの登場で買い
替え需要が喚起される」とPGIMジャパンの鴨下健・株式運用部長は見る。在庫調整が進んだタイミングでもあり、電子部品の収益拡大期待が
高まっている。
金融を挙げる市場関係者も多い。日銀は年内の追加利上げが確実視され、金利上昇の恩恵を受けやすい銀行などが物色されそうだ。個人
消費回復を見込み小売りやレジャー、百貨店など消費関連銘柄を有望と見るプロもいる。
ここまでの日本株上昇は大型株や割安株がけん引してきた。時価総額の大きい30銘柄で構成するTOPIXコア30は昨年末比で3割高だが、
中小型株の上昇率は1割強、グロース市場にいたっては5%安に沈む。今後の株高も海外勢主導との見方が多く、主力大型株がけん引する
構図は変わらない。
ただ、個別銘柄を選別する中長期投資家の参入も増えていると見られ、「超大型株への一極集中ではなく普通の大型株や中型株にも資金
が向かう」(インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジスト)との声もある。有望な個別銘柄を点検しよう。
TOPIXミッド400に注目
ヌビーン ポートフォリオ・マネージャー ピーター・ボードマン氏
円安を受けた企業業績の上振れ期待とコーポレートガバナンス(企業統治)改革を背景に、日経平均株価が最高値をつけた。投資や資本配
分への姿勢も変化しており、日本企業の配当性向は30?40%となっている。余剰資金を自社株買いに回すようになっており、構造的な変化が
見られる。
大企業と中小企業で株価が二極化している。海外資金が大型株に集まり、時価総額と流動性が高い主力の大型株30銘柄で構成する「東証
株価指数(TOPIX)コア30」の強さが続いている。
今後は余剰資金が多い中型株に投資家の関心がシフトしていく。中型株で構成するTOPIXミッド400の4割の企業が割安で、キャッシュポジ
ション(現金比率)も高い。
1ドル160円とした場合、日経平均は年末にかけ4万3000円まで上昇する余地がある。金融株も自己資本利益率(ROE)の上昇を考えると割
安だ。
日本は他国と比べ人工知能(AI)分野においてまだリードできていない。それでも半導体の製造に使用する化学製品を供給するレゾナック・
ホールディングス(4004)や三菱ガス化学(4182)などはAIブームの恩恵を受けることができる。
金利やインフレなどマクロ経済の変動が日本市場にはリスク要因となるだろう。11月の米大統領選でトランプ前大統領が全輸入品への関税
を引き上げる考えを示している。
トランプ氏再選の場合、特に自動車産業のような米国市場に依存している日本の輸出企業に打撃を与える可能性がある。大統領選がある
11月にかけて株価は緩やかに減速する。日本の政治がリスクになることは考えにくい。
英ウェイバートン・インベストメントマネジメント ステファン・ラインヴァルト・株式リサーチヘッド
運用する世界株ファンドでは、日本株の投資割合を全体の約15%と、MSCI世界株指数の3倍に相当する割合までオーバーウエート(強気)
として買い増した。
日経平均株価は過去最高値を付けたが、今後のラリーの3分の1に過ぎないだろう。世界のアセットオーナー全体でみれば、まだ日本株へ
の投資姿勢はアンダーウエート(弱気)とみられるためだ。日本企業への資本効率改善のさらなる浸透をきっかけに強気に転じれば、一段高
が期待できる。
業種別では銀行株に注目している。過去の日本銀行の利上げ局面を研究した結果、収益改善効果は現状の株価にまだ十分織り込まれて
いないと判断した。なかでもアジアのノンバンクへの出資や米証券ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループとの連携が期待できる三井住友
フィナンシャルグループ(8316)が有望だ。
アサヒグループホールディングス(2502)は欧州やオーストラリアなど海外が成功し、コスト削減による自助努力が見込める。注目される業種
ではない分、株価はまだ割安だ。
世界のマネーが低金利下の米国の成長株に向かったため、アベノミクスの日本株高の勢いは長く続かなかった。現状では日米金利差が大
きく開いており、日本株には有利だ。
日本はようやくデフレマインドを払拭できたとみているが、実はこの考えが間違っていると判明する可能性があるのが今後のリスクシナリオだ。
消費が抑制されてネガティブな景気見通しが広がることになる。賃上げコストは企業全体の費用からみれば小さいので難しいことではなく、賃
上げの継続が問われている。
2024/07/15 05:00 日経速報ニュース
歴史的な円安をどうにか食い止めようと、財務省が再び円買いの為替介入に動いたとの観測が広がる。次に問われるのは日銀の対応だ。
7月末の金融政策決定会合では国債購入を減らす具体的な計画を決める。基本方針は公表ずみ。政策催促モードの市場をなだめられる保証
はない。ここで利上げまで繰り出すのかが焦点となる。気になるのが、日銀内に「個人消費が低調なのは物価高のせいなのだから、その原因
である円安にもっと強い姿勢で臨むべきだ」との意識が芽生え始めたことだ。
1ドル=161円台と37年半ぶりの安値圏にあった円相場。財務省は11日夜、6月の米消費者物価指数が予想を下回ったのをみて、ドル売り
の流れに便乗する3兆円規模の円買い介入に踏み切った可能性が指摘される。12日夜にも再介入の観測が浮上した。
円売り圧力を根絶できたわけではない。米連邦準備理事会(FRB)が利下げに動けば流れが変わる可能性もあるが、目先は利下げ観測が
リスク投資を刺激し、むしろ新たな円売りを誘発する懸念すらある。いきおい日銀の対応に関心が集まる。
企業に円安の負の影響じわり、恩恵はインバウンドに限定
日銀が7月の支店長会議と併せて公表した地域経済報告(さくらリポート)。全国本支店で集めた企業などからの声を地域ごとに整理したコメ
ント集を調べると、「円安」への言及が18件あり、このうちマイナスの影響を訴えたのが7件だった。前回4月の報告(それぞれ5件、1件)から
急増している。
報告の編集過程で意識的に「円安」を盛り込んだ可能性もあるが、それ自体が日銀の姿勢変化を示唆する。具体的な円安の弊害は物価高
による需要減や収益の下振れ、価格転嫁の難航だ。一方でプラス効果のコメント数は11件とマイナスの7件を上回るが、すべてがインバウンド
(訪日外国人)関連だった。
過去、為替絡みの声が多かったのは、2022年秋にかけて円安が急激に進んだあとの23年1月で15件。うち負の影響は3件だった。当時、
円安のプラス効果はモノの輸出増や生産の国内回帰といった伝統的なものづくりに関わる恩恵が目立った。今回、そうした声は影を潜めた。
円安のダメージ面は、23年当時は減産や収益圧迫が目立ったが、今回は主に家計の消費意欲の低下にシフトした。この短い間の変化にも、
ものづくりの地盤沈下で伝統的な円安効果が思ったほど浸透しなくなっている現実と、そのために家計を中心に円安のデメリットに敏感になっ
ている状況が映し出されているのかもしれない。
円安で利上げ余地拡大? 政策委員の認識に変化の芽
円安由来の物価高が家計の消費意欲をなえさせる。この「現実」を日銀も直視し始めた。植田和男総裁は6月会合後の記者会見で「最近の
円安の動きは物価の上振れ要因であり、政策運営上、十分に注視している」と表明した。
そのうえで「消費の現状をどう読むか」をめぐって「一つは、おそらく物価上昇の影響で、特に非耐久財を中心に弱めのデータが出ている」と
語った。間接的にせよ「円安」→「物価上昇」→「弱めの消費」という因果関係を認めたことになる。
もちろん、植田氏が「消費を下支えするために利上げを急ぐ」という思考に変わったわけではない。4月の会合後の会見で円安の影響を軽視
するかのような受け答えが円安に拍車をかけてから「円安にもきちんと目配りしていますよ」というポーズづくりに腐心しており、その域を出ない。
を示す「主な意見」からは、変化の芽もうかがえる。
「円安は物価見通しの上振れの可能性を高める要因であり、リスクマネジメント・アプローチに立って考えれば、リスク中立的な、適切な政策
金利の水準は、その分だけ上がると考えるべきである」
ある委員は、円安が利上げ余地を広げると明確に主張した。「金融政策運営に関する意見」という項目で6番目に載った主張だ。「主な意見」
は各項目での掲載の順番が早いほど、正副総裁の執行部か、それに近い意見だという「クセ」があるともささやかれる。そうだとすれば、主流
から外れた少数意見との見方が成り立つ。
仮に少数意見だとしても、他の見解と併せてみることで様相は変わってくる。次の見解はこの項目で2番目に掲載されている。執行部かそれ
に近い立場のメンバーが発したのかもしれない。
「見通しに沿った物価の推移が続くなか、コストプッシュを背景とする第2ラウンドの価格転嫁によって物価が上振れする可能性もあるだけに
、リスクマネジメントの観点から金融緩和のさらなる調整の検討も必要である」
円安への言及はないが、「リスクマネジメント」という言葉が6番目の意見と共通する。物価が予想以上に上振れするリスクを制御できるよう、
いざというときにスムーズに利上げに動けるように備えておく、というような考え方を意味する。
「主な意見」の極め付きは、3番目に物価高による消費の弱さと利上げの可能性を結びつけるような主張が出ていることだ。
「来年度後半の2%の『物価安定の目標』の実現に向けて、オントラックで進んでいるが、上振れリスクも出てきている。こうした点が消費者
マインドに影響していることも意識しつつ、次回会合に向けてもデータを注視し、目標実現の確度の高まりに応じて、遅きに失することなく、
適時に金利を引き上げることが必要である」
パズルの片々を集めて推理すると、「円安が物価を上振れさせるリスクと、そのことが消費者マインドに与える影響を注視しつつ、利上げの
機をうかがう」という構図が浮かぶ。
物価高と金利上昇でダブルパンチのリスクも
日銀は個人消費について「底堅く推移」との認識を崩していない。自動車の認証不正問題が峠を越し、名目賃金の伸びが物価高を上回って
実質賃金がプラスに転じれば、消費者心理も改善する、との読みがある。
春季労使交渉での歴史的な賃上げが給与増に効き始めたのは確かだ。読みどおりに回復に向かうなら、賃金と物価の好循環の持続性を
見極めるという王道の理屈で利上げの道を探ればよい。賃金が力強く伸びて消費が持ち直すのなら、円安を抑える効果が不発でも日銀の
傷は浅い。仮に7月末の会合で利上げを決める場合も、裏では円安を強く意識しつつも、表向きは好循環をアピールするだろう。
一方、消費がさえないままなら、円安による物価高が主犯だと明確に位置づけたうえで「消費が弱いからこそ利上げに動く」という逆転の
論理を持ち出さざるを得なくなるかもしれない。
この理屈で利上げを完遂するのは簡単ではない。突き詰めると、消費を支えるためには円安を反転させるまで金融を引き締めないといけない
からだ。最悪の場合、円安抑止にめぼしい効果のないまま金利だけが上がって景気を冷やし、物価高と金利上昇のダブルパンチで消費が
底割れしかねない。
企業や市場が思う物価見通しが2%にきちんと固定される前に物価を抑え込もうとするのだから、2%の物価目標との整合性が問われ、植田
日銀の政策原理にさまざまな無理が生じる懸念もある。
「究極の決断」を迫られる前に、米国のインフレの減速を受けて円安が自然と収束する――。日銀はそんなシナリオを祈っているのかもしれない。
【金融PLUS】
・株式持ち合いは日本だけか 神田財務官の著書が映す課題
・日銀総裁、強まるタカ派発信 財務省の「警鐘」
2024/07/16 08:37 日経速報ニュース
黒瀬浩一・りそなアセットマネジメント運用戦略部チーフ・ストラテジスト 米国のトランプ前大統領が13日、11月の大統領選に向けた選挙
運動中に銃撃を受けた。銃撃を受けた直後にトランプ氏が立ち上がって拳を突き上げるなど暴力に屈しない姿勢を示したことで有権者から
の支持がさらに高まりそうだ。1981年に銃撃された共和党のレーガン大統領は事件後に支持率が上昇した経緯もあるだけに「レーガンの
再来」を予感させ、金融市場ではトランプ氏の再選を織り込む動きが加速しそうだ。財政拡張を背景にした米金利上昇で金融株が買われ
