3. オッペンハイマー 映画『オッペンハイマー』の原作はピュリッツァー賞受賞作品『アメリカン・プロメテウス』であり、原子力という現代の「火」を人類にもたらしたJ.ロバート・オッペンハイマーの運命が暗示されている。ギリシャ神話のプロメテウスは天界から火を盗んで人間に与えたことで、神々の怒りを買って永遠の拷問を受けたが、オッペンハイマーが原子爆弾の開発に成功した後の葛藤と苦悩のメタファーとなっている。 ノーラン監督は、オッペンハイマーを、スティングの『Russians』(1985年)の"How can I save my little boy from Oppenheimer's deadly toy(どうすれば子供達を守る事が出来る?オッペンハイマーが作り出した大量殺戮兵器から)で知ったらしい。1945年8月の広島と長崎の無防備の子供達の頭上には、小さな太陽が落とされたのだが。 1939年、アインシュタイン(ノーベル物理学賞)は、『E=mc2』というエネルギーと質量の等価式により、ナチス・ヒトラーが原子爆弾を手に入れることへの危険性を、手紙でルーズベルト第32代米大統領(ノーベル平和賞)に伝えた。大統領は、原子爆弾開発・製造のための「マンハッタン計画」を打ち出し、オッペンハイマーがリーダーに迎えられた。 1945年5月9日のドイツ降伏により、原爆製造の意義は失われたが、トルーマン政権は国内総生産(GDP)の約2%(22億ドル)を投じていた原爆の実戦投入を目論んでいた。 1945年7月16日、ポツダム会談に参加していたトルーマン米第33代大統領の元に、トリニティ実験場での原子爆弾実験の成功が知らされた。 スターリン・ソ連書記長は、日本への投下を勧め、チャーチル英第61代首相(ノーベル文学賞)は、「日本は罰を受けなければならない」と日本への投下を容認した。 日本政府が、「ポツダム宣言」での無条件降伏を受け入れていれば、2発の原爆投下での21万人以上の死者と約57.5万人のシベリア抑留での約5.4万人の死者は防げたのだが。 トルーマン大統領は、原爆投下を決断したことで、米同盟軍の兵士25万人と日本人25万人の命が救われた、と弁明している。
予想と結果に隔たりがあった場合には市場は動意づくだろうが、今回の指標結果で深追いすることは危険か。 今週に入り米国からの重要な経済指標への市場の反応は、通常よりも鈍くなっている。今週は雇用統計の前哨戦とされる9月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数、10月ADP全米雇用報告、前週分の米新規失業保険申請件数及び失業保険継続受給者数などが発表された。しかし、指標発表後はいずれもHFT(High Frequency Trade)がプライスをヒットすることで市場を動意づけたが、どの指標に対しても一時的な値動きで終わり、トレンドを作るほどの動きを見せられなかった。 また、雇用指標だけではなく今週注目されていた7-9月期GDP速報値や9月個人消費支出(PCE)などの指標への反応も一過性で終わっている。
ここから注意すべきは、「噂で買って、事実で売れ(Buy the rumor, sell the fact)」という格言の後半部分。米選挙が例え「レッド・スウィープ」(トランプ氏の勝利・上下両院で共和党が過半数)となった場合でも、トランプ氏が思い通りに立法できないという懸念は残る。上院共和党にはトランプ前大統領の弾劾裁判で有罪を支持した議員がまだ数名いるとされるからだ。そのため、一旦はポジションを手仕舞うというムードが広がるかもしれない。
1.マスク米効率大臣 イーロン・マスク氏は、第2次トランプ米政権で新設される予定の米政府効率化省(DOGE:Department of Government Efficiency)を率いるマスク米効率大臣に就任する予定、と報じられている。 トランプ氏は、世界一の大富豪であり共和党候補者の選挙キャンペーンに多額の献金(1億3200万ドル)を行っているマスク氏に、政府支出削減の取り組みを主導するように依頼する、と表明した。「私の政権が官僚主義を解体し、過剰な規制を削減し、無駄な支出を減らし、連邦政府機関を再編する道を切り開くだろう」 マスク氏は、連邦予算から少なくとも2兆ドルを削減できると主張した。 財務省によると、連邦政府は2024会計年度に6兆7500億ドルを支出し、財政赤字は、1兆8970.79億ドルだった。マスク氏が目論んでいる2兆ドルの歳出削減規模は、2024会計年度の財政赤字規模に匹敵する。 第2次トランプ米政権は、関税引き上げ(中国60%、その他10%)、減税(個人所得税や法人税)と大規模な財政出動が見込まれており、財政赤字の増大が懸念されている。そして、米格付け会社ムーディーズは「どちらの候補が当選しても米国の財政状況は弱体化する可能性が高い」と指摘して、大統領選後に米国の信用格付けを引き下げることを警告している。
■中国 ・多額の対米貿易黒字のほか、為替政策を巡る透明性が欠如している ・中国の経常黒字は対GDP比1.2%まで減少したものの、輸出量は急増し、輸出価格の下落を示している ・「中国は内需の弱さなどから今年、成長を牽引するために外需への依存を強めている」 ・「価格が下落する中での輸出量急増は中国の貿易相手国に大きな影響を与える可能性が高い」 ・人民元安の進行を防ぐために公式説明なく基準値を設定するといった為替慣行について、「主要経済国の中で例外的で、厳重な監視が必要だ」として透明性を高めるように要請 ・中国は為替介入を公表しておらず、為替政策の主な柱について広範囲にわたって透明性に欠ける。 ■日本 ・日本による4月以降の円買いドル売り介入には「日本は為替介入について透明性を保っている」(Japan is transparent with respect to foreign exchange operations, regularly publishing its foreign exchange interventions each month)などとして一定の理解を示した。 ・「介入は極めて例外的状況のみに限定され、適切な事前協議が行われるべきだ」 (intervention should be reserved only for very exceptional circumstances with appropriate prior consultations) ※日本財務省:ドル売り・円買い介入 ・4月29日と5月1日:9兆7885億円(620億ドル) ・7月11-12日:5兆5348億円(350億ドル)
バイデン米政権が、ウクライナによるロシア領内への攻撃を巡り、米国製の長距離兵器の使用を許可した、と報じられている。 ウクライナは米国が供給した長射程の戦術弾道ミサイルシステム「ATACMS」で、ロシア西部ブリャンスク州の軍事施設を攻撃した。 ロシア大統領府は、「核ドクトリン」の修正案を正式に決定する、と米国に警告し、プーチン露大統領は核ドクトリンの改定を承認して、核兵器の使用基準を緩和した。 ※追加「the use of Western non-nuclear rockets by the Armed Forces of Ukraine against Russia can prompt a nuclear response」「ウクライナ軍が欧米製の通常ミサイルでロシア領を攻撃した場合、核兵器での反撃が可能」 ラブロフ露外相は「核戦争が起きないというのがロシアの立場だ」と発言している。
今週の日経225先物は、波乱の展開から始まることになりそうだ。先週の米国市場は年内の追加利下げへの期待からNYダウ、 S&P500指数が連日で史上最高値を更新。中国の景気刺激策発表も材料視されたほか、マイクロン・テクノロジーの決算評価で他の半導体株に買いが広がる場面もみられ、主要な株価指数が週間ベースで上昇した。国内では良好な外部環境に加えて、9月期末の配当志向の物色や配当再投資に伴う需給が指数を押し上げる形となった。
また、自民総裁選を巡る思惑が相場の大きな変動要因となった。1回目の投票では、高市早苗氏が1位、石破茂氏が2位となった。日銀の利上げに批判的な高市氏がトップで決選投票に進んだことで、為替市場では1ドル=146円台に円安が進行し、これを受けて日経225先物は終盤にかけて急伸し、一時3万9900円まで買われた。
だが、決選投票では石破氏が逆転し、新総裁に選出。直後に円相場は一気に円高に振れ、日経225先物はナイトセッションで直近2日間の上昇分を帳消しにし、一時3万7290円まで急落し、日中比2410円安の3万7440円で終えている。
週初はこの下落に対する裁定解消売りが入るほか、ヘッジ対応のショートが強まりやすい。先週は9月2日の戻り高値3万8950円を突破し、13週移動平均線(3万7750円)、26週線(3万8120円)を大きく上放れて終えたが、ナイトセッションでこれらを割り込んでいる。75日線(3万8050円)を割り込んで始まり、200日線(3万7390円)、25日線(3万7350円)水準まで下げており、両線が支持線として機能するかを見極めることになりそうだ。
もっとも、高市氏の勝利を織り込んだ短期的な急伸後の急落であり、週初の波乱展開により需給整理は一気に進むとみられる。相場の落ち着きどころを探りつつ、改めて新政権への政策期待が高まる可能性があり、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。石破氏勝利で利上げ観測の高まりも警戒されそうだが、石破氏は日曜日の報道番組に出演し、政策金利の引き上げに慎重な姿勢を示している。貯蓄から投資の流れは止めてはいけないとも述べており、イレギュラー的な下落はロングの好機になりそうだ。
一方で、今週の米国では、10月1日に9月ISM製造業景気指数、2日に米国9月ADP雇用統計、4日には9月雇用統計などの発表が予定されている。改めて経済指標の結果を受けた米国の金融政策の行方に関心が向かうことになろう。年内の大幅利下げ観測が高まるようだと、NYダウ、S&P500指数の高値更新が意識されやすく、支援材料になる可能性がある。
なお、27日の米VIX指数は16.96(前日は15.37)に上昇した。ボトム圏での推移が続くなか、先週は週初に75日線を割り込み、その後も低下傾向をみせ200日線に接近していた。これまでも200日線が支持線として機能していたこともあり、反転しやすいところでもあったとみられる。週末には75日線(16.49)を上回り、25日線(17.34)に接近してきた。同線を上回ってくると慎重姿勢につながる可能性はあるが、基本的には20.00を明確に上回ってくるまでは、リスク選好の動きに向かいやすい。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.51倍に上昇した。指数インパクトの大きい東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]などが後場一段高となった影響が大きかった。一方で、東証プライムの騰落銘柄では値下がり数が過半数を占めるなど日経平均型に買いが集中していたため、ナイトセッションの動きから、NTロングのリバランスの動きが入りそうだ。ただし、一気に需給整理は進展するとみられ、リバランス一巡後はNTロングを意識しておきたいところである。
9月第3週(9月17日-20日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では5週連続の売り越しであり、売り越し額は7622億円(9月第2週は1兆0981億円の売り越し)だった。なお、現物は5122億円の売り越し(同1兆5425億円の売り越し)と5週連続の売り越しであり、先物は2500億円の売り越し(同4444億円の買い越し)と5週ぶりの買い越し。個人は現物と先物の合算で3421億円の売り越しで3週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で734億円の買い越しとなり、3週ぶりの買い越しだった。
主要スケジュールでは、9月30日に8月鉱工業生産、中国9月製造業PMI、米国9月シカゴ購買部協会景気指数、パウエルFRB議長講演、10月1日に8月完全失業率、日銀金融政策決定会合の主な意見、日銀短観、米国9月ISM製造業景気指数、米国8月JOLTS求人件数、米大統選副大統領候補テレビ討論会、2日に米国9月ADP雇用統計、3日に米国9月ISM非製造業景気指数、4日に米国9月雇用統計などが予定されている。
複数のメディアが報じたところによると、自民党の石破新総裁は明日10月1日に召集される臨時国会で9日に衆議院を解散し、27日に衆議院選挙の投開票を行う日程を軸に最終調整をしているという。
中国当局は29日、上海や広州、深センの主要3都市について住宅購入に対する規制を緩和することを発表した。広州については、住宅購入者の適格性審査をやめるほか、所有可能な住宅の数を制限しないなど規制を全て撤廃。上海と深センはより多くの人が郊外の住宅を購入できるようにしたほか、一部の人に関して購入可能な住宅の数を増やす措置を講じた。
<国内>
○08:50 ◎ 8月鉱工業生産速報(予想:前月比▲0.9%/前年比▲1.5%)
○08:50 ◇ 8月商業販売統計速報(小売業販売額、予想:前年比2.3%)
○14:00 ◇ 8月新設住宅着工戸数(予想:前年比▲3.6%)
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
<海外>
○09:00 ◇ 9月ANZ企業信頼感
○10:30 ◎ 9月中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:49.5)
○10:45 ◎ 9月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:50.5)
○10:45 ◎ 9月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:51.6)
○15:00 ◇ 8月独輸入物価指数(予想:前月比▲0.3%/前年比0.3%)
○15:00 ☆ 4-6月期英国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.6%/前年比0.9%)
○15:00 ◇ 4-6月期英経常収支(予想:330億ポンドの赤字)
○15:00 ◇ 9月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.2%)
○16:00 ◇ 9月スイスKOF景気先行指数(予想:101.0)
○17:30 ◇ 8月英消費者信用残高(予想:14億ポンド)
○17:30 ◇ 8月英マネーサプライM4
○21:00 ◎ 9月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比横ばい/前年比1.7%)
○21:00 ◎ 8月南アフリカ貿易収支(予想:200億ランドの黒字)
○21:50 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○22:00 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、議会証言
○22:45 ◎ 9月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:46.3)
○1日02:55 ☆ パウエルFRB議長、講演
○1日05:10 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○ニュージーランド(NZ)は29日から夏時間に移行済み
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、石破自民党新総裁の誕生と8月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)が前年比+2.2%だったこと、米10年債利回りが3.73%台まで低下したことなどで142.07円まで下落した。ユーロドルは米インフレ指標を受けて1.1203ドルまで上昇した後、1.1146ドル付近まで下押しした。ユーロ円は日経平均先物が大証終値比2560円安の3万7290円まで急落したことなどで158.57円まで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、石破自民党新総裁の誕生を受けた先週末海外市場の円買いの流れが継続すると予想される。
石破自民党新総裁は、デフレ脱却を旗印にした「アベノミクス」(大規模金融緩和・財政出動・円安による成長戦略)が短期的な株価上昇や円安による輸出拡大に成功した一方、長期的には日本の競争力が低下したと評価している。彼は「アベノミクス」を「都市部優先」だと批判しており、経済成長を都市部から地方へと広げるための内需主導型の経済政策が必要だと主張してきた。
石破自民党新総裁が目指す経済政策「イシバノミクス」は、金融引締め、緊縮財政、円高政策、を指向していると思われる。
日銀の金融政策に関しては、7月の利上げについて「金融緩和という基本的政策を変えないなかで徐々に金利のある世界を実現していくのは正しい政策だ」と利上げを容認しつつも、「日銀の独立性を尊重する。経済や国民生活に支障が生じない範囲、ペースで正常化されることを期待する」「政府と日銀は緊密に協力すべき、金融政策に関して日銀に要請はしない」「緩和的な金融政策の方針は変わらない」とも述べていた。
適正な為替水準については「常識的に、ドル円は110円から140円と言われている」と述べていた。
財政政策に関しては、「必要であれば財政刺激策を実施する」と述べ、金融所得課税の実施にも肯定的な考えを示していた。
イシバノミクスは、アベノミクスの円安・株高を巻き戻す円高・株安の可能性が警戒されることで、石破内閣の布陣や解散・総選挙に向けて、「石破トレード(株安・円高)」が市場のテーマになる可能性に警戒しておきたい。
米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している8月分のPCEデフレーターが前年比+2.2%まで低下して、インフレ目標2%に接近したことで、11月6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%の追加利下げ(※FF金利誘導目標4.25-50%)の可能性が高まっている。
さらに、石破自民党総裁の誕生により、10月30-31日の日銀金融政策決定会合での追加利上げの可能性も高まっていることで、ドル売り・円買いに拍車がかかる可能性に警戒しておきたい。
しかし、石破新総裁が有権者の信任を確保しようと総選挙を断行した場合、日銀は年内の利上げを見合わせる可能性が高まることになる。
また、イシバノミクスにより、債務削減の取り組みや企業再編の波が起これば、日本企業が海外で保有している資産の日本への還流「レパトリエーション」が誘発されることで、円キャリー取引の巻き戻しに拍車がかかることになる。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 37440 -2410 (-6.04%)
TOPIX先物 2606.0 -140.0 (-5.09%)
シカゴ日経平均先物 37450 -2400
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
26日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落。8月の米個人消費支出(PCE)は、食品とエネルギーを除くPCEコア価格指数が前月比0.1%上昇だった。前月(0.2%上昇)から縮小し市場予想(0.2%上昇程度)を下回ったことで、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でも0.5%利下げを決めるとの観測が高まった。
9月の米ミシガン大消費者態度指数(確報値)は70.1と、速報値(69.0)から上方修正され、米経済の見通しに対する消費者の懸念が薄れた。消費関連や景気敏感株を中心に買いが優勢になったが、週末要因によりハイテク株の一角には利益確定に伴う売りが出た。S&P500業種別指数は自動車・同部品、エネルギー、耐久消費財・アパレルが下落した半面、半導体・同製造装置、小売、食品・生活必需品小売が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比2400円安の3万7450円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比1950円安の3万7900円で始まり、開始直後に3万7630円まで急落した。売り一巡後は3万8400円まで下落幅を縮め、3万7950円~3万8300円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを下放れ、終盤にかけて下げ幅を広げ3万7290円まで売られる場面もみられており、3万7440円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から、ギャップダウンで始まりそうだ。自民党総裁選では利上げに批判的な高市早苗経済安保相がトップで決選投票に進んだことで、為替市場では円相場が1ドル=146円台に円安が進行し、これを受けた27日の日経225先物は終盤にかけて急伸し、一時3万9900円まで買われた。だが、決選投票では石破茂氏が逆転し、新総裁に選出された。直後に円相場が一気に円高に振れる一方、日経225先物はナイトセッションで急落し、直近2日間の上昇分を帳消しにした。
この下落に対する裁定解消売りのほか、ヘッジ対応のショートが強まりやすく、朝方は下へのバイアスが強まる波乱の展開になりそうだ。しかし、高市氏の勝利を織り込んだ短期的な急伸後の急落であり、朝方の波乱で需給整理は一気に進むとみられる。石破新総裁は29日に出演した報道番組で、政策金利の引き上げに慎重な姿勢を示しており、イレギュラー的な下落が一巡した後は、ロングのタイミングを探ることになりそうだ。
日経225先物はナイトセッションでの急落で、一気に25日移動平均線(3万7350円)水準まで下げている。オーバーシュート気味に3万7000円を割り込む場面はありそうだが、改めて新政権の政策期待が高まる可能性があり、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
そのため、オプション権利行使価格の3万7000円から3万8000円のレンジを想定。25日線水準での底堅さがみられる局面では、75日線(3万8050円)が意識されそうだ。75日線突破後はショートカバーを交えた値動きによって、3万8000円から3万9000円のレンジに移行する展開とみておきたい。
なお、27日の米VIX指数は16.96(前日は15.37)に上昇した。ボトム圏での推移が続き、先週は週初に75日線を割り込み、その後も低下傾向のなかで200日線に接近していた。いったんは反転しやすいタイミングであったと考えられ、20.00を明確に上回ってくるまでは、リスク選好の動きに向かいやすいだろう。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.51倍に上昇した。終盤にかけて日経平均型に買いが集中した影響が大きかったとみられ、ナイトセッションの動きから、本日はNTロングのリバランスが入りそうだ。ただし、一気に需給整理が進展した後は、NTロングを意識しておきたいところである。
日経225先物は11時30分時点、前日比1840円安の3万8010円(-4.61%)前後で推移。寄り付きは3万7900円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7450円)にサヤ寄せする形で、売り先行で始まった。直後に付けた3万7860円を安値にやや下げ幅を縮めるなか、現物の寄り付き直後には3万8470円まで持ち直し、75日移動平均線(3万8060円)のほか、ナイトセッションで付けた高値(3万8400円)を上回る場面もみられた。ただし、75日線をキープできず、終盤にかけては寄り付き水準を下回っての推移となった。
日経225先物は一時3万8470円まで下げ幅を縮めたものの、75日線を支持線に変えることができず、戻り待ち狙いのショートに押される格好となった。ただし、25日線(3万7370円)を意識したバイアスは強まっておらず、積極的にはショートは仕掛けにくいだろう。売り一巡後の底打ちを探る動きのなか、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.33倍に低下した。先週末のNTロングに対するリバランスの動きとなったが、先週末の上昇前の水準に低下してきたため、リバランスは一巡したようだ。日経225先物が3万8000円水準での底堅さがみられてくるようだと、改めてNTロングに向かわせよう。
先週末は石破自民党総裁の誕生をきっかけに一気にリスクオフ的な動き。ドル円は第1回目の投票結果を受けて、女性初の総裁を期待したリスクオン相場となると一時146.49円まで急伸。日経平均は連日の高値引けとなってご祝儀相場を先取りするような動きとなったわけですが、一転してそれぞれに142.07円、37290円まで売り込まれることになりました。
ドル円は一時142.80円まで下落した後、143.77円までショートカバーが進んだものの、NY市場に入って8月米PCEコアが弱い数字となったことから米金利が低下。142.40円まで安値を更新しました。石破新総裁の発言が伝わると143.08円まで買戻される場面もみられましたが、引けにかけては日経平均先物が2500円を超える暴落となるなか、142.07円まで値を下げて週末の取引を終えています。
週明けのアジア市場では、早朝に一時142.06円と先週末の安値を1銭だけ更新したものの、その後は日経先物が下げ幅を縮めるにつれて買戻される展開に。期末とあって本邦実需の買いも観測されると一時142.95円まで値を上げました。前場引けにかけては日経平均が再び戻り売りにおされるなか142.27円まで下押すなど、株価を睨む神経質な動きとなっています。
いずれにしても、市場は海外勢を中心に予想外の結果になったことに対する石破ショックだったわけですが、株価にとっては、先週の水曜日から織込みに入った分の上げを全て消す動き。ドル円については、20日の日銀金融政策決定会合時の安値付近まで値を下げて、結局、振出しに戻ったといったところ。石破ショックが、今後の株価の急落やリスクオフを招くといったショックではないことを認識する必要があるのかもしれません。
石破内閣の人事や政策を見極めるのが筋ですが、早くも10月9日には衆議院解散、10月27日に総選挙が確実視されているわけで、市場からは「政策も人事も何もへったくれもない」との声も聞かれています。それよりも、今後は総選挙後の新たな政権に対する期待感が改めて高まっていかなければならず、石破政権にとっても、既に先週末から明らかな火消し発言が相次いているように、総裁選前に強調していた緊縮財政を前面に出して、この株価を暴落のままで放置してしまった場合の選挙リスクは甚大。就任早々に日経先物のサーキットブレーカーを発動させる不名誉な事実を突きつけられ、負け戦を強いられるリスクを敢えてとるはずもなく、石破ショックが逆にチャンスに転じる可能性を模索していくことになりそうです。ドル円は目先、一目転換線の位置する143.47円が戻りの目処として意識されています。
「デフレからの脱却を確実にしていかなければならない。物価上昇を上回る賃金上昇を実現するために、新しい資本主義にさらに加速度をつける」(石破自民党新総裁)
石破自民党新総裁(以下石破新総裁)は、デフレ脱却を旗印にした「アベノミクス」(大規模金融緩和・拡張的財政出動・円安による成長戦略)が短期的な株価上昇や円安による輸出拡大に成功した一方、長期的には日本の競争力が低下したと評価している。
石破新総裁は「アベノミクス」を「都市部優先」だと批判しており、経済成長を都市部から地方へと広げるための内需主導型の経済政策が必要だと主張してきた。
石破新総裁が目指す経済政策「イシバノミクス」は、金融引締め、緊縮財政、円高政策、を指向していると思われる。
1.円高政策
石破新総裁は、適正な為替水準については「常識的に、ドル円は110円から140円と言われている」と述べていた。
また、イシバノミクスにより、債務削減の取り組みや企業再編の波が起これば、日本企業が海外で保有している資産の日本への還流「レパトリエーション」が誘発されることで、円キャリー取引の巻き戻しに拍車がかかることになる。
ドル円のテクニカル分析では、2023年1月の安値127.23円を起点にして、2024年7月の高値161.95円まで上昇した後、140円付近をネック・ラインとする「ヘッド・アンド・ショルダー」を形成している。
石破新総裁がドル円の上限と言及している140円を割り込めば、「ヘッド・アンド・ショルダー」が完成して、ドル高トレンドの起点である127.23円を目指す下落トレンドが予想される。
2.金融引締め:金利のある世界
日銀の金融政策に関しては、7月の利上げについて「金融緩和という基本的政策を変えないなかで徐々に金利のある世界を実現していくのは正しい政策だ」と利上げを容認していた。一方で、「日銀の独立性を尊重する。経済や国民生活に支障が生じない範囲、ペースで正常化されることを期待する」「政府と日銀は緊密に協力すべき、金融政策に関して日銀に要請はしない」「緩和的な金融政策の方針は変わらない」とも述べていた。
石破新総裁が年内の解散・総選挙を打ち出した場合、日銀金融政策決定会合での追加利上げは先送りされる可能性が高まるものの、植田日銀総裁にとっては、利上げ路線を継続できる可能性は高まったことになる。
3.緊縮財政政策(金融所得課税・法人増税)
財政政策に関しては、「必要であれば財政刺激策を実施する」と述べ、金融所得課税の実施も肯定的な考えを示していた。
また、タカ派の石破新総裁は、米政策研究機関「ハドソン研究所」への寄稿で、中国などを抑止するために「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」を創設し、米国の核兵器を共同運用する「核共有」や「核の持ち込みも具体的に検討しなければならない」と主張している。
防衛力強化の財源として、法人税増税も示唆している。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、9月独消費者物価指数(CPI)速報値を見極めて明日発表の9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値を探り、10月17日の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げの可能性を探る展開となる。
また、イスラエルとヒズボラとの対立が激化して中東の地政学リスクが高まる可能性には、引き続き警戒しておきたい。
9月独CPI速報値の予想は前月比横ばいで、8月の同比-0.1%からは上昇が見込まれており、前年比は+1.7%で、8月の同比+1.9%からの伸び率鈍化が見込まれている。
予想通りに前年比で伸び率が鈍化していた場合、9月ユーロ圏HICP速報値も伸び率鈍化が見込まれることで、ECB理事会での追加利下げ観測が高まることになる。
先日のECB理事会では、予想通りに中銀預金金利の0.25%の利下げが全会一で決定されたが、声明では、「金利の特定の道筋を約束することはない」と改めて表明され、ラガルドECB総裁も「金利の低下軌道は明白だが、金利の道筋は事前に決定されていない。10月の会合については一切約束されていない」と述べていた。
ポンドドルは、4-6月期英国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.6%/前年比0.9%)を見極めることになる。
ベイリー英中銀(BOE)総裁は、先日、「金利の道筋は緩やかに下向きになると考えている。今後もインフレ率を持続的に目標水準に合致させる必要がある。現時点ではインフレの構成要素がかなり不均衡な組み合わせになっている」と述べていた。
市場では、11月の金融政策委員会(MPC)で政策金利を4.75%に引き下げる見通しが強まっているが、8月のMPC では、4名の委員が据え置きを支持していたため、GDP改定値が上方修正された場合は、利下げ観測が後退する可能性に警戒しておきたい。
4名は、利下げ反対理由として成長率が予想以上であることを挙げていた。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1214ドル(9/25高値)
・ユーロ円:160.27円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.3434ドル(9/26高値)
・ポンド円:192.01円(5日移動平均線)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1108ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:157.78円(9/19安値)
・ポンドドル:1.3218ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:188.73円(9/20安値)
(30日15時時点)
ドル円:1ドル=141.71円(前営業日NY終値比▲0.50円)
ユーロ円:1ユーロ=158.23円(▲0.56円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1166ドル(△0.0004ドル)
日経平均株価:37919.55円(前営業日比▲1910.01円)
東証株価指数(TOPIX):2645.94(▲95.00)
債券先物12月物:144.65円(▲0.57円)
新発10年物国債利回り:0.850%(△0.045%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月鉱工業生産・速報値
前月比 ▲3.3% 3.1%
前年同月比 ▲4.9% 2.9%
8月商業販売統計速報(小売業販売額)
前年同月比 2.8% 2.7%・改
8月新設住宅着工戸数
前年同月比 ▲5.1% ▲0.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。先週末に相場が急落した反動で買い戻しが先行したものの、142.95円を高値に上昇が一服すると再び売りに押された。週明けの日経平均株価が2000円超の大幅安となったことも相場の重しとなり、一時141.65円まで下押しした。
・ユーロ円も上値が重い。9時前に159.65円まで上昇する場面があったが、その後はドル円と同様に上値の重さが意識されて158.19円の安値まで反落した。
・ユーロドルはもみ合い。円絡みの取引が中心となるなか、前週末の終値を挟んだレンジ内で方向感なく上下した。
・日経平均株価は3営業日ぶりに大幅反落。前週末の自民党総裁選で石破氏が新総裁に選出されたことを受け、投資家や企業への課税強化などを示していた同氏への警戒感から売りが優勢となった。外国為替市場で急速に円高が進んだことも売りを促し、指数は一時2000円超急落した。
・債券先物相場は反落。前週末は自民党総裁選で、日銀の利上げに否定的な高市氏が有利との思惑から買いが進んでいたため、石破氏の勝利を受けて売り戻しが優勢となった。
大阪12月限
日経225先物 37930 -1920 (-4.81%)
TOPIX先物 2645.5 -100.5 (-3.65%)
日経225先物(12月限)は前日比1920円安の3万7930円で取引を終了。寄り付きは3万7900円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7450円)にサヤ寄せする形で、売り先行で始まった。直後に付けた3万7860円を安値にやや下げ幅を縮め、現物の寄り付き直後には3万8470円まで持ち直し、75日移動平均線(3万8060円)のほか、ナイトセッションで付けた高値(3万8400円)を上回る場面もみられた。
だが、75日線をキープできず、前場終盤にかけては寄り付き水準を下回っての推移となり、ランチタイムで3万7830円まで売られた。後場中盤には3万8130円と再び75日線を上回ってきたが維持できず、終盤にかけて一時3万7810円まで売られ、小幅ながら下値を切り下げていた。
日経225先物は一時3万8470円まで下げ幅を縮めたものの、75日線を支持線に変えることができず、戻り待ち狙いのショートに押される格好となった。ただし、25日線(3万7370円)を意識したバイアスは強まっておらず、積極的にはショートを仕掛けてくる動きは限られた。後場は円相場が1ドル=141円台と円高に振れるなかで、若干ながら下値を切り下げる形ではあったが、概ね3万7800円処での底堅さはみられていた。
東証プライムの騰落銘柄は値下がり数が1500を超え、全体の9割超を占めた。出来高は26億株(27日は22億4900万株)に膨れており、「高市トレード」のリバランスは一巡した感がある。日経225先物は27日の取引終了後のナイトセッションで一時3万7290円まで売られ、一時25日・200日線を割り込む場面もみられたが、本日は売り一巡後に3万8000円近辺で推移する75日線を挟んでの推移だった。
3万8000円水準での底堅さがみられるなか、改めてロングが入りやすい需給状況に向かう可能性がありそうだ。まずは27日の安値水準である3万8750円辺りが意識されやすく、目先的にはオプション権利行使価格の3万8000円から3万8750円のレンジを想定する。
NT倍率は先物中心限月で14.33倍に低下した。先週末のNTロングに対するリバランスの動きとなったが、上昇前の水準に低下してきたため、リバランスは一巡したようだ。日経225先物が3万8000円水準での底堅さがみられてくるなか、改めてNTロングに向かわせそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が3万3338枚、ソシエテジェネラル証券が1万7023枚、サスケハナ・ホンコンが6530枚、バークレイズ証券が6502枚、JPモルガン証券が4229枚、SBI証券が3689枚、モルガンMUFG証券が3185枚、野村証券が3135枚、ゴールドマン証券が1688枚、ドイツ証券が1377枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が4万0917枚、ソシエテジェネラル証券が2万4330枚、JPモルガン証券が9052枚、バークレイズ証券が7876枚、モルガンMUFG証券が6023枚、ゴールドマン証券が6004枚、サスケハナ・ホンコンが4506枚、BNPパリバ証券が4378枚、ビーオブエー証券が4062枚、みずほ証券が2832枚だった。
本日のニューヨーク為替市場でドル円は、石破ショックによる円買いが欧州前半に一服するなか、米金利動向を眺めながらの取引となるか。主な米国の経済指標は9月シカゴ購買部協会景気指数のみだが、序盤にボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事が経済見通しや今後の政策運営について発言予定。そして昼過ぎには、本日のメインイベントとなるパウエルFRB議長の講演が予定されている。
パウエル議長は、全米企業エコノミスト協会(NABE)の昼食会で話す見込み。基本的には、18日に0.50%利下げを決定した米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見内容に沿った発言が想定される。同議長は、「インフレ率は我々の目標にかなり近づき、持続可能なペースで2%へと進んでいるとより強く確信を持てた」などと述べていた。
注目ポイントの1つは、8月個人消費支出(PCE)デフレーターについて、パウエルFRB議長がどのような見解を示すか。同指標は前年比で予想以上に減速しており、先週末にドル売り圧力を強めるきっかけとなった。パウエル議長は前述した記者会見で、「FRBが急いでいることを示唆する予測は何もない」と発言していた。
また欧州前半に買いが強まったユーロドルも、この後さらに動意付く可能性がありそうだ。日本時間21時に9月独消費者物価指数(CPI)、その1時間後にラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の議会証言が予定されている。ドイツ各州の同月CPIは既に発表され、全般的に前年比が減速していた一方、前月比の加速が目立った。独長期金利が上昇で反応したことを受けてユーロ高に振れた。
ラガルドECB総裁が自身の見解を強調することは少なく、議会ではサプライズなき証言に終わる可能性は確かにある。ただしユーロの地合い的には、利下げに少しでも消極的と受けとめられた場合、1.12ドル台で上値余地を試す場面があるかもしれない。
想定レンジ上限
・ドル円、日足一目均衡表・基準線143.40円
・ユーロドル、25日高値を超えると同日下落幅の上方倍返し1.1306ドル
想定レンジ下限
・ドル円、本日安値141.65円を割り込むと18日安値140.45円
・ユーロドル、25日安値1.1122ドル
今週のNY市場は米9月雇用統計に注目。
先週はダウ平均が0.59%高、S&P500が0.62%高、ナスダック総合が0.95%高とそろって3週続伸した。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注視する8月個人消費支出(PCE)価格指数の発表を週末金曜日に控えて積極的な取引が控えられる中、9月S&Pグローバル製造業PMI速報値や同月消費者信頼感指数の悪化を受けて景気後退(リセッション)懸念が強まったことが上値圧迫要因となった。
しかしながら、前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利下げが引き続き好感されたほか、予想を上回る決算や強い見通しを発表したマイクロン・テクノロジーが急伸し、半導体株が軒並み上昇したことや、週後半に発表された新規失業保険申請件数などが強い結果となりソフトランディング期待が再び高まったこと、金曜日の8月PCE価格指数が予想を下回る伸びとなり、FRBによる追加利下げ期待が一段と高まったことが支援となった。
ダウ平均は26日を除く4日間で取引時間中と終値の史上最高値を更新し、終値でも23、24、27日の3日間で過去最高値を更新した。S&P500もほぼ連日で取引時間中と終値の最高値を更新した。ナスダック総合も27日を除く4日間で上昇し、史上最高値まで3%未満に迫った。月初来ではダウ平均が1.80%高、S&P500が1.59%高、ナスダック総合が2.29%高となり、下落することが多い9月にダウ平均とS&P500が5カ月続伸ペース、ナスダック総合が2カ月続伸ペースとなった。
今週は足もとの景気動向を巡り、週末金曜日に発表される米9月雇用統計が焦点となりそうだ。先週末の8月PCE価格指数が予想を下回る伸びとなり、インフレ鎮静化見通しが強まった一方、景気の先行きを巡っては労働市場の動向への注目が高まっている。9月雇用統計が弱い結果となればソフトランディング期待の後退が株式市場の重しとなることが警戒される。
このほか、9月ISM製造業・非製造業PMI、8月JOLTS求人件数なども発表されるほか、パウエルFRB議長をはじめFRB高官の発言も多数予定されている。企業決算はカーニバル、マコーミック、ナイキ、コナグラ・ブランズなどS&P500採用の7銘柄が発表予定。
今晩の米経済指標・イベントは9月シカゴ地区PMI、パウエルFRB議長講演など。企業決算は寄り前にカーニバルが発表予定。
日経平均株価は大幅反落。下落幅は一時2000円を超える場面があった。大幅安スタートから下値模索の展開となり、5日移動平均線(38497円 9/30)や75日移動平均線(38277円 同)を一気に下回った。200日移動平均線(37752円 同)付近で下げ渋ったものの、戻りが鈍いまま長い陰線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の84.0%→61.0%(9/30)へ低下した。200日移動平均線や25日移動平均線(37559円 同)、10日移動平均線(37653円 同)などが集中する水準や、37000円付近までを下値メドに反発基調に転じられるかが週前半の焦点となる。
先週、9/2高値の戻り高値を超えたことで、8/5安値を起点とした上昇二段上げ目に突入した。目先の調整をこなしながらも、当面の重要な水準となるのは7/18の下げで開けたマド上限(41054円)である。
上値メドは、9/27高値(39829円)、心理的節目の4万円、7/17安値(41054円)、心理的節目の42000円、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、10日移動平均線や25日移動平均線、9/12高値(36902円)、9/18高値(36675円)、9/17安値(35828円)、9/11安値(35253円)などがある。
(30日終値:1日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=143.09円(30日15時時点比△1.38円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.59円(△1.36円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1152ドル(▲0.0014ドル)
FTSE100種総合株価指数:8236.95(前営業日比▲83.81)
ドイツ株式指数(DAX):19324.93(▲148.70)
10年物英国債利回り:4.003%(△0.026%)
10年物独国債利回り:2.123%(▲0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月独輸入物価指数
(前月比) ▲0.4% ▲0.4%
(前年比) 0.2% 0.9%
4-6月期英国内総生産(GDP)改定値
(前期比) 0.5% 0.6%
(前年同期比) 0.7% 0.9%
9月独消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) 0.0% ▲0.1%
(前年比) 1.6% 1.9%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。アジア時間に一時141.65円まで売り込まれた反動でショートカバーが先行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが上昇したことも相場の支援材料。9月米シカゴ購買部協会景気指数が予想を上回るとさらにドル買いが優勢となり、一時143.37円まで値を上げた。月末・期末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローも観測された。
ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するボスティック米アトランタ連銀総裁が「労働市場が引き続き弱ければ、0.50%の追加利下げの可能性も排除しない」と発言すると、米10年債利回りが上昇幅を縮小。ドル円にも売りが出て142.95円付近まで下押しした。なお、グールズビー米シカゴ連銀総裁も複数回の利下げの可能性を示唆した。
もっとも、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「政策は時間をかけて中立的姿勢に移行する」「FRBは会合ごとに決定を下す」と述べたほか、「国内総生産(GDP)の下振れリスクは国内総所得(GDI)の修正によるものだが、GDIは上方修正された」と発言すると再び強含む展開に。市場では「この発言はFRBがよりタカ派的になることを示唆している」との声が聞かれ、一時143.83円と日通し高値を更新した。また、パウエル氏は「経済が予想通りに進展すれば、今年はさらに2回の利下げが行われ、合計0.50%となる」と話し、市場の一部で浮上している大幅利下げ観測を否定する見解を示した。
・ユーロドルは頭が重かった。独長期金利の上昇などを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行し、18時前に一時1.1209ドルと日通し高値を付けた。ただ、25日に付けた年初来高値1.1214ドルがレジスタンスとして働くと失速した。直近発表のユーロ圏各国の物価指標を受けて、欧州中央銀行(ECB)が追加利下げに動きやすくなるとの見方が広がる中、ユーロ売りが出やすい面もあった。独長期金利も終盤低下に転じた。
NY市場では予想を上回る米経済指標を受けてユーロ売り・ドル買いが進行。月末・期末のロンドン・フィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いのフローも見られた。ボスティック氏のハト派的な発言が伝わると下げ渋る場面もあったが、パウエル議長の発言を受けてすぐに失速。3時30分前には一時1.1114ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は持ち直した。ドル円と同様に、アジア市場では一時158.11円まで売り込まれたものの、欧州市場に入ると一転買い戻しが優勢に。22時前には一時159.98円と本日高値を付けた。ただ、ユーロドルの下落につれた売りが出ると159.23円付近まで伸び悩んだ。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反落。日本株相場の大幅下落などを受けて投資家心理が悪化すると、売りが優勢となった。食品サービスのコンパス・グループやホテル経営大手インターコンチネンタル・ホテルズ・グループなど一般消費財サービスが売られた。HSBCやバークレイズなど金融株も値下がりした。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反落。連日で史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが優勢となった。日本株相場の大幅下落も投資家心理を冷やし、相場の重しとなった。個別ではポルシェ(4.31%安)やインフィニオン・テクノロジーズ(3.78%安)、コンチネンタル(2.78%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。
30日の日経平均は3日ぶり大幅反落。終値は1910円安の37919円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり130/値下がり1505。株式市場では前の週に高市早苗氏の総裁選勝利を見越していたため、そうならなかったことで逆回転の動きが出てきた。恩恵を受けたのは銀行株で、高市氏が早期の利上げに否定的な見解を示していたことから先週は売られ、きょうは見直し買いが入った。三井住友やみずほFGが大幅上昇。楽天銀行が後場に出てきた日経電子版の記事を材料に騰勢を強めた。石破氏の政策に対する期待からチェンジHDやホープが地方創生関連として人気化。雨風太陽は場中に値が付かずストップ高比例配分となった。
一方、27日の米国でエヌビディアが売られたことから、レーザーテック、東京エレクトロン、ディスコなど半導体株が急落。急速な円高進行を受けてトヨタ、ホンダ、スズキなど自動車株が軒並み安となった。円高が嫌気されたという点では、三越伊勢丹や高島屋など百貨店株もインバウンド需要減退懸念から軒並み安。高市氏の敗北で日銀が追加利上げに踏み切りやすくなったとの見方から、三井不動産や三菱地所など不動産株が売り込まれた。高市氏の肝入り政策関連として先週買われていたサイバーセキュリティ関連が崩れており、FFRIがストップ安となった。
日経平均は26日に1055円高、27日に903円高となって、きょう30日が1910円安。派手な下げにはなったが、高市氏期待で上げた分がはく落した程度。26日、27日の上昇がなければ、きょうはここまでの下げにはならなかったと思われる。きょうの下げを「ショック」と捉えてしまうと、相場の方向性を見誤る可能性がある。自民党総裁選に関しては、候補者が9人もいながら経済に関する発言がクローズアップされたのは高市氏くらいであった。今年に入って日銀に追加利上げを催促した候補者も2人おり、株式市場で高市氏に対する期待が過度に高まった感は否めない。
ただ、きょうの下げが「ショック」でなかったとしても、新総裁誕生を株式市場が祝福しなかったことはネガティブ。安く始まった後も、切り返す場面がほとんどなかった。早々に反転しないと、株安が支持率にも響くリスクがある。カギを握るのはドル円か。高市氏が勝利しなかったことで逆回転の円高が進んだが、石破氏は会見で10月27日に衆議院選挙の投開票を行うことを表明した。次回の日銀金融政策決定会合は10月30日~31日。投開票は終わっているが直後であるだけに、ここで日銀がさらなる利上げに踏み切るハードルは高い。円高にブレーキがかかれば、日本株には見直し買いが入る展開が期待できる。あすは派手な上昇はいらない。ドル円と指数の値動きが落ち着き、相場の混乱が一時的にとどまるとの見方が強まるかどうかが注目される。
(30日終値)
ドル・円相場:1ドル=143.63円(前営業日比△1.42円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.94円(△1.15円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1135ドル(▲0.0027ドル)
ダウ工業株30種平均:42330.15ドル(△17.15ドル)
ナスダック総合株価指数:18189.17(△69.58)
10年物米国債利回り:3.78%(△0.03%)
WTI原油先物11月限:1バレル=68.17ドル(▲0.01ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2659.4ドル(▲8.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。アジア時間に一時141.65円まで売り込まれた反動でショートカバーが先行。9月米シカゴ購買部協会景気指数が予想を上回るとさらにドル買いが進み、一時143.37円まで値を上げた。月末・期末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローも観測された。
ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するボスティック米アトランタ連銀総裁が「労働市場が引き続き弱ければ、0.50%の追加利下げの可能性も排除しない」と発言すると、142.95円付近まで伸び悩んだ。グールズビー米シカゴ連銀総裁も複数回の利下げの可能性を示唆した。
もっとも、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「国内総生産(GDP)の下振れリスクは国内総所得(GDI)の修正によるものだが、GDIは上方修正された」と発言すると再び強含む展開に。市場では「この発言はFRBがよりタカ派的になることを示唆している」との声が聞かれ、3時30分前には一時143.91円と日通し高値を更新した。さらにパウエル氏は「経済が予想通りに進展すれば、今年はさらに2回の利下げが行われ、合計0.50%となる」と話し、市場の一部で浮上している大幅利下げ観測を否定する見解を示した。
・ユーロドルは続落。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が「最近の物価指標はインフレ率が速やかに目標に戻るという我々の確信を強めるもの」「次回理事会でこれを考慮する」と述べ、追加利下げに含みを持たせると全般ユーロ売りが先行。予想を上回る米経済指標も相場の重しとなった。市場では「月末・期末のロンドン・フィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いのフローも観測された」との指摘もあった。
その後、ボスティック氏のハト派的な発言を受けて下げ渋る場面もあったが、パウエル議長の発言が伝わると失速。3時30分前には一時1.1114ドルと日通し安値を更新している。
なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、11月6-7日のFOMCで0.50%の利下げを予想する確率は前週末の53.3%から35%程度まで低下した。
・ユーロ円は反発。ユーロドルの下落につれた売りが出ると159.23円付近まで値を下げたものの、ドル円の上昇に伴う買いが入ると一時160.13円と本日高値を付けた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら3日続伸し、史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。パウエルFRB議長の発言を受けて追加の大幅利下げ観測が後退すると売りが強まり一時380ドル超下落した。ただ、米景気への楽観が続く中、引けにかけては月末に絡んだ買いが入り上げに転じた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反発。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。パウエルFRB議長が「FRBは急激な利下げを急いでおらず、データに基づいて判断する」「経済が予想通りに進展すれば、今年はさらに2回の利下げが行われ、合計0.50%となる」と発言すると売りが優勢となった。
・原油先物相場は小反落。上海総合指数が8%超上昇する大幅高で引けるなど、中国の景気刺激策で原油の需要が高まる期待感で続伸して始まった。また、週末にイスラエル軍が石油輸出国機構(OPEC)参加国のイランが支援するヒスボラ等を空爆したことで、中東情勢の更なる悪化懸念による供給不安も原油先物の支えになり堅調な動きを見せていた。しかし、パウエルFRB議長がこれまでよりもタカ派寄りとも捉えられる発言をすると、対円や対ユーロなどでドルが日通し高値を更新。ドルで取引される原油先物は割高感から上げ幅を全て吐き出し僅かながら反落して引けた。
・金先物相場は続落。週末のイスラエル軍の攻撃拡大を嫌気し安全資産とさえる金先物が買われる場面もあったが、ドルが徐々に強含むと、ドルで取引される金先物価格は割高感から売りが優勢になった。
30日22:05 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「欧州の回復は逆風に直面している」
「ディスインフレが過去2カ月間で加速した」
「インフレ目標の2%を速やかに達成できる確信がより増した」
「次回インフレ率はベースラインを下回る可能性が高い」
1日01:34 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「労働市場が弱まれば0.50%の追加利下げを排除せず」
1日01:53 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「港湾閉鎖が続く可能性を心配している」
「FRBが利下げに踏み切るのは、経済が正常化したからだ。」
「雇用市場は持続可能」
「金利の引き下げは時代の要請」
「雇用市場に関する指標を注意するべき」
「利下げで最も重要なのは緩和のプロセス」
「多くの利下げが行われるだろう」
「インフレ率は目標に近づいている」
「利下げのケースは明確で、政治とは関係ない」
1日02:55 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「政策は時間をかけて中立的姿勢に移行する」
「FRBは会合ごとに決定を下す」
「労働市場はこの1年落ち着いてきたが、依然力強い」
「経済はディスインフレが一段と進む情勢にある」
「2%のインフレ率を達成するには雇用市場のさらなる冷え込みは必要ない」
「9月の利下げは、堅調な雇用市場による低インフレ達成への自信を反映したもの」
「経済は堅調、その水準を維持するために手段を使うつもりだ」
「インフレリスクと雇用目標はほぼ均衡」
「GDPの下振れリスクはGDIの修正だったが、GDIは上方修正された」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◎ 8月完全失業率(予想:2.6%)
○08:30 ◎ 8月有効求人倍率(予想:1.24倍)
○08:50 ☆ 日銀・企業短期経済観測調査(短観、9月調査)
☆ 大企業製造業の業況判断指数(DI、予想:13)
◎ 大企業非製造業の業況判断指数(DI、予想:32)
◎ 大企業製造業DI・12月見込み(予想:12)
◎ 大企業非製造業DI・12月見込み(予想:30)
◎ 大企業全産業設備投資計画(前年度比、予想:11.9%)
○08:50 ◇ 日銀金融政策決定会合における主な意見(9月19-20日分)
○臨時国会召集、首相指名選挙
<海外>
○06:45 ◎ 8月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○10:30 ◎ 8月豪住宅建設許可件数(予想:前月比▲4.3%)
○10:30 ◎ 8月豪小売売上高(予想:前月比0.4%)
○15:30 ◇ 8月スイス小売売上高
○16:00 ◇ 9月トルコ製造業購買担当者景気指数(PMI)
○16:00 ◎ デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○16:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○16:30 ◇ 9月スイス製造業PMI(予想:48.0)
○16:50 ◎ 9月仏製造業PMI改定値(予想:44.0)
○16:55 ◎ 9月独製造業PMI改定値(予想:40.3)
○17:00 ◎ 9月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:44.8)
○17:00 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○17:30 ◎ 9月英製造業PMI改定値(予想:51.5)
○18:00 ☆ 9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比1.8%)
○18:00 ☆ 9月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比2.7%)
○22:45 ◎ 9月米製造業PMI改定値(予想:47.0)
○23:00 ☆ 9月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:47.5)
○23:00 ◇ 8月米建設支出(予想:前月比0.1%)
○23:00 ◎ 8月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数(予想:765.5万件)
○23:00 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○24:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、あいさつ
○2日00:10 ◎ クック米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○2日00:30 ◎ シュナーベルECB専務理事、講演
○米副大統領候補テレビ討論会(日本時間2日10時)
○香港、中国(国慶節)、メキシコ(新大統領就任日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
石破自民党総裁は30日、10月27日に総選挙を実施する意向を表明した。
一部報道が関係者筋の話として伝えたところによると、独政府は今年のプラス成長見通しを撤回する方向にあるようだ。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、11月6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを予想する確率は前週末の46.7%から65.8%に上昇した一方、0.50%の利下げを予想する確率は53.3%から34.2%に低下した。
30日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、月末・期末のロンドン・フィキシングに絡んだドル買いやパウエルFRB議長が市場の一部で浮上している大幅利下げ観測を否定する見解を示したことで、143.91円まで上昇した。ユーロドルは、ラガルドECB総裁が追加利下げを示唆したことで1.1114ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、9月調査の日銀短観や9月19-20日開催の日銀金融政策決定会合における主な意見を見極めながら、日銀の追加利上げの時期を探ることになる。
ニューヨーク市場のドル円は、パウエルFRB議長が市場の一部で浮上している大幅利下げ観測を否定して利下げを急がない姿勢を示したことで、141円台から143円台後半まで反発している。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、11月6-7日のFOMCで0.50%の利下げを予想する確率は前週末の53%台から35%程度まで低下した。
日銀の追加利上げの時期も、10月27日の衆議院総選挙の投開票や11月5日の米大統領選を控えて、10月30-31日の日銀金融政策決定会合ではなく、12月18-19日になる可能性が高まっている。
8時50分に公表される日銀・企業短期経済観測調査(短観、9月調査)では、企業の景況感が全体的に悪化すると見込まれている。大企業製造業の業況判断指数(DI)の予想は13で、6月調査13と変わらず、大企業非製造業の業況判断指数(DI)の予想は32で、6月調査の33からの悪化が見込まれている。しかし、堅調な設備投資計画や販売価格引き上げの継続意向が窺える内容になれば、日銀にとっては、追加利上げの根拠となる「経済・物価が見通しに沿った経路を辿っている」との判断を裏付ける材料になる。
日銀金融政策決定会合における主な意見(9月19-20日分)では、石破自民党総裁の誕生や衆議院解散総選挙が織り込まれていないものの、年内の追加利上げに対する見解に注目したい。
自民党の石破新総裁は、27日に衆議院選挙の投開票を行うと表明した。
27日の投開票で石破政権が敗北した場合、日銀の利上げを容認しているイシバノミクスへの風当たりが強まることで、10月30-31日の日銀金融政策決定会合では、現状の金融政策の維持の可能性が高まることになる。
10時30分に発表される8月豪小売売上高(予想:前月比+0.4%)では、11月4-5日の豪準備銀行(RBA)理事会での金融政策への材料を見極めることになる。
イスラエルはレバノンで標的を絞った地上作戦を開始との一部報道が伝わっている。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38210 +280 (+0.73%)
TOPIX先物 2664.0 +18.5 (+0.69%)
シカゴ日経平均先物 38115 +185
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
30日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が全米企業エコノミスト協会(NABE)の年次会合で講演し、利下げを急いでいないとの見解を示した。足もとで高まっていた11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5%の利下げ期待が後退し、NYダウは一時380ドル超下落する場面もみられた。
ただし、議長は11月と12月の2会合で0.25%ずつの利下げを示唆していることを認めており、米景気の悪化は回避できるとの見方から押し目買い意欲は強く、終盤にかけて上昇に転じた。NYダウは連日で最高値を更新し、S&P500指数は2営業日ぶりに最高値を更新している。S&P500業種別指数はテクノロジー・ハード・機器、商業サービス・用品、メディアが上昇した一方で、素材、消費者サービス、耐久消費財・アパレルが下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比185円高の3万8115円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比50円高の3万7980円で始まり、開始直後に3万8260円まで上昇した。買い一巡後は3万8000円を挟んだ狭いレンジでの推移を継続。米国市場の取引開始後に一時3万7860円まで売られる場面もみられたが、終盤にかけてロング優勢の動きとなり、3万8210円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションでは75日移動平均線(3万8050円)を挟んだ3万7860円~3万8260円での推移だった。75日線を上回って終えており、同線が支持線として意識されることになろう。前日に1ドル=141円台と円高に振れていた円相場は、1ドル=143円台半ばで推移しており、「高市トレード」のリバランスは一巡したと考えられる。
米国市場ではFRB議長の発言を受けて売られる場面もみられたものの、押し目買い意欲の強さが窺えた。朝方発表される日銀短観を受けて日銀の利上げ観測により円高に振れる可能性はあるが、下へのバイアスは強まらないと考えられ、日経225先物は75日線水準での底堅さがみられるとみておきたい。
また、本日は自民党の石破茂総裁が午後の衆参両院本会議で第102代首相に指名され、石破内閣が発足する。石破氏は9日に衆院を解散し、27日投開票の日程で衆院選を行う方針であり、改めて政策期待が高まる可能性がある。積極的にポジションを傾けにくいなかでショートは仕掛けづらく、押し目待ち狙いのロング優勢の需給状況になろう。
日経225先物は下値の堅さが意識されるなか、ボリンジャーバンドの+1σ(3万8470円)を捉えてくるかが注目される。そのため、オプション権利行使価格の3万8000円から3万8500円のレンジを想定する。+1σをクリアしてくる局面では、3万8500円から3万9000円のレンジに移行するとみておきたい。
なお、30日の米VIX指数は16.73(前日は16.96)に低下した。一時17.79まで上昇し25日線(17.36)を上回る場面もあったが、その後は75日線(16.54)とのレンジ内での動きとなった。ボトム圏での推移が続くなか、20.00を明確に上回ってくるまでは、リスク選好に傾きやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.33倍に低下した。先週末のNTロングに対するリバランスの動きとなったが、上昇前の水準に低下してきたため、リバランスは一巡したようだ。米国ではアップル<AAPL>が2%を超える上昇となっており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になるとみられる。日経225先物が3万8000円水準での底堅さがみられてくるなか、改めてNTロングに向かわせそうだ。
日銀が1日に発表した短観で、企業が想定する2024年度の為替レート(全規模・全産業)はドル円が145.15円(6月時点:144.77円)、ユーロ円が157.07円(6月時点:155.40円)だった。
なお、大規模・製造業はドル円が144.96円(6月時点:142.68円)、ユーロ円が156.62円(6月時点:153.73円)となった。
1日(火)の香港市場は国慶節につき休場。取引は2日(水)に再開される。
1日(火)の中国本土市場は国慶節につき休場。取引は8日(火)から再開される。
昨日のドル円は、東京時間に期末とあって本邦実需の買いが観測されたこともあり、朝方からショートカバーが先行。一時142.95円まで値を上げたものの、その後はどうしても「石破ショック」をもう少しネタとして使いたい米系短期勢や、前日から石破ショックが連呼されたことで、かかるショックの賞味期限や時間軸の判断を誤った向きが再び売り仕掛けたわけですが、アーリーロンドン勢が日銀金融政策決定会合が開催された9月20日の安値141.74円までをも潰して売り込んでしまったものの、一方の日経平均先物は、高市ラリーの1900円分を結局、東京市場でなんとか帳尻を合わせたあと、海外市場に入ってからは、むしろドル円の売り仕掛けにはついていかなかったことから、一斉に買戻しの動きにつながっていきました。
NY市場に入ってからは、9月米シカゴPMIが予想を上回る強い数字となったほか、パウエルFRB議長が「かなりサプライズのタカ派姿勢を示した」ことから、米長期金利が上昇。一時143.91円まで買い上げられることになりました。期初の東京市場では、「イスラエルのレバノン地上戦開始」の報を受けた143.37円までの下押しを最後に、実需の買いや日経平均の買い戻しにつれて144.13円まで高値を更新しているといったところです。
市場では、昨日パウエルFRB議長が「GDPの下方リスクはGDIの修正にあるが、GDIは上方修正されている。利下げを急ごうとは感じていない。想定通りに進めば、今年はあと2回の利下げで0.50%となる」とのメインシナリオを展開したことを意識しています。9月FOMCでこれらを示したにもかかわらず、執拗にまだ75bpや100bpを織込もうとしている市場に対して、GDIの上方修正という、かなりマニアックな統計を前面に打ち出して、自身の景況感の修正を伝えた上で、何度でも市場センチメントの修正を促す姿勢を示しました。
東京市場においても、昨日から何度でもお伝えするつもりですが、日本中で連呼された石破ショックは、その前日から加速された高市ラリーを急速に打ち消しただけに過ぎず、あまりに大衆迎合的なセンチメントを長引かせれば長引かせるほど、そこにある本質的な要因や動きを冷静に判断出来なくなるというもの。AIが牛耳ることも多くなっている相場ですが、その最終的な方向性には、いかに人間の心理的要因が働いているのかを理解することが必要です。
日銀金融政策決定会合における主な意見(9月19-20日分)
「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、金融緩和の度合いを調整していくという基本的な考え方に変わりはない」
「金融市場は引き続き不安定な状況にある」
「最近の円安修正に伴って、輸入物価上昇による物価上振れリスクも減少しているので、見極めるための時間的余裕はある」
「本格的な引き締め政策への転換を連想させるような追加的な政策金利の変更は望ましくない」
「金融緩和の一段の調整は不確実性が低下した段階にすることが妥当」
「現在の緩和的な金融環境を粘り強く続ける我慢の局面」
「経済・物価がオントラックで推移していく場合、早ければ2025年度後半の1.0%という水準に向けて段階的に利上げ」
日銀金融政策決定会合における主な意見(9月19-20日分)
「市場にサプライズを起こさぬよう、データの変化を点検し、改善に応じて金融政策を修正」
「追加的な利上げを行う局面では、市場との対話を従来以上に丁寧に行う必要」
「市場とのずれが生じない発信、ずれが生じた場合の適時の修正等、コミュニケーションの改善に努めるべき」
日経225先物は11時30分時点、前日比540円高の3万8470円(+1.42%)前後で推移。寄り付きは3万8270円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8115円)を上回り、買い先行で始まった。開始直後に付けた3万8180円を安値にロング優勢の動きが強まり、中盤にかけて一時3万8650円まで買われた。買い一巡後は終盤にかけて上げ幅を縮めたものの、ボリンジャーバンドの+1σ(3万8490円)水準での底堅さがみられている。
日経225先物はナイトセッションで付けた高値(3万8260円)を上回って始まった。朝方発表された9月の日銀短観では、大企業・製造業・非製造業DIとも予想の範囲だったとして市場の反応は限定的だった。一方で、日銀が発表した9月の金融政策決定会合における主な意見を受けて早期利上げ観測が後退したことで、円相場が円安に振れて推移するなか、ロングの動きが強まったようだ。後場は膠着感が強まりそうだが、+1σ水準での推移が続くようだと、終盤にかけてショートカバーを誘う動きに向かう可能性はあるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.34倍に上昇した。一時14.39倍まで上昇する場面もみられたが、その後は前日の価格帯で推移している。明確なトレンドは出ていないため、足もとのレンジとなる14.30倍~14.40倍を放れてくるまでは、スプレッド狙いのトレードは限られそうだ。
「10月は、株式投機をする場合に際立って危険な月だ。その他に危険な月は、7月、1月、9月、4月、11月、5月、3月、12月、それに2月だ」(マーク・トウェイン)
9月のダウ平均は、過去100年間で陰線が最多の60回、パフォーマンスは最悪となっていたが、今年は陽線を記録した。
10月は、過去100年間で陰線は42回に過ぎないが、下落率トップ15の内、1929年の「暗黒の木曜日」や1987年の「ブラックマンデー」など8回が起きており、ウォール街にとっては危険な季節となっている。
1.10月はNY株暴落の可能性
1910年に74歳で亡くなったマーク・トウェインが警告していたように、10月のニューヨーク株式市場では、歴史的な暴落が頻発している。その理由としては、個人所得の申告を控えて、配当の支払いなどを完了させるため、投資信託の決算期末が10月に集中していることやヘッジファンドの決算月となっていることが挙げられる。
NYダウの下落率トップ15の内8回が10月に起きている。
・第1位:1987年10月19日(▲22.61%:▲508ドル)※ブラックマンデー
・第2位:1929年10月28日(▲13.4%:▲41ドル)※暗黒の木曜日
・第3位:2020年3月16日(▲12.93%:▲2997.10ドル)※パンデミック(世界的大流行)
・第4位:1929年10月29日(▲11.7%:▲31ドル)
・第5位:1931年10月5日(▲10.7%:▲10ドル)
・第6位:2020年3月12日(▲9.99%:▲2352.60ドル)
・第7位:1929年11月6日(▲9.92%;▲26ドル)
・第8位:1987年10月26日(▲8.04%:▲157ドル)
・第9位:2008年10月15日(▲7.87%:▲733.08ドル)
・第10位:2020年3月9日(▲7.79%:▲2013.76ドル)
・第11位:2008年12月1日(▲7.70%:▲679.95ドル)
・第12位:2008年10月9日(▲7.33%:▲678.91ドル)
・第13位:1997年10月27日(▲7.18%:▲554.26ドル)
・第14位:2001年9月17日(▲7.13%:▲684.81ドル)
・第15位:2008年9月29日(▲6.98%:▲777.68ドル)
2. 2024年10月のリスクシナリオ
今秋10月のリスクシナリオは以下の通りとなる。
・中東の地政学リスク(イスラエル対ハマス・ヒズボラの戦闘激化)
・第47代米大統領への警戒感
・ウクライナ戦争の激化(ロシアが核ドクトリンを修正)
東海東京インテリジェンス・ラボでは足元で振れ幅が大きくなっているドル円に関して、自民党総裁選でこれほど円相場が乱高下した例はなく、過剰反応の印象は強いとコメントしている。ドル円は高値から4円以上調整しており、ポジション調整が一巡すれば、徐々に落ち着きを取り戻すと予想。解散総選挙は株高をもたらすというアノマリーがあり、株高が進めばリスクオンの円安が進行しやすい。石破氏は総裁選後のテレビ出演で金融緩和維持を支持する姿勢を示しており、ドル円は徐々に下値を切り上げる流れに回帰すると東海東京では想定している。
第一生命経済研究所では、自民党総裁選に勝利した石破茂氏の経済政策について考察している。過去には経済成長<財政再建のスタンスを示してきたが、総裁選の中では自説を封印。経済成長>財政規律の岸田政権路線をいったんは踏襲すると第一生命では予想している。早晩策定される経済対策では、物価高対策、地方交付金などを通じた地方創生、三位一体労働市場改革、格差是正、企業投資の拡大などが柱になる見込み。また第一生命では、法人税率の引き上げに現実味が出てきたと指摘している。石破氏も総裁選の中で引き上げに言及した。自説の財政再建路線が表れうるのは年末の税制改正大綱になると第一生命では考えており、ここで増税トーンが強まるかに注目している。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値を見極めて、10月17日の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げの可能性を探る展開となる。
また、イスラエルとヒズボラとの対立が激化して中東の地政学リスクが高まる可能性には、引き続き警戒しておきたい。
ラガルドECB総裁は、昨日のブリュッセルの欧州議会で、利下げ気運が高まっていることを強く示唆した。「最近の動向はインフレ率が速やかに目標に戻るというわれわれの自信を強めている」と述べ、「10月の次回政策会合で、それを考慮に入れる」と明言した。
本日は、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、ナーゲル独連銀総裁、レーン・フィンランド中銀総裁の講演でも、利下げへの言及に注目しておきたい。
18時に発表される9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比+1.8%と予想されており、8月の同比2.2%から伸び率が鈍化し、インフレ目標2.0%を下回ることが見込まれている。
また、9月の仏・独・ユーロ圏の製造業PMI改定値の下方修正の可能性にも警戒しておきたい。
ポンドドルは、9月英製造業PMI改定値(予想:51.5)を見極めることになる。
市場では、11月の金融政策委員会(MPC)で政策金利を4.75%に引き下げる見通しが強まっており、9月英製造業PMI改定値が下方修正された場合は、利下げ観測が高まることになる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1214ドル(9/25高値)
・ユーロ円:161.92円(9/26高値)
・ポンドドル:1.3434ドル(9/26高値)
・ポンド円:193.33円(9/24高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1033ドル(日足一目均衡表・雲の上限)
・ユーロ円:158.11円(9/30安値)
・ポンドドル:1.3218ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:190.89円(日足一目均衡表・雲の下限)
(1日15時時点)
ドル円:1ドル=144.27円(前営業日NY終値比△0.64円)
ユーロ円:1ユーロ=160.67円(△0.73円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1137ドル(△0.0002ドル)
日経平均株価:38651.97円(前営業日比△732.42円)
東証株価指数(TOPIX):2690.78(△44.84)
債券先物12月物:144.70円(△0.05円)
新発10年物国債利回り:0.850%(横ばい)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月完全失業率
2.5% 2.7%
8月有効求人倍率
1.23倍 1.24倍
日銀・企業短期経済観測調査(短観、9月調査)
大企業製造業の業況判断指数(DI)
13 13
大企業非製造業の業況判断指数(DI)
34 33
大企業製造業DI 12月見込み
14 14
大企業非製造業DI 12月見込み
28 27
大企業全産業設備投資
前年度比 10.6% 11.1%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。9月19-20日開催分の日銀金融政策決定会合における主な意見で利上げを急がない姿勢が確認されると、株価の上昇とともに円売りが先行した。いったんは143.60円台まで押し戻される場面もあったが、海外勢のショートカバー主体で再び上値を試す動きとなり、一時144.46円まで値を上げた。
・ユーロ円も強含み。日本株高やドル円の上昇につれて円売り・ユーロ買いが進み、一時160.88円まで上値を伸ばした。
・ユーロドルはもみ合い。この日も円絡みの取引が中心となったため、1.11ドル台前半のレンジ内でもみ合いとなった。
・日経平均株価は大幅反発。前日に急落した反動から自律反発狙いの買いが入った。外国為替市場で円安が進んだことも相場を押し上げ、株価指数先物主導で一時800円近く上昇する場面も見られた。
・債券先物相場は反発。昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで144円56銭まで売りに押されたが、日銀決定会合の主な意見で利上げを急がない姿勢が示されると買い戻しが入った。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M徹氏
オーストリアでも極右が第一党に 二大政党が極右排除で協力か?
29日に行われたオーストリアの国民議会選挙で極右政党・自由党が第一党となったが、主要政党が自由党との連立に否定的で、政権発足は困難な状況にある。中道右派の国民党と中道左派の社会民主党の二大政党が連立政権を発足する公算が高まっている。同国史上初の極右主導の政権が誕生すれば、EUとの関係悪化が不安視される。オーストリアは景気低迷、ロシア産ガスの打ち切り懸念、財政悪化、移民流入などの問題に直面する。二大政党が極右排除で団結した場合も、有権者の不信感を高め、現状不満票がさらに極右に流れる恐れがある。
一部報道が石破内閣人事として公表したところによると、新財務相に加藤勝信氏が就任することになった。なお、石破首相は本日21時に就任記者会見を行う。
大阪12月限
日経225先物 38770 +840 (+2.21%)
TOPIX先物 2700.0 +54.5 (+2.06%)
日経225先物(12月限)は前日比840円高の3万8770円で取引を終了。寄り付きは3万8270円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8115円)を上回り、買い先行で始まった。開始直後に付けた3万8180円を安値にロングが強まり、前場中盤にかけて3万8650円まで買われた。
前場終盤にかけて3万8400円まで上げ幅を縮めたものの、ランチタイムでは3万8500円台で底堅い値動きとなり、現物の後場の取引開始直後には前場の高値水準を突破し、3万8740円まで買われた。買い一巡後は3万8620円~3万8720円辺りの高値圏での保ち合いが続き、現物の大引け後には一時3万8800円まで上げ幅を広げた。
日経225先物はナイトセッションで付けた高値(3万8260円)を上回って始まった。朝方発表された9月の日銀短観では、大企業・製造業・非製造業DIとも予想の範囲だったとして市場の反応は限定的だった。一方で、日銀が発表した9月の金融政策決定会合における主な意見を受けて早期利上げ観測が後退し、円相場が円安に振れて推移するなか、ロングが強まったようだ。
また、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ<BRK.B>が円建て社債の発行を計画していると伝わったことも材料視された。日本への投資を強化するとの観測が強まり、伊藤忠商事 <8001.T> [東証P]や三井物産 <8031.T> [東証P]、三菱商事 <8058.T> [東証P]、住友商事 <8053.T> [東証P]など大手商社の強さが目立ち、海外投資家の日本株買いが復活するとの期待が高まった。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万8510円)を上回ってきた。+1σ水準で底堅さがみられるようだと、+2σ(3万9710円)とのレンジに移行する。先週末の高値を意識して一気に+2σ水準を捉える展開には手掛かり材料に欠けるが、バークシャーの円債発行計画によって、まずは+1σ水準での押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
+1σ水準で強弱感が対立する可能性から、オプション権利行使価格の3万8000円から3万9000円のレンジを想定。+1σを下回ったとしても、レンジ下限でのロングになろう。米国では重要な経済指標の発表が相次ぐため、結果を受けた利下げ見通しの変化によって金利や為替に影響を及ぼす可能性がある。スキャルピングが中心になりやすい状況ではあるが、ロングからのエントリーは意識しておきたいところだ。
NT倍率は先物中心限月で14.35倍とほぼ横ばいであり、前日の価格帯での推移が続いた。ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型を牽引する形だったが、商社に加えてトヨタ自動車 <7203.T> [東証P]など輸出関連株の強さも目立っており、TOPIX型の買いが入っていた。明確なトレンドは出ていないため、足もとのレンジの14.30~14.40倍を放れてくるまでは、スプレッド狙いのトレードは手掛けづらい。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万8100枚、ソシエテジェネラル証券が1万0064枚、サスケハナ・ホンコンが3881枚、JPモルガン証券が3520枚、バークレイズ証券が2843枚、野村証券が1846枚、モルガンMUFG証券が1815枚、SBI証券が1674枚、ドイツ証券が1285枚、auカブコム証券が1058枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万3451枚、ソシエテジェネラル証券が1万5155枚、モルガンMUFG証券が5770枚、バークレイズ証券が4628枚、サスケハナ・ホンコンが4166枚、ゴールドマン証券が4122枚、JPモルガン証券が3009枚、ビーオブエー証券が1934枚、BNPパリバ証券が808枚、大和証券が801枚だった。
本日のニューヨーク為替市場でドル円は、米経済指標を受けた金利動向に左右される展開か。
注目されたパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の昨日講演では、当局が今後タカ派に振れる可能性を発言内容から市場が汲み取った。くわえて、パウエル議長は一部で浮上していた大幅な追加利下げ観測を否定する見解を示し、ドル買いが促された。
本日のドル円は東京午後に144円半ばまで上げ幅を広げたところから失速。石破新政権への過度な警戒感が一旦は緩み、現物の日経平均は大幅反発で終えた。しかしながら新内閣の人事が明らかになるにつれ、ナイトセッションの日経先物は緩んでいる。ある程度予想はされていたものの、市場に安心感を与えるまでには至ってないということか。
今後も日本の政局が材料視する場面があるだろうが、今晩については米雇用・景気データを見極めながらの取引となる。日本時間23時には、このところ相場を動かすことが多い米雇用動態調査(JOLTS)求人件数の8月分が発表予定。市場予想は765.5万件と前回をやや下回り、見込み通りであれば2021年前半以来の弱い数値となる。
JOLTSと同じタイミングで、9月サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数も明らかになる。前回まで5カ月連続で予想比下振れており、今回の予想は47.5と若干の改善は期待されているが依然として注意は必要だろう。また、前回は回復したISM雇用指数にも気にかけておきたい。
想定レンジ上限
・ドル円、9月27-30日レンジの下値から61.8%戻しとなる144.64円
想定レンジ下限
・ドル円、21日移動平均線143.01円
今晩はもみ合いか。昨日はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が年内あと2回の利下げを示唆したことで下落する場面もあったが、終盤にかけて反発し、主要3指数がそろって上昇して終了した。ダウ平均とS&P500がともに終値の過去最高値を更新し、ナスダック総合も、過去最高値まで2.58%に迫った。
今晩の取引では主要3指数が最高値圏で推移していることで高値警戒感が意識されることや、週末金曜日には注目の米9月雇用統計の発表を控えていることで上値の重い展開か。足もとで発表された物価指標がインフレ鈍化を示し、市場の関心は労働市場の動向に移っており、今晩発表される9月ISM製造業PMI、8月JOLTS求人件数などをにらんだ展開となりそうだ。
今晩の経済指標・イベントは9月ISM製造業PMI、8月JOLTS求人件数のほか、9月S&Pグローバル製造業PMI確定値、8月建設支出など。このほか、クックFRB理事やボスティック米アトランタ連銀総裁の講演なども予定されている。企業決算は寄り前にペイチェックス、マコーミック、引け後にナイキ、ラム・ウェストンが発表予定。
一部通信社が報じたところによると、「イランはイスラエルへの弾道ミサイル攻撃を準備している」ようだ。
米ホワイトハウスは1日、「イランがイスラエルに弾道ミサイルを間もなく発射する可能性がある」と警告。一部報道によると、「イランの攻撃は今後数時間以内と予想されている」ようだ。
CNNが米当局者の話として報じたところによると、「イランの攻撃は4月と似た形になる可能性がある」ようだ。なお、4月のイランによる攻撃ではほとんどの飛翔体がイスラエル軍により撃墜された。
日経平均株価は大幅反発。前日形成した長い陰線を切り上がるような動きとなり、ほぼ高値引けで75日移動平均線(38274円 10/1)上を早々に回復して終えた。
RSI(9日)は前日の61.0%→69.1%(10/1)へ上昇。200日移動平均線(37778円 同)や25日移動平均線(37570円 同)、10日移動平均線(37860円 同)などが集中する水準まで下げた陰線から反発する格好となった。9/27高値(39829円)を超えると、目先的に勢いがつく可能性が高い。
先週の段階で、9/2の戻り高値を超えたため、8/5安値を起点とした上昇二段上げ目に入ったことを確認した。目先的な調整をこなしながらも、当面の重要な上値水準となるのは7/18の下げで開けたマド上限(41054円)となる。
上値メドは、9/27高値、心理的節目の4万円、7/17安値(41054円)、心理的節目の42000円、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、10日移動平均線や25日移動平均線、9/12高値(36902円)、9/18高値(36675円)、9/17安値(35828円)、9/11安値(35253円)などがある。
(1日終値:2日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=143.81円(1日15時時点比▲0.46円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.09円(▲1.58円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1062ドル(▲0.0075ドル)
FTSE100種総合株価指数:8276.65(前営業日比△39.70)
ドイツ株式指数(DAX):19213.14(▲111.79)
10年物英国債利回り:3.941%(▲0.062%)
10年物独国債利回り:2.036%(▲0.087%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月スイス小売売上高
(前年同月比) 3.2% 2.9%・改
9月スイス製造業PMI
49.9 49.0
9月仏製造業PMI改定値
44.6 44.0
9月独製造業PMI改定値
40.6 40.3
9月ユーロ圏製造業PMI改定値
45.0 44.8
9月英製造業PMI改定値
51.5 51.5
9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
(前年比) 1.8% 2.2%
9月ユーロ圏HICPコア速報値
(前年比) 2.7% 2.8%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。アジア市場では一時144.53円まで上昇する場面もあったが、欧州市場に入り、米長期金利が低下に転じると徐々に弱含んだ。NYの取引時間帯に入り、「イランはイスラエルへの弾道ミサイル攻撃を準備している」との報道が伝わると、中東の地政学リスクが意識されて米国株相場が軟調に推移。米長期金利も大幅に低下し、為替市場ではリスク回避の円買いが広がった。23時過ぎは一時142.98円と日通し安値を付けた。
そのあとは143.92円付近まで下げ渋る場面もあったが、イランがイスラエルに向けてミサイルを発射したことが分かると、再び上値が重くなった。なお、イランがイスラエルを直接攻撃するのは4月以来で、中東における危機が一層拡大するのは避けられない状況となっている。
・ユーロドルは軟調。前日のラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁に続き、レーン・フィンランド中銀総裁が「10月会合での利下げの根拠は増した」と述べ、追加利下げに含みを持たせると全般ユーロ売りが先行。NY市場では、中東情勢の緊迫化を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出て、2時30分前に一時1.1046ドルと日通し安値を更新した。
イスラエル軍はNY時間午後に「イランがイスラエルに向けてミサイルを発射した」と発表。市場では「イスラエルの反発は必至とみられ、中東の緊迫の度合いを一段と高めた」との声が聞かれた。
なお、この日発表の米経済指標は9月米ISM製造業景況指数が予想を下回った一方、8月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想を上回るなど、強弱入り混じる結果となった。
・ユーロ円はさえない。ECBの追加利下げ観測から全般ユーロ売りが先行。ダウ平均が一時380ドル超下落し、日経平均先物の大幅に下落するとリスク・オフの円買いが活発化。2時30分前に一時158.38円と本日安値を付けた。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1170円安の3万7600円まで下落する場面があった。
・ロンドン株式相場は反発。日本やアジアの主要株価指数が上昇したことで投資家心理が上向き、買いが先行した。ただ、中東の地政学リスクが意識されると伸び悩んだ。原油先物価格の上昇を背景にBPやシェルなどエネルギー株が買われ、相場を下支えした。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株も買われた。
・フランクフルト株式相場は続落。指数は最高値圏にあるうえ、中東情勢の緊迫化を背景に利益確定目的の売りが出やすかった。個別ではヘンケル(2.89%安)やインフィニオン・テクノロジーズ(2.72%安)、DHLグループ(2.22%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。ECBの追加利下げ観測から独国債には買いが先行。中東の地政学リスクが意識されたのも、相対的に安全な資産とされる独国債の買いを誘った。
10月に入り1日の日経平均は大幅反発。終値は732円高の38651円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1272/値下がり1331。三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社がそろって急伸。三菱重工は全市場の売買代金トップとなった。米国でアップルが強く買われたことを材料に、TDKや村田製作所など電子部品株に資金が向かった。デンソーと戦略的パートナーシップの検討を開始すると発表したロームが7%近い上昇。決算が好感されたアダストリアやシマムラが買いを集めた。
一方、楽天G、メルカリ、ダイキン、ニデックなどが軟調。運輸系が弱く、空運大手のJAL、ANAや、西武HD、富士急行、東急など鉄道株が下落した。下方修正を発表したKOAが大幅安。ワークマン、神戸物産、アインHDなど小売株の一角がさえなかった。
本日、スタンダード市場に新規上場したシマダヤは公開価格を下回る初値をつけ、終値は初値を下回った。
日経平均は大幅高。自民党総裁選前に楽観に傾いた分はきのうの急落で帳消しになっており、きょうどう動くかが日本株の短期の方向性を見定める点では重要であった。大きく上昇し、円高にもブレーキがかかったことで、目先は下振れに対する警戒が後退すると思われる。石破氏は当面、金融所得課税の強化などマーケットにネガティブな施策には慎重なスタンスを採るだろう。一方で、経済対策などリップサービスに対する期待は高まる。きょうは防衛関連が政策期待から人気化したが、選挙モードに突入すれば多方面でテーマ株が賑わう展開も想定される。大型株が上昇を先導してはいるが、騰落率では日経平均(+1.9%)とグロース250指数(+2.0%)が同程度。テーマ物色が盛り上がる局面では中小型株は値幅が出やすくなるだけに、大型株と中小型株が足並みをそろえて水準を切り上げる動きが見られるかに注目したい。
(1日終値)
ドル・円相場:1ドル=143.57円(前営業日比▲0.06円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.90円(▲1.04円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1068ドル(▲0.0067ドル)
ダウ工業株30種平均:42156.97ドル(▲173.18ドル)
ナスダック総合株価指数:17910.36(▲278.81)
10年物米国債利回り:3.73%(▲0.05%)
WTI原油先物11月限:1バレル=69.83ドル(△1.66ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2690.3ドル(△30.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月米製造業PMI改定値
47.3 47.0
8月米建設支出
(前月比) ▲0.1% ▲0.5%・改
9月米ISM製造業景気指数
47.2 47.2
8月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
804.0万件 771.1万件・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は小幅ながら反落。石破茂首相が1日夜、首相就任後初めての記者会見で「デフレ脱却の実現に向けて金融緩和の基本的な基調は維持されるべき」との考えを表明すると、円売り・ドル買いが先行。22時過ぎに一時144.07円付近まで値を上げた。
ただ、「イランはイスラエルへの弾道ミサイル攻撃を準備している」との報道が伝わると、中東の地政学リスクが意識されて米国株相場が軟調に推移。米長期金利も大幅に低下し、為替市場ではリスク回避の円買いが広がった。23時過ぎは一時142.98円と日通し安値を付けた。
もっとも、そのあとは143円台半ばから後半でのもみ合いに終始した。イランがイスラエルに向けてミサイルを発射したことが伝わると売りが出たものの、イランのミサイル攻撃が完了したことが分かるとリスク回避の動きはいったん収まった。
なお、イランがイスラエルを直接攻撃するのは4月以来で、市場では「イスラエルの反発は必至とみられ、中東の緊迫度合いを一段と高めた」との声が聞かれた。
・ユーロドルは3日続落。前日のラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁に続き、レーン・フィンランド中銀総裁が「10月会合での利下げの根拠は増した」と述べ、追加利下げに含みを持たせたことから、NY市場でもユーロ売りが出やすかった。中東情勢の緊迫化を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが強まると、2時30分前に一時1.1046ドルと日通し安値を付けた。
なお、本日発表の米経済指標は9月米ISM製造業景況指数が予想を下回った一方、8月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想を上回るなど、強弱入り混じる結果となった。
・ユーロ円は反落。ECBの追加利下げ観測から全般ユーロ売りが先行。ダウ平均が一時380ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比1170円安の3万7600円まで急落するとリスク・オフの円買いが活発化した。2時30分前に一時158.38円と本日安値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに反落。イスラエルとイランを巡る中東情勢の緊張が高まる中、投資家がリスク回避の姿勢を強めた。ハイテク株や景気敏感株を中心に売りが集まり、指数は一時380ドル超下落した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などが値下がりした。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。中東情勢の緊迫化を背景に相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。
・原油先物相場は反発。ドルが総じて堅調な動きを見せていたことで上値が重い展開が続いたが、中東情勢のニュースが一転原油先物の反発を招いた。一部通信社が「イランはイスラエルへの弾道ミサイル攻撃を準備している」と報じ、イランがミサイル攻撃をはじめると、産油国の供給不安につながるとの懸念が高まり原油先物は72ドル手前まで一時急騰した。引けにかけてはドルが買われたことで、ドルで取引される原油先物に割高感が生じて上値がやや抑えられた。
・金先物相場は反発。一部通信社が「イランはイスラエルへの弾道ミサイル攻撃を準備している」と報じると、リスク回避の動きで安全資産とされる金先物に買いが集まった。もっとも、ユーロをはじめ欧州通貨に対してドルが強含むと、ドルで取引される金先物に割高感が出て上値が抑えられる場面もあった。
1日08:55 日銀金融政策決定会合における主な意見(9月19-20日分)
「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、金融緩和の度合いを調整していくという基本的な考え方に変わりはない」
「金融市場は引き続き不安定な状況にある」
「最近の円安修正に伴って、輸入物価上昇による物価上振れリスクも減少しているので、見極めるための時間的余裕はある」
「本格的な引き締め政策への転換を連想させるような追加的な政策金利の変更は望ましくない」
「金融緩和の一段の調整は不確実性が低下した段階にすることが妥当」
「現在の緩和的な金融環境を粘り強く続ける我慢の局面」
「経済・物価がオントラックで推移していく場合、早ければ2025年度後半の1.0%という水準に向けて段階的に利上げ」
「市場にサプライズを起こさぬよう、データの変化を点検し、改善に応じて金融政策を修正」
「追加的な利上げを行う局面では、市場との対話を従来以上に丁寧に行う必要」
「市場とのずれが生じない発信、ずれが生じた場合の適時の修正等、コミュニケーションの改善に努めるべき」
1日09:33 ニュージーランド(NZ)財務省
「経済サイクルの底またはその近くにいることを示唆」
「インフレの緩和、金利の低下開始、将来の状況に対する企業や消費者の期待の改善が見られた」
「企業は2024年の残りの期間の需要と活動が弱いことを予想しているが、2025年には回復を見込んでいる」
1日10:13 鈴木財務相
「円安、どちらかと言えばマイナスのこと懸念していた」
「為替レートは市場で決定されるべきもの」
「為替介入はまれでなければならない」
「経済成長と財政再建を両立させることが重要」
1日13:27 三村財務官
「(為替)経済のファンダメンタルズを反映し、安定的に推移することが望ましい」
「(為替政策)できる限り不確定要因なくすのが我々の役割」
「直近の為替変動について申し上げると影響でるので評価・分析は申し上げない」
「振れ幅が大きければ企業活動や投資に良くない」
「無秩序で過度な動きは望ましくない、必要なら必要な行動しなければならない」
「為替介入は、属人的に変わるわけではない」
「利下げのペースと規模は会合ごとに決定」
「ユーロ圏のインフレ率は2025年中にECBの目標である2%で安定すると予想」
「我々の金融政策スタンスはより緩やかになりつつある」
1日17:46 赤沢経済再生相
「経済を冷やすようなことはしばらくやってはいけない」
「金利の引き上げ、慎重に判断していただきたい(日銀の金融政策で)」
1日21:30 石破首相
「金融緩和の基本的な姿勢は維持される」
「日銀との意思疎通の上、手法は日銀にゆだねられるべき」
1日23:09 イスラエル軍報道官
「防空システムは完全に準備されている」
「同盟国とともに高度な準備態勢にある」
「イスラエル国防軍は攻撃と防御の準備ができている」
2日02:41
「今のところ追加的な脅威は特定されない」
「多くのミサイルを迎撃。一部は着弾した」
「イランの攻撃は深刻な結果を伴う」
「イランの攻撃で報告された負傷者はいない」
2日01:08 シュレーゲル・スイス国立銀行(スイス中銀、SNB)総裁
「先週の会合で、我々はさらなる金利引き下げの可能性を排除しなかった」
「強いフランクがすべての輸出業者にとって状況を困難にしていることはわかっている」
「輸出業者にとって最初の主な問題は、海外での需要の低下」
「いかなる措置も排除できないが、マイナス金利を好む人はいない」
「SNBはマイナス金利を排除することはできないし、我々は何も排除しない」
2日01:37 イスラエル国防軍
「イランからイスラエルにミサイルが発射された」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 9月マネタリーベース
○14:00 ◇ 9月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯、予想:37.0)
○15:30 ◎ 植田和男日銀総裁、あいさつ
<海外>
○07:15 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、バーキン米リッチモンド連銀総裁、コリンズ米ボストン連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○10:00 ◎ 米副大統領候補テレビ討論会
○16:15 ◎ デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○18:00 ◎ 8月ユーロ圏失業率(予想:6.4%)
○18:30 ◎ カザークス・ラトビア中銀総裁、講演
○18:30 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○18:45 ◎ シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○20:00 ◎ エルダーソンECB専務理事、講演
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:5.75%で据え置き)
○21:15 ☆ 9月ADP全米雇用報告(予想:12.0万人)
○22:00 ◎ ハマック米クリーブランド連銀総裁、あいさつ
○23:05 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、あいさつ
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○24:00 ◇ 9月メキシコ製造業購買担当者景気指数(PMI)
○24:00 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○3日01:00 ☆ 4-6月期ロシア国内総生産(GDP)確報値(予想:前年比4.1%)
○3日01:00 ◎ 8月ロシア失業率(予想:2.4%)
○3日01:45 ◎ シュナーベルECB専務理事、講演
○中国(国慶節)、インド(マハトマ・ガンジー生誕日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
イランのメヘル通信は1日、「イランはイスラエルに向けミサイルを発射した」と伝えた。また、一部ラジオでは「イランがイスラエルに向け百発以上の弾道ミサイル発射した」と伝えられている。
イラン革命防衛隊は1日、「イスラエルに向けて数十発のミサイルを発射した」「イスラエルが報復すれば再び攻撃する」と発表した。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38010 -760 (-1.96%)
TOPIX先物 2655.0 -45.0 (-1.66%)
シカゴ日経平均先物 38030 -740
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
1日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。イランがイスラエルに向けてミサイルを発射したとイスラエル軍が発表。イスラエルによるヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ師の殺害を受け、イランが何らかの手段で報復に出ると予想されていたが、ミサイル発射によって中東の全面戦争の引き金になる恐れがあるとの緊張が高まった。
原油先物相場が上昇したほか、ロッキード・マーチン<LMT>、ボーイング<BA>など防衛関連株が買われた。一方で、アップル<AAPL>やマイクロソフト<MSFT>など大型テック株やエヌビディア<NVDA>、マイクロン・テクノロジー<MU>といった半導体株の下落が目立った。S&P500業種別指数はエネルギー、公益事業、電気通信サービスが上昇した半面、半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器、ソフトウエア・サービスが下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比740円安の3万8030円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比120円安の3万8650円で始まり、開始直後に3万8430円まで売られた後は、3万8430円から3万8650円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始後はリスク回避姿勢が強まり、一気に3万7740円辺りまで急落した。
その後3万8000円を回復する場面もみられたが、中盤には一時3万7600円まで下げ幅を広げる場面もあった。売り一巡後はショートカバーが強まり、3万8250円まで下げ幅を縮めたものの買いは続かず、終盤にかけてショート優勢のなか、3万8010円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになりそうだ。ナイトセッションでは一時3万7600円まで売られる場面もみられたが、25日移動平均線(3万7400円)、200日線(3万7450円)が支持線として意識されていた。75日線(3万8050円)辺りでの攻防もみられている。地政学リスクの高まりによって積極的にポジションを積み上げてくる動きは限られそうだが、円相場は1ドル=143円台半ばで落ち着いていることもあり、75日線水準での推移になりそうだ。
75日線を中心に、下は25日・200日線が支持線として意識される一方で、上値はボリンジャーバンドの+1σ(3万8520円)が抵抗になろう。そのため、オプション権利行使価格の3万8000円を中心とした上下の権利行使価格3万7500円から3万8500円でのレンジを想定する。スキャルピング中心にはなりそうだが、押し目狙いのロング対応とみておきたい。
なお、1日の米VIX指数は19.26(前日は16.73)に上昇した。25日線(17.51)を上放れ、一時20.73まで上昇する場面もみられた。不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を上回ってきたことから、リスク回避姿勢の動きに向かわせそうである。ただし、依然としてボトム圏での推移を継続しているため、しばらくは見極めが必要だろう。9月6日の戻り高値(23.76)辺りを上回ってくるまでは、それほど神経質にはならないと考えられる。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.35倍(前日は14.33倍)とほぼ横ばいで、前日の価格帯での推移が続いた。指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型を牽引する形だったが、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が日本への投資を強化するとの観測から商社株の強さも目立っており、TOPIX型の買いが入っていた。本日は米半導体株安の影響からNTショートに振れそうだが、足もとのレンジとなる14.30倍~14.40倍を放れてくるまでは、スプレッド狙いのトレードは手掛けづらいだろう。
1日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、石破首相発言「デフレ脱却の実現に向けて金融緩和の基本的な基調は維持されるべき」で144.07円付近まで強含んだ後、イランによるイスラエルへのミサイル攻撃を受けて142.98円まで下落した。ユーロドルは中東情勢の緊迫化を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが強まり、1.1046ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、中東の地政学リスクや米副大統領候補テレビ討論会を注視しながら、15時30分からの植田日銀総裁の発言を待つ展開となる。
イランがイスラエルにミサイル攻撃を断行したことで、イスラエルによる反撃などの関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
10月27日に衆議院解散・総選挙の投開票が行われるが、その後の30-31日に日銀金融政策決定会合が開催される。
植田日銀総裁が、従来の「経済・物価情勢が見通しに沿って推移すれば、引き続き金利を上げていく」というタカ派的なスタンスに軸足を置くのか、それとも、「利上げの検討にあたってはアメリカ経済や不安定になっている金融市場の動向を慎重に見極めていく」というややハト派的なスタンスに軸足を置くのか、注目しておきたい。
石破総理は、7月の日銀の利上げについて「金融緩和という基本的政策を変えないなかで徐々に金利のある世界を実現していくのは正しい政策だ」と利上げを容認しつつも、「政府と日銀は緊密に協力すべき、金融政策に関して日銀に要請はしない。緩和的な金融政策の方針は変わらない」とも述べていた。
9月29日の自民党総裁に就任後は、日銀が政策金利を早期に引き上げることに慎重な考えを示しており、10月1日の総理就任後は「金融緩和の基本的な姿勢は維持される。日銀との意思疎通の上、手法は日銀にゆだねられるべき」と述べている。
ドル円は、9月27日午後の高市ショックで146.49円まで上昇したものの、30日には石破ショックで141.65円まで反落した後、中心値の転換線144.07円付近に収束して、「政治相場」から米雇用統計などの「経済相場」に移行しつつある。
9月調査の日銀短観では、事業計画の前提となるドル円の2024年度の想定為替レートは、全規模・全産業では145.15円、大規模・製造業では144.96円となっており、145円付近ではドル売り圧力が強まることに警戒しておきたい。
11月6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅(0.25%か0.50%)に大きな影響を与える米9月雇用統計(予想:非農業部門雇用者数+15.0万人、失業率4.2%)の発表を週末4日に控えて、昨日発表された米9月ISM製造業「雇用」指数は43.9と、8月の46.0から悪化していた。9月シカゴ購買部協会「雇用」指数は5ポイント改善しており、今夜は、9月ADP全米雇用報告に注目することになる。
みずほ証券では、目先の日本株は日経平均株価の価格帯別で2023年初来の累積売買代金が多い38000円~39000円で戻り売りが出やすいとみられることから、上値が重い展開を予想している。38000円~39000円の戻り売りをこなして再び40000円台に上昇するには、(1)石破新政権で金融所得税などの増税が実施されない、(2)日本企業の中間決算発表で業績予想の上方修正や株主還元の発表が増加する、(3)米国経済のソフトランディングや中国経済が底入れするとの見方が強まるーといったきっかけが必要と、みずほでは考えている。
台湾取引所は台風の影響で2日の取引を中止すると発表した。
2日(水)の中国本土市場は国慶節につき休場。取引は8日(火)から再開される。
上海、広州、深センに続き、北京市も住宅購入規制の緩和を発表した。北京市の住宅都市農村建設部など6部門が9月30日に発表した通知によると、10月1日付で個人住宅ローンの頭金比率などが引き下げられる。また、北京に戸籍を持たない家庭が住宅を購入する際の社会保険料などの納付年数などの要件も緩和される。『香港01』が1日伝えた。
具体的には、北京の環状道路「五環」より内側の北京中心部にある住宅を購入する場合、1軒目の頭金比率を20%から15%に、2軒目の頭金比率を35%から30%にそれぞれ引き下げる。五環より外側にある住宅の場合、頭金比率を一律で20%に引き下げる。また、北京市に戸籍がない家庭が住宅を購入する場合の社会保険料などの継続納付年数については、五環内の場合は5年から3年に、五環外の場合は2年にそれぞれ引き下げられる。
昨日の海外市場では、全般中東の地政学リスクを意識したリスクオフ。ドル円は欧州勢入り際に一時144.53円まで値を上げたものの、米長期金利が低下幅をひろげるなか143.57円まで値を下げました。アジア時間早朝にイスラエルがレバノンに標的を絞った地上戦を開始したことを受けて下押しした安値143.37円が意識されたほか、石破首相が「金融緩和の基本的な姿勢は維持される」などの見解を示すと144.07円まで買戻されたものの、イランがイスラエルのレバノン侵攻に対する報復からミサイル攻撃を準備していると報じられると一転して下落。日経平均先物が一時37600円まで急落するなか142.98円まで売り込まれました。
その後は143.92円までショートカバーから値を戻した後、ミサイル発射を受けて143.28円まで下押し。イランの攻撃が終了すると143.90円まで買戻されてNY市場を引けています。ユーロドルも終始リスクオフから下落。一時1.1046ドルまで値を下げました。
アジア市場に入ってからは、4月同様に、かかる地政学リスクが「ある程度予定調和的なもの」だったほか、期初とあって本邦実需勢の買いが引き続き断続的に観測されているとあって、全般底堅い動き。143.43円までの下押しに止まると143.98円まで買戻されているといったところです。目先は株価の動向などを見極めながらの動きとなりますが、NY時間の高値と一目転換線が位置する144.07円がポイント。しっかりと抜けてきた場合には、昨日高値の144.53円がレジスタンスレベルとして意識されています。
いずれにしても、ドル円はボラティリティを伴いながら、そして、一時的なリスクやショックをこなしながら、改めて方向性を確かめにいく動きとなっていきそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比750円安の3万8020円(-1.93%)前後で推移。寄り付きは3万7890円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8030円)にサヤ寄せする形で、売り先行で始まった。寄り付き直後に付けた3万7880円を安値に押し目狙いのロングが入り、3万8210円まで下げ幅を縮める場面もみられた。積極的にポジションを傾けづらい需給状況のなかであるが、3万8000円を下回る局面においては押し目を拾う動きがみられた。
日経225先物は75日移動平均線(3万8050円)水準での攻防をみせている。オプション権利行使価格の3万8000円を中心とした、上下の権利行使価格3万7875円から3万8250円での狭いレンジでの推移となった。ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさ株の下げが重荷となっているが、一方で、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が日本への投資を強化するとの観測から昨日同様、商社株の強さが目立っており、指数を支えている。
NT倍率は先物中心限月で14.24倍に低下した。商社株などTOPIX型に買いが入っており、足もとのレンジとなる14.30倍~14.40倍を下放れてきた。25日線(14.22倍)、200日線(14.23倍)が支持線として意識されやすいが、NTショートでのスプレッド狙いの動きが入りやすくなりそうだ。
1.イングランド銀行金融政策委員会(MPC)
MPCの9名の委員の棲み分けは、以下の通りに、タカ派3名、中立派3名、ハト派3名に分類できると思われる。
【MPC】 【8月1日】 【9月18日】
■ハト派
・ベイリーBOE総裁: 5.00% 5.00%
・ラムスデンBOE副総裁: 5.00% 5.00%
・ディングラMPC委員: 5.00% 4.75%
■中立派
・ロンバルデリBOE副総裁: 5.00% 5.00%
・ブリーデンBOE副総裁: 5.00% 5.00%
・テイラーMPC委員: 5.00%
■タカ派
・マンMPC委員: 5.25% 5.00%
・ピルMPC委員・チーフエコノミスト:5.25% 5.00%
・グリーンMPC委員: 5.25% 5.00%
※ハスケル英MPC委員(退任) 5.25% 5.00%
2.8月1日MPC(5対4)
イングランド銀行は、政策金利を5.25%から5.00%に引き下げた。利下げは2020年序盤以来4年ぶりだった。
利下げに賛成した5人は「インフレが持続するリスクの緩和に一定の進展があった」との考えだった。ただ、このうちの一部委員にとってインフレの根強さは「まだ決定的には解消されていない」ため、今回の決定は「微妙なバランス」に基づくものだったという。
利下げに反対した4人は、基調的なインフレが予想より根強く、成長率も予想以上であることを理由に挙げた。
3.9月18日MPC(8対1)
政策金利を5.00%に据え置いた。ディングラMPC委員が4.75%への追加利下げを主張した。
■3つのシナリオ
1)インフレ率を上昇させた世界的なショックの解消と、その結果としてヘッドラインインフレ率が賃金や価格設定の動きを弱めるよう波及しつづける
2)賃金や価格設定の動きが完全に正常化するため、GDPが潜在量を下回り、労働市場がさらに緩和する経済が弛む(slack)の期間が必要となる
3)ここ数年で経験した主要な供給ショックの後に、経済が賃金や価格設定といった構造的な変化の影響を受けている可能性がある
4.11月7日MPC
ベイリー英中銀(BOE)総裁は、緩やかな利下げが可能だとの認識を示した。インフレ率が約2年前に記録した11.1%から鈍化していることに非常に勇気づけられる、として「金利の道筋は緩やかに下向きになると考えている」と述べた。
また、「今後もインフレ率を持続的に目標水準に合致させる必要がある。現時点ではインフレの構成要素がかなり不均衡な組み合わせになっている」とも発言した。
11月のMPCでの利下げ観測が高まりつつある。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、中東の地政学リスクに警戒しながら、複数の欧州中央銀行(ECB)高官の発言から10月17日のECB理事会での追加利下げの可能性を探る展開となる。
中東では、イスラエルがスンナ派ハマス、レバノンのシーア派ヒズボラ、イエメンのフーシ派を攻撃し、イランがイスラエルにミサイル攻撃を断行したことで、イスラエル対「抵抗の枢軸」との軍事衝突が警戒されており、本日も関連ヘッドラインに警戒しておきたい。
ラガルドECB総裁は、先日のブリュッセルの欧州議会で、利下げ気運が高まっていることを強く示唆した。「最近の動向はインフレ率が速やかに目標に戻るというわれわれの自信を強めている」と述べ、「10月の次回政策会合で、それを考慮に入れる」と明言した。
昨日はレーン・フィンランド中銀総裁が「10月会合での利下げの根拠は増した」と述べている。
9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比+1.8%となり、ECBのインフレ目標2.0%を下回った。
本日は、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、カザークス・ラトビア中銀総裁、レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、シムカス・リトアニア中銀総裁、エルダーソンECB専務理事の講演で、追加利下げへの言及に注目しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1130ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:160.80円(日足一目均衡表・転換線)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0934ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:158.11円(9/30安値)
イスラエルが数日内にイランへの攻撃を計画していると一部報道が伝わっている。
(2日15時時点)
ドル円:1ドル=143.70円(前営業日NY終値比△0.13円)
ユーロ円:1ユーロ=158.95円(△0.05円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1062ドル(▲0.0006ドル)
日経平均株価:37808.76円(前営業日比▲843.21円)
東証株価指数(TOPIX):2651.96(▲38.82)
債券先物12月物:145.05円(△0.35円)
新発10年物国債利回り:0.815%(▲0.035%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月マネタリーベース
前年同月比 ▲0.1% 0.6%
9月消費動向調査(消費者態度指数、一般世帯)
36.9 36.7
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。本邦勢の参入後は買いが先行したほか、香港株などの堅調推移も支えに一時144.19円まで値を上げた。もっとも、「イスラエルが数日以内にイランに対して重大な報復を計画」との報道が伝わると、中東の地政学リスクを嫌気した売りに押されて143.50円台まで押し戻された。
・ユーロ円も上値が重い。13時前に159.62円まで上昇する場面があったが、買い一巡後は中東の地政学リスクを手掛かりにした売りが強まり、158.71円まで反落した。
・ユーロドルはもみ合い。1.1060ドル台を中心とした狭いレンジ内での推移に終始した。
・日経平均株価は大幅反落。中東情勢の悪化懸念から前日の米国株式相場が下落し、東京市場でも投資家のリスク志向低下を嫌気した売りが出た。株価指数先物主導で下げ足を速め、指数は一時1000円超安まで下押しした。
・債券先物相場は続伸。昨日の米国債券相場が上昇した流れを引き継いだほか、中東情勢の緊迫化を背景に相対的に安全資産としての債券需要が高まった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
ロシアは経済を維持する観点から戦争を止められないのかも
26年度予算案で軍事費は25%増、歳出全体の3割強を占めるなど、戦争が一大産業と化している
一昨年2月に始まったウクライナ戦争は依然見通しが立たない状況にある。開戦直後に欧米などがロシアへの経済制裁を強化したことを受け、直後にロシア経済に深刻な悪影響が出た。しかし、その後は様々な抜け穴が存在していることに加え、戦争長期化に伴い軍事産業が一大産業となるなかで景気は底入れしている。さらに、先月末に公表された2026年度予算案では軍事費が今年度予算比25%増の13.5兆ルーブル、歳出全体の32.5%に達することが示された。4年ほどで国防費は2.5倍となり、前線の戦況悪化で人件費が増大しており、軍備増強の動きも関連費用の膨張を招いている。なお、国家安全保障関連費を併せると歳出の4割強に達するなど、軍への依存度が高まる動きもみられる。他方、インフレ加速を受けて中銀は戦時下にも拘らず利上げを余儀なくされており、今後も難しい対応が続くとみられる。ロシアが自発的に戦争を止めるとは見通しにくく、経済を維持する観点からもそうした状況に陥っている可能性が考えられる。
首相官邸によると、石破首相と植田日銀総裁が本日午後5時45分から官邸で会談するという。
大阪12月限
日経225先物 37750 -1020 (-2.63%)
TOPIX先物 2645.5 -54.5 (-2.01%)
日経225先物(12月限)は前日比1020円安の3万7750円で取引を終了。寄り付きは3万7890円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8030円)にサヤ寄せする形で、売り先行で始まった。売り一巡後は押し目狙いのロングが入り、現物の寄り付き後ほどなくして3万8210円まで下げ幅を縮める場面もみられた。その後は3万7920円~3万8100円辺りでの保ち合いを継続。積極的にポジションを傾けづらい需給状況であるが、3万8000円を下回る局面においては押し目を拾う動きがみられた。
底堅い値動きをみせていたが、後場中盤に「イスラエル、数日内にイラン攻撃への対応を計画」と海外メディアが報じたことが伝わると、レンジを下放れ朝方に付けた安値を割り込んだ。終盤にかけてショートを仕掛ける動きも強まったと考えられ、一時3万7670円まで売られる場面もみられた。
日経225先物は後場中盤辺りまでは75日移動平均線(3万8050円)水準での攻防をみせていた。オプション権利行使価格の3万8000円を中心とした、狭いレンジでの推移を続けていたが、中東情勢を巡る地政学リスクの高まりによってレンジを割り込む形だった。ただし、ナイトセッションで付けた安値(3万7600円)は割り込まず、200日線(3万7450円)、25日線(3万7390円)が支持線として意識されやすいだろう。
ポジションを傾けにくい需給状況のなかでのスキャルピング中心のトレードであり、追随する動きも限られているだろう。報道等を受けてアルゴリズムが発動することで、薄商いの中で値幅は出やすいものの、その後のカバーは速い。下値が限られるようだと、再び75日線水準へのリバウンドをみせてくる可能性はありそうだ。再び75日線を上回ってくる局面においては、ショートカバーの動きが強まろう。
円相場は1ドル=144円近辺での推移をみせており、落ち着いた動きだった。楽観は禁物であるが、引き続き3万8000円を中心とした、25日・200日線とボリンジャーバンドの+1σ(3万8500円)とのレンジを想定しておきたい。なお、支持線を割り込んでくるようだと、-1σ(3万6270円)辺りまでの調整を意識しておく必要はある。
NT倍率は先物中心限月で14.26倍に低下した。商社株などTOPIX型に買いが入っており、足もとのレンジとなる14.30倍~14.40倍を下放れてきた。一時14.23倍まで下げる場面もみられたが、25日線(14.22倍)、200日線(14.23倍)が支持線として機能する形だった。引き続き25日、200日線がサポートとして機能するかを見極める必要はあるものの、目先的にはNTショートでのスプレッド狙いの動きが入りやすくなりそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万1984枚、ソシエテジェネラル証券が1万1767枚、サスケハナ・ホンコンが5220枚、バークレイズ証券が3310枚、SBI証券が3028枚、JPモルガン証券が2834枚、野村証券が2291枚、モルガンMUFG証券が1884枚、ゴールドマン証券が1800枚、日産証券が939枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万3299枚、ソシエテジェネラル証券が1万5499枚、バークレイズ証券が4707枚、JPモルガン証券が3716枚、モルガンMUFG証券が3062枚、サスケハナ・ホンコンが2886枚、ビーオブエー証券が2240枚、ゴールドマン証券が2199枚、BNPパリバ証券が2050枚、みずほ証券が968枚だった。
本日のNY市場でのドル円は、緊迫度が高まる中東情勢に注意しつつ、米雇用状況や米要人発言を確認してゆくことになりそうだ。
まずは米雇用状況について、9月ADP雇用統計が注目。市場予想は12.0万人増と前月の9.8万人増より増加が見込まれている。9月30日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「労働市場はこの1年落ち着いてきたが、依然力強い」などと発言したのは記憶に新しい。
今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)は残すところあと2回であり、現時点での金利先物市場では年末までに合計で0.75%の利下げを織り込み済み。本日のADPが予想を上回る結果となれば、年内の大幅利下げ観測が後退してドル買いで反応することも考えられる。
昨日は、イランがイスラエルに弾道ミサイル攻撃を仕掛けたことで一時的にリスク回避の流れとなる場面が見られた。イスラエルは反撃する姿勢を示しており、中東情勢が一段と悪化する場面では、ドル円は神経質な動きを迫られそうだ。とはいえ、昨日は報道を受けて約1円下落した後は切り返す動きとなり、本日に入り下落分を取り戻している。「遠くの戦争は買い」の相場格言が示す通り、押し目を作るだけかもしれないが、直後は市場の混乱で荒れた展開となる恐れがある点に注意が必要だろう。
なお本日は、ハマック米クリーブランド連銀総裁やムサレム米セントルイス連銀総裁、ボウマンFRB理事の発言機会が設けられている。年内の利下げ幅や雇用状況などへの言及には注目しておきたい。
そのほか、NY時間午後には欧州中銀(ECB)のシュナーベル専務理事が講演予定。昨日発表された9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比+1.8%と、約3年ぶりにECBのインフレ目標の2%を下回った。8月30日に「金融政策はインフレ目標2%に焦点を当てるべき」などと話しており、今後の金利見通しや金融政策について発言が出るか注目される。
想定レンジ上限
・ドル円は昨日高値144.53円を超えると節目の145.00円
・ユーロドルは昨日高値1.1144ドル。超えると9月30日高値1.1209ドル
想定レンジ下限
・ドル円は日足・一目均衡表の基準線143.40円。割ると昨日安値142.98円
・ユーロドルは日足・一目均衡表の雲の上限1.1038ドル。割ると雲の下限1.0934ドル
今晩は上値の重い展開か。昨日は東海岸とメキシコ湾岸での港湾労働者のストライキの影響が懸念され軟調にスタート。更に、イランがイスラエルにミサイルを発射したことで中東情勢の緊迫化が嫌気されリスク回避の動きが強まった。ダウ平均は一時、384ドル安まで下落し、173.18ドル安(-0.41%)と4日ぶりに反落して終了し、S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.93%安、1.53%安とともに大幅に反落した。投資家の不安心理を示すVIX指数は前日の16.73ポイントから一時20.73ポイントまで上昇し、19.26ポイントで終了と、センチメントは悪化した。引け後の動きでは通期見通しを取り下げたナイキが時間外で約6%下落した。
今晩の取引では中東情勢の不透明感や港湾労働者の大規模ストライキが引き続き相場の重しとなりそうだ。中東情勢の緊迫化を受けた原油相場の上昇もインフレ懸念を強めるか。今週は年内の利下げを巡り、金曜日に発表される9月雇用統計に注目が集まるが、今晩はその前哨戦となる9月ADP民間部門雇用者数にも要注目となる。9月ADP民間部門雇用者数は8月分の9.9万人増から12.0万人増に増加が見込まれているが、予想を大きく下回れば景気悪化懸念が強まることが警戒される。
今晩の経済指標・イベントは9月ADP民間部門雇用者数のほか、MBA住宅ローン申請指数、EIA週間原油在庫など。このほか、ボウマンFRB理事、ハマック米クリーブランド連銀総裁、ムサレム米セントルイス連銀総裁の講演なども予定されている。企業決算は寄り前にコナグラ・ブランズが発表予定。
日経平均株価は大幅反落。ギャップダウンで始まり下げ幅を拡大。843円安と前日の上げ分(732円高)を打ち消す下落となり、陰線を形成した。ただ、安値(37651円)でも25日移動平均線(37558円 10/2)を下回ることはなかった。
RSI(9日)は前日の69.1%→60.1%(10/2)へ低下。終値(37808円)が200日移動平均線(37803円 同)に近く、この辺りで短期的な調整に一巡感が出てくるかがポイントとなる。
先週の段階で、9/2の戻り高値を超えたため、8/5安値を起点とした上昇二段上げ目に入ったことを確認した。目先的な調整をこなしながらも、当面の重要な上値水準となるのは7/18の下げで開けたマド上限(41054円)となる。
上値メドは、9/27高値(39829円)、心理的節目の4万円、7/17安値(41054円)、心理的節目の42000円、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、200日移動平均線や25日移動平均線、9/12高値(36902円)、9/18高値(36675円)、9/17安値(35828円)、9/11安値(35253円)などがある。
(2日終値:3日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=146.17円(2日15時時点比△2.47円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.47円(△2.52円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1047ドル(▲0.0015ドル)
FTSE100種総合株価指数:8290.86(前営業日比△14.21)
ドイツ株式指数(DAX):19164.75(▲48.39)
10年物英国債利回り:4.025%(△0.084%)
10年物独国債利回り:2.092%(△0.056%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月ユーロ圏失業率
6.4% 6.4%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円はしっかり。石破茂首相は2日、植田和男日銀総裁との会談後、記者団の取材に応じ「個人的には現在、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」「これから先も緩和基調を維持しながら経済が持続的に発展することを期待している」などと発言。また、植田総裁は「経済物価が見通し通り動けば緩和の度合いを調整するが、本当にそうか見極める時間があるので丁寧にやる」と話した。これらの発言を受けて、日銀による追加利上げ観測が後退すると全般円売りが優勢となった。
NY市場でも円安の流れが続いた。加えて、9月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が14.3万人増と予想の12.0万人増を上回ったことが伝わると、米長期金利の上昇とともにドル買いが加速。24時前に一時146.26円まで上値を伸ばした。
・ユーロドルは弱含み。しばらくは1.10ドル台後半でのもみ合いの展開が続いていたが、欧州債利回りの上昇を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行すると、一時1.1083ドルと日通し高値を更新した。
ただNYの取引時間帯に入り、良好な米雇用指標を受けてユーロ売り・ドル買いが優勢になると、前日の安値1.1046ドルを下抜けて一時1.1033ドルまで下げ足を速めた。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.81%台まで上昇したことも相場の重し。
なお、バスレ・スロベニア中銀総裁は「さらなる利下げはあるだろうが、それはデータ次第」と述べたほか、センテノ・ポルトガル中銀総裁は「インフレは欧州中央銀行(ECB)の目標に近づいた」「ユーロ圏のインフレは安定している」などと発言。また、シュナーベルECB専務理事は「インフレ率が2%まで持続的に低下する可能性が高まっている」などと語った。
・ユーロ円は堅調。石破首相の発言をきっかけに全般円安が進んだ流れに沿って一時161.55円まで値を上げた。米国株相場の持ち直しや日経平均先物の大幅上昇も相場を下支えした。なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比940円高の3万8690円まで上昇する場面があった。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続伸。原油先物相場の上昇を背景にBPやシェルなどエネルギー株が買われ、相場を押し上げた。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株も値上がりした。ただ、イランの攻撃を受けたイスラエルが反撃を示唆したと伝わる中、「成り行きを見極めたい」との声も聞かれ、上値は限定的だった。
・フランクフルト株式相場は3日続落。イスラエルとイランを巡る地政学リスクへの懸念が相場の重しとなったが、売り一巡後は一部銘柄に買いが入り下げ渋った。個別ではザルトリウス(1.98%安)やミュンヘン再保険(1.71%安)、コメルツ銀行(1.51%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
2日の日経平均は大幅反落。終値は843円安の37808円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり248/値下がり1370。中東の地政学リスクが意識されて原油価格が上昇したことから、INPEX、石油資源開発、富士石油、出光興産など原油高で恩恵を受ける銘柄が大幅上昇。日本製鉄や神戸鋼など、鉄鋼株にしっかりとした動きが見られた。大阪チタニウム、東邦チタニウムのチタン2社や住友鉱山など非鉄の一角が大幅高。人気車種「アウトランダー」に関するリリースを材料に三菱自動車が買いを集めた。
一方、米国でエヌビディアが弱かったことから、レーザーテック、アドバンテスト、ディスコなど半導体株が軒並み大幅安。米国ではアップルも大幅安となっており、TDKや村田製作所など電子部品株が売りに押された。ファーストリテイリングが4%安となり、日経平均を約171円押し下げた。地合いの悪い中、ナガイレーベンやあみやき亭が決算を材料に大きく値を崩した。
日経平均は大幅安。1日の終値が38651.97円で、きょうの安値が37651.07円。4桁安をつけに行くような動きが見られており、印象は悪い。中東に関しては緊張状態が続いているため、東京市場でこの地域に対する警戒が強まってくると、下に値幅が出たとしても取引時間中には自律反発が期待しづらくなる。目先は米国株に強い動きが見られるか、海外要因に鈍感となるくらいの好材料が国内で出てこないと、腰の入った買いは期待しづらい。
一方、リスクオフっぽくなった割にはドル円がそれほど円高に振れなかったことは安心材料。金曜4日には米9月雇用統計の発表があり、この先、為替の変動も大きくなるかもしれないが、2日の16時時点では144円近辺で推移しており、今のところ140円割れを懸念するような状況にはない。このタイミングで円高が進んでしまうと仕掛け的な売りに押されるリスクがあるが、そうはならないのであれば、徐々に日本株の売り圧力は和らいでいくと期待できる。ドル円のチャートを見ると、25日線が足元143円40銭近辺に位置している。これより上(円安水準)で推移できるかに注目しておきたい。
(2日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.47円(前営業日比△2.90円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.76円(△2.86円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1045ドル(▲0.0023ドル)
ダウ工業株30種平均:42196.52ドル(△39.55ドル)
ナスダック総合株価指数:17925.13(△14.77)
10年物米国債利回り:3.78%(△0.05%)
WTI原油先物11月限:1バレル=70.10ドル(△0.27ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2669.7ドル(▲20.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲1.3% 11.0%
9月ADP全米雇用報告
14.3万人 10.3万人・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は大幅に反発。欧州市場では、石破茂首相が植田和男日銀総裁との会談後、「個人的には現在、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」「これから先も緩和基調を維持しながら経済が持続的に発展することを期待している」と述べたことをきっかけに全般円売りが進行。NY市場でもこの流れが継続した。
さらに、9月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が14.3万人増と予想の12.0万人増を上回ったことが伝わると、米長期金利の上昇とともにドル買いが活発化。9月27日の石破ショック前に付けた高値146.49円を上抜けて、一時146.51円まで上値を伸ばした。
なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するバーキン米リッチモンド連銀総裁は「経済が予想通りに進展すれば、今年さらに2回の0.25%の利下げは合理的な道筋とみている」などと語った。
・ユーロドルは4日続落。良好な米雇用指標を受けてユーロ売り・ドル買いが先行。前日の安値1.1046ドルを下抜けると一時1.1033ドルまで下げ足を速めた。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.81%台まで上昇したことも相場の重し。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.69まで上昇した。
・ユーロ円は大幅反発。石破首相が日銀の追加利上げについて慎重な姿勢を示すと全般円安が進んだ。米国株相場の持ち直しや日経平均先物の大幅上昇も相場の支援材料となり、5時前に一時161.88円まで値を上げた。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比990円高の3万8740円まで上昇する場面があった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小反発。イスラエルとイランを巡る地政学リスクへの懸念が相場の重しとなり、続落して始まった。ただ、9月ADP全米雇用報告が予想を上回り、米労働市場の底堅さを示すと、徐々に買い戻しが優勢となり上げに転じた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も小反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。9月ADP全米雇用報告が予想を上回り、雇用情勢が依然として底堅いことが示されると売りが優勢となった。
・原油先物相場は続伸。昨日のイランによる弾道ミサイル発射について、「イスラエルが数日内に報復する」との報道で一時72.49ドルまで大幅に原油先物価格は上昇した。しかし、米エネルギー省(EIA)が発表した原油在庫とガソリン在庫が予想の取り崩しに対し積み増しとなったことで、一転原油先物に売りが入り大幅に上げ幅を縮小して引けた。
・金先物相場は反落。中東情勢の緊迫化で安全資産とされる金先物に買いが集まる場面もあったが、米金利の上昇で金利のつかない金先物は売りが優勢となった。対円を中心にドル高が進んだことで、ドルで取引される金先物には割高感も出たことも重しになった。
2日06:56 アラグチ・イラン外相
「イスラエルのさらなる報復がない限り軍事行動は終了」
2日09:10 石破首相
「今朝、バイデン米大統領と電話会談を行った」
「米大統領との電話会談で日米地位協定は話題になっていない」
「日米同盟のさらなる強化を図っていきたい」
2日11:07 林官房長官
「デフレ脱却最優先の経済財政運営を行う」
「日銀と緊密に連携し経済財政運営に万全を期す」
2日11:53 赤沢経済再生相
「石破首相が金利引き上げに前向きというのは正しくない」
「金融政策、まだ正常とは言えない状況」
「金利引き上げ、慎重に判断してほしい」
「金融政策正常化が必要との石破首相の発言、色々な条件付きと理解してほしい」
2日15:33 植田日銀総裁
「景気は一部に弱めの動きが見られるものの緩やかに回復している」
「現在は2%以下とみられる基調的な消費者物価、徐々に高まっていく」
「見通し期間後半には物価目標とおおむね整合的な水準で推移」
「米国を始めとする海外経済の先行きは引き続き不透明」
「金融市場も引き続き不安定」
※石破首相との会談を終え
「緩和的な状態で経済をしっかり支えていることを伝えた」
「政府と日銀が緊密に連携することで一致、アコードについては話はしなかった」
「経済物価が見通し通り動けば緩和の度合いを調整するが、本当にそうか見極める時間があるので丁寧にやる」
2日16:21 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「成長リスクは引き続き下振れ方向」
2日17:24 加藤財務相
「デフレから脱却し、成長型経済を実現しなければならない時期にある」
「経済成長と財政健全化の取り組みが重要」
「賃上げと投資がけん引する経済成長を実現したい」
2日19:36 石破首相
「現在は追加利上げをするような環境にはない」
「日銀の政策についてあれこれ言う立場にはない」
「さらなる利下げはあるだろうが、それはデータ次第」
「10月の利下げを除外したり約束したりはできない」
3日01:27 センテノ・ポルトガル中銀総裁
「インフレはECBの目標に近づいた」
「ユーロ圏のインフレは安定している」
3日01:28 バイデン米大統領
「イランのイスラエル攻撃を議論するG7オンライン会議に参加」
「G7はイランへの制裁を含む対応策を議論」
3日01:48 シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事
「成長への逆風を無視することはできない」
「依然として賃金の伸びは堅調」
「サービスインフレは依然として高い」
「インフレ率が2%まで持続的に低下する可能性が高まっている」
3日04:18 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「米国の債務水準は長期的には懸念事項」
「経済が予想通りに進展すれば、今年さらに2回の0.25%の利下げは合理的な道筋とみている」
「失業率とインフレ率は今年後半はほぼ安定すると予想」
「米連邦準備理事会(FRB)の利下げにより労働力と需要が再び引き締まり、来年のインフレ率は2%を超える可能性があるとみている」
「現在の金利引き下げは政策の適切な再調整だが、完全な正常化にはインフレ率が2%に達する必要がある」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○10:30 ◇ 野口旭日銀審議委員、あいさつ
<海外>
○10:30 ◇ 8月豪貿易収支(予想:55.00億豪ドルの黒字)
○15:30 ◎ 9月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%)
○16:00 ◎ 9月トルコCPI(予想:前月2.20%/前年比48.30%)
○16:50 ◎ 9月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:48.3)
○16:55 ◎ 9月独サービス部門PMI改定値(予想:50.6)
○17:00 ◎ 9月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:50.5)
○17:30 ◎ 9月英サービス部門PMI改定値(予想:52.8)
○18:00 ◎ 8月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.3%/前年比▲2.4%)
○20:30 ◇ 9月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.0万件/183.2万人)
○22:45 ◎ 9月米サービス部門PMI改定値(予想:55.4)
○22:45 ◎ 9月米総?⑰MI改定値(予想:54.3)
○23:00 ☆ 9月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:51.7)
○23:00 ◎ 8月米製造業新規受注(予想:前月比横ばい)
○23:00 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、あいさつ
○23:40 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○中国(国慶節)、韓国(建国記念日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事の講演では、金融政策についての言及はなかった。
2日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、欧州市場での石破首相発言「現在、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」を受けた上昇に加え、9月ADP全米雇用報告が14.3万人増だったことで、米長期金利の上昇とともに146.51円まで上昇した。ユーロドルは良好な米雇用指標を受けて米10年債利回りが3.81%台まで上昇したことで1.1033ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、日銀の早期の追加利上げ観測の後退で上昇が見込まれる日経平均株価やリフレ派の野口日銀審議委員の講演などで底堅い展開が予想されるものの、中東の地政学リスクへの警戒感や明日発表の米9月雇用統計を控えて上値は限定的だと予想される。
ドル円が140円を割り込んだ要因は、日銀の早期の追加利上げ観測と米連邦公開市場委員会(FOMC)での雇用情勢悪化を受けた0.50%の大幅追加利下げ観測だった。
昨日は、石破首相と植田日銀総裁の会談での早期利上げに対する慎重姿勢を受けて、27日の衆議院議員選挙直後の10月30-31日の日銀金融政策決定会合での利上げの可能性はほぼなくなったと思われる。
11月6-7日のFOMCでの追加利下げ幅(0.25%か0.50%)に関しては、明晩発表される米9月雇用統計を見極めることになる。
ドル円は、9月27日午後の「高市ショック」で146.49円まで上昇した後、30日には「石破ショック」で141.65円まで反落し、昨日は「逆石破ショック」で146.51円まで、今朝は146.90円上昇しており、「政治相場」が続いている。
昨日は、石破首相が、植田日銀総裁との会談の後、日本銀行の金融政策について、「現在、追加の利上げをするような環境だとは思っていない」と述べた。
植田日銀総裁も、「2%の物価安定の目標のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく」と、9月の日銀金融政策決定会合後のややハト派的な見解を繰り返した。
10時30分からのリフレ派の野口日銀審議委員の講演では、7月の日銀金融政策決定会合で利上げに反対した理由「賃金上昇の広がりによる経済状況の改善を、データをみてより慎重に見極める必要がある」の説明が予想される。
中東の地政学リスクに関しては、イスラエルが「数日内にイランに報復攻撃」と報じられていることで、昨年ハマスが奇襲攻撃を断行した「10月7日」を念頭に警戒しておきたい。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38690 +940 (+2.49%)
TOPIX先物 2696.0 +50.5 (+1.90%)
シカゴ日経平均先物 38665 +915
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
2日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。朝方発表された9月のADP雇用統計は民間雇用者数が14万3000人増加と、市場予想(12万5000人程度)を上回り、米労働市場は底堅いと受け止められた。イスラエルとイランを巡る地政学リスクへの懸念からNYダウは下落に転じる場面もみられたが、全面戦争への発展は避けられるとの見方もあり、前日に売られたハイテク株を中心に買い戻す動きとなった。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、エネルギー、商業サービス・用品が上昇した一方で、自動車・同部品、耐久消費財・アパレル、運輸が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比915円高の3万8665円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比170円高の3万7920円で始まり、買い一巡後は3万7780円まで上げ幅を縮める場面もあったが、マイナスに転じることはなくロング優勢のなかで3万8300円台を回復。米国市場の取引開始直後に3万8060円まで軟化したものの、売り一巡後は再びロングが強まり、終盤にかけて一時3万8740円まで上げ幅を広げ、3万8690円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。ナイトセッションでは一時3万8740円まで買われており、日中取引での下落分をほぼ吸収した。ただし、ナイトセッションでボラティリティの大きい状況が目立っており、買い一巡後はこう着感が強まる可能性はありそうだ。
昨夕に石破茂首相と日銀の植田和男総裁が初会談を行い、現在は追加の利上げをするような環境にないとのハト派的な見解を示した。これに予想を上回ったADP雇用統計が加わり、為替市場では円相場が1ドル=146円台半ばまで円安が進んだ。9月27日の高市トレードで付けた円安水準を上回っており、株式市場でもショートカバーに向かわせよう。
昨日の日経225先物は地政学リスクの高まりによってショート優勢となり、75日移動平均線(3万8050円)を割り込み、終盤にかけて一時3万7670円まで売られた。ナイトセッションでは開始後ほどなくして75日線を上回ると、前日のチャート上の陰線を埋める上昇をみせている。ボリンジャーバンドの+1σ(3万8560円)を上回ってきており、同水準をキープできるかが注目される。
+1σ水準での底堅さが意識されてくるようだと、+2σ(3万9700円)とのレンジでの推移が期待されてくるだろう。もっとも、ナイトセッションでの変動が大きい分、日中は膠着感が強まりやすい。中東情勢の緊迫化から積極的にはポジションを傾けづらく、関連する報道によってアルゴリズムが発動することも考えられる。そのため、まずはオプション権利行使価格の3万8500円を中心とした上下の権利行使価格3万8000円から3万9000円のレンジを想定する。3万8500円での底堅さがみられる局面では、3万8500円から3万9500円のレンジに切り上がろう。
ADP雇用統計の結果から、4日に発表される9月の米雇用統計も予想を上回る可能性があるとみられ、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利下げ観測が後退しそうだ。日銀の早期利上げ観測も後退するなか、円安基調が継続することでロング優勢の展開が期待される。
なお、2日の米VIX指数は18.90(前日は19.26)に低下した。ただし、一時20.36と不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を超える場面がみられたほか、25日線(17.58)を上回っての推移となっていた。ボトム圏での推移を継続しているものの、地政学リスクへの警戒は燻り、しばらくは見極めが必要だろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.26倍に低下した。商社株などTOPIX型に買いが入っており、足もとのレンジである14.30~14.40倍を下放れてきた。25日線(14.22倍)、200日線(14.23倍)が支持線として機能するかを見極める必要はありそうだ。本日は米ハイテク株の上昇を受けてNTショートを巻き戻す動きになりそうだが、レンジ下限辺りで戻りの鈍さがみられるようだと、目先的にはNTショートでのスプレッド狙いが入りやすくなりそうだ。
3日(木)の中国本土市場は国慶節につき休場。取引は8日(火)から再開される。
ゴールドマン・サックスは最新リポートで、中国が予想をはるかに超える景気刺激策を発表したことで、世界のヘッジファンドが中国株式市場に殺到し、9月23-27日の週間買付額はゴールドマンが記録を開始した2016年以降で最高を更新したと指摘した。セクター別では主に消費、工業、金融、情報技術に買いが集中。エネルギーが唯一、小幅ながら売られたセクターとなった。『信報』が3日伝えた。
投資家とアナリストは、経済の先行き不安や地政学的リスクの高まりを背景に、中国株売りは過去数年間の共通認識となっていたが、いまは風向きが変わってきているとの見方を示した。ヘッジファンドや投機的な市場参加者にとどまらず、海外の長期投資家も好機を失うことを懸念しているという。
ロンドン証券取引所グループ(LSDG)リッパーのデータによると、中国株式に特化した海外のETF(上場投資信託)は、9月の最後の3営業日(9月26-27日、30日)の資金流入が24億米ドルに上り、年初から9月25日までは27億米ドルの流出だった。
昨日のドル円は、アジア時間に「イスラエルがイランへの報復攻撃を数日以内に計画している」ことが伝わると一時143.53円まで値を下げたものの、あくまでも予定調和的動きに過ぎないとの判断からか、欧州時間に入ってからは米長期金利の上昇につれて次第に下値を切り上げる展開に。17時45分から開催された石破首相と植田日銀総裁の会談が終わり、石破首相が自民党総裁当選直後に見舞われた、いわゆる「石破ショック」を自らが直接打ち消す荒業に出ると、市場は一気にリスクオン的な動きに。
NY時間に入って9月ADP全米雇用報告でのNFPが予想を上回る強い数字となると一気に146.26円まで上昇。その後は145.91円まで下押す場面もみられましたが、引けにかけては日経平均先物が1000円近い急騰となるにつれて9月27日の石破ショック直前の高値146.49円を上抜けて146.51円まで買い上げられることになりました。
そしてアジア市場では、早々から昨日高値を上抜けてSLを誘発。売り上がった向きの踏み上げ相場となると9月3日の高値147.21円を上抜けて一時147.24円まで買い上げられました。その後は利食い売りから146.68円まで下押ししているといったところです。
いずれにしても、今回の石破ショックをどう受け止めるかという本質をきちんと認識していれば、「かなり安易な相場だった」といったところ。石破総裁からすれば、長年、自民党内で反主流派に居座り続けていたなか、千載一遇のチャンスで勝ち取った総裁の椅子。市場からも総裁就任直後に日経先物のサーキットブレーカーを突き付けられたわけで、可及的速やかに決行する解散総選挙の結果次第では、全く党内での支持基盤を持たない、まして、今回の閣僚人事では、党内にかなり大きな亀裂を生じさせているなか、総選挙後、すぐにも辞任の可能性も否定できないといった状況。
株価を何とか石破ショックから回復させ、オタク的側面が強調されている自身のイメージを変えて、状況に合わせて判断できる柔軟性のある首相との印象を内外に植え付けたいと思ったはず。選挙公約など、常に実行されないことのほうが多いわけで、それよりも何よりも、勝利することが絶対的な使命となっているなか、今回の一連の展開は容易に想像できたといえます。
日米金利差縮小にしても、その事実自体は市場の誰もが理解していますが、相場自身はその分かり切った事実で動いているわけではなく、あくまでも、その事実に対する期待値の格差の変動を取りに行っているわけで、実際の方向性が事実とは逆に進んでいくのもまた、全く不思議ではなく、整合性がとれることになります。
日経225先物は11時30分時点、前日比940円高の3万8690円(+2.49%)前後で推移。寄り付きは3万8780円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8665円)を上回り、買い先行で始まった。寄り付き直後には一時3万9030円まで買われ、節目の3万9000円を上回る場面もみられた。ただし、買い一巡後はロングを解消する動きが優勢となるなか、中盤にかけては3万8510円まで上げ幅を縮めた。その後はボリンジャーバンドの+1σ(3万8560円)水準での底堅さが意識されるなか、押し目狙いのロングによって3万8700円辺りでの推移を継続している。
日経225先物は円相場が一時1ドル=147円台と円安に振れて推移するなかロング優勢の動きとなった。節目の3万9000円回復で短期的には利益確定に伴うロング解消の動きが入りやすいところであろう。また、イランとイスラエルとの緊張が高まっていることも早めのクローズに向かわせた面がありそうだ。上値追いは慎重にさせそうだが、円安基調が続くなかでは+1σ水準でのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.36倍に上昇した。米半導体株の上昇を引き継ぐ形から東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]など値がさハイテク株やファーストリテイリング <9983.T> [東証P]など日経平均型が牽引する形である。NTショートを巻き戻す動きから、足もとの14.30倍~14.40倍のレンジ内に戻している。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、新興国全般で金融緩和や緩和開始に向けた動きが広がっている点に着目。インドネシア、南アフリカの中央銀行は9月に政策金利を引き下げた。この先、新興国では金融緩和の波がいっそう広がるとみられるが、その多くは景気の弱さに対応する形で利下げを迫られるというよりは、インフレの落ち着きや通貨安(ドル高)圧力の後退に伴い「金利水準を調整する」意味合いが強いと東海東京では指摘。それだけに、金融緩和が緩やかなペースで進められ、その最終到達点もそれほど深くならない可能性があると考えている。
「西側諸国が核保有国であるロシアに、勝つために戦おうとする考えは愚かで危険だ」
(ラブロフ露外相)
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所の分析によると、2022年の時点で、保有する核弾頭の総数は5977発。世界で最も多く、アメリカの5428発を上回っている。
そして、戦闘部隊への攻撃など局地的に使用される可能性がある核兵器「戦術核」は、約1900発保有しているらしい。
1. ロシアの「核ドクトリン」=国家存亡の危機
ロシアが核兵器を使用する条件として挙げられているのは、以下の4つである。
1)ロシアと同盟国への弾道ミサイル発射に関する信頼できる情報を入手したとき
2)ロシアと同盟国に対して敵が核兵器や大量破壊兵器を使用したとき
3)死活的に重要な政府や軍の施設※に対して敵が干渉を行ったとき
※機能不全に陥ると核戦力での報復に支障をきたすような施設
4)通常兵器によってロシアが侵略され国家の存立が危機的になったとき
9月4日、ロシアのペスコフ大統領報道官は、「集団的西側諸国」の行動により、核使用条件を定めた同国の軍事ドクトリンの変更が必要になった、との見解を示した。
そして、「いわゆる集団的西側諸国がもたらした課題と脅威がドクトリン変更の背景にある。ウクライナが米国から供与された長距離兵器を使用してロシア領土の奥深くまで攻撃する可能性も考慮している」と述べた。
ロシアのリャブコフ外務次官も「核ドクトリンを見直す作業が現在進行している」と述べている。
2.「核ドクトリン」の変更
9月25日、プーチン大統領は、ロシアが通常兵器による攻撃を受けた場合、核兵器を使用する可能性があるし、核保有国の支援を受けた攻撃を共同攻撃と見なすと述べた。
9月28日、ロシアのラブロフ外相は、国連総会で一般討論演説を行い「核保有国ロシアと戦って勝利しようとする考え自体が無意味で危険だ」と述べ、ロシアの侵略を受けるウクライナや同国を支援する西側諸国を牽制した。
9月29日、ロシア大統領府は、核兵器使用に関するドクトリン(基本原則)の修正案を準備しており、正式決定されるとの見解を示した。
ドクトリン修正の背景として、国際情勢、ロシア国境付近の緊張激化、西側核保有国によるウクライナ戦争への関与が高まっていることなどを挙げた。
ロシアが想定している「核攻撃目標リスト」には、ルーマニア、トルコ、アゼルバイジャン、イラン、韓国、日本、そして友好国 の北朝鮮、中国など32の攻撃目標があげられているらしい。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、中東の地政学リスクに警戒しながら、9月の仏・独・ユーロ圏のサービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値や8月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)を見極めて10月17日のECB理事会での追加利下げの可能性を探る展開となる。
9月の仏・独・ユーロ圏の製造業PMI改定値は軒並み上方修正されていたものの、依然として景況感の分岐点である50を下回っていた。サービス部門PMIでのリスクシナリオは、下方修正された場合に警戒しておきたい。
8月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)の予想は前月比+0.3%で、7月の同比+0.8%から伸び率鈍化、前年比-2.4%で、7月の同比-2.1%からの伸び率鈍化が見込まれている。
9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)は前年比+1.8%まで低下していることで、ユーロ圏の物価指標の低下基調は織り込み済みであり、予想を下回る低下幅には警戒しておきたい。
9月スイス消費者物価指数(CPI)は前月比-0.1%と予想されており、8月の同比±0.0%からの低下が見込まれている。
シュレーゲル・スイス国立銀行総裁は、物価上昇率について、SNBが目標とする0-2%のレンジを下回るリスクの方が大きいことで、マイナス金利の復活の可能性に言及しており、要注目か。
9月トルコCPIは前年比+48.30%と予想されており、8月の同比+51.97%からの伸び率鈍化が見込まれている。
トルコのインフレ率は、50%に据え置かれている政策金利の影響で低下傾向にあり、トルコ中銀は、年末のインフレ率を38%に低下させることを目標としている。
トルコのディスインフレ基調が確認された場合、トルコ中銀による利下げ観測が高まるため、トルコリラは下げ渋る展開が予想される。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1124ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:163.49円(9/27高値)
・スイスフラン円:173.45円(日足一目均衡表・雲の上限)
・トルコリラ円:4.33円(9/3高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0934ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:160.80円(日足一目均衡表・転換線)
・スイスフラン円:170.66円(日足一目均衡表・雲の下限)
・トルコリラ円:4.21円(日足一目均衡表・転換線)
(3日15時時点)
ドル円:1ドル=146.55円(前営業日NY終値比△0.08円)
ユーロ円:1ユーロ=161.61円(▲0.15円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1027ドル(▲0.0018ドル)
日経平均株価:38552.06円(前営業日比△743.30円)
東証株価指数(TOPIX):2683.71(△31.75)
債券先物12月物:144.94円(▲0.11円)
新発10年物国債利回り:0.820%(△0.005%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
580億円の処分超 7749億円の所得超・改
対内株式
7579億円の取得超 1兆9277億円の処分超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。日銀の早期利上げ観測後退を手掛かりにした買いがこの日も先行し、8月20日以来の高値となる147.24円まで値を上げた。もっとも、その後は昨日の海外時間から急ピッチで値を上げてきた反動で持ち高調整売りも入り、146.40円台まで押し戻された。
・ポンドは弱含み。一部報道で「ベイリー英中銀総裁がより積極的な利下げの可能性を指摘」と伝わると全般に売りが進み、対ドルで1.3169ドル、対円で193.04円まで値を下げた。
・ユーロ円も上値が重い。10時過ぎに162.49円まで上昇したものの、買い一巡後は161.55円まで失速するなど、ドル円につれた動きとなった。
・ユーロドルは小安い。1.10ドル台前半の狭いレンジ内推移となったが、昨日安値の1.1033ドルを下抜けるとやや売りが強まり、一時1.1025ドルまで弱含んだ。
・日経平均株価は大幅反発。外国為替市場での円安進行が手掛かりとなり、輸出関連株に買いが入った。半導体関連株も上昇し、指数は一時1000円超上昇。もっとも、その後は週末に米雇用統計が控えているほか、中東情勢の不透明感なども意識されたことでやや伸び悩んだ。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反落。昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで144円88銭まで売りに押されたが、10年物国債入札が「やや強めの結果」と受け止められると下げ渋った。
大阪12月限
日経225先物 38600 +850 (+2.25%)
TOPIX先物 2686.0 +40.5 (+1.53%)
日経225先物(12月限)は前日比850円高の3万8600円で取引を終了。寄り付きは3万8780円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8665円)を上回り、買いが先行した。寄り付き直後には3万9030円まで買われ、節目の3万9000円を上回る場面もみられた。ただし、買い一巡後はロングを解消する動きが優勢となり、前場中盤には3万8510円まで上げ幅を縮めた。その後3万8820円まで買われたが、イランとイスラエルの緊張が高まっていることが上値追いを慎重にさせており、後場はボリンジャーバンドの+1σ(3万8550円)水準での推移が続いた。
日経225先物は、円相場が一時1ドル=147円台と円安に振れて推移するなか、ロング優勢の動きとなった。節目の3万9000円回復で短期的には利益確定に伴うロング解消の動きとなったが、地政学リスクの高まりを背景に、ややスキャルピングに近いトレードが中心だったとみられる。東証プライムの売買高は、週初こそ大荒れの展開で26億株に膨らんだが、その後は20億株前後にとどまっており、積極的にポジションを取りに行く動きは限られた。
日経225先物は朝高後、+1σ水準での推移が続いており、底堅さは意識されていた。ただし、このところナイトセッションで大きく動いていたため、神経質にさせている面はあるだろう。イランによる大規模なミサイル攻撃を受けて、イスラエルは対抗措置をとる構えを示している。攻撃に移れば一気に本日の上昇分を帳消しにする可能性もあり、リスク選好の流れにはなりづらい。
ただし、本日の動きからは+1σを中心としたオプション権利行使価格の3万8000円から3万9000円のレンジは想定しておきたい。レンジ下限は75日移動平均線が位置しているため支持線として機能しそうである。レンジ上限は本日の高値水準であり、高値を試す可能性がある一方で、戻り待ちの売りが入りやすいだろう。週末には米雇用統計の発表を控えていることもあり、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.37倍に上昇した。米半導体株の上昇を引き継ぐ形から東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]など値がさハイテク株やファーストリテイリング <9983.T> [東証P]など日経平均型が牽引する形となった。ただし、前日のNTショートの巻き戻しが一巡した後は、概ね足もとの14.30倍~14.40倍のレンジ内での推移だった。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万5023枚、ソシエテジェネラル証券が1万3257枚、サスケハナ・ホンコンが4034枚、バークレイズ証券が3382枚、JPモルガン証券が2577枚、モルガンMUFG証券が2266枚、SBI証券が1727枚、野村証券が1709枚、auカブコム証券が1253枚、ゴールドマン証券が1152枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万7765枚、ソシエテジェネラル証券が1万5401枚、バークレイズ証券が5138枚、モルガンMUFG証券が4040枚、ゴールドマン証券が3889枚、ビーオブエー証券が3218枚、サスケハナ・ホンコンが3172枚、JPモルガン証券が2474枚、みずほ証券が1499枚、シティグループ証券が1108枚だった。
本日のNY市場でのドル円は、明日の9月米雇用統計を前に、雇用に関する指標を中心に結果を確認し、その後は複数の米連邦準備理事会(FRB)高官の発言に注目することになるか。
まずは、本日の米雇用関連指標について、9月チャレンジャー人員削減数(前回:+1.0%)、新規失業保険申請件数(予想:22.0万件)、9月ISM非製造業景況指数の雇用指数(前回:50.2)などが発表予定となっている。
今週発表された主な米雇用関連の指標を振り返ると、8月雇用動態調査(JOLTS)求人件数や9月ADP雇用統計が予想を上回った一方、9月ISM製造業景況指数の雇用指数は予想を下回った。昨日から本日にかけてのドル円上昇の一端はADPの上振れであった。予想より良好な結果が相次ぐようだと、ドル円を押し上げることも考えられる。
ドル円について、前週末の大幅下落があったとはいえ、週初の安値からすでに5円超上昇している。本日の東京市場では147円台に乗せたことで達成感などから調整が入った模様である。予想を下回る結果が相次ぐようならば、明日の米雇用統計を前に一段と調整が進むこともありえる。予断なく、それぞれの指標を確認するようにしたい。
また、本日はシュミッド米カンザスシティー連銀総裁やカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁の発言機会が設けられている。ともに今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権は有していないが、年内の利下げ幅や雇用状況などへの言及があれば材料視されるかもしれない。
そのほか引き続き、混迷の度合いを深める中東情勢にも注意が必要だろう。万一、イスラエルが反撃して一段と緊張が高まる場面では、リスク回避ムードが強まってドル円に下落圧力が掛かる公算が大きい。不測の事態への備えは怠らないようにしたい。
想定レンジ上限
・ドル円は本日高値147.24円。超えると7月3日から9月16日の下落幅に対する38.2%戻し148.13円
想定レンジ下限
・ドル円は本日安値146.29円。割ると2日陽線実体部の半値戻し145.02円
今晩はもみ合いか。昨日は中東情勢の緊迫化や、ナイキやテスラの大幅安が重しとなり軟調にスタートしたが、9月ADP民間部門雇用者数が予想を上回ったことでソフトランディング期待が高まったことが支援となり主要3指数がそろってわずかながら上昇して終了した。センチメントはやや改善し、投資家の不安心理を示すVIX指数は前日の19.26ポイントから18.90ポイントに低下した。
今晩の取引では経済指標をにらんでもみ合う展開か。翌日に9月雇用統計の発表を控えており、様子見姿勢が強まることが予想されるが、今晩も寄り前に新規失業保険申請件数、寄り後に9月ISM 非製造業総合指数(PMI)が発表される。足もとで発表された物価指標がインフレ鈍化傾向を示していることで、市場の関心は景気動向に移っており、新規失業保険申請件数などの経済指標が強い結果となれば安心感が広がりそうだ。
今晩の経済指標・イベントは新規失業保険申請件数、9月ISM非製造業PMIのほか、9月チャレンジャー企業人員削減数、9月S&Pグローバル総合・サービス業PMI確定値、8月製造業新規受注など。このほか、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、シュミッド米カンザスシティー連銀総の講演なども予定されている。企業決算は寄り前にコンステレーション・ブランズが発表予定。
日経平均株価は大幅反発。開始早々に4桁高となった後は伸び悩んだが、743円高と値幅を伴った上昇となり、5日移動平均線(38552円 10/3)付近で取引を終えた。前日に25日移動平均線(37569円 同)近辺まで調整を入れ、これを割り込むことなく切り返した格好。終値(38552円)で75日線(38258円 同)を上回った。
RSI(9日)は前日の60.1%→59.9%(10/3)へ低下。9/2の戻り高値は既に超えており、8/5安値を起点とした上昇二段上げ目に入ったことを確認した。当面の重要な上値水準となるのは7/18の下げで開けたマド上限(41054円)となる。
上値メドは、9/27高値(39829円)、心理的節目の4万円、7/17安値(41054円)、心理的節目の42000円、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、心理的節目の38000円、200日移動平均線(37834円 同)や25日移動平均線、9/12高値(36902円)、9/18高値(36675円)、9/17安値(35828円)、9/11安値(35253円)などがある。
(3日終値:4日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=146.65円(3日15時時点比△0.10円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.80円(△0.19円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1033ドル(△0.0006ドル)
FTSE100種総合株価指数:8282.52(前営業日比▲8.34)
ドイツ株式指数(DAX):19015.41(▲149.34)
10年物英国債利回り:4.016%(▲0.009%)
10年物独国債利回り:2.144%(△0.052%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月スイス消費者物価指数(CPI)
(前月比) ▲0.3% 0.0%
9月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値
49.6 48.3
9月独サービス部門PMI改定値
50.6 50.6
9月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
51.4 50.5
9月英サービス部門PMI改定値
52.4 52.8
8月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
(前月比) 0.6% 0.7%・改
(前年比) ▲2.3% ▲2.2%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円はもみ合い。「本邦輸出企業の円買い・ドル売りが断続的に持ち込まれた」との声が聞かれる中、日本時間夕刻に一時146.30円付近まで下落したものの、アジア時間早朝に付けた日通し安値146.29円がサポートとして働くと下げ渋った。
NYの取引時間帯に入り、9月米ISM非製造業景況指数が54.9と予想の51.7を上回ったことが分かると円売り・ドル買いが優勢に。23時過ぎに一時147.18円付近まで値を上げた。
もっとも、アジア時間に付けた日通し高値147.24円が目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。ISM非製造業の雇用指数が弱かったことや、イスラエルとイランを巡る地政学リスクへの懸念も相場の重し。
バイデン米大統領が「イスラエルによるイラン石油施設への攻撃を協議中」と述べたと伝わる中、「成り行きを見極めたい」との指摘もあり、相場は大きな方向感が出なかったようだ。
・ユーロドルは下げ渋り。欧州市場では狭いレンジでのもみ合いが続いていたが、NY市場に入ると米ISM非製造業景況指数の上振れをきっかけにユーロ売り・ドル買いが優勢に。23時30分過ぎに一時1.1008ドルと日通し安値を更新した。
ただ、節目の1.1000ドルに観測されているオプション絡みの買いなどが相場を下支えすると1.1036ドル付近まで下げ渋った。
・ポンドは全面安。アジア時間に伝わったベイリー英中銀(BOE)総裁の「インフレの動向次第で一段と積極的に利下げに動く可能性がある」との発言を受けて、欧米市場でもポンド売りの流れが続いた。ポンドドルは一時1.3092ドルと日通し安値を付けたほか、ユーロポンドは0.8434ポンドと日通し高値を更新した。ポンド円も本日安値となる192.14円まで値を下げた。
・ユーロ円もドル円と同様に方向感に乏しい展開だった。中東を巡る地政学リスクの高まりで株価の下落とともに円買い・ユーロ売りが先行すると、日本時間夕刻に一時161.38円と日通し安値を付けた。そのあとは買い戻しが優勢となり、162.36円付近まで持ち直したものの、アジア時間に付けた日通し高値162.49円手前で失速。0時30分前には161.50円付近まで押し戻された。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに小反落。BOEによる早期利下げ観測を背景に買い先行で始まったものの、中東の地政学リスクが意識されると徐々に上値が重くなり下げに転じた。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、セグロやユナイト・グループなど不動産株が軟調に推移し、相場の重しとなった。半面、原油高を背景にBPやシェルなどエネルギー株が買われ、相場を下支えした。
・フランクフルト株式相場は4日続落。イスラエルとイランを巡る地政学リスクへの懸念が相場の重しとなった。個別ではポルシェ・オートモービル・ホールディング(3.57%安)やコンチネンタル(3.48%安)、ボノビア(2.92%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
3日の日経平均は大幅反発。終値は743円高の38552円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1291/値下がり309。国内ユニクロの月次好調が確認できたファーストリテイリングが3.7%高。米エヌビディアの上昇を手がかりにディスコ、アドバンテスト、レーザーテックなど半導体株の一角が買いを集めた。日本郵船、商船三井、川崎汽船の海運大手3社がそろって大きく上昇。決算や中期経営計画が好感された霞ヶ関キャピタルが商いを伴って20.9%高と急騰した。
一方、石破首相が追加利上げに慎重姿勢を見せたことから、三菱UFJやみずほなど銀行株が下落。日立やフジクラなど足元高値圏で推移していた銘柄に弱い動きが散見された。資生堂やコーセーなど化粧品株が軟調。株式の売り出しを発表した兼松が3%を超える下落となった。
日経平均は大幅高。きのうの下げ分(843円安)は埋めきれなかったが、かといって大きく失速することもなかった。今週は1910円安(9/30)、732円高(10/1)、843円安(10/2)、743円高(10/3)と荒い動きが続いている。あすは国内では引け後に安川電機<6506.T>が決算を発表予定で、米国では9月の雇用統計が発表される。ここまでの傾向を踏まえると値幅は出るかもしれないが、基本的にはこれらを前に様子見姿勢が強まるだろう。
ドル円は本日147円台に乗せる場面もあり、円高加速を警戒するような状況ではなくなった。円安が期待できる局面では日本株には買いが入りやすくなる。米国で2日に発表された9月ADP民間部門雇用者数は市場予想を上回った。4日の米雇用統計も市場予想を上回るようなら近々で150円台回復も視野に入る。石破首相の発言が株高を促したことで、今後は政治絡みのニュースに対するマーケットの反応がポジティブ寄りになる展開も期待できる。日本株を取り巻く環境が良くなりつつある中、あすはプラスで終えて先高期待を高めることができるかに注目したい。
(3日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.93円(前営業日比△0.46円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.09円(△0.33円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1031ドル(▲0.0014ドル)
ダウ工業株30種平均:42011.59ドル(▲184.93ドル)
ナスダック総合株価指数:17918.48(▲6.64)
10年物米国債利回り:3.84%(△0.06%)
WTI原油先物11月限:1バレル=73.71ドル(△3.61ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2679.2ドル(△9.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月米企業の人員削減数
(前年比) 53.4% 1.0%
前週分の米新規失業保険申請件数
22.5万件 21.9万件・改
9月米サービス部門PMI改定値
55.2 55.4
9月米総?⑰MI改定値
54.0 54.4
9月米ISM非製造業指数
54.9 51.5
8月米製造業新規受注
(前月比) ▲0.2% 4.9%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続伸。9月米ISM非製造業景況指数が54.9と予想の51.7を上回ったことが分かると円売り・ドル買いが先行。23時過ぎに一時147.18円付近まで値を上げた。ただ、アジア時間に付けた日通し高値147.24円が目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。ISM非製造業の雇用指数が弱かったことや、中東情勢が一段と悪化するとの懸念も相場の重し。
もっとも、NY市場では大きな方向感が出にくい面もあった。イランによるミサイル攻撃を受けたイスラエルは近く報復するとの見方があり、中東情勢が緊迫している。バイデン米大統領はこの日、イスラエルが報復としてイランの石油施設を攻撃することを支持するかという記者団からの質問に対して「議論しているところだ」と回答。市場では「成り行きを見極めたい」との声も聞かれ、積極的に持ち高を傾けにくい状況となった。なお、WTI原油先物価格は5%を超す急騰となった。
・ユーロドルは小幅ながら5日続落。米ISM非製造業景況指数の上振れをきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行すると、23時30分過ぎに一時1.1008ドルと日通し安値を更新した。ただ、節目の1.1000ドルに観測されているオプション絡みの買いなどが相場を下支えすると1.1036ドル付近まで下げ渋った。
・ユーロ円は続伸。ドル円と同様に、NY市場では方向感に乏しい展開だった。中東を巡る地政学リスクの高まりで米国株相場が下落すると円買い・ユーロ売りが先行。0時30分前に一時161.50円付近まで値を下げた。ただ、日本時間夕刻に付けた日通し安値161.38円が目先サポートとして働くと162.10円付近まで持ち直した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。イランによるミサイル攻撃を受けたイスラエルが近く報復するとの観測が高まる中、中東情勢が一段と悪化するとの警戒から売りが出た。「石油施設を標的にすることを協議中」との報道を受けて、WTI原油先物相場が急騰したことも投資家心理を冷やした。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も小幅ながら反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。9月米ISM非製造業景況指数が予想を上回ると債券売りが優勢となった。WTI原油先物相場が急騰したことで、「インフレ懸念による債券売りが出た」との指摘もあった。
・原油先物相場は大幅に3日続伸。イランとイスラエルを巡る中東情勢の緊迫化で底堅い動きをしていた原油先物市場だが、バイデン米大統領が「イスラエルによるイラン石油施設への攻撃を協議中」と発言すると74ドル手前まで急騰した。その後72ドル半ばまで戻す場面もあったが、中東情勢の懸念はぬぐえず堅調地合いを維持し大幅に続伸して引けた。
・金先物相場は反発。ドルが堅調に推移したことで、ドルで取引される金先物は割高感で上値を抑えた。一方で、中東情勢の緊迫化により原油先物価格が一時5%超上昇するなどリスク回避の動きが高まると、安全資産とされる金先物に買いが集まったことが下値を支えた。終始前日終値近辺を上下する方向感のない動きだったが、引けにかけてはドル買いの勢いも収まったこともあり反発して引けた。
3日10:33 野口旭日銀審議委員
「消費者物価の上昇率が賃金上昇を伴いながら2%近傍で安定しつつあることを慎重に見極めながら、現状の金融緩和を徐々に調整していく」
「大規模金融緩和からの出口は既に終了している」
「物価の基調はまだ2%に届かず、インフレ期待も2%にアンカーされていない以上、日本経済は依然として下方リスクにより脆弱であると考えていたから利上げに反対した」
「今後のデータ次第では遠からず政策金利の調整が必要になる可能性はある」
「日本銀行の側から可能な限り丁寧なコミュニケーションを行う必要がある」
「緩和的な金融環境を忍耐強く維持し続けることが重要」
「経済・物価見通しが実現していけば、ゆっくり緩和調整」
「政策調整の具体的時期はデータ次第、いつやるとは言えない」
「もう少し緩和調整余地ある可能性は否定できない」
「現在の金融環境は十分に緩和的」
「ほふく前進的に利上げを進めていかざるを得ない」
「徐々な円高進行なら、日本経済は十分に耐えられる」
3日13:17 石破首相
「持続的、構造的な賃上げと投資を促進する」
「物価上昇率を上回る賃上げ率を目指す」
「投資大国の実現に向けて、金融関係者との意思疎通が極めて大事」
3日16:10 林官房長官
「日銀には物価安定目標の達成に向け適切な金融政策運営を期待」
「金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられるべきとの考え方は変わらない」
3日16:16 武藤経産相
「為替や金融政策、政府が直接介入するのもおかしな話」
「経済安定と成長最優先、金融市場や産業動向注視」
3日18:05 加藤財務相
「政府・日銀は緊密連携、共同声明に沿って政策万全に」
「政府・日銀の緊密連携を確認する場を設けた」
3日18:23 赤沢経済再生相
「金融政策、手法はしっかり日銀にお任せする」
「政府日銀、共同声明に沿ってデフレ脱却目指し政策に万全を期すことを確認」
「為替の具体的水準にはコメントを控える」
「共同声明はデフレ脱却と持続的成長のために策定、政府日銀それぞれ必要な政策行うことが大事」
「大きな絵でみれば政策金利0.25%は緩和的な状態」
「大きな絵では金利正常化の流れだが、デフレ脱却が最優先」
「(今後の追加利上げで)経済を冷やしてはいけない」
3日23:22 バイデン米大統領
「イスラエルによるイラン石油施設への攻撃を協議中」
4日00:32 カラハン・トルコ中銀総裁
「インフレ上昇リスクは明らか」
「トルコのインフレ率、中央銀行の予想を大幅に上回っている」
4日02:13 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「港湾労働者のストライキが予想され、小売業者は備蓄をしている」
「小売業者は約2週間分の余剰在庫を抱えており、その後も影響が出るだろう」
「港湾労働者のストライキはサプライチェーンに影響を及ぼし、価格上昇につながる可能性がある」
「インフレはほぼ抑えられている」
※時間は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○14:45 ◇ 9月スイス失業率(季節調整前、予想:2.4%)
○15:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○15:35 ◎ シムカス・リトアニア中銀総裁、カザークス・ラトビア中銀総裁、ミューラー・エストニア中銀総裁、講演
○15:45 ◇ 8月仏鉱工業生産(予想:前月比0.2%)
○16:00 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○16:55 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○17:30 ◎ 9月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:53.3)
○19:00 ◎ デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○21:00 ◇ 8月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.90%)
○21:30 ☆ 9月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化14.0万人/失業率4.2%/平均時給、前月比0.3%/前年比3.8%)
○22:00 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○23:00 ◇ 9月カナダIvey購買部協会景気指数
○23:30 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、メディア出演
○5日03:00 ◎ 9月ブラジル貿易収支(予想:47.00億ドルの黒字)
○中国(国慶節)、休場
○6日 東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議(ラオス・ビエンチャン、11日まで)
○6日 豪州が夏時間に移行
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38600 ±0 (±0.00%)
TOPIX先物 2691.0 +5.0 (+0.18%)
シカゴ日経平均先物 38625 +25
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
3日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。9月のISM非製造業総合景況指数は54.9と前月(51.5)から改善し、予想(51.7程度)を上回った。新規受注指数は2023年1月以来の大幅な伸びを示しており、米経済の底堅さが意識された。
ただし、イランによるミサイル攻撃を受けたイスラエルは近く報復を始めるとの見方があり、中東情勢を巡る地政学リスクの高まりが持ち高調整に向かわせた。また、米東海岸の港湾労働者のストライキによる物流停滞への影響も警戒されており、相場の重荷になった。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、エネルギー、メディアが上昇した一方で、自動車・同部品、家庭用品・パーソナル用品、素材が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比25円高の3万8625円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比150円安の3万8450円で始まり、3万8500円を挟んだ保ち合いが続くなか、米国市場の取引開始直後に3万8330円まで売られる場面もみられた。その後3万8730円まで一気に切り返し、買い一巡後は3万8400円~3万8660円辺りでのレンジ推移が続くなか、日中比変わらずの3万8600円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から、小動きで始まることになりそうだ。ナイトセッションでは米国市場の取引開始直後に3万8330円まで下げる場面もみられたが、その後は概ねボリンジャーバンドの+1σが位置する3万8580円辺りでの推移をみせていた。足もとでは75日移動平均線(3万8060円)と+1σとのレンジを続けており、本日も同水準での推移が続きそうである。
中東情勢ではイスラエルが石油施設を標的にするとの観測もあり、NY原油先物相場が急伸した。関連する報道がアルゴリズム発動につながる可能性もあることから、積極的にポジションを傾けてくる動きは限られると考えられ、スキャルピングに近いトレードが中心になる。また、4日の米国では9月の雇用統計の発表を控えており、結果を受けた市場反応を見極めたいとする様子見姿勢が強まりやすいだろう。
そのため、短期的な売買に振らされやすい一方で、その後のリバランスの動きも早いため、基本的には押し目狙いのロング対応に向かわせそうである。レンジとしてはオプション権利行使価格の3万8500円を中心とした上下の権利行使価格3万8250円から3万8750円での推移を想定する。
なお、3日の米VIX指数は20.49(前日は18.90)に上昇した。終値で20.00を上回るのは9月6日以来、約1カ月ぶりとなる。不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を超えて終えており、神経質にさせそうである。水準としては依然としてボトム圏での推移を継続しているものの、地政学リスクへの警戒がくすぶるなか、しばらくは見極めが必要だろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.37倍に上昇した。米半導体株の上昇を引き継ぐ形から東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]など値がさハイテク株やファーストリテイリング <9983.T> [東証P]など日経平均型が牽引する形となった。エヌビディア<NVDA>が3%を超える上昇となるなか、本日もNTロングに振れやすいだろう。ただし、原油高を受けた資源株への物色がTOPIX型を支えると考えられ、スプレッド狙いのトレードは限られそうだ。
3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、9月米ISM非製造業景況指数が54.9と予想を上回ったことで一時147.18円付近まで値を上げたものの、雇用指数が弱かったことや中東情勢への警戒感から上値は限定的だった。ユーロドルは米ISM非製造業景況指数の上振れをきっかけに一時1.1008ドルまで値を下げた。
本日の東京外国為替市場のドル円は、今夜発表される米9月雇用統計への警戒感から、一目均衡表・雲の下限(146.93円)付近での動きづらい展開が予想される。
ドル円が9月16日に140円を割り込んで139.58円まで下落した要因は、日銀の早期の追加利上げ観測と米連邦公開市場委員会(FOMC)での雇用情勢悪化を受けた0.50%の大幅追加利下げ観測だった。
しかし、日銀の早期利上げ観測に関しては、石破首相と植田日銀総裁の会談での早期利上げに対する慎重姿勢を受けて、27日の衆議院議員選挙後の30-31日の日銀金融政策決定会合での利上げの可能性はほぼなくなったと思われる。
ドル円は、日銀の早期追加利上げ観測の後退により、147円台まで買い戻された。
そして、今夜発表される米9月雇用統計で、11月5日の米大統領選挙の後の6-7日のFOMCでの追加利下げ幅(0.25%か0.50%)を見極めることになる。
米9月雇用統計の予想は、非農業部門雇用者数は+14.0万人で8月の+14.2万人から増加幅が減少、失業率は4.2%で8月と変わらずと見込まれている。
米国の9月の雇用関連指標は、概ね雇用情勢の改善を示していることで、ポジティブサプライズに警戒すべきかもしれない。
非農業部門雇用者数が前月比15万人以上の増加となり、失業率が低下していた場合は、11月FOMCでの利下げ幅が0.25%の可能性が高まることで、ドル円の買い戻し要因となる。
逆に雇用情勢の悪化が示された場合は、0.50%の利下げ確率が高まることで、ドル円は下値リスクが高まることになる。
また、中東の地政学リスクに関しては、イスラエルが「数日内にイランに報復攻撃」と報じられていることで、昨年ハマスが奇襲攻撃を断行した「10月7日」を念頭に警戒しておきたい。
イスラエルがイランの原発関連・石油関連施設などに報復攻撃を加えて全面的な軍事対決に踏み切った場合、最悪のシナリオとして第5次中東戦争の可能性が高まることになる。
そして、米国が支援するウクライナとイスラエル、イランの背後のロシアというかつての冷戦時代の構図から、さらなる地政学リスクの高まりに警戒せざるをえなくなる。
東京市場はしっかりか。米国株は下落。ダウ平均は184ドル安の42011ドルで取引を終えた。中東情勢に対する警戒感が強く、終日軟調に推移した。エヌビディアが3%超上昇するなど半導体株の一角には買いが入っており、ナスダックは横ばいに近い下落にとどまった。ドル円は足元146円80銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて25円高の38625円、ドル建てが210円高の38810円で取引を終えた。
米国株は下落したが、エヌビディアの大幅高を受けて国内半導体株には好影響が見込まれる。また、円安基調が継続している点も日本株には支援材料となる。米国で9月ISM非製造業PMIが市場予想を上回ったことがドル買いを促した。CME225先物はプラススタートを示唆しており、米国株安はそれほどネガティブ視されないだろう。本日は米9月雇用統計の発表日で、高く始まったとしても上値追いには慎重になるとみる。一方、雇用統計の結果次第では一段と円安が進む可能性もあるだけに、売り急ぎが抑制されて下値は堅いと予想する。日経平均の予想レンジは38450円-38850円。
4日(金)の中国本土市場は国慶節につき休場。取引は8日(火)から再開される。
野村インターナショナルは最新リポートで、2024年10-12月期の中国国内総生産(GDP)成長率見通しをこれまでの前年比4.2%から4.4%に引き上げた。株式市場の活況を理由に挙げた。24年通年についても4.5%から4.6%に上方修正。25年は4%に据え置いた。『AAストックス』が3日伝えた。
野村は、中国当局による株式市場の刺激策が成功しているとの見方を示した。過去1週間に起きたことは、株式市場が歴史的な急騰と急落を経験した2015年を思い出させるとした。ただ、現在のバリュエーションとレバレッジは当時の水準を大幅に下回っており、本土政府が引き続き一連の財政措置とほかの支援策を打ち出すと予想。ただ、規模や内容には不確実性があると指摘した。
今後数カ月にわたり、中国政府が地方財政への支援、投資需要を喚起するための地域を跨いだ大型インフラ建設、弱者向けの社会保障支出の増加の3分野に政策の重点を置くと予想。また、引き渡しが遅れている予約販売済みの住宅について、政府が建設事業を引き受け、直接的に資金を提供する可能性があるとした。
昨日の海外市場では、ポンドドルやユーロドルの下落が目立つことになりましたが、ドル円は方向感のない動きに終始。珍しく、東京時間のレンジを繰返す展開となりました。市場の話題は、ベイリーBOE総裁が一段と積極的に利下げに動く可能性を示唆したことを受けたポンドドルの大幅な下落。ユーロドルについては、きれいなかたちでのダブルボトムを形成するかどうかを試す動きとなりました。そして、もう一つの話題は、米10年債利回りがNY時間午後になって一気にレンジを上抜けたこと。9月26日の3.8191%を上抜けて3.8534%まで急伸しています。
ドル円は、昨日の東京時間午後から輸出の売りが目立っていることもあり、実需の買いとあわせて需給のフローに左右される展開となっています。1日に発表された日銀短観では、大企業製造業の想定為替レートが144.99円。6月調査の142.84円からはかなり上方修正されましたが、いずれにしても、昨日から、想定為替レートを上回ったことを理由に、輸出勢のやれやれの売りが出ていることを鑑みるに、企業側も140‐145円レンジよりは、145‐150円レンジといった円安気味の推移の方が見通しを立てやすい状況となっているわけで、円安に対する耐久性は以前にもまして強まっているなか、行き過ぎた円安水準もまたそのレベルが上方修正されているといえます。
石破政権にとっても、為替レートは石破ショックから早速立ち直ったものの、日経平均はまだまだ、9月27日の39829.56円までには届いておらず、総選挙までの株価回復が急務であることに変わりはありません。ドル円は目先、米雇用統計を前にして、145円以上なら手当しておきたい輸出勢の売りをこなしながらの動きが続いていますが、前日にしてそのレンジを一気に上抜けてきている米長期金利急伸の裏にあるものは何なのか。あれこれと考えを巡らせながら、今夜のイベントを待っているところです。
日経225先物は11時30分時点、前日比150円高の3万8750円(+0.38%)前後で推移。寄り付きは3万8500円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8625円)を下回り、売り先行で始まった。ただし、寄り付き直後に付けた3万8480円を安値に切り返しており、ほどなくしてプラスに転じた。買い一巡後は3万8500円~3万8700円辺りと、ボリンジャーバンドの+1σ(3万8600円)を挟んだレンジでの推移を継続。終盤にかけてこれを上放れてきており、一時3万8810円まで買われる場面もみられた。
日経225先物は米半導体株高や円安を受け、若干ながら買いが先行して始まるかにみえたが、地政学リスクへの警戒から下落して始まった。ただし、3万8500円水準での底堅さが意識されるなか、+1σ水準での攻防となった。終盤にかけて+1σを上回ってきたことから、後場も同水準を超えての推移が続くようだと、終盤にかけてショートカバーが入りやすい需給に向かいそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.33倍に低下した。エヌビディア<NVDA>が買われた流れから指数インパクトの大きい値がさハイテク株の動向が注目されたものの、アドバンテスト <6857.T> [東証P]が買われた一方で、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]は下落しており、方向感をつかみづらくさせていた。
10月2日の石破首相と植田日銀総裁の会談では、日本銀行の早期追加利上げに慎重なスタンスが確認されたことで、27日の衆議院議員選挙直後の10月30-31日の日銀金融政策決定会合での追加利上げ観測は後退した。
石破首相と植田日銀総裁は、夏はタカ派だったが、秋にはハト派に変身している。両者の発言の変遷を確認して、信頼感の軽重を見極めておきたい。
1.石破首相
■8月
7月の日銀の利上げに関して「金融緩和という基本的政策を変えないなかで徐々に金利のある世界を実現していくのは正しい政策だ」と利上げを容認した。
■9月29日:自民党総裁就任
「政府と日銀は緊密に協力すべき、金融政策に関して日銀に要請はしない。緩和的な金融政策の方針は変わらない」と述べ、日銀が政策金利を早期に引き上げることに慎重な考えを示した。
■10月1日:総理就任
「金融緩和の基本的な姿勢は維持される。日銀との意思疎通の上、手法は日銀にゆだねられるべき」
■10月2日:植田日銀総裁との会談
「政策金利の引き上げに関して、政府としてあれこれ指図をする立場ではない。
個人的には現在そのような環境にあるとは思っていない。追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」
2.植田日銀総裁
■7月31日:日銀金融政策決定会合・・0.25%へ利上げ
「経済・物価情勢が見通しに沿って推移すれば、引き続き金利を上げていく」
■9月20日:日銀金融政策決定会合・・0.25%で据え置き
「見通しの確度が高まったしたがって『すぐに利上げだ』ということにはならないと考える」と述べ、利上げの検討にあたってはアメリカ経済や不安定になっている金融市場の動向を慎重に見極めていく姿勢を強調したことで、ややハト派的なスタンスが示された。
■9月24日
「政策判断にあたり時間的な余裕がある」と述べ、追加利上げを急がないハト派的な姿勢を示した。
■10月2日:石破首相との会談
「経済・物価の見通しが日銀の見通し通り実現し、見通しに沿って経済が動けば「金融緩和度合いを調整していくことになるが、本当にそうかどうかを見極めるための時間は十分ある」と述べた。
東海東京インテリジェンス・ラボでは海外株に関するリポートの中で、米国で10月に入って東海岸とメキシコ湾に面した主要港において、港湾労働者によるストライキが発生したことを取り上げている。物流停滞に伴うインフレ収束ペースの鈍化や物流コストの上昇など、消費者および企業サイドに悪影響が出る懸念が浮上している。東海東京では、米小売業界の中で影響の濃淡があると指摘。コストコはこうした事態を見越して、既に対策済みであると表明したとのこと。一方、今回ストの対象となった港における取り扱い量の多い靴を扱う企業や、コスト転嫁しづらいダラーストアなどの業態には逆風になるとみられると東海東京ではコメントしている。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、中東の地政学リスクに警戒しながら、複数の欧州中央銀行(ECB)高官の発言から10月17日のECB理事会での追加利下げの可能性を探る展開となる。
9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)が前年比+1.8%まで低下していることで、17日のECB理事会での追加利下げの可能性が高まっている。
本日は、ビルロワドガロー仏中銀総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁、カザークス・ラトビア中銀総裁、ミューラー・エストニア中銀総裁、センテノ・ポルトガル中銀総裁、エスクリバ・スペイン中銀総裁、デギンドスECB副総裁の講演から、利下げへの言及に注目しておきたい。
ユーロドルのテクニカル分析では、ネック・ライン1.1002ドルを割り込めばダブル・トップ(1.1202ドル・1.1214ドル)が完成して、1.0800ドル付近までの下落が想定できることで、注視しておきたい。
ポンドドルは、8月1日のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)での利下げに反対したタカ派のピルMPC委員兼チーフエコノミストの講演で、昨日のガーディアン紙の記事「ベイリー英中銀総裁、より積極的な利下げの可能性を指摘」への見解に注目しておきたい。
また、中東の地政学リスクに関しては、イスラエルが「数日内にイランに報復攻撃」と報じられていることで、昨年ハマスが奇襲攻撃を断行した「10月7日」を念頭に警戒しておきたい。
イスラエルがイランの核関連・石油関連施設などに報復攻撃を加えて全面的な軍事対決に踏み切った場合、最悪のシナリオとして第5次中東戦争、ホルムズ海峡(日量2000万バレル超の原油が通過)封鎖の可能性が高まることになる。
そして、米国が支援するウクライナとイスラエル、イランの背後のロシアというかつての冷戦時代の構図から、さらなる地政学リスクの高まりに警戒せざるをえなくなる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1111ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:163.49円(9/27高値)
・ポンドドル:1.3263ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:194.11円(日足一目均衡表・雲の上限)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0934ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:160.80円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.3043ドル(日足一目均衡表・雲の上限)