やすいほか、防衛費増額の思惑から三菱重などの関連銘柄に資金が向かいやすいだろう。
16日の東京株式市場で日経平均株価は祝日前の前営業日終値(4万1190円)を挟んで荒い値動きとなりそうだ。米国の利下げ観測の
高まりを背景に15日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が2カ月ぶりに最高値を更新したことが日本株の支えとなる。一方、日経平
均は12日に今年最大の下げ幅となった。このところの急ピッチな上昇を背景にした高値警戒感は引き続き上値を抑えそうだ。
2024/07/18 日本経済新聞 朝刊
マネーフォワードは17日、三井住友フィナンシャルグループ(FG)傘下の三井住友カードと共同出資で新会社を立ち上げると発表した。家計簿
アプリなどを展開するマネーフォワードの個人向け事業を分離する。三井住友FGのスマートフォンを軸とした総合金融サービス「Olive(オリーブ)
」と組み合わせた事業を計画する。
新会社にはマネーフォワードが51%、三井住友カードが49%出資する。新会社の社長にマネーフォワードの辻庸介社長CEO(最高経営責任
者)、会長には三井住友カードの大西幸彦社長が就く。17日の記者会見で大西氏は「オリーブとマネーフォワードの組み合わせで新しい世界を
つくっていける」と述べた。事業開始は2024年12月を予定する。
マネーフォワードが24年8月に子会社を設立し、分割する個人向け事業を統合する。マネーフォワードは新会社の株式を三井住友カードに140
億円で売却する。新会社は三井住友カードを引受先とする第三者割当増資を実施し、50億円を調達する。
新会社の株式売却により、マネーフォワードの単体決算で140億円程度の売却益が発生するが、連結決算への影響は軽微という。
マネーフォワードの開示資料によると、分割対象になる個人向け「Home」事業の23年11月期の売上高は35億円と連結全体の1割強に相当
する。マネーフォワードにとって家計簿アプリは祖業にあたる。
分割を決めたことについて辻氏は「(会社設立以来)最も思い切った意思決定だ」と話した。家計簿アプリは利用者が1600万人を超えて国内
最大規模。さらにサービスの質を高めていくには「単独では限界があった」(辻氏)という。
24年春に辻氏と大西氏が懇談する機会があり、提携話は一気に進んだ。背景にあるのがオリーブに対する辻氏の高い評価だ。辻氏は「オリ
ーブは使い勝手がよく、開かれたサービスを標榜している。われわれがやりたかったサービスを一緒につくっていける」と述べた。
三井住友カードにとってもオリーブを拡大していくには自社グループのサービスにとどまらず、ほかの金融機関と組んでいく必要があった。マネ
フォのアプリはさまざまな金融機関と情報連携している。
新会社はマネーフォワードの家計簿アプリにオリーブの機能を入れるような形を想定する。例えばオリーブ口座からほかの銀行の口座にワン
タッチで資金を移したり、家計簿の利用状況に応じて共通ポイント「Vポイント」を付与したりするサービスを想定する。
家計状況により人工知能(AI)が資産運用を提案するようなサービスも検討する。新会社の事業は個人向けが中心だが、法人向けへの展開
も計画する。
新会社の課題は三井住友FG以外の金融機関との連携だ。例えば、スマホでワンタッチで資金移動するサービスを提供する場合、ほかの金融
機関にとって利点が見えなければ提携は進みにくい。
独立色の強かったマネーフォワードだが、三井住友FGの色が強くなることに警戒する動きが出てくる可能性もある。他行などと互いにウィン
ウィンの関係を築いていけるかが焦点になる。
[東京 18日 ロイター] - 全国銀行協会の福留朗裕会長(三井住友銀行頭取)は18日の定例会見で、日銀による国債買い入れ減額の影響
について、銀行業績に対して「総じてプラスの影響が見込まれる」と述べた。足元で円高方向に進む為替動向については、円安からの「潮目が
変わる可能性が出てきた」との見方を示した。
福留会長は、日銀が国債買い入れ減額方針を示したことで、金利上昇により銀行が保有する国債の評価損益が悪化する一方で、新規の長期
固定化した資金の貸し出し金利や新規の債券投資利回りが改善すると説明した。「市場の資金量が減少していくため預金の重要性も増す」と
指摘した。
日銀に代わる国債の買い入れ先としては、主に生保、銀行、海外投資家を挙げたが、業態間で投資スタンスは異なるとした。超長期年限に対
しては生保が主体で、「貯蓄から投資へ」の流れの中で、個人による国債保有が進むことも期待されるとの見解を示した。
為替市場については、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長やトランプ前大統領の発言を受けここ数日で、「円安方向のトレンドから潮目が
変わる可能性が出てきた」との見方を示した。そのうえで、「ここから急ピッチで円安が進んでいく雰囲気はなく、時間の経過とともに緩やかな
円高に進んでいく」との見通しを示した。ただ、米国でインフレリスクが再び浮上してくると日米金利差の拡大が意識され、再び円安が発生する
リスクはあるとも話した。
2024/07/19 07:58 日経速報ニュース
19日の東京株式市場で日経平均株価は続落か。前日の米株式市場で主要3指数が下落した流れを引き継ぎ、売りが先行しそうだ。米国に
よる対中半導体規制に対する警戒感も依然強く、利益確定売りが優勢となる可能性が高い。日経平均の下値メドは前日終値(4万0126円)よ
り200円程度安い3万9900円程度と心理的節目の4万円を割り込む場面がありそうだ。
18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は7営業日ぶりに反落し、前日比533ドル(1.29%)安の4万0665ドルで終えた。前日までに連日
で最高値を更新しており、幅広い銘柄に利益確定売りが出た。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数、多くの機関投資家が運用指
標とする米S&P500種株価指数も下落した。
日経平均は7月11日の史上最高値(4万2224円)からおよそ2000円下落したが、最近の上昇相場の起点となった6月下旬時点の3万9000円
近辺からは依然高い水準にある。米国の対中半導体規制の強化や日本政府・日銀による円買い介入への警戒感以外に、これから発表が本
格化する2024年4?6月期決算を見極めたいとの思惑から引き続き利益確定売りが進みそうだ。
一方で日経平均は前日に半導体関連株を中心に売られ1000円に迫る下落となったことで、下値では自律反発狙いの買いが入りやすい。日
本株の先高観が崩れたわけではないとの見方は多く、目先の下値支持線となっている25日移動線(18日時点で3万9948円)近辺では押し目
買いも入りそうだ。
個別ではディスコが注目となる。18日発表した24年4?6月期の連結決算は、生成AI(人工知能)向けの精密加工装置の出荷が伸び、純利
益が前年同期比87%増の237億円だった。米国の対中半導体規制の強化への警戒も強まるなかで値動きに注目が集まる。
国内で総務省が6月の全国消費者物価指数(CPI)を発表する。6月の訪日外国人客数が発表される。海外ではボウマン米連邦準備理事会
(FRB)理事やウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が講演する。
2024/07/20 06:08 日経速報ニュース
【ニューヨーク=竹内弘文】トランプ前米大統領への銃撃事件が起きてから20日で1週間となる。15?19日の米株式市場では、同氏の再選
可能性が上がったとみて政策影響を先取りする「トランプ・トレード」が席巻した。エネルギー大手や金融に資金がシフトする一方、半導体株急
落によりハイテク株の時価総額は円換算で150兆円以上消失した。
規制緩和期待、マネーの流れ変える
「大統領就任初日は2つのことをする。ドリル・ベイビー・ドリル(石油の大量生産)と国境の閉鎖だ」。18日、共和党大統領候補の指名受託
演説でトランプ氏は、不法移民の流入抑制とあわせ、石油・ガス採掘の規制緩和を最重要課題の1つに挙げた。
石油・ガス大手の株価は軒並み上昇している。エクソンモービルやシェブロンは12日終値比でそれぞれ2%高となった。バイデン政権による
再生可能エネルギー普及促進は180度転換するとみて、太陽光パネルのファースト・ソーラー株は7%安、太陽光発電インバーターのエンフ
ェーズ・エナジー株も12%安。対照的な動きとなった。
財政拡張や保護主義の高まりも相場を動かした。トランプ氏は自身が政権を握っていた2017年に導入し25年末に期限を迎える個人所得
減税など「トランプ減税」を延長する考えだ。16日公表の米ブルームバーグとのインタビューでは、米国製造業の復活のためにドル高是正や
関税引き上げを進める姿勢を示した。
こうした施策は少なくとも短期的には米国内需要を喚起する。インタビュー内で触れた建機大手のキャタピラーは4%高になるなど、景気
敏感株は幅広く買われた。長期金利が短期金利を下回る「逆イールド」の解消への期待や金融規制の緩和観測は、大手銀行の収益環境
好転を意識させて金融株高を促した。
9月利下げ観測、トランプ相場を支え
前週11日に発表になった6月の消費者物価指数(CPI)が市場予想に反して前月比下落に転じ、米連邦準備理事会(FRB)の「9月利下
げ」シナリオが濃厚となると、株価が出遅れていた景気敏感株などの銘柄を買い戻す動きは生じていた。銃撃事件以降のトランプ・トレード
本格化は、この流れを加速させた面がある。
トランプ氏の発言が冷や水を浴びせた銘柄群もあった。インタビューでは、半導体サプライチェーン(供給網)の要となっている台湾が「米国
の半導体ビジネスをすべて奪った」と述べた。一方で中国の脅威から台湾を防衛する重要性については言及がなかった。半導体関連銘柄は
軒並み急落した。
半導体世界大手のエヌビディアは週間で9%下落。生成人工知能(AI)の基盤開発に注力するIT(情報技術)大手にも売り圧力は波及した。
エヌビディアやマイクロソフト、アップルなど巨大テック7銘柄「マグニフィセント・セブン」にS&P500種株価指数採用の半導体関連銘柄をあわ
せた約20銘柄は時価総額が週間で9680億ドル(約152兆円)目減りした。
トランプ相場の継続性、見方分かれる
株価指数ごとに騰落率で明暗も出ている。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数やS&P500種株価指数は12日比でそれぞれ
4%安、2%安となった。一方で景気敏感株の比率が高めの大型株指数、ダウ工業株30種平均は1%高、中小型株指数のラッセル2000は2%
高だった。
今後も景気敏感株の優位やハイテク株劣後という「セクター・ローテーション」は続くのか。米運用大手インベスコのストラテジスト、クリス
ティーナ・フーパー氏は「9月利下げシナリオと米景気の軟着陸期待が続く限りはローテーションも継続する可能性が高い」とみる。
一方で「テック株の急落は、極めて有望な押し目買いのチャンス。AIブームは終わらない」(米ウェドブッシュ証券のダニエル・アイブス氏
)との声もある。AIの爆発的な普及という成長性を背景に続いてきたテック株優位の構図が本当に崩れるかは見解が分かれる。ただ、大統
領選を優位に進めるトランプ氏の言動が相場を動かす状況は当面続きそうだ。
2024/07/22 04:00 日経速報ニュース
日本の株式市場で最大の買い手として存在感を高める企業の自社株買い。今年は過去最速ペースで、すでに10兆円近い自社株買い枠が
設定されている。今のところ計画に対する実施率は3割にとどまる。株価が下がった局面で入ることが多いとされる自社株買い。足元で調整
色を強める日本株相場では、買い余力の高さが下値抑止力として機能している面がありそうだ。
大和証券の集計によると、東証株価指数(TOPIX)採用企業の自社株買い枠の設定は、今年に入り7月12日までに9兆9718億円にのぼる。
過去最大で約10兆円の枠が設定された2023年通年にすでに匹敵する。だが、実際に自社株買いが実施されたのは3兆4440億円と、計画に
対する実施率は35%にとどまる。自社株買いは必ずしも期日までにすべてを実施する必要はないが、過去の通年での実施率がおよそ7?8割
であったことを考慮すると、数兆円規模で買い余力があるといえる。
自社株買いの実施状況は企業により差がある。日本郵政(6178)は5月、25年3月末までを期限とする3500億円を上限とした自社株買いの
実施を発表した。実施状況を見ると毎月約260億円ずつ買い入れている。相場動向に左右されず、機械的に同規模の買いで毎月、実施して
いることがわかる。
短期間で自社株買いを終わらせる企業もある。川崎汽(9107)の場合、5月に7月末を期限とした1000億円を上限とする自社株買いの実施を
発表し、6月末時点の実施状況はすでに7割強となっている。野村(8604)は1月末に1000億円を上限とする自社株買いを発表。期間は2?9月
だったが、すでに実施率は100%だ。メガバンクでは実施率が5割を上回っている企業もあり、市場では金融株を中心に追加の自社株買い枠の
設定に早くも期待が高まっている。
一方、自社株買いの実績がゼロの企業もある。代表が日本企業で時価総額最大のトヨタ(7203)だ。トヨタは5月、国内企業では最大となる
1兆円を上限とする自社株買いの実施を発表したものの、6月末までは買い入れを実施していない。トヨタは設定時に「トヨタ株の売却要請に応
えるとの意味合いで、金融機関やグループ会社の持ち合い解消に向けた準備」と説明。実際に市場で解消売りが出るまで実施しない可能性
が高いと市場ではみられている。
企業により姿勢に差はあるものの、過去最大ペースで設定される自社株買い枠。東海東京インテリジェンス・ラボの鈴木誠一チーフエクイティ
マーケットアナリストは4?5月の自社株買い枠の設定規模が想定以上だったことから、7月に入り24年通年の設定枠の予想を従来の11兆円
から15兆円に引き上げた。アベノミクス初期の13年など過去に海外投資家が大規模に買い越した規模と比べても遜色なく、「無視できない大
きな買い手になる」(東海東京の鈴木氏)。
4?5月の日本株の調整局面でも底堅く推移した要因の一つに自社株買いの存在をあげる市場関係者は多い。海外投資家は4?5月にかけ
日本株を売り越した。だが、そうした売りを自社株買いが吸収し、海外勢がそれなりの規模で売ったにもかかわらず底堅い相場展開だったこと
が、「6月後半から始まった株高につながった面もある」(国内証券アナリスト)との声も出ている。
日経平均は11日に史上最高値を更新した後、急激な調整に見舞われている。だが、企業の自社株買いが無視できぬ下値抑止力として機能
する限り、相場の底堅さを意識した買いで、折に触れて上値を試す展開になる可能性があるだろう。
2024/07/22 13:54 日経速報ニュース
市場では日銀が7月にも追加利上げに動くとの観測がくすぶり続けている。日経QUICKニュース(NQN)がこのほど実施した専門家調査
でも約3割が7月利上げを予想した。日本政府・日銀による円買いの為替介入観測で水準は切り上がったが、歴史的な円安が再開する可能
性は拭いきれない。さらに足元では日銀が重視してきた高めの賃金上昇率が実現し、追加利上げの環境は整いつつあるためだ。
日銀は30?31日開く金融政策決定会合で国債買い入れの減額方針を決める予定だ。NQNが12?17日に実施した金融政策を分析する
民間金融機関の「日銀ウオッチャー」を対象にしたアンケート調査では、日銀は国債減額と追加利上げの同時決定を避けるとして27人中18人
が現状維持と回答。だが、9人は追加利上げを予想した。
7月の「利上げ派」が着目するのは長引く円安だ。3日に1ドル=162円に迫って37年半ぶりの安値をつけた円相場は、政府・日銀による
断続的な円買い介入観測もあって18日には155円台前半まで急伸。しかし、その後は157円台まで値を戻しており「月末にかけて再びじり
じりと円安が進むようなら、(日銀が)追加利上げに動く可能性はかなり高い」(明治安田総合研究所の小玉祐一氏)という。
賃金が日銀が描くように「オントラック(想定通り)」で上昇しているのも追加利上げを後押しする。5月の毎月勤労統計では、基本給にあたる
所定内給与の伸び率が前年同月比2.5%と1993年1月以来31年4カ月ぶりの高水準となった。2024年の春季労使交渉(春闘)での高い賃上
げ率が着々と統計に反映されてきていることがうかがえる。
日銀も賃金上昇には前向きだ。12日発表した「地域経済報告(さくらリポート)」の別冊では、地域の中堅・中小企業の賃金動向を巡って「昨
年を上回るあるいは高水準であった昨年並みの賃上げの動きに広がりがみられている」と説明。大企業だけでなく、中小企業にも賃上げの
裾野が広がっていることがみえてきている。
物価も依然として高止まりしたままだ。6月の全国消費者物価指数(CPI)では生鮮食品を除いた総合が前年同月比2.6%上昇した。政府の
電気・ガス代の補助縮小で足元では再び騰勢を強めつつあり、22年4月以降27カ月連続で日銀が物価安定の目標とする2%を上回っている。
7月利上げを予想するJPモルガン証券の藤田亜矢子氏は「日銀は2%目標達成への確度を一段と上げたと考えられる」とみる。
もちろん、長引く物価高で実質賃金はマイナスが続き、国内消費も精彩を欠く。円安是正に向けて日銀に利上げを求めたとされる河野太郎
デジタル相も釈明に追われ、足元では翌日物金利スワップ(OIS)市場が織り込む7月利上げの確率は2割台まで低下した。しかし条件が
そろい始めているのは確実で、きっかけ次第では「おき火」のような追加利上げ観測が燃え上がる可能性を秘めているといえそうだ。
2024/07/23 日本経済新聞 朝刊
金融政策を巡っては、岸田文雄首相や閣僚、自民党幹部の発言が相次いでいる。首相は長野県軽井沢町での経団連夏季フォーラムに
出席し「金融政策の正常化が経済ステージの移行を後押しする」と述べた。「日銀とも経済の大局観を共有しつつ、緊密に連携していく」と
語った。
河野太郎デジタル相は19日の記者会見で「金融政策は日銀が決めることだ」と軌道修正したものの、17日の米ブルームバーグ通信の
インタビューでは「日銀は政策金利を上げる必要がある」との見解を示した。
22日には自民党の茂木敏充幹事長が都内での講演で「段階的な利上げの検討も含めて金融政策を正常化する方針をもっと明確に打ち
出す必要がある」と語った。
茂木氏は日銀に対し、過度な円安を是正するため、金融市場への情報発信をわかりやすくするよう求めた。金融正常化に関して「日本企
業の経営から言って基本的に十分対応できる」とも発言した。
家計への影響を懸念する声がある中でこうした発言は追加利上げの追い風になる可能性もある。
日銀関係者からは「国内外経済の不確実性は大きい。経済を腰折れさせず、金融正常化をうまく進めてほしいということだろう」との声が
上がる。
2024/07/24 13:21 日経速報ニュース
24日午後の東京外国為替市場で円相場が上げ幅を広げている。13時すぎには一時1ドル=154円76銭近辺と6月上旬以来およそ1カ月半
ぶりの高値をつけた。日経平均株価が下げ幅を広げたのに歩調を合わせ、積み上がっていた円の売り持ちを解消する動きが加速。24日の40
年物国債入札が「弱め」の結果で国内金利に上昇圧力がかかるとの見方が広がったのも日米の金利差縮小を意識した円買い・ドル売りを誘
った。
■On-device AIの普及でMLCCを中心にコンポーネント事業の利益成長が高まると想定、野村が「Buy」継続、目標株価3600円→4200円
野村証券が業績予想を上方修正。レーティング「Buy」を継続し、目標株価を従来の3600円から4200円に引き上げた。
目標株価引き上げの背景は、第1に、為替前提の円安方向への見直し(1ドル150→155円)に加え、スマホやタブレット、PCにAIエージェント
を搭載するOn-device AIの普及が始まることで、同社が強みを持つ小型MLCCは今後更なる小型品の採用が進み、MLCC事業の製品ミック
スが改善する見方とした。この結果、MLCCを中心に、コンポーネントの収益性が改善すると予想。第2に、主力のMLCCの利益成長見通しが
高まったことに鑑み、目標株価算出に用いる株主資本コストを5.2%から4.9%に引き下げた。
今回の業績修正では、On-dvice AIの普及拡大で同社のMLCCの製品ミックスが改善する見方を取り入れた。エージェント型AIを搭載した
On-device AIでは、DRAMの搭載容量とプロセッサの稼働頻度がともに上昇することが予想される。例えば、Apple Intelligenceは4GB程度の
RAM容量を使用すると、我々は推測。AIを用いたワークロード実行に伴うプロセッサ負荷の上昇に対しては、超小型MLCCをプロセッサの近傍
に設置し、省電力や熱対策を行うのが基本。同社のMLCC事業は、小型になればなるほど市場シェアと採算性が高い傾向(例えば、0603以下
のサイズでは60%程度の市場シェアなど)があり、On-device AIの普及がMLCC事業の収益性改善につながると考えた。なお、デバイス・
モジュール事業では、我々の業績予想には今のところ明示的に反映していないが、25年冬に予想される主要顧客の無線プラットフォーム変更
に際して、同社の無線モジュールの採用がどの程度上がるかに注目している。
25年3月期第1四半期(4~6月)は売上高4100億円、営業利益730億円程度と推定。MLCCはAIサーバーとPC向けの需要が強かったほかは
会社計画通りの需要環境であったと見ている。なお6月末の在庫は、3月末比で80億円程度増加したとの前提で予想は作成、と指摘。
今2025年3月期連結営業利益を会社計画3000億円(EPS124.4円)に対し従来予想3200億円(EPS127.5円)から3520億円(EPS141.4円)へ、
来2026年3月期連結営業利益を3850億円(EPS153.1円)から4200億円(EPS168.4円)へ、2027年3月期同4430億円(EPS175.9円)から
4780億円(EPS191.4円)へ増額している。
[東京 26日 ロイター] - 来週の外為市場で、ドルは神経質な動きとなりそうだ。30ー31日に開催される日銀金融政策決定会合や植田和男
総裁会見の内容次第では値幅を伴う荒い値動きとなる可能性がある。米利下げ時期を占う上で、30ー31日開催の米連邦公開市場委員会
(FOMC)の結果に関心が集まる。月末と月初を挟む週となり、フロー主導で上下に振れる場面も出てきそうだ。
予想レンジはドル/円が151.50━155.50円、ユーロ/ドルが1.0700―1.1000ドル。
最大の注目材料は日銀決定会合。国債買い入れをどの程度減額するのか、追加利上げの是非の議論など、市場の関心が集まる。上田東短フ
ォレックスの営業企画室室長、阪井勇蔵氏は「日銀会合の結果次第で円高もしくは円安に振れるか、(ドルの)方向感が決まる可能性がある」と
し「注目度が高いだけに2-3円の値幅が出てもおかしくない」との見方を示す。
米FOMCについては政策金利が据え置かれるとの見方が大勢。米連邦準備理事会(FRB)高官によるタカ派的な発言が徐々に収まる中、
9月会合での利下げが示唆されるかが焦点となる。
日米の金融政策決定会合を経て、市場で米利下げ観測と日銀の利上げ観測が同時に後退するような状況となれば「日米金利差が縮小せず
、円キャリーが再開する可能性がある」とSBIリクイディティ・マーケットの金融市場調査部長、上田真理人氏はみる。
また、米国ではISM製造業景況指数や雇用統計など主要な経済指標が発表されるほか、マイクロソフト(MSFT.O), opens new tabやアップル
(AAPL.O), opens new tabなど大手企業決算も相次ぐ。ドルは材料を見極めながら一喜一憂の動きが予想される中、米株価の調整局面が続けば
リスク回避の流れから「円高/ドル安方向のリスクが警戒される」(阪井氏)との声も聞かれる。
このほか、7月31日に月次ベース(6月27日ー7月29日)の外国為替平衡操作の実施状況が公表される。
2024/07/26 18:25 日経速報ニュース