・ポンド円:190.14円(日足一目均衡表・雲の下限)
■各社予想 9月米非農業部門雇用者数
JPモルガン +12.5万人
第一生命経済研究所 +15.2万人
ドイツ証券 +15.0万人
バークレイズ・キャピタル +15.0万人
BNPパリバ +15.0万人
HSBC +14.0万人
モルガン・スタンレー +16.0万人
市場コンセンサス +14.0万人
前回 +14.2万人
(4日15時時点)
ドル円:1ドル=146.08円(前営業日NY終値比▲0.85円)
ユーロ円:1ユーロ=161.17円(▲0.92円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1033ドル(△0.0002ドル)
日経平均株価:38635.62円(前営業日比△83.56円)
東証株価指数(TOPIX):2694.07(△10.36)
債券先物12月物:144.68円(▲0.26円)
新発10年物国債利回り:0.875%(△0.015%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。前日に147円台で上値の重さを確認すると、本日の9月米雇用統計を前に持ち高調整目的の売りが広がった。市場では「本邦実需勢からの売りが断続的に観測された」との指摘もあり、一時145.92円まで値を下げた。
・ユーロ円も弱含み。全般に円買いが進んだ流れに沿って、朝方につけた高値162.14円から161.01円まで失速した。
・ユーロドルは小動き。1.1030ドル台を中心とする狭いレンジ内推移に終始した。
・日経平均株価は小幅続伸。日銀の早期利上げ観測後退などを手掛かりにした買いが引き続き入った一方、今晩の米雇用統計や週末を控えた持ち高調整売りなども出たため、上値の重さも意識された。
・債券先物相場は続落。昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで売りが進んだ。144円68銭まで下落し、この日の安値で取引を終えた。
■各社予想 9月米失業率
JPモルガン 4.3%
第一生命経済研究所 4.3%
ドイツ証券 4.3%
バークレイズ・キャピタル 4.2%
BNPパリバ 4.2%
HSBC 4.3%
モルガン・スタンレー 4.2%
市場コンセンサス 4.2%
前回 4.2%
■各社予想 9月米平均時給(前月比)
JPモルガン +0.3%
第一生命経済研究所 +0.3%
ドイツ証券 +0.3%
バークレイズ・キャピタル +0.3%
BNPパリバ +0.3%
HSBC +0.3%
モルガン・スタンレー +0.3%
市場コンセンサス +0.3%
前回 +0.4%
■各社予想 9月米平均時給(前年比)
JPモルガン +3.8%
第一生命経済研究所 +3.8%
バークレイズ・キャピタル +3.8%
BNPパリバ +3.8%
HSBC +3.8%
モルガン・スタンレー +3.8%
市場コンセンサス +3.8%
前回 +3.8%
大阪12月限
日経225先物 38560 -40 (-0.10%)
TOPIX先物 2690.5 +4.5 (+0.16%)
日経225先物(12月限)は前日比40円安の3万8560円で取引を終了。寄り付きは3万8500円とシカゴ日経平均先物清算値(3万8625円)を下回り、売り先行で始まった。ただし、寄り付き直後に付けた3万8480円を安値に切り返しており、ほどなくしてプラスに転じた。買い一巡後は3万8500円~3万8700円処で、ボリンジャーバンドの+1σ(3万8600円)を挟んだレンジで推移。前場終盤にかけてこれを上放れ、一時3万8810円まで買われる場面もみられた。ただし、ランチタイムで軟化し、後場の取引開始後は3万8620円~3万8710円処で保ち合いを継続。終盤にかけて持ち高調整の動きとなり、3万8560円で取引を終えた。
日経225先物は米半導体株の上昇や円安を受け、若干ながら買いが先行して始まるかにみえたが、地政学リスクが警戒されて下落して始まった。もっとも、3万8500円水準での底堅さも意識され、+1σ水準での推移が目立った。前場終盤にかけては、石破首相が経済対策の策定に着手するよう閣僚に指示したと伝わったことが材料視されたようだ。
本日の動きからは+1σを挟んだ値動きのなか、オプション権利行使価格の3万8000円から3万8900円のレンジを想定しておきたい。米国では9月の雇用統計の発表が予定されている。今週発表された9月のADP雇用統計などの雇用指標が相次いで予想を上回っていたこともあり、労働市場は堅調さを維持しているとの見方が強まっているとみられる。大幅利下げ期待が後退する可能性は意識しておきたい。
また、中東情勢については、イスラエル軍がヒズボラの次の最高指導者候補と目されるサフィディン師を狙った空爆を実施したと米メディアが報じている。日経225先物はナイトセッションで小幅ながらプラス圏で推移しているほか、グローベックスの主要な株価指数先物も小動きであり、現時点での影響は限られている。ただし、関連する報道がアルゴリズム発動につながる可能性があるため、引き続きスキャルピング中心のトレードになりそうだ。
なお、NT倍率は先物中心限月で14.33倍に低下した。エヌビディア<NVDA>が買われた流れから指数インパクトの大きい値がさハイテク株の動向が注目されたものの、アドバンテスト <6857.T> [東証P]が買われた一方で、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]は下落しており、方向感をつかみづらくさせていた。セクター内でのリバランスが意識されやすく、スプレッド狙いの動きは限られよう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万4066枚、ソシエテジェネラル証券が7673枚、サスケハナ・ホンコンが3700枚、バークレイズ証券が2223枚、JPモルガン証券が1345枚、auカブコム証券が1297枚、SBI証券が1033枚、野村証券が975枚、楽天証券が811枚、ドイツ証券が688枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万7748枚、ソシエテジェネラル証券が1万1255枚、バークレイズ証券が3961枚、JPモルガン証券が2904枚、サスケハナ・ホンコンが2570枚、ゴールドマン証券が2311枚、モルガンMUFG証券が2224枚、ビーオブエー証券が1797枚、みずほ証券が1104枚、UBS証券が844枚だった。
本日のニューヨーク為替市場では、やはり今週のメインイベントとなる9月米雇用統計が為替相場のすう勢を決めるだろう。市場予想からの乖離が大きいようだと、週末のポジション調整を巻き込みながらドル相場は値幅を伴った動きとなるか。
雇用統計の市場予想は、非農業部門雇用者数変化(NFP)が14.0万人増と8月分からわずかに縮小とされているものの、前回から上振れを見込む向きも少なくない。3日に発表された9月ADP全米雇用報告が予想を上回ったことで、強い結果を期待する参加者も当然いるのだろう。しかしながら、NFPは2カ月連続で予想を下回っていることは念頭に入れておきたい。
9月失業率は前回から横ばいの4.2%見込み。7月は、コロナ禍を除くと2017年以来の高い水準となる4.3%を記録した。前回は悪化が一服したものの、労働市場の需給バランスが崩れつつあるという懸念は残ったままだ。同時に発表される平均時給も確かめなければいけないが、もし失業率が再び上昇となれば、足もとで後退していた米連邦準備理事会(FRB)大幅利下げへの思惑が再び浮上することになる。
なお、米東海岸やメキシコ湾岸の港湾での港湾労働者によるストライキは、賃上げで暫定合意した。長期化した場合、物流網の混乱は避けられずと見られていただけに、米国経済にとっては胸をなでおろす材料。ただし今後、同じ業界だけでなく、他業界でも賃金引上げを求めるストが広がる可能性は捨てきれない。そうなるとインフレ低下圧力にブレーキがかかることになるだろう。
また、イランとイスラエルの対立激化による中東の地政学リスクの高まりには、週末を挟むだけに注意が必要。バイデン米政権はイスラエルのイラン石油施設への攻撃を支援するかを議論しているとし、原油相場は堅調に推移している。
想定レンジ上限
・ドル円、3日高値147.24円を超えると8月19日高値148.05円が目標値
想定レンジ下限
・ドル円、本日安値145.92円を割り込むと日足一目均衡表・転換線144.45円が意識される
今晩は9月雇用統計に注目。昨日は翌日に9月雇用統計の発表を控え様子見姿勢が強まる中、中東情勢への警戒感が高まったことで主要3指数がそろって下落した。ただ、半導体大手のエヌビディアが3%超上昇したことで、ナスダック総合は0.04%安とほぼ横ばいで終了した。週初来ではダウ平均が0.71%安、S&P500が0.67%安、ナスダック総合が1.11%安とそろって4週ぶりの反落ペースとなった。
今晩の取引では足もとの景気動向や年内の追加利下げの見通しを巡り、寄り前に発表される9月雇用統計に注目が集まる。9月雇用統計は失業率が4.2%と前月から横ばい、非農業部門雇用者数(NFP)は前月の14.2万人増から14.0万人増へとわずかに減少すると予想されている。平均賃金は前月比+0.3%と前月分の+0.4%から鈍化、前年比では+3.8%と前月から横ばいが見込まれている。足もとでは米国経済のソフトランディングが可能か否かに注目が高まっており、NFPや失業率が強い結果となれば安心感が広がりそうだ。
今晩の経済指標・イベントは9月雇用統計のほか、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、グールズビー米シカゴ連銀総裁の発言なども予定されている。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は続伸。上昇して始まった後は上値は重かったものの下値も堅く、ローソク足ではヒゲの短い十字線を形成した。終値(38635円)では5日移動平均線(38313円 10/4)を上回った。今週は荒い動きが続いたが、25日移動平均線(37579円 同)を下回ることなく推移した。
RSI(9日)は前日の59.9%→56.9%(10/4)へ低下。9/2の戻り高値は既に超えており、8/5安値を起点とした上昇二段上げ目に入ったことを確認した。当面の重要な上値水準となるのは7/18の下げで開けたマド上限(41054円)となる。
上値メドは、9/27高値(39829円)、心理的節目の4万円、7/17安値(41054円)、心理的節目の42000円、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、75日移動平均線(38265円 同)、心理的節目の38000円、200日移動平均線(37863円 同)や25日移動平均線、9/12高値(36902円)、9/18高値(36675円)、9/17安値(35828円)、9/11安値(35253円)などがある。
(4日終値:5日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.79円(4日15時時点比△2.71円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.19円(△2.02円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0968ドル(▲0.0065ドル)
FTSE100種総合株価指数:8280.63(前営業日比▲1.89)
ドイツ株式指数(DAX):19120.93(△105.52)
10年物英国債利回り:4.130%(△0.114%)
10年物独国債利回り:2.210%(△0.066%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月スイス失業率
2.5% 2.4%
8月仏鉱工業生産
(前月比) 1.4% 0.2%・改
9月英建設業購買担当者景気指数(PMI)
57.2 53.6
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円はしっかり。アジア市場では一時145.92円まで売られたものの、海外市場に入ると買い戻しが優勢となった。米労働省が発表した9月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比25.4万人増と予想の14.0万人増を上回り、失業率が4.1%と予想の4.2%よりも強い結果となったことが分かると、市場では米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが想定より遅くなるとの見方が強まった。米長期金利の急上昇とともに円売り・ドル買いが広がると、1時30分過ぎに一時149.00円と約1カ月半ぶりの高値を付けた。
なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、11月6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げを予想する確率は前日の32.1%から0%になり、0.25%利下げは95.1%、据え置きは4.9%となった。
・ユーロドルは下落。米重要指標の発表を控えて、しばらくは1.10ドル台前半でのもみ合いが続いていたが、米雇用統計の上振れをきっかけに米大幅利下げ観測が後退すると、全般ドル買いが活発化した。1時30分過ぎには1.0951ドルと8月15日以来約1カ月半ぶりの安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスも一時102.69と8月16日以来の高値を付けた。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時3.9711%前後と8月9日以来およそ2カ月ぶりの高水準を記録した。
・ユーロ円は底堅い動き。アジア時間に一時161.01円まで売られたものの、欧州市場に入ると下げ渋った。NY市場ではドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが優勢となり、2時30分前に一時163.34円と日通し高値を更新した。米国株相場の上昇や日経平均先物の大幅高も相場の支援材料。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1030円高の3万9590円まで上昇する場面があった
・ロンドン株式相場は小幅ながら続落。週末を控えたポジション調整目的の売りが先行したものの、良好な米雇用統計を受けて買いが強まると下げ渋った。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られたほか、セグロやブリティッシュ・ランドなど不動産株が値下がりした。半面、HSBCやバークレイズなど金融株が買われた。
・フランクフルト株式相場は5日ぶりに反発。しばらくは前日終値付近でのもみ合いが続いていたが、良好な米雇用統計をきっかけに買いが強まると反発して取引を終えた。個別ではシーメンス・エナジー(3.39%高)やフォルクスワーゲン(2.85%高)、ドイツ銀行(2.71%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。米雇用統計を受けた米債売りが波及した。
(4日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.70円(前営業日比△1.77円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.26円(△1.17円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0974ドル(▲0.0057ドル)
ダウ工業株30種平均:42352.75ドル(△341.16ドル)
ナスダック総合株価指数:18137.85(△219.38)
10年物米国債利回り:3.97%(△0.13%)
WTI原油先物11月限:1バレル=74.38ドル(△0.67ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2667.8ドル(▲11.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月米雇用統計
失業率 4.1% 4.2%
非農業部門雇用者数変化
25.4万人 15.9万人・改
平均時給
(前月比) 0.4% 0.5%・改
(前年比) 4.0% 3.9%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日続伸。米労働省が発表した9月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比25.4万人増と予想の14.0万人増を上回り、失業率が4.1%と予想の4.2%よりも強い結果となったことが分かると、市場では米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが想定より遅くなるとの見方が強まった。米長期金利の急上昇とともに円売り・ドル買いが広がると、1時30分過ぎに一時149.00円と約1カ月半ぶりの高値を付けた。
グールズビー米シカゴ連銀総裁は米雇用統計の結果について「素晴らしい」と評価したうえで、「こうした報告がさらに続けば、米経済が完全雇用と低インフレの状態にあるとの自信が高まる」との見方を示した。
なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、11月6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げを予想する確率は前日の32.1%から0%になり、0.25%の利下げが97.0%、据え置きが3.0%となった。
・ユーロドルは6日続落。米重要指標の発表を控えて、しばらくは1.10ドル台前半でのもみ合いが続いていたが、米雇用統計の上振れをきっかけに米大幅利下げ観測が後退すると、全般ドル買いが活発化した。1時30分過ぎには1.0951ドルと8月15日以来約1カ月半ぶりの安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスも一時102.69と8月16日以来の高値を付けた。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時3.9827%前後と8月9日以来およそ2カ月ぶりの高水準を記録した。
・ユーロ円は3日続伸。ドル円の上昇につれた買いが入ったほか、株高が相場の支援材料となり、4時30分過ぎに一時163.37円と日通し高値を更新した。
なお、ダウ平均は340ドル超上昇し史上最高値を更新。ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1080円高の3万9640円まで上昇する場面があった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、史上最高値を更新した。米国の港湾ストライキが終了したうえ、9月米雇用統計が良好な内容だったことが伝わると、投資家心理が楽観に傾いた。主力株中心に買いが集まると、引けにかけて上値を伸ばした。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは大幅に3日続落。堅調な米雇用統計を受けて、米景気の底堅さが意識される中、債券売りが優勢となった。利回りは一時3.9827%前後と8月9日以来およそ2カ月ぶりの高水準を付けた。
・原油先物相場は4日続伸。イランとイスラエルを巡る中東情勢の緊迫化で75ドル半ばまで一時原油先物は上昇した。しかし、原油市場引け前にバイデン米大統領が記者会見で「イスラエルは油田攻撃以外の選択肢を検討するべきだ」と発言すると、上げ幅を大幅に縮小して引けた。
・金先物相場は反落。前日引け値水準でもみ合っていた金先物だったが、9月の米雇用統計が市場予想よりも強い結果となる米中長期金利の上昇とともにドルが大幅高となった。ドルで取引される金先物は、ドル高による割高感を嫌気し反落して引けた。
4日10:44 赤沢再生相
「株式・為替相場についてコメントは控える」
「政策意図について市場と意思疎通とることは大事」
4日14:21 石破首相
「経済対策を早急に策定、その実現に取り組む」
「最低賃金2020年台に1500円を目指し努力」
「経済あっての財政、賃上げと投資けん引の成長型経済を実現」
「デフレ脱却を最優先に実現」
4日17:17 ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト
「利下げが行き過ぎたり、早過ぎたりするリスクを警戒することが重要」
「経済とインフレの見通しが概ね予想通りに進展すれば、追加利下げの可能性は残る」
4日23:04 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「雇用統計はこれ以上ない結果だ」
「港湾ストライキの終結はもう一つの非常に良いニュース」
「このような雇用報告がさらに増えれば、完全雇用に落ち着いているという自信が増すだろう」
「雇用統計が好調であればGDPも好調となる可能性が高い」
「米連邦準備理事会(FRB)は一つのデータポイントにあまり反応したくない」
※時間は日本時間
7日
○08:50 ◇ 9月外貨準備高
○14:00 ◇ 8月景気動向指数速報値
○14:00 ◇ 日銀地域経済報告(さくらレポート)
8日
○08:30 ◇ 8月毎月勤労統計(現金給与総額)
○08:30 ◇ 8月家計調査(消費支出)
○08:50 ◎ 8月国際収支速報
○14:00 ◇ 9月景気ウオッチャー調査
10日
○08:50 ◇ 9月企業物価指数
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
11日
○08:50 ◇ 9月マネーストックM2
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
6日
○東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議(ラオス・ビエンチャン、11日まで)
○豪州が夏時間に移行
7日
○15:00 ◎ 8月独製造業新規受注
○16:05 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○16:45 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○18:00 ◎ 8月ユーロ圏小売売上高
○20:45 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○8日02:50 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、質疑応答
○8日04:00 ◇ 8月米消費者信用残高
○中国(国慶節)、休場
8日
○07:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○07:30 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○08:01 ◇ 9月英小売連合(BRC)小売売上高調査
○08:30 ◇ 10月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○09:30 ◇ 9月豪NAB企業景況感指数
○09:30 ◎ 9月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
○15:00 ◎ 8月独鉱工業生産
○15:00 ◎ 9月スウェーデン消費者物価指数(CPI)
○15:45 ◇ 8月仏貿易収支
○15:45 ◇ 8月仏経常収支
○16:00 ◎ クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○21:30 ◇ 8月カナダ貿易収支
○21:30 ◎ 8月米貿易収支
○9日02:00 ◎ 米財務省、3年債入札
○9日05:00 ◎ コリンズ米ボストン連銀総裁、講演
○10:00 ☆ ニュージーランド準備銀行(RBNZ)、政策金利発表
○13:30 ☆ インド中銀、金融政策決定会合
○15:00 ◇ 8月独貿易収支
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◎ 9月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA)
○21:00 ◎ 9月メキシコCPI
○22:15 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○23:00 ◇ 8月米卸売売上高
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○23:30 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、あいさつ
○10日01:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○10日02:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○10日03:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月17日-18日分)
○韓国(ハングルの日)、休場
10日
○07:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○08:01 ◇ 9月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格
○15:00 ◎ 9月ノルウェーCPI
○16:00 ◇ 8月トルコ失業率
○16:00 ◇ 8月トルコ鉱工業生産
○21:00 ◎ 8月ブラジル小売売上高
○21:30 ☆ 9月米CPI
☆ エネルギーと食品を除くコア指数
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○24:00 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○11日02:00 ◎ 米財務省、30年債入札
11日
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表
○15:00 ◎ 9月独CPI改定値
○15:00 ☆ 8月英国内総生産(GDP)
○15:00 ◎ 8月英鉱工業生産/製造業生産高
○15:00 ◇ 8月英商品貿易収支/英貿易収支
○16:00 ◇ 9月スイスSECO消費者信頼感指数
○16:00 ◇ 8月トルコ経常収支
○21:00 ◎ 8月インド鉱工業生産
○21:00 ◇ 8月メキシコ鉱工業生産
○21:30 ◇ 8月カナダ住宅建設許可件数
○21:30 ☆ 9月カナダ雇用統計
○21:30 ◎ 9月米卸売物価指数(PPI)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数
○23:00 ◎ 10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
○23:45 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○12日01:00 ◎ 9月ロシアCPI
○香港(重陽節)、休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆ポンド、BOE総裁のハト派発言の影響を見極め
◆加ドル、失業率悪化に歯止めがかかるのか、9月雇用統計に注目
◆週末までは米国発の材料で振らされる展開続く
予想レンジ
ポンド円 190.50-196.50円
加ドル円 107.00-111.00円
10月7日週の展望
ポンドは3日に伝わったベイリー英中銀(BOE)総裁のハト派発言の影響がどの程度まで残るか見極めながらの取引となりそうだ。英ガーディアン紙のインタビューで総裁は、インフレ抑制が続けばBOEは利下げについて、「より積極的」かつ「さらに活動的」になる可能性に言及した。また、「中銀が危惧していたほど生活費圧力が長引いていないことに安心感を抱いている」とも述べている。総裁の見解が伝わると、市場ではポンド売りが一気に強まり、英金利も低下で反応した。英国では来週、11日に8月国内総生産(GDP)や同月鉱工業生産が発表されるものの、それまで相場を動意付けるような経済データは予定されていない。そのため、ベイリーBOE総裁のハト派見解を巡る動向が一層注目される。総裁発言に対する英金融当局者の見方や総裁自身がインタビュー内容を補足する可能性などにも注意しておきたい。
なお、9月英GDPは前回の横ばいから持ち直すことができるかがポイント。鉱工業生産は、前月・前年比ともにマイナスだった8月分からの回復度合いを測ることになる。
加ドルも、カナダ発の材料で動意付くには11日発表の9月雇用統計を待つ必要がある。そのため、同国経済が頼るところが大きい米国の要因が目先の加ドルのすう勢を決めることになるだろう。9日(日本時間10日未明)には9月17-18日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、翌10日には9月米消費者物価指数(CPI)、11日に卸売物価指数(PPI)が発表される。先週、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、一部で高まっていた大幅利下げ観測をけん制する発言をした。今のところ11月FOMCで0.25%利下げ織り込み度は6割強まで増加してきた。議事要旨の内容や米インフレ指標の結果を確かめながら、加ドル相場は神経質な動きとなりそうだ。
9月カナダ雇用統計では、前回3カ月ぶりに増加した新規雇用者数も重要だが、6.6%まで悪化した失業率も注視したい。単純比較では2021年以来の高い水準ではあるものの、新型コロナ禍中であり、コロナ要因を除くと2017年以来の水準まで失業率は上昇している。9月分の新規雇用者数は増加予想ではあるが、もし失業率の改善が見られない場合、翌週の9月CPIの発表を待たずにカナダ中銀の大幅利下げ観測が高まることになるだろう。
9月30日週の回顧
ポンド円は荒い値動き。石破新政権への警戒感から189円半ばまで売りが先行。反動で193円台まで戻すも、イランとイスラエルを巡る地政学リスクの高まりで再び戻り売りに押された。その後に石破首相が早期利上げに否定的な見解を示すと195円前半まで急伸も、ベイリーBOE総裁のハト派発言で192円前半まで押し戻されている。ポンドドルは1.34ドル前半から1.30ドル後半まで下落した。
加ドル円は104円後半まで売られたところから、106円後半まで反発。中東の緊迫化は原油高に繋がり、産油国通貨・加ドルは底堅く推移した。週後半には109円手前まで更に上昇している。加ドルは対ドルで1.35加ドルを挟み上下した。
◆豪ドル、RBA議事要旨で中銀の姿勢を再確認
◆NZドル、RBNZの金融政策に注目
◆NZドル、市場では年内100bpの利下げ予想も
予想レンジ
豪ドル円 98.00-103.00円
南ア・ランド円 8.10-8.60円
10月7日週の展望
豪ドルは神経質な展開となりそうだ。前週末から自民党総裁選での波乱の決着や石破新政権による日銀の追加利上げに対する見解、中東情勢を巡る地政学リスクなどが意識されて、豪ドルは対ドル・対円で上下に振らされた。特に対ドルでは豪ドルの買い基調に一服感も見られており、改めて豪ドル相場の方向性を確認する必要があるだろう。10日には市場の注目を集める9月米消費者物価指数(CPI)の発表が控えており、対ドルを中心とした豪ドルの推移を見極めたい。
また、豪州では8日に公表される豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨(9月23-24日開催分)に注目。同理事会では政策金利が予想通り4.35%で据え置かれ、声明文でもタカ派的な内容が維持された一方、その後の会見でブロックRBA総裁は「前回までと違って利上げを検討しなかった」ことを明らかにした。市場ではRBAの利下げは早くても来年前半と想定しており、こうした見方を変化させるような材料となる可能性は低いと思われるが、利上げの検討がされなかった背景などの細かな差異を確認しておく必要はあるだろう。その他では8日に10月ウエストパック消費者信頼感指数や9月NAB企業景況感指数などが予定されているが、こちらは相場に対する影響も限られそうだ。
隣国のNZでは9日にNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策公表が予定されている。今週に入って複数の金融機関が50bpの利下げを予想しているとのレポートを発表。さらにRBNZの会合スケジュール上、11月から2月まで日程が空くことを考慮して10月・11月の両会合で50bpの利下げを行うといった予想も一部では台頭している。RBNZの利下げペースを巡って様々な思惑が広がるなか、金融政策の結果公表後は荒い値動きとなる可能性も高いため注意が必要となるだろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)は上値の重い動きとなりそうだ。来週は南アフリカから主だった経済指標の発表などが予定されておらず、豪ドルと同様に米CPIを受けたドル相場など、外部要因に左右されるだろう。
なお、南アフリカでは国営電力会社エスコムの値上げ申請を巡って政府との対立が深まっている。エスコムはコスト増に対応するため、2025年度に36%の電気料金引き上げを申請。これに対して政府は介入する姿勢を示した。これまで同国経済の大きな重しとなってきたエスコムの計画停電は過去6カ月間ほど実施されていないが、今度は電気料金の引き上げによる消費者の負担増が経済を圧迫しかねない要因として意識されているようだ。
9月30日週の回顧
豪ドルは対円でしっかり。石破首相が日銀の追加利上げに慎重な姿勢を示したこともあり、全般に円売りが進んだ流れに沿って一時101円台まで上値を伸ばした。ZARも対円では下値の堅い動き。ただ、対ドルでは節目の17ZAR手前で上値の重さを確認したこともあり、その後はややZAR売りが進んだ。
◆ドル円、石破首相の発言を受けた買いの流れが来週も継続か
◆ドル円、大型連休明けの上海株の動向や米CPIにも注目
◆ユーロドル、ECBの利下げ観測から上値重い
予想レンジ
ドル円 145.00-150.00円
ユーロドル 1.0750-1.1150ドル
10月7日週の展望
ドル円は、日銀の早期利上げ観測後退から底堅い地合いが続きそうだ。石破首相は2日、植田日銀総裁との会談後に「個人的には現在、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と発言するなど、従来から主張していた考えを一変させたことで金融市場では円安・株高が急速に進んだ。日銀の金融政策に対する国内外の金融市場に対する影響力が極めて高まるなかで、27日に控える解散総選挙を前に株価を下げさせない意図が含まれていることも考慮すると、市場の混乱を避けるために配慮している姿勢が窺われる。来週も日銀の緩和維持を見越した円売り・株高の流れは続きそうだ。
また、8日からは中国市場が大型連休明けとなり、上海株の動向にも注目が集まる。中国政府が不動産市場のてこ入れ策として住宅購入の規制緩和を行ったことで中国の不動産株価指数が急騰し、上海株の上昇期待が一段と高まっている。一部では「中国による景気支援策に対する株価の反応が過剰すぎる」と警戒する声も聞かれており、株価動向が円相場にも影響を与えそうだ。
経済イベントとしては、米国では10日に9月消費者物価指数(CPI)が予定されている。11月6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ予想は4日時点で0.25%が6割、0.50%が4割程度とまだ完全には織り込まれておらず、その結果に注目したい。
一方で、イスラエルとイランを巡る地政学リスクには警戒感が高まっている。「1日にイランがイスラエルを攻撃した報復措置を数日以内に行われる可能性」と伝わるなか、バイデン米大統領も「報復を議論している」と発言したことで現実味を帯びている。核施設攻撃という最悪の事態は避けられそうだが、石油施設攻撃による原油先物相場のさらなる急騰には注意したい。
ユーロドルは、頭の重い動きが想定される。足元で発表されたユーロ圏の経済指標に弱い結果が目立ってきたほか、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が「最近の物価指標はインフレ率が速やかに目標に戻るという我々の確信を強めるもの」「次回理事会でこれを考慮する」と発言したことで17日会合での利下げ観測が急速に高まっている。カザークス・ラトビア中銀総裁も利下げに賛同しており、徐々に追加利下げが市場で織り込まれつつあり、ユーロ売りが優勢となりそうだ。
9月30日週の回顧
ドル円は週明けこそ141.65円まで下押ししたものの、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のタカ派発言を受けて買い戻しが優勢に。2日には石破首相の発言で円が全面安の展開。翌3日には一時147.24円まで買い上げられた。
ユーロドルは上値の重い動き。週明けは1.1209ドルまで上昇したが、その後はECBの利下げ観測や米長期金利の上昇に伴って売りが優勢に。週後半には一時1.1008ドルまで値を下げた。
4日の日経平均は続伸。終値は83円高の38635円。
日経平均は83円高(38635円)と小幅な上昇にとどまったが、プライムでは1000を超える銘柄が上昇し、業種別でも33業種中、30業種が上昇した。指数が値を消した場面ではドル円が円高に振れていただけに、来週も為替には注意を払う必要がある。本日の米9月雇用統計も重要な指標だが、来週もFOMC議事要旨(9/17~18開催分)の公表(9日)や、米9月消費者物価指数(10日)、米9月生産者物価指数(11日)など、ドル円を刺激しそうな材料は多い。来週、米国の物価指標を無難に消化できれば、為替に対する警戒は後退すると思われる。円高が進んだとしても143円~144円辺りまでで踏みとどまるかどうかを注視しておきたい。
【来週の見通し】
不安定な展開か。翌週月曜の14日が休場で3連休を控える週。木曜10日の引け後にファーストリテイリングが決算発表を予定しており、この日の米国では9月の消費者物価指数(CPI)が発表される。SQ日で3連休前となる金曜11日にこれらの材料を消化することになる。11日の振れ幅が大きくなりそうで、この日の値動きが週の方向を左右するような展開も想定される。小売を中心に決算発表がいくつか出てくることから、個別物色は活況が見込まれる。ノーベル賞の発表が相次ぐ週で、日本人の受賞があれば関連銘柄を掘り下げる動きも出てくるだろう。これらの点から悲観ムードはさほど高まらないとみる。しかし、一時的でも円高が進むようなら指数は下に値幅が出ると思われるだけに楽観一辺倒にもなりづらく、強弱感が交錯し続けると予想する。
【今週を振り返る】
大幅安となった。前の週の金曜9月27日引け後に自民党総裁選の結果を受けて円高が急速に進んで先物が急落したことから、週明け30日の日経平均は1910円安と派手に下げた。10月に入り1日は円高一服を好感して732円高、2日は中東の地政学リスクを警戒して843円安、3日は石破首相が追加利上げに慎重姿勢を示して円安が進んだことが好感されて743円高と、値幅を伴った上げ下げが続いた。4日は米9月雇用統計の発表を前に方向感が定まらなかったが、83円高とプラスで終了。荒い動きが続いたが、月曜の下げが響いて週間では4桁の下落となった。日経平均は週間では約1193円の下落となり、週足では4週ぶりに陰線を形成した。
【来週の予定】
国内では、8月景気動向指数(10/7)、8月家計調査、8月毎月勤労統計、9月景気ウォッチャー調査、30年国債入札(10/8)、9月国内企業物価指数、9月都心オフィス空室率、5年国債入札(10/10)、9月マネーストック、オプションSQ(10/11)などがある。
海外の経済指標の発表やイベントでは、ノーベル賞受賞者発表(生理学・医学賞)
米8月消費者信用残高(10/7)、ノーベル賞受賞者発表(物理学賞)、米8月貿易収支、米3年国債入札(10/8)、FOMC議事要旨(9/17、18開催分)、米10年国債入札(10/9)、ノーベル賞受賞者発表(文学賞)、米9月消費者物価指数(CPI)、米30年国債入札(10/10)、ノーベル賞受賞者発表(平和賞)、米9月生産者物価指数(PPI)、米10月ミシガン大学消費者態度指数(10/11)などがある。
なお、10/11の香港は重陽節により休場となる。
今週の日経225先物は、中東情勢を巡る地政学リスクの高まりを警戒しつつも、4万円の大台回復を想定したロングの動きが強まりそうだ。週末の米国市場では主要な株価指数が上昇し、NYダウは4日ぶりに最高値を更新。注目された9月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比25万4000人増加となり、市場予想(15万人増程度)を大きく上回った。また、7月、8月分が上方修正され、横ばいを見込んでいた失業率は4.1%と前月(4.2%)から予想外に低下している。これにより次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利下げ期待が後退する一方で、米経済のソフトランディング(軟着陸)期待が高まった。
中東情勢についてイランのミサイル攻撃への報復として、イスラエルによる石油施設や核関連施設への攻撃が警戒されていたが、この日はバイデン米大統領が「これらの施設への攻撃を控えるよう求める」との見解を示した。事態悪化が避けられるとの見方も、買い戻しを誘う形となった。さらに、米東海岸などの港湾ストライキが終結したことも、買い安心感につながったとみられる。
米雇用統計の結果を受けて、米長期金利が8月上旬以来の水準に上昇したほか、為替市場では円相場が1ドル=148円台後半と円安基調を強めた。これらを受けた日経225先物はナイトセッションで日中比1000円高の3万9560円で終えており、週明けは裁定買いやショートカバーが強まる形でギャップアップから始まることになろう。
先週の日経225先物は、3万8000円近辺で推移する75日移動平均線が支持線として意識された半面、ボリンジャーバンドの+1σ水準で上値を抑えられる状況が目立った。ナイトセッションでは3万8700円辺りに位置する+1σを突破し、+2σ(3万9920円)に接近している。+2σや9月27日に付けた直近の戻り高値3万9900円が射程に入るなか、この水準をクリアしてくるようだと、一段とショートカバーが強まりやすい。
また、8月の急落局面でヘッジファンドはポジションを一気に解消したとみられている。その後のリバウンド局面において投資スタンスを一気に変更しづらいところであり、それほどロングは積み上がっていないと考えられる。また、米国で予想を上回る経済指標の発表が相次ぎ、次回のFOMCで通常の2倍となる0.5%の利下げ期待は後退している。今週は9日にFOMC議事要旨が公表されるほか、10日には9月の米消費者物価指数(CPI)、11日には米生産者物価指数(PPI)の発表が予定されている。予想を上回る結果となれば、大幅利下げ期待は一段と後退することになろう。
もっとも、中東情勢を巡る報道に振られやすい面があるため、積極的にはポジションを傾けづらいところでもある。ヘッジ対応が一巡した後は、次第に膠着感が強まりやすい。特にこのところはナイトセッションで大きく変動をみせる半面、日中取引ではリバランスにとどまっている状況に映る。ナイトセッションの影響もあって変動幅こそ大きいが、日中ではスキャルピング中心となりやすい。中東情勢を巡る報道によってアルゴリズムのトレードが発動する可能性もあり、注意が必要だ。なお、トランプ前米大統領は、イランの核施設を攻撃すべきだとの認識を示唆したと報じられている。
なお、4日の米VIX指数は19.21(前日は20.49)に低下した。ボトム圏での推移が続くなか、先週は地政学リスクへの警戒から3日には一時20.75まで上昇する場面もみられ、終値では9月6日以来、約1カ月ぶりに20.00を上回った。不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を超えてきたことで慎重姿勢に向かわせる面があった。週末は20.00を下回って終えているが、17.95辺りで推移する25日線が支持線として機能する可能性があり、ボトム圏での推移ながらも慎重姿勢は崩せないところである。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.33倍に低下した。2日に一時14.23倍まで低下する場面もみられたが、200日線(14.23倍)、25日線(14.22倍)辺りが支持線として意識され、その後は足もとでの14.30倍~14.40倍のレンジでの推移だった。先週はエヌビディア<NVDA>など半導体株のリバウンドが目立ったが、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]の反応は限られていた。週初は指数インパクトの大きい値がさ株が牽引する形から日経平均型優位となりそうだが、その後は相対的にTOPIX型優位の展開になる可能性もある。
9月第4週(9月24日-27日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では6週連続の売り越しであり、売り越し額は9495億円(9月第3週は7622億円の売り越し)だった。なお、現物は567億円の売り越し(同5122億円の売り越し)と6週連続の売り越しであり、先物は8928億円の売り越し(同2500億円の売り越し)と2週連続の売り越し。個人は現物と先物の合算で6199億円の売り越しで2週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で1兆3003億円の買い越しとなり、2週連続の買い越しだった。
主要スケジュールでは、10月7日に8月景気動向指数、8日に8月全世帯家計調査、8月国際収支、9月景気ウォッチャー調査、米国8月貿易収支、9日にFOMC(9月17~18日開催分)議事要旨、10日に9月国内企業物価、米国9月消費者物価指数、11日にオプションSQ、米国9月生産者物価指数、米国10月ミシガン大学消費者信頼感指数などが予定されている。
<国内>
○08:50 ◇ 9月外貨準備高
○14:00 ◇ 8月景気動向指数速報値(予想:先行107.0/一致113.6)
○14:00 ◇ 日銀地域経済報告(さくらレポート)
<海外>
○15:00 ◎ 8月独製造業新規受注(予想:前月比▲2.0%/前年同月比▲1.6%)
○16:05 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○16:45 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○18:00 ◎ 8月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.2%/前年比1.0%)
○20:45 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○23:30 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○8日02:00 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○8日02:50 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、質疑応答
○8日04:00 ◇ 8月米消費者信用残高(予想:120.0億ドル)
○中国(国慶節)、休場
○豪州は6日から夏時間に移行済み
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でのドル円は米長期金利の急上昇とともに円売り・ドル買いが広がり、一時149.00円と約1カ月半ぶりの高値を付けた。9月米雇用統計でが予想よりも強い結果となり、市場では米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが想定より遅くなるとの見方が強まった。ユーロドルは1.0951ドルと8月15日以来の安値を更新した。
本日のドル円は引き続き買い場探しとなるか。先週発表された9月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数増減、失業率ともに好結果となった。また、前月分の非農業部門雇用者数も上方修正されている。結果発表後にテレビのインタビューに応えたグールズビー米シカゴ連銀総裁は「雇用統計はこれ以上ない結果だ」と述べている。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、11月6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げを予想する確率は前日の32.1%から0%になった。一方で0.25%の利下げは93.4%、そしてこれまで0%だった据え置き予想も6.6%まで上昇している。雇用統計の発表後にドル円は2円超も急騰。市場の反応があまりにも急激だったことで多少の調整も入りやすいだろうが、ドル円は買い場を探す展開になると予想する。
リスク要因としては、変節を繰り返す石破首相の動向か。先週の円売りのきっかけは、それまで日銀の引き締め姿勢を容認していた石破首相が一転、「現在は追加利上げをするような環境にはない」との見解を示したこと。市場では、総選挙に向けて株式市場の買い支えを狙った変節と噂されている。ただし首相は、円安が急に進んだことを指摘された場合、円安への不快感を示す可能性もある。
なお石破氏は、自民党総裁に決まり1週間も経たないうちに様々は約束を反故にしてきている。そのため、総選挙で自民党の大幅な議席減などの懸念が高まった場合には、円相場は再び大きく荒れる可能性もあるだろう。
本日は、日銀地域経済報告(通称・さくらレポート)が発表される。本来ならば各地域の景気判断に注目が集まるが、先週の石破首相と植田日銀総裁との会談で、日銀は「早急な利上げを行わないよう」にくぎを刺されていると思われ、どのような景気判断が出ようが日銀は当面、政策金利等の変更を行うことは難しいだろう。一部では中央銀行の独立性が確保されていることで、景気判断や経済指標の結果により政府の介入を受けないとの認識もある。しかし、実際には日銀法第4条で「常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない」と定められており、少なくとも総選挙が終わる前は石破首相の要望通りに動くことになりそうだ。
また、引き続き中東情勢の動きには警戒を怠らないようにしたい。先週1週間で原油先物は約9%上昇している。国連が全く機能せず、G7各国はイスラエルが繰り返す非人道的な攻撃に対しても親イスラエル姿勢を崩すことがなく、今後も中東情勢の悪化が予想される。戦火がさらに拡大した場合には、リスク回避の動きに急変するリスクがあることも念頭に入れておきたい。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39560 +1000 (+2.59%)
TOPIX先物 2753.0 +62.5 (+2.32%)
シカゴ日経平均先物 39625 +1065
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
4日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。9月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比25万4000人増加となり、市場予想(15万人増程度)を大きく上回った。次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利下げ観測が後退する一方で、米経済のソフトランディング(軟着陸)期待が高まった。
また、イランのミサイル攻撃に対する報復として、イスラエルによる石油施設や核関連施設への攻撃が警戒されているが、バイデン米大統領が「これらの施設への攻撃を控えるよう求める」との見解を示したことで買い戻しの動きが強まった。そのほか、米東海岸などの港湾ストライキが終結し、サプライチェーン混乱の長期化が避けられたことも買い安心感につながったとみられる。S&P500業種別指数は自動車・同部品、銀行、半導体・同製造装置が上昇した半面、不動産、家庭用品・パーソナル用品、電気通信サービスが下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比1065円高の3万9625円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比10円高の3万8570円で始まり、寄り付きを安値に上げ幅を広げ、中盤にかけて日中に付けた高値(3万8810円)を捉えた。さらに米雇用統計の発表直後には一気に3万9500円まで急伸。買い一巡後は3万9260円まで上げ幅を縮める場面もみられたが、利食いをこなしつつ終盤にかけて上げ幅を広げており、一時3万9640円まで買われ、3万9560円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から、ギャップアップで始まりそうだ。日経平均株価とのカイ離が大きく開いたことで、朝方は裁定買いが集中しやすく、指数インパクトの大きい値がさハイテク株など日経平均型優勢の動きになりそうだ。また、ナイトセッションでは足もとで心理的な抵抗線として意識されていたボリンジャーバンドの+1σ(3万8700円)水準を明確に上放れ、+2σ(3万9920円)に接近したことで、ショートカバーが強まるだろう。
米国で予想を上回る経済指標が相次ぐなか、次回のFOMCで通常の2倍となる0.5%の利下げ期待は後退した。今週は9日にFOMC議事要旨が公表されるほか、10日には9月の米消費者物価指数(CPI)、11日には米卸売物価指数(PPI)の発表が予定されている。インフレ鈍化を示すと予測されるなか、11月、12月のFOMCでは0.25%ずつの利下げがコンセンサスになる。一方、国内では石破首相の発言によって追加利上げ観測は後退し、日米金利差を狙った海外投資家の動きへの思惑からロングに傾きやすい需給状況といえそうだ。
ナイトセッションで大きく変動をみせた半面、日中取引ではリバランス一巡後に膠着感が強まる可能性はありそうだが、押し目狙いのスタンスで対応したい。+1σと+2σによるレンジが意識されるとみられ、目先的にはオプション権利行使価格の3万9375円から3万9875円での推移を想定する。+2σを明確に上放れてくる局面では、9月27日に付けた直近戻り高値の3万9900円を突破してくることになるため、7月中旬以来となる4万円回復が強く意識されるだろう。
なお、中東情勢に振られやすい面があるため、関連する報道をきっかけとしたアルゴリズム発動には注意しておく必要がありそうだ。4日の米VIX指数は19.21(前日は20.49)に低下した。先週は地政学リスクが警戒されて3日に一時20.75まで上昇する場面もみられ、不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を超えてきた。ひとまず20.00を下回ってきたが、慎重姿勢は崩せないところである。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.33倍に低下した。本日は指数インパクトの大きい値がさ株が牽引する形で日経平均型優位になりそうだ。ただし、円相場が1ドル=149円台と円安に振れて推移しており、輸出関連株などへの物色も強まりやすく、その後は相対的にTOPIX型優位の展開になる可能性がありそうだ。
7日(月)の中国本土市場は国慶節につき休場。取引は8日(火)から再開される。
日経225先物は11時30分時点、前日比830円高の3万9390円(+2.15%)前後で推移。寄り付きは3万9800円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9625円)を上回り、ギャップアップで始まった。ただし、寄り付きを高値に利益確定に伴うロング解消とみられる動きが優勢となり、中盤にかけて3万9350円まで上げ幅を縮める場面もみられた。押し目待ち狙いのロング対応に向かわせるなか、その後は3万9350円~3万9550円辺りでの推移を続けている。
日経225先物はナイトセッションで1000円高と大幅な上昇だったこともあり、寄り付き時点ではインデックスに絡んだヘッジ対応やショートカバーの動きが強まった。ただし、寄り付き時点でヘッジに絡んだ商いは一巡したほか、為替市場では円相場が朝方からは円安の流れが落ちついてきたことで、利益確定に伴う商いも入りやすいところだろう。もっとも、買い一巡後は膠着感が強まる展開は想定されていたこともあり、押し目待ち狙いの買い意欲は強そうである。
NT倍率は先物中心限月で14.37倍に上昇した。一時14.42倍を付ける場面もみられたが、その後は14.30倍~14.40倍辺りでの足もとのレンジ内で推移している。ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]が買われた一方で、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]は買い一巡後に上げ幅を縮めており、方向感をつかみづらくさせていた。
先週末の海外市場では、9月米雇用統計の数字が満額の強い結果。NFPが25.4万人と予想の14.0万人を大幅に上回ったほか、過去2カ月分が72000人も上方修正。失業率も4.1%まで改善したほか、平均時給も4.0%と予想の3.8%を大幅に上回る強い数字。市場では11月FOMCでの50bp利下げ確率が一気に0%になるなど、市場のメインシナリオを大幅に修正させる動きとなりました。
ドル円は米長期金利の急騰につれて一時149.00円まで買い上げ。9月FOMC後の定例記者会見では、50bp利下げの理由として「7月会合直後の7月米雇用統計の結果を知っていれば…」との後悔の念を表明していたパウエルFRB議長にとっては、もしかすると、次回11月会合において「9月米雇用統計の数字を知っていれば…」との、逆の意味でのリグレットを表明することになるのかもしれず、いずれにしても、ドットチャートが示すように、「年内0.25%利下げを1回ないしは2回」との米当局のメインシナリオに、行き過ぎた利下げを織り込んでしまっている市場が、急速にサヤ寄せさせる必要性に迫られています。
ドル円は、東京時間では149.13円の高値を付けた後、先週の木曜日から続く輸出の売りが目立ってはいますが、米雇用統計後の下押しである148.32円やNY時間レンジのフィボナッチ61.8%が位置する148.03円付近を意識した買いも観測されています。また、日経平均については、先物では39800円程度まで買い上げたものの、9月27日の高値を前にして神経質な動き。40000円を超えてくると、オプション絡みの買戻しがかなり出るポジション状況となっているなか、上サイドのケアが必要となっている展開。株価を睨む神経質な動きが続いていきそうです。
本日のロンドン為替市場でユーロドルは、欧米金利差を意識しながら上値は限定されたままか。経済指標では8月独製造業新規受注やユーロ圏小売売上高の発表があるものの、相場へのインパクトは強くなさそうだ。むしろ、複数の欧州金融当局者の発言内容やそれを受けた欧州の中長期金利の動向に注目したい。また、先週末に大きく上昇した米・中長期債利回りも時間外取引ではあるもののドル相場の材料にされるだろう。
4日に発表された米9月雇用統計が想定以上に強かったことを受けて、市場の米金利見通しが大きく変わってきた。11月米連邦公開市場委員会(FOMC)に対する利下げ織り込み度は0.50%が消滅し、0.25%で確定というのが現状。ただ今週発表される9月米インフレ指標次第では、据え置き予想が一気に高まる可能性も出てきた。そのため、9月米消費者物価指数(CPI)がよりいっそう注目されることになるだろう。今のところ、CPI総合は前月比・前年比とも前回から鈍化が見込まれている。
一方、欧州中央銀行(ECB)に対しては、緩和スタンス維持というのが市場の見立て。本日も、内容的には繰り返しになるが仏中銀総裁がインタビューで「ECBはおそらく今月利下げを実施するだろう」と言及し、「インフレ目標のアンダーシュートに警戒する必要がある」とも述べた。ECB専務理事であるチポローネ氏や、同銀チーフ・エコノミストでもあるレーン氏、そしてエスクリバ・スペイン中銀総裁の講演が予定されている。
17日のECB理事会やラガルド総裁の会見までは、欧州金利先安観は根強いだろう。一方、米金利への上昇圧力は緩みそうもなく、そうなるとユーロドルは下値への警戒感が維持されたままか。
また、中東情勢には依然として注意が必要だろう。イスラム組織ハマスによるイスラエル急襲から1年が経った。テロ組織の撲滅を目指すイスラエルは、今後もガザ地区やレバノンへの攻撃を続けるだろう。イスラエル対イスラムという対立構図に、西側諸国も巻き込まれつつある。今後、先行き不透明感が一層高まるようであれば、金融市場でも「リスク回避」が意識される場面もあるかもしれない。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の上限1.1056ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、200日移動平均線・1.0874ドル
日銀は10月の地域経済報告(さくらレポート)を公表。各地域の景気の総括判断は、一部に弱めの動きもみられるが、すべての地域で景気は「緩やかに回復」、「持ち直し」、「緩やかに持ち直し」としている、との見解を示した。
また、全国9地域のうち、北陸と東海の2地域の景気判断を引き上げ。残りは据え置いた。
(7日15時時点)
ドル円:1ドル=148.44円(前営業日NY終値比▲0.23円)
ユーロ円:1ユーロ=162.81円(▲0.45円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0968ドル(▲0.0006ドル)
日経平均株価:39332.74円(前営業日比△697.12円)
東証株価指数(TOPIX):2739.39(△45.32)
債券先物12月物:144.21円(▲0.47円)
新発10年物国債利回り:0.920%(△0.040%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月外貨準備高
1兆2549億ドル 1兆2357億ドル
8月景気動向指数速報値
先行指数 106.7 109.3
一致指数 113.5 117.2
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。前週末の海外時間に大きく上昇した流れを引き継ぎ、週明け早朝から買いが先行すると先週末高値の149.00円を上抜けて149.13円まで値を上げた。ただ、三村財務官から円安けん制発言が出たほか、先週に続き本邦輸出企業から断続的に売りが観測されると失速。一時148.22円まで売りに押された。一巡後は148.60円台まで下げ渋ったものの戻りは限られた。
・ユーロ円も頭が重い。総じてドル円につれる展開となり、朝方に一時163.57円まで上昇した後はドル円の失速とともに162.66円まで一転下落した。
・ユーロドルは小動き。東京市場では目立った動意は見られず1.0962-79ドルの狭いレンジ取引に終始した。
・日経平均株価は3日続伸。先週末の米国株の上昇を背景に週明けの日本株も買いが優勢となった。外国為替市場での円安・ドル高を受けてトヨタなど輸出関連株の買いも目立ち、一時900円超上げ幅を広げた。
・債券先物相場は3日続落。前週末の米国債券相場が下落し、週明けの国内債にも売りが波及した。一時144.18円まで下げ幅を広げる場面があった。
中東情勢が一段と緊迫化しており、地元メディアによると「イスラエル中部テルアビブでサイレン音」「ハマス武装部門がテルアビブをミサイル弾で攻撃した」と伝わっている。
また、ウクライナでも「クリミアのフェオドシアで石油基地の火災後、約300人が避難」「ウクライナはロシアが発射した32機のドローンと2発のミサイルを撃墜」との報道が出ており、地政学リスクが高まる。
「9月の0.50%の利下げは間違いだったといえる。9月の雇用統計は、高い中立金利の環境にあるのではないかという疑いを裏付けている」(サマーズ元米財務長官)
2024年9月の米国の失業率は4.1%となり、8月の4.2%から低下した。就労者数は43.0万人増となり、8月の16.8万人増から増加した。
非農業部門雇用者数は前月比+25.4万人の増加となり、8月は速報値の+14.2万人から+15.9万人へ上方修正(+1.7万人)され、7月は改定値の+8.9万人から+14.4万人へ上方修正(+5.5万人)されたことから、合計で7.2万人の上方修正となった。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、11月6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げ確率はほぼゼロになっている。
2021年の非農業部門雇用者数は724.5万人の増加となり、年間ベースで過去最大の伸びを記録し、月平均は60.4万人の増加だった。2022年の月平均は37.7万人の増加、2023年平均は25.1万人の増加、2024年平均は20.0万人の増加となった。
1.家計調査:失業率を算出(※6万世帯)
9月の失業率は4.1%となり、8月の4.2%から低下した。労働参加率(就業者および求職者の合計である労働力人口の生産年齢人口に占める割合)は62.7%となり、3カ月連続で変わらずだった。失業率の低下は、失業者数が前月比28.1万人減だったほか、就業者数の43.0万人増と増加したことを反映している。
失業者数は683.4万人となり、8月の711.5万人から171.9万人増加しており、2020年2月の570万人を依然として上回ったままとなっている。労働力人口(1億6869.9万人)は、パンデミック(世界的大流行)前の水準(1億6458万人)を約411万人上回っている。
不完全雇用率(フルタイムでの雇用を望みながらもパートタイムの職に就いている労働者を含む広義の失業率(U6)は7.7%となり、8月の7.9%から低下した。
・不完全雇用率(U6):7.7%(8月7.9%、7月7.8%、6月7.4%:2020年5月21.1%)
・労働参加率:62.7%(8月62.7%、7月62.7%、6月62.6%:2020年2月:63.4%)
・長期失業者(27週以上):163.0万人(8月153.3万人:2020年2月112.1万人)
・黒人の失業率:5.7%(8月6.1%、7月6.3%、6月6.3%、5月6.1%:2020年2月6.0%)
(※黒人の失業率は景気後退(リセッション)が近づく前に先行して上昇する傾向)
2.事業所調査:非農業部門雇用者数(※12.2万の会社・政府機関)
9月の非農業部門雇用者数は、前月比+25.4万人の増加となり、45カ月連続での雇用拡大となった。平均時給は前月比+0.4%の35.36ドルとなり、8月の+0.5%から低下し、前年同月比は+4.0%となり、8月の+3.9%から上昇した。
上昇率3.0-3.5%で米連邦準備理事会(FRB)のインフレ目標2%に一致するとされており、11月FOMCでの0.25%の利下げは確実視されている。
民間部門の総賃金(雇用者数×週平均労働時間×時給)は前月比+0.2%、前年比は+4.8%だとなり、8月の同比+5.1%を下回った。
3. サーム・ルール( Sahm Rule)=0.50%
FRBの元エコノミストであるクローディア・サーム博士が提唱したもので、失業率の「3ヵ月移動平均」と「過去1年間の最低水準」の差が0.5%以上上昇した場合、1年以内にリセッション入りするとの説であり、過去50年間のリセッションで有効だった。9月は0.50%となり、8月の0.57%、7月の0.53%から低下したものの、依然として、景気後退入りの「炭鉱のカナリア」が鳴き止んだままとなっている。
4.米国9月の雇用関連指標
【9月】 【8月】(〇改善・●悪化)
【改善】
〇失業率: 4.1% 4.2%
〇非農業部門雇用者数:+25.4万人 +15.9万人
〇ADP全国雇用者数:+14.3万人 +10.3万人
〇失業保険継続受給者数(9/12週):182.7万人 186.0万人
〇新規失業保険申請件数(9/12週):22.2万件 23.3万件
〇シカゴ購買部協会雇用指数:
【悪化】
●ISM製造業雇用指数:43.9 46.0
●ISM非製造業雇用指数:48.1 50.2
●消費者信頼感指数(雇用):12.6% 15.9%(※職が十分-雇用が困難)
大阪12月限
日経225先物 39370 +810 (+2.10%)
TOPIX先物 2739.5 +49.0 (+1.82%)
日経225先物(12月限)は前日比810円高の3万9370円で取引を終了。寄り付きは3万9800円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9625円)を上回り、ギャップアップで始まった。寄り付きを高値に利益確定に伴うロング解消が優勢となり、前場中盤に3万9350円まで上げ幅を縮める場面もみられたものの、押し目待ち狙いのロングが入り、その後は3万9350円~3万9550円処で推移。後場は3万9500円辺りでの底堅さが意識されて3万9600円を付ける場面もあったが、終盤に持ち高調整が優勢となり、日中の安値近辺で終えた。
日経225先物はナイトセッションで1000円高と大幅に上昇したこともあり、寄り付き時点ではインデックスに絡んだヘッジ対応やショートカバーの動きが強まった。だが、寄り付き時点でヘッジに絡んだ商いが一巡したほか、朝方からは円安の流れが落ちついてきたことで、利益確定に伴う商いも入りやすかった。もっとも、買い一巡後に膠着感が強まる展開は想定されていたこともあり、上値の重さが嫌気される形にはならなかった。
また、寄り付きで一気にボリンジャーバンドの+2σ(3万9890円)に接近したことで、いったんはピーク感が意識されやすい。+1σは3万8730円辺りに位置しており、短期的には+1σを試してくる可能性はありそうだ。+2σはナイトセッションで3万9960円辺りに上昇してきたため、下値の堅さを確認した後は9月27日の高市トレードで付けた高値の3万9900円と4万円の大台が目先のターゲットになろう。
ただし、今週は米国で9日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表されるほか、10日には9月の米消費者物価指数(CPI)、11日には米卸売物価指数(PPI)の発表が予定されており、ポジションは傾けにくいところでもある。さらに中東情勢を巡る報道にも振られやすく、スキャルピング中心のトレードになりやすい点は意識しておく必要がありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.37倍に上昇した。一時14.42倍を付ける場面もみられたが、その後は14.30~14.40倍辺りのレンジ内で推移していた。ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]やアドバンテスト <6857.T> [東証P]が買われた一方で、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]は買い一巡後に上げ幅を縮めており、方向感をつかみづらくさせていた。また、指数インパクトは小さいが、前週末に第2四半期の個別売上高と出荷額の速報値を発表したディスコ <6146.T> [東証P]は6%超の下落となった。今後は決算シーズンに入ってくることもあり、スプレッド狙いの動きは限られそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万1490枚、ソシエテジェネラル証券が1万2314枚、サスケハナ・ホンコンが4493枚、ゴールドマン証券が2910枚、モルガンMUFG証券が2801枚、JPモルガン証券が2766枚、バークレイズ証券が2688枚、野村証券が2127枚、BNPパリバ証券が1141枚、SBI証券が1017枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万6927枚、ソシエテジェネラル証券が1万9723枚、ゴールドマン証券が5172枚、バークレイズ証券が4650枚、JPモルガン証券が4340枚、ビーオブエー証券が3784枚、サスケハナ・ホンコンが3660枚、モルガンMUFG証券が3466枚、みずほ証券が2491枚、野村証券が1974枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、好調な雇用情勢が示された米9月雇用統計を受けて、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事やカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁による11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅への言及に注目する展開が予想される。
米9月雇用統計を受けて、11月のFOMCでの利下げ幅の確率は0.50%がゼロとなり、0.25%が93%程度、据え置きが7%程度になっている。
ボウマンFRB理事は、9月のFOMCでの0.50%の大幅利下げ決定に反対して、0.25%の利下げを主張していた。ボウマンFRB理事はディスインフレに対し慎重な姿勢を崩しておらず、8月の講演では物価上昇率が目標の2.0%を「不快なほど」上回っていると述べ、政策金利は「漸進的」に引き下げるべきだと主張していた。
ボウマンFRB理事の講演では、米9月の雇用統計を受けて、据え置きの可能性に言及するの否かに注目しておきたい。
カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は、先日、年内残る2回のFOMCでは、各会合0.25ポイントずつの利下げを見込んでいると述べていた。米9月の雇用統計を受けて、利下げ見通しに変化がないのか否かに注目しておきたい
本日は、三村財務官が「投機的な動きを含めて為替市場の動向を注視」と述べ、加藤財務相兼金融担当相も、為替相場について、「急激な変動は企業活動にもマイナスで、国民生活にもプラスにはならない」と述べている。本邦通貨当局による、150円台に向けた上昇基調にあるドル円相場に対する円安抑制の可能性には警戒しておきたい。石破政権は、岸田前政権同様に、物価高対策を政策の柱に据えており、円安による輸入物価上昇は阻止するスタンスだと思われる。
神田前財務官がドル売り・円買い介入に踏み切ったのは、2022年9月、ドル円が145円台に上昇した局面だった。
また、本日10月7日は、昨年、パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスがイスラエルに奇襲攻撃を仕掛けた日から1周年であるため、イスラエルによるイランへの報復攻撃の可能性には警戒しておきたい。しかし、9日にオースティン米国防長官とイスラエルのガラント国防相が、イランへの反撃などについて協議する予定、と報じられており、最悪の事態を回避する協議、関連ヘッドラインには注視しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、149.39円(8/15高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、146.89円(日足一目均衡表・雲の下限)
今週のNY市場は物価指標と3Q決算発表に注目。先週はダウ平均が0.09%高、S&P500が0.22%高、ナスダック総合が0.10%高と3指数がそろって小幅ながら4週続伸した。9月月末の取引となった週明け30日は9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.50%の大幅利下げを好感する流れや、米国経済のソフトランディング期待が続いたことで上昇してスタートしたが、10月入りした火曜日は中東情勢の緊迫化や港湾労働者のストライキを受けた景気悪化懸念でリスク回避が強まり反落した。水曜と木曜日は中東情勢などをにらんでもみ合ったが、週末金曜日に発表された9月雇用統計で非農業部門雇用者数や失業率が強い結果となったことで景気悪化懸念が後退し、主要3指数がそろって上昇して終了した。ダウ平均は9月30日と週末4日に終値の過去最高値を更新し、S&P500も30日に終値の過去最高値を更新した。
今週は物価指標や発表がスタートする第3四半期決算に注目。先週末の9月雇用統計が強い結果となったことで年内の大幅追加利下げ期待が後退。CMEのフェドウォッチ・ツールの11月FOMCでの0.50%の利下げ確率は先週末の53%から0%に低下し、0.25%の利下げ確率が97%、金利据え置き確率が3%に上昇した。今週は木曜日に9月消費者物価指数 (CPI)、金曜日に9月生産者物価指数 (PPI)と10月ミシガン大1年先・5年先期待インフレ率速報値が発表されるほか、0.50%の利下げが決定された9月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表や米連邦準備理事会(FRB)高官の公園なども多数予定され、CPIなどの経済指標やFOMC議事要旨、要人発言を受けた年内の追加利下げ見通しが焦点となりそうだ。また今週は第3四半期決算発表がスタートする。火曜日のペプシコ、木曜日のドミノ・ピザ、デルタ航空のほか、金曜日には金融大手のJPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴなどが発表予定で、決算結果やガイダンスに注目が集まる。
今晩の米経済指標・イベントは9月雇用傾向指数、8月消費者信用残高など。主要な企業の決算発表はなし。
中国国務院新聞弁公室は6日、国家発展改革委員会が8日午前に開く報道向け発表会で「追加政策パッケージを体系的に実施し、経済構造の高度化と発展態勢の持続的な改善を着実に推進する」状況を明らかにすると発表した。同委員会の鄭柵潔主任らが記者団の質問に応じる。
『香港経済日報』は、同会見で財政出動措置が発表される可能性があると伝えた。予想される3つの措置として、国債の増発、消費財購入支援策の拡充、社債発行規制の緩和を挙げた。
中国本土市場が国慶節連休(10月1日-7日)で休場している10月2-4日に香港市場が大きく上昇した。3日の累計上昇率はハンセン指数が7.59%、ハンセンテック指数が10%だった。9月16日以降にハンセン指数は30%超反発し、年初来上昇率が33.37%に達した。このところを急騰で香港市場の年初来上昇率は米国や日本市場を超え、世界で1位となっている。『格隆匯』が6日伝えた。
市場関係者は、連休中に香港市場で上昇が続いたことや、インターネットなどで香港市場の上昇を大きく宣伝したことから、買いそびれた投資家の焦りが高まり、それによって連休明けの本土A株市場がさらに上昇する可能性があるとの見方を示した。一部のネットユーザーは連休明け初日の8日に「買えない」状況が発生することを懸念しているという。香港市場で証券セクターと半導体セクターが急騰していたため、連休明けのA株市場でもこの2セクターに買いが集まるとみられる。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、2000年以降の解散総選挙時の日経平均の推移について振り返っている。衆院解散前営業日から投開票日までの株価は、上昇率の差はあるものの、8回中8回上昇しているとのこと。また、少し長い目線でみると、解散日前営業日から50営業日後の騰落率では、2000年や2003年など下げている年はあるものの、平均で7.2%程度上昇していることを指摘している。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、2月締めで10月2日までに発表を済ませた国内向けを主力とする小売企業の、発表後の株価反応が概ね良好であることを指摘している。前年同期比の営業利益モメンタムが上期累計より2Q(直近3カ月)の方が良かったものもみられたとのこと。国内では賃上げを背景に、実質賃金の前年同期比伸び率がプラスに転換。消費活動も持ち直しの動きが見られ、小売企業を取り巻く環境は改善方向と考えられる。また、各社はこれまで、コストアップへの対応として商品の入れ替えや値上げを進めている一方、コストアップ要因の一つであった円安は一服してきている。これらの点から三菱UFJMSでは、今後、小売企業の事業採算が改善するかどうかに注目している。
みずほ証券では、米国の9月雇用統計の結果は文句なしに強いと捉えている。9月の民間非農業雇用者数は、前月差+25.4万人(8月は同+15.9万人)と前月から大幅に増加ペースが加速した。家計調査ベースの雇用者数は43.0万人も増加しており、今回の強い結果は不法移民の流入加速などといった供給要因によってもたらされたものではなく、純粋に強い労働需要を反映している可能性が高いと分析している。みずほでは、単月の結果のみで結論を急ぐことは推奨されないとしながらも、FRBが利下げを急ぐ誘因を削ぐ内容であったことに疑いの余地は少ないだろうとコメントしている。
日経平均株価は大幅に3日続伸。ギャップアップスタートとなった後も上を試しに行ったが、引け間際の動きが案外で、ローソク足では実体の短い陽線を形成した。39000円を上回り、高値は39560円まであった。9月27日の高値39829円に接近しており、勢いを切らすことなく同水準や節目の40000円を上回ることができるかが注目される。
RSI(9日)は前日の56.9%→59.8%(10/7)へ上昇。9/2の戻り高値は既に超えており、8/5安値を起点とした上昇二段上げ目に入ったことを確認した。当面の重要な上値水準となるのは7/18の下げで開けたマド上限(41054円)となる。
上値メドは、9/27高値(39829円)、心理的節目の4万円、7/17安値(41054円)、心理的節目の42000円、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、75日移動平均線(38277円 10/7)、心理的節目の38000円、200日移動平均線(37896円 同)や25日移動平均線(37618円 同)などがある。
(7日終値:8日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.01円(7日15時時点比▲0.43円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.55円(▲0.26円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0982ドル(△0.0014ドル)
FTSE100種総合株価指数:8303.62(前営業日比△22.99)
ドイツ株式指数(DAX):19104.10(▲16.83)
10年物英国債利回り:4.208%(△0.078%)
10年物独国債利回り:2.256%(△0.046%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月独製造業新規受注
(前月比) ▲5.8% 3.9%・改
(前年比) ▲3.9% 4.6%・改
8月ユーロ圏小売売上高
(前月比) 0.2% 0.0%・改
(前年比) 0.8% ▲0.1%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円はじり安。良好な米雇用統計の結果を受けて、米連邦準備理事会(FRB)による大幅利下げ観測が後退する中、アジア市場では一時149.13円と8月16日の高値を付けた。
ただ、そのあとは目先の利益を確定する目的の売りが優勢となり、じり安の展開に。8月16日の高値149.35円や15日の高値149.39円がレジスタンスとして意識された面もあった。欧米市場でも戻り売りや持ち高調整の円買い・ドル売りが入り、23時前には一時147.86円と日通し安値を更新した。
もっとも、米大幅利下げ観測が後退する中、米長期金利の上昇に伴うドル買いも入ったため、一本調子で下落する展開にはならなかった。米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.0314%前後と8月1日以来およそ2カ月ぶりの高水準を記録した。
なお、市場では「中東情勢の緊迫化を背景に原油価格が高騰する中、今週10日に発表される9月米消費者物価指数(CPI)で足もとのインフレ動向を見極めたいとの思惑が広がっている」との声が聞かれた。
・ユーロドルは下値が堅かった。中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスクが懸念される中、日本時間夕刻に一時1.0954ドルと日通し安値を付けた。米長期金利の上昇や欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測がユーロ売り・ドル買いを促した面もあった。
ただ、前週末に8月15日以来約1カ月半ぶりの安値1.0951ドルを付けたあとだけに持ち高調整のユーロ買い・ドル売りも入りやすかった。売り一巡後はじりじりと買い戻しが入り、2時30分過ぎに1.0987ドルと日通し高値を更新した。
・ユーロ円は小幅安。ドル円の下落につれた売りが出ると一時162.30円と日通し安値を付けたものの、ユーロドルの持ち直しに伴う買いも入ったため、下値は限定的だった。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反発。前週末の米国株相場や本日の日本株相場が上昇した流れを引き継いで英株にも買いが先行したが、終盤伸び悩んだ。原油先物相場の上昇を背景にBPやシェルなどエネルギー株が買われたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値上がりした。半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られた。
・フランクフルト株式相場は小反落。新規材料に乏しい中、前週末終値付近でのもみ合いに終始した。個別ではミュンヘン再保険(2.69%安)やラインメタル(2.65%安)、ハノーバー再保険(2.63%安)などの下げが目立った。半面、コメルツ銀行(2.04%高)やポルシェ(1.31%高)などは買われた。
・欧州債券相場は下落。米国債の下落につれた売りが出た。
7日の日経平均は大幅に3日続伸。終値は697円高の39332円。4日の米国市場では強い9月雇用統計を好感してダウ平均が史上最高値を更新。長期金利が上昇し、ドル円は円安に振れた。これらの動きを受けて、寄り付きから600円を超える上昇。39200円台からスタートし、39500円台までは一気に水準を切り上げた。買い一巡後は値動きが落ち着き、39300円~39400円レベルでのもみ合いがしばらく続いた。終盤にかけては前場の高値を上回り、一時上げ幅を900円超に拡大。しかし、引け間際には失速しており、700円近い上昇ながらも大引けが後場の安値となった。
東証プライムの売買代金は概算で4兆4700億円。業種別では銀行、保険、証券・商品先物などが上昇した一方、パルプ・紙、空運、鉄鋼などが下落した。株高を手がかりに野村ホールディングス<8604.T>や大和証券グループ本社<8601.T>など証券株が大幅高。半面、円安進行が全体にはポジティブに作用する中、円高メリット銘柄とみられているニトリホールディングス<9843.T>は売りに押された。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1234/値下がり359。米長期金利の上昇に金融株が強く反応しており、三菱UFJ、三井住友、みずほのメガバンク3行がそろって大幅上昇。第一生命や東京海上など保険株も騰勢を強めた。ファーストリテイリングが5万円の大台に乗せて上場来高値を更新。コナミG、任天堂、バンナムHDなどゲーム株に資金が向かった。円安進行でインバウンド需要拡大期待が高まり、三越伊勢丹や高島屋など百貨店株が大幅上昇。株式分割や増配が好感されたウェザーニューズが急騰した。
一方、第2四半期の個別出荷額が失望材料となったディスコが6.3%安。弱さが目立つ中で売買代金は全市場のトップとなった。原油高に伴う燃料価格上昇が懸念され、空運大手のANAHDが逆行安。米長期金利の上昇が嫌気され、三菱地所や住友不動産など不動産株の一角が軟調となった。先週、業績関連のニュースで跳ねた霞ヶ関キャピタルは、序盤に上を試す場面もあったものの、急失速して5%近い下落となった。
週明けの日経平均は大幅高。39000円の節目を難なく上回った。ただ、物色を見るとやや先行きに対する不安も出てくる。動きが良かったのは金融株で、これは米国の長期金利が上昇しただけに妥当な動き。一方、円安の恩恵が期待された自動車株は、トヨタやホンダが2%台の上昇というのは物足りなさもあった。半導体株はアドバンテストは強かったが、レーザーテックや東京エレクトロンはディスコ急落の余波を受けて1%台の上昇。防衛関連では三菱重工がかろうじてプラスを確保した程度にとどまった。
9月の雇用統計を受けて米国の長期金利は大きく上昇したが、ここからさらに金利の上昇を呼び込むような経済指標が相次いだ場合には、利下げ不要論が台頭してくる。そもそも金利の上昇は株式市場は歓迎しない話。米国株高や円安を受けて半導体株や自動車株が大きく上昇し、金融株も米金利上昇を支えに買われることで全面高になる、こういった流れであれば理想的であったが、やや金融株の反応が強すぎる印象。米国の長期金利が低下して金融株が買いづらくなった際に、日本株はネガティブな反応が大きくなってしまう可能性がある。日本株全体として余力を残しているとも考えられるが、米金利が低下すれば円安(ドル高)にも一服感が出てきやすい。金融株以外で日本株のけん引役が出てこないと、目先は指数の値動きがかなり不安定となる展開も想定される。
(7日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.18円(前営業日比▲0.52円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.63円(▲0.63円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0976ドル(△0.0002ドル)
ダウ工業株30種平均:41954.24ドル(▲398.51ドル)
ナスダック総合株価指数:17923.91(▲213.94)
10年物米国債利回り:4.02%(△0.05%)
WTI原油先物11月限:1バレル=77.14ドル(△2.76ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2666.0ドル(▲1.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月米消費者信用残高
89.3億ドル 266.3億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反落。前週末の米雇用統計の結果を受けて、米連邦準備理事会(FRB)による大幅利下げ観測が後退する中、アジア市場では一時149.13円と8月16日の高値を付けた。
ただ、欧米市場では利益確定目的の売りなどが優勢となり、じり安の展開となった。8月16日の高値149.35円や15日の高値149.39円がレジスタンスとして意識された面もあり、23時前に一時147.86円と日通し安値を更新した。
もっとも、米長期金利の上昇に伴うドル買いも入ったため、一本調子で下落する展開にはならなかった。米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.0314%前後と8月1日以来およそ2カ月ぶりの高水準を記録した。
・ユーロドルは7日ぶりに小反発。前週末に8月15日以来約1カ月半ぶりの安値1.0951ドルを付けたあとだけにポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが入ると、2時30分過ぎに1.0987ドルと日通し高値を更新した。
ただ、米長期金利の上昇や欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測が相場の上値を抑えた。対オセアニア通貨中心にリスク・オフのドル買いが入ると、ユーロに対してもドル買いが入り一時1.0966ドル付近まで下押しした。
・オセアニア通貨は軟調だった。ダウ平均が一時520ドル超下落するなど、米株式相場が軟調に推移するとリスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に売りが出た。豪ドル米ドルは一時0.6743米ドル、NZドル米ドルは0.6113米ドルまで値を下げた。また、豪ドル円は99.84円、NZドル円は90.49円と日通し安値を更新した。
・ユーロ円は4日ぶりに反落。ドル円の下落や米国株安に伴う円買い・ユーロ売りが入ると、23時前に一時162.30円と日通し安値を付けた。その後の戻りも162.74円付近にとどまった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。米長期金利の指標となる米10年債利回りが8月以来の4%台に乗せたことで、株式の相対的な割高感が意識された。中東の地政学リスクも相場の重しとなり、一時520ドル超下げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反落。電気自動車(EV)のテスラが下落した一方、半導体大手のエヌビディアが上昇した。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日続落。前週末の米雇用統計の結果を受けて、米大幅利下げ観測が後退する中、この日も債券売りが続いた。利回りは一時4.0314%前後と8月1日以来およそ2カ月ぶりの高水準を付けた。
・原油先物相場は5日続伸。引き続き中東情勢の緊迫化による供給不安が相場の支えとなった。また、米国立ハリケーンセンター(NHC)がハリケーン「ミルトン」がカテゴリー5に発達したと発表したことも買いを後押した。
・金先物相場は続落。米10年債利回りが8月以来の4%台まで上昇基調を強め、金利を生まない金は上値の重い動きとなった。
7日08:08 ビルロワドガロー仏中銀総裁(インタビューに応じて)
「ECBはおそらく今月利下げを実施するだろう」
「インフレ目標のアンダーシュートに警戒する必要がある」
7日08:59 三村財務官
「投機的な動きを含めて為替市場の動向を注視」
「市場の分析は差し控える」
7日14:00 石破首相
「政府・日銀は共同声明に沿って引き続き連携を確認」
「現時点で日銀との共同声明を見直すことは考えていない」
「金融所得課税強化、具体的に検討することは考えていない」
8日00:24 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
(独紙とのインタビューで)
「インフレとの戦いはまだ終わっていない」
8日03:07 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「リスクのバランスは雇用増加の方向にシフトしている」
「米国経済は全体的に回復力がある」
「インフレ再燃の兆候は見られない」
「インフレが2%の目標に回帰するという自信は大きい」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 8月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比2.9%)
○08:30 ◇ 8月家計調査(消費支出、予想:前年比▲2.6%)
○08:50 ◎ 8月国際収支速報
◇ 経常収支(予想:季節調整前2兆9210億円の黒字/季節調整済2兆4190億円の黒字)
◎ 貿易収支(予想:5324億円の赤字)
○14:00 ◇ 9月景気ウオッチャー調査(予想:現状判断指数49.2/先行き判断指数50.5)
<海外>
○07:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○07:30 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○08:01 ◇ 9月英小売連合(BRC)小売売上高調査(予想:前年同月比0.8%)
○08:30 ◇ 10月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○09:30 ◇ 9月豪NAB企業景況感指数
○09:30 ◎ 9月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
○15:00 ◎ 8月独鉱工業生産(予想:前月比0.8%/前年同月比▲3.8%)
○15:00 ◎ 9月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比1.6%)
◎ コア指数(予想:前月比0.3%/前年比1.1%)
○15:45 ◇ 8月仏貿易収支
○15:45 ◇ 8月仏経常収支
○16:00 ◎ クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○19:00 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○21:30 ◇ 8月カナダ貿易収支(予想:5.0億カナダドルの赤字)
○21:30 ◎ 8月米貿易収支(予想:705億ドルの赤字)
○9日01:45 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○9日02:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○9日02:00 ◎ 米財務省、3年債入札
○9日05:00 ◎ コリンズ米ボストン連銀総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
米国立ハリケーンセンター(NHC)は7日、ハリケーン「ミルトン」がカテゴリー5に発達したと発表した。
昨日の海外市場でのドル円は、利益確定目的の売りなどが優勢となり147.86円までじり安となった。もっとも、米長期金利の上昇に伴うドル買いも入ったため、一本調子で下落する展開にはならなかった。ユーロドルは1.09ドル後半で小動きだった。なお、米10年債利回りは一時4.0314%前後と8月1日以来およそ2カ月ぶりの高水準を記録した。
本日のドル円は引き続き買い場探しとなるだろう。昨日の東京時間では8月中旬以来のドル高・円安水準を更新したこともあり、本邦実需勢のドル売りが上値を抑えた。水準的にもフォワードポイントを入れると、148円台前半より上の水準で輸出予約をした場合は、来年3月末時点で145円台を確保できる。各企業によって想定為替レートは異なるだろうが、日銀短観で示された2024年度の想定為替レートが全規模・全産業が145.15円、大規模・製造業は144.96円ということもあり、水準としては売りが出やすいのではないか。本日もドルの上昇局面では実需勢のドル売りが重しになりそうだ。
もっとも、先週末発表された9月の米雇用統計以来のドルの堅調地合いが変わるのは難しいか。昨日はドル買いの勢いは削がれたが、米長期金利は2カ月超ぶりの高水準を記録。CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、11月6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げを予想が0%になり、これまで0%だった据え置きが13.7%まで上昇している。今週発表される9月の米消費者物価指数(CPI)は前月から低下予想となっているが、予想よりも結果が上回った場合には、据え置き見込みがさらに高まりドルの下値が更に支えられることになる。
本日は本邦からは複数の経済指標が発表予定。本来であれば、8月の毎月勤労統計調査で発表される実質賃金次第に注目が集まるが、為替の値動きは限定的か。実質賃金は2カ月連続でプラスであり、3カ月連続上昇となれば、日銀の利上げを容認していると捉えられていた石破政権が「再利上げを否定しない」との見方もあった。しかしながら、石破首相が先週「現在は追加利上げをするような環境にはない」との見解を示したことで、実質賃金への市場の反応は限られたものになりそうだ。
なお、本日は豪ドルの動きにも注目したい。複数の経済指標(10月ウエストパック消費者信頼感指数、9月NAB企業景況感指数)が発表される。また、9月23-24日開催分の豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨も公表予定。理事会では政策金利が予想通り4.35%で据え置かれ、声明文でもタカ派的な内容が維持された一方、その後の会見でブロックRBA総裁は「前回までと違って利上げを検討しなかった」ことを明らかにした。声明文と議事要旨にニュアンスの開きがあった場合には、豪ドルは動意づくだろう。また、ハウザーRBA副総裁の講演も予定されている。
更に、中国では国慶節の大型連休を終えて国内市場が再開されることにも注目。本日は、国家発展改革委員会が「経済成長促進を目的とした政策」について記者会見を開催する予定。一部では財政出動措置の発表が期待されている。発表内容次第で株式市場に大きな影響を与え、リスク許容度に敏感な豪ドルが動意に繋がるかもしれない。
他、昨日にNY原油先物相場は3%超上昇しているように、引き続き中東の動向に多くの市場関係者は警戒している。中東情勢がさらに悪化した場合には、リスク回避の動きが急進するリスクも念頭に入れて取引をする必要がありそうだ。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38920 -450 (-1.14%)
TOPIX先物 2714.5 -25.0 (-0.91%)
シカゴ日経平均先物 38915 -455
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
7日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。前週末発表の9月の米雇用統計が予想を大きく上回り、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利下げ観測が後退し、米長期金利が再び4%台に上昇してきたことが持ち高調整の売りにつながった。また、イスラエルがイランのミサイル攻撃に対する報復に動くとの観測は根強く、NY原油先物相場の上昇も重荷になった。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、エネルギーの2業種のみが上昇した一方で、自動車・同部品、保険、公益事業、メディア、小売が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比455円安の3万8915円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比80円安の3万9290円で始まり、寄り付き直後につけた3万9310円を高値にほどなくして3万9000円を割り込み、3万8900円から3万9160円辺りで推移。中盤にはレンジを下放れ、一時3万8760円まで売られる場面もみられた。終盤にショートカバーにより下落幅を縮め、3万8920円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。米雇用統計で労働市場の底堅さが示されたと週末は評価されたが、米長期金利が4%台に上昇してきたことが売りにつながったようだ。次回のFOMCでの0.5%の大幅利下げの可能性はほぼなくなり、0.25%の利下げがコンセンサスとなる。ただし、予想を上回る経済指標の発表が相次ぐなかで、金利据え置きの可能性も意識されてきたようである。
10日に発表される9月の米消費者物価指数(CPI)などの結果を見極めたいとする姿勢が強まりやすいだろう。米長期金利の上昇に加えて、地政学リスクへの警戒からNY原油先物相場の上昇も警戒されやすく、引き続き積極的にポジションを傾けにくい需給状況になりそうだ。
日経225先物はナイトセッションで3万9000円を挟んだ推移のなかで一時3万8760円まで売られる場面もみられたが、ボリンジャーバンドの+1σ(3万8720円)水準まで下げたことで、同水準での底堅さを見極めたいところである。+1σと+2σ(3万9340円)でのレンジが維持されるようだと、+1σ水準では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。そのため、オプション権利行使価格の3万9000円を中心とした上限の権利行使価格3万8750円から3万9250円のレンジを想定する。
米国ではエヌビディア<NVDA>が2%を超える上昇で、9月26日に付けた直近の戻り高値を突破してきた。アドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下支えになりやすく、やや日経平均型優位の展開になりそうだ。もっとも、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]の戻りは鈍く、セクター内でのリバランスの動きがみられており、トレンドは強まりにくい。
なお、7日の米VIX指数は22.64(前日は19.21)に上昇した。再び不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を超えてきたことで、慎重姿勢が強まりやすい。9月6日に付けた23.76を上回ってくるようだと、ショートを誘う形になる可能性があるだろう。中東情勢に振られやすい面があるため、関連する報道をきっかけとしたアルゴリズム発動には注意しておく必要がある。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.37倍に上昇した。一時14.42倍を付ける場面もみられたが、その後は14.30~14.40倍辺りのレンジ内で推移していた。半導体株のほか、連日で最高値を更新しているファーストリテイリング <9983.T> [東証P]の動向が注目される。一方で、日米長期金利の上昇によってメガバンクが買われるようだとTOPIX型優位になりやすく、スプレッド狙いを難しくさせよう。
日経225先物は11時30分時点、前日比480円安の3万8890円(-1.21%)前後で推移。寄り付きは3万8870円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8915円)を下回り、売り先行で始まった。寄り付き直後につけた3万8860円を安値に切り返し、一時3万9140円まで下げ幅を縮める場面もみられた。ただし、ナイトセッションで付けた高値(3万9160円)捉えることができず、終盤にかけては再び3万8900円を下回り、日中の安値水準で推移している。
日経225先物はナイトセッションで付けた価格帯(3万8760円~3万9160円)での動きとなった。売り一巡後にリバウンドをみせたが、ナイトセッションの高値を突破できなかったことで、終盤にかけてはロング解消に向かわせたようだ。ただし、ボリンジャーバンドの+1σ(3万8710円)を上回っての推移であり、ショートも仕掛けづらいところであろう。下値の堅さが意識されてくるようであれば、短期的なリバウンド狙いのロングが入りやすいと考えられる。
NT倍率は先物中心限月で14.40倍に上昇した。14.34倍と低下して始まり、一時14.31倍を付ける場面もみられたが、その後は相対的に日経平均型優位の動きとなった。ただし、このところの14.30倍~14.40倍辺りでのレンジ内で推移しているため、トレンドが出てくるかを見極める必要がありそうだ。
昨日の海外市場では、全般方向感のない動きとなりました。ドル円は先週末の急伸後ということもあり、ポジション調整の売りが先行。欧州時間は日経平均先物の下落につれて一時148.06円まで下押し。東京時間から断続的に観測されていた輸出の売りも一巡すると148.69円まで買戻される場面もみられましたが、NY時間に入るとダウ平均が一時520ドルを超える下落となったほか、日経平均先物も下げ幅を拡大。一時147.86円まで値を下げました。ただ、一方で米10年債利回りは4.0314%まで大幅な上昇となるなか、下値も限定的となると、148.00円を挟んだもみ合いとなってNY市場を引けています。
アジア時間に入ってからは、日経先物が下げ幅を更にひろげたことから戻り売りが先行。昨日安値を下抜けると147.59円まで下落しました。本邦実需の買いが持ち込まれると148.19円まで買戻されたものの、株価が軟調な推移となるなか再び147.51円まで下押ししました。午後に入ってからは147.94円まで買戻されるなど、いずれにしても神経質な動きが続いています。
市場では、先週から目立っている本邦実需の売りについては、来年の3月期末までのスワップポイントなどを加味した場合、出来上がりレートでちょうど145円台で予約できるレベルが意識されているわけで、日銀短観で明らかになった本邦勢の想定レートとも合致。ドル円の急伸後に本邦輸出勢が「やれやれ」の売りを出していることの理由がそこにはあります。
ただ、市場は思っていたよりも利上げが遅れるだろう日銀と、思っていたよりもかなり利下げ幅や利下げ速度が減少しそうなFRBの金融政策に対する期待値のギャップが鮮明になってきていることにフォーカスし始めているわけで、その方向性は明らか。需給関係がならされてくればくるほど、将来のドル売り需要を先取りしてフローが出れば出るほど、その後の動きは需給のタイト感を強めることになりそうです。
本日のロンドン為替市場でも、ユーロ相場を動意付けるような欧州発の材料が乏しいなか、欧米の金利動向を見据えながらの取引となりそうだ。昨日ユーロは対ドルで方向感なく上下したが、対スイスフランで売られ、対豪ドルでは買われた。それらユーロクロスにも注視していきたい。
本日ユーロ圏からは、欧州序盤に8月独鉱工業生産と同月仏貿易・経常収支が発表される。独鉱工業生産は前回からの改善が見込まれているが、昨日の独製造業新規受注が予想以上に弱かったため、本日の独指標も下振れに要注意か。ただ仏指標とともに、基本的に相場へのインパクトは弱いだろう。
金融当局者からは、欧州序盤にクーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事の講演が予定されている。欧州中央銀行(ECB)主催の金融政策カンファレンスにおける発言なだけに、11月のFOMCに向けた具体的な内容となるかもしれない。現状、11月FOMCは0.25%でほぼ決まり、その後も同じ幅の利下げが年始にかけて継続されるというのが米金利市場の見立てだ。
その他、センテノ・ポルトガル中銀総裁の講演が欧州昼頃に予定されている。ただ、前述したカンファレンスに絡み、欧州当局者から政策の先行きに関する発言が出るかもしれず、ニュースヘッドラインには注意をしておきたい。
なお昨日、ユーロスイスフランが4営業日ぶりに反落し、0.93フラン後半で弱含んだ。中東情勢の緊迫化が、避難通貨とされるフラン買いに繋がったもよう。一方、ユーロ豪ドルは1.62豪ドル台で先月26日以来の高値を更新。米株が軟調に転じ、リスクに敏感な豪ドルへの売り圧力が強まった。今後もこれらユーロクロスは、中東の地政学リスクや株式相場の動向次第では値幅を伴った動きになりそうだ。
想定レンジ
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の上限1.1052ドル
・ユーロ豪ドル、9月23日高値1.6429豪ドル
・ユーロスイスフラン、4日高値0.9438フラン
想定レンジ下限
・ユーロドル、8月8日安値1.0882ドル
・ユーロ豪ドル、7日安値1.6074豪ドル
・ユーロスイスフラン、1月9日安値0.9279フラン
(8日15時時点)
ドル円:1ドル=147.97円(前営業日NY終値比▲0.21円)
ユーロ円:1ユーロ=162.51円(▲0.12円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0983ドル(△0.0007ドル)
日経平均株価:38937.54円(前営業日比▲395.20円)
東証株価指数(TOPIX):2699.15(▲40.24)
債券先物12月物:144.26円(△0.05円)
新発10年物国債利回り:0.920%(横ばい)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月毎月勤労統計(現金給与総額)
前年同月比 3.0% 3.4%・改
8月家計調査(消費支出)
前年同月比 ▲1.9% 0.1%
8月国際収支速報
経常収支(季節調整前)
3兆8036億円の黒字 3兆1930億円の黒字
経常収支(季節調整済)
3兆165億円の黒字 2兆8029億円の黒字
貿易収支
3779億円の赤字 4827億円の赤字
9月景気ウオッチャー調査
現状判断指数 47.8 49.0
先行き判断指数 49.7 50.3
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は一進一退。朝方は日経平均先物の下落を受けて昨日安値の147.86円を下抜けて147.59円まで売りが先行した。本邦実需勢の買いが観測されて148.19円まで反発したが、時間外の米10年債利回りが低下したうえ、日本株や香港株の下落を受けて147.51円まで再び下げた。一方、株安が一服すると午後にはショートカバーが入り148.10円台まで持ち直した。
・ユーロ円は方向感がない。日経平均株価の下落を受けて正午前には一時161.91円まで下落したものの、株安一服をながめ一巡すると買い戻しが入り162.76円まで切り返すなど、総じてドル円と同様の展開となった。
・ユーロドルは小高い。米長期金利の低下を支えにユーロ買い・ドル売りが散見され、一時1.0987ドルまで値を上げた。
・日経平均株価は4営業日ぶりに反落。昨日の米国株が下落したほか、中東情勢が悪化したことが嫌気されて売りが優勢となった。香港ハンセン株が大幅に反落したことも投資家心理の悪化につながり、一時500円超下落した。
・債券先物相場は4営業日ぶりに反発。昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで144.11円円まで売りが先行した。ただ、30年債入札の結果が好調だったことで144.33円まで反発するなど下値は堅かった。
一部通信社によると、中国が大型エンジン搭載の輸入車に対する関税引き上げを検討しているという。
「首相は、解散と公定歩合は嘘をついても良い」(※永田町の家訓)
10月2日、石破首相は植田日銀総裁との会談の後に、日本銀行の金融政策について、「個人的には『現在』、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と発言した。
植田日銀総裁も、「2%の物価安定の目標のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく」と、9月の日銀金融政策決定会合後のややハト派的な見解を繰り返した。
「石破総理大臣には2点申し上げた。日銀の金融政策について極めて緩和的な状態でしっかり経済を支えていく状態にあること。また、日銀の見通しどおりに経済が動いていけば金融緩和の度合いを調整していくことになるが、本当にそうかどうかを見極めるための時間は十分あると考えていて、丁寧に見ていきたいということを申し上げた」
2日のドル円は、植田日銀総裁と石破首相の利上げに対して慎重なスタンスを受けて、143円台から146円台、そして、3日には147円台、その後は米9月雇用統計を受けて149円台まで上昇した。
10月3日、石破首相は、3円近くの円安という市場の反応は想定外だった模様で、「日銀総裁の時間的余裕あるとの説明を念頭に発言した」と釈明した。
1日の就任会見で日銀に対する牽制姿勢を明らかにしていた赤沢経済再生相も、金融政策正常化の流れは「当然」であり、「タイミングの問題」と発言をトーンダウンさせた。
1.石破首相の時間軸『現在』=10月
石破首相は、かつて、7月の日銀の利上げに関して「金融緩和という基本的政策を変えないなかで徐々に金利のある世界を実現していくのは正しい政策だ」と利上げを容認していた。
そして、石破自民党総裁誕生の後の市場は、「イシバノミクス」による利上げへの警戒感から、石破ショックが市場を席捲し、株安・円高となった。
10月27日の衆議院議員総選挙に向けて、株安は政権与党にとってマイナスとなるため、石破首相は、10月「現在」は、利上げに否定的な見解を述べたのではないだろうか。
2.植田日銀総裁の時間軸「時間的余裕」=10月
10月27日の衆議院議員総選挙の後、30-31日に日銀金融政策決定会合が開催される。
もし、石破政権が議席数を減らしながらも、政権を維持できた場合、植田日銀総裁は、7月31日の日銀金融政策決定会合の後の記者会見でのタカ派発言通りに「経済・物価情勢が見通しに沿って推移すれば、引き続き金利を上げていく」のではないだろうか。
もし、この仮説が実現した場合、ドル円は、石破首相のかつての発言「常識的に、ドル円は110円から140円と言われている」を実現することになる。
大阪12月限
日経225先物 38960 -410 (-1.04%)
TOPIX先物 2703.5 -36.0 (-1.31%)
日経225先物(12月限)は前日比410円安の3万8960円で取引を終了。寄り付きは3万8870円とシカゴ日経平均先物清算値(3万8915円)を下回り、売り先行で始まったが、寄り付き直後につけた3万8860円を安値に切り返し、前場中盤には3万9140円まで下げ幅を縮めた。ただし、ナイトセッションで付けた高値(3万9160円)捉えることができず、前場終盤にかけて再び3万8900円を下回ると、前引け直後には朝方の安値を割り込んで3万8710円まで売られる場面もみられた。
日経225先物はランチタイムで下げ幅を広げたが、ボリンジャーバンドの+1σ(3万8710円)水準が支持線として意識されて持ち直す動きとなった。後場は概ね3万8850円~3万9000円処での小幅な値動きでショートは仕掛けづらく、下値の堅さが意識された。
現時点では+1σが支持線として機能しており、同水準では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。+1σを明確に下回ってくると、75日移動平均線が位置する3万8080円辺りを目先的なターゲットとしたショートが入りやすいとみておきたい。ただし、東証プライムの売買高は9営業日ぶりに18億株を下回るなど積極的にポジションを傾けにくく、スキャルピング中心のトレードのなかではショート一巡後のカバー狙いとなりそうだ。
9日に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨や、10日発表の9月の米消費者物価指数(CPI)待ちであり、こられを受けた米長期金利や為替市場の反応を見極めたいところである。また、中東情勢については、イスラエルがレバノンやガザ、イエメンから相次いで攻撃を受けたと報じられるなど紛争が拡大している。
イスラエルは先週、弾道ミサイルを発射したイランへの報復を示唆しているが、イランはインフラを攻撃すれば、強力な反撃を受けると牽制。さらに、ロシア支援のため、北朝鮮がウクライナに派兵する可能性なども報じられている。地政学リスクの高まりはリスク回避姿勢を強めそうである。
そのほか、国慶節の連休明けの上海指数は10%高(終値は4.5%高)で始まった一方で、ハンセン指数は9.4%安と大幅に反落するなど、アジア市場の不安定な値動きも市場心理を神経質にさせよう。そのため、外部環境の不透明感が落ち着きをみせてくるまではポジションを傾けにくい状況が続きそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.41倍に上昇した。14.34倍と低下して始まったが、その後は相対的に日経平均型優位の動きとなった。ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]が重荷となった半面、アドバンテスト <6857.T> [東証P]が買われ、日経平均型を支える形だった。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万8787枚、ソシエテジェネラル証券が1万1545枚、サスケハナ・ホンコンが4661枚、JPモルガン証券が2055枚、バークレイズ証券が1867枚、SBI証券が1280枚、野村証券が1121枚、auカブコム証券が1120枚、ゴールドマン証券が823枚、ドイツ証券が811枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万4031枚、ソシエテジェネラル証券が1万6520枚、ゴールドマン証券が4035枚、バークレイズ証券が3770枚、JPモルガン証券が3615枚、サスケハナ・ホンコンが3374枚、モルガンMUFG証券が3012枚、ビーオブエー証券が2340枚、シティグループ証券が1580枚、みずほ証券が1440枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、好調な雇用情勢が示された米9月雇用統計を受けて、ボスティック米アトランタ連銀総裁やコリンズ米ボストン連銀総裁による11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅への言及に注目する展開が予想される。
ドル円は、中東の地政学リスクへの警戒感が高まっていることで、NYダウの下落、原油価格の上昇を受けて、リスク回避の円買いが優勢な展開となっている。
中東情勢に関しては、明日9日にオースティン米国防長官とイスラエルのガラント国防相が、イランへの反撃などについて協議する予定となっており、協議の結果を待つことになる。
ドル円の上値を抑える要因として、石破政権が物価高対策を政策の柱に据えていることで、昨日の148円台での三村財務官と加藤財務相による円安への牽制発言が警戒されていることや、本邦輸出企業による年度末に向けたドル売り為替予約などが挙げられる。
ボスティック米アトランタ地区連銀総裁は、先日、今後入手される指標が労働市場のさらなる軟化を示せば、11月のFOMCでさらに0.50%ポイントの利下げを実施することに「オープン」という認識を示していた。好調な米9月雇用統計を受けての利下げ幅への言及に要注目か。
コリンズ米ボストン連銀総裁は、「漸進的で整然としたペース」での利下げを示唆しており、11月FOMCでの利下げ幅への言及に要注目か。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、149.39円(8/15高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、146.90円(日足一目均衡表・雲の下限)
今晩はもみ合いか。昨日は週後半の9月消費者物価指数(CPI)などの発表を控え様子見姿勢が強まる中、原油高や米10年債利回りの上昇が続いたことでセンチメントが悪化。ダウ平均が398.51ドル安(-0.94%)、S&P500が0.96%安、ナスダック総合が1.18%安と、主要3指数がそろって反落した。投資家の不安心理を示すVIX指数は先週末の19.21ポイントから22.64ポイントに上昇し、8月8日以来の高水準となった。
今晩の取引では水曜日の9月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、木曜日の9月消費者物価指数 (CPI)、金曜日の9月生産者物価指数 (PPI)の発表を控えた様子見姿勢が強まることが予想され、積極的な取引は控えられそうだ。中東を巡る地政学リスクへの高まりやそれによる原油高も引き続き株式相場の重しとなりそうだ。今晩発表される9月NFIB中小企業楽観度指数などの経済指標や米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言をにらんだ神経質な展開となりそうだ。企業決算はペプシコを皮切りに第3四半期決算発表がスタートする。
今晩の経済指標・イベントは9月NFIB中小企業楽観度指数のほか、8月貿易収支など。クーグラーFRB理事、ボスティック米アトランタ連銀総裁、コリンズ米ボストン連銀総裁の講演なども予定されている。企業決算は寄り前にペンテア、ペプシコが発表予定。
中国の国家発展改革委員会の劉蘇社・副主任は8日午前の会見で、地方政府の専項債(インフラ債)の条件を緩和する方針を示した。財務部と共同で、調達した資金の用途や規模などの適切な拡大を検討するほか、プロジェクト審査自主権を試行導入し、建設中のプロジェクトの審査をすみやかに進めると述べた。また、地方政府専項債の管理制度を改善する新措置をできるだけ早期に施行するとした。『証券時報網』が同日伝えた。
劉副主任は、今年度分の地方政府専項債の発行枠がおよそ2900億元残っており、地方政府に対し10月末までに発行作業を完了するよう督促すると発表。すでに発行された地方政府専項債のプロジェクトの実施と資金使用を加速させ、実体作業量の増加を後押しすると述べた。
日経平均株価は4日ぶり大幅反落。大きく水準を切り下げて始まった後も軟調に推移したが、ローソク足の実体部分は短かった。終値(38937円)で39000円を割り込んだものの、安値でも5日移動平均線(38653円 10/8)を下回ることはなかった。
RSI(9日)は前日の59.8%→57.2%(10/8)へ低下。9/2の戻り高値は既に超えており、8/5安値を起点とした上昇二段上げ目に入ったことを確認した。当面の重要な上値水準となるのは7/18の下げで開けたマド上限(41054円)となる。
上値メドは、9/27高値(39829円)、心理的節目の4万円、7/17安値(41054円)、心理的節目の42000円、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、75日移動平均線(38282円 同)、心理的節目の38000円、200日移動平均線(37926円 同)や25日移動平均線(37630円 同)などがある。
米財務省によると、3年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが3.878%、応札倍率(カバー)が2.45倍となった。
(8日終値:9日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.24円(8日15時時点比△0.27円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.69円(△0.18円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0974ドル(▲0.0009ドル)
FTSE100種総合株価指数:8190.61(前営業日比▲113.01)
ドイツ株式指数(DAX):19066.47(▲37.63)
10年物英国債利回り:4.184%(▲0.024%)
10年物独国債利回り:2.243%(▲0.013%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月独鉱工業生産
(前月比) 2.9% ▲2.9%・改
(前年比) ▲2.7% ▲5.6%・改
8月仏貿易収支
73.71億ユーロの赤字 60.42億ユーロの赤字・改
8月仏経常収支
6億ユーロの赤字 0億ユーロの黒字・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。中東情勢の緊迫化が続いているほか、香港ハンセン指数が急落するなど、アジア各国の株価指数が軟調に推移するとリスク・オフの円買い・ドル売りが先行。ナイト・セッションの日経平均先物が下落して始まったことも相場の重しとなり、一時147.35円と日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。日経平均先物の持ち直しに伴う円売り・ドル買いが出たほか、ダウ先物の上昇が相場を下支えした。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.0549%前後と8月1日以来およそ2カ月ぶりの高水準を記録すると全般ドル買いが活発化し、24時過ぎには148.36円と日通し高値を付けた。
・ユーロドルは上値が重かった。ユーロポンドなどユーロクロスの上昇につれた買いが入ると、前日の高値1.0987ドルを上抜けて一時1.0997ドルと日通し高値を付けたものの、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが優勢になると一転下落した。0時30分過ぎには一時1.0961ドルと本日安値を付けた。
ただ、前日の安値1.0954ドルや4日の安値1.0951ドルが目先サポートと意識されると下げ渋った。米長期金利が低下に転じたことも相場の下支え要因。
なお、カザークス・ラトビア中銀総裁は「データは10月の欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げを示唆している」と述べたほか、バスレ・スロベニア中銀総裁は「10月の利下げは選択肢の一つ」「10月に利下げしても、12月はオープン」などと発言。また、ナーゲル独連銀総裁も「10月の利下げにオープン」などと話した。
・ユーロ円はじり高。日本時間夕刻に一時162.00円付近まで値を下げたものの、アジア時間に付けた日通し安値161.91円がサポートとして働くと買い戻しが進んだ。NY市場ではユーロドルの下落につれた売りが出た半面、ドル円の上昇につれた買いが入ったため、23時過ぎに一時162.82円と日通し高値を付ける場面があった。
・ロンドン株式相場は反落。市場では「中国で大型の追加景気刺激策が打ち出される」との期待が出ていたものの、経済政策の内容が物足りないとの受け止めから失望売りが広がった。銅など非鉄金属の先物相場が下落したことで、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られ相場を押し下げた。原油安を背景にBPやシェルなどエネルギー株も値を下げた。
・フランクフルト株式相場は続落。香港ハンセン指数が急落するなど、アジア各国の株価指数の下げが目立つ中、独市場でもリスク回避目的の売りが優勢となった。個別ではポルシェ(4.00%安)やBASF(3.60%安)、シーメンス(2.28%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。ECBの利下げ観測や欧州株安を背景に独国債に買いが入った。
8日の日経平均は4日ぶり大幅反落。終値は395円安の38937円。米国株安を受けて、寄り付きから300円を超える下落。序盤は39000円近辺でもみ合ったが、ドル円が円高に振れて日本株の買いづらさが意識される中、次第に下押し圧力が強まった。後場のスタート直後には下げ幅を500円超に拡大。38800円台に入ったところでは踏みとどまったが、売り一巡感が出てきても戻りは限られた。終盤にかけても低空飛行が続き、400円近い下落で取引を終了。終値で39000円を下回った。
東証プライムの売買代金は概算で3兆9400億円。業種別ではプラスは精密機器、電気・ガス、鉱業の3業種のみ。証券・商品先物、卸売、輸送用機器などの下げが大きくなった。9月度の月次好調が確認できたTSIホールディングス<3608.T>が大幅上昇。半面、9月の月次売上高が前年割れとなったシュッピン<3179.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり241/値下がり1386。米エヌビディアの上昇にアドバンテストが好反応を示して2.5%高。日立や富士通など総合電機の一角に買いが入った。証券会社が目標株価を引き上げたフジクラが商いを伴って大幅高。上期および通期の利益見通しを引き上げた東天紅が急伸した。
一方、東京時間でドル円が円高に振れたことから、トヨタやマツダなど自動車株が大幅安。証券会社が目標株価を引き下げた日産自動車は5%安となった。株安を受けて野村HDや大和証Gなど証券株が全般軟調。米国の長期金利は上昇したが、三井住友、第一生命、東京海上など銀行・保険株は大きく下げる銘柄が多かった。上期が営業減益着地となったライフコーポが大幅安。下方修正を発表したネクステージが急落した。
本日、名証ネクスト市場に新規上場したケイ・ウノは、初値が公開価格を下回り、終値は初値と同値となった。
日経平均は大幅安。金融株は米長期金利の上昇を好感できず、半導体株の多くは米エヌビディアの上昇を好感できなかった。ドル円は急ピッチの円安にブレーキがかかった程度であったにもかかわらず、自動車株を筆頭に外需株は広範囲に売られた。米国の10年債利回りが4%を上回ってきたことで、リスク資産に資金が向かいづらくなったようにも見える。
米国ではあす9日に、9月開催のFOMC議事要旨が公表される。10日には消費者物価指数(CPI)、11日には生産者物価指数(PPI)が発表される。9月のFOMCでは0.50%の大幅利下げが決定されており、足元で米国の物価指数は鈍化傾向が続いている。これらを材料に米国で長期金利が低下してハイテク株に買いが入り、米国株高を受けて日本株が反転するというのが目先で期待できるポジティブシナリオ。ただ、このケースではドル円は円高(ドル安)に振れるとみておくべき。国内ではあす、衆議院が解散され、選挙モードに突入する。政策絡みで注目される銘柄には内需株が多い。また、木曜10日には小売大手のファーストリテイリングやセブン&アイが決算を発表する予定。円高に耐性がある内需株が資金の受け皿となることで、悲観に傾きかけている流れを断ち切ることができるかに注目したい。
(8日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.20円(前営業日比△0.02円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.72円(△0.09円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0980ドル(△0.0004ドル)
ダウ工業株30種平均:42080.37ドル(△126.13ドル)
ナスダック総合株価指数:18182.92(△259.02)
10年物米国債利回り:4.01%(▲0.01%)
WTI原油先物11月限:1バレル=73.57ドル(▲3.57ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2635.4ドル(▲30.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月米貿易収支
704億ドルの赤字 789億ドルの赤字・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は小反発。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.0549%前後と8月1日以来およそ2カ月ぶりの高水準を記録すると円売り・ドル買いが優勢となった。米10年債利回りが低下に転じると伸び悩んだものの、下押しは限定的。ナイト・セッションの日経平均先物が堅調に推移したことなどが相場の支援材料となり、4時過ぎに一時148.38円と日通し高値を付けた。
ただ、NY時間に限れば大きな方向感は出なかった。明日9日に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月17日-18日分)の内容や、10日の9月米消費者物価指数(CPI)の結果を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的な売買は手控えられた。
・ユーロドルは小幅ながら続伸。ユーロポンドなどユーロクロスの上昇につれた買いが入ると、欧州市場では1.0997ドルと日通し高値を付けたが、NY市場に入ると一転下落した。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが優勢になり、0時30分過ぎには一時1.0961ドルと本日安値を付けた。
ただ、前日の安値1.0954ドルや4日の安値1.0951ドルが目先サポートと意識されると下げ渋った。米長期金利が低下に転じたことも相場の下支え要因。
・メキシコペソは軟調だった。WTI原油先物価格が一時5.7%超下落したことを背景に産油国通貨とされるメキシコの通貨ペソに売りが出た。ドルペソは一時19.4506ペソ、ペソ円は7.62円までペソ安に振れた。
同じく産油国通貨とされるノルウェークローネは対ドルでは10.7426クローネ、対ユーロでは11.7830クローネ、対円では13.80円まで値を下げた。
・ユーロ円は小幅ながら反発。ユーロドルの下落につれた売りが出た半面、ドル円の上昇につれた買いが入った。米国株や日経平均先物の上昇に伴う買いも入り、23時過ぎに一時162.82円と本日高値を付けた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。中東情勢を巡る懸念は根強いものの、WTI原油先物相場が大幅に下落すると投資家心理が改善し主力株中心に買い戻しが入った。前日に下げが目立ったアップルやアマゾン・ドット・コムなどハイテク株が買われ、相場を下支えした。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは5日ぶりに反発。米大幅利下げ観測が後退する中、売りが先行すると、利回りは一時4.0549%前後と8月1日以来およそ2カ月ぶりの高水準を付けた。ただ、10日の9月米CPIを前にポジション調整目的の買いが入ると持ち直した。
・原油先物相場は6日ぶり大幅反落。中東の地政学リスクを背景に前日まで5連騰と約1カ月ぶりの高値水準まで急ピッチで上昇したこともあり、この日は高値警戒感も出るなか利益確定売りが優勢となった。
・金先物相場は3日続落。先週末の米雇用統計を通過した後、米長期金利の上昇傾向が続いており、金利を生まない金は売り圧力が継続。為替相場で全般ドルが堅調な動きになっていることも、ドル建ての金の割高感につながり売りを後押した。
8日07:38 ムサレム米セントルイス連銀総裁
「時間の経過とともに段階的に金利を引き下げることが適切」
「9月の会合では50bpの利下げを支持」
「あまりにも早く緩和しすぎることのコストは、遅すぎることよりも大きい」
8日09:34 豪準備銀行(RBA)議事要旨
「前回会合以降に受け取った情報はまちまち、総合すると今回の会合時点での経済見通しの評価は大きく変わっていない」
「基調的なインフレ率は依然として高すぎ、四半期ベースでは前年比でほとんど低下していない」
「現在の金利水準がインフレと労働市場へのリスクを最もバランスよく保っているという評価を変えるほど、前回の会合から変化はなかった」
「将来の金融環境が現在よりも制限的でなくなる可能性がある」
「現在の金融状況がインフレを目標に戻すには不十分な制約であることが判明した場合、金融政策を引き締める必要がある可能性もある」
「インフレ率を目標に戻すことは引き続き理事会の最優先事項であり、理事会はその成果を達成するために必要なことを行う」
8日11:46 ハウザー豪準備銀行(RBA)副総裁
「インフレとの戦いでRBAは強固な姿勢を維持すべき」
「インフレ率が高止まりした時はRBAは行動するだろう」
8日14:28 石破首相
「金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられる」
「日銀には政策趣旨の丁寧な説明を期待したい」
「足元では緩やかにCPIが上昇しておりデフレではないが、再びデフレに戻ることは無いと言える状況ではない」
「インフレ抑制で進展が続けば追加利下げを支持」
「インフレと雇用両方に焦点を当てるべき」
8日16:15 カザークス・ラトビア中銀総裁
「データは、10月の欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げを示唆している」
「金利は下がり、経済を下支えするだろう」
8日16:58 エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事
「ユーロ圏の弱い景気が物価に及ぼす影響を見極める」
8日17:44 ボレル欧州連合(EU)外交安全保障上級代表
「レバノンの状況は日に日に悪化しており、人口の20%が現在避難を強いられている」
「停戦を実現することは非常に重要」
8日18:02 バスレ・スロベニア中銀総裁
「10月の欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げは選択肢の一つ」
「10月に利下げしても、12月はオープン」
8日18:07 ヒズボラ副司令官
「 レバノンのベリ国会議長が主導する停戦に向けた政治プロセスを支持」
8日18:31 ナーゲル独連銀総裁
「10月の利下げにオープン」
8日18:54 赤沢・経済再生相
「金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられるべき」
「日銀の判断を我々は信じる」
8日19:21 センテノ・ポルトガル中銀総裁
「ユーロ圏のインフレ率は、目標に向かって収斂しつつある」
9日02:04 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「経済は目標に近づいている」
「インフレ率は依然として2%をはるかに上回っている」
「経済が強すぎるリスクがあり、政策の再調整を妨げる可能性がある」
9日05:03 コリンズ米ボストン連銀総裁
「雇用市場が健全な中、インフレ率は2%に戻ると予測」
「経済が必要以上に減速するリスクが高まっている」
「最近のデータは労働市場が全体的に良好な状態にあることを示している」
「現在の経済状況を維持することに重点を置く必要」
「利下げには慎重でデータに基づくアプローチが適切」
※時間は日本時間
<国内>
○国会で党首討論
○衆院解散
<海外>
○08:30 ◎ ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○09:00 ◎ ケント豪準備銀行(RBA)総裁補佐、講演
○10:00 ☆ ニュージーランド準備銀行(RBNZ)、政策金利発表(予想:4.75%に引き下げ)
○13:30 ☆ インド中銀、金融政策決定会合(予想:6.50%で据え置き)
○15:00 ◇ 8月独貿易収支(予想:184億ユーロの黒字)
○17:30 ◎ エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◎ 9月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比4.45%)
○21:00 ◎ 9月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前年比4.62%)
○21:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、あいさつ
○22:15 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○23:00 ◇ 8月米卸売売上高(予想:前月比0.5%)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○23:30 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、あいさつ
○10日01:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○10日02:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○10日03:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月17日-18日分)
○韓国(ハングルの日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は8日、ボーイングの格付けをジャンク級へ引き下げ方向で見直すと発表した。
昨日の海外市場でドル円は、米10年債利回りがおよそ2カ月ぶりの水準に上昇を支えに、148.38円まで強含んだ。ナイト・セッションの日経平均先物の堅調推移も追い風となった。一方、ユーロドルは米長期金利の上昇が重しとなって1.0961ドルまで下押すも、前日の安値1.0954ドルを前に下げ渋った。
本日のドル円相場は、リスクセンチメント改善が追い風となるか。前日のナイト・セッションの日経平均先物が堅調に推移したほか、米主要3指数いずれもプラスで引けている。この流れに沿って日経平均が堅調推移となれば、ドル円も底堅い展開が続くだろう。
なお国内では、本日にも石破内閣が衆院を解散すると報じられている。選挙予定とされる27日までは時間があることから、直接の手掛かりにはなりにくいかもしれない。ただし、自民・公明で過半数に満たないなどの観測報道により政局リスクが意識された場合、株価が下落してドル円の重しとなることもありえる。支持率調査の結果など各種報道には当面注意が必要だろう。
昨日は8月の実質賃金総額が発表され、3カ月ぶりのマイナスとなった。総裁選後に石破首相が日銀の追加利上げに否定的な見解を示したこともあり、日銀の早期利上げ期待は後退して円を積極的に買う状況ではなくなっている。
CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、年末までに利下げ織り込み幅は合計0.50%となっている。1週間前は合計0.75%であり、4日の9月米雇用統計が強い結果となったことを受けて大幅利下げ観測が後退する中では、ドル売りの動きもまた限られよう。本邦株価が落ち着いた動きとなる場合、明日に9月米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあり、積極的な売買が見送られることも考えられる。
他方、ニュージーランド(NZ)ではNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策発表が予定されている。市場予想は0.50%引き下げが主流であるが、一部で0.25%に留まるとの予想もある。見方が分かれていることから、発表直後は荒れた展開が予想される。
また、声明についても確認しておきたい。前回8月の会合前後に発表されたNZの経済指標を振り返ると、4-6月期国内総生産(GDP)はマイナスだった。インフレは昨年から伸び鈍化傾向が続いており、4-6月期CPIは前年比+3.3%とRBNZのインフレ目標(1-3%)の上限に迫っている。加えて、4-6月期失業率は4.6%と約3年ぶりの高水準となった。これらを踏まえ今後の経済やインフレ、雇用に対してどのような見解が示されるかがカギとなろう。今後も緩和を示唆するメッセージが強調される場合はNZドル相場の重しとなることも考えられる。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39410 +450 (+1.15%)
TOPIX先物 2726.0 +22.5 (+0.83%)
シカゴ日経平均先物 39375 +415
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
8日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。急伸が続いていたNY原油先物相場が4%超下落したことで、過度なインフレ懸念が和らぎ、米経済はソフトランディング(軟着陸)できるとの見方から主力株を中心に買い戻す動きとなった。アップル<AAPL>やアマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>、メタプラットフォームズ<META>、アルファベット<GOOG>など大型テック株が上昇。半導体株ではエヌビディア<NVDA>が5営業日続伸したほか、ブロードコム<AVGO>の上げが目立った。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器、ソフトウエア・サービスが上昇した一方で、エネルギー、素材、資本財が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比415円高の3万9375円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比90円安の3万8870円で始まり、寄り付き直後につけた3万8830円を安値にリバウンド基調が強まり、米国市場の取引開始直前には3万9300円台を回復。その後もロング優勢となり、中盤にかけて3万9520円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は終盤にかけて3万9330円~3万9450円辺りで保ち合い、3万9410円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。チャート上ではナイトセッションで前日の陰線部分を埋める形状となり、ボリンジャーバンドの+1σ(3万8800円)が支持線として機能したことで、+2σ(4万0070円)とのレンジが意識されそうだ。米国では大型テック株や半導体株主導での上昇となったことから、アドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引することになろう。
ただし、中東情勢については引き続き、イスラエルによるイランへの報復に注目が集まっている。選択肢の一つとして、イランのエネルギー施設への攻撃をまだ検討しているとも報じられており、全面戦争への懸念からポジションを傾けにくい需給ではある。また、米国では9日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表されるほか、10日に9月の米消費者物価指数(CPI)、11日には米卸売物価指数(PPI)が発表される。これらの結果を受けた米国市場の反応を見極めたいところでもある。
そのため、買い一巡後は次第に膠着感が強まる可能性が高く、オプション権利行使価格の3万9250円から3万9750円のレンジを想定する。買い一巡後に3万9500円辺りでの上値の重さが意識されてくるようだと、3万9000円から3万9500円のレンジとし、下限水準では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。また、足もとでは東京エレクトロン <8035.T> [東証P]の戻りの鈍さが目立つ。米ハイテク株高のなかで軟調な推移が続くようだと、日経平均型の戻りを鈍くさせそうだ。
なお、8日の米VIX指数は21.42(前日は22.64)に低下した。ただし、不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を上回っており、リスク選好には向かいづらい面はある。引き続き9月6日に付けた直近の戻り高値である23.76が意識されているため、積極的なロングの動きは限られそうである。また、中東情勢に振らされやすい面があるため、関連する報道をきっかけとしたアルゴリズム発動には注意しておきたい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.41倍に上昇した。14.34倍と低下して始まったが、その後は相対的に日経平均型優位の動きとなった。本日は米ハイテク株高の流れによりNTロングに振れやすいとみれるが、このところの14.30~14.40倍辺りのレンジを明確に放れないと、トレンドは出にくいだろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比240円高の3万9200円(+0.61%)前後で推移。寄り付きは3万9410円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9375円)を上回り、買い先行で始まった。現物の寄り付き時には、一時3万9490円まで上げ幅を広げる場面もみられた。ただし、ナイトセッションで付けた高値(3万9520円)を捉えることができず、買い一巡後は持ち高調整の動きとなった。中盤は3万9260円~3万9420円辺りでの推移をみせていたが、終盤にかけてレンジを下放れ、一時3万9150円まで上げ幅を縮めた。
日経225先物は買い先行で始まったが、買い一巡後は持ち高調整の動きから上げ幅を縮めた。もっとも、ナイトセッションで強い動きをみせたとしても、日中取引ではリバランス一巡後に膠着感が強まる状況が目立っており、想定内の値動きであろう。緩やかながら下値を切り上げる形でのトレンドを形成しているほか、ボリンジャーバンドの+1σが支持線として機能している。節目の3万9000円に接近する局面では、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.51倍に上昇した。寄り付きは14.45倍と、このところの14.30倍~14.40倍辺りでのレンジを上放れて始まり、一時14.52倍までの切り上がりをみせた。米国市場の流れからアドバンテスト <6857.T> [東証P]など値がさハイテク株が買われる一方で、自動車、商社、不動産株の一角が下げており、相対的に日経平均型優位の展開である。9月27日に付けた直近の戻り高値である14.51倍を明確に上放れてくるようだと、NTロングに振れやすくなりそうだ。
昨日のドル円は、欧州時間入り際にかけて香港株などの急落を受けたリスクオフの動きから一時147.35円まで値を下げる場面もみられましたが、その後は米長期金利の上昇につれて次第に下値を切り上げる展開に。一時148.36円まで値を上げました。148.04円まで下押ししたものの、米3年債入札が不調に終わったことから148.38円まで高値を更新。ただ、引けにかけては米長期金利が低下に転じたことから148.17円まで下押ししてNY市場を終えています。
アジア時間に入ってからは148.01円まで値を下げる場面もみられましたが、その後は仲値にかけて本邦実需の買いが観測されると昨日高値の148.38円を上抜けて一時148.43円まで値を上げました。寄付きから520円近い上昇となった日経平均が上げ幅を縮めると148.08円まで下押すなど、狭いレンジ内での神経質な動きが続いているといったところです。
いずれにしても、市場では「今週に入って目立っていた輸出勢の売りが昨日あたりからまとまって出てきていない」との声も聞かれているわけで、目先のドル需給がタイトになってきつつある状況。今週に入ってからの米長期金利の上昇に素直に反応していなかったドル円にとっては、本邦勢の都合に目処がたったのであれば、目先の相場付きにも変化が生じてくるはず。
昨日も本日も前日の高値を更新しながらの神経質な動きではあるものの、根本に流れる相場の方向性に変化はなく、米10年債利回りの水準訂正の動きに、ビハインドザカーブになりつつも、追い付いていくことになりそうです。
本日のロンドン為替市場でユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーによる利下げコメントが目立つなかで上値の重さは継続か。他、NZ準備銀行(RBNZ)の大幅利下げ決定を受け、欧州投資家がNZドルにどのような反応を示すかも注視したい。
昨日はカザークス・ラトビア中銀総裁やバスレ・スロベニア中銀総裁が、来週理事会での利下げに言及。タカ派として知られるナーゲル独連銀総裁も、金利引き下げを認めざるを得ないような口調だった。本日は、昨日「ユーロ圏の弱い景気が物価に及ぼす影響を見極める」と述べたエルダーソンECB専務理事が再び講演予定。
もっともECB利下げはすでにサプライズではないことは確かであり、それが今週ユーロドルの下げ渋りに繋がっているのだろう。ただユーロ圏のインフレ鈍化は顕著であり、欧州金利には更なる低下余地が残されているとも言える。くわえて、9月米雇用統計を受けた「米連邦準備理事会(FRB)の利下げは通常ペース」との見方がドルの支えとなれば、やはり今後、ユーロドルが下値を探る展開はありそうだ。
一方、ユーロNZドルは下げ渋る可能性がある。RBNZは本日、政策金利を5.25%から4.75%に引き下げることを決定した。2会合連続の利下げと下げ幅は市場予想通り。声明では明確なフォワードガイダンスを示さなかったものの、インフレの低下基調も認めていた。大幅利下げを受けて、NZドルは主要通貨に対して売り優勢。欧州投資家の参入後は対ユーロでの動きが相場をリードするかもしれない。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の上限1.1052ドル
・ユーロNZドル、8月19日高値1.8300NZドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の下限1.0934ドル
・ユーロNZドル、10月4日安値1.7741NZドル
(9日15時時点)
ドル円:1ドル=148.59円(前営業日NY終値比△0.39円)
ユーロ円:1ユーロ=163.04円(△0.32円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0973ドル(▲0.0007ドル)
日経平均株価:39277.96円(前営業日比△340.42円)
東証株価指数(TOPIX):2707.24(△8.09)
債券先物12月物:144.15円(▲0.11円)
新発10年物国債利回り:0.930%(△0.010%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。朝方には148.01円まで下げたが、節目の148円割れを死守すると一巡後は本邦実需勢から買いが観測されて148.43円まで切り返した。一巡後は伸び悩む場面があったが、中国財政省が財政政策調整の強化に関して、12日10時から記者会見を行うと発表すると期待感から上海株が下げ幅を縮め、為替市場では円売りが優勢に。一時148.62円まで上値を伸ばした。
・オセアニア通貨は明暗が分かれた。NZ準備銀行(RBNZ)が予想通りながらも政策金利を0.50%利下げすることを決定するとNZドル売りが優勢となり、対ドルでは0.6076米ドル、対円では90.12円まで下落した。
一方、豪ドルは中国に財政政策への期待感から買いが優勢となり、対ドルでは0.6762米ドル、対円では100.41円まで上昇した。
・ユーロ円は底堅い。午前に162.46円まで下落する場面があったが、その後は日本株高を支えに163.07円まで切り返した。
・ユーロドルは弱含み。ドル円の上昇に伴ってユーロ売り・ドル買いが散見され、一時1.0962ドルまで下押しした。
・日経平均株価は反発。昨日の米ハイテク株が上昇したことを受けて半導体関連株を中心に買いが広がり、指数は一時500円超上昇した。中国株の下げ幅縮小も支えとなった。
・債券先物相場は反落。小幅安で寄り付いた後は144.12円まで下落するも、手掛かり材料に乏しい中では売りの勢いは続かず。その後は動意の薄い展開が続いた。
衆院解散を受けて、石破首相が午後7時半から記者会見を行うと複数のメディアが伝えた。
イランのアラグチ外相はイスラエルや地域の危機に関して協議するためサウジアラビアに出発したと一部通信社が伝えた。
「歴史は繰り返さない、韻を踏む… 統計的な規則性というのは、経済的なルールではない」
(パウエルFRB議長)
米国経済の「ハード・ランディング」、すなわちリセッション(景気後退)の到来に警鐘を鳴らしてきた「サーム・ルール」に対して、米国経済の「ソフト・ランディング」を見込んでいるパウエルFRB議長は懐疑的である。議長は、サーム・ルールは「統計的規則性」であり、「経済法則」ではない、と一蹴している。
サーム・ルールは、7月が0.53%、8月は0.57%、9月も0.50%と、リセッション入りを警告している。
しかし、失業率は7月が4.3%、8月が4.2%、9月は4.1%と低下基調にあるため、サーム・ルールに対する懐疑的な見方が強まっている。
1. サームルール景気後退指標(SRI:Sahm Rule Recession Indicator)
失業率の3ヵ月平均と過去1年間での最低水準の差が0.5ポイント以上なら、1年以内に景気後退入りする。
■考案者:クローディア・サーム氏(Claudia Sahm)
元FRB(連邦準備制度理事会)の消費者・地域社会部門の課長で家計経済と意思決定に関する調査を監督していたエコノミストのクローディア・サーム氏(Claudia Sahm)が、景気後退に陥った個人への景気刺激策を自動的に開始する方法として開発した景気後退の初期シグナル。
■算出法
1)失業率の直近3カ月移動平均-過去12カ月間の3カ月平均の最低値(セントルイス連銀)
2)失業率の直近3カ月移動平均-過去12カ月間の最低値(サーム氏)
2.好調な米国経済
4-6月(第2四半期)の実質国内総生産(GDP)成長率(確定値)は、年率換算で前期比+3.0%だった。
そして、アトランタ連銀の「GDPナウ」によると、7-9月(第3四半期)の予測は現時点(※10月8日)で+3.2%となっている。
また、経済活動を所得面から測る国内総所得(GDI)は、第2四半期は+3.4%、第1四半期は+3.0%だった。
経済活動を判断する上でより良い指標とされるGDPとGDIの平均は、第2四半期は+3.2%、第1四半期は+2.3%だった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
ニュージーランド準備銀が利下げを加速、NZドル相場の行方は?
米ドル高一服に加え、RBNZのハト派姿勢が上値を抑える展開となる可能性は高まっている
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は9日の定例会合で政策金利を50bp引き下げて4.75%とする決定を行った。同行は8月の前回会合でコロナ禍後初の利下げに動き、2会合連続の利下げに加えて利下げ幅を拡大させるなどハト派姿勢を強めている。足下の景気は力強さを欠く推移が続き、雇用も頭打ちの動きを強めるなか、同行は先行きのインフレが目標域に収束するとの見方を示す。その上で、今回の会合では25bpと50bpの利下げを検討したが、50bpの利下げが政策目標に合致するとともに、短期的なサプライズへの対応余地もあるとの見解を示している。先行きは経済動向次第としているが、8月会合時点に比べてハト派姿勢を強めていることは間違いない。NZドルの対米ドル相場は米ドル安を反映して底入れしたが、足下では頭打ちに転じており、当面は中銀のハト派姿勢が重石になるほか、日本円に対しても同様の展開が続くであろう。
英銀行は政府に対して、繰延ボーナス(銀行員のボーナスの一部を数年間にわたって支払いを延期する制度)とクローバック(不正行為や業績悪化などの際に、すでに支払われたボーナスの返還を求める制度)の緩和を要求していると一部通信社が伝えた。
これらの規制は2008年の金融危機後に導入され、銀行員の過度なリスクテイクを抑制し、長期的な業績を重視させる目的があったが、銀行側はこれらの規制が人材確保や競争力の面で不利に働いていると主張し、規則の緩和を求めている。
大阪12月限
日経225先物 39290 +330 (+0.84%)
TOPIX先物 2708.0 +4.5 (+0.16%)
日経225先物(12月限)は前日比330円高の3万9290円で取引を終了。寄り付きは3万9410円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9375円)を上回り、買い先行で始まった。現物の寄り付き時には、一時3万9490円まで上げ幅を広げる場面もみられた。ただし、ナイトセッションで付けた高値(3万9520円)を捉えることができず、買い一巡後は持ち高調整の動きとなった。前場中盤は3万9260円~3万9420円辺りでの推移をみせていたが、前場終盤にかけてレンジを下放れ、ランチタイムで一時3万9130円まで上げ幅を縮めた。
後場に入り、中国財政省が財政刺激策について12日に記者会見を開くと海外メディアが報じた。これを材料視したロングが入り、後場中盤には3万9410円まで買われ、寄り付き水準を回復。しかし、スキャルピング中心のトレードのなか、終盤にかけては持ち高調整の動きが優勢となり、3万9290円で取引を終えた。
日経225先物は買い先行で始まったが、買い一巡後は方向感をつかみづらくさせた。もっとも、ナイトセッションでの変動幅が大きい一方、日中取引ではリバランス一巡後に膠着感が強まる状況が目立っており、想定内の値動きであろう。ボリンジャーバンドの+1σが支持線として機能しているほか、緩やかながら下値を切り上げる形でトレンドを形成しており、+1σに接近する局面では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
なお、週足のボリンジャーバンドのバンドは収斂をみせており、3万9240円辺りまで下がってきた+1σ水準では強弱感が対立しやすい。下値は26週移動平均線が3万8160円に位置しているため、同線が支持線として意識されやすいところである。週末の終値の段階で+1σを上回って終えられるかが注目されそうだ。
そのため、オプション権利行使価格の3万9250円を中心とした、上下の権利行使価格3万9000円から3万9500円のレンジを想定する。9日に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨や、10日発表の9月の米消費者物価指数(CPI)を受けた米国市場の影響を受けることになるが、現在の緩やかなリバウンドのなかではショートは控えておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.50倍に上昇した。寄り付きは14.45倍と、このところの14.30~14.40倍辺りのレンジを上放れて始まり、一時14.53倍まで切り上がりをみせた。米国市場の流れからアドバンテスト <6857.T> [東証P]など値がさハイテク株が買われる一方で、自動車、商社、不動産株の一角が下げており、相対的に日経平均型優位の展開である。リバランスが中心とみられるものの、9月27日に付けた直近の戻り高値である14.51倍を明確に上放れてくると、NTロングに振れやすくなりそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万4740枚、ソシエテジェネラル証券が1万0168枚、サスケハナ・ホンコンが3772枚、ゴールドマン証券が2718枚、JPモルガン証券が1689枚、野村証券が1651枚、バークレイズ証券が1633枚、SBI証券が1477枚、auカブコム証券が1059枚、松井証券が898枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万7016枚、ソシエテジェネラル証券が1万1391枚、バークレイズ証券が2766枚、JPモルガン証券が2447枚、サスケハナ・ホンコンが2267枚、ビーオブエー証券が2074枚、ゴールドマン証券が1928枚、モルガンMUFG証券が1885枚、野村証券が902枚、UBS証券が674枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、明日発表される米9月消費者物価指数(CPI)を控えて動きづらい展開が予想される中、好調な雇用情勢が示された米9月雇用統計を受けて、複数のFRB高官の講演での11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅への言及に注目する展開が予想される。
また、0.50%の大幅利下げを決定した9月FOMC議事要旨では、大幅利下げの理由やドット・プロット(金利予測分布図)で示された2024年末のFF金利誘導目標(4.25~50%)が示唆する11月と12月のFOMCでの0.25%の追加利下げの背景を見極めることになる。
本日は、ボスティック米アトランタ連銀総裁、ローガン米ダラス連銀総裁、グールズビー米シカゴ連銀総裁の発言が予定されており、年末に向けた利下げ幅への言及に注目しておきたい。
本日はオースティン米国防長官とイスラエルのガラント国防相が、イランがイスラエルを弾道ミサイルで攻撃したことへの反撃を巡り協議する予定となっていたが、イスラエル側の申し入れにより延期された。
しかし、バイデン米大統領とネタニヤフ・イスラエル首相との電話会談が行われると報じられており、要注目か。
中東の戦禍が拡大した場合、「オクトーバー・サプライズ」への警戒感が高まるため、今後も関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、149.39円(8/15高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、147.35円(10/8安値)
今晩はFOMC議事要旨に注目。昨日は前日の株価下落の要因となった原油高や米債利回りの上昇が一服したことで主要3指数がそろって反発した。前日に398ドル安となったダウ平均は126.13ドル高(+0.30%)と反発し、S&P500も0.97%高となり、終値の過去最高値まで0.20%に迫った。ハイテク株主体のナスダック総合は1.45%高と大幅反発し、ダウ平均やS&P500をアウトパフォーム。半導体のエヌビディアが4.1%高、ブロードコムが3.23%高となったほか、アップル、メタ、テスラも1.5%超上昇した。
今晩の取引では先行きの金融政策の見通しを巡り、取引時間午後に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨に注目が集まる。9月17日-18日に開催されたFOMCでは0.50%の大幅利下げが決定されたが、議論の内容から大幅利下げの理由や、年内の追加利下げのヒントを探ることになる。
今晩の経済指標・イベントはFOMC議事要旨のほかMBA住宅ローン申請指数、8月卸売在庫など。このほか、ボスティック米アトランタ連銀総裁、ローガン米ダラス連銀総裁、グールズビー米シカゴ連銀総裁の講演なども予定されている。主要な企業の決算発表はなし。
SMBC日興証券では、2024年8月の経常収支を受けてリポートしている。8月の経常収支は原数値ベースで3.8兆円となり、7月の3.2兆円から黒字が拡大。単月ベースでは遡及可能な1996年以降で過去最大を記録したとのこと。第一次所得収支の黒字拡大が全体のけん引役となった。経常収支の黒字額は2023年度に24.4兆円となり、前年度の8.7兆円から大幅に拡大した。足元で第一次所得収支の拡大基調が強まる中、2024年度の経常黒字も高水準の推移が続く可能性があると、SMBC日興では考えている。
国務院新聞弁公室は9日、現地時間の10月12日午前10時に報道機関向け発表会を開くと発表した。財政部の藍仏安部長が出席し、「カウンターシクリカル(景気変動を抑える)な財政政策の強化と経済の質の高い成長の推進」について説明する予定。記者の質問にも応じるとした。
中国当局は銀行融資に適していると認めた不動産プロジェクト一覧の「ホワイトリスト」を拡大するもようだ。中国経済ニュースサイト『証券時報網』は9日、住宅都市農村建設部と国家金融監督管理総局が先ごろ、住宅建設と引き渡しを支援する政策の全国ビデオ会議を開いたと伝えた。同会議は、中国共産党中央政治局が9月26日に開いた会議で決めた方針の下、各地方政府に対し、都市不動産融資協調制度(通称ホワイトリスト制度)の作用を一段と発揮させ、住宅引き渡しを後押しし、不動産市況をできるだけ早期に底入れさせる有効な措置をとるよう指導した。
都市不動産融資協調制度の下、各地方政府は「ホワイトリスト」を銀行に示し、このリストに基づいて銀行が住宅建設プロジェクトに対する融資の可否を審査する仕組み。住宅都市農村建設部と国家金融監督管理総局は全国ビデオ会議で、同制度の成果を広げ、債務超過プロジェクトの司法処理を加速し、住宅引き渡しの年度目標を全力で達成すると同時に、商品住宅在庫の消化と遊休土地の処理作業に取り組むよう関連部局に指示した。
同会議はさらに、「ホワイトリスト」対象プロジェクトのチェックと推進、問題のあるプロジェクトの修復と融資強化により、不動産プロジェクトの合理的な資金需要に応える必要があると強調。「ホワイトリスト」の対象範囲を拡大し、規定をみたす不動産プロジェクトはできる限り同リストに収載することを指示。また、金融機関が優先的な手続きと迅速な対応を行うグリーンチャネルを設置し、プロジェクトの深度に応じてタイムリーに資金を貸し出すよう求めた。
みずほ証券では日本株に関して、目先は石破首相が掲げていた金融所得課税の強化や法人税増税への警戒が重荷になると考えている。一方、石破政権が増税を見送る、あるいは国内企業の中間決算発表で業績見通しの上方修正や株主還元の発表が増加すれば、日経平均株価は戻り売りをこなして再び4万円台に乗せるとみている。米国経済の軟着陸や中国経済の底入れ観測の強まりなども、日経平均株価が4万円台を回復するきっかけになると考えている。
日経平均株価は大幅反発。ただ、340円高と前日の下げ分(395円安 10/8)の大半を戻した程度の上昇にとどまり、ローソク足では陰線を形成した。5日移動平均線(38947円 10/9)上をキープしながらの一進一退が続いている。
RSI(9日)は前日の57.2%→52.6%(10/9)へ低下。9/2の戻り高値は既に超えており、8/5安値を起点とした上昇二段上げ目に入ったことを確認した。当面の重要な上値水準となるのは7/18の下げで開けたマド上限(41054円)となる。
上値メドは、9/27高値(39829円)、心理的節目の4万円、7/17安値(41054円)、心理的節目の42000円、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、75日移動平均線(38290円 同)、心理的節目の38000円、200日移動平均線(37959円 同)や25日移動平均線(37653円 同)などがある。
米財務省によると、10年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.066%、応札倍率(カバー)が2.48倍となった。
(9日終値:10日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.16円(9日15時時点比△0.57円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.15円(△0.11円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0939ドル(▲0.0034ドル)
FTSE100種総合株価指数:8243.74(前営業日比△53.13)
ドイツ株式指数(DAX):19254.93(△188.46)
10年物英国債利回り:4.180%(▲0.004%)
10年物独国債利回り:2.257%(△0.014%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月独貿易収支
225億ユーロの黒字 169億ユーロの黒字・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は堅調。米利下げペースが緩やかになるとの見方が広がる中、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.0706%前後と7月31日以来の高水準を記録すると円売り・ドル買いが先行。中国の財政政策に対する期待感や堅調な欧州株を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ドル買いが活発化し、7日の高値149.13円を上抜けて一時149.30円まで上値を伸ばした。なお、市場では「8月16日の高値149.35円や15日の高値149.39円がレジスタンスとして意識されている」との声が聞かれた。
・ユーロドルは弱含み。ユーロ圏景気への懸念から、欧州中央銀行(ECB)が17日の定例理事会で追加利下げを決めるとの観測が引き続きユーロの重しとなった。米長期金利の上昇を背景にユーロ売り・ドル買いが優勢になると、2時30分前に一時1.0937ドルと日通し安値を更新した。
なお、ビルロワドガロー仏中銀総裁は「ECBは来週、利下げの可能性が非常に高い」と述べたほか、カジミール・スロバキア中銀総裁は「次回利下げの可能性を排除することはできない」などと発言。また、カザークス・ラトビア中銀総裁は「経済が弱いため利下げは必要」などと語った。
・ユーロ円は底堅い動き。日本時間夕刻に一時162.39円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。1時前には163.46円と日通し高値を更新した。ドル円の上昇につれた買いが入ったほか、欧米株高を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いが出た。
・ロンドン株式相場は反発。前日の米国株や本日の日本株相場の上昇を受けて英株にも買いが波及した。中国当局が12日に財政政策関連で記者会見を開くと伝わり、追加政策への期待から買いが入った面もあった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、バークレイズなど金融株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発。前日の米国株や本日の日本株相場の上昇を受けて独株にも買いが波及した。中国の政策期待が投資家心理を支えた面もあった。個別ではコンチネンタル(7.23%高)やハイデルベルク・マテリアルズ(2.61%高)、インフィニオン・テクノロジーズ(2.44%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
9日の日経平均は大幅反発。終値は340円高の39277円。米国株高を受けて大きく水準を切り上げて始まり、開始直後には上げ幅を500円超に拡大。節目の39500円には届かず早々に上値が重くなると、しばらく上げ幅を縮める流れが続いた。11時台にTOPIXは下げに転じ、日経平均も前場は安値圏で終了。一方、後場に入るとTOPIXが盛り返したことから、日経平均も前引けからは上げ幅を広げ、300円を超える上昇で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆6400億円。業種別では精密機器、小売、サービスなどが上昇した一方、鉱業、保険、電気・ガスなどが下落した。持分法適用関連会社を通じてライトオン<7445.T>にディスカウントTOBを仕掛けたワールド<3612.T>が大幅上昇。半面、ライトオンは急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり886/値下がり720。米エヌビディアの大幅高を好感して、レーザーテックやアドバンテストが大幅上昇。買収提案に関する観測を材料にセブン&アイが買いを集めた。キーエンス、リクルート、メルカリなどグロース系の主力銘柄が2%台の上昇。イオン系企業の決算が複数出てくる中、イオンディライトが急伸して年初来高値を更新した。ゼンショーHD、松屋フーズ、F&LCなど、外食株に動きの良いものが散見された。
一方、原油安を嫌気してINPEXが3%安。三井物産や三菱商事など商社株も弱かった。米長期金利の低下を嫌気して東京海上やMS&ADなど保険株が軟調。円安一服に対する警戒からホンダや日産自動車など自動車株が敬遠された。決算が市場の期待に届かなかったイオンモールやイオンFSが大幅安。セブン&アイが買収絡みのニュースで人気化する中、セブン-イレブン向けの中食事業を展開するわらべや日洋は、通期見通しの引き下げを発表して急落した。
日経平均は大幅高。上に値幅が出た割には下落銘柄が結構多く、きょうは主力大型株に引き上げてもらった上昇と言える。それでも、きのう割り込んだ節目の39000円をきょうは寄り付きから大きく上回っており、こういった動きが出てくると売りは仕掛けづらくなる。東京市場は翌週月曜が休場のため、あすは大幅安だけは回避したい局面。あす大きく崩れてしまうと、金曜11日は市場の空白が警戒されて売りが出やすくなる。
本日、米国では9月開催のFOMC議事要旨が公表される。9月のFOMCでは0.50%の大幅利下げが決定されており、FRBは物価高の抑制にはかなりの自信を持っていると考えられる。その辺りを確認して本日の米国株が上昇するようなら、その後に出てくる米9月消費者物価指数(10日)や9月生産者物価指数(11日)も、株高を呼び込む材料になるとの期待が高まる。今週は米CPIやファーストリテイリング<9983.T>、セブン&アイ<3382.T>などの決算を消化する11日が重要な1日となるが、その前日である10日を無難に消化できるかに注目したい。
(9日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.31円(前営業日比△1.11円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.31円(△0.59円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0939ドル(▲0.0041ドル)
ダウ工業株30種平均:42512.00ドル(△431.63ドル)
ナスダック総合株価指数:18291.62(△108.70)
10年物米国債利回り:4.07%(△0.06%)
WTI原油先物11月限:1バレル=73.24ドル(▲0.33ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2626.0ドル(▲9.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲5.1% ▲1.3%
8月米卸売売上高
(前月比) ▲0.1% 1.1%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続伸。米利下げペースが緩やかになるとの見方が広がる中、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.0765%前後と7月31日以来の高水準を記録すると円売り・ドル買いが先行。中国の財政政策に対する期待感や米国株高を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ドル買いが活発化し、7日の高値149.13円を上抜けて一時149.36円と8月15日以来の高値を更新した。
なお、米連邦準備理事会(FRB)が公表した9月17日-18日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では「大多数の当局者が0.50%の利下げを支持」「一部の当局者が0.25%の利下げを支持した」ことが分かった。会合ではボウマンFRB理事が0.25%の利下げを主張し反対票を投じたものの、慎重な意見は1人だけでなく複数の参加者からあがっていたことが明らかになった。
・ユーロドルは3日ぶりに反落。ユーロ圏景気への懸念から、欧州中央銀行(ECB)が17日の定例理事会で追加利下げを決めるとの観測が引き続きユーロの重し。米長期金利の上昇を背景にドル買いが優勢になると、3時過ぎに一時1.0936ドルと8月13日以来の安値を更新した。
なお、ローガン米ダラス連銀総裁はこの日、「インフレの上振れリスクが依然現実的で経済見通しを巡りかなりの不確実性がある中、今後はより緩やかな利下げが適切」との見解を示したと伝わった。
・ユーロ円は続伸。ドル円の上昇につれた買いが入ったほか、米国株高を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いが出た。1時前には163.46円と日通し高値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。中東情勢を巡る懸念は根強いものの、WTI原油先物相場が続落すると投資家心理が改善し主力株中心に買いが入った。中国当局が12日に財政政策関連で記者会見を開くと伝わり、追加政策への期待から買いが入った面もある。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続伸し、7月16日以来約2カ月半ぶりの高値で取引を終えた。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。米大幅利下げ観測が後退する中、売りが優勢になると、利回りは一時4.0765%前後と7月31日以来の高水準を付けた。
なお、9月17日-18日分のFOMC議事要旨では「一部の当局者は0.25%の利下げが望ましいとの考えを示していた」ことが分かったものの、相場の反応は限定的だった。
・原油先物相場は続落。米石油協会(API)が発表した米原油在庫が予想より大幅に増加したことや米エネルギー情報局(EIA)が2025年の世界の石油需要見通しを引き下げたことを背景に売りが先行した。
EIAが発表した週間在庫統計では原油在庫が予想以上に増加したものの、ガソリンとディスティレート(留出油)は予想以上に減少し、発表後に下げ幅を縮小する場面が見られた。
・金先物相場は4日続落。10日に9月米消費者物価指数(CPI)、11日に9月米卸売物価指数(PPI)の発表を控え、積極的な取引は控えられたが、為替相場でドル高が進んだことや米長期金利の上昇を重しに売りに押された。
9日05:42 コリンズ米ボストン連銀総裁
「コアインフレは2025年に2%に戻ると予測」
9日08:38 ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長
「雇用とインフレの目標は概ね均衡している」
「インフレ率は引き続き2%へ向かうと予想」
「会合ごとに金利調整にアプローチすることになる」
9日14:52 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「仏経済には回復力がある」
「ECBの利下げは非常に不確実だが、最後ではないだろう」
「欧州中央銀行(ECB)、来週の利下げの可能性は非常に高い」
9日16:27 東京証券取引所
「現物市場の取引時間30分延伸、予定通り11月5日から稼働」
9日17:34 カジミール・スロバキア中銀総裁
「10月会合での利下げの可能性を排除することはできない」
「10月の利下げについて、メディア報道ほど確信していない」
「現時点では、ECBが2%のインフレ目標を下回ることを心配していない」
9日18:08 ウンシュ・ベルギー中銀総裁
「ECB、10月の利下げ必要か現時点で不明」
「成長率は低いがインフレ率はまだ高過ぎ、地政学的な緊張がエネルギー価格を押し上げている」
9日18:21 カザークス・ラトビア中銀総裁
「経済が弱いため利下げは必要」
「2025年にインフレ率が2%になれば、ECBの金利は中立水準まで下がる可能性」
「今回は日本創生解散」
「自民党、公明党で過半数を目指したい」
「国民の納得と共感なしに前に進めない」
「個人消費上がらないとデフレ脱却はない」
9日22:16 ローガン米ダラス連銀総裁
「インフレと雇用は目標達成の射程圏内」
「金利正常化に向けて、より緩やかな道筋を支持」
「経済見通しには重大な不確実性が残る」
「労働市場は引き続き健全だが、下振れリスクが増大」
「インフレ抑制は広範囲に進展している」
「インフレが2%超で推移する重大なリスクを認識」
9日22:19 マクルーフ・アイルランド中銀総裁
「ECBは2025年第4四半期に2%のインフレ目標を達成する見込み」
「サービスインフレと賃金上昇は不確実性をもたらす」
10日02:07 ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長
「FRBは会合ごとに決定を下す」
「米労働市場の冷え込みは秩序だっている」
「基調的な傾向はインフレが2%に向かって低下」
「責務のリスクはほぼ均衡」
10日03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月17日-18日分)
「大多数の当局者が0.50%の利下げを支持」
「委員会はインフレが目標の2%に向けて持続的に進んでいるというより大きな確信を得た」
「雇用とインフレ目標に対するリスクは現在、ほぼ均衡しているとみられる」
「経済活動は堅調なペースで拡大、雇用増加は鈍化しているが失業率は低いまま」
「インフレはさらに進展したが、依然としてやや高い」
「大半の当局者はインフレ見通しに対するリスクは均衡しているとみている」
「一部の当局者はインフレが依然として高く、成長が堅調であることを挙げ、0.25%の利下げを主張」
「データが予想通りに進展すれば、時間の経過とともにより中立的な政策スタンスに移行すると予想」
「委員会は追加の調整のため、データを慎重に評価する」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 9月企業物価指数(予想:前月比▲0.3%/前年比2.3%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
<海外>
○06:30 ◎ コリンズ米ボストン連銀総裁、講演
○07:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○08:01 ◇ 9月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格(予想:4)
○15:00 ◎ 9月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%/前年比3.2%)
○15:00 ◎ 8月独小売売上高
○16:00 ◇ 8月トルコ失業率
○16:00 ◇ 8月トルコ鉱工業生産
○20:30 ☆ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(9月12日分)
○21:00 ◎ 8月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比3.6%)
○21:30 ☆ 9月米CPI(予想:前月比0.1%/前年比2.3%)
☆ エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比3.2%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.0万件/183.0万人)
○22:15 ◎ クック米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○23:30 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○24:00 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○11日02:00 ◎ 米財務省、30年債入札
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は149.36円と8月15日以来の高値を更新した。ユーロドルが1.0936ドルと8月13日以来の安値を更新。米利下げペースが緩やかになるとの見方が広がる中、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.0765%前後と7月31日以来の高水準を記録し、ドル買いを促した。
本日のドル円も引き続き買い場探しとなるだろうが、米国時間に9月消費者物価指数(CPI)が発表されることで、大きなリスクを取りにくい地合いになりそうだ。
先週発表された9月米雇用統計以後、米長期債利回りは上昇傾向を辿り、ドルは底堅さを維持している。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、11月6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ予想は7割程度まで縮小し、据え置き予想が3割弱まで拡大した。
本日発表される米CPIが市場予想を上回れば、次回FOMCへの据え置き見込みが更に高まり、年末までの利下げ予想幅が現時点の0.50%から0.25%まで低下することも考えられる。一方、もし米CPIが予想よりも低下した場合には、ドルの頭を抑える要因になる。しかし、雇用統計後のトレンドは米金利上昇とドル買いが優勢となっていることもあり、市場の反応が大きくなるのはCPIが予想よりも上回った場合か。
ドル買い・円売りの流れが続いているが、この流れを止める可能性があるのは、変節を繰り返す石破首相の言動か。現在のドル円上昇の要因は、米国の経済指標の好結果によるところが一つだが、石破首相が先週「現在は追加利上げをするような環境にはない」と発言したことも発端ではある。
「石破ショック」と呼ばれるほど本邦株式市場が急落したことで、株価下落を食い止めて総選挙を優位に戦おうとの思惑が「利上げ否定」発言に結び付いたのだろうが、同時に円安を促進してしまった。円安の進行は早く、7月の日銀政策決定会合後の戻り高値150.89円も視野に入ってきた。「利上げ否定」発言の副作用が大きく、与党にとっては総選挙への悪影響を懸念する声も出てきそうだ。この円安の流れを止めるために、石破首相が再び選挙対策のために円相場へ口先介入を行うリスクが出てくるかもしれない。
なお本日は、9月企業物価指数が発表される。8月輸入物価指数(速報値)は円高が進行したこともあり、前年比+2.6%と7月+10.8%から大幅に低下した。9月も円高水準を維持していたことで、輸入物価指数が急速に再び上昇するとは考えにくい。ただし今後、円安基調に戻った10月の同指数が高まれば、石破政権にとっては「利上げ否定」発言に対する責任論も出てくるだろう。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39690 +400 (+1.01%)
TOPIX先物 2728.0 +20.0 (+0.73%)
シカゴ日経平均先物 39665 +375
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
9日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。NY原油先物相場の上昇が一服するなか、米経済はソフトランディング(軟着陸)可能との見方から前日同様、アップル<AAPL>やアマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>など大型テック株の一角が買われた。また、スピンオフ計画が伝わったハネウェル<HON>やキャタピラー<CAT>など景気敏感株にも買いが広がり、NYダウは3営業日ぶりに、S&P500指数は9月30日以来の最高値を更新した。
9月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表され、0.5%の大幅利下げに対して、一部の当局者は0.25%の利下げの考えを示していたことが分かった。ただ、利下げ自体は適切だとして、大多数が大幅な利下げを支持したようだ。この議事要旨公表後の市場の反応は限られ、高値圏での推移が続いた。S&P500業種別指数はテクノロジー・ハード・機器、食品・生活必需品小売、消費者サービスが上昇した一方で、公益事業、自動車・同部品、メディアが下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比375円高の3万9665円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比120円安の3万9170円で始まり、寄り付き直後につけた3万9150円を安値に持ち直し、3万9240円~3万9350円辺りで保ち合いを継続。米国市場の開始直後からロングの勢いが強まり、中盤にかけて3万9690円まで買われた。買い一巡後に3万9540円辺りまで上げ幅を縮める場面もみられたが、終盤にかけて再び強含むと3万9700円まで買われ、3万9690円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。上向きで推移するボリンジャーバンドの+1σ(3万8890円)と+2σ(4万0200円)とのレンジ内での値動きとなった。下値を切り上げる形でのトレンドを継続しており、+1σから上放れつつある。10日に発表される9月の米消費者物価指数(CPI)を控えていることもあり、買い一巡後は膠着感が強まる可能性が高そうだが、4万円の大台回復が射程に入ってきた。
昨日は米ハイテク株高の流れからアドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引する一方で、リバランスとみられる動きにより自動車、商社、不動産株の一角が弱い値動きだった。米国ではハイテク株に加えて景気敏感株にも買いが広がっていたほか、為替市場では円相場が1ドル=149円台と円安に振れて推移していることもあり、TOPIX型への買いも意識されそうである。
日経225先物は週足のボリンジャーバンドの+1σ(3万9310円)を上回ってきた。同水準が支持線として機能する可能性があるため、オプション権利行使価格の3万9375円から3万9875円のレンジを想定する。CPIの結果待ちで4万円の大台回復を意識した積極的なロングは限られそうだが、ショートカバーを誘う可能性があるため、レンジ上限に接近する局面でもショートは避け、押し目狙いのロング対応となろう。
また、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ<BRK.B>は10日、今年2回目の円建て債を起債する。日本株への投資拡大が意識されることもショートを仕掛けづらくさせそうだ。
なお、9日の米VIX指数は20.86(前日は21.42)に低下した。ただし、依然として不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を上回っている。引き続き9月6日に付けた直近の戻り高値である23.76が射程に入っているほか、中東情勢に振らされやすい面があることには注意しておきたい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.50倍に上昇した。寄り付きは14.45倍と、このところの14.30~14.40倍辺りのレンジを上放れて始まり、一時14.53倍までの切り上がりをみせた。相対的に日経平均型優位の展開だったが、本日はTOPIX型にも買いが入る可能性があり、9月27日に付けた直近の戻り高値である14.51倍を明確に上放れてくるかを見極めたいところである。
昨日の海外市場では、米長期金利の上昇につれてドル全般が買われる展開。ドル円は週初から目立っていた本邦輸出勢の3月期末を意識した為替予約玉にある程度の目処がたったこともあって、戻り売りのフローが極端に減少するなか、素直に上値を試す動き。7日の高値149.13円を上抜けて一時149.36円まで値を上げることになりました。ユーロドルもきれいなかたちでダブルトップを形成したとあって、8日に戻り高値を、ネックラインの9月11日安値1.1002ドル手前の1.0997ドルで確認すると、一目雲下限手前まで値を下げることになりました。アジア市場に入ってからは、今夜の米CPIや米新規失業保険申請件数など重要指標を控えて、様子見に終始しているといったところです。
いずれにしても、昨日のFOMC議事要旨でも明らかになったように、ほとんどのメンバーが50bp利下げを支持したものの、25bpの方がより適切だと認識しているメンバーも複数いたわけで、この状況はドットチャートの分布状況をみても明らか。景況感がかなり強めとなっているなか、先週末のパウエルFRB議長を逆の意味でリグレットさせることになる可能性を高めた9月米雇用統計を受けて、市場では米金融政策に対する期待値の修正が行われているところ。米長期金利の水準訂正が進むなかにあって、本日も米イベントをしっかりと見極めることになりそうです。
ドル円は、8月15日の高値149.39円、ユーロドルは一目雲下限の1.0934ドルといった、チャート上でのビッグポイントが意識されています。
日経225先物は11時30分時点、前日比110円高の3万9400円(+0.27%)前後で推移。寄り付きは3万9690円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9665円)を上回り、買い先行で始まった。ただし、寄り付き直後に付けた3万9700円を高値に持ち高調整の動きが優勢となり、中盤にかけては3万9500円を挟んだ狭いレンジで推移。終盤にかけてレンジを下放れる形となり、一時3万9380円まで軟化した。
日経225先物は買い先行で始まったが、前日同様、買い一巡後は持ち高調整の動きから上げ幅を縮めた。もっとも、ナイトセッションで大きく変動をみせても、日中取引ではリバランス一巡後に膠着感が強まる状況が目立っており、9月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあって、想定内の値動きであろう。前場終盤にかけて軟化しているが、短期的なリバランスは一巡していると考えられ、ランチタイムで底堅さがみられるようだと後場は押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.52倍に上昇した。小動きであるが一時14.54倍までの切り上がりをみせた。若干ながら9月27日に付けた直近の戻り高値である14.51倍を上回って推移しており、明確に上放れてくるようだと、NTロングに振れやすくなりそうだ。もっとも、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]は弱く、トレンドは出にくい。
本日のロンドン為替市場でもユーロドルは、下値への警戒感が保たれた値動きか。欧州昼過ぎには、先月に利下げが決定された欧州中央銀行(ECB)理事会の議事要旨が公表される。来週には追加利下げ予想が高まっているECB理事会を控えており、材料視される可能性は低い。ただ、昨日は約2カ月ぶりの安値圏まで弱含んだユーロドルであり、ハト派の文言を探しながら取引きされそうだ。
本日のメインイベントは、欧州午後(ニューヨーク序盤)に発表される9月米消費者物価指数(CPI)。ヘッドラインインフレは前月比・前年比ともに前回からの鈍化が見込まれている。ただし、米労働市場の強さが確認された後なので、予想通りの減速程度では米金利に低下圧力はかからないのではないか。
その米国について一部通信社が昨日、米連邦準備理事会(FRB)が来年にも利上げに転じる可能性を報じた。米国大統領候補のトランプ氏とハリス氏のどちらが当選したとしても、インフレ加速に繋がる政策を訴えていることがその理由。選挙結果は11月初旬、大統領就任は来年1月だが、相場は思惑が先行するものであり、ユーロドルは下サイドへのバイアスが強まりやすくなるだろう。
他、欧州朝には9月ノルウェー消費者物価指数(CPI)が発表される。前月比・前年比ともに前回から上振れし、前年比は4カ月ぶりの3%台まで加速見込み。9月会合でノルウェー中銀は年内利下げなしを示唆しており、本日はそれを確認することになるか。しかしながらCPIが想定以上に強かった場合、来年第1四半期に利下げとの見方が後退し、ノルウェー・クローネ(NOK)相場は乱高下するかもしれない。
想定レンジ上限
・ユーロドル、8日高値1.0997ドル
・ノルウェー・クローネ(NOK)円、7月30日高値14.13円
想定レンジ還元
・ユーロドル、200日移動平均線1.0875ドル
・ノルウェー・クローネ(NOK)円、1日安値13.49円
(10日15時時点)
ドル円:1ドル=149.25円(前営業日NY終値比▲0.06円)
ユーロ円:1ユーロ=163.26円(▲0.05円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0938ドル(▲0.0001ドル)
日経平均株価:39380.89円(前営業日比△102.93円)
東証株価指数(TOPIX):2712.67(△5.43)
債券先物12月物:143.90円(▲0.25円)
新発10年物国債利回り:0.955%(△0.025%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月企業物価指数
前月比 0.0% ▲0.2%
前年同月比 2.8% 2.6%・改
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
6967億円の取得超 558億円の処分超・改
対内株式
9193億円の取得超 7676億円の所得超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は方向感がない。午前に149.01円まで小幅に下押ししたが、本日は5・10日(ゴトー日)とあって仲値にかけて買いが観測されたほか、午後に入ると一段と買いが強まり8月15日高値の149.39円を上抜けて149.55円まで値を上げた。ただ、一巡すると利食い売りに押される形で149.09円付近まで押し戻された。
・ユーロ円も方向感が定まらない。総じてドル円につれた動きとなり、序盤に163.01円まで下げた後163.61円まで反転したが、その後は163円台前半まで失速している。
・ユーロドルはこう着。東京市場では目立った動意は見られず、1.0937-46ドルの狭いレンジ取引となった。
・日経平均株価は続伸。昨日の米国株が上昇したことを好感して買いが先行し、指数は一時300円超高まで上昇した。もっとも、一巡後は利食い売りなどが持ち込まれたため、後場には一時上げ幅を消す場面もあった。
・債券先物相場は続落。昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで売りが優勢となった。5年債入札を無難に通過したことで下げ渋る場面があったが戻りは鈍く、取引終了前には143.91円まで下落した。
「イスラエルを地上の地図から抹殺してしまえ」
(イランのマフムード・アフマディネジャド元大統領:2010年9月国連総会)
2024年11月5日の米大統領選挙を控えた10月の「オクトーバー・サプライズ」として、イスラエルとイランの軍事衝突の激化、すなわち、第5次中東戦争の可能性が挙げられる。
しかしながら、現状の株式・債券・為替市場は平穏に推移しており、リスクの兆候は見受けられないため、杞憂に過ぎないのだろうか。
1.イラク原子炉爆撃(バビロン作戦:1981年6月7日)
1981年当時、イスラエルは1960年代からフランスの協力により核開発を行い、多くの核兵器を保有していた。
イラクのフセイン政権は、イスラエルが核兵器を保有しているという情報を受けて、対抗措置として核武装を目指し、表面的には、将来の石油資源枯渇を見据えた原子力開発とした。
イスラエルは、イラクのオシラク原子炉が稼働して核武装した後に攻撃すれば、中東地域に「死の灰」が拡散するため、「先制的自衛権」を理由にして爆撃することを決定した。
1981年6月7日午後4時、米国製「F-16戦闘機」8機がシナイ半島東部エツィオン空軍基地から飛び立ち、サウジアラビアを領空侵犯してイラク領内に侵入して、5時30分前にオシラク原子炉に到達して空爆して破壊した。
F-16のパイロットの一人イラン・ラモーンは、イスラエル初の宇宙飛行士として2003年1月にスペースシャトル・コロンビアに搭乗し、空中分解事故で落命した。
2. イラン核関連施設へのバンカー・バスター攻撃
ネタニヤフ・イスラエル首相は、かつて「イランはイスラエルを滅ぼすと威嚇したが、米国製最新鋭戦闘機F-35が中東のどの場所であろうと、イランにも、シリアにも飛んでいけることを忘れてはならない」と警告していた。
そして、先日、「イスラエルの手が届かない場所は中東にはない。自国民を守り、国を守るために、われわれの手が届かない場所などない。われわれの2つの古代民族、ユダヤ人とペルシャ人は最終的に平和を手に入れるだろう」とイスラエルの安全を守るためには一切妥協しない姿勢を鮮明にした。
イランはイスラエルに対して「史上最大規模の弾道ミサイル攻撃」という「レッドライン(越えてはならない一線)」を越えた。
イスラエルは、「抵抗の枢軸」であるハマス最高指導者イスマイル・ハニヤ氏、ヒズボラの最高指導者ハッサン・ナスララ氏、イラン革命防衛隊の司令官アッバス・ニルフォルーシャン氏を暗殺した。
バイデン米大統領とハリス米副大統領は、イスラエル・パレスチナの二国家共存を軸に、イスラエルに自制を求めている。
トランプ前大統領は、イランの核施設への攻撃を煽っている。
イスラエルからイランの主要な核施設までは1600キロメートル以上の距離があり、核施設の濃縮プラントは地下深くに設置されており、破壊するには米軍のバンカーバスター(地中貫通弾)の連射が必要だとされている。
イスラエルが、イランが核兵器によりイスラエルを抹殺しようと目論んでいると思い込んでいるのならば、2024年10月が最初で最後の好機となるかもしれない。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
インド準備銀、金利据え置きの一方で政策スタンスを「中立」にシフト
将来的な利下げに道筋も、原油相場や米ドル相場など外部環境を勘案すれば難しい局面が続く
インド準備銀は9日の定例会合で政策金利(レポ金利)を10会合連続で6.50%に据え置く一方、政策スタンスを「中立」に変更した。ここ数年のインドではインフレが続くとともに、今年の総選挙で与党BJPが大幅に議席を減らす一因になったとされる。足下のインフレは鈍化する一方、食料インフレの懸念がくすぶるなど国民生活への影響はくすぶる。先月から今月にかけて実施された地方選の行方が注目されたが、選挙ではBJPは善戦するなど、足下のインフレ鈍化の動きは政権与党の追い風になっていると捉えられる。
足下の景気は頭打ちが意識される動きがみられるなか、中銀は政策スタンスを全会一致で変更するなど、今回の決定を通じて将来的な利下げに道を開いたと捉えられる。なお、先行きの景気は内・外需双方で堅調な動きが続くほか、物価動向もディスインフレ基調が続くとの見通しを示した。中銀はインフレ抑制に自信をみせるが、足下では中東情勢を理由に原油価格は急上昇しているほか、ルピー相場も米ドル安の動きに一服感が出るなど環境は変化しており、物価を巡るリスク要因は山積している。仮に利下げに動けばルピー安の動きが加速する可能性もくすぶるなか、中銀にとっては難しい判断を迫られる局面が続くであろう。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
ブラジル議会は中銀次期総裁にガリポロ氏を承認、レアル相場は?
当初懸念された政策運営は不変の見通し、一方で政府との対立がレアル相場の足かせとなる懸念
ブラジル中銀は、コロナ禍後早期の利下げに動き、その後も大幅利上げに動くなどタカ派姿勢を強めてきた。昨年発足したルラ政権は中銀に利下げを要求するもタカ派姿勢を堅持したが、インフレ鈍化を受けて昨年からは一転して利下げに動いた。しかし、ルラ政権の下での財政悪化を警戒してレアル相場は調整の動きを強めるとともに、昨年後半以降はインフレ鈍化の動きが一巡しており、中銀は先月の定例会合で一転利上げに動いている。他方、ルラ大統領は総裁人事を通じて中銀に圧力を掛ける動きをみせたため、その動向が注目された。8月にルラ政権は金融政策担当理事を務めるガリポロ氏を次期総裁に指名し、議会での承認手続きが進められた。ガリポロ氏はルラ氏に近く、政策運営への影響が懸念されたが、足下ではタカ派姿勢を強める考えをみせ、8日に議会で人事案が承認された。次期総裁の下でも中銀はタカ派姿勢を堅持するとみられるが、政府との対立がレアル相場の足かせとなる可能性には要注意と捉えられる。
大阪12月限
日経225先物 39310 +20 (+0.05%)
TOPIX先物 2709.0 +1.0 (+0.03%)
日経225先物(12月限)は前日比20円高の3万9310円で取引を終了。寄り付きは3万9690円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9665円)を上回り、買い先行で始まった。ただし、寄り付き直後に付けた3万9700円を高値に持ち高調整が優勢となり、前場中盤にかけては3万9500円を挟んだ狭いレンジで推移。前引けにかけて3万9380円まで軟化し、後場の取引開始時には3万9300円まで上げ幅を縮めた。ただし、マイナスに転じることなく、その後は3万9400円を挟んでの小動きが続いた。なお、終了間際には一気に3万9550円まで買われた後に3万9310円まで軟化するなど、荒い値動きをみせた。
日経225先物は買い先行で始まったが、前日同様、買い一巡後は持ち高調整の動きにより上げ幅を縮めた。もっとも、ナイトセッションで大きく変動をみせても、日中取引ではリバランス一巡後に膠着感が強まる展開が目立っており、9月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあって、想定内の値動きであろう。
また、日米ともに3連休を控えていることで、ポジションを積み上げる動きは手控えられたようだ。東証プライムの売買高が連日で15億株台にとどまっていたこともあり、寄り付き後はリバランスの動きのなかで、スキャルピング中心のトレードだったと考えられる。
取引終了後に指数インパクトの大きいファーストリテイリング <9983.T> [東証P]の決算発表を控えていたことも手掛けづらさにつながった。米国でも週末にJPモルガン・チェース<JPM>、ウェルズ・ファーゴ<WFC>の決算が控えているほか、週明け後はゴールドマン・サックス・グループ<GS>、モルガン・スタンレー<MS>など金融株の決算発表が本格化する。
なお、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ<BRK.B>が今年2回目の円建て債を起債した。日本株への投資拡大が期待されるなかで、過去に買い増してきた商社株の反応が限られていたことも、売買を手控えさせる一因となったのだろう。
日経225先物は買い一巡後は軟化したが、これまでのリバウンド基調は継続している。上向きで推移するボリンジャーバンドの+1σが支持線として機能しており、同水準では押し目狙いのロングでの対応となろう。ただし、週足ベースではバンドが収斂をみせるなか、+1σ(3万9230円)をナイトセッションで下回ってきている。週末の終値で+1σを回復できないと、短期的なショートを誘う可能性がありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.51倍に上昇した。小動きであるが一時14.55倍までの切り上がりをみせた。9月27日に付けた直近の戻り高値である14.51倍を上回る場面もみられており、同水準を明確に上放れてくると、NTロングに振れやすくなりそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万5806枚、ソシエテジェネラル証券が9280枚、サスケハナ・ホンコンが3878枚、バークレイズ証券が3107枚、JPモルガン証券が2962枚、モルガンMUFG証券が1179枚、SBI証券が983枚、野村証券が936枚、auカブコム証券が932枚、ゴールドマン証券が605枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万8403枚、ソシエテジェネラル証券が1万1255枚、バークレイズ証券が2904枚、JPモルガン証券が2686枚、ゴールドマン証券が2446枚、サスケハナ・ホンコンが1886枚、ビーオブエー証券が1804枚、モルガンMUFG証券が1667枚、野村証券が1466枚、BNPパリバ証券が855枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、中東情勢の関連ヘッドラインに警戒しながら、伸び率の鈍化が見込まれている米9月の消費者物価指数(CPI)を見極める展開が予想される。
米9月CPIの予想は、前月比+0.1%で8月の同比+0.2%から伸び率鈍化、前年比+2.3%で、8月の同比+2.5%からの伸び率鈍化が見込まれている。
米連邦準備理事会(FRB)のインフレ目標2%は、前月比で+0.165%に対応しているので、予想通りに前月比+0.1%まで低下した場合、2%を割り込んでいることになる。
また、FRBがインフレ指標として注視しているPCE総合価格指数の8月分は、すでに、前月比+0.1%だったことで、前月比ベースでは、インフレ目標2%を下回っていた。
先日発表された好調な雇用情勢が示された米9月雇用統計と本日の米9月CPIに対して、クック米連邦準備理事会(FRB)理事、バーキン米リッチモンド連銀総裁、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の見解にも注目しておきたい。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%利下げ確率は80%程度、据え置き確率が20%程度になっている。スワップ市場の価格設定を見る限り、トレーダーは11月FOMCでの利下げを確信しておらず、9月CPIの上向きサプライズへの警戒感を示している。
また引き続き「オクトーバー・サプライズ」になりかねないイスラエルとイランの軍事衝突の可能性を高める関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
ネタニヤフ・イスラエル首相は、本日治安閣議を招集する予定、と報じられている。
バイデン米大統領は、イスラエルの報復は容認する姿勢を見せているものの、イランの核施設だけでなく、石油関連施設への攻撃も支持しない立場を明らかにしている。しかし、イスラエルのガラント国防相は、イランからの攻撃に対するイスラエルの反撃は「致命的で驚くべきものになる。我々の攻撃は致命的で正確で、そして何よりも驚くべきものになる」と述べており、予断を許さない状況が続くことになる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、150.89円(8/1高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、148.01円(10/9安値)
今晩は経済指標に注目。昨日は主要3指数がそろって2日続伸し、ダウ平均とS&P500が最高値を更新した。中東の地政学リスクが引き続き意識されたものの、アップルやアマゾンなどのハイテク株の上昇が相場をけん引した。午後に公表された9月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では大多数のメンバーが0.50%の利下げを支持したことが明らかになった。10月月初来では、ダウ平均が0.43%高、S&P500が0.51%高、ナスダック総合が0.56%高とそろってプラス圏を回復した。
今晩の取引では年内の追加利下げの見通しを巡り、9月消費者物価指数(CPI)に注目が集まる。9月CPIは前年比+2.3%と前回の+2.5%から鈍化が見込まれ、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前年比+3.2%と前回から横ばいが見込まれている。前月比では+0.1%、コアが+0.2%とそれぞれ前回の+0.2%、+0.3%から伸びの鈍化が見込まれている。CPIが予想通りの鈍化となれば年内の追加利下げの期待が引き続き支援となりそうだ。また、週間新規失業保険申請件数にも要注目。先週末の9月雇用統計で非農業部門雇用者数と失業率が予想以上に強い結果となったことでソフトランディング期待が高まっており、労働市場の動向が注目される。
今晩の経済指標・イベントは9月CPI、新規失業保険申請件数のほか、クックFRB理事、バーキン米リッチモンド連銀総裁、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の講演など。企業決算は寄り前にドミノ・ピザ、デルタ航空が発表予定。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券ではドル円に関して、米大統領選後は平均的にドル高・円安が進みやすい傾向があることを指摘している。政治的不透明感の後退がまず円安を促し、次に新政権の政策期待がドル高と追加的な円安要因になったと分析している。ただし、新政権の政策実現性が鍵になると三菱UFJMSでは指摘。今回は、どちらが勝っても大統領の所属政党と議会(上院・下院)多数政党の全てが一致する可能性は低いとみられている。選挙は水物で決め打ちは禁物としながらも、今回は過去の経験則が再現される可能性は低いと三菱UFJMSでは考えている。
中国の金融当局が9月下旬に一連の景気対策パッケージを発表したのに続き、財政部の藍仏安部長は10月12日に「財政政策の強化と質の高い経済成長の推進」について説明する記者会見を開く予定で、市場では財政支援措置への期待が高まっている。専門家は、12日の記者会見で特別国債の増発を発表する可能性が高いとの見方を示した。『信報』が中国人民銀行(中央銀行)系の『金融時報』を引用して10日伝えた。
中国首席経済学者フォーラムの理事長を務める連平氏は、財政部が特別国債収支勘定科目を設定したことから、特別国債を増発する可能性が高いと指摘。また、年内に地方政府の専項債(インフラ建設などのプロジェクト向け債券)の発行枠が前倒しで割り当てられ、使途が拡大する可能性もあるとした。
ゴールドマンは最新リポートで、国慶節連休明けで中国本土株式市場が取引を再開した8日に、新たに大規模な景気刺激策の発表がなかったこともあって、ヘッジファンドによる中国株式の売却規模が過去最大を更新したと指摘した。ヘッジファンドは買いポジションを減らしたことに加え、空売りポジションも増やし、売却したポジションは空売り量の2倍に達したという。『AAストックス』が10日伝えた。
8日の本土市場で滬深300指数(CSI300指数)は前営業日比11%高で寄り付いた後に上げ幅を縮め、5.9%高で引けた。一方、香港市場でハンセン指数は前日比9.4%安の20926ポイントで終えた。ゴールドマンによると、ヘッジファンドが売却したポジションの4分の3がA株で、ほかは香港上場株だった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
ブラジル議会は中銀次期総裁にガリポロ氏を承認、レアル相場は?
当初懸念された政策運営は不変の見通し、一方で政府との対立がレアル相場の足かせとなる懸念
ブラジル中銀は、コロナ禍後早期の利下げに動き、その後も大幅利上げに動くなどタカ派姿勢を強めてきた。昨年発足したルラ政権は中銀に利下げを要求するもタカ派姿勢を堅持したが、インフレ鈍化を受けて昨年からは一転して利下げに動いた。しかし、ルラ政権の下での財政悪化を警戒してレアル相場は調整の動きを強めるとともに、昨年後半以降はインフレ鈍化の動きが一巡しており、中銀は先月の定例会合で一転利上げに動いている。他方、ルラ大統領は総裁人事を通じて中銀に圧力を掛ける動きをみせたため、その動向が注目された。8月にルラ政権は金融政策担当理事を務めるガリポロ氏を次期総裁に指名し、議会での承認手続きが進められた。ガリポロ氏はルラ氏に近く、政策運営への影響が懸念されたが、足下ではタカ派姿勢を強める考えをみせ、8日に議会で人事案が承認された。次期総裁の下でも中銀はタカ派姿勢を堅持するとみられるが、政府との対立がレアル相場の足かせとなる可能性には要注意と捉えられる。
インド準備銀、金利据え置きの一方で政策スタンスを「中立」にシフト
将来的な利下げに道筋も、原油相場や米ドル相場など外部環境を勘案すれば難しい局面が続く
インド準備銀は9日の定例会合で政策金利(レポ金利)を10会合連続で6.50%に据え置く一方、政策スタンスを「中立」に変更した。ここ数年のインドではインフレが続くとともに、今年の総選挙で与党BJPが大幅に議席を減らす一因になったとされる。足下のインフレは鈍化する一方、食料インフレの懸念がくすぶるなど国民生活への影響はくすぶる。先月から今月にかけて実施された地方選の行方が注目されたが、選挙ではBJPは善戦するなど、足下のインフレ鈍化の動きは政権与党の追い風になっていると捉えられる。
足下の景気は頭打ちが意識される動きがみられるなか、中銀は政策スタンスを全会一致で変更するなど、今回の決定を通じて将来的な利下げに道を開いたと捉えられる。なお、先行きの景気は内・外需双方で堅調な動きが続くほか、物価動向もディスインフレ基調が続くとの見通しを示した。中銀はインフレ抑制に自信をみせるが、足下では中東情勢を理由に原油価格は急上昇しているほか、ルピー相場も米ドル安の動きに一服感が出るなど環境は変化しており、物価を巡るリスク要因は山積している。仮に利下げに動けばルピー安の動きが加速する可能性もくすぶるなか、中銀にとっては難しい判断を迫られる局面が続くであろう。
※「市場の目・まとめ」は単発で配信された市場の目(記名入り)をまとめたものです。中期・長期見通しにも役立つ為替・経済に関する見解も多数入っておりますので、今後の取引にお役立てください。なお、各コメントの内容は取材時までの市場の動き・情報をもとに述べられた見解です。
日経平均株価は続伸。高寄りから今週の取引時間中の高値を更新する場面があったが、3日連続の陰線で伸び悩む動きが続いた。
RSI(9日)は前日の52.6%→46.1%(10/10)へ低下。あすは上昇しやすいタイミングとなるが、約3週間ぶりに50%を下回ったことで調整が長引く可能性が出てきた点で留意が必要となる。
一方、25日移動平均線(37681円 10/10)の上昇の傾きがやや強くなってくる点はポジティブな要因となり、早々に5日移動平均線(39112円 同)上から9月27日高値(39829円)を超えられるかが焦点となる。超えることができると、7/18の下げで開けたマド上限(41054円)まで勢いがつく可能性が高い。
上値メドは、9/27高値、心理的節目の4万円、7/17安値(41054円)、心理的節目の42000円、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、10日移動平均線(38832円 同)や75日移動平均線(38301円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)、9/18高値(36675円)などがある。
ソシエテ・ジェネラルは最新リポートで、中国財政部の藍仏安部長が12日に開く記者会見について、5兆-10兆元に上る「超大規模」な財政支援措置が発表される可能性は低いとの見方を示した。『明報』が10日、外電を引用して伝えた。
ソシエテ・ジェネラルは、財政部が2025年度予算の明確な数字を示すことはないと予想。24年度については、1兆元を超えない規模の追加支援措置が発表される可能性があるものの、金額がさらに大きくなる場合、全国人民代表大会常務委員会での審議が必要になると指摘した。
12日の記者会見では、支出を増やす分野が強調されるとみられ、雇用の強化や失業保険金の引き上げ、コロナ禍で実施された一部政策の延長など、企業への補助金などが強化されると予想。また、一般家庭向けへの現金支給のほか、地方政府の債務問題解決に向けた資金提供なども発表される可能性があるとした。
米財務省によると、30年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.389%、応札倍率(カバー)が2.50倍となった。
(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.81円(10日15時時点比▲0.44円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.49円(▲0.77円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0919ドル(▲0.0019ドル)
FTSE100種総合株価指数:8237.73(前営業日比▲6.01)
ドイツ株式指数(DAX):19210.90(▲44.03)
10年物英国債利回り:4.210%(△0.030%)
10年物独国債利回り:2.256%(▲0.001%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月独小売売上高
(前月比) 1.6% 1.5%
(前年比) 2.4% 1.8%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は荒い値動き。米重要指標の発表を控えて、しばらくは149.00円を挟んだ狭いレンジ取引が続いた。ただ、NY時間発表の米経済指標の結果が伝わると、売買が交錯し相場は乱高下した。9月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回り、根強いインフレへの警戒感からドル買いが先行すると一時149.53円付近まで値を上げたものの、アジア時間に日通し高値149.55円手前で失速。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容となったことも相場の重しとなり、一時148.30円と日通し安値を更新した。
なお、米CPIの伸び率は6カ月連続で縮小し、2021年2月以来約3年半ぶりの低水準となった。CPIの内容消化が進むとインフレの減速傾向が示されたと捉える向きもあった。また、失業保険申請件数の増加については米南東部を直撃したハリケーン「ヘレン」などが影響した。
グールズビー米シカゴ連銀総裁はCPIが予想を上回ったことについて「過度に懸念していない」と話したほか、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は「インフレ圧力の緩和が続く中、米連邦準備理事会(FRB)は一段の利下げを実施していくと予想される」と述べた。
もっとも、ボスティック米アトランタ連銀総裁が「最新のインフレ、労働市場データにより、FRBは忍耐強くなれる」「11月の金利据え置きについて、私は間違いなくオープン」「今年の利下げをスキップしても全く問題ない」と述べ、11月金利据え置きの可能性を示唆すると、一時149.08円付近まで強含んだ。
・ユーロドルは弱含み。本日発表の米経済指標が強弱入り混じる内容だったことが分かると売買が交錯したものの、NY午後に入ると徐々に上値を切り下げた。ユーロ圏景気への懸念から、欧州中央銀行(ECB)が17日の定例理事会で追加利下げを決めるとの観測が引き続きユーロの重し。なお、9月12日のECB理事会議事要旨では「今後のデータがベースライン予測と一致すれば、段階的に金融を緩和していくのが適切だという点で概ね同意した」ことが分かった。
ボスティック米アトランタ連銀総裁が11月金利据え置きの可能性を示唆すると、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.1158%前後と7月31日以来の高水準を記録。米金利上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て、一時1.0900ドルと8月8日以来約2カ月ぶりの安値を更新した。
・ユーロ円は軟調。アジア時間に一時163.61円まで上昇したあとはじり安の展開となった。欧米株安や日経平均先物の下落に伴う円買い・ユーロ売りが入ると、一時162.18円と日通し安値を付けた。
・ロンドン株式相場は小反落。前日の米国株相場の上昇が投資家心理を支え、買いが先行したものの、終盤失速した。BAEシステムズやアシュテッド・グループなど資本財サービス株が売られたほか、ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが値下がりした。半面、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が買われた。
・フランクフルト株式相場は反落。アジア株相場の上昇が投資家心理を支え、買いが入った半面、NY時間発表の米経済指標を受けて本日の米国株相場が下落すると独株にも売りが出た。個別ではラインメタル(3.68%安)やシーメンス・エナジー(2.61%安)、DHLグループ(2.34%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。
10日の日経平均は続伸。終値は102円高の39380円。米国株高を受けて大きく上昇して始まり、開始直後には上げ幅を300円超に拡大。39600円台に乗せたところで買いは一巡し、以降は値を消す流れが続いた。後場のスタート直後には39200円台に突入し、上げ幅を一桁にまで縮小。ただ、マイナス圏入りは回避して踏みとどまり、そこからはやや盛り返して3桁の上昇で取引を終えた。グロース250指数は開始早々にマイナス圏に沈んで下げ幅を広げており、1%を超える下落となった。
東証プライムの売買代金は概算で3兆5200億円。業種別ではゴム製品、保険、銀行などが上昇した一方、小売、サービス、繊維などが下落した。前期の計画上振れ着地や今期の大幅増益見通しが好感されたプログリット<9560.T>が急騰。半面、今期の見通しが市場の期待に届かなかったサイゼリヤ<7581.T>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり646/値下がり939。ソフトバンクGがダウ平均やS&P500の史上最高値更新に好反応を示して4%近い上昇。米長期金利の上昇を手がかりに、三菱UFJや三井住友など銀行株に買いが入った。ドル円が円安に振れたことから、スズキやSUBARUなど自動車株が全般堅調。投資ファンドに絡むニュースを材料にライオンが大幅高となった。
一方、アドバンテスト、レーザーテック、ディスコなど半導体株が全般軟調。売買代金上位では川崎重工やメルカリがやや大きめの下げとなった。決算が失望を誘ったイオンが8%を超える下落。屋内レジャーを展開するイオンファンタジーやラウンドワンが、それぞれ業績に関するリリースを材料に大幅安となった。
日経平均はプラスは確保したが、きのう同様に高く始まった後は伸び悩んだ。きょうの高値は39616円。9月27日に39829円まで上昇したところで4万円に届かず失速しているだけに、この近辺では戻り売りも出やすくなるということなのだろう。
本日、米国では9月の消費者物価指数(CPI)が発表され、結果次第では米国の長期金利やドル円が大きく動く可能性もある。米国株が強ければ、あすは寄り付きから大幅高となる展開も期待できる。ただ、東京市場は翌週の月曜が休場。スタートから9月27日の39829円を上回るレベルの上昇とならない限り、高いところがあれば利益確定やリスク回避目的の売りが上値を抑えるとみておいた方が良さそうだ。一方、ここ数日は上値が重いだけで、下値は着実に切り上げている。先週末(38635円、10/4)との比較ではきょうの時点で745円上昇しており、下振れスタートとなった場合には押し目は拾われるだろう。今週はここまで5日線(39112円、10日時点)より上での推移が続いているだけに、同水準がサポートとして機能するかどうかに注目しておきたい。
(10日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.57円(前営業日比▲0.74円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.46円(▲0.85円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0934ドル(▲0.0005ドル)
ダウ工業株30種平均:42454.12ドル(▲57.88ドル)
ナスダック総合株価指数:18282.05(▲9.57)
10年物米国債利回り:4.06%(▲0.01%)
WTI原油先物11月限:1バレル=75.85ドル(△2.61ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2639.3ドル(△13.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反落。この日発表の米経済指標の結果が伝わると、売買が交錯し上下に大きく振れる場面があった。9月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ると全般ドル買いが先行し一時149.53円付近まで値を上げたものの、アジア時間に日通し高値149.55円が目先レジスタンスとして働くと失速。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったことが意識され、一時148.30円と日通し安値を付けた。
そのあとも方向感に乏しい展開が続いた。グールズビー米シカゴ連銀総裁は米CPIが予想を上回ったことについて「過度に懸念していない」と話したほか、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は「インフレ圧力の緩和が続く中、米連邦準備理事会(FRB)は一段の利下げを実施していくと予想される」などと発言。市場関係者からは「CPI予想上振れもFRBによる追加利下げを阻むほどではない」「総合、コアともに伸びは依然として減速傾向にあり、最新の数字はこのトレンドを否定するものではない」との声が聞かれる中、引けにかけては米長期金利の低下とともに上値が重くなった。
一方、ボスティック米アトランタ連銀総裁は「最新のインフレ、労働市場データにより、FRBは忍耐強くなれる」「11月の金利据え置きについて、私は間違いなくオープン」「今年の利下げをスキップしても全く問題ない」と述べ、11月金利据え置きの可能性を示唆。2時過ぎに一時149.08円付近まで強含む場面があった。
・ユーロドルは小幅ながら続落。本日発表の米経済指標が強弱入り混じる内容だったことから売買が交錯。相場は方向感が出なかった。
NY午後に入り、ボスティック米アトランタ連銀総裁が11月金利据え置きの可能性を示唆したと伝わると、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.1158%前後と7月31日以来の高水準を記録。米金利上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出て一時1.0900ドルと8月8日以来約2カ月ぶりの安値を更新した。
ただ、米10年債利回りが低下に転じると買い戻しが優勢となり、1.0938ドル付近まで下げ渋った。
・ユーロ円は3日ぶりに反落。アジア時間に一時163.61円と日通し高値を付けたあとは、欧米株安を受けて円買い・ユーロ売りが進んだ。1時30分過ぎには162.18円と日通し安値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに小反落。9月米CPIが予想を上回った一方、前週分の米新規失業保険申請件数は予想より弱い内容となると、投資家心理が悪化し売りが出た。前日に史上最高値を更新したあとだけに、高値警戒感や短期的な過熱感も意識され、利益確定目的の売りなども出た。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに小反落。
・米国債券相場で長期ゾーンは小反発。ボスティック米アトランタ連銀総裁が11月金利据え置きの可能性を示唆すると売りが進行し、利回りは一時4.1158%前後と7月31日以来の高水準を付けた。ただ、30年債入札が「好調」だったことが分かると買い戻しが優勢となり、上げに転じた。
・原油先物相場は3日ぶりに反発。大型ハリケーンの米上陸を手がかりに買いが優勢となった。大型ハリケーン「ミルトン」は「カテゴリー3」の勢力を保って米南部フロリダ州に上陸し、大規模な停電や建物損壊などの被害が報告されるなか、燃料需要が急増した。また、中東情勢の緊迫化に伴う供給不安も相場の支えとなった。
・金先物相場は5日ぶりに反発。9月米CPIは予想を上回った一方で、新規失業保険申請件数は予想より悪化し、強弱まちまちの結果を金先物は上下に大きく振れたが、FRBの利下げサイクルに大きな変化はないと受け止められるなか徐々に買い戻しが優勢となった。
10日07:21 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「労働市場は持続可能なペースに下方シフトしている」
「労働市場のさらなる減速は望まない」
「インフレ率は2%目標の到達に向けた道筋にあると強く確信」
「年内に1回か2回の利下げが実施される可能性が高い」
10日16:42 氷見野日銀副総裁
「日本経済はまた動き始めた。日本の金融政策も動き始めている」
「日本の金融政策は正常化しつつある」
「将来の金融政策は、物価の展開や金融条件次第」
「複数の実質金利が存在するが、すべてがマイナスにある」
「明らかに実質金利はかなり低い水準にある」
「データの全体像を決定会合ごとに見ていく必要」
「来年の賃金動向に関する情報などが重要」
10日17:42 神田内閣官房参与
「為替市場、引き続き高い緊張感持って警戒続けていく」
10日20:36 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(9月12日分)
「ユーロ圏の経済見通しはより懸念される状況」
「インフレが適時に持続可能な形で目標に落ち着くかどうかを注意深く監視する必要」
「インフレは来年後半にかけて目標に向けて低下すると予想」
「インフレは今年後半に再び上昇すると予想」
「勝利宣言をするのは時期尚早」
10日20:43 国連レバノン暫定隊(UNIFIL)
「イスラエル軍が意図的に国連の監視カメラを狙撃し無効化した」
10日23:33 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「インフレは予想通り、住宅市場は改善」
「FRBはより長期的な視点を持つ必要がある」
10日23:39 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「インフレは正しい方向に向かっている」
「インフレは低下しているが勝利を宣言することはできない」
「金利低下が住宅需要を押し上げるリスクを認識」
11日00:23 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁
「経済がFRBのさらなる利下げを許容すると予想」
「インフレ率は今年2.25%に低下し、来年は2%近くまで下がると予想」
「今年のGDPは2.25%から2.50%の間と予想」
「最近のFRBの利下げにより、経済は好調な状態になるはず」
「今後の利下げのペースと規模は経済データ次第」
「失業率は2025年に4.25%前後になると予想」
11日01:54 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「これまでの金利スタンスはもはや適切ではなかった」
「9月の0.50%の利下げは十分に正当化された」
「最新のインフレ、労働市場データにより、FRBは忍耐強くなれる」
「残りの会合のいずれか、またはいずれも利下げする根拠が示される可能性」
「11月の金利据え置きについて、私は間違いなくオープン」
「月次の経済データは不安定になると予想」
「今年の利下げをスキップしても全く問題ない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 9月マネーストックM2
<海外>
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表(予想:3.25%に引き下げ)
○15:00 ◎ 9月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比横ばい/前年比1.6%)
○15:00 ☆ 8月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.2%)
○15:00 ◎ 8月英鉱工業生産(予想:前月比0.2%/前年比▲0.5%)
○15:00 ◎ 8月英製造業生産高(予想:前月比0.2%)
○15:00 ◇ 8月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:192.50億ポンドの赤字/59.25億ポンドの赤字)
○16:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○16:00 ◇ 9月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲33)
○16:00 ◇ 8月トルコ経常収支(予想:42億ドルの黒字)
○21:00 ◎ 8月インド鉱工業生産(予想:前年同月比1.2%)
○21:00 ◇ 8月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比0.2%)
○21:30 ◇ 8月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比▲5.5%)
○21:30 ☆ 9月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化2.70万人/失業率6.7%)
○21:30 ◎ 9月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.1%/前年比1.6%)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.7%)
○22:45 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、あいさつ
○23:00 ◎ 10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:70.8)
○23:45 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○12日01:00 ◎ 9月ロシアCPI(予想:前月比0.4%)
○12日02:10 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○香港(重陽節)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
UBS中国担当チーフエコノミストの汪濤氏はこのほど、2024年7-9月期の中国の国内総生産(GDP)成長率が前年同期比4.2-4.4%に鈍化するとの予想を示した。国内で多くの経済活動が減速する一方、輸出は伸び率が前年同期を上回るとみている。『AAストックス』が10日伝えた。
汪氏は9月の主要経済指標について、不動産販売と新規着工面積の前年同月比減少率が拡大し、インフラと製造業投資は小幅に鈍化するほか、不動産投資は大幅に減少すると予想。一方、小売売上高の伸びは小幅な改善を見込む。輸出は伸びが減速するものの、安定を維持しているとした。
昨日の海外市場でドル円は、9月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ると全般ドル買いが強まり、一時149.53円付近まで値を上げた。しかしながら、アジア時間につけた日通し高値149.55円が目先レジスタンスとして働くと失速。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったことが嫌気され、一時148.30円と日通し安値を付けた。ユーロドルは一時1.0900ドルと8月8日以来約2カ月ぶりの安値を更新したが、一巡後は下げ渋り1.09ドル前半に戻した。
本日の東京時間のドル円は148円台でのもみ合いか。昨日は米CPIが予想比で上振れたにもかかわらず、ドル買いの勢いは弱まった。先週9月30日につけた安値141.65円から昨日は149.55円まで8円弱ほぼ一本調子で上昇したこともあり、行き過ぎた動きに調整が入っている。
為替市場だけではなく債券市場でも、米長期債利回りは連日の上昇から一服感が出ている。また、昨日の米CPIの結果を受けてシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」は、11月6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ予想が約87%に上昇した。一方、据え置き予想は昨日の3割弱から1割強まで縮小。週末を前に新たに上値を追いかけていく展開にはなりにくそうだ。
本日は香港市場が重陽節のために休場。本邦やアジア市場からは特段市場を動意づけるような経済指標の発表が予定されていないことも、レンジを抜けだすことを難しくするだろう。
ただし、その中で警戒しなくてはならないのは石破首相の言動など、政治的な動き。ラオスで行われている東南アジア諸国連合(ASEAN)に出席している首相は、アジア版北大西洋条約機構(NATO)構想など持論を封印して選挙対策を優先している旨がある。(日銀の早期利上げを否定した)石破サプライズが巻き起こした円安の流れについて、週末を含め首相が市場の警戒感を高める言葉を発するリスクには要警戒となりそうだ。
なお中国では、明日12日に藍仏安・中国財務相が財政政策に関して会見予定。その結果待ちとなり、中国市場も本日は様子見ムードが広がるか。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39420 +110 (+0.27%)
TOPIX先物 2718.5 +9.5 (+0.35%)
シカゴ日経平均先物 39370 +60
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
10日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。注目されていた9月の米消費者物価指数(CPI)は、エネルギーと食品を除くコア指数が前月比0.3%上昇となり、市場予想(0.2%程度)を上回る伸びとなった。総合CPIは同0.2%上昇(予想0.1%程度)だった。一方で新規失業保険申請件数は前週比3万3000件増の25万8000件と市場予想(23万件程度)以上だった。雇用指標が弱かったことで、利益確定の売りや持ち高調整の動きが優勢となった。新規失業保険申請件数は想定以上だったが、ハリケーン「ヘリーン」の影響もあったとみられている。S&P500業種別指数はエネルギー、半導体・同製造装置、素材が上昇した半面、電気通信サービス、食品・生活必需品小売、不動産が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比60円高の3万9370円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中40円安の3万9270円で始まり、米国市場の取引開始直後には3万8900円と節目の3万9000円を下回る場面もみられた。ただし、売り一巡後はリバウンド基調が強まり、中盤にかけて日中比変わらずの水準まで回復。終盤にかけて上昇に転じ、3万9420円とナイトセッションの高値で取引を終えた。
日経225先物は一時3万9000円を下回る場面もみられたが、ボリンジャーバンドの+1σ(3万8990円)水準が支持線として意識されている。3連休を前に持ち高調整の動きが強まる可能性はありそうだが、同水準では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。また、ナイトセッションで再び週足の+1σ(3万9270円)を上回ってきている。終値で週足の+1σを上回ってくる可能性が高まると、終盤にかけてショートカバーが入りやすいだろう。
また、前日の取引終了後にファーストリテイリング <9983.T> [東証P]が発表した2024年8月期業績は予想を上回る着地となり、2025年8月期計画についてもコンセンサスを上回った。ADR(米預託証券)では3%を超える上昇をみせているため、日経平均型を牽引することが期待される。米国ではエヌビディア <NVDA>やマイクロン・テクノロジー <MU>など半導体株の一角が買われていることも日経平均型に向かわせそうだ。
ただし、買い一巡後はリバランスの動きになりやすく、スキャルピング中心のトレードになるだろう。また、イスラエルはイランによるミサイル攻撃に対する報復措置について、安全保障閣議を開いたと報じられている。石油インフラなどが攻撃される可能性もあるなか、基本的にはポジションをニュートラルにしておきたいところである。
そのため、週足の+1σ水準での攻防からオプション権利行使価格の3万9250円を中心とした上下の権利行使価格3万9000円から3万9500円でのレンジを想定する。3万9500円処での底堅さがみられるようだと、週初に付けた高値水準である3万9800円辺りが意識されてくる可能性はありそうだ。
なお、10日の米VIX指数は20.93(前日は20.86)と小幅に上昇した。小動きながら依然として不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を上回っている。引き続き9月6日に付けた直近の戻り高値である23.76が射程に入っているほか、中東情勢に振らされやすい面があることには注意しておきたいところである。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.51倍に上昇した。一時14.55倍までの切り上がりをみせており、9月27日に付けた直近の戻り高値である14.51倍を上回る場面もみられた。同水準を明確に上放れてくるようだと、NTロングに振れやすくなりそうだ。本日はファーストリテイリングやアドバンテスト <6857.T> [東証P]など値がさ株の動向次第では、短期的ながらスプレッド狙いの動きが入りやすいだろう。
11日(金)の香港株式市場は重陽節につき休場。取引は14日(月)から再開される。
昨日の海外市場では、米指標を受けて米長期金利が乱高下。ドル円もつれるかたちで荒い値動きとなりました。21時30分に公表された9月米CPIでは、ヘッドライン、コア指数とも予想を上回る強い数字となったほか、このところ連続して上昇トレンドにあるスーパーコアについても前月比で0.404%と大幅な上昇。ドル円は米金利上昇とともに一時149.53円まで値を上げました。ただ、同時に明らかになった米新規失業保険申請件数が何と25.8万人と予想の23.0万人から大幅に悪化。13カ月振りの悪い数字となると、米金利の一転した低下につれて148.30円まで売り込まれることになりました。
その後は一旦落ち着いた動きとなったわけですが、ボスティック米アトランタ連銀総裁が「11月FOMCでの金利据置きに対してはオープン。今年の利下げスキップも問題はない」などの見解を表明すると米10年債利回りが一気に4.1158%まで急上昇。ドル円も149.08円まで買戻されました。ただ、NY時間午後に入って30年債入札が好調な結果に終わると再び米金利が低下。引けにかけては148.50円まで下押ししてNY市場を終えています。週末のアジア市場では、3連休を控えた本邦輸出入のフローが中心。148.41円まで値を下げた後、148.80円まで買戻されているといったところです。
いずれにしても、市場では現在、年内の米利下げについては「0.25%を1回ないしは2回」との当局のメインシナリオに合わせる動きとなっていますが、FOMCメンバーのなかでも、ドットチャートが示している通り、利下げを一度スキップさせるのか、連続して2回利下げを行うのかでほぼ半々に見解が分かれている状態。昨日のように、取り方次第では、上にも下にも判断が分かれてしまう結果となった場合には、今後も同じような不安定な値動きを覚悟しておく必要があるのかもしれません。
ただ、昨日は、13カ月振りの弱い米労働指標については、明らかにハリケーン「ヘレン」の影響。昨日フロリダ州を襲ったハリケーン「ミルトン」もあわせて、その数字には整合性を見いだせることが出来るといったところ。市場はどちらかと言えば、ボスティック米アトランタ連銀総裁が言及したように、利下げスキップの可能性を意識し始めているところです。
日経225先物は11時30分時点、前日比330円高の3万9640円(+0.83%)前後で推移。寄り付きは3万9440円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9370円)を上回り、買い先行で始まった。寄り付き直後に付けた3万9380円を安値にロング優勢の動きとなり、現物の寄り付き直後には節目の3万9500円を突破。終盤にかけて上げ幅を広げており、一時3万9690円まで買われる場面もみられた。
日経225先物は買い先行で始まったが、その後も強い値動きを継続している。決算評価からファーストリテイリング <9983.T> [東証P]が連日で最高値を更新しており、1社で日経平均株価を約170円超押し上げている。そのほか、米ハイテク株高の流れから、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]も堅調であり、この指数インパクトの大きい3社で日経平均型を牽引する形である。後場は持ち高調整の動きが入りやすいだろうが、ファーストリテイリングの強い上昇が続くようだと、週足のボリンジャーバンドの+1σ(3万9300円)を上回って推移していることもあって、ショートカバーに向かわせやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.55倍に上昇した。朝方に14.47倍に低下する場面もみられたが、日経平均型優位のなか、一時14.57倍まで切り上げている。9月27日に付けた直近の戻り高値である14.51倍を上回って推移しており、NTロングに振れやすくなった。
本日のロンドン為替市場では、まずは欧州朝に発表される英経済指標でポンドの動意を見定め。方向性が明確にでるようだと、他通貨への影響も出てくるだろう。その後は依然として出口が見えないイスラエルを巡る中東情勢を警戒しながら、市場全般のリスクセンチメントの強弱に振らされる展開か。
英国からは8月分の国内総生産(GDP)や鉱工業生産などの結果が明らかにされる。ユーロ圏と比べると同国経済は底堅いとされており、足もとの景気動向でその勢いを確かめることになるだろう。前回は前月比で横ばいだったGDPは小幅プラスに改善予想。7月に弱かった鉱工業生産も前月比がプラスに持ち直し、前年比はマイナス幅縮小が見込みだ。
昨日弱含んだポンドドルは、日足一目均衡表・雲の中では下げ渋った。しかしながら、雲の上限が1.30ドル台でやや下向きであり、本日の結果がさえないようだと下値余地を探る展開もあるか。ユーロポンドの一目・転換線と21日移動平均線が並ぶ0.8373ポンドを巡る攻防にも注目したい。
イスラエルでは10日夜、先週イランから受けたミサイル攻撃への報復措置について政府高官が協議したもよう。9日にバイデン米大統領がネタニヤフ・イスラエル首相と電話会談したものの、イスラエルを自制させるほどの影響力は今の米大統領にはないようだ。報復攻撃がイランのどの地域に行われるか次第で、状勢が更に悪化する可能性は十分にあり得る。
ところでフランス政府は昨日、2025年度の予算案を公表した。600億ユーロ超の収支改善策は、約3分2が歳出削減でカバーし、残りは大企業と富裕層の税負担増、そしてエネルギーへの増税で賄うもよう。財政赤字は縮小するものの、景気拡大にブレーキがかけられる可能性もある。今後のユーロ相場に何らかの影響は与えそうだ。
想定レンジ上限
・ポンドドル、7日高値1.3134ドル
・ユーロドル、8日高値1.0997ドル
想定レンジ下限
・ポンドドル、90日移動平均線1.2965ドル
・ユーロドル、200日移動平均線1.0874ドル
(11日15時時点)
ドル円:1ドル=148.70円(前営業日NY終値比△0.13円)
ユーロ円:1ユーロ=162.60円(△0.14円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0935ドル(△0.0001ドル)
日経平均株価:39605.80円(前営業日比△224.91円)
東証株価指数(TOPIX):2706.20(▲6.47)
債券先物12月物:143.99円(△0.09円)
新発10年物国債利回り:0.945%(▲0.010%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月マネーストックM2
前年同月比 1.3% 1.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。東京仲値直前に本邦輸出企業から売りが観測されると148.41円まで小幅に下押ししたが、一巡後は輸入勢の買いで148.81円まで反発するなど実需勢のフロー主導の展開となった。その後は148.70円を挟んだ小動きが続いていたが、時間外の米10年債利回りが上昇すると15時過ぎには一時148.84円までわずかに上値を伸ばした。
・ユーロ円も下値が堅い。総じてドル円につれた動きとなり、午前に162.31円まで下げた後は162.77円まで水準を切り上げている。
・ユーロドルは小動き。東京市場での動意はほとんど見られず、1.0923-41ドルの間で推移した。
・日経平均株価は3日続伸。ファーストリテイリングの好決算を受けて大幅高となったことが指数を押し上げた。上値では利食い売りや戻り売りが出たため伸び悩む場面もあったが、下値は堅かった。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反発。夜間取引で上昇した流れを引き継いで買いが先行。日銀の国債買い入れオペが無難に通過したことも支えとなり一時144.12円まで上昇した。
仏政府が発表した2025年の予算案について、公共財政高等評議会が分析を行った。評議会は、政府の赤字削減目標が非現実的ではないとしつつも、いくつかの前提が楽観的であり、全体的な赤字予測が脆弱だと指摘している。政府は1年以内にGDP比5%まで財政赤字を削減することを目指しているが、これは非常に困難な目標とされている。過去の予算案でも楽観的な予測に基づいて作成され、実際の赤字が大幅に膨らむ結果となった経緯がある。
「今後も入手するデータに基づき、会合ごとに判断を下していく」(パウエルFRB議長)
1.2012年1月25日のFOMC声明
1月25日のFOMC声明で、「インフレ目標2.0%」が導入され、インフレ指標として、「個人消費支出(PCE)価格指数」を注視する、と表明された。食料・エネルギー価格を除外した「コア」指数ではなく、「総合」指数とされた理由は、中期的なインフレ動向を注視する、という意味合いだと思われる。
「長期的なインフレ率は主に金融政策によって決定されるため、FOMCはインフレの長期的な目標を具体的に定める能力がある。FOMCは、個人消費支出(PCE)価格指数に基づく年間2%のインフレ率が、長期的に見て連邦準備理事会(FRB)の責務に最も一致した水準だと判断している。
このインフレ目標を一般の人々に明確に伝えることは、長期的なインフレ期待をしっかり抑制することに寄与するため、物価安定を促し、穏やかな長期金利をもたらし、著しい経済的混乱に直面しても最大限の雇用を実現することにつながる。」
2.2024年8月の個人消費支出(PCE)価格指数
8月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比+2.2%まで低下してきた。
2022年3月に米連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利を0.25%引き上げた時は、同比+6.6%、ピークは、6月の同比+6.8%だった。
FRBがインフレ指標として注視しているPCE総合価格指数が同比+2.2%と、インフレ目標2%に接近したものの、9月の失業率が4.1%に低下したことで、11月のFOMCでの利下げ幅は0.50%ではなく、0.25%がほぼ確実視されている。
前月比は+0.1%だったが、インフレ目標2%に対応する前月比は+0.165%なので、前月比ベースでは、2%を下回っていることになる。
また、9月の消費者物価指数(CPI)は、前年比+2.4%と発表され、8月の同比+2.5%から伸び率が鈍化し、ディスインフレの継続が確認された。
3.パウエルFRB議長の憂鬱:利下げVS量的金融引締
パウエルFRB議長は、2024年9月18日、FF金利誘導目標を4.75~00%(=5.25~50%-0.50%)に引き下げて、金融緩和策に転換した。しかし、2022年夏以来のバランスシートの縮小(QT=金融引締め)が続いているため、整合性が課題になっている。
■ FOMCの金融緩和:2024年9月;4.75%~5.00%(第1次利下げ)▲0.50%
■ドット・プロット(金利予測分布図)
・2024年:▲0.50% ※4.25~50%
・2025年:▲1.00% ※3.25~50%
・2026年:▲0.50% ※2.75~00%
・2026年末時点:2.875%(※中立金利)
■量的金融引締政策(QT:Quantitative tightening)
・2022年夏:QT開始 ▲1.8兆ドル(8.9兆ドル⇒7.1兆ドル)
・2024年5月:圧縮ペース ▲600億ドル(従来は▲950億ドル)
韓国中銀は11日、3年ぶりに政策金利を0.25%引き下げ3.25%とした。インフレ圧力の緩和と国内需要の低迷を背景に、経済成長を支援する姿勢に転換したが、住宅価格上昇と家計債務増加への懸念から、今後3カ月間は追加利下げを控える見通しだ。中央銀行は金融緩和のペースを慎重に調整し、経済と金融の安定のバランスを取ろうとしている。利下げは民間消費と企業投資を支援すると期待されているが、住宅ローン需要の急増にも警戒が必要。韓国経済は輸出の回復が見られるものの、国内需要の回復は遅れており、今年の成長率予測は2.4%に下方修正されている。
世界銀行は10日、メキシコの2024年経済成長率予測を2.3%から1.7%に、2025年を2.1%から1.5%に下方修正した。この修正の理由として、高金利、ペソ安、投資家の不確実性が挙げられている。世界銀行はメキシコが貧困対策や最低賃金の引き上げで進展を見せていることを認めつつも、さらなる取り組みが必要だと指摘。インフラ整備、イノベーション、教育の改善が今後の成功に不可欠だとしている。また、メキシコはニアショアリングの恩恵を受ける好位置にあるものの、外国投資を呼び込むためにはさらなる努力が必要だと世界銀行は強調しており、投資家に対して「ゲームのルール」を尊重し、安定性を創出することの重要性を指摘している。
レバノンの治安当局との連携を担当するヒズボラの連絡調整部門の責任者であるワフィーク・サファ氏が重傷を負い、危篤状態にあると地元メディアが伝えた。
大阪12月限
日経225先物 39610 +300 (+0.76%)
TOPIX先物 2708.0 -1.0 (-0.03%)
日経225先物(12月限)は前日比300円高の3万9610円で取引を終了。寄り付きは3万9440円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9370円)を上回り、買い先行で始まった。寄り付き直後に付けた3万9380円を安値にロング優勢となり、現物の寄り付き直後には節目の3万9500円を突破。前場終盤にかけて上げ幅を広げ、一時3万9690円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は利食い優勢となり、ランチタイムでは3万9520円まで上げ幅を縮めたが、節目の3万9500円をキープ。後場中盤にかけて再びロングが強まったが、前場中盤に付けた3万9690円は超えられず、終盤にかけて上げ幅を縮めた。
日経225先物は買い先行で始まった後は膠着が予想されていたが、決算評価から買われたファーストリテイリング <9983.T> [東証P]が日経平均型を牽引した。同社は連日で最高値を更新しており、後場に入っても強い値動きが続いたことで、ショートカバーを誘った面もあるだろう。また、米ハイテク株高を受けてアドバンテスト <6857.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]なども堅調だった。
ただし、東証プライムの売買高は連日で15億株台にとどまっていたほか、6割超の銘柄が下落しているため、全体としては週末要因による持ち高調整の動きだったとみられる。ファーストリテイリングが1社で日経平均株価を277円押し上げており、同社の動きを睨みながら、先物市場ではスキャルピング中心のトレードに向かわせた形だろう。
とはいえ、これにより日経225先物は週足のボリンジャーバンドの+1σ(3万9380円)を上回って終えた。同水準が支持線として機能してくるようだと、自民党総裁選の高市トレードで付けた9月27日の高値(3万9900円)のほか、4万円の大台が意識されてきそうだ。3連休中に中東情勢を巡る地政学リスクが一段と高まらなければ、ロング優勢の展開が期待される。
そのため、まずはオプション権利行使価格の3万9500円を中心とした上下の権利行使価格3万9375円から3万9875円辺りのレンジを想定しておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.62倍に上昇した。朝方に14.47倍に低下する場面もみられたが、日経平均型優位のなか、終盤にかけて上げ幅を広げた。ファーストリテイリングが終日強含みだった一方で、TOPIXは終盤にかけて弱含みで推移したことでスプレッドが拡大した。9月27日に付けた直近の戻り高値である14.51倍を上放れてきたことで、NTロングに振れやすくなった。8月5日に付けた14.69倍を捉えてくると、3月4日の14.84倍が意識されそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万7219枚、ソシエテジェネラル証券が1万0146枚、サスケハナ・ホンコンが3762枚、バークレイズ証券が3443枚、JPモルガン証券が1851枚、SBI証券が1578枚、野村証券が1499枚、ゴールドマン証券が1279枚、ビーオブエー証券が1046枚、auカブコム証券が1037枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万8131枚、ソシエテジェネラル証券が1万2731枚、バークレイズ証券が3474枚、ゴールドマン証券が2701枚、JPモルガン証券が2522枚、モルガンMUFG証券が2301枚、サスケハナ・ホンコンが1858枚、ビーオブエー証券が1154枚、野村証券が840枚、BNPパリバ証券が737枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、中東の地政学リスクに警戒しながら、米9月卸売物価指数(PPI)や10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)、そして、複数のFRB高官による11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅への言及に注目する展開が予想される。
9月米卸売物価指数(PPI)は前月比+0.1%と予想されており、8月の同比+0.2%から伸び率鈍化、前年比は+1.6%と予想されており、8月の同比+1.7%からの伸び率鈍化が見込まれている。米10月の消費者物価指数(CPI)の先行指標となることで、予想通りならば、ディスインフレ傾向が続くことになる。
また、10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)では、1年先・5年先の期待インフレなどを見極めることになる。
本日は、グールズビー米シカゴ連銀総裁、ローガン米ダラス連銀総裁、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事らの発言機会が予定されており、米9月の雇用統計と新規失業保険申請件数が示したまちまちな雇用情勢、9月CPIが示したインフレ鈍化傾向の底打ち感などを受けた11月FOMCでの利下げ幅への言及に注目しておきたい。
本日も引き続き、イスラエルとイランの軍事衝突激化に関するヘッドラインには警戒しておきたい。
9月カナダ雇用統計の失業率は6.7%と予想されており、8月の6.6%からの悪化が見込まれている。8月は2021年以来の高い水準まで悪化しており、予想通りに悪化傾向が続いた場合、カナダ中銀の大幅利下げ観測が高まることになるため要警戒か。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、149.55円(10/10高値)
加ドル円の上値目処は、109.10円(10/10高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、147.35円(10/8安値)
加ドル円の下値目処は、107.34円(日足一目均衡表・転換線)
今晩は生産者物価指数に注目。昨日は9月消費者物価指数(CPI)が予想を上回り、根強いインフレが嫌気されたほか、新規失業保険申請件数が予想以上に増加したことでソフトランディング期待が後退したことも重しとなり、主要3指数がそろって3日ぶりに反落した。また、ボスティック米アトランタ連銀総裁が11月FOMCでの政策金利据え置きの可能性を示唆するなどFRB高官から市場の利下げ期待をけん制する発言もあったが、CMEのフェドウォッチ・ツールの11月利下げ確率は前日の80%から88%に上昇し、据え置き確率は20%から12%に低下した。
今晩の取引では年内の追加利下げの見通しを巡り、引き続き物価指標に注目が集まる。寄り前に発表される9月生産者物価指数(PPI)は前年比+1.6%と8月分の+1.7%から鈍化が見込まれ、前月比でも+0.1%と8月分の+0.2%から鈍化が予想されている。変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPPIは前年比+2.7%と8月分の+2.4%から上昇が予想されているが、前月比では+0.2%と8月の+0.3%から低下が見込まれている。PPIが予想を下回る伸びとなれば追加利下げ期待の高まりが相場の支援となりそうだ。また寄り後発表の10月ミシガン大消費者信頼感指数 速報値や同1年先・5年先期待インフレ率速報値にも要注目となる。昨日からスタートした第3四半期決算発表は、寄り前にJPモルガン・チェースやウェルズ・ファーゴなど大手銀行が発表予定で、決算やガイダンスが注目される。
今晩の経済指標・イベント9月PPI、10月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同期待インフレ率速報値のほか、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事やグールズビー米シカゴ連銀総裁、ローガン米ダラス連銀総裁の講演なども予定されている。企業決算は寄り前にJPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、ブラックロックなどが発表予定。
日経平均株価は3日続伸。前日同様、高寄りから今週の取引時間中の高値を更新する場面があったが、4日連続の陰線で伸び悩む動きが続いた。
RSI(9日)は前日の46.1%→70.2%(10/11)へ上昇。連続陰線ながらも5日移動平均線(39306円 10/11)上を維持しているほか、25日移動平均線(37783円 同)の上昇の傾きがやや強くなってくる点はポジティブな要因となる。引き続き、9月27日高値(39829円)を超えられるかが目先の焦点となる。超えることができると、7/18の下げで開けたマド上限(41054円)まで勢いがつく可能性が高い。
上値メドは、9/27高値、心理的節目の4万円、7/17安値(41054円)、心理的節目の42000円、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、10日移動平均線(38810円 同)や75日移動平均線(38311円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)、9/18高値(36675円)などがある。
SMBC日興証券では10月17日のECB理事会において、前回9月に続いて利下げが講じられ、ベンチマークである預金ファシリティ金利が3.50%から3.25%へ25bp引き下げられると予想している。12月理事会での政策判断は「データ次第」となるが、SMBC日興証券では賃金や企業収益の四半期ハードデータから企業の慎重な価格設定の継続と賃上げ要求の穏健化傾向が確認されるとみており、12月も25bpの利下げを想定している。
大和証券では、非常に強い結果となった米国の9月雇用統計の後に、予想を上回る消費者物価指数(CPI)が追い打ちをかけても米国の金利上昇が加速しなかった点に注目。(1)チャート…4月下旬の4.75%から補助線を引くと4.1%前後で頭打ち、(2)BEI(ブレークイーブンインフレ率)…2.33%まで上昇して巡行水準を回復し、追加的な上昇余地はかなり乏しくなった、(3)実質金利…Fedが「実質金利2%以上」の水準への回帰を望まないとすれば、現値からの上昇余地は限定的、(4)タームプレミアム…米長期金利が直近のボトムをつけた9月中旬の-0.25%前後から短期間のうちにプラスに浮上した―の4点などからも、米金利上昇に関しては4.1%前後でおおよそのピークを打った可能性があると考えている。
(11日終値:12日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.03円(11日15時時点比△0.33円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.09円(△0.49円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0943ドル(△0.0008ドル)
FTSE100種総合株価指数:8253.65(前営業日比△15.92)
ドイツ株式指数(DAX):19373.83(△162.93)
10年物英国債利回り:4.207%(▲0.003%)
10年物独国債利回り:2.265%(△0.009%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月独消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) 0.0% 0.0%
(前年同月比) 1.6% 1.6%
8月英国内総生産(GDP)
(前月比) 0.2% 0.0%
8月英鉱工業生産
(前月比) 0.5% ▲0.7%・改
(前年同月比) ▲1.6% ▲2.2%・改
8月英製造業生産指数
(前月比) 1.1% ▲1.2%・改
8月英商品貿易収支
150.60億ポンドの赤字 188.71億ポンドの赤字・改
8月英貿易収支
9.55億ポンドの赤字 47.12億ポンドの赤字・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
・ドル円は強含み。米長期金利の高止まりなどを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。欧州株や米国株相場の上昇も相場の支援材料となった。前日のボスティック米アトランタ連銀総裁のタカ派的な発言を受けて付けたNY午後の高値149.08円を上抜けると、一時本日高値となる149.28円まで値を上げた。ただ、9月米消費者物価指数(CPI)発表直後に付けた149.53円やその日の高値149.55円には届かなかった。
なお、米労働省が発表した9月米卸売物価指数(PPI)は前月比で予想を下回った一方、前年比で予想を上回った。食品とエネルギーを除くコア指数は前月比が市場予想と一致し、前年比が予想を上回った。また、10月米ミシガン大学消費者態度指数速報値は予想を下回った一方、同時に発表された1年先の期待インフレ率は予想を上回るなど、本日発表の米経済指標はまちまちの内容となった。
市場では「インフレ見通しは引き続き良好で、米連邦準備理事会(FRB)が11月も利下げを継続するという見方を支えた」との声が聞かれた。CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、11月6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを予想する確率は前日の83.3%から88.0%に上昇し、据え置きの確率は16.7%から12.0%に低下した。
・ポンドは堅調だった。ポンドドルは一時1.3083ドル、ポンド円は195.24円まで値を上げたほか、ユーロポンドは0.8364ポンドまで値を下げた。8月英国内総生産(GDP)が前月比0.2%増と市場予想と一致し、3カ月ぶりのプラスとなったことが好感された。
・ユーロドルは下値が堅かった。日本時間夕刻に一時1.0954ドルと日通し高値を付けたものの、前日の高値1.0955ドルがレジスタンスとして意識されると失速。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出ると、22時前に一時1.0926ドル付近まで下押しした。
ただ、オセアニア時間に付けた日通し安値1.0923ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。欧米株高に伴うリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが入ると1.0952ドル付近まで持ち直している。
・ユーロ円は底堅い。欧米株価の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが優勢となった。23時30分過ぎに一時163.41円と本日高値を付けた。ただ、前日の高値163.61円が目先レジスタンスとして働くと伸び悩んだ。
・ロンドン株式相場は小反発。続落して始まったものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。米国株相場の上昇などが相場の支援材料。コンパス・グループやネクストなど一般消費財サービスが買われたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値上がりした。半面、グラクソスミスクラインなど医薬品株の一角に売りが出た。
・フランクフルト株式相場は反発。しばらくは前日終値付近でのもみ合いが続いていたが、米国株相場の上昇をきっかけに独株にも買いが入ると引けにかけて上値を伸ばした。個別ではエアバス(3.93%高)やシーメンス・エナジー(3.29%高)、ポルシェ(2.31%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
(11日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.13円(前営業日比△0.56円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.12円(△0.66円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0937ドル(△0.0003ドル)
ダウ工業株30種平均:42863.86ドル(△409.74ドル)
ナスダック総合株価指数:18342.94(△60.89)
10年物米国債利回り:4.10%(△0.04%)
WTI原油先物11月限:1バレル=75.56ドル(▲0.29ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2676.3ドル(△37.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月米卸売物価指数(PPI)
(前月比) 0.0% 0.2%
(前年比) 1.8% 1.9%・改
食品とエネルギーを除くコア指数
(前月比) 0.2% 0.3%
(前年比) 2.8% 2.6%
10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
68.9 70.1
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。米長期金利の高止まりなどを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。米国株相場や日経平均先物の上昇も相場の支援材料となった。前日のボスティック米アトランタ連銀総裁のタカ派的な発言を受けて付けたNY午後の高値149.08円を上抜けると、一時本日高値となる149.28円まで値を上げた。ただ、9月米消費者物価指数(CPI)発表直後に付けた149.53円やその日の高値149.55円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
なお、米労働省が発表した9月米卸売物価指数(PPI)は前月比で予想を下回った一方、前年比で予想を上回った。食品とエネルギーを除くコア指数は前月比が市場予想と一致し、前年比が予想を上回った。また、10月米ミシガン大学消費者態度指数速報値は予想を下回った一方、同時に発表された1年先の期待インフレ率は予想を上回るなど、本日発表の米経済指標はまちまちの内容となった。
市場では「米連邦準備理事会(FRB)が11月も利下げを継続するというマーケットの予想を変える内容ではない」と受け止められた。CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、11月6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを予想する確率は前日の83.3%から90%前後に上昇し、据え置きの確率は16.7%から10%前後に低下した。
・ユーロドルは3日ぶりに小反発。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが先行すると22時前に一時1.0926ドル付近まで下押ししたものの、オセアニア時間に付けた日通し安値1.0923ドルが目先サポートとして働くと下げ渋った。欧米株高に伴うリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが入ると1.0952ドル付近まで値を戻す場面があった。
もっとも、今日の高値はアジア時間に付けた1.0954ドルで値幅は0.0031ドル程度と小さかった。
・ユーロ円は反発。日米株価指数の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが優勢となった。23時30分過ぎに一時163.41円と本日高値を付けた。ただ、前日の高値163.61円が目先レジスタンスとして働くと伸び悩んだ。
・カナダドルは買いが強まる場面があった。カナダ統計局が発表した9月カナダ雇用統計で、新規雇用者数が4.67万人増と予想の2.70万人増を上回ったほか、失業率が6.5%と予想の6.7%より強い内容となったことを受けた。米ドルカナダドルは一時1.3725カナダドル、ユーロカナダドルは1.5008カナダドル、カナダドル円は108.61円までカナダドル高に振れた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。決算内容が好感されたJPモルガン・チェースが大幅に上昇すると、ゴールドマン・サックスなど他の金融株にも買いが波及した。市場では「金融大手の決算内容を受けて、企業業績に対する期待が高まった」との声が聞かれた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、7月16日以来およそ3カ月ぶりの高値で取引を終えた。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。米株式市場でダウ平均が史上最高値を更新する中、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。週明け14日はコロンブスデーの祝日で債券市場は休場。3連休となる週末を前にポジション調整目的の売りも出た。
・原油先物相場は反落。前日大幅上昇の反動で利益確定売りが優勢となった。ただ、大型ハリケーンの米上陸の影響や、中東情勢の緊迫化による地政学的リスクへの懸念で下押しは限られた。
・金先物相場は続伸。今週に発表された米経済指標は強弱まちまちも、FRBの年内追加利下げ方針は変わらないとの見方が強いことを支えに買いが入った。また、中東情勢の緊迫化が続いていることも買いを後押した。
12日00:13 ローガン米ダラス連銀総裁
「緩和政策でもインフレは抑制される」
「最近のインフレデータは非常に歓迎すべき」
※時間は日本時間
14日
○スポーツの日の祝日で休場
15日
○13:30 ◇ 8月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 8月設備稼働率
16日
○08:50 ◎ 8月機械受注
○10:30 ◇ 安達誠司日銀審議委員、あいさつ
17日
○08:50 ◎ 9月貿易統計(通関ベース)
○13:30 ◇ 8月第三次産業活動指数
18日
○08:30 ☆ 9月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)
○08:30 ☆ 9月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
14日
○09:00 ◎ 7-9月期シンガポール国内総生産(GDP)速報値
○09:00 ◎ シンガポール金融通貨庁(MAS)、金融政策発表
○未定 ◎ 9月中国貿易収支
○15:30 ◇ 9月スイス生産者輸入価格
○15:30 ◎ ディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○16:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○21:00 ◎ 9月インド消費者物価指数(CPI)
○15日04:00 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○米国(コロンブスデー)、債券市場が休場
○カナダ(感謝祭)、休場
15日
○15:00 ◇ 9月独卸売物価指数(WPI)
○15:00 ◎ 9月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○15:00 ◎ 6-8月英失業率(ILO方式)
○15:45 ◇ 9月仏CPI改定値
○18:00 ◎ 10月独ZEW景況感指数
○18:00 ◎ 10月ユーロ圏ZEW景況感指数
○18:00 ◎ 8月ユーロ圏鉱工業生産
○21:30 ◎ 10月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
○21:30 ◎ 9月カナダCPI
○16日00:30 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、あいさつ
16日
○06:45 ◎ 7-9月期ニュージーランド(NZ)CPI
○15:00 ◎ 9月英CPI
○15:00 ◎ CPIコア指数
◇ 小売物価指数(RPI)
○20:00 ◇ 8月南アフリカ小売売上高
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:15 ◇ 9月カナダ住宅着工件数
○21:30 ◇ 8月カナダ製造業出荷
○21:30 ◇ 9月米輸入物価指数
○09:30 ◎ 9月豪雇用統計(失業率/新規雇用者数)
○18:00 ◇ 8月ユーロ圏貿易収支
○18:00 ☆ 9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
○18:00 ☆ 9月ユーロ圏HICPコア改定値
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表
○21:15 ☆ 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表
○21:30 ◇ 8月対カナダ証券投資
○21:30 ☆ 9月米小売売上高
○21:30 ◎ 10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○21:45 ☆ ラガルドECB総裁、定例記者会見
○22:15 ◎ 9月米鉱工業生産
◇ 設備稼働率
○23:00 ◎ 10月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
○23:00 ◇ 8月米企業在庫
○24:00 ◇ EIA週間在庫統計
○18日05:00 ◎ 8月対米証券投資動向
18日
○11:00 ☆ 7-9月期中国GDP
○11:00 ◎ 9月中国鉱工業生産
○11:00 ◎ 9月中国小売売上高
○15:00 ◎ 9月英小売売上高
○17:00 ◇ 8月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○18:00 ◇ 8月ユーロ圏建設支出
○21:30 ◎ 9月米住宅着工件数
◎ 建設許可件数
○23:00 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○アジア太平洋経済協力会議(APEC)財務相会合(リマ、21日まで)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆ポンド、9月雇用・物価データで追加利下げを見極め
◆ポンド、月末に予算案公表を控え関連のヘッドラインにも注意
◆加ドル、9月CPI次第では大幅利下げを織り込む動きにも
予想レンジ
ポンド円 190.50-196.50円
加ドル円 106.50-110.50円
10月14日週の展望
ポンドは来週発表予定の9月雇用・物価データが注目される。イングランド中銀(BOE、英中銀)の次回会合は11月7日に予定されており、9月雇用・物価データは金融政策委員会(MPC)メンバーにとって政策判断の大きな手がかりとなる。8月消費者物価指数(CPI)は前年比2.2%と横ばいだったが、同コアは3.3%から3.6%へ、サービスは5.2%から5.6%に伸びが加速し、これが9月会合で追加利下げを見送った大きな一因となった。もっともベイリーBOE総裁は先週、インフレに関する良好なニュースが続けば中銀は利下げのアプローチで「もう少し積極的に、かつ、もう少し活動的になることが可能だ」と述べた。
9月英購買担当者景気指数(PMI)は製造業・サービス業ともに前月から悪化したが、依然として景気判断の分岐点とされる50を上回っている。英国経済は勢いこそ鈍りつつあるものの回復が続いており、景気は欧州内で堅調な部類に入っている。ただ、英政府は30日に発表する予算案での増税を示唆しており、税負担の拡大による景気下振れリスクが高まっている。増税規模次第では、財政赤字を巡る懸念が高まる恐れや、消費にも陰りが出てくる可能性があり、予算案関連のヘッドラインにも注目したい。
加ドルもカナダの9月CPIに注目。23日のカナダ中銀(BOC)会合では、4会合連続での利下げが確実視されている。11日の9月雇用統計や15日の同月CPIがさえない結果となれば、0.50%の大幅利下げへの思惑が強まり、加ドルは売りに押されそうだ。予想より強い結果になっても、大きく上振れしない限り加ドル買いは限られ、どちらかと言うとネガティブな結果が警戒される。
8月CPIは前年比2.0%と2021年2月以来の低水準となり、BOCが目標とする2%に達した。9月の予想は1.9%と伸びの鈍化が続くと見込まれている。物価上昇が落ち着いていることで、BOCは積極的な利下げ姿勢継続を示唆し、経済の刺激と失業率の上昇を抑えることに注力することになりそうだ。
また、加ドルは産油国通貨という側面をもっており、中東情勢には引き続き注目が必要。イスラエルとイランの対立などを巡る中東情勢の悪化を受け、原油相場は値幅を伴った動きが続いている。中東の地政学リスクと中国当局の景気刺激策が原油相場の支えとなっているが、中東情勢への過度な警戒感や中国景気回復への期待感が和らぐと、「原油需要の低迷・過剰供給」をテーマに再び売り圧力が強まり、加ドルの上値圧迫の要因となる可能性がある。
10月7日週の回顧
ポンドは前週のベイリーBOE総裁のハト派寄り発言が重しとなるも、対ドルでは1.30ドル前半、対円は192円後半で下げ渋って値動きは限られた。加ドルはBOCの追加利下げへの思惑が上値を圧迫するなか、8月の貿易収支が予想を上回る赤字額となったことも嫌気された。ドル/加ドルは1.37加ドル後半、加ドル円は108円割れまで加ドル安となった。
◆豪ドル、RBAのタカ派スタンス変わらず堅調地合い
◆豪ドル、週末発表予定の中国財政政策に警戒
◆NZドル、CPIの結果次第では更なる大幅利下げの可能性も
予想レンジ
豪ドル円 98.00-103.00円
南ア・ランド円 8.20-8.70円
10月14日週の展望
豪ドルは底堅い展開となりそうだ。9月に行われた豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨が公表されたが、「他国の金利と同調して動く必要はない」と記された。RBAは他の主要中央銀行が利下げサイクルに乗り出しているが、同調した利下げ期待を弱めようとしている。ハウザーRBA副総裁も講演で「コアインフレは目標に達する」と予想する反面で「インフレは持続する」と予想し、「インフレとの戦いでRBAは強固な姿勢を維持すべき。インフレ率が高止まりした時には行動するだろう」と引き続きタカ派姿勢を堅持した。米国をはじめ他国と比較するとRBAの利下げは遅れ、早くても年末か年始との予想が多く、金融政策の方向性の違いが豪ドルの支えとなるだろう。
来週は豪・NZ投資コンフェレンスでハンターRBA総裁補佐が講演を行う予定。経済指標では17日に注目度の高い9月の雇用統計が発表される。8月の雇用統計は新規雇用者が市場予想を上回ったが、非正規雇用の大幅増に支えられたものだった。正規雇用が増加するかに注目したい。
また、中国の株式市場の動向にも注目だろう。国慶節の大型連休前に発表された様々な景気刺激策を受けて大幅に上昇していた中国株式市場だが、徐々に上値が限られてきている。経済政策全般の立案を担う国家発展改革委員会(発改委)が8日に公表した景気対策は期待外れとなったが、財政政策に関して12日に記者会見が開かれる予定。追加景気対策への期待が残されている。結果次第では、リスク許容度に敏感に反応する豪ドルが週初から大きく動く可能性が高い。
NZドルの動きも目が離せない。今週50bpの利下げを行ったことを受けて大幅安になったが、16日に発表される7-9月期消費者物価指数(CPI)に要注目。また、14日にはオアRBNZ総裁、15日にはホークスビーRBNZ副総裁、16日にはシルクRBNZ総裁補佐がそれぞれ講演を予定している。市場では既に11月会合でも50bpの利下げ予想が出ているが、CPIの結果や当局の発言次第では、NZドルは更に下げ幅を探る展開もありそうだ。特にRBAとRBNZの両中銀の方向性の違いは明白。豪ドル買い・NZドル売りがさらに進むことになるのかを注視している。
南アフリカ・ランド(ZAR)は底堅い動きとなるか。米金利の上昇でドル買い・ランド売りが進んでいるが、南アの政治や経済への期待感が高い。対円では今週も7月中旬以来の水準まで強含んでいる。来週は南アからは16日に8月の小売売上高が発表される程度と、市場を積極的に動意づける材料に欠けていることで、株式市場や米国などの経済指標に左右される展開になりそうだ。
10月7日週の回顧
豪ドルは方向感のない動き。週初には豪ドル円は7月後半以来の101円台まで強含んだが、徐々に伸び悩んだ。豪ドル/ドルは米金利の上昇で上値が抑えられた。一方、RBNZの大幅利下げを受けて、豪ドル/NZドルでは堅調な動きだった。ZARは対円では一時7月中旬以来となる8.55円まで強含んだ。ただ、米金利の上昇を受け、対ドルでは9月後半以来となるドル買い・ZAR売りが進んだこともあり、ZAR円の上値も抑えられた。
◆ドル円、中東情勢に警戒しつつ米9月小売売上高などに注目
◆日本の9月CPIや本邦通貨当局の円安抑制にも注意
◆ユーロドル、ECB理事会での利下げを見極め
予想レンジ
ドル円 147.00-151.00円
ユーロドル 1.0700-1.1100ドル
10月14日週の展望
ドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の年内大幅利下げ観測の後退と日銀の早期利上げ観測の後退から底堅い地合いが予想される。ただ、上値を抑える要因としては、予期せぬ衝突の激化など、中東の地政学リスクの突然の高まりや、衆院選の争点が物価高対策となっていることもあり、本邦通貨当局による円安抑制の動きが高まる可能性を念頭に置いておきたい。
米国では、アトランタ連銀の「GDPナウ」によると、第3四半期GDP予測は8日時点で3.2%となっており、第2四半期の3.0%からの改善が見込まれている。また、9月のFOMC議事要旨では、「米経済は景気抑制的政策にも関わらず顕著な底堅さを維持している」と言及された。来週は9月小売売上高や10月NY連銀景況指数、10月フィラデルフィア連銀景況指数などを確認することになる。
日本では、9月のコアCPIは前年比2.3%と予想されている。8月の2.8%からは伸び率の鈍化が見込まれており、予想通りならば日銀の早期利上げ観測が後退することになりそうだ。石破首相が「個人的には現在、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と発言したことから、総選挙後の日銀金融政策決定会合(30‐31日)では金融政策の現状維持が見込まれている。ただ、三村財務官は現状の為替市場に対して「投機的な動きを含めて為替市場の動向を注視する」と述べているほか、神田内閣官房参与(前財務官)も「為替市場、引き続き高い緊張感持って警戒続けていく」と発言。物価高対策が選挙の争点となっているため、ドル円が150円台の大台に乗せた局面での本邦通貨当局による円安抑制の可能性には注意が必要だろう。
ユーロドルは、17日のECB理事会での0.25%の追加利下げ観測が高まっており、下値リスクに警戒しておきたい。バスレ・スロベニア中銀総裁が「10月に0.25%利下げしても、12月の利下げを保証するものではない」と釘を刺していることもあり、声明文にも注目。更に、11月5日の米大統領選に向けて、イスラエルとイランの軍事衝突の激化への警戒感も高まっており、最悪のシナリオとして、第5次中東戦争の勃発やホルムズ海峡封鎖による原油価格の急騰なども想定しておくべきだろう。
10月7日週の回顧
ドル円は、8日に一時147.35円まで値を下げたが、9月FOMC議事要旨で一部の委員が0.25%の利下げを支持していたことが判明。米長期金利の上昇に連れて149.55円まで上昇した。ただ、9月米CPIが予想を上回ったものの、新規失業保険申請件数が大幅な悪化を示す内容となると148円台前半まで反落した。ユーロドルは、9月ECB理事会議事要旨がハト派的だったことや米10年債利回りが4.11%台まで上昇したことで、1.0997ドルから1.0900ドルまで下落した。
11日の日経平均は3日続伸。終値は224円高の39605円。米国株安はネガティブ視されず、寄り付きは200円を超える上昇。いったん急速に値を消したが、前日終値に接近したところでマイナス圏入りを回避して切り返すと、再び上げ幅を3桁に広げた。決算が好感されたファーストリテイリング<9983.T>が大きく上昇し、全体をけん引。指数は39600円台で買いが一巡し、後場に入ると三連休を前に動意が乏しくなったが、200円を超える上昇で取引を終えた。ファーストリテイリングの日経平均に対する貢献度が大きく、TOPIXやグロース250指数は下落した。
東証プライムの売買代金は概算で3兆7700億円。業種別では銀行、小売、保険などが上昇した一方、不動産、陸運、金属製品などが下落した。本日の相場の主役となったファーストリテイリングが6.1%高。1銘柄で日経平均を約277円押し上げており、売買代金は全市場でトップとなった。半面、通期の利益見通しを引き下げたオーエスジー<6136.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり503/値下がり1086と、日経平均は上昇したが値下がり銘柄は多かった。米9月消費者物価指数が市場予想を上回り、米国の長期金利が高止まりしたことから、三菱UFJや三井住友など銀行株が上昇。主力どころではアドバンテスト、フジクラ、川崎重工に強い動きが見られた。決算と併せて自己株取得を発表したSHIFTが、商いを伴って7%近い上昇。本決算を材料にコシダカHDがストップ高まで買い進まれた。
一方、通期の利益見通しを引き下げたセブン&アイが下落。レーザーテック、信越化学、メルカリなどグロース系の銘柄の一角が軟調となった。米長期金利の高止まりが嫌気されて、三井不動産や三菱地所など不動産株が軒並み安。上期が計画未達となったトレジャーファクトリーや下方修正を発表した松竹が急落した。
本日、グロース市場に新規上場したオルツは、公開価格を上回る初値をつけ、終値も初値を上回った。
日経平均は3日続伸。ファストリさまさまの上昇ではあったが、三連休前に警戒ムードが高まらなかったことはポジティブ。値下がり銘柄は多くTOPIXは下げているだけに、ファストリが逆の動きをしていた場合、節目の39000円を割り込んでいた可能性もあった。終値は39605円で、40000円の大台も射程圏内に入ってきた。自民党総裁選の結果を消化した9月30日に日経平均は1910円下げたが、その前営業日9月27日の終値は39829円で、これを超えてくれば、株式市場は石破新政権に期待しているとの見方が強まる。三連休明けの15日は、衆議院議員選挙の公示日。「選挙は買い」のアノマリーが見られるかどうか、来週以降の動向が大きく注目される。
【来週の見通し】
一進一退か。月曜が祝日で立ち合いは4日。火曜15日までで2月決算企業の業績発表が概ね一巡し、3月決算企業の業績発表を前に多くの銘柄が手がけづらくなる。16日にASML(オランダ)、17日にディスコ<6146.T>、TSMC(台湾)が決算発表を予定しており、この近辺ではグローバルで半導体株の振れ幅が大きくなる可能性がある。また、欧米の長期金利動向を見る上では、17日のECB理事会および米9月小売売上高が注目される。米国では一足先に決算発表が出始めるだけに、各種材料に一喜一憂することになるだろう。ただ、決算待ちの状況下では、商いの盛り上がりが期待しづらい。日経平均もここからもう一段上昇して40000円に接近するようなら、いったんはやれやれ売りが上値を抑えると思われる。上への期待も下への警戒もそれほど高まらず、指数は方向感に欠ける動きが続くと予想する。
ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事の講演では、金融政策や経済についての言及はなかった。
格付け会社フィッチは11日、フランスの格付け「AA-」の見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更したと発表した。
<国内>
○スポーツの日の祝日で休場
<海外>
○09:00 ◎ 7-9月期シンガポール国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比年率1.8%)
○09:00 ◎ シンガポール金融通貨庁(MAS)、金融政策発表
○未定 ◎ 9月中国貿易収支(予想:898.0億ドルの黒字)
○15:30 ◇ 9月スイス生産者輸入価格
○15:30 ◎ ディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○16:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○21:00 ◎ 9月インド消費者物価指数(CPI、予想:前年比5.04%)
○22:00 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○15日04:00 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○米国(コロンブスデー)、債券市場が休場
○カナダ(感謝祭)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米長期金利の高止まり、米国株相場や日経平均先物の上昇などを背景に149.28円まで値を上げた。ユーロドルは米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いで一時1.0926ドル付近まで下押しした後、欧米株高に伴うリスク・オンのユーロ買い・ドル売りで1.0952ドル付近まで値を戻した。ユーロ円は日米株価指数の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善したことで163.41円まで上昇した。
本日のアジア外国為替市場のドル円は、東京市場がスポーツの日で休場、ニューヨーク市場がコロンブスデーで休日のため債券市場が休場となることで動きづらい展開が予想される。
中東情勢に関しては、イスラエルが先週10日に安全保障閣議を開催したことで、イランに対する報復攻撃に踏み切るのか否か、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
また、イシバノミクスにおける日銀の金融政策に関しては、12日に石破首相が、「日銀は政府の子会社でもなんでもない。日銀として独自の判断を尊重する」と述べたことで、政権によるあからさまな介入への警戒感が後退したと思われる。
しかしながら、衆院選の争点が物価高対策となっており、輸入物価上昇の要因となる円安抑制に関しては、149円台で、三村財務官が「投機的な動きを含めて為替市場の動向を注視する」と述べ、為替介入の助言を担っている神田内閣官房参与(前財務官)が「為替市場、引き続き高い緊張感持って警戒続けていく」と述べているため、150円が重くなっている。
今年の4月29日の休日に、神田前財務官は、ドル売り・円買い介入を断行しており、本日も三村財務官が監視している可能性があるため、ドル円が150円に向けて上昇する局面では警戒しておきたい。
ニューヨークの株式市場は最高値を更新して、債券市場では、米10年債利回りは4.1%台、米30年債利回りは4.4%台と7月末以来の高水準まで上昇している。
しかし、強気な割には投資家の緊張を測る指標は警戒感を示しており、株式のCBOEボラティリティー指数(VIX)と国債のICE・BofA・MOVE指数はどちらも上昇基調となり、「オクトーバーサプライズ」への警戒感を示している。
最近発表された米国の雇用指標や物価指標はまちまちであり、年内の米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融スタンスが不透明になっており、中東情勢への警戒感や次期米大統領の不透明感などもあることで、市場の混迷度合いが深まりつつある。
CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、11月6-7日のFOMCでの0.25%の利下げを予想する確率は90%前後に上昇し、据え置きの確率は10%前後になっている。
金利スワップ市場は、FOMCが11月、12月いずれかの会合で政策金利を据え置く確率を約20%織り込んでいる。
週末に行われた中国の藍仏安財政相の会見では、財政支援措置については具体的な数値規模が明示されなかったことで、中国株式市場の動向にも注目しておきたい。
スポーツの日の祝日で3連休となっている東京の空は、まさに晴天のスポーツ日和となっていますが、野球にせよ、サッカーにせよ、陸上競技にせよ、最近の日本のプレゼンスの急上昇は目を見張るものがあって、ただ、それが直接、政治的な強化や経済的優位性には全く結びついていないことは明らか。明日公示の総選挙を前にして、ドル円は目先、再び不透明な環境を迎えることになっています。
先週末の海外市場では、9月米PPIがヘッドラインの前月比が予想を下回ったことから一時148.81円まで値を下げる場面もみられましたが、コア指数も含めてその他の数字が予想を上回る強い結果だったことからすぐにも買戻し。10月米ミシガン大消費者態度指数速報値もヘッドラインこそ予想を下回ったものの、同時に公表された1年先の期待インフレ率が強い数字となると149.28円の高値まで買戻されました。その後の下押しも148.97円までにとどまり、引けにかけては149円台を回復して週末の取引を終えています。
東京勢不在のアジア市場では、早朝に一時148.98円まで値を下げる場面もみられましたが、NY時間高値からの下押しレベルでしっかりとサポートされると、先週末の高値を上抜けて一時149.39円まで値を上げています。
いずれにしても、市場では先週より、米利下げへの期待値を調整する必要性に迫られているほか、日本の政局に気を取られている間に、米大統領選では、リードしていたカマラハリスの優位性が一転して急落。トランプ返り咲きの可能性が高まっているといった状況。ユーロドルのダブルトップ形成後の一目雲下抜けなど、全般ドル買いの機運が高まりつつあるのは明らかです。
更に、ドル円については、先週末判明した8日時点での投機筋のポジション状況においても、円のネットポジションが1日の56772枚ロングから36528枚ロングにまで急減。7月中旬から急減していた円ショートが10月に入ってからよやく底打ちして、再び増加傾向になってきた一方、急増していた円ロングが10月に入ってから一転急減した結果。長くキープ出来ない円ロングを踏み上げさせる動きとなったことがわかります。ドル円は現況、10日の高値149.55円を意識した動きとなっていますが、151円台に位置している200日MAや一目雲上限が上値の目処となっています。
「広島の原爆は、事実上、敗北していた敵に使われた」(オッペンハイマー)
2024年10月、核保有国のロシアのプーチン大統領がウクライナに対して核ドクトリンを変更して戦術核を使用とし、核保有国のイスラエルのネタニヤフ首相が、イランの核関連施設に報復攻撃を断行しようとしている時、ノーベル委員会は、「日本被団協」にノーベル平和賞を授与することで警鐘を鳴らした。
1. ノーベル委員会
ノーベル委員会は、10月11日、原爆被害生存者でつくる日本の草の根団体「日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)」にノーベル平和賞を授与すると発表した。授賞理由として、核兵器のない世界の実現に向けた取り組みを挙げ、「核兵器が二度と使用されてはならないことを証言を通じて示してきた」と称賛した。
被団協は広島と長崎に1945年に投下された原子爆弾の生存者により結成された。
2. アカデミー委員会
「日本にノーベル賞が来る理由」(伊東乾著)によると、原子爆弾を開発した欧米の科学者(ノーベル委員会)の後悔により、原爆の父オッペンハイマーと水爆の父テラーは受賞できず、原爆の犠牲となった日本の科学者、湯川博士(1949年)や朝永博士(1965年)への授賞により、原爆投下への謝罪が込められていたらしい。
オッペンハイマーは、1947年にプリンストン高等学術研究所の所長となり、1948年に湯川博士を、1949年に朝永博士を客員教授として招き、両者のノーベル賞受賞を推薦した。
アカデミー委員会は、第96回アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞を含む最多7部門を受賞したクリストファー・ノーラン監督の最新作『オッペンハイマー』のレクイエムとして、スタジオジブリの宮崎駿監督作品「君たちはどう生きるか」にアカデミー長編アニメ賞を授与したのかもしれない。
オッペンハイマーは、1945年8月6日に広島、8月9日に長崎に投下される原爆の開発・製造「マンハッタン計画」を主導し、『君たちはどう生きるか』は、太平洋戦争での米軍機による空襲のシーンから始まる。
3. オッペンハイマー
映画『オッペンハイマー』の原作はピュリッツァー賞受賞作品『アメリカン・プロメテウス』であり、原子力という現代の「火」を人類にもたらしたJ.ロバート・オッペンハイマーの運命が暗示されている。ギリシャ神話のプロメテウスは天界から火を盗んで人間に与えたことで、神々の怒りを買って永遠の拷問を受けたが、オッペンハイマーが原子爆弾の開発に成功した後の葛藤と苦悩のメタファーとなっている。
ノーラン監督は、オッペンハイマーを、スティングの『Russians』(1985年)の"How can I save my little boy from Oppenheimer's deadly toy(どうすれば子供達を守る事が出来る?オッペンハイマーが作り出した大量殺戮兵器から)で知ったらしい。1945年8月の広島と長崎の無防備の子供達の頭上には、小さな太陽が落とされたのだが。
1939年、アインシュタイン(ノーベル物理学賞)は、『E=mc2』というエネルギーと質量の等価式により、ナチス・ヒトラーが原子爆弾を手に入れることへの危険性を、手紙でルーズベルト第32代米大統領(ノーベル平和賞)に伝えた。大統領は、原子爆弾開発・製造のための「マンハッタン計画」を打ち出し、オッペンハイマーがリーダーに迎えられた。
1945年5月9日のドイツ降伏により、原爆製造の意義は失われたが、トルーマン政権は国内総生産(GDP)の約2%(22億ドル)を投じていた原爆の実戦投入を目論んでいた。
1945年7月16日、ポツダム会談に参加していたトルーマン米第33代大統領の元に、トリニティ実験場での原子爆弾実験の成功が知らされた。
スターリン・ソ連書記長は、日本への投下を勧め、チャーチル英第61代首相(ノーベル文学賞)は、「日本は罰を受けなければならない」と日本への投下を容認した。
日本政府が、「ポツダム宣言」での無条件降伏を受け入れていれば、2発の原爆投下での21万人以上の死者と約57.5万人のシベリア抑留での約5.4万人の死者は防げたのだが。
トルーマン大統領は、原爆投下を決断したことで、米同盟軍の兵士25万人と日本人25万人の命が救われた、と弁明している。
本日のロンドン為替市場のポンドドルとユーロドルは、中東の地政学リスクに警戒しながら、ディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員とビルロワドガロー仏中銀総裁の講演から追加利下げの可能性を探る展開となる。
9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)が前年比+1.8%まで低下していることで、17日の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げの可能性が高まっている。
本日は、ハト派のビルロワドガロー仏中銀総裁の講演が予定されているが、先週、「利下げの可能性は極めて高く、さらにこれが最後になるわけではない。今後のペースはインフレとの闘いの進展次第だ」と述べていた。17日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控えて、ブラックアウト期間に入っているため、金融政策に関する言及はないと思われるが、景況感への見解に注目しておきたい。
8月の英消費者物価指数(CPI)は前年比+2.2%だったが、16日に発表される9月CPIは同比+1.9%まで低下することが予想されている。
本日は、9月の英中銀金融政策委員会で、ただ一人4.75%までの利下げを支持したハト派のディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員の講演が予定されており、先日のベイリー英中銀(BOE)総裁の発言「より積極的な利下げが可能」に同調するハト派発言が予想される。
また、中東の地政学リスクに関しては、イスラエルは先週10日に安全保障閣議を開催しており、本日も、中東関連のヘッドラインには警戒しておきたい。
イスラエルがイランと全面的な軍事対決に踏み切った場合、第5次中東戦争の可能性が高まり、米国が支援するウクライナとイスラエル、イランの背後のロシアという構図から、さらなる地政学リスクの高まりに警戒せざるをえなくなる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0992ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:163.89円(8/15高値)
・ポンドドル:1.3164ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:195.97円(9/27高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0882ドル(8/8安値)
・ユーロ円:162.31円(10/11安値)
・ポンドドル:1.2941ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ポンド円:193.87円(10/11安値)
本日の東京市場では、本邦休場の中でドル円は149円割れの水準では底堅く推移するも、10日高値149.55円が目先の抵抗として意識されるなど、149円台前半で方向感を模索する展開となった。
NYタイムは、ニューヨーク市場がコロンブスデーで休日のため債券市場が休場となる。また、主だった経済指標の発表や米企業の決算発表も予定されていないため、引き続き149円台前半で動きづらい展開が予想される。
注意しなければならないのは、流動性が乏しいなか、ある程度まとまったフローが出てきた場合だろう。その場合は瞬間的かもしれないが、特段の材料を伴わなくとも相場が上下へ振れることが予想される。追随すると高値を掴んだり、安値を売り込んでしまったりしかねない。判断できないまま値動きを追うことは避けたい。
要人発言では、NY時間午前にカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、午後にウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が予定されている。カシュカリ総裁は7日に「インフレが2%の目標に回帰するという自信は大きい」「リスクのバランスは雇用増加の方向にシフトしている」などと話した。また、ウォラー理事は先月20日に「雇用市場が悪化すれば、再び0.50%の利下げの検討あり得る」「データが軟調になれば、利下げペースが速まる可能性がある」などと話している。内容に変化がないか確認したい。
想定レンジ上限
・ドル円は10日高値149.55円。超えると心理的節目の150円
想定レンジ下限
・ドル円は5日線148.86円。割ると11日安値148.41円
今週のNY市場は決算発表と9月小売売上高などの経済指標注目。先週はダウ平均が1.21%高、S&P500が1.11%高、ナスダック総合が1.13%高と主要3指数がそろって5週続伸。10月月初来ではダウ平均が1.26%高、S&P500が0.91%高、ナスダック総合が0.85%高となった。中東情勢の緊迫化による供給不安からNY原油が上昇したことや、米10年債利回りの上昇が嫌気され週明け7日は下落してスタートしたが、その後、原油相場や米10年債利回りの上昇が一服したことで反発すると、好業績見通しを背景にエヌビディアなどのハイテク株が上昇したことや、週末は好決算を発表したJPモルガン・チェースとウェルズ・ファーゴが大幅高となったことも相場を押し上げた。ダウ平均は9日、11日に終値の過去最高値を更新し、11日は10営業日ぶりに取引時間中の史上最高値も更新した。S&P500も9日と11日に取引時間中と終値の最高値を更新した。利上げ見通しを巡って注目された9月消費者物価指数(CPI)は予想を上回り、インフレの根強さが意識されたが、9月生産者物価指数(PPI)は強弱まちまちの内容となった。CMEのフェドウォッチ・ツールの11月米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利据え置き確率は前週末の3%から13%に上昇し、0.25%の利下げ確率は97%から87%に低下した。
今週は発表が本格化する第3四半期決算と9月小売売上高などの経済指標に注目が集まる。決算発表は火曜日にバンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ゴールドマン・サックス、水曜日にモルガン・スタンレーの大手行が発表するほか、ユナイテッドヘルス、ジョンソン&ジョンソン、トラベラーズ、ネットフリックス、プロクター&ギャンブルなどS&P500採用の43銘柄が発表予定で、決算やガイダンスが注目される。経済指標では足もとの景気動向を巡り、木曜日に発表される9月小売売上高が注目されるほか、10月NY連銀製造業業況指数、新規失業保険申請件数、9月鉱工業生産、10月NAHB住宅市場指数、9月建設許可件数、9月住宅着工件数などが発表される。また、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁の講演なども予定され、利下げを巡る要人発言にも要注目となる。
今晩はコロンブスデーで債券市場が休場。主要な経済指標や企業決算の発表はなし。
今週の日経225先物は、米国の主力企業の決算を睨んでの相場展開になりそうである。11日の米国市場では、JPモルガン・チェース<JPM>が発表した7-9月期決算は売上高に相当する純営業収益と一株利益が予想を上回り、4.4%超の上昇となった。ウェルズ・ファーゴ<WFC>も予想を上回る決算が評価されており、今週決算発表を控えるゴールドマン・サックス・グループ<GS>など金融株全般に買いが波及した。
また、9月の米卸売物価指数(PPI)は前月比横ばいとなり、市場予想(0.1%増程度)を下回ったほか、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPPIは前月比0.2%上昇と予想に一致した。前日の米消費者物価指数(CPI)では金利据え置きの可能性も意識されていたが、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げをするとの見方を支えた形となった。
今週の米国ではゴールドマンのほか、シティグループ<C>やモルガン・スタンレー<MS>、USバンコープ<USB>、アメリカン・エキスプレス<AXP>など金融株の決算発表が予定されており、予想を上回る決算が相次ぐようだと、先高期待が高まろう。また、17日に予定されるネットフリックス<NFLX>の決算が好内容の場合、大型テック株への波及効果も期待できそうである。
ヒズボラによるイスラエル北部での無人機攻撃、レバノン国連軍施設へのイスラエル軍戦車の侵入が伝えられるなど、緊迫化する中東情勢は重荷であり、大型ハリケーン上陸による経済や大統領選への影響なども不透明要因となるが、投資家の関心は企業業績に移ることになるだろう。
9月27日の直近高値を更新したことで、いったんは達成感が意識されて利益確定に伴うロング解消が入りやすいところではある。ただし、3万9500円処では押し目狙いのロング対応としつつ、+2σ辺りへのトレンドを想定しておきたい。一方で、米決算が失望されたり、中東情勢の緊張が高まる局面では、スキャルピング中心のトレードになりそうだ。
また、国内ではディスコ <6146.T> [東証P]の決算が17日に予定されている。足もとでは7-9月期の個別出荷額が予想を下回ったことが嫌気されたが、アク抜けとなれば他の半導体株への支援材料になろう。米国でエヌビディア<NVDA>やマイクロン・テクノロジー<MU>などがリバウンド基調を継続するなか、ハイテク株を見直す動きが強まるようだと、日経平均型の上昇が意識されやすい。
なお、11日の米VIX指数は20.46(前日は20.93)に低下した。先週は8日に23.14まで上昇する場面がみられ、その後は緩やかに低下する動きとなった。ただし、地政学リスクと大型ハリケーン上陸による経済への影響が警戒されるなか、不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を上回って推移している。20.00を下回ってきたとしても、25日移動平均線が位置する18.20処が支持線として機能する可能性もあり、慎重姿勢は崩せないところである。
先週のNT倍率は先物中心限月で14.62倍に上昇した。11日朝方に14.47倍に低下する場面もみられたが、ファーストリテイリングのほか、アドバンテスト <6857.T> [東証P]が日経平均型を牽引する形となった半面、TOPIXが終盤にかけて弱含みで推移したことでスプレッドが拡大した。9月27日に付けた直近の戻り高値である14.51倍を上放れてきたことで、反動安を想定しつつも8月5日に付けた14.69倍が意識されやすく、目先的にはNTロングでのスプレッド狙いに向かいやすい。
10月第1週(9月30日-10月4日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では7週連続の売り越しであり、売り越し額は2080億円(9月第4週は9495億円の売り越し)だった。なお、現物は3955億円の買い越し(同567億円の売り越し)と7週ぶりの買い越しであり、先物は6036億円の売り越し(同8928億円の売り越し)と3週連続の売り越し。個人は現物と先物の合算で1089億円の買い越しで3週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で1233億円の売り越しとなり、3週ぶりの売り越しだった。
主要スケジュールでは、14日に中国9月貿易収支、15日に衆議院議員選挙公示、米国10月ニューヨーク連銀製造業景気指数、16日に8月機械受注、米国9月輸出入物価指数、17日に9月貿易統計、ECB政策金利、米国9月小売売上高、ラガルドECB総裁記者会見、米国9月鉱工業生産指数、18日に9月全国消費者物価指数、中国7-9月期GDP、中国9月鉱工業生産指数、中国9月小売売上高、中国1-9月固定資産投資、米国9月住宅着工件数などが予定されている。
(14日終値:15日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.87円(14日15時時点比△0.65円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.42円(△0.38円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0904ドル(▲0.0022ドル)
FTSE100種総合株価指数:8292.66(前営業日比△39.01)
ドイツ株式指数(DAX):19508.29(△134.46)
10年物英国債利回り:4.238%(△0.031%)
10年物独国債利回り:2.275%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月スイス生産者輸入価格
(前月比) ▲0.1% 0.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は堅調。週明けの欧州株式相場が上昇したことを背景に、投資家のリスク志向改善を意識した円売り・ドル買いが先行。ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比520円高の4万0130円まで上昇したことなども円売り・ドル買いを促し、23時30分過ぎに一時149.96円と8月1日以来の高値を更新した。小幅安で始まったダウ平均がプラス圏を回復するなど、米国株相場が底堅く推移していることも相場の支援材料。
・ユーロドルは頭が重かった。日本時間夕刻に一時1.0937ドル付近まで上げたものの、オセアニア時間に付けた日通し高値1.0942ドルや前週末の高値1.0954ドルが目先レジスタンスとして働くと失速した。欧州中央銀行(ECB)が17日の定例理事会で追加利下げを決めるとの観測もユーロの重し。10日の安値1.0900ドルを下抜けると、2時30分前に一時1.0898ドルと8月2日以来の安値を更新した。
・ユーロ円はじり高。欧米株価の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが優勢となり、23時前に一時163.60円と本日高値を更新した。ただ、根強い欧州金利先安観が重しとなり、一本調子で上昇する展開にはならなかった。
・ロンドン株式相場は続伸。しばらくは前週末終値付近でのもみ合いが続いていたが、終盤強含んだ。小幅安で始まったダウ平均がプラス圏を回復するなど、米国株相場が底堅く推移していることが相場の支援材料。セクター別ではナショナルグリッドやSSEなど公共事業関連の銘柄が買われたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は続伸。米国株相場が底堅く推移すると投資家心理が改善し買いが広がった。ECBが17日の定例理事会で追加利下げを決めるとの観測も相場の支援材料。個別ではラインメタル(2.20%高)やインフィニオン・テクノロジーズ(2.07%高)、エアバス(1.61%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落した。
【訂正:本文ユーロドル安値「8月2日以来」を「8月8日以来」に訂正します】
(14日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.76円(前営業日比△0.63円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.37円(△0.25円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0909ドル(▲0.0028ドル)
ダウ工業株30種平均:43065.22ドル(△201.36ドル)
ナスダック総合株価指数:18502.69(△159.75)
10年物米国債利回り:休場
WTI原油先物11月限:1バレル=73.83ドル(▲1.73ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2665.6ドル(▲10.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は続伸。ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比540円高の4万0150円まで上昇したことなどを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。4時過ぎに一時149.98円と8月1日以来の高値を更新した。ダウ平均が連日で史上最高値を更新するなど、米国株相場が底堅く推移したことも相場の支援材料。
ただ、引けにかけては伸び悩んだ。節目の150.00円に観測されているオプション絡みの売りなどが相場の重しになると149.71円付近まで上値を切り下げた。
なお、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事は「利下げのペースについてはより慎重に進める必要がある」「労働市場は緩和しているが、依然としてかなり健全」などと述べたと伝わった。
・ユーロドルは反落。日本時間夕刻に一時1.0937ドル付近まで上げたものの、オセアニア時間に付けた日通し高値1.0942ドルや前週末の高値1.0954ドルが目先レジスタンスとして働くと失速した。欧州中央銀行(ECB)が17日の定例理事会で追加利下げを決めるとの観測もユーロの重し。10日の安値1.0900ドルを下抜けると、4時過ぎに一時1.0888ドルと8月8日以来の安値を更新した。
ただ、同日安値1.0882ドルがサポートとして働くと買い戻しが入り、引けにかけては1.09ドル台前半まで下げ渋った。
・ユーロ円は小幅ながら続伸。日米株価指数の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが優勢となり、23時前に一時163.60円と本日高値を更新した。ただ、根強い欧州金利先安観が相場の上値を抑えると上げ幅を縮めた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、連日で史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。今週から本格化する米企業決算への期待から買いが入った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続伸し、7月16日以来およそ3カ月ぶりの高値で取引を終えた。
・米国債券相場はコロンブスデーのため休場だった。
・原油先物相場は続落。エネルギー消費大国である中国の9月原油輸入額が5カ月連続で減少したことや、同国政府が景気刺激策について具体的な規模を示さなかったことが嫌気された。石油輸出国機構(OPEC)月報で、2024年と25年の世界の石油需要予測が下方修正されたことも売り圧力を強めた。
・金先物相場は3日ぶりに反落。先週後半に上げた反動で週明けは持ち高調整の売りが先行。中国の経済指標がさえなかったことで、同国の金需要が低迷するとの懸念も上値を抑えた。為替でドルが対ユーロなどで上昇し、ドル建て金に割高感が生じたことも重しとなった。
14日22:50 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「経済はインフレ率を2%に戻す最終段階にある」
「金融政策がどの程度制限的であるかは不明」
「雇用市場は依然として堅調」
「最近の雇用データは労働市場が急速に弱体化していないことを示唆」
「さらなる緩やかな利下げが適切と思われる」
「金融政策の今後の方向性はデータと経済の動向によって左右される」
14日23:28 石破首相
「貯蓄から投資への流れを変えてはいけない」
15日04:00 ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「利下げのペースについてはより慎重に進める必要がある」
「労働市場は緩和しているが、依然としてかなり健全」
「基本シナリオでは、今後1年間で政策金利を徐々に引き下げる必要」
「政策金利は現在、抑制的」
「可能性は低いが、インフレが2%を下回るか労働市場が悪化した場合、FRBは前倒しで利下げできる」
「インフレが予想外に上昇した場合、FRBは利下げを一時停止する可能性がある」
「最新のインフレデータは期待外れ」
※時間は日本時間
<国内>
○13:30 ◇ 8月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 8月設備稼働率
○衆院選公示
<海外>
○15:00 ◇ 9月独卸売物価指数(WPI)
○15:00 ◎ 9月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○15:00 ◎ 6-8月英失業率(ILO方式、予想:4.1%)
○15:15 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○15:45 ◇ 9月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲1.2%/前年比1.2%)
○18:00 ◎ 10月独ZEW景況感指数(予想:10.0)
○18:00 ◎ 10月ユーロ圏ZEW景況感指数
○18:00 ◎ 8月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比1.7%/前年比▲1.0%)
○18:30 ◎ 9月南アフリカSACCI企業信頼感指数
○21:30 ◇ 8月カナダ卸売売上高(予想:前月比▲1.1%)
○21:30 ◎ 9月カナダ消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.2%/前年比1.8%)
○21:30 ◎ 10月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:3.9)
○16日00:30 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、あいさつ
○16日02:00 ◎ クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事、討論会に参加
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
米ワシントン・ポスト紙(WP)が報じたところによると、「イスラエルはイラン軍を攻撃する」ようだ。ただ、「イランの石油・核施設を標的とした攻撃は計画していない」もよう。
14日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ダウ平均が連日で史上最高値を更新し、ナイト・セッションの日経平均先物が40150円まで上昇したことなどで149.98円まで上昇した。ユーロドルは17日の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げ観測などから1.0888ドルまで下落。ユーロ円は日米株価指数の上昇を背景に163.60円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、150円のオプションを巡る攻防戦や本邦通貨当局の円安抑制措置に注目する展開が予想される。
ドル円は、米連邦準備理事会(FRB)の大幅な追加利下げ観測の後退や日銀による早期の追加利上げ観測の後退などから、161.95円から139.58円までの下落幅(22.37円)の半値戻し150.77円を目指す上昇基調にある。
さらに、リスク選好要因となる中国政府による財政支援措置に関しては、12日に藍仏安中国財政相が、中国共産党政治局が9月26日の会議で決めた方針に基づき、財政部が4方面で一連の追加政策を打ち出すと発表し、低迷する経済のテコ入れへ国債発行を「大幅に」拡大する方針を示した。そして、中国メディアの財新が中国は超長期の特別国債を向こう3年間で6兆元(約127兆円)発行する可能性があると報じており、本日は、関連ヘッドラインに警戒しながら、上海株式市場や東京株式市場の反応を注視しておきたい。
ドル円の上値を抑える要因としては、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性、「オクトーバー・サプライズ」となりかねない中東の地政学リスクの高まりなどが挙げられる
本日公示される衆院選の争点が物価高対策となっていることで、石破政権は、輸入物価上昇の要因となる円安の抑制を徹底すると思われる。
これまで、三村財務官や加藤財務相が「投機的な動きを含めて為替市場の動向を注視する」と円安を牽制し、為替介入の助言役を担っている神田内閣官房参与(前財務官)が「為替市場、引き続き高い緊張感持って警戒続けていく」と述べており、150円台に向けた買い仕掛けを牽制してきている。
イスラエルは先週10日に安全保障閣議を開催しており、アメリカメディアは「標的はイランの軍事およびエネルギー施設になる」という当局者の見方を報じている。
最悪の事態としてのイラン核施設への攻撃は避けられる模様だが、OPEC第3位の産油国であるイランの石油関連施設への攻撃は、イランによるホルムズ海峡(日量2000万バレル超の原油が通過)封鎖という報復措置が警戒されるため、石油ショックの可能性を高めることになる。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 40150 +540 (+1.36%)
TOPIX先物 2743.5 +35.5 (+1.31%)
シカゴ日経平均先物 40095 +485
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
14日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。前週末にJPモルガン・チェース<JPM>が発表した7-9月期決算は売上高に相当する純営業収益と一株利益が予想を上回ったほか、ウェルズ・ファーゴ<WFC>も予想を上回る決算を発表し、今週から本格化する米主要企業の決算への期待が高まった。また、米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が、緩やかに政策金利の引き下げを進めるべきとの見解を示したことが伝わり、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利下げをするとの見方につながった。
エヌビディア<NVDA>が6月以来の最高値を更新したほか、マイクロン・テクノロジー<MU>、クアルコム<QCOM>、アプライドマテリアルズ<AMAT>など半導体関連が買われ、アップル<AAPL>、マイクロソフト<MSFT>、アルファベット<GOOG>など大型テック株の一角が堅調。なお、14日はコロンブス・デーの祝日のため、米債券・為替市場は休場だった。S&P500業種別指数はエネルギー、小売の2セクターのみが下落した一方で、半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器、公益事業、耐久消費財・アパレル、ヘルスケア機器・サービスの強さが目立った。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比485円高の4万0095円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中110円安の3万9500円で始まり、直後に付けた3万9410円を安値にロング優勢となり、11日の米国市場の取引開始後には3万9940円まで買われた。祝日取引では3万9570円と下落に転じる場面もみられたが、売り一巡後は3万9660円~3万9850円処で保ち合いを継続。14日の米国市場の開始後にレンジを上放れ、終盤にかけて上げ幅を広げて、4万0150円とナイトセッションの高値で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、ギャップアップで始まることになろう。9月27日の自民党総裁選の高市トレードで付けた高値3万9900円を明確に上放れてきたことで、ショートカバーやヘッジ対応の動きが強まる可能性がある。足もとではボリンジャーバンドの+1σと+2σによるレンジ内での推移を継続している。バンドが拡大傾向をみせるなか、+2σは4万0620円まで上昇してきたほか、週足の+2σは4万0940円辺りに位置している。買い一巡後は次第に膠着感が強まる可能性はあるが、4万円固めを意識した押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
エヌビディアが6月以来の最高値を更新しており、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株などが日経平均型を牽引することになりそうだ。また、前週末に日経平均株価を牽引したファーストリテイリング <9983.T> [東証P]が連日で最高値を更新する動きとなれば、より上へのバイアスが強まる可能性もありそうだ。
そのため、オプション権利行使価格の4万円固めを意識しつつ3万9750円から4万0500円辺りのレンジを想定する。
なお、14日の米VIX指数は19.70(前日は20.46)に低下した。6営業日ぶりに不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を下回ったことでリスク選好が強まろう。ただし、地政学リスクと大型ハリケーン上陸による経済への影響が警戒される。また、25日移動平均線が位置する18.20辺りが支持線として機能する可能性もあるため、慎重姿勢は崩せないところである。
前週末のNT倍率は先物中心限月で14.62倍に上昇した。11日朝方は14.47倍に低下する場面もみられたが、ファーストリテイリングのほか、アドバンテストが日経平均型を牽引する形となった半面、TOPIXが終盤にかけて弱含みで推移したことでスプレッドが拡大した。9月27日に付けた直近の戻り高値である14.51倍を上放れてきたことで、目先的にはNTロングでのスプレッド狙いに向かいやすい。
中国人民銀行(中央銀行)が14日発表した金融統計によると、2024年9月末時点のマネーサプライM2は前年同月比6.8%増の309兆4800億元だった。伸び率は前月から0.5ポイント加速し、市場予想(6.4%)を上回った。
M1は前年同月比7.4%減の62兆8200億元、M0は前年同月比11.5%増の12兆1800億元だった。1-9月の現金は8386万元の供給超過となった。
日経225先物は11時30分時点、前日比660円高の4万0270円(+1.66%)前後で推移。寄り付きは4万0140円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万0095円)を上回り、買い先行で始まった。買い一巡後は4万0030円~4万0180円辺りで保ち合い、中盤にかけて3万9980円と4万円を下回る場面もみられた。ただし、ショートの動きは強まらず、同水準では押し目待ち狙いのロングが優勢となった。終盤にかけてはショートカバーから上へのバイアスが強まり、一時4万0290円まで上げ幅を広げる場面もみられた。
日経225先物は買い先行で始まり、中盤には一時4万円を下回ったが、その後は押し目待ち狙いのロングのほか、ショートカバーを交えての強い値動きとなった。東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型を牽引している。日経225先物はボリンジャーバンドの+1σと+2σとのレンジ内での推移を継続するなか、+2σは4万0640円辺りで推移しており、先高期待が強まるなかでショートは仕掛けづらいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.70倍に上昇した。前週末の上昇に対する反動から小幅に低下して始まったが、その後は上げ幅を広げ、8月5日に付けた戻り高値の14.69倍を捉えてきた。いったんはリバランスが入りやすいところであるが、同水準を明確に上放れてくるようだと、3月4日の高値14.84倍を意識する形でNTロングに振れやすくなりそうだ。
昨日のドル円は、東京勢が不在のなか、週明けのアジア市場から先週末高値の149.28円を上抜けて上昇。欧州時間からは株価が全般堅調に推移するなか、上値を試す動きとなりました。NY時間は米債券市場が休場となったほか、カナダ市場も休場とあって、参加者がかなり少なくなるなかで再び上値をトライ。一時149.98円まで値を上げました。150.00円の大台替わりを前にして、3連休明けの東京勢参入後は、利食い売りやら輸出の売りなどが散見されると149.45円まで下押し。ただ、日経平均が40000円台をしっかりと維持して上げ幅をひろげるにつれて149.71円まで買戻されているといったところです。目先は、150.00円のオプション絡みの売買もこなしつつ、株価の動向を見極めていくことになりそうです。
総選挙が公示となり、27日の投開票まで日本国内はまさに政局となっているわけですが、公示当日に日経平均が40000円を超えるなど、いずれにしても、資産インフレを意識するまで株価を上げていく政策に頼らざるを得ず、植田ショックや石破ショックでも経験しているように、下サイドへの誘導がいかに今のマーケットにとってリスクとなっているかは言わずもがな。選挙相場はすでに始まっています。
また、昨日もお伝えした通り、米大統領選でも、民主党がバイデン米大統領のTV討論会後に匹敵するパニック状態となっているわけで、先週の急転直下の米大統領選に対する情勢急変は、同時に、共和党の米議会掌握の可能性も高めている状況。ドル高への布石が再び作り上げられているところです。
「中国にはまだ債務を発行する余地が十分ある(藍仏安中国財政相)
1.中国の不動産バブル崩壊
1990年代の資本主義国家の日本の不動産バブル崩壊では、国民が所有し得ていた不動産の上昇をファイナンスしていた金融機関の負債は、政府が肩代わりした。
2020年代の共産主義国家の中国の不動産バブル崩壊では、地方政府が所有していた不動産の上昇をファイナンスしていた地方政府の負債は、中央政府が肩代わりすることになる。
2024年10月12日、中国財政部の藍仏安部長は、中国共産党政治局が9月26日の会議で決めた方針に基づき、財政部が4方面で一連の追加政策を打ち出すと発表した。
債務問題への対応として、引き続き債券発行枠を活用するとともに、ここ数年で「最大の」政策措置として、大規模な債務交換プログラムを計画している。
中国政府は国内総生産(GDP)の1.5%に相当する国債発行を発表したが、藍仏安財政相は「中国にはまだ債務を発行する余地が十分ある」と豪語した。
中国メディアの財新は、中国は減速している景気を刺激するための財政措置の一環として超長期の特別国債を向こう3年間で6兆元(約127兆円)発行する可能性がある、と報じた。
2.ミンスキー・モーメント
ハイマン・ミンスキーは、金融不安定仮説(FIH:The Financial Instability Hypothesis)において、3つの行程を経由して信用バブル崩壊に到達する、と主張している。
「強気相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」(ジョン・テンプルトン)
1)ヘッジ金融ユニット:悲観・・日経平均株価では、1985年当時の1万円台
債務の支払いが、元本+金利分とも収入によるキャシュフローで可能な段階。
すなわち、収入の範囲内で株式や不動産を購入している段階。
為替や株式投資では、確信が持てずに悲観的な段階であり、収入の範囲内で投資をしている状態。
2)投機的金融ユニット:懐疑・・日経平均株価では、1987年当時の2万円台
債務の支払いが、元本は返せないが、金利分は支払える段階。
すなわち、住宅ローンで、元本分の返済はできないものの、金利分だけは返済可能な段階。
為替や株式投資では、投資が成功しているものの懐疑的な段階であり、5-10倍程度のレバレッジ、信用取引をしている状態。
3)ポンツィ・ユニット:楽観・・日経平均株価では、1989年末の3万円台
債務の支払いが、元本だけでなく、金利も払えない段階。
為替や株式投資では、バブルの最高頂に到達して、膨大な評価益の下、永遠に上昇トレンドが続くという楽観的な相場観に支配され、20-50倍程度のレバレッジ、信用取引をしている状態。
「ミンスキー・モーメント」の後、バブルは崩壊し、売りが売りを呼び、資産価格の下落により借入金の担保不足となり、デフォルト(債務不履行)に陥り、金融機関の不良債権は増大して金融危機となり、国が肩代わりして、債務危機となる。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、中東の地政学リスクに警戒しながら、10月独ZEW景況感指数を見極めることになる。
中東の地政学リスクに関しては、イスラエルは先週10日に安全保障閣議を開催したが、米ワシントン・ポスト紙(WP)は「イスラエルのネタニヤフ首相は、イランの弾道ミサイル攻撃への報復として、イランの石油施設や核施設でなく軍事目標を攻撃する意向をバイデン政権に伝えた」と報じている。本日も関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
10月独ZEW景況感指数は+10.0と予想されており、9月の+3.6からの改善が見込まれている。しかしながら、17日の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げ見通しに影響を与えるとは思われず、逆にネガティブサプライズの場合には、11月、12月の利下げ観測を高めることになるため警戒しておきたい。
ベイリー英中銀(BOE)総裁が積極的な利下げを示唆して以来、11月7日のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)での利下げ観測が高まっている。
ポンドドルは、本日の英9月雇用統計と明日発表される英9月消費者物価指数(CPI)を見極めて、利下げの可能性を探ることになる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0969ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:164.93円(日足一目均衡表・雲の上限)
・ポンドドル:1.3148ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:195.97円(9/27高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0778ドル(8/1安値)
・ユーロ円:162.31円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.2941ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ポンド円:194.11円(日足一目均衡表・雲の上限)
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
フランスの財政再建と国債格付けの行方
議会基盤の脆弱性、過去の財政再建は失敗
フランスの新政権が公表した来年度予算案は、2024年に6.1%への拡大が見込まれる財政赤字の対GDP比率を2025年に5%に縮小し、2029年に3%未満を目指す。こうした財政再建計画は、見直し後のEUの財政規律に概ね則ったものとみられるが、脆弱な議会基盤、一時的な増税に依存、成長率の前提が甘い点を考えると、実現可能性は疑わしい。フィッチがフランス国債の格付けアウトルックをネガティブに引き下げたが、今後、実際に格下げされる可能性が高い。
(15日15時時点)
ドル円:1ドル=149.63円(前営業日NY終値比▲0.13円)
ユーロ円:1ユーロ=162.96円(▲0.41円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0890ドル(▲0.0019ドル)
日経平均株価:39910.55円(前営業日比△304.75円)
東証株価指数(TOPIX):2723.57(△17.37)
債券先物12月物:143.77円(▲0.22円)
新発10年物国債利回り:0.965%(△0.020%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月鉱工業生産確報
前月比 ▲3.3% ▲3.3%
前年同月比 ▲4.9% ▲4.9%
8月設備稼働率
(前月比) ▲5.3% 2.5%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は戻りが鈍い。昨日の海外時間に節目の150円回復に失敗したこともあり、上値の重さを意識した売りに押されて149.45円まで値を下げた。日経平均株価が4万円の大台を回復するなど堅調推移となったことを支えに、いったんは149.70円台まで切り返す場面もあったが、その後は日経平均の伸び悩みとともに再び149.44円まで押し戻された。
・ユーロドルは小安い。今週の欧州中央銀行(ECB)理事会で追加利下げが見込まれるなか、この日も金利先安観を手掛かりにした売りに押された。昨日安値の1.0888ドルを下抜けて、一時1.0885ドルまで下押しした。
・ユーロ円はさえない。ドル円やユーロドルの下落につれて円買い・ユーロ売りが進み、162.71円まで値を下げた。
・日経平均株価は4日続伸。前日の欧米株高が投資家心理の改善につながったほか、外国為替市場での円安進行も相場を後押しした。株価指数先物主導で上昇幅を拡大し、約3カ月ぶりに節目の4万円台を回復。ただ、その後は大台の回復の達成感や短期的な過熱感などが意識され、戻り待ちや利益確定売りに上値を抑えられた。
・債券先物相場は反落。前週末の米債券相場が下落した流れを引き継いだ。また、外国為替市場での円安進行を受け、輸入物価上昇が日銀の早期利上げを後押しするとの思惑も相場の重しに。新発10年物国債利回りは0.965%と約2カ月半ぶりの高水準をつけた。
大阪12月限
日経225先物 39910 +300 (+0.75%)
TOPIX先物 2722.0 +14.0 (+0.51%)
日経225先物(12月限)は前日比300円高の3万9910円で取引を終了。寄り付きは4万0140円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万0095円)を上回り、買い先行で始まった。買い一巡後は4万0030円~4万0180円辺りで保ち合い、前場中盤にかけて3万9980円と4万円を下回る場面もみられた。ただし、ショートは強まらず、同水準では押し目待ち狙いのロングが優勢となった。前場終盤にかけてはショートカバーから上へのバイアスが強まり、前引け時には一時4万0300円まで上げ幅を広げた。
ランチタイムで4万0200円辺りまで上げ幅を縮め、後場の取引開始後は4万0150円~4万0200円辺りでの推移が続いた。終盤にかけては4万円を挟んだ攻防となり、持ち高調整とみられる動きがやや優勢となり、3万9910円と本日の安値で終えた。
日経225先物は前引け時に4万0300円まで買われたが、後場は持ち高調整に伴うロングの解消が優勢だったようだ。4万円の大台回復で短期的には達成感が意識された面もあろう。米国市場でエヌビディア<NVDA>が6月以来の最高値を更新したことが支援材料になり、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型を牽引した。
一方で、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]は買い先行で始まったが、寄り付きを高値に利食いに押されて、本日の安値で終えたことが日経平均型の重荷となった。もっとも、前週末に1社で日経平均株価を大きく押し上げていたこともあり、調整は想定内であろう。日経225先物も買い一巡後は、4万円を挟んだ膠着がコンセンサスだったと考えられる。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σと+2σによるレンジ内で推移するなか、オプション権利行使価格の4万円を中心とした上下の権利行使価格3万9500円から4万0500円辺りのゾーンを想定しておきたい。4万円を下回り、本日の安値で終えたことから短期的にはショートが入りやすいところだが、レンジ下限に接近する局面では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.66倍に上昇した。前週末の上昇に対する反動から小幅に低下して始まったが、その後は一時14.70倍まで上げ幅を広げ、8月5日に付けた戻り高値の14.69倍を捉えてきた。リバランスが入りやすい水準まで上昇してきたが、同水準を明確に上放れてくるようだと、3月4日の高値14.84倍を意識する形でNTロングに振れやすくなりそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万6694枚、ソシエテジェネラル証券が1万3572枚、JPモルガン証券が3700枚、バークレイズ証券が3030枚、ゴールドマン証券が2727枚、サスケハナ・ホンコンが2306枚、野村証券が1141枚、SBI証券が1126枚、ビーオブエー証券が1122枚、モルガンMUFG証券が989枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万0349枚、ソシエテジェネラル証券が1万8473枚、バークレイズ証券が4493枚、JPモルガン証券が3591枚、モルガンMUFG証券が3334枚、ビーオブエー証券が2706枚、サスケハナ・ホンコンが2580枚、ゴールドマン証券が2545枚、野村証券が1799枚、BNPパリバ証券が1012枚だった。
ドル円は、東京市場で149.84円まで値を上げるも前日に続いて150円の大台を前に伸び悩むと、時間外の米長期金利の低下も重しとなり、欧州市場で前日安値148.98円を割り込んで148.85円まで下押した。相場はすでに約2カ月半ぶりの高値水準に上昇したことで、調整売りが出やすい面もあったようだ。
本日のNY市場でのドル円は、このまま調整が進むか、米経済指標や要人発言、株価や長期金利に注目することになろう。
経済指標は、NY市場序盤に10月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が発表予定。市場予想は3.9と前月の11.5から低下が見込まれている。前回9月は、それまで9カ月連続でマイナスとなる中で予想外に強い結果となり、ドル円の上昇を後押ししたのは記憶に新しい。足もとで米年内大幅利下げ観測が後退する中、予想より強い結果となればドル円が切り返すきっかけになり得る。ただし、少数ではあるがマイナスを予想するアナリストもおり、マイナスとなる場合、ドル円は一段と調整が進む展開もあり得る。
また、本日はデイリー米サンフランシスコ連銀総裁やクーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事の発言機会が設けられている。共に今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を有している。デイリー総裁は10日に「労働市場は持続可能なペースに下方シフトしている」「年内に1回か2回の利下げが実施される可能性が高い」などと発言しているほか、クーグラーFRB理事は8日に「インフレ抑制で進展が続けば追加利下げを支持」などと発言している。トーンに変化がないか確認していきたい。
また、前日にダウとS&P500が史上最高値を更新しており、米国株の行方は注意が必要だろう。本日の米企業決算発表では、寄り前にバンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ゴールドマン・サックスなどが発表予定となっている。好決算が相次ぐようならセンチメントの一段の改善が見込まれそうだ。ただし、過去最高値圏での推移につき利益確定やポジション調整などによる反落もあり得る点には注意したい。
そのほか、カナダでは9月消費者物価指数(CPI)が発表予定。市場予想は前月比-0.2%/前年比+1.9%と、前年比では2021年2月以来となる2%を割り込むと見られている。カナダ中銀(BOC)のインフレ目標が2%であることを勘案すると、予想よりも伸び鈍化が明らかとなれば、23日のBOC理事会での大幅利下げ観測が浮上してカナダドル相場の重しとなることも考えられる。
想定レンジ上限
・ドル円は10日高値149.55円。超えると14日高値149.98円
・カナダドル円は日足・一目均衡表の転換線108.75円
想定レンジ下限
・ドル円は11日安値148.41円。割ると9日安値148.01円
・カナダドル円は21日線107.26円
今晩は決算発表に注目。昨日は米国経済のソフトランディング期待が続く中、今週から発表が本格化する第3四半期決算への期待が高まり主要3指数がそろって2日続伸。ダウ平均とS&P500がともに取引時間中と終値の最高値を更新した。エヌビディアが2.43%高となり、約4カ月ぶりに終値の最高値を更新。ナスダック総合は2日続伸し、7月に付けた史上最高値まで1%未満に迫った。センチメントは改善し、投資家の不安心理を示すVIX指数は先週末の20.46ポイントから19.70ポイントに低下した。
今晩の取引では寄り前に発表されるバンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ゴールドマン・サックスなどの大手金融機関の決算発表に注目が集まる。先週末のJPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴが好決算を発表したことで第3四半期決算への期待が高まっており、バンク・オブ・アメリカなどの決算も予想を上回る結果となれば、センチメントが一段と改善しそうだ。
今晩の経済指標・イベントは10月NY連銀製造業業況指数のほか、クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事やデイリー米サンフランシスコ連銀総裁の講演など。企業決算は寄り前にンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ゴールドマン・サックス、ユナイテッドヘルス、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、引け後にユナイテッド・エアラインズ、JBハント・トランスポートなどが発表予定。
中国人民銀行(中央銀行)が14日発表した金融統計によると、外資系を含めたすべての国内金融機関の2024年9月の融資増加額は、前年同月比7.6%増の257兆7100億元だった。うち人民元建ての各種貸付残高は同8.1%増の253兆6100億元。伸び率は前月比0.4ポイント減速し、市場予想(8.3%)を下回った。
国内金融機関による1-9月の人民元建て貸付残高増加額は16兆200億元だった。1-8月の増加額(14兆4300億元)を差し引くと9月の増加額は1兆5900億元となり、市場予想の1兆8650億元を下回った。
中国人民銀行(中央銀行)が14日発表した金融統計によると、2024年9月末時点のマネーサプライM2は前年同月比6.8%増の309兆4800億元だった。伸び率は前月から0.5ポイント加速し、市場予想(6.4%)を上回った。
M1は前年同月比7.4%減の62兆8200億元、M0は前年同月比11.5%増の12兆1800億元だった。1-9月の現金は8386万元の供給超過となった。
日経平均株価は4日続伸。寄り付きの4万円台回復から上げ幅を拡大する場面があったが、後場は上げ幅を縮小して安値引けで取引を終えた。
RSI(9日)は前日の70.2%→66.8%(10/15)へ低下。あすは上昇しやすいタイミングとなる。5日移動平均線(39422円 10/15)や一目均衡表の転換線(38954円 同)の上昇が支援材料になる可能性もあり、終値で4万円台を回復できるかが焦点となる。
9/27高値(39829円)を上回ったことで、7/18の下げで開けたマド上限(41054円)まで勢いがつく可能性が高い。
上値メドは、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)、心理的節目の42000円、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、5日移動平均線や10日移動平均線(39009円 同)、75日移動平均線(38321円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)などがある。
(15日終値:16日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.42円(15日15時時点比▲0.21円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.65円(▲0.31円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0885ドル(▲0.0005ドル)
FTSE100種総合株価指数:8249.28(前営業日比▲43.38)
ドイツ株式指数(DAX):19486.19(▲22.10)
10年物英国債利回り:4.162%(▲0.076%)
10年物独国債利回り:2.222%(▲0.053%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月独卸売物価指数(WPI)
(前月比) ▲0.3% ▲0.8%
9月英雇用統計
失業率 4.7% 4.6%・改
失業保険申請件数
2.79万件 0.03万件・改
6-8月英失業率
(ILO方式) 4.0% 4.1%
9月仏消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) ▲1.2% ▲1.2%
(前年同月比) 1.1% 1.2%
10月独ZEW景況感指数
13.1 3.6
10月ユーロ圏ZEW景況感指数
20.1 9.3
8月ユーロ圏鉱工業生産
(前月比) 1.8% ▲0.5%・改
(前年比) 0.1% ▲2.1%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。欧州株相場の下落などを背景にリスク回避の円買いが先行すると、日本時間夕刻に一時148.85円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、2時30分前には149.54円付近まで下げ渋った。米利下げペースが緩やかになるとの見方が広がる中、対ユーロなどでドル買いが進んだ影響も受けた。
なお、10月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を大幅に下回ったことや、米国株や日経平均先物の下落が相場の重しになると一時148.94円付近まで下げる場面があった。
・ユーロドルは頭が重かった。17日の欧州中央銀行(ECB)理事会の結果発表に向けた追加利下げ観測が相場の重しとなり、日本時間夕刻に一時1.0885ドルまで下押ししたものの、8月8日に付けた直近安値の1.0882ドルがサポートとして意識されると下げ渋った。10月独ZEW景況感指数や8月ユーロ圏鉱工業生産が予想を上回ったことも相場を下支えした。
NY時間に入り、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ると一時1.0917ドルと日通し高値を付けたが、前日の高値1.0942ドルが目先レジスタンスとして働くと失速した。欧米株価の下落に伴うリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出て、3時前に一時1.0882ドルと8月8日の安値に面合わせした。
・ユーロ円は欧米株価や日経平均先物の下落を背景にリスク回避の円買い・ユーロ売りが優勢になると、23時30分過ぎに一時162.34円と日通し安値を更新した。ただ、ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反落。原油先物相場が急落したことを背景に、BPやシェルなどエネルギー株が売られ、相場の重しとなった。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株も軟調だった。半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株は買われた。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに小反落。17日にECB理事会の結果公表を控える中、持ち高調整の売りがやや優勢となった。個別ではシーメンス・エナジー(4.01%安)やドイツ銀行(2.57%安)、ポルシェ(1.87%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。原油先物相場の大幅な下落を受けて、インフレ懸念が後退すると独国債に買いが入った。
15日の日経平均は大幅に4日続伸。終値は304円高の39910円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1203/値下がり386。半導体株が強く、レーザーテック、東京エレクトロン、アドバンテストなどが大幅上昇。米国で傘下のアームが急伸したことから、ソフトバンクGが5%台の上昇となった。米国で決算を材料に金融株が買われた流れを受けて、三菱UFJや東京海上が大幅上昇。ほか、主力どころでは日立、IHI、メルカリなどに強い動きが見られた。決算が好感されたビックカメラが急騰。1Qが大幅な増益となった広済堂は買いが殺到してストップ高となった。
一方、原油安を嫌気してINPEX、石油資源開発、ENEOS、コスモエネルギーなどが大幅安。先週決算で跳ねたファーストリテイリングが利益確定売りに押された。円安期待が高まる中でもトヨタやホンダなど自動車株の多くが下落。三菱地所や住友不動産など大手不動産株が総じて軟調に推移した。本決算が失望を誘ったバリュエンスが、一時ストップ安となるなど急落した。
日経平均は大幅高。終値で4万円を超えられなかった点には物足りなさがあるが、4営業日連続で3桁の上昇。高値は40257円まであり、9月27日の取引時間中につけた39829円を上回った。米国が決算発表シーズンに突入する中でダウ平均やS&P500の高値更新基調が続いており、グローバル株高に対する期待が高まる。また、米国株が強い局面ではドルが買われやすくなるため、円高(ドル安)に対する警戒が大きく後退する。国内はきょうで2月(8月)決算銘柄の業績発表が概ね一巡し、3月締めの企業の決算が出てくるまでやや材料難となる。その分、外部環境に振らされやすくなってくるが、今はその外部環境が非常に良好。追い風が吹いているうちに、4万円より上を定着させることができるかが注目される。
(15日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.20円(前営業日比▲0.56円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.56円(▲0.81円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0893ドル(▲0.0016ドル)
ダウ工業株30種平均:42740.42ドル(▲324.80ドル)
ナスダック総合株価指数:18315.59(▲187.10)
10年物米国債利回り:4.03%(▲0.07%)
WTI原油先物11月限:1バレル=70.58ドル(▲3.25ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2678.9ドル(△13.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
▲11.9 11.5
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反落。欧州株相場の下落などを背景にリスク回避の円買い・ドル売りが出ると、欧州市場序盤に一時148.85円と日通し安値を付けた。
ただ、NY市場では下げ渋る展開に。米利下げペースが緩やかになるとの見方が根強い中、対ユーロなどでドル買いが進んだ影響を受け、2時30分前には149.54円付近まで下げ幅を縮めた。もっとも、この日発表の10月米NY連銀製造業景気指数が予想を大幅に下回ったことや、日米株価指数の下落が相場の重しになったため、戻りも限定的だった。
・ユーロドルは続落。欧州時間発表の10月独ZEW景況感指数や8月ユーロ圏鉱工業生産が予想を上回るとユーロ買い・ドル売りが先行。低調な米経済指標や米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入ると一時1.0917ドルと日通し高値を付けた。
ただ、前日の高値1.0942ドルが目先レジスタンスとして働くと失速した。欧米株価の下落に伴うリスク・オフのユーロ売り・ドル買いも出て、3時前に一時1.0882ドルと8月8日の安値に面合わせした。
・ユーロ円は3日ぶりに反落。米国株相場や日経平均先物の下落を背景にリスク回避の円買い・ユーロ売りが優勢になると、23時30分過ぎに一時162.34円と日通し安値を更新した。その後の戻りも162.83円付近にとどまった。
なお、ダウ平均は一時360ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1080円安の3万8830円まで売られる場面があった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。オランダの半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングスが発表した決算が低調な内容となったことを受けて同社株が急落すると、半導体関連銘柄に売りが波及し相場を押し下げた。なお、決算は誤って予定より1日早くウェブサイトに掲載され、「予想外の公表が市場を驚かせた」との声が聞かれた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに反落。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などの下げが目立った。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。米国株相場の下落を背景に相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。低調な米経済指標や原油先物相場の急落も相場の支援材料。
・原油先物相場は大幅に3日続落。イスラエルのイランに対する報復攻撃は軍事施設が標的と報じられ、石油や核施設への攻撃は避けられるとの見方が広がった。エネルギー供給の混乱懸念が後退し、原油先物は売り圧力が一気に高まった。国際エネルギー機関(IEA)の月報で今年の世界石油需要の見通しが下方修正されたことも重しとなり、一時69.70ドル台まで下げ幅を広げた。
・金先物相場は反発。序盤に発表された10月米NY連銀製造業景気指数は予想を大幅に下回った。これを受けて米長期金利が低下し、金利が付かない金にとっては支援材料となった。ロンドン貴金属市場協会の年次総会で、複数の中央銀行が金の積極的な購入を続けていると表明したことも買い安心感に繋がっているもよう。
ニューヨーク連銀の最新調査によると、1年後のインフレ期待は9月に3.0%と前回の3.0%と同じとなった。3年後のインフレ期待は2.7%と前回の2.5%から上昇。5年後のインフレ期待も2.9%と前回の2.8%から上昇した。
15日07:45 ホークスビーRBNZ副総裁
「金利低下のペースはデータ次第 」
「金利はより中立に向かっている」
16日00:33 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「雇用とインフレに対するリスクは今やより均衡している」
「金融政策は依然として制限的であり、インフレ抑制に取り組んでいる」
「FRBは完全雇用に維持しながら、2%のインフレを達成しなければならない」
「景気拡大の継続は依然として十分にあり得る」
「労働市場は冷え込み、ほぼ正常化している」
「経済は明らかに好調、インフレは大幅に緩和している」
「成長については慎重ながらも楽観的」
「FRBは大きな混乱なくインフレを抑制することができた」
「中立金利はかつてよりも高い」
「予測通りなら、年内に1回か2回の利下げが実施される可能性が高い」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 8月機械受注(予想:船舶・電力除く民需 前月比▲0.1%/前年比3.6%)
○10:30 ◇ 安達誠司日銀審議委員、あいさつ
<海外>
○06:45 ◎ 7-9月期ニュージーランド(NZ)消費者物価指数(CPI、予想:前期比0.7%/前年比2.2%)
○08:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、討論会に参加
○15:00 ◎ 9月英CPI(予想:前月比0.1%/前年比1.9%)
○15:00 ◎ 9月英CPIコア指数(予想:前年比3.4%)
○15:00 ◇ 9月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.1%/前年比3.1%)
○20:00 ◇ 8月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比2.3%)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:15 ◇ 9月カナダ住宅着工件数(予想:23.75万件)
○21:30 ◇ 8月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲1.5%)
○21:30 ◇ 9月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.4%)
○17日03:40 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、欧州市場序盤の安値148.85円から149.54円付近まで下げ幅を縮めたものの、日米株価指数の下落で戻りも限定的だった。ユーロドルは米長期金利の低下で一時1.0917ドルまで強含んだものの、欧米株価の下落に伴うリスク・オフのユーロ売り・ドル買いで1.0882ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、安達日銀審議委員の発言を見極めつつ、下落が予想される日経平均株価や本邦通貨当局の円安牽制(口先介入や円買い介入)への警戒感から上値が重い展開が予想される。
ニューヨーク株式市場は、バイデン米政権が米半導体メーカー製造の人工知能(AI)向け先端半導体の各国ごとの販売規制を検討との報道やASMLホールディングスの株価急落により下落している。本日の東京株式市場も下落することが見込まれ、米10年債利回りが低下していることもあり、ドル円は上値が重い展開が予想される。
10時30分から発言が予定されているリフレ派の安達日銀審議委員は、かつて、ハト派的な見解として、「経済の回復機運に水を差すような拙速な利上げは絶対に避けなければならない」と述べつつ、タカ派的な見解として「円安で物価再上昇なら、利上げペース早める必要」とも述べていた。
安達日銀審議委員は、3月の金融政策決定会合で、マイナス金利解除を含む大規模金融緩和の枠組み見直しに賛成票を投じ、7月の金融政策決定会合では、政策金利の0.25%までの引き上げに賛成票を投じていた。
本日は、「経済と物価が見通しに沿って進めば利上げに動く方針」という日銀の基本スタンスを軸に、安達日銀審議委員の見解を見極めることになる。
中東情勢に関しては、米ワシントン・ポスト紙は、「ネタニヤフ・イスラエル首相がホワイトハウスに対して、標的は軍事施設のみに限定すると確約した」と報道していた。
しかし、昨日は、イスラエル首相府が、「イランによるミサイル攻撃への報復計画については米政府の意見を考慮に入れるが、最終決定は国益に基づいて下す」と表明した。
イスラエルの国益は、イスラエルの抹殺を目論むイランの核兵器保有を阻止することであり、トランプ前大統領が煽っているイランの核施設への攻撃という「オクトーバー・サプライズ」への予断を許さない状況が続いている。
また、衆院選の争点が物価高対策となっていることで、石破政権は、輸入物価上昇の要因となる円安の抑制を徹底すると思われるため、本邦通貨当局による円安阻止の可能性には引き続き警戒しておきたい。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38970 -940 (-2.35%)
TOPIX先物 2687.5 -34.5 (-1.26%)
シカゴ日経平均先物 38955 -955
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
15日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。ASMLホールディング<ASML>が16%超の下落となった。同社は7-9月期の受注額が予想を大幅に下回ったほか、2025年12月通期の見通しを引き下げた。16日発表予定の決算が機械的ミスで1日早く公表されており、幅広い半導体株への売りを誘った。
また、バイデン米政権が、エヌビディア<NVDA>やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>など米半導体企業の生成AI向け半導体について、国ごとの輸出規制を検討しているとの米メディア報道が伝わったことも嫌気された。S&P500業種別指数は不動産、食品・生活必需品小売、電気通信サービスが上昇した一方で、半導体・同製造装置、エネルギー、ヘルスケア機器・サービスが下落した。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比955円安の3万8955円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比90円安の3万9820円で始まり、その後は落ち着いた値動きから3万9930円と上昇に転じる場面もみられた。買い一巡後は3万9770円~3万9880円辺りで保ち合いを継続。ただし、米国市場の取引開始後に下へのバイアスが強まると終盤にかけて下落幅を広げ、一時3万8830円まで売られた。引けにかけて若干下げ渋る動きとなったが、3万8970円と3万9000円を割り込んでナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、ギャップダウンで始まることになろう。前日の上昇で一時4万円の大台を回復したこともあり、いったんは達成感が意識されやすいが、一気に3万9000円を割り込んできたことでセンチメントを冷ます形になりそうだ。また、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]などが日経平均型を牽引していたが、本日はこれら3社に対する売り圧力が強まる可能性があり、売り一巡後の底堅さを見極めることになるだろう。
日経225先物はナイトセッションの急落により、支持線として機能していたボリンジャーバンドの+1σ(3万9280円)を下回ってきた。同水準が抵抗線として意識されてくるとみられ、+1σ接近では短期的なショートが入りやすいだろう。一気に1000円近くレンジを切り下げたことで、ヘッジ対応の動きも強まりやすい。
売り一巡後は3万9000円辺りでの底堅さを見極めつつ、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9500円辺りのレンジを想定する。3万9000円処での攻防が続くようだと、75日移動平均線(3万8130円)や25日線(3万7920円)がターゲットとして意識されてくる。一方で、3万9000円での底堅さがみられてくる局面では、+1σを捉えてくる展開もありそうだ。
なお、15日の米VIX指数は20.64(前日は19.70)に上昇しており、再び不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を上回った。イスラエルがイランの石油・核施設は標的にせず、軍事施設を攻撃する用意があるとの報道を受けてNY原油先物相場は下落しているが、慎重姿勢は崩せないところである。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.66倍に上昇した。小幅に低下して始まったが、その後は一時14.70倍まで上げ幅を広げ、8月5日に付けた戻り高値の14.69倍を捉えてきた。本日は米半導体株が下落した影響により、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型の重荷となる可能性があり、TOPIX型優位のなかでリバランスが入りやすいだろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比760円安の3万9150円(-1.90%)前後で推移。寄り付きは3万9120円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8955円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。現物の寄り付き直後につけた3万8890円を安値に押し目狙いのロングが入るなか、一時3万9340円まで下落幅を縮める場面もみられた。その後はじりじりと下落幅を広げる動きとなったが、3万9100円辺りでの底堅さは意識されている。
日経225先物は売り先行で始まり、3万8890円まで売られた後は下げ渋る動きとなった。その後3万9340円まで下げ幅を縮め、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9290円)を上回る場面もみられた。ただし、同水準では戻り待ち狙いのショートが入りやすいところであろう。指数インパクトの大きい東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、レーザーテック <6920.T> [東証P]の下げが重荷となっている。一方で、アドバンテスト <6857.T> [東証P]の底堅さが目立つ。マイナスながらも売り一巡後は下落幅を縮めてきており、戻り基調を強めてくるようだと先物市場でのショートカバーを誘う可能性がありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.52倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げが日経平均型の重荷となるなか、直近の上昇に対するリバランスの動きとなった。14.52倍で寄り付き、一時14.46倍に低下した後は寄り付き水準まで戻しており、こちらもアドバンテストの動向次第では、NTロングによるスプレッド狙いの動きが意識されてくるだろう。
昨日の海外市場では、特に為替市場は、それぞれの事情でそれぞれに動いた相場展開となりました。ドル円については、150.00円のオプションに絡む戻り売りやら、輸出の売りなどに押されて、全般ポジション調整の動きが先行。連休明けの米10年債利回りが大幅な低下となったほか、日経先物が1000円を超える急落となると一時148.85円まで値を下げる場面もみられましたが、その後は米長期金利が低下幅をひろげたにもかかわらず、底堅い動きに。148円台での下値の堅さを確認することになりました。
ユーロドルはというと、きれいな形でダブルトップを完成した後の下値トライ中とあって、米金利低下にもかかわらず、リスクオフ的な売りが目立つ展開。また、9月カナダCPIが予想を大幅に下回る弱い結果となって値を上げていたドルカナダドルは、NY市場に入ってからは米金利の大幅低下の方に焦点が当ると一転して戻り売りにおされて安値を更新するなど、それぞれの通貨ペアの事情を強く反映した展開となりました。
アジア市場では、ドル円は日経平均の大幅な下落を受けて一時148.88円まで戻り売りが先行したものの、市場では「148円台では引き続き本邦実需の買いが目立っている」ほか、「150.00円手前で売っていたオプション絡みのショートカバーもかなり出ている」こともあり、149円台に値を戻して底堅い動きとなっています。日経平均はオランダのASMLショックをもろに被っているわけですが、こちらも40000円台を昨日に達成したといった、一種の達成感が出てきた中での調整売りと重なっているだけの話。いずれにしても、本筋からは外れたノイズとしての調整と認識しておきたいところです。
レバノン放送公社LBCIが報じたところによると、イスラエルがレバノンの首都ベイルートの南部郊外を攻撃したという。
「インフレ率は目標範囲内に戻っているが、金融政策は依然として引き締め的」
(NZ準備銀行)
2024年7-9月期のニュージーランドの消費者物価指数(CPI)が前期比で+0.6%と予想の+0.7%を下回ったほか、前年比+2.2%と2021年1-3月期以来の低水準となり、国内のインフレ鈍化が一段と鮮明になった。
1.NZ準備銀行(RBNZ):インフレ目標(1~3%)
1)第1次利下げ(8/14):5.25%(▲0.25%)
【声明】
「インフレ率が中銀目標の1-3%に近づいており、今後さらなる利下げを行う可能性」
「追加緩和のペースは、価格動向が低インフレ環境と一致しており、インフレ期待が2%の目標付近で安定しているという委員会の確信に左右される」
■オアRBNZ総裁
「5月以降成長が鈍化し、物価予想に関する懸念は解消した」
「価格設定行動が急速に変化していることは良いニュースだ」
2)第2次利下げ(10/9):4.75%(▲0.50%)
【声明】
「委員会は生産、雇用、金利、為替レートの不必要な不安定化を回避しつつ、低水準で安定したインフレを達成・維持するためにOCRを50bp引き下げることが適切との見解で一致した」
「年間インフレ率が中銀目標である1-3%の範囲内にあり、2%に収束しつつある」
「ニュージーランド経済は現在、過剰生産能力を抱えた状態にあり、低インフレ経済に合わせた価格・賃金設定を促している。輸入価格の下落がディスインフレを後押ししている」
2.消費者物価指数(CPI):インフレ目標(1~3%)
・4-6月期CPI:前年比+3.3%・前期比+0.4%・コア+3.45%
・7-9月期CPI:前年比+2.2%・前期比+0.6%
3.リセッション(景気後退)懸念
NZ準備銀行は、今年2四半期連続でマイナス成長となり、テクニカルなリセッション(景気後退)に陥ると予想している。
・2024年第2四半期GDP:▲0.2%(前期比)
・2024年第1四半期GDP:+0.1%
・2023年第4四半期GDP:▲0.1%
・2023年第3四半期GDP:▲-0.3%
本日のロンドン為替市場のポンドドルは、9月英消費者物価指数(CPI)を見極めて、11月7日のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)での利下げの可能性を探ることになる。
ユーロドルは、明日の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げ観測から軟調な展開が予想される。
ベイリー英中銀(BOE)総裁が積極的な利下げを示唆して以来、11月7日のMPCでの利下げ観測が高まっている。
英9月CPIの予想は前月比+0.1%で8月の同比+0.3%から低下、前年比+1.9%で8月の同比+2.2%から伸び率が鈍化して、インフレ目標2%を下回ることが見込まれている。
ユーロドルのテクニカル分析では、ダブル・トップ(1.1202ドル・1.1212ドル)が完成して、最小目標値1.0790ドルが点灯している。
ポンドドルは、1.3434ドルを頭とするヘッド・アンド・ショルダーを形成中であり、ネック・ライン1.3002ドルを割り込むと完成するため、英9月CPIを受けた売り仕掛けには警戒しておきたい。
中東情勢に関しては、昨日、イスラエル首相府が、「イランによるミサイル攻撃への報復計画については米政府の意見を考慮に入れるが、最終決定は国益に基づいて下す」と表明しており、引き続き関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0961ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:164.93円(日足一目均衡表・雲の上限)
・ポンドドル:1.3175ドル(10/4高値)
・ポンド円:197.58円(7/31高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0778ドル(8/1安値)
・ユーロ円:161.01円(10/4安値)
・ポンドドル:1.2941ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ポンド円:193.74円(日足一目均衡表・転換線)
一部通信社の話によると、香港政府は一部住宅を対象に住宅ローン規制を緩和する新たな政策を導入しようとしているという。
(16日15時時点)
ドル円:1ドル=149.32円(前営業日NY終値比△0.12円)
ユーロ円:1ユーロ=162.56円(横ばい)
ユーロドル:1ユーロ=1.0886ドル(▲0.0007ドル)
日経平均株価:39180.30円(前営業日比▲730.25円)
東証株価指数(TOPIX):2690.66(▲32.91)
債券先物12月物:144.01円(△0.24円)
新発10年物国債利回り:0.950%(▲0.020%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
8月機械受注(船舶・電力除く民需)
前月比 ▲1.9% ▲0.1%
前年同月比 ▲3.4% 8.7%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。安達日銀審議委員が「金融政策が正常化プロセスに入る条件は既に満たしている」と述べると、日銀の追加利上げへの思惑が広がり、相場は円買いで反応した。一時148.88円まで下押し。ただ、昨日安値の148.85円が目先のサポートとして意識されると次第に下値を切り上げる展開に。安達日銀審議委員は「拙速な利上げは回避すべき」など早期の利上げについて同時に慎重な姿勢を示していたこともあり、15時前には149.37円付近まで反発した。
・ユーロ円も下値が堅い。ドル円と同様の展開となり、162.12円まで下押しした後に162.60円台まで買い戻された。
・ユーロドルは小動き。手掛かり材料を欠くなかで1.0890ドルを挟んだ小動きに終始した。
・日経平均株価は5営業日ぶりに大幅反落。前日の欧米株式相場が下落し、投資家のリスク回避姿勢が強まった。オランダの半導体製造装置大手ASMLの低調な決算を受けて半導体関連株の下げが目立ち、指数は一時850円近く下落する場面もあった。
・債券先物相場は反発。昨日の米国債券相場が上昇し、この日の国内債にも買いが波及した。また、日経平均株価が大幅に下落したことも安全資産としての債券需要につながった。
本日の東京市場では、安達日銀審議委員の発言を受けて日銀の追加利上げへの思惑が広がって148円台に下押すも、前日安値がサポートとして意識されると下げ渋り。その後は同委員が早期利上げについて同時に慎重な姿勢を示したこともあり、欧州市場序盤に149.40円台まで切り返す動きとなった。
本日のNY市場では、手掛かりとなりそうな米経済指標や要人発言が予定されていないため、大きく動意づくのは難しいか。明日米国では9月小売売上高や10月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、新規失業保険申請件数など複数の発表を控えており、これらを前に積極的な売買が手控えられることも考えられる。その場合は米長期金利や米国株を眺めながら、方向感を模索することになりそうだ。
なお、本日は欧州中銀(ECB)のラガルド総裁が講演予定。もっとも、現在ECBのブラックアウト期間内であるほか、明日はECB理事会であることもあり、金融政策に関する発言はせずに無風通過という展開も十分あり得ると見る。
想定レンジ上限
・ドル円は14日高値149.98円。超えると90日線150.37円
想定レンジ下限
・ドル円は15日安値148.85円。割ると11日安値148.41円
今晩は決算発表に注目。昨日は業績警告を発表したオランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングが急落したことを受けて半導体株が軒並み安となったほか、通期見通しを引き下げたユナイテッドヘルスが大幅安となったことも重しとなり主要3指数がそろって3日ぶりに反落。ダウ平均が0.75%安、S&P500が0.76%安となり、ナスダック総合は1.01%下落した。ただ、下巻ではダウ平均が0.97%高、S&P500が0.92%高、ナスダック総合が0.70%高とそろってプラス圏を維持した。
今晩の取引では、昨日大幅安となった半導体などのハイテク株を中心に反発が期待されるが、発表が本格化した第3四半期決算がポイントとなりそうだ。ラス・ベガス・サンズ、プロロジス、モルガン・スタンレー、アボット・ラボラトリーズ、USバンコープ、シチズンズ・フィナンシャルなどS&P500採用の14銘柄が発表予定で、決算やガイダンスに注目が集まる。
今晩の経済指標・イベントはMBA住宅ローン申請指数、9月輸入物価など。企業決算は寄り前にラス・ベガス・サンズ、プロロジス、モルガン・スタンレー、アボット・ラボラトリーズ、シチズンズ・フィナンシャル、引け後にクラウン・キャッスル、CSX などが発表予定。
大阪12月限
日経225先物 39190 -720 (-1.80%)
TOPIX先物 2690.5 -31.5 (-1.15%)
日経225先物(12月限)は前日比720円安の3万9190円で取引を終了。寄り付きは3万9120円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8955円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。現物の寄り付き直後につけた3万8890円を安値に押し目狙いのロングが入り、前場中盤にかけて一時3万9340円まで下落幅を縮める場面もみられた。その後はじりじりと下落幅を広げ、ランチタイムで3万9070円まで下げたが、節目の3万9000円は割り込まなかった。後場は3万9100円~3万9290円辺りで推移し、3万9100円辺りでの底堅さが意識された。
日経225先物は売り先行で始まり、3万8890円まで売られた後は下げ渋る動きとなった。3万9340円まで下げ幅を縮め、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9290円)を上回る場面もみられた。ただし、同水準では戻り待ち狙いのショートが入りやすいところであった。
本日は米国でオランダのASMLホールディング<ASML>の急落が、半導体株に広がる形だった。ただし、指数インパクトの大きい東京エレクトロン <8035.T> [東証P]は終日軟調で10%近く下げたが、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]は寄り付き水準での底堅さがみられたほか、アドバンテスト <6857.T> [東証P]が一時プラスに転じる場面もあるなど、個別では冷静な動きもみられていた。
日経225先物は前場半ばまでで需給調整が一巡し、その後は3万9000円と+1σ水準での推移となったが、+1σはナイトセッションで3万9390円辺りまで上昇してきた。抵抗線として機能しつつも、上向きで推移する+1σに沿ったリバウンドが意識されそうだ。3万9000円処での底固めを見極めつつ、オプション権利行使価格の3万9000円から3万9500円のレンジを想定しておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.56倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げが日経平均型の重荷となるなか、直近の上昇に対するリバランスの動きとなった。ただし、14.52倍で寄り付き、一時14.46倍に低下した後は寄り付き水準を上回っている。アドバンテストが一時プラス圏を回復するなか、NTロングによるスプレッド狙いの動きが意識された。
前日の米国ではゴールドマン・サックス・グループ<GS>が決算評価から高く始まったものの、その後は地合いに押される形で下落に転じていた。16日にはモルガン・スタンレー<MS>、USバンコープ<USB>が決算を発表する。予想を上回る決算が続くようだと、ゴールドマンの見直しにもつながりそうである。また、半導体株ではエヌビディア<NVDA>が落ち着きをみせるようなら、リバウンド狙いのロングを誘うことになりそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万5847枚、ソシエテジェネラル証券が1万2281枚、サスケハナ・ホンコンが2649枚、バークレイズ証券が2360枚、JPモルガン証券が1711枚、ゴールドマン証券が1494枚、SBI証券が1235枚、モルガンMUFG証券が1205枚、野村証券が1024枚、ビーオブエー証券が1024枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万0348枚、ソシエテジェネラル証券が1万7125枚、バークレイズ証券が5384枚、JPモルガン証券が3486枚、モルガンMUFG証券が3162枚、ゴールドマン証券が2874枚、サスケハナ・ホンコンが2468枚、ビーオブエー証券が2212枚、シティグループ証券が914枚、広田証券が770枚だった。
日経平均株価は大幅反落。マド開けをともなった寄り付きが高値となり、下げ幅を拡大する展開となった。10日移動平均線(39062円 10/16)付近がサポートになったが、6日連続の陰線を形成して取引を終えた。
RSI(9日)は前日の66.8%→68.9%(10/16)へ上昇。あすは低下しやすいタイミングとなる。10日移動平均線の上昇基調が続く中、早期に5日移動平均線(39471円 同)や一目均衡表の転換線(39357円 同)上を回復できるかが目先のポイント。前日の段階で9/27高値(39829円)を上回っており、7/18の下げで開けたマド上限(41054円)が当面の上値メドとなる。
上値メドは、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)、心理的節目の42000円、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、心理的節目の39000円や75日移動平均線(38315円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)などがある。
(16日終値:17日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.75円(16日15時時点比△0.43円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.66円(△0.10円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0862ドル(▲0.0024ドル)
FTSE100種総合株価指数:8329.07(前営業日比△79.79)
ドイツ株式指数(DAX):19432.81(▲53.38)
10年物英国債利回り:4.064%(▲0.098%)
10年物独国債利回り:2.184%(▲0.038%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月英消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.0% 0.3%
(前年比) 1.7% 2.2%
CPIコア指数
(前年比) 3.2% 3.6%
9月英小売物価指数(RPI)
(前月比) ▲0.3% 0.6%
(前年比) 2.7% 3.5%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。しばらくは149.30円を挟んだもみ合いの展開が続いていたが、NYの取引時間帯に入ると徐々に強含んだ。米国株相場や日経平均先物の上昇などを手掛かりに投資家のリスク志向が改善すると円売り・ドル買いが出た。3時過ぎに一時149.79円と日通し高値を更新した。
ただ、前日の高値149.84円が目先レジスタンスとして意識されたため、一本調子で上昇する展開にはならなかった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.99%台まで低下したことも相場の重し。
・ユーロドルは頭が重かった。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.0901ドルと日通し高値を付けたものの、前日の高値1.0917ドルが目先レジスタンスとして働くと失速した。欧州中央銀行(ECB)が17日の定例理事会で追加利下げを決めるとの観測もユーロの重し。ドル円のドル高基調につれたユーロ売り・ドル買いも出ると一時1.0862ドルと8月2日以来の安値を更新した。
・ポンドは一時売りが強まった。9月英消費者物価指数(CPI)が予想を下回ると、英中銀(BOE)が利下げを進めやすくなるとの見方が広がり、英長期金利の低下とともにポンド売りが進んだ。ポンドドルは一時1.2983ドルと日通し安値を付けたほか、ユーロポンドは0.8380ポンドと日通し高値を更新した。ポンド円も本日安値となる193.71円まで値を下げた。
・ユーロ円は小幅高。ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが出ると、1時30分前に162.89円と本日高値を更新した。ただ、ユーロドルの下落につれた売りも出たため、上値は限定的だった。
・ロンドン株式相場は反発。9月英CPIが予想を下回ると、BOEが利下げを進めやすくなるとの見方が広がり、株買いが優勢となった。コンパス・グループやネクストなど一般消費財サービスが買われたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は小幅続落。前日の米国株や本日のアジア株相場の下落が投資家心理を冷やした。個別では通期業績予想を再度上方修正したにもかかわらずスポーツウエア大手のアディダスが6%超の大幅下落となったほか、ザルトリウス(4.03%安)やキアゲン(2.04%安)、ハノーバー再保険(1.86%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。英利下げ観測を背景に英国債が上昇。独国債にも買いが波及した。ECBが明日17日の定例理事会で追加利下げを決めるとの観測も買いを促した。
16日の日経平均は5日ぶり大幅反落。終値は730円安の39180円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり354/値下がり1246。防衛関連の三菱重工やIHIが逆行高。フジクラが強かったほか、三菱UFJ、みずほなど金融株の一角にしっかりとした動きが見られた。証券会社の投資判断引き上げを材料に建設大手の大林組と大成建設が大幅上昇。決算が好感された銘柄には強い買いも入っており、パルGHDやIDOMが急伸した。上方修正と増配を発表した古野電気は、場中に値が付かずストップ高比例配分となった。
一方、レーザーテックが13.4%安、SCREEN、コクサイエレが9.3%安、東京エレクトロンが9.2%安と、半導体株の多くがプライムの値下がり率上位にランクインした。高島屋の通期見通し修正を受けてインバウンド需要の減速が意識され、三越伊勢丹、Jフロントなど百貨店株や、資生堂、コーセーなど化粧品株が大きく売られた。決算を材料にディップやヨシムラフードが大幅安。売り出しを発表したウェザーニューズが急落した。
本日、スタンダード市場に新規上場した日水コンは、公開価格割れからのスタートとなったものの、終値は初値を上回った。
日経平均は大幅安。ただ、東京エレクトロンのマイナス寄与が1銘柄で約242円あり、半導体株以外の銘柄は比較的落ち着いていた。さしあたっては、本日の米国の半導体株の動向が注目される。ASMLの決算に関しては、イレギュラーで1日早く出てきたことが市場の動揺を大きくしたようにも見える。エヌビディアのほか、15日に急落したアプライド・マテリアルズやラム・リサーチが一段安とならなければ、半導体株売りは一時的にとどまるかもしれない。一方、あす17日にはTSMCやディスコが決算発表を予定している。きょうもエヌビディアなどが弱かった場合、半導体株に対する警戒が高まることで、全体にもネガティブな影響が及びやすい。日経平均のきょうの終値は39180円。前日の取引時間中に40000円を上回ったにもかかわらず、間を置かず39000円を割り込んでしまうと天井感が出てきてしまう。半導体株に対する売り圧力が和らぐか、日経平均が39000円より上で推移できるかが、あすの焦点となる。
(16日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.64円(前営業日比△0.44円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.54円(▲0.02円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0862ドル(▲0.0031ドル)
ダウ工業株30種平均:43077.70ドル(△337.28ドル)
ナスダック総合株価指数:18367.08(△51.49)
10年物米国債利回り:4.01%(▲0.02%)
WTI原油先物11月限:1バレル=70.39ドル(▲0.19ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2691.3ドル(△12.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲17.0% ▲5.1%
9月米輸入物価指数
(前月比) ▲0.4% ▲0.2%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。ダウ平均が史上最高値を更新するなど、米国株相場が底堅く推移すると、投資家のリスク志向改善を意識した円売り・ドル買いが出た。4時過ぎには一時149.81円と日通し高値を更新した。
ただ、前日の高値149.84円や14日の高値149.98円が目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米長期金利の指標となる米10年債利回りが節目の4%を下回り、3.99%台まで低下したことも相場の重しとなった。
・ユーロドルは3日続落。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.0901ドルと日通し高値を付けたものの、前日の高値1.0917ドルが目先レジスタンスとして働くと失速した。欧州中央銀行(ECB)が明日17日の定例理事会で追加利下げを決めるとの観測もユーロの重し。ドル円のドル高基調につれたユーロ売り・ドル買いも出ると一時1.0853ドルと8月2日以来およそ2カ月半ぶりの安値を更新した。
・ポンドドルは軟調だった。欧州時間に発表された9月英消費者物価指数(CPI)が予想を下回ると、英中銀(BOE)が利下げを進めやすくなるとの見方が広がり、英長期金利の低下とともにポンド売りが進んだ。5時前には一時1.2977ドルと8月20日以来の安値を更新した。
・ユーロ円は小幅ながら続落。ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが出ると、1時30分前に162.89円と本日高値を付けたものの、ユーロドルの下落につれた売りが出ると上値が重くなった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、史上最高値を更新した。金融大手モルガン・スタンレーが発表した四半期決算が良好な内容だったことを受けて、買い安心感が広がった。15日に決算を発表したゴールドマン・サックスも買われ、相場を下支えした。なお、前日大幅安となったユナイテッドヘルス・グループは2.7%上昇し、1銘柄でダウ平均を102ドル程度押し上げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発。前日に下げが目立ったエヌビディアなどに買いが入った。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。ECBやBOEの追加利下げ観測を背景に欧州債相場が上昇すると、米国債にも買いが波及した。9月米輸入物価指数が予想を下回ったことも相場の支援材料。
・原油先物相場は小幅に4日続落。石油輸出国機構(OPEC)や国際エネルギー機関(IEA)が今週、今年の世界石油需要の伸びについて見通しを下方修正したことが意識され、この日も上値の重い展開となった。もっとも昨日の安値を下回ったところで売りが一服すると、週初から大きく下げた反動で持ち高調整の動きが中心となった。
・金先物相場は続伸。米長期金利の低下やECBやBOEの追加利下げ観測が、金利の付かない金の支えとなった。中東の紛争拡大リスクに対する懸念も高まったままであり、こちらも安全資産とされる金に資金を向かわせた。
16日07:10 ハンター豪準備銀行(RBA)総裁補佐
「新たなリスクの兆候を常に警戒している」
「インフレ期待は引き続き抑制されている」
「家計は最近のインフレ急騰を中銀が予想していたよりも冷静に受け止めている」
「現在の賃金期待とインフレ期待の関係性は低い」
16日08:17 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「米経済の力強い継続を予想」
「インフレが2%に戻ることをかなり確信」
16日10:34 安達日銀審議委員
「金融政策が正常化プロセスに入る条件は既に満たしている」
「金融政策の正常化の際には段階的な利上げというプロセスを経ることが適当である」
「基本的には緩和的な金融環境を維持しつつ、極めて緩慢なペースで政策金利を引き上げていく」
「緩和的な金融環境を維持する」
「自然利子率、信頼性の高い数値を実証的に特定することが困難」
「インフレ抑制のための急ピッチな利上げを実施する必要はない」
「拙速な利上げは回避すべき」
16日14:43
「当面、円安加速による物価上昇圧力は今のところ削減されている」
「利上げは慎重にやっていくべき」
「追加利上げ、何月と意識しているわけではない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 9月貿易統計(通関ベース、予想:季節調整前2376億円の赤字、季節調整済5210億円の赤字)
○13:30 ◇ 8月第三次産業活動指数(予想:前月比▲0.3%)
<海外>
○09:30 ◎ 9月豪雇用統計(予想:失業率4.2%/新規雇用者数2.50万人)
○18:00 ☆ 9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比1.8%)
○18:00 ☆ 9月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比2.7%)
○18:00 ◇ 8月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済176億ユーロの黒字)
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表(予想:50.00%で据え置き)
○21:15 ☆ 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:3.40%へ引き下げ)
○21:30 ◇ 8月対カナダ証券投資
○21:30 ☆ 9月米小売売上高(予想:前月比0.3%/自動車を除く前月比0.1%)
○21:30 ◎ 10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:3.0)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:26.0万件/186.5万人)
○21:45 ☆ ラガルドECB総裁、定例記者会見
○22:15 ◎ 9月米鉱工業生産(予想:前月比▲0.2%)
◇ 設備稼働率(予想:77.8%)
○23:00 ◎ 10月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:42)
○23:00 ◇ 8月米企業在庫(予想:前月比0.3%)
○24:00 ◇ EIA週間在庫統計
○24:00 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、あいさつ
○18日05:00 ◎ 8月対米証券投資動向
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、18日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ダウ平均が史上最高値を更新して投資家のリスク志向改善による円売り・ドル買いで149.81円まで上昇したものの、米10年債利回りが3.99%台まで低下したことで伸び悩んだ。ユーロドルは欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げ観測などから1.0853ドルまで下落。ポンドドルは英中銀の利下げ観測から1.2977ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、150円のオプションの防戦売りや本邦通貨当局の円安抑制の可能性(口先介入やドル売り・円買い介入)に警戒する展開が予想される。
8時50分に発表される9月貿易統計(通関ベース、予想:季節調整前2376億円の赤字、季節調整済5210億円の赤字)では、本邦実需筋による貿易絡みの円売り圧力を確認することになる。1-8月の貿易赤字は約4.6兆円の円売りとなっている。
新NISA(少額投資非課税制度)による海外株式型投信の資金流入額は、1-8月で約9兆円となっており、本邦実需筋による円売り圧力がドル円の140円以下への下落を阻止してきた。
この本邦実需筋の円売り、そして米連邦準備理事会(FRB)の大幅な追加利下げ観測の後退や日銀の早期の追加利上げ観測の後退から、ドル円は161.95円から139.58円までの下落幅(22.37円)の半値戻し150.77円を目指す上昇基調にある。
しかし、衆院選の争点が物価高対策となっていることで、石破政権は、輸入物価上昇の要因となる円安の抑制を徹底すると思われるため、本邦通貨当局による円安抑制(口先介入やドル売り・円買い介入)の可能性には引き続き警戒しておきたい。
これまで、三村財務官や加藤財務相が「投機的な動きを含めて為替市場の動向を注視する」と円安を牽制し、為替介入の助言役を担っている神田内閣官房参与(前財務官)が「為替市場、引き続き高い緊張感持って警戒続けていく」と述べており、150円台に向けた買い仕掛けを牽制してきている。
9時30分に発表される9月豪雇用統計(予想:失業率4.2%/新規雇用者数2.50万人)では、8月の新規雇用者の増加が非正規雇用の大幅増に支えられたものだったため、正規雇用が増加するかに注目したい。
9月の豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨では、「他国の金利と同調して動く必要はない」と早期の利下げに否定的な見解が示されていた。ハウザーRBA副総裁も「インフレは持続する。インフレとの戦いでRBAは強固な姿勢を維持すべき。インフレ率が高止まりした時には行動するだろう」とタカ派的な姿勢を示していた。
9月豪雇用統計では、オーストラリアの雇用情勢を確認して、RBAの利下げ時期を探ることになる。一方、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は、利下げ3大要素(景況感の悪化、雇用情勢の悪化、インフレ率低下)に直面しているため、追加利下げ観測が高まっている。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39470 +280 (+0.71%)
TOPIX先物 2709.0 +18.5 (+0.68%)
シカゴ日経平均先物 39450 +260
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
16日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。前日に急落したASMLホールディング<ASML>が続落し年初来安値を更新したが、台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>が17日に発表する決算でAI需要の強さが改めて示されるとの期待から、エヌビディア<NVDA>やマイクロン・テクノロジー<MU>などが買われた。また、前日の下げでNYダウを押し下げていたユナイテッドヘルス・グループ<UNH>が反発し、NYダウを牽引する形となった。
さらに、7-9月期決算で売上高に相当する純営業収益と1株利益が市場予想を上回ったモルガン・スタンレー<MS>が6%を超える上昇で最高値を更新し、ゴールドマン・サックス<GS>やJPモルガン・チェース<JPM>に買いが広がった。S&P500業種別指数は公益事業、半導体・同製造装置、耐久消費財・アパレルが上昇した一方で、メディア、食品・生活必需品小売、家庭用品・パーソナル用品が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比260円高の3万9450円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比60円安の3万9130円で始まり、その後は落ち着いた値動きで日中終値を挟んで保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後にショートが強まり、一時3万9110円まで下げる場面もみられた。ただし、売り一巡後はロング優勢となりプラスに転じ、3万9400円台を回復。終盤にかけて緩やかに上昇し、一時3万9520円まで買われる場面もみられ、3万9470円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。ボリンジャーバンドの+1σは3万9410円辺りまで上昇してきており、同水準で上値を抑えられる場面もあったが、終盤にかけての上昇で+1σを上回ってきた。+1σが支持線として機能してくるようだと、改めて4万円の大台が意識されてくるだろう。
米国ではASMLホールディングは続落したが、エヌビディアが反発したことが安心感につながる。TSMCは午後2時40分頃に決算を発表する予定であり、期待通りの内容であれば終盤にかけて東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]などが日経平均型を牽引してくる展開が期待される。もっとも、ハシゴを外される可能性もあるため、発表直後の動きには注意する必要がありそうだ。
日経225先物は+1σ水準での攻防になりやすく、オプション権利行使価格の3万9375円を中心とした上下の権利行使価格3万9125円から3万9625円でレンジを想定。+1σを上回って推移するようなら、3万9375円から3万9875円のレンジに移行しよう。
なお、16日の米VIX指数は19.58(前日は20.64)に低下しており、不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を下回った。慎重姿勢は崩せないが、地政学リスクについては、米国の民間人保護要請に対し、イスラエルがガザへの人道支援拡大を議論するため緊急会議を招集したとの報道もあり、ややリスク選好に向かわせよう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.56倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げが日経平均型の重荷となり、直近の上昇に対するリバランスの動きとなった。ただし、14.52倍で寄り付き、一時14.46倍に低下した後は寄り付き水準を上回っていた。本日はTSMCの決算期待が高まるなか、NTロングによるスプレッド狙いの動きが意識されそうである。
昨日のドル円は、ユーロドルやポンドドルの下落につれるかたちで底堅い動き。欧州時間は149.30円を挟んだもみ合いが続きましたが、NY時間に入ってからはユーロドルが200日MAを下抜けて下落幅をひろげるなか149.74円まで上昇。米10年債利回りが一時4%を割込んで3.9927%まで低下したことから149.55円まで下押す場面もみられましたが、下押しも極めて限定的となると、その後は再び149.81円の高値まで値を上げました。引けにかけては149.59円まで下押ししてNY市場を終えています。
アジア時間に入ってからは、9月豪CPIが予想を上回る強い数字となったことを受けて豪ドル円の買いから値を戻す場面もみられましたが、日経平均が下げ幅をひろげるなか149.25円まで下押ししているといったところです。目先はNY時間の安値149.15円が下値の目処。昨日安値の148.88円や15日の安値148.85円もサポートレベルとして意識されています。
いずれにしても、ドル円は150.00円という大台替わりを前にしての方向感のない動きが繰り返されているわけですが、下サイドへの反応が極めて鈍くなりつつあることも事実。昨日の安達日銀審議員の発言を受けた売り仕掛けも、結局は安値を確認しただけの一時的な動きにとどまったように、市場のセンチメントにも変化が出始めているといったところ。目先は、株価を中心とした神経質な動きが引き続き展開されています。
日経225先物は11時30分時点、前日比170円安の3万9020円(-0.43%)前後で推移。寄り付きは3万9410円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9450円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。ただし、開始直後に付けた3万9430円を高値に軟化し、現物の寄り付き直後には下落に転じた。売り一巡後は3万9340円まで買い戻されたが勢いはなく、中盤にかけて下へのバイアスが強まる形から、一時3万8960円と節目の3万9000円を割り込んだ。
日経225先物は買い先行で始まったが、その後はロングの解消とみられる動きが優勢になった。連日で最高値を更新していたアドバンテスト <6857.T> [東証P]が利食い優勢の動きとなったほか、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]の値動きも弱く、日経平均型の重荷となっている。台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>の決算発表待ちのなか、持ち高調整の動きとみられる。慎重姿勢が高まるなかで、ややショート優勢の流れだろう。
ただし、日経225先物は3万9000円を割り込んだが、積極的なショートの動きにはならず、底堅さは意識されている。TSMCの決算次第の面はあるものの、3万9000円辺りでの底堅さが意識されてくるようだと、後場終盤にかけてはショートカバーに向かわせる可能性はありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.48倍に低下した。前日比変わらずで始まったが、その後は値がさハイテク株の弱い値動きが重荷となるなか、相対的にTOPIX型優位となった。一時14.47倍まで低下し、前日の安値(14.46倍)まで下げてきた。短期的な資金が中心と考えられ、リバランスが入りやすい水準まで低下している。
「インフレが抑制された状態が続けば、利下げについてより積極的になる可能性」
(ベイリーBOE総裁)
中央銀行の利下げ三大要素は、景況感の悪化(リセッション等)、雇用情勢の悪化、インフレ率低下、であるが、英国に当てはまりつつある。
ポンドドルは、1.3434ドル(9/26高値)を頭とするヘッド・アンド・ショルダー(三尊天井)が、ネック・ライン1.3002ドルの下抜けによって完成し、目標値1.2570ドルが点灯している。
すなわち、ポンドドルは、イングランド銀行金融政策委員会(MPC)による追加利下げにより、1.2570ドル処まで下落する可能性が高まっている。
1.イングランド銀行金融政策委員会(MPC)
MPCの9名の委員の棲み分けは、以下の通りに、タカ派3名、中立派3名、ハト派3名に分類できると思われる。
【MPC】 【8月1日】 【9月18日】
■ハト派
・ベイリーBOE総裁: 5.00% 5.00%
・ラムスデンBOE副総裁: 5.00% 5.00%
・ディングラMPC委員: 5.00% 4.75%
■中立派
・ロンバルデリBOE副総裁: 5.00% 5.00%
・ブリーデンBOE副総裁: 5.00% 5.00%
・テイラーMPC委員: 5.00%
■タカ派
・マンMPC委員: 5.25% 5.00%
・ピルMPC委員・チーフエコノミスト:5.25% 5.00%
・グリーンMPC委員: 5.25% 5.00%
2.9月18日MPC(8対1)の3つのシナリオ
政策金利を5.00%に据え置いた。ディングラMPC委員が4.75%への追加利下げを主張した。
1)インフレ率を上昇させた世界的なショックの解消と、その結果としてヘッドラインインフレ率が賃金や価格設定の動きを弱めるよう波及しつづける
2)賃金や価格設定の動きが完全に正常化するため、GDPが潜在量を下回り、労働市場がさらに緩和する経済が弛む(slack)の期間が必要となる
3)ここ数年で経験した主要な供給ショックの後に、経済が賃金や価格設定といった構造的な変化の影響を受けている可能性がある
4.11月7日MPC
ベイリー英中銀(BOE)総裁は、緩やかな利下げが可能だとの認識を示した。インフレ率が約2年前に記録した11.1%から、9月にはインフレ目標2%を下回る+1.7%まで鈍化していることで「金利の道筋は緩やかに下向きになると考えている」と述べた。
また、「今後もインフレ率を持続的に目標水準に合致させる必要がある。現時点ではインフレの構成要素がかなり不均衡な組み合わせになっている」とも発言した。
11月のMPCでの利下げの可能性が高まりつつある。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、中東情勢に警戒しながら、欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げの有無、12月理事会に向けた声明文やラガルドECB総裁の記者会見を見極めることになる。
ユーロドルのテクニカル分析では、ダブル・トップ(1.1202ドル・1.1212ドル)が完成して、最小目標値1.0790ドルが点灯している。
ECB理事会では、ラガルドECB総裁が連続利下げを示唆していること、ハト派のビルロワドガロー仏中銀総裁が「利下げの可能性は非常に高く、最後ではないだろう」と述べ、タカ派のナーゲル独連銀総裁も「利下げ検討にオープン」と述べており、追加利下げは確実視されている。
注目ポイントは、声明文で、データ次第で会合ごとに判断するとの姿勢が維持されるのか否かに注目しておきたい。もし、景気下振れリスクへの警戒姿勢が示されれば、ユーロ売りに拍車がかかることになる。
また、声明文とラガルドECB総裁の会見では、12月のECB理事会への言及となる。市場は、本日と12月理事会での利下げを織り込んだいる。
中東情勢に関しては、先日、イスラエル首相府が、「イランによるミサイル攻撃への報復計画については米政府の意見を考慮に入れるが、最終決定は国益に基づいて下す」と表明しており、引き続き関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0925ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:163.61円(10/10高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0778ドル(8/1安値)
・ユーロ円:161.01円(10/4安値)
(17日15時時点)
ドル円:1ドル=149.52円(前営業日NY終値比▲0.12円)
ユーロ円:1ユーロ=162.29円(▲0.25円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0853ドル(▲0.0009ドル)
日経平均株価:38911.19円(前営業日比▲269.11円)
東証株価指数(TOPIX):2687.83(▲2.83)
債券先物12月物:143.88円(▲0.13円)
新発10年物国債利回り:0.960%(△0.010%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月貿易統計(通関ベース)
季節調整前 2943億円の赤字 7032億円の赤字・改
季節調整済 1872億円の赤字 4720億円の赤字・改
8月第三次産業活動指数
前月比 ▲1.1% 2.2%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場のき)
・豪ドルは買い優勢。9月豪雇用統計が新規雇用者数・失業率ともに市場予想より良好な内容だったことを受けて急伸。豪準備銀行(RBA)の利上げ観測の高まりとともに対ドルでは一時0.6710米ドル、対円では100.23円まで上昇した。
・ドル円は方向感がない。日経平均株価の下落を背景にリスク回避の売りが先行し、一時149.25円まで下押しした。もっとも、時間外の米10年債利回りが上昇した影響から下値も堅く、一巡後は149.60円付近まで持ち直した。
・ユーロ円は弱含み。日本株安で円高が進んだ流れに沿ったほか、今晩の欧州中央銀行(ECB)理事会で利下げがほぼ確実視されていることも重しとなり、一時162.07円まで下落した。
・ユーロドルは小安い。ECBの利下げ観測を受けて1.0851ドルまで値を下げるなど、総じて上値の重い動きとなった。
・日経平均株価は続落。オランダ半導体製造装置ASMLホールディング株が昨日の海外市場で下落した影響から半導体関連株に売りが強まった。台湾TSMCの決算が良好だったことで下げ渋る場面があったが戻りは鈍く、結局安値引けとなった。
・債券先物相場は反落。欧州圏のインフレ鎮静化もあり続伸して始まったが、時間外の米債が売られ、好結果だった豪州の雇用統計後に豪債も売られたことなどで一時143.84円まで下落した。
中国は電気自動車(EV)に関する次の交渉段階のため欧州連合(EU)の技術チームを招待したと発表した。EUは中国製EVに45%の関税を5年間課すことを決定したが、ドイツなど5カ国が反対。両者は妥協点を探っていますが、早期解決は難しいと見られている。この問題は両国の貿易関係に影響を与える可能性があり、今後の交渉の行方が注目される。
本日、開催される欧州中央銀行(ECB)理事会での金融政策発表における各社予想は下記の通りとなっている。
【ING】
0.25%の利下げを予想。ただし、市場が今後6回連続の利下げを織り込んでいることに対しては懐疑的。
【ユニクレディト】
0.25%の利下げを予想。経済活動の弱さとインフレ鈍化が理由。ラガルド総裁は慎重な姿勢を維持すると予想。
【ゴールドマン・サックス】
0.25%の利下げを予想。その後2025年6月まで連続的に利下げを予想。
【バンク・オブ・アメリカ】
0.25%の利下げを予想。その後2025年6月までに預金ファシリティ金利を2.00%まで引き下げると予想。
【クレディ・アグリコル】
0.25%の利下げの可能性が非常に高いと予想。
【ドイツ銀行】
インフレ低下と成長鈍化を理由に0.25%の利下げを予想。
【JPモルガン】
9月のPMIとHICPの下振れを受け、利下げは確実視。ただし12月の行動については明確な指針を示さない可能性。
NYタイムズ紙によると、イエレン米財務長官はトランプ前大統領らが提案する広範な関税政策がインフレを引き起こし、米国経済に打撃を与えると警告するとのことだ。外交問題評議会での演説で、イエレン長官はトランプ氏の名前を挙げずに、包括的な関税が米国の家計に物価上昇をもたらし、企業の競争力を低下させると主張する予定。これは、関税と減税を経済政策の柱とするトランプ氏の選挙戦略に対する批判となる。2024年大統領選では経済が最大の争点とされており、イエレン長官の発言は重要な意味を持つと考えられている。
大阪12月限
日経225先物 39100 -90 (-0.22%)
TOPIX先物 2695.0 +4.5 (+0.16%)
日経225先物(12月限)は前日比90円安の3万9100円で取引を終了。寄り付きは3万9410円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9450円)にサヤ寄せする形から買い先行で始まった。ただし、開始直後に付けた3万9430円を高値に軟化し、現物の寄り付き直後には下落に転じた。売り一巡後は3万9340円まで買い戻されたが勢いはなく、前場中盤にかけて節目の3万9000円を割り込むと、ランチタイムで3万8790円まで売られる場面もみられた。
ただ、売り一巡後は持ち直し、後場は3万8950円~3万9050円辺りでの保ち合いを継続。終盤にかけては、台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>の予想を上回る決算を受け、3万9190円までロングが入る場面もあったが、プラス圏を回復できなかったことでロングは限られた。
日経225先物は買い先行で始まったが、ロングの解消とみられる動きが優勢になった。連日で最高値を更新していたアドバンテスト <6857.T> [東証P]が小安く、利食い優勢の動きとなったほか、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]の値動きも弱く、日経平均型の重荷となっている。TSMCの決算を受けて動意もみられたが、3万9000円を挟んだ狭いレンジで推移するなかでショートカバーも限られていた形だろう。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万9380円)水準に上値を抑えられる形だったが、3万9000円辺りでの底堅さが意識されており、ショートを仕掛けづらくさせただろう。バンドは上向きで推移しており、ナイトセッションでは3万9470円辺りまで上昇してきた。膠着ながらもバンドに沿ったトレンドが継続するようだと、徐々に下値を切り上げてくる可能性がありそうだ。
+1σ水準での攻防ながら、オプション権利行使価格の3万9500円を中心とした上下の権利行使価格3万9125円から3万9875円のレンジを想定しておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.50倍に低下した。前日比変わらずで始まったが、その後は値がさハイテク株の弱い値動きが重荷となり、一時14.45倍まで低下し、前日の安値(14.46倍)を下回る場面もみられた。また、金融や電力株などが買われ、TOPIX型優位の動きとなった。直近の半導体株上昇におけるリバランスの動きとみられ、本日の調整で再びNTロングに振れやすくなる可能性はあるだろう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3706枚、ソシエテジェネラル証券が9089枚、サスケハナ・ホンコンが2928枚、バークレイズ証券が2432枚、JPモルガン証券が1624枚、SBI証券が1367枚、モルガンMUFG証券が897枚、ゴールドマン証券が848枚、auカブコム証券が765枚、野村証券が700枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万8200枚、ソシエテジェネラル証券が1万3303枚、バークレイズ証券が4094枚、モルガンMUFG証券が2432枚、ゴールドマン証券が2290枚、サスケハナ・ホンコンが2248枚、JPモルガン証券が2098枚、シティグループ証券が1849枚、ビーオブエー証券が1349枚、BNPパリバ証券が1095枚だった。
本日のNY市場では、欧・米で重要な経済指標の発表が複数予定されており、それらを一つずつ確認しながらの展開となりそうだ。
まずは、市場の関心が集まっている欧州中銀(ECB)理事会について、市場予想は0.25%の利下げとなっている。足もとのインフレ率の低下と景気悪化を示すデータを受けたものとなっている。最近の要人発言を振り返っても、ラガルドECB総裁が連続利下げを示唆しているほか、タカ派のナーゲル独連銀総裁も「利下げ検討にオープン」と述べており、市場では利下げが確実視されている。
また、理事会後の21時45分からはラガルドECB総裁の会見が予定されている。今後の金融政策について、データ次第で会合ごとに判断するとの姿勢が維持されるのかが、一つのポイントとなろう。今後の景気や金利見通しについてどのような見解を示すかも気になるところである。なお、金利先物市場では次回12月理事会での0.25%利下げがほぼ織り込まれている。
また、米国では複数の指標が発表予定となっている。特に21時30分の発表時は9月小売売上高に注目が集まりそうだが、同時刻に発表される10月フィラデルフィア連銀製造業景気指数や新規失業保険申請件数の確認も怠らないようにしたい。市場予想は小売売上高が前月比+0.1%、除自動車は同+0.3%(前月:+0.1%/+0.1%)。10月フィラデルフィア(フィリー)連銀製造業景気指数は3.0(前月:1.7)、新規失業保険申請件数は26.0万件(前回:25.8万件)となっている。小売の除自動車とフィリーは前月を上回ると見られており、全般的に予想より強い結果となればドル買いが先行する展開もあるだろう。特に対ユーロでは、前後にECBの金融政策発表と総裁会見を挟んでおり、神経質な値動きもあり得る。
そのほか、グールズビー米シカゴ連銀総裁の発言機会が設けられている。今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)投票権は有していないが、景気や金利見通しについての言及があれば材料視されるかもしれない。
想定レンジ上限
・ドル円は90日移動平均線150.29円。超えると心理的節目の151円
・ユーロドルは日足・一目均衡表の転換線1.0925ドル
想定レンジ下限
・ドル円は15日安値148.85円。割ると11日安値148.41円
・ユーロドルは8月1日安値1.0778ドル
今晩は経済指標に注目。昨日は前日の下落で押し目買いが強まったほか、好決算を発表したユナイテッド航空、モルガン・スタンレー、シンクロニー・ファイナンシャルなどが大幅高となり、主要3指数がそろって反発した。ダウ平均は337.28ドル高(+0.79%)で終了し、2日ぶりに終値の最高値を更新したほか、S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.47%高、0.28%高となった。センチメントは改善し、投資家の不安心理を示すVIX指数は前日の20.64ポイントから19.58ポイントに低下した。
今晩の取引では足もとの景気動向を巡り、寄り前に発表される9月小売売上高と新規失業保険申請件数に注目が集まる。9月小売売上高は前月比+0.3%と8月分の+0.1%から上昇が見込まれ、新規失業保険申請件数は前週発表分の25.8万件からほぼ横ばいの26.0万件が見込まれている。市場では米国経済のソフトランディング期待やノーランディング期待が高まっており、経済指標が強い結果となればセンチメントの一段の改善が期待される。
今晩の経済指標・イベントは9月小売売上高、新規失業保険申請件数のほか、10月フィラデルフィア連銀業況指数、9月鉱工業生産、10月NAHB住宅市場指数など。このほか、グールズビー米シカゴ連銀総裁の発言も予定されている。欧州時間では欧州中央銀行(ECB)の政策金利発表やラガルドECB総裁の記者会見が予定されている。企業決算は寄り前にトラベラーズ、キーコープ、引け後にネットフリックス、インテューイティブ・サージカルなどが発表予定。
イスラエル当局はガザでハマス指導者シンワルが殺害された可能性があると発表した。
(17日終値:18日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=150.25円(17日15時時点比△0.73円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.65円(△0.36円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0826ドル(▲0.0027ドル)
FTSE100種総合株価指数:8385.13(前営業日比△56.06)
ドイツ株式指数(DAX):19583.39(△150.58)
10年物英国債利回り:4.089%(△0.025%)
10年物独国債利回り:2.208%(△0.024%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
(前年比) 1.7% 1.8%
9月ユーロ圏HICPコア改定値
(前年比) 2.7% 2.7%
8月ユーロ圏貿易収支
(季調済) 110億ユーロの黒字 137億ユーロの黒字・改
(季調前) 46億ユーロの黒字 212億ユーロの黒字
欧州中央銀行(ECB)、政策金利
3.40%に引き下げ 3.65%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは頭が重かった。欧州中央銀行(ECB)はこの日開いた定例理事会で、市場予想通り政策金利を0.25%引き下げることを決めたと発表。声明では「インフレ鈍化は順調に進んでいる」との認識を示したうえで「物価見通しは最近の経済指標の下振れにも影響を受ける」と指摘した。また、今後の動きについては「データに基づいて会合ごとに決定を下す」との見解を改めて表明し、利下げペースはデータ次第との説明を維持した。結果公表直後はユーロ買い・ドル売りで反応し、一時1.0874ドルと日通し高値を付けた。
ただ、200日移動平均線が位置する1.0873ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。ラガルドECB総裁が理事会後の記者会見で「経済は予想よりもやや弱い」「成長に対するリスクは下振れ方向」「インフレのリスクは恐らく上方向ではなく、やや下方向」との見解を示したこともユーロ売りを誘った。市場では「ユーロ圏でインフレ鈍化が進んでいることを踏まえ、ECBが12月に追加利下げを決めるとの観測が出ている」との声が聞かれ、一時1.0811ドルと8月2日以来の安値を更新した。
なお、ECB関係者の話として「12月にさらなる利下げを行う可能性が極めて高い」との報道が伝わった。
・ドル円は底堅い動き。独DAXが史上最高値を更新するなど、欧州株相場が堅調に推移すると円売り・ドル買いが先行し、一時149.87円まで値を上げた。14日高値の149.98円や節目の150.00円を前にいったんは149.47円付近まで伸び悩む場面も見られたが、NY時間発表の米経済指標が軒並み予想を上回ると再び強含んだ。
この日発表された9月米小売売上高や10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、前週分の米新規失業保険申請件数、10月米NAHB住宅市場指数は予想よりも強い内容だった。米経済の底堅さが改めて意識されると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが活発化し、1時30分前に150.30円と8月1日以来約2カ月半ぶりの高値を更新した。
・ユーロ円は下値が堅かった。21時30分過ぎに一時162.72円まで値を上げたものの、ECB総裁の発言が伝わると一転下落し161.85円と日通し安値を更新。ただ、売り一巡後は再び買いが優勢となり、1時過ぎには162.76円と日通し高値を付けた。ドル円の上昇につれた買いが相場を下支えした。
・ロンドン株式相場は続伸し、5月21日以来約5カ月ぶりの高値で取引を終えた。前日の英インフレ指標の鈍化を受けて、英中銀(BOE)が利下げを進めやすくなるとの見方が広がる中、この日も買いが続いた。HSBCやバークレイズなど金融株が買われたほか、レレックスやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が値上がりした。BPやシェルなどエネルギー株も堅調だった。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発し、史上最高値を更新した。ECB定例理事会の結果公表を前にしばらくはもみ合いの展開が続いていたが、結果が伝わると強含んだ。良好な米経済指標が相次いだことも投資家心理の改善につながった。個別ではザルトリウス(16.45%高)やメルク(7.56%高)、シーメンス・エナジー(4.20%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。良好な米経済指標が相次いだことを受けて、米国債が下落すると独国債にも売りが波及した。
17日の日経平均は大幅続落。終値は269円安の38911円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり559/値下がり1026。原子力委員会が高浜原発1号機の今後10年間の管理方針を認可したことに加えて、証券会社からポジティブなリポートも出てきたことで、電力株が人気化。関西電力、九州電力、中部電力などが急伸した。三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクが堅調。光世証券や東洋証券など証券株の一角が大きく上昇した。ストラテジックキャピタルの大株主浮上が判明したガンホーが年初来高値を更新。上期の見通しを引き上げたSIGグループは買いが殺到してストップ高比例配分となった。
一方、東京エレクトロンやレーザーテックなど半導体株が全般軟調。キーエンスやファーストリテイリングなど超値がさ株が弱かった。TDK、ニデック、ロームなどハイテク株の多くが下落。直近で強く買われる場面があった免疫生物研究所、アイビー化粧日、ジーデップなどが利益確定売りに押されて大幅安となった。
日経平均は大幅安。米国株が上昇しただけに、きょうは連れ高してほしかった。3月決算企業の上期業績発表がスタートすればもう少し雰囲気が良くなると思われるが、今は後場が必要ないくらい場中の商いが盛り上がらない。そのような中できのうの半導体株のように注目度の高い銘柄が派手に下げると、買い手は委縮する。それでも、日本株が米国株と連動していれば、今の米国株は基調が強いことから売りは手控えられる。しかし、きょうのように米国株と連動できなくなると、売りが急がれやすくなる。
きょうは前日の米国株が上昇し、ドル円も落ち着いているのに日経平均は大きく下げるという残念な状況に陥った。安値引けとなってしまっただけに、あすも大きな期待は持ちづらい。全体の売買代金が回復してくるのは、早くてもニデックやキヤノンなど注目度の高い企業の決算が出てくる来週半ば以降になるだろう。それまでは不安定かつ上値の重い展開が続くと予想する。
(17日終値)
ドル・円相場:1ドル=150.21円(前営業日比△0.57円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.70円(△0.16円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0831ドル(▲0.0031ドル)
ダウ工業株30種平均:43239.05ドル(△161.35ドル)
ナスダック総合株価指数:18373.61(△6.53)
10年物米国債利回り:4.09%(△0.08%)
WTI原油先物11月限:1バレル=70.67ドル(△0.28ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2707.5ドル(△16.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続伸。9月米小売売上高や10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、前週分の米新規失業保険申請件数が予想よりも強い内容だったことが分かると、米経済の底堅さが改めて意識されて、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが先行。21時30分過ぎに一時150.08円まで値を上げた。
そのあとはポジション調整目的の売りなどに押されて、149.64円付近まで上値を切り下げる場面もあったが、下押しは限定的。10月米NAHB住宅市場指数が予想を上回ったことも相場の支援材料となり、4時過ぎには一時150.32円と8月1日以来約2カ月半ぶりの高値を更新した。
・ユーロドルは4日続落。欧州中央銀行(ECB)はこの日開いた定例理事会で、市場予想通り政策金利を0.25%引き下げることを決めたと発表。今後の動きについては「データに基づいて会合ごとに決定を下す」との見解を改めて表明し、利下げペースはデータ次第との説明を維持した。結果公表直後はユーロ買い・ドル売りで反応し、一時1.0874ドルと日通し高値を付けた。
ただ、200日移動平均線が位置する1.0873ドルがレジスタンスとして意識されると一転下落した。ラガルドECB総裁が理事会後の記者会見で「経済は予想よりもやや弱い」「成長に対するリスクは下振れ方向」「インフレのリスクは恐らく上方向ではなく、やや下方向」との見解を示したこともユーロ売りを誘った。市場では「ユーロ圏でインフレ鈍化が進んでいることを踏まえ、ECBが12月に追加利下げを決めるとの観測が出ている」との声が聞かれ、22時30分前に一時1.0811ドルと8月2日以来の安値を更新した。その後の戻りも1.0841ドル付近にとどまった。
・ユーロ円は3日ぶりに小反発。21時30分過ぎに一時162.72円まで値を上げたものの、ECB総裁の発言が伝わると失速し一時161.85円と日通し安値を更新した。ただ、売り一巡後は再び買いが優勢となり、1時過ぎには162.76円と日通し高値を付けた。ドル円の上昇につれた買いが相場を下支えした。
独DAXやNYダウが史上最高値を更新するなど、欧米株価が底堅く推移する中、リスク・オンの円売りも出やすかった。ポンド円は一時195.60円、豪ドル円は100.69円、NZドル円は91.11円、カナダドル円は108.98円、メキシコペソ円は7.57円まで値を上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、史上最高値を更新した。堅調な米経済指標を受けて米景気への楽観が広がると、買いが優勢となった。半導体受託生産大手、台湾積体電路製造(TSMC)の第3四半期決算が良好な内容となったことも投資家心理の改善につながった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら続伸。エヌビディアは株式分割後ベースの高値を更新したものの、引けにかけては利食い売りなどに押された。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。堅調な米経済指標を背景に景気への楽観が広がると、債券売りが優勢となった。
・原油先物相場は5日ぶりに反発。米エネルギー省(EIA)の週間在庫統計で原油が3週ぶりに取り崩しとなり、買い戻しが優勢に。その後、イスラム組織ハマスの最高指導者がイスラエル軍に殺害されたことが確認され、組織弱体化から中東情勢が沈静化するとの思惑が一部で広まった。原油も売りで反応したが69ドル半ばを下値に切り返し、70ドル台で水準を切り上げて終えた。
・金先物相場は3日続伸。米金利の上昇や為替のドル高進行など相場の逆風となり得る材料は見られたが、この日も旺盛な需要に金価格は押し上げられた。なお、イスラエル軍がイスラム組織ハマスの最高指導者を殺害したことが報じられた。組織が弱体化する可能性はあるものの、中東情勢の混迷が更に深まるとの見方も根強いなか安全資産の金に資金が向かった面もあるもよう。
17日11:14 中国住宅相
「100万の村落都市化プロジェクトを追加する」
「プロジェクトのホワイトリストを拡大し、銀行融資を4兆元にする」
17日16:20 ナジ・ハンガリー経済相
「中央銀行はインフレ懸念に固執しているように見える」
「インフレはもはや問題ではない」
「第3四半期の経済成長はゼロに非常に近いだろう」
17日20:03 トルコ中銀声明
「第3四半期の指標は国内需要の減速が続き、デフレ圧力のレベルに近づいていることを示唆」
「インフレ改善のペースに関する不確実性が高まっている」
「インフレリスクに対して高度に注意を払い続けることを再確認」
「月次インフレの基調に顕著かつ持続的な低下が観察され、インフレ期待が予測された予想範囲に収束するまで、金融引き締めの姿勢は維持」
「すべての手段を断固として使用」
17日21:20 欧州中央銀行(ECB)声明
「必要な限り金利を制限的に維持する」
「会合ごと、データ依存型のアプローチを取る」
「特定の金利道筋についてコミットしない」
「インフレ率は目標に向けて低下する前に再び上昇すると予想」
「ディスインフレのプロセスは順調に進んでいる」
「PEPPの再投資は今年末でやめる意向」
17日21:54 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「最新のデータは、より緩慢な成長を示唆」
「家計の消費は予想を下回っている」
「経済は予想よりもやや弱い」
「ほとんどの基調的インフレ指標は低下したか横ばい」
「賃金上昇圧力は強い」
「経済は時間とともに強くなると予想」
「国内のインフレはまだ強い」
「成長に対するリスクは下振れ方向」
「インフレは向こう数カ月で上昇へ」
「地政学的緊張はインフレの上振れリスク」
「インフレは2025年に目標に低下」
「ユーロ圏のリセッションを予想せず」
「インフレのリスクは恐らく上方向ではなく、やや下方向」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ☆ 9月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合、予想:前年比2.3%)
○08:30 ☆ 9月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く、予想:前年比2.0%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
<海外>
○11:00 ☆ 7-9月期中国国内総生産(GDP、予想:前期比1.0%/前年同期比4.5%)
○11:00 ◎ 9月中国鉱工業生産(予想:前年比4.5%)
○11:00 ◎ 9月中国小売売上高(予想:前年比2.5%)
○15:00 ◎ 9月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比▲0.3%/前年比3.2%)
○15:00 ◎ 9月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比▲0.3%/前年比3.2%)
○17:00 ◇ 8月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○18:00 ◇ 8月ユーロ圏建設支出
○21:30 ◎ 9月米住宅着工件数(予想:135.0万件、前月比▲0.4%)
◎ 建設許可件数(予想:146.0万件、前月比▲0.7%)
○22:30 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○23:00 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○19日01:10 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
〇米英独仏首脳会議(ベルリン)
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、最終日)
○アジア太平洋経済協力会議(APEC)財務相会合(リマ、21日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39240 +140 (+0.35%)
TOPIX先物 2703.5 +8.5 (+0.31%)
シカゴ日経平均先物 39205 +105
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
16日の米国市場は、NYダウ、ナスダックが上昇した一方で、 S&P500は下落。朝方発表された9月の米小売売上高は前月比0.4%増と、市場予想(0.3%増程度)を上回った。また、米新規失業保険申請件数は24万1000件と前週から1万9000件減少し、予想(25万9000件)を下回った。米経済の大半を占める個人消費の伸びや労働市場の底堅さが示されたことが投資家心理を支えた。
また、台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>が発表した2024年7~9月期決算は市場予想を上回ったことで、ASMLホールディング<ASML>の低調な決算をきっかけとした半導体株への不安が後退し、同株をはじめエヌビディア<NVDA>やマイクロン・テクノロジー<MU>、ブロードコム<AVGO>などが買われた。S&P500業種別指数は保険、半導体・同製造装置、エネルギーが上昇した半面、運輸、ヘルスケア機器・サービス、耐久消費財・アパレルが下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比105円高の3万9205円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比80円高の3万9180円で始まり、その後は3万9170円~3万9330円辺りでの保ち合いが続くなか、一時3万9440円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は軟化し、米国市場の取引開始後には3万9130円まで上げ幅を縮めたがプラス圏をキープしており、3万9240円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになろう。TSMCの決算は織り込まれているが、米国市場で半導体株の一角が買われたことを受け、改めて材料視されそうである。また、ネットフリックス<NFLX>が発表した2024年7~9月期決算は予想を上回り、時間外取引で5%近く上昇していることも評価される。この流れを受け、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引することになりそうだ。
もっとも、本格化する企業決算を見極めたいところでもあり、積極的にポジションを傾けてくる動きは限られるだろう。日経225先物はナイトセッションで3万9100円辺りでの底堅さはみられたが、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9460円)水準で上値を抑えられている。一方で、週足の+1σは3万9190円辺りで推移しており、同水準での底堅さを見極めつつ、日足の+1σを捉えることができるかが注目される。押し目狙いのロング対応による、狭いレンジでのスキャルピング中心のトレードになろう。
そのため、オプション権利行使価格の3万9250円を中心とした上下の権利行使価格3万9000円から3万9500円でのレンジを想定する。
なお、17日の米VIX指数は19.11(前日は19.58)に低下しており、連日で不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を下回った。25日移動平均線(18.43)、75日線(17.88)が支持線として意識されやすく、慎重姿勢は崩せないところである。ただし、連日で20.00を下回ったことで、ややリスク選好に向かわせよう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.50倍に低下した。前日比変わらずで始まったが、その後は値がさハイテク株の弱い値動きが重荷となるなか、一時14.45倍まで低下し、前日の安値(14.46倍)を下回る場面もみられた。また、昨日は金融や電力株などが買われ、TOPIX型優位の動きとなった。もっとも、直近の半導体株上昇におけるリバランスの動きと考えられ、再びNTロングに振れやすくなる可能性はあるとみておきたい。
17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、9月米小売売上高や10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米新規失業保険申請件数が予想よりも強い内容だったことで150.32円まで上昇した。ユーロドルは欧州中央銀行(ECB)で政策金利0.25%の引き下げが決定され、12月理事会でも追加利下げの可能性が高まったことで、1.0811ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、150円台に乗せてきたことで本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒する展開が予想される。
ニューヨーク市場のドル円は、好調な米9月小売売上高などを背景に150.32円まで上昇しており、161.95円から139.58円までの下落幅(22.37円)の半値戻し150.77円に迫っている。
ドル円が上昇を続けて、200日移動平均線の151.32円や一目均衡表・雲の上限151.05円を上抜けた場合、「半値戻しは全値戻し」となる可能性が高まることになる。
27日に投開票を迎える衆議院選挙での争点が物価高対策となっていることで、石破政権は、輸入物価上昇の要因となる円安の抑制を徹底すると思われるため、本日は、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒しておきたい。
9月末の外貨準備高は1兆2549億ドル、ドル売り・円買い介入の原資となる外貨は1兆979億ドル、証券は9384億ドルとなっている。
ドル円が149円に乗せた時、三村財務官や加藤財務相が「投機的な動きを含めて為替市場の動向を注視する」と円安を牽制し、為替介入の助言役を担っている神田内閣官房参与(前財務官)が「為替市場、引き続き高い緊張感持って警戒続けていく」と警告していた。
8時30分に発表される9月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)は前年比+2.3%と予想されており、8月の同比+2.8%からの伸び率の鈍化が見込まれている。伸び率鈍化の要因は、電気・都市ガス料金への政府の補助金が再開されたことが挙げられる。
全国の物価の先行指標となる9月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比+2.0%で、8月の同比+2.4%から低下して4カ月ぶりに縮小していた。
9月の全国コアCPIの伸び率鈍化は、補助金要因とはいえ、今月末30-31日の日銀金融政策決定会合での政策金利据え置き観測を高めるため、円安要因となる。
植田日銀総裁は、9月の日銀金融政策決定会合後の会見で、円安の修正で利上げの判断に「時間的余裕」ができたと発言し、早期の追加利上げ観測が後退している。
11時に発表される中国の7-9月期の実質国内総生産(GDP)は、前年同期比+4.5%と予想されており、不動産不況によるデフレ懸念が深まり、4-6月期の+4.7%からの減速が見込まれている。予想通りならば、2023年1-3月以来、6四半期ぶりの低成長となる。
12日に中国財政部の藍仏安部長は、減速している景気を刺激するための財政措置の一環として、GDPの1.5%に相当する国債発行を発表した。中国メディアの財新は、超長期の特別国債を向こう3年間で6兆元発行する可能性がある、と報じており、10-12月期の景気回復が期待されている。
日経225先物は11時30分時点、前日比10円安の3万9090円(-0.02%)前後で推移。寄り付きは3万9330円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9205円)を上回り、買い先行で始まった。ただし、寄り付きを高値に軟化し、その後下落に転じると、中盤にかけて一時3万8980円まで売られる場面もみられた。その後は3万9000円近辺での底堅さが意識されるなか、終盤にかけてはショートカバーとみられる動きによりプラス圏を回復している。
日経225先物の朝方の強い動きは、ネットフリックス<NFLX>が決算を受けて時間外取引で5%を超える上昇となったことを材料視した形だろう。その後は、決算を手掛かりに買いが先行したディスコ <6146.T> [東証P]が一時下落に転じたほか、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]の弱い値動きがショートに向かわせたようだ。終盤にかけてディスコがリバウンド基調を強めたことで、先物市場においてもショートカバーに向かわせた。
NT倍率は先物中心限月で14.48倍に低下した。14.52倍と上昇して始まったが、東エレクトロンの弱い値動きが日経平均型の重荷となる形から、その後は低下している。ディスコがリバウンド基調を強めてきたことで、他の半導体株への買い戻しが意識されてくるようだと、ややNTロングに振れる場面もありそうだ。
昨日の海外市場では、ドル全面高の展開。9月米小売売上高や米新規失業保険申請件数が予想を大幅に上回る強い結果となると米長期金利が急上昇。ドル円もつれるかたちで150.08円まで値を上げました。その後は149.64円まで下押す場面もみられましたが、10月全米NAHB住宅市場指数が強い結果となると、再び買戻される動きに。引けにかけては一時150.32円まで値を上げてNY市場を終えています。
アジア時間に入ってからは、完全に予想通りの展開。久しぶりの大台替わりとあって輸出の売りやら、利食いの売りが先行。こちらも当然のように、150円台に乗せたドル円の上昇について記者団に囲まれた三村財務官が「緊張感を持って」などの決まり文句で円安牽制発言となると、相変わらず、アルゴが反応。輸出の売りとあわせて149.88円まで下押したものの、その後は150.00円を挟んだもみ合いが続いています。何とも「生産性のない面白味のない相場」が続いています。
いずれにしても、昨日もお伝えしたように、ドル円は150.00円をバッファーに戻り売りしてしまっている向きが多いわけで、下サイドの仕掛けへの感応度がかなり鈍くなっていることは確か。買い遅れ感が強い本邦実需勢や、ショートカバーの必要性に迫られて下押しを淡々と狙っている短期勢などの買い意欲が強いなかでは、月並みな円安牽制発言や、もはや何の権限も持ち合わせていない、次期ADB総裁の任期待ちで2025年2月末までの腰掛状態となっている前財務官の発言などを無理やり引き出したとしても、結局は、アップデート出来ていない古いアルゴが反応しているだけといったところ。目先は、「150.00円のオプションはもうそれほど残っていない」状況のなかでの相場展開となっています。
「われわれの予測には上振れリスクと下振れリスクの双方が依然として存在しているが、おそらく、下振れリスクの方が上振れリスクよりも大きい」(ラガルドECB総裁)
2024年10月17日に開催された欧州中央銀行(ECB)理事会では、予想通りに中銀預金金利の0.25%の利下げが全会一で決定された。複数の関係筋によると、コアインフレやサービスインフレのほか、経済成長に関する指標が大きく上昇しない限り、次回12月の理事会でも追加利下げが決定される公算が大きいことが示された。
1.欧州中央銀行(ECB)の金融政策正常化(※中銀預金金利)
■2024年10月17日: 3.25%(第3次利下げ)▲0.25%
・限界貸出金利 :3.65%(3.90%)▲0.25%
・リファイナンス金利:3.40%(3.65%)▲0.25%
・中銀預金金利 :3.25%(3.50%)▲0.25%
■2024年9月12日: 3.50%(第2次利下げ)▲0.25%
・限界貸出金利 :3.90%(4.50%)▲0.60%
・リファイナンス金利:3.65%(4.25%)▲0.60%
・中銀預金金利 :3.50%(3.75%)▲0.25%
■2024年7月18日: 3.75%(据え置き)
■2024年6月6日:-0.25%=3.75%(第1次利下げ)
■2024年4月11日:4.00%(据え置き)
■2024年3月7日:4.00%(据え置き)
■2024年1月25日:4.00%(据え置き)
■2023年12月14日:4.00%(据え置き)
■2023年10月26日:4.00%(据え置き)
■2023年9月14日:+0.25%=4.00%(第10次追加利上げ)
■2023年7月27日:+0.25%=3.75%(第9次追加利上げ)
■2023年6月15日:+0.25%=3.50%(第8次追加利上げ)
■2023年5月4日:+0.25%=3.25%(第7次追加利上げ)
■2023年3月16日:+0.50%=3.00%(第6次追加利上げ)
■2023年2月2日:+0.50%=2.50%(第5次追加利上げ)
■2022年12月15日:+0.50%=2.00%(第4次追加利上げ)
■2022年10月27日:+0.75%=1.50%(第3次追加利上げ)
■2022年9月8日:+0.75%=0.75%(第2次追加利上げ)
■2022年7月21日:+0.50%=ゼロ(第1次利上げ)
2.声明文
「インフレに関する新たな情報は、ディスインフレのプロセスが順調に進んでいることを示している。インフレ見通しは最近の経済指標の予想外の下振れにも影響されている」
「賃金が依然高いペースで上昇するなか国内インフレ率は依然高い。同時に労働コスト圧力は徐々に緩和を続けるとみられ、利益がインフレへの影響を部分的に緩和する」
「今後もデータに依存し、会合ごとのアプローチに従って適切な水準と期間を決定」
3.ラガルドECB総裁
「われわれはディスインフレーションのプロセスが順調に進んでいると見なしている。過去5週間に入手された全ての情報が同じ方向、つまり、下方を向いていた」
「11月の米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領が勝利した場合に欧州製品に対する高関税が導入される可能性について、いかなる貿易障壁も欧州にとって下振れ要因になる。欧州のような開放された経済にとって、いかなる制約、不確実性、貿易障壁も影響する」
「リセッション(景気後退)に向かっていない。ソフトランディング(軟着陸)をなお予想している」
「われわれの予測には上振れリスクと下振れリスクの双方が依然として存在しているが、おそらく、下振れリスクの方が上振れリスクよりも大きい」
本日のロンドン為替市場のポンドドルは、9月英小売売上高により英国の景況感を見極めることになる。
9月英小売売上高(自動車燃料含む)の予想は前月比-0.3%で8月の同比+1.0%から悪化、前年比+3.2%で8月の同比+2.5%からは改善が見込まれている。
先日発表された英9月消費者物価指数(CPI)が前年比+1.7%と、イングランド銀行(BOE)のインフレ目標2%を下回ったことで、11月7日のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)での利下げ観測が高まっている。
英9月小売売上高が前月比ベースで予想通りに悪化していた場合は、利下げの確率を高めるため、ポンド売り要因となる。
ユーロドルは、昨日の欧州中央銀行(ECB)理事会で0.25%の利下げが決定され、関係筋の話として、12月ECB理事会でも追加利下げの可能性が示唆されたことで、下値リスクに警戒しておきたい。
また、ウクライナ情勢に関しては、本日ベルリンで開催される米英独仏首脳会議での関連ヘッドラインに警戒しておきたい。
中東情勢に関しては、先日、イスラエル首相府が、「イランによるミサイル攻撃への報復計画については米政府の意見を考慮に入れるが、最終決定は国益に基づいて下す」と表明しており、引き続き関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0904ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:163.61円(10/10高値)
・ポンドドル:1.3103ドル(10/15高値)
・ポンド円:197.58円(7/31高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0778ドル(8/1安値)
・ユーロ円:161.01円(10/4安値)
・ポンドドル:1.2966ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ポンド円:194.32円(日足一目均衡表・転換線)
(18日15時時点)
ドル円:1ドル=149.88円(前営業日NY終値比▲0.33円)
ユーロ円:1ユーロ=162.52円(▲0.18円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0843ドル(△0.0012ドル)
日経平均株価:38981.75円(前営業日比△70.56円)
東証株価指数(TOPIX):2688.98(△1.15)
債券先物12月物:143.79円(▲0.09円)
新発10年物国債利回り:0.970%(△0.010%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
前年同月比 2.4% 2.8%
9月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)
前年同月比 2.1% 2.0%
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
3631億円の処分超 6692億円の取得超・改
対内株式
9684億円の取得超 9101億円の取得超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。約2カ月半ぶりの150円台とあって本邦輸出企業からの売りが観測されたほか、利食い売りなども持ち込まれた。上昇していた日経平均株価が一時下げに転じたことも重しとなり、一時149.77円まで下押しした。
・ユーロドルはじり高。欧州中央銀行(ECB)理事会を通過したことでいったん買い戻しの動きが散見され、一時1.0844ドルまで小幅ながら値を上げた。
なお、ポンドドルは15時過ぎに一時1.3071ドルまで上昇。9月英小売売上高が市場予想を大きく上回る結果となったことが材料視された。
・ユーロ円は小安い。ドル円の下落や日本株の失速を受けて一時162.34円まで値を下げる場面があった。もっとも、ユーロドルが底堅く推移したため下値も限られている。
・日経平均株価は反発。昨日の米国株高を背景に買いが強まり、一時上げ幅は200円を超えた。ただ、半導体関連株は昨日に続き弱く上値を追う動きにもならなかった。
・債券先物相場は続落。昨日発表された米経済指標が強い結果となり米債が売られたことで、日本国債も連れて続落した。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
市場が抱くRBAの利下げ観測は本物か?豪ドル相場の行方は?
米ドル安一巡を受けた豪ドル安の動きに変化の兆しも、米FRBの動きに左右される展開が続こう
オーストラリアでは準備銀行(中銀:RBA)が高金利政策を維持しており、先月の定例会合でもタカ派姿勢を強調する考えをみせた。しかし、金融市場では実体経済が頭打ちの動きを強めているほか、インフレ鈍化も確認されるなかでRBAが早晩利下げに動くとの観測が強まっている。ただし、インフレ鈍化を促した補助金や減税策に伴い足下の家計消費は底打ちするとともに、不動産市況を下支えするとの期待も高まるほか、雇用環境も堅調な推移をみせており、市場の利下げ観測は行き過ぎ感は否めない。よって、このところの豪ドルの対米ドル相場は米ドル安一服の動きも相俟って頭打ちしてきたものの、変化が生じる可能性がある。ただし、先行きも米FRB(連邦準備制度理事会)の運営に左右される展開が続くほか、日本円に対しても同様の動きをみせると予想される。
韓国聯合ニュースが報じたところによると、北朝鮮がウクライナ戦争に参加し、12000人の兵士を派遣することを決定したという。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
連続利下げに舵を切ったECB 今後の連続利下げは約束しなかったが・・・
欧州中央銀行(ECB)は10月の理事会で25bpの連続利下げを決定。最近の一連の景気指標の下振れと物価指標の軟化を受け、慎重な利下げ姿勢を改めた。先行きの利下げ判断については、特定の政策パスを事前に約束することはせず、データに基づいて理事会毎に判断する姿勢を維持した。データ次第で12月の利下げ見送りや慎重な利下げペースに回帰する可能性を残すが、これまで底堅かったサービス業や雇用情勢にも減速の兆しが広がっており、筆者は12月以降も25bpの連続利下げを継続する展開を予想する。最終的な利下げの到達点は、中立金利とされる2%台前半をいったん想定するが、景気の下振れリスクを考えれば、中立金利を下回る利下げも視野に入る。
韓国聯合ニュースが報じたところによると、北朝鮮軍はロシアの軍服と武器、偽のロシア身分証明書を受け取ったという。また、北朝鮮軍はロシアに砲弾、対戦車ロケット、弾道ミサイルを送ったとも伝わっており、両国の軍事協力が装備レベルにまで及んでいることを示している。
大阪12月限
日経225先物 39010 -90 (-0.23%)
TOPIX先物 2690.0 -5.0 (-0.18%)
日経225先物(12月限)は前日比90円安の3万9010円で取引を終了。寄り付きは3万9330円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9205円)を上回り、買い先行で始まった。ただし、寄り付きを高値に軟化し、その後下落に転じると、前場中盤にかけて節目の3万9000円を割り込んだ。売り一巡後は3万9000円近辺での底堅さが意識されるなか、前場終盤にかけてはショートカバーとみられる動きにより3万9150円まで買われ、プラス圏を回復。ただし、ランチタイムで再び下げに転じると、後場の取引開始後ほどなくして一時3万8930円まで売られる場面もみられた。売り一巡後は3万8950円~3万9050円辺りでのレンジでの推移となった。
日経225先物の朝方の強い動きは、ネットフリックス<NFLX>が決算を受けて時間外取引で5%を超える上昇となったことを材料視した形だろう。寄り付き後は上値追いのロングは限られ、現物の寄り付き直後には下落に転じていた。また、米国市場では台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>の予想を上回る決算を受けて、エヌビディア<NVDA>など半導体株の一角が買われるなか、期待された東京エレクトロン <8035.T> [東証P]やアドバンテスト <6857.T> [東証P]の反応が限られたことも手掛けづらくさせたようだ。
そのなかで、昨夕決算を発表したディスコ <6146.T> [東証P]が前場終盤にかけてリバウンド基調を強めたことで、先物市場においてもロングの動きに向かわせていた。ただし、ディスコの強い動きによる他の半導体株に対する心理的なインパクトは限られており、後場は3万9000円を挟んでの膠着となった。
日経225先物は朝方の上昇以降は前日の終値を挟んでの推移となったが、3万9000円を割り込む場面で下へのバイアスは強まらず、同水準での底堅さが意識されていた。ボリンジャーバンドの+1σ(3万9440円)が抵抗線として意識されやすい状況ではあるが、3万9000円を下回る局面においては、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
そのため、目先的にはオプション権利行使価格の3万8875円から3万9375円でのレンジを想定しておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.50倍と、前日比変わらずだった。14.52倍と上昇して始まったが、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱い値動きが日経平均型の重荷となる形だった。ただし、一時14.46倍まで低下した後は、前日の終値水準での推移が続いており、スプレッド狙いの動きは限られていた。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万2289枚、ソシエテジェネラル証券が9174枚、サスケハナ・ホンコンが2428枚、モルガンMUFG証券が1905枚、バークレイズ証券が1483枚、JPモルガン証券が1428枚、SBI証券が682枚、auカブコム証券が557枚、松井証券が546枚、シティグループ証券が538枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万5869枚、ソシエテジェネラル証券が1万2499枚、バークレイズ証券が2746枚、サスケハナ・ホンコンが2268枚、JPモルガン証券が2057枚、モルガンMUFG証券が1981枚、ビーオブエー証券が1804枚、ゴールドマン証券が1192枚、シティグループ証券が1173枚、BNPパリバ証券が822枚だった。
本日の東京市場でのドル円は、前日に150円台に乗せた達成感もあり売り優勢となるも、下押しは149.77円までと前日安値149.25円を割り込むことなく底堅く推移した。
この後のNY市場では、米国の長期金利や株価をながめながら、足元での上昇の流れが続くかを見極める展開か。前日の流れを引き継いで米長期金利や米国株が上昇するようならば、ドル円の追い風となる公算である。ただ、昨日はダウ平均やSP500が取引時間中の史上最高値を更新するなど、米主要3指数は高値圏に位置している。週末のポジション調整の動きが出るようならばドル円の重しとなりえる点には留意したい。
経済指標は、米国で9月の住宅着工件数や建設許可件数が発表予定。市場の関心が米国の雇用や米連邦準備制度理事会(FRB)の年内利下げ回数に集まる中ではあるが、足元では米景気にも関心が集まりつつある。市場予想(住宅着工件数:135.0万件、建設許可件数:146.0万件)は前月から小幅ながら減少が見込まれている。予想からかい離した結果となればドル円相場への波及もあるか。
そのほか、ボスティック米アトランタ連銀総裁やカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事の発言機会が設けられている。この中で今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を持つのは、ボスティック総裁とウォラー理事の2名。直近の発言を振り返ると、前者は10日に「11月の金利据え置きについて、私は間違いなくオープン」「今年の利下げをスキップしても全く問題ない」などと発言。後者は14日に「利下げのペースについてはより慎重に進める必要がある」などと発言している。金融スタンスに変化がないか確認してゆきたい。
想定レンジ上限
・ドル円は17日高値150.32円。超えると日足・一目均衡表の雲の上限151.05円。
想定レンジ下限
・ドル円は17日安値149.25円。割ると日足・一目均衡表の転換線148.84円。
今晩は神経質な展開か。昨日は強い経済指標を受けて米国経済のソフトランディング期待が一段と高まったほか、トラベラーズなどの決算発表銘柄の上昇も支援となった。ダウ平均は161.35ドル高(+0.37%)と2日続伸し、連日で終値の最高値を更新。2日ぶりに取引時間中の史上最高値も更新した。S&P500は3日ぶりに取引時間中の史上最高値を更新後、0.02%安とわずかに反落して終了したものの、ナスダック総合は0.04%高と小幅に2日続伸した。週初来ではダウ平均が0.88%高、S&P500が0.45%高、ナスダック総合が0.17%高となり、3指数がそろって6週続伸ペースとなった。引け後の動きでは予想を上回る決算を発表したネットフリックスとインテューイティブ・サージカルが時間外でそれぞれ5.03%高、6.13%高となった。
今晩の取引では米国経済のソフトランディング期待やネットフリックスなどの上昇が見込まれることで底堅い展開が期待されるが、週末を控えた持ち高調整の動きも予想され、上値も重い展開か。9月住宅着工件数、9月建設許可件数などの経済指標や、アメリカン・エキスプレス、プロクター&ギャンブルなどの決算発表をにらんだ神経質な展開となりそうだ。
今晩の経済指標は9月住宅着工件数、9月建設許可件数など。このほか、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、ボスティック米アトランタ連銀総裁、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁の講演なども予定されている。企業決算は寄り前にSLB、アメリカン・エキスプレス、プロクター&ギャンブル(P&G)などが発表予定。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
連続利下げに舵を切ったECB 今後の連続利下げは約束しなかったが・・・
欧州中央銀行(ECB)は10月の理事会で25bpの連続利下げを決定。最近の一連の景気指標の下振れと物価指標の軟化を受け、慎重な利下げ姿勢を改めた。先行きの利下げ判断については、特定の政策パスを事前に約束することはせず、データに基づいて理事会毎に判断する姿勢を維持した。データ次第で12月の利下げ見送りや慎重な利下げペースに回帰する可能性を残すが、これまで底堅かったサービス業や雇用情勢にも減速の兆しが広がっており、筆者は12月以降も25bpの連続利下げを継続する展開を予想する。最終的な利下げの到達点は、中立金利とされる2%台前半をいったん想定するが、景気の下振れリスクを考えれば、中立金利を下回る利下げも視野に入る。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
市場が抱くRBAの利下げ観測は本物か?豪ドル相場の行方は?