三井住友銀行は26日、欧州で融資を手掛ける総額4億5000万ユーロ(約750億円)規模のファンドを立ち上げたと発表した。ファンドによる
企業向けの融資は「プライベートクレジット」と呼ばれている。新ファンドは中堅企業のLBO(借り入れで資金量を増やした買収)向け融資など
利回り、リスクともに比較的高い案件に重点を置く。
設立は6月20日付で、専門企業の英キャンベル・ルティエンスなどをアドバイザーとして起用した。三井住友銀の欧州事業のノウハウをベ
ースに、銀行と同様の案件に融資する。別途ファンドを設けると外部の機関投資家の投資を募れるといった利点がある。今後米国やアジア
太平洋地域などでも設立を視野に準備作業を進める。
三井住友フィナンシャルグループ傘下の三井住友DSアセットマネジメントもファンドに参画し、海外の機関投資家向けの運用商品の組成
にも活用する。収益率は13%程度を見込む。政府が掲げる資産運用立国に対応し、オルタナティブ(代替)資産分野の運用力を強化する
施策の一環となる。
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2024/08/02 17:30 日経速報ニュース
3メガバンクグループの2024年4?6月期決算が2日、出そろった。合計の連結純利益は前年同期比16%増の約1兆2165億円と、05年度に
3メガバンクの体制になってから四半期で最高を更新した。店舗の統廃合など効率化を背景に「稼ぐ力」が高まっていることを象徴する。
2日に決算を公表した三井住友フィナンシャルグループ(FG)の連結純利益は前年同期を5割上回る3713億円と11年ぶりに最高益を更新し
た。企業部門の預貸金収益や手数料収益が旺盛な設備投資需要や金利上昇を受けて増加したほか、830億円に達した政策保有株式の
売却益が下支えした。
3月にマイナス金利政策が解除された影響で、3メガバンクの4?6月期の収益は合算で400億円近く上積みされた。金利上昇は企業や
個人向け融資に反映されるほか、債券運用の利息収入を押し上げる。7月末の追加利上げの効果を含めると、25年3月期通期で三井住友
は700億円、三菱UFJは600億?800億円の資金収益増につながるという。円安も3メガバンクの4?6月期の収益を600億円ほど押し上げた。
好決算は長引く低金利下で採算性の改善を進めてきた成果でもある。3メガ銀合計の支店数はマイナス金利政策が始まった16年と比べ
て約3割減り、事務職を中心に採用も絞り込んできた。採算性が低い融資からの撤退も進めている。本業のもうけを示す連結業務純益は26
%増の1兆4445億円となった。
25年3月期の通期では、前期比6%増の3兆3100億円の純利益を見込む。各社の業績予想は日銀の追加利上げを織り込んでおらず、11月
に公表する4?9月期決算の公表時などに上方修正を検討する。大手行の幹部は「長期・短期の金利水準や預貸金量の変化による業績へ
の影響を検討する」と話す。
今後の波乱要因となり得るのは海外経済の動向だ。米連邦準備理事会(FRB)は9月にも利下げに転じる方針を示唆し、業績を支えてきた
海外貸し出しの利ざやが縮小に転換する可能性がある。景況感の悪化で「投資銀行ビジネスにも減速感が出ている」(幹部)という。
3メガ銀体制に移行してから四半期ごとの純利益をみると、23年4?6月期の1兆515億円が最高だった。四半期単位では大口の与信費用や
債券売却益の計上が影響しやすく、単純な比較が難しい面はある。それ以前は計8000億円程度が最高だった。
メガバンクは発足からしばらくは不良債権処理に追われ、低金利もあって成長に向けた攻めの経営を進めづらかった。今後は逆風に備えた
上で、将来の収益増加につながる投資を重ねられるかが一段の成長を確保するための条件となる。
りそな、三井住友トラストの両ホールディングスも前年同期比で増益を確保した。5大銀行グループの純利益は19%増の計1兆3386億円と
最高益を更新した。
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2024/08/05 16:31 日経速報ニュース
5日の東京株式市場でメガバンク株が連日で急落した。長期金利の低下などを背景に景気悪化や利ざや縮小を懸念した売りが優勢となった。
これまで日銀の政策修正に歩調を合わせる形で株高トレンドを描いてきた銀行株――。市場は依然として日銀を金融引き締めに積極的な「タカ
派」と受け止めているが、政策修正を見込んだ銀行株物色の一巡が意識され始めた。
三井住友フィナンシャルグループ(8316)は制限値幅の下限(ストップ安水準)となる前週末比1500円(15.52%)安の8162円まで下落した。
2月26日以来の安値となる。売買代金が多い三菱UFJフィナンシャル・グループ(8316)も12%安で午前を終え、年初来高値(7月5日、1849円
50銭)からの下落率が27.87%に達した。みずほフィナンシャルグループ(8411)も11.59%安で終えた。
銀行株は黒田東彦氏が日銀総裁だった2022年12月の金融政策決定会合で長期金利の変動幅拡大が決まって以降、金利先高観やPBR
(株価純資産倍率)是正期待を背景に買われてきた経緯がある。株価は3メガバンクともに倍以上になった。
しかし、24年7月の会合で植田和男総裁が政策金利について「0.5%は壁ではない」と発言したことで空気が一変。「日銀が今までの緩和姿勢
とは異なるメッセージ発信をしたことで株買い・円売りの巻き戻しが起きた」(みずほ証券の小林俊介チーフエコノミスト)。政策修正トレードの
「銀行株買い」の動きに強烈な逆回転が起きたもようだ。
長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは5日午前に一時0.785%と4月9日以来約4カ月ぶりの低水準をつけた。日銀が短期金利に
影響する政策金利を引き上げるなかでの長期金利低下とあって、イールドカーブ(利回り曲線)は米雇用情勢や日本株安といった景気悪化を
織り込んだ「ベアフラット化」が意識される。長短金利差の縮小は短期で借りて長期で運用する銀行業に逆風で、今後日銀が利上げを進めて
も今までのような利ざや改善を見込んだ「銀行株買い」が起きない可能性が強まってきた。
金利上昇による預貸金収益の増加などが貢献し、三井住友FGが24年4?6月期に最終増益となるなど足元の業績は堅調だった。ただ、今
回の株安や金利低下という外部環境の変化は無視できない。「日銀トレード」の中心的存在だった銀行株が再び上昇トレンドに回帰するハード
ルは高いと言えそうだ。
2024/08/13 10:13 日経速報ニュース
13日前場中ごろの東京株式市場で日経平均株価は上げ幅を拡大し、前週末に比べ860円ほど高い3万5800円台後半で推移している。
前日の米ハイテク株高を受け、引き続き東エレクなど値がさの半導体関連株が堅調で、相場を押し上げている。日経平均の上げ幅は一時
1000円を超え、節目の3万6000円を上回る場面もあった。
上場企業の2024年4?6月期の決算発表は前週末にピークを迎えた。好決算を材料にした個別物色の動きも活発となっている。市場で
は「波乱相場でこれまで決算にはあまり目を向けられてこなかったが、全体として4?6月期決算の出足は悪くない」(国内運用会社の
ストラテジスト)との声が聞かれた。業種別では保険の値上がりが目立ち、SOMPOやMS&ADが高い。
10時現在の東証プライムの売買代金は概算で1兆5520億円、売買高は7億1918万株だった。
フジクラや荏原、楽天グループ、キーエンスが上昇している。一方、シャープや明治HD、ヤマトHD、NXHDは下げている。
2024/08/14 日本経済新聞 朝刊
三井住友フィナンシャルグループ(FG)がM&A(合併・買収)といった投資銀行ビジネスの強化を急いでいる。米独立系投資銀行のジェフリーズ
・ファイナンシャル・グループへの出資比率を引き上げた。三菱UFJFGが投資銀ビジネスで先行しており、挽回へ次々に手を打っている。
出資比率を当初の4.5%から10.9%に引き上げた。ジェフリーズが13日までに発表した。10%を超えたこともあり、同社の取締役に三井住友
FGの中島達社長が12日付で就任した。
両社は2021年7月に資本業務提携を結び、クロスボーダーM&Aの助言業務などで連携を深めてきた。FG傘下の銀行や証券会社も連携に加
わり、株式・債券の引受業務(ECM、DCM)を含め23年度に100件弱の案件で協力が実現した。
提携関係は23年以降、矢継ぎ早に強めてきた。主に米国での(1)投資非適格企業向けビジネス(2)ヘルスケア(3)日本企業関連のクロスボー
ダーM&A――の3分野に限られていたが、23年に米投資適格企業などに拡大した。
国内市場が縮小する中で、クロスボーダーM&Aは日本企業の関心が高い。ノウハウが手薄なままでは融資先企業との関係が弱まりかねず、
手数料による安定的な収益を狙うメガバンクが力を入れている分野だ。
「ジェフリーズと組んだ海外投資銀行のビジネスモデルを確立していく」。三井住友FGの幹部はこう強調する。
三井住友FGは米国の投資銀事業をジェフリーズを軸に展開すると決め、欧州・中東・アフリカやカナダなどへと協業の対象も広げた。今後アジア
地域を対象に加えることも視野に入れている。
三井住友FGは「両社の強みを生かした戦略を検討している」とコメントした。
三井住友FGは海外証券業務の業務純益について、26年3月期に23年3月期比2倍の490億円を目指している。
三井住友FGはこれまでジェフリーズに対し議決権を持たない優先株を取得し、25年までに持ち分を最大15%に引き上げる計画を公表して、
段階的に株式の取得を進めてきた。15%以上の出資が実現すれば、ジェフリーズを持ち分法適用会社にすることも視野に入る。
矢継ぎ早に講じる強化策の背景にはクロスボーダーの投資銀業務で出遅れているとの危機感がある。
三菱UFJFGは08年のリーマン・ショックで信用不安に陥った米投資銀大手のモルガン・スタンレーの優先株を引き受けて資本業務提携した。
約23%出資しており、関係は15年に及ぶ。
モルガンがM&A助言や株式引き受け、三菱UFJが融資分野に特化しながら協力して稼ぐ収益モデルをつくった。
みずほFGも投資銀業務の強化を目指して23年12月に米投資銀行グリーンヒルを完全子会社化した。
23年の世界の投資銀行の手数料リーグテーブルでは米欧勢が上位を占めるなか、みずほとして初めてトップ10に入った。成長に向けて注力
する分野の一つとして、米国を含むグローバルの投資銀ビジネスを位置づけている。
三井住友FGの投資銀行ビジネスを直接担うSMBC日興証券は、旧4大証券の流れをくみ、国内の事業基盤は他のメガバンクと比べ見劣りし
ない。証券業務を通じて海外で稼ぐ形をどう示せるかが長年の課題となっていた。
米連邦準備理事会(FRB)の利下げが今後本格化すれば、一時的に収益が落ち込んでいた投資銀ビジネスも復調が予想される。今回の提携
拡大はその流れに沿うものになる。
もっともジェフリーズの出資比率の引き上げは議決権の生じない優先株を通じたもので、協力関係をどこまで深められるかは見通せない面があ
る。世界各地で協業する案件を増やし、提携の果実を示す重要性が高まっている。
2024/08/16 日本経済新聞 朝刊
15日の東京株式市場で、銀行株を買い戻す動きが広がった。みずほフィナンシャルグループと三井住友フィナンシャルグループがともに
一時6%高まで買われた。内閣府が同日発表した4~6月期の国内総生産(GDP)が実質の季節調整値で、2四半期ぶりのプラス成長と
なり、景気改善によって収益が拡大する期待が高まった。
東証業種別株価指数では銀行が2・8%高となり、すべての業種で上昇率のトップだった。三菱UFJフィナンシャル・グループの株価が
一時5%、千葉銀行が5%上昇した。
GDPがプラス成長となり、景気が緩やかに回復するとの見方から、15日は長期金利が上昇した。立花証券の馬場正夫アナリストは
「GDPがプラスに転じたことで、景気回復が意識され、長期金利の上昇に伴う利ざやの拡大や融資の増加への期待が高まった」と指摘
する。GDPが改善したことは「マクロ指標を重視する海外投資家にとっては、銀行株のような大型株を買う上での好材料となった」(アセット