米ドル安一巡を受けた豪ドル安の動きに変化の兆しも、米FRBの動きに左右される展開が続こう
オーストラリアでは準備銀行(中銀:RBA)が高金利政策を維持しており、先月の定例会合でもタカ派姿勢を強調する考えをみせた。しかし、金融市場では実体経済が頭打ちの動きを強めているほか、インフレ鈍化も確認されるなかでRBAが早晩利下げに動くとの観測が強まっている。ただし、インフレ鈍化を促した補助金や減税策に伴い足下の家計消費は底打ちするとともに、不動産市況を下支えするとの期待も高まるほか、雇用環境も堅調な推移をみせており、市場の利下げ観測は行き過ぎ感は否めない。よって、このところの豪ドルの対米ドル相場は米ドル安一服の動きも相俟って頭打ちしてきたものの、変化が生じる可能性がある。ただし、先行きも米FRB(連邦準備制度理事会)の運営に左右される展開が続くほか、日本円に対しても同様の動きをみせると予想される。
※「市場の目・まとめ」は単発で配信された市場の目(記名入り)をまとめたものです。中期・長期見通しにも役立つ為替・経済に関する見解も多数入っておりますので、今後の取引にお役立てください。なお、各コメントの内容は取材時までの市場の動き・情報をもとに述べられた見解です。
日経平均株価は反発。前日同様に高寄りスタートとなったが、5日移動平均線(39317円 10/18)や10日移動平均線(39215円 同)などに上値を抑えられ伸び悩んだ。
RSI(9日)は前日の55.7%→55.5%(10/18)へ横ばい。8日連続の陰線はややネガティブな現象だが、きょうの陰線は前日の安値レベルで下げ渋っており、反発の兆候とみることもできる。来週は5日移動平均線や一目均衡表の転換線(39537円 同)上へ早期に回復できるかがポイント。週初に9/27高値(39829円)を上回っており、当面は短期的な調整を挟みながら、7/18の下げで開けたマド上限(41054円)を試す見方を継続したい。
上値メドは、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)、心理的節目の42000円、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、75日移動平均線(38301円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)などがある。
(18日終値:19日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.59円(18日15時時点比▲0.29円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.48円(▲0.04円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0862ドル(△0.0019ドル)
FTSE100種総合株価指数:8358.25(前営業日比▲26.88)
ドイツ株式指数(DAX):19657.37(△73.98)
10年物英国債利回り:4.056%(▲0.033%)
10年物独国債利回り:2.183%(▲0.025%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月英小売売上高(自動車燃料含む)
(前月比) 0.3% 1.0%
(前年比) 3.9% 2.3%・改
9月英小売売上高(自動車燃料除く)
(前月比) 0.3% 1.1%
(前年比) 4.0% 2.2%・改
8月ユーロ圏経常収支
季調済 315億ユーロの黒字 408億ユーロの黒字・改
8月ユーロ圏建設支出
(前月比) 0.1% ▲0.5%・改
(前年比) ▲2.5% ▲2.3%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。欧州中央銀行(ECB)による追加利下げ観測を背景に、前日の海外市場では一時1.0811ドルと8月2日以来約2カ月半ぶりの安値を付けたが、本日は週末を控えたポジション調整目的の買いが優勢となった。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入ると、2時前に一時1.0868ドルと日通し高値を更新した。
市場では「米経済の底堅さと米大幅利下げ観測の後退から進んできた主要通貨に対するドル買いが一服した」との声が聞かれた。なお、ドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.46まで低下した。
・ドル円は弱含み。「日銀は今後の利上げの可能性を排除せず」との一部報道を受けて円買い・ドル売りが先行すると149.59円まで下落したものの、「日銀は今月の金融政策決定会合で追加利上げを急ぐ必要性は乏しいとの認識を強めている」との報道内容が明らかになると買い戻しが入った。20時30分過ぎには150.10円付近まで持ち直した。
ただ、NYの取引時間帯に入ると徐々に弱含む展開に。米金利低下に伴う円買い・ドル売りが入ったほか、市場では「2カ月半ぶりの高値となる150円台では戻り売りなどが出た」「週末を控えたポジション調整目的の売りが出やすかった」との声が聞かれ、2時前に一時149.37円まで値を下げた。
・ユーロ円はドル円と似た動き。日銀の利上げを巡る報道を受けて19時過ぎに162.19円と日通し安値を付けたあとはすぐに買い戻しが優勢となり、21時30分前に162.85円と日通し高値を更新した。NY市場に入ると徐々に上値が重くなり、162.30円付近まで下押ししている。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反落。前日に約5カ月ぶりの高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが優勢となった。週末を控えたポジション調整目的の売りも出た。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値を下げた。半面、アングロ・アメリカンやグレンコアなど素材株が買われた。
・フランクフルト株式相場は続伸し、史上最高値を更新した。ECBによる追加利下げ観測を背景に、この日も買いが続いた。個別ではダイムラー・トラック・ホールディング(6.60%高)やコンチネンタル(3.71%高)、BASF(1.70%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。ECBによる追加利下げ観測を背景に、独国債に買いが入った。
(18日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.53円(前営業日比▲0.68円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.48円(▲0.22円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0867ドル(△0.0036ドル)
ダウ工業株30種平均:43275.91ドル(△36.86ドル)
ナスダック総合株価指数:18489.55(△115.94)
10年物米国債利回り:4.08%(▲0.01%)
WTI原油先物11月限:1バレル=69.22ドル(▲1.45ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2730.0ドル(△22.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月米住宅着工件数
135.4万件 136.1万件・改
建設許可件数
142.8万件 147.0万件・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反落。米長期金利の低下をきっかけに全般ドル売りが先行。ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだ円買い・ドル売りのフローも観測された。市場では「2カ月半ぶりの高値となる150円台では戻り売りなどが出た」「週末を控えたポジション調整目的の売りが出やすかった」との声も聞かれ、2時前には一時149.37円と日通し安値を更新した。
ただ、売りはあくまでポジション調整の域を出ず、下値は限定的だった。ダウ平均が連日で史上最高値を更新するなど、米国株相場が底堅く推移したことが相場を下支えしたほか、前日の安値149.25円がサポートとして意識された面があった。
・ユーロドルは5日ぶりに反発。米長期金利の低下に伴うドル売りが出たほか、週末を控えたポジション調整目的のユーロ買いが優勢となった。5時30分過ぎには一時1.0870ドルと日通し高値を更新した。
市場では「米経済の底堅さと米大幅利下げ観測の後退から進んできた主要通貨に対するドル買いが一服した」との声が聞かれた。ドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.46まで低下した。
・ユーロ円は小反落。欧州時間に伝わった日銀の利上げを巡る報道を受けて19時過ぎに162.19円と日通し安値を付けたものの、21時30分前には162.85円の日通し高値まで一転上昇した。ただ、そのあとはドル円の下落につれた売りが相場の重しとなり、162.30円付近まで押し戻された。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら3日続伸し、史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。ネットフリックスの決算が好感されて、ハイテク株中心に買いが入った。ただ、連日で最高値を更新しているだけに利益確定目的の売りも出やすく、上値は限定的だった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸。
・米国債券相場で長期ゾーンは小反発。欧州中央銀行(ECB)の追加利下げ観測を背景に欧州債相場が上昇すると、米国債にも買いが波及した。WTI原油先物相場が下落し、エネルギー高によるインフレ懸念が後退したことも相場を下支えした。
・原油先物相場は反落。一部通信社によれば、中国製油所では9月の原油処理量が前年比5%超の減少となった。6カ月連続の減少を記録し、世界最大の石油輸入国・中国に対するエネルギー需要の減速懸念が再び広がった。中東情勢も原油の供給混乱には繋がらないとの見方も重しとなり、原油先物は一時68.70ドル割れまで下値を広げた。
・金先物相場は4日続伸。この日も金の需要は強いままだった。為替でドルがユーロ対して売り戻されてドル建て金に割安感が出たことや、米長期金利の上昇一服も金利のつかない金の支えとなった。一時2735ドル台まで上げ幅を拡大した。
18日09:08 三村財務官
「足もとで一方向、急速な動きを認識」
「投機的な動きを含め、高い緊張感をもって注視」
18日11:23 青木官房副長官
「足元の為替相場、市場に不測の影響を及ぼす恐れがあるためコメントを控える」
「為替はファンダメンタルズを反映し安定的に推移すること重要」
「投機的動向含め為替の動向を高い緊張感を持ってしっかり注視」
18日15:18 ミュラー・エストニア中銀総裁
「インフレは2%前後で落ち着く見込み」
「サービスと賃金に関するリスクは残っている」
「短期的な経済見通しは劇的には変化していない」
「経済成長はより控えめになる見込み」
18日15:25 バスレ・スロベニア中銀総裁
「インフレが低下するということをより確信」
「2025年の過程でインフレが目標に戻ると予想」
「2024年の残りの期間はインフレが上昇すると予想」
「ECBは各会合で金利を決定する」
18日15:33 陸雷・中国人民銀行(PBOC)副総裁
「中国人民銀行法および金融安定法の改正を加速する」
18日15:38 植田日銀総裁(内田副総裁が代読)
「景気は一部に弱めの動き見られるが緩やかに回復している」
「先行きは海外経済が緩やかな成長を続ける下で潜在成長率上回る成長を続ける」
「金融・為替市場の動向や日本経済・物価への影響、注視する必要」
「米国経済をはじめ、海外経済の先行きは不透明」
「金融システム、全体として安定性を維持」
「金融資本市場、引き続き不安定な状況」
「当面は海外経済や金融市場の動向を極めて高い緊張感をもって注視」
「2%の物価目標のもと、その持続的・安定的な実現の観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく」
18日17:35 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「民間投資と消費の減速、および貯蓄率の上昇が今回の利下げを正当化」
「今後の会合に関して完全な選択の自由がある」
「インフレ目標の対称性と使命に忠実でなければならない」
「今後の利下げのペースは機敏な行動によって導かれるべき」
18日20:00 ダス・インド中銀総裁
「利下げは現時点で時期尚早でありリスクがある」
19日01:11 ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「暗号資産(仮想通貨)は決済システムにメリットをもたらす可能性がある」
「暗号資産は暴走リスクを最小限に抑えるためにガードレールが必要」
19日02:35 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「中立金利は3-3.50%の範囲」
「急ぐ必要はない。忍耐強く待つ」
「リスクがシフトしたため、我々は政策金利を動かす必要があった」
「リセッションは私の見通しにはなかった」
「0.50%の利下げでFRBはいかなる事態にも備えられる」
「インフレが上昇すればFRBは積極的に行動する」
※時間は日本時間
24日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
25日
○08:30 ◎ 10月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
○08:50 ◇ 9月企業向けサービス価格指数
○14:00 ◇ 8月景気動向指数改定値
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
21日
○15:00 ◇ 9月独生産者物価指数(PPI)
○16:00 ◎ シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
○21:55 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○23:00 ◎ 9月米景気先行指標総合指数
○22日02:00 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、イベントに参加
○22日06:05 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、講演
○国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(ワシントン、26日まで)
22日
○06:45 ◎ 9月ニュージーランド(NZ)貿易収支
○17:30 ◎ 9月香港消費者物価指数(CPI)
○21:30 ◇ 9月カナダ鉱工業製品価格
○21:30 ◇ 9月カナダ原料価格指数
○22:00 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○22:05 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演
○22:15 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○22:25 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○22:45 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○23:00 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、あいさつ
○23:00 ◎ 10月米リッチモンド連銀製造業景気指数
○23日02:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○23日03:00 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○23日04:15 ◎ ブリーデンBOE副総裁、講演
○BRICS首脳会議(ロシア・カザン、24日まで)
23日
○14:00 ◎ 9月シンガポールCPI
○17:00 ◎ 9月南アフリカCPI
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:00 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、あいさつ
○22:45 ☆ カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表
○23:00 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○23:00 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○23:00 ◎ 10月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
○23:00 ◎ 9月米中古住宅販売件数
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○24日00:30 ◎ チポローネECB専務理事、講演
○24日01:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○24日02:00 ◎ オア・ニュージーランド準備銀行(RBNZ)総裁、講演
○24日02:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○24日03:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○24日05:30 ◎ ベイリーBOE総裁、講演
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン、24日まで)
○15:45 ◇ 10月仏企業景況感指数
○16:15 ◎ 10月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
○16:15 ◎ 10月仏サービス部門PMI速報値
○16:30 ◎ 10月独製造業PMI速報値
○16:30 ◎ 10月独サービス部門PMI速報値
○17:00 ◎ 10月ユーロ圏製造業PMI速報値
○17:00 ◎ 10月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
○17:30 ◎ 10月英製造業PMI速報値
○17:30 ◎ 10月英サービス部門PMI速報値
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○21:15 ◎ マン英中銀MPC委員、講演
○22:00 ◎ カザークス・ラトビア中銀総裁、講演
○22:45 ◎ 10月米製造業PMI速報値
○22:45 ◎ 10月米サービス部門PMI速報値
○22:45 ◎ 10月米総?⑰MI速報値
○23:00 ☆ 9月米新築住宅販売件数
25日
○08:01 ◇ 10月英消費者信頼感指数(Gfk調査)
○15:45 ◇ 10月仏消費者信頼感指数
○17:00 ◎ 10月独Ifo企業景況感指数
○19:30 ◎ ロシア中銀、政策金利発表
○21:30 ◎ 8月カナダ小売売上高
○21:30 ◎ 9月米耐久財受注額
○23:00 ◎ 10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
○国際通貨金融委員会(IMFC、ワシントン)
27日
○欧州・英国が冬時間に移行
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆ポンド、直近の雇用・物価データ受けた利下げ観測の高まりが重し
◆ポンド、引き続き月末の政府予算案関連のヘッドラインに注意
◆加ドル、23日の中銀会合での利下げ幅や声明内容に注目
予想レンジ
ポンド円 191.50-197.50円
加ドル円 107.00-111.00円
10月21日週の展望
今週発表の英雇用・物価データを受けて利下げ観測が高まっている。ポンドは来週も上値の重い動きが見込まれる。6-8月期賃金上昇率(ボーナスを除く)は前年比4.9%と約2年ぶりの低水準となった。求人数も引き続き減少し、インフレ圧力の緩和を示す内容となった。賃金の伸び率は依然としてイングランド銀行(英中銀、BOE)の許容水準を上回っているが、賃金の鈍化ペースは金利を景気抑制的な水準から動かし始めるに朗報と言えそうだ。
9月消費者物価指数(CPI)は前年比1.7%と前月の2.2%から予想以上に大幅鈍化し、2021年4月以来の低い伸びとなった。BOEが注視するサービス価格の上昇率も4.9%と2022年5月以来の低水準。BOEの直近の予測では、サービス価格の上昇率が年内に5%を割り込まないと判断していた。中東紛争に伴う原油高と国内エネルギー料金の値上げを受け、インフレ率は今後上昇する可能性が高いものの、市場は11月会合での0.25%利下げを完全に織り込み、12月会合での追加利下げを見込んでいる。
今月30日発表予定の政府予算案関連のヘッドラインには引き続き注目したい。220億ポンドに上る政府の「ブラックホール」を埋めるために増税が見込まれている。現在最高28%のキャピタルゲイン税が39%に引き上げられるとの報道も出ているが、これについてスターマー首相は「的外れ」だと否定している。約2年前に当時のトラス首相が財源の裏付けがない大型減税を打ち出し、国債売りの殺到とポンド暴落を招いたこともあり、スターマー英首相が率いる労働党新政権が投資家を不安に陥れる予算案を発表する公算は低いとみている。来週は10月PMI速報値の発表が予定されている。9月のPMIは製造業・サービス業ともに3カ月ぶりに前月から悪化したが、依然として景気の縮小・拡大の分岐点とされる50を上回っている。
加ドルは、23日のカナダ中銀(BOC)の政策会合に注目。11日に発表された9月雇用統計では、新規雇用者数変化が予想以上に増加。失業率は予想外に前月から低下したが、正規雇用の平均時給の伸びの鈍化が継続し、労働参加率は低下した。今回の数字は、依然として経済の弱体化懸念を払しょくさせる内容とは言えない。また、9月CPIは前年比1.6%と前月から予想以上に伸びが鈍化し、約3年7カ月ぶりの低い伸びとなった。CPI発表後に市場では来週のBOC会合での0.50%利下げ確率が約7割弱まで高まっている。今回の会合での利下げ幅や声明で積極的な利下げ姿勢を維持するかどうかに注目している。
10月14日週の回顧
ポンドは9月雇用・物価データの結果を受けた利下げ観測の高まりで売りに押される動きとなった。ポンドドルは1.30ドル割れまで下落し、ポンド円は一時193円後半まで弱含んだ。加ドルは、予想比下振れの9月CPIが加ドルの重しとなり、ドル/加ドルは一時8月上旬以来の1.38加ドル台まで上昇。加ドル円は一時107円後半まで売りに押された。
◆豪ドル、株安が重しも雇用情勢好調で底堅い
◆NZドル、インフレ率低下受け大幅利下げの予測も
◆ZAR、GNUへの期待高く下値は限定的
予想レンジ
豪ドル円 99.00-103.00円
南ア・ランド円 8.35-8.70円
10月21日週の展望
豪ドルは底堅い動きを予想。今週は中国株式市場が軟調に動くと、リスク回避の動きに敏感な豪ドルの重しになった。ただ、豪準備銀行(RBA)は他国と比較すると利下げに対しては前向きでなく、一方的に豪ドルを売り込むような地合いにはなりにくい。また、今週発表された9月の雇用統計は失業率が予想より低く、新規雇用者数も増加した。さらに、新規雇用の内訳をみても常勤雇用者数が大幅に伸びるなど、雇用情勢が好結果だったことも豪ドルの支えになりそうだ。
来週は豪州からは市場を動意づけるような主だった経済指標の発表予定がないことで、中国の景気浮揚対策で動意づく中国株式市場や、米国の雇用指標、購買担当者景気指数(PMI)、ミシガン大学調査の期待インフレなどの経済指標など、国外の動向が豪ドルを左右する展開になるだろう。なお、来週は経済指標の発表はないが、21日にハウザーRBA副総裁が講演を行う予定。24日にはRBAの年次レポートが公表される。
NZドルは上値が重い。7-9月期の消費者物価指数(CPI)は前期比で予想を下回ったほか、前年比では予想通りながらも2021年1-3月期以来の低水準を記録した。市場ではすでに来月の利下げは50bpになるとの予想だったが、一部では75bpまで引き下げる可能性も指摘されている。これまで、50bpを超える利下げはコロナウイルスのパンデミック時と2008年のリーマンショックから起こった信用不安以来行われていないが、更に弱い経済指標などが明らかになると大幅利下げが現実味を帯びる。
なお、NZからは22日に9月貿易収支、25日に10月のANZ消費者信頼感指数が発表されるほか、22日にはシルクNZ準備銀行(RBNZ)副総裁、23日(日本時間24日未明)にはオアRBNZ総裁が金融政策について講演を行う予定。インフレ率低下について正副総裁がどのような見解を示すかでNZドルは大きく動意づく可能性がある。
ZARは底堅く推移しそうだ。オセアニア通貨同様に、株安を嫌気し今週は上値が抑えられた。しかし、今週発表された企業信頼感指数が持ち直すなど、国民統一政府(GNU)に対する期待感が根強い。通商政策に厳しいトランプ氏が再選した場合のリスクはあるが、南アへの投資意欲が強いことがZARの支えになるだろう。来週は23日に9月CPIが発表される。8月のCPIは前年比で4.4%、コア指数が4.1%まで低下した、9月は原油価格が低下し、ZARも対ドルで年初来高値の水準を記録していたこともあり、インフレ率はさらに下がる可能性が高い。
10月14日週の回顧
豪ドルはもみ合い。豪ドル/ドルは、週前半は中国株安などを嫌気し約1カ月ぶりに0.66ドル半ばまで下押しした。ただ、その後は好結果の雇用統計を受けて0.67ドル台を回復。下げ止まりを見せている。豪ドル円は100円を挟んで上下した。ZARは対ドルでは17ZAR半ばから後半、対円では8円半ばを中心に上下を繰り返した。ダウ平均が最高値を更新したが、リスク選考の動きには反応が限られている。
◆ドル円、底堅い動きも衆院選期間中の当局の円安牽制に注意
◆米指標で11月FOMCでの米金融政策を見極め
◆ユーロドル、ユーロ圏10月製造業・サービス業PMI速報値に注目
予想レンジ
ドル円 147.00-152.00円
ユーロドル 1.0600-1.0950ドル
10月21日週の展望
ドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の年内大幅利下げ観測の後退と日銀の早期利上げ観測の後退から、引き続き底堅い地合いが予想される。ただ、27日投開票の衆院選の争点が物価高対策となっていることもあり、本邦通貨当局による円安抑制や、三村財務官にとってのデビュー戦となるドル売り・円買い介入の可能性には警戒しておきたい。三村財務官は、149円台の為替市場に対して「投機的な動きを含めて為替市場の動向を注視する」と述べており、神田内閣官房参与(前財務官)も「為替市場、引き続き高い緊張感持って警戒続けていく」と警告している。日本国内では、23日に植田日銀総裁の講演が予定されているが、衆院選の最中でもあるため、金融政策に関する言及は控えられると思われる。また、25日に発表される10月の東京都区部の消費者物価指数(CPI)は、10月全国CPIの先行指標となるため、日本の物価情勢を見極める上で重要視されるだろう。米国の経済指標では、9月景気先行指数や耐久財受注、そして11月のFOMCでの判断材料となる地区連銀経済報告(ベージュブック)などで、政策金利据え置きの可能性を見極めることになりそうだ。
また、イスラエルによるイランの石油関連、核開発関連施設への報復攻撃の可能性には、引き続き警戒しておきたい。バイデン米政権は、石油や核関連施設への攻撃を自制するように求めたが、イスラエル首相府は「イランによるミサイル攻撃への報復計画については米政府の意見を考慮に入れるが、最終決定は国益に基づいて下す」と表明しており、一部では「イスラエルの攻撃はイランの軍事施設になる」ことが報じられてはいるものの、予断を許さない状況が続いている。米国防総省はイスラエルの防空態勢を支援するため、米軍の終末高高度防衛(THAAD)ミサイル部隊約100人を駐留させると発表した。イランが反撃した場合、米軍も攻撃を受けてイスラエルとイランの戦争に巻き込まれることになる。有事のドル買いではなく、湾岸戦争時のようなドル売りになる可能性もあるだろう。
ユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)理事会で追加利下げが決定されたが、12月理事会でも追加利下げの可能性が高まっている。10月のユーロ圏製造業・サービス業PMI速報値を見極めることになる。ラガルドECB総裁はECB理事会後の会見で、「経済成長のリスクは依然として下方に傾いている。最新のデータは、一段の成長鈍化を示唆している」と景況感の悪化を警戒している。
10月14日週の回顧
ドル円は、好調な米9月小売売上高などを受けて、米金利が上昇。週末にかけては一時150.32円まで買われている。ユーロドルは、ECB利下げ後も総裁発言や追加利下げへの思惑から下落幅を拡大。一時1.0811ドルまで売り込まれた。
18日の日経平均は3日ぶり反発。終値は70円高の38981円。
日経平均は上昇。ただ、高寄りからの失速で8営業日連続で陰線を形成した。今週は半導体関連のニュースが多かったが、国内半導体株の多くはASMLの失望決算には強く下に反応し、TSMCの好決算では買いが入らなかった。きょうは国内銘柄のディスコが決算を材料に跳ねたにもかかわらず、他の銘柄に買いは波及しなかった。
全体では商いが減少傾向にある中、他の銘柄よりも振れ幅が大きくなりやすい半導体株の動きがさえないと、日本株に対する期待は高まらない。来週は半導体株が上がらないまでも、多くがそろって下げるような場面が減ってくることを期待したい。半導体株に対する過度な警戒が後退するだけでも、相場の雰囲気は変わってくる。その点において、きょう自身の決算で強く買われたディスコの来週以降の動きが変わってくるかどうかに注目しておきたい。
【来週の見通し】
堅調か。23日(予定)のニデックを皮切りに、3月決算企業の上期業績発表がスタートする。27日の日曜は衆議院選挙の投開票日で、10月最終週は先行き不透明感がある程度後退して、決算を材料に個別の売買が活発になると期待できる。来週はまだ決算発表は少ないが、下押す場面があれば、翌週を見越した買いは入りやすい。23日には東京メトロがプライム市場に新規上場する。注目度は高く、投資家の物色意欲を刺激するだろう。米国では決算発表が本格化するが、ここまでは株価の反応が良いものが多く、ダウ平均は高値更新基調が続いている。概ね良好な地合いが見込まれる中、日本株も底堅く推移すると予想する。
なお、衆議院選挙に関して、自民党単独では過半数を割り込む可能性があるとの世論調査も出てきているが、自民党+公明党でも過半数を割り込むといったレベルの予測が出てきた場合には、投開票前にリスクオフムードが強まる可能性がある。テールリスク(確率は低いものの、発生した場合にはインパクトが大きいリスク)ではあるが、選挙関連のニュースには注意を払っておく必要がある。
【今週を振り返る】
軟調となった。東京市場が休場の間の米国株が強かったことから、三連休明け15日の日経平均は300円を超える上昇。一時4万円の節目を上回った。しかし、オランダASMLの失望決算を受けてグローバルで半導体株が急落したことから、16日は700円を超える大幅下落。17日は買いが先行したものの、半導体株への売りが続いたことで下げに転じ、39000円を割り込んで安値引けとなった。18日は米国株高やドル円の150円台乗せなどを受けて上昇したものの、場中は上値が重かった。日経平均は週間では約624円の下落となり、週足では陰線を形成した。
【来週の予定】
国内では、9月首都圏マンション発売(10/21)、10年クライメート・トランジション利付国債入札(10/22)、20年国債入札(10/24)、10月東京都区部消費者物価指数(CPI)(10/25)などがある。
海外の経済指標の発表やイベントでは、米9月中古住宅販売件数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、G20財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン、~10/24)、米20年国債入札(10/23)、米10月製造業購買担当者景気指数(PMI)、米9月新築住宅販売件数(10/24)、独10月Ifo景況感指数、米9月耐久財受注(10/25)などがある。
一部通信社が欧州中央銀行(ECB)関係者の話として報じたところによると、「データが著しい好転を示さない限り、ECBは12月に利下げを実施する公算が極めて大きい」ようだ。
中国国家統計局が18日発表した統計によると、2024年1-9月の固定資産投資は前年同期比3.4%増だった。市場予想の3.3%増を上回った。
中国の大手国有銀行は18日から預金金利を引き下げた。中国工商銀行(01398/601398)、中国農業銀行(01288/601288)、中国銀行(03988/601988)、中国建設銀行(00939/601939)、中国郵政儲蓄銀行(01658/601658)、交通銀行(03328/601328)など複数の銀行は公式サイトの人民元建て預金参考利率表を更新。引き下げ幅は普通預金が0.05%(0.15%から0.1%に)、3カ月物、6カ月物、1年物、2年物、3年物、5年物の定期預金はいずれも0.25%。複数の現地メディアが同日伝えた。
今年に入ってから預金金利の引き下げは7月以来の2回目、2022年9月以降では6回目となった。
中国の国家統計局が18日発表した統計によると、2024年1-9月の商品不動産(不動産デベロッパーが市場で販売する物件)の販売額は前年同期比22.7%減の6兆8900億元だった。下落率は1-8月の23.6%から縮小した。うち住宅販売額は6兆240億元と24.0%減った。販売面積は全体で17.1%減の7億280万平方メートル、うち住宅は19.2%減の5億8800万平方メートルだった。
1-9月の不動産開発投資額は7兆8700億元と前年同期比10.1%減った(1-7月は10.2%減)。うち、住宅投資は10.5%減の5兆9700億元。不動産開発企業が新規に着工した物件の面積は22.2%減の5億6050万平方メートルで、うち住宅は22.4%減の4億750万平方メートルだった。
不動産市場の景気動向を示す不動産開発景気指数は9月に92.41となった。8月から0.07ポイント上昇した。不動産開発景気指数は、2012年を基準(=100)に、95-105なら「適正な水準」、95以下なら「低い水準」、105以上なら「高い水準」を示す。
今週の日経225先物は、発表が本格化する企業決算の影響を受けやすい相場展開になりそうだ。先週の米国では、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>やモルガン・スタンレー<MS>など金融企業の良好な決算が相次ぎ、NYダウを押し上げる一方で、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>の慎重な見通しがNYダウを押し下げる場面もみられた。
さらに、オランダのASMLホールディング<ASML>は2025年12月期の見通しを引き下げたことが嫌気されて急落し、他の半導体株に売りが広がった。その後、台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>の予想を上回る決算を受け、ASMLショックは和らぐ形となった。
18日の米国市場では、ネットフリックス<NFLX>が、前日の取引終了後に発表した7-9月期決算が予想を上回り大幅高となった。ハイテク株への投資家心理が上向くなかで、アマゾン・ドット・コム<AMZN>など大型テック株の一角が買われた。主力企業の決算発表が本格的に始まったが、好調なスタートを切った形である。
国内ではディスコ <6146.T> [東証P]の決算に関心が集まっていたが、生成AI(人工知能)向けに高性能半導体の需要が増加し、ダイシングソーなどの出荷が好調であり、10-12月期見通しは予想を上回った。この結果を受けて18日は7%超上昇しており、今週もリバウンド基調が続くようだと、本格化するハイテク企業などの決算に対してアク抜けも意識されてこよう。
先週の日経225先物は15日に4万0300円をつけ4万円の大台を回復したが、翌日は3万8830円まで売られる荒い値動きとなった。ただし、その後は3万8790円まで下げる場面もみられたが、概ね3万9000円辺りでの底堅さが意識されていた。一方で、16日の下落局面ではボリンジャーバンドの+1σと+2σによるレンジを割り込んでおり、+1σ(3万9480円)が抵抗線として意識されてくる。
そのため、オプション権利行使価格の3万9000円を中心とした上下の権利行使価格3万8750円から3万9375円のレンジを想定する。今週はニデック <6594.T> [東証P]やキヤノン <7751.T> [東証P]、信越化学工業 <4063.T> [東証P]、ファナック <6954.T> [東証P]など主要企業の決算発表が予定されている。決算を受けた短期的な売買に振らされやすい面はあるが、3万9000円処では押し目狙いのロング対応となろう。
なお、18日の米VIX指数は18.03(前日は19.11)に低下した。先週は緩やかな低下傾向を維持しており、週末には支持線として意識されていた75日移動平均線(17.95)と25日線(14.49)を下回ってきた。不安心理が高まった状態とされる20.00を下回り、支持線水準を割り込んできたことで、リスク選好に向かわせよう。
10月第2週(10月7日-11日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では8週ぶりの買い越しであり、買い越し額は4081億円(10月第1週は2080億円の売り越し)だった。なお、現物は2473億円の買い越し(同3955億円の売り越し)と2週連続の買い越しであり、先物は1607億円の買い越し(同6036億円の売り越し)と4週ぶりの買い越し。個人は現物と先物の合算で1856億円の売り越しで2週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で1548億円の売り越しとなり、2週連続の売り越しだった。
主要スケジュールでは、21日に中国10月最優遇貸出金利、米国9月コンファレンス・ボード景気先行指数、22日にIMF世界経済見通し、23日にG20財務相・中央銀行総裁会議(~24日)、米国9月中古住宅販売件数、24日に米国10月製造業PMI、米国9月新築住宅販売件数、25日に10月東京都区部消費者物価指数、8月景気動向指数改定値、米国9月耐久財受注などが予定されている。
<国内>
特になし
<海外>
○15:00 ◇ 9月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比▲0.2%)
○16:00 ◎ シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
○21:55 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○23:00 ◎ 9月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.3%)
○22日02:00 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、イベントに参加
○22日06:05 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、講演
○国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(ワシントン、26日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
18日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが低下する中で全般的なドル売りの流れとなったほか、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだ円買い・ドル売りのフローなども合わさり、149.37円まで下落。ただ、17日安値149.25円がサポートとして意識されたほか、ダウ平均が連日で史上最高値を更新するなど、米国株相場が底堅く推移したことが相場を下支えした。ユーロドルは米長期金利の低下に伴うドル売りなどを受けて1.0870ドルまで上昇した。
本日のドル円相場は、東京市場で主だった経済イベントや要人発言が予定されていないこともあり、本邦株価の推移を見極めることになるか。前週末に米株が上昇した流れを引き継いで本邦の株式が堅調に推移するようならば、前週末に下値の堅さを確認したドル円は17日に付けた直近高値150.32円に向けて上値を伸ばす展開も考えられる。
また、27日に投開票を迎える衆議院選挙での争点が物価高対策となっていることで、石破政権は、輸入物価上昇の要因となる円安の抑制を徹底すると思われる。17日には一部通信社が「今月末の日銀会合では据え置き、その後は利上げ排除せず」という内容の観測報道を伝えたことで円買いが強まる場面が見られた。引き続き関連報道には注意したい。
他方、中国では1年と5年の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)が発表予定。18日に新華社が中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝総裁の発言として「LPRを20-25bp引き下げる」と伝えたほか、銀行の預金準備率を流動性の状況次第で年末までに0.25-0.50%引き下げる方針を示したことが伝わっている。発表後に中国株や人民元相場に動きが出るか注目したい。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39190 +180 (+0.46%)
TOPIX先物 2702.0 +12.0 (+0.44%)
シカゴ日経平均先物 39170 +160
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
18日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。NYダウ、S&P500は最高値を更新した。前日の取引終了後に予想を上回る7-9月期決算を発表したネットフリックス<NFLX>が大幅高となった。ハイテク株に対する投資家心理が上向き、アマゾン・ドット・コム<AMZN>やアルファベット<GOOG>、アップル<AAPL>など大型テック株の一角が買われた。
主力企業の決算発表が本格的に始まったが、好調なスタートを切った形である。ただし、米大統領選を控えているほか、地政学リスクへの警戒は根強い。短期的な過熱感や高値警戒感もあって、一部の主力株には利益確定売りが出やすく、上値は重たかった。S&P500業種別指数はヘルスケア機器・サービス、耐久消費財・アパレル、メディアが上昇した一方で、家庭用品・パーソナル用品、エネルギー、保険が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比160円高の3万9170円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比100円高の3万9110円で始まり、その後、3万9010円と日中比変わらずまで売られた後に切り返し、一時3万9280円まで買われる場面もみられた。ただし、米国市場の取引開始後は3万9050円まで軟化し、終盤にかけては3万9150円を挟んだ狭いレンジでの推移となり、3万9190円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、やや買い先行で始まることになろう。ネットフリックスの決算は織り込み済みだが、大型テック株の一角が買われた流れから、ショートを仕掛けづらくさせそうだ。また、国内では決算を受けて18日に7%を超す上昇となったディスコ <6146.T> [東証P]への買いが継続するかが注目され。
今週も主要企業の決算発表が予定されており、決算内容を見極めたいとのムードから商いは膨らみにくいだろう。ただし、ディスコへの買いが続くようだと、センチメント改善につながりそうであり、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。先週の日経225先物は15日に4万0300円と4万円の大台を回復した後は弱い値動きとなったが、概ね3万9000円辺りでの底堅さが意識されていた。
日経225先物は3万9000円処ではロングで対応する一方で、16日の下落局面では足もとで継続していたボリンジャーバンドの+1σと+2σによるレンジを割り込んでおり、+1σ(3万9480円)が抵抗線として意識されてくるだろう。また、週足の+1σが3万9330円で推移しているため、同水準では強弱感が対立しやすい。そのため、オプション権利行使価格では、3万9000円を中心とした上下の権利行使価格3万8750円から3万9375円のレンジを想定する。
なお、18日の米VIX指数は18.03(前日は19.11)に低下した。先週は緩やかな低下傾向が継続するなかで、不安心理の高まりを示す20.00を下回る場面がみられたが、週末には支持線として意識されていた75日移動平均線(17.95)と25日線(14.49)を下回ってきた。支持線水準を割り込んできたことで下へのトレンドが意識されやすく、リスク選好に向かわせよう。
週末のNT倍率は先物中心限月で14.50倍と、前日比変わらずだった。14.52倍と上昇して始まったが、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱い値動きが日経平均型の重荷となる形だった。ただし、一時14.46倍まで低下した後は、ディスコの強い動きもあって前日の終値水準まで戻していた。本日も大きなトレンドは出にくいとみられるものの、米ハイテク株が買われた流れを受け、ややNTロングに振れやすくなりそうだ。
中国の全国銀行間同業折借中心が21日に発表した2024年10月の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)は、1年物が3.35%から3.10%に、5年物は3.85%から3.60%に引き下げられた。
日経225先物は11時30分時点、前日比130円高の3万9140円(+0.33%)前後で推移。寄り付きは3万9060円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9170円)には届かず、小幅な上昇で始まった。上値の重さが意識されるなか、海外投資家による売り観測などもあり、現物の寄り付き直後には一時3万8790円まで売られる場面もみられた。ただし、その後は急速に切り返しており、中盤にかけて3万9000円を回復。買い一巡後は3万9000円~3万9050円辺りでの保ち合いを継続するなか、終盤にかけてレンジを上放れ、一時3万9140円まで買われた。
日経225先物は現物の寄り付き直後に3万8790円まで売られたが、その後は終盤にかけてリバウンドの動きをみせた。朝方はファーストリテイリング <9983.T> [東証P]の弱い値動きが重荷となった。ただし、前週末に強いリバウンドをみせたディスコ <6146.T> [東証P]が大幅に続伸したほか、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の強い動きがロングに向かわせた。また、ファーストリテイリングも売り一巡後は下落幅を縮め、寄り付き水準を上回ってきたことで、ショートカバーを誘う形になったようだ。3万9000円下回る局面では、その後のリバウンドを想定した押し目狙いのロング対応になろう。
NT倍率は先物中心限月で14.52倍に上昇した。14.49倍と下落して始まり、一時14.45倍まで下げる場面もみられた。ただし、値がさハイテク株が日経平均型を支える形となるなか、やや日経平均型優位の展開になった。
先週末のドル円は、全般週末のポジション調整が進むなか戻りの鈍い展開となりました。欧州時間に日銀絡みでいつもながらの観測記事が報じられると、ヘッドラインで急落した直後に急伸するといった不安定な動き。「日銀は今後の利上げの可能性を排除せず」に対して、その内容は「今月の会合で追加利上げを急ぐ必要性は乏しい」といったもの。前回の会合前にも「ほぼほぼ同じような観測記事で右往左往させられている」ことは周知の事実。市場自身の健全性や、クオリティーの低下につながる反応となってしまっているといったところです。市場では「日米の選挙を控えているなか、政治的な不透明感が強いこともあり、相場自身が方向感を完全に失っている」と危惧する声も聞かれています。
いずれにしても、週明けのアジア市場では、引き続きポジション調整の動きが続いているわけで、目先は一目転換線の149.17円を意識したもみ合いとなっていますが、株価も「全くご祝儀相場的な動きに繋がっていかない」なか、週末の政局を見極めるまでは大きく動けない状況。米国ではかなり方向性が見えてきた大統領選の情勢も見極めながら、慎重な姿勢で臨んでいきたいものです。
週明けのロンドン市場でも、ユーロドルは前週末に買い戻された流れを引き継ぎ、戻り幅を探る展開となるか。本日は重要な経済指標は予定されておらず、欧州金融当局者の講演のみとなっている。
先週末のユーロドルは、陰線引けが続く中、17日は陰線引けながらも、下押しは1.0811ドルまでと1.08ドルの大台が目先のサポートとなり下げ渋り。翌18日は17日安値に届かなかったほか、ローソク足は前日の陰線にかぶさる陽線となった。一連の動きで目先の底打ち感も漂う中、本日もこの流れが続くか注目したい。
日足チャートを見ると、1.08ドル後半には複数のチャートポイント(200日線:1.0872ドル、日足・一目均衡表の転換線:1.0896ドルなど)が存在している。これらを上抜くと上値余地が拡大する公算であり、90日線1.0952ドルに向けた一段高もあり得る。ただし、上値の重さが嫌気される場合は再び1.08ドル割れを試す展開に戻ることも考えられる。同水準での攻防の行方に注目したい。
また、前週末のユーロドル買い戻しを誘った、時間外の米長期金利の動きにも注目したい。手掛かり材料に乏しいだけに、金利動向が普段以上にユーロドル相場の変動要因となることも考えられる。
冒頭で触れた要人発言について、本日はシムカス・リトアニア中銀総裁の講演が予定されている。直近では9月17日に「10月に利下げする可能性は非常に小さい」「経済は予測に沿って発展している」などと発言していた。前週17日に欧州中銀(ECB)は0.25%の利下げに踏み切っており、今後の見通しについてどのような変化があるか確認しておきたい。
想定レンジ上限
ユーロドル:90日線1.0952ドル
想定レンジ下限
ユーロドル:17日安値1.0811ドル
(21日15時時点)
ドル円:1ドル=149.36円(前営業日NY終値比▲0.17円)
ユーロ円:1ユーロ=162.20円(▲0.28円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0860ドル(▲0.0007ドル)
日経平均株価:38954.60円(前営業日比▲27.15円)
東証株価指数(TOPIX):2679.91(▲9.07)
債券先物12月物:143.98円(△0.19円)
新発10年物国債利回り:0.955%(▲0.010%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は方向感がない。週末に続き、週明けもポジション調整の売りが観測されたほか、日経平均株価が一時200円超下落したこともリスク回避の売りを促した。本邦輸出企業からの売りも持ち込まれると17日安値の149.25円を下抜けて149.09円まで値を下げた。一方で、株価が反発すると次第にショートカバーが入り149.40円台まで持ち直した。
・ユーロ円は弱含み。162円台半ばでのもみ合いが続いていたが、日本株の下落やドル円の下落につれて162.00円まで下押しした。その後は売りが一服したものの戻りは鈍い。
・ユーロドルは頭が重い。早朝取引で一時1.0872ドルと先週末高値の1.0870ドルを上抜ける場面があったが買いは続かなかった。9月独生産者物価指数(PPI)が前月比で予想を下回ったことも重しに1.0855ドル付近まで下押しした。
・日経平均株価は反落。前週末の米ハイテク株が上昇した流れから半導体関連株の一角に買いが入った。半面、海外投資家の売りが目立つ中なかで上値は限られた。
・債券先物相場は。前週末に米国債が買われた流れを引き継いで買いが先行。その後も値を保ちながら一時143.98円まで上値を伸ばした。
SMBC日興証券では、衆議院選挙で与党の過半数が微妙との報道が出てきたことを受けて、金融政策運営への影響について考察している。与党の苦戦は金融政策運営の正常化に対して逆風となりうるが、同時に正常化を完全に否定するわけでもないとSMBC日興では判断している。賃上げと同時に、手段として減税か補助金かの違いはあるものの、財政拡張を用いた物価高の痛みの抑制策をいずれの政党も主張している。そして、いずれの政党も過度の円安進行を容認はしない可能性が高い。そのため、円安進行下では、金融政策運営の慎重な正常化が容認されるとSMBC日興では考えている。
大和証券では、今週の注目点の一つに22日にIMF(国際通貨基金)が発表する世界経済見通しを挙げている。今回の見通しでは足元の24年も重要だが、大和では25年の成長率見通しが切り上がるかに注目している。前回の見通しでは中国の見通しが24年、25年ともに引き上げられたが、中国ではその後、9月には不動産および証券市場を対象とした経済対策が打ち出されたほか、財政支出の規模拡大が観測されている。こうした部分を加味した上で中国や新興国の成長率見通しが引き上げられれば、米欧の利下げを背景に、新興国には一段と成長加速が期待できそうと大和ではコメントしている。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
中国景気は一段と鈍化、通年目標のハードルは極めて高い状況に
デフレ懸念のなか、株式市場は当局の「次なる対応」を求める催促相場の様相を呈する可能性も
このところの中国経済は、不動産不況が内需の足かせとなる展開が続くとともに、欧米のみならず新興国の間にも中国製品に追加関税を課す動きが広がるなど外需にも不透明感が高まっている。当局は不動産対策の強化に加え、内需喚起や株価下支え策など一連の対応を強化する動きをみせているが、現状はその効果について不透明なところが多く、対策の成否が中国景気の動向を左右する展開が続くであろう。
7-9月の実質GDP成長率は前年比+4.6%に鈍化したが、前期比年率では+3.6%と底打ちしたとしている。しかし、企業マインド統計は頭打ちを示唆していたことを勘案すれば、数字を巡る信ぴょう性に疑義が生じる一方、駆け込みや在庫が景気を下支えしている可能性はある。他方、デフレ基調が一段と深刻化しているほか、通年の成長率目標には10-12月に高成長が必要であるなどそのハードルは極めて高いと言える。
9月単月の経済指標の動きをみると、鉱工業生産は前年比+5.4%と供給サイドが景気のけん引役となっている。他方、小売売上高は前年比+3.2%と底打ちするも依然として力強さを欠く推移が続いている。固定資産投資は年初来前年比+3.4%、前月比も+3.4%と底打ちしており、投資活動は最悪期を過ぎつつある。不動産投資を巡る状況も最悪期を過ぎつつあるが、先行きは当局による対応の行方に掛かっている。
当局は景気下支えに向けて対応を強化する方針を示しており、今後も五月雨式に方針を公表する展開が続くと見込まれる。一連の対応を受けて底入れした株式市場は早くも息切れする動きがみられるなか、先行きについては当局に対して「次なる対応」を要求する催促相場の様相を強める可能性は高まっている。
1. 2024会計年度(23年10月-24年9月)財政赤字:1兆8970.79億ドル
米財務省は、2024会計年度(23年10月~24年9月)の9月の財政収支が、642.63億ドルの黒字だったと発表した。2023年9月は1707.15億ドルの赤字だったことで、黒字幅は2349.786億ドル増加した。
2024会計年度(23年10月-24年9月)の財政赤字は過去3番目の規模となる1兆8328.16億ドル(対GDP比6.4%)となり、前年の1兆6952.4億ドルから1375.76億ドル(8.1%)増加している。歳出は10%増の6兆7515.52億ドル、歳入は個人所得税と法人税の増加が寄与して11%増の4兆9187.36億ドルで過去最高だった。
23年度の赤字はバイデン大統領の学生ローン返済免除計画が連邦最高裁で差し止められ、その関連費用3300億ドルを取り崩すことで縮小したが、これがなければ2兆ドルを超えていた。
国債利回りの上昇を受けて、政府のコスト負担が大きく膨らんでおり、2024年度の連邦政府の公的債務利子が累計で初めて1兆ドルを超えた。
過去最大の財政赤字を記録した2020会計年度(19年10月~20年9月)の財政赤字は3兆1319億ドル(対GDP比15.0%)で、2020年9月は1246.11億ドルの赤字だった。
過去2番目の財政赤字を記録した2021会計年度(20年10月~21年9月)の財政赤字は2兆7721.79億ドル(対GDP比12.4%)で、2021年9月は615.44億ドルの赤字だった。
2022会計年度(21年10月~22年9月)の財政赤字は1兆3754.81億ドルで、2022年9月は4297.66億ドルの赤字だった。
2023会計年度(22年10月~23年9月)の財政赤字は1兆6952.40億ドル(対GDP比6.2%)で、2023年9月は1707.15億ドルの赤字だった。
2.2024年9月末債務残高:35兆4646億ドル(※米国債:27兆ドル)
米国の2024年9月末時点での債務残高は35.4646兆ドルで、2024年第2四半期国内総生産(GDP)28.65兆ドルの約124%となっている。
民主党候補ハリス副大統領と共和党候補トランプ前大統領のどちらが勝っても、米国の財政赤字が最大の問題になることが警戒されており、高水準の政府債務が米国債のイールドカーブをスティープ化することが見込まれている。米格付け会社ムーディーズは「どちらの候補が当選しても米国の財政状況は弱体化する可能性が高い」と指摘して、大統領選後に米国の信用格付けを引き下げることを示唆している。
超党派の米シンクタンク「責任ある連邦予算委員会」は、米大統領選での両候補の公約を基に財政赤字を試算した。
共和党候補のトランプ前大統領が返り咲いた場合、2026~35年度の10年間で財政赤字が7兆5千億ドル拡大するとのことである。
25年末に期限を迎える減税策の恒久化が5兆3500億ドル、残業代への課税撤廃は2兆ドルの財政悪化が見込まれている。全ての輸入品に10%、中国に60%の関税を課す方針では、2兆7千億ドルの税収増となる。
民主党候補のハリス副大統領が勝利した場合は、年収40万ドル未満の世帯に関してはトランプ減税を延長して増税しない方針を表明しており、3兆ドルの財政悪化の要因となる。
大阪12月限
日経225先物 39020 +10 (+0.02%)
TOPIX先物 2682.5 -7.5 (-0.27%)
日経225先物(12月限)は前日比10円高の3万9020円で取引を終了。寄り付きは3万9060円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9170円)には届かず、小幅な上昇で始まった。上値の重さが意識されるなか、海外投資家による売り観測などもあり、現物の寄り付き直後には一時3万8790円まで売られる場面もみられた。ただし、その後は急速に切り返しており、前場中盤にかけて3万9000円を回復。前場終盤にはレンジを上放れ、ランチタイムで一時3万9150円まで買われた。後場は持ち高調整とみられるロング解消の動きが優勢となり、終了間際には3万9000円まで売られ、下落に転じる場面もみられた。
日経225先物は現物の寄り付き直後に3万8790円まで売られたが、その後は終盤にかけてリバウンドの動きをみせた。朝方はファーストリテイリング <9983.T> [東証P]の弱い値動きが重荷となったものの、前週末に強いリバウンドをみせたディスコ <6146.T> [東証P]が続伸したほか、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の強い動きがロングに向かわせた。
ただ、ファーストリテイリングは売り一巡後にいったん下落幅を縮めたが、後場は再び弱含むなか、ロング解消に向かわせたようだ。また、足もとで強い値動きが続いていた三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306.T> [東証P]などメガバンクが売られたほか、政策期待で買われていた三菱重工業 <7011.T> [東証P]なども弱く、衆議院選挙を控えるなか、政権交代を警戒した持ち高調整の動きが強まったとの見方もあり、積極的な売買は手控えられた。
日経225先物は朝方に3万8790円まで売られる場面もみられたが、その後は3万9000円を上回っての推移を継続しており、3万9000円を下回る局面においては、押し目狙いのロング対応は継続しておきたいところである。政治不安からショートが入りやすい面はあるが、短期的な売買が中心と考えられるため、その後のショートカバーは速いだろう。一方で、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9530円)が抵抗線として意識されているため、リバウンドで+1σに接近する局面では、利益確定に伴うロング解消が入りやすいと考えられる。
NT倍率は先物中心限月で14.54倍に上昇した。14.49倍と下落して始まり、一時14.45倍まで下げる場面もみられた。ただし、値がさハイテク株が日経平均型を支える形となった一方で、後場に入りメガバンクなどTOPIX型の売りが目立った影響がある。リバランスの動きが中心と考えられるが、足もとではTOPIX型の持ち型調整が意識されやすいだろう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3195枚、ソシエテジェネラル証券が8357枚、サスケハナ・ホンコンが2866枚、JPモルガン証券が2109枚、バークレイズ証券が1770枚、モルガンMUFG証券が935枚、SBI証券が768枚、みずほ証券が762枚、ドイツ証券が711枚、ゴールドマン証券が561枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万3503枚、ソシエテジェネラル証券が1万1779枚、バークレイズ証券が2453枚、モルガンMUFG証券が2317枚、ゴールドマン証券が1927枚、JPモルガン証券が1860枚、サスケハナ・ホンコンが1746枚、ビーオブエー証券が753枚、UBS証券が469枚、野村証券が422枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、中東の地政学リスクに警戒しながら、米9月米景気先行指標総合指数や複数のFRB高官による11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅への言及に注目する展開が予想される。
9月米景気先行指標総合指数は前月比▲0.3%と予想されており、8月の同比▲0.2%からの悪化が見込まれている。
予想通りに悪化していた場合、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での、年内11月と12月の利下げ幅の変化に注目しておきたい。現時点では、11月のFOMCでは0.25%、12月でも0.25%の利下げが見込まれており、年末のFF金利誘導目標は4.25-50%と見込まれている。
本日は、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁とシュミッド米カンザスシティー連銀総裁の発言機会が予定されており、今週末からのブラックアウト期間を控えて、11月FOMCでの利下げ幅への言及に注目しておきたい。
また、本日も引き続き、イスラエルとイランの軍事衝突激化に関するヘッドラインには警戒しておきたい。
これまでの報道では、自宅を攻撃されたネタニヤフ・イスラエル首相が側近らと会合を開き、イランへの報復攻撃を協議した、と報じられている。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、150.32円(10/17高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、148.30円(10/10安値)
今週のNY市場は決算発表に注目。先週はダウ平均が0.96%高、S&P500が0.85%高、ナスダック総合が0.80%高とそろって6週続伸。ダウ平均とS&P500は今年最長の連騰を記録した。オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングの業績警告発表が嫌気され半導体株が軒並み安となる場面もあったが、9月小売売上高や新規失業保険申請件数が強い結果となり米国経済のソフトランディング期待が一段と高まったことや、発表が本格化した第3四半期決算発表が総じて良好な結果だったことが相場の支えとなった。ダウ平均は前週末11日から週末18日まで、16日を除く5日間で取引時間中の史上最高値を更新し、終値でも15日を除く5日間で最高値を更新した。S&P500も14日、17日に取引時間中の史上最高値を更新し、終値では14日と16日に最高値を更新した。ナスダック総合は15日に7月付けた史上最高値まで一時0.57%に迫った。センチメントも改善。投資家の不安心理を示すVIX指数は日経平均株価が1987年のブラックマンデー以来の急落となった8月上旬に一時65ポイント台(終値では38ポイント台)まで上昇したが、先週末は18.03ポイントで終了し、不安心理が高まったとされる20ポイントを下回った。
今週は発表が一段と本格化する第3四半期決算が焦点となりそうだ。10月中旬からスタートした第3四半期決算発表は、これまでにS&P500採用の49銘柄が発表を終え、そのうち84%の41銘柄で調整後一株当たり利益が市場予想を上回った。今週はS&P500採用110銘柄以上が発表予定で、決算やガイダンスに注目が集まる。主要なものはベライゾン、フリーポート・マクモラン、ゼネラル・モーターズ、3M(以上22日)、ボーイング、AT&T、コカ・コーラ、IBM、ラム・リサーチ、テスラ(以上23日)、ユニオン・パシフィック、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)、サウスウェスト航空(以上24日)など。景気動向を巡って経済指標にも要注目。9月中古住宅販売件数、9月新築住宅販売件数などの住宅関連指標が発表されるほか、10月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値、9月耐久財受注などが発表される。
今晩の米経済指標・イベントは9月景気先行指数やローガン米ダラス連銀総裁、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁の講演など。企業決算は引け後にアレクサンドリア・リアル・エステート、ニューコア、W.R.バークレーなどが発表予定。
日経平均株価は小反落。一時は38800円を割り込む場面があったが、後場にかけてしっかりの推移が続いた。引けでマイナス圏に押し戻されたものの、横ばい圏で終えた。
RSI(9日)は前日の55.5%→42.3%(10/21)へ低下。9日連続の陰線(九陰連)となったが、ほぼ寄り付きと終値が同水準となる「十字足」に近い形状で終えた。RSIはあすは上昇しやすいタイミングであるほか、一目均衡表では基準線(37755円 10/21)が再び上昇する。雲のネジレが発生するタイミングにも入ることで、上か下かに大きく振れる動きも想定しておきたい。引き続き、5日移動平均線(39187円 同)や一目均衡表の転換線(39516円 同)上へ早期に回復できるかが焦点となる。
上値メドは、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)、心理的節目の42000円、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、75日移動平均線(38292円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)などがある。
(21日終値:22日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=150.75円(21日15時時点比△1.39円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.04円(△0.84円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0816ドル(▲0.0044ドル)
FTSE100種総合株価指数:8318.24(前営業日比▲40.01)
ドイツ株式指数(DAX):19461.19(▲196.18)
10年物英国債利回り:4.137%(△0.081%)
10年物独国債利回り:2.282%(△0.099%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月独生産者物価指数(PPI)
(前月比) ▲0.5% 0.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は堅調。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.1797%前後と7月30日以来の高水準を記録すると全般ドル買いが先行。目先レジスタンスとして意識されていた17日の高値150.32円や一目均衡表雲の上限150.70円を上抜けると一時150.79円と8月1日以来の高値を更新した。
なお、ローガン米ダラス連銀総裁は「経済が予想通りなら、段階的な利下げを予想」などと述べたと伝わったが相場の反応は限られた。
・ユーロドルは軟調。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが優勢になると、2時30分前に一時1.0816ドルと日通し安値を更新した。ポンドドルも一時1.2979ドルまで下落した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.97と8月2日以来の高値を付けた。
なお、カジミール・スロバキア中銀総裁は「12月の会合ではすべての選択肢が残されている」と述べたほか、シムカス・リトアニア中銀総裁は「インフレ率の低下が定着した場合は、一段の利下げが必要になる可能性」などと話した。
・ユーロ円は強含み。ドル円の上昇につれた買いが入ると、2時30分過ぎに一時163.12円と日通し高値を付けた。ただ、ユーロドルの下落につれた売りも出たため、伸び悩む場面もあった。米国株相場の下落や日経平均先物の失速も相場の重し。
・ロンドン株式相場は続落。前週末の米国株相場の上昇を受けて買いが先行したものの、中東情勢などにおける地政学リスクの高まりなどを背景に売りが優勢になると下げに転じた。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、コンパス・グループやネクストなど一般消費財サービスが値下がりした。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反落。中東の地政学リスクの高まりを背景に売りが出た。前週末に史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りも出やすかった。個別ではザルトリウス(4.81%安)やミュンヘン再保険(2.95%安)、ボノビア(2.64%安)などの下げが目立ち、フレゼニウス(0.84%高)などを除く35銘柄が下落した。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
21日の日経平均は反落。終値は27円安の38954円。米国株高を受けても寄り付きは小幅な下落。さえないスタートとなったことで序盤では売りに勢いがつき、一時下げ幅を200円超に広げた。38700円台に突入したところでは鋭角的に切り返し、ほどなくプラス圏に浮上。前場は3桁の上昇かつ、高値圏で終えた。
一方、39100円より上は重く、後場に入ると伸び悩んだ。萎んでも大半の時間では39000円より上で推移し、プラスで終われそうな雰囲気を醸し出していた。しかし、引け間際までプラスであったにもかかわらず、大引けにかけてまとまった売りに押され、小幅な下落で取引を終えた。
終値(38954円)では寄り付き(38960円)を上回ることができず、9営業日連続で陰線を形成。TOPIXは前場は小幅高で終えたものの、後場は一度もプラス圏には浮上できなかった。グロース250指数が1.4%高と、相対的に強い動きを見せた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆4100億円。業種別では海運、ゴム製品、精密機器などが上昇した一方、電気・ガス、水産・農林、銀行などが下落した。特別利益の計上に伴い、通期の純利益見通しを引き上げたイトクロ<6049.T>が急騰。半面、上期の速報値が前年同期実績との比較で大幅減益となった今村証券<7175.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり698/値下がり888。ディスコ、アドバンテスト、ソシオネクストなど半導体株の一角が大幅上昇。「楽天モバイル」の契約数が800万回線を突破したと発表した楽天Gが買いを集めた。個別に霞ヶ関キャピタルや川崎汽船が強い動き。証券会社のリポートを材料にMonotaROが急伸した。
一方、三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社がそろって大幅安。売買代金上位ではJTやフジクラが弱かった。九州電力や北海道電力など電力株の多くが軟調。銀行株がメガから地銀に至るまで軒並み安となった。今期の最終減益計画を提示したラストワンマイルが11.1%安と急落した。
本日、札幌証券取引所アンビシャス市場に新規上場した伸和ホールディングスは公開価格割れからのスタートとなり、終値は小幅に初値を下回った。
日経平均は反落。引け間際までプラスであったのに、下落で終えて39000円も下回り、陰線が9本並んだ。さすがにきょうは陽線を形成できるだろうと期待していた投資家をあざ笑うかのような値動き。プライムの売買代金は低水準で、今は買い手も売り手も少ない中、特に買い手不在の感が強い。
衆院選に関しては、自民党+公明党でも過半数が微妙といった報道も出てきており、政権与党の苦戦に関するニュースが相次ぐようだと「選挙は買い」のアノマリーは期待しづらくなる。今晩の米国では特段の材料に乏しく、あすの日本株も売買は盛り上がらないと思われる。TOPIX(21日終値は2679p)が25日線(2668p、21日時点、以下同じ)に接近しており、同水準がサポートとして機能するかどうかが注目される。あっさり割り込むようだと、日経平均も早晩25日線(38379円)を割り込むとの見方が強まる可能性があるだけに、注意を要する。
(21日終値)
ドル・円相場:1ドル=150.84円(前営業日比△1.31円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.13円(△0.65円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0815ドル(▲0.0052ドル)
ダウ工業株30種平均:42931.60ドル(▲344.31ドル)
ナスダック総合株価指数:18540.01(△50.46)
10年物米国債利回り:4.19%(△0.11%)
WTI原油先物11月限:1バレル=70.56ドル(△1.34ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2738.9ドル(△8.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月米景気先行指標総合指数
(前月比) ▲0.5% ▲0.3%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.1956%前後と7月26日以来の高水準を記録すると全般ドル買いが先行。目先レジスタンスとして意識されていた17日の高値150.32円や一目均衡表雲の上限150.70円を上抜けると上昇に弾みが付いた。取引終了間際には一時150.89円と8月1日の高値に面合わせした。
なお、ローガン米ダラス連銀総裁は「経済が予想通りなら、段階的な利下げを予想」と述べたほか、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は「向こう数四半期にわたり、緩やかな利下げを予想している」との見解を改めて示した。
・ユーロドルは反落。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが優勢になると、4時前に一時1.0811ドルと17日の安値に面合わせした。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.02と8月2日以来の高値を付けた。
なお、この日発表の9月米景気先行指標総合指数は前月比0.5%低下と予想の0.3%低下を下回ったものの、相場の反応は限られた。
・ユーロ円は反発。ドル円の上昇につれた買いが入ると、取引終了間際に一時163.16円と日通し高値を付けた。ただ、ユーロドルの下落につれた売りも出たため、伸び悩む場面もあった。ダウ平均の下落や日経平均先物の失速も相場の重し。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに反落。連日で史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが優勢となった。米長期金利が上昇し、株式の相対的な割高感が意識されたことも相場の重しとなり、指数は一時400ドル近く下落した。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸し、7月10日以来およそ3カ月半ぶりの高値で取引を終えた。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。米利下げペースが緩やかになるとの見方から債券売りが優勢となった。市場では「米大統領選挙が近づく中、トランプ前大統領の勝利と米政府の財政拡張に対する懸念が売りを誘った」との声も聞かれた。利回りは一時4.1956%前後と7月26日以来の高水準を付けた。
・原油先物相場は反発。中国が最優遇貸出金利(LPR)を引き下げたことや、週末にサウジアラビアが中国の景気刺激策により中国の石油需要が高まるとの予想を示したことなどで反発した。また、中東の緊迫化も依然として原油先物の支えになっている。
・金先物相場は5日続伸。週末にかけてもイスラエル軍のレバノン攻撃は継続され、さらに中東情勢が緊迫化していることと、中国がLPRを引き下げたことなどで金先物は5日続伸した。もっとも、引けにかけてはドルが全面高になったことにより、ドルで取引される金先物は割高感が生じ上げ幅を縮小して引けた。
21日16:10 シムカス・リトアニア中銀総裁
「ディスインフレのトレンドは、着実に進行中」
「景況感の下振れリスクが高まっている」
21日16:22 シムカス・リトアニア中銀総裁
「12月会合までいくつかのデータが発表されるため、予想は難しい」
「政策金利は抑制的ではなくなっている」
「欧州中央銀行(ECB)は主要政策金利を2-3%の中立水準に引き下げる公算が大きい」
「インフレ率の低下が定着した場合は、一段の利下げが必要になる可能性」
「インフレ率が低下傾向にあるのは確実」
21日16:33 カザークス・ラトビア中銀総裁
「ECBの利下げは持続可能な経済成長を促進することはできない」
「インフレ率が低下するにつれて、金利は引き続き低下するだろう」
「金利はまだ経済成長を抑制している」
「インフレは引き続き低下しているが、経済は弱い」
21日20:38 カジミール・スロバキア中銀総裁
「12月の会合ではすべての選択肢が残されている」
「12月の会合は幅広くオープン」
「インフレ低下のペースが加速し続ければ、さらなる緩和を行う強い立場にある」
「インフレ低下の道筋が確固たるものであるという確信が高まっている」
「サービス部門のインフレについて、さらなる証拠が必要」
21日22:10 ローガン米ダラス連銀総裁
「経済が予想通りなら、段階的な利下げを予想」
「FRBは政策選択において機敏に動く必要がある」
「経済は力強く安定している」
「雇用市場の下振れリスク、インフレ目標への継続的なリスクを認識」
「バランスシート縮小と利下げは同じ方向」
21日23:25 グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「消費低迷のリスクは目標以下のインフレ率であり、より急速な利下げが必要になる」
「金融緩和には慎重かつ緩やかなアプローチが適切」
22日02:56 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「財政赤字の拡大は金利上昇を意味する」
「インフレを引き起こしたのは労働市場ではない」
※時間は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○06:45 ◎ 9月ニュージーランド(NZ)貿易収支
○07:40 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○17:30 ◎ 9月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.4%)
○21:30 ◇ 9月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比▲0.5%)
○21:30 ◇ 9月カナダ原料価格指数(予想:前月比▲1.6%)
○22:00 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○22:05 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演
○22:25 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○22:45 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○22:45 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、パネルディスカッションに参加
○23:00 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、あいさつ
○23:00 ◎ 10月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲17)
○23日02:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○23日03:00 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○23日04:15 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、パネッタ伊中銀総裁、講演
○BRICS首脳会議(ロシア・カザン、24日まで)
○国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(ワシントン、26日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
21日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。米10年債利回りが一時4.1956%前後と7月26日以来の高水準を記録すると全般ドル買いが先行し、取引終了間際には一時150.89円と8月1日の高値に面合わせした。ユーロドルは一時1.0811ドルまで下落した。
本日の東京市場では、昨日に続き主だった経済イベントや要人発言が予定されていないこともあり、ドル円相場は株価や時間外の米長期金利を眺めながらの展開が予想される。そうした中、テクニカル面では、昨日の上昇により日足・一目均衡表で三役好転の強い買いシグナルが点灯。流れとしては上方向を試しやすくなっている。この流れが東京市場でも続くようならば、目先は200日移動平均線151.36円を巡る攻防となることも考えられる。
一方、27日投開票の衆院選の争点が物価高対策となっていることもあり、本邦通貨当局による円安抑制や、口先介入には注意が必要だろう。3カ月弱ぶり高値水準となる150円台後半に上昇したことで、きっかけがあればドル売り・円買いが入りやすいことに留意したい。
なお、本日は日銀から、9月全国消費者物価指数(CPI)の基調的なインフレ率を捕捉するための指標(刈込平均値、最頻値、加重中央値)が公表予定。基調的なインフレ率はCPI公表日の2営業日後の14時を目途に公表され、8月は前年比でそれぞれ、刈込平均値が1.8%と7月から横ばいだったが、加重平均値は0.7%、最頻値が1.3%と7月より低下した。18日に発表された9月CPIは、ヘッドライン・コア指数は前月から伸び鈍化するも、コアコアは前月から伸びが加速とまちまちな結果であった。結果に注目したい。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39140 +120 (+0.30%)
TOPIX先物 2688.5 +6.0 (+0.22%)
シカゴ日経平均先物 39025 +5
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
21日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が下落した一方で、ナスダックは上昇。米経済の底堅さから11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置くとの見方が高まった。米長期金利は7月下旬以来の高水準を付けた。NYダウ、S&P500は最高値更新で過熱感や高値警戒感が意識されやすく、長期金利の上昇を背景に主力株の一角には利益確定の売りが出やすかった。
エヌビディア<NVDA>は人工知能(AI)向け半導体需要を期待した買いが入り、上場来高値を更新。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>など半導体株の一角が買われ、ナスダックは4日続伸。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器の2セクターのみが上昇した半面、耐久消費財・アパレル、不動産、医薬品・バイオテクノロジー、銀行、食品・飲料・タバコが下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比5円高の3万9025円だった。日経225先物12月限)のナイトセッションは日中比70円高の3万9090円で始まり、その後下落に転じ3万8970円まで売られた。米国市場の取引開始後にロングの動きが強まり、3万9160円とプラスに転じる場面もみられた。買い一巡後は再び下へのバイアスが強まり、一時3万8750円まで売られたが、終盤にかけて再び切り返しており、3万9140円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、小動きで始まることになりそうだ。ナイトセッションで一時3万8750円まで売られる場面もみられたが、3万9000円を割り込んだ後の戻りは速く、短期的にショートに押される局面では、押し目狙いのロング対応になりそうだ。米国市場では長期金利の上昇が利益確定に向かわせる形となったが、エヌビディアの上昇が指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になろう。
為替市場では円相場が1ドル=150円台後半と円安に振れて推移しており、輸出関連などの一角にも資金が入りやすいとみられる。また、昨日はメガバンクの弱さが目立っていた。ハイテク株が買われるなかでリバランスのほか、衆院選を控えて持ち高調整の動きもあったとみられる。トレンドの出にくい状況であるが、3万9000円を挟んだレンジとなりそうだ。
そのため、オプション権利行使価格の3万8875円から3万9375円のレンジを想定する。レンジを放れてきたとしても、3万8500円から3万9500円辺りでの推移になるだろう。積極的にポジションを傾けてくる動きはなく、スキャルピング中心のトレードになろう。
なお、21日の米VIX指数は18.37(前日は18.03)に上昇した。足もとで緩やかな低下傾向が継続するなかで、前週末には支持線として意識されていた25日移動平均線(18日:18.49)を下回ってきことで、いったんはリバウンドが入りやすいところだ。ただ、不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を下回っている状況のなか、リスク選好に傾きやすい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.54倍に上昇した。一時14.45倍まで下げる場面もみられたが、値がさハイテク株が日経平均型を支える形となった一方で、後場に入りメガバンクなどTOPIX型の売りが目立ったことが影響した。リバランスが中心とみられるが、ハイテク株への物色が意識されてややNTロングに振れやすいだろう。
週明けの海外市場では、米長期金利が急騰。米10年債利回りは200MAを上抜けるとSLを巻き込むかたちで上げ足を速め、結局、4.1956%の高値引け。米債券市場ではロングの投げ売りが持ち込まれることになりました。一部マクロ勢も大きくポジションを動かした可能性があって、市場では「米大統領選でのトランプ勝利と米金利引下げのスキップ」をメインシナリオとした方向性を取りにいく動きとなったといったところです。
米大統領選については、先週16日にFOXニュースが行ったカマラハリスとの単独インタビューで、現役の米副大統領が、歴任3年半の政治を全く総括することが出来ず、司会者のブレッドバイアーの質問には何一つ回答することなく終わるといったカオスとなったことから、週末の米国での評価が更に急低下。市場のドル高への意識を改めて高めることになったわけです。私も30分弱の一部始終を拝聴しましたが、ブレッドバイアー同様に「何を言っているのか全く分からない」のは勿論のこと、大統領選そのものに危機感さえ感じさせることになりました。
市場は当然のように、「米金融政策と米政治の変化」を敏感に感じたからこそ、何も材料がなかった週明けのNY市場であったにもかかわらず、大きく動かすことを選択することになったといえます。
いずれにしても、ドル円は米長期金利の急騰につれて一気に150.89円まで急伸。輸出の売りが一巡しているほか、150.00円のオプション絡みの売買も峠を過ぎた状況のなか、今週末の総選挙の結果次第では、深刻な政局になる可能性が高い日本の政治状況からは切り離して、不透明な政局を織込んで大幅な下落となっている日経平均にはほとんど反応することなく、一足先に方向性を取りにいっているところ。一目雲上限の位置する150.70円を意識した動きとなっています。目先はNY時間レンジのフィボナッチ61.8%の150.45円や半値の150.32円付近がサポートレベル。上値は昨日高値の150.89円や200MAの位置する151.36円付近が戻りの目処として意識されています。
日経225先物は11時30分時点、前日比590円安の3万8430円(-1.51%)前後で推移。寄り付きは3万9050円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9025円)にサヤ寄せする形から、小幅に上昇して始まった。ただし、寄り付き直後につけた3万9060円を高値に下へのバイアスが強まり、現物の寄り付き時には3万9000円を割り込んだ。いったんは3万8900円辺りでもみ合う場面もみられたが、中盤にかけて「海外の短期筋がショートを膨らませている」との観測が伝わるなか、ロング解消の動きが強まり、一時3万8200円まで急落。終盤にかけて下げ渋る動きから3万8400円~3万8500円辺りでの推移となった。
日経225先物は下へのバイアスが強まったことから、ヘッジ対応の動きが加速した。衆院選を控え、与党で過半数の議席獲得は微妙との見方から、政治不安を手掛かりにショートが膨らんだとみられている。これにより、25日移動平均線(3万8390円)を下回り、75日線(3万8100円)に接近する形となった。売り一巡後は25日線を上回っての推移をみせており、同線での底堅さがみられるかが注目されそうだ。
米国市場の流れを受けて、朝方はアドバンテスト <6857.T> [東証P]やディスコ <6146.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など半導体株が買われる場面もみられたが、中盤にかけて売られた。東証プライム市場の値下がり数が9割を超えているなか、押し目待ち狙いのロングは手控えられそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.50倍に低下した。14.55倍と上昇して始まり、一時14.58倍まで上げる場面もみられた。ただし、値がさハイテク株の一角が中盤辺りから売られるなか、上値は抑えられた。もっとも、TOPIX型も幅広く売られており、スプレッド狙いのトレードは限られよう。
本日の欧州市場では、手掛かりとなりそうな経済指標の発表や要人発言は予定されていない。一方でNY市場では、国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会が開催中(26日まで)であるほか、多数の要人発言が予定されている。欧州時間は手掛かり材料難のなか、昨日ユーロドルの重しとなった米10年債利回りに注目することになるか。
16日にデイリー米サンフランシスコ連銀総裁が「年内に1回か2回の利下げが実施される可能性が高い」などと発言し、年内2回での連続利下げ観測がやや後退している。また、昨日は「米大統領選挙が近づく中、トランプ前大統領の勝利と米政府の財政拡張に対する懸念が金利上昇を誘った」との声も聞かれた。本日のアジア市場で時間外の米10年債利回りが4.2%台に上昇しており、この流れが欧州市場でも続くようならば、ユーロドルは下値を試しやすいと見る。
日足チャート上では、ユーロドルは1.08ドルの心理的節目がサポートとなっているが、割り込むと下値模索の動きが再開する可能性がある。8月1日安値1.0778ドルも割り込んでしまうと、6月26日安値1.0666ドルまで主だった目標値が見当たらない。1.0750ドルといった心理的節目が機能するか注目したい。仮に値を上げたとしても、前週後半から昨日にかけて上伸を阻んだ200日線1.0871ドルが強力な抵抗となりそうだ。
一方、NY勢の参入後には複数の要人発言が予定されている。その中でも22時25分のベイリー英中銀(BOE)総裁講演や28時15分のラガルドECB総裁やパネッタ伊中銀総裁の講演などは注目が集まりやすいと見る。
冒頭で触れたが、国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会が米ワシントンD.C.で開かれており、本日の現地時間9時(日本時間22時)に最新の世界経済見通しが発表される予定となっている。こちらも確認しておきたい。前回4月時点では、ユーロ圏の経済成長率(GDP)予測は2024年が+0.8%、2025年は+1.5%であった。
想定レンジ上限
ユーロドル:200日線1.0871ドル。
想定レンジ下限
ユーロドル:8月1日安値1.0778ドル。割り込むと心理的節目の1.0750ドル
(22日15時時点)
ドル円:1ドル=150.84円(前営業日NY終値比横ばい)
ユーロ円:1ユーロ=163.20円(△0.07円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0819ドル(▲0.0004ドル)
日経平均株価:38411.96円(前営業日比▲542.64円)
東証株価指数(TOPIX):2651.47(▲28.44)
債券先物12月物:143.66円(▲0.32円)
新発10年物国債利回り:0.980%(△0.025%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は方向感がない。昨日に上昇した反動から売りが先行すると一時150.50円まで下押しした。ただ、時間外の米10年債利回りが4.21%台まで上昇すると買いが優勢に。昨日高値の150.89円を上抜けて151.10円と7月31日以来の高値を付けた。一方、久しぶりの151円台とあって一巡後は利食い売りが持ち込まれ150.70円台まで反落している。
・ユーロ円も方向感が定まらない。午前に162.83円まで下げた後は163.48円まで反発し、その後は163円台前半まで押し戻されるなど、総じてドル円につれた動きとなった。
・ユーロドルは小幅高。昨日の海外市場で売られた反動からショートカバーが入り1.0824ドルまで上げたが、調整の域を出ていない。
・日経平均株価は続落。日米政局に対する先行き不透明感などから海外勢による先物への売りが集中した。指数は一時下げ幅を700円超安まで広げる場面も見られた。午後には下げ渋ったものの戻りは鈍かった。
・債券先物相場は反落。前日の米国債相場が下落した影響を受けて売りが優勢に。時間外でも米国債が売られたため日本国債は一段安となり、一時143.57円まで下落した。
韓国政府は北朝鮮がロシアに約12000人の兵士を派遣する決定を受け、両国の軍事協力に対して「段階的措置」を取ると警告している。国家安全保障会議は、この動きが国連安保理決議違反であり、重大な安全保障上の脅威だと指摘。北朝鮮軍の即時撤退を求めるとともに、違法な軍事協力が続く場合、国際社会と協力して断固対応すると表明した。韓国は、ウクライナへの武器供与も検討する可能性を示唆している。
中国当局が融資に適した不動産開発プロジェクトを列挙した「ホワイトリスト」について、銀行が審査を終えた融資が16日時点で2兆2300億元となっていることがわかった。『香港01』が22日、中国本土メディアを引用して伝えた。
中国の国務院新聞弁公室が17日に開いた記者会見で、住宅都市農村建設部の倪虹部長は「ホワイトリスト」向けの融資規模を年内に4兆元に引き上げる方針を明らかにしていた。16日時点での融資総額を差し引くと、残り2カ月余りで1兆7700億元の融資を実行する必要がある。
銀行は融資を急いでおり、行員が残業して融資の審査作業に当たっているもよう。
中国外務省の報道官は22日、インドとの国境紛争解決に向けて合意に達し、解決策の実施に取り組むと発表した。両国は外交・軍事チャンネルを通じて緊密に連絡を取り合っているとのこと。この進展は長年続いてきた両国間の緊張緩和に向けた重要な一歩となる可能性がある。
BNPパリバ証券では、衆院選を巡る不透明感が一段と高まっていると指摘。大きく分けて、(1)自民党が議席をかなり落としつつも、自公で過半数を維持する、(2)自公で過半数割れとなるが、一部野党の協力を得て、自民党中心の政権が続く、(3)自公が過半数割れし、立憲民主党を中心とした政権に交代する―という3つのシナリオが想定されるとしている。また、現時点で蓋然性を付与するとすれば、(1)、(2)のシナリオが45%程度、残りの10%程度が政権交代シナリオとしている。(2)のシナリオでも、自民の議席が大きく減る場合は、選挙結果の責任を取る形で石破首相が早くも辞任することになる可能性も考えられるとコメントしている。
「米国民は2度トランプ氏を大統領に選ぶ。
一度目の2017年は喜劇として、二度目の2025年は悲劇として」
1938年、チェンバレン第60代英首相は、ナチス・ヒトラーによるチェコスロバキア侵攻に対して「遠く離れた国での争い」と黙認し、ヒトラーはズデーテンを併合し、第2次世界大戦が勃発した。
2014年、オバマ第44代米大統領は、プーチン露大統領によるクリミア侵攻を黙認し、プーチン露大統領はクリミアを併合し、ウクライナに侵攻し始めたことで、第三次世界大戦への危機が高まりつつある。
1. チェンバレン英首相の宥和政策
1938年9月29日に開催されたミュンヘン会議で、イギリス(チェンバレン)・フランス(ダラディエ)・ドイツ(ヒトラー)・イタリア(ムッソリーニ)の4国代表が集まった。
会議ではイギリス首相ネヴィル=チェンバレンの対独宥和政策によって枠が作られ、ヒトラーの要求通り、ズデーテン併合を認めた。
1939年9月1日、ナチス・ドイツがポーランドに侵攻し、第2次世界大戦が勃発した。
2.オバマ第44代米大統領の宥和政策
2014年3月、プーチン露大統領はウクライナ東部に侵攻して一部を占領するとともにクリミア半島をロシアに併合した。
欧米各国は、制裁に踏み切ったが、オバマ第44代米大統領による制裁は比較的穏やかな対応だった。
2022年2月、プーチン露大統領はウクライナに侵攻し、ウクライナ戦争が勃発した。
バイデン米大統領は、「それは大きな過ちだった」と批判している。
「バラクはプーチンのやることをまともに取り合おうとしなかった。プーチンにそのまま続けていいと許可を出してしまったんだ。で、私がそのいまいましい許可を取り消そうとしているわけだ!」
3.トランプ第45代米大統領とプーチン露大統領の蜜月
ワシントン・ポスト紙の著名ジャーナリスト、ボブ・ウッドワードが新著『戦争』の中で、
「トランプ前大統領は秘密裏にプーチンと対話をし、アメリカのウクライナへの軍事支援に反対していた」と暴露した。
トランプ氏は、17年1月の大統領就任以前から、ホテル経営者として、ロシアと接触していたことが知られている。
今回の暴露はトランプが「ローガン法」(米国民が連邦政府の許可なく外国の高官と通信したり、アメリカと対立する外国政府の措置や行動に影響を与える行為を禁じる法)に違反していたとの疑惑が起こっている。
トランプ氏は、大統領選に勝利すれば、ウクライナ戦争を交渉によって24時間以内に終結させると約束している。そして、ウクライナに対し、ロシアに国土を譲渡してNATO加盟を断念するよう迫るとも述べている。
プーチン露大統領も、ウクライナの占領地をロシアに併合し、ウクライナにNATO加盟を断念するように言い続けている。偶然の一致なのだろうか。
大阪12月限
日経225先物 38430 -590 (-1.51%)
TOPIX先物 2653.0 -29.5 (-1.09%)
日経225先物(12月限)は前日比590円安の3万8430円で取引を終了。寄り付きは3万9050円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9025円)にサヤ寄せする形から、小幅に上昇して始まった。ただし、寄り付き直後につけた3万9060円を高値に下へのバイアスが強まり、現物の寄り付き時には3万9000円を割り込んだ。さらに前場の中盤にかけて「海外の短期筋がショートを膨らませている」との観測が伝わるなか、ロング解消が加速し、一時3万8200円まで急落。前場終盤にかけて下げ渋り、3万8400円~3万8500円処辺での推移となったが、このレンジの動きは後場の時間帯においても続いた。
日経225先物は下へのバイアスが強まったことで、ヘッジ対応の動きが加速した。衆院選を控えて、与党による過半数の議席獲得は微妙との見方を背景に、ショートが膨らんだとみられる。これにより、25日移動平均線(3万8390円)を下回り、75日線(3万8100円)に接近する形となった。売り一巡後は25日線を上回って推移していたほか、週間形状では26週線(3万8290円)が支持線として機能する形だったため、オプション権利行使価格の3万8375円辺りで踏ん張りたいところである。
ただし、同水準を下回ってくる局面では、短期的ながらも75日線のほか、200日線が位置する3万7910円辺りをターゲットとしたショートの動きが警戒されてきそうだ。また、200日線も割り込むと、ボリンジャーバンドの-1σ(3万7460円)とのレンジに移行する可能性も意識しておきたい。
もっとも、衆院選を前に積極的なロングが手控えられるなか、政治リスクを手掛かりとしたショートを仕掛けやすい需給状況だったとみられる。衆院選通過までは関連する報道などに振られやすく、スキャルピング中心のトレードにならざるを得ないだろう。衆院選後はショック安となる可能性はあるものの、決算発表が本格化するなかで業績面に投資家の関心が向かいやすい。
米国市場の流れを受けて、朝方はアドバンテスト <6857.T> [東証P]やディスコ <6146.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など半導体株が買われる場面もみられたが、前場中盤にかけて売られた。その後、ディスコは後場に入り強含む場面もみられたが、プラス圏をキープできなかった。本日は値がさハイテク株のほか、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]が1社で日経平均株価を約150円下押しており、日経平均型のショートの影響が大きかった。
なお、NT倍率は先物中心限月で14.48倍に低下した。14.55倍と上昇して始まり、一時14.59倍まで上げる場面もみられた。ただし、値がさハイテク株の一角が売られるなか、上値は抑えられた。もっとも、足もとでは14.45~14.60倍辺りで推移しており、14.50倍を中心とした短期的なリバランスの影響を受けているようだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万0482枚、ソシエテジェネラル証券が1万5444枚、JPモルガン証券が4021枚、サスケハナ・ホンコンが3776枚、バークレイズ証券が2570枚、SBI証券が1920枚、モルガンMUFG証券が1864枚、ゴールドマン証券が1408枚、シティグループ証券が1373枚、みずほ証券が1258枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万4879枚、ソシエテジェネラル証券が1万8414枚、バークレイズ証券が5462枚、JPモルガン証券が3576枚、サスケハナ・ホンコンが3130枚、モルガンMUFG証券が2794枚、ビーオブエー証券が1879枚、ゴールドマン証券が1736枚、シティグループ証券が1417枚、SBI証券が1337枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、中東の地政学リスクや本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒しながら、ニューヨーク株式・債券市場の動向を注視しつつ、攻防の分岐点である200日移動平均線151.36円突破に向けた強含みの展開が予想される。
11月5日の米大統領・議会選挙に向けて、トランプ候補・共和党、あるいはハリス候補・民主党のどちらが勝利した場合でも、さらなる財政刺激策を講じることが示唆されている。すなわち、大規模な財政出動によりインフレが再び加速して、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化する公算、あるいは利下げが停止される公算が大きいとの見方から、米長期債利回りが上昇し、ドルは全面高の展開となりつつある。
超党派の米シンクタンク「責任ある連邦予算委員会」は、米大統領選での両候補の公約を基に財政赤字を試算した。
共和党候補のトランプ前大統領が返り咲いた場合、2026~35年度の10年間で財政赤字が7兆5千億ドル拡大するとのことである。
25年末に期限を迎える減税策の恒久化が5兆3500億ドル、残業代への課税撤廃は2兆ドルの財政悪化が見込まれている。全ての輸入品に10%、中国に60%の関税を課す方針では、2兆7千億ドルの税収増となる。
民主党候補のハリス副大統領が勝利した場合は、年収40万ドル未満の世帯に関してはトランプ減税を延長して増税しない方針を表明しており、3兆ドルの財政悪化の要因となる。
また本日は、ハト派のハーカー米フィラデルフィア連銀総裁の発言機会が予定されており、今週末からのブラックアウト期間を控えて、11月や12月のFOMCでの利下げ幅への言及に注目しておきたい。
本日も引き続き、イスラエルとイランの軍事衝突激化に関するヘッドラインには警戒しておきたい。自宅を攻撃されたネタニヤフ・イスラエル首相が側近らと会合を開き、イランへの報復攻撃を協議した、と報じられている。
また、イラン外務省の報道官は、イスラエルがイランの原子力施設を攻撃すると脅迫していると訴える書簡を国連原子力機関(IAEA)に送付したと明らかにした。
今週末27日に投開票を迎える衆議院議員選挙では物価高対策が争点となっていることで、石破政権は、輸入物価高の要因となる円安の放置は、政権与党へのマイナスとなるため抑制に動くことが予想される。
本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性には警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、151.36円(200日移動平均線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、149.70円(日足一目均衡表・転換線)
今晩は決算発表に注目。昨日はエヌビディアが大幅高となりナスダック総合が0.27%高と4営業日続伸した一方、先週末に史上最高値を更新したダウ平均とS&P500が下落。ダウ平均はダウ平均は344.31ドル安(-0.80%)と4営業日ぶりに反落し、S&P500も0.18%安と反落した。米大統領選を控えて米10年債利回りが上昇したことや、発表が一段と本格化する第3四半期決算を控えた様子見姿勢の強まりも重しとなった。
今晩の取引では決算発表が焦点か。10月中旬からスタートした第3四半期決算発表は、これまでにS&P500採用銘柄の14%が発表を終え、そのうち70%以上の銘柄で調整後一株当たり利益が市場予想を上回った。今晩もベライゾン、フリーポート・マクモラン、フィリップモリス、GEエアロスペース、ゼネラル・モーターズ(GM)、3MなどS&P500採用の30銘柄が発表予定で、決算やガイダンスが注目される。また、先週発表された経済指標がおおむね強い結果となり、米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利下げ期待が後退しており、昨日の米10年債利回りは7月下旬以来となる4.20%付近まで上昇した。経済指標や要人発言を受けた米国債利回りの動向にも注意が必要か。
今晩の経済指標・イベントは10月リッチモンド連銀製造業総合・サービス業売上高指数、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁発言など。企業決算は寄り前にベライゾン、フリーポート・マクモラン、フィリップモリス、GEエアロスペース、GM、3M、引け後にエンフェーズ・エナジー、テキサス・インスツルメンツ、ベーカー・ヒューズなどが発表予定。
日経平均株価は大幅続落。10日連続の陰線となり、一時は200日移動平均線(38198円 10/22)まで下げ幅を拡大する場面があった。
RSI(9日)は前日の42.3%→39.9%(10/22)へ低下した。10日連続の陰線となり、10/3の上昇で開けたマドを埋め戻す格好となった。5日・10日移動平均線など短期指標の陰転で一段と戻りが鈍くなる可能性があるが、一目均衡表では基準線(38042円 同)の上昇が再開したほか、雲のネジレが発生するタイミングでもあり、10/2安値(37651円)を割り込まずに反転できるかが目先の焦点となる。基準線や10/2安値を下回ると、37000円どころまで調整が長引く可能性が高まろう。
上値メドは、10日移動平均線(39155円 同)、10/15安値(39910円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、心理的節目の38000円、10/2安値、9/12高値(36902円)9/17安値(35828円)などがある。
(22日終値:23日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=150.98円(22日15時時点比△0.14円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.09円(▲0.11円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0803ドル(▲0.0016ドル)
FTSE100種総合株価指数:8306.54(前営業日比▲11.70)
ドイツ株式指数(DAX):19421.91(▲39.28)
10年物英国債利回り:4.166%(△0.029%)
10年物独国債利回り:2.318%(△0.036%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.16%台まで低下した局面では150.61円付近まで下押ししたものの、アジア時間に付けた日通し安値150.50円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。市場では「一目均衡表雲の上限が位置する150.70円が重要なポイント」との声も聞かれた。
米10年債利回りが4.21%台まで上昇すると円売り・ドル買いがさらに強まり、一時151.20円と7月31日以来の高値を更新した。もっとも、200日移動平均線が位置する151.36円付近が戻りの目処として意識されると、上昇は一服している。
なお、国際通貨基金(IMF)はこの日公表した最新の世界経済見通し(WEO)で、2024年の世界経済の成長率予測を従来の3.2%に据え置いたものの、25年の成長率予測は3.2%に下方修正した。IMFはリセッション(景気後退)に陥ることなくインフレを抑制したと世界各国・地域の中央銀行を評価した一方、来年の世界経済の成長率予測を下方修正し、「戦争や保護貿易主義などによるリスクが高まっている」と指摘した。
・ユーロドルは頭が重かった。日本時間夕刻に一時1.0838ドルと日通し高値を付けたものの、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。センテノ・ポルトガル中銀総裁が「雇用市場が軟化すれば0.50%の利下げも可能」と述べたことなどが相場の重しになると、前日の安値1.0811ドルを下抜けて一時1.0801ドルと8月2日以来の安値を更新した。米長期金利が上昇に転じたこともユーロ売り・ドル買いを誘った。
なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は「インフレ目標が既に達成されたと結論付けることはできない」「金利は必要な限り景気抑制的な水準にとどまる」「金利引き下げのペースは未定」などと語った。
・ユーロ円はもみ合い。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。日本時間夕刻に一時163.67円と日通し高値を付けたあとは162.78円の日通し安値まで下落したものの、売りが一巡すると163.45円付近まで持ち直した。
・ロンドン株式相場は小幅ながら3日続落。前日の米株式市場でダウ平均が下落した流れを引き継ぎ、売りがやや優勢となった。ナショナルグリッドやSSEなど公共事業株が売られたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値下がりした。半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われた。
・フランクフルト株式相場は続落。米利下げ観測の後退を背景に米長期金利が上昇したことや、時間外のダウ先物の下落が投資家心理を冷やした。個別ではミュンヘン再保険(2.75%安)やボノビア(2.04%安)、ブレンターク(1.93%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
22日の日経平均は大幅続落。終値は542円安の38411円。まちまちの米国株を受けて、寄り付きは小幅安。しばらくは強弱感が交錯して、プラス圏とマイナス圏を行き来した。しかし、39000円に接近すると戻り売りに上値が抑えられたほか、序盤では買われる場面もあった半導体株の多くが下げに転じたことなどから、次第に下押し圧力が強まってきた。9時台後半から10時台前半にかけて鋭角的に下げ幅を拡大。700円超下げて38200円台に入ったところで売りは一巡した。そこから38500円近辺まで値を戻すと、後場は動意が乏しくなり、狭いレンジでのもみ合いに終始した。リスク回避ムードが強まる中、グロース250指数が2.7%安と大きめの下げとなった。
東証プライムの売買代金は概算で3兆8000億円。業種別では海運とゴム製品の2業種のみが上昇しており、鉱業が相対的に値を保った。一方、機械、建設、不動産などが大きめの下げとなった。株主優待の新設を発表したTHECOO<4255.T>が、場中は値が付かずストップ高比例配分。半面、セガ社から特許権侵害に基づく損害賠償請求を受けたことを公表したバンク・オブ・イノベーション<4393.T>がストップ安となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり135/値下がり1493。円安進行を手がかりに、トヨタ、三菱自、ブリヂストンなど自動車関連の一角が逆行高。海外海運会社の業績好調が伝わったことから、日本郵船、商船三井、川崎汽船の大手3社がそろって上昇した。日経記事を材料にセイコーエプソンが大幅上昇。自己株取得を発表したラクーンHDが急伸し、オンラインショッピングモール「Temu」と新たに連携することを発表した夢展望が、一時ストップ高となるなど値を飛ばした。
一方、ファーストリテイリングが3.2%安。三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社が前日に続いて大きく売られた。半導体株はエヌビディアの大幅高を好感できず、東京エレクトロンやアドバンテストが大幅安。米長期金利が大きく上昇したことを受けて、三菱地所や東京建物など不動産株の下げが大きくなった。金融庁が立ち入り検査に入ったことが分かったと日経新聞で報じられたIDOMが19.6%安と急落した。
本日、グロース市場に新規上場したSchooは、初値は公開価格を上回ったものの、終値は初値を下回った。
日経平均は大幅安。米国動向からは値下がり銘柄が多くなっても半導体株の上昇でカバーできそうな雰囲気もあったが、蓋を開けてみると半導体株も敬遠されて、ほぼ全面安となった。ただ、きょうはスケジュール的に買いを入れづらい日でもあった。あす23日に東京メトロが新規上場し、この日の引け後にはニデックが決算発表を予定している。そして、27日には衆議院選挙の投開票が控えている。きょうの下げに関しては、衆院選で自公での過半数確保が微妙になったとの報道が出てきたことが売り材料になったとみられているが、買いが手控えられる中で、売りだけが急がれた可能性もある。
あすプライム市場に新規上場する東京メトロ(証券コードは9023)は知名度も高く、値動きが大きく注目されることになるだろう。この銘柄だけに資金が集中してそれ以外の売買が細るリスクもあるが、大型ルーキーの登場が株式市場に新たな資金を呼びこむ展開に期待したいところだ。引け後にニデックの決算が出てくることで、木曜24日以降は、業績を確認しながら個別物色が活況になる公算が大きい。衆院選に関しては不透明要素が多いが、週後半にかけてはこれまでよりも場中の値動きがアグレッシブになってくると思われる。きょうは意外安となってしまったが、一応25日線(38442円、22日時点、22日の終値は38411円)近辺では下げ止まった。あす反転できるようなら、全体の地合いが良い方にガラッと変わったとしても不思議はない。
(22日終値)
ドル・円相場:1ドル=151.08円(前営業日比△0.24円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.17円(△0.04円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0799ドル(▲0.0016ドル)
ダウ工業株30種平均:42924.89ドル(▲6.71ドル)
ナスダック総合株価指数:18573.13(△33.12)
10年物米国債利回り:4.21%(△0.02%)
WTI原油先物11月限:1バレル=72.09ドル(△1.53ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2759.8ドル(△20.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月米リッチモンド連銀製造業景気指数
▲14 ▲21
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続伸。アジア時間に一時4.2176%前後と7月26日以来の高水準を記録した米10年債利回りが4.16%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。22時30分過ぎに一時150.61円付近まで下押しした。
ただ、アジア時間に付けた日通し安値150.50円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。市場では「一目均衡表雲の上限が位置する150.70円が重要なポイント」との声も聞かれ、徐々に下値を切り上げた。米10年債利回りが4.21%台まで上昇すると全般ドル買いが強まり、1時30分前には151.20円と7月31日以来の高値を更新した。
もっとも、200日移動平均線が位置する151.36円付近がレジスタンスとして意識されると、上昇は一服した。
・ユーロドルは続落。欧州市場序盤に一時1.0838ドルと日通し高値を付けたものの、NY市場に入ると徐々に弱含んだ。センテノ・ポルトガル中銀総裁が「雇用市場が軟化すれば0.50%の利下げも可能」と述べたことなどが相場の重しとなり、前日の安値1.0811ドルを下抜けて一時1.0793ドルと8月2日以来の安値を更新した。米長期金利が上昇に転じたこともユーロ売り・ドル買いを誘った。
なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は「インフレ目標が既に達成されたと結論付けることはできない」「金利は必要な限り景気抑制的な水準にとどまる」「金利引き下げのペースは未定」と述べたほか、ビルロワドガロー仏中銀総裁は「景気抑制策の解除が遅過ぎるとリスクが高まる可能性」などと発言。また、レーン・フィンランド中銀総裁は「利下げが迫っている。ペースと規模は後日決定」などと話した。
・ユーロ円は小幅ながら続伸。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、ユーロ円自体は方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら続落。米企業決算への期待から買いが入るとプラス圏で推移する場面もあったが、米長期金利が上昇に転じると株式の相対的な割高感が意識されて再び弱含んだ。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は5日続伸し、7月10日以来およそ3カ月半ぶりの高値で取引を終えた。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。米利下げ観測の後退を背景に売りが出た。利回りは一時4.2176%前後と7月26日以来約3カ月ぶりの高水準を付けた。
・原油先物相場は続伸。中国の利下げや資本市場支援策を好感する買いが支えになり続伸して引けた。また、ブリンケン米国務長官がイスラエルでネタニヤフ首相と会談を持ったが、具体的な和平進行となるニュースも伝わらないことで、依然として中東に対する緊迫感が拭えないことも原油先物の支えになっている。
・金先物相場は6日続伸。依然として金先物への投資意欲は強く、本日も史上最高値を更新し6日続伸して引けた。ドル買いが強まると割高感から、やや金先物に売りが入る場面もあったが下押しも限られた。米長期金利が前日と比較すると低下したことも支えになった。
22日07:56 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「今後も追加利下げが行われると予想」
「経済に合わせて政策を調整し続ける」
「利下げを停止する理由は目にしていない」
22日11:25 青木官房副長官
「足元の為替相場のコメントは控える」
「為替相場の動向はプラス面、マイナス面双方の影響ある」
22日22:26 センテノ・ポルトガル中銀総裁
「労働市場の回復力が低下している」
「ほとんどの下振れリスクは内生的なもの 」
「中立的な水準は2%か、それよりやや下 」
「中立レベルまで徐々に金利を引き下げる」
「雇用市場が軟化すれば0.50%の利下げも可能」
「インフレ目標を下回るリスクを認識」
22日22:40 クノット・オランダ中銀総裁
「金利の低下は債務負担を軽減するはず」
22日23:10 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「インフレ目標が既に達成されたと結論付けることはできない」
「インフレについては、これまでの状況に不満はない」
「インフレが予想よりも早く目標に戻ることを期待」
「我々は2025年中にインフレ目標を持続的に達成できると絶対的に自信があるが、いつ達成できるかは不明だ」
「金利は必要な限り景気抑制的な水準にとどまる」
「金利が向かっている方向は明らか」
「金利引き下げのペースは未定」
22日23:19 グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「利下げについては段階的なアプローチを支持する」
「英国の成長に対するリスクは双方向」
「英CPIの最近の低下は不安定な要素によって引き起こされている可能性があるため、あまり重視しない」
22日23:29 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「金利引き下げは適切」
「インフレは予想よりも早く低下する可能性がある」
「ディスインフレは予想より早い」
23日02:41 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「ECBは2025年序盤にも2%のインフレ目標を達成できる」
「景気抑制策の解除が遅過ぎるとリスクが高まる可能性」
「成長とインフレに対する重大な下振れリスクがある」
23日03:48 レーン・フィンランド中銀総裁
「成長見通しは弱まり、デフレ圧力が高まる可能性」
「利下げが迫っている。ペースと規模は後日決定」
※時間は日本時間
国際通貨基金(IMF)はこの日公表した世界経済見通しで、2024年の世界経済の成長率予測を従来の3.2%に据え置いた。24年の米国GDP成長率予測は従来の2.6%から2.3%に引き下げた一方、25年の米GDP成長率予測は従来の1.9%から2.2%に引き上げた。
なお、日本の2024年の成長見通しは前回の0.7%から0.3%に引き下げ、日銀は緩やかな利上げ路線を維持すると予想した。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、当面の欧州株の見通しについて考察している。ECBや英BOEが利下げにより積極的な姿勢を示す中、大型経済対策による中国経済持ち直しへの期待や米ソフトランディング観測の広がりなどが、欧州株市場をサポートすると東海東京では予想。目先的には中東情勢を巡る不透明感が相場の上値を押さえそうとしながらも、この先も緩やかに最高値を更新する展開を予想している。
<国内>
特になし
<海外>
○14:00 ◎ 9月シンガポール消費者物価指数(CPI、予想:前年比1.9%)
○17:00 ◎ 9月南アフリカCPI(予想:前月比0.1%/前年比3.8%)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:00 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○22:00 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、あいさつ
○22:45 ☆ カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:3.75%に引き下げ)
○23:00 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○23:00 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○23:00 ◎ 10月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲12.5)
○23:00 ◎ 9月米中古住宅販売件数(予想:前月比横ばい/年率換算386万件)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○24日00:30 ◎ チポローネECB専務理事、講演
○24日01:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○24日02:00 ◎ オア・ニュージーランド準備銀行(RBNZ)総裁、講演
○24日02:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○24日03:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○24日03:15 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演
○24日03:45 ◎ ベイリーBOE総裁、講演
○24日04:00 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン、24日まで)
○BRICS首脳会議(ロシア・カザン、24日まで)
○国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(ワシントン、26日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
22日のニューヨーク外国為替市場で、ドル円は続伸。米10年債利回りが4.16%台まで低下すると150.61円付近まで下押すも、アジア時間に付けた日通し安値150.50円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。米10年債利回りが4.21%台まで上昇すると全般ドル買いが強まり、151.20円まで上昇して7月31日以来の高値を更新した。ユーロドルはセンテノ・ポルトガル中銀総裁が「雇用市場が軟化すれば0.50%の利下げも可能」と述べたことなどが相場の重しとなり、1.0793ドルと8月2日以来の安値を更新した。
本日の東京市場では、主だった経済指標の発表や要人発言が予定されておらず、前日に続き本邦株価や時間外の米長期金利を眺めながらの展開になるか。
昨日、日銀からは9月全国消費者物価指数(CPI)の基調的なインフレ率を捕捉するための指標が公表された。刈込平均値が+1.7%(前回:+1.8%)、加重中央値は+0.8%(同:+0.7%)、最頻値は+1.4%(同:+1.3%)とまちまちの結果であった。いずれも日銀のインフレ目標2%を下回っている。植田日銀総裁が9月24日に「政策判断にあたり時間的な余裕がある」と発言したこともあり、日銀の早期利上げ期待の後退により、円は積極的には買いづらいとみる。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」を見ると、年内あと2回ある米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げはゼロもしくは1回にとどまるとの確率が約3割となっている。この点も考慮すると、足元のドル円相場は、ドル高・円安に傾きやすい地合いといえる。本日も引き続き、時間外の米長期金利が上昇する場面ではドル円に上昇圧力が掛かりやすいとみる。
テクニカル面でも、今週に入り日足の一目均衡表では三役好転の強い買いシグナルが点灯したほか、昨日は3カ月弱ぶりに200日移動平均線に迫る上伸を見せるなど、上値を試しやすい状況といえる。本日も引き続き、151.37円に位置する200日線を巡る攻防の行方に注目したい。もし同線を上抜くと、7月31日以来となる152円台も視野に入ってくるだろう。
一方、27日投開票の衆院選の争点が物価高対策となっていることもあり、本邦通貨当局による円安抑制や、口先介入には注意が必要だろう。相場は3カ月弱ぶり高値水準となる151円台に上昇しており、きっかけがあればドル売り・円買いが入りやすいことにも留意したい。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38280 -150 (-0.39%)
TOPIX先物 2645.0 -8.0 (-0.30%)
シカゴ日経平均先物 38390 -40
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
22日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が下落した一方で、ナスダックは上昇。11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利が据え置かれる可能性があるとの見方から、米長期金利が4.2%台と高水準で推移していることが重荷となった。国際通貨基金(IMF)は消費の伸びを理由に米国の2024年の成長見通しを2.8%、25年の見通しを2.2%に上方修正した。経済の悪化は回避されるとの期待がある半面、利下げペースの鈍化が意識された。
また、決算発表が本格化し、その内容が想定以上との評価もあり相場を支える形となったものの、23日にはテスラ<TSLA>の決算を控えており、相場全体へのインパクトを見越して様子見姿勢が強まった。S&P500業種別指数は食品・飲料・タバコ、ソフトウエア・サービス、銀行が上昇し、電気通信サービス、耐久消費財・アパレル、資本財が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比40円安の3万8390円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比100円高の3万8530円で始まり、直後につけた3万8600円を高値に軟化し、日中に付けた安値近辺まで下落した。売り一巡後は3万8230円~3万8420円辺りのレンジで推移し、3万8280円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、小動きで始まりそうだ。ナイトセッションで25日移動平均線(3万8470円)を上回って始まり、同線が支持線として機能するかが注目されたが、開始後早い段階で割り込んでいる。ただし、一時3万8230円まで売られる場面もみられたが、同水準では底堅さがみられ、狭いレンジでの推移となった。75日線(3万8070円)辺りが支持線として機能するとみられ、25日線処での攻防になりそうだ。
衆院選を控え、与党で過半数の議席獲得は微妙との懸念から、昨日は政治不安を手掛かりにショートが膨らんだとみられている。ロングが入りにくい需給状況のため、ショートが仕掛けやすかったほか、下へのバイアスが強まったことでヘッジ対応の動きも加わったのだろう。本日も不安定な中でリバウンドの鈍さが意識されてくるようだと、短期筋のショートが入りやすいとみておきたい。
そのため、オプション権利行使価格の3万8000円から3万8500円のレンジを想定する。25日線を上回っての推移が続くようだと、短期的にショートカバーが強まる可能性があり、3万8500円から3万8750円のレンジに移行するとみられる。
なお、21日の米VIX指数は18.20(前日は18.37)に低下した。一時19.44まで上昇する場面もみられたが、その後は25日線(18.57)を下回っての推移を継続。また、18.05まで低下し75日線(18.10)を割り込む場面もあった。不安心理の高まりを示す20.00を下回り、支持線として意識されていた75日線水準まで下げてきたことで、慎重姿勢ながらもリスク選好に向かいやすい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.48倍に低下した。14.55倍と上昇して始まり、一時14.59倍まで上げる場面もみられた。ただし、値がさハイテク株の一角が売られたほか、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]の下げが日経平均型の重荷となり、上値は抑えられた。足もとは14.45~14.60倍辺りでの推移を継続しており、14.50倍を中心とした短期的なリバランスの影響を受けたと考えられる。
日経225先物は11時30分時点、前日比100円安の3万8330円(-0.26%)前後で推移。寄り付きは3万8320円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8390円)を下回り、売りが先行して始まった。その後は前日の大幅下落に対する自律反発の動きをみせており、現物の寄り付き後ほどなくして一時3万8540円まで買われる場面もみられた。ただし、25日移動平均線(3万8470円)を超えてくると戻り待ち狙いのショートが意識され、終盤にかけて再び売り優勢の流れとなり、3万8310円まで売られた。
日経225先物は3万8540円まで買われたがリバウンド基調は強まらず、買い一巡後は寄り付き水準まで下げる場面もみられた。ただし、ナイトセッションでのレンジ内であり、トレンドが出にくい。後場も25日線近辺での攻防が意識されやすく、同線を再び上回ってくるかが注目されよう。円相場は1ドル=151円70銭台と円安に振れて推移するなか、トヨタ自動車 <7203.T> [東証P]など輸出関連株の一角が買われている。一方で、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]や値がさハイテク株が弱いため、ロングの動きは強まりにくいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.44倍に低下した。14.45倍と低下して始まり、その後は一時14.49倍と上昇に転じる場面もみられた。ただし、指数インパクトの大きい値がさ株が弱い半面、自動車株が買われるなど、相対的にTOPIX型優位の展開になった。
週明けのNY勢参入と同時に急騰した米長期金利でしたが、「何も材料がないなかでの」といった表面的な動きとは裏腹に、やはり、そこには内在する根本的変化の兆しがあったわけで、ただ、闇雲に米債券市場での投げ売りが持ち込まれただけのようにも見える動きとは別に、市場の方向性を決める大きな転換点へと進む市場センチメントの変化が生まれることになりました。
こういった市場心理の転換は、様々なきっかけがトリガーとなるものの、今回のように、大した理由もなく引き起こされることも多いわけで、そういった市場の匂いを感じてこそ、相場自身の醍醐味と言えます。
いずれにしても、米10年債利回りが200MAを上抜けてからというもの、上値を試す動きが続いていますが、本日のアジア市場でもNY時間の高値4.2136%を上抜けて一時4.2295%まで上昇。昨日、終値ベースでしっかりと一目雲を抜けて、三役好転となっているドル円も、つれる動きとなると200MAや週足の一目雲上限が位置する151.77円を上抜けて一時151.83円まで値を上げているといったところ。目先は7月25日の安値151.94円が重要な戻りの目処として意識されています。
ワシントンで開催中の、IMF及び世界銀行年次総会やG20出席のために機中にいるはずの本邦当局からの決まり文句も聞かれないなか、まさか、三村財務官が前財務官の真似をして、「飛行機の中からでも断固」などと発言しない限り、米金利動向や、目先のポジション状況を反映した市場が決める為替相場が展開されていきます。
一部通信社がECB当局者の話として報じたところによると、「金利を中立水準以下に引き下げるべきかについて議論を開始した」ようだ。
本日の欧州市場では、主だった経済指標の発表や要人発言が予定されておらず、ユーロドルは足もとで堅調に推移する米長期金利を眺めながらの展開となるか。
その米長期金利については、年内利下げ観測の後退を背景に堅調な推移となっており、これを受けたドル買いの流れがユーロドル相場の重しとなっている。
昨日はポルトガル中銀のセンテノ総裁が「雇用市場が軟化すれば0.50%の利下げも可能」などと発言したほか、タカ派とされるオーストリア中銀のホルツマン総裁からは「インフレは予想よりも早く低下する可能性がある」との発言も伝わっている。もし、ユーロ圏の金利先安観が意識されるようだと、前述のドル買いの流れと合わさってユーロドルが下値を試しやすくなる展開も想定される。
テクニカル面では、前週に200日移動平均線を割り込んだ後、戻りは同線が抵抗となって下放れとなっており、下値を試しやすい状況といえる。昨日下押しの際にサポートとして意識された8月1日安値1.0778ドルを割り込む場合、6月26日安値1.0666ドルまで目標値が見当たらない。1.0700ドルなどの心理的節目が機能するか注目したい。
なお、NY市場に入ると、10月ユーロ圏消費者信頼感・速報値の発表ほか、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁やベイリー英中銀(BOE)総裁などの発言機会が予定されている。
他方、南アフリカでは 9月消費者物価指数(CPI)が発表予定。市場予想は前月比が+0.1%、前年比は+3.8%(8月:+0.1%/+4.4%)となっている。ポイントは前年比の伸びだろう。南アフリカ準備銀行(SARB)のインフレ目標は3-6%であり、予想と同等もしくは低い伸びにとどまるようだと、次回11月のSARB金融政策発表での利下げ観測が浮上することも考えられる。通常、利下げは自国通貨売り要因であるが、南アの場合はこれまで高インフレで景気低迷が続いていたという事情がある。インフレが抑制されれば、SARBが追加利下げに踏み切る余地が生まれて国内経済にとってプラスであり、ランド買い材料になり得る点に留意したい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:200日線1.0871ドル。
・ランド円:7月16・17日高値8.78円
想定レンジ下限
・ユーロドル:心理的節目の1.0700ドル
・ランド円:日足・一目均衡表の転換線8.54円
(23日15時時点)
ドル円:1ドル=152.18円(前営業日NY終値比△1.10円)
ユーロ円:1ユーロ=164.45円(△1.28円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0806ドル(△0.0007ドル)
日経平均株価:38104.86円(前営業日比▲307.10円)
東証株価指数(TOPIX):2636.96(▲14.51)
債券先物12月物:143.70円(△0.04円)
新発10年物国債利回り:0.980%(△0.005%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は大幅高。朝方から昨日高値の151.20円を上抜けて上値を試す展開となった。本邦実需勢の買いが観測されたほか、時間外の米10年債利回りが上昇したことが支えとなった。市場では「衆院選での自民・公明与党の苦戦が予想されるなど政局不安が高まるなかで、月末の日銀金融政策決定会合で利上げは実施されづらいだろう」との思惑が浮上していることが材料視されている面もあり、一時152.34円と7月31日以来の高値を付けた。
・ユーロ円も大幅上昇。ドル円の上昇につれる形で序盤から買いが優勢に。円が独歩安となった流れに沿って一時164.57円と7月31日以来の高値を更新した。また、ポンド円は197.87円、豪ドル円は101.66円、NZドル円は91.93円まで上値を伸ばした。
・ユーロドルは小動き。一時1.0792ドルと昨日安値の1.0793ドルをわずかに下抜けたものの動きは総じて緩慢だった。
・日経平均株価は3日続落。小安く始まった後は外国為替市場での円安を受けて自動車関連株に買いが入ったためプラス圏を回復した。ただ、衆院総選挙に対する警戒感が高まるなかで一巡後は売りが優勢となり、後場には420円超安まで下げ幅を広げた。
・債券先物相場は反発。前日の夜間取引で上昇した流れを引き継いで小高くスタートしたが上値は限られた。その後は前日終値を挟んだ小動きに終始した。
ロシア軍が東ウクライナのドンバス地域で4つの町(セリドヴェ、ヒルニク、クラホヴェ、トレツク)を攻撃していると、一部通信社が伝えた。特にヒルニクでは町の中心部で戦闘が行われているとされ、他の町でも郊外で戦闘が進行中とのこと。ウクライナ軍は複数の地点でロシア軍の攻撃を撃退したと主張しているが、ロシア軍の進撃ペースは2022年3月以来最速だとされている。
インドは中国とのヒマラヤ国境でのパトロール合意後も、陸続きの国からの投資制限を維持すると発表。シタラマン財務相は「投資元を考慮せずに外国直接投資を受け入れることはできない」と述べた。2020年の国境衝突以来、インドは近隣国からの投資に対する審査を強化し、中国企業の参入を制限してきたが、中国からの輸入は56%増加し、貿易赤字は850億ドルに拡大している。この状況下での国境合意は、政治的・経済的関係改善への道を開く可能性があるが、インドは慎重な姿勢を維持している。
UBS証券では、23年11月の時点では、24年の実質GDP成長率を0.7%、25年は1.0%と予想していた。しかし、ここにきて、今年はマイナス0.2%にとどまり、2025年もほとんど上方修正できないとみている。その主因には消費の弱さを挙げている。それでも、来年以降については依然としてやや楽観的な見方を維持している。その最大の理由には賃金動向を挙げている。企業の景況感が底堅く、高い賃金上昇を維持することの重要性が広く社会で認識されていることから、3%超の賃金上昇は可能とUBSでは考えている。下振れリスクとしては、世界景気の減速、政策の誤り、家計部門の過度な慎重さ―の3点を挙げている。
「トランプ氏は、ウクライナ危機を含むあらゆる火急の問題を数日で解決すると述べている。喜ばしい話だと言うほかない」(2024年9月:プーチン露大統領)
「オクトーバー・サプライズ(October surprise)」という言葉は、1980年の大統領選でロナルド・レーガン陣営を仕切っていたウィリアム・ケーシーが使い始め、アメリカの選挙では、10月になると何かのサプライズが起きるのが常となったらしい。
在イラン米大使館に捕らわれている52人の人質の解放を、カーター陣営が発表すれば再選確実だったが、レーガン陣営がイラン政府と画策して遅らせた。
今年10月、ウォーターゲート事件を暴露してニクソン第37代米大統領を退陣に追い込んだワシントン・ポスト紙の著名ジャーナリスト、ボブ・ウッドワードは、新著『戦争』で、過去数年間、トランプ前大統領がプーチン露大統領と秘密裏に対話し、アメリカのウクライナへの軍事支援に反対していた、と明かした。
■1968年:ニクソン候補 対 ハンフリー候補
・10月31日:北ベトナムへの空爆停止 ⇒ 和平工作打破
■1972年:ニクソン候補 対 ジョンソン候補
・10月8日:北ベトナムが和平協定に合意(※偽りの上方)⇒和平合意破綻
■1980年:レーガン候補 対 カーター候補
・在イラン米大使館に捕らわれている52人の人質の解放
■1992年10月:ブッシュ(父)候補 対 クリントン候補
・ブッシュ(父):レーガン政権時の国防長官がイラン・コントラ事件で起訴された。
■2004年10月29日:ブッシュ候補 対 ゴア候補
アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディンが9.11同時多発テロへの関与を認め、共和党候補で現職のブッシュを強く非難した。
■2008年10月 オバマ候補 対 マケイン候補
9月のリーマンショックの後、マケイン候補が『CBSイブニング・ニュース』に出演
■2012年10月:オバマ候補 対 ロムニー候補
・オバマ候補:大型ハリケーン「サンディ」が来襲により、遊説を中止して、被害地域に足を運んだ。
・ロムニー候補:支持者の前で「国民の47%は政府のすねかじりだ」と語った
■2016年10月28日:トランプ候補 対 クリントン候補
・クリントン候補:FBI長官ジェームズ・コミーが議会に宛てた書簡で、国務長官時代のクリントンが私的なサーバーを使っていた疑惑の捜査に「関連すると思われるメールの存在」を明らかにした。
・トランプ候補:「アクセス・ハリウッド」ビデオ
■2020年10月:バイデン候補 対 トランプ候補
・10月2日:トランプと妻メラニアの新型コロナウイルス感染
■2024年10月:ハリス候補 対 トランプ候補
・ハリス候補:パレスチナ自治区ガザの戦争停戦、ウクライナが軍事的勝利
・トランプ候補:イスラエルによるイラン核施設への攻撃
ブラジル中央銀行(BCB)のアナリストは、2024年末のインフレ予測を4.50%に引き上げ、BCBの目標上限に達した。この上方修正は干ばつの影響とレアルの下落が主な要因。9月のIPCAインフレ率は0.44%上昇し、電気料金と食品価格の上昇が影響した。
財政の不確実性もインフレ期待を不安定にしており、政府は2024年のゼロ赤字目標達成を目指しているが、その信頼性に疑問が投げかけられている。また、次期BCB総裁ガリポロ氏の金融政策運営に対する不確実性も、わずかながらインフレ期待に影響を与えている。
これらの要因により、BCBは11月6日の次回会合で政策金利を0.50%引き上げ11.25%にする可能性が高まっている。インフレ期待の上昇と供給ショック、財政政策の不確実性が、より引き締め的な姿勢を促すことが想定される。
大阪12月限
日経225先物 38070 -360 (-0.93%)
TOPIX先物 2636.5 -16.5 (-0.62%)
日経225先物(12月限)は前日比360円安の3万8070円で取引を終了。寄り付きは3万8320円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8390円)を下回り、売りが先行して始まった。その後は前日の大幅下落に対する自律反発の動きをみせ、現物の寄り付き後ほどなくして3万8540円まで買われる場面もみられた。ただし、25日移動平均線(3万8470円)を超えてくると戻り待ち狙いのショートが意識され、前場終盤にかけて再び売り優勢の流れとなった。
ランチタイムで3万8250円辺りまで売られると、後場の取引開始後には下へのバイアスが強まり、一時3万7990円と節目の3万8000円を割り込む場面もあった。売り一巡後は後場中盤にかけて3万8200円まで下げ幅を縮めたがショートカバーの動きは限られ、終盤にかけては3万8100円を挟んで保ち合いが続いた。
日経225先物は朝方に一時3万8540円まで買われたものの、リバウンド基調は強まらず、前場はナイトセッションで付けたレンジ内での推移だった。後場も25日線近辺での攻防が意識されていたが、衆院選での与党の過半数割れの可能性も警戒されて、ランチタイムでショートが膨らんだ。現物の後場開始後は、日経平均型のインデックス売りが加わる形で、下へのバイアスが強まった形だろう。
政治リスクを嫌って押し目狙いのロングは手控えられており、ショートサイドには仕掛けやすい需給状況である。また、取引終了後に2025年3月期第2四半期(4-9月)決算を発表したニデック <6594.T> [東証P]は、営業利益がコンセンサスを上回ったものの、純利益は予想を下回ったとして、私設取引システム(PTS)で売られている。米預託証券(ADR)の動向を見極める必要はあるが、売り優勢の流れになるようだとセンチメントを冷ますことで、よりショートを仕掛けやすくなりそうだ。
日経225先物は本日の下げで一時75日線を割り込み、200日線に接近してきた。200日線を明確に割り込むと、13週線が位置する3万7710円や52週線の3万6980円処が意識されてくる可能性がある。ただし、ロング解消の動きは進み、足もとの需給はショートに傾いていると考えられる。政治リスクを嫌ったヘッジファンドなどのショートが膨らむ可能性はあるが、ロングのタイミングを探る展開を想定しておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.43倍に低下した。水準を切り下げる格好で始まったものの、その後は一時14.49倍と上昇に転じる場面もみられた。ただし、指数インパクトの大きい値がさ株が弱い半面、自動車株が買われるなど、相対的にTOPIX型優位の展開になった。支持線として意識される25日線が14.40倍辺りに位置しており、これを下回ってくると、目先的にはNTショートによるスプレッド狙いの動きが入りやすくなりそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万5604枚、ソシエテジェネラル証券が1万1509枚、サスケハナ・ホンコンが3194枚、バークレイズ証券が2685枚、大和証券が1958枚、JPモルガン証券が1705枚、SBI証券が1604枚、auカブコム証券が1318枚、ゴールドマン証券が1118枚、野村証券が1020枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万2268枚、ソシエテジェネラル証券が1万6081枚、バークレイズ証券が4493枚、シティグループ証券が4063枚、JPモルガン証券が2886枚、サスケハナ・ホンコンが2696枚、モルガンMUFG証券が2417枚、ゴールドマン証券が1328枚、SBI証券が981枚、ビーオブエー証券が636枚だった。
ドル高の流れが続くなか、ドル円は欧州タイムに入っても買いが継続し152.70円台まで7月31日以来の高値を更新した。
最近、米経済指標の良好な結果を受けて米景気のソフトランディング(軟着陸)期待が高まり、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げペースが緩やかになるとの見方が広がっている。また、米大統領選が近づくなかで、景気刺激に前向きなトランプ前大統領が優勢との見方も米長期金利上昇・ドル高の手がかりとなっている。ドル高地合いが続くなか、ドル円はNYタイムでも底堅い動きが続きそうだ。今晩に予定されている米経済指標は9月中古住宅販売件数程度で、引き続き米長期金利の動向が手がかりとなる。
全般ドル高に傾いているなかで、円の対ドルでの下落が目立っている。市場で「衆院選での自民・公明与党の苦戦が予想され政局不安が高まるなかで、日銀が利上げに踏み切りづらい」との見方が強いこともドル高・円安を後押ししているようだが、これは織り込んでいる部分も大きく、この後も円売りを後押しする材料にはなりにくい。日本株は衆院選後の政局不安への警戒で売りに押される動きとなっているが、これから円もリスクオフの買いが入る可能性がある。ドル円は底堅さを維持しつつも上値を試す動きに一服感が出ると見込んでいる。
本日は国際通貨基金(IMF)イベントで植田日銀総裁の講演が予定されており、同総裁の発言内容に注目。同総裁は9月下旬にこれまでの一方的な円安が修正されてきたと述べ、「政策判断にあたり時間的な余裕がある」の見解を示したが、この1カ月でドル円は10円以上上昇している。
・想定レンジ上限
ドル円、節目の153.00円や7月31日の高値153.88円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、200日移動平均線151.38円や本日これまでの安値151.03円が下値めど。
今晩は決算発表や金利動向に注目。昨日はナスダック総合が0.18%高と5日続伸したものの、ダウ平均が6.71ドル安(-0.02%)、S&P500が0.05%安と小幅ながら2日続落した。米大統領選を2週間後に控える中、米10年債利回りが一時4.22%と3カ月ぶりの高水準となったことが重しとなったほか、決算発表も強弱まちまちだった。引け後の動きでは食中毒により1人が死亡、10人が入院したと米疾病対策センター(CDC)が発表したマクドナルドが時間外で6%近く下落した。
今晩の取引では決算発表や米10年債利回りをにらんだ展開か。決算発表はボーイング、AT&TなどS&P500採用の35銘柄が発表予定で、決算やガイダンスに注目が集まる。9月米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の大幅利下げが実施されたものの、米国経済のソフトランディング見通しや大統領選後の財政悪化懸念などで米10年債利回りは7月下旬以来の4.2%台まで上昇した。今晩は中古住宅販売件数などの発表もあり、経済指標を受けた米10年債利回りの動向にも要注目となる。
今晩の経済指標・イベントはMBA住宅ローン申請指数、9月中古住宅販売件数、EIA週間原油在庫、米20年債入札、米地区連銀経済報告(ベージュブック)など。企業決算は寄り前にボーイング、AT&T、コカ・コーラ、引け後にIBM、テスラなどが発表予定。
日経平均株価は続落。後場にかけて失速する展開となり、200日移動平均線(38220円 10/23)を下回って終えた。
RSI(9日)は前日の39.9%→27.2%(10/23)へ低下。11日連続の陰線となり、一目均衡表では基準線(38042円 同)付近まで下げる格好となった。5日・10日移動平均線など短期指標の陰転で一段と戻りが鈍くなる可能性があるが、基準線の上昇が再開したほか、雲のネジレが発生するタイミングでもあり、10/2安値(37651円)を割り込まずに反転できるかが目先の焦点となる。基準線や10/2安値を下回ると、37000円どころまで調整が長引く可能性が高まろう。
上値メドは、10日移動平均線(39071円 同)、10/15安値(39910円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、心理的節目の38000円、10/2安値、9/12高値(36902円)9/17安値(35828円)などがある。
米財務省によると、20年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.590%、応札倍率(カバー)が2.59倍となった。
(23日終値:24日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=152.77円(23日15時時点比△0.59円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.50円(△0.05円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0768ドル(▲0.0038ドル)
FTSE100種総合株価指数:8258.64(前営業日比▲47.90)
ドイツ株式指数(DAX):19377.62(▲44.29)
10年物英国債利回り:4.200%(△0.034%)
10年物独国債利回り:2.304%(▲0.014%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月ユーロ圏消費者信頼感指数
(速報値) ▲12.5 ▲12.9
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。11月の米大統領選挙でトランプ前大統領が優勢との見方が強まる中、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.2556%前後と7月26日以来約3カ月ぶりの高水準を記録。全般ドル買いが優勢となり、21時30分前に一時153.19円と7月31日以来の高値を付けた。市場では「衆院選での自民・公明与党の苦戦が予想されるなど政局不安が高まるなかで、月末の日銀金融政策決定会合で利上げは実施されづらいだろう」との思惑が浮上し、円売りを誘った面もあった。「200日移動平均線が位置する151.38円を明確に上回っていることで、テクニカル的にも買いが入りやすい地合いだった」との声も聞かれた。
ただ、153円台では利食い売りなどが出たため、滞空時間は短かった。米長期金利の上昇が一服した影響もあり、3時過ぎには152.62円付近まで下押しした。ダウ平均が一時600ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比380円安の3万7690円まで下げたことも相場の重し。
・ユーロドルは軟調。米国での大幅利下げ観測が後退する一方、ユーロ圏では低迷する経済を支えるため、欧州中央銀行(ECB)が12月に大幅利下げを実施するとの見方が強まっており、ユーロ売り・ドル買いが優勢になった。21時30分前には一時1.0761ドルと7月3日以来の安値を更新した。「ECBが12月に0.25%の追加利下げを実施するとの予想が優勢だが、一部では0.50%の大幅利下げを予想する声が出始めている」もよう。その後の戻りも1.0786ドル付近にとどまった。
・ユーロ円は小高い。東京市場からの円売りの流れが継続し、23時30分前に一時165.02円と7月31日以来の高値を付けたものの、買い一巡後は伸び悩んだ。ドル円の上げ幅縮小や日米株価指数の下落が相場の重しとなり、3時過ぎには164.36円付近まで下押しした。
なお、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席のためワシントンを訪れている加藤財務相は円相場についてコメントしなかった。
・ロンドン株式相場は4日続落。米長期金利の先高観や米国株相場の下落などが投資家心理の重しとなり、売りが優勢となった。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値下がりした。BPやシェルなどエネルギー株も軟調だった。
・フランクフルト株式相場は3日続落。米欧の長期金利上昇や、本日の米国株相場の下落が投資家心理を冷やした。個別ではザランド(2.64%安)やドイツ証券取引所(1.98%安)、メルク(1.98%安)などの下げが目立った。半面、インフィニオン・テクノロジーズ(2.27%高)などは買われた。
・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。
23日の日経平均は大幅に3日続落。終値は307円安の38104円。まちまちの米国株を受けて小安く始まると、しばらくはプラス圏とマイナス圏を行き来して方向感が定まらなかった。しかし、10時台後半辺りから買い手の握力が弱くなり、前引けは3桁の下落。後場に入ると買い手不在の様相が強まり、売りに勢いがついた。13時近辺では下げ幅を400円超に広げて、節目の38000円を割り込んだ。ここで売りには一巡感が出てきたが、幅広い銘柄が下落する中で戻りは限られ、その後は引けまで低空飛行が続いた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆5100億円。業種別では輸送用機器、食料品、不動産などが上昇した一方、サービス、海運、銀行などが下落した。「スーパードライ」など飲料の価格改定(値上げ)を実施すると発表したアサヒグループホールディングス<2502.T>が大幅上昇。同業のキリンホールディングス<2503.T>も連れ高した。半面、主力大型株の多くが弱く、ディスコ<6146.T>が4%を超える下落となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり260/値下がり1351。一段の円安進行や決算を受けた米GMの急伸などを好感して、トヨタやホンダなど自動車株が大幅上昇。スズキにEV向け駆動装置を供給するとの観測が報じられたアイシンが買いを集めた。米長期金利は一段と上昇したが、三菱地所や野村不動産など不動産株には上昇銘柄が多かった。エフィッシモの大株主浮上が判明したコニカミノルタや、1Qが大幅増益となったブックオフが急騰した。
一方、三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社が大幅安。リクルートやメルカリなどグロース系の銘柄に厳しい下げとなるものが散見された。米長期金利の上昇を受けても、三菱UFJや三井住友など銀行株が全般軟調。川崎汽船など前日買われた海運株が、きょうは一転売りに押された。上期の決算が市場の期待に届かなかったコメリが5%を超える下落となった。
本日、プライム市場に上場した東京メトロは、公開価格1200円に対して買い気配スタートとなり、10時06分に公開価格比35.8%高となる1630円で初値をつけた。寄った後も上げ幅を広げ、終値は1739円。商いも盛り上がり、全市場の売買代金ランキングで断トツのトップとなった。
日経平均は大幅安。東京メトロが好スタートを切ったこともあって、指数はしばらく値を保っていた。しかし、10時台半ば辺りから雲行きが怪しくなり、後場に入ると大きく崩れた。プライムの売買代金(概算)は22日が3.8兆円で、きょう23日が3.5兆円。メトロが大商いとなる中で全体の売買代金は前日よりも減少している。メトロに主役を奪われた主力株の多くが弱く、これでは日本株の上昇は期待しづらい。
今週27日に投開票が行われる衆院選に関しては、自民党+公明党でも過半数を獲得できるか微妙といった旨の報道がいくつか出てきている。両党で過半数を獲得できなくても政権交代になるとは限らないが、自民党が票を大きく減らした場合、党内で石破首相の求心力がなくなり、政策が前に進まないリスクがある。自公の挽回を伝えるようなニュースが出てこないと、あす以降も急落に対する警戒が拭いきれない。
ただし、投開票前に自公過半数割れのシナリオを織り込みに行くのであれば、直前の金曜後場、もしくは週明けの月曜朝には逆回転の動きが出てくる可能性がある。あすはまだ売り圧力が強そうだが、52週線(37331円、22日時点)辺りまで深押しするような場面があるなら、そこでは打診買いを検討したい。
(23日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.76円(前営業日比△1.68円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.69円(△1.52円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0782ドル(▲0.0017ドル)
ダウ工業株30種平均:42514.95ドル(▲409.94ドル)
ナスダック総合株価指数:18276.66(▲296.47)
10年物米国債利回り:4.24%(△0.03%)
WTI原油先物12月限:1バレル=70.77ドル(▲0.97ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2729.4ドル(▲30.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲6.7% ▲17.0%
9月米中古住宅販売件数
(前月比) ▲1.0% ▲2.0%・改
(年率換算件数)384万件 388万件・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日続伸。米利下げ観測の後退を背景に米長期金利が上昇すると全般ドル買いが先行。21時30分前に一時153.19円と7月31日以来の高値を更新した。「衆院選での自民・公明与党の苦戦が予想されるなど政局不安が高まる中で、月末の日銀金融政策決定会合で利上げは実施されづらいだろう」との思惑が浮上し、円売りを誘った面もあった。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.2556%前後と7月26日以来約3カ月ぶりの高水準を記録。11月の米大統領選挙でトランプ前大統領が優勢との見方が強まる中、米金利の上昇が続いた。
もっとも、153円台では利食い売りなどが出たため、滞空時間は短かった。ダウ平均が一時600ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比430円安の3万7640円まで下げたことが相場の重しとなり、3時30分前には152.48円付近まで下押しした。
・ユーロドルは小幅ながら3日続落。米利下げ観測が後退する一方、ユーロ圏では低迷する経済を支えるため、欧州中央銀行(ECB)が12月に大幅利下げを実施するとの見方が強まっており、ユーロ売り・ドル買いが優勢になった。21時30分前には一時1.0761ドルと7月3日以来の安値を更新した。
ただ、米長期金利の上昇が一服すると下げ渋った。引けにかけては1.0787ドル付近まで下げ幅を縮める場面があった。
なお、米連邦準備理事会(FRB)はこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で「米経済活動はほぼ全ての地区で前回から横ばいとなった」と総括。2地区が「緩やかな成長」と報告し、「ほとんどの地区では製造活動が縮小した」と指摘した。
・ユーロ円は3日続伸。東京市場からの円売りの流れが継続し、23時30分前に一時165.02円と7月31日以来の高値を付けたが、買い一巡後は伸び悩んだ。ドル円の上げ幅縮小や日米株価指数の下落が相場の重しとなり、3時30分前に164.30円付近まで上値を切り下げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落。米長期金利が上昇し、株式の相対的な割高感が意識されたことが相場の重しとなり、指数は一時600ドル超下落した。マクドナルドやアップル、コカ・コーラ、ボーイングなど、個別の材料をきっかけに大きく売られた銘柄が目立った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6日ぶりに反落。足もとで相場上昇が続いたあとだけに利益確定目的の売りが優勢となった。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。米利下げ観測の後退を背景に売りが優勢となった。11月の米大統領選挙でトランプ前大統領が優勢との見方も相場の重しとなり、利回りは一時4.2556%前後と7月26日以来約3カ月ぶりの高水準を付けた。
・原油先物相場は3日ぶりに反落。ドルが全面高になると、ドルで取引される原油先物は割高感から軟調な動きを見せた。一時中東情勢などの緊迫化などもあり買い戻しが入る場面もあったが、米エネルギー省(EIA)が発表した週間石油在庫で原油とガソリンがともに積み増し幅が市場予想を大きく上回ると、供給過剰懸念が浮上し再び売りに押され3日ぶりに反落して引けた。
・金先物相場は7日ぶりに反落。米選挙などの大きなイベントを控え、安全資産とされる金先物価格は連日高値を更新していたが7日ぶりに反落して引けた。米長期債利回りが上昇したことや、ドルが全面高になったことで、ドルで取引される金先物が割高感になったことが重し。
23日15:42 ブリンケン米国務長官
「イスラエルがイランによる1日の攻撃に対し、さらなる緊張激化を招かない方法で対応することが重要」
「ガザの統治と安全保障に関する明確な理解を得るために米国は取り組んでいる」
「米国はイスラエルによるガザの再占領を完全に拒否」
「残された2つの課題は、人質を帰還させることと戦争を終結させること」
23日20:54 クノット・オランダ中銀総裁
「より大幅な利下げには大きな経済悪化が必要」
「賃金上昇率の最大の鈍化はまだ先」
「2025年にインフレ率が2%に到達することにかなり自信」
23日21:10 センテノ・ポルトガル中銀総裁
「成長とインフレに関しては、下振れリスクが優勢」
「労働市場に関して懸念すべき初期の兆候」
「0.50%の利下げも選択肢として検討されており、データが利下げ幅を決定」
「経済成長に対する下振れリスクが蓄積」
23日21:17 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「現在のデータは12月の0.50%利下げを正当化しない」
「一部では12月の大幅な利下げを主張する可能性が高いと主張」
「市場が織り込んでいる利下げは踏み込み過ぎとの公算大」
「欧州のソフトランディングは保証されていると見る」
23日22:51 カナダ銀行(BOC、カナダ中央銀行)声明
「理事会は政策金利を0.50%引き下げ、バランスシート正常化政策を継続」
「世界経済は今後2年間、約3%のペースで拡大すると引き続き予想」
「米国の成長は以前の予測よりも力強くなると予想するものの、中国の見通しは依然として低調」
「先進国のインフレはここ数カ月で低下し、現在は中銀の目標付近にある」
「世界の金融状況は 7月以降緩和しているが、これは一部には政策金利の低下に対する市場の期待によるものである」
「カナダの今年上半期の経済成長率は約2%で、下半期は1.75%の成長を見込む」
「労働市場は依然として軟調で、9月失業率は6.5%だった」
「賃金の伸びは生産性の伸びに比べて高いまま」
「全体として、経済は供給過剰状態が続いている」
「GDP成長率は、低金利に支えられ、徐々に強まると予測」
「CPIインフレ率は、6月の2.7%から9月の1.6%へと大幅に低下した」
「住宅のインフレ率は依然として高いものの、緩和し始めている」
「世界的な原油価格の下落により、ガソリン価格が下落した」
「コアインフレ率の指標は現在2.5%未満」
「インフレ圧力はもはや広範囲に及ばないため、企業と消費者のインフレ期待はほぼ正常化している」
「インフレ率は予測した期間を通じて目標に近い水準を維持し、インフレ率の上昇圧力と低下圧力がほぼ均衡すると予想」
「インフレ率が現在2%の目標付近に戻ったため、理事会は経済成長を支援し、インフレ率を 1%から3%の範囲の中央付近に維持するため、政策金利を0.50%引き下げることを決定」
「経済が最新の予測とほぼ一致するよう推移すれば、政策金利をさらに引き下げる予定」
「ただし、政策金利のさらなる引き下げの時期とペースは、今後得られる情報と、それがインフレ見通しに与える影響に関する評価によって決まる」
「BOCは1回の会合ごとに決定を下す」
「インフレ率を2%の目標に近づけることで、国民の物価安定を維持することに尽力する」
23日23:16 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「インフレの進展に非常に満足」
23日23:18 レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト
「最近のデータの中には、成長予測に関して疑問を投げかけるものもある」
「経済が劇的に弱体化することは避けたい」
「ディスインフレが軌道に乗っているとの高い確信」
※時間は日本時間
2024/10/24 05:11
23日23:47 ナーゲル独連銀総裁
「ECBは2%のインフレ目標をほぼ達成できる軌道に乗っていると確信」
23日23:50 マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁
「コアインフレは予想通り緩和している」
「成長予測は大きく変わっていない」
「本日の50bpの利下げについて明確なコンセンサスが得られた」
24日00:17 加藤財務相
「G20は世界的な金融情勢を協議すると思う」
24日00:26 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「ECBが後手に回っているとは考えていない」
「物価に関しては大きな進展があった」
「12月理事会は全ての選択肢がある」
24日01:43 エスクリバ・スペイン中銀総裁
「インフレリスクは均衡を維持」
「インフレ率は2%の目標に近づいている」
「12月の金利決定は引き続き柔軟で、データに依存」
24日03:06 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
「米経済活動はほぼすべての地区で横ばい。2地区では緩やかな成長が報告された」
「ほとんどの地区では製造活動が縮小したと報告」
「住宅価格は概ね横ばい、または若干上昇した」
「港湾労働者のストライキは短期間で、一時的な混乱をわずかに引き起こしたに過ぎなかった」
「ハリケーンの被害は農作物に影響を及ぼし、南東部ではビジネス活動と観光の一時停止を引き起こした」
「不確実性が高まっているにもかかわらず、長期的な見通しについてやや楽観的だった」
「全体として、雇用はわずかに増加し、半数以上の地区がわずかまたは緩やかな拡大を報告し、残りの地区はほとんど変化がないと報告」
「多くの地区が労働者の離職率が低く、解雇は限定的であると報告」
「労働者の需要はいくらか緩和し、採用は成長よりも主に補充に重点を置いた」
「賃金は一般に、わずかまたは緩やかなペースで上昇が継続」
「複数の地区で賃金上昇のペースが鈍化」
「一部では通常よりも大きな賃金上昇が報告された」
「インフレは引き続き緩和し、ほとんどの地区でわずかにまたは緩やかに上昇したと報告」
「住宅価格は多くの地区でわずかに上昇したが、家賃は横ばいまたはわずかに下落した」
24日03:27 パネッタ伊中銀総裁
「中立金利からまだ遠い」
「インフレ目標の達成は2025年末よりかなり早い」
「経済は明らかに弱体化している」
「さらなる利下げを促す環境にいる」
24日03:59 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「英国内外では予想よりも早くデインフレが進行」
「高い貯蓄率は消費者の慎重さを反映」
24日04:10 植田日銀総裁
「インフレ率は緩やかに上昇している」
「日銀はインフレ期待を新たなレベルに引き上げたい考えだ」
「インフレ期待は変化しているが、非常に緩やか」
「トータルで適切な正常化規模を重視」
「ここ2カ月ほど、米経済の動向を懸念している」
「利下げの適切な規模を事前に特定するのは難しい」
「政策がキャリートレードに与える影響や数値化は困難」
「日銀の政策戦略を明確にすることが極めて重要」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○15:00 ◎ 日銀金融システムレポート
<海外>
○13:30 ◎ 豪準備銀行(RBA)、年次レポート公表
○15:45 ◇ 10月仏企業景況感指数(予想:98)
○16:15 ◎ 10月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:44.9)
○16:15 ◎ 10月仏サービス部門PMI速報値(予想:49.9)
○16:30 ◎ 10月独製造業PMI速報値(予想:40.8)
○16:30 ◎ 10月独サービス部門PMI速報値(予想:50.6)
○17:00 ◎ 10月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:45.3)
○17:00 ◎ 10月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:51.5)
○17:30 ◎ 10月英製造業PMI速報値(予想:51.4)
○17:30 ◎ 10月英サービス部門PMI速報値(予想:52.4)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:24.2万件/187.5万人)
○21:45 ◎ ハマック米クリーブランド連銀総裁、あいさつ
○22:00 ◎ マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○22:00 ◎ カザークス・ラトビア中銀総裁、講演
○22:45 ◎ 10月米製造業PMI速報値(予想:47.5)
○22:45 ◎ 10月米サービス部門PMI速報値(予想:55.0)
○22:45 ◎ 10月米総?⑰MI速報値(予想:53.8)
○23:00 ☆ 9月米新築住宅販売件数(予想:前月比0.6%/72.0万件)
○25日02:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○25日04:45 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン、最終日)
○BRICS首脳会議(ロシア・カザン、最終日)
○国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(ワシントン、26日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
23日のニューヨーク外国為替市場で、ドル円は3日続伸。米利下げ観測の後退や、11月の米大統領選挙でトランプ前大統領が優勢との見方が強まったことを背景に米長期金利が上昇すると、全般ドル買いが先行して7月31日以来となる153.19円まで上昇。「衆院選での自民・公明与党の苦戦が予想されるなど政局不安が高まる中で、月末の日銀金融政策決定会合で利上げは実施されづらいだろう」との思惑が浮上し、円売りを誘った面もあった。ただ、その後はダウ平均が一時600ドル超下落したことなどが重しとなって152.48円付近まで下押す場面も見られた。ユーロドルは欧州中央銀行(ECB)が12月に大幅利下げを実施するとの見方が強まったこともあり、一時1.0761ドルと7月3日以来の安値を更新した。
本日の東京市場では、主だった経済指標の発表や要人発言が予定されておらず、ドル円は引き続き米長期金利や、日経平均を眺めながらの展開となるか。
足もとでは、米利下げ観測が後退しているほか、日銀の利上げ観測も後退しており、ドル買い・円売りが進みやすい地合いではある。今週に入り、東京市場のドル円は時間外取引の米長期金利に振らされる場面が目立っており、金利が上昇はドル買い圧力となる。昨日高値153.19円を超えると、7月31日に付けた直近高値153.88円に向けた一段高も考えられる。
一方、昨日は米株主要3指数がそろって下落しており、本邦株価への影響は気になるところ。ドル円は今週に入り安値から約4円上昇して3カ月弱ぶりの高値を付けており、株安など何らかのきっかけがあれば利益確定売りが出やすい水準である点には注意が必要だろう。また、昨日は本邦要人発言からは円安けん制発言は伝わってないものの、水準を考えると、引き続き本邦通貨当局による口先介入などの円安抑制策への警戒は怠らないようにしたい。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 37840 -230 (-0.60%)
TOPIX先物 2620.5 -16.0 (-0.60%)
シカゴ日経平均先物 37850 -220
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
23日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦準備理事会(FRB)による追加利下げのペースが緩やかになるとの観測から、米長期金利の上昇が続いており、相場の重荷となった。また、米大統領選まで2週間を切り、接戦が続く選挙後の波乱を警戒した持ち高調整の動きも強まった。
主力ハイテク株を中心に売りが広がったほか、個別ではマクドナルド<MCD>が5%超の下落し、1社でNYダウを100ドルほど押し下げた。米疾病対策センター(CDC)が、同社商品が大腸菌の集団感染と関連していると発表したことが嫌気された。S&P500業種別指数は電気通信サービス、不動産、公益事業が上昇した一方で、半導体・同製造装置、消費者サービス、メディアが下落。
なお、取引終了後に四半期決算を発表したテスラ<TSLA>は、中国での販売回復を背景に3四半期ぶりに増益となった。予想を上回る決算を受け、時間外取引では9%を超える上昇をみせている。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比220円安の3万7850円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比100円高の3万8170円で始まり、直後につけた3万8200円を高値に軟化し、3万7860円まで下落した。米国市場の取引開始後に3万8040円まで下げ幅を縮めたが、プラス圏を回復できず、その後はショート優勢の需給状況のなか、3万7640円まで下落する場面もみられた。終盤にかけてはショートカバーが入り、3万7840円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。想定されていたとはいえ、ナイトセッションで200日移動平均線(3万7930円)を割り込み、ボリンジャーバンドの-1σ(3万7630円)水準まで売られた。-1σまで下げてきたことで、いったんはリバウンド狙いのスタンスに向かわせると考えられるが、戻り待ち狙いのショートが膨らみやすいだろう。早い段階で200日線を上回ることができないと、下へのバイアスが強まりそうだ。
テスラが時間外取引で大きく買われていることもあり、積極的にはショートを仕掛けにくい面はある。ただし、米国では大統領選が迫るなか、一部のファンドではトランプ前大統領の勝利に賭けたポジションを組成する動きも出てきているようだ。国内でも衆院選を前に与党の過半数割れを織り込む動きが強まっており、ショート優位の需給状況であろう。
米長期金利が上昇し、為替市場では円相場が一時1ドル=153円台に乗せている。国内では与党が過半数割れとなれば、日銀は利上げを行いづらくなるとみられている。日米金利差を狙った海外投資家の動きが注目されるものの、政治リスクを嫌う海外勢のトレードは限られそうである。
日経225先物は週間形状で13週線(3万7680円)まで下げてきた。同線を明確に下回ってくるようだと、52週線が位置する3万6970円が射程に入ってくる。ただし、テスラ効果のほか、昨夕に2025年3月期第2四半期決算を発表したニデック <6594.T> [東証P]は、米預託証券(ADR)で小幅に上昇している。ディスコ <6146.T> [東証P]同様に、アク抜けの動きをみせてくるようだと、ショートを仕掛けづらくさせそうだ。
そのため、オプション権利行使価格の3万7500円から3万8500円のレンジを想定する。200日線辺りでの攻防が続くようだと、3万7500円から3万8000円の推移とみておきたい。
なお、21日の米VIX指数は19.24(前日は18.20)に上昇した。一時18.19まで低下する場面もみられたが、75日線(18.19)が支持線として機能する形での上昇となった。ただし、NYダウは400ドルを超す下落となったものの、不安心理の高まりを示すとされる20.00を下回っている状況である。慎重姿勢ではあるが、リスク後退には向かわないだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.43倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさ株が弱い半面、自動車株が買われるなど、相対的にTOPIX型優位の展開になった。支持線として意識される25日線が14.40倍辺りに位置しており、いったんはリバランスが入りやすい水準である。反対に同線を下回ってくると、目先的にはNTショートによるスプレッド狙いが強まりやすくなりそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比80円高の3万8150円(+0.21%)前後で推移。寄り付きは3万7840円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7850円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。ただし、現物の寄り付き直後に付けた3万7730円を安値にショートカバーの動きが強まり、中盤にかけて一時3万8360円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は終盤にかけて上げ幅を縮めているが、3万8150円辺りでの底堅さが意識された。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で始まった後は、ショートカバーの動きが強まった。ナイトセッションで200日移動平均線を割り込み、ボリンジャーバンドの-1σ水準まで下げたことで、いったんはリバランスが入りやすい水準だった。また、決算の反応が注目されていたニデック <6594.T> [東証P]は、買い気配から始まったことがセンチメント改善につながり、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など他の半導体関連への買い戻しに向かわせた。
NT倍率は先物中心限月で14.49倍に上昇した。前日までの低下で支持線として意識される25日線水準まで下げていたことで、リバランスが入りやすいところだった。指数インパクトの大きい値がさハイテク株が買われるなか、相対的に日経平均型優位の展開になった。
昨日の海外市場では、ドル円はアジア時間から続く実需勢の買いや、米金利上昇に伴うショートカバー中心の相場となりましたが、下押しらしい下押しもないまま、そのまま153.19円まで2円を超える大幅高となりました。
週明けのNY市場で米10年債利回りが200MAを上抜けたことを受けて米債券の投げ売りが観測されたわけですが、翌日にはドル円が一目雲を上抜けて三役好転を確認。また、昨日はアジア時間に200MAを上抜けるといった、テクニカル的な上抜けを意識した買いが米系HFなどから持ち込まれた模様。海外勢としては、買い出動の理由付けとしては「かなり整合性のある状況」となったことから、一斉に上値を試す動きとなりました。
需給的にも、このところ東京時間になると目立っていた輸出勢の売りも一巡するなか、本邦実需の買い遅れだけが目立っており、終始ビッドが引かない状況が維持されたといったところです。
いずれにしても、ドル円はアジア時間ではNY時間の安値152.48円を下抜けたことから、「目先の調整売りが出ている」ものの、下押しも今のところ152.35円までと極めて限定的。週末の衆議院選での与党過半数割れをほぼほぼ織り込んだからか、ようやく390円安からプラス圏を回復して前場を引けた日経平均の動向を慎重に見極めつつ、再び株価の上昇を伴う円キャリーへの動きを探っていくことになるのかもしれません。
本日の欧州市場では、欧州各国から発表される購買担当者景気指数(PMI)速報値の結果に左右される展開になりそうだ。
その中で特に警戒しなくてはならないのは、欧州圏最大の経済規模となるドイツの製造業PMIだろう。市場予想は40.8と前月の40.6から小幅改善が見込まれている。とはいえ、2022年7月に好不況の分岐点となる50を割り込んでからは一度も回復していない。また、一部で次回12月の欧州中銀(ECB)理事会での0.50%利下げ観測が浮上していることもあり、予想を下回った時のほうが相場への影響があるかもしれない。ドイツの前後に発表されるフランスやユーロ圏の製造業PMIにも注目したい。
また、英国でもPMIが発表予定となっている。製造業PMIの市場予想は51.4と前月の51.5から小幅低下の見込み。とはいえ、好不況の分岐点の50は上回る見通しとなっている点がドイツをはじめとするユーロ圏と大きく異なる。もしユーロ圏と英国の景況感格差が注目されるようだと、ユーロポンドでユーロ売り・ポンド買いの流れとなることも考えられる。
そのほか引き続き、米長期金利の動向にも注意したい。金利上昇が続くようならば対ユーロや対ポンドでドルが買われやすい流れが続くことが予想される。
なお、欧州時間は主だった要人発言は予定されていないが、NY市場午前にマン英中銀金融政策委員会(MPC)委員とカザークス・ラトビア中銀総裁、午後以降にレーン欧州中央銀行(ECB)専務理事、ベイリー英中銀(BOE)総裁の発言機会が設けられている。
想定レンジ上限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の転換線1.0852ドル
・ポンドドル:日足・一目均衡表の雲下限1.2990ドル
・ユーロポンド:8日高値0.8405ポンド
想定レンジ下限
・ユーロドル:心理的節目の1.0700ドル
・ポンドドル:200日移動平均線1.2802ドル
・ユーロポンド:18日安値0.8295ポンド
(24日15時時点)
ドル円:1ドル=152.38円(前営業日NY終値比▲0.38円)
ユーロ円:1ユーロ=164.39円(▲0.30円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0788ドル(△0.0006ドル)
日経平均株価:38143.29円(前営業日比△38.43円)
東証株価指数(TOPIX):2635.57(▲1.39)
債券先物12月物:143.96円(△0.26円)
新発10年物国債利回り:0.955%(▲0.020%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
6130億円の処分超 3586億円の処分超・改
対内株式
5804億円の取得超 9726億円の取得超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。152.70円挟みのもみ合いが続いていたが、次第に利食い売りに押される展開となった。時間外の米10年債利回りが低下したほか、加藤財務相から足元の円安をけん制する発言が伝わったことも材料視され、一時152.10円まで値を下げた。
・ユーロ円は弱含み。ドル円と同様に昨日の大幅上昇に対する反動から利益確定売りが優勢に。一時164.11円まで値を下げた。
・ユーロドルは小高い。ドル円の下落や米長期金利の低下などを支えにユーロ買い・ドル売りが散見され、一時1.0794ドルまで小幅に値を上げた。
・日経平均株価は4営業日ぶりに反発。昨日の米国株安を受けて400円近く下げる場面があったが、株価指数先物への買いが入ったほか、半導体関連株への買いも重なってプラス圏を回復し200円超高まで反発した。一方、一段高とはならず、その後はもみ合いとなった。
・債券先物相場は続伸。前日に米長期金利が上昇した影響を受けて小安くスタートするも、下押しは143.65円までに留まった。時間外で米国債が買われたことを受けて143.97円まで反発した。
ハマス幹部のムーサ・アブー・マルズーク氏がモスクワでロシア外務次官と会談した。ハマスは戦後のガザ統治に向けた統一政府の交渉開始をパレスチナ自治政府のアッバス議長に促すようロシアに要請。この動きはガザ紛争後の政治プロセスにロシアの関与を求める試みと見られている。
「基調的な物価上昇率が見通しに沿って高まっていくならば、そうした動きに応じて、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことが適当と考えている」
(植田日銀総裁:2024年9月24日)
10月22日、2%の物価安定目標の実現を目指す日銀が公表した9月の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」は、7月、8月に続いて3カ月連続して2%に届かなかった。
9月の上昇品目の比率は76.1%と、8月の74.7%を上回った。下落品目は18.2%で、8月の19.9%を下回った。
1. 基調的なインフレ率を捕捉するための指標
物価動向の分析にあたっては、現実に観測される「消費者物価」の動きから、様々な一時的要因の影響を取り除いた、基調的なインフレ率(「コア指標」)が利用されている。
生鮮食品を除いた「コアCPI」や生鮮食品およびエネルギーを除いたコアコアCPIの他に、様々なコア指標を総合的にみていくことによって、基調的な物価変動をより的確に把握できると思われる。
日本銀行調査統計局では、毎月の全国消費者物価指数の公表に合わせて、上昇・下落品目比率、刈込平均値、最頻値、加重中央値を試算し、原則として、全国消費者物価指数の公表日の2営業日後の14時を目途に公表している。
2.9月の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」(※コア3指標)
■刈り込み平均値:前年比+1.7%
・3カ月連続で2%割れ(8月+1.8%、7月+1.8%、6月+2.1%、5月+2.1%、4月+1.8%、3月+2.2%、2月+2.3%、1月+2.6%)
・価格変動が大きい上下10%の品目を異常値として機械的に除き算出する
■加重中央値:前年比+0.8%
・8月から+0.1%上昇(8月+0.7%、7月+1.1%、6月+1.4%、5月+1.3%、4月+1.1%、3月+1.3%、2月+1.4%、1月+1.9%)
・価格上昇率の高い順にウエートを累積して50%付近にある価格変化率
■最頻値:前年比+1.4%
・8月から+0.1%上昇(8月+1.3%、7月+1.5%、6月+1.6%、5月+1.5%、4月+1.6%、3月+1.9%、2月+2.0%、1月+2.3%)
・品目別価格変動分布で最も頻度の高い価格変化率
3.9月の消費者物価指数(CPI)
■消費者物価指数(CPI):前年比+2.5%(8月+3.0%、7月+2.8%、6月+2.8%、5月+2.8%、4月+2.5%、3月+2.7%、2月+2.8%、1月+2.2%)
■コアCPI(生鮮食品を除く):前年比+2.4%(8月+2.8%、7月+2.7%、6月+2.6%、5月+2.5%、4月+2.2%、3月+2.6%、2月+2.8%、1月+2.0%)
■コアコアCPI(生鮮食品・エネルギーを除く):前年比+2.1%(8月+2.0%、7月+1.9%、6月+2.2%、5月+2.1%、4月+2.4%、3月+2.9%、2月+3.2%、1月+3.5%)
政府による電気・ガス代補助の再開によって、エネルギーの上昇幅が縮んだ。
エネルギーは9月に+6.0%で8月の+12.0%から伸びが縮んだ。政府は電気・ガス代の負担を軽くする補助金を23年1月使用分から実施していたが、今年5月使用分まででいったん止めていた。しかし、「酷暑乗り切り緊急支援」として24年8-10月使用分(9-11月検針分)の補助を再開したため、その効果が9月に表れた。
ドイツはトランプ前大統領が提案する関税政策による米欧貿易戦争で大きな損失を被る可能性があるとドイツ経済研究所(IW)が報告した。米国がEUに20%の関税を課し、EUが報復するシナリオではユーロ圏のGDPは2027年と2028年に1.3%減少し、ドイツでは1.5%減少すると予測されている。特に自動車や製薬業界が大きな影響を受ける見込み。さらに、ドイツの輸出は米中貿易戦争の影響で縮小し、経済成長の柱となる輸出が脅かされている。
BNPパリバ証券では、10月30~31日に開催される金融政策決定会合に関して、今回の会合でも政策金利を維持する可能性が極めて高いと考えている。ただし、足元で再び円安が進みつつあることなども踏まえると、全体として、メッセージが過度にハト派的と受け止められないよう配慮するとみている。今回の会合の焦点には、展望レポートにおけるインフレ見通しとそのリスク評価、そして総裁記者会見のトーンを挙げている。
大阪12月限
日経225先物 38160 +90 (+0.23%)
TOPIX先物 2634.5 -2.0 (-0.07%)
日経225先物(12月限)は、前日比90円高の3万8160円で取引を終了。寄り付きは3万7840円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7850円)にサヤ寄せする形で、売りが先行した。ただし、現物の寄り付き直後に付けた3万7730円を安値にショートカバーが強まり、前場中盤にかけて3万8360円まで買われる場面もあった。前場終盤にかけて3万8130円まで上げ幅を縮めたが、ランチタイムで買い直され、後場の取引開始時には3万8290円を付けている。その後、後場中盤に3万8030円と再び下落に転じる場面もみられたが、終盤にかけて買い戻されてプラス圏で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で始まった後は、ショートカバーの動きが強まった。ナイトセッションで200日移動平均線を割り込み、ボリンジャーバンドの-1σ水準まで下げたことで、いったんはリバランスが入りやすい水準だった。また、米国では取引終了後に決算を発表したテスラ<TSLA>が時間外取引で急伸。グローベックスのナスダック100指数先物がプラス圏で推移していたことも買い戻しに向かわせたようだ。
加えて、国内では決算への反応が注目されたニデック <6594.T> [東証P]が、買い気配で始まったこともセンチメントの改善につながった。寄り付き直後に下落に転じる場面もみられたが、前日終値を挟んで底堅さが意識され、後場に入り買い戻されたことで、アドバンテスト <6857.T> [東証P]や東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など他の半導体関連へ買いが波及した。
そのため、日経225先物は朝方に売られた後は、75日移動平均線(3万8030円)を上回っての推移となった。衆院選を前にリバウンド狙いのロングは入りにくいが、足もとの政治リスクを織り込む形でショートが積み上がっていたと考えられ、ショートサイドの利益確定に伴うカバーの動きが入ったとみられる。
衆院選の結果を見極めたいところであり、方向感は定まらない状況だが、75日線のほか200日線が3万7960円辺りに位置しているため、3万8000円を下回る局面では押し目狙いのロング対応に向かわせる可能性はありそうだ。また、先日のディスコ <6146.T> [東証P]に続いて、ニデックの決算反応も良好だったことで、本格化する決算に対する期待感もショートを仕掛けづらくさせよう。
なお、ボリンジャーバンドは収斂してきており、日柄的にも衆院選明け後にはトレンドが出やすいタイミングになりそうだ。オーバーウィークのポジションは考えにくく、明日もスキャルピング中心のトレードとなりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.48倍に上昇した。前日までの低下で支持線として意識される25日線水準まで下げていたことで、リバランスが入りやすいところだった。本日はアドバンテストなど指数インパクトの大きい値がさハイテク株が買われ、相対的に日経平均型優位の展開になった。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万6773枚、ソシエテジェネラル証券が1万0652枚、サスケハナ・ホンコンが3024枚、SBI証券が2286枚、バークレイズ証券が2142枚、JPモルガン証券が1908枚、モルガンMUFG証券が1516枚、ゴールドマン証券が1179枚、auカブコム証券が1009枚、ドイツ証券が774枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万2583枚、ソシエテジェネラル証券が1万5421枚、バークレイズ証券が3922枚、モルガンMUFG証券が2872枚、サスケハナ・ホンコンが2750枚、JPモルガン証券が2684枚、ゴールドマン証券が2035枚、ビーオブエー証券が1793枚、シティグループ証券が941枚、広田証券が747枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、中東の地政学リスクや本邦通貨当局のドル売り・円買い介入の可能性に警戒しながら、米新規失業保険申請件数や10月米製造業・サービス業PMI速報値などを見極めていくことになる。
米新規失業保険申請件数は24.2万件と予想されており、10月雇用統計の調査対象週の10月12日週の24.1万件からの増加が見込まれている。10月12日週の失業保険継続受給者数は187.5万人と予想されており、前週の186.7万人からの増加が見込まれている。
予想通りに雇用情勢が悪化していた場合、来週発表される10月の雇用統計への警戒感が高まることで、ドル円の上値を抑える要因となる。
米10月の雇用統計の予想は、失業率は4.1%で9月と変わらずだが、非農業部門雇用者数は、ハリケーンの影響で、前月比+13.5万人と9月の同比+25.4万人からの減少が見込まれている。
ドル円は、7月31日の植田ショックの時の高値153.88円に迫っているが、神田前財務官がボラティリティーの上昇を念頭に円買い介入の目安としていたと思われるボリンジャー・バンド+2σは154.00円に位置している。
27日の衆議院議員総選挙の前に、争点となっている物価高対策のためのドル売り・円買い介入が行われる可能性にも警戒しておきたい。
また、本日も引き続き、イスラエルとイランの軍事衝突激化に関するヘッドラインには警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、153.88円(7/31高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、151.40円(200日移動平均線)
今晩は経済指標や決算発表に注目。昨日は米10年債利回りが一時4.25%台と7月26日以来の水準まで上昇したことでセンチメントが悪化。ダウ平均が409.94ドル安(-0.96%)、S&P500が0.92%安と、ともに3日続落し、ハイテク株主体のナスダック総合も1.60%安と6日ぶりに大幅反落した。引け後の動きでは予想以上の増益決算や強い2025年見通しが好感されたテスラが時間外で12%超上昇した。
今晩の取引では引き続き米国債利回りや決算発表をにらんだ神経質な展開か。好決算を発表したテスラの大幅高か見込まれ、ハイテク株を中心に堅調相場が期待されるものの、足もとで米10年債利回りの上昇が続いており、長期金利の上昇による企業業績への悪影響や利下げ期待の後退が相場の重しとなりそうだ。新規失業保険申請件数、10月製造業・サービス業PMI速報値、9月新築住宅販売件数などの経済指標や、ユニオン・パシフィック、ケンビュー、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)、ハネウェル、サウスウェスト航空などの決算発表をにらんだ神経質な展開となりそうだ。
今晩の経済指標・イベントは新規失業保険申請件数、10月S&P グローバル製造業・サービス業PMI速報値、9月新築住宅販売件数など。企業決算は寄り前にユニオン・パシフィック、ケンビュー、UPS、ハネウェル、サウスウェスト航空 引け後にウエスタン・デジタルなどが発表予定。
日経平均株価は4日ぶりの反発。上げ下げ方向感に欠ける展開となったが、後場は38000円以上で値を保つ展開となった。
RSI(9日)は前日の27.2%→25.3%(10/24)へ低下。200日移動平均線(38243円 10/24)上を回復できなかったが、12日ぶりに陽線を形成して終えた。
一目均衡表では基準線(38042円 同)の上昇が再開するほか、雲のネジレが発生するタイミングでもあり、10/2安値(37651円)を割り込まずに反転できるかが目先の焦点となる。一方、下向きに変化している5日移動平均線(38519円 同)や10日移動平均線(38958円 同)などに上値を抑えられやすく、基準線や10/2安値を下回ると、37000円どころまで調整が長引く可能性が高まる。
上値メドは、10日移動平均線、10/15安値(39910円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、10/2安値、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
(24日終値:25日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=151.62円(24日15時時点比▲0.76円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.06円(▲0.33円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0820ドル(△0.0032ドル)
FTSE100種総合株価指数:8269.38(前営業日比△10.74)
ドイツ株式指数(DAX):19443.00(△65.38)
10年物英国債利回り:4.237%(△0.037%)
10年物独国債利回り:2.266%(▲0.038%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月仏企業景況感指数
97 98
10月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
44.5 44.6
10月仏サービス部門PMI速報値
48.3 49.6
10月独製造業PMI速報値
42.6 40.6
10月独サービス部門PMI速報値
51.4 50.6
10月ユーロ圏製造業PMI速報値
45.9 45.0
10月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
51.2 51.4
10月英製造業PMI速報値
50.3 51.5
10月英サービス部門PMI速報値
51.8 52.4
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。足もとで相場上昇が続き、前日には一時153.19円と7月31日以来の高値を更新しただけに、本日は利食い売りなどが優勢となった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.17%台まで低下したこともドル売りを促した。NYの取引時間帯に入ると、ダウ平均や日経平均先物が下落したことなどが相場の重しとなり、2時30分過ぎに一時151.55円と日通し安値を更新した。
この日発表の前週分の米新規失業保険申請件数や10月米購買担当者景気指数(PMI)速報値、9月米新築住宅販売件数が予想より強い内容だったことが分かると、米長期金利の低下幅縮小とともに152円台前半まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。
・ユーロドルは底堅い動き。10月仏製造業・サービス部門PMI速報値が予想を下回るとユーロ売り・ドル買いが先行し一時1.0771ドルと日通し安値を付けたものの、前日に付けた7月3日以来の安値1.0761ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢となった。NY市場では良好な米経済指標が相次いだものの、米長期金利が低下したためユーロ買い・ドル売りがじわりと強まり、3時前に一時1.0824ドルと日通し高値を付けた。
なお、センテノ・ポルトガル中銀総裁は「欧州中央銀行(ECB)は出遅れており、より急速な利下げを検討すべき」と述べたほか、カザークス・ラトビア中銀総裁は「政策金利に関して、あらゆる選択肢が残されている」と発言。一方、ナーゲル独連銀総裁は「性急な利下げには否定的」、ミュラー・エストニア中銀総裁は「最善の政策選択は慎重な利下げ」などと語った。
・ユーロ円は仏PMI速報値の下振れを受けて一時163.81円と日通し安値を付けたものの、そのあとは164.00円を挟んだもみ合いの展開に。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・オセアニア通貨は軟調だった。ダウ平均や日経平均先物の下落を受けてリスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に売りが出た。豪ドル米ドルは一時0.6621米ドル、NZドル米ドルは0.6002米ドル付近まで値を下げたほか、豪ドル円は100.45円、NZドル円は91.05円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は5日ぶりに小反発。足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いが入った。米長期金利の上昇一服も投資家心理を上向かせた。バークレイズやロイズ・バンキング・グループなど金融株が買われた半面、SSEやセバーン・トレントなど公共事業株が売られた。
・フランクフルト株式相場は4日ぶりに反発。主要企業の決算への期待から買いが入った。米長期金利の上昇が一服していることも投資家心理の改善につながった。個別ではポルシェ(3.07%高)やバイヤスドルフ(2.79%高)、ラインメタル(2.30%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。
24日の日経平均は4日ぶり反発。終値は38円高の38143円。米国株安を受けて300円近く下げて始まると、場中はプラス圏とマイナス圏を行き来した。安値を早い時間につけると、半導体株の多くに買いが入ったことでプラス転換。10時近辺では上げ幅を200円超に広げた。38300円台に乗せたところで上値が重くなって失速し、前引けは小幅なプラスにとどまった。後場に入ると再び下げに転じたが、節目の38000円近辺では切り返してプラス圏に浮上。終盤には上げ幅を3桁に広げるも、引け間際に萎んで小幅高で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆7100億円。業種別では電気機器、その他製品、倉庫・運輸などが上昇した一方、電気・ガス、ゴム製品、海運などが下落した。上期の営業利益が同期間の過去最高を更新したニデック<6594.T>が大幅上昇。買い気配スタートから一時下げに転じるなど値動きは荒かったが、終値では5%高となった。半面、3Q累計で営業赤字となった小野測器<6858.T>が後場に入って急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり596/値下がり980。レーザーテックやアドバンテストなど半導体株の一角が大幅高。日立、フジクラ、IHIなど今年の人気銘柄に強い動きが見られた。本日IRイベントを開催したセブン&アイが3%近い上昇。決算を材料に日本航空電子やキヤノン電子が急伸した。
一方、前日人気化した東京メトロがきょうは弱く2.1%安。傘下アームの急落を受けてソフトバンクGが売りに押された。セクターとして電力株が弱く、関西電力や北海道電力が大幅安。下方修正や減配を発表したKOAが急落した。
日経平均は大幅安スタートからプラス転換し、12営業日ぶりに陽線を形成した。それでも、スカッとした上昇にはならず、上値は重かった。プライムでは値下がり銘柄の方が多く、足元さえない動きが続いていた主力の一角が買い戻された分、下がらなかったという程度。切り返す動きが出てきたのであれば全面高で値幅を伴った上昇になってほしかったが、そうならなかったというのは、今の日本株に対する警戒感が相当強いということなのだろう。
日曜27日が衆院選投開票日で、これを前にあすは不安定な地合いが想定される。米国要因で高く始まっても、リスク回避の売りが上値を抑える可能性がある点には注意したい。ただ、各種報道と今週の下げにより、自公で過半数割れのバッドシナリオに関してもある程度織り込みは進んでいると思われる。その分、自公で過半数を確保する結果になれば週明け28日の大幅ギャップアップスタートも予想されるだけに、悲観一辺倒にはならないだろう。きょうの安値は37712円で、終値は38143円。13週線(37838円、24日時点)を割り込んだところで切り返した格好となっている。この13週線よりも上で週を終わることができるかに注目したい。
(24日終値)
ドル・円相場:1ドル=151.83円(前営業日比▲0.93円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.40円(▲0.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0828ドル(△0.0046ドル)
ダウ工業株30種平均:42374.36ドル(▲140.59ドル)
ナスダック総合株価指数:18415.49(△138.84)
10年物米国債利回り:4.21%(▲0.03%)
WTI原油先物12月限:1バレル=70.19ドル(▲0.58ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2748.9ドル(△19.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
前週分の米新規失業保険申請件数
22.7万件 24.2万件・改
10月米製造業PMI速報値
47.8 47.3
10月米サービス部門PMI速報値
55.3 55.2
10月米総?⑰MI速報値
54.3 54.0
9月米新築住宅販売件数
(前月比) 4.1% ▲2.3%・改
(件数) 73.8万件 70.9万件・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反落。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.17%台まで低下すると全般ドル売りが先行。ダウ平均や日経平均先物が下落したことなども相場の重しとなり、2時30分過ぎに一時151.55円と日通し安値を更新した。
この日発表された前週分の米新規失業保険申請件数や10月米購買担当者景気指数(PMI)速報値、9月米新築住宅販売件数が予想より強い内容となり、米長期金利が低下幅を縮小した場面では152円台前半まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。
なお、植田日銀総裁はワシントンで開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後に会見し、「円安に伴う物価情勢への分析に時間的余裕がある」「円安だけでなく、米経済も含めて全体を見る必要がある」などと発言。また、加藤財務相は「為替市場での過度な変動に注意を払う必要がある」と会合で話したことを明らかにした。
・ユーロドルは4日ぶりに反発。欧州市場序盤には一時1.0771ドルまで値を下げたものの、前日に付けた7月3日以来の安値1.0761ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢に。NY市場では良好な米経済指標が相次いだものの、米長期金利が低下したため全般ドル売りが進み、5時過ぎに一時1.0830ドルと日通し高値を更新した。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.01まで低下した。
・ユーロ円は4日ぶりに反落。ただ、NY市場に限ればもみ合いの展開が続いた。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落。決算内容が嫌気されたIBMとハネウェル・インターナショナルが大幅安となり、2銘柄でダウ平均を158ドル程度押し下げた。労働組合が新たな労働協約案を否決し、ストライキ延長が決まったボーイングも軟調だった。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反発。米長期金利が低下したことで、高PER(株価収益率)のハイテク株には買いが入った。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日ぶりに反発。足もとで相場下落が続いたあとだけに、ポジション調整目的の買いが入った。この日発表の米経済指標は良好な結果となったものの、売りは長続きしなかった。
・原油先物相場は続落。イスラエルとハマスやヒスボラに対しての戦闘に加え、トルコ軍がクルド人武装勢力が潜むイラク北部とシリアのテロリストを標的に空爆を実施するなど、中東情勢が混迷を深めていることで堅調な動きを見せる場面もあった。しかし、昨日発表された米エネルギー省(EIA)で原油の供給過剰懸念が出ていることが買いの勢いを弱め、徐々に売りが優勢になり続落して引けた。
・金先物相場は反発。連日上昇していた米長期金利が本日は低下すると、金利が付かない金先物は買いが優勢となった。NY時間午後には欧州通貨や円に対してドル売りが進んだことで、割安感も生じて反発して引けた。
24日11:05 青木官房副長官
「為替の動向を高い緊張感を持って注視」
「為替相場は安定的に推移することが重要」
「為替介入に関してはコメントを控える」
24日11:18 加藤財務相
「(円安について)足もとでは一方的な動きがみられている」
「(為替について)緊張感をさらに高めて注視していきたいと考えている」
「為替市場の動向や介入に関して具体的には言及しない」
「G20で今日は為替の議論はなかった。明日もそういった議論にならないのではないか」
25日03:25
「足もと、為替含めた金融市場はボラティリティが大きい」
「G20では為替のコミットメントを再確認した」
「為替市場での過度な変動に注意を払う必要がある」
24日14:05 バスレ・スロベニア中銀総裁
「ECBは金利を『段階的』に引き下げ続けるべき」
「インフレ目標の達成不足や中立金利を下回る水準への金利引き下げについて、今すぐに議論する必要はない」
24日14:11 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「ECBは12月に0.25%の利下げを行う可能性がある」
「0.50%の利下げはありそうにないが、不可能ではない」
「10月の予防的な利下げが、12月に休止するのに十分だったという結論に達する可能性もある」
24日17:18 センテノ・ポルトガル中銀総裁
「欧州中央銀行(ECB)は出遅れており、より急速な利下げを検討すべき」
「できるだけ早く中立的な金利水準に戻すべき」
24日21:22 カザークス・ラトビア中銀総裁
「政策金利に関して、あらゆる選択肢が残されている」
24日21:53 ナーゲル独連銀総裁
「性急な利下げには否定的」
「金融政策に予断は待っていない」
24日21:55 ハマック米クリーブランド連銀総裁
「インフレ率は鈍化しているが、インフレ目標2%には届いていない」
「緩やかに回復していくと引き続き確信」
「最善の政策選択は慎重な利下げ」
25日02:14 レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト
「最新の基調インフレ指標は1.9%から2.8%で推移し、ピーク時の3.4%から7.5%の範囲から大幅に低下した」
「サービス業のインフレ率は依然として高いが、低下すると予想」
「賃金上昇圧力は2024年第2四半期に4.5%と依然として高いが、2023年第2四半期のピークである5.6%からは低下している。」
「2025年にかけて賃金圧力がさらに緩和されることを示唆している」
「デフレーションは2025年の目標達成に向けて順調に進んでいる」
25日02:54 ウンシュ・ベルギー中銀総裁
「我々はデータに依存している」
「欧州経済は我々が考えていたよりも弱い」
「現段階で0.50%利下げについて議論する必要はない」
25日03:35 植田日銀総裁
「米経済についての楽観論が少し広がりつつある」
「時間的な余裕はある」
「円安だけでなく、米経済も含めて全体を見る必要がある」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◎ 10月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合、予想:前年比1.7%)
○08:50 ◇ 9月企業向けサービス価格指数(予想:前年比2.7%)
○14:00 ◇ 8月景気動向指数改定値
<海外>
○08:01 ◇ 10月英消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲21)
○12:30 ◎ 豪準備銀行(RBA)、年次レポート公表
○15:45 ◇ 10月仏消費者信頼感指数(予想:94)
○17:00 ◎ 10月独Ifo企業景況感指数(予想:85.6)
○19:30 ◎ ロシア中銀、政策金利発表(予想:20.00%に引き上げ)
○21:30 ◎ 8月カナダ小売売上高(予想:前月比0.5%/自動車を除く前月比0.3%)
○21:30 ◎ 9月米耐久財受注額(予想:前月比▲1.0%/輸送用機器を除く前月比▲0.1%)
○23:00 ◎ 10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:69.0)
○24:00 ◎ コリンズ米ボストン連銀総裁、講演
○国際通貨金融委員会(IMFC、ワシントン)
○国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(ワシントン、26日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38090 -70 (-0.18%)
TOPIX先物 2627.0 -7.5 (-0.28%)
シカゴ日経平均先物 38090 -70
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
24日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。主力企業の決算発表が本格化するなかで、予想を下回る決算を発表したIBM<IBM>、ハネウェル・インターナショナル<HON>の下げがNYダウを下押した。また、昨夕に予想を上回る決算を発表し前日の時間外取引で急伸したテスラ<TSLA>は21%超の上昇となったほか、同じく市場予想を上回った半導体製造装置のラムリサーチ<LRCX>が買われ、S&P500指数、ナスダック指数を牽引した。米新規失業保険申請件数は1万5000件減の22万7000件と、市場予想(24万2000件程度)を下回り、労働市場の底堅さを示した。S&P500業種別指数は自動車・同部品、銀行、小売が上昇した半面、素材、医薬品・バイオテクノロジー、資本財が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比70円安の3万8090円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比70円高の3万8230円で始まり、直後につけた3万8300円を高値に軟化し、米国市場の取引開始後には一時3万7850円まで下落した。ただし、売り一巡後は終盤にかけて買い戻されており、3万8090円と3万8000円を上回ってナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになりそうだ。ただ、米国では主要企業の決算による影響が大きく、昨夕の時間外取引で9%超の上昇となっていたテスラは2割高と急伸したほか、ラムリサーチなど半導体株の一角が買われたことから、ショートを仕掛けづらくさせそうだ。
日経225先物はナイトセッションで一時3万7850円まで売られる場面もみられたものの、その後は3万8000円を上回っての推移となった。75日移動平均線(3万8000円)、200日線(3万7960円)が支持線として意識されやすく、3万8000円を下回る局面においては、押し目狙いのロングに向かわせそうである。もっとも、来週は衆院選の結果を受けて大きく変動するリスクが高いと考えられるなか、上値追いのロングは限られるだろう。
10月15日に付けた4万0300円をピークに政治リスクを織り込む形で調整が続いており、特に今週は与党の過半数割れの可能性を警戒したショートの動きが強まっていた。持ち高調整によるロング解消のほか、ショートが積み上がっていると考えられる。そのため、結果判明を前にいったんショートポジションを圧縮する動きも入りやすいと考えられる。
ショートカバーを意識しつつも、25日線(3万8620円)を捉えてくる展開は期待しづらい。そのため、オプション権利行使価格の3万8000円を中心とした上下の権利行使価格3万7750円から3万8250円でのレンジを想定する。3万8000円での底堅さがみられる局面においては、やや25日線を意識した3万8000円から3万8500円でのレンジになろう。
なお、24日の米VIX指数は19.08(前日は19.24)に低下した。一時18.63まで低下する場面もみられ、25日線(18.72)を下回った。75日線(18.27)が支持線として機能する形ではあるが、ボトム圏での推移をみせているため、リスク選好に向かわせやすい。
NT倍率は先物中心限月で14.48倍に上昇した。前日までの低下で支持線として意識される25日線水準まで下げていたことで、リバランスが入りやすいところだった。また、アドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が買われるなか、相対的に日経平均型優位の展開になった。米国では半導体株の一角が買われていることもあり、ややNTロングに振れやすいと考えられる。
24日のニューヨーク外国為替市場で、ドル円は4営業日ぶりに反落。米10年債利回りが4.17%台まで低下すると全般ドル売りが先行。ダウ平均の下落なども相場の重しとなり、151.55円と日通し安値を更新した。この日発表された前週分の米新規失業保険申請件数などが予想より強い結果となるも、ドル買いの動きは一時的だった。ユーロドルは4日ぶりに反発。欧州市場で1.0771ドルまで下落後は買い戻しが優勢となり、米長期金利の低下も追い風となって1.0830ドルまで上昇した。
本日の東京市場では、週末の衆院選を前に、10月の全国消費者物価指数(CPI)の先行指標となる10月東京都区部CPIを確認することになるか。
市場予想はコア・前年比が+1.7%と前回9月の+2.0%を下回り、4月以来の低い伸びになると見られている。日銀のインフレ目標である2%を下回るようだと、早期利上げ観測が後退して円売りの材料視されるかもしれない。
また、本日はゴトー(5・10)日ということもあり、東京仲値の値決めに向けて神経質な値動きになりやすい点には注意したい。
週末の衆院選について、自民・公明合わせても過半数に届かないとの見方はある程度織り込まれている様子。選挙直前で不安定な展開となる可能性はあり、引き続き各種報道には注意が必要とみる。一方で売買が手控えられて様子見ムードとなることも想定される。
そのほか、今週の東京タイムでドル円相場を動かした時間外の米10年債利回りにも引き続き注目したい。昨日ポジション調整の動きで金利は低下したが、週初からの上昇が一服するようなら、ドル円は落ち着いた動きになるかもしれない。
中国人民銀行(PBOC)は25日、1年物中期貸出制度(MLF)金利を2.00%に据え置くと発表した。
来週の日銀金融政策決定会合や10月米雇用統計、そして、翌週に続く米大統領選やFOMCはさて置いて、市場は今週末の衆院選を前にして神経質な動きを続けています。ドル円は、米長期金利の動向に敏感に左右される展開となっていますが、日経平均については、完全に選挙待ち。待つというよりも、自公過半数割れの可能性が高まっていることから、その結果をとりあえず織込む動きとなっています。
衆院選を前にしての、11営業日連続陰線というご祝儀相場どころでない不名誉なアノマリーを作ってしまう羽目になったわけですが、投票前、最後の取引となっている本日も、株式市場では、完全なイレクションブルーから、なんとか抜け出そうとしているような状況。
ただ、そこからは少し距離を置いている為替市場では、自公過半数割れとなった後のオプションとして、石破政権のまま、少数政党を取り込んで運営していく場合と、石破首相が即、退陣を表明して、新たな首相のもとでの連立政権が誕生する場合は、大したリスクオフ相場にはならないといった声が多く、ましてや、立憲民主党主体の政権交代が起きる可能性が高まっているわけではない現状では、少なくとも、イレクションブルーの状態とは言えません。
ドル円は目先、昨日安値の151.55円や200日MAの位置する151.42円を意識しつつ、あくまでも米金利主体の動き。いずれにしても、市場は週末のイベントをこなした後は、最も慌ただしい2週間を迎えることになります。
日経225先物は11時30分時点、前日比350円安の3万7810円(-0.91%)前後で推移。寄り付きは3万8070円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8090円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。直後に付けた3万8080円を高値にショート優勢の動きになり、現物の寄り付き後ほどなくして節目の3万8000円を割り込んだ。中盤にかけてナイトセッションの安値(3万7850円)水準まで売られ、その後は下げ渋る動きもみられたが、終盤にかけて3万7760円まで下落幅を広げた。
衆議院選挙の終盤情勢で、与党で過半数を維持できるかは微妙な情勢のなか、押し目待ち狙いのロングは限られている。ショート優位の需給状況のなか、ナイトセッションの安値水準を割り込んできたことで、ショートの勢いが強まったようだ。東証プライム市場の値下がり数が9割近くを占めており、リバウンド基調は強まりにくいなかで後場も不安定な値動きとなろう。ただし、短期筋のショートカバーによって下げ渋る動きにとどまりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.47倍に低下した。一時14.44倍に低下する場面もみられたが、25日移動平均線(14.43倍)が支持線として機能している。前日の価格帯での推移をみせており、スプレッド狙いの動きは限られている。
本日の欧州市場では、昨日持ち直したユーロドルの動きが続くか、独経済指標を確認しつつ確認することになるか。
経済指標は、欧州前半に10月独Ifo企業景況感指数が発表予定。最近は同指数でユーロが大きく動意付くことは少なくなったものの、独景況感を知る上で確認しておきたい。市場予想は85.6と前月の85.4をわずかに上回るとみられている。昨日は10月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)・速報値が予想を下回ったことを受けてユーロが売られるも、10月独製造業PMIが予想を上回ったことで反発した。昨日に続いて予想を上回る結果となれば、23日に1.0761ドルの安値を見たユーロドルの買い戻しが続くことも考えられる。そのほか、独Ifoの前に10月消費者信頼感指数の発表も予定されている。
また、昨日の欧米市場では米長期金利の低下がユーロドル上昇の一因となった。本日も引き続き注目したい。
テクニカル面では、昨日は5日移動平均線を上回って引けている。終値で5日線を上回ったのは9月27日以来である。計算上は本日も1.08ドル台を維持できれば、同線の傾きは横ばいに近付くことが予想される。もし、本日は1.0810ドル前後に位置する同線がサポートとなるようならば、今月に入りほぼ一本調子で下落していたユーロドルに転機が訪れるかもしれない。
想定レンジ上限
・ユーロドル:200日線1.0870ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル:23日安値1.0761ドル
(25日15時時点)
ドル円:1ドル=151.73円(前営業日NY終値比▲0.10円)
ユーロ円:1ユーロ=164.20円(▲0.20円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0822ドル(▲0.0006ドル)
日経平均株価:37913.92円(前営業日比▲229.37円)
東証株価指数(TOPIX):2618.32(▲17.25)
債券先物12月物:144.06円(△0.10円)
新発10年物国債利回り:0.945%(▲0.010%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
前年同月比 1.8% 2.0%
9月企業向けサービス価格指数
前年同月比 2.6% 2.8%・改
8月景気動向指数改定値
一致指数 114.0 113.5
先行指数 106.9 106.7
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は方向感がない。朝方に151.58円まで下げた後は週末の5・10日(ゴトー日)に伴う買いが入り152.11円まで切り返した。ただ、時間外の米10年債利回りが低下すると一転して売りが優勢となり、昨日安値の151.55円を下抜けて151.46円まで値を下げた。一方、一巡後は151円台後半まで下げ渋るなど、週末の衆院選投開票を前に気迷いムードが感じられる。
・ユーロ円も方向感が定まらない。総じてドル円につれた動きとなり、午前には一時164.58円まで上昇する場面があったが、その後は163.95円まで失速。一巡すると164.30円台まで切り返している。
・ユーロドルは小動き。東京市場での動意はほとんどなく1.0820-29ドルの狭い値幅となった。
・日経平均株価は反落。衆院選の投開票を前に持ち高調整の売りが優勢となった。外国為替市場での円高・ドル安を受けて自動車関連株の売りも誘い下げ幅は一時430円を超えた。
・債券先物相場は3日続伸。夜間取引で下落した流れを引き継ぐと一時143.88円まで下落した。ただ、時間外で米国債が買われると一転して買い戻しが入り144.10円まで切り返した。
電気自動車(EV)を巡る通商対立が先鋭化するなか、中国が自国の自動車メーカーに対し、欧州連合(EU)での事業拡大を停止するよう圧力をかけているもようだ。事情に詳しい関係者によると、中国当局はメーカー各社がEU域内で製造拠点を積極的に探して新規契約を結ぶことを当面控え、中国とEUのEV関税交渉が続いている間は全般的に目立たない姿勢を保つよう求めている。当局の警告に応じ、すでに東風汽車集団(00489)がイタリアで自動車を生産する計画を停止したという。香港経済紙『信報』が24日、外電を引用する形で伝えた。
中国側の指導は、自動車産業の主導権争いが激化するに伴い、EUとの関係をいっそう緊迫させる可能性がある。EUは今月初旬、中国が国内自動車メーカーに不当な補助金を提供していると指摘し、中国製EVに最大45%の関税を課すと採決で決めた。
消息筋によると、東風汽車集団はイタリア政府がEUの関税を支持したことが計画停止の理由だとイタリア政府高官に告げた。一方、中国政府はEUの関税引き上げのほか、中国のEV需要の低迷にともない生産能力が余る事態を懸念している。東風汽車集団のほか、重慶長安汽車(200625/000625)も関税交渉が続いているため今週イタリアのミラノで開く予定だったブランド発表会をキャンセルしたという。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
「ロシアによる」BRICS首脳会議は同床異夢の様相を強める
ロシアは「孤立していない」との舞台を演出も、各国の思惑はバラバラの様相を強めるであろう
主要な新興国で構成されるBRICSはロシア中部のカザンで首脳会議を開催した。今回の会議は昨年の加盟国拡大後初、且つロシアが議長国ということで注目された。世界経済は欧米などと中ロを軸にした分断が広がるなか、中ロは新興国への影響力拡大を目指しており、新興国の間にも実利を求めてBRICS参加を目指す動きもみられる。よって、今回の会議はロシアが「世界的に孤立していない」状況を演出する舞台に使われた。結果、今回の会議には35ヶ国と6機関が参加した模様であり、一定の存在感を示すことに成功したことは間違いない。
BRICSが新興国の間で求心力を高める背景には、国際金融市場を取り巻く環境も影響している。BRICSは米ドルを中心とする既存の決済システムに代替するシステムや共通通貨の構築を目指す姿勢をみせている。欧米などの対ロ制裁は中国やインドなどが「抜け穴」となる動きがみられる一方、飛び火リスクもあるなかでカザン宣言では欧米などの制裁を批判した。一方で貿易決済を巡って自国通貨を歓迎すると述べるに留めるなど、共通通貨のハードルの高さがうかがえる。他方、穀物取引所の開設を提案したとしており、将来的には取引対象が穀物から原油や天然ガスのほか、鉱物資源に拡大していく可能性が考えられる。
加盟国拡大を巡っては原加盟国の間でもスタンスに差がある。中ロは「反欧米」での結束強化を目指しているとみられる一方、インドやブラジルなどは異なる姿勢をみせており、配慮する動きもみられた。他方、13ヶ国がパートナー国となった模様であり、将来的な枠組拡大への道筋が拓かれている。ただし、BRICS9のなかでは中国の存在感が圧倒的な上、仮にパートナー国すべてが加盟しても半分以上を中国が占めるなか、中国との関係を巡って各国の求心力に差が生じるなど「同床異夢」感の強い組織となると見込まれる。
SMBC日興証券では、10月の東京都区部消費者物価指数(CPI)を受けてリポートしている。物価の基調を示す指標の1つであるコアコアCPIは前年比+1.8%となった。伸び率は2023年7~8月に記録した+4.0%をピークとして縮小傾向をたどったものの、2024年7月の+1.5%をボトムに幾分上昇し、基調としても下げ止まりつつあるとのこと。コアコアCPIの内訳では、食料価格は伸びがやや大きく加速した。米価高騰の影響が大きいが、外食や飲料、菓子類などで原材料コスト、物流コスト、人件費などの上昇を転嫁する動きがみられたとSMBC日興では指摘している。
世界銀行がトルコへの融資プログラムをさらに拡大する可能性が浮上している。現在、2028年までに350億ドルの融資が予定されているが、匿名の情報筋によると、これを上回る増額が見込まれているとのこと。世界銀行は昨年、トルコへの融資を170億ドルから350億ドルに増額した。この融資拡大は、トルコのマクロ経済安定化への取り組みを支援するためのもので、融資の主な焦点は、再生可能エネルギー、洪水管理、気候変動対策、輸出セクター支援など。
豪準備銀行(RBA)は25日、6月末締めの2024年度に42億豪ドル(約27.8億米ドル)の損失を計上し、4年連続の赤字となったことを明らかにした。損失の背景としては、パンデミック時に極めて低い金利で取得した債券やその他の資産のポートフォリオから得る利息が、商業銀行の預金者に支払う金額を大幅に下回っているために生じたためとされている。累積損失により銀行の資本はマイナスとなったが、ブロック総裁は「マイナスの資本は当行の業務や政策機能の遂行能力に影響を与えないが、RBAの資本を時間をかけて回復させることが重要だと考えている」と述べた。
欧州中央銀行(ECB)が25日に発表した月次調査によると、ユーロ圏の今後12カ月間の物価上昇率は+2.4%と前月の+2.7%から低下した。3年先の予想インフレ率も+2.1%と前月の+2.3%から低下した。
日本では、10月27日に衆議院議員選挙の投開票が行われ、30-31日に日銀金融政策決定会合が開催される。
米国では、11月5日に大統領選挙と議会選挙の投票が行われ、6-7日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。
ドル円の相場観をベースにして、それぞれの結果を予想しておきたい。
1.ドル円の相場観
ドル円は、ドル高・円安8年サイクルにより、7月の161.95円でピークアウトして、次の8年サイクルの2032年の175円付近のピークアウトまで、127円-161円を底辺とする「三角保ち合い」を形成すると予想する。
2. 衆議院議員選挙(10月27日):イシバノミクス
ドル円の底値が、第1波動の頂点126.86円を上回る127円台までとの見立ては、石破政権がかろうじて政権を維持することを示唆している。
メインシナリオは、自民党が単独過半数(233議席)を割り込むものの、自公連立では過半数を維持だと思われる。
すなわち、アベノミクスの全否定に繋がる政権交代は起こらないことを示唆している。
リスクシナリオ(1)は、自公連立の過半数割れで、一部野党を組み込んだ連立政権で、石破首相は辞任となる。総裁選のリスクシナリオは、第2次岸田政権の誕生となる。
リスクシナリオ(2)は、立憲民主党が勝利して、野田首相による連立政権樹立となる。
3.日銀金融政策決定会合(10月30-31日)
日銀金融政策決定会合では、現状維持が見込まれるが、12月18-19日の会合に向けて、「金利の壁」である0.50%までの追加利上げが示唆されると予想する。
4.米国大統領選挙(11月5日):トランプノミクス2
ドル円の底値が127円台までとの見立ては、トランプ第47代米大統領の誕生を示唆している。すなわち、トランプノミクス2が志向する関税引き上げによるドル売り・円高要因、拡張的な財政出動は、米長期金利の上昇によるドル円の下げ止まりを示唆している。
5.米連邦公開市場委員会(FOMC)(11月6-7日)
米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.25%の追加利下げ、そして12月のFOMCでも0.25%の追加利下げが実施され、年末のFF金利誘導目標は4.25-50%まで低下することが予想される。
6.リスクシナリオ
リスクシナリオとしては、ロシアがウクライナで戦術核を使用する可能性、イスラエルがイランの核関連施設に報復攻撃を加える可能性を想定しておきたい。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
ECBの利下げペースは? 12月の50bp利下げが近づく
10月のユーロ圏のPMIは、10~12月期入り後の景気停滞継続、ドイツで先行する景気減速のフランスへの波及、先行きの雇用環境の一段の悪化、企業の価格支配力の後退などが示唆される。ECBは10月の理事会で連続利下げに踏み切り、金融緩和の強化に傾いている。11月のPMIや10・11月の消費者物価などで、更なる景気悪化やインフレ圧力後退が確認されれば、12月の50bp利下げの可能性が高まろう。
欧州連合(EU)の外交官らはトランプ前米大統領の再選に備え、ロシアに対する制裁を強化する方法を検討していると一部通信社が伝えた。検討中の措置には、疑わしい物資の特定と阻止を可能にする「包括条項」の導入や、石油輸送規制の拡大などが含まれる。また、ロシア中央銀行の資産凍結を長期化する案も議論されているという。これらの準備は、トランプ氏が再選された場合の米国の方針変更に備えたものであり、EUが独自の制裁執行能力を強化する必要性を示している。
第一生命経済研究所では、ドル円レートが1ドル150円台に移行したことに注目。この要因としては、米長期金利の上昇と、衆院選で石破首相が率いる自民党の苦戦が予想されていることを挙げている。石破政権が弱体化すれば、日銀は追加利上げの支持を受けにくくなる。米長期金利上昇は、11月の利下げ観測が後退したことが背景にある。第一生命では、米大統領選挙でいずれが当選しても、インフレを助長する可能性があると指摘している。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)とシエナ大学が共同で実施した最終の全国世論調査では、11月5日に行われる米大統領選でのハリス候補とトランプ候補の支持率はともに48%だった。
大阪12月限
日経225先物 38010 -150 (-0.39%)
TOPIX先物 2626.5 -8.0 (-0.30%)
日経225先物(12月限)は前日比150円安の3万8010円で取引を終了。寄り付きは3万8070円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8090円)にサヤ寄せする形で、売りが先行した。直後に付けた3万8080円を高値にショート優勢となり、現物の寄り付き後ほどなくして節目の3万8000円を割り込んだ。前場中盤にかけてナイトセッションの安値(3万7850円)水準まで売られ、その後は下げ渋る動きもみられたが、後場に入ると3万7730円まで下落幅を広げた。ただし、終盤にかけて下げ幅を縮め、辛うじて3万8000円を上回って終えた。
衆議院選挙の終盤情勢で、与党で過半数を維持できるかは微妙な状況のなか、押し目待ち狙いのロングは限られた。ショート優位の需給によりナイトセッションの安値水準を割り込んできたことで、ショートの勢いが強まったようだ。東証プライム市場の値下がり数は1400銘柄に迫り、全体の8割を占めた。幅広い銘柄が下落するなかでリバウンド基調は強まりにくく、後場終盤にかけて下げ幅を縮めた動きは、押し目狙いのロングよりは、ショートカバーによって下げ渋ったとみられる。
日経225先物は終値で3万8000円をキープしたことで、3万8000円辺りに位置する75日・200日移動平均線が支持線として意識される形となった。週間形状では13週線が支持線として機能する形であり、来週はこれら支持線からのリバウンドをみせられるかが注目されることになる。衆議院選挙の結果によっては下へのバイアスが強まる可能性はあるが、その場合には短期的に52週線が位置する3万7000円が射程に入ってきそうだ。
一方で、ネガティブなシナリオが回避されるようだと、ショートカバーが強まるだろう。ただし、決算発表が本格化するなかではポジションを傾けにくいほか、大統領選挙を控えて米国ではトランプトレードを想定した動きも出てきているとの見方もある。重要イベント通過までは方向感の定まらない状況が続くと考えられ、スキャルピング中心のトレードになりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.47倍に低下した。ただし、25日線が支持線として意識されており、前日の価格帯での推移だった。リバウンドが入りやすい水準であるが、衆議院選挙の結果によっては同線を割り込む可能性があり、その場合には14.25倍辺りで推移している75日・200日線辺りまで低下する動きも意識しておきたい。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3696枚、ソシエテジェネラル証券が1万1041枚、サスケハナ・ホンコンが3394枚、バークレイズ証券が2351枚、SBI証券が1886枚、JPモルガン証券が1549枚、モルガンMUFG証券が1343枚、auカブコム証券が1257枚、楽天証券が1138枚、松井証券が843枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万7388枚、ソシエテジェネラル証券が1万3655枚、バークレイズ証券が3686枚、モルガンMUFG証券が2408枚、JPモルガン証券が2080枚、サスケハナ・ホンコンが1898枚、ゴールドマン証券が1620枚、ビーオブエー証券が1353枚、みずほ証券が1309枚、UBS証券が836枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、中東の地政学リスクや本邦通貨当局のドル売り・円買い介入の可能性に警戒しながら、9月米耐久財受注額や10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)などを見極めていくことになる。
9月米耐久財受注額は前月比▲1.0%と予想されており、8月の同比±0.0%から悪化、輸送用機器を除くは前月比▲0.1%と予想されており、8月の同比+0.5%からの悪化が見込まれている。
予想通りならば、米10年債利回りとドルの上値は限定的となる。
10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)では、速報値での1年先の期待インフレ率は2.9%(9月2.7%)の修正値に注目しておきたい。
そして、11月6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)のブラックアウト期間前のコリンズ米ボストン連銀総裁の講演にも要注目となる。
コリンズ総裁は、先日、コアインフレ圧力は依然強いものの、インフレが米連邦準備理事会(FRB)の目標である2%に近づいているという確信は増している、と述べ「政策のさらなる調整が必要となる公算が大きい」と述べていた。
ドル円は、7月31日の植田ショックの日の高値153.88円に迫った後、米10年債利回りの低下により、長期的な攻防の分岐点である200日移動平均線151.42円や短期的な分岐点である日足一目均衡表・転換線151.02円付近に反落している。
27日の衆議院議員総選挙の投開票を前に、争点となっている物価高対策のためのドル売り・円買い介入が行われる可能性には引き続き警戒しておきたい。
また、本日も引き続き、イスラエルとイランの軍事衝突激化に関するヘッドラインには警戒しておきたい。現在、ネタニヤフ首相の私邸がドローン攻撃を受けたため、イスラエル軍はレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラへの攻撃に注力しているが、いずれイランへの報復攻撃の可能性が高まることになる。
イスラエルのガラント国防相は22日「イランへの攻撃は数カ月間続く」と警告している。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、153.19円(10/23高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、151.02円(日足一目均衡表・転換線)
今晩は上値の重い展開か。昨日は米10年債利回りの上昇が一服する中、好決算や強い見通しが好感されたテスラが22%高と急騰したことでS&P500とナスダック総合が上昇した一方、決算が嫌気されたIBM、ハネウェルの大幅安が重しとなり、ダウ平均が4日続落した。週初来ではダウ平均が2.08%安、S&P500が0.93%安、ナスダック総合が0.40%安と主要3指数がそろって7週ぶりの反落ペースとなった。
週末の取引となる今晩は、決算発表や米10年債利回りの動向をにらんだ神経質な展開か。主要3指数がそろって最高値圏にあることや、米10年債利回りが水曜日に3カ月ぶりの高水準となる4.25%台に上昇したこと、米大統領選が2週間後に迫っていることなどで上値の重い展開が予想される。エーオン、コルゲート・パルモリブ、HCAヘルスケア、センティーなどの決算発表や9月耐久財受注などの経済指標、それを受けた米10年債利回りの動向などをにらんだ神経質な展開となりそうだ。
今晩の経済指標は9月耐久財受注、10月ミシガン大消費者信頼感指数確報値など。コリンズ米ボストン連銀総裁の講演も予定されている。企業決算は寄り前にエーオン、コルゲート・パルモリブ、HCAヘルスケア、センティーンが発表予定。
中国財政部の発表によると、2024年1-9月期の財政収入は前年同期比2.2%減少した。これは1-8月期の2.6%減から若干改善しているが、財政支出は2.0%増加し、1-8月期の1.5%増から拡大した。第3四半期の経済成長率は2023年初以来の低水準となったが、9月の消費と工業生産は予想を上回った。しかし、不動産セクターの低迷が依然として大きな課題となっている。財政収支の改善傾向は見られるものの、経済成長の回復に向けて、中国政府は不動産問題への対応など、さらなる取り組みが必要な状況が続いている。
日経平均株価は反落。軟調な推移となったが変動幅は小さく、前日の陽線にはらむような迷いのコマを形成した。終値ベースでは10/2以来の38000円割れとなった。
RSI(9日)は前日の25.3%→16.4%(10/25)へ低下。引き続き、一目均衡表では基準線(38192円 10/25)の上昇が再開しているほか、雲のネジレが発生するタイミングでもあり、終値ベースで10/2安値(37808円)を割り込まずに反転できるかが目先の焦点となる。一方、下向きに変化している5日移動平均線(38305円 同)や10日移動平均線(38811円 同)などに上値を抑えられやすく、基準線や10/2安値を下回ると、37000円どころまで調整が長引く可能性が高まる。
上値メドは、75日移動平均線(38160円 同)、10日移動平均線、10/15安値(39910円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)、9/9安値(35247円)などがある。
ロシア中央銀行(CBR)は25日、市場予想を大きく上回る利上げを実施し、政策金利を21%に引き上げた。これは、ウクライナ戦争開始以来の最高水準。CBRはインフレ率が目標を大幅に上回っていることを理由に挙げ、財政支出の増加にも言及した。2025年のインフレ率目標達成を断念し、来年の政策金利を17-20%と予測しているほか、経済成長率予想も下方修正され、金融引き締めの長期化が示唆されている。この決定は、ロシア経済の課題と中央銀行の積極的な対応を示している。
(25日終値:26日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=152.16円(25日15時時点比△0.43円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.38円(△0.18円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0803ドル(▲0.0019ドル)
FTSE100種総合株価指数:8248.84(前営業日比▲20.54)
ドイツ株式指数(DAX):19463.59(△20.59)
10年物英国債利回り:4.233%(▲0.004%)
10年物独国債利回り:2.291%(△0.025%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月仏消費者信頼感指数
94 95
10月独Ifo企業景況感指数
86.5 85.4
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。アジア市場では一時151.46円まで売られたものの、200日移動平均線が位置する151.42円が重要なサポートとして意識されると買い戻しが進み、欧米市場ではじり高の展開となった。9月米耐久財受注額や10月米ミシガン大学消費者態度指数確報値が予想を上回ると、一時は4.17%台まで低下した米10年債利回りが4.21%台まで上昇。米金利上昇に伴うドル買いも入り、2時過ぎには152.30円と日通し高値を更新した。
もっとも、27日投開票の衆院選を前に様子見ムードも強く、狭いレンジ内での神経質な値動きだった。来週には日銀金融政策決定会合も控えているほか、9月米個人消費支出(PCE)物価指数や10月米雇用統計など重要な米経済指標の発表を控えており、積極的な売買が手控えられた面もあった。
・ユーロドルは頭が重かった。10月独Ifo企業景況感指数が予想を上回ると、独景気懸念が和らぎユーロ買い・ドル売りが先行。シムカス・リトアニア中銀総裁が「0.50%利下げの根拠は見当たらない」と発言したこともユーロ買いを促し、前日の高値1.0830ドルを上抜けて一時1.0839ドルまで値を上げた。市場では「このところ相場下落が進んでいたため、持ち高調整などを目的としたユーロ買い・ドル売りが入った」との声が聞かれた。
ただ、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。米長期金利が上昇に転じるとユーロ売り・ドル買いがじわりと強まり、一時1.0802ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円はもみ合い。日本時間夕刻に一時164.22円付近まで値を下げたあと164.76円付近まで持ち直したものの、21時前には164.27円付近まで押し戻された。ただ、23時過ぎには164.79円と日通し高値を付けるなど、一進一退の展開。ドル相場となったためユーロ円自体は方向感が出にくい状況だった。
・ロンドン株式相場は反落。続伸して始まったものの、そのあとは週末を控えたポジション調整目的の売りなどが出たため下げに転じた。ロイズ・バンキング・グループやバークレイズなど金融株が売られたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値下がりした。半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われた。
・フランクフルト株式相場は小幅続伸。主要企業の決算への期待から買いが入ったほか、米長期金利の上昇一服が投資家心理を上向かせた。個別ではダイムラー・トラック・ホールディング(4.45%高)やシーメンス・エナジー(3.65%高)、ハイデルベルク・マテリアルズ(2.21%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
(25日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.31円(前営業日比△0.48円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.43円(△0.03円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0796ドル(▲0.0032ドル)
ダウ工業株30種平均:42114.40ドル(▲259.96ドル)
ナスダック総合株価指数:18518.61(△103.12)
10年物米国債利回り:4.24%(△0.03%)
WTI原油先物12月限:1バレル=71.78ドル(△1.59ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2754.6ドル(△5.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月米耐久財受注額
(前月比) ▲0.8% ▲0.8%・改
輸送用機器を除く
(前月比) 0.4% 0.6%・改
10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
70.5 68.9
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。21時前に一時151.70円付近まで値を下げたものの、アジア時間に付けた日通し安値151.46円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。200日移動平均線が位置する151.42円も引き続き重要なサポートとして意識された。
9月米耐久財受注額や10月米ミシガン大学消費者態度指数確報値が予想を上回ると、一時は4.17%台まで低下した米10年債利回りが4.24%台まで上昇。米金利上昇に伴うドル買いも入り、4時過ぎには152.38円と日通し高値を更新した。
米連邦準備理事会(FRB)による利下げペースが鈍化するとの見方が根強い中、米長期金利は上昇傾向を維持。11月の米大統領選でトランプ前大統領の勢いが増していると見る向きもあり、米金利上昇につながった。
・ユーロドルは反落。欧州時間発表の10月独Ifo企業景況感指数が予想を上回ったことや、シムカス・リトアニア中銀総裁が「0.50%利下げの根拠は見当たらない」と発言したことを受けて、22時前には一時1.0839ドルと日通し高値を付けた。
ただ、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。米長期金利が上昇に転じるとユーロ売り・ドル買いがじわりと強まり、4時30分過ぎに一時1.0793ドルと日通し安値を更新した。欧州中央銀行(ECB)が12月に大幅利下げを実施するとの見方も根強い。
・ユーロ円は小反発。21時前に一時164.27円付近まで値を下げたものの、23時過ぎには164.79円と日通し高値を付けた。ただ、引けにかけては再び164.27円付近まで押し戻された。
ドル相場となったためユーロ円自体は方向感が出にくい状況だった。さらに、27日投開票の衆院選を前に様子見ムードも強く、円絡みの取引は手控えられた面もあったようだ。30-31日には日銀金融政策決定会合も控えている。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日続落。米長期金利が上昇すると、株式の相対的な割高感が意識されて売りが優勢となった。マクドナルドの商品による大腸菌の集団感染を巡り、米疾病対策センター(CDC)は従来の49人から75人に感染が報告されたと発表。感染者の増加を嫌気して、同社株は3%近く下落した。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸。電気自動車(EV)のテスラにはこの日も買いが続き、3%超上げた。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。9月米耐久財受注額が予想を上回ったことなどを受けて、FRBによる利下げペースが鈍化するとの見方が改めて意識されると売りが出た。11月の米大統領選挙でトランプ前大統領が優勢との見方も相場の重し。
・原油先物相場は反発。イスラエルの空爆によりレバノン南部でジャーナリスト3人が死亡するなど、依然として中東情勢が緊迫化している。イスラエルがイランへの大規模ミサイル攻撃を行うことを明言していることもあり、週末の間に戦火が拡大するリスクの懸念もあり、原油先物には買いが集まった。
・金先物相場は続伸。前日終値近辺で方向感のない動きを繰り返していたが、中東情勢や11月5日の米総選挙などリスク要因が多くあることで、引けにかけては買いが優勢になり続伸して引けた。週次の引け値水準としては最高値を更新した。
25日08:10 三村財務官
「加藤財務相が米財務長官と会談で為替について議論した」
「円相場でやや一方向の急速な動きがみられる」
「為替はファンダメンタルズを反映するのが望ましい」
「投機的な動きも含めて緊張感を高めて注視している」
25日16:50 カザークス・ラトビア中銀総裁
「欧州中央銀行(ECB)はこれまで考えていたよりもやや速いペースで金融緩和を進める必要があるかもしれないが、中立下回る金利検討の必要性なし」
「賃金とサービス価格の伸びは依然として比較的大きく、アンダーシュートの大部分はエネルギーコストによるものであるため、金融政策には慎重になる必要がある」
25日17:20 シムカス・リトアニア中銀総裁
「制限的な金利をさらに引き下げる必要がまだある」
「0.50%の利下げの根拠は見当たらない」
「経済はかなり停滞しているが、そこまで悪くはない」
「我々はディスインフレの道を歩んでいる」
25日18:11 ブイチッチ・クロアチア中銀総裁
「12月会合の決定について現段階では分からない」
「データ依存ならば我々は待つべき」
「12月会合で0.25%か0.50%の利下げ、どちらかを主張すべきではない」
25日22:11 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「ディスインフレのプロセスは極めて順調」
「データは今年下期の経済活動が軟化することを示唆」
「労働需要が冷え込みつつある兆しが見られる」
25日23:43 国際通貨基金(IMF)高官
「円安は、対外開放型経済である日本経済に恩恵をもたらす」
「日本当局が柔軟な為替相場体制にコミットしていることを認識することが重要」
「日銀の最優先事項はデータに依存し続けることであり、政策金利の引き上げプロセスにおいては『非常に、非常に緩やか』であるべき」
※時間は日本時間
27日
○衆院選投開票
29日
○08:30 ◎ 9月完全失業率
○08:30 ◎ 9月有効求人倍率
30日
○日銀金融政策決定会合(1日目)
○14:00 ◇ 10月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯)
31日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○08:50 ◇ 9月商業販売統計速報(小売業販売額)
○08:50 ◎ 9月鉱工業生産速報
○未定 ☆ 日銀金融政策決定会合(終了後、決定内容発表)
○未定 ◎ 経済・物価情勢の展望(10月、基本的見解)
○14:00 ◇ 9月新設住宅着工戸数
○15:30 ☆ 植田和男日銀総裁、定例記者会見
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
27日
○欧州・英国が冬時間に移行
28日
○18:00 ◎ ウンシュ・ベルギー中銀総裁、講演
○21:00 ◇ 9月メキシコ貿易収支
○29日00:30 ◎ 米財務省、2年債入札
○29日02:00 ◎ 米財務省、5年債入札
○ニュージーランド(労働者の日)、休場
29日
○16:00 ◇ 11月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
○18:30 ◇ 9月英消費者信用残高
○18:30 ◇ 9月英マネーサプライM4
○21:00 ◎ 9月南アフリカ貿易収支
○21:30 ◇ 9月米卸売在庫
○22:00 ◇ 8月米住宅価格指数
○22:00 ◎ 8月米ケース・シラー住宅価格指数
○23:00 ◎ 9月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
○23:00 ◎ 10月米消費者信頼感指数
○30日02:00 ◎ 米財務省、7年債入札
○トルコ(共和国記念日)、休場
30日
○09:30 ◎ 7-9月期豪消費者物価(CPI)
○09:30 ◎ 9月豪CPI
○15:30 ◇ 9月仏消費支出
○15:30 ◎ 7-9月期仏国内総生産(GDP)速報値
○17:00 ◇ 10月スイスKOF景気先行指数
○17:55 ◎ 10月独雇用統計
○18:00 ☆ 7-9月期独GDP速報値
○19:00 ◎ 10月ユーロ圏経済信頼感指数
○19:00 ◎ 10月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値)
○19:00 ☆ 7-9月期ユーロ圏GDP速報値
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◎ 7-9月期メキシコGDP速報値
○21:15 ☆ 10月ADP全米雇用報告
○21:30 ☆ 7-9月期米GDP速報値
◎ 米個人消費/コアPCE速報値
○22:00 ◎ 10月独CPI速報値
○23:00 ◎ 9月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○24:00 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○31日01:00 ◎ 9月ロシア失業率
○31日03:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○09:00 ◇ 10月ANZ企業信頼感
○09:30 ◇ 7-9月期豪輸入物価指数
○09:30 ◎ 9月豪住宅建設許可件数
○09:30 ◎ 9月豪小売売上高
○10:30 ◎ 10月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)
○10:35 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○16:00 ◇ 9月トルコ貿易収支
○16:00 ◇ 9月独輸入物価指数
○16:00 ◎ 9月独小売売上高
○16:45 ◇ 10月仏CPI速報値
○16:45 ◇ 9月仏卸売物価指数(PPI)
○17:30 ◎ 7-9月期香港GDP速報値
○18:00 ◎ パネッタ伊中銀総裁、講演
○19:00 ☆ 10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
○19:00 ☆ 10月ユーロ圏HICPコア速報値
○19:00 ◎ 9月ユーロ圏失業率
○19:30 ◇ 9月南アフリカPPI
○20:30 ◇ 10月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:30 ☆ 8月カナダGDP
○21:30 ☆ 7-9月期米単位労働コスト・速報値
○21:30 ◎ 9月米個人消費支出(PCE)
◎ 9月米個人所得
☆ 9月米PCEデフレーター
☆ 9月米PCEコアデフレーター
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○22:45 ◎ 10月米シカゴ購買部協会景気指数
○シンガポール(ディーパバリ)、インド(ディワリ)、休場
11月1日
○06:45 ◎ 9月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○09:30 ◎ 7-9月期豪PPI
○10:45 ◎ 10月Caixin中国製造業PMI
○16:00 ◇ 10月トルコ製造業PMI
○16:30 ◎ 10月スイスCPI
○16:30 ◇ 9月スイス小売売上高
○17:30 ◇ 10月スイス製造業PMI
○18:30 ◎ 10月英製造業PMI改定値
○21:00 ◇ 9月メキシコ失業率(季節調整前)
○21:30 ☆ 10月米雇用統計
○22:45 ◎ 10月米製造業PMI改定値
○23:00 ☆ 10月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数
○23:00 ◇ 9月米建設支出
○24:00 ◇ 10月メキシコ製造業PMI
○ポーランド(万霊節)、休場
3日
○米国が冬時間に移行
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆対円、衆議院選挙や日銀金融政策決定会合などに注目
◆ポンド、追加利下げの思惑高まり上値が重い
◆加ドル、加中銀の政策イベントを通過しドルや円に左右
予想レンジ
ポンド円 193.50-199.50円
加ドル円 108.00-112.00円
10月28日週の展望
クロス円は来週も最近上昇が目立っているドル円次第と言えるが、米景気のソフトランディング(軟着陸)期待が高まり、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げペースが緩やかになるとの観測や、米大統領選が近づくなかで景気刺激に前向きなトランプ前大統領が優勢との見方がドル円の支えとなる。ただ、27日の衆議院選挙や30-31日の日銀金融政策決定会合と植田日銀総裁の会見などを受けて円が値幅を伴った動きとなる可能性に警戒。日銀会合では、金融政策の現状維持はほぼ織り込み済みだが、次回12月会合での利上げをめぐっては思惑が交錯している。
来週、英国内での経済指標は10月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値程度で、注目のイベントは予定されておらず、翌週の11月7日にイングランド銀行(英中銀、BOE)の政策決定会合を控え、利下げ思惑の高まりがポンドの上値圧迫要因となる。16日に発表された9月消費者物価指数(CPI)が前年比1.7%と前月の2.2%から大幅に鈍化。BOEが注視するサービス価格の上昇率も4.9%と2022年5月以来の低水準となり、市場では11月会合での0.25%利下げがほぼ完全に織り込まれているほか、12月会合でも同幅の利下げ観測が高まっている。
ベイリーBOE総裁は今週、5%となお高止まりするサービス価格のインフレ率が「さらに低下する必要がある」と指摘したものの、「ディスインフレは予想以上に速い」と述べ、労働市場のデータについては「恐らく緩みつつあるが、引き続きタイトだ」との見解を示した。また、金融政策委員会(MPC)のなかでタカ派とされるグリーン委員は、「サービスインフレが最新の発表で最大のサプライズだった」としつつも、「利下げに英国の消費者がどう反応するかは不透明性がある」と指摘し、金融政策の緩和は「慎重かつ徐々に進めるアプローチを支持する」と表明した。
加ドルについては、来週、加国内では8月GDPの発表が予定されているが、今週に注目のカナダ中銀(BOC)の金融政策イベントを通過し、ドルや円の動きに左右される動きが見込まれる。BOCは今週の会合で市場予想通りに政策金利を0.50%引き下げ3.75%に決定した。マックレムBOC総裁は「インフレが目標の2%に戻ったため、より大幅な措置を講じた」とし、「経済がおおむね予想通りの動向となれば追加利下げを実施する」と再表明した。市場では今年最後となる12月会合での0.25%利下げを完全に織り込み、0.50%利下げ予想も2割超となっている。BOCが緩和姿勢を鮮明にしていることが引き続き加ドルの重しとなる。
10月21日週の回顧
米長期金利の上昇に伴ったドル高の流れが継続し、ポンドドルは1.29ドル近辺まで下押した。その後は下げ渋るも、10月英PMI速報値が予想を下回る結果となり上値の重い動きとなった。また、ドル/加ドルはBOCの大幅利下げが加ドルの重しとなるも、織り込んでいた部分も大きく反応は限られ、1.38加ドル後半で加ドル売りが一服した。対円はドル円につれる動きとなり、ポンド円は一時198円半ば、加ドル円は一時110円後半まで上値を伸ばした。
◆豪ドル、7-9月期のCPIに注目
◆豪ドル、本邦総選挙の結果次第でも上下
◆ZAR、中期予算政策声明に注目
予想レンジ
豪ドル円 99.00-103.00円
南ア・ランド円 8.40-8.90円
10月28日週の展望
豪ドルは、来週に重要イベントが複数予定されていることで、その結果次第で大きく上下を繰り返すことが予想される。30日に発表される7-9月期の消費者物価指数(CPI)に注目。4-6月期のCPIは市場予想通りの3.8%となったが、豪準備銀行(RBA)が重要視するトリム平均値が予想を下回る3.9%となり、豪ドルは小幅に弱含んだ。7-9月期はそれぞれ3.0%、3.5%まで低下することが予想されている。RBAはインフレに対して依然として警戒を緩める姿勢を見せていないが、インフレの低下が鮮明になった場合には年末にかけて利下げ圧力が高まる。また、31日には9月の小売売上高も発表予定。
国外でも、週末の27日には日本の衆議院選挙が投開票される。結果次第では、日経平均が大きく動意づく可能性があり、リスクに敏感な豪ドルも影響を受けることになる。また、中国からは各種購買担当者景気指数(PMI)が予定されており、注目したい。
また、ニュージーランドからは31日に10月ANZ企業景況感、11月1日に9月住宅建設許可件数が発表される程度。11月のNZ準備銀行(RBNZ)会合までにはまだ時間があるが、今後のインフレ指標等の結果が注目される。
ZARは神経質な動きになるだろう。経済指標は29日に9月貿易収支、31日に9月卸売物価指数(PPI)が発表されるが、指標よりも注目度が高いのは30日にゴドンワナ財務相が発表する中期予算政策声明(MTBPS=Medium-Term Budget Policy Statement)。2月の予算と比較すると政治的安定、電力生産の増加と停電の減少、そして最近の金利引き下げにより、成長予測をさらに高める余地がある。MTBPSで景気拡大に結び付く予算が発表され、尚且つ政府債務対GDP比が過大にならなければ、ZARは強含みとなりそうだ。
ただ、リスクは西側諸国との関係悪化にある。24日まで開かれていたBRICS首脳会議で、ラマポーザ南ア大統領はプーチン露大統領に「ロシアは味方だ」と伝えた。また、反イスラエル姿勢も改めて示した。更に、「南ア国営銀行が、ロシア開発対外経済銀行(VEB)と協力協定を締結した」と報じられている。多くの国から制裁対象となっている金融機関への協力姿勢を見せたことで、今後の南アへの投資意欲減退懸念や、南ア自身への制裁なども予想され、西側諸国からの圧力をどのように切り抜けるのかが今後の課題となるだろう。
10月21日週の回顧
豪ドルは対ドルでは米金利の上昇で小幅に売られた。ただ、ドル円が153円台まで円安が進んだこともあり、対円では一時7月下旬以来の101円後半まで強含んだ。ZARは米金利高に連れてドル高・ランド安が進行した。一方でZAR円は一時7月中旬以来となる8.70円まで上昇。ただ、南アが多くの国から制裁を受けているロシアの金融機関への協力協定を結んだと報じられると上値が抑えられた。
◆ドル円、米雇用統計、米PCEデフレーターなどに注目
◆ドル円、衆院選、日銀金融政策決定会合に警戒
◆ユーロドル、ユーロ圏7-9月GDP速報値や10月CPIを見極め
予想レンジ
ドル円 149.00-155.00円
ユーロドル 1.0600-1.1000ドル
10月28日週の展望
ドル円は、11月5日の米大統領・議会選挙で、トランプ候補・共和党陣営、ハリス候補・民主党陣営のどちらが勝利しても、減税と財政出動によりインフレが再び加速。米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化、あるいは利下げが停止される可能性が高まるとの見方から、米長期金利の上昇に伴う堅調地合いが予想される。
ただ、今週末の衆議院選挙の結果次第では、乱高下となる可能性もあり警戒しておきたい。自民党が議席をかなり落としつつも自公で過半数を維持した場合、リスク回避の円買いは限定的だと予想される。また、自公で過半数割れとなるものの、一部野党を連立政権に組み込むことで、自民党中心の政権が続く場合も、政策運営の停滞が警戒されるが、リスク回避の円買いは限られそうだ。一方、自公が過半数割れとなり、立憲民主党を中心とした政権に交代した場合は、2009年9月の政権交代時のようなリスク回避の円買い圧力が強まることに警戒しておきたい。30-31日の日銀金融政策決定会合では、金融政策の維持が予想されているが、会合後の植田日銀総裁の記者会見では、追加利上げの時期への言及などに注意。また、展望リポートでは、ターミナルレートが中立金利水準と見なされている1.0%付近なのか否かを見極めることになるだろう。
米国では、11月1日に10月の雇用統計が予定されている。失業率は4.1%で9月と変わらずだが、非農業部門雇用者数は、ハリケーンの影響で13.5万人と9月の25.4万人からの減少が見込まれている。FRBがインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの9月分は前年比2.1%で、8月の2.2%からの低下が予想されており、インフレ目標2%に接近することが予想されている。雇用統計とPCEデフレーターが予想通りならば、11月と12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ幅が拡大する可能性もあるだろう。また、引き続きイスラエルによるイランへの報復攻撃など、中東の地政学リスクには警戒が必要だ。
ユーロドルは、ユーロ圏7-9月GDP速報値やユーロ圏10月CPIを見極めつつ、12月欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げの可能性を探る展開となる。市場では0.25%の追加利下げを予想しているが、景況感が悪化しインフレ率が鈍化した場合は、0.50%の利下げの可能性が高まることになりそうだ。
10月21日週の回顧
ドル円は、米10年債利回りが米次期政権の財政出動策への警戒感から4.2556%まで上昇したことから153.19円まで大幅に買われたが、米長期金利の上昇が一服すると151円台半ばまで下押ししている。ユーロドルは、追加利下げ観測が台頭するなか、米長期金利の急騰を受けて1.0872ドルから1.0761ドルまで下落した。
25日の日経平均は大幅反落。終値は229円安の37913円。米国株は3指数がまちまちで方向感に乏しかったが、ダウ平均の下落や円安一服が嫌気されて、寄り付きから3桁の下落。節目の38000円を割り込んだ。衆議院総選挙の投開票を前に政治リスクが意識される中、すぐに下げ幅を300円超に拡大。いったんもみ合った後、前引けにかけては改めて下を試しに行った。一方、37700円台に突入して400円超下げたところでは売り圧力が和らぎ、13時辺りからは緩やかに値を戻した。200円を超える下落で取引を終えたものの、大引けが後場の高値となった。
東証プライムの売買代金は概算で3兆1500億円。業種別では全33業種が下落しており、金属製品、空運、建設などが小幅な下げにとどまった。一方、海運、ゴム製品、石油・石炭などの下げが大きかった。通期の見通しを引き下げたものの、株主優待の新設が好感されたモバイルファクトリー<3912.T>が後場急伸。半面、9月度の月次で営業利益が前年割れとなった神戸物産<3038.T>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり216/値下がり1398。決算を材料に前日買いを集めたニデックがきょうも強く4.6%高。東京エレクトロンやディスコなど半導体株の一角がプラスを確保した。増配や自己株取得を発表した信越ポリマーが大幅高。上方修正を発表した能美防災や、証券会社が投資判断を引き上げたコニカミノルタが急伸した。
一方、幅広い銘柄が売られる中、今週IPOで好スタートを切った東京メトロが利益確定売りに押されて5.5%安。半導体株は底堅く推移したものもあったが、アドバンテストは3%近い下落となった。海運株が弱く、日本郵船、川崎汽船、商船三井がそろって大幅安。通期は最終赤字に転落する見込みとなった富士通ゼネラルが急落した。
本日、プライム市場に新規上場したリガクは公開価格割れからのスタートとなり、初値を下回って初日の取引を終えた。
日経平均は週間で4桁の下落。結果論にはなるが、株式市場にとっては衆院選投開票の日程は10月27日ではない方が良かった。そもそも今週はまだ決算発表が少なく、投開票がなくても商いは盛り上がりづらい。ただ、本来であれば売りも出づらい週になる。米国株はそこまで弱くなく、ドル円は円安に振れていたので、選挙に対する警戒がそこまで強くならなければ、日経平均が大きく崩れることはなかったと思われる。また、選挙が警戒されていたとしても、決算発表が多ければ日経平均はもう少し値を保っていた可能性が高い。実際、今週も好決算銘柄にはしっかり買いが入っている。
ここまで政権与党の苦戦が伝わること自体が想定外であったと思われるが、今週の日経平均は11営業日連続陰線という残念な記録を樹立した。そして、多くの市場参加者はその理由を政治に対する不安と解釈している。予想に反して自民党が大勝するということがない限り、石破政権に対する市場の評価は高まりづらい。この点は日本株を見る上でのリスクとなり得る。
【来週の見通し】
波乱含みか。金曜の11月1日には米国で10月の雇用統計が発表される。翌週は11月4日の月曜が東京市場は休場で、11月5日には米大統領選の投開票が実施されるというスケジュール。先に注目のイベントを控える中で、日米ともに注目企業の決算発表が目白押しとなる上に、10月30日~31日の日程で日銀金融政策決定会合が開催される。米大統領選は現時点でも大接戦と伝わっている。また、足元では米国の長期金利が高止まりしている。そのため米国では、大統領選や雇用統計の発表を前に、いったん利益を確定させる動きが強まる可能性がある。日銀会合近辺ではドル円の振れ幅が大きくなる展開も想定される。これらはリスク要因となる一方、決算で好材料が出てきた銘柄には強い買いが入るだろう。個別物色の活況は全体を下支えする公算が大きい。各種材料に一喜一憂しながらも、楽観、悲観どちらにも傾くことなく、荒い動きが続くと予想する。
米格付け会社ムーディーズは25日、フランスの格付け「Aa2」の見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更したと発表した。
今週の日経225先物は、衆議院議員選挙の結果が週明けの動向を大きく左右することになる。先週は与党過半数はギリギリの情勢との報道を受けて、政治リスクの織り込みが一段と強まり、24日には一時3万7640円まで売られる場面がみられた。
日経225先物は石破政権に対する期待から15日に4万0300円まで買われ、自民総裁選の結果を受けた急落分を解消するリバウンドをみせたが、10月半ば以降の調整によってリバウンド分を帳消しにしている。水準としては75日・200日移動平均線が位置する3万8000円処での攻防をみせており、同水準が支持線として意識されている。ただし、与党過半数割れとなった場合には、政治リスクを警戒する海外投資家によるショートの強まりが想定される。
一方、与党が過半数を維持した場合には、改めて石破政権への政策期待が高まることで、アク抜けによるリバウンドが意識されてくる可能性がある。もっとも、翌週には接戦が続く米大統領選挙の投票日を控えている。米国ではヘッジファンドなどの一部が、トランプ前大統領の勝利を想定したポジションを積み上げているようだ。また、決算発表が本格化するなかで、積極的にはポジションを傾けにくい需給状況が続くだろう。
米大統領選でトランプ氏優位の報道が目立つようだと、ややショートが意識されやすいとみられる。企業決算については、現在のところ日米ともに好印象である。国内ではディスコ <6146.T> [東証P]のほか、前週はニデック <6594.T> [東証P]の市場予想を上回る決算を評価したリバウンドの動きが、センチメントを支えた感がある。足もとで不安定な値動きが続くハイテク株だが、決算後のアク抜けが意識されてくると、押し目待ち狙いのロングも入りやすくなりそうだ。
日経225先物はボリンジャーバンドの-1σ(3万7980円)辺りでの攻防となった。10月半ば以降はバンドが収斂しており、トレンドが出やすいタイミングである。下へのバイアスが強まるようだと、-2σの3万7290円、‐3σの3万6600円辺りが意識されてくる。一方で、リバウンドが強まると中心値(25日)の3万8670円のほか、+1σの3万9350円がターゲットになるだろう。
今週の米国ではアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>、アルファベット<GOOG>、マイクロソフト<MSFT>、アップル<AAPL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>など、大型テックや半導体株の決算発表が相次ぐ。良好な決算が続くようだと、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になりそうだ。
なお、国内では30日にアドバンテスト <6857.T> [東証P]の決算が予定されている。東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など他の半導体株と比べて強いトレンドを継続していることもあり、予想を上回る決算となれば、センチメントを明るくさせそうだ。その場合、衆議院選挙の結果を受けて波乱の展開から下へのバイアスが強まったとしても、押し目狙いのタイミングを探ることになろう。
25日の米VIX指数は、20.33(前日は19.08)に上昇した。先週は22日に一時18.05まで低下する場面もみられ、不安心理の高まりを示す20.00を下回っての推移が目立った。25日線(18.88)を挟んでの推移となったが、75日線(18.38)が支持線として意識される形だった。ボトム圏での推移であるが、米大統領選を控えてリバウンドを強める場面もありそうだ。
先週のNT倍率は、先物中心限月で14.47倍に低下した。22日に14.59倍を付ける場面もみられたが、政治リスクの織り込みが進むなか、相対的に日経平均型の弱さが目立った。ただし、25日線が支持線として意識されており、週半ば以降は同線に沿った形で下値を切り上げている。選挙結果による波乱も予想されるが、米国の大型テックや半導体関連の決算が相次ぐなか、NTロングに振れやすくなる可能性はあろう。
10月第3週(10月15日-18日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの売り越しであり、売り越し額は4159億円(10月第2週は4081億円の買い越し)だった。なお、現物は579億円の売り越し(同2473億円の買い越し)と3週ぶりの売り越しであり、先物は3580億円の売り越し(同1607億円の買い越し)と2週ぶりの売り越し。個人は現物と先物の合算で1824億円の買い越しで2週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で599億円の売り越しとなり、3週連続の売り越しだった。
主要スケジュールでは、29日に9月完全失業率、9月有効求人倍率、米国8月S&Pケースシラー住宅価格、米国10月コンファレンスボード消費者信頼感指数、米国9月JOLTS求人件数、30日に米国10月ADP雇用者数、米国7-9月期GDP、31日に日銀金融政策決定会合終了後に政策金利、9月鉱工業生産、植田和男日銀総裁が記者会見、中国10月製造業PMI、米国9月個人消費支出、米国9月個人所得、11月1日に中国10月財新製造業PMI、米国10月雇用統計、米国10月ISM製造業景気指数などが予定されている。
<国内>
特になし
<海外>
○18:00 ◎ ウンシュ・ベルギー中銀総裁、講演
○21:00 ◇ 9月メキシコ貿易収支(予想:16.20億ドルの赤字)
○29日00:30 ◎ 米財務省、2年債入札
○29日02:00 ◎ 米財務省、5年債入札
○ニュージーランド(労働者の日)、休場
○欧州・英国は27日から冬時間に移行済み
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
25日のニューヨーク外国為替市場でドル円は152.38円まで上昇。9月米耐久財受注額や10月米ミシガン大学消費者態度指数確報値が予想を上回り、米10年債利回りが4.24%台まで上昇したことに後押しされた。ユーロドルは1.0793ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、衆議院選挙で自民党・公明党が過半数(233議席)を維持できなかったことで円売り圧力が先行すると予想される。
しかしながら、日本は対外債権大国であり、経常収支黒字国であることから、リスク回避の円買いの可能性にも警戒しておきたい。
早朝のオセアニア市場のドル円は、東京市場での日本売り(日本株売り・円売り)への警戒感から、153.27円まで上昇して、23日の高値153.19円を上回った。ドル円のテクニカル面での重要な水準は、161.95円から139.58円までの下落幅の61.8%戻しである153.40円にある。
さらに、ドル円が155円台方向へ上昇した場合、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性にも警戒しておきたい。
一方で、11月5日の米国大統領・議会選挙において、トランプ共和党候補、ハリス民主党候補のどちらが勝利しても、両者が減税と拡張的な財政政策を公約に掲げているため、米長期金利の上昇基調が続き、ドルは底堅い展開が予想される。
特にトランプ第47代米大統領が誕生した場合の「トランプノミクス2」では、関税引き上げや減税と財政出動によるトランプ・フレーションの可能性が高いため、トランプ・トレード(米国債売り・ドル買い)が活発化しつつある。
先週末の主要20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議閉会後に、植田日銀総裁は、「不確実性が大きい場合には、政策変更を慎重に段階的に進めたい。追加利上げを判断するのに、時間的な余裕はある」と述べ、追加利上げを急がない考えを示した。そして政治情勢の不透明感により、利上げは来年に先送りされる可能性が高まっていることは円売り要因となる。
自民党(公示前247議席⇒191議席)、公明党(32議席⇒24議席)で215議席(公示前279議席)となり、過半数(233議席)の議席を確保できなかったため、野党の一部との連立を模索することになる。しかしながら、日本維新の会や国民民主党は連立参加に否定的な姿勢を示しており、衆院で過半数の議席を持たない少数与党内閣となるため、政治不安がかなり強まることになる。今後は、自民党内での石破降ろしと総裁選の可能性、野党が内閣不信任案を提出して内閣総辞職の可能性など、政治情勢の混迷が警戒されることになる。
立憲民主党が中核となる連立政権が誕生した場合、立憲民主党は日本銀行の金融政策正常化を支持しており、早期の追加利上げが進むとの観測から円買い要因となることは、念頭に置いておきたい。
中東情勢に関しては、26日にイスラエルがイランに通告した上で、約20カ所の軍事施設にミサイル攻撃を断行した。懸念されていた石油及び核施設ではなく、軍事施設の攻撃に留まり、予め攻撃を通告して反撃しないように釘をさしていた、と報じられており、今後のイランの出方に要警戒となる。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38070 +60 (+0.15%)
TOPIX先物 2632.5 +6.0 (+0.22%)
シカゴ日経平均先物 38095 +85
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
25日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が下落した一方で、ナスダックは上昇。米長期金利の上昇基調が重荷となった。NYダウは5日続落し、週間では7週ぶりに下落。10月の米ミシガン大学消費者態度指数(確報値)が70.5となり、9月の70.1から上昇したほか、市場予想(69程度)を上回り、米経済の底堅さが改めて意識された。今週決算発表が予定されるマイクロソフト<MSFT>やアップル<AAPL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>など大型テック株が好業績期待から買われた。S&P500業種別指数は自動車・同部品、メディア、半導体・同製造装置が上昇した半面、電気通信サービス、公益事業、銀行が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比85円高の3万8095円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比50円安の3万7960円で始まり、直後につけた3万7950円を安値にリバウンド基調が強まり、米国市場の取引開始後には一時3万8380円まで買われた。買い一巡後はロング解消が強まり、再び3万8000円を割り込む場面もみられた。終盤にかけて買い戻されており、3万8070円でナイトセッションの取引を終えた。
27日に投開票された衆議院議員選挙では、与党が過半数を割り込んだ。先週は与党過半数がギリギリの情勢との報道を受けて、政治リスクの織り込みが一段と強まっていた。今回の結果を受け改めて政治運営に対する不安が高まり、ショート先行の展開になりそうだ。為替市場では円相場が1ドル=153円台と円安に振れる場面もみられている。
先週の日経225先物は21日に一時3万9280円を付けた後はショート優勢となり、24日には3万7640円まで売られる場面がみられた。衆院選での与党の過半数割れを織り込む形だったが、終値では3万8000円をキープしていた。チャート上では同水準に位置する75日・200日移動平均線が支持線として意識されていたこともあり、同線を下回って始まるようだと、ロング解消の動きが強まりそうだ。
ボリンジャーバンドでは-1σ水準での攻防をみせているなか、足もとでハンドは収斂しており、トレンドが出やすいタイミングでもある。-2σは3万7290円に位置しており、まずは同水準で下げ止まりをみせてくるかが注目される。-2σを下回ってくると、-3σが位置する3万6600円辺りが意識されてくため、ショートの勢いが強まるだろう。
そのため、オプション権利行使価格の3万7250円から3万8000円のレンジを想定する。-2σ水準で下げ渋りをみせてくるようだと、アク抜けの動きが強まる可能性はある。ただし、3万8000円接近では戻り待ち狙いのショートが入りやすいとみられる。翌週には接戦となっている米大統領選挙選挙を控えているほか、決算発表が本格化するなかで、積極的にはポジションを傾けにくい需給状況が続くだろう。
25日の米VIX指数は20.33(前日は19.08)に上昇した。先週は22日に一時18.05まで低下する場面もみられ、週末以外は不安心理が高まった状態を示す20.00を下回っての推移だった。ボトム圏での推移であるものの、米大統領選を控えてリバウンドを強める場面がありそうだ。
先週のNT倍率は先物中心限月で14.47倍に低下した。22日に14.59倍を付ける場面もみられたが、政治リスクの織り込みが強まるなか、相対的に日経平均型の弱さが目立った。本日は日経平均型のインデックス売りが先行することで、NTショートが優勢になりそうだ。ただし、今週は米国で大型テックや半導体株の決算が予定されており、低下局面ではNTロングを組成するタイミングになることも意識しておきたい。
先週末のドル円は、アジア時間に151.46円まで下押し。200MAの151.42円手前でしっかりとサポートレベルを確認したこともあって、その後は152.00円を挟んだもみ合いのなか米長期金利の上昇につれて152.38円まで買戻されてNY市場を引けることになりました。そして、自公が過半数を割る結果となった衆院選の結果を受けて、週明け早朝のオセアニア市場では153円台まで上昇。先週末高値の152.38円を上回る152.47円を安値に一時153.88円と植田ショックが起きた7月31日の高値に面合わせする動きとなっています。
為替市場の朝いちのアクションとしては、政局に突入したことによる円売りといった単純なものであったかもしれませんが、日経平均先物が37260円まで早朝に急落した直後から、38658.74円までの怒涛の買戻しとなっていることからもわかるように、むしろ、石破政権が目指すであろう緊縮財政や増税といった本来の政策が、もはや不可能な状態となったことによる、マーケットフレンドリーな政策への期待感が台頭していることが主因。
金曜日にもお伝えしたように、一寸先は闇の政局が、いずれの選択肢を選ぶことになったとしても、極めてアベノミクス的な政策への方向性が見えてくるはずといった期待感が過半数割れとなること自体への調整売りを、先週末までにほぼほぼ終えていた株式市場の踏み上げとなっているあたり、整合性のある動きといえます。
ドル円については、先週ワシントンで開催されたG20やIMFの年次総会の場から、IMF高官が「円安は日本に恩恵をもたらす」との見解を表明しているわけで、「円安から日本を救った」はずが、史上最大の株価の暴落を誘う不都合な結果を招いてしまった当局にとっても、政治的枠組みに調整が必要になったのと同時に、また、新たな財務官が就任したのをきっかけに、根本的認識の調整が必要となってくるのかもしれません。目先は先週末の高値を上抜けて上昇幅をひろげている米10年債利回りの動向を見極めながらの動きとなっています。
「ドイツ刑法典130条」の民衆扇動罪では、ヒトラーやナチスドイツを礼賛したり讃美したりする言動が禁止されており、ナチス式の敬礼やナチスのシンボルを見せることも禁止されている。
1.トランプ第45代米大統領
2024年10月22日、トランプ前米大統領の首席補佐官を務めたジョン・ケリー氏は、米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューで、トランプ前米大統領が、ナチ・ドイツの独裁者アドルフ・ヒトラーを称賛していた、と述べた。
ケリー氏は退役海兵隊大将で、トランプ政権では国土安全保障長官、首席補佐官を務めた。
米誌アトランティックは、トランプ氏がホワイトハウスでの私的な会話で「ヒトラーが抱えていたような将軍たちが必要だ。彼(ヒトラー)に完全に忠実で、命令に従う者たちだ」と語っていたと報じた。
トランプ陣営の広報責任者であるスティーブン・チョンは、「ケリーはでっちあげたデタラメな話で自分自身を笑い者にしている。首席補佐官として働いている間、大統領にうまく仕えることができず、現在は『トランプ錯乱症候群』を病んでいるからだ」と反論した。
11月5日の米大統領選挙に向けてトランプ候補と対峙しているハリス候補は「トランプ氏が600万人のユダヤ人と数十万人の米国人の死の責任を負っているヒトラーを引き合いに出すことは非常に憂慮すべきで、極めて危険なことだ」と批判した。
2.原田前日銀審議委員
2017年6月29日、原田日銀審議委員は、ナチス・ドイツ総統だったヒトラーが「正しい財政・金融政策をしてしまったことで、かえって世界が悪くなった」と述べた。
「ヒトラーが正しい財政・金融政策をやらなければ、一時的に政権を取ったかもしれないが、国民はヒトラーの言うことをそれ以上、聞かなかっただろう。彼が正しい財政・金融政策をしてしまったことによって、なおさら悲劇が起きた。ヒトラーより前の人が、正しい政策を取るべきだった」と語った。
3.麻生前副総理
2013年7月29日、麻生氏は、憲法改正をめぐるシンポジウムに出席した際に「ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていた。誰も気づかないで変わった。あの手口に学んだらどうかね」などと発言した。同年8月1日に撤回した。
2017年8月29日には、派閥研修会で「結果が大事だ。何百万人も殺しちゃったヒトラーは、いくら動機が正しくてもダメなんだ」と述べたが、翌日に発言を撤回した。
本日のロンドン為替市場でユーロドルは、まず先週のNY引け直前に伝わったフランス格付け見通し引き下げの影響を見定める展開か。米格付け会社ムーディーズは25日、フランスの格付けを「Aa2」で据え置いたものの、見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更。同国財政の悪化が想定上に進んでいることが懸念された。
ロンドンタイムでは、予定されている重要なイベントはウンシュ・ベルギー中銀総裁の講演のみ。ムーディーズ決定の影響が限定的だった場合(その可能性は高そうだが)、ユーロドルは先週半ばからレンジをなぞる程度になるか。
先週末に発表された10月独Ifo企業景況感指数は予想より強かったものの、それを受けてのユーロ買いも1.0830ドル台までと限られた。米長期金利の上昇基調や、根強い欧州中央銀行(ECB)による12月大幅利下げ観測がユーロの上値を抑制している。
本日発言が予定されているウンシュ・ベルギー中銀総裁は先週、12月理事会における0.50%利下げについては否定的な見解を示した。もっと同総裁は、「欧州経済は我々が考えていたよりも弱い」とも述べており、金利引き下げ自体は肯定的なスタンスではありそうだ。サプライズ発言が飛び出るとは思えないが、材料難のなかで気にかけておく必要はあるだろう。
欧州通貨は対ドルで結局、時間外ではあるものの米債利回り次第という展開は十分にあり得る。本日はニューヨークタイムに米財務省が2年債と5年債の入札を実施するため、中期債を中心に思惑的な売買で右往左往する可能性はありそうだ。
なお、中東の地政学リスクの強弱を測るうえでも、イスラエル対イランの行方には注意が必要だろう。イスラエル軍は26日、イラン国内の軍事施設を標的に空爆を実施した。一部メディアによれば、今回の攻撃でイランが支援する中東各地の武装組織へのミサイル供給も制限される可能性があるもよう。
イランの石油関連施設への攻撃が免れたことで、週明けの原油先物相場は急落した。この辺りも、産油国や石油を輸入に頼る国の通貨に影響を与えるだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、25日高値1.0839ドル。超えると21日高値1.0872ドル。
想定レンジ下限
・ユーロドル、23日安値1.0761ドル。割り込むと7月2日安値1.0710ドル。
モルガン・スタンレーMUFG証券では、衆院選で与党自民党の獲得議席数が公明党と合わせても過半数を割り込んだことを受けて、日本経済への影響についてリポートしている。現時点で石破首相は退陣を否定し、政権継続へ野党に協力を要請する方針を示しているものの、当面は政治に不透明感が高い状況が残るとMSMUFGではコメント。ただ、経済政策の観点では、2%の物価安定目標を含む経済政策のレジームが大きく変わる可能性は低いとの見方は変わらないとしている。MSMUFGの日銀見通しは、1月利上げがベースケース・12月がリスクシナリオで変更なし。ただし、政治の不透明感が長引いたり、市場が混乱したりする場合には、年内に日銀が動くハードルは上がると考えている。
(28日15時時点)
ドル円:1ドル=153.53円(前営業日NY終値比△1.22円)
ユーロ円:1ユーロ=165.62円(△1.19円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0787ドル(▲0.0009ドル)
日経平均株価:38605.53円(前営業日比△691.61円)
東証株価指数(TOPIX):2657.78(△39.46)
債券先物12月物:143.87円(▲0.19円)
新発10年物国債利回り:0.970%(△0.025%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は堅調。昨日の衆議院選挙では自民・公明両党で過半数の議席を割り込んだ。自公が連携を狙う国民民主党や日本維新の会は金融緩和や積極的な財政出動などを掲げていることから、日銀の追加利上げに対するハードルが上がったとの思惑が浮上。日銀の利上げ先送り観測などを手掛かりにした円売りが先行した。日経平均株価の上昇も買いを誘い、一時153.88円と7月31日高値に面合わせした。もっとも、日銀が追加利上げを決めた同日の高値が目先のレジスタンスとして意識されると、いったんは上値が重くなった。
・ユーロ円も堅調。全般に円売りが先行した流れに沿って、7月31日以来の高値となる166.07円まで上昇。もっとも、その後はドル円と同様に持ち高調整の売りに押された。
・ユーロドルは小安い。時間外の米10年債利回りが4.28%台まで上昇するなか、一時1.0782ドルまで弱含む場面も見られた。
・日経平均株価は大幅反発。昨日の衆議院選挙を受けて、朝方こそ国内政治の不安定化を意識した売りが出たものの、その後は買い戻しが優勢に。日銀の追加利上げに対するハードルが上がったとの思惑が広がったほか、外国為替市場での円安進行も相場の支えとなり、指数は一時820円超高まで上昇幅を拡大した。
・債券先物相場は4営業日ぶりに反落。衆院選で過半数を割り込んだ自公政権が積極財政を掲げる野党との連携を模索するとの思惑が広がり、国債増発につながるとの見方から売りが出た。
日経225先物は11時30分時点、前日比510円高の3万8520円(+1.34%)前後で推移。寄り付きは3万7560円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8095円)を大きく下回り、売りが先行して始まった。衆議院議員総選挙で与党が過半数を割り込んだことから、政治運営に対する不安定化を警戒した売りが先行する形となった。ただし、寄り付き直後に付けた3万7550円を安値にショートカバーの動きが強まり、現物の寄り付き後ほどなくして3万8690円まで買われた。25日移動平均線水準まで一気に回復したこともあり、買い一巡後は3万8380円まで上げ幅を縮めたが、その後は3万8500円を挟んでの推移となった。
朝方は衆議院選挙での与党過半数割れが嫌気されたが、早々に25日・75日線を突破したことでショートカバーの勢いが強まった。前週末の米国市場ではハイテク株の一角が買われたこともあり、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料になったことも押し目買いに向かわせる形になったようだ。ただし、25日線水準まで一気に回復したこともあり、短期的なリバウンドは一巡したと考えられ、後場は膠着感が強まりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.53倍に上昇した。朝方は14.39倍まで低下する場面もみられ、14.44倍辺りに位置する25日線を割り込んだ。その後は日経平均型優位のリバウンドによって同線を突破し、NTロングに向かわせている。
大阪12月限
日経225先物 38670 +660 (+1.73%)
TOPIX先物 2662.0 +35.5 (+1.35%)
日経225先物(12月限)は前日比660円高の3万8670円で取引を終了。寄り付きは3万7560円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8095円)を大きく下回り、売りが先行した。衆議院議員選挙で与党が過半数を割り込み、政治運営の不安定化を警戒した売りが先行する形となった。ただし、寄り付き直後に付けた3万7550円を安値にショートカバーが強まり、現物の寄り付き後ほどなくして3万8690円まで買われた。25日移動平均線水準まで一気に回復したこともあり、買い一巡後は3万8440円~3万8600円辺りで保ち合いを継続。後場中盤にレンジを上抜け、3万8770円まで買われる場面もみられたが、終盤にかけては3万8600円~3万8700円処の高値圏での保ち合いとなった。
朝方は衆議院選挙での与党過半数割れが嫌気されたが、早々に75日・200日線を突破したことでショートカバーの勢いが強まり、一気に25日線水準まで上げ幅を広げるなど予想以上のリバウンドをみせた。アク抜けの動きが広がるなか、前週末の米国市場でハイテク株の一角が買われたことも、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になった。また、円相場が1ドル=153円台と円安に振れて推移していることもプラスに受け止められた。
午後には石破茂首相の記者会見が伝わり、他党の政策を積極的に取り入れる姿勢を示したほか、引責辞任を否定した。政権交代による政治空白リスクが後退したことが、後場の一段高につながったようだ。ただし、買い一巡後は25日線水準での攻防をみせており、目先的には抵抗線として意識されてくる可能性がありそうだ。
指数インパクトの大きいところでは中外製薬 <4519.T> [東証P]の上げと、信越化学工業 <4063.T> [東証P]の下げが目立った。いずれも決算を受けた値動きであるため、本格化する主要企業の決算が通過するまでは積極的にはポジションを傾けにくく、個別の決算の影響を受けやすくなりそうだ。また、日経平均株価を牽引したアドバンテスト <6857.T> [東証P]は米ハイテク株高の影響はあるものの、前週の下落分を埋める動きであり、買い戻しが中心だったとみられる。
ただし、25日線を明確に上放れてくるようだと、ボリンジャーバンドの+1σが位置する3万9370円辺りが意識されてくるだろう。週足の+1σは3万9310円に位置している。米大統領選挙を控えていることもあり、積極的な売買は限られるが、押し目狙いのスタンスに向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.52倍に上昇した。朝方は14.39倍まで低下する場面もみられ、14.44倍辺りに位置する25日線を割り込んだ。その後は日経平均型優位のリバウンドによって同線を突破し、NTロングに向かわせた。ただし、前週の高値水準を回復してきたことで、リバランスは一巡した可能性がありそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万7510枚、ソシエテジェネラル証券が1万6438枚、サスケハナ・ホンコンが3920枚、モルガンMUFG証券が3438枚、JPモルガン証券が3063枚、バークレイズ証券が2968枚、SBI証券が1965枚、野村証券が1866枚、ゴールドマン証券が1603枚、みずほ証券が1477枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万7192枚、ソシエテジェネラル証券が2万2099枚、バークレイズ証券が5044枚、モルガンMUFG証券が3939枚、サスケハナ・ホンコンが3376枚、JPモルガン証券が3031枚、ゴールドマン証券が2561枚、SBI証券が1919枚、みずほ証券が1918枚、ビーオブエー証券が1375枚だった。
ドル円は引き続き下値の堅い展開が予想される。週末に行われた衆議院選挙では、与党(自民党、公明党)の合計獲得議席が215議席となり、過半数(233議席)には議席数が不足している。与党系無所属の当選の6人を追加公認した場合でも221議席にとどまり、過半数に届かないのが現状だ。連立を組む場合には、第2自民党とも呼ばれている維新(38議席)、国民民主(28議席)が有力か。この中で一部報道では国民民主党との接近を目論んでいるとされているが、国民民主党は低金利を維持した政策をとる方針を示している反面、消費税を5%へ引き下げを主張し歳出拡大路線となっている。現時点では玉木代表は連立を否定しているが、今後の展開が要注目となる。
日本人でも今後の政局だけでなく永田町の論理を理解するのが難しい状況で、NY時間で海外勢が深く政局を読み解くのは難しいだろう。今後の政局が混迷を深めることは避けられないことで、ドル円は下がった場合の買い意欲は根強くなると思われる。
水準的には、7月末に行われた日銀政策決定会合後の高値まで上昇したことで、通常ならば為替介入もしくは口先介入の強化となる水準でもある。石破首相が、衆議院選挙で勝つために利上げ容認による株価の急落を食い止めようと、利上げに対して否定的な(「個人的には現在、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」)発言をしてからの円安が止められない。7月の日銀による利上げで、これまで十数年続いたアベノミクス・黒田バズーカの円安の弊害に、ようやく終止符が打たれたと思った矢先に、すべてをぶち壊してしまった。現財務相の加藤議員は政策通と呼ばれ、一部ではポスト石破として担ぎ上げらえるとの声も出ている。このような政局が混迷化し、米大統領選挙を前にしている状況下では、財務相は為替介入には積極的に動けないのではないかとの声も出ている。
本日は米国からは市場を動意づけるような経済指標の発表予定はないが、2年債と、5年債の入札が行われる。入札結果次第ではドル円も動意づくこともありそうだ。なお、今週は週半ばからは米国から市場を動意づけるような注目イベントが豊富だ。明日29日に9月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数、30日に7-9月期米国内総生産(GDP)速報値、同期米個人消費支出(PCE)デフレーター、31日に9月米PCEデフレーター、1日に10月米雇用統計などが発表される。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、近場では本日高値で7月の日銀政策決定会合後の高値でもある153.88円。その上は7月30日高値155.22円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、本日安値152.47円。その下は200日移動平均線151.45円。
今週のNY市場はアップルなどの第3四半期決算発表に注目。先週はダウ平均が2.68%安、S&P500が0.96%安とともに7週ぶりに反落した一方、ナスダック総合は0.16%高と小幅ながら7週続伸した。米10年債利回りの上昇が重しとなる中、発表が本格化した第3四半期が好悪まちまちとなった。利益が予想を上回ったほか、2025年の強い見通しなどが好感されたテスラが週間で22%高と急伸した一方、決算が嫌気された、ジェニュイン・パーツ、ニューモント、HCAヘルスケア、ニューコア、ダナハーなどが2桁安となった。
今週は発表がピークを迎える第3四半期決算や10月雇用統計などの経済指標が焦点か。11月5日の米大統領選の投開票を控えて様子見が強まることや、足もとでの米10年債利回りの上昇が上値の重しとなることが予想される中、決算発表ではアップルなどのメガキャップの決算やガイダンスが焦点となりそうだ。第3四半期決算発表は、今週S&P500採用の150銘柄以上が発表予定で、アルファベット、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、アップル、アマゾン・ドット・コムなどのメガキャップのほか、マクドナルド、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、ビザ、キャタピラー、イーライ・リリー、シェブロン、エクソン・モービルなどが発表される。経済指標では金曜日に10月雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均賃金)が発表されるほか、9月JOLTS求人件数、10月ADP民間部門雇用者数、10月ISM製造業PMIなども発表され、足もとの景気動向が注目される。
今晩は主要な経済指標の発表はなし。企業決算は寄り前にオン・セミコンダクター、引け後にフォードなどが発表予定。
インド経済は今年度と来年度も堅調な成長が見込まれているものの、雇用創出や家計支出の伸びは緩やかにとどまる見通しと一部通信社が報じた。エコノミストらは民間投資の不足や政府の改革欠如が雇用創出と民間セクターの投資信頼を抑制していると指摘。経済成長率は今年度6.9%、来年度6.7%と予測されているが、十分な雇用を生み出すには8%以上の持続的成長が必要とされている。消費の回復は見られるものの、インフレの影響で家計の支出抑制が懸念されている。
米国の超党派議員グループが中国のシリコンフォトニクス技術開発による国家安全保障上の脅威について、商務省に調査を要請したと一部通信社が伝えた。シリコンフォトニクスはAI分野で重要な技術として注目されており、中国は積極的にこの技術を追求し、広東省も最近資金提供プログラムを開始した。議員らはこの技術の軍事転用の可能性を懸念し、輸出管理規則の見直しを求めているほか、中国が最も迅速にこの分野のリソースを動員していると指摘している。
韓国の尹錫悦大統領は北朝鮮軍のウクライナ前線への実際の派遣が予想よりも早く行われる可能性があると警告した。欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長との電話会談で、尹大統領はこの状況を深刻視し、EUとの実務的な対策を要求。また、ロシアと北朝鮮の「違法な交流」の監視と阻止に努めると述べたほか、NATOのルッテ事務総長も、北朝鮮軍のロシアへの派遣とクルスク地域への配備を確認した。この事態は、ウクライナ戦争の長期化をさらに悪化させる重大な問題として認識されている。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
難航するフランスの予算審議 格下げ回避も、財政再建の行方に暗雲
格付け会社ムーディーズは25日、フランスの財政状況や政治環境の悪化を理由に、国債の格付け見通しを「ネガティブ」に変更した。この段階での格下げは見送ったが、政府の中期的な財政計画の実行が難しい場合、格下げの可能性を示唆している。財政運営や政治環境を取り巻く状況が早期に改善することは難しく、筆者は来年以降、格下げが行われるとみる。
21日に下院で始まったフランスの予算審議は難航している。政府は29日に予定していた歳入部分の採決が難しいと判断し、残る1500以上の修正案の審議を11月5日以降に先送りすることを決断した。政府の予算案に対しては、左派や極右の野党勢力だけでなく、マクロン支持の中道勢力とバルニエ首相の出身政党の与党勢力からも反発の声が聞かれる。審議の遅れが続けば、年内の予算成立に黄信号が灯りかねない。憲法上の特例措置などを駆使し、薄氷の審議が続こう。
米財務省によると、2年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.130%、応札倍率(カバー)が2.50倍となった。
新しい世論調査によると、アメリカの有権者は来たる大統領選挙に深い不安を抱えているとAP通信が報じている。約40%の有権者が選挙結果を覆す暴力的または法的な試みを非常に懸念しており、約3分の1が地方や州の選挙管理者による結果確定阻止の試みを心配しているとのこと。これらの懸念は、2020年の選挙結果を受け入れなかったトランプ前大統領の支持者による議事堂襲撃から約4年経った今も、世界最古の民主主義の脆弱性を示している。調査結果は、選挙後の政治的暴力や民主主義への影響に対する有権者の持続的な不安を反映している。
日経平均株価は大幅反発。軟調なスタートとなったが、売り一巡後は早々にプラスに転じて上げ幅を拡大する展開となった。38000円台を回復し、200日移動平均線(38292円 10/28)を上回って終えた。
RSI(9日)は前日の16.4%→27.5%(10/28)へ上昇。あすも上昇しやすいタイミングとなる。一目均衡表では基準線(38608円 同)の上昇が継続するほか、雲のネジレが発生するタイミングでもあり、反発基調が続くかが目先の焦点となる。
一方、下向きで推移する10日移動平均線(38711円 同)に上値を抑えられやすく、いったん押し戻される動きも想定しておきたい。終値ベースで10/2安値(37808円)を下回ると37000円どころまで調整が長引く可能性が高まる。
上値メドは、心理的節目の39000円や39500円、10/15安値(39910円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、200日移動平均線、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある
米財務省によると、5年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.138%、応札倍率(カバー)が2.39倍となった。
(28日終値:29日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=153.28円(28日15時時点比▲0.25円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=165.74円(△0.12円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0813ドル(△0.0026ドル)
FTSE100種総合株価指数:8285.62(前営業日比△36.78)
ドイツ株式指数(DAX):19531.62(△68.03)
10年物英国債利回り:4.254%(△0.021%)
10年物独国債利回り:2.286%(▲0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。欧州時間に入って全般ドル売りが先行すると上値を切り下げる展開となった。上昇していた米10年債利回りが一時低下に転じたことも重しに21時30分前には一時152.41円と日通し安値を更新。衆院選で自公が過半数割れとなり、政局不安から日銀の早期利上げ観測後退を受けてアジア時間に上昇した分を全て吐き出す動きとなった。
ただ、米金利が再び上昇したことで買い戻しが優勢に。米2年債入札が低調な結果となり10年債利回りが4.30%手前まで上昇幅を広げたほか、ダウ平均が堅調に推移したことを支えに153.30円台まで持ち直した。
・ユーロドルは買い戻し。東京市場では1.0782ドルまで下落したものの、欧州時間に入ると独長期金利の上昇を手掛かりに欧州勢が買い戻しで参入。欧米株高でリスクオンのムードが広がったことも支えとなり、24時前には一時1.0828ドルと日通し高値を付けた。
ウンシュ・ベルギー中銀総裁が「金融緩和をさらに加速させる差し迫った必要性はない」と述べ、市場で広がる大幅利下げ観測をけん制する発言をしたこともユーロの買い戻しを誘った面があった。
・ユーロ円は下値が堅い。欧州序盤はドル円の失速につれて164.44円まで下落し日通し安値を付けた。その後はもみ合いが続いた後、NY時間に入ってドル円が反発したうえ、欧米株が上昇したことも後押しとなり165.80円台まで切り返した。
・ロンドン株式相場は反発。日本や中国の株式相場が上昇した影響を受けて買いが強まった。分野別では、消費財サービスや不動産株の上昇が目立った一方、原油先物価格の大幅下落を受けてエネルギー関連株は安かった。
・フランクフルト株式相場は3日続伸。堅調なアジア株式相場を好感した買いが先行。その後は下げに転じる場面があったが、米国株高が下値を支えた。個別では、フレゼニウス(2.30%高)やハイデルベルグ・マテリアルズ(1.80%高)が買われた半面、ポルシェ(4.95%安)やシーメンス(3.78%安)が安かった。
・欧州債券相場はまちまち。
28日の日経平均は大幅反発。終値は691円高の38605円。日曜27日に投開票が実施された衆院選では、自公で過半数割れと政権与党に非常に厳しい結果となった。これを受けて、寄り付きは150円近い下落。しかし、その寄り付きを安値にすぐにプラス転換すると、上方向に勢いがついた。衆院選を警戒して先週大きく下げていたこともあり、悪材料出尽くしとの見方が強まった。序盤で一気に水準を切り上げた後、中盤は高値圏をキープし、終盤にかけて再び上を試す展開。後場には800円超上昇して38700円台に乗せる場面もあり、ほぼ高値圏で取引を終えた。好地合いの中、グロース250指数が3.5%高と目を見張る上昇となった。
東証プライムの売買代金は概算で3兆8800億円。業種別では輸送用機器、医薬品、海運などが上昇した一方、鉱業、化学、石油・石炭などが下落した。上方修正を発表したファナック<6954.T>が大幅上昇。半面、下方修正を発表した東京製鉄<5423.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1504/値下がり123。ディスコ、レーザーテック、アドバンテストなど半導体株が軒並み大幅高。トヨタ、ホンダ、日産自動車など自動車株の多くが強く買われた。決算が好感された中外製薬が2桁の上昇率となってプライムの値上がり率トップ。グロース市場では多くの銘柄が値幅を伴った上昇となる中、タイミーが商いを伴って14.9%高と急騰した。株主優待の導入を発表したNo.1は、買いが殺到してストップ高比例配分となった。
一方、自民惨敗で石破首相の求心力低下が意識されたか、三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社がそろって逆行安。CEOの辞任を発表したオリンパスが急落した。信越化学は決算が好感されず2.9%安。INPEX、出光興産、コスモエネルギーなど原油との連動性が高い銘柄の多くが売りに押された。
本日、グロース市場に新規上場したHmcommは、初値は公開価格を大きく上回ったものの、終値は初値を大きく下回った。
日経平均は691円高と大幅上昇。安く始まったにもかかわらず、寄り付きを安値に切り返した。当然ながらローソク足では陽線を形成し、実体部分も長かった。自民党の獲得議席大幅減で石破首相の責任問題も浮上してくるが、株式市場ではそのことはリスクとして捉えられていないかもしれない。政治の世界では大きな変化が出てくる可能性があるが、与党と野党が緊張感を持って前に進んでいくことができれば、国民と政治との距離が近くなることで日本全体にプラスの影響が出てくることも期待できる。政治イベントを材料とした売りは一巡したようにも見える。
日本株に関しては、きょうの動きが良かったことで、目先は売りを仕掛けづらくなった。日経平均は23日まで11営業日連続で陰線を形成しただけに、あす以降は陽線が増えてくるかどうかが注目される。連続陽線になるかどうかはともかく、異様に場中が弱い状態が解消されれば、下振れへの警戒が和らぐことで買いが入りやすくなるだろう。10月に入って下げ基調が続いていたグロース250指数もきょうの動きは強かった。同指数に底打ち感が出てくるかどうかにも注目しておきたい。
(28日終値)
ドル・円相場:1ドル=153.29円(前営業日比△0.98円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=165.73円(△1.30円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0812ドル(△0.0016ドル)
ダウ工業株30種平均:42387.57ドル(△273.17ドル)
ナスダック総合株価指数:18567.19(△48.58)
10年物米国債利回り:4.28%(△0.04%)
WTI原油先物12月限:1バレル=67.38ドル(▲4.40ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2755.9ドル(△1.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は続伸。欧州時間は上昇していた米10年債利回りが一時低下に転じたことなどを背景にドル売りが強まった影響から一時152.41円まで下落する場面があった。ただ、NY時間に入り、米金利が再び上昇したことで買い戻しが優勢に。米2年債入札が低調な結果となり10年債利回りが4.30%手前まで上昇幅を広げたほか、ダウ平均が堅調に推移したことを支えに153.30円台まで持ち直した。
・ユーロドルは反発。欧州市場で買いが強まった影響が残り、24時前には一時1.0828ドルと日通し高値を付けた。もっとも、NY市場に限れば動きは限定的となり、値幅は18pips程度と狭かった。市場では「欧州中央銀行(ECB)の大幅利下げ期待は高く、引き続きユーロの上値は重いとみる見方は強い」との指摘があった。
・ユーロ円は続伸。欧州タイムに164.90円付近まで下押ししたが、NY時間にはドル円が反発したうえ、欧米株が上昇したことも後押しとなり165.80円台まで切り返した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反発。先週末まで下落が続いていた反動から主力株に自律反発狙いの買いが目立った。週内に四半期決算を控える大型ハイテク株の一角に先行買いも見られ、一時360ドル超上昇した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指は3日続伸した。7月10日に付けた史上最高値を上回る場面があったが、米長期金利の上昇を受けて伸び悩んだ。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。11月の米大統領選でトランプ前大統領が優勢との見方が強まるなか、インフレや財政悪化リスクが高まることに備えた米国債売りが強まった。利回りは一時4.30%と7月中旬以来の高水準を付けた。
・原油先物相場は反落。中東でイスラエルによるイランへの攻撃が続いており地政学的な緊張は継続。しかし石油関連施設や、生産活動にも影響を及ぼしそうな核関連施設への攻撃は回避されているとの見方が原油買いの動きを後退させた。
・金先物相場は3営業日続伸。中東情勢や11月5日の米総選挙などリスク要因のくすぶりがリスク回避資産である金の下値を支えた。ただ、米金利の上昇やドル相場の底堅さが、金利のつかない金の相対的な投資妙味低下を意識させたり、ドル建て金価格の割高感につながったりしたことが上昇幅を限定した。
28日15:14 ウンシュ・ベルギー中銀総裁
「12月の政策決定について議論するのは時期尚早」
「金融政策のさらなる緩和加速は急務ではない」
「エネルギー価格の変動によるインフレ目標の一時的な小幅な下振れは許容範囲」
28日23:26 ラミー英外相
「ウクライナを弱体化させようとするロシアの偽情報機関に制裁を科す」
「これらの制裁が単なる警告ではなく、具体的な行動を伴う強い対応である」
29日00:20 米国防総省
「北朝鮮から派遣された兵士の一部がウクライナにより近い場所に移動」
※時間は日本時間
UBS証券では、日本株の政治情勢が不安定になっていることを受けて、この影響について考察している。自民連立政権が弱体化すれば、家計や地公体、中小企業を支援するための歳出が増え、減税の可能性も出てくる。UBSでは、消費税率の引き下げは自民党が受け入れるとは思えないとしながらも、24年度補正予算と25年度当初予算に食料価格・エネルギー価格高に対応するための一時的な所得支援が盛り込まれる可能性があると考えている。株式市場は財政拡大を好ましい動きと捉えるかもしれないが、UBSでは「日本売り」のテールリスクを懸念している。財政健全性に対する政府の意志を反映し、テールリスクのきっかけになり得るソブリン(日本国債)格下げの可能性は忘れてはならないとコメントしている。
大和証券では、衆院選で与党が過半数割れとなったことを受けてリポートしている。与党は連立の拡大を目指すと思われるが、来年7月には参院選があることから、実現は難しいと大和では考えている。一方、国民民主党とのパーシャル連合や閣外協力の可能性が考えられることなどから、政権交代は避けられそうとコメント。今回議席を伸ばした国民民主党は衆院選の公約で、積極財政と金融緩和による高圧経済を掲げている。同党の発言力の高まりにより、国債市場に警戒感が高まる可能性があると大和では考えている。
<国内>
○08:30 ◎ 9月完全失業率(予想:2.5%)
○08:30 ◎ 9月有効求人倍率(予想:1.23倍)
○未定 ◇ 10月月例経済報告
<海外>
○16:00 ◇ 11月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲20.5)
○18:30 ◇ 9月英消費者信用残高(予想:13億ポンド)
○18:30 ◇ 9月英マネーサプライM4
○21:30 ◇ 9月米卸売在庫(予想:前月比0.1%)
○22:00 ◇ 8月米住宅価格指数(予想:前月比0.1%)
○22:00 ◎ 8月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比5.1%)
○23:00 ◎ 9月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数(予想:800.0万件)
○23:00 ◎ 10月米消費者信頼感指数(予想:99.5)
○30日02:00 ◎ 米財務省、7年債入札
○トルコ(共和国記念日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
28日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、欧州市場で米10年債利回りの低下を受けて152.41円まで下落した後、同年債利回りが4.30%手前まで上昇したことで、153.30円台まで持ち直した。ユーロドルは1.0828ドルまで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りが4.30%手前まで上昇していることや、日本の政治・金融政策を巡る不確実性が高まったことで、底堅い展開が予想される。
昨日のドル円は153.88円まで上昇し、7月31日の植田ショックの時の高値に面合わせした。衆議院選挙で自民・公明の政権与党が過半数を確保出来なかったことを受け、政治的な不確実性が高まる中、日本銀行は、早期の追加利上げに踏み切ることはできないだろうとの思惑から円売りが進んだ。
植田日銀総裁は、先週末のG20会議の後の記者会見、9月の日銀金融政策決定会合の後の記者会見、そして、石破首相との初会談の後に、「不確実性が大きい場合には、政策変更を慎重に段階的に進めたい。追加利上げを判断するのに、時間的な余裕はある」と述べていた。日銀の早期の追加利上げ観測の後退が円売り圧力を強めている。
さらに、11月5日の米国大統領・議会選挙に向けて米長期金利の上昇基調が続いていることも、ドル買い要因となっている。トランプ共和党候補とハリス民主党候補のどちらが勝利しても、両者が減税と拡張的な財政政策を公約に掲げていることが要因だ。
昨日のNY市場では米2年債入札が低調だったこともあり、10年債利回りが4.30%手前まで上昇した。米財務省は30日に四半期定例入札の規模を発表するが、市場では、3四半期連続で総額1250億ドル規模になると予想され、米10年債利回りが5%台まで上昇する可能性も警戒されている。
トランプ第47代米大統領が誕生した場合の「トランプノミクス2」では、関税引き上げや減税と財政出動によるインフレ率の上昇、トランプ・フレーションの可能性が高いため、トランプ・トレード(米国債売り・ドル買い)が活発化しつつある。
ところで、2009年8月30日の第45回衆議院議員総選挙で政権交代が起きた時は、日経平均株価とドル円は下落していた。
・日経平均株価、8月31日の始値10608円から11月27日の安値9076円まで1531円(14%)下落
・ドル円、8月31日の始値93.48円から11月27日の安値84.82円まで8.66円(9%)下落
今回の第50回衆議院議員総選挙では、与党が過半数を確保できなかったものの、政権交代は回避できたため、リスク回避の日本株売り・円買いにはならなかったと思われる。今後は、石破降ろしの可能性、新たな連立政権の枠組み、首班指名選挙への思惑などを見極めていくことになる。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38630 -40 (-0.10%)
TOPIX先物 2666.0 +4.0 (+0.15%)
シカゴ日経平均先物 38605 -65
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
28日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。自律反発狙いの買いが入り、NYダウは6営業日ぶりに反発した。イスラエルがイランに対し報復攻撃を行ったが、軍事施設に限定したことでNY原油先物は大幅に下落し、リスク回避姿勢が後退した。個別では大腸菌の集団感染の影響で停止していた商品の提供を再開すると発表したマクドナルド<MCD>や、アナリストの目標株価引き上げが伝わった3M<MMM>が買われたほか、ゴールドマン・サックス<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>がNYダウを牽引した。S&P500業種別指数は銀行、消費者サービス、各種金融が上昇した一方で、自動車・同部品、エネルギー、半導体・同製造装置が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比65円安の3万8605円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比40円高の3万8710円で始まり、直後につけた3万8750円を高値に下落に転じ3万8270円まで下げ幅を広げた。売り一巡後はリバウンドをみせており、米国市場の取引開始後ほどなくしてプラス圏を回復した。ただし、開始直後に付けた高値は超えられず、終盤にかけては3万8590円~3万8670円辺りで保ち合い、3万8630円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まりそうだ。前日は衆議院議員選挙で与党が過半数を割り込んだことで3万7550円まで売られた後にショートカバーが強まり、一時3万8770円まで買われた。急ピッチの上昇でショートカバーは一巡したとみられ、若干ロングに傾いたポジションの解消が入りやすい。
また、テクニカル面では、上向きで推移している25日移動平均線(3万8730円)まで一気に回復したことで、短期達成感につながるほか、同線が抵抗線として意識されやすい。ボリンジャーバンドが収斂するなか、前日には-1σ(3万8010円)を割り込み、-2σ(3万7340円)に接近した後に切り返していた。中心値(25日)を明確に上放れてくるようだと、+1σ(3万9370円)が射程に入ってくるが、接戦が伝わる米大統領選挙の結果を見極めたいところであり、積極的にはポジションを傾けにくい。
米国では大手テック企業の決算発表が相次ぐことも様子見姿勢に傾かせやすい。足もとでは良好な決算が目立ち、大手テック企業には決算期待による先回り的な買いも入っているとみられる。予想を上回る内容となれば、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になり、押し目待ち狙いのロングが入りやすいだろう。
そのため、オプション権利行使価格の3万8500円を中心とした上下の権利行使価格3万8250円から3万8750円のレンジを想定する。25日線を明確に上放れてくるなら、同線と+1σとのレンジでの推移になりそうだ。もっとも、国内では今後の政権運営に対する不透明感も強く、積極的なロングは手控えられやすいと考えられる。
28日の米VIX指数は19.80(前日は20.33)に低下した。再び不安心理の高まりを示すとされる20.00を下回っている。ただし、25日線(19.04)、75日線(18.47)が支持線として意識されているため、リスク選好ながら慎重姿勢は崩せないところであろう。ボトム圏での推移であるものの、米大統領選を控えてリバウンドを強める場面は警戒しておきたい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.52倍に上昇した。朝方は14.39倍まで低下し、14.44倍辺りに位置する25日線を割り込んだ。その後は日経平均型優位のリバウンドによって同線を突破し、NTロングに向かわせた。前週の高値水準を回復してきたことで、リバランスは一巡した可能性はあるが、米国の大手テック企業の決算を控えるなか、NTショートには傾きにくいだろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比200円高の3万8870円(+0.51%)前後で推移。寄り付きは3万8600円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8605円)にサヤ寄せする形から、やや売りが先行して始まった。前日の大幅な上昇によって利益確定に伴うロング解消の動きが入った形だろう。ただし、現物の寄り付き直後に付けた3万8430円を安値にロングが強まり、中盤にかけて心理的な抵抗線となる25日移動平均線(3万8740円)を突破すると、一時3万8920円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は3万8800円~3万8900円辺りでの保ち合いを継続している。
朝方は利食い優勢で始まったが、下値の堅さが意識されるなか、押し目待ち狙いのロングが入った形となった。また、日東電工 <6988.T> [東証P]が決算評価から買われ、好業績期待から他の電子部品や半導体株の一角に買いが広がったことがセンチメントを明るくさせた。日経225先物は25日線を上回っての推移が続いており、後場も同水準をキープするようだと、終盤にかけてショートカバーを誘う可能性がありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.48倍に低下した。一時14.44倍に低下する場面もみられたが、同水準に位置する25日線が支持線として機能している。指数インパクトの大きいアドバンテスト <6857.T> [東証P]が堅調な半面、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]は弱い値動きのなか、スプレッドを狙いづらいところである。
総選挙後の週明け早朝のオセアニア市場で窓を空けて買いが先行したドル円でしたが、アジア市場で一時153.88円と植田ショックとなった7月31日の高値に面合わせした後、米10年債利回りの一転低下につれて戻り売りに押される展開に。一時152.41円まで値を下げました。先週末25日の高値が152.38円だったことを考えれば、週明け早朝に空けた窓を埋めたともいえ、NY時間に入ってからは、米長期金利が再び上値を試す展開となるにつれて153.38円まで買戻されて週明けの取引を終えています。米2年債、5年債の入札が実施されましたが、それぞれ0.8bpと1.6bpのテールが発生。かなりの不調な結果に米10年債利回りは4.2982%まで急上昇となりました。
本日のアジア市場に入ってからは、米長期金利が低下して始まっているほか、仲値にかけては輸出の売りが観測されたこともあり152.85円まで下押ししたものの、NY時間レンジの半値水準で下げ止まり、再び153円台を回復しているあたり、下値の堅さを意識した動きとなっています。昨日は、早朝に先物が急落して、現物の取引開始と同時に怒涛の買戻しを演じた日経平均は、昨夜も先物で大幅に値を下げる場面もみられましたが、結局は値を戻して東京市場を迎えるといった状況。再び300円近い上昇となっています。
いずれにしても、政権与党が過半数割れとなった事実は、市場にとっては、政治的空白や不安といったリスクオフ的な動きではなく、その先にあるであろう、石破政権の持ち備える本源的政策からの転換に焦点が当てられているわけで、既にヘッドラインには、国民民主党の玉木党首の発言が流れてくることからもそれは明らかです。
市場は政策自身が流動的になったことが、これまでの政策決定プロセスの多様化や透明性の向上といった、極めて当たり前のこととはいえ、日本においては画期的なポジティブ要因であると認識しているわけで、マーケットフレンドリーな政策になればなるほど、円キャリーの本格的な再開へと繋がっていくことになりそうです。
「国の貧弱は必ずしも政体のいたすところにあらず。その罪、多くは国民の不徳にあり」
(福沢諭吉)
2009年の政権交代が起きた第45回衆議院議員総選挙の投票率は約69%、2024年の与党過半数割れの第50回衆議院議員総選挙の投票率は約54%、この15%の差が政権交代にブレーキをかけたのかもしれない。
1.第45回衆議院議員総選挙(2009年8月30日)※投票率:69.28%
■内閣:麻生内閣
■議席:480議席
■政権交代
9月16日に民主党代表の鳩山由紀夫氏が首班指名され、自民党(麻生内閣)から民主党への政権交代が実現した。発足時の支持率は70%程度だったものの、3年後の2012年に政権交代となった。
1)第1党:民主党(308議席=解散前115+193)
2)第2党:自由民主党(119議席=300-181)
3)第3党:公明党(21議席=31-10)
4)第4党:日本共産党(9議席=9±0.0)
5)第5党:社会民主党(7議席=7±0.0)
■日経平均株価
・8月31日:始値10608円
・11月27日:安値9076円 ▲1531円 ▲14%
■ドル円
・8月31日:始値93.48円
・11月27日:安値84.82円 ▲8.66円 ▲9%
2. 第50回衆議院議員総選挙(2024年10月27日)※投票率:53.85%
■内閣:石破内閣
■議席:465議席
1)第1党:自由民主党(191議席=258-67)
2)第2党:立憲民主党(148議席=98+50)
3)第3党:日本維新の会(38議席=44-6)
4)第4党:国民民主党(28議席=7+21)
5)第5党:公明党(24議席=32-8)
■日経平均株価
・10月28日:始値37757円~高値38740円
■ドル円
・10月28日:始値152.51円~高値153.88円
本日のロンドン為替市場でユーロドルは、ユーロ圏で最も経済規模が大きいドイツの景況感をまずは確かめ、また同国企業・フォルクスワーゲン(VW)の事業縮小による影響を探りながらの取引か。ほか、ウクライナ・ロシア戦争を巡る地政学リスクの高まりにも注意したい。
欧州序盤に発表される11月独消費者信頼感指数(Gfk調査)は、-20.5と前回から僅かにマイナス幅が縮小見込み。今年前半に記録した-30に迫る水準から改善傾向ではあるものの、コロナ禍前のプラスには遠い状況が続いている。昨日は欧州金融当局者から、欧州中央銀行(ECB)の大幅利下げ観測をけん制する発言が出たものの、足もとの景況感は緩和継続の必要性を示すものとなりそうだ。
複数のメディアが昨日、ドイツを代表する企業の1つVWが国内で少なくとも3つの工場閉鎖を計画していると報じた。それに伴う人員削減は数万人単位になるもよう。新たな事業計画には、残りの工場も恒久的に縮小、全従業員を対象にした一律10%減給の方針も含まれている。VWの国内グループの従業員は約30万人とされ、予想以上の縮小規模は消費センチメントに少なからず影響はあるだろう。
なお、長引くウクライナとロシアの戦争は更に泥沼化する懸念が高まっている。米国防総省の最新の分析によれば、北朝鮮が約1万人の兵士をロシアに派遣し、訓練を受けさせているもよう。ルッテ北大西洋条約機構(NATO)事務総長は昨日、北朝鮮軍部隊がロシア・クルスク地域に配備されたことを確認したと述べた。
米国は北朝鮮が戦闘に参加した場合、ウクライナによる米兵器の使用に新たな制限を課さないと発表している。これに対してプーチン露大統領がより強硬姿勢を取ることは容易に想像でき、地政学リスクの高まりは避けられそうにないか。リスクの強弱を見定めながら、避難通貨とされるスイスフランの動向に注目したい。
想定レンジ上限
・ユーロドル、10月21日高値1.0872ドル
・ユーロ/スイスフラン、10月14日高値0.9428フラン
想定レンジ下限
・ユーロドル、10月23日安値1.0761ドル
・ユーロ/スイスフラン、8月6日安値0.9286フラン
(29日15時時点)
ドル円:1ドル=152.84円(前営業日NY終値比▲0.45円)
ユーロ円:1ユーロ=165.23円(▲0.50円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0811ドル(▲0.0001ドル)
日経平均株価:38903.68円(前営業日比△298.15円)
東証株価指数(TOPIX):2682.02(△24.24)
債券先物12月物:143.85円(▲0.02円)
新発10年物国債利回り:0.970%(横ばい)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月完全失業率
2.4% 2.5%
9月有効求人倍率
1.24倍 1.23倍
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。時間外の米10年債利回りが前日終値比で低下して始まったほか、仲値に向けては本邦輸出企業からの売りも観測された。その後も実需勢のフロー主体の動きで152.76円まで値を下げたが、手掛かり材料が乏しかったこともあり、一巡後は153円台を回復した。
・ユーロ円も弱含み。ドル円と同じく売りに押される展開となり、一時165.16円まで下押しした。もっとも、積極的に下値を探る展開にはなっておらず、前日NY時間からのレンジ内に収まっている。
・ユーロドルは小動き。前日終値を挟んだ狭い値幅内での小動きに終始した。
・日経平均株価は続伸。衆議院選挙を通過した後の買い戻しの流れがこの日も続いた。衆院選前から株価指数先物などを売り進めていた海外勢の買い戻しが相場を支え、300円近く上昇してこの日の高値で引けた。
・債券先物相場は小幅続落。財政拡張への警戒感が相場の重しとなった一方、日銀の利上げ先送り観測が買い材料視され、相場は方向感を欠いた。
政府は29日、10月の月例経済報告を公表。景気の基調判断を「一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している」に据え置いた。個別項目では生産の項目を下方修正した。
大阪12月限
日経225先物 38970 +300 (+0.77%)
TOPIX先物 2688.5 +26.5 (+0.99%)
日経225先物(12月限)は前日比300円高の3万8970円で取引を終了。寄り付きは3万8600円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8605円)にサヤ寄せする形から、やや売りが先行した。前日の大幅な上昇によって利益確定に伴うロング解消の動きが入った形だろう。ただし、現物の寄り付き直後に付けた3万8430円を安値にロングが強まり、前場中盤にかけて心理的な抵抗線となる25日移動平均線(3万8740円)を突破すると、ランチタイムで一時3万8970円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は3万8780円まで上げ幅を縮めたが、終盤にかけてショートカバーとみられる動きが強まり、ランチタイムで付けた高値を回復して終えた。
朝方は利食い優勢で始まったが、下値の堅さが意識されて押し目待ち狙いのロングが入った形となった。また、日東電工 <6988.T> [東証P]が決算評価により買われ、好業績期待から他の電子部品や半導体株の一角に買いが広がったことがセンチメントを明るくさせた。また、米長期金利の上昇を受けてメガバンクのほか、証券、その他金融などの上昇が目立っており、TOPIX型を押し上げる形になった。
日経225先物は25日線を上回って推移し、終盤にかけての強い値動きにより明確に上放れる形となった。そのため、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9410円)辺りが意識されてきそうだ。+1σをクリアしてくると、+2σ(4万0020円)がターゲットになるだろう。決算発表が本格化するなかで積極的な売買は手控えられやすいが、足もとで良好な決算が続いていることから、アク抜けを想定した押し目狙いのスタンスに向かわせやすい。
また、石破首相は国民民主党に対して、近く政策ごとに協力を呼びかける考えであることが、政治関係者の話として主要メディアが報じている。政治空白が避けられ、今後の財政政策への期待感なども徐々に高まることで、ショートを仕掛けづらくさせるだろう。
米大統領選挙を控えてポジションを傾けにくい需給状況であるが、そのためロングには傾いていないと考えられる。若干ながらロングに傾ける動きが入りやすいとみておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.49倍に低下した。一時14.44倍に低下する場面もみられたが、同水準に位置する25日線が支持線として機能している。指数インパクトの大きいソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]が堅調だったほか、弱含みで推移していた東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が終盤にかけてプラス圏での推移をみせており、NTショートに振れにくい面はあった。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3972枚、ソシエテジェネラル証券が9463枚、サスケハナ・ホンコンが3044枚、バークレイズ証券が2103枚、JPモルガン証券が1649枚、モルガンMUFG証券が897枚、SBI証券が892枚、松井証券が825枚、シティグループ証券が757枚、楽天証券が701枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万0299枚、ソシエテジェネラル証券が1万5277枚、バークレイズ証券が5466枚、サスケハナ・ホンコンが3342枚、ゴールドマン証券が3234枚、JPモルガン証券が3126枚、モルガンMUFG証券が3026枚、ビーオブエー証券が1057枚、BNPパリバ証券が1034枚、みずほ証券が649枚だった。
ドル円は引き続き円買いを積極的に行う材料がないことで、ドルの下値の堅い展開が予想される。しかし、アジア時間に2日連続して7月31日高値超えを失敗していることで、本日は一旦円売りの勢いはやや弱まりそうだ。
衆議院選挙では与党(自民党、公明党)が過半数を獲得できず、政局はどのような連立政権が組まれるかが未知数なことで、11月11日の特別国会の召集までは与野党の動向を見定めることになりそうだ。現与党が連立の秋風を送っている維新・国民民主の動きが最も注目されるが、両党ともに低金利を維持した政策を要望する可能性があり、金融正常化の遅れは円売り要因となる。また、日本の複雑な政治状況は欧米からすると非常に分かりにくいだろうが、与党が窮地に立たされていることは明白なことで、NY時間は円を積極的に買うような動きにはなりにくいだろう。
一方で、ハングパーラメント状態が長期にわたって続いた場合には、衆議院選挙後は堅調地合いを維持していた本邦株式市場が売られ、リスクオフによりドル円の上値が抑えられる可能性もありそうだ。いずれにしろ、11日までは予断が許さないことで、野党第一党の立憲民主党を含め与野党の動きに注目したい。
本日は米国からは複数の経済指標が発表されるが、1日の米雇用統計の前哨戦となる9月雇用動態調査(JOLTS)求人件数の結果でドルが動意づくことが予想される。9月の同件数は8月の804万件から小幅に下回る800万件と予想されている。予想と結果にかい離が生じた場合には、ドルは両サイドともに素直に動くことになるだろう。また、同時刻には10月の米消費者信頼感指数も発表される予定。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、近場では昨日高値で7月31日の日銀政策決定会合後の高値でもある153.88円。その上は7月30日高値155.22円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、本日安値152.76円。その下は昨日安値152.41円。
今晩は上値の重い展開か。昨日は中東を巡る地政学リスクの後退や、それを受けて原油相場が大幅下落したことで投資家心理が改善。ダウ平均が273.17ドル高(+0.65%)と6営業日ぶりに反発し、S&P500も0.27%高と反発。ハイテク株主体のナスダック総合は0.26%高と3営業日続伸した。投資家の不安心理を示すVIX指数は先週末の20.33ポイントから19.80ポイントに低下と、センチメントが改善した。
今晩の取引ではセンチメントの改善を背景に底堅い展開が期待できそうだ。一方、引け後のアルファベットを始め、翌日以降にもアップル、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドット・コムの決算発表や、経済指標でも週内に10月ADP民間部門雇用者数、7-9月期国内総生産(GDP)速報値、9月個人消費支出 (PCE)価格指数、10月雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均賃金)などが発表される。メガキャップの決算発表や重要指標の発表を控えた様子見姿勢が強まることも予想され、上値も重い展開となりそうだ。
今晩の経済指標は10月消費者信頼感指数、9月JOLTS求人件数、8月S&Pケースシラー20住宅価格指数、8月月次住宅価格など。企業決算は寄り前にマクドナルド、ファイザー、アメリカン・タワー、D.R.ホートン、引け後にアルファベット、チポトレ・メキシカン・グリル、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、ビザなどが発表予定。
アトランタ連銀が発表した米国の国内総生産(GDP)成長率の現時点予測である7-9月期GDPNowは+2.8%と前回の+3.3%から引き下げられた。
フィンランドのアレクサンダー・ストゥブ大統領が北京で習近平国家主席と会談し、ウクライナ戦争の平和的解決について議論した。NATO加盟国となったフィンランドは、ロシアとの長い国境を共有しており、ストゥブ大統領は国際法違反であるロシアの侵略について言及し、平和的解決策を模索する意向を示した。また、両国間の貿易や安全保障問題も議題に上がった。この訪問は、EUと中国の貿易摩擦や、バルト海のガスパイプライン損傷事件の調査など、微妙な外交課題を背景に行われている。
10月の米消費者信頼感指数は108.7に上昇し、9カ月ぶりの高水準を記録した。これは労働市場に対する認識の改善が主な要因。「仕事が豊富」と感じる消費者の割合が35.1%に増加し、「仕事を見つけるのが困難」と感じる割合は16.8%に減少した。コンファレンス・ボードのピーターソン主任エコノミストは、この上昇を2021年3月以来の最大の月間上昇と評価しつつも、過去2年間の狭い範囲内での変動であると指摘している。
ジョージアとモルドバの最近の選挙結果は、欧州連合(EU)の東方拡大政策の難しさを浮き彫りにしたと一部通信社が伝えた。ジョージアでは親ロシア的と見なされる与党が勝利し、モルドバではEU加盟支持が僅差だった。両国はEU加盟候補国だが、ロシアの影響力が依然として強く、選挙への干渉も指摘されている。EUは「グレーゾーン」の危険性を認識し拡大を推進しているが、加盟国間の意見の相違やロシアの強い抵抗など、多くの課題に直面している。
欧州議会外交委員会のマカリスター委員長は両国の政治的緊張と分極化を指摘しつつも、EUは民主的勢力への支援を継続すべきだと主張。一方で、EUの対応は加盟国間の意見の相違により複雑化している。この状況はEUの東方拡大戦略の再考を迫るものとなっており、今後の両国との関係構築に向けた慎重な対応が求められている。
2024年8月の米一戸建て住宅価格は前月比0.3%、前年同月比4.2%の上昇となった。供給不足が続く中、高い住宅ローン金利と相まって、多くの潜在的購入者を市場から遠ざけている。地域によって価格上昇率に差があり、西北中部や中部大西洋地域で顕著な上昇が見られた一方で、東北中部やニューイングランド地域では月間価格が下落。低金利で借り入れた現在の住宅所有者が売却を控える傾向にあり、市場の流動性低下が課題となっている。
日経平均株価は続伸。小幅安スタートから売り一巡後は上げ幅を拡大する展開となった。高値引けの陽線を形成し、25日移動平均線(38747円 10/29)上を回復して終えた。
RSI(9日)は前日の27.5%→44.4%(10/29)へ上昇。あすも上昇しやすいタイミングとなる。一目均衡表では基準線(38954円 同)の上昇が一服するものの、25日移動平均線上を回復しており、目先的には10/16の下げで開けたマド埋めが視野に入ってきた。
上値メドは、心理的節目の39000円や39500円、10/15安値(39910円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、200日移動平均線(38320円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)などがある。
9月の米貿易赤字が急拡大し、前月比14.9%増の1082億ドルに達した。輸入の急増と輸出の減少が主な要因。これにより、貿易が3四半期連続で国内総生産(GDP)にマイナスの影響を与えると予想されている。専門家は第3四半期のGDP成長率を年率3.0%と予測しているが、この貿易赤字の拡大が経済成長の足かせとなる可能性があると指摘。政府は明日30日に第3四半期のGDP速報値を発表する予定で、貿易動向が経済全体にどのような影響を与えるか注目される。
米財務省によると、7年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.215%、応札倍率(カバー)が2.74倍となった。
(29日終値:30日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=153.41円(29日15時時点比△0.57円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=165.77円(△0.54円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0806ドル(▲0.0005ドル)
FTSE100種総合株価指数:8219.61(前営業日比▲66.01)
ドイツ株式指数(DAX):19478.07(▲53.55)
10年物英国債利回り:4.315%(△0.061%)
10年物独国債利回り:2.337%(△0.051%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
▲18.3 ▲21.0・改
9月英消費者信用残高
12億ポンド 14億ポンド・改
9月英マネーサプライM4
前月比 0.6% ▲0.1%
前年同月比 3.5% 1.7%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。東京午後に152.76円まで下落したものの、欧州時間に入り時間外の米10年債利回りが上昇したことをきっかけに買い戻しが優勢となった。NY勢が参入しても買いが続き、21時30分過ぎには一時153.87円まで上値を伸ばした。
ただ、昨日高値の153.88円には届かず伸び悩み。9月米JOLTS求人件数が744.3万件と予想の800.0万件を大幅に下回ったことが伝わると153.04円付近まで失速した。一方、同時に発表された10月米消費者信頼感指数が良好な内容だったほか、米金利が上昇幅を拡大すると153.75円近辺まで持ち直す場面も見られた。
・ユーロドルは方向感がない。独長期金利の上昇を手掛かりに欧州序盤には1.0826ドルまで上げたが、昨日高値の1.0828ドルが目先のレジスタンスとして意識されると一転下落。米長期金利の上昇に伴うドル買い圧力に押される形で、昨日安値の1.0782ドルを下抜けて1.0769ドルまで値を下げた。一方、低調な米雇用指標を受けて1.0810ドル台まで反発するなど方向感が定まらなかった。
・ユーロ円は強含み。欧州序盤はドル円の上昇につれる形で166.08円まで値を上げた。その後はドル絡みの取引が中心となったため、165円台半ばから後半でのもみ合いが続いた。
・ロンドン株式相場は反落。続伸してスタートするも、米長期金利の上昇を嫌気して米株価指数先物が軟調に推移したため、その後は次第に売りが優勢となった。分野別では、昨日に続きエネルギー株が下げたほか、サービス株なども軟調だった。
・フランクフルト株式相場は4営業日ぶりに反落。18日に付けた史上最高値(19657.37、終値ベース)を前に利益確定売りが強まった。個別では、アディダス(3.84%高)が高かった一方、フォルクスワーゲン(3.20%安)やポルシェ(3.20%安)の下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。
29日の日経平均は大幅続伸。終値は298円高の38903円。米国株高を受けても下落して始まり、開始直後には下げ幅を3桁に拡大。しかし、38400円は割り込まずに切り返し、早い時間にプラス圏に浮上した。しばらく前日終値近辺でもみ合った後、10時辺りから上を試す流れとなり、上げ幅を200円超に拡大。38900円手前では足踏みし、後場に入ると動意が乏しくなった。それでも引け間際の動きが良く、38900円台に乗せて高値引けとなった。
東証プライムの売買代金は概算で3兆5900億円。業種別では銀行、証券・商品先物、その他金融などが強い上昇。下落はガラス・土石、金属製品、輸送用機器の3業種のみとなった。企業買収に関するリリースが好感された日本ペイントホールディングス<4612.T>が急騰。半面、下方修正を発表し、中期経営計画の見通しも引き下げたマクニカホールディングス<3132.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1275/値下がり323。直近で売られる場面が多かった防衛関連の三菱重工、川崎重工、IHIがきょうはそろって大幅上昇。米長期金利の上昇を受けて、三菱UFJやみずほなど銀行株に資金が向かった。ほか、主力どころではソフトバンクG、ディスコ、フジクラなどの動きが良かった。地合いが改善する中、好材料のあった銘柄が跳ねており、特別配当の実施を発表したマネックスGや、通期の見通しを引き上げた東光高岳が急騰。上期が大幅増益となったさくらネットがストップ高となった。
一方、為替が円安気味で推移する中でもトヨタや三菱自動車など自動車株の一角が軟調。米金利上昇を警戒して住友林業、住友不動産、三菱地所など住宅・不動産関連が弱かった。下方修正を発表したコクヨが大幅安。通期の純利益見通しを引き下げたTOTOは、上期の計画上振れ着地は好感されず、12.6%安と派手に下げた。
本日、グロース市場に新規上場したSapeetは、公開価格を大きく上回る初値をつけ、終値も初値を大きく上回った。
日経平均は大幅続伸。米国株高を受けても下落して始まったが、弱かったのは最初だけで、300円近い上昇かつ高値引けとなった。38900円に届きそうで届かない時間が長く続いたにもかかわらず終値(38903円)ではあっさり超えており、25日線(38747円、29日時点)も上回った。28日、29日と連日で陽線を形成し、この2営業日で1000円近く上昇している。国内政局はまだこの先も相場をかく乱する可能性があるが、決算発表ラッシュの期間中は買い手不在に陥ることは避けられそうだ。
ここからは売買代金にも注意を払っておきたい。前日大幅高となり、きょうも売り先行から切り返したのだから商いも盛り上がりそうではあったが、プライムの売買代金(概算)は3.59兆円と前日の3.88兆円から減少している。また、10月16日以降は4兆円を下回る日が続いている。流れは良くなってきているだけに、一段と売買が活況になって上向きの基調が強まる展開に期待したい。
(29日終値)
ドル・円相場:1ドル=153.36円(前営業日比△0.07円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=165.91円(△0.18円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0819ドル(△0.0007ドル)
ダウ工業株30種平均:42233.05ドル(▲154.52ドル)
ナスダック総合株価指数:18712.75(△145.56)
10年物米国債利回り:4.25%(▲0.03%)
WTI原油先物12月限:1バレル=67.21ドル(▲0.17ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2781.1ドル(△25.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月米卸売在庫 (前月比)
▲0.1% 0.2%
8月米住宅価格指数 (前月比)
0.3% 0.2%・改
8月米ケース・シラー住宅価格指数 (前年同月比)
5.2% 5.9%
9月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
744.3万件 786.1万件・改
10月米消費者信頼感指数
108.7 99.2・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は小幅に3日続伸。米10年債利回りが上昇したことを受けて欧州時間からの買いが継続。21時30分過ぎには一時153.87円と本日高値を付けたが、昨日高値の153.88円には届かず伸び悩み。9月米JOLTS求人件数が744.3万件と予想の800.0万件を大幅に下回ったことが伝わると153.04円付近まで失速した。
ただ、同時に発表された10月米消費者信頼感指数が良好な内容だったほか、米金利が上昇幅を拡大すると153.75円近辺まで持ち直す場面も見られた。一方で、米7年債入札が好調だったことで米金利が一転低下したこともあり戻りも限られ、その後は153円台半ばを中心としたもみ合いとなった。
・ユーロドルは小幅に続伸。米長期金利の上昇に伴うドル買い圧力に押される形で売りが先行し、昨日安値の1.0782ドルを下抜けて1.0769ドルまで値を下げた。ただ、低調な米雇用指標をきっかけに反発。米金利の一転低下も支えとなり、引けにかけて1.0810ドル台まで持ち直した。市場では「週末の10月米雇用統計や来週の米大統領選を控えてドル相場は気迷いムードが強い」との声が聞かれた。
・ユーロ円は3日続伸。ドル絡みの取引が中心となったためユーロ円自体の方向感は出ず、165円台半ばから後半を中心としたもみ合いに終始した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。序盤は米長期金利の上昇に伴う売りが目立った。その後は住宅関連銘柄の売りが強まったほか、消費関連株・景気敏感株の一部にも売りが観測され、上値の重い動きとなった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指は4日続伸した。主力株などに好決算を期待した買いが強まり、約3カ月ぶりに史上最高値を更新した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反発。米大統領選を前に財政悪化懸念が一段と高まり、債券売りが優勢に。利回りは一時4.33%台と7月5日以来の高水準を付けた。ただ、7年債入札が好調だったことをきっかけに一転して債券買いが活発化した。
・原油先物相場は小幅に続落。前日の大幅安の後を受けた買い戻しも入ったが上昇しきれず。中東でイスラエルによるイランへの攻撃は続いているものの、石油関連施設や、生産活動にも影響を及ぼしそうな核関連施設への攻撃は回避されているとの見方が引き続き原油買いの動きを抑制している。
・金先物相場は大幅に4営業日続伸。中東情勢にやや落ち着きが見えてきたとの見方もあるが先行きに不安を残す状態。11月5日に米総選挙を控えるなど不透明要因がくすぶり続けるなかリスク回避資産である金を買う動きが続いた。
29日11:10 加藤財務相
「投機的動向含め、為替市場動向を緊張感をさらに高め注視」
「為替はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要」
29日19:20 赤沢経済財政相
「円安、実体経済に様々な影響があり注視してゆく」
「円安、賃金が十分上昇していなければ所得や消費の下押しになりうる」
29日22:53 プーチン露大統領
「ロシアは核戦力を準備態勢に置く必要がある」
「核兵器の使用は最後の手段である」
「ロシアは軍拡競争に参加したくない」
※時間は日本時間
大和証券では、衆院選で自公が大幅に過半数割れとなったにもかかわらず、これを受けた10月28日のTOPIXが1.5%上昇したことについてリポートしている。この理由として大和では、
(1)前の週から自公の劣勢が報じられて既に株価が下落していたこと、
(2)国民民主党から協力を得るために自公政権が景気刺激的な財政政策運営を行うとの期待が強まったこと、
(3)米金利上昇による円安進行、
(4)中東情勢懸念の後退―の4点を挙げている。
第一生命経済研究所ではロシアに関するリポートの中で、ロシアの出方に注意を払う必要性が高まっていると警告している。ウクライナ戦争を巡っては、北朝鮮兵士の参戦が懸念されている。ロシアが議長国のBRICS首脳会議では中東情勢の安定化を目指すとの認識が共有されたが、中東情勢の緊迫化は世界的にウクライナ戦争に対する関心低下を招くことを勘案すれば、ロシアの本心は静観の構えの可能性があると第一生命では考えている。中東情勢を巡る不透明感に加えて、北朝鮮の動きは朝鮮半島情勢をはじめとする東アジアにも影響を与えるなど、地政学リスクが伝播する可能性があると指摘している。
米政府はこのほど、ハイテク分野を対象とした対中投資規制を2025年1月2日付で発効すると発表した。半導体や量子コンピューター、人工知能(AI)などの分野で米国の個人や企業が中国に投資することを制限するもので、米国の資本や専門知識が中国の軍事技術に転用されることを防ぎたい考え。『明報』が29日、外電を引用して伝えた。
米財務省のポール・ローゼン次官補(投資安全保障担当)は、米国の投資が懸念国家の軍事や情報、ネットワーク能力の発展を支援してはならないと説明。一方、米政府高官は、今回の規制は先端半導体技術を持つ中国企業への投資を禁じるもので、レガシー半導体メーカーへの投資については、通知のみを求めていると指摘。米国はすでに先端半導体の対中輸出を制限しており、今回の規制は補完的なものになるとしている。
SMBC日興証券では、11月6~7日に開催されるFOMCで、25bpの追加利下げを想定している。9月会合後に公表された経済データは良好で、現時点において後付けで選択することが許されるならば、9月会合においては50bp利下げではなく25bp利下げが妥当であったとSMBC日興では判断している。一方で、50bpの利下げ後も政策金利はFOMC参加者が考える中立水準の上限を上回り抑制的であることなどから、11月および12月の会合において25bpの利下げを継続する必要性や正当性が失われた訳ではないとも考えている。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、当面の欧州株の見通しについてリポートしている。ECBやイングランド銀行が利下げにより一層積極的な姿勢を示す中、大型経済対策による中国経済持ち直しへの期待や米ソフトランディング観測の広がりなどが、欧州株市場をサポートすると東海東京では考えている。目先的には、中東情勢を巡る不透明感が相場の上値を抑える可能性もあるとみている。しかし、欧州株市場については、やや上値は重いながらも緩やかに最高値を更新する展開を予想している。
<国内>
○日銀金融政策決定会合(1日目)
○14:00 ◇ 10月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯、予想:36.7)
<海外>
○09:30 ◎ 9月豪消費者物価指数(CPI、予想:前年比2.4%)
○09:30 ◎ 7-9月期豪CPI(予想:前期比0.3%/前年同期比2.9%)
○15:30 ◎ 7-9月期仏国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.3%)
○15:30 ◇ 9月仏消費支出(予想:前月比0.1%)
○17:00 ◇ 10月スイスKOF景気先行指数(予想:105.0)
○17:55 ◎ 10月独雇用統計(予想:失業率6.1%/失業者数変化1.50万人)
○18:00 ☆ 7-9月期独GDP速報値(季節調整済、予想:前期比▲0.1%/前年同期比▲0.3%)
○18:00 ☆ 7-9月期独GDP速報値(季節調整前、予想:前年同期比0.1%)
○19:00 ☆ 7-9月期ユーロ圏GDP速報値(予想:前期比0.2%/前年比0.8%)
○19:00 ◎ 10月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:96.3)
○19:00 ◎ 10月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲12.5)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◎ 7-9月期メキシコGDP速報値(予想:前期比0.8%/前年比1.2%)
○21:15 ☆ 10月ADP全米雇用報告(予想:11.4万人)
○21:30 ☆ 7-9月期米国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比年率3.0%)
◎ 7-9月期米個人消費(速報値、予想:前期比年率3.3%)
◎ 7-9月期米コアPCE(速報値、予想:前期比年率2.1%)
○22:00 ◎ 10月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.2%/前年比1.8%)
○23:00 ◎ 9月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比1.0%/前年比▲1.0%)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○24:00 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○31日00:15 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○31日01:00 ◎ 9月ロシア失業率(予想:2.4%)
○31日03:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○31日05:15 ◎ マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39220 +250 (+0.64%)
TOPIX先物 2700.5 +12.0 (+0.44%)
シカゴ日経平均先物 39170 +200
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
29日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。9月の米雇用動態調査(JOLTS)は求人件数が744万3000件に減少し、市場予想(800万件程度)に届かなかった。幅広い業界での減少が示され、景気の勢いが鈍っているとの見方から景気敏感株の一角が売られた。また、8月の米住宅価格指数が前年同月比4.2%上昇と、前月(4.8%上昇)から減速したことで、住宅関連の下げが目立った。
メタプラットフォームズ<META>やアルファベット<GOOG>、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>が買われ、ナスダックは4日続伸で最高値を更新。S&P500業種別指数はメディア、半導体・同製造装置、商業サービス・用品が上昇した半面、公益事業、耐久消費財・アパレル、自動車・同部品が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比200円高の3万9170円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比120円高の3万9090円で始まり、3万9210円まで買われた後は軟化し、米国市場の取引開始後には3万8890円と下落に転じる場面もみられた。ただし、終盤にかけて切り返しており、一時3万9290円まで買われ、3万9220円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まるりそうだ。一時下落に転じる場面もみられたが、25日移動平均線(3万8800円)が支持線として機能する形で切り返している。また、大型テック株の決算発表が本格化。取引終了後に2024年7~9月期決算を発表したアルファベットが決算内容を評価されて時間外取引で買われている。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になりそうだ。
25日線が支持線として意識されるなか、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9410円)が射程に入ってきた。そのため、オプション権利行使価格の3万9000円から3万9500円のレンジを想定する。前日までの上昇は、政治リスクの織り込みで積み上がったショートポジションのカバーが中心と考えられ、それほどロングは積み上がっていないだろう。+1σ水準を捉えてくる動きとなれば、押し目待ち狙いのロングがエントリーポイントを引き上げてくる可能性が意識されてくる。
+1σ水準をこれといった抵抗もなくクリアしてくると、+2σ(4万0030円)に向けたバイアスが強まる展開も意識しておきたいところであり、ショートカバーが一段と強まりそうだ。米大統領選挙を控え、積極的にロングを積み増す動きは限られそうだが、足もとで米ハイテク企業の予想を上回る決算内容が相次いでおり、若干ながらもロングに傾けておきたいところである。
29日の米VIX指数は19.34(前日は19.80)に低下した。一時20.53まで上昇する場面もみられたが、終値では不安心理の高まりを示すとされる20.00を下回っている。19.06まで低下する場面もあったが、水準としては25日線(19.20)、75日線(18.55)が支持線として意識されているため、リスク選好ながらも慎重姿勢は崩せないところであろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.49倍に低下した。一時14.44倍に低下する場面もみられたが、同水準に位置する25日線が支持線として機能している。指数インパクトの大きいソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]が堅調だった。本日は米ハイテク株高の流れを引き継ぐ形で、指数インパクトの大きい値がさハイテク株は堅調な推移が見込まれるため、NTロングに振れやすくなりそうだ。
29日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りの上昇したことで153.87円まで上昇したものの、予想を大幅に下回った9月米JOLTS求人件数を受けて一時153.04円付近まで失速した。ユーロドルは米長期金利の上昇で1.0769ドルまで下落した後、1.0810ドル台まで持ち直した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、円安要因となっている混迷の日本政局関連のヘッドライン、米長期金利や日経平均株価の動向に注目しながらの展開が予想される。
本日から開催される日銀金融政策決定会合では、政治情勢の不確実性が高まっていることで、現状の金融政策の維持が見込まれている。
植田日銀総裁は、先週末のG20会議の後の記者会見、9月の日銀金融政策決定会合の後の記者会見、そして、石破首相との初会談の後に、「不確実性が大きい場合には、政策変更を慎重に段階的に進めたい。追加利上げを判断するのに、時間的な余裕はある」と述べていた。
また植田総裁は9月の会合で、円安修正が物価見通しの上振れリスクを低下させていること、米国経済に下振れリスクがあることを指摘していた。この2つの要因に、日本の政治情勢の不確実性が加わったため、追加利上げまでの「時間的な余裕」を拡大させていると思われ、円安要因になっている。
日銀の金融政策予想を反映するオーバーナイト・インデックス・スワップ市場では、来年6月までに0.25%の利上げが行われ、無担保コールレート(オーバーナイト物)が0.50%になることが示唆されている。
なお、本邦通貨当局による円安への対応としては、25日に三村財務官が「加藤財務相が米財務長官と会談で為替について議論した。投機的な動きも含めて緊張感を高めて注視している」との見解を示していた。加藤財務相も「投機的動向含め、為替市場動向を緊張感をさらに高めて注視」と述べている。
神田前財務官は、ドル売り・円買い介入の目安にボラティリティーの上昇を挙げており、ボリンジャー・バンド+2σ付近で円買い介入を断行していた。現状のドル円相場の+2σは、154円付近にあるため、一応警戒しておきたい。
9時30分発表の7-9月期豪消費者物価(CPI)は前期比+2.9%と予想されており、4-6月期の同比+3.8%からの伸び率鈍化が見込まれている。豪準備銀行(RBA)が重要視するトリム平均値は同比+3.5%予想と、こちらも前回+3.9%から減速する見込みだ。
依然としてRBAはインフレに対し警戒を緩める姿勢を見せていないが、ディスインフレの傾向が鮮明になった場合には、11月、12月の豪準備銀行(RBA)理事会での利下げ観測が高まることになる。
昨日の海外市場では、ドル円は米長期金利の動向に敏感に反応する動きとなりました。欧州時間は米10年債利回りが4.33%台まで上昇するなか買戻しが先行。一時153.87円まで値を上げる場面もみられましたが、前日28日の高値153.88円が目先の目処として意識されると次第に上値を切り下げる展開に。NY時間に入って9月米JOLTS求人件数が前月分を下方修正した上で744.3万件と、予想の800.0万人を大幅に下回る弱い数字となると一気に153.04円まで売り込まれたものの、同時に公表された10月米消費者信頼感指数が逆に108.7と予想の99.59を大幅に上回る強い結果となったことから米10年債利回りが4.3365%まで急伸。つれるかたちで153.75円まで買戻されることになりました。
ただ、NY時間午後に入って米7年債入札が2bpのストップスルーとなるかなり強い結果となると再び米金利が低下。引けにかけては153.31円まで下押ししてNY市場を終えています。
アジア時間に入ってからは、米金利が低下して始まると戻り売りが先行。一時153.08円まで値を下げたものの、NY時間の安値153.04円が意識されたほか、ゴトー日とあって仲値に向けた本邦実需の買いなどが観測されたこともあり、再び下値を切り上げているといったところです。
いずれにしても、ドル円は、米国を中心としたイベントが続くなか、米金利動向を睨む神経質な動きとなっていきますが、市場では米金利とドル円のテクニカル的な上抜けが意識されている状況。日本の政局も、まだまだはっきりとした方向性はみえてこないものの、既に昨日のヘッドラインには、国民民主党の玉木党首の発言が続々と流れてきているあたり、これまで、決してみることがなかったかかる現象に、市場の焦点の変化を見ることが出来るというものです。日経平均は週明けの怒涛の買戻しを経て、昨日は高値引け。本日も上値を試す動きとなっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比420円高の3万9390円(+1.07%)前後で推移。寄り付きは3万9170円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9170円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。直後に付けた3万9120円を安値にロングの動きが強まった。中盤には3万9200円~3万9300円辺りでの保ち合いが続くなか、終盤にかけて上げ幅を広げており、前引け時には一時3万9430円まで買われた。
米国市場でハイテク株が買われたほか、時間外取引でアルファベット<GOOG>が決算評価から上昇したこともセンチメントを明るくさせた。東京市場においても指数インパクトの大きい値がさハイテク株への資金流入が強まり、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、ディスコ <6146.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が日経平均株価を牽引した。また、キーエンス <6861.T> [東証P]が好決算と増配を好感した買いから急伸したことも安心感につながった。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万9430円)を捉えてきた。利益確定に伴うロング解消のほか、戻り待ち狙いのショートが入りやすいところだろう。ただし、+1σをクリアしてくると4万円の大台を意識したトレンド形成になる可能性があるため、押し目狙いのロング対応になりそうだ。なお、米国では業績見通しを公表したアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>が時間外取引で急落している。現時点で影響はみられていないが、日経225先物が+1σでの上値の重さが意識されてくるようだと、ロング解消の動きに向かわせそうである。
NT倍率は先物中心限月で14.50倍に上昇した。一時14.56倍まで上げており、+1σ水準を捉えてきた。指数インパクトの大きいハイテク株への物色が継続するようだと、日経平均型優位のなかでNTロングに振れやすいだろう。
「歴史は同じようには繰り返さないが、韻を踏む」(マーク・トウェイン)
太陽は、2019年に、太陽黒点が出現しない日の比率が太陽観測史上で最大を記録したことで、歴史的な黒点極小期に突入していた。
NASA(アメリカ航空宇宙局)とNOAA(アメリカ海洋大気庁)による国際的な専門家グループ「太陽活動第25周期予測パネル(The Solar Cycle 25 Prediction Panel)」は、「第24太陽活動周期」が2019年12月の極小期で終了し、「第25太陽活動周期」が始まったことを発表した。
2024年10月15日、NASAは、2019年12月に始まった「第25太陽周期」において、太陽の活動が最大となる「太陽活動極大期」に達したと公式発表した。
太陽活動の停滞を意味する太陽黒点の減少は、地球の火山活動の活発化、地震の頻発化、海流パターンの変化に呼応する。
1921年の極小期の2年後の1923年には、関東大震災が発生し、1996年の極小期の1年前には、1995年の阪神淡路大震災が発生(※ドル円は79.75円まで下落)、2008年の極小期の3年後には、2011年の東日本大震災が発生した(※ドル円は75.32円まで下落)。
2019年の極小期の前後では、これまでのところ、小規模な地震が頻発するに留まっている。
1.太陽黒点とドル円相場
太陽黒点は、約11年周期で極大期・極小期を繰り返している。
ドル円相場との関連は、極大期付近で天井を打ち、極小期付近で大底を打つことが観測されている。その要因としては、日本と米国の景気循環が逆サイクルになっているからだと思われる。
1971年のニクソンショック以来のドル円相場は、極大期付近で高値を付け、極小期付近で安値を付けてきた。
2020年は、第24期の極小期が2019年12月だったことで、3月19日に新型コロナウイルス第1波で101.19円を付けた。
第24期極大期の高値125.86円は、黒田第31代日銀総裁の円安牽制発言で示現した。
第25期極大期の高値161.95円は、植田第32代日銀総裁の利上げで示現した。
【太陽活動周期】 【極大期】⇒ピークアウト 【極小期】⇒ボトムアウト
・20期(1964-76)1968年+3年=1971年 360.00円 1976年+2年=78年 175.50円
・21期(1976-86)1979年+3年=1982年 278.50円 1986年+2年=88年 120.25円
・22期(1986-96)1989年+1年=1990年 160.35円 1996年-1年=95年 79.75円
・23期(1996-08)2000年-2年=1998年 147.64円 2008年+3年=11年 75.32円
・24期(2008-19)2014年+1年=2015年 125.86円 2019年+1年=20年 101.19円
・25期(2020-31)2024年10月=2024年 161.95円
2.ドル円高値8年サイクル
ドル・円相場は、8年サイクルで高値をつけている。
・1974年:306.90円
・1982年:278.50円
・1990年:160.35円 (※消費税3.0% 1989年)
・1998年:147.64円 (※消費税5.0% 1997年)
・2007年:124.14円 (2006年から1年ずれ)
・2015年:125.86円 (※消費税8.0% 2014年)
・2024年:161.95円 (※消費税10.0% 2019年)
第25太陽活動周期の極大期が2024年10月だったことで、7月の高値161.95円が当面の高値だったことが想定できる。
本日のロンドン為替市場でユーロドルは、複数ある欧州経済指標を1つずつ見極めながらの取引か。また、欧州連合(EU)の中国に対する追加関税の影響などにも注意を払う必要があるだろう。
欧州序盤には、ユーロ圏で経済規模が2番目に大きいフランスの7-9月期国内総生産(GDP)速報値が発表される。予想は前期比0.3%上昇と今年に入ってからのプラス成長は維持されそうだ。ただし、前回分が改定値で0.1ポイント下方修正されており、見込みより弱いと通貨ユーロへの印象は悪くなるだろう。
ユーロ圏最大の経済大国ドイツからは、まず10月雇用統計が発表されるが、そのすぐ後に出る7-9月期GDP速報値の方がより注目されるだろう。こちらは前期比(季節調整済)が0.1%低下と前回同様に弱い結果が予想されている。同国景気のさえなさを確認することになれば、ナーゲル独連銀総裁は先週否定したものの「ECBの性急な利下げ」が現実味を帯びてきそうだ。
またドイツからは、欧州午後(ニューヨーク勢の参入後)に10月消費者物価指数(CPI)速報値が発表予定。こちらの伸び率予想は前年比1.8%と水準的には低いものの、9月分からは加速が見込まれている。ただこの前に、ドイツ各州のCPIが欧州午前から明らかにされる。最近はそれら結果に反応することも多く、前回値から大きく上下に振れた場合は相場の動意を高めるかもしれない。
ところで欧州連合(EU)は昨日、中国製の電気自動車(EV)に対する関税を従来の10%から、最大で45.3%まで引き上げることを決定した。新たな税率は本日から適用される。EUと中国は代替案の協議は継続としながらも両者の溝が埋まらない可能性も高く、今後は中国からの報復措置が警戒される。
想定レンジ上限
・ユーロドル、21日移動平均線1.0888ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、23日安値1.0761ドル
(30日15時時点)
ドル円:1ドル=153.24円(前営業日NY終値比▲0.12円)
ユーロ円:1ユーロ=165.73円(▲0.18円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0815ドル(▲0.0004ドル)
日経平均株価:39277.39円(前営業日比△373.71円)
東証株価指数(TOPIX):2703.72(△21.70)
債券先物12月物:144.04円(△0.19円)
新発10年物国債利回り:0.950%(▲0.020%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月消費動向調査(消費者態度指数、一般世帯)
36.2 36.9
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円はもみ合い。手掛かり材料を欠いたほか、明日に日銀の金融政策公表を控えていることもあって終日方向感の乏しい動きとなった。153円台前半の狭いレンジ内推移となり、日本株の上昇を手掛かりにした買いも限定的だった。
・ユーロ円ももみ合い。ドル円と同じく明確な方向感を見出せなかった。165円台後半のレンジを中心としたもみ合いが続いた。
・ユーロドルは小動き。前日終値を挟んだ水準で動意を欠き、ここまでの値幅は0.0013ドル程度と狭かった。
・日経平均株価は3日続伸。昨日の米国株式市場でハイテク株が上昇した流れを引き継ぎ、半導体関連銘柄を中心に買いが強まった。指数は一時510円超高まで上昇。もっとも、引けにかけては利益確定目的の売りに上値を抑えられた。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反発。前日の米国債券相場が上昇した流れを引き継いだ。この日の時間外取引で米金利が低下したことも相場の支えとなり、144円04銭まで上昇して高値引けとなった。
大阪12月限
日経225先物 39490 +520 (+1.33%)
TOPIX先物
日経225先物(12月限)は前日比520円高の3万9490円で取引を終了。寄り付きは3万9170円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9170円)にサヤ寄せする形から、買いが先行した。直後に付けた3万9120円を安値にロングが強まった。前場中盤は3万9200円~3万9300円辺りで保ち合い、前場終盤にかけて上げ幅を広げ、ランチタイムでは3万9450円まで買われた。後場は持ち高調整とみられるロングの解消により、終盤にかけて3万9230円まで上げ幅を縮める場面もあったが、現物の大引け後にショートカバーが強まり、本日の高値で引けた。
29日の米国市場でハイテク株が買われたほか、時間外取引でアルファベット<GOOG>が決算評価で上昇したこともセンチメントを明るくさせた。一方で、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>が時間外取引で急落。指数インパクトの大きいアドバンテスト <6857.T> [東証P]やソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、ディスコ <6146.T> [東証P]などは買い一巡後に膠着感が強まったものの、高値圏での保ち合いであり、ショートを仕掛けづらくさせた。
また、日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ水準を捉えてきた。ランチタイムで3万9460円まで買われ+1σを上回ってきたが、同水準では強弱感が対立しやすく、終盤にかけては持ち高調整に向かわせたようだ。ただし、大引け後にショートカバーが強まったことで、+1σを上回って終えている。
なお、+1σはナイトセッションで3万9490円辺りに上昇してきたが、日経225先物は午後5時時点で3万9700円を上回る場面もみられた。決算発表が本格化するなかでは積極的にはポジションを傾けにくいところだが、東証プライムの売買高は34億株超と8月6日以来の水準に膨らんだ。前日まで政治リスクを織り込む形で積み上がったショートポジションのカバーが中心だったが、本日はショートカバーのほか、若干ながらロングポジションを積み上げる動きも入ったとみられる。
日経225先物は+1σ突破から、4万円水準に位置する+2σが次のターゲットとして意識されてくる。パラボリックはSAR値を突破したことで陽転シグナルを発生させたほか、一目均衡表では上向きで推移する雲上限を支持線としたリバウンドを継続している。米大統領選挙の結果を受けた米国市場の動向を見極めたいほか、国内では3連休を控えて大きくポジションを傾ける動きは限られる。ただし、これまでのリバウンド局面でもそれほどロングは積み上がっておらず、ヘッジを絡めたとしてもロング寄りのポジションを積み増す動きがありそうだ。
そのため、オプション権利行使価格の3万9500円を中心とした3万9000円から4万円のレンジを想定。+1σを上回って推移するようであれば、3万9500円から4万円処の推移が意識されそうである。
NT倍率は先物中心限月で14.54倍に上昇した。一時14.56倍まで上げており、+1σ水準を捉えてきた。指数インパクトの大きいハイテク株への物色がみられるなか、相対的に日経平均型優位だった。+1σを上放れてくるトレンドをみせてくると、10月15日に付けた14.70倍を捉えてくる可能性がありそうだ。そのため、目先的にはNTロングに振れやすいだろう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万4748枚、ソシエテジェネラル証券が1万1072枚、サスケハナ・ホンコンが3122枚、バークレイズ証券が2825枚、JPモルガン証券が2146枚、SBI証券が1509枚、ビーオブエー証券が1270枚、auカブコム証券が1153枚、モルガンMUFG証券が1147枚、日産証券が905枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万3321枚、ソシエテジェネラル証券が1万8269枚、バークレイズ証券が6651枚、ゴールドマン証券が4827枚、サスケハナ・ホンコンが3926枚、JPモルガン証券が3584枚、モルガンMUFG証券が3430枚、みずほ証券が3301枚、ビーオブエー証券が2698枚、野村証券が1642枚だった。
本日のNY市場でのドル円は、米国で複数の重要な経済指標の発表が予定されており、それらを確認しながらの取引となるか。
まずは、21時15分に発表される10月ADP雇用統計に注目したい。市場予想は11.4万人増と前回14.3万人増を下回ると見られている。昨日の9月雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想を下回った事でドル円が60銭超急落したことを踏まえると、予想より弱い結果となった場合は要警戒か。とはいえ、これまで市場の目線が米雇用状況の緩みを背景として米利下げに向いていたことを考えると、予想を上回る場合は米国の年内利下げ観測の後退を背景にドルが買われることもあり得る。
また、ADPの15分後には、7-9月期米四半期国内総生産(GDP)速報値などが発表される。市場予想はGDPが前期比年率+3.0%、コアPCEは同+2.1%、GDP個人消費は同+3.3%(前回:+3.0%、+2.8%、+2.8%)となっている。どうしてもGDPに目を向けがちだが、コアPCEやGDP個人消費も含め、総合的に判断するようにしたい。
本邦の政局について、衆議院選挙を通過したが、依然として11月11日の特別国会の召集までは与野党の動向を見守る展開が続いている。これまでの自民・公明の連立政権が与党であり続けるには、維新や国民民主などと手を組む必要がある。市場はその点に着目し、日銀の早期利上げ観測の後退や拡張的な財政政策への期待から円売り・株高の反応となっている。もし、この期待が失望に変わるタイミングがあれば、これまでの円安・株高の流れが巻き戻される恐れがある点には留意したい。
そのほか、本日はNY市場序盤に英国でリーブス財務相が議会に予算案を示す予定となっている。今回は労働党に政権が交代して初の予算案となる。市場では、前保守党政権が残したとされる220億ポンドに上る政府の「ブラックホール」を埋めるために、増勢が不可避と見られている。約2年前に当時のトラス首相が財源の裏付けがない大型減税を打ち出し、国債売りの殺到とポンド暴落を招いたのは記憶に新しい。スターマー英首相が率いる労働党新政権が投資家を不安に陥れる予算案を発表する公算は低いとみられており、どのような内容が示されるか、まずは手腕に注目したい。
想定レンジ上限
・ドル円は28日と7月31日の高値153.88円。超えるとピボット・レジスタンス2の154.44円
・ポンドドルは日足・一目均衡表の雲下限1.3048ドル。超えると15日高値1.3103ドル
想定レンジ下限
・ドル円は現時点での本日安値152.81円。割ると25日高値152.38円。
・ポンドドルは28日安値1.2940ドル。割ると23日安値1.2908ドル。
今晩はハイテク株を中心に堅調か。昨日は米大統領選を控え、米10年債利回りが一時、7月5日以来となる4.33%台まで上昇したことでダウ平均が154.52ドル安(-0.36%)と反落した一方、週内に決算を発表するハイテク・ジャイアントが上昇し、S&P500が0.16%高と小幅に2日続伸し、ハイテク株主体のナスダック総合は0.78%高と4日続伸した。ナスダック総合は2営業日ぶりに取引時間中の史上最高値を更新し、終値では7月10日以来、3カ月半ぶりに過去最高値を更新した。引け後の動きではガイダンスが物足りないと受け止められたアドバンスト・マイクロ・デバイセズが時間外で7%超下落し、既存店売上高が予想を下回ったチポトレ・メキシカン・グリルも時間外で5%超下落したものの、アルファベットはクラウド部門の好調などを追い風に予想を上回る増収増益決算を発表し、時間外で6%近く上昇した。メッセージ・アプリのスナップも予想を上回る決算や自社株買いを発表し、時間外で10%超上昇した。
今晩の取引ではアルファベットの大幅高が見込まれるほか、引け後にはメタ・プラットフォームズ、マイクロソフトの決算発表もあり、ハイテク株を中心に堅調な展開か。経済指標では寄り前に10月ADP民間部門雇用者数、7-9月期GDP速報値が発表される。足もとでは米国経済のソフトランディング期待が株価上昇の一因となっており、指標結果に注目が集まる。
今晩の経済指標は10月ADP民間部門雇用者数、7-9月期GDP速報値のほか、MBA住宅ローン申請指数、9月中古住宅販売仮契約指数、EIA週間原油在庫など。企業決算は寄り前にキャタピラー、スーパー・マイクロ・コンピューター、イーライ・リリー、アッヴィ、引け後にメタ、マイクロソフト、KLA、スターバックスなどが発表予定。
英予算案が発表されており、成功報酬(キャリードインタレスト)のキャピタルゲイン税を4月から32%に引き上げることが明らかになっている。
南アフリカ財務省は30日、中期予算政策声明(MTBPS)を発表し、2024/25年度の財政赤字がGDP比5.0%に拡大すると予測し、前回の4.5%から悪化していることが判明した。2024年のGDP成長率は1.1%に下方修正され、国債残高はGDP比75.5%で安定すると見込んでいる。多くの主要国営企業が赤字を計上し、業績目標を下回っている状況が続いており、エスコムへの2024/25年度の割り当ては、条件付きで20億ランド削減される可能性がある。
政府は公共部門プロジェクトのリスク軽減のため、信用保証機構を含むブレンドファイナンス・リスクシェアリング・プラットフォームを開発中。初期の焦点は、エネルギー送電不足を解消するための独立送電プロジェクトに当てられるとのこと。
OPEC+が12月に予定していた日量18万バレルの増産計画を1カ月以上延期する可能性が浮上している。3つの情報源によると、軟調な石油需要と供給増加への懸念が背景。この増産は既に10月から延期されており、さらなる延期が検討されている。OPEC+は12月1日に次の政策を決定する会合を予定しているが、早ければ来週にも延期の決定が下される可能性がある。
10月の米国民間雇用が予想を大きく上回り23万3000人増加した。これはハリケーンやストライキの影響が懸念されていたにもかかわらず、強い雇用市場を示している。ADPの報告によると、9月の数字も15万9000人に上方修正された。エコノミストの予想を大幅に上回るこの結果は、労働市場の底堅さを示唆しているが、ADPの数字と労働省の公式統計には強い相関関係がないため、金曜日に発表される包括的な雇用統計が注目されている。
インド準備銀行(RBI)が12月の金融政策委員会で政策金利を0.25%ポイント引き下げ、6.25%にするとの予想が高まっていると一部通信社が伝えた。インフレ率は9月に予想外の上昇を見せたものの、今後数四半期で緩和すると予測されている。経済成長率は若干の鈍化が見込まれるものの、インドは依然として主要新興国の中で最も高い成長率を維持すると予想されているが、一人当たりGDPでは他の新興国に遅れをとっており、金融緩和の余地があるとの見方もある。
ただし、インフレ率が中央銀行の中期目標である4%を上回る状態が2026年初頭まで続くと予想されるため、大幅な利下げの余地は限られている。多くのエコノミストは12月の利下げ後、2025年2月にもう一度の利下げがあると予想しているが、それ以降の追加利下げについては意見が分かれている。
日経平均株価は3日続伸。高寄りスタートからさらに上値を伸ばす展開となった。3日連続陽線を形成し、一目均衡表の基準線(38954円 10/30)上を回復して終えた。
RSI(9日)は前日の44.4%→57.1%(10/30)へ上昇。5日移動平均線(38568円 同)や25日移動平均線(38801円 同)に加え、10日移動平均線(38620円 同)も上向きに転じており、目先的には10/16の下げで開けたマド埋め(39910円)に向けて騰勢を強められるかが焦点となる。
上値メドは、心理的節目の39500円、10/15安値(39910円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、10日移動平均線、200日移動平均線(38347円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)などがある。
米国の液化天然ガス(LNG)輸出業者は来週の米大統領選の結果によって新たな課題に直面する可能性があると一部通信社が伝えた。トランプ候補が勝利した場合、中国からの輸入品に60%の関税を課す提案がLNG輸出に影響を与えるという。一方、バイデン政権下では新規LNG輸出許可の一時停止が行われた。専門家は、トランプ氏の関税政策が中国との取引に影響を与え、中国が米国産LNGの再輸出を選択する可能性を指摘。また、環境団体はハリス副大統領を気候変動対策の支持者とみなしている。この状況は、米国のLNG輸出業界にとって不確実性をもたらし、選挙結果が今後の輸出動向に大きな影響を与える可能性がある。
イタリアの主要労働組?④GILとUILは、メローニ政権の2025年度予算案に反対して11月29日に8時間のゼネストを実施すると発表した。政府は中低所得者向けの減税や社会保障費削減を含んだ約300億ユーロ規模の予算案を提示したが、労組側は社会保障や公共サービス、投資への支出削減を批判。また、労働者の安全対策が不十分だと指摘している。この予算案をめぐる政府と労組の対立がイタリアの経済政策に影響を与える可能性がある。
(30日終値:31日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=153.23円(30日15時時点比▲0.01円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=166.50円(△0.77円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0866ドル(△0.0051ドル)
FTSE100種総合株価指数:8159.63(前営業日比▲59.98)
ドイツ株式指数(DAX):19257.34(▲220.73)
10年物英国債利回り:4.352%(△0.037%)
10年物独国債利回り:2.388%(△0.051%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は一進一退。対ユーロなどでドル売りが先行したことなどを受けて20時30分前には一時152.78円と本日安値を付けた。ただ、昨日安値の152.76円が目先のサポートとして意識されると反発。10月ADP全米雇用報告が23.3万人増と市場予想(11.4万人増)より強い結果となり、米長期金利が上昇するにつれて日通し高値となる153.49円まで切り返した。
一方、その後は米金利に振らされながら方向感のない動きとなった。10年債利回りが4.19%台まで低下した場面では152.87円付近まで下押ししたが、利回りが4.27%台まで一転上昇すると153.30円台まで反発。一方で、戻りも限られるなど、週後半にかけて日銀金融政策決定会合や10月米雇用統計を控えていることもありポジションを一方向に傾けづらい面があったようだ。
・ユーロドルは底堅い。フランスやスペイン、ドイツなどユーロ圏主要国の国内総生産(GDP)が市場予想より強い結果となり、ユーロ圏の景気減速懸念が後退。全般ユーロ買いが先行すると1.0860ドル手前まで上昇した。良好な米雇用指標を受けて1.0808ドルまで下押しする場面があったが、下値は堅かった。独10年債利回りが7月29日以来の水準まで上昇幅を拡大すると1.0870ドルまで上値を伸ばした。
・ポンドドルは荒い値動き。7月の総選挙での政権交代後、初となる労働党による予算案発表を前に警戒売りが先行し、一時1.2937ドルまで下落した。リーブズ財務相が発表した予算案では国民保険料の引き上げなどで400億ポンド規模の増税が明らかになった。また、予算責任局(OBR)が発表したインフレ目標が上方修正されたことで英利下げ観測が後退し、英長期金利の上昇とともにポンド買いが優勢に。一時1.3043ドルまで買い上げられたが、それでも利下げを期待する向きは依然として根強く、一巡すると1.2970ドル台まで押し戻された。
・ユーロ円は底堅い。一時165.51円まで下げる場面も見られたが、独金利上昇を手掛かりにユーロ高が進むと7月30日以来の高値となる166.60円まで上昇し、その後も高値圏を維持した。
・南アフリカランド円は一転下落。欧州序盤は買いが先行し8.73円まで上昇したが、南アフリカ財務省が発表した中期予算政策声明(MTBPS)で2024/25年度の財政赤字がGDP比5.0%に拡大すると予測し、前回の4.5%から悪化していることが判明すると8.64円まで失速した。
・ロンドン株式相場は続落。序盤から持ち高調整の売りが優勢となり、その後も引けにかけて戻りは鈍く、終値ベースでは8月8日以来の安値を付けた。分野別では、ヘルスケアやサービス関連株の下げが目立った。
・フランクフルト株式相場は続落。その他欧州株と同様にポジション調整の売りが優勢となった。個別では、フォルクスワーゲン(1.08%高)が買われた半面、ザルトリウス(3.52%安)やインフィニオンテクノロジーズ(3.48%安)の下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。
(30日終値)
ドル・円相場:1ドル=153.42円(前営業日比△0.06円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=166.55円(△0.64円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0856ドル(△0.0037ドル)
ダウ工業株30種平均:42141.54ドル(▲91.51ドル)
ナスダック総合株価指数:18607.93(▲104.82)
10年物米国債利回り:4.30%(△0.05%)
WTI原油先物12月限:1バレル=68.61ドル(△1.40ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2800.8ドル(△19.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
米MBA住宅ローン申請指数 (前週比)
▲0.1% ▲6.7%
10月ADP全米雇用報告
23.3万人 15.9万人・改
7-9月期米国内総生産(GDP)速報値 (前期比年率)
2.8% 3.0%
7-9月期米GDP個人消費・速報値 (前期比年率)
3.7% 2.8%
7-9月期米コアPCE・速報値 (前期比年率)
2.2% 2.8%
9月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
前月比 7.4% 0.6%
前年同月比 2.2% ▲4.3%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は小幅に4日続伸。欧州時間に一時152.78円まで下落したものの、昨日安値の152.76円が目先のサポートとして意識されると反発。10月ADP全米雇用報告が23.3万人増と市場予想(11.4万人増)より強い結果となり、米長期金利が上昇するにつれて日通し高値となる153.49円まで切り返した。
その後は10年債利回りが4.19%台まで低下した場面では152.87円付近まで下押ししたが、利回りが4.30%台まで一転上昇すると153.43円付近まで切り返すなど、米金利の動向に振らされる展開となった。週後半にかけて日銀金融政策決定会合や10月米雇用統計を控えていることもあり、ポジションを一方向に傾けづらい面もあった。
・ユーロドルは3日続伸。良好な米雇用指標を受けて1.0808ドルまで下押しする場面があったが、下値は堅かった。独10年債利回りが7月29日以来の水準まで上昇幅を拡大すると1.0871ドルまで上値を伸ばした。
ポンドドルは荒い値動き。7月の総選挙での政権交代後、初となる労働党による予算案発表を前に警戒売りが先行し、一時1.2937ドルまで下落した。リーブズ財務相が発表した予算案では国民保険料の引き上げなどで400億ポンド規模の増税が明らかになった。また、予算責任局(OBR)が発表したインフレ目標が上方修正されたことで英利下げ観測が後退し、英長期金利の上昇とともにポンド買いが優勢に。一時1.3043ドルまで買い上げられたが、それでも利下げを期待する向きは依然として根強く、一巡すると1.2960ドル台まで押し戻された。
・ユーロ円は4日続伸。一時165.51円まで下げる場面も見られたが、独金利上昇を手掛かりにユーロ高が進むと7月30日以来の高値となる166.60円まで上昇。その後も引けにかけて高値圏を維持した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。半導体関連株を中心に持ち高調整の売りが目立った。半面、好決算を受けてビザが大幅高となったほか、同業のアメリカン・エクスプレスも買われたことが下値を支えた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指は5営業日ぶりに反落した。前日に史上最高値を更新したこともあり、いったん利益を確定する動きが出た。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。10月ADP全米雇用報告が良好な内容となったことを背景に売りが先行。その後は買い戻しが入る場面も見られたが、引き続き米大統領選を睨んで売り意欲が強かった。
・原油先物相場は3営業日ぶりに反発。石油輸出国機構(OPEC)加盟国ほか主要産油国による枠組みOPECプラスが増産を延期するとの観測が下支えの要因。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫(10/25時点)で、原油在庫は-51.5万バレル(前週 +547.4万バレル)と小幅な取り崩しに転じたが、直後の原油相場の反応は乏しかった。
・金先物相場は大幅に5営業日続伸。落ち着ききれない中東情勢や、米大統領選挙を控えた不透明感が引き続き支え。中国景況に関する警戒感のくすぶりもあって、リスク回避資産である金が買われ、史上最高値を更新する流れが続いている。
30日21:49 リーブス英財務相
「この予算は400億ポンドの増税となる」
「2026年のCPIを2.3%と予測(3月時点では1.6%)」
「2027年のCPIを2.1%と予測(3月時点では1.9%)」
「2028年のCPIを2.1%と予測(3月時点では2.0%)」
「2029年のCPIを2.0%と予測」
「小売・飲食業界の事業税に対して上限付きで40%の減税」
「非居住者の税制を廃止」
「一時的な本国送金減税を3年間延長」
「非居住者関連の措置により、今後5年間で127億ポンドの税収増を見込む」
31日00:08 シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事
「インフレ目標を大幅かつ持続的に下回るリスクは依然として小さい」
「金融引き締めの段階的な解除が引き続き適切」
「中立金利は高い不確実性の影響を受ける」
「中立金利を下回る必要はない」
「今日のデータは転換点に達したことを示す最初の兆候」
「金利に関してはデータ依存の姿勢を維持する必要がある」
※時間は日本時間
30日の日経平均は大幅に3日続伸。終値は373円高の39277円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり907/値下がり677。ディスコ以外にも、レーザーテック、アドバンテスト、ソシオネクストなど半導体株の多くが大幅上昇。フジクラが6%を超える上昇で上場来高値を更新した。電力株が強く、通期の利益見通しを引き上げた四国電力が12.1%高。決算と併せて製品値上げを発表した山崎製パンが15.3%高と値を飛ばした。
一方、決算を発表したNEC、コマツ、JR東海などが下落。日野自動車、M&A総研、SMSは2桁の下落率となった。業種では大和証Gや岡三証券Gが決算で売られたことから証券株が弱かった。ブリヂストンや住友ゴムなどタイヤ株が全般軟調。足元人気化していたベースフードがストップ安まで売り込まれた。
日経平均は大幅高。後場には失速したものの、前場で大きく水準を切り上げていたことから、3営業日連続で3桁上昇かつ陽線を形成した。先週までがかなり弱かったことから、個別で見ると過熱感のある銘柄はそれほど多くない。決算発表が多く材料には事欠かないだけに、目先は下げづらく上げやすい地合いが続きそうだ。
あすは日銀金融政策決定会合の結果が発表される。衆院選投開票の直後でもあり、政策変更はないとみられている。ただ、結果が出た後の為替動向には注意を払っておきたい。市場では与党大敗により日銀が利上げをしづらくなるとの見方があり、現状維持の場合にはドル円が円安に振れる可能性がある。動きが良くなった今の日本株であれば、そのことをポジティブに捉えて外需買いが盛り上がると思われる。しかし、円安に勢いがつきすぎた場合には、介入に対する警戒が高まってくる。為替の振れ幅は大きくならない方が好ましい。今回は波乱の要素は少ないだけに、日銀会合を無難に消化して、指数がもう一段上を試しに行く展開に期待したい。
<国内>
○08:50 ◎ 9月鉱工業生産速報(予想:前月比1.0%/前年比▲3.2%)
○08:50 ◇ 9月商業販売統計速報(小売業販売額、予想:前年比2.3%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○未定 ☆ 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表(予想:0.25%で据え置き)
○未定 ◎ 経済・物価情勢の展望(10月、基本的見解)
○14:00 ◇ 9月新設住宅着工戸数(予想:前年比▲4.1%)
○15:30 ☆ 植田和男日銀総裁、定例記者会見
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
<海外>
○09:00 ◇ 10月ANZ企業信頼感
○09:30 ◇ 7-9月期豪輸入物価指数(予想:前期比▲0.3%)
○09:30 ◎ 9月豪住宅建設許可件数(予想:前月比3.0%)
○09:30 ◎ 9月豪小売売上高(予想:前月比0.3%)
○10:30 ◎ 10月中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:49.9)
○10:35 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○16:00 ◎ 9月独小売売上高(予想:前月比▲0.5%/前年比1.6%)
○16:00 ◇ 9月独輸入物価指数(予想:前月比▲0.4%/前年比▲1.4%)
○16:00 ◇ 9月トルコ貿易収支(予想:51.0億ドルの赤字)
○16:45 ◇ 10月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.2%/前年比1.1%)
○16:45 ◇ 9月仏卸売物価指数(PPI)
○17:30 ◎ 7-9月期香港域内総生産(GDP)速報値(予想:前期比横ばい/前年比3.1%)
○18:00 ◎ パネッタ伊中銀総裁、講演
○19:00 ☆ 10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比1.9%)
○19:00 ☆ 10月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比2.6%)
○19:00 ◎ 9月ユーロ圏失業率(予想:6.4%)
○19:10 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○19:30 ◇ 9月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比横ばい/前年比1.3%)
○20:30 ◇ 10月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○20:35 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演
○21:00 ◎ 9月南アフリカ貿易収支(予想:71億ランドの黒字)
○21:30 ☆ 8月カナダGDP(予想:前月比横ばい/前年比1.5%)
○21:30 ☆ 7-9月期米単位労働コスト・速報値(予想:前期比0.9%)
○21:30 ◎ 9月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.4%)
◎ 9月米個人所得(予想:前月比0.3%)
☆ 9月米PCEデフレーター(予想:前年比2.1%)
☆ 9月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.3%/前年比2.6%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.0万件/188.5万人)
○22:45 ◎ 10月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:47.0)
○シンガポール(ディーパバリ)、インド(ディワリ)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大和証券では、米国の大統領選について考察している。短期視点ではトランプ氏が勝利して共和党が上院・下院ともに多数派となる「レッドスウィープ」が市場では好まれそうだが、大和ではこのシナリオは中長期の不安が強いとみている。レッドスウィープ時には、前回のトランプ政権における前半のリフレ期待と中期の関税懸念が比較的短い期間に凝縮されることが予想される。市場が不確実性を最も嫌うという基本的な考え方に基づくと、予測可能性が高いハリス氏勝利と共和党からトランプ色が退潮するというねじれ関係が、かえって望ましい結果と大和では考えている。
30日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、欧州時間の安値152.78円から10月ADP全米雇用報告(23.3万人増)を受けて153.49円まで切り返した。ユーロドルは、独10年債利回り上昇を受けて1.0871ドルまで上昇した。ポンドドルは1.2937ドルまで下落後に1.3043ドルまで買われたが、一巡後は1.2960ドル台まで押し戻された。
本日の東京外国為替市場のドル円は、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」や植田日銀総裁の会見に注目する展開となる。金融政策については、政治情勢の不確実性が高まっていることで現状維持が見込まれている。
植田日銀総裁は9月の会合で、円安修正が物価見通しの上振れリスクを低下させていること、米国経済に下振れリスクがあることを指摘していた。しかしながら、現状は日本の政治情勢の不確実性が加わったため、追加利上げの先送り観測が高まっている。政権の枠組みが流動的なことに加え、法案成立などで連携が想定される野党は景気刺激的な金融・財政政策を主張している政党が多く、利上げによる金融政策の正常化には慎重にならざるを得ないとの見方が優勢となっている。
展望リポートでは、「経済・物価見通しが実現すれば、利上げで金融緩和度合いを調整していく」との方針は維持されることが見込まれている。注目ポイントは、ターミナルレート(利上げの最終到達点)が中立金利水準と見なされている1.0%付近なのか否かを見極めることになる。
植田総裁の記者会見では、追加利上げまでの「時間的な余裕」の言及に注目。賃金と消費者物価の上昇が続き、ドル円が7月31日の植田ショックの時の高値153.88円に面合わせする中、12月会合なのか、それとも来年以降にずれ込むのかに市場の目が集まる。
本日のリスクシナリオとしては、2022年9月22日の再現に警戒しておきたい。当時は、黒田日銀総裁が日銀会合の後の会見で「当面金利引き上げない」と述べたことで、ドル円は145.90円まで上昇し、本邦通貨当局がドル売り・円買い介入に踏み切り、140円台まで急落した。
植田日銀総裁のこれまでの見解を振り返ってみる。
・ハト派的
「不確実性が大きい場合には、政策変更を慎重に段階的に進めたい。追加利上げを判断するのに、時間的な余裕はある」
・タカ派的
「現在も実質金利が極めて低い水準にあることを踏まえると、経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」
「政治家の立場がどうであれ、適切に金融政策運営を行う。今後、政策の正常化の規模はどの程度が適切か、合計利上げ幅を時間軸でどのように配分するのが最善かを考えている」
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39270 -220 (-0.55%)
TOPIX先物 2698.5 -16.5 (-0.60%)
シカゴ日経平均先物 39295 -195
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
30日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。週末に米雇用統計の発表、来週には米大統領選挙の投開票や米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、積極的な売買は手控えられた。決算を発表した銘柄中心の売買となり、昨夕発表した決算が市場予想を上回ったアルファベット<GOOG>は買われたものの、2024年10-12月期見通しが予想に届かなかったアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>は10%を超す下落となった。
AMDの下げがエヌビディア<NVDA>やクアルコム<QCOM>、マイクロン・テクノロジー<MU>、インテル<INTC>など他の半導体株にも広がり、半導体SOX指数は3%超の下落となった。S&P500業種別指数は耐久消費財・アパレル、メディア、各種金融が上昇した一方で、半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器、消費者サービスが下落。
なお、マイクロソフト<MSFT>が取引終了後に発表した2024年7-9月期決算は、売上高、1株利益が市場予想を上回ったほか、クラウドサービス「アジュール」の増収率も予想を上回ったことで、時間外取引で買われている。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比195円安の3万9295円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比60円高の3万9550円で始まり、3万9720円まで買われた。買い一巡後は軟化し、米国市場の取引開始時には下落に転じた。その後は3万9250円~3万9500円辺りのレンジで推移し、3万9270円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。AMDの下落は前日の時点で織り込まれているものの、SOX指数が3%を超す下落となったことから、指数インパクトの大きい値がさハイテク株へは利益確定の売りが入りやすい。もっとも、国内ではアドバンテスト <6857.T> [東証P]が上期決算と併せて2025年3月期業績予想の上方修正を発表している。コンセンサスを上回る修正であり、同社の上昇が日経平均型を支える可能性がある。
そのため、売り先行ながらもショートは仕掛けづらく、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。日経225先物は前日の上昇でボリンジャーバンドの+1σ(3万9440円)を突破して終えた。本日の+1σは3万9460円に若干切り上がっているが、同水準での攻防になりそうである。オプション権利行使価格の3万9250円を中心とした上下の権利行使価格3万9000円から3万9500円のレンジから、+1σを上回って推移するようだと、3万9500円から+2σが位置する4万円辺りのレンジを想定する。
30日の米VIX指数は20.35(前日は19.34)に上昇した。一時19.30まで低下する場面もみられたが、終値では不安心理が高まった状態を示す20.00を上回っている。ただし、25日移動平均線(19.40)、75日線(18.63)が支持線として意識されていたため、同水準からのリバウンドの可能性は想定されていただろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.54倍に上昇した。一時14.56倍まで上げており、+1σ(14.55倍)水準を捉えてきた。指数インパクトの大きいハイテク株への物色がみられ、相対的に日経平均型優位だった。本日は米半導体株が下落した影響からNT倍率の低下が見込まれるが、25日線(14.45倍)が支持線として意識されており、アドバンテストの動向次第ではNTロングに振れる場面もありそうだ。
昨日の海外市場では、ドル円は引き続き米金利動向に左右される展開となりました。欧州時間は米金利の低下につれて戻り売りが先行。ユーロドルの上昇につれた面もあり全般ドル売りの流れとなるなか一時152.78円まで値を下げる場面もみられましたが、前日29日の安値152.76円が目先の下値目処として意識されると次第に下値を切り上げる展開に。NY時間に入って10月ADP全米雇用報告でのNFPが23.3万人と予想の11.4万人を大幅に上回る強い数字となるとアジア時間の高値153.44円を上抜けて一時153.49円まで値を上げました。
その後は米金利が低下に転じると152.87円まで下押ししたものの、9月米住宅販売保留指数が2020年6月以来の強い結果となると再び米10年債利回りが急伸。4.3004%まで上昇幅をひろげるにつれて153.43円まで買戻されてNY市場を終えています。アジア時間に入ってからは153.16円までの下押しにとどまると、仲値にかけては月末絡みの実需の買いがまとめて持ち込まれたことから、昨日高値を上抜けて153.58円まで買い上げられているといったところです。
いずれにしても、市場は本日の日銀金融政策決定会合の結果や、15時30分から予定されている植田日銀総裁の定例記者会見待ちとなっているわけですが、極めて無風に終わりそうな様相。植田総裁も記者達の突っ込んだ質問に失言しない限りは、これまでの見解を繰り返すことになりそうです。
総選挙の結果を受けて、日本の政治はまさに政局となっていますが、国民民主党が「首班指名では決戦投票でも玉木党首を記名する」と明言していることから、野田首相の誕生の可能性がほぼほぼ消滅したような状況。過半数割れとなった石破政権が何とか存続し、少なくとも市場が期待しているマーケットフレンドリーな政策へと舵を切る下地が出来たことは明らか。今後の流動的な政局の基本路線が見えてきたこともあって、市場はそのメインシナリオを軸とした方向性を取りにいくことになりそうです。
当面の金融政策運営について
1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(全員一致)。
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.25%程度で推移するよう促す。
日銀HPより
日銀は31日発表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、2024年度の消費者物価指数(CPI、除く生鮮食品)見通しを+2.5%(7月は+2.5%)、25年度を+1.9%(7月は+2.1%)、26年度を+1.9%(7月は+1.9%)とした。
また、2024年度の実質国内総生産(GDP)見通しを+0.6%(7月は+0.6%)、25年度を+1.1%(7月は+1.0%)、26年度を+1.0%(7月は+1.0%)とした。
日経225先物は11時30分時点、前日比360円安の3万9130円(-0.91%)前後で推移。寄り付きは3万9230円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9295円)にサヤ寄せする形から、売りが先行して始まった。直後に付けた3万9270円を高値にロング解消の動きが強まり、中盤にかけて節目の3万9000円まで売られる場面もみられた。ただし、同水準では押し目待ち狙いのロングが意識されるなか、終盤にかけては3万9150円辺りまで下げ幅を縮めた。
米国市場で決算内容が嫌気されたアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>の下げの影響が他の半導体株に広がった流れを受け、東京市場においても東京エレクトロン <8035.T> [東証P]などハイテクの一角に売りが先行した。また、決算内容が嫌気された京セラ <6971.T> [東証P]や日立製作所 <6501.T> [東証P]の下げが重荷となった。一方で、コンセンサスを上回る上方修正を発表したアドバンテスト <6857.T>は7%を超える上昇となり、1社で日経平均株価を約180円支えている。
日経225先物は前日のリバウンド部分を帳消しにする形だが、節目の3万9000円辺りでの底堅さがみられる。3万8870円辺りで推移する25日移動平均線が支持線として意識されやすく、3万9000円割れからの一段安を想定したショートの動きは限られ、3万9000円近辺での押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.51倍に低下した。ほぼ前日の価格レンジでの推移であり、25日線(14.46倍)が支持線として意識されている。アドバンテスト次第ではあるものの、高値圏での推移が続くようだと、NTロングに振れやすくなりそうだ。
11月5日の米国大統領・両院議会選挙に向けて、市場の見立てはトランプ第47代米大統領の誕生、さらに、共和党が大統領の椅子と議会上下両院の多数派を握る「レッド・スウィープ(完全勝利)」を織り込みつつある。
トランプ共和党候補は、輸入関税引き上げ、減税と大規模な財政出動を公約に掲げており、
トランプ・フレーションの可能性が高いため、トランプ・トレード(米国債売り・ドル買い)が活発化しつつある。
米格付け会社ムーディーズは「どちらの候補が当選しても米国の財政状況は弱体化する可能性が高い」と指摘して、大統領選後に米国の信用格付けを引き下げることを警告している。
トランプ第47代米大統領の下での財務長官候補であるジョン・ポールソン氏は、2025年末のFF金利は2.5-3.0%と予想し、歳出減に努める、と述べている。
1. トリプル・レッド
・個人所得税の最高税率引き下げ(時限措置)を延長または恒久化
・キャピタルゲイン課税は変わらず
・法人税減税を検討
・規制監督はエネルギーと金融を中心に緩和
・インフレ抑制法(IRA)に含まれるインセンティブの一部撤回の可能性
・輸入品目に新たな関税を賦課(中国60%、その他10%)
2. 米国債市場:債券自警団(bond vigilantes)の復活
1984年、ヤルデニ・リサーチの社長兼投資戦略責任者エド・ヤルデニ氏は、レーガン第40代米大統領のインフレを招くような金融財政政策に対して財政健全化を要求しながら、債券売りで抗議する投資家を「債券自警団(bond vigilantes)」と命名した。
2024年10月、11月5日の米国大統領選挙を控えて、エド・ヤルデニ氏は、「債務に対処するために、また政府の純利払い費用に対処するために財政赤字削減策を講じるという議論は、いずれの候補者からも一切聞かれていない」と述べ、迫り来る米国の選挙は市場の債券自警団の復活を予兆している可能性があると警告した。そして、「債券利回りが5%に上昇することに私が過度な期待感を抱くことはないだろうが、数週間前よりも現実味を帯びてきているのは確かだ」と述べた。
2. 米金利オプション市場:ペイヤースワップション
トランプ第47代米大統領による「トランプノミクス2」では、大規模な財政出動が見込まれているため、米国債発行が増加され、長期債利回りが押し上げられることになる。
米金利オプション市場では、金利全般が上向き、長期債利回りが上昇することを見越した「ペイヤースワップション(固定金利払い・変動金利受けのスワップを買う権利)」(期間5-30年)の取引が活発化している。
本日のロンドン為替市場では、前半は日銀の金融イベントを受けた円相場の動きが主流になるだろう。その後はユーロ圏インフレ指標や欧州金融当局者の発言を確かめながら、欧州午後(ニューヨーク序盤)の米インフレ指標を待つ展開か。
日銀は昨日から本日まで開いた金融政策決定会合で、市場予想通り政策金利の据え置きを決定した。注目された展望レポートでは、2024年度の消費者物価指数(CPI、除く生鮮食品)見通しを2.5%で前回7月から横ばい、25年度については1.9%と前回から引き下げたものの、リスクとしては上振れとした。声明では追加利上げに含みを持たせた文言が材料視され、153円割れまで円高に振れた。
この後15時30分からは植田日銀総裁の定例記者会見が行われる。衆院選での与党敗北を受けて政局の先行きが見定まらないなか、日銀の追加利上げが来年以降に先延ばしされるとの見方が広まりつつある。植田総裁がどの程度まで政治の影響を考えているか、記者との質疑応答で次の一手につながるヒントを探ることになりそうだ。
日本時間19時には10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が発表される。前年比総合は予想1.9%と9月改定値で下方修正された1.7%から加速見込み。しかしながら、欧州中央銀行(ECB)のインフレ目標2%を下回ったままではある。その辺りをエスクリバ・スペイン中銀総裁やクノット・オランダ中銀総裁がどのように捉えているか、その後の講演で確かめたい。
また昨日、荒い値動きとなったポンド絡みにも目を向けておきたい。予算責任局(OBR)によるインフレ目標の上方修正でポンド買いが進む場面はあったものの、上値は重い印象だ。来週の英中銀金融政策委員会(MPC)では、0.25%利下げ決定が依然として基本路線と短期金利市場は見ているもよう。
想定レンジ上限
・ユーロ円、7月30日高値167.95円
・ユーロドル、14日高値1.0942ドル
・ポンドドル、18日高値1.3071ドル
想定レンジ還元
・ユーロ円、29日安値165.16円
・ユーロドル、24日安値1.0761ドル
・ポンドドル、8月16日安値1.2852ドル
(31日15時時点)
ドル円:1ドル=152.84円(前営業日NY終値比▲0.58円)
ユーロ円:1ユーロ=165.86円(▲0.69円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0851ドル(▲0.0005ドル)
日経平均株価:39081.25円(前営業日比▲196.14円)
東証株価指数(TOPIX):2695.51(▲8.21)
債券先物12月物:144.19円(△0.15円)
新発10年物国債利回り:0.935%(▲0.015%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
8896億円の処分超 6147億円の処分超・改
対内株式
80億円の取得超 5819億円の取得超・改
9月商業販売統計速報(小売業販売額)
前年同月比 0.5% 3.1%・改
9月鉱工業生産・速報値
前月比 1.4% ▲3.3%
前年同月比 ▲2.8% ▲4.9%
日銀金融政策決定会合、政策金利
0.25% 0.25%
9月新設住宅着工戸数
前年同月比 ▲0.6% ▲5.1%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。月末の仲値に向けた買いが観測されたものの、日銀の金融政策公表後はやや売りが優勢に。日銀は金融政策決定会合で政策金利を0.25%に据え置いたが、同時に公表した経済・物価情勢の展望(日銀展望レポート)では「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」としており、利上げ路線の維持を示したと受け止めた向きからの売りが出た。15過ぎには一時152.75円まで下押しした。
・ユーロ円も弱含み。朝方こそ買いが入ったものの、日銀の金融政策公表後は全般に円買いが進んだ流れに沿って165.76円まで下押す場面も見られた。
・ユーロドルは小安い。1.0844ドルまで下落する場面もあったが、総じて円絡みの取引が中心となったため、一方的に売りを進める展開にはならなかった。
・日経平均株価は4営業日ぶりに反落。昨日の米国株式市場でハイテク株が下落し、この日の国内株式市場では半導体関連銘柄が売りに押された。外国為替市場で円高が進んだことも相場の重しとなり、株価指数先物主導で下げ幅を拡大。指数は一時450円近く下落する場面もあったが、引けにかけては下げ幅を縮小し、3万9000円台を維持して取引を終えた。
・債券先物相場は続伸。前日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで売りが先行したものの、その後は日銀金融政策決定会合や植田総裁の会見を前に持ち高調整目的の買い戻しが進んだ。
大阪12月限
日経225先物 39060 -430 (-1.08%)
TOPIX先物 2694.5 -20.5 (-0.75%)
日経225先物(12月限)は前日比430円安の3万9060円で取引を終了。寄り付きは3万9230円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9295円)にサヤ寄せする形から、売りが先行した。直後に付けた3万9270円を高値にロング解消が強まり、前場中盤にかけて節目の3万9000円まで売られた。ただし、3万9000円処では押し目待ち狙いのロングが意識されたほか、日銀の金融政策決定会合の結果を控えて短期のショートカバーも入ったとみられ、ランチタイムで3万9210円辺りまで下げ幅を縮めた。
その後、日銀が31日まで開いた金融政策決定会合で政策金利0.25%を据え置くと決めた。政策金利の据え置きは織り込まれていたとみられるが、為替市場では円相場が1ドル=152円台と円高に振れて推移したことで、後場中盤にかけて3万8840円まで売られる場面もみられた。売り一巡後は終盤にかけてショートカバーが入り、3万9000円はキープした。
米国市場で決算内容が嫌気されたアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>の下げの影響が他の半導体株に広がった流れを受け、東京市場でも東京エレクトロン <8035.T> [東証P]などハイテク株の一角に売りが先行した。また、決算内容が嫌気された京セラ <6971.T> [東証P]や日立製作所 <6501.T> [東証P]の下げが重荷となった。一方で、コンセンサスを上回る上方修正を発表したアドバンテスト <6857.T>は最高値を更新し、1社で日経平均株価を約145円支えた。
日経225先物は前日のリバウンド分を帳消しにする形だが、概ね節目の3万9000円辺りでの底堅さが意識されていた。後場中盤に割り込む場面がみられたものの、25日移動平均線が支持線として機能する形だった。ナイトセッションでは25日線を下回っているが、日銀の植田和男総裁が記者会見で、追加利上げに前向きな姿勢を示したとして円相場は一時1ドル=151円台と円高・ドル安が進んだことが、ショートに向かわせたようだ。
さらに、米国市場でのハイテク株安が続くようだと、短期的にはショートが入りやすいだろう。マイクロソフト<MSFT>は決算を受けて時間外取引で買われていたが、その後下落に転じている。31日にはアップル<AAPL>とアマゾン・ドット・コム<AMZN>の決算が予定されている。
ポジションは大きくロングに傾いているとは考えづらいが、明日は3連休前であるほか、週末に米雇用統計の発表、来週には米大統領選挙、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、スキャルピング中心のトレードになろう。積極的な売買は手控えられるため、短期的なショートに振られやすい面はある。
NT倍率は先物中心限月で14.49倍に低下した。アドバンテストが日経平均型を支える形となり、前日の価格帯での推移をみせていた。終盤にかけて14.47倍に低下する場面もみられたが、25日線(14.46倍)が支持線として意識されていた。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万7332枚、ソシエテジェネラル証券が1万2055枚、サスケハナ・ホンコンが3886枚、バークレイズ証券が2706枚、JPモルガン証券が2404枚、モルガンMUFG証券が2181枚、ゴールドマン証券が1444枚、ドイツ証券が1375枚、日産証券が1307枚、SBI証券が1106枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が3万0046枚、ソシエテジェネラル証券が2万5300枚、JPモルガン証券が6256枚、バークレイズ証券が6100枚、サスケハナ・ホンコンが4242枚、ゴールドマン証券が3976枚、モルガンMUFG証券が3724枚、ビーオブエー証券が2495枚、みずほ証券が1969枚、シティグループ証券が1952枚だった。
本日のNY市場でのドル円は、植田日銀総裁の会見に対する反応を見つつ、昨日に続き米国で発表が予定されている複数の経済指標を確認しながらの取引となるか。
植田日銀総裁は日銀会合後の会見で、これまでのように「時間的な余裕はある」との文言を使わなかったことでドル円は欧州市場序盤に152円を割り込んだ。売り一巡後は152円台に戻しているが、上値は重い。会見内容が総じてタカ派であったこともあり、円買い材料として蒸し返される恐れがある点には注意したい。
冒頭で触れたが、本日は米国で多数の経済指標の発表が予定されている。まずは9月PCEデフレーターが注目されるか。市場予想はPCEデフレーターが前年比+2.1%、PCEコア・デフレーターは同+2.6%と前回(+2.2%、+2.7%)から小幅に伸び鈍化の見通し。PCEデフレーターについては米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注目していることもあり、伸び鈍化傾向が続けば米利下げ観測に結びついてドルの重しとなる展開も想定される。
同時刻には、新規失業保険申請件数も発表される。市場予想は23.0万件と前週(22.7万件)より小幅増加の見通し。明日の米雇用統計への思惑に結びつきやすいので、結果に注目したい。
そのほか、22時45分には10月米シカゴ購買部協会景気指数が発表予定。市場予想は47.0と6月(47.4)以来の数値に上昇見込みとなっている。
また、本日は月末であるため、ロンドンフィキシング(日本時間25時)に向けた月末の特殊玉に警戒しておきたい。
他方、カナダで8月国内総生産(GDP)が発表される。市場予想は前月比が横ばい、前年比は+1.5%(前回:+0.2%、+1.5%)となっている。同時刻に発表される米経済指標を受けたドル円の動きを見つつではあるが、こちらも注目したい。
想定レンジ上限
・ドル円は現時点での本日高値153.59円
・カナダドル円は本日と30日高値110.39円
想定レンジ下限
・ドル円は200日移動平均線151.53円。
・カナダドル円は日足・一目均衡表の雲の上限108.80円
今晩はハイテク株を中心に軟調か。昨日は好決算を発表したアルファベットが上昇し、ナスダック総合が取引時間中の史上最高値を更新したものの、スーパー・マイクロ・コンピューターやアドバンスト・マイクロ・デバイセズを中心に半導体株が幅広く下落したことや、7-9月期GDP速報値が予想を下回ったことで主要3指数がそろって下落。ダウ平均が91.51ドル安(-0.22%)と2日続落し、S&P500が0.33%安と3日ぶりに反落。ハイテク株主体のナスダック総合は1.00%高まで上昇したが、0.56%安で終了し、5日ぶりの反落となった。引け後の動きでは10-12月期の売上高見通しが市場予想を下回ったマイクロソフトが時間外取引で3%超下落。メタ・プラットフォームズもユーザー数が市場予想を下回ったことや2025年の投資が増加する見通しが嫌気され時間外で3%超下落した。
今晩はマイクロソフトやメタの下落が見込まれ、ハイテク株を中心に軟調か。また、利下げ見通しを巡っては今週末の10月雇用統計が焦点となるが、今晩は米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注目する9月個人消費支出 (PCE) 価格指数が発表されるほか、足もとも雇用巡っては新規失業保険申請件数にも要注目となる。9月PCE 価格指数は変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPCE価格指数が8月分の前年比+2.7%から+2.6%に鈍化が見込まれおり、予想通りの鈍化となれば利下げ期待の高まりが支援となりそうだ。
今晩の経済指標・イベントは9月個人消費支出 (PCE) 価格指数、新規失業保険申請件数のほか、10月シカゴ地区購買部協会景気指数、米10年債入札など。企業決算は寄り前にメルク、引け後にアップル、アマゾン、インテルなどが発表予定。
ブラジルの7-9月期の失業率が6.4%に低下し、市場予想よりも良好な結果だった。これは過去2番目に低い水準で、前四半期の6.9%、前年同期の7.7%から改善している。失業者数は700万人に減少し、就業者数は1億300万人と過去最高を記録した。平均実質賃金は3,227レアルだった。この堅調な労働市場は政府が誇る指標だが、インフレ圧力への懸念も高まっている。中央銀行は先月、2年以上ぶりに政策金利を0.25%引き上げ、10.75%としたが、経済活動と労働市場の圧力が予想以上に強いことが背景にある。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
中国、景気刺激策の効果で景況感底打ちも不透明要因は依然山積
金融市場が抱く期待に息切れ感、時間稼ぎの間に構造改革に動けるか、タイムオーバーとなるか
このところの中国経済は、不動産不況をきっかけにした景気減速が深刻化するなど成長率目標実現のハードルが高まっている。当局は5月に不動産対策を公表したほか、中銀も金融緩和に舵を切ったが、金融市場は足下を見透かす対応が続いた。こうしたなか、9月末以降は五月雨式に景気刺激策を公表し、金融市場は「政策に売りなし」の言葉通り活況を呈する動きがみられる。しかし、具体策に乏しい内容ゆえに早くも息切れが懸念されるほか、金融市場は「次」を期待する動きをみせるなど難しい状況に直面している。
五月雨式の景気刺激策公表による金融市場の活況は企業マインドの追い風になると期待されるなか、9月の企業マインドは製造業、非製造業ともに好不況の分かれ目を上回るなど底打ちが確認されている。ただし、製造業では見切り発車的な生産拡大が確認されるほか、非製造業では国慶節連休による一時的な押し上げが影響している可能性に留意する必要がある。さらに、マインド改善にも拘らず製造業、非製造業ともに雇用回復が遅れており、家計消費をはじめとする内需を取り巻く環境は依然として厳しい状況にある。
報道では、来月の全人代常務委員会で総額10兆元規模の特別国債の発行が承認されるとのリーク記事が出ている。額面はGDP比8%弱に達するも、その使途は需要喚起に繋がるものではなく景気下支えに繋がるかは未知数である。金融緩和と財政出動による時間稼ぎのうちに構造改革の進展が求められるが、米ドル高の再燃など外部環境が変化するなかで対応は難しさを増す可能性もある。中国経済の行方は世界経済に大きな影響を与えるだけに、当局には金融市場が抱く期待を失望に変えない努力が求められる。
カナダの8月の国内総生産(GDP)は前月比で横ばいとなり、9月は0.3%の成長が見込まれていいる。この結果、第3四半期の成長率がカナダ中銀(BOC)の予想1.5%を下回る可能性が高まっている。8月の製造業は1.2%縮小し、経済の最大の足かせとなった。高金利の影響で経済成長が鈍化する中、BOCは景気刺激のため4回連続で利下げを実施している。この状況を受け、市場では12月の追加利下げ観測が高まっているが、最終的な四半期GDP数値は来月発表される予定で、今回の月次データとは異なる可能性がある。
日経平均株価は反落。安寄りスタートから一時は25日移動平均線(38849円 10/31)まで下げ幅を広げる場面もあったが、後場の終盤に急速に持ち直す展開となった。
RSI(9日)は前日の57.1%→51.8%(10/31)へ低下。直近3日間続いた陽線の反動の範ちゅうであり、戻り歩調にある見方に大きな変化はない。一目均衡表の基準線(38954円 同)上も維持しており、5日移動平均線(38756円 同)の上昇を追い風に目先的には10/16の下げで開けたマド埋め(39910円)に向けて騰勢を強められるかが焦点となる。
上値メドは、心理的節目の39500円、10/15安値(39910円)、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、10日移動平均線(38637円 同)、200日移動平均線(38370円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)などがある。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
オーストラリア、物価鈍化も粘着度は高く、豪ドル相場も見通せず
補助金が鈍化を促す一方で粘着度を窺わせる動きも、RBAの早期利下げは見通しにくい展開が続く
オーストラリア準備銀(RBA)は高金利政策に加え、タカ派姿勢を維持する展開をみせる。しかし、金融市場では米ドル高の再燃の動きも相俟って豪ドル相場は頭打ちの動きを強める一方、日本円に対しては方向感を欠く推移が続く。これは景気頭打ちや物価鈍化の動きが確認されるなか、RBAが早晩利下げに動くとの観測がくすぶることが影響している。足下のインフレも補助金の効果を反映して一段と鈍化して目標域で推移するなど落ち着きを取り戻している。一方、コアインフレは目標域を上回る推移が続き、堅調な雇用環境がサービス物価を押し上げるなどインフレの粘着度を窺わせる。RBAが重視するインフレ指標もまちまちの動きをみせており、これを以ってRBAが早期に利下げに動くと判断することは難しい。当面の豪ドルの対米ドル相場は米FRBの動向に揺さぶられるほか、日本円にも方向感が乏しい展開が続くと予想される。
ハンガリー政府は2025年からいくつかの税金を前年7月のインフレ率に連動して引き上げる提案を行った。これは、景気後退に陥った経済の中で予算の穴を埋めるための広範な取り組みの一環。提案には、燃料、アルコール、たばこの物品税や自動車登録・所有税の引き上げが含まれているが、中央銀行は同様の慣行がインフレ抑制の妨げになるとして批判している。
7月のインフレ率は前年比4.1%で、1月の25.7%から大幅に低下したが、中央銀行の目標3%をわずかに上回っている。エコノミストは、エネルギー価格ショックが再び起こった場合、翌年のインフレ率に波及効果があると指摘している。一方で、この新しい仕組みは予算収入の安定化に役立つ可能性があり、景気回復の遅れやインフレ連動型支出の増加により、予算は圧迫されている。政府は公共投資の延期や増税を余儀なくされており、中央銀行は物価上昇傾向が目標を上回る可能性を指摘している。
■各社予想 10月米非農業部門雇用者数
JPモルガン +10.0万人
第一生命経済研究所 +8.8万人
ドイツ証券 +10.0万人
バークレイズ・キャピタル +12.5万人
BNPパリバ +12.0万人
HSBC +11.0万人
モルガン・スタンレー +7.5万人
市場コンセンサス +11.3万人
前回 +25.4万人
■各社予想 10月米失業率
JPモルガン 4.2%
第一生命経済研究所 4.2%
ドイツ証券 4.2%
バークレイズ・キャピタル 4.2%
BNPパリバ 4.1%
HSBC 4.2%
モルガン・スタンレー 4.1%
市場コンセンサス 4.1%
前回 4.1%
■各社予想 10月米平均時給(前月比)
JPモルガン +0.3%
第一生命経済研究所 +0.3%
ドイツ証券 +0.6%
バークレイズ・キャピタル +0.4%
BNPパリバ +0.3%
HSBC +0.4%
モルガン・スタンレー +0.4%
市場コンセンサス +0.3%
前回 +0.4%
■各社予想 10月米平均時給(前年比)
JPモルガン +4.0%
第一生命経済研究所 +4.0%
バークレイズ・キャピタル +4.1%
BNPパリバ +4.0%
HSBC +4.1%
モルガン・スタンレー +4.1
市場コンセンサス +4.0%
前回 +4.0%
(31日終値:11月1日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=152.17円(31日15時時点比▲0.67円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=165.29円(▲0.57円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0862ドル(△0.0011ドル)
FTSE100種総合株価指数:8110.10(前営業日比▲49.53)
ドイツ株式指数(DAX):19077.54(▲179.80)
10年物英国債利回り:4.446%(△0.094%)
10年物独国債利回り:2.390%(△0.002%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月独輸入物価指数
前月比 ▲0.4% ▲0.4%
前年同月比 ▲1.3% 0.2%
9月独小売売上高
前月比 1.2% 1.6%
前年同月比 0.9% 2.4%
10月仏消費者物価指数(CPI)速報値
前月比 0.2% ▲1.2%
前年同月比 1.2% 1.1%
9月仏卸売物価指数(PPI)
前月比 ▲0.1% 0.2%
9月トルコ貿易収支
51.3億ドルの赤字 49.9億ドルの赤字
10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
前年同月比 0.2% 1.7%
10月ユーロ圏HICPコア速報値
前年同月比 2.7% 2.7%
9月ユーロ圏失業率
6.3% 6.4%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は戻りが鈍い。植田日銀総裁が定例記者会見でこれまで繰り返してきた政策判断に「時間的な余裕はある」との表現を今後は使わないとし、経済・物価情勢を踏まえて予断を持たずに判断していく姿勢を強調。総じてタカ派的な見解と捉えられたため売りが先行し、一時151.92円まで下げ足を速めた。ただ、売りが一巡すると下げ渋り、NY時間に入って米10年債利回りが4.33%台まで上昇すると153.05円付近まで持ち直した。一方で、ダウ平均が軟調に推移したため戻りは限定的。米金利が4.25%台まで一転低下したことも嫌気され152円台前半まで押し戻された。
・ユーロドルはもみ合い。昨日に続き独長期金利の上昇を手掛かりとした買いが入ったほか、10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が予想をわずかに上回ったことも支援材料となり、一時1.0888ドルまで値を上げた。ただ、その後はポンドドルの急落につれたほか、欧州株安も重しとなり1.08ドル台半ばまで伸び悩むなど方向感が出なかった。市場では「明日に10月米雇用統計を控えて積極的な売買は手控えられている」との指摘があった。
なお、ポンドドルは売り優勢。しばらくは1.29ドル台後半での推移が続いていたが、23時前から断続的な売りが持ち込まれた。市場では「月末のロンドンフィキシングに向けたフローが出たのでは」との指摘もあり、23日安値の1.2908ドルを下抜けて1.2844ドルと8月15日以来の安値を付けた。
・ユーロ円はさえない。日銀総裁のタカ派発言をきっかけに売りが強まると一時164.94円まで下落した。ドル円と同様に一巡後はショートカバーが入り166.36円付近まで切り返したが戻りは限られた。欧米株安でリスク回避の売りが優勢になると165.03円付近まで再び値を下げた。
・ロンドン株式相場は3日続落。日本株が下落したほか、時間外で米株価指数先物が軟調に推移していることが投資家心理の悪化につながり、売りが優勢となった。分野別では、不動産や情報技術関連株の下げが目立った。
・フランクフルト株式相場は3日続落。日米株価指数の下落を受けて投資家のリスク回避姿勢が高まり、幅広い銘柄が売られた。個別では、ザランド(4.04%安)やラインメタル(2.70%安)の下げが目立った一方、ザルトリウス(0.68%高)やメルク(0.60%高)は買われた。
・欧州債券相場は下落。
イスラエル情報機関によると、イランが数日以内にイラクから大規模な報復攻撃を準備していると米ニュースサイト「アクシオス」が伝えた。
31日の日経平均は4日ぶり反落。終値は196円安の39081円。米国株安を受けて下落スタート。序盤では下を試しに行ったが、節目の39000円を割り込んだところでいったん持ち直した。日銀は金融政策の現状維持を決定したが、昼休みにこの発表が出てきた後、ドル円がやや円高に傾斜した。この動きを嫌気して後場は改めての売りに押され、一時下げ幅を400円超に拡大。38800円台に突入した。ただ、14時辺りからは値を戻す流れとなり、終値では39000円を上回った。グロース250指数は上昇しており、後場にかけては一段と水準を切り上げ高値圏で終了した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆9700億円。業種別では金属製品、海運、陸運などが上昇した一方、電気機器、パルプ・紙、卸売などが下落した。上方修正、増配、自己株取得を発表した東京鉄鋼<5445.T>が、後場に買いを集めてストップ高。半面、通期の利益見通しを引き下げた豊田自動織機<6201.T>が後場に入って急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1136/値下がり458。上方修正や自己株取得を発表したアドバンテストが、全市場の売買代金ランキング1位となる大商いで6.4%高。通期の純利益見通し引き上げや自己株取得を発表した商船三井も商いを伴って大きく上昇した。LIXIL、いちよし証券、中外炉工業などは、決算を材料に2桁の上昇率となった。業績関連以外では、新作ゲームの出足好調が確認できたDeNAが急伸した。
一方、決算が市場の期待に届かなかった日立が5.4%安。ルネサスが大幅安となり、京セラやエムスリーは2桁の下落率となった。前期の営業利益が計画未達となったストライクはストップ安まで売り込まれた。米国で監査役の辞任が伝わったスーパー・マイクロ・コンピューターが暴落したことから、同社に水冷モジュールを提供しているニデックが警戒売りに押された。
日経平均は下落。ただ、後場に崩れたところでも下値は拾われており、プライムでは1000を超える銘柄が上昇した。今週に入って動きが良くなってきたことから、全体の地合いが悪い日でも売り急ぎが抑制されている。東京市場は翌週月曜の11月4日が休場で、あすは三連休前。このタイミングで弱材料に耐性を示したのは良い傾向と言える。
ただ、ドル円が引け後の植田日銀総裁会見が始まった後に一段と円高が進んでいる。発言内容から、次回12月会合での追加利上げの可能性が意識されているもよう。7月に追加利上げに踏み切っているだけに12月に再利上げがあっても驚きはないが、マーケットの方では、足元の政局混迷でしばらく利上げはないとみていたフシがある。円高が進んだといっても153円台から152円台に入った程度で、このくらいであれば慌てる必要はない。ただ、あす11月1日には米国で10月雇用統計が発表されるだけに、ここからさらに円高が進み、150円割れが警戒されるような動きになってしまうとやっかいだ。為替動向には一定の注意を払っておきたい。
(31日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.03円(前営業日比▲1.39円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=165.48円(▲1.07円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0884ドル(△0.0028ドル)
ダウ工業株30種平均:41763.46ドル(▲378.08ドル)
ナスダック総合株価指数:18095.15(▲512.78)
10年物米国債利回り:4.28%(▲0.02%)
WTI原油先物12月限:1バレル=69.26ドル(△0.65ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2749.3ドル(▲51.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月米企業の人員削減数
前年比 50.9% 53.4%
7-9月期米単位労働コスト・速報値
前期比年率 0.8% 0.9%
9月米個人所得
前月比 0.3% 0.2%
9月米個人消費支出(PCE)
前月比 0.5% 0.2%
9月米PCEデフレーター
前年同月比 2.1% 2.2%
9月米PCEコア・デフレーター
前月比 0.3% 0.1%
前年同月比 2.7% 2.7%
前週分米新規失業保険申請件数
21.6万件 22.7万件
前週分米失業保険継続受給者数
186.2万人 189.7万人
10月米シカゴ購買部協会景気指数
41.6 46.6
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は5営業日ぶりに反落。米10年債利回りが4.33%台まで上昇すると買いが強まり、23時過ぎには153.05円付近まで値を上げた。ただ、ダウ平均が軟調に推移したため上値は限定的。米金利が4.25%台まで一転低下したことも嫌気され、3時30分過ぎには本日安値となる151.84円まで値を下げ、その後の戻りも鈍かった。
アジア時間に植田日銀総裁が定例記者会見でこれまで繰り返してきた政策判断に「時間的な余裕はある」との表現を今後は使わないなど、総じてタカ派的な見解を示したことが引き続き重しとなった面もあった。
・ユーロドルは4日続伸。欧州時間からの底堅い地合いが継続し、22時30分過ぎには一時1.0888ドルと日通し高値を更新した。その後はポンドドルの急落につれたほか、欧州株安も重しとなり1.08ドル台半ばまで伸び悩む場面があったが、米長期金利の低下が支えとなるなど下値は堅かった。
なお、ポンドドルは23時前から断続的な売りが持ち込まれた。市場では「月末のロンドンフィキシングに向けたフローが出たのでは」との指摘もあり、23日安値の1.2908ドルを下抜けて1.2844ドルと8月15日以来の安値を付けた。
・ユーロ円は5営業日ぶりに反落。ドル円やユーロドルの上昇につれて166.36円付近まで値を上げる場面があったが上値は限られた。欧米株安でリスク回避の売りが優勢になると165.03円付近まで一転下落した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落。昨日の取引終了後に発表した決算が予想を下回ったマイクロソフトが大きく売られ、ハイテク株全般に売りが波及した。明日の10月米雇用統計を前に持ち高調整の売りも重なり、指数は一時440ドル近く下げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指は続落した。エヌビディアなど半導体株の下げが目立った。