マネジメントOneの浅岡均シニアストラテジスト)面もあるという。
3メガバンクグループの2024年4~6月期の連結純利益の合計は、05年度に3メガバンクの体制になってから四半期で最高を更新した。
業績好調を受け、自社株買いなどが増えるとの見方も出ている。明治安田アセットマネジメントの福川勲シニア・リサーチ・アナリストは
「メガバンクは(財務の健全性を示す)中核的自己資本(CET1)比率が改善しており、今後は株主還元が強化されるとの期待が大きい」と
指摘する。
15日の日本株は、5日までに急落していた銘柄が買い戻され、日経平均株価は前日比284円高と、約1カ月半ぶりに4営業日続伸した。
特に3メガバンクは7月末から8月5日までに25~29%下落していた。同期間の日経平均(20%安)と比べても下げがきつかっただけに、
自律反発の買いも入りやすかった。
足元でも3メガバンクのPBR(株価純資産倍率)はいずれも1倍を下回る。明治安田アセットの福川氏は「今後の自己資本利益率(ROE)の
改善を見込むのであれば、PBR1倍割れは割安感がある」と話す。
7月のピークを超えるまでアト僅か…
2024/08/18 日本経済新聞 朝刊
オリックスは主力事業の一つである航空機リース事業を強化するため、1500億円以上を投資する。中小型の中古機を中心に50機以上を
購入し、保有する機体数を倍以上に増やす。世界的な旅客需要の回復でリースへの引き合いが強まっており、積極投資によって収益拡大を
目指す。
オリックスは6月末時点で、57機のリース用機体を保有しており、保有機数で世界20位前後につけている。2024年度中だけで1500億
円以上の資金を投じるほか、25~26年度にも追加投資を検討し、今後3年間で新たに50機以上を購入。保有機数を100機以上に増やす。
加えて、自ら保有せずに管理を請け負う機体数も現在の140機程度から50機以上上積みする。保有と管理を合わせた機体数を現在の200
機から、3年後の27年度には300~400機に増やす計画だ。
オリックスが多数の航空機購入に動くのは、リースへの需要が高まっているためだ。新型コロナウイルスの感染収束で旅客数が回復する
一方で、欧州エアバスや米ボーイングといった航空機メーカーの生産は需要に追いついていない。航空会社は足りない機体をリース会社から
確保しようとしており需要の増加で直近のリース料は20年に比べ5割程度上昇している。
事業環境の好転によって、オリックスの航空機事業の利益は24年3月期に203億円と、前の期比で56%増えた。
日本航空機開発協会の予測では、43年の世界の旅客需要は19年の2.3倍となり、中長期的にも機体の需要は右肩上がりで推移すると
見込まれている。オリックスはここ数年、保有機体の売却を進め、機体数を19年の100機から半減させてきたが、再び攻勢に転じる。
他のリース会社も需要の高まりを見据え、航空機の確保に動いている。三井住友フィナンシャルグループ(FG)傘下のSMBCアビエーショ
ンキャピタルは23年、小型機を60機発注。購入総額は5000億円超とみられる。今後は航空機リース会社間の契約獲得競争も激しくなる
見通しだ。
2024/09/03 日本経済新聞 朝刊
大手銀行で人事権を人事部から事業部門に移す動きが目立ってきた。三菱UFJ信託銀行は2025年までに従業員およそ7000人の人事権
を各部門に移譲し、人事の原案作成を委ねる。三井住友銀行も26年に専門人材の評価で事業部門の権限を強める。集権的との指摘もあった
銀行の人事運営は転換期にある。
三菱UFJ信託銀は、各部門の主要ポストから異動したり、登用したりする人材の原案を25年春から原則として各部門で作成する。これまでは
各部署が提出した評価をもとに人事部が全社単位で検討して案を決めていた。
背景には銀行の人材確保が難しさを増す中で各事業部門の採用を維持するには、権限移譲により組織を強くすることが重要との見方がある。
今後の事業部門の幹部をどのように育てていくかを各部門で決める仕組みも順次、整える。幹部間で議論する組織などをつくり、将来の部門
長といった幹部の配置を幹部らで協議するようにする。
これまでは人事部で計画を練っており「各部門からはブラックボックスになっていた」という。
段階的に円滑に移行していくため、人事部出身者を中心に各部門に「ヒューマンリソースビジネスパートナー」と呼ぶ担当者を設ける。資格や
経歴などの人事情報の閲覧権も各部門に広げていく。専用の人材マネジメントシステムを先行して導入した。
人事部門は次世代の経営陣の育成などの業務に特化する。各部門の人事運営の取り組みを管理、監督して経営陣とすり合わせる役割も担う。
三菱UFJ信託銀が人事の現場への権限移譲に着手する背景には、将来的な人材確保への危機感がある。
バブル期前後に大量採用した世代が60代に達しはじめ、退職したり、高齢者向けの雇用体系に移ったりしている。事業部門では、減少する
人手を補うために新卒を上回る中途採用に取り組んでいる。
成長性の高い資産管理・運用や不動産などの採用に重点を置くが、外資系の資産運用会社や不動産といった異業種と競合する中、働き方
が異なる各事業にあった人事運営が必要だと判断した。
法人融資をグループの銀行に移管するなど、専門性の高い人材が必要な事業の成長が一段と求められている事情もある。
人事権を現場に移譲する事例は銀行業界の潮流になってきている。三井住友銀は20年に事業部門主導で専門人材を「エキスパート」に認定
し、業域をまたぐ異動をなくしたり、手当を支給したりする制度を導入した。
従業員組合との協議を経て全従業員を対象に専門性を評価する仕組みを26年に導入することも検討している。人事への事業部門の関与を
強める狙いがある。
三井住友銀は26年に入社年次を給与に反映する「階層」を廃止するほか、シニア層の給与を自動的に引き下げる仕組みの撤廃を予定して
いる。
20代の社員でも年収2000万円を得られるようになるなど処遇の自由度を広げる施策を組み合わせ、行員の専門性を高める。
みずほフィナンシャルグループ(FG)は24年度の新人事制度で仕事内容と給与をひもづける「役割給」を導入した。人員計画、配置計画の
策定を各事業部門に委ねた。人事部門は運用の管理などに徹する。
海外の金融機関は人材の採用、解雇も含めた権限を事業部門が持つ例が多い。ポストの差配を人事部が仕切ってきた日本の銀行の慣行
は特殊との見方もある。
年功序列・終身雇用の前提は専門性の高い部署を中心に崩れつつあり、同業の銀行間で転職する例も広がる。雇用の流動化を見据えた
人事制度の見直しは今後も広がるとみられている。
2024/09/03 11:54 日経速報ニュース
3日午前の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、午前終値は前日比86円93銭(0.22%)高の3万8787円80銭だった。上げ幅は一時200円
を超えた。3日の東京外国為替市場で円相場が一時1ドル=147円台前半まで下落し、トヨタやホンダなど輸出関連株への買いにつながった。
国内長期金利の上昇(債券価格は下落)を受け、三菱UFJや第一生命HDなど金融株も買われた。半面、東エレクやアドテストなどの半導体関
連の一角が朝高後は売りに押され、指数の上値を抑えた。
3日午前の東京外国為替市場で、円相場は一時147円20銭近辺まで下落し、2日の海外市場で付けた安値を下回った。円安進行を受け、日経
平均は10時25分に3万8967円まで上昇する場面があった。
日経平均が心理的節目の3万9000円に近づくと上値が重くなった。市場では「米景気の堅調さや米国での年内複数回の利下げが日米株には
すでに織り込まれているため目先は調整リスクが高い。上値では個人投資家や海外のヘッジファンドなどによる戻り待ちの売りが出やすい」
(みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリスト)との声があった。日経平均は前日の取引時間中に一時、3万9000円を上回ったが、その後
は売りが強まり、上げ幅を縮小した。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは16.75ポイント(0.62%)高の2732.74だった。JPXプライム150指数は反発し、4.45ポイント(0.36
%)高の1225.69で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6352億円、売買高は7億6631万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1336。値下
がりは272、横ばいは36だった。
ファストリやダイキンなどの値がさ株が買われた。投資有価証券の売却益を計上する見込みとなったTBSHDが上昇したほか、外資系証券が
投資判断を引き上げたNTTデータが大幅高となった。一方、TDKや太陽誘電などの電子部品株が下落した。減益決算を発表した伊藤園が下
げたほか、データセンター向けの光ファイバー需要増加への期待から連日で買われていたフジクラがきょうは売りに押された。
2024/09/10 05:00 日経速報ニュース
「信託期間ハ大正拾参年八月七日ヨリ向フ百ケ年トス」――。ちょうど100年前の大正13年(1924年)に結んだある契約がこのほど役割を
終えた。三井信託(現三井住友信託銀行)が東京都文京区の護国寺と結んだ信託契約だ。
活用したのは信託会社が委託者に代わってお金を管理・運用する金銭信託。護国寺が檀家総代から寄付されたお金を100年に渡って保
全・運用し、期間終了後に石灯籠や記念碑などの保存費用に充てる目的だった。
信託とは、財産を代わりに管理・運用してもらう制度だ。護国寺との案件は1924年設立の三井信託が創業時に扱った日本初の信託契約
とみられる。その形式の基本はいまも変わっていない。資産運用を支える投資信託、高齢化に伴う相続、社会貢献のための公益法人への
寄付――。預金として眠る個人のお金が資産形成や寄付などの多様な使い道に向かうにつれて、信託の裾野は広がっている。
2024年3月時点の日本の信託財産総額は1702兆円と、10年でおよそ2倍に膨らんだ。それぞれ約100年の歴史を持つ三井住友信託、三
菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行の3大信託が日本の業界を長らく支えてきた。そんな業界にくさびを打ち込もうとしているのが、野村ホー
ルディングス(HD)だ。
「バンキングを第4の部門にする」。野村の奥田健太郎社長は5月、こう宣言した。担い手は1993年につくった野村信託銀行だ。3大信託に
比べると後発ながら、資産運用に特化した証券会社ならではのサービスで存在感を高める。
野村信託の岡田伸一社長は「銀行と証券の特徴をいかして野村ならではのブティック(独立)型を推進する」と話す。総花的なメガ信託と
異なり、とがった分野を磨くという。
注力するのが投資信託の受託業務だ。信託銀行は運用会社からの運用指示に従って投信に組み込む株式や債券などの売買や管理を
担当する。メガ信託が資産管理を専門とするグループの信託銀行に再信託をするのに対し、野村は1社で完結する。
機動力をいかしてデリバティブ(金融派生商品)や未上場企業株といった値動きが把握しづらい資産を組み込んだ投信など、取扱商品を
増やしつつ柔軟な対応力を強みに顧客を広げてきた。24年3月時点の投信受託残高は33兆円とみずほ信託を上回る業界3位が定着して
きた。
4月には投信の価格を運用会社と信託銀行がそれぞれ算出する「二重計算」をなくした日本初の「1者計算」の公募投信も受託した。「大手
の半分くらいの時間軸で新たな商品にも対応できる」(岡田社長)という。遺言信託、株・債券を担保とした富裕層向けローンなど個人向け
にも力を入れる。
業界に新たな風を吹き込もうとしているのは野村だけではない。三井住友フィナンシャルグループ傘下のSMBC信託銀行は、13年に三井
住友銀行が買収したソシエテジェネラル信託銀行が母体で、15年にはシティバンク銀行のリテール部門が加わった。
外貨預金でトップクラスのシェアを持ち、ためた外貨を海外で直接使えるサービスで転勤者などからの支持を集める。ファンドマネジャーが
個別の顧客の運用方針に基づいて顧客の信託口座を運用・管理するサービスなど、富裕層ビジネスは独自路線で大手と差別化している。
24年3月期は純利益で257億円とみずほ信託(294億円)に近づきつつある。足元ではライバルから人材を引き抜き不動産仲介の陣容拡大
を急ぐ。23年に「ハイアットリージェンシー東京」売却を取り仕切るなど大型案件でメガ信託の牙城を切り崩しにかかる。
約80年ぶりの全面改定となった04年施行の改正信託業法は事業会社にも参入の道を開いた。免許を取得する信託会社は年々増え、24年
6月時点で36社にのぼる。留学支援や再生可能エネルギー開発、知的財産管理など目的も多様だ。
岐阜県高山市に本社を置くすみれ地域信託は地方振興に特化した信託会社だ。地元の小水力発電所や商業施設の管理・運営に始まり、
21年には前橋市で市街地のにぎわいを生み出すために必要な民間資金を管理する事業に乗り出した。
第一生命保険が資金拠出し、歩行者の通行量の達成度合いに応じてリターンが定まる「ソーシャル・インパクト・ボンド」の仕組みを取り入れ
た。井上正会長兼社長は「これからも大手では担いきれないきめ細かい信託サービスを提供し、地域の実情に沿った課題解決を実現したい」
と語る。金融以外にも信託の担い手が広がりつつある。
2024/09/11 05:00 日経速報ニュース
「(株式分類の)銀行セクターから離れたい」。三井住友信託銀行の大山一也社長の口癖だ。個別の企業努力だけでなく金融政策が材料視
され、金利変動の思惑で投資家も株を売り買いする。そんな銀行株の宿命に見切りをつけたいと考えている。
三井住友トラスト・ホールディングス(TH)と傘下の三井住友信託は信託業界の源流だ。信託業法に基づく初の信託会社は前身の一つ、旧
三井信託だ。31年3月期までの計画では資産管理や運用など信託業務の残高を増やす一方、「融資は横ばい」(三井住友THの高倉透社長)
とする。この方針はライバルとの競争関係と無縁ではない。
3大信託の三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行はメガバンクグループの傘下にある。三菱UFJ信託は18年に法人融資の業務を三菱UFJ銀
行に移管し、兄弟会社の商業銀行とすみ分けを加速。4年後の22年3月期には信託財産で三井住友信託を抜いた。
一方、三井住友THは三井住友フィナンシャルグループとの資本関係はなく、日本唯一の独立系信託銀行だ。だが競争が激しく融資に頼る
従来のビジネスモデルでは成長が見込めないとみる。金利ある世界で100周年を迎え信託回帰を鮮明にする。
信託が銀行と兼営する日本独特のスタイルは戦時中につくられた。「兼営法」と呼ばれる銀行と信託の兼営を進める法律が制定され、戦後
はGHQ(連合国軍総司令部)の方針で、信託会社が銀行法に基づく信託銀行になった。
信託銀行に与えられた使命は重厚長大産業に目線の長い資金を供給して経済成長を支えることだった。大きな役割を果たしたのが、バブル
期に「ビッグ」の愛称で知られた貸付信託だ。ただ日本経済が停滞期に入るとともに資金需要が減少。2000年代に幕を閉じ、代わりに融資を
増やさざるを得なかった。
その融資も足元は振るわない。全国銀行協会によると、都市銀行5行の貸出金残高は24年3月までの10年間で2割以上増えた一方、信託
銀行は8%減少した。投資家から自己資本利益率(ROE)の向上を求められるという面でも、バランスシートが膨らむ融資には走りづらくなって
いる。
先行して信託業務への特化を進めてきたのが、法人融資を三菱UFJ銀行に移管した三菱UFJ信託だ。信託協会によると、三菱UFJ信託の
投資信託受託残高はこの7年で2倍以上に増加した。17年3月時点では三井住友信託が上回っていたが、24年は三菱UFJ信託の145兆円に
対して三井住友信託は80兆円と大きな開きがある。三井住友信託の残高はここ数年ほぼ横ばいだ。
三菱UFJ信託は世界戦略で資産管理を中核業務と位置づけており、23年には豪資産管理大手を約1000億円で買収することを決めた。長島
巌社長は「より信託銀行らしいノウハウを生かせる業務に特化するため、融資の移管で余った資本を使って運用受託や資産管理会社を買収
している」と話す。
一方、三井住友THが33%出資する資産管理銀行、日本カストディ銀行ではガバナンスが課題だ。三菱UFJ信託が大株主の日本マスタート
ラスト信託銀行と双璧をなす資産管理専業銀行だが、元取締役の業務などを巡り問題が発覚。4月に第三者委員会が報告書を公表し、その
後日本カストディ銀は任意の指名・報酬委員会の設置などでガバナンスを立て直す方針を明らかにした。
報告書は日本カストディ銀について「金融市場の機能向上と家計金融資産の形成に果たす役割が極めて重大」と指摘する。三井住友THの
経営にとっても重要な銀行だ。
三井住友THは資産管理などの残高を31年3月期に23年3月期比で7割多い535兆円(日本カストディ銀は除く)にする目標を掲げる。米ステー
ト・ストリートや米バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)の管理資産は数十兆ドルだ。世界と戦うには資産管理のてこ入れが避けられない。
【信託誕生100年の岐路】
㊤野村HD、信託銀行を第4の柱に 投信受託でみずほ超え
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2024/09/11 08:26 日経速報ニュース
市川雅浩・三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト 11日の東京株式市場で日経平均株価は続落し、3万6000円
が下値メドとなりそうだ。10日の米市場で主要株価指数はまちまちだったが、外国為替市場での円高進行を受けて自動車株や機械株には
売りが出そうだ。国内の長期金利も低下しそうで銀行株にも逆風になるほか、米原油先物の下げもあり原油関連株の売りにつながりやすい。
午前10時からは11月の米大統領選に向け、民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領の両大統領候補によるテレビ討論会が
開かれるが、持ち高を大きく傾けるような展開にはなりにくいだろう。仮に法人減税を掲げるトランプ氏に勢いがあっても、対外的な強硬姿勢
が政治的な不透明感として意識されやすい。ハリス氏の場合でも法人増税への懸念がある。11月の大統領選まで票読みの動きが続くだろう。
焦点は、日本時間11日夜に発表される8月の米消費者物価指数(CPI)だ。食品とエネルギーを除くコア指数の前月比の上昇率は0.2%と、
7月と同程度と市場で予想されている。物価上昇が落ち着いていることが示されれば買い安心感につながりそうで、日米株にはプラスとなる。
2024/09/13 02:00 日経速報ニュース
新NISA(少額投資非課税制度)口座での個人の買い付け額をネット証券5社に聞いたところ、8月は国内個別株が7月比30%増えた。日本株
安に加え、円高で海外株や海外株投信の円換算での資産価値が目減りし日本株買いが膨らんだ。
日本経済新聞がネット証券5社(SBI、楽天、マネックス、auカブコム、松井)に個人顧客の8月の投資状況を聞き取りした。
8月の日本の個別株(上場投資信託=ETFなど含む)の買い付け額は前月比30%増の2835億円と5カ月ぶりの高水準だった。NISAは年初に
枠上限まで買う層がいるため、例年1月の買い付け額が最も多く、その後は減少する傾向がある。
8月に日本株買いが進んだ背景には、株価水準が急速に切り下がったことがある。米景気減速への警戒感や日銀の利上げに伴う円高進行
で日経平均株価は5日には過去最大の下げ幅を記録した。長期の資産形成に向けて積み立て投資する個人投資家にとっては押し目買いの
好機となった。
買い付け額の上位にはトヨタ自動車(122億円)や三菱UFJフィナンシャル・グループ(114億円)など大型銘柄が並んだ。7月以前と顔ぶれに
大きな変化はないが、買い付け額はトヨタやJTが7月比2.2倍、三菱UFJFGが3.0倍になった。
東海東京インテリジェンス・ラボの鈴木誠一チーフエクイティマーケットアナリストは「積み立てを前提にした『売らない買い』による買い支え
効果は大きく、8月の急落後の反発にはNISA勢が一定程度寄与している」と指摘する。
海外株の買い付け額は7月比34%減の286億円、投信は14%減の4855億円だった。円高が進むと海外株の円ベースでの資産価値は目減り
する。「相場の下落と円高で日本株の投資魅力が相対的に高まり、海外株から日本株に資金を振り向けた人が一定数いる可能性がある」
(鈴木氏)という。
投資経験値の差が急落時の投資行動の差につながったとの声もあがる。
松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「日本株は伝統的な逆張り姿勢が鮮明なベテラン投資家が多い」と指摘。一方で、
海外株は「2020年代以降に定着した銘柄が多く、株価下落や円高を経験したことがない投資家層が多い」と分析する。海外株の急落場面で
は「ろうばいし、買いを入れられなかった人も多いのではないか」とみる。
投資初心者を中心に人気を集めている世界の企業を幅広く組み入れた指数連動型投信「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の
買い付け額は8月に1533億円と前月から12%減った。
フィデリティ投信が9月10日に発表した「フィデリティ・ビジネスパーソン1万人アンケート2024年」によると、世代別の新NISAを通じた投資先で
日本の個別株に投資している人の割合が33%と最も高かったのは高齢層(53?64歳)だった。
若年層(28?36歳)の投資先として最も多いのは外国株投信(34%)で、日本個別株は27%だった。フィデリティ・インスティテュートの浦田春河
首席研究員は「変動幅が大きい相場は割安な価格で優良な株や投信に投資する機会だと前向きに捉える考え方が重要だ」と指摘する。
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2024/09/19 05:00 日経速報ニュース
日銀が金融政策を転換し、日本経済は「金利ある世界」に一歩踏み出した。金利上昇は金融機関経営に追い風になる半面、低金利に
慣れた経済には痛みも伴う。相場やビジネス環境はどう変わり、どこに商機を見いだそうとしているのか。10月2日に開く「金融ニッポン」
トップ・シンポジウムに登壇する5人のトップに聞く。初回は三井住友フィナンシャルグループ(FG)の中島達社長。
――金利ある世界に戻ることに伴う日本経済全体への影響は。
「日本経済がいよいよ再成長へ向けて動き出した。それがあっての金利の復活だ。企業のトップと会っても、みな自信を深めている。勝つ
ための投資を考えており、前向きな資金需要も大きくなっている」
「一方、日本企業は必ずしも金利上昇への耐性があるところばかりではない。中堅・中小企業に対しては一定程度、重荷になるリスクは
ある。住宅ローンも変動型金利で借りている個人はけっこう多い」
――負担がかかるセクターにはどのように取り組んでいきますか。
「金利がないことでサポートされてきた中小・零細企業が一定程度あるのは事実だ。新型コロナウイルス禍には企業倒産件数が減った。
金利がつき、政府支援が終わると企業倒産が増えるのはやむを得ない」
「一方で人手不足は深刻だ。従業員がより生産性高く働けるセクターにシフトするのは長い目で見れば日本経済にとって良いことだ。留意
すべきは、企業倒産が増えても、こうしたシフトが進むように従業員を保護して、新しい仕事に就けるようなリスキリングをサポートしていくこと
が金融機関としても必要だ」
――この先の相場をどう展望しますか。
「人手不足に伴う賃上げの動きは大企業から中小企業までかなり続くとみており、インフレ圧力は強まっていく。2%近い物価上昇が長い
期間見通せる前提で考えれば、日銀は政策金利を1%くらいまで上げる方向で考えているのではないかと思う。米国の利下げ転換も踏ま