・米国債券相場で長期ゾーンは小反発。中期債が売られたことが波及し、利回りは一時4.33%まで上昇した。ただ、翌日に10月米雇用統計を控えて持ち高を一方向に傾ける動きは限られた。
・原油先物相場は小幅に続伸。大きな動きではなかったものの、エネルギー需要の動向を左右する中国の景気に底打ち感が生じてきたことが下支えとなっている。
・金先物相場は6営業日ぶりに大幅反落。中東情勢への懸念や米大統領選を控えた警戒感によるリスク回避で金を買う動きが一服。最高値を更新しながら上昇が続いてきた流れに対する調整の動きが強まった。NY序盤に発表された9月米PCEデフレーターが総じて落ち着いた動きを示したことも調整の売りを誘った。
10月31日14:49 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「利下げの規模は経済データ次第」
「インフレのゴールが視野に入っている」
「2024-26年のユーロ圏のリセッション(景気後退)は予想していない」
10月31日15:32 植田日銀総裁
「過去と比べると為替の変動が物価に影響を与える面がある」
「経済・物価見通しが実現していくとすれば、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」
「米国はじめ海外経済の今後の展開や市場動向を十分注視」
「7月の利上げの影響はおおむね予想通り」
「企業のマインド面でも大きな影響は見られていない」
「情勢の見極めに必要な時間やタイミングで予断を持っていない」
「12月会合で多角的レビューを取りまとめる」
「(時間的余裕あるかとの質問に対し)金融政策は毎回の会合で判断」
「時間的余裕という表現は、6-7月から9月上旬に心配されていた米国のダウンサイドリスクを見極めるために使用していた」
「物価の中心的な見通しは先にいくほど確度は下になる」
「現在の所定内給与の伸びが続けば、見通し実現の確度高まる」
「利上げが続くことで想定外のマイナス効果が出てくることも考慮」
「今年と同じ程度の賃上げ率になれば物価目標に良い動き」
「賃上げ率だけで利上げの判断はできない」
「2%物価目標に照らすと、昨年中に本格的な出口に向かうオプションはなかった」
「おおむね全体として出口戦略による波乱はなく来れた」
「9月会合対比でリスク評価は弱めになっているが、まだリスクは残っている」
10月31日16:19 林官房長官
「日銀には引き続き政府と連携し物価目標の実現に向け適切な政策運営を行うと期待」
※時間は日本時間
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、9月の鉱工業生産指数を受けてリポートしている。9月は前月比+1.4%となり、2カ月ぶりの増産となった。台風接近による操業停止で8月に落ち込んだ反動もあり、輸送機械、窯業・土石などが増産。製造工業生産予測指数では、10月の大幅な増加の後、11月は減少となっているが、自動車の挽回生産などもあり、高水準で推移することが見込まれているとのこと。三菱UFJMSでは、消費の持ち直しが続く一方、世界経済の失速は回避されることで輸出は減少に至らないとみており、生産活動は増加基調になると引き続き予想している。
SMBC日興証券では、2024年7-9月期の実質GDP成長率を前期比+0.4%、年率+1.8%と予想している。個人消費や設備投資など民需に加えて、外需が成長を支えるとみている。対して公需は横ばいを見込んでいる。ただし、この予想通りであっても、7-9月期に想定される2015年基準実質GDPは560.5兆円にとどまり、低調推移が始まる前2023年4-6月期の563.3兆円を超えないとのこと。回復はいまだ道半ばとSMBC日興ではコメントしている。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、メキシコの通貨ペソに対する減価圧力が強まっていることに注目している。対ドルでは1ドル=20ペソの大台に乗せる場面があった。米大統領選ではハリス氏の勢いに陰りが見え始めており、「米国第一」の保護主義的な政策が予想されるトランプ氏が勝利した場合、市場の初動の反応は「新興国売り」となる可能性が高い。これらの点から「トランプ・トレード」が再び活気を取り戻しつつあると東海東京では指摘しており、中でもトランプ氏の1期目当時に通貨が強い売り圧力にさらされたメキシコは、その影響が大きくなることが警戒されているとコメントしている。
欧州連合(EU)の欧州委員会は現地時間29日、中国製の電気自動車(EV)に対する追加関税の導入を正式決定した。向こう5年間にわたり、従来の10%に7.8-35.3%を上乗せし、最大45.3%の関税を課す。現地時間30日に適用を開始するとした。中国の自動車業界紙『中国汽車報』が30日伝えた。
このうち、EUの調査に協力したBYD(01211/002594)、吉利汽車(00175)、上海汽車集団(600104)の3社に対する追加税率はそれぞれ17.0%、18.8%、35.3%。その他の調査協力メーカーは20.7%、調査非協力メーカーは35.3%となる。米テスラのみ7.8%の優遇税率を享受する。
<国内>
特になし
<海外>
○06:45 ◎ 9月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○09:30 ◎ 7-9月期豪卸売物価指数(PPI)
○10:45 ◎ 10月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:49.7)
○16:00 ◇ 10月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○16:00 ◇ 10月トルコ製造業PMI
○16:30 ◎ 10月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比横ばい)
○16:30 ◇ 9月スイス小売売上高
○17:30 ◇ 10月スイス製造業PMI(予想:49.8)
○18:30 ◎ 10月英製造業PMI改定値(予想:50.3)
○21:00 ◇ 9月メキシコ失業率(季節調整前、予想:3.00%)
○21:30 ☆ 10月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化11.3万人/失業率4.1%/平均時給、前月比0.3%/前年比4.0%)
○22:45 ◎ 10月米製造業PMI改定値(予想:47.8)
○22:45 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、あいさつ
○23:00 ☆ 10月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:47.6)
○23:00 ◇ 9月米建設支出(予想:前月比横ばい)
○24:00 ◇ 10月メキシコ製造業PMI
○ポーランド(万霊節)、休場
○3日 米国が冬時間に移行
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
31日のニューヨーク外国為替市場でドル円は151.84円まで下落。植田日銀総裁の定例記者会見でのタカ派的な見解や米10年債利回りが4.25%台まで低下したことが重しとなった。ユーロドルは1.0888ドルまで上昇した。ポンドドルは、月末のロンドンフィキシングでの売りが出たもようで1.2844ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、今夜発表の米10月雇用統計や中東情勢への警戒感から上値が重い展開が予想される。
今夜発表される米10月雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比+11.3万人と予想され、9月の+25.4万人からの大幅な減少が見込まれている。要因としては、ハリケーンやストライキによる一時的な混乱と指摘されている。ただし、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では特殊要因のために重要視されない、とのことである。しかしながら予想を大幅に下回るネガティブサプライズの可能性もあるため、発表まではドル円が伸び悩む可能性はある。
米ニュースサイト「アクシオス」が、イスラエル情報機関による情報として、イランが数日以内にイラク国内の親イラン組織を通じてイスラエルに大規模な報復攻撃を準備している、と報じている。こちらも中東の地政学リスクを高めており、リスク回避の円買いが意識されそうだ。
なお、昨日の日銀金融政策決定会合と植田日銀総裁の会見はややタカ派的だった。経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、リスクバランスが、前回リポートで指摘した「上振れリスクの方が大きい」が維持された。金融政策運営は、経済・物価見通しが実現していけば「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」方針も維持された。
植田日銀総裁は、「政策判断に時間的余裕がある」との表現が「不要になるのではないかと考え、今日も使っていない」と述べた。総裁は「金融政策の見極めに必要な時間や利上げのタイミングには予断を持っていない」とも発言している。
植田総裁は、先週末のG20会議の後の記者会見、9月の日銀金融政策決定会合の後の記者会見、そして、石破首相との初会談の後に、「不確実性が大きい場合には、政策変更を慎重に段階的に進めたい。追加利上げを判断するのに、時間的な余裕はある」と述べていた。しかし、昨日は米経済のリスク度合いは少しずつ下がってきているとの考えから、不要になったことを示唆したことで、12月の会合での追加利上げの可能性が浮上し、ドル円の上値を抑える要因となっている。
ところで、昨日発表された米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの9月分は前年比+2.1%だった。8月の同比+2.3%から伸び率が鈍化し、2021年2月以来の小幅な上昇となった。CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、11月6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率は90%付近、12月FOMCでの0.25%利下げ確率が70%超えでやや拡大した。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38350 -710 (-1.81%)
TOPIX先物 2663.5 -31.0 (-1.15%)
シカゴ日経平均先物 38350 -710
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
31日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。30日夕に2024年7~9月期決算を発表したマイクロソフト<MSFT>は、10~12月期の見通しが慎重だったと受け止められ、6%を超える大幅な下落となり、他のハイテク株に売りが広がった。31日の引け後に決算を発表するアマゾン・ドット・コム<AMZN>とアップル<AAPL>も下落したほか、エヌビディア<NVDA>など半導体株にも売りが広がり、半導体SOX指数の下落率は4%を超えた。
米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視する9月の個人消費支出(PCE)価格指数は、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCEが前月比0.3%上昇と予想に一致、前年同月比では2.7%上昇となり、予想(2.6%上昇)を上回った。S&P500業種別指数は電気通信サービス、公益事業、エネルギーが上昇した一方で、半導体・同製造装置、ソフトウエア・サービス、自動車・同部品が下落。
なお、引け後に7~9月期決算を発表したアマゾン・ドット・コムは、1株利益が市場予想を上回り、時間外取引で5%超の上昇。アップルは1株利益が市場予想を上回ったが、2%近く下落して推移している。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比710円安の3万8350円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日銀の植田和男総裁が記者会見で追加利上げに前向きな姿勢を示したとして円相場が一時1ドル=151円台と円高・ドル安が進んだことを受け、日中比240円安の3万8820円で始まった。
直後に付けた3万8940円を高値にショート優勢となり、ほどなくして3万8430円まで下落。その後、3万8790円まで持ち直したものの、米国市場の取引開始後に下へのバイアスが強まり、中盤には一時3万8120円まで売られた。終盤にかけては3万8120円~3万8390円辺りでの保ち合いが続き、3万8350円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになりそうだ。ナイトセッションでは25日移動平均線(3万8860円)を割り込んで始まり、200日線(3万8090円)水準まで下げてきた。ボリンジャーバンドの-1σ(3万8270円)を一時割り込む場面もみられており、節目の3万8000円のほか-2σ(3万7690円)水準が意識されてきた。
ナイトセッションでの大幅な下落によって、朝方はヘッジ対応のインデックス売りが膨らみそうである。日銀総裁の発言を受けた円高基調に加えて、米ハイテク株の下落の影響により、押し目狙いのロングは入りにくいだろう。ただし、国内では3連休を控えているほか、米国では10月の雇用統計の発表、そして来週には米大統領選挙、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えているためオーバーウィークのポジションは取りづらい。スキャルピング中心のトレードになるなか、積極的なショートも手控えられそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万8000円から3万8750円と、やや広めのレンジを想定する。
31日の米VIX指数は23.16(前日は20.35)に上昇した。一時21.12まで低下する場面もみられたが、不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を終日上回っての推移だった。重要イベントを控えるなかで、25日線(19.71)、75日線(18.72)を支持線としたリバウンドの可能性は想定されていたが、ややリスク回避に向かわせやすい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.49倍に低下した。25日線(14.46倍)が支持線として意識されていたが、本日は米ハイテク株の下落の影響から同線を下回り、NTショートに振れやすいだろう。ただし、円高の影響から輸出関連株なども売られる可能性があるため、終盤にかけてはリバランスが入りやすいとみておきたい。
日経225先物は11時30分時点、前日比850円安の3万8210円(-2.17%)前後で推移。寄り付きは3万8390円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8350円)にサヤ寄せする形から、売りが先行して始まった。直後に付けた3万8130円を安値にショートカバーが入り、中盤にかけて3万8450円まで持ち直す場面もみられた。ただし、スキャルピング中心のトレードのなかで資金回転が速いこともあり、カバーが一巡すると終盤にかけて再び日中の安値水準まで売られる展開となった。
日経225先物は開始直後に3万8130円まで下げたが、ナイトセッションで付けた安値(3万8120円)を割り込まなかったことで、その後のカバーに向かわせる形だった。また、米ハイテク株の下げが嫌気されたが、引け後に7~9月期発表したアマゾン・ドット・コム< AMZN>が時間外取引で買われ、グローベックスのナスダック100先物が底堅く推移していたことで、カバーに向かわせたようだ。終盤にかけて再び日中の安値水準を付けてきており、ナイトセッションで付けた安値を割り込んでくると、3万8000円割れを狙ったショートが入りやすいだろう。半面、安値を割り込まなければ終盤にかけてはカバーが入りやすいとみておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.38倍に低下した。25日移動平均線(14.46倍)を割り込んで始まり、その後も下げ幅を広げている。指数インパクトの大きい値がさハイテク株が幅広く売られている状況であり、相対的にTOPIX型優位の展開である。
昨日の海外市場では、ドル円は強い米指標を受けて米金利が上昇したことからアジア時間の下げからは回復したものの、日経平均先物が大幅な下落となるなどリスクオフ的な動きから再び戻り売りに押される展開。週明けに窓を空けて上昇した後の、ポジション調整が週末の米雇用統計を前にして淡々と進んだといったところです。
アジア時間に入ってからは、昨日安値の151.84円を下抜けたことから、米系短期勢が売り仕掛けた模様ですが、市場では「安値付近ではかなり出合ったようだが、本邦実需のビッドが全く引かなかった」との声も聞かれるなか、151.79円までの下押しにとどまると次第に買戻しの動きに。一時152.35円まで値を上げています。
ところで、昨日は、市場のポジション調整を促す一つのきっかけとなったのが、15時30分から始まった植田日銀総裁の定例記者会見でしたが、10月2日の石破首相との会談後に「経済物価が見通し通り動けば緩和の度合いを調整するが、本当にそうか見極める時間があるので丁寧にやる」と説明していた植田総裁が、その月の月末には「時間的余裕があるとの言葉はもう使わない」とのサプライズな発言。7月の植田ショック同様に、市場とのコミュニケーションにおける極めて困難な状態が続いていることを露呈したかたちとなったわけで、今後もあまりにも不安定な、そしてあまりにも日和見的姿勢が貫かれてしまった場合、市場の総裁に対する苦手意識はかなり大きなものとなりそうです。
いずれにしても、ドル円は目先151円台後半での極めて強い買い意欲を確認したほか、151.54円に位置する200日MAなどを意識しつつ下値を切り上げているところですが、終値ベースでは152.19円付近にある一目転換線をポイントに、週末の値動きを確認することになりそうです。
「イスラエルはまずイランの核施設を攻撃すべきだ」(トランプ前米大統領)
10月26日、イスラエル軍は、イランの複数地域にある軍事標的に対する「的を絞った」攻撃が終了し、軍用機が安全に帰還したと発表した。
イランがこれまでにイスラエルに向けて発射したミサイルの製造に使われた施設や、対空装備に空爆を実施したと説明し、イランが再び情勢を激化させる過ちを犯せば、イスラエル軍は対応を余儀なくされると警告した。
攻撃目標には、懸念されていたエネルギー施設や核施設は含まれていなかった。
アメリカのニュースサイト「アクシオス」は、複数の情報筋の話として、イスラエルがイランへの空爆の前日25日に、イラン側に反撃を行わないよう警告するメッセージを事前に送っていた、と報じた。
10月31日付けの「アクシオス」は、イスラエル情報機関による情報として、イランが11月5日の米大統領選挙前にイラクから大規模な報復攻撃を準備している、と報じている。
米国防総省は、弾道弾迎撃システム「THAAD(終末高高度防衛ミサイル)」とその運用要員約100名をイスラエルに配備しており、イランがイスラエルに報復攻撃を断行した場合、米軍も巻き込まれることになる。
1.外堀:抵抗の枢軸
イランはイスラエルに対する前方防衛として、ハマス、ヒズボラ、フーシ派という「抵抗の枢軸」を構築してきた。
ヒズボラは、1982年、内戦下のレバノンにおいて、イスラエルによる軍事侵攻(「ガリラヤの平和」作戦)を契機として誕生したシーア派政治政党・武装組織である。
ハマスとは、1987年12月に勃発した第一次インティファーダを契機として、エジプト・ムスリム同胞団の対イスラエル闘争部門として結成されたスンナ派政治政党・武装勢力である。
イスラエルは、ヒズボラの最高指導者ハッサン・ナスララ氏、ハマスの指導者イスマイル・ハニヤ氏を殺害し、「抵抗の枢軸」を崩壊させた。イランの外堀が埋められた。
2.内堀:イランの軍事施設
イスラエルは、イラン国内の軍事施設を攻撃、破壊することで、反撃能力を削ぎ落した。すなわち、イランの内堀が埋められた。
3.トランプ第47代米大統領
11月5日の米大統領選挙でトランプ第47代米大統領が誕生した場合、バイデン米政権の抑制力がなくなることで、イスラエルによるイランの石油関連・核関連施設への本格的な攻撃が開始される可能性が高まることになる。
イランは、「抵抗の枢軸」という外堀が埋められ、反撃能力も破壊されて内堀が埋められており、為す術もなく敗北するのではないだろうか。
本日のロンドン為替市場でユーロドルは、1.0870ドル台に位置する21・200日移動平均線を睨みながらの値動きか。ただ、ニューヨーク勢参入後の欧州午後に今週のメインイベントである10月米雇用統計の発表を控えているため、大きなニュースが出ない限り、しばらく方向感は出難いだろう。
ニュースヘッドラインで警戒すべきは中東関連。一部メディアは、イランがイラク国内の親イラン組織を通じてイスラエルに報復攻撃を行う可能性を報じた。NY原油先物も昨日の引け後から2%近く上昇しており、攻撃の程度次第では金融相場全般の波乱要因となるかもしれない。
欧州からも複数の経済指標が発表されるものの、相場を動意付かせるようなものは少ない。その中では、10月スイス消費者物価指数(CPI)には目を向けておきたい。前回-0.3%まで沈んだCPI前月比だが、今回は横ばいまで持ち直す見込み。しかしながら依然としてマイナスのままだと、次回のスイス中銀会合は12月とまだ先ではあるものの、追加利下げへの思惑からフランが売られる場面がありそうだ。
ほか、昨日も軟調だったポンドの動向にも注目か。月末ロンドンフィキシングに向けた売りだったようであり、月初は揺り戻しに要注意。英金利先安観が後退していることも、下値の固さに繋がるのではないか。
なお、今回の米雇用統計では非農業部門雇用者数が前回から大幅縮小が予想されている。しかしながらハリケーンの影響でノイズが大きく、10月分だけでは労働市場の強弱は判断しづらいだろう。前回の雇用者数に修正がどの程度入るかが1つのポイントとなりそうだ
想定レンジ上限
・ユーロドル、10月14日高値1.0942ドル
・ユーロスイスフラン、日足一目均衡表・雲の上限0.9451フラン
・ユーロポンド、200日移動平均線0.8487ポンド
想定レンジ下限
・ユーロドル、10月30日安値1.0808ドル
・ユーロスイスフラン、10月25日安値0.9351フラン
・ユーロポンド、日足一目均衡表・基準線0.8372ポンド
(1日15時時点)
ドル円:1ドル=152.54円(前営業日NY終値比△0.51円)
ユーロ円:1ユーロ=165.84円(△0.36円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0871ドル(▲0.0013ドル)
日経平均株価:38053.67円(前営業日比▲1027.58円)
東証株価指数(TOPIX):2644.26(▲51.25)
債券先物12月物:144.16円(▲0.03円)
新発10年物国債利回り:0.945%(△0.010%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。朝方には昨日安値の151.84円を下抜けて一時151.79円まで下落する場面があったものの、その後は買い戻しの動きが優勢となった。本邦勢からの月初に絡んだ買いが観測されるなか、15時前には152.65円まで反発。日経平均株価が大幅安となり、時間外の米10年債利回りが低下するなど相場を支援する材料は乏しかったが、総じて堅調に推移した。
・ユーロ円も強含み。朝方につけた165.24円を安値として買い戻しが進んだ。ドル円の上昇につれて一時165.96円まで値を上げた。
・ユーロドルは小安い。1.0889ドルまで上昇する場面があったものの、1.09ドル台の回復には至らず、その後は1.0871ドルまでやや上値を切り下げた。
・日経平均株価は大幅続落。昨日の米国株式市場でハイテク株が下落し、この日の国内株式市場でも半導体関連銘柄が軒並み安に。日銀の追加利上げの思惑や外国為替市場で円安が一服していることなども相場の重しとなった。来週に米大統領選挙を控えて連休前の持ち高調整や利益確定目的の売りも進み、指数は一時1130円超安まで下押す場面も見られた。
・債券先物相場は3営業日ぶりに小幅反落。日銀の追加利上げ観測が相場の重しとなった一方、本日の米雇用統計などを前に持ち高調整目的の買いも入った。
大阪12月限
日経225先物 38120 -940 (-2.40%)
TOPIX先物 2645.0 -49.5 (-1.83%)
日経225先物(12月限)は前日比940円安の3万8120円で取引を終了。寄り付きは3万8390円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8350円)にサヤ寄せする形から、売りが先行した。直後に付けた3万8130円を安値にショートカバーが入り、前場中盤にかけて3万8450円まで持ち直す場面もみられた。ただし、スキャルピング中心のトレードで資金回転が速いこともあり、カバーが一巡すると、前場終盤にかけて再び朝方に付けた安値水準まで売られる展開となり、ランチタイムでは3万8080円まで売られた。その後は3万8100円~3万8270円辺りで下げ渋る動きもみせていたが、終盤に持ち高調整とみられるロング解消の動きが強まり、一時3万7940円と節目の3万8000円を下回る場面もあった。
米国では10月の雇用統計の発表、来週には大統領選挙、連邦公開市場委員会(FOMC)を控えていることで、積極的にポジションを傾ける動きは限られていた。また、3連休を控えてオーバーウィークポジションを避ける動きが顕著だった。そのため、売り一巡後のリバウンド狙いのロングは強まらず、戻り待ち狙いのショートが優勢だった。
東証プライムの騰落銘柄は値下がり数が8割を占めていたほか、個別では決算内容を評価した物色がみられた程度であり、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]やアドバンテスト <6857.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさ株は、売り一巡後のリバウンド狙いの動きもみられず、終日軟調な推移だった。
米国での重要イベントを前に、ポジションはほぼニュートラルとみられるが、米大統領選の結果を受けた波乱を警戒し、ややショートに傾いている可能性はありそうだ。そのため、波乱の展開になったとしても、イベント通過後はアク抜けを想定した押し目狙いのロングが改めて入る可能性を意識しておきたい。
日経225先物は一時3万8000円を割り込んだものの、75日移動平均線(3万7830円)が支持線として意識されて下げ渋り、終値では200日線(3万8090円)を上回っている。3万8000円処での底堅さがみられるようだと、ショートカバーを誘う流れに向かいやすいとみておきたい。
一方で、下へのバイアスが強まる局面では、ボリンジャーバンドの-2σ(3万7650円)のほか、10月28日に付けた3万7550円辺りが支持線として意識される。オーバーシュート気味に-3σの3万7080円辺りまで下げる局面ではリバウンドを狙ったロング対応を想定しておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.41倍に低下した。25日線(14.46倍)を割り込んで始まり、一時14.36倍まで下げる場面もみられたが、その後は寄り付き水準での推移だった。米ハイテク株が下落した影響で相対的にTOPIX型優位の展開だったが、31日の引け後に7-9月期決算を発表したアマゾン・ドット・コム<AMZN>は1株利益が予想を上回り、時間外取引で5%超の上昇だった。米国市場でハイテク株が落ち着きをみせてくるかが注目される。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万0275枚、ソシエテジェネラル証券が1万4439枚、サスケハナ・ホンコンが3760枚、バークレイズ証券が3202枚、JPモルガン証券が2799枚、ビーオブエー証券が1941枚、ゴールドマン証券が1937枚、野村証券が1905枚、モルガンMUFG証券が1409枚、SBI証券が1287枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万5463枚、ソシエテジェネラル証券が1万8860枚、バークレイズ証券が6045枚、ゴールドマン証券が4528枚、JPモルガン証券が3569枚、モルガンMUFG証券が3108枚、サスケハナ・ホンコンが2986枚、ビーオブエー証券が1696枚、シティグループ証券が1173枚、みずほ証券が1138枚だった。
本日のNY時間のドル円は、米雇用統計の結果で動意づくことが予想される。特に今回発表される10月分は、ハリケーン期間などが含まれるか否か微妙な調査期間であることで、予想より振れるリスクもありそうだ。もっとも、市場予想と結果に大きな隔たりがない場合は、来週5日に米大統領選挙、7日に米連邦公開市場委員(FOMC)を控えていることで、値動きが限定されることになるだろう。
上述のように本日発表される雇用統計は振れやすいことで注意が必要だ。非農業部門雇用者数は前月比で9月の25.4万人増から11.3万人増に減少すると予想されている。これは、2つの大型ハリケーン(ヘレンとミルトン)とボーイングの大規模ストライキを含めた複数のストライキが影響している。雇用統計の調査は、基準期間は通常、月の12日を含む暦週だが、企業調査とその時期を振り返ると、ハリケーンの影響は一部で懸念されているほど大きくないとの予想もある。特にミルトンが上陸したのは10月9日遅くだったため、嵐前の9日までの間に働いていた人は就労しているとカウントされていることで、市場が懸念するほど弱い結果にならないとの声もある。ミルトンの影響がどの程度指標に反映されるかが注目される。
予想と結果に隔たりがあった場合には市場は動意づくだろうが、今回の指標結果で深追いすることは危険か。
今週に入り米国からの重要な経済指標への市場の反応は、通常よりも鈍くなっている。今週は雇用統計の前哨戦とされる9月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数、10月ADP全米雇用報告、前週分の米新規失業保険申請件数及び失業保険継続受給者数などが発表された。しかし、指標発表後はいずれもHFT(High Frequency Trade)がプライスをヒットすることで市場を動意づけたが、どの指標に対しても一時的な値動きで終わり、トレンドを作るほどの動きを見せられなかった。
また、雇用指標だけではなく今週注目されていた7-9月期GDP速報値や9月個人消費支出(PCE)などの指標への反応も一過性で終わっている。
市場の反応を限らせているのは、すでに来週7日の利下げが25ベーシスポイント(bp)予想で大方固まり、1週間前と比較しても25bpの利下げは先週が95%台、そして今週も96%台にとどまっているからだろう。雇用統計の結果がよほど予想よりも大きく振れない限りは、本日も大きくレンジをブレークするのは難しいか。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、昨日NY参入後の高値153.05円。その上は10月28日高値で7月の日銀政策決定会合後の高値でもある153.88円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、本日安値151.79円。その下は200日移動平均線151.54円。
今晩は10月雇用統計に注目。昨日は決算やガイダンスが嫌気されたマイクロソフト、メタ・プラットフォームズが大幅安となり、引け後に決算発表を控えるアップル、アマゾンも下落した。ハイテク株主体のナスダック総合が2.76%高、S&P500も1.86%安とともに9月3日以来の大幅安を記録し、ダウ平均は378.08ドル安(-0.90%)と3日続落した。引け後の動きでは売上高と利益が予想を上回ったものの、MacやiPadの売上高が予想を下回ったアップルが時間外で1.86超安となった一方、アマゾンはクラウド事業や広告事業が好調で売上高と利益が予想を上回り、株価は時間外で5.95%高となった。インテルも売上高が予想を上回り、時間外で6.92%上昇した。
今晩はアマゾンやインテルの上昇が見込まれ、前日に大きく下落したハイテク株を中心に堅調か。経済指標では寄り前に10月雇用統計が発表され、景気動向や利下げ見通しを巡り非農業部門雇用者数(NFP)、失業率、平均賃金などが注目される。NFPはハリケーンやボーイングのストライキの影響で前回の25.4万人増から11.3万人増へと大きく減少が見込まれ、失業率は前回から横ばいの4.1%が見込まれている。雇用統計がおおむね良好となれば、米国経済のソフトランディング期待が相場の支援となりそうだ。
今晩の経済指標・イベントは10月雇用統計のほか、10月ISM製造業購買担当者景気指数 (PMI)、9月建設支出、10月S&Pグローバル製造業PMI確定値など。企業決算は寄り前にサイモン・プロパティー、シェブロン、エクソン・モービルなどが発表予定。
ニュージーランドはサウジアラビアとUAEを含む6カ国で構成される湾岸協力会議(GCC)と貿易協定を締結した。この協定により、初日から51%の輸出品の関税が撤廃され、10年以内に99%の輸出品が無関税になる。ニュージーランドにとって長年の目標だったこの協定は、中東市場への大きな機会をもたらすと期待されており、両者間の貿易額は年間30億NZドル以上で、2024年6月までの1年間でニュージーランドはGCC諸国に26億NZドル(うち18億NZドルが乳製品)を輸出している。
北朝鮮の崔善姫外相がモスクワを訪問し、ロシアのウクライナ侵攻を「聖なる闘争」と称して支持を表明した。大1万人の北朝鮮軍がロシアで訓練中で、近日中にウクライナ戦線に投入される可能性があると米政府は警告している。両国はこの報道を否定していないが、具体的な言及は避けている。ラブロフ外相は両国の「軍と特殊機関」の緊密な関係を称賛し、崔外相は北朝鮮の核開発継続を誓った。この動きは国際社会の懸念を高め、朝鮮半島の安全保障に影響を与える可能性がある。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
雇用回復なくして中国経済の本格回復はあり得ない
財新製造業PMIの動きは「雇用なき回復」を示唆、根本的な問題への対応は喫緊の課題に
このところの中国金融市場では、当局による景気刺激策や株価維持策を好感して主要株式指数は大きく底入れする動きがみられた。足下では頭打ちするなど「息切れ」の様相をみせる一方、報道では関係者の話として巨額の財政出動に動くとのリーク記事が出ている。しかし、その内容は直接的な需要押し上げに繋がるものではなく、効果は未知数である。他方、不動産在庫や地方政府債務が巨額に上るなか、金融緩和と財政出動による時間稼ぎを図りつつ、その間にこれらの処理を着実に進める取り組みが求められる。
景気刺激策を受けた金融市場の活況の動きは大企業を中心に企業マインドの底入れを促しているが、10月の財新製造業PMI(購買担当者景況感)も50.3と底入れが確認されている。内需向けの受注回復を追い風に生産は底入れの動きを強めるも、外需を巡る環境は依然厳しい状況は変わらない。また、足下の生産底入れの動きは見切り発車的に進んでいる可能性を示唆する動きもみられる。他方、生産拡大にも拘らず雇用調整圧力が強まるなど、コロナ禍以降の近代化投資を受けて「雇用なき回復」が現実化している可能性も高まっている。
このところの中国経済では不動産不況に加え、若年層を中心とする雇用不安が内需の足かせとなり、デフレ圧力を招く要因となっている。株価は底入れするも、雇用不安は不動産市況の重石となるなど逆資産効果解消への道筋を描きにくくする可能性はくすぶる。不動産市場を巡る問題と同様に、雇用を巡るミスマッチの解消に向け、金融緩和と財政出動による時間稼ぎの間に着実な取り組みを図ることが求められる。
日経平均株価は大幅続落。マドを開けた弱気のスタートから下げ幅を広げる展開となった。後場は引け間際に一段安となり、38000円を割り込む場面もあった。
RSI(9日)は前日の51.8%→37.8%(11/1)へ低下。週初(10/28)に形成した長い陽線の下方まで押し戻され、週間ベースでは上に往ってこいの動きとなった。75日移動平均線(37977円 11/1)まで下げており、同線を意識して早々に強めの反発がみられるかが焦点となる。現時点では、直近3日間続いた陽線の反動安、10月からのもみ合いの範ちゅうであるが、終値ベースで10/2安値(37808円)を下回ると37000円どころまで調整が長引く可能性が高まる。
上値メドは、10日移動平均線(38545円 同)、10/31安値(38832円)、心理的節目の39000円や39500円、10/15安値(39910円)などがある。下値メドは、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)、9/9安値(35247円)などがある。
オーストラリア準備銀行(RBA)は5日の政策会合で、主要金利を4.35%に据え置くと予想されている。一部通信社が実施したエコノミスト調査によると、強い経済活動と根強いコアインフレにより、慎重なアプローチが必要とされている。消費者物価インフレ率は2.8%に低下し、RBAの目標範囲内に入ったが、コアインフレは依然として高い水準。雇用市場が堅調であることや、他の先進国と比較して金利のピークが低いことから、RBAは他の中央銀行よりも利下げに慎重になると予想されている。エコノミストの多くは、2025年2月まで金利据え置きが続くと見ており、その後徐々に利下げが行われると予測している。
(1日終値:2日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=152.90円(1日15時時点比△0.36円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=165.69円(▲0.15円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0836ドル(▲0.0045ドル)
FTSE100種総合株価指数:8177.15(前営業日比△67.05)
ドイツ株式指数(DAX):19254.97(△177.43)
10年物英国債利回り:4.445%(▲0.001%)
10年物独国債利回り:2.405%(△0.015%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月英ネーションワイド住宅価格
前月比 0.1% 0.6%・改
10月トルコ製造業購買担当者景気指数(PMI)
45.8 44.3
10月スイス消費者物価指数(CPI)
前月比 ▲0.1% ▲0.3%
9月スイス小売売上高 (前年同月比)
2.2% 2.7%・改
10月スイス製造業購買担当者景気指数(PMI)
49.9 49.9
10月英製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値
49.9 50.3
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。東京市場で152.65円まで上昇した反動から欧州序盤には152.21円付近まで戻り売りに押されたが、低下していた時間外の米10年債利回りが上昇に転じると152.85円まで再び値を上げた。
NYタイムに入り、10月米雇用統計で非農業部門雇用者数変化が1.2万人増と市場予想の11.3万人増を下回ったほか、過去2カ月分についても下方修正されると、米金利低下とともに151.80円付近まで急落した。ただ、アジア時間に付けた151.79円を割れることはなく、米金利が一転して急上昇すると反発。ダウ平均や欧州株が堅調に推移したことも後押しし、2時40分過ぎには153.07円まで上値を伸ばした。
なお、米雇用統計後に発表された10月米製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値や10月米ISM製造業景況指数は強弱入り混じる内容だったこともあり、ドル相場への影響は限定的だった。
・ユーロドルは上値が重い。序盤は米長期金利の上昇に押される形で弱含んだ。低調な米雇用統計の内容が伝わると1.0905ドルまで反転したが、米金利が急上昇すると失速。その後も戻りが鈍いまま、昨日安値の1.0844ドルを下抜けて1.0834ドルまで下押しした。
・メキシコペソは売り優勢。米長期金利の上昇を受けて対ドルでペソ安が進んだほか、来週の米大統領選でのトランプ政権誕生に伴う大幅関税への懸念もペソ売りを促した。対ドルでは2022年9月以来の安値となる20.2635ペソ、対円では7.55円まで下落した。
・ユーロ円はもみ合い。ドル絡みの取引が中心となったため欧州序盤からNY市場にかけて上下にやや振れたものの、165円台半ばから166円台前半で方向感を欠いた。
・ロンドン株式相場は4営業日ぶりに反発。昨日までの続落に対する自律反発狙いの買いが先行。10月米雇用統計が低調な結果となり、米利下げ観測の高まりから米国株が堅調に推移したことも支えとなった。
・フランクフルト株式相場は4営業日ぶりに反発。他の欧州株と同様に相場続落に対する反動買いが強まった。個別では、ザルトリウス(2.44%高)やシーメンス(2.08%高)が買われた半面、ダイムラー(1.32%安)は安かった。
・欧州債券相場はまちまち。
(1日終値)
ドル・円相場:1ドル=153.01円(前営業日比△0.98円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=165.77円(△0.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0834ドル(▲0.0050ドル)
ダウ工業株30種平均:42052.19ドル(△288.73ドル)
ナスダック総合株価指数:18239.92(△144.77)
10年物米国債利回り:4.38%(△0.10%)
WTI原油先物12月限:1バレル=67.21ドル(▲0.17ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2749.2ドル(▲0.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月米雇用統計
非農業部門雇用者数変化 1.2万人 22.3万人・改
失業率 4.1% 4.1%
10月米平均時給
前月比 0.4% 0.3%・改
前年同月比 4.0% 3.9%・改
10月米製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値
48.5 47.8
10月米ISM製造業景況指数
46.5 47.2
9月米建設支出
前月比 0.1% ▲0.1%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。10月米雇用統計で非農業部門雇用者数変化が1.2万人増と市場予想の11.3万人増を下回ったほか、過去2カ月分についても下方修正されると米長期金利の低下とともに売りが先行。152円台後半から151.80円付近まで急落したが、アジア時間に付けた151.79円を割れることはなく、米金利が一転して急上昇すると反発。10年債利回りが引けにかけて4.38%台まで上昇幅を拡大したため、5時過ぎには153.09円まで日通し高値を伸ばした。
・ユーロドルは5営業日ぶりに反落。低調な米雇用統計の内容が伝わると1.0905ドルまで上昇したが、1.09ドル台での滞空時間は短かった。米長期金利が大幅に上昇するなかで戻り売りが優勢となり、取引終了前には一時1.0832ドルまで下落した。
メキシコペソは売り優勢。米長期金利の上昇を受けて対ドルでペソ安が進んだほか、来週の米大統領選でのトランプ政権誕生に伴う大幅関税への懸念もペソ売りを促した。対ドルでは2022年9月以来の安値となる20.2968ペソ、対円では7.54円まで下落した。
・ユーロ円は反発。ドル絡みの取引が中心となったため欧州序盤からNY市場にかけて上下にやや振れたものの、165円台半ばから166円台前半で方向感を欠いた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発。昨日取引終了後に発表した決算が良好だったアップルが大幅に上昇。ハイテク株にも買いが入り、指数は一時560ドル前後上昇した。ただ、米長期金利が大幅に上昇したことが上値を抑えた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指は3営業日ぶりに反発した。続落に対する自律反発狙いの買いが入った。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。10月米雇用統計が低調な内容だったことを受けて債券買い(金利は低下)が先行し、利回りは一時4.22%台まで低下した。ただ、その後は米大統領選後の財政悪化を意識した債券売りが活発化。引けにかけて利回りは4.38%台まで大きく上昇した。
・原油先物相場は3営業日ぶりに小反落。中東リスクを懸念した買いがぶり返すように先行。しかし、弱い米雇用統計やISM製造業景況指数が発表となるなかエネルギー需要が落ち着くとの見方もあったようで、週末の調整が売り方向で進んだ。
・金先物相場は小動き。中心限月は小幅続落も、限月ごとの高安はまちまち。前日に最高値圏での月末の調整を一巡させた後を受け、週末ということもあって動意の乏しい状態に終始した。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、外国株に関するリポートの中で、米国の建設市場について掘り下げている。直近の米国の建設支出(年換算ベース)は減速傾向にあり、過去10年間の平均と比較しても低い伸び率となっている。この背景として東海東京では、(1)住宅向けの低調、(2)非住宅向けの成長鈍化―といった要因を挙げている。一方で、関連する景況感指数をみると、住宅向け・非住宅向けともに足元で上向きつつあることが確認できると指摘。将来的に好転すると判断されるだけの好材料は足元に複数存在しているとみており、今後の動向に注目している。
UBS証券では、日銀が12月に利上げを行うとの見方を継続している。日銀は10月の会合で政策金利を据え置き、四半期報である展望リポートでは、景気とインフレが今年4月以来、7月の確認を経て、予想通りに沿っていることを確認した。日銀は景気やインフレの見通しに加えて、米国経済や金融市場にも注目しているもよう。UBSでは、12月中旬に金融市場が安定している必要があるとしながらも、この条件が実現すれば、日銀は12月19日の次回政策決定会合で政策金利を現在の0.25%から0.5%に引き上げると予想している。
第一生命経済研究所では、11月15日に公表される2024年7-9月期の実質GDP成長率を、前期比年率+0.6%、前期比+0.1%と予測している。2四半期連続のプラス成長を見込むものの、プラス幅は小さなものにとどまると予想。10月上旬時点のエコノミストコンセンサス(ESP フォーキャストにおける平均値:前期比年率+1.64%)も下回るとみている。景気は持ち直しているものの、そのペースはあくまで緩やかなものにとどまっており、回復感には乏しい状況と、第一生命ではコメントしている。
中国人民銀行(人民銀行)は10月31日、10月のアウトライト・リバースレポ(買い切り式リバースレポ)で5000億元を供給したと発表した。償還期間は6カ月。利率は明らかにしていない。
アウトライト・リバースレポは人民銀が10月28日に運用を開始した新たな公開市場操作(オペ)。人民銀が国債や地方政府債、金融債、無担保社債などの証券を公開市場業務のプライマリーディーラーから買い取ることで中期資金を供給する。証券は一定期間後に売り戻す。売り戻しまでの償還期間は最長1年で、原則毎月1回実施する。人民銀は「銀行システムの流動性を十分な水準に保つため、金融政策ツールをさらに拡充する」と説明した。
米労働統計局は1日、10月の米雇用統計に関して「一部でハリケーンが影響した可能性が高い」との見解を示した。ただ、悪天候に関して雇用者数の影響を数値化することは不可能とも述べている。
1日18:56 赤沢経済再生相
「金融政策の具体的な手法は日銀にゆだねられるべき」
1日22:25 バイデン米大統領
「ハリケーンとストライキ活動が雇用成長を低下させた」
「11月の雇用成長は回復すると予想」
「アメリカ経済は引き続き強固、さらなる取り組みが必要」
※時間は日本時間
4日
○文化の日の振替休日で休場
5日
○08:50 ◇ 10月マネタリーベース
〇東京証券取引所の立会内取引終了時刻が15時30分まで延伸(5日から)
6日
○08:50 ☆ 9月19-20日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
7日
○08:30 ◇ 9月毎月勤労統計(現金給与総額)
8日
○08:30 ◇ 9月家計調査(消費支出)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○08:50 ◇ 10月外貨準備高
○14:00 ◇ 9月景気動向指数速報値
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
4日
○16:00 ◎ 10月トルコ消費者物価指数(CPI)
○17:50 ◎ 10月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値
○17:55 ◎ 10月独製造業PMI改定値
○18:00 ◎ 10月ユーロ圏製造業PMI改定値
○19:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○22:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○24:00 ◎ 9月米製造業新規受注
○5日03:00 ◎ 米財務省、3年債入札
○5日05:00 ◎ ニュージーランド(NZ)準備銀行(RBNZ)、半期に一度の金融安定報告
○米国は3日から冬時間に移行済み
〇ロシア(国民統一の日)、休場
5日
○09:01 ◇ 10月英小売連合(BRC)小売売上高調査
○10:45 ◎ 10月Caixin中国サービス部門PMI
○12:30 ☆ 豪準備銀行(RBA)政策金利発表
○15:45 ◇ 10月スイス失業率(季節調整前)
○16:45 ◇ 9月仏鉱工業生産指数
○18:30 ◎ 10月英サービス部門PMI改定値
○22:30 ◇ 9月カナダ貿易収支
○22:30 ◎ 9月米貿易収支
○24:00 ☆ 10月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数
○6日03:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○6日03:30 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
〇米大統領選
6日
○06:45 ◎ 7-9月期NZ失業率/就業者数増減
○16:00 ◎ 9月独製造業新規受注
○17:50 ◎ 10月仏サービス部門PMI改定値
○17:55 ◎ 10月独サービス部門PMI改定値
○18:00 ◎ 10月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
○18:30 ◎ 10月英建設業PMI
○19:00 ◎ 9月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
○20:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表
○23:00 ◎ ラガルドECB総裁、あいさつ
○23:30 ◎ デギンドスECB副総裁、講演
○23:45 ◎ 10月米サービス部門PMI改定値
○23:45 ◎ 10月米総?⑰MI改定値
○24:00 ◇ 10月カナダIvey購買部協会景気指数
○7日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○7日03:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○7日03:00 ◎ 10月ブラジル貿易収支
○7日06:30 ☆ ブラジル中銀、政策金利発表
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○09:30 ◇ 9月豪貿易収支
○未定 ◎ 10月中国貿易収支
○16:00 ◎ 9月独鉱工業生産
○16:00 ◇ 9月独貿易収支
○16:35 ◎ ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁、講演
○17:10 ◎ シュナーベルECB専務理事、講演
○17:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表
○18:00 ◎ ノルウェー中銀、政策金利発表
○19:00 ◎ 9月ユーロ圏小売売上高
○19:45 ◎ エルダーソンECB専務理事、講演
○21:00 ☆ 英中銀(BOE)、政策金利発表
○21:00 ☆ 英中銀MPC議事要旨
○21:00 ◎ 10月メキシコCPI
○21:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○21:30 ◎ ベイリーBOE総裁、記者会見
○22:30 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○22:30 ◇ 7-9月期米非農業部門労働生産性・速報値
○22:30 ◇ 7-9月期米単位労働コスト・速報値
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○24:00 ◇ 9月米卸売売上高
○8日04:00 ☆ FOMC、終了後政策金利発表
○8日04:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○8日05:00 ◇ 9月米消費者信用残高
8日
○16:45 ◇ 9月仏貿易収支
○16:45 ◇ 9月仏経常収支
○16:45 ◇ 10月スイスSECO消費者信頼感指数
○21:00 ◎ 10月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA)
○21:15 ◎ ピル英MPC委員兼チーフエコノミスト、講演
○22:30 ☆ 10月カナダ雇用統計
○24:00 ◎ 11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
○9日01:00 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、米大統領選挙を受けた株式市場の動向に左右
◆豪ドル、RBAは据え置き予想も声明文に注目
◆ZAR、トランプ前米大統領の返り咲きはZAR売り要因に
予想レンジ
豪ドル円 98.00-103.00円
南ア・ランド円 8.40-8.90円
11月4日週の展望
豪ドルは、国内外の重要イベントの結果を受けて大きく上下を繰り返すことが予想される。豪州国内では、5日の豪準備銀行(RBA)理事会に注目。今週10月30日に発表された7-9月期消費者物価指数(CPI)は前年比で前回の3.8%から2.8%へと低下した。しかし、この低下は政府の補助金により電気料金が17.3%下落したことなどが要因。トリム平均値はさほど低下していないこともあり、RBAの最初の利下げは来年前半という市場の予想は変わっていない。おそらく理事会では据え置きとなるだろうが、声明文に変化が生じるかには注意したいところだ。また、7日には9月貿易収支が発表されるほか、8日にはジョーンズRBA副総裁が講演を予定している。
国外では、5日の米大統領選挙に注目。ハリス副大統領とトランプ前大統領の争いは拮抗している。市場ではいずれの候補になろうとも、減税と拡張的な財政政策を公約に挙げていることで、米長期金利の上昇とドル買いになるとの予想が高い。もっとも、市場は既にこの路線を織り込んでおり、選挙結果を受けて更に米金利上昇とドル買いになるかは未知数だ。先週末の衆議院選挙でも、与党の過半数割れは株安につながるとの予想もあったが、実際には株高・円売りへと反応したように、予想通りに動意づくかは予断を許さない。豪ドルはリスクに敏感な通貨であり、大統領選挙後の株式市場の動向には、他の通貨以上に反応する可能性が高い。
なお、NZからは5日にNZ準備銀行(RBNZ)の金融安定化レポートが公表される。また、6日には7-9月期の失業率が発表予定。7日にはNZ政府から3カ月金融ステートメントも公表される。
ZARも米大統領選挙の結果に左右されるだろう。先週行われたBRICS首脳会議で、ラマポーザ南ア大統領はプーチン露大統領に「ロシアは味方だ」と伝えるなど、南アはロシアや中国との関係が密接になっている。ハリス副大統領が勝利した場合にはZARの値動きは限定的だろうが、トランプ前大統領が返り咲いた場合にはZARは弱含むと思われる。5月29日に、米下院で「米国と南アの2国間関係の全面的な見直し」の決議が行われ、272対144で見直し案が可決されている。これまでは、バイデン米大統領が反対していることで見直し案が通過していないが、トランプ前大統領が就任した場合は通過する可能性がある。その場合は、何千もの品目を米国に無税で輸出することを認めるアフリカ成長機会法(AGOA)の対象から、南アが外される大きなリスクとなるだろう。なお、来週は南アから主だった経済指標の発表は予定されていない。
10月28日週の回顧
豪ドルは上値が抑えられた。小売売上高が弱い結果だったことなどが豪ドルの頭を抑えた。また、対円では日銀の展望レポートで「経済・物価見通しが実現していくとすれば、金融緩和の度合いを調整していく」との見解を示したことも上値を抑制した。
ZARは対円では一時7月中旬以来の水準まで上昇した。もっとも、中期予算政策声明で「今年の財政赤字が対GDP比4.5%から5.0%に拡大される見込み」と発表されたことが上値の重しになった。
◆相場全般、米大統領選・FOMCを受けたドルの動きがメイン
◆ポンド、英中銀の政策会合に注目
◆加ドル、10月雇用統計受けた利下げ見通しに注目
予想レンジ
ポンド円 194.00-200.00円
加ドル円 107.50-111.50円
11月4日週の展望
今週、日銀金融政策決定会合と植田日銀総裁の会見を受けて円高に傾いたが、内容に大きなサプライズはなく、円買いは調整の範疇内と見ている。円相場は引き続き日銀の利上げ時期を探りながら、衆院選の結果を受けて不安が高まっている政局の動向を見極める動きとなる。来週は相場全体としては5日の米大統領選、6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を受けたドルの動きがメインとなりそうだ。
ポンドは7日のイングランド銀行(英中銀、BOE)会合に注目。前回9月会合では政策金利の据え置きを決定したが、9月の消費者物価指数(CPI)やサービス価格の上昇率の伸びが大幅に鈍化し、市場は来週の会合での0.25%利下げを織り込んでいる。ベイリーBOE総裁が「ディスインフレは予想以上に速い」との見解を示したことで、12月会合でも追加利下げに踏み切るとの観測が高まったが、英政府の予算案を受けて短期金融市場ではBOEが11月に利下げを実施した後、12月は据え置きの見通しが追加利下げ予想を上回っている。
今週、スターマー労働党政権で初となる予算案が発表されたが、過去30年間で最大規模となる年間400億ポンドの増税計画が明らかになった。英政府の財政拡張方針は短期的に経済を加速させるが、同時にインフレ率も上昇させ、BOEの政策金利が長期で高止まりする可能性が高まっている。予算責任局(OBR)は来年のインフレ率見通しを1.5%から2.6%に引き上げた。
加ドルでは、8日に10月の雇用データが予定されている。9月の雇用統計では、失業率が6.5%と予想外に低下し、新規雇用者数は予想を大きく上回る4.67万人増と良好な結果だった。10月も改善が続くかどうかに注目したい。さえない結果となれば、カナダ中銀(BOC)の積極的な緩和姿勢を後押しすることになりそうだ。また、対円では日本国内で日銀の金融政策イベントはこなしたが、衆院選を受けた政局となっており、引き続き関連のヘッドラインに左右されそうだ。
なお、マックレムBOC総裁は今週、「年初来で4回実施した利下げの効果が出始めており、今後数カ月で一段の証拠が確認される」との見通しを示した。また、「経済がおおむね予想通りに推移すれば、追加利下げに踏み切ることができる」との見解を改めて表明。「利下げを継続することで家計支出の回復が早まり経済成長が高まる可能性がある」と発言している。
10月28日週の回顧
衆院選で政権与党が過半数割れしたことを受けて、週明けから円売りが先行したが、日銀会合後に円買いに振れてクロス円は失速。ポンド円は199円後半、加ドル円は110円後半で上昇が一服した。ポンドドルは英政府の予算案公表を受けて神経質な動きとなるも方向感は出なかったが、月末絡みの売りも見られ1.28ドル半ばまで下落した。ドルの底堅い動きが続くなか、ドル/加ドルは1.39加ドル半ばまでドル高・加ドル安となった。
◆ドル円、米大統領選とFOMCを注視
◆ドル円、首班指名選挙に向けた新たな連立枠組みなどに注目
◆ユーロドル、ユーロ圏の9月生産者物価指数や小売売上高を見極め
予想レンジ
ドル円 149.00-155.00円
ユーロドル 1.0600-1.1000ドル
11月4日週の展望
ドル円は、5日の米大統領・上下両院議会選挙の結果や6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げの有無に注目する展開となる。大統領選挙では、トランプ共和党候補とハリス民主党候補のどちらが勝利しても、両者が減税と拡張的な財政政策を公約に掲げているため、米長期金利の上昇基調が続き、ドル買い要因。また、トランプ候補が勝利し、上下両院も共和党が勝利する、いわゆる「レッド・スウィープ」となった場合は、関税引き上げや減税、大規模な財政出動によるインフレ率の上昇の可能性が高まるため、トランプ・トレード(米国債売り・ドル買い)がさらに活発化しそうだ。ドル円が160円付近まで上昇した場合には、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性が意識されるか。ただトランプ候補は一方で、米国の製造業を保護するため、関税の引き上げに加えて、ドル高を抑制する姿勢を示している。財務長官候補のポールソン氏も、2025年末のFF金利を2.50-3.00%と予想していたことは留意しておきたい。
さらにトランプ政権誕生の場合、ウクライナへの支援停止やイスラエルによるイランの石油・核関連施設への攻撃の可能性が高まることから、引き続き地政学リスクには警戒だろう。また米格付け会社ムーディーズは、どちらの候補が当選しても米国の財政状況は弱体化する可能性が高いと指摘。大統領選後に米国の信用格付け引き下げを警告している。
FOMCではFF金利の0.25%の追加利下げが見込まれているが、リスクシナリオとしては、トランプ候補が勝利した場合、インフレ期待が上昇することにより金利が据え置かれる可能性があることだろう。
日本の政局では、11日に予定されている特別国会での首班指名選挙に向けて、様々なオプションが想定されるなか、新たな連立政権の枠組みなどに注目しておきたい。
ユーロドルは、ウクライナ戦争の激化懸念やトランプ政権誕生の場合の関税引き上げへの警戒感から下値リスクが高まりつつある。ユーロ圏9月の生産者物価指数や小売売上高を見極め、12月欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げの可能性を探る展開となるだろう。
10月28日週の回顧
ドル円は、政治的な不確実性の高まりから日銀の早期利上げ観測が後退するなか、米長期金利の上昇などにつれて週初に一時153.88円まで買われた。ただ、日銀が政策の維持を決定したものの、展望リポートではタカ派的な文言が維持されたほか、植田日銀総裁の会見もタカ派的だったことなどから151.79円まで反落している。
ユーロドルは、ショートカバー中心の動き。1.0769ドルで2番底を確認した後、独国債利回りの上昇などにつれて1.0888ドルまで買戻された。
11月に入り1日の日経平均は大幅続落。終値は1027円安の38053円。米国株安を嫌気して、寄り付きから500円を超える下落。ナスダックの下げが大きかったこと、注目度の高いレーザーテック<6920.T>の1Q決算が市場の期待に届かなかったことなどから、グロース株の下げが大きくなった。800円程度下げたところでいったん切り返したが、三連休を前に戻りは限定的。売り直されて安値圏で前場を終えると、後場は買い手不在の様相が強まり、下げ基調が続いた。終盤にかけては一時下げ幅を1100円超に拡大。38000円を割り込む場面もあり、4桁の下落で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆4900億円。業種別ではプラスはガラス・土石の1業種のみで、金属製品や銀行が小幅な下げにとどまった。一方、非鉄金属、輸送用機器、電気機器などが大きく下落した。上期は減益着地となったものの、資本政策の見直しや自己株取得を発表した東リ<7971.T>が、後場に一時ストップ高となるなど急騰。半面、SUBARU<7270.T>は上期決算発表直後に瞬間的にプラス転換したものの、11.5%安と値幅を伴った下げとなった。円安影響などから通期見通しは据え置いたものの、生産台数や連結販売台数の見通しを期初から引き下げたことが嫌気されたもよう。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり219/値下がり1404。総合電機株の決算反応が良く、パナソニックHや富士電機が大幅上昇。三菱電機は14.2%高と急騰した。旭化成や牧野フライスが急伸。TDKはハイテク株に逆風の中で大幅安スタートとなったが、自身の決算は買い材料となり終値ではプラスを確保した。好決算に加えて自己株取得が評価されたFPGが上場来高値を更新した。
一方、レーザーテックが16.4%安、ソシオネクストが14.9%安と、決算を材料に半導体株の一角が暴落した。ナスダック大幅安に加えて傘下のアームも米市場で急落したことから、ソフトバンクGが5%台の下落。電機株は買われるものも多かったが、下方修正を発表した富士通は急落した。東北電力やIMAGICAが2桁の下落率となり、エンプラスはストップ安まで売り込まれた。
日経平均は大幅安。ただ、きょうは下に値幅が出ても仕方ない。日銀会合後の円高が雰囲気を悪くした中、今週、史上最高値を更新したナスダックが大きく崩れたとなると、どうしても売りは出てくる。本日の米雇用統計でそれほど円高が進まなければ、三連休明けはきょうの反動で買いが入る展開も期待できる。きょうの終値は38053円で、13週線(37985円、1日時点、以下同じ)近辺で週を終えた。この下には52週線(37445円)が控えており、これらがサポートとして機能するかが来週の焦点となる。
11月5日から取引時間が30分延長される。間延びするだけとの見方もあるが、これに伴って決算発表の時間を変更する企業も出てきている。一例を挙げると、これまで引け後に決算を発表していたホンダ<7267.T>は、今回は発表予定日は11月6日で、適時開示が13時、決算資料の開示が15時、決算説明が15時05分を予定している。この6日はトヨタ<7203.T>も決算発表を予定しており、自動車大手2社の決算を取引時間中に消化することになる。場中の決算発表は値が飛ぶリスクがあるが、最近では引け後に出したとしても値は飛ぶ。前日の米国影響を消化した後、場中に決算を出した方が、株価の乱高下を抑制できるかもしれない。デメリットが少なければ、この先は決算発表時間を早める企業が増えてくるだろう。企業のIRの変化にも注目しておきたい。
【来週の見通し】
波乱要素は満載も堅調か。東京市場では月曜4日が休場。三連休明けの火曜5日からは取引時間が30分延長され、引けの時間が15時から15時30分に変更される。米国では5日の大統領選投開票が大きな注目を集め、直後6日~7日の日程でFOMCが開催される。国内では、任天堂、三菱重工(5日、日付けは予定、以下同じ)、トヨタ、ホンダ(6日)、NTT(7日)など、注目企業の決算発表が目白押しとなる。米国の大統領選は結果が出れば先行き不透明感の払しょくにつながる。今回のFOMCでは0.25%の利下げが濃厚で、FRBの緩和的なスタンスが継続するとみられている。国内では決算を材料に個別物色の活況が見込まれる。これらの点から、多少振れ幅が大きくなったとしても、買いが入りやすい地合いを予想する。
なお、米大統領選の開票に関するニュースは日本では6日の午前中から消化することになるが、大接戦が伝わっているだけに結果の判明には日数を要する可能性がある点には留意しておきたい。
<国内>
○文化の日の振替休日で休場
<海外>
○16:00 ◎ 10月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月2.61%/前年比48.20%)
○17:50 ◎ 10月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:44.5)
○17:55 ◎ 10月独製造業PMI改定値(予想:42.6)
○18:00 ◎ 10月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:45.9)
○19:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○22:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○24:00 ◎ 9月米製造業新規受注(予想:前月比▲0.4%)
○5日03:00 ◎ 米財務省、3年債入札
○5日05:00 ◎ ニュージーランド(NZ)準備銀行(RBNZ)、半期に一度の金融安定報告
○ロシア(国民統一の日)、休場
○米国は3日から冬時間に移行済み
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
1日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、10月米非農業部門雇用者数が前月比1.2万人増に留まったことで、151.80円付近まで急落した後、米10年債利回りが4.38%台まで上昇したことで、153.09円まで上昇した。ユーロドルは低調な米雇用統計を受けて1.0905ドルまで上昇した後、米長期金利が大幅に上昇したことで1.0832ドルまで下落した。
本日のアジア外国為替市場のドル円は、東京市場が休場であり、明日の米大統領選挙の投開票を控えて動きづらい展開が予想される。
しかし、先週、米ニュースサイト「アクシオス」が、イスラエル情報機関による情報として、「イランが11月5日の米大統領選挙に向けて、イラク領内から大規模な報復攻撃を準備している」と報じていた。
さらに、2日、イランの最高指導者ハメネイ師が、敵対する米国とイスラエルが「間違いなく壊滅的な対応を受ける」と述べており、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
米大統領・上下両院議会選挙では、トランプ共和党候補が勝利し、上下両院も共和党が勝利する「レッド・スウィープ」への警戒感から、トランプ・トレード(米国債売り・ドル買い)圧力が強まりつつある。
先週末に発表された米10月雇用統計の非農業部門雇用者数は、予想の11.3万人増を大幅に下回る1.2万人増だった。しかし、ハリケーンやストライキによる一時的な混乱が背景にあるため、6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では重要視されない、とのことである。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、6-7日のFOMCでの0.25%の利下げはほぼ確実視されており、12月FOMCでの0.25%の利下げ確率は80%台に上昇している。
米労働統計局によると、ハリケーン「ミルトン」が10月9日に上陸したことで、雇用者数を算出する事業所調査の回答率は47.4%に留まり、通常の90%から大幅に低下していた。
また、「非農業部門雇用者数」は、10月12日を含む1週間に従業員が悪天候の影響などで『勤務』しなかった場合、実際には雇用されていても、就業者としてカウントされない。「天候が理由で働けない」とする人々は51.2万人だった。
このため、12月に発表される11月雇用統計で、10月の非農業部門雇用者数の改定値が大幅に上方修正されることが見込まれている。
■米国10月雇用統計(「事業所調査」+「家計調査」)
米国10月の雇用統計は、10月12日を含む週(10月6日~12日)に調査される。
11月1日に発表された雇用統計速報値の段階では、通常90%の集計、12月の改定値段階では95%の集計、1月の確報値の段階では100%の集計に基づいて発表される。
ハリケーン「ミルトン」が10月9日に上陸したことで、雇用者数を算出する事業所調査の回答率は47.4%に留まっていた。
「事業所調査」に基づいて算出される「非農業部門雇用者数」は、10月12日を含む1週間に従業員が悪天候の影響などで『勤務』しなかった場合、実際には雇用されていても、就業者としてカウントされない。「天候が理由で働けない」とする人々は51.2万人だった。
一方、失業率を算出する「家計調査」では、そうした従業員が就業者から除外されることはない。
2024年10月の米国の失業率は4.14%(※四捨五入4.1%)となり、9月の4.05%(※四捨五入4.1%)から上昇した。就労者数は36.8万人減となり、9月の43.0万人増から減少した。
非農業部門雇用者数は前月比+1.2万人の増加となり、9月は速報値の+25.4万人から+22.3万人へ下方修正(▲3.1万人)され、8月は改定値の+15.9万人から+7.8万人へ下方修正(▲8.1万人)されたことから、合計で11.2万人の下方修正となった。
「フェドウオッチ」によると、11月6-7日のFOMCで0.25%の利下げはほぼ確実、12月FOMCでの0.25%の利下げ確率は80%となっている。
2021年の非農業部門雇用者数は724.5万人の増加となり、年間ベースで過去最大の伸びを記録し、月平均は60.4万人の増加だった。2022年の月平均は37.7万人の増加、2023年平均は25.1万人の増加、2024年平均は17.0万人の増加となった。
1.家計調査:失業率を算出(※6万世帯)
10月の失業率は4.14%(※四捨五入4.1%)となり、9月の4.05%(※四捨五入4.1%)からわずかに上昇した。労働参加率(就業者および求職者の合計である労働力人口の生産年齢人口に占める割合)は62.6%となり、3カ月連続続いた62.7%から低下した。失業者数は前月比15万人増、就業者数は36.8万人減だった。
失業者数は698.4万人となり、9月の683.4万人から15万人増加しており、2020年2月の570万人を依然として上回ったままとなっている。労働力人口(1億6847.9万人)は、パンデミック(世界的大流行)前の水準(1億6458万人)を約389万人上回っている。
・不完全雇用率(U6):7.7%(9月7.7%、8月7.9%、7月7.8%:2020年5月21.1%)
(フルタイム雇用を望みながらパートタイム職に就いている労働者を含む広義の失業率)
・労働参加率:62.6%(9月62.7%、8月62.7%、7月62.7%:2020年2月:63.4%)
・長期失業者(27週以上):160.8万人(9月163.0万人:2020年2月112.1万人)
・黒人の失業率:5.7%(9月5.7%、8月6.1%、7月6.3%、6月6.3%:2020年2月6.0%)
(※黒人の失業率は景気後退(リセッション)が近づく前に先行して上昇する傾向)
2.事業所調査:非農業部門雇用者数(※12.2万の会社・政府機関)
10月の非農業部門雇用者数は、前月比+1.2万人の増加となり、46カ月連続での雇用拡大となった。平均時給は前月比+0.4%の35.46ドルとなり、9月の+0.4%と変わらず、前年同月比は+4.0%となり、9月の+4.0%と変わらずだった。
上昇率3.0-3.5%でFRBのインフレ目標2%に一致するとされており、11月FOMCでの0.25%の利下げは確実視されている。
民間部門の総賃金(雇用者数×週平均労働時間×時給)は前月比+0.4%、前年比は+5.3%となり、9月の+5.0%を上回り、5カ月ぶりに強い伸びとなった。
3. サーム・ルール( Sahm Rule)=0.43%
FRBの元エコノミストであるクローディア・サーム博士が提唱したもので、失業率の「3ヵ月移動平均」と「過去1年間の最低水準」の差が0.5%以上上昇した場合、1年以内にリセッション入りするとの説であり、過去50年間のリセッションで有効だった。10月は0.43%となり、9月の0.50%、8月の0.57%、7月の0.53%から低下し、リセッションへの警戒感が後退した。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、中東情勢に警戒しながら、10月仏独ユーロ圏の製造業PMI改定値やナーゲル独連銀総裁とホルツマン・オーストリア中銀総裁の講演に注目することになる。
しかし、明日の米大統領選挙を控えていることで、動きづらい展開が予想される。
トランプ政権が誕生した場合、対欧州連合(EU)への関税引き上げが見込まれているため、ユーロ売り要因となる。
10月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:44.5)、10月独製造業PMI改定値(予想:42.6)、10月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:45.9)は、どれも50を下回っており、ユーロ圏の景況感悪化懸念がユーロの上値を抑える状況が続いている。
12月の欧州中央銀行(ECB)理事会では0.25%の追加利下げが予想されているが、改定値がネガティブサプライズだった場合は、0.50%の利下げの可能性が高まることで要注目か。
中東情勢に関しては、先週、米ニュースサイト「アクシオス」が、イスラエル情報機関による情報として、「イランが11月5日の米大統領選挙に向けて、イラク領内から大規模な報復攻撃を準備している」と報じていた。さらに、2日、イランの最高指導者ハメネイ師が、敵対する米国とイスラエルが「間違いなく壊滅的な対応を受ける」と述べており、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0985ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:166.69円(10/31高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0761ドル(10/23安値)
・ユーロ円:164.87円(日足一目均衡表・転換線)
米大統領選前日の週明け、為替市場ではドル全般に売られて始まることになりました。市場では先週末まで、トランプウィンを前提とした動きとなっていたわけで、10月米雇用統計が市場予想を大幅に下回る極めて弱い結果となったにも関わらず、恐らく、ハリケーンとボーイングの大規模ストライキの影響が大きかったとはいえ、米10年債利回りが4.22%台まで低下した後、引けにかけては一転して4.38%まで急騰した根底には、トランプ前大統領の返り咲きといったメインシナリオがあったことは明らか。
ただ、大統領選直前の激戦区の情勢が、カマラハリス陣営が「中絶問題」という、トランプ陣営にとっては一番のネックとなっているトピックスに絞った集中攻撃を行った影響からか、一転して逆転し始めていることが判明したことから、週明けの為替市場では、ドル売りで反応。特に、ドル円の戻り売りが目立つことになったといったところです。
いずれにしても、米大統領戦が直前になって二転三転するのは想定内。ドル円は一時151.60円まで値を下げる場面もみられましたが、200日移動平均の位置する151.57円が意識されて、その後は次第に下値を切り上げるといった状況。米HF勢が米10年債利回りの200日MA越えを機にドル円の一目転換線と200MA越えをトライした経緯を考慮すれば、152.00円割れでビッドが出てくることは当然の動きといえます。
米大統領選は、6日の東京時間に大勢が判明すれば理想的ですが、接戦になった場合には、勝敗が判明するまでに1週間以上かかることも覚悟しておかなければならず、ただ、とりあえず市場ではまず、激戦区といわれている7つの州、つまり、ノースカロライナ、ジョージア、ミシガン、ウィスコンシン、ペンシルベニア、そして、アリゾナ、ネバダの結果に集中することになりそうです。
政府が推薦した元財務相の候補者をめぐり、中央銀行の独立性に対する懸念が高まっているなか、タイ中央銀行(BOT)の新総裁選任が1週間延期された。元中央銀行総裁らは、政治的な介入が経済を弱体化させる可能性があると警告している。政府はBOTに利下げと高いインフレ目標を求めており、両者の対立が続いている。選考委員会は11日に再度会合を開き、新総裁を選出する予定だが、中央銀行の独立性と経済政策の方向性に大きな影響を与える可能性がある。
テレグラフ紙が報じたところによると、英中銀(BOE)は7日の金融政策委員会で2回目の利下げを決定すると予想されている。市場は0.25%の利下げをほぼ確実視しているが、リーブス財務相の予算案が短期的な需要を押し上げる可能性があるため、その影響が注目されている。予算案は予想以上の財政緩和を含み、市場を驚かせた。財政監視機関OBRは、これにより利下げペースが若干緩やかになる可能性を指摘。しかし、エコノミストらは短期的な刺激策が利下げを妨げるほどではないとみている。BoEは長期的なインフレ鈍化に焦点を当てており、9月のインフレ率は2%目標を下回ったが、ただし、ベイリー総裁は今後の利下げペースについて慎重な姿勢を示している。
全国人民代表大会(全人代)常務委員会は4-8日に北京で開かれる。中国共産党機関紙の『人民日報』は4日、「不動産市場の悪化食い止めと安定化を積極的に促進する」を表題とする文書を掲載した。一連の金融政策は供給と需要の両面で引き続き効果を奏し、所有制の異なる不動産企業の合理的な融資需要を平等に満たすと同時に、住宅の実需や住み替え需要を支えるとした。
文書は、不動産関連の金融サービスは住民の住宅購入コストと期待、建設プロジェクトの資金確保と密接に関連していると指摘。金融サービスを最適化し、不動産市場の安定かつ健全な発展を促すことは、国民の生活に直結する問題であるだけでなく、経済の持続的な回復と向上を推進するためにも重要な意味を持つとした。
OPEC+は12月に予定していた原油増産計画を1カ月延期することを決定した。この決定は、中国を中心とした需要の弱さとOPEC+以外の供給増加が原油市場に下押し圧力をかけていることを背景としている。当初、OPEC+の8メンバーは12月に増産を行う予定だったが、これは1日220万バレルの減産措置を段階的に解除する計画の一環だった。この延期決定は原油市場の需給バランスを管理しようとするOPEC+の継続的な努力を示している。
米大統領選直前の激戦区でハリス氏が優勢との報道を受けて、ドル円は週明け早朝から売りが先行し、一時151.60円まで下押した。欧州勢参入後はやや買い戻しが先行したものの、戻りを152.30円近辺にとどめ再び151円後半に押し戻された。
本日のNY市場での経済指標は9月米製造業新規受注程度で、5日の米大統領選が迫るなか米大統領選関連のヘッドラインで、ドル円は神経質な動きが続きそうだ。先週末は10月米雇用統計が予想を大幅に下回り、ドル円も売りで反応したが、トランプ前大統領の返り咲きへの警戒感で米長期金利が一転急上昇し、ドル円も153円台を回復して取引を終えた。
米大統領選では、民主党候補のハリス副大統領と共和党候補のトランプ前大統領が大接戦を演じ、予断を許さない状況である。最近の世論調査ではハリス氏が激戦区でやや優勢との報道もいずれも誤差の範囲内であり、ほぼ互角となっている。大統領選の不透明感で少なくとも結果が判明するまで金融市場の神経質な動きは続くだろう。トランプ氏の勝利であれば米金利上昇・ドル高に動くとの見方が強い。ハリス氏優勢との報道にドル売りで反応したものの、これはトランプ氏との比較でのドル売りであり、両氏ともバラマキ色の強い政策を掲げており、どちらが勝ってもさらなる金利上昇を招く可能性がある。よって、米大統領選はどんな結果になってもドル高要因になりやすく、ハリス氏が勝利したとしても大きくドル売りが進む可能性は低いと見ている。
・想定レンジ上限
ドル円、先週末1日の高値153.09円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、10月23日の安値151.03円が下値めど。
今週のNY市場は米大統領選、FOMC、決算発表に注目。先週ダウ平均が0.15%安、S&P500が1.37%安とともに2週続落し、ナスダック総合が1.50%安と8週ぶりの反落となった。米大統領選をめぐる不透明感が重しとなるなか、スーパー・マイクロ・コンピューターやアドバンスト・マイクロ・デバイセズを中心に半導体株が幅広く下落したことや、決算やガイダンスが嫌気されたマイクロソフトやメタ・プラットフォームズが大幅安となり相場を押し下げた。しかし、週末1日の取引で予想を上回る決算や強い見通しを発表したアマゾン、インテルが大幅高となったことで主要3指数がそろって反発し、下落幅を縮小した。注目された1日発表の10月雇用統計では非農業部門雇用者数(NFP)がわずか1.2万人増と市場予想の11.3万人増を大きく下回ったものの、ハリケーンやボーイングのストライキの影響と受けとめられ、影響は限定的だった。また、金曜日引け後にはダウ平均採用銘柄からインテルとダウ・インクが除外され、新たにエヌビディアとシャーウィン・ウィリアムズの採用が発表された。
今週は米大統領選と米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目が集まるほか、高水準の発表が続く第3四半期決算が焦点となりそうだ。5日投開票の米大統領選では勝敗を左右する激戦州で共和党候補のトランプ前大統領が優勢となっているが、週末の世論調査ではトランプ氏が有利とみられたアイオワ州で民主党のハリス副大統領のリードも伝えられ、結果が判明するまで不安定な相場展開が予想される。7日に結果が公表されるFOMCでは0.25%の利下げが確実視されているが、先行きの利下げ見通しを巡り、会合後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見に注目が集まる。決算発表はS&P500採用の約100銘柄が発表予定で、マリオット・インターナショナル、AIG、NXPセミコンダクターズN.V.、ウィン・リゾーツ、スーパー・マイクロ・コンピューター、CVSヘルス、ギリアド・サイエンシズ、クアルコム、タペストリー、ラルフ・ローレン、モデルナなどの決算やガイダンスに要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは10月雇用傾向指数、9月製造業新規受注など。企業決算は寄り前にフォックス、マリオット・インターナショナル、引け後にAIG、NXPセミコンダクターズ 、ウィン・リゾーツなどS&P500採用の20銘柄が発表予定。
なお、米国では3日(日)に冬時間に移行しました。NY株式市場の終了時間がこれまでの日本時間朝5時から朝6時になります。これにともない、翌朝の株式市場に関するニュース等はこれまでより約1時間遅れでの配信となります。
今週の日経225先物は、5日の米国大統領選挙と直後の6~7日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)の2大イベントと、ピークを迎える決算発表の影響を大きく受けるため、トレンドの出やすい週になりそうだ。米大統領選ではトランプ前大統領とハリス副大統領による接戦が続いているが、同時に行われる連邦議会の上下両院選も注目される。どのような結果になろうともボラティリティが高まりやすく、初動は大きくなろう。
FOMCについては0.25%の利下げがコンセンサスとなる。1日発表の10月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比1万2000人増と予想(10万人増)を大きく下回ったほか、10月の米ISM製造業景況感指数が46.5に低下し、予想(47.6程度)を下回った。雇用統計の伸び鈍化にはストライキやハリケーンなどの要因も影響した。これら指標の結果を受けて米景気の減速が意識され、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを続けるとの見方が強まった。
相次ぐ大型テック株の決算発表では、1日にアップル<AAPL>が2024年10-12月期の見通しが慎重と受け止められて下落した一方で、アマゾン・ドット・コム<AMZN>は7-9月期決算が予想を上回ったとして6%を超す上昇となり、他のハイテク株に買いが波及した。前日に急落したマイクロソフト<MSFT>は小幅に反発した。
また、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは1日、8日からダウ工業株30種平均(NYダウ)にエヌビディア<NVDA>を組み入れ、インテル<INTC>を除外すると発表した。AI(人工知能)ブームを象徴するエヌビディアの組み入れにより、最高値圏で推移するNYダウの先高期待が強まりやすいだろう。なお、塗料大手のシャーウィン・ウィリアムズ<SHW>もダウ<DOW>に代わって採用される。
日経225先物は前週末に一時3万7940円と、節目の3万8000円を下回る場面がみられた。200日移動平均線(1日時点3万8090円)を割り込み、75日線(同:3万7830円)に接近する形となり、週前半の上昇分を帳消しにした。ただし、ナイトセッションでは強いリバウンドをみせており、一時3万8790円まで買われた。200日線を支持線とした切り返しにより、25日線(3万8800円)を捉えてきた。
米国市場の動向次第となるが、25日線突破から10月15日に付けた高値4万0300円とボリンジャーバンドの+3σ(4万0480円)が射程に入る。一方で、下へのバイアスが強まる局面では、75日線割れから-3σの3万7120円が意識されるだろう。そのため、オプション権利行使価格の3万7000円から4万0500円と広めのレンジを想定する。
また、米大統領選挙の結果を受けて下へのバイアスが強まったとしても、その後は経済政策への期待感が高まりやすい。新政権発足からの100日間はハネムーン期間とされ、報道機関や議会が厳しい批判を控えることでネガティブな材料も出にくい。年末高に向けて期待が高まりやすく、押し目狙いのロングで対応したい。
1日の米VIX指数は21.88(前日は23.16)に低下した。先週は不安心理の高まりを示す20.00を挟んで推移し、マイクロソフトの下落をきっかけとしたハイテク株安もあり、31日には一時23.42まで上昇する場面もみられた。25日線(19.90)、75日線(18.79)が支持線として意識され、ボトム圏での推移であるが、米大統領選やFOMCの結果後にリバウンドを強める場面がありそうだ。反対に支持線を割り込む場面があれば、一気にリスク選好に向かわせよう。
先週のNT倍率は先物中心限月で14.41倍に低下した。25日線(14.46倍)を割り込み、一時14.36倍まで下げる場面もみられたが、米ハイテク株安の影響により相対的にTOPIX型優位の展開だった。1日の米国市場でハイテク株が買われたことで、リバランスの動きが入りやすいだろう。決算発表がピークを迎えるなか、決算の影響を受ける可能性があるが、先高観が強まる局面では日経平均型優位の展開が意識されそうだ。
10月第4週(10月21日-25日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの買い越しであり、買い越し額は1293億円(10月第3週は4159億円の売り越し)だった。なお、現物は206億円の売り越し(同579億円の売り越し)と2週連続の売り越しであり、先物は1500億円の買い越し(同3580億円の売り越し)と2週ぶりの買い越し。個人は現物と先物の合算で436億円の売り越しで2週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で820億円の売り越しとなり、4週連続の売り越しだった。
主要スケジュールでは、11月4日に米国9月製造業新規受注、中国全国人民代表大会(全人代)常務委員会(~8日)、5日に東証が取引時間を延長、米大統領選挙、米国9月貿易収支、6日に日銀金融政策決定会合議事要旨(9月19・20日開催分)、7日に中国10月貿易収支、イングランド銀行(BOE)政策金利、FOMC終了後に政策金利、パウエルFRB議長記者会見、8日にオプションSQ、9月全世帯家計調査、9月景気動向指数、米国11月ミシガン大学消費者信頼感指数などが予定されている。
米財務省によると、3年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.152%、応札倍率(カバー)が2.60倍となった。
(4日終値:5日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=152.01円(4日15時時点比△0.16円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=165.51円(△0.02円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0888ドル(▲0.0011ドル)
FTSE100種総合株価指数:8184.24(前営業日比△7.09)
ドイツ株式指数(DAX):19147.85(▲107.12)
10年物英国債利回り:4.458%(△0.013%)
10年物独国債利回り:2.395%(▲0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月仏製造業PMI改定値
44.5 44.5
10月独製造業PMI改定値
43.0 42.6
10月ユーロ圏製造業PMI改定値
46.0 45.9
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下げ渋り。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.26%台まで低下すると全般ドル売りが先行。市場では「米大統領選の投開票を明日5日に控える中、米共和党候補のトランプ前大統領の勝利を意識して進んでいたドル買いを巻き戻す動きが出ている」との声も聞かれ、21時前に一時151.54円と日通し安値を更新した。
ただ、10月25日の安値151.46円が目先サポートとして意識されると徐々に下値を切り上げた。200日移動平均が位置する151.57円も重要なポイントとして意識されて、1時過ぎには152.16円付近まで下げ渋った。米10年債利回りが4.31%台まで低下幅を縮めたことも相場を下支えした。
・ユーロドルは上値が重かった。米長期金利の大幅低下を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行。21時過ぎに一時1.0915ドルと日通し高値を付けた。ただ、5日の米大統領選挙など重要イベントを控えて、積極的に上値を追う展開にはならなかった。米長期金利が低下幅を縮めると次第にユーロ売り・ドル買いが出て、2時前には1.0880ドル付近まで下押しした。
・ユーロ円はもみ合い。日本時間夕刻に一時165.86円付近まで上げたものの、20時30分過ぎには165.34円付近まで下押しした。ただ、1時前には165.77円付近まで再び強含んだ。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続伸。原油先物相場の上昇を背景にBPやシェルなどエネルギー株が買われ、相場を下支えした。HSBCやバークレイズなど金融株も値上がりした。ただ、5日の米大統領選挙など重要イベントを控えて、積極的に上値を追う展開にはならなかった。
・フランクフルト株式相場は反落。5日の米大統領選挙など重要イベントを前に持ち高調整目的の売りが優勢となった。個別ではフレゼニウス(2.09%安)やラインメタル(2.03%安)、ボノビア(1.82%安)などの下げが目立った。半面、ポルシェ(1.78%高)やRWE(1.58%高)などは買われた。
・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。
(4日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.13円(前営業日比▲0.88円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=165.48円(▲0.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0878ドル(△0.0044ドル)
ダウ工業株30種平均:41794.60ドル(▲257.59ドル)
ナスダック総合株価指数:18179.98(▲59.94)
10年物米国債利回り:4.28%(▲0.10%)
WTI原油先物12月限:1バレル=71.47ドル(△1.98ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2746.2ドル(▲3.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月米製造業新規受注
(前月比) ▲0.5% ▲0.8%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反落。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.26%台まで低下すると全般ドル売りが先行。市場では「米大統領選の投開票を明日5日に控える中、米共和党候補のトランプ前大統領の勝利を意識して進んでいたドル買いを巻き戻す動きが出た」との声も聞かれ、21時前に一時151.54円と日通し安値を更新した。
ただ、10月25日の安値151.46円が目先サポートとして意識されると下げ渋る展開に。200日移動平均が位置する151.57円も重要なポイントとして意識され、3時30分過ぎには152.20円付近まで下げ幅を縮めた。米10年債利回りが4.32%台まで低下幅を縮めたことも相場を下支えした。
・ユーロドルは反発。米長期金利の大幅低下を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行すると、21時過ぎに1.0915ドルと日通し高値を付けた。ただ、5日の米大統領選挙など重要イベントを控えて、積極的に上値を追う展開にはならなかった。米長期金利が低下幅を縮めると次第にユーロ売り・ドル買いが出て、6時過ぎには1.0874ドル付近まで下押しした。
・ユーロ円は小反落。ただ、NYの取引時間帯に限れば165.50円を挟んだ狭いレンジ取引に終始した。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。5日の米大統領選挙や6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)など、重要イベントを前に持ち高調整目的の売りが優勢となった。ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株が下げたほか、指数を構成する30銘柄から除外されることが決まったインテルとダウの下げが目立った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反落。ダウ平均に採用が決まったエヌビディアが買われたものの、終盤伸び悩んだ。
・米国債券相場で長期ゾーンは大幅反発。米大統領選の投開票を明日5日に控える中、ポジション調整目的の買いが入った。
・原油先物相場は4日続伸。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国のロシアなど主要産油国で構成する「OPECプラス」が3日、自主減産の縮小を12月末まで延期することで合意。週明けのこの日は需給の引き締まりを意識した買いが入った。
・金先物相場は3日続落。5日の米大統領選挙や6-7日のFOMCを控えて様子見ムードが強まり、狭い値幅内でのもみ合いに終始した。
<国内>
○08:50 ◇ 10月マネタリーベース
〇東京証券取引所の立会内取引終了時刻が15時30分まで延伸(5日から)
<海外>
○09:01 ◇ 10月英小売連合(BRC)小売売上高調査(予想:前年同月比1.4%)
○10:45 ◎ 10月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:50.5)
○12:30 ☆ 豪準備銀行(RBA)政策金利発表(予想:4.35%で据え置き)
○15:45 ◇ 10月スイス失業率(季節調整前、予想:2.5%)
○16:45 ◇ 9月仏鉱工業生産(予想:前月比▲0.6%)
○17:45 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○18:30 ◎ 10月英サービス部門PMI改定値(予想:51.8)
○22:30 ◇ 9月カナダ貿易収支(予想:8.0億カナダドルの赤字)
○22:30 ◎ 9月米貿易収支(予想:841億ドルの赤字)
○23:45 ◎ 10月米サービス部門PMI改定値(予想:55.3)
○23:45 ◎ 10月米総?⑰MI改定値(予想:54.3)
○24:00 ☆ 10月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:53.8)
○6日03:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○6日03:30 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○米大統領選の投開票
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
4日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが4.26%台まで低下したことで151.54円まで下落した後、4.32%台まで低下幅を縮めたことで152.20円付近まで下げ幅を縮めた。ユーロドルは1.0915ドルまで上昇後、1.0874ドル付近まで下押しした。
本日の東京外国為替市場のドル円は、中東情勢に警戒しながら、今夜の米大統領選挙の投開票を控えて動きづらい展開が予想される。
本日の米大統領・上下両院議会選挙の投開票では、「レッド・スウィープ」(トランプ大統領誕生・上下両院で共和党が勝利)と「ブルー・スウィープ」(ハリス大統領誕生・上下両院で民主党が勝利)」を両極端にして、ネジレ議会の組み合わせを見極めていくことになる。
これまでの市場動向は、レッド・スウィープを念頭に置き、トランプ候補の関税引き上げ、減税や大規模財政支出によるインフレ加速懸念から、トランプ・トレード(米国債売り・ドル買い)が優勢となってきた。ドル指数は4カ月ぶりの高水準を記録し、米10年債利回りは4.38%台まで上昇していた。
トランプ候補が勝利宣言を出した場合、「思惑・噂で仕掛けて、事実で手仕舞え」となるのか、それともトランプ・トレードがさらに加速するのか、要警戒となる。
昨日は、2016年と2020年の選挙でトランプ氏が勝利し、今回も共和党優勢が伝えられていたアイオワ州(選挙人6名)で、ハリス氏の支持が47%とトランプ氏の44%を上回ったことが報じられたことで、トランプ・トレードの一部が巻き戻しとなった。ドル円は151.54円まで下落し、一時200日移動平均線の151.57円を下回った。
リスクシナリオは、ハリス候補が勝利した場合であり、トランプ陣営は、開票・集計結果に異議を申し立てる方針を示唆している。また、激戦7州の開票が長引く可能性には警戒しておきたい。票の集計に関する規則により、ジョージアやペンシルベニアのような激戦州で勝者が決定するには、最低でも数日を要するとのことである。
豪ドル/ドルは、豪準備銀行(RBA)政策金利発表に注目することになる。市場予想は4.35%で据え置きとなっており、利下げ開始は来年前半と見込まれている。
7-9月期豪消費者物価指数(CPI)は前年比で前回の3.8%から2.8%へと低下していたが、トリム平均値はさほど低下していなかった。声明文での利下げ開始時期への言及に要注目となる。
中東情勢に関する直近の報道は以下の通りとなっており、本日も関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
先週、米ニュースサイト「アクシオス」が、イスラエル情報機関による情報として、「イランが米大統領選挙に向けて、イラク領内から大規模な報復攻撃を準備している」と報じた。2日付けの報道では、バイデン米政権がイランに対して「イスラエルを攻撃したら抑制できない規模の報復を行う恐れがある」として自制を求めたと報じられた。さらに、イランの最高指導者ハメネイ師は、米国とイスラエルがイランや連携する民兵組織を攻撃したら「間違いなく壊滅的な対応を受ける」と警告していた。
リスクシナリオとしては、本日、イランがイスラエルに対して報復攻撃をして、イスラエルとイランの軍事衝突が激化した場合、バイデン米政権の中東政策の失敗となりうるため、トランプ候補に有利となるのかもしれない。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38600 +480 (+1.25%)
TOPIX先物 2677.0 +32.0 (+1.20%)
シカゴ日経平均先物 38375 +255
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
4日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。5日投開票の米大統領・議会選挙は接戦になるとみられており、持ち高調整の売りが優勢となった。トランプ氏勝利で恩恵を受けるとされたJPモルガン・チェース<JPM>やゴールドマン・サックス<GS>など金融株の一角が売られるなど、トランプトレードを巻き戻す動きもみられた。
8日からNYダウの構成銘柄から除外されるインテル<INTC>とダウ<DOW>が下落し、NYダウを押し下げた。一方で、新規組み入れとなるエヌビディア<NVDA>とシャーウィン・ウィリアムズ<SHW>は買われた。S&P500業種別指数はエネルギー、不動産、耐久消費財・アパレルが上昇した半面、自動車・同部品、銀行、公益事業が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比255円高の3万8375円だった。1日取引終了後の日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比60円安の3万8060円で始まった。その後は1日の米国市場でアマゾン・ドット・コム<AMZN>の決算を評価した買いが他のハイテク株に波及するなか、中盤にかけて3万8790円まで買われる場面もみられた。終盤にかけては3万8510円~3万8640円辺りで保ち合い、3万8600円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。ただし、米大統領の結果待ちで、思惑的な売買が中心になりそうだ。スキャルピング中心のトレードとなり、方向感をつかみづらくさせよう。ナイトセッションでは200日移動平均線(3万8110円)辺りを支持線としたリバウンドから25日線(3万8800円)を捉えてきており、両線を挟んでの推移になりそうだ。
そのため、オプション権利行使価格の3万8000円から3万8875円辺りのレンジを想定する。米大統領選の世論調査では、ハリス副大統領とトランプ前大統領の支持率が拮抗しており、結果判明に時間がかかる可能性がある。開票が進む毎に短期的なトレードによって荒い値動きをみせてくることになろう。
日経225先物は25日線を捉えてくるようだと、前週末の大幅な下げに対するショートカバーを誘う可能性も考えられ、ボリンジャーバンドの+1σが位置する3万9360円辺りが射程に入ってくる。一方で、米大統領選挙の結果を受けて下へのバイアスが強まったとしても、その後は経済政策への期待感が高まるとみられ、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
4日の米VIX指数は21.98(前日は21.88)に上昇した。10月31日に一時23.42まで上昇した後は、不安心理が高まった状態を示す20.00を上回っての推移が続いている。25日線(20.11)、75日線(18.89)が支持線として意識されており、ボトム圏での推移であるが、米大統領選の結果後にリバウンドを強める場面がありそうだ。反対に支持線を割り込むようだと、一気にリスク選好に向かわせよう。
先週のNT倍率は先物中心限月で14.41倍に低下した。25日線(14.46倍)を割り込み、一時14.36倍まで下げる場面もみられたが、米ハイテク株の下落の影響から相対的にTOPIX型優位の展開だった。先週末の大幅な下げに対するリバランスが入りやすいとみておきたい。
昨日の海外市場では、ドル円は米金利動向に左右される展開。米10年債利回りが一時4.2606%まで低下するにつれて151.54円まで値を下げる場面もみられましたが、NY時間に入って米3年債入札が0.9bpのテール発生といった不調な結果に終わると米長期金利が一転して4.3271%まで低下幅を縮小。つれるかたちで152.20円まで買戻されて冬時間に移行したNY市場を終えています。アジア時間に入ってからは、朝方こそ152.10円まで下押ししたものの、3連休明けのゴトー日とあって、当然のように本邦実需の買いが持ち込まれるとNY時間の高値を上抜けて一時152.45円まで値を戻しているといったところです。
昨日は、週末の米大統領選の情勢がカマラハリス側に傾いたことからドル売りで反応したわけですが、そういった短期的な反応も極めて一時的な現象にとどまり、実際には米金利動向に敏感に反応している状況。また、ドル円については、市場では「200日MAを目処に下値を拾う向きが非常に多かった」のも事実。また、アジア時間に入ってからは、米大統領選の結果が不透明となるなか、「これまで買われていたものが売られる」とのポジション調整への思惑から、「米株売りと日経平均買い」などのスプレッド取引が活発となるなど、大統領選前日からのヘッジとしての動きが一部でみられている模様です。
市場が毎日チェックしているポリマーケットのトランプウィンの確率は、昨日のアジア時間に53.8%で下値を確認した後、現在は58.7%まで回復。また、共和党の議会スウィープの確率もまた、37%まで回復しています。スウィングステートの状況次第では、今週中に大勢が判明出来ない可能性もあるなか、一大イベントの幕が切って落とされることになります。
日経225先物は11時30分時点、前日比420円高の3万8540円(+1.10%)前後で推移。寄り付きは3万8480円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8375円)を上回り、買いが先行して始まった。その後軟化し、現物の寄り付き直後には3万8160円まで上げ幅を縮めた。ただし、プラス圏をキープしたことで、売り一巡後は先週末の大幅な下落に対するショートカバーとみられる動きが強まり、終盤にかけて一時3万8590円まで買われる場面もみられた。
日経225先物は開始直後に軟化したものの、200日移動平均線(3万8110円)が支持線として機能する形となった。その後のリバウンドで前週末の下落に対する半値戻しの水準を回復している。自律反発の域は脱せていないが、5日投開票の米大統領・議会選挙を前に積極的にポジションを傾けてくる動きは考えにくく、リバランスとしては一巡したであろう。後場はこう着感が強まるとみられるが、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、TDK <6762.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]などがプラス圏で推移しており、底堅さは意識されそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.44倍に上昇した。一時14.48倍を付けており、先週末に割り込んだ25日線(14.46倍)を上回る場面もみられた。ただし、リバランスが中心のなか、同線を上回ってNTロングが強まる展開にはなりにくい状況であろう。
「パーティーの音楽が、いつか鳴り止むことはわかっている。しかし、音楽が鳴っている間は、我々はただ踊るしかないのだ」(2007年:シティバンクCEO、プリンス氏)
トランプ第47代米大統領が誕生した場合、ジョン・ポールソン氏がポールソン第79代米財務長官に就任する可能性が高いらしい。
2007年の夏、ジョン・ポールソン氏は米国の住宅価格のグラフを観て、おかしい、と感じ、住宅価格の下落に賭けて、150億ドルという史上最大のボロ儲けを得た。
2024年の夏、ポールソン氏は、米連邦準備理事会(FRB)の政策金利5.25-50%と3%未満のインフレ率に対して、おかしい、と感じているらしい。
そして、2025年末のFF金利水準について「予想は難しいが、わたしの予想では3%くらいではないか。もしかすると2.5%かもしれない。」と述べていた。
1.2007年の夏
2007年の夏、米国の住宅バブルが最高頂に達した頃、シティバンクのCEO、チャールズ・プリンス氏は、「パーティーの音楽が、いつか鳴り止むことはわかっている。しかし、音楽が鳴っている間は、我々はただ踊るしかないのだ」と述べた。
しかし、『史上最大のボロ儲け』のジョン・ポールソン氏や『世紀の空売り(The Big Short)』のスティーブ・アイスマン氏は、ダンス音楽が鳴り止んだ後の住宅バブル崩壊による「100年に一度」の金融恐慌が見えていたらしい。
不動産投資に全く縁のなかった無名の投資家、ジョン・ポールソン氏は、上昇トレンドを現していた米国の住宅価格のグラフを観て、住宅バブルの崩壊、すなわち、サブプライムローンの破綻を予測し、サブプライムローン証券を対象とする「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」に投資して、150億ドルという史上最大のボロ儲けを得た。
例えるならば、アメリカの住宅の火災保険を買い占めた後、アメリカの住宅が火災に見舞われたため、巨額の火災保険金を手に入れたようなものである。
当時、グリーンスパン第13代FRB議長は、米国の住宅市場の高騰は、バブル(大きな泡)ではなく、フロス(小さな泡)に過ぎず、貧しい人々が住宅を購入できるサブプライムローンを称賛していた。
イエレン・サンフランシスコ地区連銀総裁(後のFRB議長~米財務長官)は、カリフォルニアの金融機関にサブプライムローンを推奨していた。
2.2024年の夏
ポールソン氏は、「インフレ率は3%近辺で推移している。FF金利は5.25-50%だ。だから実質金利は高過ぎる。Fedは恐らく利下げするまでに待ち過ぎた。」と述べ、米連邦準備理事会(FRB)はもっと早く利下げすべきだった、との見解を示している。
そして、2025年末の水準について「予想は難しいが、わたしの予想では3%くらいではないか。もしかすると2.5%かもしれない。」と政策金利の低下基調を見込んでいる。
本日のロンドン為替市場でユーロドルは、米大統領選の投開票を控えて1.0870ドルで横ばいの200日移動平均線を中心に上下する展開か。嵐の前の静けさと言え、米選挙後にレンジを大きく広げるためエネルギーを蓄えることになりそうだ。
ユーロ圏の主な経済指標は、序盤に発表される9月仏鉱工業生産(予想:前月比-0.6%)程度。ほか、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁の講演が予定されている。
米国では週末から週明けにかけ、大統領選において民主党候補のハリス副大統領の追い上げが報じられた。これを受けて、共和党候補トランプ前大統領の勝利を見込んだ「トランプトレード(債券売り・ドル買い、関連業界の株価上昇)」の巻き戻しが幾分か進んだ。もっともユーロドルは1.09ドル台に乗せたところでは頭を抑えられ、その後は様子見ムードが広がりつつある。
大統領選だけでなく、米議会選挙の行方(特に下院)も不透明感が深まったままのなか、一方向にポジションを傾けるというよりも一旦は減らすという動きが暫く広がりそうだ。週末も、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイの手元資金が過去最高を更新したことが話題となっている。
米選挙を控えて動きづらいなかで、地政学リスクには依然として要警戒か。中東では、米国が「イランによるイスラエルに対する報復攻撃」を抑え込もうとしているが、イランが素直に言うことを聞くとも思えない。また東欧では、ウクライナ・ロシア戦争に北朝鮮の関与が強まれば、戦闘の更なる泥沼化は避けられないだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.0953ドル
・ユーロスイスフラン、4日高値0.9447フラン
想定レンジ下限
・ユーロドル、10月30日安値1.0808ドル
・ユーロスイスフラン、10月24日安値0.9333フラン
オーストラリア準備銀行(RBA)は5日の政策会合で、予想通り政策金利を4.35%に据え置いた。RBAはコアインフレ率が目標通りに低下するまで金融引き締めを継続する必要があると強調。RBAはインフレ率が依然として高すぎるとし、上振れリスクに警戒を続ける姿勢を示した。最新の予測では、コアインフレ率は年末までに3.4%に低下するものの、2026年まで目標範囲に戻らないとされている。金利スワップ市場は今年の利下げをほぼ織り込んでいない。
(5日15時時点)
ドル円:1ドル=152.42円(前営業日NY終値比△0.29円)
ユーロ円:1ユーロ=165.81円(△0.33円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0878ドル(横ばい)
日経平均株価:38474.90円(前営業日比△421.23円)
東証株価指数(TOPIX):2664.26(△20.00)
債券先物12月物:144.27円(△0.11円)
新発10年物国債利回り:0.935%(▲0.005%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月マネタリーベース
前年同月比 ▲0.3% ▲0.1%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。本日は5・10日(ゴトー日)とあって仲値にかけた買いが先行。仲値後はやや伸び悩む場面も見られたが下値は限定的だった。日経平均株価が堅調に推移するなか、午後から買いが再び強まり、一時152.54円と本日高値を更新した。
・ユーロ円も強含み。総じてドル円につれた展開となり、日本株高も支えに一時165.92円まで値を上げた。また、豪ドル円は100.64円まで上昇している。豪準備銀行(RBA)は予想通り金融政策の現状維持を明らかにし、声明では金融引き締めを継続する姿勢を示したが豪ドル相場への影響は限定的だった。
・ユーロドルは小動き。米大統領選を控えて全般様子見ムードが広がり、1.0873-81ドルの狭いレンジトレードとなった。
・日経平均株価は3営業日ぶりに反発。先週末に大きく下落した反動から連休明けの株式相場は序盤から買いが強まった。株価指数先物に海外勢と見られる断続的な買いも入り、指数は一時570円高近くまで上げ幅を広げた。なお、本日より東京証券取引所の株式取引終了時間が15時30分に延長されている。
・債券先物相場は反発。昨日米国債が買われた流れを引き継いで小高く始まるも、その後は本日から投開票が予定されている米大統領選を前に様子見ムードが広がった。
タイ国家船主協会は5日、2024年のタイの輸出成長率が2%を超える可能性があると発表した。これは以前の予測を上回る見通し。1月から9月の輸出は前年同期比3.9%増加し、第4四半期も成長が続くと予想されている。政府は今年の輸出成長率目標を2%に設定し、輸出額は過去最高の2900億ドルに達する見込みだが、第4四半期のバーツ高による為替損失の可能性も指摘されている。協会は33.5-33.8バーツのレートを管理可能と考えている。
中国の李強首相は中国国際輸入博覧会の開幕式で、自由貿易区の強化と他国との投資協定の模索を表明した。通信や医療分野での外国投資アクセス拡大も予告し、対外開放が世界的な一国主義に対抗する「必須」策だと強調。また、今年の経済成長目標達成に自信を示し、財政・金融政策のツールがあると述べた。この博覧会は、中国の自由貿易の信頼性を高め、貿易黒字批判に対抗するために2018年に習近平国家主席が開始したものであり、今年は152カ国・国際機関から約3500の出展者が参加する予定だ。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
RBAはインフレの根強さを意識、しばらくは現行姿勢の維持を見込む
豪ドルの対米ドル相場は上下双方に動意の乏しい展開となる可能性、対日本円相場にも影響しよう
オーストラリア準備銀行(RBA)は、5日の定例会合で政策金利を8会合連続で4.35%に据え置いた。米FRBをはじめとする主要国中銀が利下げに動く流れが広がるなか、足下のインフレは政策効果も影響して下振れする一方、コアインフレは依然目標域を上回る推移が続くなかでRBAは慎重姿勢を維持した。また、足下では跛行色が一段と鮮明になるも不動産価格は依然上昇基調が続く。こうしたなか、RBAは基調インフレが高すぎるとした上で、持続的に目標域に回帰するのは2026年になるとの見方を示すとともに、長期に亘って現行の引き締め策を維持する考えを示した。ブロック総裁もしばらく抑制的なスタンスを維持する必要があるとの認識を示すなど、「タカ派」姿勢をあらためて強調した。足下の豪ドルの対米ドル相場は、米ドル高の再燃を反映して上値の重い状況が続いているが、RBAのタカ派が意識される形で動意の乏しい展開となる可能性が高まっており、当面は日本円に対しても同様に動意の乏しい展開が続くと見込まれる。
BNPパリバ証券では、11月15日公表予定の7-9月期(3Q)GDP速報値に関して、実質GDPは前期比+0.1%、年率では+0.4%と、小幅なプラス成長にとどまると予想している。2Q(確定値)は前期比+0.7%と、自動車セクターの認証不正問題の影響が和らいだことで、1Qの落ち込みから大きく持ち直したが、3Qは自然災害の影響で個人消費が抑制されたほか、設備投資も伸び悩んだとみている。もっとも、概ね予想通りの結果であれば、実力対比ではとりわけ低い成長ということでもないとBNPパリバではコメント。タイトなマクロ需給環境を背景に価格引き上げの動きは続いており、名目GDPは引き続き高めの伸びになると予想している。
中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会は4日、隠れ債務の借り換えに向けて地方政府の債務上限を引き上げる議案を審議した。財政部の藍仏安部長が国務院の委託を受けて議案を説明した。国営新華社が4日伝えた。
藍部長は10月12日の記者会見で、地方政府にかかる債務圧力を軽減するため、毎年継続する専項債(インフラ債)の新規増加分とは別に、地方政府が抱える隠れ債務を置き換える大規模な債務の限度額を一時的に追加すると発表していた。
『21世紀経済報道』は、地方政府の隠れ債務処理を巡っては意見が大きく二つに分かれ、特別国債や増発国債と置き換える方法と、地方政府が発行する債券で借り換える方法が挙がっていたと指摘。国務院が提出した議案名に「地方政府債務限度額」とあるところから、地方政府債の発行による借り換えを選択した公算が大きいとの見方を示した。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
OPECプラスは有志国の自主減産1ヶ月延長(12月末まで)で合意
有志8ヶ国の自主減産は12月末まで再延長も、再度の延長に追い込まれる可能性はくすぶる
主要産油国の枠組であるOPECプラスは、11月末までとした有志8ヶ国(サウジアラビア、ロシア、イラク、アラブ首長国連邦、クウェート、カザフスタン、アルジェリア、オマーン)による自主減産を1ヶ月延長して12月末とすることで合意した。OPECプラスによる協調減産と自主減産は長期化する一方、枠外の産油国による増産のほか、中国の景気減速などが意識されて国際原油価格は上値の重い展開が続く。他方、世界の産油量に占めるOPECプラスの割合は半分を下回るなど存在感が低下しており、枠内でも増産を主張する国が出るなど枠組の瓦解が懸念された。よって、先月の合同閣僚監視委員会(JMMC)では12月からの自主減産の段階的縮小を確認するなど、価格維持政策からの転換が意識された。しかし、足下では中国景気を巡る不透明感がくすぶるなかで国際原油価格は上値の重い展開が続いており、自主減産の延長による価格維持政策の継続を決定した。米大統領選の行方如何では自主減産の再延長に追い込まれる可能性は考えられる。
第一生命経済研究所では、10月の米雇用統計を受けてリポートしている。10月は非農業部門雇用者数の増加ペースが市場予想を下回ったものの、ハリケーン襲来やストライキの影響で急激な鈍化が予想されていたほか、両者の影響を受け難い失業率が4.1%と表面的には前月と変わらずとなったことから、労働市場は急激に悪化していないとの見方が維持された。ただし、10月の失業率は労働参加率の低下によって上昇を回避していることから、労働市場は緩やかに軟化していると第一生命では指摘。インフレが9月にかけて鈍いながらも低下傾向をたどっていることから、FRBは11月のFOMCで25bpの利下げを実施し、労働市場の一段の軟化回避を目指すと予想している。
大阪12月限
日経225先物 38660 +540 (+1.41%)
TOPIX先物 2673.5 +28.5 (+1.07%)
日経225先物(12月限)は前日比540円高の3万8660円で取引を終了。寄り付きは3万8480円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8375円)を上回り、買いが先行した。その後軟化し、現物の寄り付き直後には3万8160円まで上げ幅を縮めた。ただし、プラス圏をキープしたことで、売り一巡後は先週末の大幅な下落に対するショートカバーとみられる動きが強まり、前場終盤にかけて3万8560円まで買われた。後場は3万8500円~3万8600円辺りで保ち合い、終盤にかけて下値を切り上げ一時3万8680円まで買われた。
日経225先物は開始直後に軟化したものの、200日移動平均線(3万8110円)が支持線として機能する形となった。その後のリバウンドで、前週末の下落に対する半値戻しの水準を回復している。自律反発の域は脱していないが、5日投開票の米大統領・議会選挙を前に積極的にポジションを傾けてくる動きは考えにくく、200日線と25日線(3万8800円)に挟まれたレンジ内での推移だった。
なお、東証は現物株にクロージング・オークションと呼ぶ時間帯を15時25分から30分に設けており、この5分間は、株価は動かずに注文のみ受け付ける板寄せ方式を採用。日経平均株価はこの5分間で3万8556.26円から3万8474.90円に軟化して終えた。日経225先物はこの影響で3万8540円を付けたが、その直後にはショートカバーで3万8680円まで買われた。5分間とはいえ、クロージング・オークションの短期的な影響は今後も表れそうだ。
グローベックスの主要な米株先物は、小幅ながらプラス圏で推移している。米大統領選の世論調査では、ハリス副大統領とトランプ前大統領の支持率が拮抗しており、結果判明には時間がかかるとみられている。開票が進むごとに短期的なトレードによって、明日は荒い値動きをみせることになろう。また、国内ではファーストリテイリング <9983.T> [東証P]が発表した「ユニクロ」の10月の国内既存店売上高が前年同月比7.5%減と、7カ月ぶりに減少した。ファーストリが日経平均型の重荷となる展開も想定しておきたい。
日経225先物は200日線と25日線によるレンジを想定しつつ、ブレイクの場合には、下はボリンジャーバンドの-3σ(3万7120円)、上は+2σ(3万9920円)辺りを意識しておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.46倍に上昇した。一時14.48倍を付けており、先週末に割り込んだ25日線(14.46倍)を上回る場面もみられた。ただし、リバランスが中心となるなか、同線を上回ってNTロングが強まる展開にはなりにくい状況であろう。米国市場で8日からダウ工業株30種平均の構成銘柄に採用されるエヌビディア<NVDA>の強い動きが継続するようだと、25日線突破からNTロングに振れやすくなりそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万0560枚、ソシエテジェネラル証券が7466枚、サスケハナ・ホンコンが2979枚、バークレイズ証券が2420枚、JPモルガン証券が1397枚、野村証券が1334枚、SBI証券が1184枚、ゴールドマン証券が1154枚、モルガンMUFG証券が1146枚、楽天証券が924枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万7224枚、ソシエテジェネラル証券が1万5575枚、バークレイズ証券が6654枚、JPモルガン証券が3480枚、モルガンMUFG証券が3026枚、サスケハナ・ホンコンが2716枚、ゴールドマン証券が2411枚、ビーオブエー証券が1342枚、みずほ証券が1272枚、シティグループ証券が1100枚だった。
NYタイムは、投開票を迎える米大統領選の結果を見据えた神経質な展開が想定される。手控え感のあるなかで流れる関連報道や、思惑を背景としたフローで荒れた動きになるリスクに注意したい。
トランプ氏優位の見方に傾きつつあったなか、一部激戦州でハリス氏が優位になってきたとの報道がドルの上値を重くしている感もある。しかし結果が出るまで決め打ちができない状態であり、判明まで時間がかかる可能性も高い。
また、激戦による関連報道の過熱がもっともビジネス上で好ましいメディアによる煽りも想定できる。ハリス氏の経歴やこれまでの職務内容についての報道は同氏にとって不利に働く可能性もあるとして、接戦を演出するために伝えるのを回避しているとの憶測もある。
いずれにしろ、不確定な情報をもとに思惑を傾けることにはリスクがあり、基本的には様子見とならざるをえない。ギャンブルに出ると、安値を売り込んでしまったり、高値を掴んでしまったりといった事態に陥りかねない。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、1日高値153.09円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、10月23日安値151.03円。
今晩はもみ合いか。昨日は週内の米大統領選投開票や米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を控えた様子見姿勢が強まり、主要3指数がそろって下落した。ダウ平均が一時、404ドル安まで下落後、257.59ドル安(-0.61%)で終了し、S&P500とナスダック総合は先週末終値を挟んでもみ合ったが、それぞれ0.28%安、0.33%安で終了した。引け後の動きでは予想を上回る決算や強い見通しを発表したパランティア・テクノロジーが時間外で約14%高と急伸。一方、弱い見通しが嫌気されたNXPセミコンダクターズNVが時間外で約6%下落した。
今晩は米大統領選などを控えた様子見継続か。本日投開票の米大統領選ではハリス副大統領とトランプ前大統領の大接戦が伝えられており、結果判明には相当な時間がかかる見通しで、選挙結果待ちの神経質な展開が予想される。7日に結果が公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利下げが確実視されているが、声明文やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長記者会見から先行きの追加利下げのヒントを探ることになる。FOMC結果公表を控えて様子見姿勢も強まりそうだ。寄り後に発表される10月ISM非製造業総合指数(PMI)などの経済指標や決算発表をにらんだ神経質な展開となりそうだ。
今晩の経済指標・イベントは10月ISM非製造業PMIのほか、9月貿易収支、10月S&P グローバル総合・サービス業PMI確定値、米10年債入札など。企業決算は寄り前にデュポン・ド・ヌムール 、ヤム・ブランズ、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド、マラソン・ペトロリアム、引け後にアシュラント、デボン・エナジーなどが発表予定。
日経平均株価は大幅反発。寄り付きからじり高の展開となり、前日の陰線高値を一時上回る陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の37.8%→50.8%(11/5)へ上昇。75日移動平均線(37940円 11/5)をサポートに反発する格好となった。
現時点では、10/30まで続いた連続陽線の反動安、10月からのもみ合いの範ちゅうであるが、終値ベースで10/2安値(37808円)を下回ると37000円どころまで調整が長引く可能性が高まる。
上値メドは、10/31安値(38832円)、心理的節目の39000円や39500円、10/15安値(39910円)などがある。下値メドは、75日移動平均線や10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)、9/9安値(35247円)などがある。
米財務省によると、10年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.347%、応札倍率(カバー)が2.58倍となった。
(5日終値:6日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=151.68円(5日15時時点比▲0.74円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=165.78円(▲0.03円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0930ドル(△0.0052ドル)
FTSE100種総合株価指数:8172.39(前営業日比▲11.85)
ドイツ株式指数(DAX):19256.27(△108.42)
10年物英国債利回り:4.530%(△0.072%)
10年物独国債利回り:2.425%(△0.030%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月スイス失業率
2.5% 2.5%
9月仏鉱工業生産
(前月比) ▲0.9% 1.1%・改
10月英サービス部門PMI改定値
52.0 51.8
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。本日の米大統領選の結果に注目が集まる中、ポジション調整目的のドル売りが優勢となった。2時30分過ぎには一時151.60円と日通し安値を更新した。市場では「民主党のハリス副大統領、共和党のトランプ前大統領の支持率は依然として拮抗しており、予断を許さない情勢との見方から、この日は持ち高調整の商いが中心となっている」との声が聞かれた。
なお、24時発表の10月米ISM非製造業景況指数が56.0と予想の53.8を上回ったことが分かると買い戻しが優勢となり、152.19円付近まで下げ渋る場面もあった。
・ユーロドルは堅調。市場の関心が米大統領選に向かう中、しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、NY勢が本格参入したあとはポジション調整目的のドル売りが優勢となった。前日の高値1.0915ドルを上抜けると一時1.0933ドルまで上値を伸ばした。
米ISM非製造業景況指数が予想より強い内容だったことが分かると、伸び悩む場面もあったが、下押しは限定的だった。市場では「6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%利下げ予想を動かす内容ではない」との指摘があった。
・ユーロ円は一進一退。22時前に一時165.98円まで上げたものの、ドル円の下落につれた売りが出ると165.53円付近まで下押しした。ただ、そのあとはユーロドルの上昇につれた買いが入り一時166.04円と日通し高値を更新した。
・ロンドン株式相場は3営業日ぶりに小反落。米大統領選の投開票や7日の英中銀金融政策委員会(MPC)を前に持ち高調整の売りが出た。半面、押し目買いなども入りやすく上昇に転じる場面もあった。BAEシステムズやアシュテッド・グループなど資本財サービス株が買われた一方、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られた。
・フランクフルト株式相場は反発。しばらくは前日終値付近でのもみ合いが続いていたが、良好な米経済指標をきっかけに米国株が上昇すると独株にも買いが波及した。個別ではハイデルベルク・マテリアルズ(2.74%高)やラインメタル(2.56%高)、MTUエアロ・エンジンズ(2.16%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落した。
5日の日経平均は3日ぶり大幅反発。終値は421円高の38474円。三連休前の1日に1027円安と4桁の下落となったが、連休の間の米国株は比較的落ち着いていたことから、200円超上昇して始まった。序盤では高く始まっても気迷いムードが強かったが、下値不安が後退したことで、次第に上方向への勢いを強める展開。38500円台に乗せたところでは値動きが落ち着いてきたものの、強い基調は崩れず、後場には38600円台に乗せる場面もあった。
本日から取引時間が30分延長となったが、15時以降の動意は限られた。38556.26円でいったん動きが止まって15時25分からクロージング・オークションに突入し、やや値を消して38474.90円で取引時間変更初日の取引を終えた。グロース250指数は買い先行からマイナス圏に沈んだ後、終盤に一時プラス圏に浮上したが、買いが続かず小幅な下落で終了した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆0400億円。業種別では証券・商品先物、非鉄金属、卸売などが上昇した一方、その他製品、空運、サービスなどが下落した。上方修正と増配を発表したオルガノ<6368.T>がストップ高。前場にストップ高で寄り付き、後場の取引時間中は張り付いて値が付かなかった。半面、後場に上期決算を発表した三菱重工業<7011.T>は、増益着地ではあったものの市場の期待には届かず、発表後はマイナス圏が定着して2%を超える下落となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり983/値下がり620。ファーストリテイリングが2%近い上昇。ディスコが4%高となるなど、値がさ株の動きが良かった。ドル円の落ち着きを手がかりにマツダ、SUBARU、三菱自など自動車株が大幅上昇。上方修正と増配を発表したサンリオが12.8%高となり、全市場の売買代金ランキングでトップ10入りした。業績関連では住友電工、東京精密、ヤマシンフィルタなども急伸。上場20周年記念配当など株主還元強化策が好感されたエフ・シー・シーが、一時ストップ高となるなど値を飛ばした。
一方、任天堂やリクルートなどグロース系の一角が大幅安。主力どころでは日立、フジクラ、ソフトバンクGなどが弱かった。上期減益のJALが売りに押され、ANAHDも連れ安。上期減益着地のワークマンが4%安となり、下方修正を発表したヤマハやDMG森精機が2桁の下落率となった。
日経平均は大幅上昇。1日の下げ分(1027円安)は埋められなかったが、半分程度は戻した。市場予想を下回る米10月雇用統計を受けても円高(ドル安)加速とはならなかったことで、悲観に傾きすぎた分の修正が入った。
本日、米国では大統領選の投開票が実施される。そして、開票に絡むニュースをあすの東京市場で一足先に消化することになる。ただ、大接戦が伝わっており、結果の判明には日数を要するかもしれない。取引時間中に大勢が決したとしても、米国マーケットの反応を見極めたい局面だけに、あすは不安定な動きが続くだろう。
国内ではトヨタ<7203.T>とホンダ<7267.T>の自動車大手が後場の取引時間中に決算を発表する予定。米国では6日~7日の日程でFOMCが開催されるが、FRBの0.25%利下げに対する織り込みは進んでいる。日本の衆院選には当てはまらなかったが、「選挙は買い」のアノマリーで大統領選通過後に米国株が強含むのであれば、ドルは買われやすくなる。米国の重要イベントを消化して円高(ドル安)がそれほど進まないのであれば、日本の自動車株には見直し余地が出てくる。大手2社の決算が自動車株の買い安心感を高める材料となる展開に期待したい。
(5日終値)
ドル・円相場:1ドル=151.62円(前営業日比▲0.51円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=165.73円(△0.25円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0930ドル(△0.0052ドル)
ダウ工業株30種平均:42221.88ドル(△427.28ドル)
ナスダック総合株価指数:18439.17(△259.19)
10年物米国債利回り:4.27%(▲0.01%)
WTI原油先物12月限:1バレル=71.99ドル(△0.52ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2749.7ドル(△3.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月米貿易収支
844億ドルの赤字 708億ドルの赤字・改
10月米サービス部門PMI改定値
55.0 55.3
10月米総?⑰MI改定値
54.1 54.3
10月米ISM非製造業指数
56.0 54.9
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続落。本日の米大統領選の結果に注目が集まる中、ポジション調整目的のドル売りが先行。市場では「民主党のハリス副大統領、共和党のトランプ前大統領の支持率は依然として拮抗しており、予断を許さない情勢との見方から、この日は持ち高調整の商いが中心となっている」との声が聞かれた。
24時発表の10月米ISM非製造業景況指数が56.0と予想の53.8を上回ったことが分かると152.19円付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。好調な米10年債入札を受けて米長期金利が低下に転じた影響もあり、5時前には一時151.34円と10月23日以来の安値を更新した。
・ユーロドルは続伸。市場の関心が米大統領選に向かう中、NY勢が本格参入したあとはポジション調整目的のドル売りが優勢となった。米10年債利回りが低下に転じたこともドル売りを促し、前日の高値1.0915ドルを上抜けて一時1.0937ドルと10月14日以来の高値を付けた。
なお、米ISM非製造業景況指数が予想より強い内容だったことが分かると、伸び悩む場面もあったが、下押しは限定的だった。市場では「6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%利下げ予想を動かす内容ではない」との指摘があった。
・ユーロ円は小反発。24時前に一時165.53円付近まで下押ししたものの、1時30分過ぎには166.04円と日通し高値を付けた。もっとも、そのあとは165.44円付近まで押し戻されるなど、一進一退の動きとなった。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。米大統領選の結果を見極めたい雰囲気が強く、しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、10月米ISM非製造業指数が予想を上回ったことをきっかけに買いが強まった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発。ダウ平均に採用が決まったエヌビディアがこの日も買われた。
・米国債券相場で長期ゾーンは小幅続伸。10月米ISM非製造業景況指数が予想を上回ると売りが先行したものの、好調な米10年債入札をきっかけに買いが強まると上げに転じた。
・原油先物相場は5日続伸。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国のロシアなど主要産油国で構成する「OPECプラス」による自主減産の縮小延期が引き続き相場を下支え。また、外国為替市場でドル安が進み、ドル建てで決済される原油相場の割安感を手掛かりにした買いも入った。
・金先物相場は4日ぶりに小反発。米大統領選挙の結果待ちで様子見ムードが強かったものの、対ユーロなどでドル安が進んだため、ドル建てで取引される金の割安感が意識された。
5日09:54 玉木国民民主党代表
「目先の金融政策で為替を動かそうとしても表面的だ」
「円安はデジタル貿易赤字是正や原発再稼働など構造的なアプローチが必要」
5日12:34 オーストラリア準備銀行(RBA)声明
「長期的なインフレ期待はインフレ目標と整合的であり、この状態を維持することが重要」
「ヘッドラインインフレは大幅に低下し、しばらくの間は低下したままが見込まれるが、基調インフレは依然として高すぎる」
「11月の予測は、インフレ率が持続的に目標範囲に入り、中央水準に近づくまでにはまだ時間がかかることを示唆」
「インフレの上振れリスクに引き続き警戒する必要性」
「インフレ率が持続的に目標範囲に向かうと理事会が確信するまで、政策は十分に制限的である必要」
「引き続きデータとリスク評価の変化に基づいて決定を下す」
「インフレ率を目標に戻すために必要なことを行う」
「インフレ率が目標の中央値に持続的に回復するのは2026年」
「様々な指標は労働市場の状況が引き続き逼迫していることを示唆」
5日13:36 ブロックRBA総裁
「インフレ抑制の仕事、最後の部分は容易ではない」
「金利は当面、景気抑制的に維持する必要がある」
「インフレは、上振れリスクまだあると認識」
「経済が予想以上に落ち込めば行動する用意がる」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ☆ 9月19-20日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
<海外>
○06:45 ◎ 7-9月期ニュージーランド(NZ)失業率(予想:5.0%)
◎ 就業者数増減(予想:前期比▲0.4%/前年比0.1%)
○16:00 ◎ 9月独製造業新規受注(予想:前月比1.5%/前年同月比▲2.1%)
○17:50 ◎ 10月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:48.3)
○17:55 ◎ 10月独サービス部門PMI改定値(予想:51.4)
○18:00 ◎ 10月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:51.2)
○18:30 ◎ 10月英建設業PMI(予想:55.5)
○19:00 ◎ 9月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.6%/前年比▲3.5%)
○20:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:5.75%で据え置き)
○23:00 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、あいさつ
○23:30 ◎ デギンドスECB副総裁、講演
○24:00 ◇ 10月カナダIvey購買部協会景気指数
○7日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○7日02:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○7日03:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○7日03:00 ◎ 10月ブラジル貿易収支(予想:49.76億ドルの黒字)
○7日06:30 ☆ ブラジル中銀、政策金利発表(予想:11.25%に引き上げ)
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
5日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米長期金利が低下したことや米大統領選の開票前のポジション調整のドル売りで151.34円まで下落した。ユーロドルはポジション調整のドル売りで1.0937ドルまで上昇した。ユーロ円は166.04円まで上昇した後、165.44円付近まで押し戻された。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米大統領・上下両院議会選挙の開票状況を見極めていく展開となる。
波乱要因として、次期大統領と上下両院議会の勢力図が異なるネジレ議会となる場合や選挙結果に対して法的な異議申し立てが行われる場合なども想定しておきたい。
先週までの市場動向は、「レッド・スウィープ」(トランプ大統領誕生・上下両院で共和党が勝利)を念頭に置き、トランプ候補の関税引き上げ、減税や大規模財政支出によるインフレ加速懸念(トランプ・フレーション)から、トランプ・トレード(米国債売り・ドル買い)が活発化していた。ドル指数は4カ月ぶりの高水準を記録し、米10年債利回りは4.38%台まで上昇していた。
しかし、激戦7州の有権者の投票行動への警戒感から、トランプ・トレードの一部巻き戻しとなっており、米10年債利回りは4.30%を割り込み、ドル円は、長期的な攻防の分岐点である200日移動平均線を一時割り込んできている。
「レッド・スウィープ」となった場合、以下のような公約の実現が予想される。
・個人所得税の最高税率引き下げ(時限措置)を延長または恒久化
・キャピタルゲイン課税は変わらず、法人税減税を検討
・規制監督はエネルギーと金融を中心に緩和
・輸入品目に新たな関税を賦課(中国60%、その他10%)
地政学リスク関連では、ウクライナへの軍事支援に消極的なためウクライナの敗北の可能性が高まり、イスラエルにイラン核関連施設への攻撃を煽っていたため、第5次中東戦争の可能性が高まることになる。
トランプ候補が勝利宣言を出すような状況になった場合、「噂で仕掛けて、事実で手仕舞え」となり、トランプ・トレードの手仕舞いとなるのか、それともトランプ・トレードが再開するのか要警戒となる。
ドル円が155円を上抜けて160円方向へ上昇していった場合、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒しておきたい。
「ブルー・スウィープ」(ハリス大統領誕生・上下両院で民主党が勝利)」となった場合は、以下のような公約の実現が予想される。
・個人所得税の最高税率は引き上げ、高所得層のキャピタルゲイン課税を引き上げる
・法人税増税を検討、現行の関税は継続する
ハリス候補が勝利宣言を出した場合、トランプ・トレードの手仕舞いが予想されるものの、減税と財政出動を公約に挙げているため、ドルの下値は限定的だと思われる。
参考までに、複数の米メディアが「大統領選予測のノストラダムス」と呼ぶアメリカン大学のアラン・リクトマン特別栄誉教授は、ハリス副大統領の勝利を予測している。リクトマン教授は、1984~2020年の米大統領選で、ほぼすべての予測を的中させた歴史家だが、連勝記録が2024年まで伸びるのだろうか。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38980 +320 (+0.82%)
TOPIX先物 2696.0 +22.5 (+0.84%)
シカゴ日経平均先物 38970 +310
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
5日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米大統領・議会選挙は接戦が予想され、結果を見極めたいとするムードは強かったが、結果判明後は政策期待が高まりやすいとして買い優勢の相場展開になった。また、10月の米ISM非製造業総合景況指数は56.0と市場予想(53.8程度)に反して前月(54.9)から上昇し、2022年7月以来の高水準だった。個別指数では雇用が53と活動の拡大と縮小の境目となる50を上回る水準に改善したことがポジティブ視された。
前日に下げが目立ったインテル<INTC>やゴールドマン・サックス<GS>が買われ、NYダウを牽引する形となった。また、エヌビディア<NVDA>やマイクロン・テクノロジー<MU>、ブロードコム<AVGO>など半導体株が買われた。S&P500業種別指数はすべてのセクターが上昇しており、自動車・同部品、半導体・同製造装置、資本財、小売、運輸の強さが目立った。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比310円高の3万8970円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比20円安の3万8640円で始まった。その後は3万8540円を安値に3万8540円~3万8660円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後からロング優勢の動きをみせ、中盤にかけて一時3万9100円まで買われる場面もみられた。中盤以降は3万8920円~3万9050円で保ち合い、3万8980円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。ただし、米大統領の開票結果を睨みながらの展開になるため、グローベックスの米株先物や金利、為替市場の動きに過度な反応をみせる可能性はある。とはいえ、大統領選通過後は先高期待が高まりやすいとみられ、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせることになるだろう。
日経225先物はナイトセッションで3万9100円まで買われ、直近で抵抗線として意識されていた25日移動平均線(3万8840円)を上回ってきた。買い一巡後に膠着感が強まる場面がみられたとしても、同線水準での底堅さが意識される可能性はありそうだ。ボリンジャーバンドの+1σ(3万9370円)のほか、10月31日の戻り高値3万9720円が射程に入ってくることで、ショートカバーを誘う展開になろう。
大統領選を通過したとしても、6~7日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、積極的な売買が手控えられる可能性はある。ただし、0.25%の利下げがコンセンサスであり、前週末の米雇用統計の結果から据え置きの可能性は低いだろう。
そのため、オプション権利行使価格の3万8875円を中心とした上下の権利行使価格3万8375円から3万9375円と広めのレンジを想定する。ボラティリティの高い展開のなかでスキャルピング中心のトレードになりやすい面はあるが、押し目待ち狙いのロング対応となる。
5日の米VIX指数は20.49(前日は21.98)に低下した。不安心理の高まりを示す20.00を上回っての推移が続いているが、支持線として意識されている25日線(20.16)に接近してきた。米大統領選の結果判明後にリバウンドを強める場面がありそうだが、反対に支持線を割り込むようだと、一気にリスク選好に傾く可能性がある。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.46倍に上昇した。一時14.48倍を付けており、先週末に割り込んだ25日線(14.46倍)を上回る場面もみられた。リバランスが中心となるなか、同線を上回ってNTロングが強まる展開にはなりにくい状況だった。本日は米国市場でエヌビディアなど半導体株の強さが目立っていることもあり、25日線突破からのNTロングに振れやすくなりそうだ。
日本時間8時にインディアナ州とケンタッキー州で投票が締切られてからというもの、市場ではトランプウィンを前提とした相場展開となっています。選挙予想では定評のあるreal clear polticsが、トランプ287票、ハリス251票でトランプ勝利の予想を公表すると、一気に米金利が急騰。ドル全面高の様相を呈することになりました。
ドル円は早朝に昨日安値の151.34円を下抜けて一時151.30円まで値を下げる場面もみられましたが、その後は買戻しが加速。153.12円まで値を上げた後、一旦は152.65円まで下押したものの、スウィングステートの一つであるノースカロライナ州でトランプ勝利の予想が一部から報じられると再び買いが加速。米10年債利回りの4.4492%までの暴騰とともに10月28日の高値153.88円を上抜けて一時154.33円まで買い上げられることになりました。
市場参加者は、自動更新されるリアルクリアーポリティクスのサイトを睨みながらの取引となっていますが、市場では、激戦州として残る、ジョージア州や、ミシガン州、ペンシルベニア州、ウィスコンシン州のなかで一つでもトランプが勝利すれば、政権交代の可能性が高まるといった認識となっています。
いずれにしても、週明けにはカマラハリスが一転して逆転したのではとの思惑が高まっていただけに、早期のトランプ優勢の状況が市場に与える影響も、それだけ拡張されているといえます。ドル円は目先、7月30日の高値155.22円や7月18日の安値155.38円が上値の目処として意識されています。
日経225先物は11時30分時点、前日比690円高の3万9350円(+1.78%)前後で推移。寄り付きは3万8950円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8970円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。その後は軟化し、現物の寄り付き時には3万8690円まで上げ幅を縮める場面もみられた。ただし、売り一巡後はショートカバーとみられる動きが強まり、中盤にかけて節目の3万9000円を回復。その後は3万9000円を挟んでもみ合う形が続くなか、終盤にかけて上へのバイアスが強まり、3万9400円まで上げ幅を広げた。
日経225先物は現物市場の開始直後に3万8690円まで軟化したものの、その後は強い基調を継続している。米大統領選の開票結果が伝えられるなか、トランプ氏優勢との報道から、初動はショートを誘う形になったようだ。ただし、グローベックスの米株先物が強い動きをみせていたこともあり、大統領選通過後をにらんだ動きにより、ショートカバーのほか、押し目狙いのロングが優勢になったとみられる。ランチタイムでは3万9570円まで買われる場面もみられ、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9410円)を突破し、10月31日に付けた戻り高値3万9720円が射程に入ってきた。
NT倍率は先物中心限月で14.47倍に上昇した。25日移動平均線(14.46倍)を上回り、一時14.50倍まで上昇する場面もみられた。25日線水準を上回っての推移が続くようだと、NTロングが強まる可能性がありそうだ。
大統領選挙の速報でトランプ共和党候補の優勢が伝わっていることで、新興国通貨は対ドルで大幅安。
トランプ氏は大統領就任に際して、メキシコから輸入する自動車に対して高い関税を付加するとしている。これを嫌気してペソは対ドルで大幅に売られ、2022年8月以来となる20.6885ペソまでペソ安が進んだ。
トランプ氏は中国に対してもメキシコ同様な高い関税措置を課すとしているため、人民元(CNH)にも売りが入っている。もっとも中国主要国有銀行が人民元買いを行っていることで値動きは落ち着きはじめている。
また、親ロ、親中でもある南アも今後の米・南ア関係の悪化が予想され、南アの通貨ランドも売られて対ドルでは17.80ランド台まで弱含んだ。
「高圧経済の余地がある。日銀はもう少し政策変更せず、向こう半年利上げを急ぐべきではない」(玉木国民民主党代表)
1. イエレン第15代FRB議長の「高圧経済政策」
イエレン米財務長官は、労働経済学の専門家であり、2016年10月にイエレン第15代FRB議長として、『高圧経済(high-pressure economy)』政策構想を提唱していた。
イエレン第15代FRB議長は、2016年10月の講演「危機後のマクロ経済リサーチ」で、高圧経済政策構想を提唱した。イエレン第15代FRB議長は、労働経済学の専門家という視点から、需要不足という低圧経済状態が続けば正規雇用を抑制する必要が生じることから、労働投入量の減少供給能力は増加しにくいと指摘した。すなわち、「低圧経済」を「負の履歴効果」(=雇用のスラック(需給の緩み)として否定した。
そして、「高圧経済」を推進した場合、就労を諦めた無就業者が就労の機会を得ることが出来て、就労者もより良いポストに転職できる機会を得ることが出来ることから、リーマンショックのようなリセッション(景気後退)から脱却するには『高圧経済』政策が唯一の方策となり得ることを示唆した。
さらに、リセッション(景気後退)から脱却して「高圧経済」を実現するには、金融緩和政策と財政拡張政策の協調性を推奨した。
イエレン米財務長官は、第15代FRB議長時代の部下であるパウエル第16代FRB議長の「平均インフレ2%目標」の採用で雇用最大化までのゼロ金利政策と「バイデン・バズーカ砲」という大規模財政支出の金融・財政協調により、「高圧経済政策」を推進することでコロナ禍から脱却を目論んでいた。
2. 国民民主党の『高圧経済政策』
2024年10月27日に投開票が行われた第50回衆議院議員総選挙では、国民民主党が28議席を獲得して、第4党に躍進した。
国民民主党は、賃金が上がるまでは財源に目をつぶって積極財政と金融緩和の『高圧経済』をやると主張している。
■公約「給料・年金が上がる経済を実現」
「上げるべきは物価ではなく給料です。1996年をピークに長期的に下がり続けている実質賃金を上昇に転じさせ、『令和の好循環』をつくります。名目賃金上昇率が一定水準(物価上昇率+2%=当面の間4%)に達するまで、積極財政等と金融緩和による『高圧経済』によって為替、物価を適切に安定させ、経済低迷の原因である賃金デフレから脱却します。それまでの間、増税や社会保険料アップ、給付削減などによる家計負担増は行いません。『大規模、長期、計画的』な産業政策と、消費力を高める『家計第一の経済政策』により、分厚い中間層を復活させます」
玉木国民民主党代表の「名目賃金上昇率4%」は、日銀の追加利上げのロードマップの障害になる。
植田日銀総裁は、「政治家の立場がどうであれ、適切に金融政策運営を行う。今後、政策の正常化の規模はどの程度が適切か、合計利上げ幅を時間軸でどのように配分するのが最善かを考えている」と述べている。
本日のロンドン為替市場では、米大統領選の開票速報を受けてアジア序盤から見られた所謂「トランプ・トレード」が継続するかに注目。共和党候補のトランプ前大統領が優勢との報道から、米長期債が売られ(金利は上昇)、為替はドル高が進行した。トランプ氏の公約に関連した業界に資金が集まるとの期待感から、米株価指数先物も上値を伸ばしている。
ただし、ここからハリス民主党候補が盛り返すとの見方もあり、最終的な結果が判明するまでは予断を許さない状況は続きそうだ。なお執筆時点では、米議会選挙も上下両院ともに共和党が優勢のもよう。こちらも最終的に決着がつくまで時間がかかるとされ、もう暫く動向を見守る必要があるだろう。
ここから注意すべきは、「噂で買って、事実で売れ(Buy the rumor, sell the fact)」という格言の後半部分。米選挙が例え「レッド・スウィープ」(トランプ氏の勝利・上下両院で共和党が過半数)となった場合でも、トランプ氏が思い通りに立法できないという懸念は残る。上院共和党にはトランプ前大統領の弾劾裁判で有罪を支持した議員がまだ数名いるとされるからだ。そのため、一旦はポジションを手仕舞うというムードが広がるかもしれない。
なお欧州からは本日、改定値ではあるが仏独ユーロ圏の10月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)が発表予定。速報値から大きく上下に振れるようであれば、ユーロ相場の動意に繋がるかもしれない。ほか、複数の欧州金融当局者の講演が予定されているなかで、欧州午後のラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁のあいさつに注目したい。
想定レンジ上限
・ユーロドル、戻りめどは200日移動平均線1.0870ドル付近
想定レンジ下限
・ユーロドル、6月26日安値1.0666ドル。
ハリス氏がニューハンプシャー州で勝利したとAP通信が伝えた。
(6日15時時点)
ドル円:1ドル=153.74円(前営業日NY終値比△2.12円)
ユーロ円:1ユーロ=165.42円(▲0.31円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0759ドル(▲0.0171ドル)
日経平均株価:39480.67円(前営業日比△1005.77円)
東証株価指数(TOPIX):2715.92(△51.66)
債券先物12月物:143.78円(▲0.49円)
新発10年物国債利回り:0.980%(△0.050%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は急伸。米大統領選の結果を待つなか、151.91円まで上昇した後151.30円まで失速するなど序盤は神経質な動きとなった。ただ、トランプ氏優位との報道が伝わると、米長期金利の急上昇とともに一気に買いが優勢に。激戦州のひとつとされるノースカロライナ州でトランプ氏勝利との一部報道が伝わると一時154.33円まで買い上がられた。一巡後は利食い売りなどから153.10円台まで伸び悩んだが下値は限定的。こちらも激戦州とされるジョージア州やペンシルベニア州でトランプ氏勝利と報じられると154.38円まで再び値を上げた。
・ユーロドルは大幅下落。トランプ大統領誕生が現実味を帯びたことでドルが急騰。ユーロドルは一時1.0703ドルと6月28日以来の安値を付けた。また、ポンドドルは1.2850ドル、豪ドル米ドルは0.6513米ドル、NZドル米ドルは0.5912米ドルまでそれぞれ大きく値を下げた。
・ユーロ円は上値が重い。ドル円の上昇が支えとなり一時165.99円まで値を上げる場面があったが、次第にユーロドルが大きく下落した影響を受けて165.03円まで失速している。
・日経平均株価は大幅続伸。昨日の米ハイテク株の上昇を受けて東京市場でも半導体関連株が軒並み上昇した。米大統領選でのトランプ氏優勢を受けてドル円が急騰すると輸出関連銘柄にも買いが膨らみ、指数は1100円超高まで上げ幅を広げた。
・債券先物相場は反落。米大統領選でのトランプ氏優勢との報道を受けて時間外の米長期金利が上昇(債券売り)したことで日本国債もつれ安となった。
インド準備銀行(RBI)のダス総裁は6日、インドの経済活動が堅調であり、特に農業とサービス部門が好調だと述べた。一方で、インフレは依然として課題であり、次の金利決定は慎重に検討する必要があると指摘している。総裁は経済指標が混在しているものの、ポジティブな面がネガティブな面を上回っていると評価。しかし、食品価格の上昇によりインフレ率が加速しており、10月のインフレ率は「非常に高い」と予想している。RBIは先月、成長率予測を7.2%に据え置き、金融政策スタンスを「中立」に緩和したが、ダス総裁は即座の利下げを否定した。
第一生命経済研究所では、米国の10月ISM製造業景気指数を受けてリポートしている。10月の同指数(季節調整値)は前月比で0.7%ポイント低下した。新規受注、雇用が上昇したものの、生産、在庫の低下によって、米製造業部門の調整幅が拡大。接戦予想の米大統領・議会選挙を背景とした先行き不透明感の高まりなどによって企業が設備投資や在庫投資に消極的になり、製造業部門の停滞を示す結果になったとのこと。ただし、製造業景気指数は米国が景気後退に陥った時期の水準を依然として上回っており、米景気全体の悪化を示すものではないと第一生命では判断している。
ショルツ首相率いるドイツの連立政権は経済再生策をめぐる重要な局面を迎えている。社会民主党(SPD)、緑の党、自由民主党(FDP)の3党は、経済政策の方向性で対立しており、特にFDPは「決断の秋」と称して妥協を迫っている。連立政権は予算の穴埋めや経済政策の合意を目指し、本日6日に一連の会合を予定している。FDPは公共支出の削減や規制緩和を主張する一方、SPDと緑の党は政府支出の必要性を訴えている。連立崩壊の可能性も取り沙汰される中、3党とも世論調査で支持率が低迷しており、早期選挙のリスクも抱えている。経済の低迷が続くドイツにとって、この政策決定は重要な転換点となる可能性がある。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
ニュージーランド、雇用悪化確認でRBNZのハト派傾斜が強まるか
NZドルの対米ドル相場は上値の重い展開を予想、日本円に対しても同様の展開が続く可能性
ニュージーランドでは、インフレ鈍化に加えて景気の躓きが確認されるなかで中銀(RBNZ)はハト派姿勢を強める動きをみせている。その後もインフレはRBNZの想定を上回る鈍化が確認されたほか、企業マインドも景気の弱さを示唆する展開が続いている。さらに、7-9月の失業率は4.8%と4年ぶりの水準に悪化し、雇用者数も幅広い年代や分野で調整が確認されるなど、雇用環境は急速な悪化がうかがえる。RBNZは「金融安定性報告」で雇用悪化による住宅ローンの滞納増や企業の資金繰り悪化による投資減が景気悪化を招くリスクを指摘するなど、一段の金融緩和に動く可能性を示唆している。よって、27日に開催予定の次回会合で、RBNZは3会合連続の利下げに加え、利下げ幅の拡大に動く可能性も高まっている。米ドル高の再燃がNZドルの対米ドル相場の上値を抑えているが、当面はRBNZのハト派傾斜で同様の展開が続いて豪ドルと対照的な展開が続くと見込まれ、日本円に対しても同様の動きをみせる可能性が高まっている。
みずほ証券では、原油価格に関して、足元では中東情勢の緊迫化が緩和したことなどから弱含んでいるが、中国需要の伸び悩みを背景にOPECプラスが自主減産縮小の見送りを続ければ、下値は限定的と考えている。米国では2024年に毎月約300万バレルのペースで戦略石油備蓄(SPR)の補充が進ちょくしているが、バイデン政権のSPR補充価格の目標は1バレル=79ドル以下とされ、足元の原油価格はこれを下回っているとのこと。原油価格が下落すればSPR補充のための買い戻しが相場を下支えすると見込まれる。これらの点を踏まえてみずほでは、2025年前半までの原油価格の予想レンジを1バレル=60ドル~85ドルとしている。
大阪12月限
日経225先物 39700 +1040 (+2.69%)
TOPIX先物 2726.0 +52.5 (+1.96%)
日経225先物(12月限)は前日比1040円高の3万9700円で取引を終了。寄り付きは3万8950円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8970円)にサヤ寄せする形から買いが先行した。その後は軟化し、現物の寄り付き時には3万8690円まで上げ幅を縮める場面もみられた。ただし、売り一巡後はショートカバーとみられる動きが強まり、前場中盤にかけて節目の3万9000円を回復。その後は3万9000円を挟んでもみ合ったが、前場終盤にかけて上へのバイアスが強まり、ランチタイムで一気に3万9850円まで買われた。
買い一巡後は持ち高調整に伴うロング解消と、短期的なショートを交えながら、後場中盤に3万9160円まで軟化する場面もみられた。ただし、終盤にかけて再び上へのバイアスが強まると3万9790円まで上昇し、3万9700円で取引を終えた。
日経225先物は現物市場の開始直後に3万8690円まで軟化したものの、その後は強い基調を継続していた。米大統領選の開票結果が伝わり、トランプ氏優勢との報道から、初動はショートを誘う形になったようだ。ただし、グローベックスの米株先物が強い動きをみせていたこともあり、大統領選通過後を睨んだ動きにより、ショートカバーや押し目狙いのロングが優勢になったとみられる。
ランチタイムで3万9850円まで買われた後は、急ピッチの上昇に対する過熱感も警戒され、ショートを交えて3万9160円まで軟化したが、トランプ氏の勝利がほぼ確実視されて、終盤にかけて再びトレンドが強まった形だろう。
現物市場では指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均株価を牽引したほか、金融株の強さが目立った。為替市場では円相場が1ドル=154円台と円安に振れる場面もみられており、トランプトレードが入った形である。また、グローベックスではNYダウ先物が500ドルを超える上昇で推移しているほか、ナスダック100先物は250ポイント近く上昇していた。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万9420円)を突破し、10月31日に付けた戻り高値3万9720円も上回ってきた。今後は+1σを支持線に+2σ(3万9980円)と10月15日に付けた4万0300円が射程に入ってくる。週間形状では+2σ(4万0570円)がターゲットとして意識されてくることになる。
決算発表がピークを迎えて積極的には手掛けにくい状況であるが、上へのバイアスが強まるなか、インデックスに絡んだ商いによってトレンドを強めてきそうだ。また、本日の大幅上昇によってレバレッジ型ETFなどでヘッジ対応の動きも入ることで、指数を押し上げてくる可能性がある。
大統領選通過後は米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えているが、2大イベント通過後を睨んだロングが強まりやすいだろう。ボラティリティの高い状況で荒い値動きが続く可能性はあるが、調整が強まる局面では押し目狙いのロングに向かわせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.56倍に上昇した。25日移動平均線(14.46倍)を上回り、一時14.59倍まで上昇する場面もみられた。10月15日に付けた14.70倍を射程に入れて、NTロングが強まる可能性もある。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が3万6067枚、ソシエテジェネラル証券が2万2555枚、サスケハナ・ホンコンが8062枚、JPモルガン証券が4248枚、バークレイズ証券が4066枚、野村証券が2426枚、SBI証券が2360枚、ゴールドマン証券が2157枚、楽天証券が1718枚、松井証券が1535枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が3万9711枚、ソシエテジェネラル証券が2万6918枚、バークレイズ証券が6329枚、モルガンMUFG証券が6036枚、サスケハナ・ホンコンが5586枚、JPモルガン証券が4979枚、ゴールドマン証券が3127枚、ビーオブエー証券が2058枚、BNPパリバ証券が1145枚、UBS証券が815枚だった。
NYタイムは、東京タイム午前からすでに織り込み始めている米大統領選挙のトランプ氏勝利を見据えた「トランプトレード」を背景とするドル買い優位の展開が基本路線となるだろう。
ただ、人工知能(AI)を駆使したアルゴリズム取引で早々にトランプ勝利に関連した材料を相応に織り込んだ可能性もあり、次いで課題となってくる米債務問題によるドルの価値棄損などを意識した売りが思った以上に短絡的に進むリスクにも注意が必要となる。
短期投機的な取引を手掛ける市場参加者が、想定以上に「トランプトレード」を後押しとしたドル買いに利が乗ったとして、米債務状況の行方などをポジション取り崩しの理由づけとして利用する可能性も念頭に置いて臨みたい。
東京タイムはドル高を支援に対ドルでは円安が進んだことから、本邦輸出企業などのメリットに着目した株高も進みやすかった。しかし米株市場では米金利上昇が重しとして意識されるだろう。本邦株価の上昇と相まって円売りが支援されやすかった状況に変化が生じるパターンは想定しておいたほうがよいだろう。
午前3時の米30年債入札の結果にも注意したい。米債務状況の先行きへの不安から米金利が振れやすく神経質な状態のなか、入札は短期的な要因も含む債券需給が材料ではあるものの、米金利を上下させる要因になると考えられ、ドル相場への影響に留意する必要がある。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、7月30日高値155.22円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、1日高値153.09円。
今晩は堅調か。昨日は大統領選を控えて積み上がったヘッジ・ポジションの買い戻し期待が強まり主要3指数がそろって上昇。ダウ平均が427.28ドル高(+1.02%)、S&P500が1.23%高、ナスダック総合も1.43%高とそろって大幅反発した。S&P500の11セクターは一般消費財を筆頭に全11セクターが上昇し、投資家の不安心理を示すVIX指数が前日の21.98ポイントから20.49ポイントに低下するなどセンチメントも改善した。
今晩は堅調か。開票が進む米大統領選では勝敗を左右する一部の激戦州で共和党のトランプ前大統領の優勢が伝えられ、時間外取引ではダウ平均先物が500ドル超上昇するなど、トランプ氏の勝利を見越した動きとなっている。取引時間でもトランプ氏の優勢が続けばトランプ・トレードの一層の強まりが相場の押し上げ要因となりそうだ。
今晩の経済指標・イベントはMBA住宅ローン申請指数、EIA週間原油在庫など。企業決算は寄り前にCVSヘルスアメリカン・エレクトリック・パワー、引け後にギリアド・サイエンシズ、クアルコムなどが発表予定。
ドイツ小売協会(HDE)は今年のクリスマス商戦での売上が前年比1.3%増の1214億ユーロに達すると予測している。消費者信頼感は低迷にもかかわらず、ドイツ人のクリスマスプレゼント予算は平均297ユーロと昨年より2ユーロ増加している。しかし、非食品小売業者の53%は今年のクリスマス商戦が昨年より悪化すると懸念しており、HDE会長のフォン・プリーン氏は「11月と12月の売上が多くの小売業にとって重要であり、玩具小売業では年間売上の約4分の1を占める」と指摘。厳しい環境と不確実性が続く中、小売業界は慎重ながらも安定した売上を期待している。
トランプ氏の米大統領選勝利を受け、欧州のクリーンエネルギー関連企業の株価が急落している。トランプ氏が洋上風力発電プロジェクトの中止や気候変動政策の撤回を公約していたことから、投資家は米国の再生可能エネルギー支援策の解体を懸念。世界最大の洋上風力開発企業オーステッドの株価は10%下落し、風力タービンメーカーのベスタスとノルデックスもそれぞれ8%、6%下落している。アナリストは「不確実性が再び高まっている」と指摘している。
ベスタスとオーステッドは米国の緑のエネルギー需要は継続すると楽観的な見方を示しているが、トランプ氏の政策により、特に2029年以降に稼働予定の洋上風力プロジェクトに遅延が生じる可能性がある。
日経平均株価は大幅続伸。高寄りから上値を伸ばす展開となり、上げ幅が1000円を超える大幅高となった。高値に近い引けとなり、長い陽線を形成して39000円台を回復した。
RSI(9日)は前日の50.8%→66.0%(11/6)へ上昇。週初に75日移動平均線(37919円 11/6)をサポートに反発し、きょうは一気に25日移動平均線(38822円 同)上を回復する強い動きとなり、10/30の戻り高値を終値ベースで上回った。
依然として10月からのもみ合いの範ちゅうであるが、10/16の下げで開けたマド埋め(39910円)を通過点に4万円突破へ勢いづくかが注目される。
上値メドは、10/15安値(39910円)、心理的節目の4万円や40500円、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、25日移動平均線、200日移動平均線(38418円 同)、75日移動平均線、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)などがある。
ロシア中央銀行は6日、2024年第4四半期のGDP成長率を2-3%と予測し、第3四半期の3.2%から鈍化する見通しを示した。2022年に縮小したロシア経済は、現在ウクライナ紛争に関連する政府の大規模な軍事支出に依存しているが、経済の過熱を警戒する中央銀行は先月25日に政策金利を2.00%引き上げ21%とした。これはプーチン大統領の統治初期以来の高水準であり、ロシア経済は政府支出による成長と高金利政策のバランスを取る難しい局面に直面している。
米財務省によると、30年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.608%、応札倍率(カバー)が2.64倍となった。
(6日終値:7日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.66円(6日15時時点比△0.92円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=165.90円(△0.48円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0727ドル(▲0.0032ドル)
FTSE100種総合株価指数:8166.68(前営業日比▲5.71)
ドイツ株式指数(DAX):19039.31(▲216.96)
10年物英国債利回り:4.563%(△0.033%)
10年物独国債利回り:2.405%(▲0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月独製造業新規受注
(前月比) 4.2% ▲5.4%・改
(前年比) 1.0% ▲3.4%・改
10月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値
49.2 48.3
10月独サービス部門PMI改定値
51.6 51.4
10月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
51.6 51.2
10月英建設業PMI
54.3 57.2
9月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
(前月比) ▲0.6% 0.6%
(前年比) ▲3.4% ▲2.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は大幅高。5日投開票された米大統領選で共和党のトランプ前大統領の当選が確実になると、「トランプ・トレード」の動きが活発化。米国株相場は急上昇し、米国債は急落(金利は急騰)、ドルは主要通貨に対して大きく買われた。3時過ぎには一時154.70円と7月30日以来の高値を更新した。
なお、節目の155.00円や7月30日の高値155.22円、7月18日の安値155.38円がレジスタンスとして意識されると伸び悩む場面もあったが、下押しは限定的だった。
・ユーロドルは下落。トランプ氏の当選が確実となったうえ、同時に実施された米連邦議会選挙では共和党が上院の過半数を確保。米財政拡大やインフレ圧力の増大につながる政策が進みやすくなるとの観測から米長期金利が急騰し、為替市場ではドル買いが広がった。22時過ぎには一時1.0683ドルと6月27日以来の安値を更新した。米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.4768%前後と7月1日以来約4カ月ぶりの高水準を記録した。
ただ、急ピッチで下落した反動で利益確定目的のユーロ買い・ドル売りなどが入ると下げ渋った。1時過ぎには1.0745ドル付近まで下げ幅を縮めた。
・ユーロ円は底堅い動き。ユーロドルの下落につれた売りが先行すると、21時30分過ぎに一時164.93円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は一転上昇した。ドル円の上昇につれた買いが入ったほか、ユーロドルの下げ渋りにつれた買いが入り一時166.03円と日通し高値を付けた。米国株高に伴う円売り・ユーロ買いも出た。
・オフショア人民元(CNH)は対ドルで一時7.2096CNHと8月2日以来の安値を更新した。トランプ氏が当選確実となったことで、米中対立が深刻化するとの見方から中国株やCNHに売りが出た。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続落。反発して始まったものの、買いが一巡すると次第に売りが優勢となり終盤下げに転じた。米大統領選で欧州製品への関税引き上げなどを掲げる共和党のトランプ前大統領の当選が確実になったことで投資家心理が悪化。売りが優勢となった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は反落。続伸して始まったものの、買い一巡後は徐々に弱含んだ。米大統領選で欧州製品への関税引き上げなどを掲げる共和党のトランプ前大統領の当選が確実になったことで売りが優勢となった。
なお、フランスの株価指数は0.51%安、イタリアは1.54%安、スペインは2.90%安となった。
・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。
6日の日経平均は大幅続伸。終値は1005円高の39480円。米国株高を好感して、寄り付きから200円を超える上昇。東京時間でドル円が円安に振れたことから、前場では上げ幅を広げる流れが続いた。強い動きが米大統領選のトランプ氏優勢を織り込んでいるとの見方が強まり、前場は800円を超える上昇となって高値引け。後場は前引けから200円超水準を切り上げ、4桁高からのスタートとなった。
上げ幅を1100円超に広げ、39600円台に乗せたところで買いは一巡。13時近辺では失速感が出てきてしばらく値を消した。ただ、トランプ氏優位を伝えるニュースが相次いだことから14時以降は盛り返し、再び上げ幅を拡大。951円高(39426円)でクロージング・オークションに入り、やや上げ幅を広げて4桁の上昇で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で5兆6300億円と高水準。業種別では銀行、機械、その他製品などが上昇した一方、海運、水産・農林、電気・ガスなどが下落した。通期の利益および期末配当の見通しを引き上げたIHI<7013.T>が後場に買いを集めてストップ高。半面、通期の純利益見通しを引き下げたホンダ<7267.T>が、後場マイナス圏に沈んで6%を超える下落となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1099/値下がり486。米大統領選のトランプ氏優勢を手がかりに防衛関連が人気化。決算で跳ねたIHIだけでなく、三菱重工や川崎重工も値幅を伴った上昇となった。トランプ氏の政策が米金利上昇をもたらすとの見方から、三菱UFJや三井住友など銀行株が軒並み高。アドバンテストやディスコなど半導体株に強い動きが見られた。任天堂は通期見通しを下方修正したものの、悪材料出尽くし感から株価は好反応を示して5.8%高。ティラドやイトーキが業績関連のリリースを材料に急伸した。
一方、1Qの営業減益着地や米国法人のCEO退任発表が嫌気されたメルカリが16%安。決算を発表した日本郵船や川崎汽船の反応がさえず、商船三井も含めて海運大手3社がそろって逆行安となった。大真空やグンゼが決算を受けて急落。トランプ氏優勢報道で政策面で逆風が予想される銘柄が嫌われており、EV(電気自動車)関連のパナソニックや新エネルギー関連のエヌピーシーが大きく値を崩した。
日経平均は大幅上昇。大注目の米大統領選に関するニュースを消化しつつ、トランプ氏の勝利を織り込みながら、円安・株高の流れが強まった。本日の米国株高は先取りした格好となるが、米国では7日にFOMCの結果が出てくる。今回は0.25%の利下げが濃厚で、FRBも米大統領選直後のタイミングで市場を混乱させるようなメッセージは出さないと思われる。反動安に見舞われたとしても下値では買いが入りやすく、当面は楽観ムードの強い地合いが継続する公算が大きい。
きょうは値幅が大きくなる中で、プライムの売買代金も概算で5兆6300億円と商いが盛り上がった。米大統領選を通過するまでは売買を手控えていた投資家も少なくないと推測される。国内では引き続き注目度の高い企業の決算が多く出てくる。先高期待が強まる中で、あす以降も売買代金5兆円超えが続くかどうかに注目しておきたい。
(6日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.63円(前営業日比△3.01円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=165.91円(△0.18円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0729ドル(▲0.0201ドル)
ダウ工業株30種平均:43729.93ドル(△1508.05ドル)
ナスダック総合株価指数:18983.46(△544.29)
10年物米国債利回り:4.43%(△0.16%)
WTI原油先物12月限:1バレル=71.69ドル(▲0.30ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2676.3ドル(▲73.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲10.8% ▲0.1%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに大幅反発。5日投開票された米大統領選で共和党のトランプ前大統領の当選が確実になると、「トランプ・トレード」の動きが活発化。米国株相場は急上昇し、米国債は急落(金利は急騰)、ドルは主要通貨に対して大きく買われた。3時過ぎには一時154.70円と7月30日以来の高値を更新した。
節目の155.00円や7月30日の高値155.22円、7月18日の安値155.38円がレジスタンスとして意識されると伸び悩む場面もあったが、下押しは限定的だった。
・ユーロドルは3日ぶりに反落。トランプ氏の当選が確実になると米財政拡大やインフレ圧力の増大につながる政策が進みやすくなるとの観測から米長期金利が急騰し、為替市場ではドル全面高の展開に。22時過ぎに一時1.0683ドルと6月27日以来の安値を更新した。米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.4768%前後と7月1日以来約4カ月ぶりの高水準を記録した。
ただ、急ピッチで下落した反動で利益確定目的のユーロ買い・ドル売りなどが入ると下げ渋った。米30年債入札後に米長期金利が上昇幅を縮小した影響もあり、3時30分前には1.0758ドル付近まで下げ幅を縮めた。
・ユーロ円は小幅ながら続伸。ユーロドルの下落につれた売りが先行すると、21時30分過ぎに一時164.93円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は一転上昇した。ドル円の上昇につれた買いが入ったほか、ユーロドルの下げ渋りにつれた買いが入り一時166.10円と日通し高値を付けた。米国株高に伴う円売り・ユーロ買いも出た。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に続伸し、史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。5日投開票された米大統領選では共和党のトランプ前大統領の当選が確実となった。トランプ氏の掲げる減税や規制緩和などが景気を押し上げるとの期待から幅広い銘柄に買いが集まった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も大幅に続伸し、史上最高値で取引を終えた。トランプ氏と親しいイーロン・マスク氏関連の企業が大きな恩恵を受けるとの期待から、電気自動車(EV)のテスラが急騰した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに大幅反落。米大統領選で共和党のトランプ前大統領の当選が確実になると、米財政拡大やインフレ圧力の増大につながる政策が進みやすくなるとの観測から売りが膨らんだ。利回りは一時4.4768%前後と7月1日以来約4カ月ぶりの高水準を付けた。
・原油先物相場は6日ぶりに反落。米大統領選挙でトランプ候補の勝利が確実となり、外国為替市場でドル高が進行するとドル建てで決済される原油相場の割高感を手掛かりにした売りが先行。一時は69.74ドルまで下落し、70ドル台を割り込む場面も見られた。もっとも、一巡後は米国株式相場が大幅上昇となったことに伴い、株式とともにリスク資産とされる原油にも買いが入るとプラス圏に浮上。72.63ドルまで上値を伸ばし、昨日高値の72.67ドルに迫るなどやや荒い値動きとなった。
・金先物相場は反落。米大統領選挙でトランプ候補の勝利が確実となり、「トランプ・トレード」の動きが加速。米長期金利の大幅上昇とドル高が進んだ。金利を生まない資産であり、ドル建てで取引される金は割高感から売りに押され、一時は2660ドル台まで下押す場面も見られた。
ショルツ独首相は6日、リントナー財務相を解任した。
独ショルツ政権は内部の路線対立の深刻化により厳しい状況に立たされている。連立与党の一角、自由民主党(FDP)の連立離脱観測まで出ており、野党からは早期退陣を求める声も上がっているという。FDPが連立を離脱すれば議会が解散され、来年9月の総選挙が前倒し実施されるシナリオも浮上している。
6日08:54 9月19-20日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
「金融緩和の一段の調整は不確実性が低下した段階にするのが妥当」
「緩和的な金融環境を粘り強く続ける我慢の局面」
「見通しが実現していけば、政策金利引き上げを共有」
「実質金利は、マイナスで推移している」
「企業の資金調達コストは上昇しているが、総じてみればなお低水準で推移している」
「ある委員、現時点では本格的な引き締め政策への転換を連想させるような追加的な政策金利変更は望ましくない」
「1人の委員、今後の政策運営は下方リスクに十分配慮し、データを慎重に確認して進める必要」
「海外経済や市場動向が、日本経済や物価見通し等に及ぼす影響を見極める時間的な余裕ある」
「1人の委員、金融資本市場が不安定な状況で利上げすることはできない」
6日16:20 林官房長官
「為替市場の動向、緊張感をさらに高めて注視する」
「為替相場は安定的に推移することが重要だ」
6日16:33 トランプ米共和党候補
「これは政治的勝利」
「選ばれるという名誉を与えてくれたアメリカ国民に感謝」
「私はすべての市民のために戦う」
7日02:50 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「トランプ氏勝利で世界経済のリスクが高まる」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 9月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比3.0%)
<海外>
○07:00 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、議会証言
○09:30 ◇ 9月豪貿易収支(予想:53.00億豪ドルの黒字)
○未定 ◎ 10月中国貿易収支(予想:760.3億ドルの黒字)
○16:00 ◎ 9月独鉱工業生産(予想:前月比▲1.0%/前年同月比▲3.0%)
○16:00 ◇ 9月独貿易収支(予想:209億ユーロの黒字)
○16:00 ◎ 10月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比1.5%)
◎ コア指数(予想:前月比0.3%/前年比1.3%)
○16:35 ◎ ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁、講演
○17:10 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:2.75%に引き下げ)
○18:00 ◎ ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:4.50%で据え置き)
○19:00 ◎ 9月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.4%/前年比1.3%)
○19:45 ◎ エルダーソンECB専務理事、講演
○21:00 ☆ 英中銀(BOE)、政策金利発表(予想:4.75%に引き下げ)
○21:00 ☆ 英中銀MPC議事要旨
○21:00 ◎ 10月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前年比4.72%)
○21:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○21:00 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演
○21:30 ◎ ベイリーBOE総裁、記者会見
○22:30 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○22:30 ◇ 7-9月期米非農業部門労働生産性・速報値(予想:前期比2.3%)
○22:30 ◇ 7-9月期米単位労働コスト・速報値(予想:前期比1.0%)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.1万件/187.5万人)
○24:00 ◇ 9月米卸売売上高(予想:前月比0.2%)
○8日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:4.50-4.75%に引き下げ)
○8日04:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○8日05:00 ◇ 9月米消費者信用残高(予想:145.0億ドル)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
6日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、トランプ・トレードによる米10年債利回り上昇を背景に一時154.70円まで上昇した。ユーロドルは1.0683ドルまで下落後、1.0750ドル台まで下値を切り上げた。ユーロ円は164.93円から166.10円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、「レッド・スウィープ」(トランプ共和党候補&上下両院での共和党勝利)によるインフレ上昇懸念が高まる中での米連邦公開市場委員会(FOMC)の追加利下げ観測から上値が重い展開が予想される。
米大統領・上下両院議会選挙では、バイデン米政権の経済政策や物価高(バイデンフレーション)への不満から「レッド・スウィープ」の可能性(※上院は共和党が過半数を獲得したが、下院は開票中)が高まりつつあり、トランプ・トレード(米国債売り・ドル買い)が活発化している。
トランプ第47代米大統領は、米製造業保護の観点からドル安政策を標榜することが予想されるため、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入のハードルは低くなったと思われる。
昨日のドル円は154.70円まで上昇したが、155円台に乗せて160円に向けた上昇トレンドに拍車がかかるような局面では、円買い介入の可能性に警戒しておきたい。
直近の円買い介入の水準は、7月12日が159円台、7月11日が161円台、5月1日が157円台だった。
昨日から本日にかけて開催されているFOMCでは、0.25%の追加利下げ、そして12月のFOMCでも0.25%の追加利下げが見込まれている。
前回9月のFOMCで0.50%の利下げが決定された時の米10年債利回りは3.7%付近だった。現在の米10年債利回りは4.47%台まで上昇しており、トランプ・トレードで債券売りを主導している「債券自警団」(財政緊縮の道筋に回帰させようと債券を売る投資家)は、5%を目指しているらしい。参考までに、米連邦準備理事会(FRB)は、バランスシートの縮小という量的金融引締政策(QT)を行っており、月額250億ドルの米国債を売却中である。
また、米格付け会社ムーディーズは「どちらの候補が当選しても米国の財政状況は弱体化する可能性が高い」と指摘して、大統領選後に米国の信用格付けを引き下げることを警告していた。米国債格下げの可能性には警戒しておきたい。
トランプノミクス2.0では、関税引き上げ(中国60%、その他10%)、減税(個人所得税や法人税)と大規模な財政出動が見込まれており、物価は上昇(トランプ・フレーション)することが見込まれている。
しかし、パウエルFRB議長は、インフレ伸び率の鈍化や雇用情勢の悪化を受けて、利下げ路線を断行しつつある。パウエルFRB議長の記者会見では、天敵でもあるトランプ氏の復活とトランプフレーションの可能性を受けて、今後の利下げサイクルへの言及に要注目となる。
金利先物市場ではFRBが現在の利下げサイクルを来年6月時点のFF金利誘導目標3.75-4.00%付近で終了するとの見方が織り込まれている。
トランプ氏は、以前、大統領は金融政策について「発言権」を持つべき、すなわち、大統領が金利の変更について中銀トップ(※パウエルFRB議長)に意見を述べるのは妥当、との考えを示していた。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 40030 +330 (+0.83%)
TOPIX先物 2756.0 +30.0 (+1.10%)
シカゴ日経平均先物 40035 +335
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
6日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が大幅に上昇し、そろって最高値を更新した。5日投開票の米大統領選でトランプ前大統領が勝利し、連邦議会選挙では共和党が上院での多数派となった。トランプ氏が公約に掲げた減税や規制緩和が進むとの期待が高まり、幅広い銘柄に買いが入った。
トランプトレードが活発となり、ゴールドマン・サックス<GS>とJPモルガン・チェース<JPM>が10%を超える上昇。キャタピラー<CAT>など景気敏感株も買われた。アマゾン・ドット・コム<AMZN>、アルファベット<GOOG>、マイクロソフト<MSFT>など大型テック株やエヌビディア<NVDA>など半導体株が堅調。また、イーロン・マスク氏が全面的に支援してきたトランプ氏が勝利したことで、テスラ<TSLA>の上昇率は14%を超えた。S&P500業種別指数は自動車・同部品、銀行、各種金融が上昇した一方で、家庭用品・パーソナル用品、不動産、食品・飲料・タバコが下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比335円高の4万0035円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比90円高の3万9790円で始まり、4万0170円まで買われた。その後は軟化し、米国市場の取引開始直後には3万9440円と下落に転じる場面もみられた。しかし、米国市場の強い上昇を受けてリバウンド基調が強まり、終盤にかけて4万円を回復し、4万0030円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。前日に1000円超の上昇となり、ナイトセッションで4万円の大台を回復したため、いったんは達成感が意識されやすいところではある。10月15日に付けた4万0300円が目先的なターゲットになろうが、ボリンジャーバンドの+2σ(4万0120円)を捉えてきたことで、ここからの大幅な上昇に対しては過熱感が警戒されてくる。急ピッチの上昇によってレバレッジ型ETFなどのヘッジ対応の思惑が高まりやすい面はあるが、まずは4万円固めの動きを意識した押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
ボリンジャーバンドは今後拡大傾向をみせてくるとみられ、バンドに沿ったトレンド形成が期待される。+2σを明確に上放れ、10月の戻り高値を捉えてくる可能性はあるが、オーバーシュート気味の展開から+3σ(4万0720円)に接近する局面では、いったんロングポジションは解消しておきたい。また、目先はリスク選好になるが、トランプ氏が公約としてきた関税強化の影響などは今後警戒されることが見込まれる。
オプション権利行使価格の4万円を中心に上下の権利行使価格3万9500円から4万0500円のレンジを想定する。ボラティリティの高い状況で、ナイトセッションでも700円を超える変動をみせていたため、いったんトレンドが出てくると動きが速い。ややスキャルピング中心のトレードが強まりやすい面はありそうだ。
6日の米VIX指数は16.27(前日は20.49)に低下した。不安心理が高まった状態を示す20.00を大きく下回っており、リスク選好が強まろう。支持線として意識されている25日移動平均線(20.06)、75日線(18.94)を一気に割り込み、一時15.44まで低下して200日線(15.79)を下回る場面もみられた。ただし、8月、9月の低下局面では200日線が支持線として機能していたこともあり、ここからの一段の低下は見極めが必要であろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.56倍に上昇した。25日線(14.46倍)を上回り、一時14.59倍まで上昇する場面もみられた。目先的には10月15日に付けた14.70倍を射程に入れ、NTロングが強まる可能性がありそうだ。
昨日は、欧州時間に入ってトランプ候補がFOXニュースの当確発表を受けて、早々に勝利宣言。米上下両院での共和党掌握もほぼ確実となったことから、米長期金利が暴騰。10年債や30年債といった長期債の利回りの上昇が目立つことになりました。NY時間午後に入って実施された30年債入札が2.2bpのストップスルーとなる、かなり強い結果に終わると米10年債利回りが4.4768%から4.4000%まで上昇幅を縮めたものの、ドル円は154.70円から154.36円まで下押したのみ。下値の堅さが意識されてNY市場を終えています。
アジア時間に入ってからは、三村財務官がお決まりの円安牽制発言を行うと154.23円まで値を下げる場面もみられましたが、買い遅れ感が強い本邦実需の買いが観測されると昨日高値を上抜けて一時154.71円まで買戻されているといったところです。寄付きから400円を超える上昇となった日経平均が一転して460円を超える下落となるなど、株価が不安定な動きとなるなか、ドル円は高値圏でのもみ合いが続いています。
いずれにしても、市場ではカマラハリスがバイト募集のポスターが貼ってあるマクドナルドの横を通り過ぎる写真が出回るなか、本日のFOMCへと焦点を移してきているわけですが、昨日からの米長期金利の暴騰を受けて、米利下げサイクルの早期終了観測が台頭。流石に本日の0.25%利下げは決定されるものの、12月のスキップの可能性を残しつつ、来年3月と6月に2回利下げを行って終了とのメインシナリオがFedwatch上で繰り広げられています。
一部大手証券などは、来年の利下げを1回で終了との極端な見通し変更を行うなど、米大統領選を受けた市場センチメントの急変が見受けられています。ドル円は目先、7月30日の高値155.22円や7月18日の安値155.38円が戻りの目処として意識されています。
日経225先物は11時30分時点、前日比350円安の3万9350円(-0.88%)前後で推移。寄り付きは3万9990円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万0035円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。ただし、4万円の大台に乗せることはできず、寄り付きを高値に利益確定に伴うロング解消の動きが優勢となり、中盤にかけて3万9030円まで売られる場面がみられた。もっとも、前日に1000円超の上昇をみせたこともあり、買い一巡後の調整は意識されていた。節目の3万9000円接近では押し目狙いのロングが入り、終盤にかけては3万9400円水準を回復している。
日経225先物は寄り付き時点で4万円を回復できなかったことで、持ち高調整の動きが優勢になったようだ。ナイトセッションで一時4万0170円まで買われ、ボリンジャーバンドの+2σ(4万0020円)を上回ってきたことで、過熱感も警戒されやすい水準であろう。節目の3万9000円のほか、25日移動平均線(3万8900円)が支持線として意識されるため、同水準に接近する局面においては、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。また、+1σ(3万9460円)水準を上回ってくるようだと、再び上へのバイアスが強まる可能性はありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.35倍に低下した。14.50倍で始まった後は低下傾向が強まり、25日線(14.47倍)をあっさり割り込むと、NTショートの動きが強まった。ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]の下げが日経平均型の重荷となった一方で、メガバンクなど金融株やトヨタ自動車 <7203.T> [東証P]などの輸出関連の一角が買われており、相対的にTOPIX型優位となった。
西ドイツは資本主義体制だったため、消費者が欲しがる商品がどんどん作られて繁栄していたが、東ドイツは社会主義体制だったため、消費者が欲しがらない商品がどんどん作られて貧困に陥っていた。
停滞していた東ドイツは、反映していた西ドイツに吸収される形で東西ドイツ統合に至ったが、東ドイツ出身のメルケル第8代独首相には、社会主義体制のDNAが残っていた。
すなわち、メルケル第8代独首相は、温室効果ガス排出量を減らすために、消費者の需要を無視して、補助金により電気自動車(EV)市場を作り上げた。
そして、社会主義体制の中国との通商関係を作り上げた。
そのドイツ連邦政府の国策に乗じて、欧州最大の自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)グループは、EVの生産拡大に邁進し、中国市場でのシェアを首位に押し上げた。
しかし、ドイツの国策転換と中国の不況により、国内の一部の工場の閉鎖や、従業員の解雇などの大規模なリストラを余儀なくされつつある。
さらに、ドイツの連立政権も崩壊の危機を迎えつつあり、来年3月にも総選挙が予定されている。
1.ショルツ独政権の方針転換
ドイツ連邦政府は、2045年までにカーボンニュートラルを達成することを目標に掲げて、EV普及政策を標榜し、高額なEV購入に対して補助金を支給した。
ショルツ独政権は、2021年12月の連立契約書に、「2030年までにEVを1500万台普及させる」という目標を設定した。
しかし、2023年11月にドイツ連邦憲法裁判所が、ショルツ政権のエネルギー転換関連の予算措置を憲法違反とする判決を下したことで、EV購入補助金は廃止に追い込まれた。
2.中国の景況感悪化
中国では、不動産バブルの崩壊や若年失業者の急増により、自動車の販売台数が減少傾向にある。
しかしながら、中国政府による補助金の支給により、中国企業BYDなどの躍進が目立つ一方で、VWグループなどの不振が顕著になっている。
3.欧州連合(EU)と中国の貿易戦争
欧州連合(EU)は、中国製電気自動車(EV)に最大45%の関税を課した。世界最大規模の輸出国・地域間の貿易摩擦が激化している。
中国は、追加関税を支持するEV加盟国への投資を凍結し、乳製品や豚肉、ブランデー、大型エンジン搭載車などEU産品に対し、関税などの制裁措置を講じることを警告している。
トランプ第47代米大統領が誕生し、中国からの輸入品には60%の関税が課され、EU製品にも関税が発動される可能性が高いことで、世界の貿易は停滞することが懸念されている。
本日のロンドン為替市場でも、米大統領選でトランプ氏が再選したことに対する影響を探りながらの取引か。ユーロドルは、独やユーロ圏の経済指標や複数の欧州金融当局者の講演内容も材料視される場面がありそうだ。ポンド絡みでは、英中銀・金融政策委員会(MPC)の結果公表やベイリー総裁の会見が注目される。
5日の米選挙では、トランプ共和党候補が大統領に返り咲き、上院も共和党が過半数を獲得し、開票中の下院も共和党がリードしている。米政治は共和党支配が確実になりつつあるものの、複数の同党上院議員が新大統領に従わない可能性があるなかで、必ずしも新大統領の目指す政策が遂行できるとは限らない。
とはいえ貿易では、トランプ氏が関税引き上げなどで欧州連合(EU)に対し圧力を強めることは十分に予想できる。EU側が言いなりになるとも思えず、来年1月の米新政権の誕生後(もしくはその前から)ギクシャクした米欧関係となりそうだ。今後、通貨ユーロにとっては買いづらい材料が目立つかもしれない。
経済指標は9月独鉱工業生産や貿易収支、ユーロ圏からも同月小売売上高が発表予定だ。欧州中央銀行(ECB)専務理事の講演は、シュナーベル氏やエルダーソン氏、またチーフ・エコノミストでもあるレーン氏が予定されている。ほか、ギリシャやスペイン、そしてオランダの中銀総裁も発言する見込み。
英中銀は本日、昨日のMPC投票結果と議事要旨を公表する。政策金利については現行5.00%から4.75%に引き下げが大方の見込み。ポイントはベイリー英中銀総裁を含めた投票行動。9名中、複数名が据え置きを支持するとの予想もある。
なお英政策金利の先行きについて、先日の英政府予算案を受けて市場は12月据え置きを織り込む動きが急速に高まった。来月会合から来年に向けて英中銀はどのように考えているのか、金利発表後に予定されているベイリー総裁の会見内容が注目される。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0810ドル
・ポンドドル、21日移動平均線1.2984ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、4月16日安値1.0601ドル
・ポンドドル、8月9日安値1.2726ドル
(7日15時時点)
ドル円:1ドル=154.00円(前営業日NY終値比▲0.63円)
ユーロ円:1ユーロ=165.49円(▲0.42円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0746ドル(△0.0017ドル)
日経平均株価:39381.41円(前営業日比▲99.26円)
東証株価指数(TOPIX):2743.08(△27.16)
債券先物12月物:143.52円(▲0.26円)
新発10年物国債利回り:1.005%(△0.025%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.25600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月毎月勤労統計(現金給与総額)
前年同月比 2.8% 2.8%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。三村財務官が「行き過ぎた動きに対しては適切な対応をとっていきたい」と円安けん制発言を行ったことで154.23円まで売りが先行。その後は本邦実需勢の買いが観測されて昨日高値の154.70円を上抜けて154.71円まで反発したが、買いは続かなかった。400円超上昇して始まった日経平均株価が一転して460円超安まで下落するなど、昨日の上昇に対する調整が入るとドル円も153.94円まで利食い売りに押された。
・ユーロ円も頭が重い。総じてドル円と同様の展開となり、上値を切り下げる動きとなった。日本株の一転下落も嫌気され、一時165.41円まで下げる場面も見られた。
・ユーロドルは小高い。ドル円の下落に伴ってユーロ買い・ドル売りが散見され、一時1.0748ドルまで値を上げた。一方で、独連立政権崩壊のリスクが浮上するなかで持ち高調整の域を超えていない。
・日経平均株価は3営業日ぶりに反落。昨日の米国株がそろって史上最高値を更新したことを好感して序盤は400円超上昇した。ただ、昨日の大幅高に対する反動から、その後は利益確定売りが目立ち、460円超安まで一転下落。一方で、引けにかけては下げ幅を消すなど荒い値動きとなった。
・債券先物相場は続落。米大統領選でのトランプ氏勝利を受けて米国債が下落。その流れを本邦債も引き継いで売りが先行したほか、10年債入札が低調だったことも売りを促し、一時143.39円まで下落した。
ドイツの連立政権が崩壊し、ショルツ首相が財務相を解任したことで、欧州最大の経済大国が政治的混乱に陥っている。ショルツ首相は自由民主党(FDP)のリンドナー財務相を解任し、社会民主党と緑の党による少数政権を率いる見込み。1月15日に議会での信任投票を予定しており、3月末までに早期選挙が行われる可能性がある。この政治危機は、予算政策とドイツの経済方針をめぐる数カ月にわたる対立の結果であり、ショルツ首相はリンドナー氏が党利党略を優先し、立法を妨害したとして批判した。一方、リンドナー氏は、ショルツ首相が憲法で定められた支出制限(債務ブレーキ)を破るよう強要したと反論している。
政権崩壊はドイツ経済が停滞し、インフラの老朽化や軍の準備不足などの国内問題、そしてトランプ氏の勝利を受けて、欧州が新たな米国関税やNATOの将来、ウクライナ戦争への対応など国外問題など、様々な課題に直面する中での出来事となった。この政治的混乱は主流政党への不満を高め、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」など、ポピュリスト政党の台頭を助長する可能性がある。また、フランスも政治的不確実性に直面する中、EUの二大経済大国の混乱は、東西からの課題に直面するEUの統合深化の取り組みを妨げるかもしれない。
昨日にリントナー財務相が解任されたことに伴ってクキース国務大臣が新財務相に就任すると一部通信社が伝えた。
中国の税関総署が7日に発表した2024年10月の米ドル建て貿易統計は、輸出が前年同月比12.7%増となった。市場予想(5.2%増)から上振れし、前月の2.4%増から大幅に加速した。一方、輸入は2.3%減で、市場予想(1.5%減)を下回り、前月の0.3%増からマイナス成長に転じた。貿易黒字は957億2000万米ドルと市場予想の760億3000万米ドルを上回った。
人民元建てでは、輸出が11.2%増、輸入が3.7%減。前月実績はそれぞれ1.6%増、0.5%減だった。貿易黒字は6791億元。
ドイツの野党指導者が政府に対して、来週までに信任投票を実施するよう求めていると一部通信社が伝えた。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
「トランプ時代」の再来で中国の貿易環境はどうなるか
関税の動きは不透明だが、人民元相場も「ディール」となり、外需による景気回復は難しくなる
米国大統領選では共和党のトランプ前大統領が勝利した。ここ数年米中関係は厳しさを増しており、米国は中国に対して追加関税を課すなどの動きを強めてきた。トランプ氏は中国製品に一律60%の関税を課すほか、保護主義的な主張を繰り返してきた。他方、トランプ氏は「ディール」を重視する姿勢をみせるなかで主張がそのまま現実化するかは見通しにくい。ただし、欧米などに加え、新興国のなかにも中国製品に追加関税を課す動きが広がりをみせており、中国の輸出を取り巻く環境は厳しさを増すことは避けられない。
このところの中国の輸出は「中国包囲網」を掻い潜る駆け込みの動きがみられたほか、米大統領選でのトランプ氏優位が伝えられるなかでその傾向が強まった可能性がある。10月の輸出額は前年比+12.7%と伸びが加速しており、幅広い財、かつ国・地域向けで輸出拡大の動きが確認されており、駆け込み的な動きが影響したとみられる。一方、中国の内需の弱さや商品市況の調整の動きが輸入の重石となり、10月の輸入額は前年比▲2.3%と前年を下回る伸びとなっている。習近平指導部が目指す製造強国を目指す動きは継続する一方、先行きの生産活動の鈍化が懸念される動きもみられる。足下の企業マインドは景気刺激策を好感して改善しているものの、こうした動きが息の長いものとなるかは不透明な状況にあると捉えられる。
米FRBの利下げを受けた米ドル安で人民元相場は底入れしたが、足下では米ドル高の再燃により頭打ちに転じている。人民元安は輸出の追い風となる一方、トランプ政権は為替操作を理由に交渉材料とする可能性がある。人民元高は景気刺激策の効果を相殺するほか、外需の足かせとなる懸念もくすぶる。トランプ次期政権の出方を注視する必要があるが、外需が中国景気のけん引役となることは難しいと予想される。
東海東京インテリジェンス・ラボでは為替リポートの中で、米国経済に比べると、ユーロ圏経済のぜい弱さは明白と指摘。当面のECBの利下げシナリオは、年内に0.25%を1回、年明け1-3月期に0.25%を2回が既定路線とみられる。これに対してFRBは、11月FOMCでの追加利下げは既定路線としても、12月以降に関しては全く約束されていない強い経済状況が続いている。東海東京では、欧米の景況感をみる限りユーロ安ドル高が想定されるとしており、来年には1.05ドル割れの可能性もあり得ると考えている。
大阪12月限
日経225先物 39240 -460 (-1.15%)
TOPIX先物 2737.0 +11.0 (+0.40%)
日経225先物(12月限)は、前日比460円安の3万9240円で取引を終了。寄り付きは3万9990円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万0035円)にサヤ寄せする形から、買いが先行した。ただし、4万円の大台に乗せることはできず、寄り付きを高値に利益確定に伴うロング解消が優勢となり、前場中盤にかけて3万9030円まで売られる場面があった。もっとも、前日の大幅上昇に対する反動は意識されており、節目の3万9000円接近では押し目狙いのロングが入り、ランチタイムにかけて3万9500円処まで回復。後場の時間帯は3万9250円~3万9450円辺りで保ち合いが続いた。
日経225先物は寄り付き時点で4万円を回復できなかったことで、持ち高調整の動きが優勢になったようだ。ナイトセッションで一時4万0170円まで買われ、ボリンジャーバンドの+2σ(4万0020円)を上回ってきたことで、過熱感も警戒されやすい水準であろう。
また、米大統領選でトランプ前大統領が勝利し、同氏が公約に掲げた減税や規制緩和が進むとの期待の一方で、追加関税に対する警戒感が高まってきており、指数インパクトの大きいハイテク株の重荷になった。トランプトレードは引き続き意識されようが、トランプ政権の公約への取り組み次第で、物色対象にも変化がみられてくる可能性がある。
日経225先物は節目の3万9000円のほか、25日移動平均線(3万8950円)が支持線として意識されており、同水準に接近する局面では押し目待ち狙いのロングに向かわせよう。また、目先的にはボリンジャーバンドの+1σ(3万9460円)水準では戻り待ち狙いのショートが意識されやすいとみられる。
今晩、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が判明する。コンセンサスは0.25%の利下げであり、予想通りの内容であれば大統領選とFOMCの2大イベントが通過することで、手掛けやすくはなるだろう。決算発表がピークを迎え、積極的な売買は手控えられやすい面はあるものの、米国市場の動向を手掛かりとしたインデックス売買が膨らみそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.33倍に低下した。14.50倍で始まった後は低下傾向が強まり、25日線(14.47倍)をあっさり割り込むと、NTショートが強まった。ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]や東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]の下げが日経平均型の重荷となった。
一方で、メガバンクなどの金融株やトヨタ自動車 <7203.T> [東証P]といった輸出関連の一角が買われており、相対的にTOPIX型優位となった。トランプ氏が公約通りに大幅関税を課す姿勢をみせれば、NTショートによるスプレッド狙いが有効になりそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万9990枚、ソシエテジェネラル証券が1万1874枚、サスケハナ・ホンコンが4666枚、JPモルガン証券が4445枚、バークレイズ証券が3750枚、SBI証券が2081枚、ゴールドマン証券が1550枚、野村証券が1362枚、モルガンMUFG証券が1093枚、ビーオブエー証券が995枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万9408枚、ソシエテジェネラル証券が2万2345枚、バークレイズ証券が6350枚、ゴールドマン証券が4839枚、サスケハナ・ホンコンが4428枚、JPモルガン証券が4155枚、モルガンMUFG証券が3775枚、ビーオブエー証券が2418枚、みずほ証券が1448枚、BNPパリバ証券が1354枚だった。
NYタイムは、米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策発表内容へのマーケットの感応度を見定める展開となる。政策金利であるフェデラル・ファンド・レート(FF金利)誘導目標レンジを4.75-5.00%から25bp(ベーシスポイント、1bp=0.01%)引き下げ、4.50-4.75%にすることが予想されている。
利下げ幅が予想通りとなるかに加えて、今後の利下げペースを声明内容やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見から推し量ることになるが、利下げ方向の意向がうかがえるなかでも、トランプ政権後の財政状況を見越して金利水準の低下が限定的にとどまることになるか否かなどにも注目したい。
ペースの速さの違いこそあれど利下げ方向が示唆されるなかでも金利の上昇圧力が感じられようであれば、FRBの金融政策よりも新政権後の動きへの関心がより強まっていることの示唆となる。
一方でFRBのハト派な姿勢を背景にトランプトレードの巻き戻しが進展するようであれば、しっかり腰を据えて米新政権の政策を材料として取引に臨んでいる市場参加者が乏しことを表す証左になるかもしれない。トランプトレードが短期投機的な一過性の動きにすぎず、今後も報道のヘッドラインに振らされるリスクを示すことになる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、本日ここまでのレンジ上限154.71円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、1日高値153.09円。
今晩は金融政策に注目。昨日は米大統領選で共和党のトランプ前大統領の勝利が確実となったことで主要3指数がそろって急伸。ダウ平均が1508.05ドル高(+3.57%)、S&P500が2.53%高、ナスダック総合が2.95%高と大幅に2日続伸し、そろって取引時間中と終値の最高値を更新した。トランプ申請毛院による財政悪化懸念から米10年債利回りは前日の4.291%から4.431%に上昇したものの、投資家の不安心理を示すVIX指数は前日の20.49ポイントから16.27ポイントに急低下し、9月26日以来の低水準となった。
今晩の取引では次期トランプ政権の政策を好感する流れの継続が期待され、堅調相場が予想されるが、先行きの金融政策の見通しを巡り、取引時間午後に結果が公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)と、その後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見に注目が集まる。FOMCでは0.25%の利下げが確実視されているが、公表される声明文やパウエルFRB議長会見から年内や来年の利下げ見通しについてのヒントを探ることになる。
今晩の経済指標・イベントはFOMC結果公表、パウエルFRB議長記者会見のほか、新規失業保険申請件数、9月消費者信用残高など。企業決算は寄り前にデューク・エナジー、ワーナー・ブロス・ディスカバリー、タペストリー、ケンビュー、ラルフ・ローレン 、エア・プロダクツ&ケミカルズ、モデルナ、ハリバートン、引け後にエアビーアンドビー、アカマイ・テクノロジーズなどが発表予定。
日経平均株価は反落。10/16の下げで開けたマド埋め(39910円)手前で失速し、一時は5日移動平均線(39884円 11/7)や25日移動平均線(38852円 同)付近まで下げ幅を広げる場面があった。一方、下押し一巡後はやや値を戻し、引けは100円未満の下げ幅にとどまる動きとなった。
RSI(9日)は前日の66.0%→64.2%(11/7)へ低下。前日に伸びた勢いが失速する格好となったが、前日までの見方から大きな変化はない。
依然として10月からのもみ合いの範ちゅうであるが、マド埋めを通過点に4万円突破へ勢いづくかが注目される。きょうの陰線は跳ねる前の小休止であってほしいところだ。
上値メドは、10/15高値(40257円)や心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、心理的節目の39000円、200日移動平均線(38437円 同)、75日移動平均線(37909円 同)、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)などがある。g
(7日終値:8日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=153.01円(7日15時時点比▲0.99円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=165.33円(▲0.16円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0805ドル(△0.0059ドル)
FTSE100種総合株価指数:8140.74(前営業日比▲25.94)
ドイツ株式指数(DAX):19362.52(△323.21)
10年物英国債利回り:4.498%(▲0.065%)
10年物独国債利回り:2.445%(△0.040%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月独鉱工業生産
(前月比) ▲2.5% 2.6%・改
(前年比) ▲4.6% ▲3.0%・改
9月独貿易収支
170億ユーロの黒字 214億ユーロの黒字・改
9月ユーロ圏小売売上高
(前月比) 0.5% 1.1%・改
(前年比) 2.9% 2.4%・改
英中銀(BOE)、政策金利
4.75%に引き下げ 5.00%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は軟調。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表が近づく中、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.33%台まで低下すると全般ドル売りが進行。1時前に一時152.86円と日通し安値を付けた。アジア時間に154.71円と7月30日以来の高値を付けたあとだけに、米重要イベントを控えたポジション調整目的の売りも出たようだ。
なお、本日発表された7-9月期米単位労働コスト速報値は前期比年率1.9%上昇と予想の1.0%上昇を上回り、4-6月期の数値は従来値から大きく上方修正された。市場では「インフレ圧力の強まりにつながるリスクがある」との声も聞かれたが、相場の反応は限定的だった。
・ポンドドルは一時1.3009ドルまで上昇した。英中銀(BOE)はこの日、市場予想通り政策金利を現行の5.00%から4.75%に引き下げることを決めたと発表。声明ではこれまで通り「金融政策は引き続き相当な期間、引き締め的な状態を維持する必要がある」「インフレが長引くリスクを注視し、適切な金融引き締めの度合いを会合ごとに決める」と指摘した。ただ、BOEが2025-26年のインフレ見通しを前回から引き上げたため、市場では「BOEの利下げが緩やかなペースにとどまる」との可能性が改めて意識された。
・ユーロドルは強含み。米金利低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ると、0時30分過ぎに一時1.0825ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.19まで低下した。
・ユーロ円は小幅安。ドル円の下落につれた売りが出て一時本日安値となる165.13円まで値を下げた。ただ、ユーロドルの上昇につれた買いも入ったため、じり安の展開となった。
・ロンドン株式相場は3日続落。前日の米国株相場が史上最高値を更新したことが投資家心理の支えとなり、英株にも買いが先行した。ただ、FOMC結果公表を前に様子見ムードもあり、上昇の勢いは鈍かった。引けにかけては下げに転じ、3日続落して終えた。
・フランクフルト株式相場は大幅に反発。前日の米国株市場で主要3指数が史上最高値を更新すると投資家心理が改善。独株にも買いが波及した。個別ではラインメタル(9.28%高)やハイデルベルク・マテリアルズ(6.36%高)、アディダス(4.60%高)などの上昇が目立った。
なお、前日に下げたフランスやイタリア、スペインの株価指数も反発した。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
7日の日経平均は3日ぶり反落。終値は99円安の39381円。米国株の大幅高を受けて200円超上昇して始まり、すぐに上げ幅を400円超に広げた。しかし、39900円手前で急失速してマイナス圏に沈むと、一転して下げ幅を400円超に広げた。39000円割れは回避して10時台半ばからは値を戻し、後場のスタート直後には再びプラス圏に浮上。しかし、そこではすぐに売り直され、以降はマイナス圏で方向感に欠ける動きが続いた。136円安(39344円)でクロージング・オークションに入り、そこからやや水準を切り上げ、2桁の下落で取引を終了。値上がり銘柄は多く、TOPIXは終日プラス圏で推移した。
東証プライムの売買代金は概算で6兆0500億円と、指数の振れ幅が大きくなる中で商いも膨らんだ。業種別では繊維、保険、建設などが上昇した一方、精密機器、小売、医薬品などが下落した。上期が大幅な増益となり、大規模な自己株取得も発表した大成建設<1801.T>が後場急騰。ストップ高まで買われる場面もあった。半面、前期が営業赤字に転落したコロプラ<3668.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1267/値下がり353と、日経平均は下げたものの値上がり銘柄は1000を超えた。米長期金利の上昇を受けて金融株が買われており、三菱UFJ、MS&AD、T&Dなどが大幅上昇。きょうは半導体株と防衛関連が相場をかき乱したが、川崎重工には強い買いが入り、アドバンテストはプラスで終えた。決算が好感されたダイキンやNTTが大幅上昇。株主還元強化を発表した銘柄が跳ねており、京王やコカコーラBJHが2桁の上昇率となった。
一方、ディスコとレーザーテックが4%台の下落。指数寄与度の大きいファーストリテイリングとソフトバンクGが売りに押された。上期が市場の期待に届かなかったニトリHDは、足元で円安が進行していることも嫌われる材料となって6.6%安。下方修正や減配を発表した大阪チタニウムが急落した。決算発表の延期を発表したサンウェルズが2割近い下落となり、ストップ安まで売られる場面があった。
日経平均は乱高下して下落で終了。ダウ平均の4桁高はなかなかお目にかかれないし、米主要3指数がそろって史上最高値を更新しただけに連れ高してほしかったが、大統領選の結果を先取りしていた分、買いが続かなかった。とはいえ、TOPIXはプラスで終えており、プライムでも値上がり銘柄の方が圧倒的に多い。日経平均の下げは前日の急騰に対するクールダウンと捉えておいて良いだろう。
本日、米国ではFOMCの結果が発表される。今回は0.25%の利下げが濃厚とみられており、その織り込みも進んでいる。足元で長期金利が上昇しているだけに米債券市場の反応は注目されるが、波乱の可能性は低い。FRBの緩和スタンスがしばらく続くとの見方が強まるようなら、米国のグロース株が買われて日本の半導体株にも好影響が及ぶだろう。今週は米大統領選が株高イベントになっただけに、FOMCもこの流れを後押しする展開に期待したい。
米CNNが報じたところによると、「トランプ氏はパウエルFRB議長の残り期間の任期を認める可能性が高い」ようだ。
(7日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.94円(前営業日比▲1.69円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=165.25円(▲0.66円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0805ドル(△0.0076ドル)
ダウ工業株30種平均:43729.34ドル(▲0.59ドル)
ナスダック総合株価指数:19269.46(△286.00)
10年物米国債利回り:4.32%(▲0.11%)
WTI原油先物12月限:1バレル=72.36ドル(△0.67ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2705.8ドル(△29.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7-9月期米非農業部門労働生産性速報値
(前期比年率) 2.2% 2.1%・改
7-9月期米単位労働コスト・速報値
(前期比年率) 1.9% 2.4%・改
前週分の米新規失業保険申請件数
22.1万件 21.8万件・改
9月米卸売売上高
(前月比) 0.3% 0.2%・改
米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利
4.50-4.75%に引き下げ 4.75-5.00%
9月米消費者信用残高
60.0億ドル 76.4億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反落。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表が近づく中、米長期金利の低下に伴うドル売りが先行。アジア時間に154.71円と7月30日以来の高値を付けたあとだけに、米重要イベントを控えたポジション調整目的の売りも出やすく、1時前に152.86円まで値を下げた。FOMCの結果が伝わると153.47円付近まで下げ渋る場面もあったが戻りは鈍く、5時過ぎには一時152.70円と日通し安値を更新している。
なお、米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いたFOMCで市場予想通り政策金利を0.25%引き下げて、4.50-4.75%にすることを決めたと発表。声明では「FF金利の目標誘導レンジの追加調整を検討するに当たり、委員会は今後もたらされるデータ、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に評価する」などと指摘し、前回までの「インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信を強めている」との文言を削除した。
また、パウエルFRB議長はFOMC後の会見で「短期的には、選挙は政策に影響しない」としたうえで、「我々はあらかじめ決められたコースを進んでいるわけではない。FRBは会合ごとに決定を下し続ける」と話し、データ次第で利下げペースを決める姿勢を強調した。
・ユーロドルは反発。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.30%台まで低下したことを受けて全般ドル売りが優勢となった。0時30分過ぎに一時1.0825ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.19まで低下した。
FOMC結果公表後は1.0767ドル付近まで売られる場面もあったが、下押しは限定的。米金利低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入りやすく1.0810ドル付近まで持ち直した。
・ユーロ円は3日ぶりに反落。ドル円の下落につれた売りが出て一時本日安値となる165.01円まで値を下げたものの、ユーロドルの上昇につれた買いも入ったため、下落のスピードは緩やかだった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均はほぼ横ばい。前日に急伸し史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが出た半面、FRBの追加利下げが米経済を下支えするとの見方から買いが入ったため、相場は方向感が出なかった。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、史上最高値で取引を終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。トランプ氏の選挙活動を支援したイーロン・マスク氏が最高経営責任者(CEO)を務めるテスラがこの日も上げた。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。前日は米大統領選で共和党のトランプ前大統領の当選が確実になったことで急落。この日は反動で買い戻しが優勢となった。FRBが追加利下げを決めたことも相場を下支えした。
・原油先物相場は反発。この日の外国為替市場ではドル売りが進み、ドル建てで決済される原油相場の割安感が意識された。時間外取引では70.66ドルまで下落する場面があったが、その後はプラス圏まで買い戻しが入った。
・金先物相場は反発。米長期金利の低下とドル売りが進んだことに伴い、金利を生まない資産である金の投資妙味を意識した買いが入った。
7日05:57 ショルツ独首相
「1月15日に信任投票、3月末までに総選挙を実施する」
7日17:15
「来年1月の信任投票実施を探ると改めて表明」
7日08:54 三村財務官
「行き過ぎた動きに対しては適切な対応をとっていきたい」
「為替市場の動向は足元では一方的で急激」
「極めて緊張感をもって注視」
7日12:27 習近平・中国国家主席
「米中は対話を強化すべき」
「米中、協力すれば利益を得るが対立すれば不利益被る」
7日17:34 スウェーデン中銀(リクスバンク)声明
「12月と2025年前半にも利下げする可能性」
「9月の評価よりもやや速いペースで利下げする必要」
「経済回復の明確な兆しはまだほとんど見られない」
「米選挙後の状況を評価するのは困難」
7日18:03 ノルウェー中銀(ノルゲバンク)声明
「政策金利は2024年末まで4.5%に維持される可能性が最も高い」
「ここ数年のクローネ安と企業コストの急激な上昇が、さらなるディスインフレを抑制する可能性」
「引き続き金融引き締め政策が必要」
「経済の見通しは前回の会合以降、大きく変化していない」
「ノルウェー経済の今後の展開には不確実性がある」
7日21:01 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
「MPCは8対1で4.75%への利下げを決定」
「経済が予想通りに推移すれば、金利は徐々に低下し続ける可能性が高い」
「2024年GDP予測は+1.00%(前回は+1.25%)」
「2025年GDP予測は+1.50%(前回は+1.00%)」
「2026年GDP予測は+1.25%(前回は+1.25%)」
「政策金利は2024年第4四半期に4.8%、2025年第4四半期に3.7%、2026年第4四半期に3.7%、2027年第4四半期に3.6%と予想」
「マン委員は5%での据え置きを主張」
「1年後のCPIは+2.7%(前回は2.4%)」
「2年後のCPIは+2.2%(前回は1.7%)」
「3年後のCPIは+1.8%(前回は1.5%)」
「予算案が2026年半ばから2027年初めにかけて、インフレのピークを0.5ポイント未満押し上げると暫定的に予想」
7日21:17 ハーベック独経済相
「経済と財政の計画立案を非常に困難にする地政学的状況に直面」
「現在の政治的混乱が一時的なものではなく、次の政府も同様の課題に直面する可能性が高い」
7日21:39 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「ディスインフレが予想より早い」
「英国の金利は下降傾向」
「中期的にCPIを目標値に維持するのに十分な経済的余力がある」
※時間は日本時間
7日22:05 クノット・オランダ中銀総裁
「金融システムへの次のショックがどこから来るかを予測するのは不可能」
「2008/2009年の金融危機時に見られた国際的な協力が不足している」
「貿易障壁の増加が経済リスクを高める」
8日01:14 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「米国の関税はEU経済にネガティブな影響を及ぼすだろう」
「トランプ政権の政策プランを待ってみる必要がある」
8日04:03 米連邦公開市場委員会(FOMC)声明
「最近の指標は経済活動が引き続き堅調なペースで拡大していることを示している」
「今年初め以来、労働市場の状況は概ね緩和しており、失業率は上昇しているものの依然として低い」
「インフレ率は委員会の2%のインフレ目標に向けて進展しているが、依然としてやや高い水準にある」
「インフレ率の進展とリスクのバランスを考慮し、委員会はFF金利の目標誘導レンジを0.25%引き下げ、4.50-4.75%にすることを決定」
「FF金利の目標誘導レンジの追加調整を検討するに当たり、委員会は今後もたらされるデータ、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に評価する」
「委員会は保有する米国債およびエージェンシーローン担保証券の削減を続ける」
「委員会は雇用最大化を支援し、インフレ率を2%の目標に戻すことに強く取り組む」
「委員会は雇用最大化と長期的な2%のインフレ率の達成を目指す」
「委員会は、雇用とインフレ率の目標達成に対するリスクはほぼ均衡していると判断」
「経済の見通しは不確実で、委員会は2つの使命の両面に対するリスクを注視している」
「金融政策の適切な姿勢を評価するに当たり、委員会は今後もたらされる経済見通しに関する情報の意味を引き続き監視する」
「もしも委員会の目標の達成を妨げる可能性があるリスクが生じた場合、委員会は金融政策の姿勢を適切に調整する準備がある」
「委員会の評価は、労働市場の状況、インフレ圧力、インフレ期待、金融と世界の動向を含む幅広い情報を考慮する」
「今回の金融政策決定は全会一致」
「ハリケーンやストライキがなければ雇用はやや増加」
「労働市場の状況は引き続き堅調」
「個人消費の伸びは引き続き堅調」
「最近の指標は経済が堅調に拡大していることを示唆している」
「経済は全体的に堅調」
「FRBは引き続き2つの責務の目標にしっかりと焦点を合わせている」
「FRBは会合ごとに決定を下し続ける」
「FRBはよりゆっくりと、あるいはより迅速に抑制を緩和できる」
「全体的なインフレ率は2%の目標にかなり近づいているが、コアはやや高いまま」
「利下げは経済の強さを維持するのに役立つ」
「政策は直面するリスクに対処するのに十分準備ができている」
「短期的には、選挙は政策に影響しない」
「我々は最大雇用と物価安定を達成するためにできる限りのことをする」
「我々は財政政策を推測したり、想定したりしない」
「最新のインフレ報告はひどくはなかったが予想より少し高かった」
「経済活動データは予想よりも好調」
「債券利回りがどこで落ち着くかを言うのは時期尚早」
「推測や憶測、仮定はしない」
「長期金利の上昇はインフレではなく成長の強さを反映しているようだ」
「FRBはより中立的な姿勢への道を歩んでいる」
「12月の会合ではデータと見通しを注視する」
「利回りを押し上げている要因については、これ以上言うことはない」
「FRBは財政政策についてコメントしない」
「今はフォワードガイダンスを多く行うのに良い時期ではないと考えている」
「削除した文言は利下げ開始に伴うものだった」
「我々はより中立的なスタンスへの道を歩んでいる、データが我々をどこに導くかを見守る必要がある」
「財政政策をモデルに取り込むのは法成立の後」
「中立接近に伴い、利下げ減速が適切になる可能性も」
「今回の利下げを考慮しても、政策は依然景気に抑制的」
「FRBは中立金利の実現を急いでいない」
「利下げペースの調整について検討を始めたばかり」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 9月家計調査(消費支出、予想:前年比▲2.1%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○08:50 ◇ 10月外貨準備高
○14:00 ◇ 9月景気動向指数速報値(予想:先行109.0/一致115.5)
<海外>
○11:30 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○16:45 ◇ 9月仏貿易収支
○16:45 ◇ 9月仏経常収支
○17:00 ◇ 10月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲32.5)
○18:00 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○18:00 ◎ パネッタ伊中銀総裁、講演
○21:00 ◎ 10月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比4.72%)
○21:15 ◎ ピル英MPC委員兼チーフエコノミスト、講演
○22:30 ☆ 10月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化2.50万人/失業率6.6%)
○24:00 ◎ 11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:71.0)
○9日01:00 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○9日04:30 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、あいさつ
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
7日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)声明やパウエルFRB議長の会見を受けて152.70円まで下落した。ユーロドルは1.0825ドルから1.0767ドル付近まで売られた後、1.0810ドル付近まで持ち直した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りの低下を受けて上値が重い展開が予想されるものの、トランプ・トレード(米国債売り・ドル買い)が下値を限定的にすると予想される。
米連邦公開市場委員会(FOMC)では、予想通りにフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジが4.50-75%まで引き下げられた。
パウエルFRB議長は記者会見で「われわれは時間をかけてより中立的なスタンスへと移行しており、そうした中で今回の政策スタンスのさらなる調整は、経済と労働市場の強さを維持する一助となり、インフレ面でのさらなる進展を今後も可能にするだろう」と述べた。そして、米大統領選での「トリプルレッド」(トランプ共和党候補&上下両院での共和党勝利)の可能性に関しては、「当面の金融政策決定に何ら影響しない」と述べた。
トランプ氏は、「トリプルレッド」だけでなく、「クアドラプル・レッド(ホワイトハウス、上院、下院、最高裁」で三権分立の頂点に君臨しつつあるが、金融政策への発言権を求めつつ、パウエルFRB議長を2025年5月の任期まで解任しない、と述べている。
第2次トランプ米政権では、関税引き上げ(中国60%、その他10%)、「減税・雇用法(トランプ減税)」や法人税減税と大規模な財政出動が見込まれており、物価は上昇(トランプ・フレーション)することが見込まれている。
パウエルFRB議長は、財政政策が変わる可能性について、その時期や内容を理解するには時期尚早だと指摘し、「財政政策をモデルに取り込むのは法成立の後」と述べた。
第2次トランプ米政権では、政府支出削減の取り組みを主導する目的で、米政府効率化省(DOGE)が新設される、と報じられている。米効率大臣候補のイーロン・マスク氏は、連邦予算から少なくとも2兆ドルを削減できると主張している。
米財務省によると、連邦政府は2024年会計年度に6兆7500億ドルを支出し、財政赤字は、1兆8970.79億ドルだった。マスク氏が目論んでいる2兆ドルの歳出削減規模は、2024会計年度の財政赤字規模に匹敵する。
財政支出拡大となる公約の法制化とマスク米効率大臣候補による政府支出削減策の法制化が、FOMCの金融政策に影響を与えることになるのかもしれない。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39680 +440 (+1.12%)
TOPIX先物 2756.0 +19.0 (+0.69%)
シカゴ日経平均先物 39690 +450
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
7日の米国市場は、NYダウが小幅に下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。米連邦準備理事会(FRB)は7日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、予想通り0.25%の利下げを決定した。パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で、インフレはかなり和らいできたとの認識を示したほか、利下げ継続については含みを持たせた。FOMCを無難に通過したことで、買い安心感が広がった。
ハイテク株が買われた半面、トランプ政権に対する期待からNYダウは前日に1500ドル超上昇していたこともあり、大きく買われていた金融や景気敏感株の一角には利益確定の売りが出た。S&P500業種別指数は自動車・同部品、メディア、半導体・同製造装置が上昇した半面、銀行、運輸、各種金融が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比450円高の3万9690円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比70円安の3万9170円で始まり、直後に付けた3万9160円を安値に持ち直し、3万9250円から3万9400円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを上放れると、終盤にかけてリバウンド基調が強まった。一時3万9700円まで買われ、3万9680円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。米国では前日のトランプ・トレードで買われたJPモルガン・チェース<JPM>、ゴールドマン・サックス<GS>、キャタピラー<CAT>が下落し、NYダウの重荷になった。ただし、エヌビディア<NVDA>やマイクロン・テクノロジー<MU>など半導体株の一角が買われており、S&P500指数、ナスダック指数は連日で最高値を更新しているため、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料になりそうだ。
日経225先物はナイトセッションで3万9700円まで買われ、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9500円)を上回っている。同水準では強弱感が対立する可能性はあるものの、米大統領選、FOMCの2大イベントが通過したことで押し目待ち狙いのロング対応に向かわせそうだ。また、パウエルFRB議長は利下げに含みを持たせており、12月のFOMCにおいても0.25%の利下げを織り込む動きが意識されよう。
日経225先物は+2σ(4万0030円)に接近する局面においては過熱感が警戒されると考えられるが、+1σを挟んでの攻防からオプション権利行使価格の3万9500円を中心とした上下の権利行使価格3万9000円から4万円のレンジを想定する。週末要因から持ち高調整に伴うロング解消の動きが強まったとしても、3万9000円に接近する局面においては、その後のリバウンド狙いのスタンスになりそうだ。
決算発表がピークを迎えるなか、昨夕は日産自動車 <7201.T> [東証P]が大幅な下方修正を発表しており、神経質にさせる可能性がある。また、昨日はハイテク株の一角が弱い値動きをみせていたが、トランプ関税による影響が警戒されたと考えられ、戻りの鈍さが意識されてくるようだと、短期的なショートを誘う可能性があるだろう。
7日の米VIX指数は15.20(前日は16.27)に低下した。前日の急低下で不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を大きく下回り、200日線(15.79)を下回る場面もみられた。7日は一段の低下で200日線を下回って終えており、リスク選好に向かわせやすいと考えられる。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.33倍に低下した。14.50倍で始まった後は低下傾向が強まり、25日線(14.47倍)をあっさり割り込むと、NTショートの動きが強まった。ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]の下げが日経平均型の重荷となった。ただし、200日線(14.28倍)、75日線(14.26倍)が支持線として意識されやすいほか、円相場は1ドル=152円台と円安が一服していることもあり、リバランスの動きが入りやすいだろう。
既に市場の材料としてはオールドニュースとなってしまっている米大統領選は、トランプの激戦州全ての勝利を伴う312対226での圧勝に終わったわけですが、米下院選も残り23議席を残して共和党が218議席、民主党が200議席と、米上院とあわせてほぼほぼ議会掌握も確実にしたといったところ。昨日は既に、トランプ新政権の政権移行チームが結成され、来年1月の就任に向けて慌ただしい動きとなっていきます。今後は、新政権のスタンスをしっかりと見極めていくことになりそうです。
ところで、昨日のメインイベントは、FOMCだったわけですが、市場は前日の米長期金利の暴騰に伴うドル高からのポジション調整が中心といったところ。FOMCの決定自身は予想通りで無風状態だったもの、市場ではパウエルFRB議長が会見で「中立接近に伴い、利下げ減速が適切になる可能性」を表明したほか、「利下げペースの調整について検討を始めたばかり」であることに言及したことに注目。市場で台頭している、利下げサイクルの早期終了への思惑を確認することになりました。
ただ、米長期金利は4.3745%まで戻した後は、再び4.3082%まで調整としての低下となったわけで、ドル円もつれるかたちで戻りの鈍い動きとなってNY市場を終えることになりました。週末のアジア市場では、引き続き米長期金利の動向に敏感に反応している状況。152.87円まで下押しした後は153.37円まで買戻し。その後は再び152円台まで値を下げているといったところです。
大雑把に言えば、米10年債利回りは200MAを上抜けてからというもの、かなりしっかりとした相場となっているなか、ドル円もまた、200MA付近で下値を何度も確認した後、戻りの目処を確かめている最中。目先では、本邦実需勢の買いが153.00円割れの水準で目立つなか、需給的にも買戻しの動きとなっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比240円高の3万9480円(+0.61%)前後で推移。寄り付きは3万9650円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9690円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。その後ロングの勢いが強まり、現物の寄り付き直前には一時3万9940円まで買われる場面もみられた。ただし、4万円接近では利益確定とみられるロング解消のほか、戻り待ち狙いの短期的なショートが入りやすく、買い一巡後は軟化し、終盤にかけて3万9430円まで上げ幅を縮めた。
日経225先物は4万円の大台を捉えることができなかったが、ボリンジャーバンドの+2σ(4万円)に接近する局面では戻り待ちのショートが意識されやすいところである。買い一巡後は軟化したものの、+1σ(3万9480円)近辺では底堅さが意識されており、+1σと+2σでのレンジ推移である。本日は11月のオプションSQだったが、日経平均型、TOPIX型とも買い越しと推測されており、朝方はこの影響が加わったとみられる。ただし、日経平均株価はSQ値概算となる3万9901.35円を捉えることができなかったため、軟化する動きにつながったようだ。週末要因から後場はこう着感が強まる可能性はあるものの、+1σ水準での底堅さが意識されてくるようだと、短期筋のショートカバーを誘い込みそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.38倍に上昇した。前日には14.50倍水準から一時14.30倍まで大きく低下したことから、リバランスの動きは入りやすいところであろう。ただし、NTショートを巻き戻す動きは強まっていない。アドバンテスト <6857.T> [東証P]が1万円乗せ後に達成感から下げに転じており、日経平均型の重荷になっている。同社が再びプラス圏を回復してくるようだと、リバランスに向かわせそうである。
1.「チャレンジング」(2023年12月7日)
2023年12月7日の参議院財政金融委員会で、今後の金融政策の運営について抱負を問われた植田日銀総裁は「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになると思っているので、情報管理の問題もきちんと徹底しつつ、丁寧な説明、適切な政策運営に努めていきたい」と答えた。市場は、「チャレンジング」という言葉が、金融引締めを示唆するものだと解釈し、ドル円は141円台へ下落、8日の日経平均株価は前日比550円45銭安の3万2307円86銭で引けた。
しかし、植田日銀総裁は、チャレンジング発言は、「仕事の取り組み姿勢一般についての議員の質問への回答であり、2年目も一段と気を引き締めて職務に取り組む意思を示したもの」と説明した。
2.「追加利上げ宣言」(2024年7月31日)
2024年7月31日、日銀金融政策決定会合の後の記者会見で、植田日銀総裁は「0.25%への利上げでも実体経済への影響は出ない。経済のショック、景気循環で日本経済に下振れが生じた場合、0.25%では対応しづらい。2006年からの前回の利上げ局面のピークである0.5%が壁になるとは認識していない」と述べた。
そして、「経済・物価情勢が見通しに沿って推移すれば、引き続き金利を上げていく」とタカ派宣言をした。
ドル円は、7月31日の高値153.88円から8月5日の安値141.70円まで下落した。
日経平均株価は、8月5日に、31156.12円まで下落(▲4451円)し、過去最大の下落幅を記録した。
3.「時間的余裕は不要」(2024年10月31日)
2024年7月31日、日銀金融政策決定会合の後の記者会見で、植田日銀総裁は、「政策判断に時間的余裕がある」との表現が「不要になるのではないかと考え、今日も使っていない」と述べ、金融政策の見極めに必要な時間や利上げのタイミングには予断を持っていない、と発言した。
ドル円は、10月28日に153.88円まで上昇して、7月31日の植田ショックの時の高値に面合わせしていたが、11月1日には151.79円まで下落した。
植田日銀総裁は、10月のG20会議の後の記者会見、9月の日銀金融政策決定会合の後の記者会見、そして、石破首相との初会談の後に、「不確実性が大きい場合には、政策変更を慎重に段階的に進めたい。追加利上げを判断するのに、時間的な余裕はある」と述べ、追加利上げの時期を先送りしていた。
本日のロンドン為替市場では、(昨日は揺り戻しがあったものの)トランプ・トレードが依然として意識されるなかでユーロドルの上値は限定的か。6日の反動で昨日のNY市場では米長期金利が低下し、為替はドルが売られた。英金利先安観の後退からポンドドルが上昇したことにもつれて、ユーロドルは1.08ドル台を回復。それでも急落した6日のレンジの半値を超えた水準では上値を抑えられた。
来週11日(月)は米国がベテランズデーの祝日のため、3連休を控えて本日のNY市場も持ち高調整が中心となるかもしれない。ただ方向感なく上下した場合でも、トランプ次期米政権がまず取り掛かるであろう関税引き上げや、(議会承認に時間がかかるかもしれない)大規模な財政出動が念頭に置かれた値動きとなるか。
ユーロ自体の懸念材料は、欧州経済をリードするドイツの政局不透明感の深まり。2021年秋に発足した3党(ショルツ首相の社会民主党、緑の党、自由民主党)の連立政権は今週、自由民主党のリントナー財務相の解任で崩壊が決定的となった。年明けにもショルツ首相の信認投票が行われ、結果次第では3月に前倒しの総選挙が行われるもよう。
もともと、中道左派とリベラル政党の連立によるドイツ政治の運営には懐疑的な見方は多かった。実際に経済政策や財政規律を巡る対立が目立ち、政権の不安定さは誰の目に見にも明らか。総選挙が前倒しされた場合、現政権に嫌気がさした国民が右傾化する可能性は必ずしも否定できない。
ポンドは昨日の英金融イベントを消化する時間がもう暫く続くか。英中銀は昨日、金融政策委員会(MPC)による政策金利0.25%引き下げ決定を公表した。声明では、政府予算案がインフレを0.5%弱押上げる可能性に言及。ベイリー総裁も金融緩和の加速に慎重な姿勢を見せた。
本日は中銀チーフ・エコノミストであるピルMPC委員が講演予定。次の利下げ時期について、何かしらのヒントを得られるか探したい。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.0862ドル
・ポンドドル、6日高値1.3048ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、昨日安値1.0713ドル
・ポンドドル、昨日安値1.2871ドル
(8日15時時点)
ドル円:1ドル=152.80円(前営業日NY終値比▲0.14円)
ユーロ円:1ユーロ=164.75円(▲0.50円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0782ドル(▲0.0023ドル)
日経平均株価:39500.37円(前営業日比△118.96円)
東証株価指数(TOPIX):2742.15(▲0.93)
債券先物12月物:143.57円(△0.05円)
新発10年物国債利回り:1.000%(▲0.005%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.26600%(△0.01000%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月家計調査(消費支出)
前年同月比 ▲1.1% ▲1.9%
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
4兆4579億円の処分超 8971億円の処分超・改
対内株式
1394億円の取得超 103億円の所得超・改
10月外貨準備高
1兆2390億ドル 1兆2549億ドル
9月景気動向指数速報値
109.4 106.9
9月景気一致指数(CI)・速報値
115.7 114.0
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。序盤は日経平均株価や時間外の米10年債利回りが上昇したことを背景に買いが散見され、一時153.37円まで値を上げた。ただ、昨日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表後の高値である153.47円付近が戻りの目処として意識されると失速。米金利が一転低下し、株価が上げ幅を消すと一時152.55円まで値を下げた。
・ユーロ円も頭が重い。朝方には165.43円まで上昇したものの、その後は上海・香港株が軟調に推移したことで豪ドル円を中心にクロス円が一転下落。ユーロ円は164.50円まで下げ足を速めた。
・ユーロドルは弱含み。アジア株の下落でリスクオフムードが高まるとユーロ円の下落につれた面もあり、一時1.0773ドルまで下押しした。
・日経平均株価は反発。昨日の米ハイテク株が上昇したことで半導体関連株がけん引する形で指数は400円超上昇した。ただ、弱い決算を発表した企業を中心に株が売られ、外国為替市場での円高も輸出関連株の売りを誘うなど、後場には一時下げに転じる場面も見られた。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反発。前日の米国債が買われた流れを引き継いで買いが先行し、一時143.78円まで値を上げた。ただ、週末とあって引けにかけては持ち高調整の売りに押された。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、米大統領選挙でトランプ氏の再選が決まったことを受けて、米国の小売セクターへの影響についてリポートしている。同氏の再選により、対中関税の引き上げが濃厚となった。全米小売業協会は、米家計の購買力が年間最大780億ドル分押し下げられるとの試算を公表したとのこと。関税率が前回のトランプ政権時よりも高まることから、中国からの輸入品を販売する米小売企業にとっては影響の規模が大きくなるとみられる。東海東京では、米小売業界でも食品を主力に扱う企業は、国内の調達が中心であることから影響が限定されると考えている。一方、衣料品などは中国からの調達依存度が高く、関税の影響に差が生じるとみている。
中国の全国人民代表大会(NPC)常務委員会は地方政府の「隠れ債務」を公式な債務に置き換える計画を承認した。これにより、北京政府は地方政府の債務問題をより効果的に管理できるようになる。同時に、地方債務の上限引き上げも承認されました。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、米大統領選をトランプ氏が制したことを受けて、目先は減税などの政策が株式市場にとってポジティブと考えている。法人減税は企業のEPSを押し上げる要因になり得る。また、同氏は富裕層の最高税率引き下げに加えて、チップへの課税廃止など労働者向けの減税も強化する方針を掲げており、これらの政策は企業利益拡大や個人消費活性化につながる可能性があると三菱UFJMSでは考えている。一方、掲げる政策が財政拡張的で、財政悪化への懸念が「悪い金利上昇」をもたらす可能性はあると指摘。関税への熱心な取り組みがインフレや景気減速を引き起こすリスクもあるとコメントしている。
香港の中央銀行に相当する香港金融管理局(HKMA)は8日、基準金利を0.25%引き下げ、5.00%とした。米連邦準備理事会(FRB)が7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを決めたことに追随した。
香港は香港ドル相場が1米ドル=7.75-7.85HKドルの範囲内で連動するペッグ制を採用しているため、金融政策も米国に連動する。HKMAは9月19日に米利下げに追随して基準金利を5.25%に引き下げていた。
香港の基準金利はディスカウントウインドー(割引窓口)を通じた買い戻し取引に適用する割引率の計算基礎となる。米国の政策金利のフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標の下限を0.50ポイント上回る水準か、香港銀行間取引金利(HIBOR)の翌日物と1カ月物の5日間移動平均値のいずれか高い方に設定される。ディスカウントウインドーはHKMAが市中銀行に短期流動性を供給する制度。市中銀行が保有証券をHKMAに買い戻し条件付きで売却する形で短期資金を調達する。
大阪12月限
日経225先物 39500 +260 (+0.66%)
TOPIX先物 2745.0 +8.0 (+0.29%)
日経225先物(12月限)は前日比260円高の3万9500円で取引を終了。寄り付きは3万9650円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9690円)にサヤ寄せする形から、買いが先行した。その後ロングの勢いが強まり、現物の寄り付き直前には一時3万9940円まで買われる場面もみられた。ただし、4万円接近では利益確定とみられるロング解消のほか、戻り待ち狙いの短期的なショートが入りやすく、買い一巡後は軟化し、前場終盤にかけて3万9430円まで上げ幅を縮めた。
ランチタイムでは3万9450円~3万9540円辺りで推移。後場中盤には3万9390円まで上げ幅を縮めたが、終盤にかけてはショートカバーとみられる動きから3万9680円まで切り返す場面もみられた。
日経225先物は4万円の大台を捉えられなかったが、ボリンジャーバンドの+2σ(4万円)に接近する局面では戻り待ちのショートが意識されやすいところである。買い一巡後は軟化したものの、+1σ(3万9480円)近辺では底堅さが意識されており、+1σと+2σによるレンジ推移である。
本日は11月のオプションSQだったが、日経平均型、TOPIX型ともSQに絡んだ売買は買い越しと推測されており、朝方はこの影響が加わったとみられる。日経平均株価はSQ値概算となる3万9901.35円を捉えられなかったため、軟化する動きにつながったようだ。
日経225先物は+1σと+2σによるレンジ推移だったが、上向きで推移する25日移動平均線(3万8990円)が支持線として意識されやすい。そのため、オプション権利行使価格の3万9500円を中心とした上下の権利行使価格3万9000円から4万円のレンジを想定しておきたい。
本日の東証プライムの騰落銘柄は、値下がり数が6割近くを占めていた。指数インパクトの大きいところをみても決算反応の影響が目立っている。決算発表がピークを迎えるなかで引き続き積極的な売買は手控えられやすいだろうが、これまで米大統領選と米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、ポジションはロングには傾いていなかったと考えられる。2大イベントを通過したほか、決算発表が来週で一巡することで、押し目待ち狙いのロングが強まりやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.38倍に上昇した。前日には14.50倍水準から一時14.30倍まで大きく低下したことから、リバランスの動きは入りやすいところであろう。ただし、NTショートを巻き戻す動きは強まっていない。14.47倍辺りで推移する25日線辺りが抵抗線として意識されやすいだろう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万7366枚、ソシエテジェネラル証券が1万0131枚、サスケハナ・ホンコンが4495枚、バークレイズ証券が2921枚、みずほ証券が2443枚、JPモルガン証券が2391枚、ビーオブエー証券が2328枚、SBI証券が1801枚、野村証券が1665枚、楽天証券が1439枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万4403枚、ソシエテジェネラル証券が1万6525枚、バークレイズ証券が4536枚、みずほ証券が3719枚、ゴールドマン証券が3406枚、サスケハナ・ホンコンが3207枚、モルガンMUFG証券が3152枚、JPモルガン証券が3025枚、ビーオブエー証券が2242枚、BNPパリバ証券が761枚だった。
日経平均先物の軟調な動きや時間外の米長期金利の低下も手がかりにドル円は欧州タイムで下げ基調を強め152円前半まで弱含んだ。今週これまでのドル円は米大統領選でトランプ氏が勝利したことを背景に154.70円まで上昇した後、米連邦公開市場委員会(FOMC)をほぼ無風通過し調整の売りが進んでいる。
NYタイムでは11月ミシガン大学消費者態度指数・速報値の発表が予定されている。同指標と同1年先・5年先期待インフレ率の結果に一時的に反応した後は、週末要因も加わり手控えムードが広がりそうだ。昨日のFOMCでは予想通りに0.25%の利下げが決定され、警戒されたハト派シフトもなく、トランプトレードが続くと想定され、依然としてドル円の押し目買い意欲は強い。ドル円の調整はほぼ一巡し、NYタイムでのドル円は底堅い動きを見込む。パウエルFRB議長は、来年を含めたこの先の金融政策スタンスについて、次回 12 月の FOMC で策定する経済物価見通しが変節点にもなり得ることを示唆した。12月会合で、日銀の利上げとFRBの追加利下げをめぐる不透明感も強く、ドル円は一方向に大きく振れにくい。
・想定レンジ上限
ドル円、本日これまでの高値153.37円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、200日移動平均線151.68円近辺が下値めど。
今晩はもみ合いか。昨日は前日に大きく上昇した金融株などに利益確定売りが強まり、ダウ平均がほぼ横ばいで終了したものの、アップル、エヌビディア、メタなどのハイテク・ジャイアントが大幅続伸し、S&P500とナスダック総合がともに3日続伸。3指数ともに取引時間中の史上最高値を更新し、終値でもS&P500とナスダック総合が最高値を更新。ナスダック総合は初めて19000ポイントを上回って終了した。米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場予想通りに政策金利が0.25%引き下げられ、今後についてはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がデータ次第だとコメントした。週初来ではダウ平均が3.99%高、S&P500が4.26%高とともに3週ぶりの反発ペースとなり、ナスダック総合は5.64%高と大幅反発ペースとなった。
週末の取引となる今晩は上値の重い展開か。トランプ・ラリーの継続が期待されるものの、主要3指数が週初から大幅高となったことで、週末を控えた持ち高調整の動きが上値の圧迫材料となりそうだ。今後の利下げを巡っては、パウエルFRB議長がデータ次第だとしたことで、今晩発表される11月ミシガン大消費者信頼感指数速報値や、同1年先・5年先期待インフレ率速報値をにらんだ展開となりそうだ。
今晩の経済指標・イベントはミシガン大消費者信頼感指数、同期待インフレ率速報値のほか、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、ムサレム米セントルイス連銀総裁の講演なども予定されている。企業決算は寄り前にバクスター・インターナショナル、パラマウント・グローバル、NRGエナジーなどが発表予定。
トルコ中銀は2024年末のインフレ率を38%から44%へ、2025年末を14%から21%へ上方修正しました。これは過去2カ月連続でインフレ率が予想を上回ったことを受けての修正。カラハン総裁は「この大幅な見通し修正が金融政策スタンスの変更を意味するものではない」と強調し、「将来的な利下げはインフレの基調が改善した後に行われ、金融緩和にはつながらない」と説明した。また、総裁は「物価安定が回復するまで引き締め政策を継続する」と述べ、政策金利の引き下げ時期について明確な指針を示すことは控えた。多くのアナリストは今年中の利下げ開始の可能性は低いと見ている。この発表を受け、リラ相場の変動はほとんどなかったが、イスタンブール証券取引所の主要株価指数は銀行株の上昇に牽引され0.9%上昇した。
日経平均株価は反発。高寄りスタートから4万円を前に伸び悩む展開となり、連日で陰線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の64.2%→68.7%(11/8)へ上昇。株価水準に大きな変化はなく、前日までの見方から大きな変化はない。
依然として10月からのもみ合いの範ちゅうであり、10/16の下げで開けたマド埋め(39910円)を通過点に4万円突破へ勢いづくかが焦点となる。前日同様、上方に一段高となる前の小休止であってほしいところだ。
上値メドは、10/15高値(40257円)や心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、心理的節目の39000円、200日移動平均線(38457円 11/8)、75日移動平均線(37901円 同)、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)などがある。
(8日終値:9日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=152.65円(8日15時時点比▲0.15円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.47円(▲1.28円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0709ドル(▲0.0073ドル)
FTSE100種総合株価指数:8072.39(前営業日比▲68.35)
ドイツ株式指数(DAX):19215.48(▲147.04)
10年物英国債利回り:4.435%(▲0.063%)
10年物独国債利回り:2.367%(▲0.078%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月仏貿易収支
82.66億ユーロの赤字 77.18億ユーロの赤字・改
9月仏経常収支
21億ユーロの赤字 12億ユーロの赤字・改
10月スイスSECO消費者信頼感指数
▲37.0 ▲33.7
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは頭が重かった。米長期金利の低下などを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行すると20時30分過ぎに1.0797ドル付近まで値を戻したものの、アジア時間に付けた日通し高値1.0807ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。欧州株相場の下落を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出たほか、11月米ミシガン大学消費者態度指数速報値が予想より強い結果となり、米長期金利が低下幅を縮小したことも相場の重し。前日の安値1.0713ドルを下抜けると一時1.0687ドルまで値を下げた。
一部ユーロクロスが下落した影響も受けた。ドイツではショルツ首相率いる与党連合が崩壊。「ユーロ圏経済に及ぼす影響について市場の解釈が進む中、欧州景気への懸念がくすぶる」との声も聞かれた。ユーロポンドは0.8293ポンド、ユーロカナダドルは1.4883カナダドル、ユーロスイスフランは0.9367スイスフランまで値を下げた。
・ドル円は下値が堅かった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.26%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。20時過ぎに一時152.14円と日通し安値を付けた。ただ、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げる展開に。米ミシガン消費者態度指数が予想を上回ったことや米10年債利回りが4.31%台まで低下幅を縮めたことが相場を下支えした。市場では「200日移動平均線が位置する151.68円付近が重要なサポートとして意識されている」との声が聞かれた。
・ユーロ円は軟調。全般ユーロが売られた流れに沿ったほか、欧州株安に伴うリスク・オフの円買い・ユーロ売りが入ると、2時過ぎに一時163.21円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は4日続落。中国の景気支援策に対する失望感が広がっていることが投資家心理を冷やした。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値下がりした。BPやシェルなどエネルギー株も軟調だった。
・フランクフルト株式相場は反落。中国当局はこの日、地方政府の債務上限の引き上げなどを発表したものの、今のところ需要喚起につながる政策が打ち出されていないことから、投資家の失望を誘ったもよう。個別ではBASF(5.19%安)やダイムラー・トラック・ホールディング(3.99%安)、BMW(3.21%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。独連立政権崩壊で欧州景気への懸念が意識されると、独国債に買いが入った。
フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じたところによると、「トランプ氏は米通商政策の指揮をロバート・ライトハイザー氏に要請する」ようだ。
(8日終値)
ドル・円相場:1ドル=152.64円(前営業日比▲0.30円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.61円(▲1.64円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0718ドル(▲0.0087ドル)
ダウ工業株30種平均:43988.99ドル(△259.65ドル)
ナスダック総合株価指数:19286.78(△17.32)
10年物米国債利回り:4.30%(▲0.02%)
WTI原油先物12月限:1バレル=70.38ドル(▲1.98ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2694.8ドル(▲11.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
73.0 70.5
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは反落。米長期金利の低下などを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行すると20時30分過ぎに1.0797ドル付近まで値を戻したものの、アジア時間に付けた日通し高値1.0807ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。欧州株相場の下落を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出たほか、11月米ミシガン大学消費者態度指数速報値が予想より強い結果となり、米長期金利が低下幅を縮小したことも相場の重しとなった。前日の安値1.0713ドルを下抜けると一時1.0687ドルまで値を下げた。
ドイツではショルツ首相率いる与党連合が崩壊したことから、「ユーロ圏経済に及ぼす影響について市場の解釈が進む中、欧州景気への懸念がくすぶる」との声が聞かれた。また、ショルツ氏はこれまで3月の総選挙実施を目指す意向を明らかにしていたが、1月の実施を求める圧力が高まっていることを受けて、「早期総選挙の実施時期について話し合う用意がある」との見解を示した。なお、世論調査によると「有権者の3分の2が早期の選挙実施を望んでおり、経済団体は政治的混乱の終結を求めている」という。
・ドル円は続落。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.26%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。20時過ぎに一時152.14円と日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。米ミシガン消費者態度指数が予想を上回ったことや米10年債利回りが4.31%台まで低下幅を縮めたことが相場を下支えした。市場では「200日移動平均線が位置する151.68円付近が重要なサポートとして意識されている」との声が聞かれた。
・ユーロ円も続落。独連立政権崩壊でユーロ圏景気への懸念が意識される中、全般ユーロ売りが進んだ。2時過ぎには一時163.21円と日通し安値を更新した。なお、ユーロポンドは0.8292ポンド、ユーロカナダドルは1.4883カナダドル、ユーロスイスフランは0.9367スイスフランまで値を下げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。米大統領選ではトランプ前大統領の勝利が確実に。次期政権の経済政策が米景気を支えるとの見方が引き続き買いを促した。11月米ミシガン大学消費者態度指数速報値が予想より強い結果となったことも相場上昇につながった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら4日続伸し、史上最高値で取引を終えた。トランプ氏の選挙活動を支援したイーロン・マスク氏が最高経営責任者(CEO)を務めるテスラがこの日も大幅に上昇した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。ユーロ圏景気への懸念がくすぶる中、欧州債相場が上昇すると、米国債にも買いが波及した。前日に米連邦準備理事会(FRB)が追加利下げを決めたことも相場を下支えした。
・原油先物相場は反落。ハリケーン「ラファエル」が勢力を弱め、進路もメキシコ湾岸の精油地帯から逸れる見通しとなり、供給不安が和らいだ。中国の需要減退も相場の重しとなり、一時69.99ドルまで下押す場面があった。
・金先物相場は反落。外国為替市場でドル買いが進み、ドル建てで取引される金の割高感を嫌気した売りに押された。
8日11:59 加藤財務相
「トランプ氏の勝利を受け、貿易や金融市場通じ日本経済・財政などへの影響を注視していく必要ある」
「為替、投機的な動向も含め極めて高い緊張感を持って注視する」
「行き過ぎた為替の動きに対しては適切な対応をとる」
「為替、ファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要」
「為替、足元では一方向な急激な動き見られる」
8日17:17 藍仏安・中国財政相
「6兆元規模の債務借り換えは主要な追加の政策措置」
「銀行の資本増強作業を加速している」
「不動産市場を支援する税制措置が間もなく導入される」
「2025年に力強い財政政策を実施する」
「中国にはまだ借入を増やす大きな余地がある」
「次の政策措置と景気対策を積極的に計画している」
「隠れ債務の置き換えを直ちに開始する」
8日21:56 ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト
「ディスインフレ継続なら追加利下げの余地」
「米国とドイツの政治変動で不透明」
「緩やかな利下げは条件付き」
9日00:55 マクルーフ・アイルランド中銀総裁
「政策緩和のペースは慎重に決める必要がある」
「サービスインフレはインフレ目標とより一致し、3%近くになる」
※時間は日本時間
11日
○08:50 ◎ 9月国際収支速報
○08:50 ◇ 日銀金融政策決定会合における主な意見(10月30-31日分)
○14:00 ◇ 10月景気ウオッチャー調査
12日
○08:50 ◇ 10月マネーストックM2
13日
○08:50 ◇ 10月企業物価指数
14日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
15日
○08:50 ☆ 7-9月期実質国内総生産(GDP)速報値
○13:30 ◇ 9月第三次産業活動指数
○13:30 ◇ 9月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 9月設備稼働率
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
11日
○16:00 ◎ 10月ノルウェー消費者物価指数(CPI)
○16:00 ◇ 9月トルコ失業率
○16:00 ◇ 9月トルコ鉱工業生産
○21:00 ◇ 9月メキシコ鉱工業生産(季調済)
○米国(ベテランズデー)、債券市場が休場
○ポーランド(独立記念日)、カナダ(リメンバランス・デー)、休場
12日
○08:30 ◇ 11月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○09:30 ◇ 10月豪NAB企業景況感指数
○16:00 ◎ 10月独CPI改定値
○16:00 ◎ 10月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○16:00 ◎ 7-9月英失業率(ILO方式)
○16:00 ◇ 9月トルコ経常収支
○17:00 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○18:30 ◎ 7-9月期南アフリカ失業率
○19:00 ◎ 11月独ZEW景況感指数
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏ZEW景況感指数
○19:30 ◎ 10月インドCPI
○19:30 ◎ 9月インド鉱工業生産
○21:00 ◎ 9月ブラジル小売売上高
○22:30 ◇ 9月カナダ住宅建設許可件数
○23:00 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○24:00 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○13日00:15 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
13日
○07:00 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○09:30 ◎ 7-9月期豪賃金指数
○18:45 ◎ マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ☆ 10月米CPI
☆ エネルギーと食品を除くコア指数
○23:45 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、あいさつ
○14日01:00 ☆ 7-9月期ロシア国内総生産(GDP)速報値
○14日01:00 ◎ 10月ロシアCPI
○14日03:00 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○14日03:30 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、あいさつ
○14日04:00 ◎ 10月米月次財政収支
○08:00 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、討議に参加
○09:01 ◇ 10月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格
○09:30 ◎ 10月豪雇用統計(失業率/新規雇用者数)
○19:00 ☆ 7-9月期ユーロ圏GDP改定値
○19:00 ◎ 9月ユーロ圏鉱工業生産
○21:30 ☆ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(10月17日分)
○22:30 ◎ 10月米卸売物価指数(PPI)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○23:15 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、討議に参加
○15日01:00 ◇ EIA週間在庫統計
○15日03:30 ◎ シュナーベルECB専務理事、あいさつ
○15日04:00 ◎ メキシコ中銀、政策金利発表
○15日05:00 ☆ パウエルFRB議長、講演
○15日06:00 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○15日06:15 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
15日
○11:00 ◎ 10月中国鉱工業生産
○11:00 ◎ 10月中国小売売上高
○16:00 ◇ 10月独卸売物価指数(WPI)
○16:00 ☆ 9月英GDP
○16:00 ☆ 7-9月期英GDP速報値
○16:00 ◎ 9月英鉱工業生産/製造業生産高
○16:00 ◇ 9月英商品貿易収支/英貿易収支
○16:30 ◇ 10月スイス生産者輸入価格
○16:45 ◇ 10月仏CPI改定値
○17:30 ◎ 7-9月期香港GDP確定値
○22:30 ◇ 9月カナダ製造業出荷
○22:30 ◇ 9月カナダ卸売売上高
○22:30 ☆ 10月米小売売上高
○22:30 ◎ 11月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
○22:30 ◇ 10月米輸入物価指数
○23:15 ◎ 10月米鉱工業生産指数
◇ 設備稼働率
○24:00 ◇ 9月米企業在庫
○アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(ペルー・リマ、16日まで)
○インド(シーク教ナナック生誕日)、ブラジル(共和制宣言記念日)、休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆ポンド、英雇用データに注目、賃金の減速基調がポイントに
◆ポンド、BOE総裁は金利が徐々に低下との見解
◆加ドル、トランプ次期米大統領が加経済の懸念材料に
予想レンジ
ポンド円 196.00-202.00円
加ドル円 108.50-112.50円
11月11日週の展望
ポンドは英雇用データや国内総生産(GDP)速報値に注目。特にイングランド銀行(英中銀、BOE)が金融政策を決定するうえで判断材料の1つとする平均賃金の上昇率に注視したい。
前回6-8月期の賃金上昇率(ボーナスを除く)は、約2年ぶりの低水準となる前年比4.9%まで減速し、求人数も減少傾向とインフレ圧力の緩和を示す内容だった。ただ英中銀は、0.25%利下げを決定した7日の声明で、「賃金伸び率は依然として高水準」だと指摘している。英政府が先月発表した予算案を受けて、消費者物価指数が前年比0.5%弱押上げられると見込まれるなか、賃金の減速基調が止むようだと「英追加利下げ先延ばし」観測が高まるだろう。
また、今回の7-9月期GDP速報値については、4-6月期が前期比・前年比ともに改定値で下方修正されているほか、最新の英中銀予測でも2024年GDPは1%と8月予測から0.25%下振れしており、足もとでの成長減速はある程度織り込み済みと受けとめておいたほうが良いだろう。2025年GDP予測は1.5%まで持ち直すとされている。
なお、7日の英中銀声明では、政策金利の先行きについて文言は変更されず。「引き続き十分な期間、引き締めを続ける必要がある」、「インフレリスクに注視しながら、会合ごとに引き締め度合いを決定する」と述べられた。ベイリーBOE総裁は会見で「あまりにも急速な、または大幅な利下げはできないが、金利は徐々に低下するだろう」との見解を示した。また、一方では「予算がインフレにどのように影響するか、さらに見極める必要」と過度な思惑をけん制している。
加ドルは、米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領が圧勝したことを受けて強まった「トランプ・トレード(米債売りやドル買い)」が継続するのか、または一過性なのかを見定めながらの取引となりそうだ。また、米市場依存度が高い企業が多いカナダにとって、トランプ氏が主張する「保護主義的な貿易政策の強化」も大きな懸念材料。「全ての輸入品に対して一律10%の関税」が実際に導入されれば、年間300億ドルのコストをカナダ経済は被るとの試算もある。他にも、トランプ次期米大統領は、米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に含まれる6年ごとの見直し条項を利用し、協定の再交渉を行う意向を示している。次期米大統領と関係性が良いとは言えないトルドー加首相がどのように交渉するのかが今後の注目ポイント。
11月4日週の回顧
ポンドと加ドルはともに対円で売り先行も、米大統領選のトランプ候補勝利を受けて急騰したドル円に追随して上値を試した。ポンド円は196円半ばから199円半ば、加ドル円が109円付近から111円前半まで上昇した。トランプ・トレードの影響で、対ドルではポンドが1.30ドル半ばから1.28ドル前半まで下落、加ドルが1.38加ドル前半から1.39加ドル半ばまで加ドル安が進行した。その後、英中銀のインフレ見通し上振れでポンドは買い戻され、加ドルも米連邦公開市場委員会(FOMC)にかけて水準を切り上げた。
◆豪ドル、RBAはタカ派姿勢を維持
◆豪ドル、米大統領選後は2016年と同じ流れを辿るか注視
◆ZAR、米新政権の南アへの影響はネガティブ材料が多い
予想レンジ
豪ドル円 100.00-105.00円
南ア・ランド円 8.60-9.00円
11月11日週の展望
豪ドルは不安定な動きとなりそうだ。豪州の重要な経済指標をにらみながら、「トランプ・トレード」が持続するか見定める必要があるだろう。
豪州では、今週開催された豪準備銀行(RBA)理事会で、政策金利が予想通り据え置かれた。RBAは声明文で「基調インフレは依然として高すぎる」「インフレ率は2026年まで目標(2-3%)の中央値に到達することはないだろう」と言及するなど、これまで通りのタカ派的な見解を維持。市場ではRBAが金融緩和に転じるのは早くても来年前半との見方が中心となっている。一方で、米連邦準備理事会(FRB)は6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金利引き下げを決定。今後も追加利下げを進めていく考えを示しており、目先は豪米金利差が縮小していくことになるだろう。
こうした金融政策の違いは豪ドルの下値を支えることになるが、今週の為替市場では米大統領選挙で共和党のトランプ候補が勝利したことを受け、「トランプ・トレード」によるドル買いが進む場面が見られた。翌日には失速するなどドル相場は不安定な動きとなったが、来週以降に米金利の上昇とドル買いが再び強まるのであれば、豪ドルも対ドルを中心に上値が重くなることが予想される。トランプ候補が前回勝利した2016年は選挙後から年末まで豪ドル安・ドル高が進行したが、今回も同様の流れを辿るか慎重に見極めたいところだ。
なお、来週は豪州から12日に11月ウエストパック消費者信頼感指数や10月NAB企業景況感指数、13日に7-9月期賃金指数、14日に10月雇用統計が公表予定。特に四半期賃金指数や雇用統計はRBAの金融政策にも大きな影響を与える指標として注目されそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は神経質な展開が予想される。来週は12日に7-9月期失業率の発表が予定されているものの、基本的にはドル相場など外部要因に振らされることになるだろう。なお、トランプ新政権による南アへの影響については総じてネガティブなものが多い。トランプ次期米大統領はアフリカ成長機会法(AGOA)が米国経済にもたらす利益に疑問を呈しており、南アの政策が米国の利益と合致していないと感じた場合、AGOAに基づく南アへのアクセス見直しや制限を検討する可能性がある。さらに、BRICS諸国の一員として反西側諸国との関係を深めていることが国際舞台で南アフリカの立場を危うくするとの懸念もある。短期的なZAR売り材料とはならないだろうが、今後の影響を見極めていく必要があるだろう。
11月4日週の回顧
豪ドルはしっかり。対円では総じて堅調に推移したほか、米大統領選の結果判明後には対ドルで売りに押される場面もあったが、翌7日には買い戻しが入った。ZARも同様に対円では底堅い展開が続いた。対ドルでは大統領選後に一時売りに押されたものの、その後はドル売りの流れに沿って買い戻しに転じた。
◆ドル円、トランプトレード継続なら堅調に推移
◆ドル円、CPIなど週半ば以降に米重要指標が目白押し
◆ユーロドル、独連立政権崩壊が重しに
予想レンジ
ドル円 151.50-157.00円
ユーロドル 1.0450-1.0950ドル
11月11日週の展望
ドル円は、米大統領選や米連邦公開市場員会(FOMC)を通過して方向感を探る展開が想定されるが、ドルは底堅さを維持しそうだ。5日に投開票された米大統領選は決着に時間がかかるという予想に反し、トランプ候補の圧勝で幕が引かれた。トランプ新政権の掲げる減税や財政出動などの経済政策に対する期待を背景にトランプトレード(米国債売り・ドル買い)がしばらくは継続する可能性は高く、ドル円の上昇期待は一段と高まっている。
今後の焦点となるのは米金利見通しになるだろう。11月FOMCでは予想通り2会合連続での利下げが決定され、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は会見で「経済データ次第で利下げペースを決める」姿勢を強調したほか、インフレについては「2%前後で落ち着くというストーリーは非常に一貫性があると感じている」と自信を示した。ただ、新政権による高関税や減税がインフレに与える影響を懸念する声は大きく、利下げ観測が後退する可能性を考慮するとドルの下値は堅くなりそうだ。
来週は13日に10月消費者物価指数(CPI)、14日に10月卸売物価指数(PPI)や前週分の新規失業保険申請件数、15日に10月小売売上高と週半ば以降に重要指標が軒並み発表されるため注目したい。
なお、国内イベントとしては11日に総理指名選挙が行われる予定となっている。1回目の投票で決着が付かない場合、石破首相と立憲民主党の野田代表との決選投票になるが、国民民主党などが野田氏に投票しない方針を示しており、石破首相が再び選出される見通し。ただ、先日の衆院選大敗の責任を問う意見が自民党内でも過熱化しており、進退の行方を注視したい。
ユーロドルは、ドル先高観から上値の重い動きが続きそうだ。また、独連立与党3党の一角を占めた自由民主党(FDP)が政策の不一致を理由に離脱したことを受けて、独政情不安が急速に高まっていることもユーロの重しとなるだろう。ショルツ首相は来年1月の信任投票実施を表明し、不信任なら3月にも総選挙を行う可能性が出てきたが、野党側は来週にも信任投票の実施を要求しており、先行きは不透明な状況だ。
11月4日週の回顧
ドル円は、米大統領選でのハリス候補優勢との報道を受けて週明けは下落して始まったものの、投開票の結果が明らかになり、トランプ候補勝利との報道が続々と伝わると一気に買いが加速。一時154.71円まで買い上げられた。ただ、その後は急ピッチで上げた反動から失速。米長期金利の低下とともに152.70円まで調整売りに押されている。
ユーロドルはトランプトレードによりドルが全面高の展開になると、一時1.0683ドルと6月27日以来の安値を更新したが、一巡後はショートカバー入り1.0825ドルまで持ち直した。
8日の日経平均は反発。終値は118円高の39500円。FOMCでは大方の予想通り0.25%の利下げが決定され、結果を受けて米国の長期金利は低下。7日の米国ではS&P500とナスダックが上昇し、特にナスダックに強い動きが見られた。
米国株が概ね堅調であったことを好感して、寄り付きは400円を超える大幅上昇。ただ、主力グロース株の反応が案外で、開始早々に天井をつけた後は値を消した。萎んでは幾分戻すといった動きを繰り返しながら上げ幅を縮め、13時台半ばにはマイナス転換。ただ、下げに転じたところでは、すかさす買いが入った。そこからは15時近辺まで上を試しに行き、15時以降は失速。94円高の39475円でクロージング・オークションに突入し、やや水準を切り上げ、3桁の上昇で取引を終えた。値下がり銘柄が多く、TOPIXは小幅ながら下落。グロース250指数が相対的に強く、終日プラス圏で推移した。
東証プライムの売買代金は概算で5兆2600億円。業種別ではサービス、その他金融、情報・通信などが上昇した一方、パルプ・紙、輸送用機器、ゴム製品などが下落した。3Q累計で大幅な増益となったセレス<3696.T>が後場に買いを集めてストップ高。半面、通期の純利益見通しを大幅に引き下げた資生堂<4911.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり632/値下がり971。川崎重工が6.1%高。昼休みに下方修正を発表して後場は売り気配スタートとなったものの、押したところで強烈な買いが入った。上方修正や増配を発表した古河電工が、場中は値が付かずストップ高比例配分。業績好調が確認できた味の素、ラウンドワン、オプテックスGが急伸した。後述するように自動車株は弱かったが、後場に上方修正と増配を発表したスズキは発表前に大きく下げていたところから、一転大幅高となった。
一方、業績懸念と円安一服から、トヨタ、ホンダ、マツダなど自動車株が軟調。下方修正を発表し、通期の純利益見通しを取り下げた日産自動車が6%を超える下落となった。フジクラは上方修正や増配を発表して序盤では強く買われたものの、利益確定売りが一気に出てきて大幅安で終えた。ロームや太陽誘電が失望決算を発表して急落。一部報道を受けて、公正取引委員会による調査を受けていることを公表したKADOKAWAが12.8%安となった。
日経平均は続伸。高寄りした分、失速感が出たが、それでも3桁の上昇となり、終値ではきっちり39500円に乗せた。マイナス圏に沈んだところで崩れなかったり、節目がしっかり意識されているところに、地合いの良さがうかがえる。来週はソフトバンクG、東京エレクトロン(12日、日付けは予定、以下同じ)やメガバンク3行(14日)などの決算が出てくるが、指数を見る上ではソフトバンクGと東京エレクトロンの決算反応が大きく注目される。決算発表時は大型株でも中小型株のような荒い値動きをすることが当たり前のようになってきており、これらに値幅が出れば日経平均も影響を大きく受ける。今週の日経平均は週間では大きく上昇したものの、週後半は高くなったところで気迷いムードが見られた。40000円を超えるには、最低でもどちらかが決算で強く買われることが必要になるだろう。
【来週の見通し】
一進一退か。今週、米国の大統領選挙を経て米国の主要3指数が史上最高値を更新しており、米国株は堅調が見込まれる。米国では13日に10月消費者物価指数(CPI)、14日に10月生産者物価指数(PPI)の発表があるが、11月のFOMCでは0.25%の利下げが決定されたばかりで、順当ならこれらの物価指数はさらなる利下げに対する期待を高める公算が大きい。一方、国内は来週で主力どころの決算が概ね出そろう。週後半にかけては売買代金減少による市場エネルギーの低下が懸念される。米国株に対する期待から下値は堅いとみるものの、日経平均は節目の40000円近辺では戻り売りも出やすく、上値追いには慎重になると予想する。
今週の日経225先物は、トランプ氏の米大統領選勝利を受け、同氏が公約に掲げた減税や規制緩和、関税強化などを睨みながらの展開となろう。8日の米国市場ではトランプ次期政権の経済対策への期待から買いが継続し、NYダウ、 S&P500株価指数、ナスダックの主要な株価指数が最高値を更新。11月のミシガン大消費者信頼感指数は市場予想を上回り、7カ月ぶりの高水準だった。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では予想通り0.25%の利下げを決定し、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が会見で、今後の利下げについて含みを持たせたことも投資家心理を明るくさせていた。
ただし、半導体SOX指数は下落した。S&P500指数、ナスダック指数は上昇したが、テスラ<TSLA>の影響が大きい。同社は8日に8%を超す上昇となり、時価総額が1兆ドルに乗せていた。イーロン・マスクCEO(最高経営責任者)がトランプ氏勝利の立役者として優遇されるとの思惑が高まっていた。一方で、エヌビディア<NVDA>、アドバンスト・マイクロデバイセズ<AMD>、マイクロン・テクノロジー<MU>など半導体株の一角は売られた。
トランプ氏は中国製品に最大60%の関税を課すと示唆しており、中国は報復措置を講じる可能性がある。トランプ・ラリーの一方で、同氏の政策についてマイナス面の影響も市場は徐々に織り込むことになりそうだ。
先週の日経225先物は6日の1040円高で10月31日の戻り高値3万9720円を一気に突破し、7日には一時4万0170円(ナイトセッションを含む)まで買われ、大台の4万円を回復する場面もみられた。これにより、ボリンジャーバンドの+2σ(4万0010円)水準まで上昇したことで過熱感が警戒される一方、10月15日の戻り高値4万0300円が射程に入った。しかし、トランプ次期政権による関税強化を警戒し、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が売られており、8日の取引終了後のナイトセッションでは一時3万8960円と節目の3万9000円を割り込む場面もみられた。
また、国内では11日に特別国会が招集され、石破茂首相が衆院本会議での首相指名選挙で第103代首相に選出される見通しである。首相指名選挙は与党の過半数割れで石破氏と立憲民主党の野田佳彦代表による決選投票となる可能性が高い。波乱はないとみられるものの、週初は様子見ムードが高まりやすい。
日経225先物はナイトセッションでの調整で25日移動平均線(3万8980円)水準まで下げており、同線が支持線として機能するかが注目される。同線を明確に割り込んでくると、前週の上昇分を埋めてくる展開が警戒されやすく、ショートを誘う流れになりそうだ。また、支持線として機能したとしても、11月のSQ値が3万9901.35円であり、日経平均株価がこれを捉えることができないと、節目の4万円に接近する局面では戻り待ち狙いのショートが入りやすいだろう。
そのため、オプション権利行使価格の3万8000円から4万円と広めのレンジを想定しておきたい。25日線を下回る局面では、200日線が位置する3万7770円処が意識されてくる可能性はある。一方で、SQ値をクリアしてくると10月高値の4万0300円が改めてターゲットになりそうだ。
また、トランプ政権による中国への関税強化が警戒されるなか、いったんは中国の景気対策を手掛かりに日本から中国へシフトした資金が、再び日本に環流してくる可能性もあるだろう。そのため、下値の堅さは意識されやすく、25日線を下回ったとしても、ボリンジャーバンドの-1σが位置する3万8460円辺りでの押し目狙いに向かわせそうである。
そのほか、ピークを迎えている決算発表については、今週も1400社超が予定されているが、14日でピークは通過する。これまで米大統領選とFOMCの2大イベントを控えていたこともあり、先回り的な動きは限られていた。先週末は日産自動車 <7201.T> [東証P]が大幅な下方修正が嫌気されたが、売り一巡後は下落幅を縮めていた。決算発表がピークを通過し、機関投資家が動きやすくなるため、押し目狙いのロングの動きもみられそうだ。
先週のNT倍率は先物中心限月で14.38倍に上昇した。前週末の14.41倍から6日には14.59倍に上昇する場面もみられ、抵抗線として意識されていた25日線(6日:14.47倍)を突破した。ただし、トランプ関税への警戒から半導体株の一角が売られるなか、7日には14.30倍まで大きく下げており、200日線(7日:14.28倍)、75日線(同:14.26倍)に接近する場面もあった。ハイテク株睨みとなるなか、200日線辺りまでの低下もありそうだ。
10月第5週(10月28日-11月1日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの売り越しであり、売り越し額は3372億円(10月第4週は1293億円の買い越し)だった。なお、現物は1885億円の売り越し(同206億円の売り越し)と3週連続の売り越しであり、先物は1487億円の売り越し(同1500億円の買い越し)と2週ぶりの売り越し。個人は現物と先物の合算で329億円の買い越しで2週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で1495億円の買い越しとなり、5週ぶりの買い越しだった。
主要スケジュールでは、11月11日に日銀金融政策決定会合の主な意見(10月30~31日分)、10月景気ウォッチャー調査、首相指名選挙、中国「独身の日」、国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29、~22日)、13日に10月国内企業物価、エヌビディアAIサミットジャパン、米国10月消費者物価指数、14日に米国10月生産者物価指数、パウエルFRB議長がダラス連銀主催のイベントで討議に参加、15日に7-9月期GDP、APEC首脳会議(~16日)、中国1-10月固定資産投資、中国10月鉱工業生産指数、中国10月小売売上高、米国10月小売売上高、米国10月鉱工業生産指数などが予定されている。
<国内>
○08:50 ◎ 9月国際収支速報
◇ 経常収支(予想:季節調整前3兆4327億円の赤字/季節調整済2兆9863億円の黒字)
◎ 貿易収支(予想:662億円の赤字)
○08:50 ◇ 日銀金融政策決定会合における主な意見(10月30-31日分)
○14:00 ◇ 10月景気ウオッチャー調査(予想:現状判断指数47.1/先行き判断指数49.2)
<海外>
○16:00 ◎ 10月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.5%/前年比2.4%)
○16:00 ◇ 9月トルコ失業率
○16:00 ◇ 9月トルコ鉱工業生産(予想:前月比横ばい)
○21:00 ◇ 9月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比0.4%)
○米国(ベテランズデー)、債券市場が休場
○ポーランド(独立記念日)、カナダ(リメンバランス・デー)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
8日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが4.26%台まで低下したことで152.14円まで下落したものの、米10年債利回りが4.31%台まで低下幅を縮めたことで下げ渋る展開となった。ユーロドルは欧州株相場の下落を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出たことなどで、1.0797ドル付近から1.0687ドルまで値を下げた。ユーロ円は独連立政権崩壊でユーロ圏景気への懸念が意識されたことで163.21円まで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、トランプ・トレード(米国債売り・ドル買い)により底堅い展開が予想されるものの、上値は米10年債利回りの低下や今週発表される米10月消費者物価指数(CPI)などへの警戒感から限定的だと思われる。
本日の上値の目安としては、日足一目均衡表・転換線の153.01円付近、下値の目安としては200日移動平均線の151.70円付近を念頭に置いておきたい。
8時50分に発表される日銀金融政策決定会合における主な意見(10月30-31日分)では、石破政権下での追加利上げに関する見解に注目しておきたい。
特別国会での首相指名選挙では、国民民主党が玉木代表に投じると表明しているため、第2次石破内閣が誕生する可能性が高まっている。来年7月の参議院選挙に向けて、与野党の攻防が続いていくことになる。
第1次トランプ政権では、パウエルFRB議長に対して利下げ圧力をかけ、米国の製造業保護のために高い関税という防波堤を設けながら、ドル安を志向していた。
第2次トランプ政権でも、発言権を求めている米連邦準備理事会(FRB)に対しては利下げ圧力を加え、高関税(対中国60%、その他10-20%)とドル安を志向すると思われる。
FRBへの利下げ圧力に関しては、パウエルFRB議長はインフレ伸び率の鈍化傾向と労働市場の緩和傾向を背景に、利下げ路線を邁進中であり、第2次トランプ政権による利下げ要請と整合的だと思われる。
米10月CPIがインフレ鈍化を示していた場合、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の追加利下げ確率が高まることで、ドル円の上値を抑える要因となる。
懸念材料としては、第2次トランプ政権で関税引き上げ、減税と大規模な財政出動、移民規制などの公約が実現された場合、物価上昇圧力(トランプ・フレーション)が高まるため、FRBの来年以降の中立金利水準を目指した利下げ路線の障害となる可能性が挙げられる。
パウエルFRB議長は、今後の金融政策は「データ」次第と述べてきているが、来年以降は「政策」次第となっていくのかもしれない。
トランプ次期米大統領は、第1次トランプ政権でもドル高をけん制していたが、今年4月にも、ドルが対円で34年ぶりの高値を付けたことに関して、米国の製造業にとって「大惨事だ」と述べていた。
トランプ次期米大統領は、第1次トランプ政権で通商代表部(USTR)の代表を務めたライトハイザー氏に再登板を要請した、と報じられている。ライトハイザー氏は第1次トランプ政権で日米貿易協定の交渉を主導するなど、対日強硬派として知られており、1980年代のレーガン政権のUSTR次席代表として、日本に対して鉄鋼輸出の自主規制を受け入れさせた。
第2次トランプ政権が、「米国第一主義」を実現させる手段として、関税引き上げと並行して、対人民元、対円でのドル安誘導「プラザ合意2」に踏み切る可能性には警戒しておきたい。一方で、本邦通貨当局にとっては、ドル売り・円買い介入に難色を示してきたイエレン米財務長官が退任し、ドル安を志向する第2次トランプ政権の誕生は好都合なのかもしれない。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39140 -360 (-0.91%)
TOPIX先物 2723.5 -21.5 (-0.78%)
シカゴ日経平均先物 39135 -365
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
8日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。トランプ次期政権による減税や規制緩和策を期待した買いが続いた。また、11月のミシガン大消費者信頼感指数は市場予想を上回り、7カ月ぶりの高水準だった。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では予想通り0.25%の利下げを決定し、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が会見で、今後の利下げについて含みを持たせたことも投資家心理を明るくさせていた。
ただし、S&P500指数、ナスダック指数の上昇は、テスラ<TSLA>が買われた影響が大きい。エヌビディア<NVDA>やアドバンスト・マイクロデバイセズ<AMD>、マイクロン・テクノロジー<MU>など半導体株の一角は売られており、半導体SOX指数は下落した。S&P500業種別指数は自動車・同部品、家庭用品・パーソナル用品、公益事業が上昇した一方で、素材、メディア、半導体・同製造装置が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比365円安の3万9135円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比40円高の3万9540円で始まり、寄り付きを高値に軟化し下落に転じると、一時3万8960円まで下げ幅を広げる場面もみられた。売り一巡後は持ち直し、米国市場の取引開始時には3万9180円まで下落幅を縮めた。ただ、リバウンド基調は強まらず、その後は3万9040円~3万9210円辺りで保ち合い、3万9140円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになりそうだ。米国ではトランプ・トレードの流れが継続しているが、関税強化といったマイナス面を懸念する動きもみられる。トランプ氏は中国製品に最大60%の関税を課すと示唆しており、中国は報復措置を講じる可能性がある。エヌビディアなど半導体株の一角の弱い値動きは、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への重荷になりそうだ。
日経225先物はナイトセッションで一時3万8960円と節目の3万9000円を割り込んだ。25日移動平均線が3万8980円辺りで推移しており、同線が支持線として意識されやすいだろう。3万9000円を巡る攻防になる可能性があり、まずは25日線辺りでは押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。また、本日は特別国会を招集され、内閣総理大臣を指名する選挙が行われる。石破茂首相は衆院本会議での首相指名選挙で決選投票を経て、第103代首相に選出される見通しである。あらためて石破政権に対する政策期待から押し目待ち狙いのロングも入りやすいだろう。
日経225先物は25日線を明確に下放れてくるようだと、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8460円)辺りが意識され、前週のリバウンド分を帳消しにする可能性は意識しておきたい。反対に25日線での底堅さがみられるようだと、+1σ(3万9500円)がターゲットになりそうだ。
もっとも、前週は一時4万0170円(ナイトセッションを含む)まで買われ、+2σを突破する場面もみられた。+1σ突破からショートカバーが強まる可能性はあるものの、11月のSQ値が3万9901.35円であり、日経平均株価はこれを捉えることができないと、節目の4万円に接近する局面では戻り待ち狙いのショートが入りやすいだろう。そのため、オプション権利行使価格の3万8750円から3万9750円のレンジを想定する。
8日の米VIX指数は14.94(前日は15.20)に低下した。一時14.66まで下げており、8月19日に付けた14.46に接近するなど、不安心理が高まった状態を示す20.00を明確に下回ったことでリスク選好の流れが強まっている。8月安値を下回ってくると、一段とリスク選好に向かわせよう。一方で200日線(15.80)を上回ってくると、トランプ・ラリーの一巡が意識されてくるとみておきたい。
先週のNT倍率は先物中心限月で14.38倍に上昇した。ただし、トランプ関税が警戒されて半導体株の一角が売られるなか、7日には14.50倍辺りから14.30倍まで大きく下げており、短期的なリバランスの範囲内である。200日線(14.28倍)、75日線(14.26倍)が意識される可能性もあり、ハイテク株の動向を睨んでの展開になりそうだ。
ドイツのショルツ首相は10日、クリスマス前に議会で信任投票を行う用意があると表明した。ショルツ首相は当初、1月15日に信任投票を予定していたが、政治的圧力の高まりを受けて前倒しを検討。この決定は政治情勢が不安定化する中で、新たな展開をもたらす可能性があり、早期の総選挙実施に向けて、各政党や有権者の反応が注目されることになる。
日経225先物は11時30分時点、前日比120円安の3万9380円(-0.30%)前後で推移。寄り付きは3万9200円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9135円)にサヤ寄せする形から、売りが先行して始まった。寄り付きを安値に押し目待ち狙いのロングが優勢となり、現物の寄り付き後ほどなくして一時3万9620円まで買われる場面もみられた。ただし、買い一巡後は軟化し中盤にかけて下落に転じており、終盤にかけて3万9350円辺りまで下げている。
日経225先物は売り一巡後のロングの動きから、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9510円)を上回る場面もあったが、+1σ水準をキープできず、終盤にかけて弱含む形だった。ただし、寄り付き水準を上回って推移していることもあり、ショートを仕掛けてくる動きは限られているようだ。25日移動平均線と+1σとのレンジが意識されており、オプション権利行使価格の3,万9000円から3万9500円での推移が続こう。
NT倍率は先物中心限月で14.40倍に上昇した。一時14.34倍に低下する場面もみられたが、その後は前週末の終値14.38倍を上回っての推移となった。指数インパクトの大きいところでは、ソニーグループ <6758.T> [東証P]、テルモ <4543.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]の3社で日経平均株価を約70円支えた一方で、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、ダイキン <6367.T> [東証P]の3社で約70円押し下げており、大きなトレンドは出ていない。
先週末のドル円は、米長期金利の低下につれて戻り売りが先行。欧州時間にはドイツが与党連合崩壊という政局となっていることもあり、ユーロ円中心に売り込まれるなどリスクオフとなるなか一時152.14円まで値を下げる場面もみられましたが、その後は米10年債利回りが4.2616%から4.3160%まで低下幅を縮めるにつれて152.86円まで買戻されました。ただ、引けにかけては週末とあって152.60円を挟んだもみ合いとなってNY市場を引けています。週足の一目雲上限が位置する152.38円を維持して乱高下した取引を終えました。
週明けのアジア市場では、米国がベテランズデーの祝日で米債券市場が休場となるなか、早朝から買戻しが先行。先週末の海外市場で一時39000円を割込んでいた日経平均先物が急速に買戻しとなったことをきっかけに、NY時間の高値152.86円を上抜けて上昇。本邦実需の買いも観測されると先週末の高値153.37円を上抜けて一時153.43円まで値を上げているといったところです。
市場では、トランプトレードがポジション調整の後で再開されているほか、日本でも石破新内閣の誕生とともに、党首が不倫報道で早速横槍が入ってはいるものの、国民民主党の政策を中心としたハイプレッシャー経済への期待感からの買いも出て来ている模様。本邦勢の需給面としては、年度内の輸出予約には目処がたっている一方、実需勢の買い遅れ感が依然として強いといった状況。一目転換線の153.01円や、週足の一目雲上限が位置する152.85円付近を意識した展開となっていきそうです。
「米大統領選は、当面の金融政策決定に何ら影響しない」(パウエルFRB議長)
パウエルFRB議長は、今後の金融政策は、これまで通りに「データ次第」と述べたが、金融政策への発言権を求めているトランプ第47代米大統領の誕生により、「政策次第」へ変更する必要があるのかもしれない。
1. FOMCの金融緩和(2024年~)
【FF金利誘導目標】 【CPI】 【PCE】
・2024年9月;4.75%~5.00%(第1次利下げ)▲0.50% +2.5% +2.5%
・2024年11月;4.50%~4.75%(第2次利下げ)▲0.25% +2.4% +2.1%
2.米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融引締め(2022年~2023年)
【FF金利誘導目標】 【CPI】 【PCE】
・2023年11月;5.25%~5.50%(据え置き)
・2023年09月:5.25%~5.50%(据え置き) +3.7% +3.4%
・2023年07月:5.25%~5.50%(第11次利上げ) +3.2% +3.3%
・2023年06月:5.00%~5.25%(据え置き) +3.0% +3.0%
・2023年05月:5.00%~5.25%(第10次利上げ) +4.0% +3.8%
・2023年03月:4.75%~5.00%(第9次利上げ) +5.0% +4.2%
・2023年02月:4.50%~4.75%(第8次利上げ) +6.0% +5.0%
・2022年12月:4.25%~4.50%(第7次利上げ) +6.5% +5.3%
・2022年11月:3.75%~4.00%(第6次利上げ) +7.1% +5.5%
・2022年09月:3.00%~3.25%(第5次利上げ) +8.2% +6.2%
・2022年07月:2.25%~2.50%(第4次利上げ) +8.5% +6.4%
・2022年06月:1.50%~1.75%(第3次利上げ) +9.1% +6.8%
・2022年05月:0.75%~1.00%(第2次利上げ) +8.6% +6.3%
・2022年03月:0.25%~0.50%(第1次利上げ) +8.5% +6.6%
3. FOMC声明:2大責務のリスクは均衡
「委員会は『雇用』と『インフレ』の目標達成に対するリスクはほぼ均衡している」
「経済見通しは不確かで、委員会は2つの責務の両サイドに対するリスクに注意を払っている」
※インフレ:持続的に2%に向かいつつある
・修正「進展した」
・削除「自信を深めている」
※労働市場
・修正「今年に入って以降、労働市場の状況はおおむね緩和してきた。失業率は上昇したが、依然として低い水準だ」
4.パウエルFRB議長:慎重かつ忍耐強く
「われわれは時間をかけてより中立的なスタンスへと移行しており、そうした中で今回の政策スタンスのさらなる調整は、経済と労働市場の強さを維持する一助となり、インフレ面でのさらなる進展を今後も可能にするだろう」
「具体的な引き下げペースや最終的な着地点は入手するデータ次第」
「急ぎ過ぎてインフレ面での進展を損なうリスクと、ゆっくり過ぎて労働市場が過度に弱まるリスクの間でかじ取りをしようとしている」
「中立を見いだす正しい方法は慎重かつ忍耐強くあることだ」
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、米国債券市場がベテランズデーの祝日で休場となり、重要な経済指標や要人発言の予定もないため、動きづらい展開が予想される。
ユーロドルの1.0700ドルには、11日、13日、15日のNYカットオプションが控え、1.0725ドルには12日の大きめのNYカットオプションが控えており、値動きを抑制する可能性には警戒しておきたい。
現状のユーロ売り要因は以下の通りとなるが、本日も関連ヘッドラインに警戒しておきたい。
ウクライナ戦争に関しては、10日にウクライナ軍はモスクワに対する最大規模の無人機攻撃を行い、トランプ次期米大統領がプーチン露大統領に対してウクライナ戦争を激化させないように忠告した、と報じられている。
ドイツの連立政権崩壊を受けた政治的な不透明感に関しては、ショルツ独首相は、クリスマス前に信任投票を実施する用意がある、と述べ、早期の総選挙実施に意欲を示した。
12月の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げ観測に関しては、ラガルドECB総裁は「データ次第」と述べつつも、追加利下げに前向きなスタンスを示していた。
第2次トランプ米政権による対欧州連合(EU)の関税導入計画に関しては、ユーロ圏のさらなる景況感悪化に繋がることになるため、中期的なユーロ売り要因となる可能性に警戒しておきたい。EUは中国とも貿易戦争の可能性が高まっている。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0778ドル(5日移動平均線)
・ユーロ円:164.27円(日足一目均衡表・基準線)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0650ドル(5/1安値)
・ユーロ円:162.78円(10/22安値)
ドル円:1ドル=153.52円(前営業日NY終値比△0.88円)
ユーロ円:1ユーロ=164.54円(△0.93円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0717ドル(▲0.0001ドル)
日経平均株価:39533.32円(前営業日比△32.95円)
東証株価指数(TOPIX):2739.68(▲2.47)
債券先物12月物:143.65円(△0.08円)
新発10年物国債利回り:0.995%(▲0.005%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.26600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月国際収支速報
経常収支(季節調整前)
1兆7171億円の黒字 3兆9331億円の黒字・改
経常収支(季節調整済)
1兆2717億円の黒字 3兆1459億円の黒字・改
貿易収支
3152億円の赤字 ▲3779億円
10月景気ウオッチャー調査
現状判断指数 47.5 47.8
先行き判断指数 48.3 49.7
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は買い優勢。朝方から日経平均先物が買い戻されたことを背景に買いが先行。本邦実需勢の買いも断続的に観測されて先週末高値の153.37円を上抜けて153.67円まで値を上げた。特段円売りを促す材料には乏しかったが、「ドル先高観や日銀の早期利上げ観測後退で下値では押し目買い意欲が強い」との指摘があった。
・ユーロ円も買い優勢。序盤から全般円売りが進んだ流れに沿って一時164.66円まで上昇した。また、その他クロス円も強くポンド円は198.43円、豪ドル円は101.36円、NZドル円は91.84円までそれぞれ値を上げた。
・ユーロドルは小動き。円絡みの通貨が相場を主導したためユーロドル自体は1.07ドル台前半で方向感を欠いている。
・日経平均株価は続伸。目先の利益確定売りが出たほか、半導体関連株の一角が売られたことも指数を押し下げ180円超下げる場面があった。一方で、先週末の米国株は史上最高値を更新するなど地合いが強いことから日本株も底堅かった。
・債券先物相場は続伸。先週末の欧米債券相場が上昇した流れを引き継いで143.74円まで買いが先行。一巡後は伸び悩んだが下値も限られた。
第一生命経済研究所では、民間企業の2024年冬のボーナス一人当たり支給額(毎月勤労統計ベース)を前年比+2.7%と予想している。冬のボーナスとしては4年連続の増加を見込んでいる。冬のボーナスで明確な増加が見込まれることは、家計の所得環境にとって大きな追い風となると第一生命では指摘。実質賃金は24年8、9月には前年比ゼロ%近傍の推移にとどまっているが、ボーナス支給時期である24年12月には明確なプラスになると予想している。
衆院は石破氏を第103代総理大臣に指名した。決戦で石破氏の得票が野田氏を上回り首相に選出された。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
BOEが追加利下げを決定 今後も段階的な利下げを継続へ
8月に利下げを開始した英イングランド銀行(BOE)は、9月に利下げを見送った後、11月は25bpの追加利下げを決定。消費者物価の下振れなどを受け、連続利下げに切り替えるとの観測も一部で浮上したが、声明文では今後も段階的な緩和を続けることを示唆した。同時に発表された金融政策レポートでは、10月末に発表された大幅な拡張予算を反映し、景気や物価見通しを上方修正。次回12月の利下げは見送られる可能性が高まった。今後は四半期に1回の金融政策レポートの発表月(2、5、8、11月)に合わせて、25bp刻みの利下げを続けるのが基本シナリオとなろう。
SMBC日興証券では、米国の利下げが日銀の金融政策に及ぼす影響について考察している。FRBは11月のFOMCでFF金利を25bp引き下げ、4.5~4.75%とした。日銀は7月に円安を理由に利上げを行ったが、9月以降の円安再燃を受け、市場では利上げ期待が高まっている。ただ、現在のドル円レートに大きな影響を与えている米短期金利は上昇余地がなくなってきており、Fedの利下げサイクルの進ちょくを考えれば、今後はピークアウトしていくとみられるとSMBC日興ではコメント。米短期金利の低下からドル円レートは円高に転換していくとみられ、市場の日銀・追加利上げ期待も徐々に後退していく可能性があると指摘している。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
「トランプの時代」到来で全世界的な地政学リスクをどうみるか
世界情勢の在り様を左右するなか、日本として対峙すべき問題は複雑かつ困難なものになるか
5日に実施された米大統領選ではトランプ氏が勝利した。トランプ次期政権を巡っては、通商政策をはじめとする経済政策の動きに注目が集まる。他方、トランプ氏が大勝利を収めた一因には、ウクライナ戦争をはじめ“戦争”に終止符を打つ考えをみせたことも影響した模様である。ただし、ウクライナ戦争の終結の仕方如何では世界情勢を巡る望ましくないルール作りに繋がる可能性がある。また、力の不均衡が戦争勃発を招く一因であることに鑑みれば、全世界的な軍拡競争に突入する鏑矢となる可能性にも要注意である。
力の不均衡による戦争突入という観点では、地理的、且つ経済的に日本も影響を受ける台湾情勢も無視し得ない。ウクライナ戦争の終結で誤ったメッセージを与えれば事態が悪化するリスクを孕む。他方、トランプ氏は自身が得意とするディールを通商問題のみならず、安全保障や経済安保、北朝鮮問題などに広げてくる可能性もある。事態打開に繋がるかは極めて未知数な状況であるが、ディールを多用する展開が続こう。
一方で中東情勢を巡っては、トランプ前政権がイスラエルを支援する一方、イランに強硬姿勢を示してきたことを勘案すれば、如何なる方策で対応するかは見通せない。他方、イランの背後にあるロシアの存在を勘案すれば、ウクライナ戦争を絡めたディールを仕掛ける「ウルトラC」も考えられない訳ではない。しかし、ウクライナ戦争の行方が世界情勢に与える影響を勘案すれば、安易な方法が招くリスクに要注意である。
トランプ氏を巡っては、経済的利益のない行為(=戦争、軍事)を好まないことが結果的に戦争を引き起こさなかった一因とされる。しかし、ウクライナ戦争、台湾情勢、中東情勢のいずれも経済的利益以外の理由が影響していることを勘案すれば、当事国間が同じ理屈を共有できるかは見通せない。日本はあらゆる事態に対応できる能力構築の一方、外交的努力を最大限に払う難しい舵取りを迫られる局面にあると言えよう。
中国は地方政府が傘下投資会社などを通じて抱える「隠れ債務」の圧縮に向けた地方債の発行枠を10兆元拡大する。全国人民代表大会(全人代)常務委員会が8日、国務院(内閣に相当)が提出した「地方政府の隠れ債務と置き換える債務限度額の増加議案」を承認して閉幕した。
地方政府が金利の高い隠れ債務を借り換えるため発行できる低利の専項債(インフラ債)の枠を6兆元拡大する。中国財政部の藍仏安部長は常務委員会閉幕後の記者会見で、拡大は2024年から26年まで年2兆元ずつ実施すると説明した。これとは別に、地方政府が新規発行できる専項債を24年以降に毎年8000億元増額し、5年間で計4兆元の隠れ債務と置き換える。これに今回の全人代常務委員会で承認された6兆元の発行枠を加えると、地方政府の債務を直接削減する原資は10兆元増えると説明した。さらに、2029年以降に償還期限が到来する棚戸区(バラック地区)の改造で生じた隠れ債務2兆元は、元の契約に従って返済されると述べた。 藍部長は「以上3つの政策の効果を合わせれば、地方が解消すべき隠れ債務の総額は14兆3000億元から2028年までに2兆3000億元に減る。毎年の平均消化額は4600億元と、もとの2兆8600億元の約6分の1に縮小する」と指摘した。
一方、10月に発表した追加政策については、引き続き推進し、効果を確認するとした。「既に発表した政策を着実に実施し、まだ発表していない政策もできるだけ速やかに打ち出す」と述べた。現在、不動産市場の健全な発展を支援する関連税制政策は、規定の承認手続きを終え、近日中に打ち出す予定。隠れ債務の置き換え作業もすぐに開始する。国有大型商業銀行のコアTier1資本を増強する特別国債の発行などの作業も現在急ぎ進めている。専項債を使った遊休土地の買い戻し、新たな土地の在庫追加、低所得者向け保障性住宅に転用する目的での商品住宅(不動産開発業者が市場で販売すする住宅)の購入に向け、財政部が関連部門と協力して細則を検討・制定し、迅速に実施していくとした。
また、藍部長は来年の経済社会発展目標に合わせてより強力な財政政策を実施する方針を明らかにした。第一に、赤字の拡大余地を積極的に利用する。第二に、専項債の発行規模を拡大し、投資分野を広げ、資本金として使う比率を高める。第三に、超長期特別国債の発行を続け、国家の重大戦略と重点分野の安全能力の構築を支える。第四に、大規模な設備更新に力を入れ、消費財の買い替え品目と規模を拡大する。第五に、中央から地方への支出移転の規模を拡大し、科学技術イノベーションや民生などの重点分野への投入を強化する。
大阪12月限
日経225先物 39550 +50 (+0.12%)
TOPIX先物 2741.0 -4.0 (-0.14%)
日経225先物(12月限)は前日比50円高の3万9550円で取引を終了。寄り付きは3万9200円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9135円)にサヤ寄せする形から、売りが先行した。寄り付きを安値に押し目待ち狙いのロングが優勢となり、現物の寄り付き後ほどなくして一時3万9620円まで買われる場面もみられた。ただし、買い一巡後は軟化し下落に転じると、前場終盤にかけて3万9330円辺りまで下げた。
ランチタイムでやや持ち直し、後場は3万9390円から3万9550円辺りで保ち合いを継続。終盤にかけては徐々に下値を切り上げる動きをみせて、日経平均型のインデックス買いが入る場面もみられた。
日経225先物は売り一巡後のロングにより、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9510円)を上回る場面もあったが、+1σ水準をキープできず、前場終盤にかけて弱含む形だった。ただし、ショートを仕掛けてくる動きは限られており、後場は+1σ水準での底堅さも意識されていた。8日の取引終了後のナイトセッションで25日移動平均線(3万9040円)を下回る場面がみられたが、本日は25日線と+1σとのレンジながら、概ね+1σ水準での攻防が目立った。
バンドは横ばいで推移しているため、引き続き+1σを挟んだ値動きが意識されやすく、+1σを中心としたオプション権利行使価格の3万9500円を挟んだ上下の権利行使価格3万9250円から3万9750円辺りのレンジを想定しておきたい。
本日は終盤にかけて日経平均型のインデックス買いが入ったとみられ、アドバンスト <6857.T> [東証P]が上げ幅を広げたほか、前場は弱い値動きだった東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]はプラスに転じた。トランプ政権による関税強化が警戒されるものの、現時点ではショートに傾けづらい面もあるだろう。短期的にはリバランスの動きが入りやすいところである。
NT倍率は先物中心限月で14.42倍に上昇した。一時14.33倍に低下する場面もみられたが、その後は前週末の終値14.38倍を上回っての推移となった。終盤にかけて日経平均型のインデックス買いの影響からNTショートを巻き戻す動きもあったとみられる。ただし、7日の14.50倍台から14.30倍まで一気に低下したレンジ内での推移であり、スプレッドは狙いづらいだろう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3206枚、ソシエテジェネラル証券が8546枚、サスケハナ・ホンコンが3065枚、バークレイズ証券が2327枚、JPモルガン証券が1910枚、SBI証券が1629枚、モルガンMUFG証券が1026枚、日産証券が877枚、ビーオブエー証券が792枚、ゴールドマン証券が790枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万5660枚、ソシエテジェネラル証券が1万2701枚、ゴールドマン証券が3093枚、バークレイズ証券が2966枚、JPモルガン証券が2942枚、サスケハナ・ホンコンが2232枚、モルガンMUFG証券が2193枚、SBI証券が1522枚、ビーオブエー証券が781枚、広田証券が397枚だった。
週明けのニューヨーク為替市場でもドル円は、トランプ次期大統領の誕生を受けた「トランプ・トレード」を意識した値動きか。ただ本日の米国はベテランズデーであり、ドル相場に影響を与える債券市場が休場。そうなると、株式市場を眺めながらリスクセンチメントの強弱を測りながらの取引となりそうだ。
先週の米大統領選で共和党候補のトランプ氏は結局、激戦州と言われた7州全てに勝利した。トランプ氏が獲得した選挙人は310人を超え、過半数270人を大きく上回る圧勝となった。上院も共和党が過半数を取り、下院も共和党が民主党を上回る見込み。これでトランプ氏が公約に掲げていた減税や規制緩和が進めやすいとされている。
トランプ次期政権に対する期待感の高まりから、先週の米株式市場は大幅に上昇して終えた。ただ、さすがに先取りし過ぎという感も否めない。今週は13日に市場が注目する10月米消費者物価指数(CPI)の発表も控えており、一旦は持ち高を調整する動きも見られそうだ。
また今後の地政学リスクを見定めるうえで、トランプ次期大統領が北大西洋条約機構(NATO)とどのように付き合うかも注目される。トランプ第1次政権では他加盟国の負担増を強く求め、状況次第では関与低下を示唆した。またロシアとの戦争が続くウクライナについても、同国が求めるNATO加盟を棚上げにする案がトランプ氏の側近から出ているもよう。
なお、本日カナダはリメンバランス・デーで祝日。カナダ勢がほぼ不在のなか、カナダドルの流動性が薄くなることは想定される。カナダドルが絡んだ通貨ペアは、スプレッドが通常よりワイドとなるなど取引しづらくなるかもしれない。またちょっとしたフローでも値が飛ぶ可能性もあり、カナダドルの持ち高管理には気を付けたい。
想定レンジ上限
・ドル円、7日高値154.71円
・カナダドル円、7日高値111.19円
想定レンジ下限
・ドル円、本日安値152.64円
・カナダドル円、8日安値109.50円
今週のNY市場は物価指標に注目。先週はダウ平均が4.61%高、S&P500が4.66%高とともに3週ぶりに反発し、ナスダック総合も5.74%高と大幅反発した。ダウ平均とS&P500は週間でともに2023年11月以来の大幅高を記録。ダウ平均は週末金曜日に初めて44000ドルを上回り、S&P500も初めて6000ポイント台を上回った。ナスダック総合も6日から週末8日まで3日連続で取引時間中と終値の最高値を更新した。
米大統領選でトランプ前大統領が勝利し、減税や規制緩和期待が高まり、センチメントは大きく改善。投資家の不安心理を示すVIX指数は前週末の21.88ポイントから14.94ポイントに大幅低下。不安心理が高まったとされる20ポイントを大きく割り込み、8月19日以来の低水準となった。
7日に結果が公表された連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利が市場予想通り0.25%引き下げられたことや、堅調な企業業績も支えとなった。10月中旬からスタートした第3四半期決算発表はこれまでS&P500採用の約450銘柄が発表を終え、そのうち74%で調整後一株当たり利益が市場予想を上回った。
今週はトランプ次期政権による景気回復期待や米国経済のソフトランディング期待、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ継続見通しを背景に堅調な展開が期待される。利下げ見通しを巡って水曜日に発表される10月消費者物価指数(CPI)や木曜日発表の10月生産者物価指数(PPI)が焦点となりそうだ。12月17-18日のFOMCでは65%の確率で0.25%の追加利下げが予想されているが、CPIやPPIが強い結果となれば、追加利下げ期待の後退が相場の重しとなることが懸念される。
このほかの経済指標は10月NFIB中小企業楽観度指数、新規失業保険申請件数、10月小売売上高など。また、ウォラーFRB理事をはじめ、FRB高官の講演なども多数予定され、利下げを巡る要人発言にも要注目となる。
今晩はベテランズデーで債券市場が休場。主要な米経済指標や企業決算の発表はなし。
(11日終値:12日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=153.87円(11日15時時点比△0.35円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.85円(▲0.69円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0648ドル(▲0.0069ドル)
FTSE100種総合株価指数:8125.19(前営業日比△52.80)
ドイツ株式指数(DAX):19448.60(△233.12)
10年物英国債利回り:4.425%(▲0.010%)
10年物独国債利回り:2.327%(▲0.040%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調。ドイツでショルツ首相率いる与党連合が崩壊し、欧州経済の先行き不透明感が強まる中、ユーロ売りが出やすい地合いとなった。市場では「トランプ次期政権による関税政策が、欧州経済に悪影響を及ぼすとの懸念も根強い」との声も聞かれ、24時前には一時1.0629ドルと4月22日以来の安値を更新した。
・ドル円は強含み。対ユーロ中心にドル高が進むと、円に対してもドル買いが先行。日経平均先物の堅調な動きも相場の支援材料となり、一時153.95円と日通し高値を付けた。
なお、石破茂首相は記者会見で「半導体や人工知能(AI)の分野で2030年度までに10兆円以上の公的支援を行う」と表明。また、「次期春闘での賃上げや最低賃金の中期的引き上げに向けて、月内にも政労使による協議の場を持つ」と明らかにした。
・ユーロ円は頭が重かった。アジア市場では一時164.66円まで値を上げたものの、欧州市場に入ると失速した。独連立政権崩壊でユーロ圏景気への懸念が意識される中、全般ユーロ売りが進んだ流れに沿った。24時前には一時163.58円付近まで下落し、週明け早朝取引で付けた日通し安値163.43円に近づいた。
・ロンドン株式相場は5日ぶりに反発。前週末までに4日続落し約3カ月ぶりの安値を付けたあとだけに自律反発狙いの買いが優勢となった。ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが買われたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値上がりした。半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られた。
・フランクフルト株式相場は反発。前週末の米国株式市場で主要3指数が史上最高値を更新すると、投資家心理が改善し独株にも買いが波及した。個別ではコンチネンタル(10.62%高)やハイデルベルク・マテリアルズ(4.17%高)、ドイツ銀行(3.97%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。欧州経済の動向に配慮して欧州中央銀行(ECB)が追加利下げを進めるとの観測から独国債が買われた。
11日の日経平均は小幅続伸。終値は32円高の39533円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり698/値下がり909。決算が好感されたソニーGが6%高。上方修正、増配、自己株取得を発表したダイフクが値を飛ばした。通期見通しの上振れ幅が大きく、大幅な増配も発表した高砂香料がストップ高。さくらネットやフジクラなど前の週に好決算が確認できた銘柄の一角に強い買いが入っており、古河電工が連日のストップ高となった。
一方、防衛関連が弱く、川崎重工が5%を超える下落。三菱UFJ、三井住友、第一生命、T&Dなど金融株に売られるものが多かった。決算が失望を誘ったクボタ、SUMCO、日清食品などが大幅安。3Q累計で最終減益となったユニチャームが急落した。
日経平均は小幅高。上でも下でも値幅が出ればそれが修正された。8日の米国株が上昇した割にはさえない1日であったが、クロージング・オークションに入る前では下げていたところから最終的にプラスで終えた点には、買い意欲の強さもうかがえる。ローソク足では3営業日ぶりに陽線を形成し、安値(39315円)でも5日線(39274円、11日時点)は割り込まなかった。足元では米国株の上昇に対する期待が強いだけに、日本株が大崩れする展開は想定しづらい。8日の米国では、ダウ平均が44000ドル、S&P500が6000pの節目を上回る場面があった。日経平均のきょうの終値は39533円。外部環境が良好なうちに、40000円の節目を超える動きが見られるかが注目される。
(11日終値)
ドル・円相場:1ドル=153.72円(前営業日比△1.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.77円(△0.16円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0655ドル(▲0.0063ドル)
ダウ工業株30種平均:44293.13ドル(△304.14ドル)
ナスダック総合株価指数:19298.77(△11.99)
10年物米国債利回り:休場
WTI原油先物12月限:1バレル=68.04ドル(▲2.34ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2617.7ドル(▲77.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ユーロドルは続落。ユーロ圏最大のドイツ経済で不振が続いていることから、欧州経済の先行き不透明感を背景にユーロ売りが出やすい地合いとなった。市場では「トランプ次期政権による関税政策が、欧州経済に悪影響を及ぼすとの懸念も根強い」との声も聞かれ、24時前には一時1.0629ドルと4月22日以来の安値を更新した。
ただ、NY午後に入ると1.06ドル台半ばで次第に値動きが細った。本日はベテランズデーで米債券市場が休場となったため、市場参加者が少なく大きな方向感が出なかった。
・ドル円は3日ぶりに反発。対ユーロ中心にドル高が進むと、円に対してもドル買いが先行。ダウ平均が連日で史上最高値を更新したほか、日経平均先物が上昇したことなども相場の支援材料となり、一時153.95円と日通し高値を付けた。市場では「ドル先高観や日銀の早期利上げ観測後退で円売り・ドル買いが出やすい」との指摘もあった。
なお、石破茂首相は記者会見で「半導体や人工知能(AI)の分野で2030年度までに10兆円以上の公的支援を行う」と表明。また、「次期春闘での賃上げや最低賃金の中期的引き上げに向けて、月内にも政労使による協議の場を持つ」と明らかにした。
・ユーロ円は3日ぶりに小反発。アジア時間に一時164.66円まで上昇した影響が残ったものの、欧米市場では上値の重さが目立った。独連立政権崩壊でユーロ圏景気への懸念が意識される中、全般ユーロ売りが進んだ流れに沿った。欧州経済の動向に配慮して欧州中央銀行(ECB)が追加利下げを進めるとの観測からユーロ売りも出やすく、24時前には一時163.58円付近まで下押しした。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。トランプ次期政権が打ち出す減税や規制緩和が米景気を押し上げるとの期待が引き続き相場を支えた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら5日続伸し、史上最高値で取引を終えた。
・米国債券相場はベテランズデーのため休場となった。
・原油先物相場は続落。中国で発表された新たな景気刺激策への失望のほか、供給が2025年には増加するとの見通しなどから、売りが優勢となった。
・金先物相場は続落。ダウ平均の史上最高値更新などでリスクを積極的にとる地合いの中、相対的に安全資産とされる金に売りが出た。
11日08:53 日銀金融政策決定会合における主な意見(10月30-31日分)
「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて金融緩和の度合いを調整していくという基本的な考え方に変わりはない」
「米国経済の不透明感が低下する中で、時間的余裕という言葉で情報発信をしていく局面ではなくなりつつある」
「今後は、毎回の会合で、その時点のデータに基づき、リスクや見通しの確度を点検していくことを伝えていくことが重要」
「この先の政策金利の引き上げは時間をかけて慎重に行う必要」
「過去5回の利上げ局面では、米国の利下げ後に日本は利下げに転じたが、今回局面は過去とは異なる」
「賃金と物価の好循環の持続性に対する自信が強まるまで、当面、政策金利は現状維持でよい」
11日22:16 石破首相
「防衛力の人的基盤強化、経済対策に可能な方策盛り込む」
「APEC、G20のため南米を訪問する」
「トランプ次期大統領となるべく早いタイミングで直接会談したい」
「2030年度までにAI・半導体分野に10兆円以上の公的支援」
「春闘、最低賃金引き上げで今月にも政労使の意見交換」
「10年間で50兆円を超える官民投資引き出す支援フレーム策定」
11日22:39 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「金利は来年9月ごろには2%近くに低下する可能性」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 10月マネーストックM2
<海外>
○08:30 ◇ 11月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○09:30 ◇ 10月豪NAB企業景況感指数
○16:00 ◎ 10月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.4%/前年比2.0%)
○16:00 ◎ 10月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○16:00 ◎ 7-9月英失業率(ILO方式、予想:4.1%)
○16:00 ◇ 9月トルコ経常収支(予想:28.5億ドルの黒字)
○17:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○18:00 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○18:00 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○18:00 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○18:30 ◎ 7-9月期南アフリカ失業率(予想:32.8%)
○19:00 ◎ 11月独ZEW景況感指数(予想:13.0)
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏ZEW景況感指数
○19:30 ◎ 10月インドCPI(予想:前年比5.81%)
○19:30 ◎ 9月インド鉱工業生産(予想:前年同月比2.5%)
○21:00 ◎ 9月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比3.6%)
○22:30 ◇ 9月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比1.7%)
○23:00 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○24:00 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○13日00:15 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○13日04:00 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ダウ平均が連日で史上最高値を更新し、日経平均先物が上昇したことなどで153.95円まで上昇した。ユーロドルはドイツ経済の不振や連立政権の崩壊、トランプ次期政権による関税政策への懸念から1.0629ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、引き続きトランプ・トレード(米国債売り・ドル買い)で堅調推移が予想される。
昨日のドル円は、ニューヨーク市場がベテランズデイのため債券市場が休場となり、ドル買い要因となってきた米中長期債利回りの上昇という材料がなかったものの、ドル全面高の展開の中で153.95円まで上昇した。ドル円は、上昇基調にある200日移動平均線を支持帯にして、トランプ・トレードにより上値を探る展開が続いている。
本日のドル円の上値の目処は、7日の高値154.71円であり、明日発表される米10月消費者物価指数(CPI)の伸び率上昇という思惑から155円台に向けた買い仕掛けが入った場合は、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒することになる。
トランプ次期米大統領は、第1次トランプ政権でもドル高をけん制していたが、今年4月にも、ドルが対円で34年ぶりの高値を付けたことに関して、米国の製造業にとって「大惨事だ」と述べていた。
トランプ・トレードは、第2次トランプ政権での公約の実現(関税と減税)を材料視しているが、トランプ関税は米国の製造業保護のための防波堤であり、為替政策でも製造業保護のためのドル安を志向することが想定される。
本邦通貨当局のドル売り・円買い介入は、これまではイエレン米財務長官が難色を示していたことでやりづらかったと思われるが、今後は米国政権のドル安志向と整合的となるため、ハードルは低くなると思われる。
神田前財務官による今年の4回の覆面介入の水準は、157円台から161円台が目安となっていた。
・4月29日(5兆9185億円)高値160.17円から安値154.54円まで5.63円下落
・5月1日(3兆8700億円)高値157.99円から安値153.04円まで4.95円下落
・7月11日(3兆1678億円)高値161.76円から安値157.44円まで4.32円下落
・7月12日(2兆3670億円)高値159.45円から安値157.38円まで2.07円下落
また、ドル円のテクニカル分析の観点からは、161.95円を頭とする「ヘッド・アンド・ショルダー」の右肩(※154~155円)を形成しているとの見方もあるため、念頭に置いておきたい。
昨日第2次石破内閣を発足した石破首相は、日米関係の強化に向け米国のトランプ次期大統領と「なるべく早いタイミングで直接会談する機会をもちたい」と述べていた。
18-19日はブラジルで開催される20カ国・地域(G20)首脳会議に出席する予定となっているが、おそらく帰途にニューヨークに立ち寄って、トランプ次期大統領との初の会談が予定されているのではないだろうか。石破首相は、高校ではゴルフ部に属し、両者は、キリスト教・プロテスタントのプレスビテリアン(長老派)の信者という共通点があるため、親密な関係構築が期待されている。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39630 +80 (+0.20%)
TOPIX先物 2751.0 +10.0 (+0.36%)
シカゴ日経平均先物 39635 +85
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
11日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。そろって最高値を更新した。トランプ政権による減税や規制緩和策がもたらす景気回復を期待する買いが続いた。また、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、今後の利下げについて含みを持たせたことも投資家心理を支えている。NYダウの上げ幅は一時500ドル近くに達する場面もみられ、S&P500指数は初の6000台に乗せた。
ナスダック指数は引き続きテスラ<TSLA>のインパクトが大きく、一方で半導体株は軟調だった。米商務省が台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>対し人工知能(AI)などに使用する先端半導体の中国企業への出荷停止を命じたと報じられたことが嫌気され、エヌビディア<NVDA>やマイクロン・テクノロジー<MU>、アプライドマテリアルズ<AMAT>、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>など他の半導体株に売りが波及しており、半導体SOX指数は2.5%下落した。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比85円高の3万9635円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比60円高の3万9610円で始まり、3万9560円を安値にロング優勢となり、3万9800円台を回復。その後軟化し、米国市場の取引開始直後には3万9600円まで上げ幅を縮めた。売り一巡後は3万9810円まで買われたが上値は重く、中盤にかけて3万9570円まで軟化し、3万9630円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まりそうだ。ただし、米国の対中規制強化を受けた米半導体株の弱い値動きは、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への重荷になりそうだ。トランプ政権による関税強化、それに対する中国政府の報復措置への警戒が燻るなか、ハイテク株主導の上昇は期待しづらいところである。
日経225先物はナイトセッションでは3万9500円接近での底堅さがみられており、同水準に位置するボリンジャーバンドの+1σ(3万9580円)での攻防が意識されやすい。+1σを下回っての推移が続くようだと、短期的なショートを誘う動きがありそうだ。半面、+1σを上回って推移し、値がさハイテク株の底堅さがみられる局面では、ロングを誘う展開もあるだろう。そのため、オプション権利行使価格の3万9500円を中心とした上下の権利行使価格3万9375円から3万9875円のレンジを想定する。
11日の米VIX指数は14.97(前日は14.94)と小幅に上昇した。直近のボトム圏での推移であり、引き続き不安心理が高まった状態を示す20.00を下回っている。200日移動平均線が15.80に位置しており、同線を上回ってくるまではトランプ・ラリーの継続が意識されやすく、リスク選好の状況である。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.42倍に上昇した。一時14.33倍に低下する場面もみられたが、その後は前週末の終値14.38倍を上回っての推移となった。終盤にかけて日経平均型のインデックス買いの影響によりNTショートを巻き戻す動きもあったとみられる。ただし、7日の14.50倍台から14.30倍まで一気に低下したレンジ内での推移であり、スプレッドは狙いづらいところだろう。75日、200日線が14.28倍辺りに位置しているため、同線が支持線として機能するかを見極めたい。
トランプ米次期大統領はアフガニスタンや中東で従軍経験のあるグリーンベレー退役軍人のマイク・ウォルツ下院議員に国家安全保障担当補佐官就任を要請したとWSJ紙は伝えた。ウォルツ議員はフロリダ州選出の共和党下院議員で、国防総省での勤務経験がある。中国に対して批判的な立場を取っており、ウクライナ支援の継続を支持しているが、納税者の監視強化を求めている。トランプ氏は過去に外交政策についてウォルツ議員からアドバイスを受けており、国家安全保障問題に関する知見が評価されたものと見られている。
昨日は米国がベテランズデーの祝日で米債券市場が休場となるなか、ユーロドルが下抜け。ドル円も欧州通貨を中心としたドル買いの流れにつれて153.95円まで値を上げることになりました。アジア時間から下値を切り上げる展開となったわけですが、相変わらず買い遅れ感の強い本邦実需の買いが断続的に観測されたほか、石破第2次政権での高圧経済政策への期待感も台頭。ドイツが与党連合の崩壊から政局となっているのとは裏腹に、少数与党とはなったものの、しばらくの間は連立の枠組みを模索しながらマーケットフレンドリーな政策を探ることになった日本に対しての再評価といったところです。
本日のアジア市場に入ってからは、朝方こそ153.47円まで下押したものの、休場明けとなった米10年債利回りが3bp近い大幅な上昇となっているほか、日経平均が堅調に推移するなか、本邦実需の買いも加わると昨日の高値を上抜けて一時153.97円まで値を上げています。
いずれにしても、市場では、トランプ次期政権での主要閣僚人事を見極めつつ、再びトランプトレードの様相。パウエルFRB議長が「利下げペースの調整議論を始めた」ことに言及していることもあり、市場では既に大幅な利下げ幅の縮小や利下げペースの減速を織込み始めているわけで、米長期金利や中立金利の落ち着くレベルを確認する必要性に迫られている状況。今週は14日のパウエルFRB議長を筆頭に、連日、FOMCメンバーによる講演が目白押しとなっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比150円高の3万9700円(+0.37%)前後で推移。寄り付きは3万9610円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9635円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後に3万9820円まで買われ、買い一巡後に3万9580円まで上げ幅を縮める場面もみられた。ただし、押し目待ち狙いのロング優勢のなかで再び切り返すと、3万9700円~3万9800円辺りでの推移となり、終盤にかけて同レンジを上放れ、一時3万9880円まで買われた。
日経225先物は買い一巡後に軟化する場面もみられたが、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9590円)辺りでの底堅さが意識されるなかで、ロング優勢の展開となった。ただし、オプション権利行使価格の3万9875円を捉えてきたことで、いったんは達成感が意識されやすい。上の権利行使価格である4万円とのレンジへの移行は期待しづらいところであり、次第にショートが積み上がってくる可能性はあるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.36倍に低下した。米半導体株の弱い流れから指数インパクトの大きいアドバンテスト <6857.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、レーザーテック <6920.T> [東証P]、ディスコ <6146.T> [東証P]など半導体株が総じて軟調であり、日経平均型の重荷となった。一方で、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、リクルートホールディングス <6098.T> [東証P]が日経平均型を牽引していることで、スプレッドは狙いにくいと考えられる。
「トランプはファシストの定義を満たしていた。認められるのであれば独裁者のように統治するだろう。合衆国憲法も、法の支配という概念も全く理解していなかった」
(ジョン・ケリー海兵隊大将)
トランプ第47代米大統領が誕生したことで、三権分立を睥睨する王「クアドラプル・レッド」(ホワイトハウス・上院・下院・最高裁)の様相を呈し始めている。そして、米連邦準備理事会(FRB)への介入も示唆しており、クインティプル・レッドの可能性も秘めている。かつて、レーガン第40代米大統領はボルカー第12代FRB議長に金融緩和圧力をかけて、4名のFRB理事を刺客として送り込んでFOMCで叛旗を翻させ、ボルカーFRB議長を辞任に追いやった。
1.2024年大統領選挙(選挙人:538人:過半数270人) 【2020年大統領選挙】
・トランプ共和党候補:312人(50.3%:7467万3811票) 46.8% 7422万3975票
・ハリス民主党候補:226人(48.0%:7114万5722票) 51.3% 8128万3501票
※トランプ氏の得票は、2016年が6298万票、2020年が7422万票、2024年が7467万票となっており、全有権者2.4億人の3人に一人が支持しているらしい。しかし、バイデン民主党候補に投票していた8128万3501人とハリス候補の7114万5722票の差1014万人は、早々に国外退去していたのだろうか。
ちなみに、個人的には3回の大統領選挙でトランプ氏勝利を予想し続けていたが、ゴルフボールを蹴る人物を支持するわけがなく、21世紀の米国の保守化が背景にある。
2.下院(435議席:過半数218議席)・・※11/11時点
【改選後】 【改選前】
・共和党: 218議席 220議席
・民主党: 205議席 212議席
3.上院(100議席:過半数51議席)・・※11/11時点
【改選後】 【改選前】
・共和党: 52議席 49議席
・民主党: 46議席 51議席
4.米連邦最高裁判所
米連邦最高裁判所は、米国の最上級の裁判所であり9人の判事で構成されている。9人の判事は終身制で、基本的に自ら引退、あるいは死去するまで連邦最高裁の判事を務める。最高裁は下級裁判所で決着がつかない事件を審理し、連邦法や州法が合衆国憲法に反するか否かの最終的な違憲審査権をもつ。
トランプ第45代米大統領は、9名の最高裁判事の内、保守派の3名を指名しており、最高裁の保守化(6名)対リベラル派(3名)の勢力図に貢献する遺産を残している。
2024年7月、最高裁判所は大統領としてのトランプの行動に全面的な免責が認められると判断し、すでに司法の白紙小切手に相当するものを書いた。
【保守派】(6名)共和党政権が指名
・トーマス判事(76歳):ブッシュ第41代米大統領
・ロバーツ長官(70歳):ブッシュ第43代米大統領
・アリート判事(74歳):ブッシュ第43代米大統領
・ゴーサッチ判事(49歳):トランプ第45代米大統領
・カバノー判事(53歳):トランプ第45代米大統領
・バレット判事(48歳・女性):トランプ第45代米大統領
【リベラル派】(3名)民和党政権が指名
・ブライヤー判事:クリントン第42代米大統領
・ソトマイヨール判事(70歳・女性):オバマ第44代米大統領
・ケイガン判事(女性):オバマ第44代米大統領
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、複数のECB高官の講演や11月の独・ユーロ圏ZEW景況感指数に注目する展開が予想される。
ホルツマン・オーストリア中銀総裁、レーン・フィンランド中銀総裁、センテノ・ポルトガル中銀総裁の講演では、来年以降はトランプ関税によるユーロ圏のさらなる景況感悪化が予想されるため、12月の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げへの言及に注目しておきたい。
11月独ZEW景況感指数(予想:13.0、10月:13.1)やユーロ圏ZEW景況感指数(10月:20.1)では、ネガティブサプライズによるユーロ続落の可能性に警戒しておきたい。
ポンドドルは、英国の雇用統計やタカ派のピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミストの講演での追加利下げの時期やトランプ関税に対する見解に注目しておきたい。
英国の雇用統計が悪化していた場合、12月のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)での追加利下げ観測が高まることになる。
ピルMPC委員は、先日、スターマー英新政権が打ち出した予算による一時的なインフレ上昇は看過すべきだが、長期的に物価上昇圧力が高まる可能性には注視する必要がある、と述べていた。一方で、ベイリー英中銀(BOE)総裁は、予算はBOEの利下げパスに大きな影響を与えないだろう、と述べていた。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0728ドル(11/11高値)
・ユーロ円:164.27円(日足一目均衡表・基準線)
・ポンドドル:1.2974ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:198.46円(11/11高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0572ドル(ピボット・サポート2)
・ユーロ円:162.00円(10/21安値)
・ポンドドル:1.2819ドル(200日移動平均線)
・ポンド円:196.90円(11/11安値)
ドル円:1ドル=153.61円(前営業日NY終値比▲0.11円)
ユーロ円:1ユーロ=163.42円(▲0.35円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0639ドル(▲0.0016ドル)
日経平均株価:39376.09円(前営業日比▲157.23円)
東証株価指数(TOPIX):2741.52(△1.84)
債券先物12月物:143.53円(▲0.12円)
新発10年物国債利回り:1.000%(△0.005%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.26600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月マネーストックM2
前年同月比 1.2% 1.2%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。仲値に向けた買いに支えられて上値を伸ばし、昨日高値の153.95円を上抜けた。一時は154.06円まで上昇する場面もあったが、その後は154円台乗せの達成感もあって伸び悩む展開に。日経平均株価が後場に入って下げに転じたことも投資家心理の重しとなり、153.41円まで反落した。
・ユーロ円も上値が重い。11時前に164.03円まで上昇したものの、その後はドル円や日本株の下げにつれて163.25円まで下押しした。
・ユーロドルは小安い。時間外の米10年債利回りの上昇などが相場の重しに。トランプ次期政権による関税政策が欧州経済に悪影響を及ぼすとの懸念もあり、一時1.0632ドルまで値を下げた。
・日経平均株価は3営業日ぶりに反落。前日の米国株式相場が過去最高値を更新した流れを引き継いで買い先行となったものの、次第に上値が重くなった。海外勢からの売りが観測された株価指数先物主導で現物株も下げに転じ、指数は一時400円近く下落する場面も見られた。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反落。連休明けの米10年債利回りが上昇したことを受けて、国内債にはやや売りが出た。
中国人民銀行(中央銀行)が11日発表した金融統計によると、外資系を含めたすべての国内金融機関の2024年10月の融資増加額は、前年同月比7.5%増の258兆1800億元だった。うち人民元建ての各種貸付残高は同8.0%増の254兆1000億元。伸び率は前月比0.1ポイント減速し、市場予想(8.1%)を下回った。
国内金融機関による1-10月の人民元建て貸付残高増加額は16兆5200億元だった。1-9月の増加額(16兆200億元)を差し引くと10月の増加額は5000億元となり、市場予想の7000億元を下回った。
情報筋によると、中国当局が大都市で不動産売買に掛かる契約税の税率を現在の3%から最低1%に引き下げることを検討しているようだ。財政支援の強化で低迷する不動産市場の浮揚を図る狙い。上海や北京を含む大都市で同契約税の引き下げを容認する方向で当局がプランを策定しているもよう。『AAストックス』が外電を引用して12日伝えた。
また、住み替えを希望する住民の不動産取得コストを大幅に引き下げる目的で、「一線都市」(北京、上海、広州、深セン)で普通住宅と高級住宅の区分が廃止される可能性がある。今年7月に開かれた中国共産党の重要会議「第20期中央委員会第3回全体会議」(3中全会)で同計画が初めて提起されたという。
中国共産党機関紙の『人民日報』は12日に論評記事を掲載し、中国政府が5%前後としている2024年国内総生産(GDP)成長率目標の達成に向けて「自信を強めている」とした。国家統計局が発表したGDPは1-3月期が前年同期比5.3%増、4-6月期が4.7%増、7-9月期が4.6%増だったが、前四半期では7-9月期が0.9%増となり、9四半期連続でプラス成長を維持したと指摘。「安定」と「前進」が依然として国内経済の「基調」で、成長率、雇用、インフレ、国際収支の4大指標は経済運営が安定しつつも前進していることを示しているとした。
また、中国人民大学経済学院の範志勇教授の発言を引用し、多くの追加政策が「在路上」(進行中の意味)と強調。国家発展改革委員会の関係者によれば、追加政策が順次発表・実施されており、新たな追加政策も研究している。中国マクロ経済研究員の黄漢権院長は、政策効果が次第に表れ、今年の経済成長は「前高、中低、後揚」(序盤に高成長、中盤に低成長、終盤に加速する)の動きを示すとの見方を示しているという。
大阪12月限
日経225先物 39410 -140 (-0.35%)
TOPIX先物 2743.5 +2.5 (+0.09%)
日経225先物(12月限)は前日比140円安の3万9410円で取引を終了。寄り付きは3万9610円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9635円)にサヤ寄せする形で買いが先行した。現物の寄り付き直後に3万9820円まで買われ、買い一巡後に3万9580円まで上げ幅を縮める場面もみられたが、押し目待ち狙いのロングが入って再び切り返すと、前場終盤にかけて一時3万9880円まで買われた。
その後、トランプ次期大統領が、中国を批判してきた共和党議員2人を国務長官と国家安保補佐官に起用する構えと海外メディアが報じた。トランプ次期政権では再び米中関係の緊張が高まるとの見方がショートを誘い、ランチタイムで一気に3万9340円まで下落。後場の開始直後には3万9600円と上昇に転じる場面もみられたが戻りは鈍く、後場中盤に3万9140円まで下げ幅を広げた。終盤にかけてはショートカバーが優勢となり、下げ渋る動きとなった。
日経225先物は、前場こそボリンジャーバンドの+1σ(3万9590円)辺りでの底堅さが意識され、オプション権利行使価格の3万9875円を捉えた。ただ、権利行使価格の3万9875円と4万円によるレンジは期待しにくいところであり、いったんは達成感が意識されやすかった。
また、日経平均株価は前場終盤にかけて3万9866円まで上昇したが、11月のSQ値である3万9901.35円を捉えることができなかったため、次第にショートが積み上がってくる展開は想定されていた。この状況のなか、トランプ次期政権で外交・安全保障の主要ポストに強硬派が起用されるとの報道がアルゴリズムの発動につながり、短期的にショートが強まったようだ。
日経225先物は、ランチタイム以降は不安定な値動きになったものの、概ね+1σを挟んで25日移動平均線(3万9030円)と+2σ(4万0090円)によるレンジ内で推移している。指数インパクトの大きいアドバンテスト <6857.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]の弱い値動きが日経平均型の重荷となった半面、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、リクルートホールディングス <6098.T> [東証P]のほか、円相場が一時1ドル=154円台と円安に振れるなか、トヨタ自動車 <7203.T> [東証P]など自動車株の上昇が目立っていた。
トランプ次期政権のプラス、マイナスそれぞれの影響を意識した物色の影響により、全体としては方向感はつかみづらいが、3万9000円から4万円のレンジ内での動きが続きそうである。なお、積極的にはポジションを傾けにくいものの、スタンスとしては押し目狙いのロング対応とみておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.36倍に低下した。米半導体株の弱い値動きを受けて指数インパクトの大きい半導体株が総じて軟調であり、日経平均型の重荷となった。後場中盤にかけての下落局面では、一時14.29倍まで低下した。75日、200日線が位置する14.28倍水準まで下げてきたことで、いったんはリバランスが入りやすいだろう。ただし、両線を明確に割り込んでくると、9月以来の14.00倍割れとなる可能性もありそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万1314枚、ソシエテジェネラル証券が1万4342枚、サスケハナ・ホンコンが5166枚、ビーオブエー証券が3461枚、JPモルガン証券が2550枚、バークレイズ証券が2113枚、SBI証券が1713枚、モルガンMUFG証券が1589枚、日産証券が1520枚、楽天証券が1361枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万2060枚、ソシエテジェネラル証券が1万7449枚、JPモルガン証券が3846枚、サスケハナ・ホンコンが3832枚、バークレイズ証券が3798枚、ビーオブエー証券が3212枚、モルガンMUFG証券が2167枚、ゴールドマン証券が1984枚、みずほ証券が1063枚、広田証券が798枚だった。
本日のニューヨーク為替市場では、休場明けの米債券市場を眺めながらドル高トレンドがどの程度まで強まるかを見定める展開か。講演が予定されている複数の米金融当局者の発言内容にも注視したい。
本日の東京午前から取引が再開された米10年債利回りは上昇して始まり、欧州前半も上げ幅を拡大。これを受けて主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは105後半で上値を伸ばし、7月以来の106台が視野に入ってきた。
次期大統領のトランプ氏が目指す大幅な関税引き上げが輸入品のコストを上昇させ、くわえて同氏が公約する減税が米経済を刺激し、インフレ再燃が懸念されている。来年以降の財政拡張の話が目立つなか次期政権が歳出削減策を示さない限り、先週末にかけて落ち着いたかに見えた米債売りも再開することになりそうだ。
米長期金利の先高観が強まるなか、短期金利も低下しづらくなってきた。12月米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の追加利下げはまだ市場のメインストーリーではあるものの、織り込み度合いは徐々に縮小している。明日発表の10月米消費者物価指数(CPI)が前年比総合で前回から伸び率加速が予想されていることも、米金利の下げ渋りに繋がりそうだ。そうなると、ドル高トレンドはまだ暫く続くことになるか。
当局者の講演は、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、バーキン米リッチモンド連銀総裁がNY午前、午後にはカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が予定されている。トランプ次期大統領が掲げる政策について、それぞれがどのような見解を示すかが注目。
想定レンジ上限
・ドル円、11月7日高値154.71円
・ドルインデックス、6月高値106.13を超えたら5月高値106.49
想定レンジ下限
・ドル円、日足一目均衡表・転換線153.01円
・ドルインデックス、昨日安値104.93
今晩のNY市場は上値の重い展開か。昨日は半導体株が下落したことでナスダック総合が0.06%高と小幅な上昇にとどまったものの、次期トランプ政権の政策期待を背景としたトランプ・ラリーが続き、ダウ平均が304.14ドル高(+0.69%)と2日続伸し、終値で初めて44000ドルを突破した。S&P500も0.10%高と小幅ながら5日続伸し、終値で初めて6000ポイントを上回った。小型内需株が多いラッセル2000は1.47%高と主要3指数をアウトパフォームし、2021年11月に付けた史上最高値まで1%未満に迫った。
個別ではトランプ前大統領の選挙戦を応援したイーロン・マスク氏のテスラが約9%高と大幅続伸したほか、規制緩和期待を背景にゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカなどの大手金融株も2%超上昇した。ビットコイン価格が87000ドル台に上昇したことでコインベース・グローバルが約20%高と急伸するなど、仮想通貨関連株も上昇した。
今晩の取引では、次期トランプ政権の政策期待や12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ期待を背景に引き続き堅調な展開が期待される。ただし、主要3指数が連日で史上最高値更新していることや、翌日以降に10月消費者物価指数(CPI)や10月生産者物価指数(PPI)の発表を控えていることで上値も重い展開か。企業決算発表は寄り前にホーム・デポやモザイク、タイソン・フーズなどが発表予定で、消費動向を巡り、決算やガイダンスが注目される。
今晩の米経済指標は10月NFIB中小企業楽観度指数など。このほか、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、バーキン米リッチモンド連銀総裁、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁の講演も予定されている。企業決算の引け後では、オキシデンタル・ペトロリアム 、スカイワークス・ソリューションズなどが発表予定。
日経平均株価は反落。10日移動平均線(39106円 11/12)付近まで下げ幅を拡大する場面があったが、5日移動平均線(39454円 同)に近づいて引けた。
RSI(9日)は前日の62.9%→56.8%(11/12)へ低下。少し上げ下げの振幅はあったが、終値ベースで水準に大きな変化はなく、前日からの見方に大きな変化はない。
依然として10月からのもみ合いの範ちゅうであり、10/16の下げで開けたマド埋め(39910円)を通過点に4万円突破へ勢いづくかが焦点となる。伸び悩む印象もあるが、8月安値(31156円)を起点とした上昇局面では高値圏を保っており、一段高となる前の小休止が続いていると判断したい。
上値メドは、10/15高値(40257円)や心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、25日移動平均線(38988円 同)、200日移動平均線(38494円 同)、75日移動平均線(37897円 同)、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)などがある。
(12日終値:13日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.78円(12日15時時点比△1.17円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.17円(△0.75円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0607ドル(▲0.0032ドル)
FTSE100種総合株価指数:8025.77(前営業日比▲99.42)
ドイツ株式指数(DAX):19033.64(▲414.96)
10年物英国債利回り:4.499%(△0.074%)
10年物独国債利回り:2.362%(△0.035%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月独消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) 0.4% 0.4%
(前年同月比) 2.0% 2.0%
10月英雇用統計
失業率 4.7% 4.7%
失業保険申請件数
2.67万件 1.01万件・改
7-9月英失業率
(ILO方式) 4.3% 4.0%
11月独ZEW景況感指数
7.4 13.1
11月ユーロ圏ZEW景況感指数
12.5 20.1
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調。独連立政権崩壊でユーロ圏景気への懸念が意識される中、11月独ZEW景況感指数が予想を下回ったことが分かると全般ユーロ売りが先行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.44%台まで上昇するとドル買いも活発化し、4月16日の安値1.0601ドルを下抜けて一時1.0595ドルと昨年11月以来約1年ぶりの安値を更新した。市場では「トランプ・トレードの継続と独政局不安で下サイドへの警戒感が強い」との声が聞かれた。
・ポンドドルは一時1.2719ドルと8月8日以来約3カ月ぶりの安値を付けた。全般ドル買いが進む中、この日発表の7-9月英失業率(ILO方式)が4.3%と予想の4.1%より弱い内容となったことが相場の重しとなった。
・ドル円は強含み。米長期金利の上昇を手掛かりに円売り・ドル買いが先行。レジスタンスとして意識されていた7日の高値154.71円を上抜けると一時154.92円と7月30日以来の高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.18と5月1日以来の高値を付けた。
トランプ次期政権が掲げる関税引き上げや減税などの景気刺激策を巡り、市場では「インフレ再燃」への警戒感が高まっており、米金利先高観を背景にドルが買われやすい地合いとなっている。
・ユーロ円は強含み。ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが出ると、3時過ぎに一時164.23円と日通し高値を更新した。
・ロンドン株式相場は反落。この日発表の英平均賃金の上昇率が予想を上回ると、英中銀(BOE)が利下げを進めにくくなるとの見方から株売りが優勢となった。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は大幅に反落。独連立政権崩壊で景気への懸念が意識される中、11月独ZEW景況感指数が予想を下回ったことが相場の重しとなった。個別ではバイエル(14.50%安)やブレンターク(8.16%安)、BASF(4.28%安)などの下げが目立ち、インフィニオン・テクノロジーズ(3.66%高)などを除く35銘柄が下落した。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
12日の日経平均は3日ぶり反落。終値は157円安の39376円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり800/値下がり784。トヨタ、スズキ、マツダなど自動車株が軒並み高。個別に材料があった日産自動車が12.8%高と値を飛ばした。米国で金融株が買われた流れを受けて、三菱UFJや三井住友など銀行株に資金が向かった。当該セクターでは、楽天銀行、岩手銀行、群馬銀行など自身の決算で強く買われる銘柄も多かった。上方修正を発表したリクルートHDが1万円の大台を回復して上場来高値を更新。電線・ケーブル関連の好決算が相次ぐ中、上方修正と増配を発表したSWCCがストップ高となった。
一方、レーザーテック、ディスコ、東京エレクトロン、アドバンテストなど半導体株が軒並み安。半期報告書の提出期限延長を発表したSCREENは4%を超える下落となった。決算発表を前にソフトバンクGが軟調。フジクラ、日立、さくらネットなどが弱かったほか、直近で騰勢を強めていたDeNAが大きく値を崩した。下方修正を発表したコーセーが年初来安値を更新。中間決算発表の延期や通期見通しの下方修正を発表した奥村組が急落し、こちらも年初来安値を更新した。
日経平均は前場と後場で動きが一変した。ただ、終値では常識的な下げにとどまっており、プライムではわずかではあるが値上がり銘柄の方が多かった。TOPIXがプラスで終えたことを見ても、きょうは半導体株の弱さに振り回されたとみておくべきだろう。引け後に決算を発表した東京エレクトロンは、上方修正、増配、自己株取得を発表している。あすは半導体株に対する過度な警戒が後退することで、指数の動きが良くなる展開に期待したい。
きょうの日経平均の動きは、ドル円とかなりリンクしているように見える。9時から11時辺りでは円安が進んでおり、11時から14時辺りでは一転円高が進んだ。そして、14時過ぎ辺りからは円安に振れている。日本株の上げ下げが為替を刺激しているのかもしれないが、どちらにしてもきょうは連動性を強めていた。現状の水準であればさほど円高を警戒する必要はないように思えるが、目先は為替に神経質になる可能性がある点には一定の警戒を払う必要がある。
(12日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.61円(前営業日比△0.89円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.25円(△0.48円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0623ドル(▲0.0032ドル)
ダウ工業株30種平均:43910.98ドル(▲382.15ドル)
ナスダック総合株価指数:19281.40(▲17.36)
10年物米国債利回り:4.42%(△0.12%)
WTI原油先物12月限:1バレル=68.12ドル(△0.08ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2606.3ドル(▲11.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は続伸。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.44%台まで上昇すると全般ドル買いが先行。レジスタンスとして意識されていた7日の高値154.71円を上抜けて一時154.92円と7月30日以来の高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.18と5月1日以来の高値を付けた。
米大統領選挙でトランプ前大統領の当選が確実になって以降、輸入品への関税引き上げでインフレが再燃するとの懸念や、財政出動が増えるとの見方を背景に米長期金利が上昇傾向にあり、ドルが買われやすい地合いとなっている。
・ユーロドルは3日続落。独連立政権崩壊でユーロ圏景気への懸念が意識される中、欧州時間発表の11月独ZEW景況感指数が予想を下回ると全般ユーロ売りが優勢となった。米長期金利の上昇に伴うドル買いも入り、4月16日の安値1.0601ドルを下抜けて一時1.0595ドルと昨年11月以来約1年ぶりの安値を更新した。市場では「トランプ・トレードの継続と独政局不安で下サイドへの警戒感が強い」との声が聞かれた。
・ユーロ円は続伸。ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが優勢になると、取引終了間際に一時164.33円と日通し高値を更新した。
・代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは底堅い動き。NY序盤に対ドルで8万5133ドル前後まで下押ししたものの、引けにかけては再び強含んだ。6時前には8万9956ドル前後まで上昇し、日本時間夕刻に付けた史上最高値8万9968ドル前後に迫った。対円では6時前に1389万円台まで買われ、過去最高値を記録した。仮想通貨に好意的とみられるトランプ氏の米大統領選勝利が引き続き材料視された。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。トランプ次期政権が掲げる規制緩和や減税への期待から、連日で史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが優勢となった。市場では「短期的な過熱感から主力株の一角に持ち高調整の売りが出た」との声が聞かれた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6日ぶりに反落。前日までに5日続伸し、史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが出た。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。トランプ次期米大統領が掲げる追加関税導入など財政拡張的な政策でインフレが再燃するとの懸念から債券売りが広がった。
・原油先物相場は3日ぶりに反発。前日まで価格が下落しており、割安感から買いが入った。ただ、石油輸出国機構(OPEC)がこの日、月報で今年と来年の石油需要の見通しを引き下げたことから、買いの動きは限定的となった。
・金先物相場は3日続落。米大統領選でのトランプ氏勝利により、市場では同氏が公約に掲げる減税や規制緩和への期待から株式などに資金が流入。米長期金利が上昇してドルが買われる中、ドル建てで取引される金に割高感が出たことも重しとなった。
ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事はこの日の講演で経済や金融政策について言及しなかった。
一部報道が伝えたところによると、ショルツ独首相は12月16日に信任投票を実施することを模索しているようだ。
12日17:39 レーン・フィンランド中銀総裁
「製造業の悪化により、成長見通しは悪くなっている」
「デフレが軌道に乗れば、更なる利下げが必要だろう」
「政策の方向性は明確」
「今、我々に必要なのは新たな貿易戦争ではない」
12日18:38 ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト
「基調的インフレ上昇圧力は根強い」
「政策金利の調整、漸進的に行われる可能性が高い」
13日00:16 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「経済がどう変化してもFRBは対応できる」
「雇用市場は依然として底堅い」
「米国の消費者は価格にますます敏感になっている」
「米国経済はかなり好調に見える」
「今後、労働市場は好調かもしれないし、弱まり続けるかもしれない」
「インフレは抑制されつつあるかもしれないし、FRBの2%目標を上回って行き詰まるリスクがあるかもしれない」
「経済の展開次第で、FRBの焦点はインフレ上昇リスクか雇用下降リスクに向けられるかもしれない」
13日04:09 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「12月までにインフレ率が予想以上に上昇した場合、政策決定を見直す可能性がある」
「住宅市場の状況を考えると、インフレ率を2%まで完全に下げるには、1-2年かかる可能性がある」
「インフレに勝利したと宣言したくはないが、自信を持つだけの十分な理由がある」
「労働市場が強固な状態が続き、経済も好調を維持する見込み」
「FRBはトランプ政権の経済政策が明確になるまでは、その影響を経済モデルに組み込まないだろう」
「関税は価格の一時的な上昇を引き起こすものであり、それ自体がインフレをもたらすものではない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 10月企業物価指数(予想:前月比横ばい/前年比3.0%)
<海外>
○07:00 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○07:30 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○09:30 ◎ 7-9月期豪賃金指数(予想:前期比0.9%)
○18:45 ◎ マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ☆ 10月米消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比2.6%)
☆ エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比3.3%)
○23:30 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○23:45 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、あいさつ
○14日01:00 ☆ 7-9月期ロシア国内総生産(GDP)速報値(予想:前年比3.0%)
○14日01:00 ◎ 10月ロシアCPI(予想:前月比0.9%)
○14日03:00 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○14日03:30 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、あいさつ
○14日04:00 ◎ 10月米月次財政収支(予想:2110億ドルの赤字)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが4.44%台まで上昇したことで154.92円まで上昇した。ユーロドルは1.0595ドルまで下落後1.0620ドル台まで戻した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、トランプ・トレード(米国債売り・ドル買い)や今夜発表される米10月消費者物価指数(CPI)の伸び率上昇予想を背景に続伸が見込まれているものの、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性には警戒しておきたい。
ドル円が155円台に乗せた場合は、トランプ次期米大統領のドル安志向と整合的な本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性には警戒しておきたい。
トランプ次期米大統領は、第1次トランプ政権でもドル高を牽制していたが、今年4月には、ドル円で34年ぶりの高値を付けたことに関して、米国の製造業にとって「大惨事だ」と述べていた。トランプ・トレードは、第2次トランプ政権での公約の実現(関税と減税)を材料視しているが、トランプ関税は米国の製造業保護のための防波堤であり、為替政策でもドル安を志向することが見込まれている。
8時50分に発表される10月企業物価指数では、植田日銀総裁が「第1の力」として注視している輸入物価指数に注目しておきたい。9月の輸入物価指数は前年比-2.6%に落ち込み、ドル円が161円台まで上昇していた7月の同比+10.7%、植田ショックで140円台まで下落した8月の同比+2.5%から低下傾向にあった。10月のドル円は140円台から150円台へ円安気味に推移していたことで要注目か。
植田日銀総裁は、物価の動向を「第1の力」と「第2の力」に分けて説明してきた。「第1の力」は起点となる輸入物価の上昇圧力が止まれば次第に和らいでいく一時的な性質のものであり、「第2の力」は、企業の賃金・価格設定行動の変化を伴いつつ、より持続的に物価上昇率を高めていくことが想定されるとのことである。
また今夜は米10月CPIが発表されるが、2022年、2023年と続いた「CPIショック」の再現には警戒しておきたい。
米10月CPIは前年比+2.6%と予想されており、9月の同比+2.4%からの伸び率上昇が見込まれていることで、ドル買い要因となっている。
米10月のCPIに関しては、これまで、予想を下回るサプライズがあった。
2022年11月10日に発表された10月の米CPIが市場予想を下回ったため、ドル円は146円台半ばから141円を割り込むまで円高・ドル安が進んだ。
2023年11月に発表された10月の米CPIも市場予想を下回り、ドル円は151.80円台から150.10円台まで円高・ドル安が進んだ。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39250 -160 (-0.40%)
TOPIX先物 2738.5 -5.0 (-0.18%)
シカゴ日経平均先物 39260 -150
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
12日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。トランプ氏が米大統領選で勝利を決めて以降、トランプ・トレードという形で政策の影響を織り込む動きが加速しているが、主要な株価指数が連日で最高値を更新するなか、短期的な過熱感から持ち高調整の売りが優勢となった。大統領選後に上昇が際立っていたテスラ<TSLA>の下落率は6%を超えた。半面、エヌビディア<NVDA>やマイクロソフト<MSFT>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が買われた。
NY連銀が12日に発表した調査結果によると、消費者の1年先インフレ期待が2.87%と2020年10月以来の低水準となった。一方、所得の見通しは横ばいで推移したほか、雇用市場に関しては自信を強めていることが明らかとなっている。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比150円安の3万9260円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比90円高の3万9500円で始まり、寄り付き直後に付けた3万9540円を高値に軟化し、ほどなくして下落に転じた。売り一巡後は3万9350円~3万9500円と日中の終値を挟んで保ち合いを継続。
米国市場の取引開始直後に3万9530円を付けたが、その後は下へのバイアスが強まり、中盤にかけて3万9000円まで下げる場面もみられた。終盤にショートカバーから下落幅を縮め、3万9250円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まりそうだ。米国市場ではトランプ・トレードが勢いづくなか、短期的な過熱感から利益確定の動きは入りやすかっただろう。また、トランプ次期大統領が、対中強硬派として知られる共和党議員2人を国務長官と国家安保補佐官に起用する構えと海外メディアが報じており、再び米中関係の緊張が高まるとの見方が重荷となる。
ただし、米国ではエヌビディアが3日ぶりに反発した。複数のアナリストが強気の見通しを示したことが材料視された形だが、上昇率は一時3%を超える場面もあった。また、国内では昨夕に東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が2025年3月期業績予想の上方修正を発表。併せて350万株(発行済み株式数の0.8%)、700億円を上限に自社株買いを発表している。同社は足もとで弱い値動きが続いていることもあり、リバウンドを強めてくるようだと、他の指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料になりそうだ。
日経225先物はナイトセッションで一時3万9000円まで売られたが、同水準に位置する25日移動平均線(3万9030円)が支持線として意識されやすいため、3万9000円水準での攻防をみせてくる場面では、押し目狙いのロング対応とみておきたい。一方で上値はボリンジャーバンドの+1σ(3万9550円)水準では強弱感が対立しやすいと考えられる。そのため、オプション権利行使価格の3万9000円から3万9500円のレンジを想定する。
東京エレクトロンが買い一巡後に弱い値動きをみせてくると、短期的にショートを仕掛けてくる動きに向かいやすく、売り一巡後のカバー狙いでの対応となりそうだ。
12日の米VIX指数は14.71(前日は14.97)に低下した。引き続き不安心理が高まった状態を示す20.00を下回っているほか、200日線(15.81)から下放れてきている状況である。米国では主要な株価指数が下落したものの、リスク選好の状況である。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.36倍に低下した。一時14.29倍まで低下しており、75日、200日線が位置する14.28倍水準まで下げてきたことで、いったんはリバランスが入りやすいだろう。ただし、両線を明確に割り込んでくると、9月以来の14.00倍割れの可能性もあるため、短期的なリバランス狙いにとどまりそうだ。
昨日の海外市場では、ユーロドルを中心としたドル買い相場。米10年債利回りが一時4.4413%まで14bp急騰したことがドルの全面高を演出することになりました。ユーロドルは、4月16日の年初来安値1.0606ドルを下抜けると一時1.0595ドルまで下落。ドイツが政局となっているという材料もまた、ユーロ売りを後押ししました。また、11月独ZEW景況感指数が予想を遥かに下回るかなり弱い結果だったことも売りを加速させています。目先では、市場のターゲットとなっていることに違いありません。
ドル円は、アジア時間の中国株の下落を受けた日経平均の一転急落につれるかたちで153.41円まで安値を更新したものの、その後は一貫して買戻しの動きに。一時154.92円まで値を上げることになりました。本日の東京でも、昨日のアジア時間同様に朝方から実需の買いを受けて154.94円と昨日高値を更新する場面もみられましたが、その後は日経平均が560円を超える下落となるにつれて154.54円まで下押し。早朝の安値154.51円が意識されると再び下値を切り上げるなど、神経質な動きが続いています。
いずれにしても、市場では米長期金利の動向に左右される展開となっているわけですが、本日も10月米CPIを受けた米10年債利回りの動きに注意しなければならず、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が発言しているように、「12月に更にインフレが上昇していた場合、金融政策を調整する可能性」が高まるといった状況。つまり、12月スキップの可能性が意識されることになりそうです。Fedwatchでは、12月据置きの確率が43.2%まで急速に上昇してきているなか、パウエルFRB議長が示唆した、始まったばかりの「利下げペースの調整」議論が本格化していくことになります。
日経225先物は11時30分時点、前日比430円安の3万8980円(-1.09%)前後で推移。寄り付きは3万9190円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9260円)を下回る形で、売りが先行して始まった。現物の寄り付き直後に3万9400円まで持ち直す動きもみられたが、前日の日中終値(3万9410円)には届かず、戻りの鈍さからショート優勢の展開になった。中盤にかけて節目の3万9000円を割り込むとショートの動きが強まり、一時3万8820円まで下げ幅を広げた。終盤にかけてはやや持ち直す動きをみせているが、25日移動平均線(3万9020円)水準では戻り待ち狙いのショートが意識された。
日経225先物は売り先行で始まった後は、前日の終値水準まで戻す動きをみせたものの、プラス圏を回復できなかったことでショートを仕掛けるきっかけになった。業績上方修正を発表した東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が買われており、日経平均型を下支える形となったものの、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]の下げのインパクトで打ち消された。買い先行で始まったソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]がその後下落に転じたことも、ショートに向かわせるきっかけになった。ただし、日経225先物は25日線水準で下げ渋る動きをみせており、同線を上回ってくるようだと、ショートカバー狙いのロングが入りやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.36倍と横ばいで推移。一時14.31倍に低下する場面もみられたが、75日・200日線(14.28倍)が支持線として意識されやすく、スプレッド狙いのトレードは限られているようだ。
「あなた方の税金は無駄遣いされている。政府という重荷から、あなた方とあなた方の財布を解放する」(イーロン・マスク氏)
「歩く地政学リスク」との異名をとる実業家イーロン・マスク氏は、トランプ米共和党候補に1億1900万ドルの献金を行い、トランプ第47代米大統領の誕生に貢献した。
マスク氏は、わずか1億ドルで、影の米大統領という地位を獲得したことになる。
1.マスク米効率大臣
イーロン・マスク氏は、第2次トランプ米政権で新設される予定の米政府効率化省(DOGE:Department of Government Efficiency)を率いるマスク米効率大臣に就任する予定、と報じられている。
トランプ氏は、世界一の大富豪であり共和党候補者の選挙キャンペーンに多額の献金(1億3200万ドル)を行っているマスク氏に、政府支出削減の取り組みを主導するように依頼する、と表明した。「私の政権が官僚主義を解体し、過剰な規制を削減し、無駄な支出を減らし、連邦政府機関を再編する道を切り開くだろう」
マスク氏は、連邦予算から少なくとも2兆ドルを削減できると主張した。
財務省によると、連邦政府は2024会計年度に6兆7500億ドルを支出し、財政赤字は、1兆8970.79億ドルだった。マスク氏が目論んでいる2兆ドルの歳出削減規模は、2024会計年度の財政赤字規模に匹敵する。
第2次トランプ米政権は、関税引き上げ(中国60%、その他10%)、減税(個人所得税や法人税)と大規模な財政出動が見込まれており、財政赤字の増大が懸念されている。そして、米格付け会社ムーディーズは「どちらの候補が当選しても米国の財政状況は弱体化する可能性が高い」と指摘して、大統領選後に米国の信用格付けを引き下げることを警告している。
2. リバタリアニズム(自由至上主義)の旗手
イーロン・マスク氏は、カリフォルニア地域に長らく根付いてきた左派イデオロギーに反発する形で、次第に増えつつある「リバタリアニズム(自由至上主義)」を掲げるシリコンバレーの富豪達の先頭に立っている。マスク氏は、左派イデオロギーを「意識高い系ウイルス」と呼んで嘲笑している。
リバタリアニズムとは、「個人の自由」と「経済の自由」の両方を重視する政治思想・政治哲学である。
「個人の自由」とは、自らの「身体的権利」や「私的所有権」を侵されるべきではないという立場である。
「経済の自由」とは、市場は自由に任せておけば良いという考え方である。
リバタリアニズムは、政策金利の操作によって個人の資産に影響を与える中央銀行の存在を認めないため、マスク米効率大臣とパウエルFRB議長の確執の可能性には警戒しておきたい。
本日のロンドン為替市場のポンドドルは、タカ派のマン英中銀金融政策委員会(MPC)委員の講演に注目する展開が予想される。
テクニカル分析では、ユーロドルとポンドドルは200日移動平均線を下抜けており、ヘッド・アンド・ショルダーなども完成しているため、下値リスクが高まりつつある。
11月7日のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)では、政策金利が4.75%に引き下げられたが、マンMPC委員は5.00%での据え置きを主張していた。
本日の講演では、据え置き主張の背景、スターマー英新政権の予算案、第2次トランプ米政権による対英関税引き上げや12月のMPCに向けた見解に注目しておきたい。
昨日は、タカ派のピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミストが「基調的インフレ上昇圧力は根強い」とタカ派的な見解を述べつつも、「政策金利の調整、漸進的に行われる可能性が高い」と11月MPCで利下げを支持したハト派的なスタンスを打ち出していた。
ユーロドルは、トランプ・トレードやトランプ関税、ドイツの連立政権崩壊、12月の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げ観測などから、下値リスクに警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0684ドル(5日移動平均線)
・ユーロ円:164.88円(200日移動平均線)
・ポンドドル:1.2884ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:198.93円(11/8高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0559ドル(ピボット・サポート2)
・ユーロ円:163.25円(11/12安値)
・ポンドドル:1.2665ドル(8/8安値)
・ポンド円:195.38円(10/31安値)
ドル円:1ドル=154.91円(前営業日NY終値比△0.30円)
ユーロ円:1ユーロ=164.40円(△0.15円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0613ドル(▲0.0010ドル)
日経平均株価:38721.66円(前営業日比▲654.43円)
東証株価指数(TOPIX):2708.42(▲33.10)
債券先物12月物:143.11円(▲0.42円)
新発10年物国債利回り:1.045%(△0.040%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.27600%(△0.01000%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月企業物価指数
前月比 0.2% 0.3%・改
前年同月比 3.4% 3.1%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は小高い。仲値に向けた買いが観測されて一時154.94円まで値を上げた。いったんは節目の155.00円手前で伸び悩む場面も見られたが、下値の堅さを確認すると再び買いが強まり、7月30日以来の高値となる155.14円まで上値を伸ばした。なお、この日の日経平均株価は大幅安となったが、株安を手掛かりにした売りは限られた。
・ユーロドルは小安い。1.06ドル台前半での狭いレンジ内推移となったが、ドル円が上昇した影響もあってやや上値の重さが目立った。
・ユーロ円は小高い。ドル円と同じく底堅い動きとなり、15時30分前には164.60円まで値を上げた。
・日経平均株価は大幅続落。昨日の欧米株式相場が下落した流れを引き継いだ。市場では「トランプ・トレード」の動きが一巡したとの思惑も広がり、海外勢からの売りが観測された株価指数先物主導で下げ幅を拡大。後場に入って指数は一時780円近く下落した。
・債券先物相場は続落。前日の米国債券相場が下落し、この日の国内債にも売りが波及した。一時143円07銭まで下落し、新発10年物国債利回りは8月1日以来の高水準となる1.045%まで上昇した。
野村インターナショナルは最新リポートで、中国の2024年10-12月期の国内総生産(GDP)成長率予想をこれまでの4.4%から4.9%に引き上げた。24年通年についても4.7%から4.8%に引き上げている。『信報』が13日伝えた。
野村のチーフ中国エコノミストを務める陸挺氏は、状況が依然として不透明ななか、10-12月期のGDP成長率予想を引き上げたことについて、超長期特別国債の発行などによる「以旧換新」政策の推進や新築物件の販売改善、輸出の増加、株式取引の増加などを理由に挙げた。9月24日から始まった政策の転換を考慮したほか、今年の早い段階で打ち出された景気刺激策の影響なども予想の修正に織り込んだとしている。
一方、「以旧換新」の実施により、10月の小売売上高は前年同月比4.2%増となり、伸び率は9%の3.2%から加速すると予想。ただ、反発は一時的なものになる可能性があるとした。
大阪12月限
日経225先物 38650 -760 (-1.92%)
TOPIX先物 2705.0 -38.5 (-1.40%)
日経225先物(12月限)は前日比760円安の3万8650円で取引を終了。寄り付きは3万9190円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9260円)を下回る形で、売りが先行した。現物の寄り付き直後に3万9400円まで持ち直す動きもみられたが、前日の日中終値(3万9410円)には届かず、戻りの鈍さからショート優勢の展開になった。
前場中盤にかけて節目の3万9000円を割り込むとショートが強まり、3万8820円まで下げ幅を広げた。前場終盤にかけてはやや持ち直す動きをみせると、ランチタイムで3万9150円まで買い戻され、25日移動平均線(3万9000円)水準を上回る場面もみられた。ただし、同水準をキープできず、後場終盤にかけて下へのバイアスが強まり、一時3万8610円まで売られた。
日経225先物は売り先行で始まった後は、業績上方修正を発表した東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が買われるなか、前日の終値水準まで戻す動きをみせた。しかし、プラス圏を回復できなかったことでショートを仕掛けるきっかけになった。また、トランプ氏が米大統領選で勝利を決めて以降、トランプ・トレードという形で大きく上昇していたビットコインの上昇が一服したことも、持ち高調整に向かわせたのだろう。
日経225先物は25日線を支持線にすることができず、下へのバイアスが強まり、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8480円)に接近してきた。200日線が3万8240円辺りで推移しており、25日線水準を早い段階で回復できずに、3万9000円が抵抗線に変わる状況では、200日線辺りをターゲットとしたショートが入りやすい。ただし、週間形状では26週線が3万8350円、13週線が3万8320円辺りで推移しており、押し目待ち狙いのロングが入りやすい水準でもある。
9月下旬以降は概ね3万8000円~4万円のレンジを続けていることもあり、レンジ下限接近ではショートを仕掛けづらくさせるだろう。13日に米国では10月の消費者物価指数(CPI)が発表される。トランプ氏の再選でインフレ再燃の警戒感が広がっていることもあり、市場の関心が高い。ナイトセッションではCPIの結果を受けた米国市場の動向に振られやすいだろう。
なお、決算発表がピークを迎えているが、14日に580社近く発表する予定であり、これで一巡する。今後は機関投資家も動きやすくなることで、ロングが入りやすいと考えられる。
NT倍率は先物中心限月で14.28倍に低下した。後場に入り日経平均型のインデックス売りが断続的に入ったとみられ、一時14.27倍に低下する場面もあった。75日・200日線(14.28倍)まで下げてきており、まずは両線が支持線として機能するかを見極めたい。同水準を明確に割り込んでくると、9月上旬以来となる14.00倍割れが意識され、NTショートが入りやすくなろう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万9304枚、ソシエテジェネラル証券が1万4043枚、サスケハナ・ホンコンが4454枚、ビーオブエー証券が2389枚、バークレイズ証券が2275枚、JPモルガン証券が2081枚、ゴールドマン証券が1672枚、モルガンMUFG証券が1596枚、野村証券が1443枚、日産証券が1420枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万4073枚、ソシエテジェネラル証券が1万8757枚、モルガンMUFG証券が4404枚、バークレイズ証券が4382枚、サスケハナ・ホンコンが3906枚、JPモルガン証券が3901枚、ビーオブエー証券が3851枚、ゴールドマン証券が2823枚、シティグループ証券が1192枚、UBS証券が1031枚だった。
トランプ・トレードが継続するなか、ドル円は一時7月下旬以来の155円台を回復した。トランプ次期米大統領が経済政策の柱に掲げる「減税や関税引き上げ」は成長加速だけでなく、インフレ率上昇や財政赤字拡大にもつながるとの見方が強く、米長期金利の上昇に伴ったドル高が進行。米債券市場ではトランプ氏が掲げる政策によってインフレが再燃し、米金利が高止まりするとして、さらなる相場下落を見越す動きとなっている。
12月17-18日に今年最後の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えるなか、市場は本日の10月米消費者物価指数(CPI)に注目が集まっている。最近のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、12月FOMCでの0.25%利下げ確率は5割超にとどまり、据え置き確率は4割超まで拡大。利下げと据え置きに見方が分かれており、CPIの結果はこの見方の変化につながる可能性がある。米CPIは前年比で9月まで7カ月連続で伸びが鈍化したが、市場の10月CPIの予想は+2.6%と9月の+2.4%から伸びの上昇が見込まれている。本日の結果がトランプトレードで上昇基調を強めている米金利を後押しするか、それとも米金利の上昇に一服感を強めるかに注目。
米CPIが米金利上昇・ドル高を後押しする結果となり、ドル円の上方向への動きが加速すると、日銀が12月会合で利上げに踏み切るとの観測が強まる可能性がある。日銀はさらなる円安進行を抑制したいモチベーションではあるものの、足もとでは円安が進む一方、日本株の伸び悩みが問題視されるかもしれない。金融市場や実体経済に混乱を発生させないことも配慮しないといけず、日銀は難しい選択に迫れそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円、7月24日の高値155.99円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、日足一目均衡表・転換線153.27円が下値めど。
今晩の物価指標に注目。昨日はトランプ・ラリーが一服し、主要3指数がそろって下落した。前日に終値で初めて44000ドルを上回ったダウ平均は382.15ドル安(-0.86%)と3日ぶりに反落し、前日に初めて6000ポイントで終了したS&P500も0.29%安と6日ぶりに反落。ハイテク株主体のナスダック総合も0.09%安と小幅ながら6日ぶりに反落した。
今晩の取引ではトランプ・ラリーが一服したことで、上値の重い展開が予想される。そういったなか、先行きの利下げ見通しを巡り、寄り前に発表される米10月消費者物価指数(CPI)に注目が集まる。10月CPIは前月比+0.2%と9月分から横ばいが見込まれ、前年比では+2.6%と9月分の+2.4%から伸びの加速が見込まれている。変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前月比+0.3%、前年比+3.3%とともに9月から横ばいが見込まれている。12月米連邦公開市場委員会(FOMC)では62%の確率で0.25%の利下げが予想されているが、CPIが予想を上回る伸びとなれば、利下げ期待の後退が株価の重しとなることが懸念される。
今晩の米経済指標は10月CPIのほか、MBA住宅ローン申請指数、10月財政収支など。また、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、ローガン米ダラス連銀総裁、シュミッド米カンザスシティー連銀総裁の発言も予定されている。企業決算は引け後にシスコ・システムズが発表予定。
日経平均株価は大幅続落。小幅安の寄り付きから、後場にかけて下げ幅を拡大する展開となった。一時は11/6に形成した陽線の安値(38662円)を下回る場面があり、終値ベースで25日移動平均線(38964円 11/13)や一目均衡表の転換線(38915円 同)を下回った。
RSI(9日)は前日の56.8%→42.5%(11/13)へ低下。25日移動平均線がやや下向きに変わり始めており、上値を抑える要因になる。10/15高値(40257円)を起点に10/30高値(39417円)を通る右下がりのライン付近まで下げており、節目として反発を意識できるかがあすの焦点となる。
一方、一目均衡表の雲上限(38139円 同)まで下げる余地が生じた。例えそのケースでも、11/1安値(37946円)を前に再び反発に転じることができれば値崩れ感は生じないが、5日移動平均線(39302円 同)や25日移動平均線の下向き角度が強くなることが調整が長引く要因となる。
依然として10月からのもみ合いの範ちゅうであり、当面は10/16の下げで開けたマド埋め(39910円)を通過点に4万円突破へ勢いづくかが焦点となる。8月安値(31156円)を起点とした上昇局面では高値圏を保っており、一段高となる前の揺り戻しと判断したい。
上値メドは、10日移動平均線(39088円 同)や心理的節目の39500円、10/15高値(40257円)や心理的節目の40500円などがある。下値メドは、75日移動平均線(37892円 同)、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
(13日終値:14日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.41円(13日15時時点比△0.50円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.25円(▲0.15円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0569ドル(▲0.0044ドル)
FTSE100種総合株価指数:8030.33(前営業日比△4.56)
ドイツ株式指数(DAX):19003.11(▲30.53)
10年物英国債利回り:4.520%(△0.021%)
10年物独国債利回り:2.390%(△0.028%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。米重要指標の発表を控えてしばらくは155.00円を挟んだもみ合いの展開が続いていた。ただ、米労働省が発表した10月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.2%/前年比2.6%、エネルギーと食品を除くコア指数が前月比0.3%/前年比3.3%と市場予想通りの結果となったことが分かると、当初はドル売りで反応。23時過ぎに一時154.34円と日通し安値を付けた。
ただ、押し目を拾いたい向きは多く、売り一巡後は買い戻しが優勢に。市場では「インフレ鈍化に向けた進展は幾分失速しているようだ。12月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測に変化はないものの、来年の利下げペースは鈍る可能性がある」との声が聞かれた。米CPI発表直後に4.35%台まで低下した米10年債利回りが4.44%台まで上昇したことも買い戻しを促し、3時過ぎには155.47円と7月24日以来の高値を更新した。
なお、ローガン米ダラス連銀総裁は「米連邦準備理事会(FRB)には追加利下げの余地があるものの、慎重に進める必要がある」との考えを示した。
・ユーロドルは一転下落。米CPI発表直後はドル売りが優勢となり一時1.0653ドルと日通し高値を付けたものの、前日の高値1.0663ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。ユーロ圏では利下げが続くとの見方が根強い中、24時過ぎには一時1.0556ドルと昨年11月以来約1年ぶりの安値を更新した。市場では「米国のインフレは全般的には下方傾向をたどりながらも、インフレとの闘いが足踏み状態となっていることを今回の数字は浮き彫りにした」との声が聞かれた。
・ユーロ円は一進一退。22時30分前に一時164.80円と本日高値を付けたものの、24時過ぎには163.64円の本日安値まで押し戻された。ただ、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げ、164.28円付近まで下げ渋った。
・代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは上値を試す展開。対ドルでは一時9万3462ドル前後と史上最高値を更新した。対円でも1448万円台と過去最高値を更新した。仮想通貨に好意的とみられるトランプ氏の米大統領選勝利が引き続き材料視された。市場では「機関投資家の買いが増えている」との声が聞かれた。
・ロンドン株式相場は小反発。前日に約3カ月ぶりの安値を付けたあとだけに自律反発狙いの買いが入った。ただ、そのあとは米インフレ指標の結果を見極めたいとのムードが広がり、徐々に値動きが鈍った。アストラゼネカなど医薬品株の一角に買いが入ったほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値上がりした。半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られた。
・フランクフルト株式相場は小幅ながら続落し、9月25日以来の安値となった。独連立政権崩壊で景気への懸念が意識される中、この日も売りが続いた。ただ、そのあとは米インフレ指標の結果を見極めたいとのムードが広がり、売りに一服感が出た。個別ではポルシェ・オートモービル・ホールディング(6.17%安)やインフィニオン・テクノロジーズ(4.70%安)、バイエル(3.52%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。
13日の日経平均は大幅続落。終値は654円安の38721円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり587/値下がり1012。通期の利益見通し引き上げや増配を発表したENEOSが大幅上昇。上期が大幅増益となったカバーが商いを伴って急伸した。地合いの悪い中でも好材料のあった銘柄は跳ねており、上期営業黒字転換のシャープが13.8%高。期末配当見通しを大幅に引き上げた青山商事や大規模な自己株取得を発表したTHKは、場中に値が付かずストップ高比例配分となった。
一方、ソフトバンクGは決算を受けて買いが先行したものの、失速して2.9%安。主力どころでは日立、リクルート、任天堂などの下げが大きかった。ドル円は円安に振れたものの、トヨタ、ホンダ、スズキなど自動車株が全般軟調。通期の利益見通しを引き下げた住友鉱山が急落した。今期の減益見通しを提示したネクソンがプライムの値下がり率トップとなり、年初来安値を更新した。
日経平均は大幅安。大型株が全般弱く、印象の悪い下げとなった。39000円や25日線(38964円、13日時点)など節目がサポートになっておらず、チャートの形状も悪化。決算発表が終盤戦に差しかかったタイミングで40000円が遠くなってきたことから、目先は高くなる場面があれば戻り売りが上値を抑えるだろう。
本日の米国では10月の消費者物価指数(CPI)が発表される。米国では長期金利が上昇する中でも主要3指数が高値圏で推移しているが、本来、株式市場にとって金利は低い方が好ましい。物価指数が強いとインフレへの警戒が浮上してマーケットが混乱するリスクもあるだけに、結果が米長期金利の低下を促すことを期待したい。ただ、その場合、為替市場ではドル安(円高)が進む可能性があるし、金融株は買いづらくなる。半導体株などグロース色の強い銘柄に出直りの動きが見られるかが注目される。
複数の米メディアが報じたところによると、「5日実施された米下院選では共和党が多数派を維持する」ようだ。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、12月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを予想する確率は前日の58.7%から79.3%に上昇した一方、据え置きを予想する確率は41.3%から20.7%に低下した。
13日19:15 ナーゲル独連銀総裁
「コアインフレ率は依然としてかなり高い」
「サービス部門のインフレは、依然として価格圧力が顕著」
「トランプ次期米大統領の関税政策は独経済の縮小を招く可能性」
13日19:27 マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「インフレは決して克服されたわけではない」
「英国のサービス部門インフレは非常に粘着性がある」
「エネルギー価格は、下がるよりも上がる可能性が高い」
13日22:57 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「CPIのヘッドラインは我々が進むべき道を裏付けている」
「次回会合までまだ6週間あり、さらなるデータが発表される」
「インフレは正しい方向に向かっていると確信している」
「インフレが2%超で高止まりしていると思わない」
「中立金利がどこにあるかについては大きな不確実性がある」
「経済が好調な状態が長く続くほど、中立金利は高くなるだろう」
「労働市場は良い状態にあると思う」
13日23:55 ローガン米ダラス連銀総裁
「FRBはおそらく追加利下げが必要となるが、慎重に進める必要」
「FRBが中立金利を大幅に超える利下げをした場合、インフレが再燃する可能性がある」
「FRBが何回利下げする必要があるか、またどのくらいのペースで行う必要があるかは不明」
「インフレ抑制に大きく前進」
「まだ物価安定には戻っていない」
「米国の経済活動は回復力がある」
「労働市場は徐々に冷え込んでいるが、大幅に弱まっているわけではない」
「インフレには上振れリスク、雇用には下振れリスクがある」
14日03:11 ムサレム米セントルイス連銀総裁
「物価安定に向けて『最後の一歩』を踏み出している可能性がある」
「インフレ率は中期的に2%の目標に収束すると予想」
「最近の情報は、インフレ率が上昇するリスクが高まっていることを示唆している一方で、雇用市場のリスクは不変または低下している」
「金融政策は、適切な位置づけにある」
「FRBは今後の利下げの決定に向けて、慎重かつ忍耐強くデータの判断を行うことができる」
「インフレ率が2%を超えている間は、金融政策は『適切に制限的』なままである」
「インフレ率が引き続き低下した場合、さらなる利下げは適切」
「労働市場は完全雇用の範囲内に依然としてある」
「堅調な経済は、第4四半期に向けて堅実な軌道に乗っている」
14日03:38 シュミッド米カンザスシティー連銀総裁
「FRBが今後どれくらい利下げを続けるか、そして金利がどこで落ち着くかはまだ分からない」
「これまでのFRBの利下げは、インフレ率が2%の目標に向かっているという信頼感の高まりを認めるものだ」
「生産性の伸びが人口増加の鈍化や財政赤字拡大の影響を上回れることを期待」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
<海外>
○08:00 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、討議に参加
○09:01 ◇ 10月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格(予想:11)
○09:30 ◎ 10月豪雇用統計(予想:失業率4.1%/新規雇用者数2.50万人)
○17:30 ◎ デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○19:00 ☆ 7-9月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.4%/前年比0.9%)
○19:00 ◎ 9月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲1.4%/前年比▲2.0%)
○21:00 ◎ クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○21:30 ☆ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(10月17日分)
○22:00 ◎ マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○22:30 ◎ 10月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比2.3%)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比3.0%)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.3万件/188.0万人)
○23:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、討議に参加
○15日01:00 ◇ EIA週間在庫統計
○15日03:30 ◎ シュナーベルECB専務理事、あいさつ
○15日04:00 ◎ メキシコ中銀、政策金利発表(予想:10.25%に引き下げ)
○15日05:00 ☆ パウエルFRB議長、講演
○15日06:00 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(13日終値)
ドル・円相場:1ドル=155.46円(前営業日比△0.85円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.24円(▲0.01円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0564ドル(▲0.0059ドル)
ダウ工業株30種平均:43958.19ドル(△47.21ドル)
ナスダック総合株価指数:19230.73(▲50.67)
10年物米国債利回り:4.45%(△0.03%)
WTI原油先物12月限:1バレル=68.43ドル(△0.31ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2586.5ドル(▲19.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月米消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.2% 0.2%
(前年同月比) 2.6% 2.4%
エネルギーと食品を除くコア指数
(前月比) 0.3% 0.3%
(前年同月比) 3.3% 3.3%
10月米財政収支
2575億ドルの赤字 643億ドルの黒字
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日続伸。米労働省が発表した10月米CPIが市場予想通りの結果になると、米インフレ再加速への警戒が根強かっただけに当初はドル売りで反応。23時過ぎに一時154.34円と日通し安値を付けた。
ただ、押し目を拾いたい向きは多く、売り一巡後は買い戻しが優勢に。市場では「インフレ鈍化に向けた進展は幾分失速しているようだ。12月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測に変化はないものの、来年の利下げペースは鈍る可能性がある」との声も聞かれ、4時過ぎには155.62円と7月24日以来の高値を更新した。米CPI発表直後に4.35%台まで低下した米10年債利回りが4.46%台まで上昇したことも買い戻しを誘った。
なお、ローガン米ダラス連銀総裁は「米連邦準備理事会(FRB)には追加利下げの余地があるものの、慎重に進める必要がある」との考えを示したほか、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は「インフレは正しい方向に向かっていると確信している」などと発言。また、ムサレム米セントルイス連銀総裁は「最近の情報はインフレ率が上昇するリスクが高まっていることを示唆する一方、雇用市場のリスクは不変または低下」などと語った。
・ユーロドルは4日続落。米CPI発表直後はドル売りが優勢となり一時1.0653ドルと日通し高値を付けたものの、前日の高値1.0663ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。24時過ぎには一時1.0556ドルと昨年11月以来約1年ぶりの安値を更新した。その後の戻りも1.0594ドル付近にとどまった。独連立政権崩壊でユーロ圏景気への懸念が意識される中、ユーロ売りが出やすい面もあった。
・ユーロ円はほぼ横ばい。22時30分前に一時164.80円と本日高値を付けたものの、24時過ぎには163.64円の本日安値まで押し戻された。ただ、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げ、4時過ぎには164.42円付近まで持ち直す場面があった。
・代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは対ドルで一時9万3462ドル前後と史上最高値を更新した。対円でも1449万円台と過去最高値を更新した。仮想通貨に好意的とみられるトランプ氏の米大統領選勝利が引き続き材料視された。市場では「機関投資家の買いが増えている」との声も聞かれた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。10月米CPIが市場予想通りの結果になると、米インフレ再加速への警戒が根強かっただけに買い安心感が広がった。市場では「株式相場にとってよいニュース」との声が聞かれた。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落。米長期金利が上昇したことで高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが出やすかった。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などが値下がりした。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。10月米CPIが市場予想通りの結果になると買いが先行したものの、すぐに失速した。トランプ次期米大統領が掲げる追加関税導入など財政拡張的な政策でインフレが再燃するとの懸念から売りが出やすかった。
・原油先物相場は続伸。最近の下落により、値ごろ感からの買いが入った模様。もっとも、10月米CPI発表後にドルが買われたことから、ドル建てで取引される原油の割高感が意識されて上値は重かった。
・金先物相場は4日続落。10月米CPI発表後にドル買いが強まった影響を受け、ドル建てで取引される金の割高感が意識されて売りが優勢となった。
13日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、10月米消費者物価指数(CPI)が予想通りだったことで、米10年債利回りの4.35%台までの低下に連れて154.34円まで下落後、4.46%台までの上昇により155.62円まで上昇した。ユーロドルは1.0653ドルまで上昇した後、1.0556ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、トランプ・トレード(米国債売り・ドル買い)が継続して155円台に乗せてきていることで、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒しながら、今夜のパウエルFRB議長の講演を待つことになる。
米10月コアCPIが3カ月連続で前月比+0.3%の伸びを記録してインフレ抑制の足踏みが警戒されたことで、米10年債利回りが4.46%台まで上昇し、ドル円も155.62円まで上昇して、トランプ・トレードが継続している。
ドル円は155円台に乗せてきており、神田前財務官が退任前に円買い介入を断行した水準(157円台、159円台、160円台、161円台)に接近している。
現在は財務省顧問も務める神田内閣官房参与は、先日、株高とドル高・円安の「トランプ・トレード」が起きている背景として、財政赤字増大による米金利上昇や関税の引き上げ、移民制限によるインフレと金利引き上げの可能性といった憶測があると指摘していた。そして、投機が変動を助長しているとして、「行き過ぎた動きには適切な対応を取る」と円買い介入の可能性を示唆していた。
トランプ米政権は、米国の製造業を保護するため、輸入関税を引き上げ、ドル安を志向すると思われることから、本邦通貨当局のドル売り・円買い介入と整合的であるため警戒しておきたい。
また、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、12月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率は80%台に上昇しているものの、来年1月のFOMCでは据え置きが見込まれている。
12月17-18日のFOMCの前には、12月6日に米11月雇用統計が発表され、10月の雇用統計のノイズとなっていたハリケーンやストライキの影響を排除した米国の雇用情勢が確認できる。
今夜のパウエルFRB議長の講演では、11月雇用統計という「データ」次第と述べつつも、12月FOMCでの第3次利下げ(▲0.25%)を示唆すると思われるが、注目ポイントは、第2次トランプ米政権が発足する来年1月20日の後の29日のFOMCでの追加利下げへの言及となる。
7月FOMCでは、従来のインフレ重視の金融政策から二大責務であるインフレと雇用の両方を見る金融政策に「リカリブレート(再調整)」することが表明された。
そして、パウエルFRB議長は、9月FOMCでの第1次利下げ(▲0.50%)や11月FOMCでの第2次利下げ(▲0.25%)辺りから、金融政策の再調整「リキャリブレーション(recalibration)」という言葉を多用して、中立金利水準までの利下げ路線を貫徹しようとしており、今夜の講演でもこの単語に注目しておきたい。
9時30分に発表される10月豪雇用統計の予想は、失業率が4.1%で9月と変わらず、新規雇用者数が+2.50万人で、9月の+6.41万人からの減少が見込まれている。先日の豪準備銀行(RBA)理事会では、政策金利が据え置かれ、声明文では「基調インフレは依然として高すぎる。インフレ率は2026年まで目標(2-3%)の中央値に到達することはないだろう」とタカ派的な見解が維持された。
オーストラリアは、第2次トランプ米政権でのトランプ関税の直接的な悪影響と第2次米中貿易戦争による間接的な悪影響が懸念されており、雇用情勢が悪化していた場合、早期の利下げ観測が台頭する可能性に警戒しておきたい。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38970 +320 (+0.82%)
TOPIX先物 2720.5 +15.5 (+0.57%)
シカゴ日経平均先物 38970 +320
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
13日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。朝方発表された10月の米消費者物価指数(CPI)は、総合指数が前月比0.2%上昇と市場予想に一致したほか、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は同0.3%上昇と、予想通りの伸びとなった。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ方針を変えるほどではなく、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待により買いが優勢となった。FRBの金融政策を予想する「フェドウオッチ」では、12月に政策金利を0.25%引き下げる確率が8割と、前日の6割弱から上昇した。
米大統領選後の大幅な上昇に対して短期過熱感が意識されて、利益確定の売りも出やすく、NYダウは下落に転じる場面もみられた。半導体株は引き続き米中関係の緊張が高まるとの見方が重荷となっており、エヌビディア<NVDA>やマイクロン・テクノロジー<MU>、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>が売られ、ナスダック指数は続落。半導体SOX指数は3日続落で下落率は2.0%だった。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比320円高の3万8970円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比70円高の3万8720円で始まり、3万8940円まで買われた後は、3万8720円から3万8900円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを下放れ、一時3万8490円まで売られる場面もみられたが、終盤にかけてショートカバーが入り3万8990円まで買われ、3万8970円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションでボリンジャーバンドの-1σ(3万8480円)水準まで調整した後の切り返しで、25日移動平均線(3万9000円)水準までの上昇となった。節目の3万9000円では強弱感が対立しやすく、まずは25日線を突破できるかを見極めたいところであろう。
同線が抵抗線として意識されてくるようだと、-1σとの推移となり、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9000円のレンジになろう。米国ではCPIの結果を受けてFRBによる利下げ期待が買いに向かわせたが、引き続き半導体株の弱さが目立つ。米下院選挙で共和党が多数派を維持する見通しとなったと報じられており、共和党の両院支配によってトランプ次期大統領が政策を推進しやすくなるとみられる。減税や規制緩和への期待が高まる半面、中国に対する大幅関税の影響が警戒されやすい。
トランプ氏の政策に備えるなか、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引する展開は期待しづらく、日経225先物は3万9000円近辺で戻り待ち狙いのショートが入りやすいだろう。一方で、ハイテク株に底堅さがみられると、25日線突破から+1σが位置する3万9500円辺りでのレンジに移行する可能性はありそうだが、ショートカバーが中心で積極的なロングは限られそうである。
13日の米VIX指数は14.02(前日は14.71)に低下した。引き続き不安心理が高まった状態を示す20.00を下回っているほか、200日線(15.81)を明確に下放れてきている状況である。7月以来の水準まで低下しており、米国ではリスク選好の状況である。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.28倍に低下した。後場に入り日経平均型のインデックス売りが断続的に入ったとみられ、一時14.27倍に低下する場面もあった。75日・200日線(14.28倍)まで下げてきており、まずは両線が支持線として機能するかを見極めたい。本日はセブン&アイ・ホールディングス<3382.T>が日経平均型を牽引する形だろうが、ハイテク株の上昇は限られる可能性があり、9月上旬以来となる14.00倍割れが意識され、NTショートが入りやすくなろう。
昨日の海外市場では引き続きトランプトレードを中心とした相場展開。米長期金利の上昇とドル高が進んだほか、政府のリザーブとして多額の購入が予定されているビットコインとイーサの急騰が目立つ動きとなりました。
ドル円は、欧州時間に目先の上値目処として意識されていた7月30日の高値155.22円を上抜けて一時155.24円まで値を上げた後、米CPIを控えて155.00円を挟んだもみ合いが続いたわけですが、10月米CPIがコア指数ともに予想通りの結果となったものの、このところ上昇基調を高めていたスーパーコアが9月の0.404%から0.314%に4カ月ぶりに低下していたことを受けて米10年債利回りが4.3550%まで低下。つれるかたちで154.34円まで値を下げる場面もみられましたが、その後は一転して米金利が4.4610%まで大幅な上昇となると155.62円まで買い上げられてNY市場を終えています。
アジア時間に入ってからも、米10年債利回りがトランプ米大統領の返り咲きが決定した6日の高値4.4768%を上抜けて上昇すると昨日高値をブレイク。一時155.94円まで値を上げているといったところです。ユーロドルも一時1.0551ドルまで安値を更新しています。
いずれにしても、市場では、トランプ新政権での主要閣僚がかなりの強硬派で固められたことから、トランプトレードを更に進めている状況。日本サイドでは、今後の政策のキャスティングボードを握る国民民主党の玉木党首が、「トランプ政権が関税や減税を実施すれば、米国経済は過熱する。円は下落することになる」との見解を表明しているほか、「実質賃金がプラス圏にしっかり回復するまで、日銀は利上げをすべきではない」との立ち位置。
ユーロドルが2023年10月3日の安値1.0448ドルというかなりクリティカルなサポートレベルを試しにいっているなか、ドル円も昨年7月の5兆5348億円の介入後の戻り高値である7月19日の157.86円が意識されています。
日経225先物は11時30分時点、前日比100円高の3万8750円(+0.25%)前後で推移。寄り付きは3万8920円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8970円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後に3万8830円まで軟化したが、中盤にかけて強含みの展開となり、一時3万9110円まで買われた。ただし、節目の3万9000円をキープできず、終盤にかけてはロング解消の動きが優勢となり、一時3万8630円と下落に転じる場面もみられた。売り一巡後は押し目待ち狙いのロングにより、3万8800円水準を回復している。
日経225先物は買い先行で始まった後に3万9110円まで上げ幅を広げたが、25日移動平均線(3万9000円)近辺では強弱感が対立しやすく、その後のロング解消につながったようだ。もっとも、一時マイナスに転じたものの下へのバイアスは強まらず、積極的なショートの動きも限られている。ボリンジャーバンドの-1σ(3万9530円)と25日線(3万9000円)でのレンジが続きそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.24倍に低下した。支持線として意識されていた75日・200日線(14.28倍)を明確に割り込んできており、NTショートに振れやすい。米中関係の緊張が警戒されるなかで指数インパクトの大きい値がさハイテク株は軟調。一方で、日銀が年内にも追加利上げに踏み切るとの見方からメガバンクなど金融株が買われたほか、円相場が1ドル=156円台に迫るなか、トヨタ自動車 <7203.T> [東証P]など輸出関連の一角が堅調であり、相対的にTOPIX型優位の需給状況である。
「あなた方の税金は無駄遣いされている。政府という重荷から、あなた方とあなた方の財布を解放する」(イーロン・マスク氏)
1. 2025会計年度(24年9月-25年10月)財政赤字:2574.5億ドル
米財務省は、2025会計年度(24年9月~25年10月)の10月の財政収支が、2574.5億ドルの赤字だったと発表した。2023年10月は665.64億ドルの赤字だったことで、赤字幅は1908.86億ドル増加した。歳出は24.3%増の5842.21億ドルで、10月としては過去最大規模、歳入は19%減の3267.70億ドルだった。
2024年度の赤字(1兆8328.16億ドル)はバイデン大統領の学生ローン返済免除計画が連邦最高裁で差し止められ、その関連費用3300億ドルを取り崩すことで縮小したが、これがなければ2兆ドルを超えていた。国債利回りの上昇を受けて、政府のコスト負担が大きく膨らんでおり、2024年度の連邦政府の公的債務利子が累計で初めて1兆ドルを超えた。
発行されている国債の50%が今後3年で満期になるため、現状の米中長期債利回りの高止まりが続いた場合、利払い額は、2倍の2兆ドルに達することが警戒されている。
【財政赤字と対GDP比】
・2020会計年度(19年10月~20年9月):3兆1319億ドル(対GDP比15.0%)※過去最大
・2021会計年度(20年10月~21年9月):2兆7721.79億ドル(対GDP比12.4%)※過去2番目
・2022会計年度(21年10月~22年9月):1兆3754.81億ドル
・2023会計年度(22年10月~23年9月):1兆6952.40億ドル(対GDP比6.2%)
・2024会計年度(23年10月-24年9月):1兆8328.16億ドル(対GDP比6.4%)
2.2024年10月末債務残高:35兆9516億ドル(※米国債:27兆ドル)
米国の2024年10月末時点での債務残高は35.9516兆ドルで、2024年第3四半期国内総生産(GDP)29.35兆ドルの約122%となっている。
第2次トランプ米政権の誕生により、関税の引き上げ(中国60%、その他10-20%)や減税(所得税・法人税)、大規模な財政出動への警戒感から、トランプ・トレード(米国債売り・ドル買い)が活発化している。
そして、「債券自警団(bond vigilantes)」は、米10年債利回り5%を目指して米国債売りを続けている。
米格付け会社ムーディーズは「どちらの候補が当選しても米国の財政状況は弱体化する可能性が高い」と指摘して、大統領選後に米国の信用格付けを引き下げることを示唆していた。
超党派の米シンクタンク「責任ある連邦予算委員会」は、第2次トランプ米政権では、2026~35年度の10年間で財政赤字が7兆5千億ドル拡大するとのことである。25年末に期限を迎える減税策の恒久化が5兆3500億ドル、残業代への課税撤廃は2兆ドルの財政悪化が見込まれている。全ての輸入品に10%、中国に60%の関税を課す方針では、2兆7千億ドルの税収増となる。
しかし、イーロン・マスク氏は、第2次トランプ米政権で新設される予定の米政府効率化省(DOGE:Department of Government Efficiency)を率いるマスク米効率大臣に就任する予定、と報じられている。マスク氏は、連邦予算から少なくとも2兆ドルを削減できると主張している。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁の講演や欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(10月17日分)などで、12月のECB理事会での追加利下げの可能性を探ることになる。
デギンドスECB副総裁は、タカ派的な見解として、ユーロ圏の消費者物価指数(CPI)の伸びは鈍化しているが、賃金動向の高止まりを背景にしたサービスインフレへの警戒感を示し、今年最後の四半期にはベース効果によりインフレ率が上昇する、と述べていた。
一方で、ハト派的な見解として、ユーロ圏の経済成長が従来の予想を下回る可能性があるほか、トランプ関税が一段とマイナスの結果をもたらす恐れがある、と述べていた。
本日の講演では、どちらの見解に軸足が置かれるのか注目しておきたい。
ナーゲル独連銀総裁は、先日、「トランプ関税計画が実施されれば、ドイツは国内総生産(GDP)の1%を失う恐れがある。もし実際に新たに関税が課された場合、ドイツはマイナス成長に陥る可能性さえある」と懸念を示していた。
10月17日のECB理事会議事要旨では、市場に燻り続けている12月ECB理事会での0.50%の大幅利下げの可能性を見極めることになる。
7-9月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値では、現状のユーロドル下落基調の中で、下方修正のネガティブサプライズに警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0625ドル(5日移動平均線)
・ユーロ円:164.90円(200日移動平均線)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0496ドル(2023/10/13 安値)
・ユーロ円:163.21円(11/8安値)
中国の財政部、税務総局、住宅都市農村建設部は13日、「不動産市場の安定・健全な発展を促すための税収政策に関する公告」を連名で発表した。1世帯(購入者、配偶者、未成年の子供を含む)が購入する1軒目と2軒目の住宅について、面積が140平方メートル以下の場合、契約税の税率を1%に引き下げる。面積が140平方メートルを超えた場合、1軒目の契約税の税率を1.5%、2軒目を2%に引き下げる。これまでの税率は3%。
「一線都市」(北京、上海、広州、深セン)で普通住宅と非普通住宅の区分を廃止した場合、住宅増値税(付加価値税)の徴収基準をほかの地域と統一する。住宅の購入から2年以上経過して売却する場合、増値税を免除する。
前払い方式で徴収する土地増値税について、税率を一律0.5%引き下げる。調整後の税率は東部地区が1.5%、中部と東北地区は1%、西部地区は0.5%。普通住宅と非普通住宅の区分を廃止した都市で、納税者が普通住宅を建設して販売する場合、これまでと同様の基準で土地増値税の免除が受けられる。