えれば、円安リスクというのは大きくないのではないか」
――三井住友FGは2025年3月期の連結純利益が1兆円の大台に乗る見通しを公表しています。「金利のない世界」でどのような取り組
みをしてきたのでしょうか。
「三井住友FGが発足してからずっと金利のない世界で奮闘してきた。業務のウイングを拡大することで補ってきた。それは事業の多角化
であり海外ビジネスの拡大だ。コストベースの引き下げにも一生懸命取り組んできた。それがいまの好業績につながっている」
「最初は3メガバンクで3位だった時価総額も今はしっかり2位で、トップとの差も着実に詰めている。今期の純利益見通しは1兆円だが、
1兆円で満足しているわけにもいかないので、これをしっかり伸ばしていくのが私の使命だ」
――金融は国力と直結しており、アジアを含めて各国とも保守的な傾向が強まっています。グローバルでのビジネス環境をどうみていま
すか。
「この夏もアジアの国々をまわったが、必ず『もっと日本から投資してほしい』と言われた。日本企業に対する期待は非常に大きい。たしか
に各国が自国の利益優先に傾いている感じはあるが、歴史を振り返ると、国際協調で豊かになってきた。あまり心配していない」
――富裕層ビジネスの戦略は。
「貯蓄から投資への流れが出てきており、いよいよチャンスが来たなと思っている。気をつけているのは短期的な売買を勧めて手数料を
いただくようなやり方はダメだということ。収益水準は落ちても、長い目で着実に資産が増える提案をする。幸い、SMBCグループのファンド
ラップ残高は首位になった。海外の運用力強化が課題だ」
2024/09/19 14:21 日経速報ニュース
(14時20分、プライム、コード8306など)銀行株が高い。三菱UFJは前日比47円50銭(3.35%)高の1465円を付けた。米連邦準備理事会
(FRB)が18日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.5%の大幅利下げを決めた。ただ、今後の利下げペースは緩やかになる
との見方から、同日の米国債は下落(金利は上昇)した。9月に入り、銀行株は米利下げによる運用収益の悪化を意識した売りに押される
場面が目立っていたとあって、見直し買いが入っている。
三井住友FG(8316)、みずほFG(8411)も高い。外国為替市場でもFOMCを巡る思惑的なドル売りなどで一時1ドル=139円台まで円高
・ドル安が進行していた。市場では「過度な織り込みが進んでいただけに、米利下げ決定後に円売りと米長期金利上昇という教科書的な
動きとは逆の展開となった。銀行株も会合前から収益減を警戒した売りが出ており、きょうは買いやすいのだろう」(国内中堅証券)という
声があった。
2024/09/30 10:23 日経速報ニュース
30日前場中ごろの東京株式市場で日経平均株価は弱含み、前週末比1650円ほど安い3万8100円台後半で推移している。27日の取引終了後
自民党の新総裁に石破茂氏が選出された。石破氏は投資家や企業への課税強化に対して前向きな姿勢を示していたことから株式市場では経
済政策への警戒感が強く、目先の不透明感を嫌気した売りが引き続き優勢となっている。外国為替市場での円高・ドル安基調も輸出関連株の
売りを促している。日経平均の下げ幅は10時前に1800円を超える場面があった。
日経平均は前週(24?27日)に週間で2105円(5.58%)上昇していた。米経済のソフトランディング(軟着陸)観測が高まっていたほか、週末に
は積極財政の高市早苗氏の自民党総裁選での勝利が意識され円安・株高が急激に進んだため、その巻き戻しの動きが大きくなっている。テク
ニカル分析上で中期トレンドを示す75日移動平均線(3万8293円、27日時点)を割り込んだことも売りに拍車をかけた。ただ、心理的節目の3万
8000円近辺では押し目買いを入れる動きもある。
10時現在の東証プライムの売買代金は概算で1兆7211億円、売買高は7億9454万株だった。
ソフトバンクグループ(SBG)が一段安。東エレクやアドテスト、ファストリが下落した。一方、ニトリHDが高い。三井住友FGやみずほFGなど
銀行株の上昇が引き続き目立つ。
2024/09/30 15:06 日経速報ニュース
30日の東京株式市場で日経平均株価が大幅に反落し、節目の3万8000円を下回った。自民党の総裁選で石破茂氏が勝利し、高市早苗氏
の勝利を見込んだ「円安・株高トレード」が逆回転するとともに新政権の政策への不安が広がっている。日経平均は自民党総裁選後の初日の
取引としては1990年以降、最大の下落率となった。
30日の終値は前週末比1910円(4.8%)安の3万7919円だった。
大幅安について、市場では「高市トレード」の逆回転が指摘されている。前週の日経平均は週後半に大きく上昇し、26日と27日の2日間で
1959円(5%)上げた。金融緩和的な政策と「アベノミクス」の継承を掲げる高市氏の勝利を織り込んだ「円安・株高トレード」が水準を押し上げた
反動が強い。
さらに、石破新政権の政策への不透明感も漂っている。りそなアセットマネジメントの戸田浩司シニア・ファンド・マネージャーは「総裁選の結果
が出る前に思惑で上げた分がはがれ落ちた。政策の方向性が十分には見えていない石破氏への警戒感もある」と話す。
日本時間28日早朝の大阪取引所の夜間取引で日経平均先物は急落し、12月物は前日の清算値に比べ2410円安い3万7440円で終えた。
この水準に比べると30日午前の日経平均は踏みとどまっている。背景の一つとされるのが石破氏の「軌道修正」だ。
石破氏は27日のテレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」で経済対策などについて「必要であれば財政出動する。当然のことだ」と主
張。金融所得課税の強化について「少額投資非課税制度(NISA)に代表される貯蓄から投資への流れは加速しなければならない」と表明した。
和キャピタルの村松一之運用本部部長は「課税強化を警戒したマーケットに配慮した格好で、投資家の過度な不安はいくぶん和らいだ」と指
摘する。その上で、「報道される党幹部の顔ぶれをみると緊縮財政の意向がうかがえる。いまは爪を隠しているだけかもしれない」となお警戒する。
石破相場は多難な船出となった。自民党総裁選後の初日の取引を振り返ると、1990年以降では、2003年の小泉純一郎氏再選の際の4.24%
安(終値ベース)が最大だ。30日午前の下落率4.8%はこれを上回る。
2003年の当時は主要7カ国(G7)会議が為替介入をけん制したことによる円高進行が日経平均を下押しした。下落率2位は1999年の小渕恵三
氏の総裁再選時の3.39%安で、日銀が量的緩和を見送ったことで円高が進んだ。石破氏勝利で円高・株安となった今回を含めて、3例共通して
為替相場の変動が打撃になっていることがわかる。
石破氏は週末のテレビ番組などで「金融緩和を継続する」と発言しており円高進行への市場の不安感を一定程度払拭した。ただ、市場では
追加利上げを意識する動きもある。それを示したのが30日の銀行株の上昇だ。
三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループを中心に銀行株はこの日軒並み逆行高
となった。日銀の利上げは銀行にとって利ざやの拡大につながる。為替相場も円高圧力が強く午前は1ドル=142円台で推移していたが、午後
に入り141円台に上昇した。
市場には冷静な声も多い。足元で世界に目を移すと、米国は利下げ転換に動き、中国は景気のてこ入れに金融緩和策に動いた。和キャピタル
の村松氏は「米中が世界景気を下支えするため、本来は株式市場が崩れる環境ではない」と話す。
「日本の脱デフレの方向性は現時点で大きく変わったわけではない。また、解散・総選挙も近く視野にあり、過去の経験則のように株価が上昇
する可能性がある。今日の下げは短期的な買い場を投資家に提供した」(大和証券の坪井裕豪日米株チーフストラテジスト)との声もある。
りそなアセットの戸田氏は「石破氏が短期的に実施すべきことと、中長期で掲げる理想が混在しており、いまはすべてを織り込むことはでき
ない。投資家は今後の行方をじっくり見極めることになる」と話す。
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・石破新政権、株・円・金利どう動く 市場は早期解散に期待
・10月株価は荒れやすい 米中「景気重視」、市場「政策注視」
・日経平均大幅反落 午前終値1849円安の3万7980円
2024/10/01 日本経済新聞 朝刊
三井住友フィナンシャルグループ(FG)傘下でインドネシアで銀行事業を手掛けるバンクBTPNは10月にも行名を「バンクSMBCインドネシア」
に変更する。前身の「年金貯蓄銀行(BTPN)」に由来する名前からブランドイメージを刷新する狙いがある。
現地の金融当局の認可を前提に行名を変更する。ブランドの一元化にあわせて三井住友銀と連携を強める。出資先の商業銀行が「SMBC」の
ブランドを冠するのは初めてとなる。
2024/10/02 日本経済新聞 朝刊
「マイナス金利時代でさえ最高益を達成しているという安心感があり、今後も株主還元を積極的にしてくれるはず」。都内の女性翻訳家は9月
三井住友フィナンシャルグループ株を2回にわたり計200株買い増した。累進配当の導入に加え大規模な自社株買いへの積極姿勢が決め手
だった。
自社株買いは株高を導く要因の一つになった。JPモルガン証券は2024年3月期に約10兆円の自社株買いが東証株価指数(TOPIX)構成
企業の自己資本利益率(ROE)を0・2ポイント押し上げたと試算する。資本効率改善への期待が海外投資家の背中を押した。
株高効果には一定の持続力がある。野村証券が9月末までの1年間に自社株買いを発表したTOPIX500構成企業を分析したところ、発表
20日後もTOPIXの値動きを1・3ポイント上回った。
都内の男性(50)は9月、サンケン電気株を新規に2500株購入した。同社は7月、子会社株売却で得た資金の一部を自社株買いにあてる
方針を示しており、株価上昇を先回りする狙いだ。
自社株買いへの注目はプロも同じ。大和アセットマネジメントで「日本企業PBR向上ファンド」を運用する須田浩仁シニア・ファンドマネージャー
は「自社株買いを継続的に実施している企業は(将来の成長への)信頼度が高い」と話す。キャッシュを生み出し続ける力の証左になるためだ。
中長期的に自己資本利益率(ROE)を押し上げるには、還元だけでなく成長投資による「稼ぐ力」の向上も欠かせない。
米運用大手のファースト・イーグル・インベストメンツなど海外機関投資家が大株主に名を連ねる厨房機器大手のホシザキは5月、08年の上場
後初となる100億円の自社株買いを発表した。羅針盤となったのは資本効率改善に向け26年12月期までの5カ年で株主還元に約650億円、
成長投資に約1750億円を投じる中期計画だ。国内外の販売好調を背景に、23年末時点の現預金は2500億円強と総資産の55%まで積み
上がっていた。
自社株買い発表の翌営業日に株価は一時11%高となり分割考慮後の最高値を付けたが足元では最高値より2割安い。小林靖浩社長は「
一時的な株価上昇のための自社株買いは効果がない。成長投資を第一としつつ、株価を意識しながら自社株買いを機動的に実施していくこと
が必要だ」と語る。
統合報告書で「資本コストは6~7%」としており、前期のROEは10・6%とこれを上回った。今後も資本コストを上回るROEを持続的に達成
するため、新製品開発や海外での増産に加えM&A(合併・買収)にも積極的に取り組む方針だ。
日本企業の株主還元にはまだ拡大余地がある。
QUICK・ファクトセットによると、純利益から自社株買いと配当にどれだけ振り向けるかを示す「総還元性向」は直近決算期の日本企業が50%
だったのに対し、米S&P500種株価指数構成企業は81%だった。
「日本企業は10年後を見据えた投資ができておらず、安易に配当や自社株買いに流れている」(一橋大学大学院の藤田勉客員教授)との
指摘もある。市場は積極的な株主還元だけでなく、成長戦略との両輪を求めている。
2024/10/04 04:56 日経速報ニュース
【シリコンバレー=山田遼太郎】米新興企業オープンAIは3日、米JPモルガン・チェースや三井住友銀行など9行と40億ドル(約5900億円)の
借入枠を設ける契約を結んだと発表した。2日に実質的な増資でソフトバンクグループ(SBG)などから66億ドルの資金調達を発表した。負債も
使って人工知能(AI)開発への投資を急ぐ。
一定期間、限度額内で繰り返し借り入れできる「リボルビング・クレジット・ファシリティ」の仕組みを使う。ゴールドマン・サックスやシティグル
ープ、モルガン・スタンレーといった米金融大手や、英HSBC、スイスのUBSも融資する銀行団に参加した。
オープンAIのサラ・フライア最高財務責任者(CFO)は声明で「借入枠は当社のバランスシートを強化し、成長機会をつかむための柔軟性を提
供する」と述べた。銀行団の多くはオープンAIの顧客でもあるという。
同社は対話型AIの「Chat(チャット)GPT」を手がけ、生成AIの開発競争で先行する。AIの高度な計算にはコンピューターを大量に使うため、
クラウドサービスの利用料が膨らむ。クラウドの利用料金が開発費の多くを占め、年数十億ドルの赤字を計上している。
投資資金を確保するため、ベンチャーキャピタル(VC)の米スライブ・キャピタルや米マイクロソフト、米半導体大手エヌビディアなどから66億ドル
を調達したと2日に発表した。
オープンAIは資金調達の条件を明らかにしていないが、新株予約権付社債(転換社債=CB)の仕組みを使ったとみられている。
同社は非営利組織(NPO)が傘下の営利企業を支配する特殊な組織構造だ。これまで、マイクロソフトなどの投資家はオープンAIから利益の
分配を得る権利を持つものの、オープンAIの株式を保有しないと説明してきた。投資家が得るリターンに上限を設け、超過分はNPOに寄付する
仕組みとしていた。
オープンAIは営利企業を主体とする体制への変更を検討している。再編が完了すると、今回の資金調達ラウンドの投資家はオープンAIの株式
を得るもようだ。
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2024/10/07 09:19 日経速報ニュース
7日朝方の国内債券市場で、長期金利が上昇(債券価格が下落)している。指標となる新発10年物国債の利回りは前週末比0.030%高い
0.910%と9月3日以来およそ1カ月ぶりの高水準をつけた。米雇用情勢が市場の想定する以上に堅調だとの見方から米連邦準備理事会(
FRB)の大幅利下げ観測が後退。米金利の先高観が強まり、国内の長期金利にも上昇圧力となっている。
4日発表された9月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数が前月比25万4000人増と市場予想を大きく上回った。失業率は4.1%と8月
(4.2%)から低下し、平均時給の伸びも市場予想を超え、米景気がソフトランディング(軟着陸)するとの期待感が高まった。4日には米長期金
利の指標となる米10年物国債利回りが一時3.98%と2カ月ぶりの高水準をつけ、国内債の先物の売りにつながった。
外国為替市場で円安・ドル高が進んでいるのも国内債相場の重荷となっている。7日早朝に円相場は一時1ドル=149円台前半と約1カ月
半ぶりの安値をつけた。円安進行は輸入物価の上昇を通じ国内のインフレ圧力となるため、日銀の追加利上げを後押しするとの見方が改め
て広がり、国内債の売りを促している。
債券先物相場は大幅続落した。中心限月の12月物は前週末比35銭安の144円33銭で寄り付いた。その後は144円24銭まで下げ幅を広げ
る場面があった。
短期金融市場では無担保コール翌日物金利(TONA)先物が下落している。大阪取引所では中心限月となる12月物が前週末の清算値と
比べ0.0175安い99.6725をつけた。
2024/10/07 13:06 日経速報ニュース
(13時5分、プライム、コード8306)三菱UFJが続伸している。前週末比70円(4.72%)高の1550円まで上げた。9月4日以来およそ1カ月ぶり
高値となる。4日発表の9月の米雇用統計をきっかけに米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げ観測が後退し、米長期金利が一時は3.98%
と8月上旬以来、約2カ月ぶりの高水準を付けた。国内の長期金利も上昇しており、銀行株に利ざやや運用収益の改善を期待した買いが入っ
た。第一生命HD(8750)など保険株も高い。
三菱UFJは7月5日に1849円50銭で年初来高値を付けてから伸び悩んでいた。日銀による早期の追加利上げの観測が後退したことが重荷
となっている。市場では銀行株について「日銀の追加利上げの観測が強まれば、見直し買いの機運がさらに高まってくる」(ニッセイ基礎研究
所の前山裕亮主任研究員)との声がある。
2024/10/08 日本経済新聞 朝刊
7日の東京株式市場で銀行株などの金融株が軒並み高となった。日経平均株価は続伸し、前週末の4日に比べて上げ幅は一時900円を
上回った。前週末発表の9月の米雇用統計が堅調な内容となり、「世界景気の敏感株」とされる日本株の再評価につながった。なかでも米
金利高を受けて、日本でも金利高が業績改善期待につながる金融株の値上がりが目立った。
9月の米雇用統計は、雇用者数の伸びや失業率、時給の伸びとそろって好調さを示した。これを受けて前週末の米国市場では主要株価指数
や金利が上昇し、為替市場では円安・ドル高が進んだ。週明け7日の東京株式市場では、輸出関連やインバウンド(訪日外国人)関連に買い
が入った。
もっとも、この日の主役は金融株だった。業種別日経平均株価で「銀行」は4%高、「保険」は3%高と全36業種のうち1位と2位に並んだ。
T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジストは「米景気の底堅さを確認し、日銀による年内の利上げに向けて一歩前進した」と
指摘する。特に銀行にとって金利上昇は融資の利ざや改善につながるため、業績期待につながる。
金融株のなかでも地銀株の上昇が目を引いた。ほくほくフィナンシャルグループとちゅうぎんフィナンシャルグループはともに一時7%高となり、
終値でも5%以上の上昇率となった。
アイザワ証券の三井郁男投資顧問部ファンドマネージャーは「地銀各社が地方企業の再生に力を入れていくと発信してきた中で、石破茂首相
の地方創生に取り組むとの表明がプラス効果になった。バリュエーション(投資尺度)も割安で循環物色の対象となりやすい」と指摘する。
もっとも、日経平均は7日に3万9000円台を回復したが、取引終了にかけて上げ幅を狭める展開となった。8月急落後の戻り高値である3万9
829円(9月27日)を上回るか市場には懐疑的な声も多い。
農林中金全共連アセットマネジメントの中尾真也ファンドマネージャーは「世界景気は回復を探ると考えつつも、足元では『全力リスクオン』に
なりきれない」と明かす。
中尾氏が警戒するのが、中間決算発表を控える個別株の動向だ。前週末に2025年2月期の予想営業利益を下方修正した安川電機は一時
2%安に沈んだ。中国需要の回復が鈍い。3月期決算企業の中間決算に先駆けて決算を発表する安川電は各国の設備投資動向や景況感を
占うとして注目度が高い。
中尾氏は、安川電の決算について「受注は期待に届かない内容で、世界景気の本格回復を織り込むには不足」と評し「下期回復を前提に
業績予想を立てている企業が多いなか先行き不透明感は強い」と話す。
7日に大幅高となった金融株だが、日経平均の上値の重さが今後に一段と目立ってくるようだと、その流れにつられて利益確定などの売りに
押される展開も想定される。
2024/10/16 16:51 日経速報ニュース
日本取引所グループ(JPX、8697)のJPX総研は16日、東証業種別株価指数「銀行業」構成銘柄のうち、配当実績の高い15銘柄で構成
する「TOPIX銀行業高配当指数」を12月16日から算出・公表すると発表した。12月13日を基準日とし、基準値は1000とする。銘柄の定期
入替は、年1回で、7月最終営業日に実施する。
構成銘柄には、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)や三井住友フィナンシャルグループ(8316)、みずほフィナンシャルグループ
(8411)などメガバンクに加え、ゆうちょ銀行(7182)やセブン銀行(8410)などが組み入れられる予定だ。
2024/10/31 20:30 日経速報ニュース
三井住友フィナンシャルグループ(FG)は2024年4?9月期の連結決算で、過去に顧客が払いすぎた利息を返す「過払い金返還」の費用を
一括計上する。費用は1000億円規模で調整している。06年以降、消費者金融各社の業績を圧迫してきた「負の遺産」の最終処理と位置づ
け、デジタル分野に集中投資する方針だ。
消費者金融「プロミス」を運営するSMBCコンシューマーファイナンス(CF)の利息返還引当金を計上する。これまでに計上した引当金とあわ
せ24年3月期の過払い金返還に支出した額の約9年分となる。過払い金の返還請求は年々減り、24年3月期は前の期に比べて2割縮小した。
過払い金の時効は取引完了時点から数える。SMBCCFは07年に貸出金利を下げているものの、借り換えて取引が完了していない顧客も
残っている。その分の請求が一定程度続いており、費用計上が必要になっている。
三井住友FGは11月14日に24年4?9月期連結決算を公表する。同社は4?6月期の時点で純利益が前年同期比で約5割増の3713億円と
なり、1兆600億円の通期予想に対して業績が堅調に推移している。4?9月期でも政策保有株式の売却益や国内の金利上昇で預貸金収益
の拡大が下支えし、業績の上振れ分で引当金の計上費用は吸収できる公算が大きい。
過払い金は顧客が消費者金融業者に払い過ぎた利息を指す。かつて各社は旧出資法の上限金利(年29.2%)の範囲で利息制限法の上限
金利(年15?20%)を超えた金利の貸し付けを実行してきた。利息制限法を超える金利での貸し付けを事実上認めない判断を下した06年1月
の最高裁判決を境に、金利の返還を求める訴訟が急増した。
過去にはアコム、アイフルを含む大手3社で年2000億?3000億円の返還金の支払いがあった。24年3月期でも支払額は合計で500億円強
に達する。日本貸金業協会によると、業界全体の返還額は8月で月50億円ほど。武富士が経営破綻した10年と比較すると10分の1ほどの規
模だ。
債務者の請求が支払いの起点となる過払い金の請求は、消費者金融大手の経営上の不安要因になってきた。法律事務所が過払い金請求
を呼びかけるテレビCMを放映するなどの外部要因で業績が圧迫されるためだ。近年ではアコムが19年3月期決算で過払い金請求への引き当
てを主因に、業績予想を200億円規模で下方修正した経緯がある。
三井住友FGは引当金の計上を機に、消費者金融事業でデジタルを軸に積極的な投資へ転換したい考えだ。生成AI(人工知能)を顧客対応
で利用できないか探るほか、将来的に総合金融サービス「オリーブ」との連携も視野に入れる。過払い金の返還が数年単位で費用がかかる
デジタル投資をためらわせる要素になっていた。
SMBCCFは10月に三井住友FGのノンバンク事業の再編で持ち株会社から三井住友カードの傘下に移し、両社の事業を一体的に運営できる
ようにした。SMBCCFは24年3月期で三井住友FGのリテール事業の業務純益の4割を占め、コロナ禍以降の「リベンジ消費」に伴う新規顧客の
増加もあって市場が拡大している。
ただ、LINEクレジットの「LINEポケットマネー」が24年に累計貸付額が2000億円を超えるなど、個人向け金融サービスはスマートフォンで顧客
をつかむIT(情報技術)など異業種の攻勢が激しい。消費者金融はなおテレビCMなど旧来型の顧客獲得手法に依存している面がある。スマホ
時代にあわせた事業モデルの確立が急務となっている。
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