第一生命経済研究所では、2025年の春闘賃上げ率(厚生労働省ベース)を4.8%と予測している。24年の春闘では5.33%もの歴史的な賃上げが実現したが、25年の春闘でも5%に迫る賃上げが実現するとみている。また、賃上げ分のうち、定期昇給部分(1.8%程度)を除いたベースアップで見ると3.0%程度(24年は3.5%程度)と予想している。
東海東京インテリジェンス・ラボでは米国の長期金利(10年債利回り)に関して、トランプ氏の大統領返り咲きはインフレ再燃につながりかねないという点で金利上昇要因となることから、金利低下の材料は限られると指摘。新たな材料が出てこなければ、米金利は高止まりする公算が大きいとみている。インフレが再加速しなければ、FRBが緩やかなペースでの利下げを続けることで、米長期金利は徐々に低下に向かうと推測される。ただし、金利低下のペースは緩やかで、低下幅も限定的にとどまりそうと東海東京ではコメントしている。
ドル円:1ドル=156.02円(前営業日NY終値比△0.56円)
ユーロ円:1ユーロ=164.55円(△0.31円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0547ドル(▲0.0017ドル)
日経平均株価:38535.70円(前営業日比▲185.96円)
東証株価指数(TOPIX):2701.22(▲7.20)
債券先物12月物:142.98円(▲0.13円)
新発10年物国債利回り:1.055%(△0.015%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.28700%(△0.01100%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
1兆7246億円の取得超 4兆4579億円の処分超
対内株式
5139億円の取得超 1532億円の所得超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。この日も本邦勢の本格参入後はドル買いが先行した。仲値に向けた買いも観測されたほか、時間外の米10年債利回りの上昇も相場の支えとなり、昨日高値の155.62円を上抜けて上伸。一時156.14円と7月23日以来の高値を更新した。もっとも、15時以降に米長期金利の上昇が一服すると155.80円台まで押し戻されている。
・ユーロドルは小安い。全般にドル買いが進んだ流れに沿って、昨年11月以来の安値となる1.0535ドルまで下押しした。ただ、その後は米金利の上昇幅縮小に伴って売りも一服となった。
・ユーロ円は小高い。ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが進んだ。ユーロドルの下落によってやや相殺された面はあったものの、一時164.67円まで値を上げた。
・日経平均株価は3日続落。外国為替市場で円安・ドル高が進んだことが好感され、株価指数先物主導で買いが先行すると、指数は一時360円超上昇した。もっとも、節目の3万9000円を上回る水準では戻り待ちの売りも観測され、その後はマイナス圏まで失速。後場は全般にさえない動きが続き、この日の安値で取引を終えた。
・債券先物相場は3日続落。前日の米国債券相場が下落した流れを引き継いだほか、時間外取引で米長期金利が上昇したことも相場の重しとなった。
大阪12月限
日経225先物 38580 -70 (-0.18%)
TOPIX先物 2703.0 -2.0 (-0.07%)
日経225先物(12月限)は、前日比70円安の3万8580円で取引を終了。寄り付きは3万8920円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8970円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後に3万8830円まで軟化したが、前場中盤にかけて強含み、一時3万9110円まで買われた。
ただし、節目の3万9000円をキープできず、前場終盤にかけてはロング解消が優勢となり、3万8630円と下落に転じる場面もみられた。その後、持ち直しランチタイムでは3万8720円~3万8840円辺りでの保ち合いを継続。しかし、後場中盤辺りにレンジを割り込むと、終盤にかけて一時3万8500円まで売られた。
日経225先物は買い先行で始まった後に3万9110円まで上げ幅を広げたが、25日移動平均線(3万9000円)近辺では強弱感が対立しやすく、その後のロング解消につながったようだ。後場は終盤にかけて下げ幅を広げたものの、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8460円)が支持線として意識された。
日経225先物は-1σと25日線での推移となったが、25日線が位置する節目の3万9000円辺りでの上値の重さは想定されていたため、買い一巡後は次第に膠着感が強まるといった展開がコンセンサスだったとみられる。ただし、米下院選挙で共和党が多数派を維持する見通しであり、大統領職と上下両院の多数派を共和党が占める「トリプルレッド」によって、トランプ次期大統領の政策実現性は高まることになる。このため、米中関係の緊張に備える動きとなり、半導体株には持ち高調整の動きが強まってきた。
なお、台湾の鴻海精密工業が発表した7-9月期決算は、予想を上回る内容だった。アップル<AAPL>が9月に発売した新型iPhoneや、生成AI向けサーバーの受託生産が原動力となった。米国市場でも材料視されそうだが、市場の反応が限られるようだと、半導体株の持ち高調整の動きが続くことになりそうだ。
日経225先物は25日線が抵抗線として意識されてくるようだと、-1σ割れから200日線が位置する3万8260円や、75日線の3万7800円水準がターゲットになりやすいだろう。ただし、持ち高調整に伴うリバランスが中心と考えられ、ショートポジションを積み上げてくる流れにはならないとみておきたい。-1σを割り込んできたとしても、200日線水準では押し目狙いのスタンスに向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.27倍に低下した。一時14.22倍まで低下し、支持線として意識されていた75日・200日線(14.28倍)を明確に割り込んできており、NTショートに振れやすい。米中関係の緊張が警戒され、指数インパクトの大きい値がさハイテク株は軟調。一方で、日銀が年内にも追加利上げに踏み切るとの見方からメガバンクなど金融株が買われたほか、円相場が1ドル=156円台に乗せるなかで輸出関連の一角が堅調だったことで、相対的にTOPIX型優位の需給状況だった。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3673枚、ソシエテジェネラル証券が9287枚、サスケハナ・ホンコンが3582枚、バークレイズ証券が2037枚、SBI証券が1621枚、JPモルガン証券が1601枚、ゴールドマン証券が1439枚、モルガンMUFG証券が1373枚、ドイツ証券が871枚、楽天証券が854枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万9361枚、ソシエテジェネラル証券が1万5352枚、ビーオブエー証券が3542枚、バークレイズ証券が3330枚、JPモルガン証券が3260枚、サスケハナ・ホンコンが3064枚、モルガンMUFG証券が2948枚、ゴールドマン証券が1103枚、野村証券が829枚、SBI証券が602枚だった。
ドル円は昨日に7月下旬以来の155円台を回復し、本日の東京市場では156円台まで上昇が加速した。米下院で共和党の過半数獲得が確定し、トランプトレードが一段と強まっている。
共和党はホワイトハウスと議会の全てを掌握する「トリプルレッド」が実現し、トランプ政権の運営がやりやすくなった。市場では、トランプ氏の財政拡張などインフレ的な政策を予想したドル買いが継続している。トランプトレードによるドル買いがいつまで続くかは定かでないが、上昇がいったん一巡してもドルの押し目では下支えの材料となるだろう。米大統領に返り咲くトランプ氏は前回よりも強気で政策を進めるとの見方がある。ヘッジファンドもトランプトレードに賭けており、年内はドル買いが続くとの観測も出ている。
ドル円の上昇が加速し、日銀の12月利上げ観測が高まっているほか、日本当局による介入警戒感も出始めた。実弾介入については160円をめどとし、円安のスピード次第ではもっと前の水準で円買い介入に踏み切るとの見方も出ているが、最近の動きは円安というよりドル独歩高となっており、介入実施のタイミングは掴みにくい。
本日は10月米卸売物価指数(PPI)、新規失業保険申請件数の発表や、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演などが予定されている。ドルは結果に一時的な反応を示すも底堅い動きが続きそうだ。昨日の10月米消費者物価指数(CPI)は市場予想通りの結果になった。CPIの結果を受けて一時ドル売りに反応したが、その後ドル高軌道に戻した。短期金融市場で12月連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率は80%近くまで上昇しているものの、トランプ氏の返り咲きで来年の利下げペースが鈍ると警戒されている。
・想定レンジ上限
ドル円、7月23日の高値157.10円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、心理的節目の155.00円が下値めど。
今晩は経済指標に注目。昨日は前日にトランプ・ラリーが一服し、小型株が引き続き下落したほか、半導体株も総じて下落したものの、10月消費者物価指数(CPI)が予想通りの伸びにとどまり、12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ期待が高まったことが相場の支援となった。小型株指数のラッセル2000が0.94%安、ハイテク株主体のナスダック総合も0.26%安とともに2日続落した一方、ダウ平均は47.21ドル高(+0.11%)と小幅に反発し、S&P500も0.02%高とわずかながらプラス圏で終了した。
予想通りとなった10月CPIを受けてCMEのフェドウォッチ・ツールの12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率は前日の59%から81%に上昇した。
今晩の取引ではトランプ・ラリーが一服したことで、上値の重い展開が予想されるが、12月FOMCでの利下げ見通しが引き続き下値支援となることが期待される。12月FOMCでは80%以上の確率で0.25%の追加利下げが予想されており、今晩発表される米10月生産者物価指数(PPI)も予想通りの伸びにとどまれば安心感が広がりそうだ。10月PPIは前年比+2.3%と9月分の+1.8%から伸びの加速が見込まれ、前月比でも+0.2%と9月分の横ばいから上昇が見込まれている。変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPPIも前年比+3.0%、前月比+0.3%とそれぞれ9月分の+2.8%、+0.2%から上昇が見込まれている。
このほか、新規失業保険申請件数の発表やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演もあり、労働市場の状況や利下げを巡る議長発言にも要注目となる。
今晩の米経済指標は新規失業保険申請件数、10月PPI、EIA週間原油在庫など。企業決算は寄り前にウォルト・ディズニー、引け後にアプライド・マテリアルズなどが発表予定。
日経平均株価は3日続落。買い優勢のスタートとなったが、5日移動平均線(39133円 11/14)が上値抵抗となり失速した。前日安値(38600円)を下回り、安値引けの陰線を形成した。
RSI(9日)は前日の42.5%→42.6%(11/14)へ横ばい。あすは上昇しやすいタイミングとなる。下向きの5日移動平均線に上値を抑えられる動きは普通の動きではあり、200日移動平均線(38515円 同)付近まで下げたことで、あすの反発に期待したいところだ。ただ、25日移動平均線(38948円 同)がやや下向きに変わり始めており、上値を抑える要因になる。
一目均衡表の雲上限(38139円 同)まで下げる余地が生じている。例えそのケースでも、11/1安値(37946円)を前に再び反発に転じることができれば値崩れ感は生じないが、5日移動平均線や25日移動平均線の下向き角度が強くなることで調整が長引く要因となる。
依然として10月からのもみ合いの範ちゅうであり、当面は10/16の下げで開けたマド埋め(39910円)を通過点に4万円突破へ勢いづくかが焦点となる。8月安値(31156円)を起点とした上昇局面では高値圏を保っており、一段高となる前の揺り戻しと判断したい。
上値メドは、10日移動平均線(39013円 同)や心理的節目の39500円、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円などがある。下値メドは、心理的節目の38000円や75日移動平均線(37900円 同)、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
(14日終値:15日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.74円(14日15時時点比▲0.28円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.45円(▲0.10円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0559ドル(△0.0012ドル)
FTSE100種総合株価指数:8071.19(前営業日比△40.86)
ドイツ株式指数(DAX):19263.70(△260.59)
10年物英国債利回り:4.483%(▲0.037%)
10年物独国債利回り:2.341%(▲0.049%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7-9月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値
(前期比) 0.4% 0.4%
(前年同期比) 0.9% 0.9%
9月ユーロ圏鉱工業生産
(前月比) ▲2.0% 1.5%・改
(前年比) ▲2.8% ▲0.1%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は伸び悩み。欧州勢参入後は全般ドル買いが進んだ流れに沿って一時156.24円と7月23日以来の高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時107.06と昨年11月1日以来約1年ぶりの高値を記録した。
ただ、156円台では利食いなどが出たため、買い一巡後は伸び悩んだ。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.38%台まで低下したことも相場の重しとなり、23時30分過ぎには155.52円付近まで下押しした。
なお、この日発表の10月米卸売物価指数(PPI)は総合・コアともに前年比で予想を上回ったほか、前週分の米新規失業保険申請件数は予想よりも強い内容となった。指標発表直後は156.19円付近まで値を上げたものの、戻りは限定的だった。
・ユーロドルは持ち直した。トランプ・トレードによるドル高が続く中、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁が「インフレ率が目標の2%に達する軌道にあることを最近のデータが示している」として、「ECBは一段の利下げの方向に進んでいる」との考えを示すとユーロ売り・ドル買いが先行。20時過ぎに一時1.0497ドルと昨年10月13日以来の安値を更新した。
ただ、昨年10月3日の安値1.0448ドルが重要なサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、1時30分前には1.0582ドルと日通し高値を付けた。
なお、10月開催のECB理事会議事要旨では「長期的なインフレ見通しに対するリスクは再び上振れ傾向にある」として、「全体的には抑制された利下げサイクルになる」との見解が示された。
・ユーロ円は下値が堅かった。20時過ぎに一時163.81円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。1時前には164.98円と日通し高値を更新した。ユーロドルにつれた動きとなった。
・ロンドン株式相場は続伸。足もとで相場下落が続いていただけに、自律反発狙いの買いが入った。英長期金利の低下も投資家心理の改善につながった。ナショナルグリッドやSSEなど公共事業株が買われたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発。前日に9月25日以来の安値を付けたあとだけに、自律反発狙いの買いが入った。欧米の長期金利が低下したことも投資家心理を上向かせた。個別ではシーメンス(4.91%高)やインフィニオン・テクノロジーズ(4.64%高)、ドイツテレコム(3.30%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
14日の日経平均は3日続落。終値は185円安の38535円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり528/値下がり1075。証券会社が目標株価を引き上げた三菱重工が4%高。売買代金は全市場でトップとなった。主力どころではファストリ、リクルート、日立などが強めの上昇。オアシスマネジメントの大株主浮上が判明したメルカリが急伸した。上方修正と増配を発表したTOYOTIREが8%を超える上昇。通期見通しを下方修正したものの、優待新設や自己株取得の発表などが好感されたサンアスタリスクがストップ高まで買い進まれた。
一方、公募・売り出しを発表した関西電力が18.5%安。北海道電力や九州電力など同業の多くが値幅を伴った下げとなった。半導体株の弱さが目立っており、レーザーテック、ディスコ、東京エレクトロン、アドバンテストがそろって大幅安。下方修正を発表したトリドールや、上期減益着地のロート製薬が2桁の下落率となった。今期は営業赤字に転落する見通しとなったフロンティアマネジメントは、場中に値が付かずストップ安比例配分となった。
日経平均は上昇スタートから失速して安値引け。取引時間延長に伴いクロージング・オークションが導入されてからは初の安値引けとなる。後場が弱い日が3日続けば引け間際に増える注文は当然売りになるだろうが、直近3営業日で1000円近く水準を切り下げており、落ち着きどころが見えない。きょうで主力どころの7-9月期決算は概ね出そろい、来週からは材料難となるだけに、あすも週末を前に腰の入った買いが期待しづらい1日となる。
米国では本日引け後に半導体大手のアプライド・マテリアルズが決算を発表予定で、時間外の反応にあすの国内半導体株が神経質な反応を示す可能性がある。内容が良ければ半導体株買いからの日本株上昇も期待できるが、来週20日にはエヌビディアが決算発表を予定している。これを消化するまで半導体株は不安定な動きが続きそう。日経平均は25日線(38948円、14日時点、以下同じ)を下回っているが、TOPIX(14日終値は2701p)はまだ25日線(2691p)より上をキープしている。あすはTOPIXにしっかりとした動きが見られるかに注目しておきたい。
(14日終値)
ドル・円相場:1ドル=156.27円(前営業日比△0.81円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.55円(△0.31円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0530ドル(▲0.0034ドル)
ダウ工業株30種平均:43750.86ドル(▲207.33ドル)
ナスダック総合株価指数:19107.65(▲123.07)
10年物米国債利回り:4.44%(▲0.01%)
WTI原油先物12月限:1バレル=68.70ドル(△0.27ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2572.9ドル(▲13.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月米卸売物価指数(PPI)
(前月比) 0.2% 0.1%・改
(前年比) 2.4% 1.9%・改
食品とエネルギーを除くコア指数
(前月比) 0.3% 0.2%
(前年比) 3.1% 2.9%・改
前週分の米新規失業保険申請件数
21.7万件 22.1万件
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日続伸。10月米卸売物価指数(PPI)が総合・コアともに前年比で予想を上回ったほか、前週分の米新規失業保険申請件数が予想よりも強い内容となったことが分かると全般ドル買いが先行。22時30分過ぎに一時156.19円付近まで値を上げた。
ただ、156円台では利食いなどが出たため、買い一巡後は伸び悩んだ。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.38%台まで低下したことも相場の重しとなり、23時30分過ぎには155.52円付近まで下押しした。
もっとも、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「堅調な米景気を踏まえれば、利下げを急ぐ必要はない」との見解を表明し、今後の金利については「指標と経済見通し次第だ」と強調すると再び強含んだ。5時過ぎには一時156.42円と7月23日以来の高値を更新した。
・ユーロドルは5日続落。デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁が「インフレ率が目標の2%に達する軌道にあることを最近のデータが示している」として、「ECBは一段の利下げの方向に進んでいる」との考えを示すとユーロ売り・ドル買いが先行。20時過ぎに一時1.0497ドルと昨年10月13日以来の安値を更新した。
ただ、昨年10月3日の安値1.0448ドルが重要なサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、1時30分前には1.0582ドルと日通し高値を付けた。
もっとも、パウエルFRB議長の講演を受けて米利下げペースが想定よりも緩やかになるとの見方が強まると、米長期金利が低下幅を縮小し、ユーロ売り・ドル買いが優勢に。6時前には一時1.0512ドル付近まで下押しした。
・ユーロ円は上昇。20時過ぎに一時163.81円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。1時前には164.98円と日通し高値を更新した。引けにかけては164円台半ばで伸び悩んだ。
・代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは軟調だった。対ドルでは一時8万7020ドル前後まで下落したほか、対円では1361万円台まで売られる場面があった。前日に史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが優勢となった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。パウエルFRB議長の講演を受けて、FRBによる利下げペースが想定よりも緩やかになるとの見方が強まると売りが優勢となった。週初に史上最高値を更新したあとだけに、利益確定目的の売りも出やすかった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落。電気自動車(EV)のテスラが5%超下落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに小反発。10月米PPIの結果を受けて売りが先行したものの、足もと相場下落が続いたあとだけに持ち高調整目的の買いが入ると持ち直した。ただ、パウエルFRB議長が「利下げを急ぐ必要はない」との見解を示すと再び売りが出たため、戻りも限定的だった。
・原油先物相場は3日続伸。昨日に続き、値ごろ感からの買いが相場を支えた模様。もっとも、需給が緩むとの観測も根強く、上値の重い展開となった。
・金先物相場は5日続落。トランプ次期米大統領の政策によりインフレ再燃が懸念されたことを背景に、ドル高への警戒感が広がった。こうした中、ドル建てで取引される金の割高感が意識されて売りが優勢となった。
中国汽車工業協会は14日、同日午前に中国の新エネルギー車(NEV)の2024年生産台数が1000万台を超え、世界で初めてNEVの年間生産台数が1000万台に達した国となったことを明らかにした。中国中央電視台(CCTV)が同日伝えた。
中国のNEV年産台数は、NEVの生産と販売が初めて統計に含まれた13年がわずか1万8000台。18年に100万台、22年には500万台をそれぞれ超え、23年は958万7000台となった。専門家は、24年通期の生産台数が1200万台を超えるとみている。
非農業部門雇用者数増減
2024/10 +1.2万人
2024/09 +22.3万人 (前月発表値 +25.4万人)
失業率
2024/10 4.1%
2024/09 4.1% (前月発表値 4.1%)
時間給(前月比)
2024/10 +0.4%
2024/09 +0.3% (前月発表値 +0.4%)
時間給(前年比)
2024/10 +4.0%
2024/09 +3.9% (前月発表値 +4.0%)
労働参加率
2024/10 62.6%
2024/09 62.7% (前月発表値 62.7%)
14日08:59 ブロック豪準備銀行(RBA)総裁
「金利は十分に制限的な水準にあり、インフレに確信が持てるまでその水準を維持する」
「世界的に債券市場はかなり落ち着いた動きをしている」
「債券市場は政府債務の増加を反映している」
14日18:10 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「インフレはかなり低下してきた」
「最近の価格データは2%の目標に向かっていることを示している」
「インフレが目標に向かって収束すれば、金融政策もそれに応じて対応するだろう」
14日21:34 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(10月17日分)
「長期的なインフレ見通しに対するリスクは再び上振れ傾向にある」
「全体的には抑制された利下げサイクルになると予想」
「インフレは今後数カ月で上昇し、2025年中に目標値まで低下すると予想」
「成長見通しに対する下振れリスクとそれに伴うインフレ圧力の弱まりが顕著になっていることが示唆された」
「タイムリーかつ持続可能な目標への回帰という点で勝利を宣言するのは時期尚早」
「適切な引き締め水準と期間を決定するにあたり、引き続きデータに依存し、会合ごとにアプローチしていく」
「特定の金利経路について事前に約束すべきではない」
14日21:44 クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「労働市場が失速した場合、徐々に金利を引き下げることが適切」
「ディスインフレの進展が停滞すれば、利下げの一時停止が必要となる可能性」
「インフレ圧力の緩和、かなりの進展があった」
14日23:48 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「FRBは大きな進展を遂げているが、それを維持しなければならない」
「住宅需要は依然として供給を上回っている」
「企業は依然として長期的に労働力が不足していると感じており、解雇はしていないが雇用の伸びは鈍化している」
「現在の失業率は問題ない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ☆ 7-9月期実質国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.2%/前期比年率0.7%)
○13:30 ◇ 9月第三次産業活動指数(予想:前月比0.2%)
○13:30 ◇ 9月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 9月設備稼働率
<海外>
○06:45 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○11:00 ◎ 10月中国鉱工業生産(予想:前年比5.6%)
○11:00 ◎ 10月中国小売売上高(予想:前年比3.8%)
○16:00 ◇ 10月独卸売物価指数(WPI)
○16:00 ☆ 9月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.2%)
○16:00 ☆ 7-9月期英GDP速報値(予想:前期比0.2%/前年比1.1%)
○16:00 ◎ 9月英鉱工業生産(予想:前月比0.1%/前年比▲1.2%)
○16:00 ◎ 9月英製造業生産高(予想:前月比▲0.1%)
○16:00 ◇ 9月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:162.00億ポンドの赤字/12.00億ポンドの赤字)
○16:30 ◇ 10月スイス生産者輸入価格
○16:45 ◇ 10月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.2%/前年比1.2%)
○17:30 ◎ 7-9月期香港域内総生産(GDP)確定値(予想:前期比▲1.1%/前年比1.8%)
○22:30 ◎ パネッタ伊中銀総裁、講演
○22:30 ◇ 9月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲0.8%)
○22:30 ◇ 9月カナダ卸売売上高(予想:前月比0.9%)
○22:30 ☆ 10月米小売売上高(予想:前月比0.3%/自動車を除く前月比0.3%)
○22:30 ◎ 11月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:▲0.7)
○22:30 ◇ 10月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.1%)
○23:00 ◎ コリンズ米ボストン連銀総裁、あいさつ
○23:15 ◎ 10月米鉱工業生産(予想:前月比▲0.3%)
◇ 設備稼働率(予想:77.2%)
○24:00 ◇ 9月米企業在庫(予想:前月比0.2%)
○24:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、討議に参加
○16日00:15 ◎ チポローネECB専務理事、講演
○アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(ペルー・リマ、16日まで)
○インド(シーク教ナナック生誕日)、ブラジル(共和制宣言記念日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
14日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、10月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回り、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容となり、パウエルFRB議長が「堅調な米景気を踏まえれば、利下げを急ぐ必要はない」と述べたことなどで156.42円まで上昇した。ユーロドルは、デギンドスECB副総裁発言で1.0497ドルまで下落後、1.0582ドルまで反発、パウエルFRB議長発言で1.0512ドル付近まで下押しした。
本日の東京外国為替市場のドル円は、パウエルFRB議長発言「利下げ急ぐ必要ない」を受けてトランプ・トレード(米国債売り・ドル買い)の継続が予想されるものの、引き続き本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性には警戒しておきたい。
パウエルFRB議長の発言を受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、12月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率は80%台から60%台へ低下、据え置き確率は20%前後から40%弱まで上昇している。
パウエルFRB議長は、9月FOMCでの第1次利下げ(▲0.50%)の後の記者会見で、金融政策の再調整「リキャリブレーション(recalibration)」という単語を10回程度発していたが、今回は1回しか確認できず、利下げサイクルの一時停止の意図が示された。
かつて、2016年12月のFOMCでは、イエレン第15代FRB議長やパウエルFRB理事は、トランプ第45代大統領の経済政策(減税や輸入関税)への対応策として、インフレ抑制のために金利をより高くする必要があるかもしれないとの結論に達していた。2024年12月のFOMCでは、パウエルFRB議長は、トランプ第47代大統領の経済政策(減税や輸入関税)への対応策を協議せざるを得ない状況に追い込まれつつあるのかもしれない。
一方、パウエルFRB議長は「経済が弱まれば利下げの余地は大きい。データで利下げ減速可能になるなら正しい行動のように思える」とも述べており、12月FOMCの前の12月6日に発表される米11月雇用統計まで予断を許さない状況が続くことになる。
ドル円は、トランプ・トレードの継続により156.42円まで上昇し、神田前財務官が退任前に円買い介入を断行した水準(157円台、159円台、160円台、161円台)に接近しており、本日も本邦通貨当局による円買い介入の可能性には警戒しておきたい。
8時50分に発表される7-9月期GDP速報値は前期比年率+0.7%と予想されており、物価高を受けた消費の伸び悩みなどにより、4-6月期の同比+2.9%からの成長鈍化が見込まれている。しかし、1-3月期のマイナス成長から2四半期連続のプラス成長となっていることは、現状の円安基調や第2次トランプ米政権でのインフレ懸念などから、12月日銀金融政策決定会合での追加利上げの可能性を残すことになる。
11時に発表される10月中国鉱工業生産は前年比+5.6%と予想されており、9月の同比+5.4%から改善が見込まれ、中国小売売上高は同比+3.8%と予想されており、9月の同比+3.2%からの改善が見込まれている。先日の全人代常務委員会で公表された財政出動は、景気対策が力不足だったが、来年は第2次米中貿易戦争という難題が控えているため、中国経済の減速懸念が高まりつつある。中国人民元、さらに豪ドルや円の売り要因となりうるネガティブサプライズには警戒しておきたい。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38990 +410 (+1.06%)
TOPIX先物 2733.5 +30.5 (+1.12%)
シカゴ日経平均先物 38970 +390
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
14日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がダラスでの講演で、「経済は利下げを急ぐ必要があるというシグナルを送っていない」と述べた。FRBが12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを見送るとの見方が高まり、主力株を中心に利益確定の売りが出た。10月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%上昇と、予想に一致した。また、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPPIは前月比0.3%上昇だった。
ウォルト・ディズニー<DIS>が市場予想を上回る決算が好感されたことで6%を超える上昇となり、センチメントを支えた。また、先月中旬に2025年12月期の売上高見通しを下方修正していたASMLホールディングス<ASML>は、2030年12月期の売上高目標を据え置いたことが好感されて買われるなか、半導体SOX指数の下げは限定的だった。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比390円高の3万8970円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比80円高の3万8660円で始まり、3万8620円を安値にロング優勢の展開となった。開始後ほどなくして3万8900円台を回復すると、その後も利食いを交えながらの上昇が続くなか、米国市場の取引開始後に節目の3万9000円を回復。終盤にかけて一時3万9050円まで買われる場面もみられ、3万8990円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。ナイトセッションではボリンジャーバンドの-1σ(3万8450円)を上回って推移するなか、25日移動平均線(3万8980円)を超えてきた。ただし、節目の3万9000円では強弱感が対立しやすいと考えられるため、25日線を挟んだ推移が見込まれる。
ただし、米国市場は主要な株価指数は下落したものの、ASMLホールディングスが買われたほか、エヌビディア<NVDA>も小幅ながら反発している。トランプ・トレードで買われていた銘柄などは利食いが入りやすいと考えられるものの、米中関係の緊張を警戒して売られていたハイテク株などはリバランスの動きから底堅さがみられる可能性がありそうだ。
また、日経平均株価は前日までの調整でトランプ氏勝利を材料視して上昇した部分を帳消しにしており、支持線として意識される25日線まで下げてきたことで、売り一巡感が意識されやすい。決算発表は前日で一巡したことから、機関投資家は動きやすくなるだろう。日経225先物は3万9000円を上回っての推移をみせてくるようだと、ややロングの動きが強まりそうである。
そのため、オプション権利行使価格の3万9000円を中心とした上下の権利行使価格3万8500円から3万9500円でのレンジを想定する。もっとも、週末要因からポジションを大きく傾けてくる可能性は低いと考えられるため、スキャルピング中心のトレードになりそうであり、押し目狙いのスタンスに向かわせよう。
14日の米VIX指数は14.31(前日は14.02)に上昇した。一時13.59まで下げる場面もみられており、いったんはリバウンドが入りやすいところであろう。ただし、引き続き不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を下回っている状況であり、リスク選好の流れである。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.27倍に低下した。一時14.22倍まで低下し、支持線として意識されていた75日・200日線を明確に割り込んできており、NTショートに振れやすい。ただし、ASMLホールディングスの上昇を受けてソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]が日経平均型を支える可能性があり、NTショートを巻き戻す動きが入りそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比290円高の3万8870円(+0.75%)前後で推移。寄り付きは3万8910円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8970円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。買い一巡後は軟化し、3万8750円まで上げ幅を縮める場面もみられたが、中盤にかけて再びロング優勢の流れのなか、一時3万9130円まで買われた。ただし、節目の3万9000円をキープできず、25日移動平均線(3万8970円)を下回ったことで、中盤以降は3万8800円~3万8900円辺りの狭いレンジでの推移となった。
日経225先物は買い先行で始まった後に3万9130円まで上げ幅を広げたが、25日線近辺では強弱感が対立しやすく、積極的なロングの動きは限られた。本日は指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が日経平均型を牽引する形ではあるが、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]やアドバンテスト <6857.T> [東証P]なども中盤以降は膠着感が強まっており、様子見姿勢に向かわせやすい。後場も引き続き25日線水準での攻防をみせてくるだろうが、同線を明確に上放れてくるようだと、週末要因もあってショートカバーを誘う可能性はあるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.27倍と横ばいだった。一時14.32倍まで上昇し、75日・200日線(14.28倍)を上回る場面もみられた。しかし、その後は14.22倍まで低下するなど、TOPIX型優位の状況である。ハイテク株が買われるなかでもNTロングに振れにくい状況であり、NTショートでのスプレッド狙いに向かわせそうだ。
昨日のドル円は、海外市場で156.00円を挟んだもみ合いが続くなか、NY時間午後遅くになってパウエルFRB議長が講演で「堅調な米経済を踏まえれば、利下げを急ぐ必要性はない」との見解を表明。10月米PPIがかなり強い数字となったことに対しては「今日のデータは予想よりも大きな変動。コアPCEインフレは10月に2.8%上昇する可能性がある」ことにも言及しました。
7日のFOMC後の定例記者会見では「利下げペースの調整を検討し始めたばかり」であることを明かしていた議長としては、12月会合での利下げスキップの可能性があることを示唆したともいえ、市場ではこれまでの言動から「かなり政治的圧力に影響しやすい」との認識が強い議長が、トランプ米大統領の就任式後まで利下げのカードを温存しておくことの有利性が高まってきていると勘ぐってもみたくなるような状況。
恐らく、7月会合で利下げしなかったことに後悔した議長は、9月の0.5%利下げも結果的には後悔する羽目となっているはずで、後悔に次ぐ後悔の念が、昨日の発言の根底には流れているのかもしれません。
いずれにしても、ドル円は一時156.75円まで値を上げているわけですが、輸出勢が3月期末までの予約をほぼほぼ終えている一方、本邦実需の買い遅れは依然として強い状況。経済のファンダメンタルズからもドル高への方向性には極めて整合性の取れるなかにあっては、市場自身が「無秩序な動き」を自らが作り出すといった逆説的な動きがみられない限り、強引に方向性を変えることへの意味を見いだせないといったところです。
2016年12月、パウエルFRB理事は、トランプ第45代米大統領の経済政策(減税や輸入関税)への対応策を協議し、インフレ抑制のために金利をより高くする必要があるかもれないとの結論に達した。
2024年12月、パウエルFRB議長は、トランプ第47代米大統領の経済政策(減税や輸入関税)への対応策を協議せざるを得ない状況に追い込まれつつある。
1.2016年12月13-14日米連邦公開市場委員会(FOMC)
米連邦準備理事会(FRB)の事務方は、減税や関税がもたらす変化の見積もりを示して、金利を高めにする必要性を示唆した。
パウエルFRB理事は、トランプノミクス1.0で想定される「拡張的な財政姿勢」を根拠に挙げて「ある程度引き締め的な金融政策が求められそうだ」と発言した。
そして、FF金利誘導目標を0.25%引き上げて0.50-0.75%のレンジとした。
イエレン第15代FRB議長は、財政拡大は完全雇用を達成する上で必要ないかもしれない、と述べた。
声明では、インフレ期待が「かなり」上昇したと指摘したほか、労働市場がタイト化しているとの見方を示唆した。そして、2017年には3回の0.25%の利上げを実施した。
トランプ第45代米大統領は、低金利政策を要請しており、FRB議長の解任という圧力を加え続けた。
2. 2024年12月17-18日米連邦公開市場委員会(FOMC)
パウエルFRB議長の任期は2026年5月までとなっている。
トランプ次期米大統領は、米連邦準備理事会(FRB)が利下げ路線に入っていることで、パウエルFRB議長の任期を全うさせる意向、と報じられている。
パウエルFRB議長は、11月米連邦公開市場委員会(FOMC)の後の会見で、「トランプ氏の勝利が金融政策に短期的な影響を及ぼさない」との見解を示した。
しかし、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は、トランプ氏が約束した「不法移民の大量強制送還」は一部企業に混乱をもたらす可能性があるとの見解を示した。また、「関税率引き上げ」は外国が対抗措置を打ち出せば、米国の物価をじりじりと押し上げるという意味で「より大きな懸念要素」になりかねないと警告した。
FRBの事務方は、2016年12月と同様に、トランプノミクス2.0での減税や関税、一部外国人労働者の喪失が経済見通しにどう影響するかについて議論のたたき台となる予測資料を提示する公算が大きい。
パウエルFRB議長は、9月FOMCでの第1次利下げ(▲0.50%)の後の記者会見で、金融政策の再調整「リキャリブレーション(recalibration)」という単語を10回程度発していた。しかし、11月14日の講演では今回は1回しか確認できず、「経済が好調な中、利下げ急ぐ必要ない」というタカ派的な見解により、利下げサイクルの一時停止の意図が示された。
パウエルFRB議長にとって天敵であるトランプ第47代米大統領の復活は、苦難の道の始まりとなる。
本日のロンドン為替市場のポンドドルは、9月と7-9月期の英国内総生産(GDP)を見極めて12月19日のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)での追加利下げの可能性を探ることになる。
9月英GDPは前月比+0.2%と予想されており、8月と変わらずと見込まれている。7-9月期英GDP速報値は前期比+0.2%/前年比+1.1%と予想されており、4-6月期の前期比+0.5%からは減速、前年比+0.7%からは改善が見込まれている。
英国経済は、第2次トランプ米政権が対英関税の引き上げに踏み切った場合、景況感の悪化懸念が高まることになる。英国経済・社会研究所(NIESR)が発表した経済見通しでは、英国の2025年のGDP成長率は、トランプ関税政策が導入された場合、0.4%と、関税政策がなかった場合と比べて0.8%低下するとのことである。
また、スターマー英政権が打ち出した予算案では、長期的に物価上昇圧力が高まる可能性が警戒されおり、英中銀(BOE)は今後約2年間のインフレ率のピークが約0.5%押し上げられるとの試算を示している。また、昨日はマンMPC委員が、第2次トランプ米政権の誕生は英インフレへの上振れリスク、との見解を示していた。
すなわち、英政権の予算案による物価上昇圧力とトランプ関税による英国景況感の悪化というスタグフレーション懸念が高まることが警戒されており、ポンドの上値を抑える要因となっている。
ユーロドルは、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁が「インフレ率が目標の2%に達する軌道にあることを最近のデータが示している。ECBは一段の利下げの方向に進んでいる」と述べたことで、一時1.0500ドルを割り込む局面が見られた。
12月12日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、0.25%の追加利下げが見込まれているが、市場では、0.50%、あるいは0.75%の大幅利下げを見込む向きもあり、本日のパネッタ伊中銀総裁、レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事、チポローネECB専務理事の発言に注目しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0653ドル(11/13高値)
・ユーロ円:165.43円(11/8高値)
・ポンドドル:1.2839ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:198.93円(11/8高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0448ドル(2023/10/3安値)
・ユーロ円:163.81円(11/14安値)
・ポンドドル:1.2510ドル(5/14安値)
・ポンド円:195.38円(10/31安値)
ドル円:1ドル=156.45円(前営業日NY終値比△0.18円)
ユーロ円:1ユーロ=164.90円(△0.35円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0540ドル(△0.0010ドル)
日経平均株価:38642.91円(前営業日比△107.21円)
東証株価指数(TOPIX):2711.64(△10.42)
債券先物12月物:142.82円(▲0.16円)
新発10年物国債利回り:1.070%(△0.010%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.28900%(△0.00200%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7-9月期実質国内総生産(GDP)速報値
前期比 0.2% 0.5%・改
前期比年率 0.9% 2.2%・改
9月第三次産業活動指数
前月比 ▲0.2% ▲1.1%
9月鉱工業生産・確報値
前月比 1.6% 1.4%
前年同月比 ▲2.6% ▲2.8%
9月設備稼働率
前月比 4.4% ▲5.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は小高い。5・10日(ゴトー日)の仲値に向けた買いが観測され、昨日高値の156.42円を上抜けて一時156.75円まで値を上げた。もっとも、仲値後は日経平均株価の上昇幅縮小や加藤財務相が「為替市場の動向を極めて高い緊張感をもって注視」などの見解を示したことも材料視され、156.20円台まで伸び悩み。米10年債利回りの上昇が相場の支えとなったため売りの勢いが加速することはなかったが、156.40円を挟んだ水準でのもみ合いとなった。
・ユーロ円は底堅い。ドル円の上昇につれて165.04円まで上値を伸ばした。買い一巡後は164.60円台まで上値を切り下げる場面があったものの、総じて164円台後半で底堅く推移した。
・ユーロドルは小高い。1.0530ドル台を中心とした狭いレンジ内での推移となったが、一時1.0546ドルまで上昇する場面も見られた。
・日経平均株価は4営業日ぶりに反発。外国為替市場で円安・ドル高が進んだことを受けて輸出関連株に買いが入った。昨日まで3日続落した後とあって自律反発狙いの買いも観測され、指数は一時570円近く上昇。節目の3万9000円も上回ったが、高値圏では利益確定売りや戻り待ちの売りも出たため、その後はやや伸び悩んだ。
・債券先物相場は4日続落。日銀は早ければ年内に追加利上げに動くとの思惑もあるなか、積極的に債券買いを進めにくい状況が続いている。
大阪12月限
日経225先物 38670 +90 (+0.23%)
TOPIX先物 2709.5 +6.5 (+0.24%)
日経225先物(12月限)は前日比90円高の3万8670円で取引を終了。寄り付きは3万8910円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8970円)にサヤ寄せする形で、買いが先行した。買い一巡後は軟化し、現物の寄り付き時には3万8750円まで上げ幅を縮める場面もみられた。その後は前場中盤にかけて再びロング優勢となり、一時3万9130円まで買われた。
ただし、節目の3万9000円をキープできず、25日移動平均線(3万8970円)を下回ったことで、前場中盤以降は3万8800円~3万8900円辺りの狭いレンジでの推移となった。後場の終盤にこのレンジを下放れると、引けにかけて持ち高調整とみられる売りが強まり、一時3万8600円まで上げ幅を縮める場面もみられた。
日経225先物は買い先行で始まった後に3万9130円まで上げ幅を広げたが、25日線近辺では強弱感が対立しやすく、積極的なロングの動きは限られた。本日は指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が日経平均型を牽引する形で始まったが、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]やアドバンテスト <6857.T> [東証P]なども前場中盤以降は膠着感を強めており、アドバンテストはプラスながら安値引けだった。
週末要因もあったと考えられるが、本日も25日線水準で上値を抑えられる形となり、同線が抵抗ラインとして意識されてきそうだ。一方で下値はボリンジャーバンドの-1σ(3万8430円)が支持線となるが、同水準を下回ってくるようだと、200日線が位置する3万8260円辺りを試す動きもありそうだ。
また、週間形状では26週線が3万8340円、13週線は3万8310円辺りに位置している。3万8300円前後に移動平均線が集中していることもあり、短期的にショートを仕掛けてくる動きもありそうだ。来週はエヌビディア<NVDA>の決算が転換ポイントになる可能性があり、その決算内容がポジティブ視されないようだと、下へのバイアスが強まる展開には注意しておきたい。
決算発表がピークを通過したことで機関投資家は動きやすくなる一方で、手掛かり材料に欠ける状況にもなる。引き続きトランプ次期政権の政策に関する報道などに振らされやすい相場展開になりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.27倍と横ばいだった。一時14.32倍まで上昇し、75日・200日線(14.28倍)を上回る場面もみられたことでリバランスの動きが期待されたが、その後は14.22倍まで低下するなど、両線が抵抗線として意識されてくる可能性が出てきた。こちらもエヌビディアの決算反応によってトレンドが出やすく、反応が限られるようだと、NTショートでのスプレッド狙いに向かわせそうだ。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万2572枚、ソシエテジェネラル証券が8843枚、サスケハナ・ホンコンが3270枚、みずほ証券が3092枚、JPモルガン証券が2255枚、SBI証券が1712枚、バークレイズ証券が1374枚、ゴールドマン証券が1348枚、楽天証券が1319枚、モルガンMUFG証券が1243枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万9942枚、ソシエテジェネラル証券が1万6680枚、バークレイズ証券が4992枚、JPモルガン証券が3536枚、ゴールドマン証券が3385枚、ビーオブエー証券が2487枚、モルガンMUFG証券が2485枚、サスケハナ・ホンコンが2290枚、みずほ証券が1307枚、シティグループ証券が1087枚だった。
本日のニューヨーク市場では週初から急速に進んだトランプ・トレードの巻き戻しに警戒しながら、複数の米経済指標を確認しての取引となる。昨日のNY株式市場は下落し、その流れを引き継いだまま時間外の米株先物は欧州前半まで軟調に推移。東京仲値前まで堅調だったドル円も156円を下抜けて155.30円割れまで下げ幅を広げた。トランプ次期米政権への期待感を背景とした株買いやドル買いに一服感が出ている。
昨日のNY終盤にかけては、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が示した見解「堅調な米景気を踏まえれば、利下げを急ぐ必要はない」が材料視された。もっとも、ドル円は昨日の上げ幅をほぼ吐き出している。今後の米金利についてパウエル議長は「指標と経済見通し次第」と述べており、そうなるとやはり今晩の米指標が注目となるだろう。
22時30分発表の10月米小売売上高(前月比)は、総合・自動車を除くともに前回水準を下回るというのが市場予想。同時刻に明らかとなる11月NY連銀製造業景気指数は前回から改善見込みだが、市場の目は個人消費の強弱を測れる小売売上高に向かうだろう。週末ということで持ち高調整も考慮すれば、予想比下振れにより反応することになるか。
また、その後に発表される10月米鉱工業生産(前月比)は、前回と変わらないマイナス圏が予想されている。コリンズ米ボストン連銀総裁のあいさつも予定されており、NY前半には指標結果や当局者の発言内容次第で、為替だけでなく株式や債券市場で値幅を伴った動きが見られるかもしれない。
想定レンジ上限
・ドル円、本日高値156.75円
想定レンジ下限
・ドル円、13日安値154.34円
今晩は上値の重い展開か。昨日はトランプ・ラリーの熱狂が落ちつく中、10月生産者物価指数(PPI)がやや強めだったことや、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が利下げを急ぐ必要がなくなったと発言したことが相場の重しとなった。ダウ平均が207.33ドル安(-0.47%)、S&P500も0.60%安とともに反落し、ハイテク株主体のナスダック総合は0.64%安と3日続落した。トランプ・ラリーで買われた小型株も売られ、ラッセル2000は1.37%安と3日続落した。個別銘柄ではテスラが5.77%安となった。
今晩の取引ではトランプ・ラリーが一服したことや、利下げ期待の後退で上値の重い展開か。パウエルFRB議長は昨日、米国経済は堅調であり、利下げを急ぐ必要がなくなったと発言した。議長発言を受けてCMEのフェドウォッチ・ツールの12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率は前日の83%から62%に低下し、政策金利の据え置き確率は38%に上昇した。今晩は10月小売売上高などが発表予定で、強い結果となれば利下げ期待の一段の低下が相場の重しとなりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは10月小売売上高のほか、11月NY連銀製造業業況指数、10月輸入物価、10月鉱工業生産、コリンズ米ボストン連銀総裁発言など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は反発。買い優勢のスタートから前日高値(39084円)を上回る場面もあったが、後場にかけて失速した。前日安値(38535円)までは割り込まなかったが、連日の安値引けで週の取引を終えた。
RSI(9日)は前日の42.6%→60.5%(11/15)に上昇。下向きの5日移動平均線(38961円 11/15)に上値を抑えられる動きが続いた。前日から大きな変化はなく、200日移動平均線(38515円 同)付近を支持に反発継続に期待したいところである。
一方、一目均衡表の雲上限(38139円 同)まで下げる余地も生じている。そのケースでは、11/1安値(37946円)を前に再び反発に転じることができれば値崩れ感は生じないが、5日移動平均線や25日移動平均線(38922円 同)の下向きの角度が強くなることで調整が長引く要因となる。
依然として10月からのもみ合いの範ちゅうであり、当面は10/16の下げで開けたマド埋め(39910円)を通過点に4万円突破へ勢いづくかが焦点となる。8月安値(31156円)を起点とした上昇局面では高値圏を保っており、一段高となる前の揺り戻しが続いていると判断したい。
上値メドは、10日移動平均線(38970円 同)や心理的節目の39500円、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円などがある。下値メドは、心理的節目の38000円や75日移動平均線(37913円 同)、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
(15日終値:16日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.28円(15日15時時点比▲2.17円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.74円(▲2.16円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0549ドル(△0.0009ドル)
FTSE100種総合株価指数:8063.61(前営業日比▲7.58)
ドイツ株式指数(DAX):19210.81(▲52.89)
10年物英国債利回り:4.471%(▲0.012%)
10年物独国債利回り:2.356%(△0.015%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月英国内総生産(GDP)
(前月比) ▲0.1% 0.2%
7-9月期英GDP速報値
(前期比) 0.1% 0.5%
(前年同期比) 1.0% 0.7%
9月英鉱工業生産
(前月比) ▲0.5% 0.5%
9月英製造業生産指数
(前月比) ▲1.0% 1.3%・改
9月英商品貿易収支
163.21億ポンドの赤字 152.12億ポンドの赤字・改
10月スイス生産者輸入価格
(前月比) ▲0.3% ▲0.1%
10月仏消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) 0.3% 0.2%
(前年同月比) 1.2% 1.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。アジア市場では一時156.75円と7月23日以来の高値を更新したものの、海外市場に入ると週末を控えたポジション調整目的の売りが目立った。米株式市場でダウ平均が一時400ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比810円安の3万7860円まで下げるとリスク・オフの円買いも優勢となり、3時過ぎに一時154.13円と日通し安値を更新した。
この日発表された10月米小売売上高は前月比0.4%増と予想の0.3%増を上回り、自動車を除く数値は前月比0.1%増と予想の0.3%増を下回ったものの、前月の数値が大幅に上方修正された。また、11月米ニューヨーク連銀製造業景気指数は31.2と予想の▲0.7を大きく上回り、10月米輸入物価指数も前月比0.3%上昇と予想の0.1%低下に反して上昇した。概ね良好な内容となったことで、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.5007%前後と5月31日以来の高水準を記録。ドル円は24時前に155.77円付近まで下げ渋る場面もあった。
・ユーロドルは一進一退。前日に一時1.0497ドルと昨年10月13日以来約1年1カ月ぶりの安値を付けたあとだけに、週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが先行。前日の高値1.0582ドルを上抜けると一時1.0593ドルまで値を上げた。ただ、その後発表の米経済指標が概ね良好な結果だったことが分かると一転売りが優勢に。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て、24時前に一時1.0523ドルと日通し安値を更新した。
もっとも、前日の1.0497ドルや昨年10月3日の安値1.0448ドルが重要なサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米長期金利が低下に転じたことも相場を下支えし、2時30分前には1.0560ドル付近まで下げ渋った。
なお、チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事は「利下げのペースと範囲は今後発表されるデータ次第」「経済成長に対するリスクは下振れ傾向」などと述べたと伝わった。
・ユーロ円は軟調。しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、NYの取引時間帯に入ると売りが強まった。日米株価指数の下落を背景にリスク回避の円買い・ユーロ売りが入ると3時過ぎに一時162.59円と10月21日以来の安値を付けた。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに小反落。7-9月期英GDP速報値や9月英鉱工業生産など、この日発表の英経済指標が軒並み予想を下回ると、投資家心理が悪化し株売りが優勢となった。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株に売りが集まった。半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われ、相場を下支えした。
・フランクフルト株式相場は反落。独連立政権崩壊で景気への懸念が意識される中、米国株相場の下落などを受けてリスク・オフの地合いとなった。個別ではザルトリウス(6.00%安)やキアゲン(2.49%安)、メルク(2.22%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
(15日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.30円(前営業日比▲1.97円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.66円(▲1.89円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0540ドル(△0.0010ドル)
ダウ工業株30種平均:43444.99ドル(▲305.87ドル)
ナスダック総合株価指数:18680.12(▲427.53)
10年物米国債利回り:4.44%(横ばい)
WTI原油先物12月限:1バレル=67.02ドル(▲1.68ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2570.1ドル(▲2.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月米小売売上高
(前月比) 0.4% 0.8%・改
(除く自動車) 0.1% 1.0%・改
11月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
31.2 ▲11.9
10月米輸入物価指数
(前月比) 0.3% ▲0.4%
10月米鉱工業生産
(前月比) ▲0.3% ▲0.5%・改
設備稼働率 77.1% 77.4%・改
9月米企業在庫
(前月比) 0.1% 0.3%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は5日ぶりに大幅反落。アジア市場では一時156.75円と7月23日以来の高値を更新したものの、NY市場に入ると週末を控えたポジション調整目的の売りなどが優勢となった。
この日発表された10月米小売売上高は前月比0.4%増と予想の0.3%増を上回り、自動車を除く数値は前月比0.1%増と予想の0.3%増を下回ったものの、前月の数値が大幅に上方修正された。また、11月米ニューヨーク連銀製造業景気指数は31.2と予想の▲0.7を大きく上回り、10月米輸入物価指数も前月比0.3%上昇と予想の0.1%低下に反して上昇した。この結果を受けて米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.5007%前後と5月31日以来の高水準を記録。ドル円は24時前に155.77円付近まで下げ渋る場面があった。
もっとも、米10年債利回りが低下に転じると再び弱含んだ。米株式市場でダウ平均が一時400ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比890円安の3万7780円まで下げるとリスク・オフの円買いも活発化。4時前には一時153.86円と日通し安値を更新した。
・ユーロドルは6日ぶりに小反発。前日に一時1.0497ドルと昨年10月13日以来約1年1カ月ぶりの安値を付けたあとだけに、週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが優勢となった。前日の高値1.0582ドルを上抜けると一時1.0593ドルまで値を上げた。
ただ、その後発表の米経済指標が概ね良好な結果だったことが分かると一転売りが優勢となり、上値が重くなった。ユーロ円の下落につれた売りも出て、5時30分過ぎには一時1.0516ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は大幅反落。日米株価指数の下落を背景にリスク回避の円買い・ユーロ売りが入ると3時30分過ぎに一時162.32円と10月21日以来の安値を付けた。
ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は一時194.30円、豪ドル円は99.42円、NZドル円は90.25円、カナダドル円は109.26円、スイスフラン円は173.63円、南アフリカランド円は8.45円まで値を下げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。前日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が利下げを急がない姿勢を示したことから、FRBによる利下げペースが想定よりも緩やかになるとの見方が強まり売りが広がった。週初に史上最高値を更新したあとだけに、週末を控えたポジション調整目的の売りも出やすかった。予想を上回る米経済指標の発表が相次ぎ、米金利先高観が強いことも相場の重し。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続落。決算内容が嫌気された半導体製造装置のアプライド・マテリアルズが9%超下落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。米利下げ観測の後退を背景に売りが優勢となり、利回りは一時4.5007%前後と5月31日以来の高水準を付けた。ただ、週末を控えたポジション調整目的の買いが入ると値を戻した。
・原油先物相場は4日ぶりに反落。需給が緩むとの観測が根強い中、米株安を背景としたリスク資産を手仕舞う動きが強まったこともあり、軟調に推移した。
・金先物相場は6日続落。前日に約2カ月ぶり安値水準まで下落していたほか、ドル買いの勢いに一服が出たことなどから、下げ渋る動きとなった。
欧州委員会は15日、経済見通しを公表。2024年の成長率見通しを0.8%で据え置いた。また、2025年は1.3%、2026年は1.6%とした。インフレ見通しについては2024年が2.4%、2025年が2.1%、2026年が1.9%としており、欧州中央銀行(ECB)のインフレ目標である2%まで減速する時期は2025年10-12月期と想定している。
15日05:35 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「FRBには国民と議会に説明する義務がある」
「より確実性が高まるまで政策変更には慎重になる」
「決定を下す際、政権のことは考えない」
「経済が弱まれば利下げの余地は大きい」
「今日のインフレデータは予想よりも大きな変動」
「インフレは今後も不安定な道をたどるとみている」
「データで利下げ減速可能になるなら正しい行動のように思える」
15日11:06 加藤財務相
「米為替報告書では、引き続き適切な対応をはかっていく」
「足元の為替は、一方的な、急激な動きもみられる」
「為替市場の動向を極めて高い緊張感をもって注視」
「為替の行き過ぎた動きには適切な対応とっていく」
15日22:44 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「コアPCEは依然として高すぎる」
「経済の基本的なストーリーは、インフレ率の低下、労働市場の冷え込みから完全雇用への転換のまま」
「インフレが下がり続ける限り、金利は今よりずっと低くなるだろう」
「FRBにとって重要なのは、今後発表される新たな月間インフレデータ。2%に到達しなければならない」
「10年債利回りが上昇している理由を解明し、長期金利に注意を払う必要がある」
「長期金利の上昇は、経済成長率の上昇予想や、利下げペースの鈍化に対する市場の懸念による可能性がある」
「中立的な金利水準への移行には12-18カ月かかると考えている」
16日04:21
「9月のFOMC予測に沿って利下げを検討する」
「過去数週間で大きな変化はない」
「中立金利をめぐる議論は利下げペース減速を後押しする可能性」
16日00:22 チポローネECB専務理事
「利下げのペースと範囲は今後発表されるデータ次第」
「緩やかな消費主導の回復傾向が続いている」
「インフレ率が2%の目標に向けてタイムリーに収束することを確実にするために、必要な範囲を超えて過度に制限的な政策を実施すべきではない」
「回復が強まるかどうかはまだ確認されていないが、経済成長に対するリスクは下振れ傾向にある」
※時間は日本時間
18日
○08:50 ◎ 9月機械受注
○10:05 ◎ 植田和男日銀総裁、あいさつ
20日
○08:50 ◎ 10月貿易統計(通関ベース)
21日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○14:10頃 ◎ 植田和男日銀総裁、講演(パリ・ユーロプラス ファイナンシャル・フォーラム2024)
22日
○08:30 ☆ 10月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)
○08:30 ☆ 10月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
16日
○アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(ペルー・リマ)
18日
○06:45 ◎ 7-9月期ニュージーランド(NZ)卸売物価指数(PPI)
○16:30 ◇ 7-9月期スイス鉱工業生産
○17:00 ◎ デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○19:00 ◇ 9月ユーロ圏貿易収支
○22:00 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○22:15 ◇ 10月カナダ住宅着工件数
○22:30 ◇ 9月対カナダ証券投資
○24:00 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、あいさつ
○24:00 ◎ 11月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
○19日03:30 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○19日06:00 ◎ 9月対米証券投資動向
○20カ国・地域(G20)首脳会議(ブラジル・リオデジャネイロ、19日まで)
○メキシコ(メキシコ革命記念日)、休場
19日
○09:30 ◎ 11月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
○17:30 ◎ エルダーソンECB専務理事、講演
○18:00 ◇ 9月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○19:00 ☆ 10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
○19:00 ☆ 10月ユーロ圏HICPコア改定値
○22:30 ◎ 10月カナダ消費者物価指数(CPI)
○22:30 ◎ 10月米住宅着工件数
◎ 建設許可件数
20日
○16:00 ◇ 10月独生産者物価指数(PPI)
○16:00 ◎ 10月英CPI
○16:00 ◎ CPIコア指数
◇ 小売物価指数(RPI)
○17:00 ◎ 10月南アフリカCPI
○19:00 ◇ 9月ユーロ圏建設支出
○20:00 ◇ 9月南アフリカ小売売上高
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:00 ◎ ラガルドECB総裁、講演
○21日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○21日01:00 ◎ ラムスデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○21日03:30 ◎ ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁、講演
○ブラジル(黒人意識の日)、休場
○16:00 ◎ 7-9月期ノルウェー国内総生産(GDP)
○16:45 ◇ 11月仏企業景況感指数
○17:00 ◎ ブロックRBA総裁、講演
○17:30 ◎ 10月香港CPI
○17:30 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○18:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表
○22:30 ◇ 10月カナダ鉱工業製品価格
○22:30 ◇ 10月カナダ原料価格指数
○22:30 ◎ 11月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○未定 ☆ 南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表
○23:00 ◎ マン英MPC委員、講演
○24:00 ◎ 11月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
○24:00 ◎ 10月米景気先行指標総合指数
○24:00 ◎ 10月米中古住宅販売件数
22日
○09:00 ◎ 7-9月期シンガポールGDP確定値
○09:01 ◇ 11月英消費者信頼感指数(Gfk調査)
○16:00 ◎ 10月英小売売上高
○16:00 ☆ 7-9月期独GDP改定値
○17:15 ◎ 11月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
○17:15 ◎ 11月仏サービス部門PMI速報値
○17:30 ◎ ラガルドECB総裁、講演
○17:30 ◎ 11月独製造業PMI速報値
○17:30 ◎ 11月独サービス部門PMI速報値
○18:00 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○18:00 ◎ 11月ユーロ圏製造業PMI速報値
○18:00 ◎ 11月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
○18:30 ◎ 11月英製造業PMI速報値
○18:30 ◎ 11月英サービス部門PMI速報値
○21:00 ◎ 7-9月期メキシコGDP確定値
○22:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○22:30 ◎ 9月カナダ小売売上高
○23:45 ◎ 11月米製造業PMI速報値
○23:45 ◎ 11月米サービス部門PMI速報値
○23:45 ◎ 11月米総?⑰MI速報値
○24:00 ◎ 11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、「トランプ・トレード」の影響でさえない動きが続く
◆NZドル、PPIはRBNZの大幅利下げをサポートする内容となるかを見極め
◆ZAR、SARBの金融政策に注目
予想レンジ
豪ドル円 98.00-103.00円
南ア・ランド円 8.25-8.65円
11月18日週の展望
豪ドルは上値の重い動きとなりそうだ。豪準備銀行(RBA)のブロック総裁は今週、「金利は十分に制限的な水準にあり、インフレに確信が持てるまでその水準を維持する」との見解を示した。RBAは5-6日に開催された理事会の声明文でも「基調インフレは依然として高すぎる」などと言及。タカ派的な見解を維持した。市場ではRBAが金融緩和に転じるのは早くても来年前半との見方が中心のようだが、19日に公表されるRBA理事会の議事要旨でも中銀の姿勢を改めて確認しておきたい。
もっとも、足もとの為替市場では「トランプ・トレード」によるドル買いが強まっており、豪ドルも対ドルでは売りに押される場面が目立った。豪ドル円はドル円の上昇分によってある程度相殺されたため下値も限られているが、政府・日銀が前回(7月11-12日)為替介入を実施した際の水準も徐々に近づきつつあることは頭に入れておくべきだろう。介入への警戒感がドル円の上値を抑制することになれば、自然と豪ドル円の下値リスクも高まるため、注意が必要となりそうだ。
隣国のニュージーランド(NZ)では18日に7-9月期卸売物価指数(PPI)の発表が予定されている。翌週の27日には年内最後のNZ準備銀行(RBNZ)金融政策決定会合が控えているが、次回会合が2025年2月19日と3カ月近く期間が空くことから、市場では連続での50bp利下げや75bpの大幅利下げを予想する声もある。7-9月期PPIがRBNZの利下げをサポートする内容となるか注目される。
南アフリカ・ランド(ZAR)は弱含む展開が予想される。来週は20日に10月消費者物価指数(CPI)や9月小売売上高、21日に南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策公表が予定されており、市場の注目を集めるだろう。前回の金融政策決定委員会(MPC)で約4年ぶりの利下げに踏み切ったSARBだが、市場では今回も25bpの連続利下げを実施するとの見方が優勢だ。
SARBの利下げは南ア経済を下支えするとの見方もある一方、足もとで「トランプ・トレード」によるドル買いが進むなか、対ドルでのZAR売りを一段と促すことも考えられる。ドル円の状況次第ではZAR円にも売り圧力が強まる可能性があり、警戒しておきたい。
11月11日週の回顧
豪ドルは対ドルで軟調に推移。0.65ドルを割り込んで8月5日以来の安値を更新した。対円では比較的狭い値幅内でのもみ合いとなったが、やや上値の重さが目立った。
ZARも対ドルでは売り優勢。連日でドル買い・ZAR売りが進み、週初の17.56ZAR台から18.39ZAR台まで大きくZAR安が進んだ。ZAR円も対ドルでのZAR安の影響から8.48円まで下押すなど軟調に推移した。
◆ポンド、10月CPIに注目
◆ポンド、英労働党政権と米次期政権との関係性も注視
◆加ドル、10月CPIで中銀の抑制レンジの下限に迫るかを見極め
予想レンジ
ポンド円 195.50-201.50円
加ドル円 109.50-113.50円
11月18日週の展望
ポンドは、英国で賃金の減速傾向が確認された後でもあり、10月消費者物価指数(CPI)の結果が注目される。9月CPIは前年比1.7%上昇と、前回から鈍化を織り込んでいた市場予想から更に下振れて2021年4月以来の低水準を記録した。12日発表の7-9月期・賃金上昇率(除くボーナス)は、前年比4.8%と約2年ぶりの低い伸び率だった。今のところ、次回12月にイングランド銀行(英中銀、BOE)が開く金融政策委員会(MPC)について、市場は政策金利の据え置きを見込んでいるが、10月CPIが英中銀のインフレ目標値2%を下回った水準で伸び悩むようであれば、金利先安観の強まりは避けられないだろう。そうなると、次のMPC投票前に11月CPIが発表されるものの、ポンドの上値は抑制されそうだ。ただ、英中銀チーフエコノミストでもあるピルMPC委員が「基調的なインフレ圧力は残っている」と指摘していることは気にかけておく必要がある。同委員は賃金上昇率についても、依然として高すぎるとの見解を示している。
また、米国でトランプ次期政権の陣営が明らかになりつつあるなか、今後の英米関係の行方にも目を向けておきたい。トランプ次期米大統領が掲げた移民政策などがスターマー英首相率いる労働党の政策と大きな隔たりがあるため、労働党は米民主党とより近い関係にあった。今後はスターマー首相がトランプ氏と関係構築をどのように図るかが重要となってくる。
加ドルは10月カナダCPIが材料視されるだろう。前回9月分は、前年比が1.6%まで鈍化した。2021年2月以来の低い伸び率を記録したことで、その後の金融政策決定会合でカナダ中銀は0.50%の利下げを決定。カナダCPIは、中銀が1-3%に設定しているインフレ抑制レンジの下限に近付いている。今回発表されるCPIは、12月の中銀会合を前にした最後のインフレ指標。短期金融市場では0.25%の追加利下げを完全に織り込み済みだが、結果次第では2会合連続の0.50%引き下げに対する思惑が高まるかもしれない。もちろん、ヘッドラインインフレだけに目を向けるのではなく、政策決定で中銀が重視するCPI中央値やトリム値(9月・前年比、それぞれ2.3%と2.4%で前回から横ばい)も注視する必要がある。
なおトランプ米次期大統領が声高に叫ぶ関税引き上げについて、カナダ産石油・天然ガスの分野には例外が設けられるとの見方が浮上。加ドルにとってはポジティブ材料となりそうだ。
11月11日週の回顧
ポンドは対円で買い先行も198円半ばを上値に197円割れまで失速。英賃金の上昇率が減速したことや失業率(ILO方式)悪化を受けて下落圧力が強まった。対ドルでは1.29ドル前半から1.26ドル前半まで下げ幅を広げた。英雇用データを背景としたポンド売りだけでなく、トランプ・トレードでドル全面高となった流れに押された。加ドルは対円では109円後半から111円半ばまで上昇。トランプ・トレードで対ドルでは1.4070加ドル台まで加ドル売り・ドル買いが進んだものの、堅調なドル円が加ドル円の支えとなった。
◆ドル円、トランプトレードへの期待感から堅調
◆ドル円、介入に警戒も可能性は低いとの見方強い
◆ユーロドル、ドル独歩高で下値探る展開続く
予想レンジ
ドル円 154.50-162.00円
ユーロドル 1.0200-1.0600ドル
11月18日週の展望
ドル円は、トランプトレード継続への期待感、米利下げ観測の後退から引き続き底堅く推移しそうだ。今週は来年から始動するトランプ政権の主要ポストに関する報道が伝わった。国務長官にルビオ上院議員、国家安全保障担当補佐官にウォルツ下院議員を抜擢するなど、いずれも対中強硬派のメンバーが選出されたことで外国為替市場では中国人民元売りが活発化。その他通貨にも波及したためドルが全面高となった。また、米大統領選と同時実施された連邦下院選で共和党が多数派を維持したことも判明し、赤をシンボルカラーとする共和党が大統領職と上下両院を独占する「トリプルレッド」を達成。トランプ政権が掲げる財政拡大政策が円滑に進むとの思惑がドル一段高を後押ししている。
また、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が14日に「経済情勢は極めて良好であり、利下げを急ぐ必要があるというシグナルを発していない」と発言し、米利下げ観測が後退していることもドル買いを促しそうだ。CMEのフェドウォッチによると、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での据え置き確率が41%前後まで上昇しており、利下げが見送られる可能性が出てきている。
ここで警戒されるのが政府・日銀による介入だが、「直近の高値である昨年7月に付けた161.95円を超えるまでは可能性が低いのでは」との見方が強い。また、トランプ政権による米金利先高観、衆院選大敗による与党・自民党の弱体化など、ファンダメンタルズ面から見ても妥当な動きであるため、介入を実施することは難しい状況だろう。仮に介入したとしても、状況が変わったわけではないため、すぐに反発する可能性が高そうだ。
ユーロドルは、ドル全面高となるなか下値を模索する展開が想定される。今週発表された11月独ZEW景況感指数にユーロ売りで反応するなど欧州景気指標に対して敏感になっているため、22日に発表される欧州各国の購買担当者景気指数(PMI)速報値には警戒したい。なお、独与野党は来年2月23日に総選挙を行うことで合意したが、現状では最大野党会派「キリスト教民主・社会同盟」が支持率で首位に立っていることから、政権交代の可能性が高まっている。
11月11日週の回顧
ドル円は、米長期金利の上昇とともにドルが独歩高となった流れに沿った。多少の上下はありながらも週後半にかけて強い地合いを維持。FRB議長のタカ派発言が伝わると156円台半ばまで上げ幅を広げ、7月23日以来の高値を付けている。
ユーロドルはドル全面高となった影響から軟調に推移。目先のサポートとして意識されていた4月16日の年初来安値1.0601ドルを下抜けて、昨年10月以来の安値となる1.0497ドルまで下げ足を速めた。
15日の日経平均は4日ぶり反発。終値は107円高の38642円。
今週は為替市場で円安・ドル高が進んだが、日本株はこれを好感できなかった。米国で発表された10月の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)はどちらも市場予想並みで、米10年債利回りは高止まりしている。パウエルFRB議長からは利下げを急ぐ必要がない旨の発言が出てきており、米国要因からは為替はドル高に振れやすい。
一方、ドル円が160円に近付いてくると、日本では為替介入に対する警戒が浮上してくる。米国株の動きが悪くなった場合、トランプ氏からドル高をけん制する発言が出てくる可能性もある。介入ではなく日銀が利上げで円安を止めるとの見方が支配的になってくると、金融株以外の日本株は上がりづらくなる。自然な流れでいったん円安にブレーキがかかるくらいが理想的だが、そうならずドル円の振れ幅が大きくなってしまうと、円安でも円高でも日本株には逆風となりかねない。為替動向には注意を払っておきたい。
【来週の見通し】
不安定な展開か。国内の7-9月期決算発表が一巡して材料難となる中、米国では水曜20日にエヌビディアが決算発表を予定している。週前半はこの内容を見極めたい状況下で半導体株が手がけづらく、全体も様子見姿勢が強まるだろう。エヌビディアの決算反応が良ければ投資家心理が強気に傾くことが期待できる一方、反応が悪ければリスクオフとなる可能性もある。また、反応が良かった場合でも、米国の長期金利が高止まりしているだけに、半導体株だけが人気化して他の銘柄からは資金が抜けるといったこともあり得る。半導体株の動向をにらみながら強弱感が交錯し続け、週を通して方向感が定まらないと予想する。
【今週を振り返る】
軟調となった。週明け11日の日経平均はプラス圏とマイナス圏を行き来して小幅な上昇。12日は前場は3桁の上昇であったが、後場に先物主導で崩れて3桁の下落となった。13日はソフトバンクGなど決算を発表した主力株の動きが弱く、600円を超える下落。前の週は米大統領選を材料にリスク選好ムードが高まったが、今週に入ってからはトランプ新政権の負の側面も意識され始めた。14日は高く始まったものの、買いが続かずマイナス圏に沈んで安値引け。15日は序盤で500円超上昇したが、買い一巡後は値を消して、3桁上昇ながら連日の安値引けとなった。日経平均は週間では約857円の下落となり、週足では3週ぶりに陰線を形成した。
【来週の予定】
国内では、9月機械受注(11/18)、10月貿易統計、10月首都圏新規マンション販売、10月訪日外客数(11/20)、20年国債入札(11/21)、10月全国消費者物価指数(CPI)(11/22)などがある。
企業決算では、東京海上、SOMPOHD、MS&AD(11/19)などが発表を予定している。米企業決算では、ウォルマート、メドトロニック、ロウズ・カンパニーズ、ジェイコブス・エンジニアリング・グループ(11/19)、エヌビディア、ターゲット、TJXカンパニー(11/20)、ディア、ロス・ストアーズ、ネットアップ、インチュイット(11/21)などが発表を予定している。
今週の日経225先物は、決算発表がピークを通過したことで手掛かり材料に欠けるなか、米国市場との連動性が高まりやすくなりそうだ。そのうえで、トランプ次期政権に備えた動きに加えて、11月20日に発表が予定されるエヌビディア<NVDA>の決算に投資家の関心が集まろう。
15日の米国市場では主要な株価指数が下落した。13日発表された10月の米消費者物価指数(CPI)統計では、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIが堅調な伸びを示したほか、14日発表の米卸売物価指数(PPI)も予想通りの伸びだった。新規失業保険申請件数は予想を下回り、労働需要が健全であることが示された。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は14日の講演で、利上げを急ぐ必要はないとの見解を示している。
15日に発表された10月の米小売売上高は、前月比0.4%と市場予想(0.3%増程度)を上回ったほか前月分も上方修正した。また、11月のNY連銀製造業景況指数はプラス31.2となり、予想を大きく上回った。足もとの堅調な経済指標の結果を受けて長期金利は上昇基調を続けており、15日には一時4.50%と6月上旬以来の高水準を付けている。FRBが12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを見送るとの観測が高まったほか、来年の利下げペースが緩やかになるとの見方から米株式市場では利益確定の売りが優勢となった。
また、トランプ次期大統領による閣僚人事の選出が物色に変化をもたらしている。対中強硬派として知られる共和党議員2人を国務長官と国家安全保障担当補佐官に選出したことで、中国からの輸入品への関税引き上げや対中規制の強化が警戒されて、半導体株には持ち高調整の売りが強まっている。さらに、大統領職と上下両院の多数派を共和党が占める「トリプルレッド」が実現することで、トランプ次期大統領が政策を推進しやすくなるとみられる。
なお、厚生長官には新型コロナウイルスのワクチンに懐疑的な立場だったロバート・ケネディ・ジュニア氏を起用すると発表。15日の米国市場ではモデルナ<MRNA>やファイザー<PFE>、アムジェン<AMGN>、イーライ・リリー<LLY>などの医薬品株が大幅に下げた。
市場の注目を集めるエヌビディアの決算発表だが、同社は8日からNYダウの構成銘柄に採用されている。そのため、その株価は他半導体株だけではなくNYダウにも影響を与えることで、東京市場におけるインパクトは大きくなりそうだ。
日経225先物は15日の取引終了後のナイトセッションで米株安の影響を受け、一時3万7780円と節目の3万8000円を割り込む場面もみられた。これにより支持線として意識されていた200日移動平均線(3万8280円)を割り込み、一気に75日線(3万7800円)水準まで下落した。ボリンジャーバンドの-2σ(3万7800円)まで下げてきたことで、いったんは売られ過ぎが意識されやすいと考えられる。
ただし、-2σを下回ってくる局面では、10月28日に付けた直近安値の3万7650円のほか、この水準を下回ると-3σ(3万7240円)辺りと、下へのバイアスが強まる可能性がある。一方で、売られ過ぎからリバウンドをみせてくるようだと、200日線のほか25日線の3万8910円が意識されてこよう。まずは、リバウンドからオプション権利行使価格の3万8000円から3万8500円のレンジを想定。エヌビディアの決算を受けて荒い値動きになる局面では3万7000円から3万9000円と広めのレンジをみておきたい。
先週のNT倍率は先物中心限月で14.27倍に低下した。足もとで低下傾向が続くなか、支持線として意識されていた75日・200日線を下回ってきた。両線が位置する14.28倍辺りが抵抗線として機能してくると、NTショートに振れやすくなりそうだ。一方で、いったんは反転が意識されやすいとみられ、エヌビディアの決算で物色に変化がみられるかが注目される。
11月第1週(11月5日-8日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの買い越しであり、買い越し額は7661億円(10月第5週は3372億円の売り越し)だった。なお、現物は1938億円の買い越し(同1885億円の売り越し)と4週ぶりの買い越しであり、先物は5723億円の買い越し(同1487億円の売り越し)と2週ぶりの買い越し。個人は現物と先物の合算で8713億円の売り越しで2週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で403億円の買い越しとなり、2週連続の買い越しだった。
主要スケジュールでは、11月18日に9月機械受注、G20サミット(~19日)、19日に米国10月住宅着工件数、20日に10月貿易統計、中国11月最優遇貸出金利、エヌビディア<NVDA>決算、21日に米国11月フィラデルフィア連銀景況指数、米国10月コンファレンス・ボード景気先行指数、米国10月中古住宅販売件数、22日に10月全国消費者物価指数、米国11月製造業PMI、米国11月サービス業PMIなどが予定されている。
<国内>
○08:50 ◎ 9月機械受注(予想:船舶・電力除く民需 前月比1.5%/前年比1.8%)
○10:05 ◎ 植田和男日銀総裁、あいさつ
<海外>
○06:45 ◎ 7-9月期ニュージーランド(NZ)卸売物価指数(PPI)
○16:30 ◇ 7-9月期スイス鉱工業生産
○17:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○17:15 ◎ デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○18:00 ◎ マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
○19:00 ◇ 9月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前60億ユーロの黒字/季節調整済77億ユーロの黒字)
○22:00 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○22:00 ◎ ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁、講演
○22:15 ◇ 10月カナダ住宅着工件数(予想:24.00万件)
○22:30 ◇ 9月対カナダ証券投資
○24:00 ◎ 11月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:42)
○24:00 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、あいさつ
○19日03:30 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○19日03:30 ◎ ラガルドECB総裁、講演
○19日06:00 ◎ 9月対米証券投資動向
○20カ国・地域(G20)首脳会議(ブラジル・リオデジャネイロ、19日まで)
○メキシコ(メキシコ革命記念日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
複数の米政府高官の話として一部報道が伝えたところによると、ウクライナに対しバイデン米大統領は、米国が供与した長距離射程ミサイルのロシア領内への使用を認めたもよう。ロシア軍に約1万人の北朝鮮兵が応援に入ったことを受けての措置とされている。
一部報道によれば、トランプ次期米政権の人事で内部対立が見られるもよう。次の財務長官を巡り、実業家のイーロン・マスク氏はキャンターフィッツジェラルドのハワード・ルトニックCEOへの支持を表明。もう一人の有力候補である投資家のスコット・ベッセント氏との競争が激しくなり、重要人事の決定が遅れるとの懸念が高まっている。
15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は153.86円まで下落した。米長期金利が低下に転じ、ダウ平均が一時400ドル超下落し、ナイト・セッションの日経平均先物も売り込まれたことに影響された。ユーロドルは1.0593ドルまで上昇後に1.0516ドルまで反落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、植田日銀総裁の発言で12月18-19日の日銀金融政策決定会合での追加利上げ、あるいは据え置きの可能性を見極める展開となる。同総裁は本日、10時5分から名古屋市での金融経済懇談会で講演をし、午後からは記者会見が予定されている。
植田総裁は10月の日銀会合の後、追加利上げまでの「時間的余裕」を使わないと述べた。また、利上げの障害とされてきた「市場の混乱」が鎮静化してきており、次回会合で追加利上げに踏み切る可能性が高まりつつある。本日は12月引き締め観測に前向きな発言となるのか、それとも先週のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のように前言を翻すサプライズとなるのか注目しておきたい。
パウエルFRB議長は先週「現在、われわれが目にしている経済の強さにより、慎重な決定を行うことが可能になっている」と述べ、「経済はFRBが利下げを急ぐ必要性を示唆せず」と言及。これを受けて、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ観測が後退している。金利スワップ市場が織り込む利下げ確率は約80%程度から約50%に低下した。
ドル円は、トランプ・トレード(米国債売り・ドル買い)を背景に、先週末に156.75円まで上昇した。神田前財務官による今年の4回の覆面介入の水準(157円台から161円台)に迫ってきた。植田日銀総裁が12月会合での据え置きを示唆した場合、ドル円は反発することが見込まれるが、その場合は本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒しておきたい。
なお先週14日、米財務省が公表したバイデン政権下で最後となる半期に一度の「外国為替報告書」では、日本による4月以降の円買いドル売り介入に対して「日本は為替介入について透明性を保っている」などと言及して一定の理解が示された。一方で、「介入は極めて例外的状況のみに限定され、適切な事前協議が行われるべきだ」とも釘を刺していた。
また、現在は財務省顧問も務める神田内閣官房参与は先日、株高とドル高・円安の「トランプ・トレード」が起きている背景として、財政赤字増大による米金利上昇や関税の引き上げ、移民制限によるインフレと金利引き上げの可能性といった憶測があると指摘。投機が変動を助長しているとして、「行き過ぎた動きには適切な対応を取る」と円買い介入の可能性を示唆していた。
第2次トランプ米政権は、米国の製造業を保護するため、輸入関税を引き上げ、ドル安を志向すると思われることから、本邦通貨当局の円買い介入と整合的であるため警戒しておきたい。
参考までに、2016年12月のトランプ・ラリーの高値は118.66円だったが、第1次トランプ米政権(2017~2020年)の期間中に上回ることはなかった。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38040 -630 (-1.62%)
TOPIX先物 2683.0 -26.5 (-0.97%)
シカゴ日経平均先物 38015 -655
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
15日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。10月の米小売売上高は前月比0.4%と市場予想(0.3%増程度)を上回ったほか、前月分も上方修正した。また、11月のNY連銀製造業景況指数はプラス31.2となり、予想を大きく上回った。市場予想を上回る米経済指標の発表が相次ぎ、米連邦準備理事会(FRB)が12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを見送るとの観測が高まったほか、来年の利下げペースは緩やかなものになるとの見方から利益確定の売りが優勢となった。
また、アプライドマテリアルズ<AMAT>は前日の取引終了後に発表した2024年11月-25年1月期の見通しが慎重と受け止められて下落し、他の半導体株にも売りが広がった。S&P500業種別指数は自動車・同部品、公益事業、家庭用品・パーソナル用品が上昇した一方で、半導体・同製造装置、医薬品・バイオテクノロジー、小売が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比655円安の3万8015円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比100円安の3万8570円で始まり、その後は3万8430円~3万8630円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始直前にレンジを下放れると下落幅を広げ、一時3万7780円まで売られた。終盤にかけてショートカバーが入り、3万8040円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。ナイトセッションで一時3万7780円まで売られ、支持線として意識されていた200日移動平均線(3万8280円)を割り込み、一気に75日線(3万7800円)水準まで下落した。ボリンジャーバンドの-1σ(3万7800円)まで下げてきたことで、いったんは売られ過ぎが意識されやすいと考えられる。
国内では決算発表が一巡したことで手掛かり材料に欠ける状況であり、トランプ次期政権に備えた動きに加えて、11月20日に発表が予定されているエヌビディア<NVDA>の決算に投資家の関心が集まりやすい。次期政権による中国からの輸入品への関税引き上げや対中規制の強化が警戒されて、半導体株には持ち高調整の動きが強まっていることもあり、エヌビディアの決算が転換点になる可能性がある。
まずは、オプション権利行使価格の3万8000円水準を巡る攻防から、決算待ちの状況が見込まれる。そのため、オプション権利行使価格の3万8000円を中心に3万7875円から3万8250円辺りのレンジを想定。200日線水準を早い段階でクリアできれば3万8000円から3万8500円のレンジとみておきたい。
15日の米VIX指数は16.14(前日は14.31)に上昇した。前日に14.00割れから一時13.59まで下げる場面もあり、いったんはリバウンドが入りやすいところだった。引き続き不安心理が高まった状態を示す20.00を下回っている状況であり、リスク選好の流れである。ただし、200日線(15.84)を上回ってきたことで、やや投資家心理を神経質にさせてくる可能性はありそうだ。
先週のNT倍率は先物中心限月で14.27倍だった。足もとで低下傾向が続き、支持線として意識されていた75日・200日線を下回ってきた。両線が位置する14.28倍辺りが抵抗線として機能してくるようだと、NTショートに振れやすくなりそうだ。一方で、いったんは反転が意識されやすい水準まで低下してきたため、エヌビディアの決算でNTショートを巻き戻す動きがみられるかが注目される。
先週末の海外市場では、ドル円が一時約3円という大幅な下落となったわけですが、市場からは「何故ドル円だけが」との声も聞かれています。ドル円は、東京時間に先週ずっと上げ続けていた中で高値を更新したわけですが、その後は米長期金利の低下につれて次第に上値を切り下げる展開に。一時155.22円まで値を下げました。NY時間に入って10月米小売売上高や11月米NY連銀製造業景気指数、10月米輸入物価指数が予想を大幅に上回る強い数字となると、米10年債利回りが一気に4.5007%まで大台替わりの急伸となったものの、その後は一転して4.3981%まで低下に転じるとドル円も155.77円の戻り高値から153.86円まで売り込まれるといった荒い値動き。その後は154.48円まで買戻されて週末の取引を終えています。
週明けのアジア市場では、10時05分から予定されていた植田日銀総裁の名古屋での挨拶を前に、米系短期勢が売り仕掛け。先週末安値の153.86円を下抜けて一時153.84円まで値を下げる場面もみられましたが、発言の内容が「12月利上げを特に示唆するようなものではなかった」ほか、「物価情勢が好転するもとでも、極めて低い名目金利の水準を維持していることから、2010年代と比べてもマイナス幅が拡大しており、金融緩和の度合いはむしろ強まっていると評価できます」との見解。一気に155.14円まで買戻されています。
いずれにしても、先週末のドル円の大幅な下落については「一部米系HFが週明けからのロングをまとめて利食った」ことに起因しているわけで、「米10年債利回りが4.5%台という大台替わりをしたといったある種の達成感もあった」とみるのが、最も整合性がとれるというものです。チャート上では、一目転換線の154.02円で先週から2日続けてサポートされているなか、本邦実需勢を中心とした下値を拾う動きが改めて強まっているといったところです。
「米為替報告書に関しては、引き続き適切な対応をはかっていく」(加藤財務相)
米財務省は11月14日に発表したバイデン政権下で最後となる半期に一度の「外国為替報告書」で、2024年1月~6月の期間中に、7カ国・地域(日本、中国、ドイツ、韓国、シンガポール、スイス、ベトナム)が為替の慣行に関する「監視リスト(Monitoring List)」の対象になっていると表明した。マレーシアが除外されて、韓国が新規に追加された。
日本は、前回に続いて今回も、対米貿易黒字が高水準(650億ドル)であること、経常黒字の国内総生産(GDP)比率(4.2%)が基準を上回っていることで監視対象となっており、解除されるには、ドル安・円高が必須となる。
また、不公平な優位性を得るために為替レートを操作した「為替操作国」は、主要な米貿易相手国にはなかった、と説明した。「為替操作国」に認定される3基準全てを満たした国もなかったと明らかにした。
米国議会への提出が義務づけられている為替報告書は、競争上の優位性を得るために自国通貨レートを人為的に押し下げている、すなわち、自国通貨安に誘導していると見なされる貿易相手国に圧力をかけることが目的である。
イエレン米財務長官は、2023年6月の為替報告書に添付された文書で、「米国の貿易相手国が昨年に行った為替介入の多くは、ドル売りという形だった。これはこうした国の通貨高に作用した。しかし、財務省は各国の通貨慣行や政策設定、および力強く持続可能かつバランスのとれた世界的成長との整合性への警戒を続ける」と表明していた。
【為替操作国・監視対象国の判断基準】
1)財の対米貿易黒字:150億ドル以上
2)経常黒字額:対国内総生産(GDP)比3%以上
3)過去12カ月の外貨購入(介入):対GDP比2%以上
2つの認定基準に抵触する「監視対象国」に指定されたのは7カ国。
【監視対象国】中国、ドイツ、シンガポール、韓国、台湾、ベトナム、日本
・新規(韓国):大幅な経常黒字と対米貿易黒字
■中国
・多額の対米貿易黒字のほか、為替政策を巡る透明性が欠如している
・中国の経常黒字は対GDP比1.2%まで減少したものの、輸出量は急増し、輸出価格の下落を示している
・「中国は内需の弱さなどから今年、成長を牽引するために外需への依存を強めている」
・「価格が下落する中での輸出量急増は中国の貿易相手国に大きな影響を与える可能性が高い」
・人民元安の進行を防ぐために公式説明なく基準値を設定するといった為替慣行について、「主要経済国の中で例外的で、厳重な監視が必要だ」として透明性を高めるように要請
・中国は為替介入を公表しておらず、為替政策の主な柱について広範囲にわたって透明性に欠ける。
■日本
・日本による4月以降の円買いドル売り介入には「日本は為替介入について透明性を保っている」(Japan is transparent with respect to foreign exchange operations, regularly publishing its foreign exchange interventions each month)などとして一定の理解を示した。
・「介入は極めて例外的状況のみに限定され、適切な事前協議が行われるべきだ」
(intervention should be reserved only for very exceptional circumstances with appropriate prior consultations)
※日本財務省:ドル売り・円買い介入
・4月29日と5月1日:9兆7885億円(620億ドル)
・7月11-12日:5兆5348億円(350億ドル)
週明けのロンドン為替市場でもユーロドルの下値警戒感が残るなか、複数の欧州金融当局者の発言を確かめながらの取引となりそうだ。また、欧州の地政学リスクにも警戒しておきたい。
先週末のユーロドルは買い戻し先行も1.06ドルに届かず、結局1.05ドル前半まで上値を切り下げた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の「利下げ急がず」発言が話題となるなか、米経済指標も概ね良好な結果となって米利下げ余地の狭まりが意識された。一方、欧州金利先安観はくすぶったままであり、欧米金利差の拡大基調がユーロドルの重しとなっている。
本日は欧州序盤からナーゲル独連銀総裁やデギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁の講演から始まり、その後はマクルーフ・アイルランド中銀総裁の発言が予定されている。また、欧州午後にもストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁に加え、ECBチーフ・エコノミストであるレーン専務理事も講演予定。
先週公表された10月ECB理事会(追加利下げが決定)の議事要旨では、今後数カ月のインフレ上昇見込みが指摘されたものの、来年中には目標値まで低下するとの予想も示された。金融政策については引き続きデータ依存とし、会合ごとにアプローチするとのスタンスは変わらず。
本日の金融当局者の講演では、3週間半ほど先となる次回ECB理事会への見解がやはり注目されるだろう。ユーロドルの地合いが弱い分だけ、追加利下げに対する言及に市場は敏感に反応しそうだ。またナーゲル独連銀総裁が、不安定さが浮き彫りになった独政局の経済に対する影響についてどのように語るかも興味深い。
新たな動きが見られそうなウクライナ・ロシア戦争の行方も注視する必要がある。バイデン米政権は週末、ウクライナが米製長距離ミサイルでロシア領内を攻撃することを許可したもよう。北朝鮮兵士のロシア側ウクライナ戦線投入を受けた決定とされた。ロシアの強い反発は当然予想され、地政学リスクの高まりが懸念される。
想定レンジ上限
・ユーロドル、15日高値1.0593ドルが目先の上値めど。超えると13日高値1.0653ドル。
想定レンジ下限
・ユーロドル、14日安値1.0497ドルが目先の下値めど。割り込むと2023年10月3日安値1.0448ドル。
ドル円:1ドル=154.59円(前営業日NY終値比△0.29円)
ユーロ円:1ユーロ=162.90円(△0.24円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0537ドル(▲0.0003ドル)
日経平均株価:38220.85円(前営業日比▲422.06円)
東証株価指数(TOPIX):2691.76(▲19.88)
債券先物12月物:142.85円(△0.03円)
新発10年物国債利回り:1.070%(横ばい)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.28900%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月機械受注(船舶・電力除く民需)
前月比 ▲0.7% ▲1.9%
前年同月比 ▲4.8% ▲3.4%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は神経質な値動き。植田日銀総裁の講演を前に思惑的な売りに押されて153.84円まで下落したものの、その後は買い戻しが入った。日銀総裁は講演で「経済・物価見通しが実現していけば、引き続き政策金利を引き上げ」「(緩和度合いの調整タイミングは)あくまで先行きの経済・物価・金融情勢次第」などの見解を示したが、市場の想定ほどタカ派ではないと受け止められると155.14円まで反発。ただ、155円台では売り意欲も強く、一巡後は再び154.30円台まで押し戻された。
・ユーロ円も神経質に上下。日銀総裁の講演前後で162.27円まで下落した後、163.50円まで反発するなどドル円と同様に上下を試した。もっとも、一巡後は日本株安などの影響もあって162.70円台まで上値を切り下げた。
・ユーロドルはもみ合い。1.05ドル台前半のレンジ内で方向感を欠いた動きとなった。
・日経平均株価は反落。前週末の米国株式市場でハイテク株が大幅安となったことを受け、週明けの東京市場でも半導体関連株の下げが目立った。米半導体大手エヌビディアの決算発表を20日に控えていることから持ち高調整の売りも出ていたようだ。また、海外勢からの売りが観測されて株価指数先物が下落したことも相場の重しとなった。
・債券先物相場は5営業日ぶりに小幅反発。朝方から売りに押されて一時142.72円台まで下落する場面があったものの、日銀総裁の講演内容が想定ほどタカ派ではなかったと受け止められると買い戻しが入った。
大阪12月限
日経225先物 38260 -410 (-1.06%)
TOPIX先物 2694.0 -15.5 (-0.57%)
日経225先物(12月限)は前日比410円安の3万8260円で取引を終了。寄り付きは3万8100円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8015円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。開始直後に付けた3万8010円を安値にリバウンドが強まり、200日移動平均線(3万8280円)を突破すると、前場中盤にかけて一時3万8580円まで下げ幅を縮める場面もみられた。植田和男日銀総裁の講演での発言をきっかけに、為替市場で一時1ドル=155円前半へ円安に振れたことが材料視されたようだ。講演前は1ドル=153円台で推移していた。
短期的な売買が中心とみられ、積極的なロングの動きは限られており、前場終盤にかけて3万8300円辺りまで下げ幅を広げた。後場は200日線(3万8280円)での攻防が続き、終盤にかけて3万8200円を下回る場面もみられたものの、概ね200日線を挟んだ狭いレンジ内での推移だった。
日経225先物は売り先行後にいったん下を仕掛ける動きをみせたが、節目の3万8000円は割り込まず、ショートカバーに向かわせた。その後は、植田総裁の発言をきっかけとした仕掛け的なロングによってリバウンドをみせたもののプラス圏は回復できず、前場終盤はポジション解消の流れだろう。ボリンジャーバンドの+1σ(3万8380円)水準もキープできなかったことで、ロング解消後は狭いレンジでのスキャルピング中心だった。
また、エヌビディア<NVDA>の新たな人工知能(AI)向け半導体「ブラックウェル」について、サーバー接続時の過熱問題が発生しており、投入遅延の懸念が生じていると海外メディアが報じた。グローベックスのナスダック100先物はプラス圏で推移していたが、20日のエヌビディアの決算発表が通過するまでは積極的にポジションを傾けにくい状況になりそうだ。
日経225先物は週間形状では13週線が3万8310円、26週線は3万8340円辺りに位置している。両線を中心とした3万8000円から3万8600円辺りのレンジを想定しておきたいところだろう。
本日は半導体株のほか、中外製薬 <4519.T> [東証P]など医薬品株の下げが日経平均型の重荷となった。15日の米国市場では、トランプ次期大統領が厚生長官に新型コロナウイルスのワクチンに懐疑的なロバート・ケネディ・ジュニア氏を起用すると発表したことが嫌気され、モデルナ<MRNA>やファイザー<PFE>など医薬品株が大きく売られた影響が出た。引き続き、トランプ次期政権の政策などに敏感に反応してきそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.20倍に低下した。一時14.16倍まで下げており、75日・200日線(14.29倍)を明確に下放れてきた。値がさハイテク株に加えて医薬品株への不透明感が強まるなか、NTショートに向かわせそうである。もっとも、エヌビディアの決算が通過するまでは、スプレッド狙いは手掛けにくいだろう。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万4556枚、ソシエテジェネラル証券が1万1354枚、サスケハナ・ホンコンが3750枚、JPモルガン証券が2349枚、モルガンMUFG証券が2349枚、バークレイズ証券が1582枚、ビーオブエー証券が1369枚、楽天証券が1349枚、SBI証券が1215枚、auカブコム証券が1161枚、だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万7999枚、ソシエテジェネラル証券が1万4441枚、みずほ証券が4371枚、JPモルガン証券が3932枚、ビーオブエー証券が3736枚、バークレイズ証券が3265枚、サスケハナ・ホンコンが2948枚、モルガンMUFG証券が2196枚、ゴールドマン証券が2171枚、三菱UFJ証券が710枚だった。
本日のNY時間のドル円は、引き続きトランプトレードによるドル買いのセンチメントが急変するのは難しいだろう。
先週急激に進んだトランプトレードの流れだが、週末15日には大幅にポジション調整が入った。一時は米大統領選の投開票が伝わった時の安値151.30円と15日高値156.75円の半値にあたる154.03円近辺も割り込むなど、ドル円の調整幅は大きくなった。今週の週前半は米国からの経済指標は市場を動意づけるには注目度が若干低いものが多いことで、15日高値を超えていくのは難しいかもしれない。
しかし、トランプトレードだけではなく、先週パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「経済情勢は極めて良好であり、利下げを急ぐ必要があるというシグナルを発していない」と発言して以来、今年の12月の利下げ予想が6割程度まで低下し、来年1月は据え置き予想が8割近くを保ったままであることを考えると、ドルを積極的に売り込む要素は少なさそうだ。
本日米国からは11月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数や9月対米証券投資動向が発表される。ただ両指標とも市場を動意づけることがあまりないことで、今回もよほどのことがない限り、市場の反応は鈍いだろう。
経済指標への反応は乏しいだろうが、警戒しなくてはならないのは、先週から続々と発表されている第2次トランプ政権の閣僚メンバー。特に為替市場をはじめ金融市場に多大な影響を与える財務長官の指名には要注目。
週末16日にはイーロン・マスク氏とロバート・F・ケネディ・ジュニア氏がカンター・フィッツジェラルドのCEOハワード・ラトニック氏を支持すると表明した。しかし、トランプ氏の政権移行チームの共同議長を務めるラトニック氏について、トランプ氏は政権移行チームの責任者としてのパフォーマンスに憤慨しており、マスク氏達が自身の利益のために支持の表明を操作したのではないかと考えていると報じられている。なお、ラトニック氏は「関税への依存度を高め、所得税を減税する経済」を主張している。
米マスメディアでは他に、投資家のスコット・ベセント氏(ラトニック氏同様に高関税・所得減税主張)、元FRB理事のケビン・ウォーシュ氏(タカ派とされているが、米国の債務の急増については批判)、億万長者のマーク・ローワン氏(米国の経済問題はいわゆる「全面的な変化」によって解決されなければならないと主張)など様々な名前が挙がっている。また、直近ではテネシー州選出の共和党上院議員ビル・ハガティ氏の名前も候補として挙がっている。
・想定レンジ上限
ドル円の高値めどは、本日高値155.14円。その上は先週末のNY時間高値155.77円近辺。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、本日安値153.84円。その下は12日安値153.41円。
今週のNY市場はエヌビディアの決算発表と米国債利回りに注目。先週は主要3指数が週初に史上最高値を更新したものの、トランプ・ラリーが一服したことや、利下げ期待が後退したことでその後大きく反落。トランプ次期大統領が、ワクチン懐疑派のロバート・F・ケネディ・ジュニア氏を米保険福祉省長官に指名したことでバイオ株が軒並み安となったことも相場の重しとなった。ダウ平均は週間で1.24%安、S&P500とナスダック総合もそれぞれ2.08%安、3.15%安で終了し、3指数がそろって反落。史上最高値からはダウ平均が1.91%安、S&P500が2.18%安、ナスダック総合が3.21%安となった。経済指標が強い結果となったほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が利下げを急ぐ必要がなくなったと発言したことでCMEのフェドウォッチ・ツールの12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利据え置き確率は前週末の35%から40%に上昇した。米10年債利回りは金曜日に一時4.505%と5月31日以来の水準まで上昇した。
今週は株高トレンドの持続性を巡り、半導体大手のエヌビディアの決算発表やガイダンス、先行きの利下げ見通し、米10年債利回りの動向が焦点となりそうだ。水曜日発表のエヌビディアの8-10月期決算は強い結果が予想されているが、新型AIチップの出荷見通しを巡りジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)の発言に要注目となる。利下げ見通しを巡っては10月中古住宅販売件数や、10月住宅着工件数、新規失業保険申請件数、11月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値などの経済指標やそれを受けた米10年債利回りの動向に要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは11月NAHB 住宅市場指数など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は大幅反落。200日移動平均線(38537円 11/18)を下回るスタートとなり、終日弱含みの展開が続いた。一目均衡表の雲上限(38086円)を下値で意識して下げ渋ったものの、5日連続の陰線となり引け味の悪さが目立った。
RSI(9日)は前日の60.5%→45.4%(11/18)に低下。一目均衡表の雲上限付近まで下落したが、11/1安値(37946円)を前に反発に転じることができれば値崩れ感は生じない。しかし、下向きで推移する5日移動平均線(38699円 同)や25日移動平均線(38876円 同)が上値抵抗となり、調整が長引く可能性が高い。
依然として10月からのもみ合いの範ちゅうであり、当面は10/16の下げで開けたマド埋め(39910円)を通過点に4万円突破へ勢いづくかが焦点となる。8月安値(31156円)を起点とした上昇局面では高値圏を保っており、一段高となる前の揺り戻しが続いていると判断したい。
上値メドは、25日移動平均線や心理的節目の39500円、11/7高値(39884円)、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円などがある。下値メドは、心理的節目の38000円や75日移動平均線(37910円 同)、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
(18日終値:19日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.70円(18日15時時点比△0.11円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.83円(△0.93円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0590ドル(△0.0053ドル)
FTSE100種総合株価指数:8109.32(前営業日比△45.71)
ドイツ株式指数(DAX):19189.19(▲21.62)
10年物英国債利回り:4.465%(▲0.006%)
10年物独国債利回り:2.373%(△0.017%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
7-9月期スイス鉱工業生産指数
(前年同期比) 3.5% 7.0%・改
9月ユーロ圏貿易収支
(季調済) 136億ユーロの黒字 108億ユーロの黒字・改
(季調前) 125億ユーロの黒字 46億ユーロの黒字
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.48%台まで上昇するとユーロ売り・ドル買いが先行。20時30分過ぎに一時1.0533ドル付近まで下押しした。ただ、週明け早朝取引で付けた日通し安値1.0526ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米10年債利回りが4.41%台まで低下したこともユーロ買い・ドル売りを促し、3時前に一時1.0593ドルと日通し高値を付けた。
市場では「米景気の底堅さや欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測を背景に、足もとで相場下落が続いたあとだけに、持ち高調整目的のユーロ買い・ドル売りが入りやすかった」との声も聞かれた。
・ドル円は上値が重かった。トランプ次期政権が掲げる政策によりインフレ再燃が懸念されるほか、米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測が若干後退していることが円売り・ドル買いを促し、22時過ぎに一時155.36円と日通し高値を付けた。
ただ、買い一巡後は次第に上値を切り下げる展開に。米長期金利が低下に転じたことなどが相場の重しとなり、154.59円付近まで下押しした。
・ユーロ円は堅調。ドル円の上昇につれた買いが入ったあともユーロドルの上昇につれた買いが続いたため、終始底堅い展開となった。2時過ぎには一時163.94円と本日高値を更新した。
・ロンドン株式相場は反発。前週末にポンドドルが約半年ぶりの安値を更新するなど、外国為替市場ではポンド安が進行。ポンド安の恩恵を受けやすい多国籍企業を中心に買いが入り相場を下支えした。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は小幅ながら続落。前週末の米ハイテク株安が響いたほか、米半導体大手エヌビディアが20日発表する四半期決算の内容への警戒感から売りが出た。個別ではシーメンス・エナジー(2.87%安)やボノビア(2.67%安)、ザルトリウス(2.24%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
18日の日経平均は大幅反落。終値は422円安の38220円。米国株安や円安一服を嫌気して、寄り付きから300円を超える下落。下げ幅を400円超に広げて38100円台に入ったところでいったん鋭角的に切り返し、安値は早い時間につけた。しかし、下げ幅を2桁に縮めて38500円を上回ったところで売り直されると、以降は低空飛行が続いた。前場では指数が弱い中でもプライムでは値上がり銘柄が多かったが、後場に入ると値下がり銘柄が増加。15時過ぎには再び38100円台に突入する場面もあり、安値圏で取引を終えた
東証プライムの売買代金は概算で3兆7700億円。業種別では海運、パルプ・紙、鉄鋼などが上昇した一方、医薬品、銀行、機械などが下落した。株式売却方針の取り下げを発表したミガロホールディングス<5535.T>が後場急騰。半面、上期が減益着地となったあおぞら銀行<8304.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり726/値下がり861。商船三井、川崎汽船、日本郵船の海運大手3社が逆行高。JR西日本、富士急行、相鉄HDなど鉄道株に強い動きが見られた。中期経営計画を公表した良品計画が年初来高値を更新。3Q累計で大幅増益となったミルボンが急伸した。
一方、三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社がそろって大幅安。フジクラが4%を超える下落となった。トランプ新政権の人事に関するニュースで米国の薬品株が売られた流れを受けて、エーザイ、アステラス、塩野義など薬品株が軒並み安。中外製薬は10%安と派手に下げた。株式の売り出し発表が嫌気されたジョイフル本田が年初来安値を更新した。
日経平均は大幅安。15日のナスダックの大幅安を受けても半導体株がそこまで嫌われたわけではなかったが、海運株以外の主力銘柄の大半が弱かった1日。プライムの売買代金は先週14日や15日が概算で4.6兆円程度であったのに対して、きょうは約3.8兆円と急減している。決算発表が一巡したことで、投資家の日本株に対する関心が低下したような動きにも見える。
きょうの弱さを見ると、20日に発表を予定している米エヌビディアの決算を見定めるまでは買い手控えムードの強い地合いが続きそう。東京市場では木曜21日に時間外の反応を消化することになるため、火曜水曜は閑散相場が予想される。日経平均のきょうの終値は38220円で、25日線(38876円、18日時点、以下同じ)や5日線(38699円)を下回っている。75日線(37910円)より上をキープしつつ、38000円近辺で下値を固めることができるかが当面の焦点となる。
(18日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.66円(前営業日比△0.36円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.93円(△1.27円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0598ドル(△0.0058ドル)
ダウ工業株30種平均:43389.60ドル(▲55.39ドル)
ナスダック総合株価指数:18791.81(△111.69)
10年物米国債利回り:4.41%(▲0.03%)
WTI原油先物12月限:1バレル=69.16ドル(△2.14ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2614.6ドル(△44.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
46 43
9月対米証券投資動向
短期債を含む 3984億ドル 759億ドル・改
短期債を除く 2161億ドル 1088億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは続伸。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.48%台まで上昇するとユーロ売り・ドル買いが先行。20時30分過ぎに一時1.0533ドル付近まで値を下げた。
ただ、週明け早朝取引で付けた日通し安値1.0526ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米10年債利回りが4.40%台まで低下したこともユーロ買い・ドル売りを促し、前週末の高値1.0593ドルを上抜けて一時1.0607ドルまで上値を伸ばした。
市場では「米景気の底堅さや欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測を背景に、足もとで相場下落が続いたあとだけに、持ち高調整目的のユーロ買い・ドル売りが入りやすかった」との声が聞かれた。
・ドル円は反発。トランプ次期政権が掲げる政策によりインフレ再燃が懸念されるほか、米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測が若干後退していることが円売り・ドル買いを促し、22時過ぎに一時155.36円と日通し高値を付けた。
ただ、買い一巡後は次第に上値が重くなった。米長期金利が低下に転じたことなどが相場の重しとなり、4時過ぎには154.57円付近まで下押しした。
・ユーロ円も反発。ドル円の上昇につれた買いが入ったあともユーロドルの上昇につれた買いが続いたため、終始底堅い展開となった。4時過ぎには一時163.98円と本日高値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら3日続落。前週にパウエルFRB議長が利下げを急がない姿勢を示したことから、FRBによる利下げペースが鈍るとの観測がくすぶり、相場の重しとなった。もっとも、米半導体大手エヌビディア決算などの材料待ちとなる中、積極的な商いは手控えられ、大きな方向感は出なかった。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は5日ぶりに反発。足もとで相場下落が続いたあとだけに自律反発狙いの買いが入った。
・米国債券相場で長期ゾーンは上昇。米利下げペースが鈍るとの観測がくすぶる中、売り先行で始まったものの、そのあとは持ち高調整目的の買いが優勢となり上げに転じた。
・原油先物相場は大幅反発。露・ウクライナ間の緊張が高まり、地政学リスクに着目した買いが再燃。先週末の反落幅を帳消しにする上昇となった。バイデン米大統領がウクライナに供与した長距離ミサイルによるロシア領内への攻撃を容認するとのニュースが材料視された。ロシアの原油関連施設への影響が懸念された。
・金先物相場は7日ぶりに大幅反発。対ユーロなどでドル安が進み、米金利が低下気味に推移するなか、金相場は下落が続いてきた後を受けて反動の買いが入りやすかった。ドル安はドル建て金価格に割安感を生じさせ、米金利低下は金利が付かない資産である金の相対的な投資妙味改善を意識させる要因となる。
SMBC日興証券のテクニカルリポートでは、米大統領選後に上昇が拡大した米国株価指数、米国金利、ドル、暗号資産(ビットコインなど)といった多くのアセットが、選挙前の時点で注目していたフシ目の水準にほぼ到達したことを指摘している。フシ目の水準も上回るようならバブル的な上昇局面に向かう可能性もあるとはみているが、米長期債利回りなどの状況などから、このまま上げが続く可能性は低いと考えている。むしろ、米国主要株価指数などが主要なフシを超えられずに頭打ちとなり、意外と大きな調整が生じてドルも急反落する可能性があることに留意したいとコメントしている。
SMBC日興証券では、2024年7-9月期GDP1次速報に関するリポートの中で、GDP統計の中の物価指標であるGDPデフレータが減速してきていることに注目している。今後、GDPデフレータが上昇していくには、原材料価格や単位労働コストが上昇していけばよいが、これはコストプッシュインフレであるため持続性がないと指摘。物価が持続的・安定的に上昇していくには、コストプッシュではなく、需要拡大によるデマンドプルインフレが必要と考えている。現在の日本の需給ギャップは-1.7%程度と、総需要が総供給に対して約10兆円不足しているとのこと。日銀によれば日本の潜在GDP成長率は+0.6%程度で、これを超える経済成長が続かなければデマンドプルインフレは起き難いとSMBC日興では指摘している。
18日10:09 植田日銀総裁
「経済・物価見通し実現していけば、政策金利引き上げ」
「日本経済、緩やかに回復している」
「金融緩和の度合い、むしろ強まっていると評価できる」
「毎回会合で経済・物価評価や見通しをアップデートし政策を判断する」
「海外経済などリスクが見通し実現確度に及ぼす影響を見極める」
18日14:03
「毎回の決定会合で入ってきたデータや情報を点検し、適切な対応を行っていくという基本に変わりはない」
「為替レートの短期的な動向にはコメントしない」
「為替変動の背後の経済要因含め、経済・物価見通しやリスクへの影響分析し決定会合ごとに判断していく」
「適宜緩和度合い調整していかないと、どこかでインフレ急加速し金利の大幅な引き上げ迫られる可能性ゼロではない」
「見通し実現の確度に自信得られたときに次のステップに進む」
「国内要因、前進見られている」
「国内経済は良い方向のデータ出ているが、全体のデータ・情報と合わせて考えてどうかみていく」
「実質金利が低いことの弊害、どこかでインフレが加速して2%超えてしまうリスク」
「12月会合では、追加のデータ、情報などを基に適切に政策判断」
18日15:47 ケント豪準備銀行(RBA)総裁補佐
「金融政策全体が他国より強力であるという証拠はない」
「ほとんどの借り手は、金利上昇に対処するためのバッファーを有している」
「フォワードガイダンスに対するRBAのアプローチを時折見直す価値はある」
「オーストラリアにおけるフォワード・ガイダンスは、米国ほど有用ではないかもしれない」
18日17:08 ナーゲル独連銀総裁
「貿易摩擦がインフレに与える影響は今のところ小さいようだ」
「貿易摩擦はインフレ圧力の上昇につながる可能性がある」
18日17:21 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「リスクはインフレから成長へと移行した」
「成長見通しは不確実性の影響で不透明」
18日20:16 マクルーフ・アイルランド中銀総裁
「インフレは軌道に乗っており、12月会合の決定はデータ次第となる」
「金利の引き下げについては慎重かつ用心深いアプローチがベスト」
18日22:16 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「中立金利は平均で約2%」
「ECBによる利下げが複数回行われると予想」
「0.25%の利下げが最適」
19日00:46 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「財務省の決済の集中はリスクとみている」
19日04:27 グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「英サービスインフレ率は高いものの、下降傾向にある」
「インフレ指標は概ね下降傾向にある」
「サービスインフレ率は私が望むほど速くは下がっていない」
※時間は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○09:30 ◎ 11月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
○17:45 ◎ エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:00 ◇ 9月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○18:00 ◎ ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○19:00 ☆ 10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比2.0%)
○19:00 ☆ 10月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比2.7%)
○19:00 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、ロンバルデリBOE副総裁、マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、テイラー英MPC委員、議会証言
○22:30 ◎ 10月カナダ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比1.9%)
○22:30 ◎ 10月米住宅着工件数(予想:133.5万件、前月比▲1.4%)
◎ 建設許可件数(予想:143.5万件、前月比0.7%)
○20日03:10 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、講演
○20カ国・地域(G20)首脳会議(ブラジル・リオデジャネイロ、最終日)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38310 +50 (+0.13%)
TOPIX先物 2705.5 +11.5 (+0.42%)
シカゴ日経平均先物 38340 +80
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
18日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。このところ市場予想を上回る米経済指標の発表が相次ぎ、米連邦準備理事会(FRB)が12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを見送るとの観測が高まっており、米長期金利の高止まりが警戒された。また、次世代の人工知能(AI)向け半導体「ブラックウェル」に過熱問題が生じたと伝わり、投入遅延が懸念されたエヌビディア<NVDA>が売られた。一方、トランプ次期政権が自動運転の規制緩和を模索しているとの報道を受けてテスラ<TSLA>が買われており、S&P500指数、ナスダック指数を押し上げる形になった。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比80円高の3万8340円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比70円安の3万8190円で始まり、その後は緩やかな調整トレンドを描き、3万8140円まで売られた。ただし、米国市場の取引開始後に上昇に転じると、一時3万8530円まで買われた。買い一巡後は終盤にかけて持ち高調整により軟化したが、3万8310円とプラス圏をキープしてナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションでは200日移動平均線(3万8290円)を下回って始まったが、その後は同線を挟んでの推移となった。200日線水準での底堅さがみられるようだと、ややロング優勢のなかで前日の下落分を埋めに行く動きが期待されそうだ。また、ボリンジャーバンドの-1σが3万8330円辺りで推移しているため、同水準を明確に上回ってくると、25日線(3万8870円)辺りが次第にターゲットとして意識されよう。
もっとも、S&P500指数、ナスダック指数の上昇はテスラのインパクトが大きく、アップル<AAPL>やマイクロソフト<MSFT>など大型テック株の一角も買われているものの、エヌビディアの弱い値動きが指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷になる。20日のエヌビディアの決算を通過するまでは積極的なロングは手控えられよう。
そのため、200日線を挟んだ3万8000円から3万8500円のレンジを想定し、まずは200日線、+1σ水準での底堅さを見極めたい。支持線として意識されるようだと、オプション権利行使価格の3万8375円から3万8875円のレンジになりそうだ。
また、トランプ氏のメディア企業であるトランプ・メディア&テクノロジー<DJT>は、暗号通貨取引企業のバックト<BKKT>の買収に向けて最終段階の交渉を行っていると伝わった。トランプ・メディアの株価は16%を超える上昇だった。テスラの上昇もトランプ次期政権の政策に絡んだ要因であり、引き続き閣僚人事や政策など次期政権の政策に関連する動きに振られやすい需給状況であろう。
18日の米VIX指数は15.58(前日は16.14)に低下した。不安心理が高まった状態を示す20.00を下回っている状況であるほか、再び200日線(15.85)を割り込んできたことで、リスク選好に傾きやすいと考えられる。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.20倍に低下した。一時14.16倍まで下げており、75日・200日線(14.29倍)を明確に下放れてきた。ナスダック指数の上昇によりハイテク株の一角には買いが先行するとみられ、若干ながらNTショートを巻き戻す動きが入りそうだ。ただし、75日・200日線が抵抗線として機能する可能性もあるため、戻りの場面では新たなNTショートの動きもありそうだ。
18日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、トランプ次期政権の政策によりインフレ再燃が懸念され、FRBによる早期利下げ観測が後退していることで155.36円まで上昇。しかしながらその後、米長期金利の低下を受けて154.57円付近まで下押しした。ユーロドルは米10年債利回りが4.40%台まで低下したことで1.0607ドルまで上昇した。ユーロ円は163.98円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米長期金利の低下で上値が重い展開が予想される。もっとも、FRBの早期利下げ観測が後退したことや日銀の追加利上げ時期が不透明になったことで、下値は限定的だと思われる。注目水準としては、攻防の分岐点である一目均衡表・転換線の154.45円、一目均衡表・基準線の152.80円や200日移動平均線の151.88円などが挙げられる。
今後は、パウエルFRB議長が「経済が弱まれば利下げの余地は大きい」とも述べていたことから、12月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて、12月6日に発表される米11月雇用統計に要注目となる。また、植田日銀総裁も「12月会合では追加のデータなどを基に適切に政策判断」とも述べていたことから、12月18-19日の日銀金融政策決定会合に向けて、22日に発表される10月の全国消費者物価指数(CPI)などに注目することになる。
植田日銀総裁は、昨日の講演で金融緩和の度合いを少しずつ調整していくことは、「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していくことに資するとの見解を示した。さらに、「金融緩和の度合いの調整を実際にどのようなタイミングで進めていくかは、あくまで、先行きの経済・物価・金融情勢次第だ」と述べた。
記者会見で12月会合での利上げの可能性を問われたが、「その時点で適切な判断をする」と述べるに留まり、追加利上げ時期については具体的な言及はなかった。
タカ派的な見解としては、実質金利が低水準にある中で、見通しに応じて緩和調整をしなければ「どこかでインフレ率が急に加速し、急速な金利の引き上げを迫られるという可能性もゼロではない」との指摘が挙げられる。さらに、利上げした7月会合以降の経済・物価は想定通りであり、時期が遅れて後手に回る「ビハインド・ザ・カーブに陥らないように適切に政策判断する」との指摘も挙げられる。
また、円安の影響に関しては、その背後にある経済要因を含めて見通しやリスクへの影響を分析して「各会合で判断していく」と語った。現状のドル円の155円付近の水準は、「輸入物価は再び上昇に転じており、先行き、物価が上振れするリスクには注意する必要がある」と指摘した7月31日の利上げ時の水準(※高値153.88円)を上回っている。植田日銀総裁が「第1の力」として注視している輸入物価指数の10月分は、前月比3.0%上昇と、22年9月(5.3%上昇)以来の高い伸びを記録していた。
9時30分に発表される11月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨では、声明文でのタカ派的な見解「基調インフレは依然として高すぎる」を確認しながら、金融緩和に転じる時期を見極めることになる。
日経225先物は11時30分時点、前日比170円高の3万8430円(+0.44%)前後で推移。寄り付きは3万8330円と、シカゴ先物清算値(3万8340円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。開始直後に3万8240円と下落に転じる場面もみられたが、その後はロング優勢のなか、現物の寄り付き後ほどなくして3万8520円まで上げ幅を広げた。ナイトセッションで付けた高値(3万8530円)は超えられず、中盤にかけては前日比変わらずの水準まで軟化したものの、200日移動平均線(3万8290円)近辺での底堅さが意識された。終盤にかけて買い戻されており、3万8400円辺りで推移している。
日経225先物は寄り付き直後にショートの動きはあったが、200日線を下回る局面では押し目待ち狙いのロングも入りやすいようだ。節目の3万8500円水準ではショートが入りやすいだろうが、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8340円)を上回っての推移が続くようだと、ショートカバーを誘う動きに向かわせる可能性はありそうだ。指数インパクトの大きいアドバンテスト <6857.T> [東証P]が日経平均型を牽引する一方で、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]は辛うじてプラス圏で推移している状況であり、手掛けづらさはある。
NT倍率は先物中心限月で14.20倍と横ばいで推移している。一時14.15倍まで下げており、戻りの局面においては、NTショート組成に向かわせそうだ。
モルガン・スタンレーは最新リポートで、中国の2025年の実質国内総生産(GDP)成長率が4%にとどまり、26年には3.9%まで減速する可能性があるとの予測を明らかにした。消費刺激策が不十分な上に米国の関税が脅威となり、中国は根深いデフレーションに直面するとみている。『信報』が18日伝えた。
モルスタは、仮に米国が中国製品に対する実効関税を25年に15%引き上げ、26年にさらに10%引き上げた場合、輸出と製造業資本的支出が成長の主力エンジンから足かせに変わるとした。その影響は中国政府の規制緩和によって一部相殺され、インフラ設備投資や公共消費の力強い成長につながるとした。一方、民間消費は減速する見通し。投資中心の政策パッケージの下で、政策支援を受ける消費分野がより高い成長を実現する半面、他の支出を圧迫する可能性があるとの見方を示した。
モルスタは、米国が早ければ25年4-6月期に全面関税計画を前倒しで発表し、25年から26年にかけて段階的に実施する可能性があるとみている。こうした動きが市場センチメントに影響を与え、今後1-2四半期の間に人民元相場が先行して下落しかねないとした。2018-19年と比べ、中国人民銀行(中央銀行)は関税の影響を緩和するため積極的に人民元安を誘導しないとみられ、25年末には1米ドル=7.6元、26年末には7.75元に落ち込むとの予想を明らかにした。
先週までのトランプトレードに対する盛り上がりは収束し、ドル円は一旦は様子見となっているところですが、週明けの海外市場では目立った材料もないなか、米長期金利の動向に左右される方向感のない動きに終始することになりました。ドル円は欧州時間に154.30円まで下押した後、米10年債利回りが4.4888%まで上昇するにつれて155.36円まで買戻されたものの、NY時間に入ってからは米10年債利回りが4.4060%まで一転して低下すると154.57円まで下押しして取引を終えました。
アジア時間に入ってからはクロス円中心に戻り売りが持ち込まれると153.98円まで下落。その後は154.24円まで買戻されたものの、再び153.96円まで値を下げるなど、引き続き「何もないなかでのあまり意志の感じられない相場」展開となっているといったところです。目先は先週末から3日続けて153円台後半でトリプルボトムとなるのかどうかを見極めることになりますが、市場では「一目転換線の位置する154.45円付近が終値ベースで意識されている」なか、米長期金利の動向に左右される動きとなっていきそうです。
いずれにしても、日米の金融政策の現状を鑑みれば、米国はパウエルFRB議長の講演からもわかるように、「急いで利下げする必要性がない」状況となっている一方、日本でも昨日の植田日銀総裁の挨拶からは「差し迫って年内に追加利上げするような環境でもない」こともまた明らか。金融政策の方向性や時間軸、またはそのスピード感といったものを感じながらの展開となっています。
「インフレ率を目標値付近で確実に維持する必要があるため、あまりに急激な、あるいは大幅な利下げはできない。しかし、経済がわれわれの予想通りに推移すれば、金利はここから緩やかに低下し続ける公算が大きい」(ベイリーBOE総裁)
1.イングランド銀行金融政策委員会(MPC)
MPCの9名の委員の棲み分けは、タカ派3名、中立派3名、ハト派3名に分類できると思われる。
【MPC】 【8月1日】【9月18日】【11月7日】
■ハト派
・ベイリーBOE総裁: 5.00% 5.00% 4.75%
・ラムスデンBOE副総裁: 5.00% 5.00% 4.75%
・ディングラMPC委員: 5.00% 4.75% 4.75%
■中立派
・ロンバルデリBOE副総裁: 5.00% 5.00% 4.75%
・ブリーデンBOE副総裁: 5.00% 5.00% 4.75%
・テイラーMPC委員: 5.00% 4.75%
■タカ派
・マンMPC委員: 5.25% 5.00% 5.00%
・ピルMPC委員: 5.25% 5.00% 4.75%
・グリーンMPC委員: 5.25% 5.00% 4.75%
2.8月1日MPC(5対4)
イングランド銀行は、政策金利を5.25%から5.00%に引き下げた。
利下げに賛成した5人は「インフレが持続するリスクの緩和に一定の進展があった」との考えだった。ただ、このうちの一部委員にとってインフレの根強さは「まだ決定的には解消されていない」ため、今回の決定は「微妙なバランス」に基づくものだったという。
利下げに反対した4人は、基調的なインフレが予想より根強く、成長率も予想以上であることを理由に挙げた。
3.9月18日MPC(8対1)
政策金利を5.00%に据え置いた。ディングラMPC委員が4.75%への追加利下げを主張した。
■3つのシナリオ
1)インフレ率を上昇させた世界的なショックの解消と、その結果としてヘッドラインインフレ率が賃金や価格設定の動きを弱めるよう波及しつづける
2)賃金や価格設定の動きが完全に正常化するため、GDPが潜在量を下回り、労働市場がさらに緩和する経済が弛む(slack)の期間が必要となる
3)ここ数年で経験した主要な供給ショックの後に、経済が賃金や価格設定といった構造的な変化の影響を受けている可能性がある
4.11月7日MPC(8対1)
政策金利を4.75%に引き下げた。マンMPC委員が5.00%での据え置きを主張した。
声明では、金融緩和の加速を示唆することは控え、政府の予算案(700億ポンド規模の歳出を計画)がインフレ率を最大で0.5ポイント押し上げて、25年7-9月にインフレ率が2.8%に達すると推計した。ベイリーBOE総裁は、予算はBOEの利下げパスに大きな影響を与えないだろう、と述べた。
本日のロンドン為替市場でユーロドルは、欧州金融政策に対する思惑で上下する展開は変わらず。本日も複数の欧州金融当局者の講演が予定されている。経済指標は10月ユーロ圏のインフレ指標が発表されるが、こちらは改定値。またポンドは、ベイリー英中銀(BOE)総裁を始めとする英中銀金融政策委員会(MPC)委員の議会証言が注目される。
昨日のユーロドルは一時1.06ドル台まで反発した。1.05ドル前半で下げ渋ったことで持ち高調整が出やすかったところに、米長期金利が低下したことに後押しされた。欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーたちの講演も特段のサプライズは無かった。
本日は欧州序盤に、エルダーソンECB専務理事とミュラー・エストニア中銀総裁が発言する。引き続き12月会合における追加利下げの可能性や、来年以降の緩和ペースについてのヒントを探ることになる。昨日の値動きを見る限り、ハト派的な見解であっても極端でなければユーロ売り圧力は強まり難いかもしれない。
本日発表される10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)は改定値。同月速報値は前年比2.0%と、9月分からの加速予想を更に0.1ポイント上回った。ただし、前回の改定値では速報値から鈍化していたこともあり、今回も結果は気にかけておきたい。ECBインフレ目標値2.0%からの上下振れに沿った動きを、ユーロ相場は一先ず見せるのではないか。
日本時間19時から予定されている英議会証言は、BOEのベイリー総裁とロンバルデリ副総裁、またマンMPC委員やテイラー同委員らが行う予定。やはり、英金融政策を引っ張るベイリー総裁の発言内容が最も注目される。今後の金利動向について、どの程度まで突っ込んだ内容となるかがポイント。また、利下げを決定した前回MPCで唯一「据え置き」を主張したマン委員と他委員との乖離度合いも注視したい。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0661ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・転換線1.2803ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、14日安値1.0497ドル
・ポンドドル、15日安値1.2597ドル
ドル円:1ドル=154.42円(前営業日NY終値比▲0.24円)
ユーロ円:1ユーロ=163.44円(▲0.49円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0583ドル(▲0.0015ドル)
日経平均株価:38414.43円(前営業日比△193.58円)
東証株価指数(TOPIX):2710.03(△18.27)
債券先物12月物:142.89円(△0.04円)
新発10年物国債利回り:1.060%(▲0.010%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.31600%(△0.02700%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は下げ渋り。前日のNY時間からの流れを引き継いで売りが先行した。加藤財務相が「為替動向、行き過ぎた動きには適切な対応を取る」「非常に緊迫感を持って為替の動きを見守っている」などの見解を示したことも相場の重しとなり、一時153.96円まで下押し。もっとも、昨日安値の153.84円が目先のサポートとして意識されると下げ渋り、その後は154.50円台まで下値を切り上げた。
・ユーロ円も下げ渋り。ドル円と同様に売りに押される展開となって一時163.12円まで下落する場面があったものの、その後はいったん下げ止まった。
・ユーロドルは小安い。1.0590ドル台を中心とする狭いレンジ内でのもみ合いとなったが、昨日高値の1.0607ドル手前で上値の重さを確認すると1.0583ドルまでやや値を下げた。
・日経平均株価は反発。昨日の米国株式市場でハイテク株が上昇したことを受け、この日の東京市場でも半導体関連株に買いが入った。いったんは利益確定売りに押されて上げ幅を縮める場面もあったが、指数は後場に入って340円近く上昇するなど総じて底堅く推移した。
・債券先物相場は小幅続伸。昨日の米国債券相場が上昇した流れと引き継いで142円97銭まで買いが入ったが、日銀の追加利上げ観測が相場の重しとなり、上値も限られた。
国際通貨基金(IMF)は報復的な関税が特にアジア地域の経済見通しを損なう可能性があると警告した。トランプ次期大統領の中国製品への60%関税案や、EUの中国製電気自動車への関税引き上げなどが世界貿易を妨げ、輸出国の成長を阻害しインフレを引き起こす恐れがあるとのこと。IMFは世界経済の成長率を2024年と2025年ともに3.2%と予測しているが、アジアはそれを上回る4.6%と4.4%の成長が見込まれている。しかし、貿易摩擦の激化や先進国の金融政策の不確実性がアジアの経済に影響を与える可能性があると指摘している。
大阪12月限
日経225先物 38420 +160 (+0.41%)
TOPIX先物 2712.0 +18.0 (+0.66%)
日経225先物(12月限)は前日比160円高の3万8420円で取引を終了。寄り付きは3万8330円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8340円)にサヤ寄せする形で、買いが先行した。開始直後に3万8240円と下落に転じる場面もみられたが、その後はロング優勢となり、現物の寄り付き後ほどなくして3万8520円まで上げ幅を広げた。ナイトセッションで付けた高値(3万8530円)は超えられず、前場中盤にかけて前日比変わらずの水準まで軟化したものの、200日移動平均線(3万8290円)近辺での底堅さが意識された。
ランチタイムで再び3万8500円を回復し、後場中盤には3万8580円まで買われる場面もあった。ただし、前日の高値水準に接近する局面では利益確定でロング解消も入りやすく、終盤にかけては3万8350円~3万8450円処の狭いレンジでの推移が続いた。
日経225先物は寄り付き直後にショートの動きはあったが、200日線を下回る局面では押し目待ち狙いのロングも入りやすいようだ。節目の3万8500円水準では上値の重さがみられたが、一方で下値はボリンジャーバンドの-1σ(3万8340円)、200日線水準での底堅さが意識された。後場は-1σを上回っての推移が続いたこともあり、短期的なショートも仕掛けづらかっただろう。
米国の時間外取引では、スーパー・マイクロ・コンピューター<SMCI>が40%近く上昇していた。会計不正を巡る不透明感が払拭されるとの期待から買われたようだが、同社の上昇がハイテク株の一角に対する支援材料になったようだ。しかし、20日にエヌビディア<NVDA>の決算を控えて、積極的な売買は手控えられた形だろう。
また、本日は指数インパクトの大きいアドバンテスト <6857.T> [東証P]が日経平均型を牽引した半面、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]は小幅な上昇だったほか、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、レーザーテック <6920.T> [東証P]が軟調だったこともあり、方向感をつかみづらくさせていた。
日経225先物は200日線が支持線として意識されるなか、オプション権利行使価格の3万8250円から3万8500円辺りのレンジ推移が期待されそうである。米国市場がエヌビディアの決算期待からショートカバーの動きをみせてくるようだと、節目の3万8500円を上回ってくる可能性はあるだろう。低迷する半導体株などはいったん持ち高調整によるカバーが入るようだと、日経平均型の底堅さにつながりそうだ。一方で、ショートの動きが強まる局面では、日経225先物は再び75日線(3万7790円)辺りが射程に入ってくる。
NT倍率は先物中心限月で14.16倍に低下した。一時14.23倍と上昇に転じる場面もみられたが、その後は14.13倍に低下する動きもあった。エヌビディアの決算前にリバランスが入る可能性はあるものの、トランプ次期政権による対中関税の引き上げや規制強化が警戒されて、NTロングに転換しづらいところであろう。NTショートに振れやすい需給のなか、9月に付けた13.93倍辺りが意識されてきそうである。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万1752枚、ソシエテジェネラル証券が8378枚、サスケハナ・ホンコンが3300枚、バークレイズ証券が1706枚、JPモルガン証券が1611枚、SBI証券が1604枚、楽天証券が1198枚、ゴールドマン証券が1009枚、auカブコム証券が760枚、みずほ証券が632枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万6152枚、ソシエテジェネラル証券が1万4291枚、バークレイズ証券が3816枚、ビーオブエー証券が3542枚、モルガンMUFG証券が3469枚、JPモルガン証券が3242枚、サスケハナ・ホンコンが2444枚、みずほ証券が2330枚、ゴールドマン証券が1722枚、野村証券が1469枚だった。
本日の欧州時間は欧米長期金利が急低下し、市場流動性が悪いこともありドル円は153.29円まで急落した。ウクライナが射程の長いミサイルATACMSを使用してロシア領内を攻撃したこと、これに対する報復措置としてロシアが核攻撃を示唆していることで、安全資産とされる債券に買いが集まっている。
ただ、NY時間のドル円は引き続き神経質な値動きとなるだろうが、このままドル売りトレンドが継続するかの判断は難しそうだ。ウクライナとロシアの緊張感が大幅に増していることで、リスク回避の動きは円買いに動きやすい。しかしながら、両国の緊張がこれ以上高まらなければ、トランプトレードやパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がこれまでよりも利下げに対する消極的なスタンスを先週見せて以来の「ドル買いトレンド」が再開する可能性もある。円買い・ドル買いの両面でのリスクが大きいことで、他通貨と比較し円がらみの取引はNY時間も激しくなることが予想される。
なお、本日は米国からは住宅指標が発表される程度で、週後半21日には雇用指標(前週分の米新規失業保険申請件数と失業保険継続受給者数)、22日には11月の各種購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表されるなど、市場の注目度が高い経済指標が週後半に集中している(なお、20日には半導体大手エヌビディアの決算も発表予定)。今回のドル売りで積極的にリスク回避の動きになるか、ポジション調整の域に収まるかは、これらの週後半の米経済指標などを含めて判断する必要がありそうだ。
また、この数日は米メディアが取り上げられている話題の中心は、第2次トランプ政権の次期財務長官に誰が指名されるかになっている。カンター・フィッツジェラルドのCEOハワード・ラトニック氏、投資家のスコット・ベセント氏、元FRB理事のケビン・ウォーシュ氏、資産家のマーク・ローワン氏、テネシー州選出の共和党上院議員ビル・ハガティ氏などの名前が挙がっている。ラトニック氏やベセント氏は兼ねてから高関税の導入を支持していることもあり、両氏のいずれかが指名された場合は再びトランプトレードに戻る可能性もありそうだ。
米国の経済指標は注目度の高いものは発表されないが、本日はカナダから10月の消費者物価指数(CPI)が発表されることで、カナダドルの値動きには要注目。9月分のCPIは1.6%増まで鈍化し、2021年2月以来の低い伸び率を記録した。この影響もあり、カナダ中銀は先月50ベーシスポイント(bp)の利下げを決定した。今回発表されるCPIは、12月の中銀会合を前にした最後のインフレ指標発表になることで、先月同様に弱い結果となった場合は2会合連続で50bpの利下げに傾く可能性もありそうだ。なお、市場予想は前年比1.9%増、トリム値は2.4%増となり、現時点では25bpの利下げが織り込まれている。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、これまでの本日高値154.67円。その上は18日高値155.36円。
カナダドル円の上値めどは、本日高値で日足一目均衡表・転換線も位置する110.39円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、これまでの本日安値153.29円。その下は日足一目均衡表・基準線152.80円。
カナダドル円の下値めどは、15日安値109.26円。その下は90日移動平均線108.32円。
今晩は小売株の決算発表に注目。昨日は新型人工知能(AI)半導体「ブラックウェル」のオーバーヒート問題でエヌビディアが下落し、ダウ平均が55.39ドル安(-0.13%)と小幅に3営業日続落した一方、先週に2.08%安となったS&P500が0.39%高と3営業日ぶりに反発し、先週3.15%下落したナスダック総合も0.60%高と5営業日ぶりに反発した。投資家の不安心理を示すVIX指数は先週末の16.14ポイントから15.58ポイントに低下と、センチメントはやや改善した。
今晩の取引では足もとの消費動向を巡り小売株の決算発表に注目する展開か。今週は水曜日引け後のエヌビディアの8-10月期決算や新型AI半導体の受注見通しなどのガイダンスが最大の注目点となるが、今晩は寄り前に総合小売りのウォルマートやホームセンターのロウズが決算を発表する。足もとでは米国経済のソフトランディング期待が高まっており、小売株の決算やガイダンスから景気動向を探る展開となりそうだ。経済指標では10月住宅着工件数、10月建設許可件数が発表され、住宅関連指標にも要注目か。
今晩の米経済指標・イベントは10月住宅着工件数、10月建設許可件数のほか、シュミッド米カンザスシティー連銀総裁の講演など。企業決算は寄り前にウォルマート、ロウズ、メドトロニック、引け後にキーサイト・テクノロジーズなどが発表予定。
日経平均株価は反発。6日ぶりに陽線を形成して終えた。終日狭いレンジの取引となり、下向きの5日移動平均線(38507円 11/19)や200日移動平均線(38550円 同)に上値を抑えられる展開となった。
RSI(9日)は前日の45.4%→22.9%(11/19)に低下。一目均衡表の雲上限を前に踏みとどまった格好だが、TOPIXに続いてあすは5日移動平均線上を回復できるかどうか。11/1安値(37946円)を前に反発に転じることができれば値崩れ感は生じないが、5日移動平均線に加え、25日移動平均線(38828円 同)などが目先の抵抗となりやすく、調整が長引く要因となる。
依然として10月からのもみ合いの範ちゅうであり、当面は10/16の下げで開けたマド埋め(39910円)を通過点に4万円突破へ勢いづくかが焦点となる。8月安値(31156円)を起点とした上昇局面では高値圏を保っており、一段高となる前の揺り戻しが続いていると判断したい。
上値メドは、25日移動平均線や心理的節目の39500円、11/7高値(39884円)、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円などがある。下値メドは、心理的節目の38000円や75日移動平均線(37909円 同)、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
米トランプ次期政権に対峙するメキシコを格付機関はどうみてる?
シェインバウム政権が現実路線を維持し、米国との通商問題を穏便に収束できるかに掛かっている
メキシコ中銀は14日の定例会合で3会合連続の利下げを決定し、3月以降に累計100bpの利下げに動いている。先行きについても追加利下げを示唆しており、中銀は「ハト派」に傾いていると捉えられる。他方、実質金利のプラス幅の大きさなど投資妙味は依然高いが、米大統領選でのトランプ氏勝利を受けてペソ相場は調整の動きを強めている。司法改革による三権分立の形骸化も財政運営を巡るリスクになるとの懸念が高まっている。こうしたなか、主要格付機関のうちムーディーズは財政運営を警戒して将来的な格下げの可能性に言及する一方、S&Pグローバルは格上げも格下げもあり得ると中立的な見方を示す。なお、政府が議会に上程した来年度予算案では財政赤字幅の縮小を見込むが、その前提は楽観に過ぎるなど実現のハードルは高いのが実情と捉えられる。シェインバウム政権が現実的な政策運営を堅持し、米トランプ次期政権と通商問題を穏便に収束させられるか、現時点でメキシコ経済と政治を見定めることは難しい。
(19日終値:20日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.73円(19日15時時点比△0.31円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.70円(△0.26円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0579ドル(▲0.0004ドル)
FTSE100種総合株価指数:8099.02(前営業日比▲10.30)
ドイツ株式指数(DAX):19060.31(▲128.88)
10年物英国債利回り:4.442%(▲0.023%)
10年物独国債利回り:2.338%(▲0.035%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月ユーロ圏経常収支
季調済 370億ユーロの黒字 354億ユーロの黒字・改
10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
(前年比) 2.0% 2.0%
10月ユーロ圏HICPコア改定値
(前年比) 2.7% 2.7%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。ロシアのプーチン大統領が核ドクトリンの改定を承認し、核兵器の使用基準を緩和したと伝わると、リスク・オフの円買い・ドル売りが先行。日本時間夕刻に一時153.29円と日通し安値を付けた。
ただ、一目均衡表基準線が位置する152.80円付近が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。ラブロフ露外相が「ロシアの核ドクトリンは米国のものと変わらない」「核戦争を起こさないことがロシアの立場」と述べたことも相場を下支えした。なお、「米政府はロシアの核ドクトリン改定に反応しない方針を示唆した」との報道も伝わった。
その後、国際原子力機関(IAEA)が「イランは核兵器級に近いウランの生産停止に合意」「イランと核施設への査察官受け入れについて合意」と発表すると、さらに買い戻しが進み154.80円の日通し高値まで持ち直した。
・ユーロドルは底堅い動き。ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの警戒感が高まるとリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが先行。18時30分前に一時1.0524ドルと日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、0時30分過ぎには1.0601ドルとアジア時間に付けた日通し高値に面合わせした。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入った。
・ユーロ円は持ち直した。ウクライナとロシアを巡る地政学リスクの高まりから、日本時間夕刻に一時161.50円と10月4日以来の安値を付けたものの、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げる展開に。一時は450ドル超下落したダウ平均が80ドル安程度まで下落幅を縮小したほか、ナスダック総合が上昇へ転じるなど、米国株相場が底堅く推移したことも買い戻しを誘った。3時前には163.75円付近まで値を上げた。
・ロンドン株式相場は小反落。続伸して始まったものの、ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの警戒感が高まるとリスク回避の売りが優勢となり下げに転じた。BPやシェルなどエネルギー株が売られたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は3日続落。ロシアが核兵器の使用条件を示した核ドクトリン(核抑止力の国家政策方針)を改定したと伝わると、投資家が運用リスクを避ける動きを強め、欧州株全般に売りが広がった。個別ではシーメンス(3.35%安)やインフィニオン・テクノロジーズ(2.15%安)、ポルシェ(2.08%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの警戒感から、相対的に安全資産とされる独国債が買われた。
19日の日経平均は反発。終値は193円高の38414円。まちまちの米国株を受けても3桁上昇スタート。場中はプラス圏をキープし続けたものの、方向感に欠ける動きが続いた。開始早々に上げ幅を200円超に広げるも、節目の38500円を上回ると上値が重くなって失速。上げ幅を2桁に縮めて10時過ぎには前日終値に接近したが、そこではマイナス圏入りを回避して持ち直した。後場は前引けから水準を切り上げて始まり、13時台半ばには上げ幅を300円超に拡大。ただ、38500円より上は定着せず、14時台に入ると値を消した。結局、寄り付き(38396円)をやや上回る程度で取引を終了。新興銘柄の動きが良く、グロース250指数が1.9%高と相対的に強い動きを見せた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆8000億円。業種別では非鉄金属、銀行、保険などが上昇した一方、サービス、電気・ガス、パルプ・紙などが下落した。一部メディアでソニーグループ<6758.T>が買収に向けて協議しているとの観測が報じられたKADOKAWA<9468.T>が、後場に買いを集めてストップ高。半面、KADOKAWA傘下企業と人気ゲームを共同開発しているバンダイナムコホールディングス<7832.T>が、後場に入って大きく崩れた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1080/値下がり502。アドバンテストが全市場の売買代金トップとなって3.7%高。フジクラが7.2%高と人気化した。三井住友やみずほなど銀行株の動きが良く、円安に一服感が出てくる中でもトヨタやホンダなど自動車株に資金が向かった。中期経営計画の財務指標目標を上方修正したアシックスが大幅上昇。「すき家」の一部商品値上げ発表や証券会社による目標株価引き上げが好感されたゼンショーHDが急伸した。
一方、レーザーテック、ソフトバンクG、リクルートなどグロース株の一角が軟調。日立、NEC、富士通など電機株が売りに押された。原油価格上昇が重荷となり、関西電力や北海道電力など電力株の多くが下落。独禁法違反疑いで公正取引委員会が警告を出す方針と伝わったイトーキが大幅安となった。
日経平均は反発。ローソク足では6日ぶりに陽線を形成した。実体部分は短く、引けまでどちらに転ぶか微妙ではあったが、それだけに価値のある陽線と言える。とはいえ、きのう18日に422円下げていることを踏まえると、反発力は鈍かった。節目の38500円付近には5日線(38507円、19日時点)が位置しているが、これらを超えてくると上値が抑えられた。
エヌビディアの決算を消化するのは木曜21日で、あすも基本的には様子見ムードの強い地合いが想定される。米国では本日、ウォルマートが決算を発表予定。決算反応が良ければ、米国の年末商戦に対する期待が高まる。その場合、米国株は下がりづらくなるであろうから、日本株にもプラスの影響が見込まれる。失望決算ならその逆となるが、どちらにしても小売株には大きな動きが出てくる可能性がある。
一部通信社が報じたところによると、「米政府はロシアの核ドクトリン改定に反応しない方針を示唆した」ようだ。
中国の国家発展改革委員会が19日午前に開いた月例記者会見で、政策研究室副主任を務める李超報道官は、消費財買い替え促進と大規模設備更新の「両新」政策の増強方針を明らかにした。政策を推し進めた効果を検証し、良好な経験やノウハウを総括した上で継続実施していくとした。さらに、今後の継続的な支援増強と支援範囲拡大の政策を検討し、関連手続きを経て適切な時期に公表すると述べた。『証券時報網』が同日伝えた。
「両新」政策は国務院(内閣に相当)が今年3月、「行動方案」として各部局や地方政府に通知した。李報道官は消費財買い替えについて「自動車、家電、家具を3大主要製品カテゴリーとして、1500億元規模の超長期特別国債で調達した資金の各地方での活用を推し進め、より高品質、よりスマート、より環境に優しい製品に対する消費者の需要を支援しいる」と説明した。具体的には、家電には最大20%の補助、自動車には最大2万元の補助を提供する。家具では多くの地域で高齢者向け改造を支援している。
設備更新政策については「工業、農業、建築、教育、交通、文化・観光、医療の7つを重点分野として1500億元の超長期特別国債資金を直接プロジェクトに割り当てる。同時にエネルギー消費や汚染物質排出に関する112項目の基準を発表し、企業の技術更新、デジタル化、グリーン転換を支援する」と述べた。
国際原子力機関(IAEA)は19日、「イランは核兵器級に近いウランの生産停止に合意した」と発表した。また、イランと核施設への査察官受け入れについて合意したと明らかにした。
(19日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.66円(前営業日比横ばい)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.86円(▲0.07円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0596ドル(▲0.0002ドル)
ダウ工業株30種平均:43268.94ドル(▲120.66ドル)
ナスダック総合株価指数:18987.47(△195.66)
10年物米国債利回り:4.40%(▲0.01%)
WTI原油先物12月限:1バレル=69.39ドル(△0.23ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2631.0ドル(△16.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月米住宅着工件数
131.1万件 135.3万件・改
建設許可件数
141.6万件 142.5万件・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は横ばい。ロシアが核兵器を使用するための条件を示した「核抑止力の国家政策指針」(核ドクトリン)を改定したと伝わったほか、ウクライナは米国から供与された長距離地対地ミサイルを使ってロシアの軍事施設を攻撃したと報じられた。ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの警戒感が高まるとリスク回避の円買いが強まり、日本時間夕刻に一時153.29円と日通し安値を付けた。
ただ、NY市場に入ると買い戻しが優勢となった。ラブロフ露外相が「核戦争が起きないというのがロシアの立場だ」と発言したのを受けて、投資家の過度なリスク回避姿勢が後退した。
その後、国際原子力機関(IAEA)が「イランは核兵器級に近いウランの生産停止に合意」「イランと核施設への査察官受け入れについて合意」と発表すると、さらに買い戻しが強まり、3時過ぎには154.80円と日通し高値を更新した。
・ユーロドルは3日ぶりに小反落。ロシアとウクライナを巡る一連の報道をきっかけにリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが強まると、日本時間夕刻に一時1.0524ドルと日通し安値を付けた。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、0時30分過ぎには1.0601ドルとアジア時間に付けた日通し高値に面合わせした。
・ユーロ円も小反落。ウクライナとロシアを巡る地政学リスクの高まりから、日本時間夕刻に一時161.50円と10月4日以来の安値を付けたものの、NYの取引時間帯に入ると一転上昇した。一時は450ドル超下落したダウ平均が8ドル安程度まで下落幅を縮小したほか、ナスダック総合が上昇へ転じるなど、米国株相場が底堅く推移したことが買い戻しを誘った。6時前には一時163.93円付近まで持ち直した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落。ウクライナとロシアを巡る地政学リスクの高まりを背景に売りが先行すると一時450ドル超下げた。ただ、ラブロフ露外相が「核戦争が起きないというのがロシアの立場だ」と発言したことから、リスク回避の動きは続かず下げ渋った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。ロシアとウクライナを巡る情勢の緊張感から相対的に安全資産とされる米国債が買われたものの、ラブロフ露外相が「核戦争が起きないというのがロシアの立場だ」と発言したことから、リスク回避の動きは続かなかった。
・原油先物相場は小幅に続伸。ロシアのプーチン大統領が核ドクトリンの改定を承認し、核兵器の使用基準を緩和したと伝わると地政学リスクの高まりによる原油供給の停滞を見越した買いが先行。しかしラブロフ露外相が「ロシアの核ドクトリンは米国のものと変わらない」「核戦争を起こさないことがロシアの立場」と述べたほか、IAEAが「イランは核兵器級に近いウランの生産停止に合意」「イランと核施設への査察官受け入れについて合意」との発表も続き、買いの動きは落ち着いた。
・金先物相場は続伸。ドルは対ユーロなどで重い動きが続き、ドルインデックスの戻りも鈍いなどさえない推移。ドル建て金相場の割安感が意識されやすく、11日以来の水準2643ドル台まで一時上昇した
19日05:51 ブイチッチ・クロアチア中銀総裁
「インフレが下振れするリスクが高まっている」
19日11:09 加藤財務相
「急激な為替変動には適切に対応」
「為替動向、行き過ぎた動きには適切な対応を取る」
「非常に緊迫感を持って為替の動きを見守っている」
「為替は9月末以降急激な動きがみられる」
「為替に対するスタンスは従来から全く変化はない」
19日16:57 農林中金理事長
「今期の損失は1.5兆円から2兆円」
19日19:16 パネッタ伊中銀総裁
「ユーロ圏の経済活動は依然として弱く、苦境に立たされている」
「国内需要が弱いままならインフレ率は2%を大きく下回る可能性」
「ECBは中立的な金融政策スタンスに移行すべき、あるいは必要であれば拡張的政策もとるべき」
「おそらく中立金利にはまだまだ遠い」
「金融政策スタンスの公式説明における引き締めバイアスはもはや必要ない」
「ECBは『会合ごとの』データ依存アプローチではなく、より将来を見据えたコミュニケーションが必要」
19日19:29 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「インフレ率はBOEが利下げした際の予想より低い」
「サービスインフレは依然として目標と一致していない」
19日19:33 テイラー英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「段階的なペースでの利下げを継続しても問題ない」
「より正常なシナリオに移行している」
「段階的とは来年にかけて100ベーシスポイントを意味する」
19日19:37 マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「物価と賃金の将来指標は4カ月間横ばいで目標を上回っており、インフレ持続のリスクが高まっている」
「金融市場のインフレ予想は、BOEが予測期間内に持続的な2%のインフレ率を達成できないことを示唆」
「金利を据え置くことが重要であり、段階的な利下げ戦略を追求する必要はない」
「私は利下げについて段階的な表現は使わない」
「金融政策では積極的な戦略を希望」
「現在の金融政策の姿勢は特に制限的ではない」
「漸進主義はインフレの持続を長期化させる」
19日20:10 ミューラー・エストニア中銀総裁
「12月は25ベーシスポイントの利下げの可能性」
「今は大きなステップで動く理由はない」
19日22:49 ラブロフ露外相
「プーチン大統領はすでに警告を発している」
「ロシアの核ドクトリンは米国のものと変わらない」
「核戦争を起こさないことがロシアの立場」
20日04:13 シュミッド米カンザスシティー連銀総裁
「金利は依然としてやや制限的だが、過度ではない」
「インフレとの戦いはまだ終わっていない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 10月貿易統計(通関ベース、予想:季節調整前3604億円の赤字、季節調整済1467億円の赤字)
<海外>
○16:00 ◇ 10月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.2%)
○16:00 ◎ 10月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.5%/前年比2.2%)
○16:00 ◎ 10月英CPIコア指数(予想:前年比3.1%)
○16:00 ◇ 10月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.5%/前年比3.4%)
○17:00 ◎ 10月南アフリカCPI(予想:前月比0.2%/前年比3.1%)
○19:00 ◇ 10-12月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数
○19:00 ◇ 9月ユーロ圏建設支出
○20:00 ◇ 9月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比2.7%)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○24:00 ◎ バー米連邦準備理事会(FRB)副議長、議会証言
○21日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○21日01:00 ◎ ラムスデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○21日01:00 ◎ クックFRB理事、講演
○21日02:15 ◎ ボウマンFRB理事、講演
○21日03:00 ◎ デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○21日03:30 ◎ ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁、講演
○21日04:00 ◎ マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
○21日06:00 ◎ コリンズ米ボストン連銀総裁、講演
○ブラジル(黒人意識の日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
19日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ロンドン市場でロシアとウクライナを巡る地政学リスク回避の円買いで153.29円まで下落。もっともその後、ラブロフ露外相発言「核戦争が起きないというのがロシアの立場だ」を受けて154.80円まで反発した。ユーロドルは1.0524ドルから1.0601ドルまで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米長期金利の低下が上値を抑える中、ウクライナ情勢を巡る関連ヘッドラインに警戒していく展開が予想される。
ドル円は、プーチン露大統領が核ドクトリンの改定を承認し、核兵器の使用基準を緩和した、との報道で153.29円まで急落。しかしながら、ラブロフ露外相が「核戦争が起きないというのがロシアの立場だ」と発言したことで154円台後半まで反発している。17日にバイデン米政権が、ウクライナによるロシア領内への攻撃を巡り「米国製の長距離兵器の使用を許可した」と報じられたが、19日にはプーチン露大統領が核ドクトリンの改定を承認して、「核兵器の使用基準を緩和した」と報じられた。
ロシア与党「統一ロシア」のマリア・ブティナ議員は、「バイデン米大統領がウクライナに米国製兵器を使用してロシア領内を攻撃することを容認すれば、第3次世界大戦を引き起こすリスクがある」と警告していた。ロシアの「核抑止力の国家政策指針」(核ドクトリン)は、核兵器使用の条件として、通常兵器によってロシアが侵略され国家の存立が危機的になった時、としており、使用基準の緩和によりウクライナ戦争で戦術核が使用される可能性が高まりつつある。
今後もウクライナやロシア関連のヘッドラインには警戒しておきたい。
8時50分に発表される10月貿易統計(通関ベース、予想:季節調整前3604億円の赤字、季節調整済1467億円の赤字)では、日本の実需筋の円売り圧力を見極めることになる。
第2次トランプ米政権では、米国の製造業保護のために、輸入関税が引き上げられ(公約:中国60%、その他10-20%)、ドル安志向が警戒されているため、対米貿易黒字にも注視しておきたい。日本の1-9月の貿易赤字は4兆8738億円だが、対米貿易黒字は6兆1701億円となっており、米為替報告書で監視対象国に入っている要因となっている。
参考までに、新NISA稼働に伴う「家計の円売り」である投信の買い越し額は、1-10月で10兆1045億円に達しており、貿易赤字とともに、ドル円の下値を支える要因となっている。
なお、今年4月にトランプ氏は、ドル円が34年ぶりの高値圏となる154円台に上昇してきた時に、「米国の製造業にとって大惨事だ」とSNSに投稿していた。これまでの所、トランプ氏は、第1次トランプ米政権の時のようなSNSへの投稿は控え気味だが、4月の時のように、ドル高・円安への牽制発言が発せられた場合、トランプ・トレード(米国債売り・ドル買い)の巻き戻しを誘発することになる。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38290 -130 (-0.33%)
TOPIX先物 2701.5 -10.5 (-0.38%)
シカゴ日経平均先物 38275 -145
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
19日の米国市場は、NYダウ が下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。ウクライナとロシアを巡る地政学リスクの高まりが重荷となった。ウクライナ軍は米国が供与した長距離ミサイルでロシア西部の軍事施設を攻撃。これに対しロシアのプーチン大統領は核抑止力の国家政策指針(核ドクトリン)の改定を承認し、核兵器の使用基準を緩和した。リスク回避姿勢が高まり、NYダウは一時450ドル下げ、4万3000ドルを割り込む場面もみられた。ただし、25日移動平均線が支持線として機能する形で売り一巡後は下げ渋る動きだった。
ナスダック指数は続伸。20日に決算発表を控えるエヌビディア<NVDA>が5%近く上昇したほか、テスラ<TSLA>やアルファベット<GOOG>、ネットフリックス<NFLX>が買われた。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、自動車・同部品、食品・生活必需品小売が上昇した半面、保険、電気通信サービス、ヘルスケア機器・サービスが下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比145円安の3万8275円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比変わらずの3万8420円で始まり、直後に付けた3万8460円を高値に下へのバイアスが強まり、米国市場の取引開始直前には一時3万7710円まで売られた。その後は米国市場が下げ渋るなか、終盤にかけてショートカバーとみられる動きが強まり、3万8390円まで下落幅を縮めた。ただ、プラスに転じることはできず、3万8290円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まりそうだ。地政学リスクが警戒されてナイトセッションで一気に75日線(3万7790円)まで売られたが、その後はカバーの動きによって下落幅を縮めており、200日線(3万8310円)水準まで戻している。ロシアの核ドクトリン改定の一報を受けてアルゴリズムが発動し、ナイトセッションの開始直後には下落幅が一時500円を超えていた。その後はショートカバーにより持ち直しているが、引き続きウクライナ情勢が警戒される。
一方で、決算を前にエヌビディアが買われたことで、指数インパクトの大きい値がさハイテク株にも持ち高調整の動きからカバーが入りやすいだろう。エヌビディアについては決算内容のほか、懸念されている次世代の人工知能(AI)向け半導体「ブラックウェル」の動向を見極めたいところであり、東京市場でも積極的なロングは限られるものの、ショートも仕掛けづらくさせそうだ。
そのため、日経225先物は200日線水準での攻防から、若干ながらリバウンドを意識したスタンスに向かわせる可能性はあろう。また、200日線水準にはボリンジャーバンドの-1σ(3万8310円)も位置しているため、同水準での底堅さがみられてくるようだと、心理的な抵抗線となる3万8500円を捉えてくることが見込まれる。スキャルピング中心のトレードを余儀なくされるが、オプション権利行使価格の3万8000円から3万8750円のレンジを想定する。
18日の米VIX指数は16.35(前日は15.58)に上昇した。地政学的リスクの高まりが意識され、一時は17.93まで切り上がり、25日線(18.05)、75日線(18.17)に迫る場面もみられた。その後は相場の落ち着きとともに、上げ幅を縮める形だった。不安心理が高まった状態を示す20.00を下回っている状況であり、リスク回避姿勢はそれほど強まらないと考えられる。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.16倍に低下した。一時14.23倍と上昇に転じる場面もみられたが、その後は14.13倍に低下する動きもあった。本日はエヌビディアが決算前に買われたこともあり、NTショートを巻き戻す動きが入る可能性はありそうだ。ただし、トランプ次期政権による対中関税引き上げや規制強化を警戒し、NTロングに転換しづらいところでもある。そのため、リバランス中心となり大きなトレンドは出にくいだろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比150円安の3万8270円(-0.39%)前後で推移。寄り付きは3万8360円と、シカゴ日経平均先物(3万8275円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。米国でハイテク株が上昇した流れから指数インパクトの大きい値がさハイテク株が買い先行で始まったことで、日経225先物は現物の寄り付き後には一時3万8540円まで買われ、プラス圏を回復した。ただし、節目の3万8500円水準では上値の重さが意識されたほか、値がさハイテク株が弱含みとなるなか、中盤にかけて下げに転じた。終盤にかけてロング解消の動きから下げ幅を広げており、一時3万8210円まで売られた。
日経225先物は200日移動平均線とボリンジャーバンドの-1σが位置する3万8300円水準を上回って始まったこともあり、寄り付き後はロングに向かわせたようだ。ただし、前日同様、3万8500円を超えてくると上値の重さが意識されて、中盤にかけてロング解消の動きのほか、短期的なショートも入ったと考えられる。終盤にかけて3万8210円まで売られたが、その後は200日線近辺で下げ渋る動きをみせており、同水準での底堅さを見極めたいところだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.18倍に上昇した。ただし、前日の値幅内での推移であり、値がさハイテク株が買い先行で始まった局面においても、NTショートを巻き戻す動きは限られていた。下向きのトレンドは継続するなか、9月上旬以来の14.00倍割れが意識されやすい。
オーストラリア統計局(ABS)は過去1年間の消費者物価指数(CPI)において児童保育費を過大評価していたことを明らかにした。2023年7月に導入された政府補助金の影響を正確に反映していなかったことが原因。9月期のCPIでは児童保育指数が実際より5.8%高く公表されていたとのことだが、児童保育費はCPIバスケットの0.9%しか占めていないため、全体のCPIへの影響は0.04%にとどまった。ABSは27日発表の10月CPIで修正を行うが、既に公表された四半期インフレ率には変更はないことも発表した。
中国の全国銀行間同業折借中心が20日に発表した2024年11月の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)は、1年物を3.10%で据え置き、5年物も3.60%で据え置いた。
昨日のロシアネタしかり、中国ネタでも同様に、最近のリスクオフの動きは時間的な制約が付いているといったところ。つまり、長続きしない現象となっています。特に、ドル円に対しては、リスクオフ時のターゲットとはなるものの、需給関係やマクロ的ファンダメンタルズからは、買いが出ることに整合性があるわけで、昨日のように、核戦争を煽ってみたところで、結局は行って来いどころから、ショートの踏み上げに繋がる動きとなってしまっています。
ウクライナが米国が許可した射程の長いミサイルでロシア領内へ攻撃したことを受けて、早速、ロシアのプーチン大統領が核ドクトリン改定を承認。ヘッドライン的には当然リスクオフとなったものの、流石にラブロフ露外相が冷や水を浴びせると、市場もようやく落ち着きを取り戻すことになりました。
市場では「ドクトリンは改訂されているが、最も重要な核の使用条件である『自国とベラルーシの主権と領土保全に対する重大な脅威が発生した場合』が拡大されておらず、単なる対抗措置に過ぎない」との声も聞かれています。
いずれにしても、ドル円は目先の下値を確認したなか、終値ベースではしっかりと一目転換線を維持して引けているわけで、18日の高値155.36円や15日の高値156.75円を上値の目処に買戻しが強まる動きとなっています。
「バイデン米大統領がウクライナに米国製兵器を使用してロシア領内を攻撃することを容認すれば、第3次世界大戦を引き起こすリスクがある」
(ロシア与党「統一ロシア」のマリア・ブティナ議員)
バイデン米政権が、ウクライナによるロシア領内への攻撃を巡り、米国製の長距離兵器の使用を許可した、と報じられている。
ウクライナは米国が供給した長射程の戦術弾道ミサイルシステム「ATACMS」で、ロシア西部ブリャンスク州の軍事施設を攻撃した。
ロシア大統領府は、「核ドクトリン」の修正案を正式に決定する、と米国に警告し、プーチン露大統領は核ドクトリンの改定を承認して、核兵器の使用基準を緩和した。
※追加「the use of Western non-nuclear rockets by the Armed Forces of Ukraine against Russia can prompt a nuclear response」「ウクライナ軍が欧米製の通常ミサイルでロシア領を攻撃した場合、核兵器での反撃が可能」
ラブロフ露外相は「核戦争が起きないというのがロシアの立場だ」と発言している。
1. ロシアの「核抑止力の国家政策指針」(核ドクトリン)=国家存亡の危機
ロシアが核兵器を使用する条件として挙げられているのは、以下の4つである。
1)ロシアと同盟国への弾道ミサイル発射に関する信頼できる情報を入手したとき
2)ロシアと同盟国に対して敵が核兵器や大量破壊兵器を使用したとき
3)死活的に重要な政府や軍の施設※に対して敵が干渉を行ったとき
※機能不全に陥ると核戦力での報復に支障をきたすような施設
4)通常兵器によってロシアが侵略され国家の存立が危機的になったとき
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所の分析によると、2022年の時点で、保有する核弾頭の総数は5977発。世界で最も多く、アメリカの5428発を上回っている。
そして、戦闘部隊への攻撃など局地的に使用される可能性がある核兵器「戦術核」は、約1900発保有しているらしい。
9月4日、ロシアのペスコフ大統領報道官は、「集団的西側諸国」の行動により、核使用条件を定めた同国の軍事ドクトリンの変更が必要になった、との見解を示した。そして、「いわゆる集団的西側諸国がもたらした課題と脅威がドクトリン変更の背景にある。ウクライナが米国から供与された長距離兵器を使用してロシア領土の奥深くまで攻撃する可能性も考慮している」と述べた。
9月25日、プーチン大統領は、ロシアが通常兵器による攻撃を受けた場合、核兵器を使用する可能性があるし、核保有国の支援を受けた攻撃を共同攻撃と見なすと述べた。
2.ロシアの反応
ロシア外務省は、ウクライナが米国などから供与された長距離兵器でロシア領を攻撃すれば、米国とその「衛星国」がロシアに対する敵対行為に直接関与したことを意味するとし、ロシアは「適切かつ実質的」に対応すると表明した。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は、ウクライナが米国製兵器を使用してロシア領内を攻撃することを米政府が許可すれば、ロシアは「無謀な」決定に対応すると警告した。米国は紛争に直接関与することになると指摘し、バイデン米政権は退陣を前にウクライナ紛争をエスカレートさせていると批判した。
3.ドイツの反応
ショルツ独首相は、ウクライナによるロシア領内への攻撃を巡り米国製の長距離兵器の使用をバイデン政権が許可したとされる報道について、ドイツは米国の決定に追随せず、ウクライナに長距離巡航ミサイル「タウルス」を供与しないという方針を堅持する、と述べた。
ベーアボック独外相は、ウクライナの米国製の長距離兵器使用を容認する米国の決定について、重要との認識を示しつつも、西側の戦略転換ではないと強調した。
本日のロンドン為替市場では、まずは序盤に発表される10月英インフレ指標を受けたポンドの動きが注目される。南アフリカからも同月インフレデータが発表され、こちらも南ア・ランドの動意に繋がりそうだ。また、昨日相場の波乱要因となったウクライナ・ロシア戦争を巡る動向にも、依然として注意が必要だろう。
日本時間16時発表の10月英消費者物価指数(CPI)は、前年比2.2%上昇と前回から0.5ポイント加速が予想されている。前回は市場予想を下回り、英中銀(BOE)インフレ目標2%の下で鈍化基調を強めた。しかしながら今日の結果次第では、再びインフレ圧力の高まりが意識されそうだ。
昨日の英金融当局者による議会証言では、ベイリーBOE総裁が政府予算案の税制変更の影響を見定めたいとし、追加利下げは慎重に進める必要があると言及。その他の複数当局者も、新たな税負担増がインフレに影響を及ぼす可能性を指摘した。ベイリー総裁はまた「サービスインフレは依然として目標と一致していない」と述べており、9月分では2022年春以来の5%割れを実現したCPIサービス部門(前年比)の結果にも目を向けておきたい。
10月南アCPIは、前年比3.1%上昇と前回から0.7ポイント鈍化見込みだ。市場予想に沿った結果であれば2021年前半以来の3%割れも視野に入ってくる。明日には南ア中銀(SARB)が政策金利を公表するため、予想(現行8.00%から7.75%に引き下げ)に影響を与える結果となるか市場の目が集まる。
ウクライナ・ロシア戦争の関連報道にも気を付けておく必要がある。昨日序盤に強まった地政学リスクへの警戒感は、NY時間に入ると急速に後退した。ロシアとしても、北朝鮮の支援さえも受け始めており、北大西洋条約機構(NATO)と本気で事を構えることも思えない。ウクライナを支援する米国も、核攻撃をちらつかせ始めたロシアを必要以上に刺激したくないだろう。
しかしながら、戦争の早期終結を声高に叫ぶトランプ氏が米大統領に就任する前に、ウクライナができるだけ勢力を回復したいと考えていてもおかしくはない。昨日のように米国や西側が供与した兵器でロシア領内への攻撃が続くようだと、プーチン露大統領が核使用基準の更なる緩和に動く懸念は残る。
想定レンジ上限
・ポンドドル、200日移動平均線1.2820ドル
・ランド円、11日高値8.74円
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.0717ドル
想定レンジ下限
・ポンドドル、15日安値1.2597ドル
・ランド円、昨日安値8.45円
・ユーロドル、14日安値1.0497ドル
ドル円:1ドル=155.18円(前営業日NY終値比△0.52円)
ユーロ円:1ユーロ=164.29円(△0.43円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0587ドル(▲0.0009ドル)
日経平均株価:38352.34円(前営業日比▲62.09円)
東証株価指数(TOPIX):2698.29(▲11.74)
債券先物12月物:142.89円(横ばい)
新発10年物国債利回り:1.065%(横ばい)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.31600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月貿易統計(通関ベース)
季節調整前 4612億円の赤字 2941億円の赤字・改
季節調整済 3577億円の赤字 2746億円の赤字・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。ウクライナを巡る過度な警戒感がいったん後退するなか、昨日NY時間からの買い戻しの流れを引き継いだ。5・10日(ゴトー日)の仲値に向けた買いも観測されると、昨日高値の154.80円を上抜けて上げ幅を拡大。15時30分過ぎには155.40円まで上値を伸ばした。
・ユーロ円も強含み。ドル円と同じく昨日の引けにかけて進んだ買い戻しの流れを引き継ぐ格好となった。日経平均株価の失速などで上値が重くなる場面もあったが、15時30分過ぎに164.57円まで本日高値を更新した。
・ユーロドルは小安い。朝方に1.0610ドルまで上昇する場面もあったが、今週は連日1.06ドル台で上値の重さが意識されており、この日も次第に上値を切り下げた。ドル円などでドル買いが進んだ影響もあり、一時1.0583ドルまで下押しした。
・日経平均株価は小幅反落。ウクライナ情勢を巡る地政学リスクが投資家心理を冷やした。株価指数先物主導で売りに押される展開となり、指数は一時230円超安まで下押し。ただ、海外投資家からの先物売りが一服すると下げ渋るなど、一方的に値を下げる展開にもならなかった。本日に米半導体大手エヌビディアの決算発表を控えており、積極的な売買が手控えられた面もある。
・債券先物相場は横ばい。ロシアとウクライナを巡る地政学リスクの高まりから安全資産とされる債券需要が意識されて、一時143円02銭まで上昇。もっとも、日銀の追加利上げ観測がくすぶる中で上値も限られ、その後は徐々に上げ幅を縮小した。
大阪12月限
日経225先物 38440 +20 (+0.05%)
TOPIX先物 2706.0 -6.0 (-0.22%)
日経225先物(12月限)は前日比20円高の3万8440円で取引を終了。寄り付きは3万8360円と、シカゴ日経平均先物(3万8275円)にサヤ寄せする形で売りが先行した。米国でハイテク株が上昇した流れを受け指数インパクトの大きい値がさハイテク株が買い先行で始まったことで、日経225先物は現物の寄り付き後には一時3万8540円まで買われ、プラス圏を回復した。ただし、節目の3万8500円水準では上値の重さが意識されて値がさハイテク株が弱含み、前場中盤にかけて下げに転じた。
ランチタイムで下げ渋りもみられたが、後場の取引開始後ほどなくして3万8190円まで下落した。ただし、下へのバイアスが強まる流れにはならず、終盤にかけてはショートカバーが入る形で200日移動平均線とボリンジャーバンドの-1σが位置する3万8300円水準を回復しプラスに転じて終えている。
日経225先物は前日同様、3万8500円を超えてくると上値の重さが意識されて、前場中盤にかけてロング解消の動きのほか、短期的なショートも入ったと考えられる。もっとも、エヌビディア<NVDA>の決算を控えてオーバーナイトのポジションはリスクがあるため、後場終盤にかけては持ち高調整に伴うショートカバーに向かわせた形だろう。
日経225先物は3万8000円に接近する局面では押し目待ち狙いのロングが観測され、200日線での底堅さが意識されてくるようであれば、直近で上値を抑えられている3万8500円突破を狙ったロングの動きが入りやすいだろう。エヌビディアの決算を無難に通過することができれば、アク抜けの動きが期待されてくる。
次世代の人工知能(AI)向け半導体「ブラックウェル」については、サーバーの過熱問題などで投入遅延の懸念が生じているとの報道もあり、多くの投資家が注目している。一部報道のように投入遅延となればショック安となる可能性もあるが、アドバンテスト <6857.T> [東証P]においては、検査装置の需要拡大への思惑が高まりやすい。
また、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]など軟調な推移が続いている半導体関連株などは期待が高まっていない分、需給面ではロングに傾いていないと考えられる。そのため、急落となれば押し目狙いの好機になる可能性はあるだろう。楽観視は禁物とはいえ、スタンスとしては日経平均型の押し目狙いのロング対応を想定しておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.20倍に上昇した。ただし、前日の値幅内での推移であり、値がさハイテク株が買い先行で始まった局面では、NTショートを巻き戻す動きは限られていた。一時14.14倍まで低下する場面もみられたが、後場中盤以降にNTショートを巻き戻す動きがみられており、下げ渋る展開となった。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万2278枚、ソシエテジェネラル証券が7027枚、サスケハナ・ホンコンが3276枚、バークレイズ証券が1597枚、JPモルガン証券が1363枚、SBI証券が1118枚、楽天証券が889枚、モルガンMUFG証券が724枚、ゴールドマン証券が711枚、ビーオブエー証券が699枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万5949枚、ソシエテジェネラル証券が1万2075枚、JPモルガン証券が4608枚、みずほ証券が3339枚、バークレイズ証券が3274枚、ビーオブエー証券が3105枚、サスケハナ・ホンコンが2468枚、モルガンMUFG証券が2398枚、ゴールドマン証券が2150枚、野村証券が876枚だった。
本日のNY市場でのドル円は、米国では経済指標の発表こそ予定されていないものの、複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言が予定されており、その内容に注目することになるか。
まずは、NY時間午後にクック・ボウマン両FRB理事の発言機会が予定されている。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」を見ると、足元での12月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率が59%弱と、1カ月前の76%強と比べて低下している。前週のパウエルFRB議長の発言で米年内利下げ観測がやや後退している中、金利や労働市場などへの言及があれば注目されるか。また、NY時間終盤にはボストン連銀のコリンズ総裁の発言も予定されている。
また、ウクライナ情勢についても引き続き注意が必要だろう。昨日はウクライナが米国から供与された武器でロシア領土を攻撃したほか、プーチン露大統領が核ドクトリンの改定を承認して「核兵器の使用基準を緩和した」と報じられたことで、地政学的リスクが高まって相場の重しとなる場面が見られた。その後、ラブロフ露外相が「核戦争が起きないというのがロシアの立場だ」と発言したことで一旦落ち着いたとはいえ、戦争自体は継続している点を踏まえると、情勢が一段と緊迫化する場面ではリスク回避の動きが強まりやすい。その場合は米長期金利の低下と共にドル安での反応も想定される。
そのほか、米株市場引け後に半導体大手エヌビディアの決算が予定されている。決算発表を前に株式市場で売買が手控えられるようだと、為替市場に様子見ムードが波及することもあり得る。
想定レンジ上限
・ドル円は15日高値156.75円
想定レンジ下限
・ドル円は日足・一目均衡表の転換線154.45円
今晩は小売株の決算と金融当局者の発言に注目。昨日はウクライナ・ロシアを巡る地政学リスクが意識され軟調にスタートしたものの、決算発表を控えたエヌビディアの大幅高などでナスダック総合とS&P500が上昇して終了し、ダウ平均も450ドル安まで下落後、120.66ドル安と下落幅を縮小して終了した。好決算や強い見通しを発表したウォルマートの上昇も相場を支えた。投資家の不安心理を示すVIX指数は前日の15.58ポイントから一時17.93ポイントまで上昇したが、16.35ポイントで終了し、引き続き不安心理が高まったとされる20ポイントを大きく下回って推移した。
今晩の取引では引け後に発表されるエヌビディアの決算を控えた様子見姿勢の強まりが予想されるが、寄り前には小売りのターゲット、TJXの決算が発表され、足もとの消費動向に注目が集まる。また、バー米連邦準備理事会(FRB)副議長の議会証言やボウマンFRB理事の講演などFRB高官の発言も多数予定され、利下げを巡る当局者の発言にも要注目となる。引け後のエヌビディアの8-10月期決算は前年同期比2倍以上の増収増益決算が予想されているが、新型AIチップの受注・出荷見通しを巡りジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)の発言に注目が集まる。
今晩の米経済指標・イベントはMBA住宅ローン申請指数、週間原油在庫、米20年債入札など。要人発言はバー副議長、ボウマンFRB理事、クックFRB理事、コリンズ米ボストン連銀総裁など。企業決算は寄り前にターゲット、TJXカンパニー、引け後にエヌビディア、パロ・アルト・ネットワークスなどが発表予定。
日経平均株価は反落。200日移動平均線(38562円 11/20)の下でさえない展開となった。下値は限定的だったが、上値も限定的となり、概ね今週に入ってからのレンジを意識した動きとなった。
RSI(9日)は前日の22.9%→23.4%(11/20)に上昇。前日から大きな変化はない。一目均衡表の雲上限(38353円 同)で踏みとどまった格好だが、5日移動平均線(38433円 同)上を終値で回復できなかった。11/1安値(37946円)を前に反発に転じることができれば値崩れ感は生じないが、下向きの10日移動平均線(38867円 同)や25日移動平均線(38766円 同)などが目先の上値抵抗となりやすく、調整が長引く要因となる。
依然として10月からのもみ合いの範ちゅうであり、当面は10/16の下げで開けたマド埋め(39910円)を通過点に4万円突破へ勢いづくかが焦点となる。8月安値(31156円)を起点とした上昇局面では高値圏を保っており、一段高となる前の揺り戻しが続いていると判断したい。
上値メドは、25日移動平均線や心理的節目の39500円、11/7高値(39884円)、10/15高値(40257円)、心理的節目の40500円などがある。下値メドは、心理的節目の38000円や75日移動平均線(37899円 同)、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
米財務省によると、20年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.680%、応札倍率(カバー)が2.34倍となった。
(20日終値:21日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.21円(20日15時時点比△0.03円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.47円(▲0.82円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0532ドル(▲0.0055ドル)
FTSE100種総合株価指数:8085.07(前営業日比▲13.95)
ドイツ株式指数(DAX):19004.78(▲55.53)
10年物英国債利回り:4.469%(△0.027%)
10年物独国債利回り:2.351%(△0.013%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月独生産者物価指数(PPI)
(前月比) 0.2% ▲0.5%
10月英消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.6% 0.0%
(前年比) 2.3% 1.7%
CPIコア指数
(前年比) 3.3% 3.2%
10月英小売物価指数(RPI)
(前月比) 0.5% ▲0.3%
(前年比) 3.4% 2.7%
9月ユーロ圏建設支出
(前月比) ▲0.1% 0.0%・改
(前年比) ▲1.6% ▲2.5%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.43%台まで上昇するとユーロ売り・ドル買いが先行。市場では「ユーロ圏経済の先行き懸念から欧州中央銀行(ECB)が12月に追加利下げを決めるとの見方が根強く、ユーロ売りが出やすい地合いだ」との声も聞かれた。
NYの取引時間帯に入ると、「ウクライナ軍はロシア領内の軍事目標に対し、英国製の長距離ミサイル『ストームシャドウ』を初めて発射した」との一部報道をきっかけにリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが活発化。前日の安値1.0524ドルを下抜けて一時1.0507ドルまで値を下げた。
ただ、14日に付けた年初来安値1.0497ドルがサポートとして意識されると下げ渋った。米10年債利回りが4.38%台まで低下したことも相場を下支えした。
・ドル円は頭が重かった。しばらくは155円台後半でのもみ合いが続いていたが、NY市場に入ると弱含んだ。ロシアとウクライナを巡る一連の報道をきっかけにリスク・オフの円買い・ドル売りが入り、0時30分前に一時155.06円付近まで値を下げた。
ただ、対ユーロなどでドル買いが進んだ影響を受けたため、下押しは限定的だった。アジア時間に付けた日通し安値154.53円や一目均衡表転換線が位置する154.45円がサポートとして意識された面もあった。
なお、クック米連邦準備理事会(FRB)理事はこの日の講演で「インフレは引き続き緩和しており、利下げ継続が適切となる可能性が高い」と述べた一方、「利下げの規模とタイミングは経済指標次第。事前に決まっていない」と指摘した。また、「インフレ鎮静化が停滞し、雇用市場が依然として堅調であれば、利下げを一時停止するシナリオも考えられる」と語った。
・ユーロ円はさえない展開だった。日本時間夕刻に一時164.76円と日通し高値を付けたものの、NY市場に入ると一転下落した。ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの警戒からリスク回避の円買い・ユーロ売りが優勢となった。米国株相場や日経平均先物の下落も相場の重しとなり、1時30分過ぎに一時163.17円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は続落。10月英消費者物価指数(CPI)が予想を上回ると、英中銀(BOE)が利下げを進めにくくなるとの見方から売りが出た。ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの懸念も相場の重し。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、BPやシェルなどエネルギー株が軟調だった。
・フランクフルト株式相場は4日続落。しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、ロシアとウクライナの情勢を巡る市場の不安は根強く、終盤失速した。個別ではポルシェ(4.52%安)やバイエル(3.03%安)、メルセデス・ベンツグループ(1.85%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。英CPIの上振れをきっかけに英国債に売りが出た。
20日の日経平均は反落。終値は62円安の38352円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり600/値下がり997。上方修正、増配、大規模な自己株取得が好感されたSOMPOが11.4%高。上場来高値を更新した。KADOKAWAは前日からの買収観測を材料とした買いが続き、ストップ高となる場面もあった。エリオット・マネジメントの大株主浮上が判明した東京ガスが急騰。三井E&SやIHIなど重厚長大型の銘柄に資金が向かった。
一方、東京海上とMS&ADが決算を材料に大幅安。ウクライナとロシアの地政学リスクの高まりを受けて米長期金利が低下しており、三菱UFJや三井住友など銀行株が弱かった。米金利低下で円安(ドル高)が一服することへの警戒から、トヨタやホンダなど自動車株が全般軟調。売り出しを発表した東テクが急落した。
日経平均は反落。ただ、後場には下げ幅を縮めており、引け味は悪くなかった。前引け時点では下げていたアドバンテスト<6857.T>がプラス転換して高値引けとなっており、エヌビディアの決算に対する期待買いが入ったと考えられる。あすはエヌビディアの時間外の反応の影響を大きく受けることになるだろう。半導体株はアドバンテストの動きは良いが、全体としては足元の基調は強くない。東京エレクトロン<8035.T>は下値模索が続いており、レーザーテック<6920.T>は直近で年初来安値を更新している。これら弱い部類に入る半導体株の動きが変わってくるかどうかに注目しておきたい。売買代金上位の常連銘柄でもあるだけに、どちらかに底打ち感が出てくるだけでも日本株全体にプラスの影響が期待できる。
(20日終値)
ドル・円相場:1ドル=155.44円(前営業日比△0.78円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.88円(△0.02円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0544ドル(▲0.0052ドル)
ダウ工業株30種平均:43408.47ドル(△139.53ドル)
ナスダック総合株価指数:18966.14(▲21.33)
10年物米国債利回り:4.41%(△0.01%)
WTI原油先物12月限:1バレル=68.87ドル(▲0.52ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2651.7ドル(△20.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) 1.7% 0.5%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは続落。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.43%台まで上昇するとユーロ売り・ドル買いが先行。「ウクライナ軍はロシア領内の軍事目標に対し、英国製の長距離ミサイル『ストームシャドウ』を初めて発射した」との一部報道をきっかけにリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが活発化すると、前日の安値1.0524ドルを下抜けて一時1.0507ドルまで値を下げた。
ただ、14日に付けた年初来安値1.0497ドルがサポートとして意識されると下げ渋った。米10年債利回りが4.38%台まで低下したことも相場を下支えした。もっとも、米10年債利回りが再び上昇に転じるとユーロドルの戻りも鈍くなった。
なお、クック米連邦準備理事会(FRB)理事はこの日、「インフレは引き続き緩和しており、利下げ継続が適切となる可能性が高い」と述べた一方、「利下げの規模とタイミングは経済指標次第。事前に決まっていない」と発言。また、「インフレ鎮静化が停滞し、雇用市場が依然として堅調であれば、利下げを一時停止するシナリオも考えられる」と語った。
米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバー内で最もタカ派的とされるボウマンFRB理事は「インフレ抑制の進展は停滞しているようだ」「さらなる利下げには慎重なアプローチを取るべきだ」などと話した。
・ドル円は上昇。ロシアとウクライナを巡る一連の報道をきっかけにリスク・オフの円買い・ドル売りが先行すると、0時30分前に一時155.06円付近まで値を下げた。ただ、対ユーロなどでドル買いが進んだ影響を受けたため、下押しは限定的だった。アジア時間に付けた日通し安値154.53円や一目均衡表転換線が位置する154.45円がサポートとして意識された面もあった。
・ユーロ円はほぼ横ばい。ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの警戒からリスク回避の円買い・ユーロ売りが優勢となった。ナイト・セッションの日経平均先物の下落も相場の重しとなり、1時30分過ぎに一時163.17円と日通し安値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日ぶりに反発。「ウクライナ軍が英国製の巡航ミサイルをロシア領内に向け発射した」と伝わると、ウクライナとロシアを巡る緊張が高まり売りが先行した。ただ、ユナイテッドヘルス・グループやアムジェンなどディフェンシブ株の一角に買いが入ると持ち直した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの警戒感から相対的に安全資産とされる米国債に買いが先行したものの、20年債入札が低調だったことが分かると失速した。
・原油先物相場は3日ぶりに反落。中東やウクライナの地政学リスクがくすぶるなか底堅く推移していたが、米週間原油在庫の積み増し継続が発表され戻りが鈍くなりマイナス圏へ沈んだ。
・金先物相場は大幅に3日続伸。「ウクライナはロシア領内に向けて英国製巡航ミサイル『ストームシャドウ』を発射」との報道をきっかけに地政学リスクが高まった。リスク回避資産である金に買いが集まり、2659.0ドルまで高値を更新した。
一部報道によると、ウクライナ首都のキーウにある米大使館が空襲の恐れがあるとして閉鎖されているようだ。
SMBC日興証券では、7-9月期GDPの1次速報を受けて経済見通しを改定。実質GDP成長率は、24年度を前年比+0.5%、25年度を同+1.3%とした。前回予想からはそれぞれ0.2ppt下方修正している。1-3月期から7-9月期までの実質GDP成長率を均してみると、前期比年率+0.2%程度と低成長。実質GDPと名目GDPに大きなかい離があり、インフレが景気を抑制しているとのこと。インフレ率の上昇は、原材料価格上昇を企業が国内価格へ過剰転嫁しているためと考えられ、企業収益は原材料高にあっても過去最高となっている。しかし、今後、国際コモディティ価格の下落やドル円レートの円高への転換によってインフレは徐々に沈静化していくとみられることから、購買力が改善して景気は持ち直していくとSMBC日興では予想している。
一部通信社が報じたところによると、「ウクライナはロシアに向けて英国製巡航ミサイル『ストームシャドウ』を発射した」ようだ。
20日05:55 石破首相
「米次期政権とも緊密に意思疎通していきたい」
21日00:30 バー米連邦準備理事会(FRB)副議長
「銀行システムは健全かつ堅固な状態を維持」
「銀行は引き続き資本および流動性比率が最低規制水準を上回っていると報告」
「システム全体としては回復力があるものの、FRBは特定の商業用不動産ローンの延滞率が引き続き上昇していることを注視」
「特定の消費者ローンの延滞率は上昇している」
21日01:08 クック米連邦準備理事会(FRB)理事
「労働市場とインフレが予想通りに推移すれば、政策金利を中立に向けて引き続き引き下げることが適切」
「インフレの進行が鈍化し、雇用市場が依然として堅調な場合は、利下げ一時停止のシナリオが考えられる」
「利下げの規模とタイミングは、今後のデータ、見通し、リスクバランスによって決まる。政策は事前に決まっていない」
「現在のリスクはほぼ均衡」
「経済は良好な状態にあるが、コアインフレは依然としてやや高い」
「雇用リスクは下振れ傾向にあるが、ここ数カ月で減少している」
21日01:19 ラムスデン英中銀(BOE)副総裁
「経済は引き続き正常化し、低水準で比較的安定した最近のインフレ傾向は継続へ」
「不確実性が減少し、さらなるデフレ圧力を示唆する証拠が明確になれば、利下げにそれほど緩やかなアプローチを取らないことを検討する」
21日03:12 ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事
「現在、FRB当局者が考えているよりも中立政策に近い可能性がある」
「FRBは金融政策に関して慎重なアプローチを取るべきだ」
「インフレは依然として懸念事項である」
「11月の利下げは金利を徐々に引き下げるという自身の考えと一致。これを支持した」
「インフレ抑制の進展は停滞しているようだ」
「経済は好調で、労働市場は完全雇用に近く、インフレは高い」
「インフレ目標を達成せずに政策を再調整していることは懸念される」
「FRBは柔軟になる必要がある」
※時間は日本時間
米半導体大手エヌビディアは20日、第3四半期決算を発表した。調整後の1株利益は0.81ドルとなり予想の0.74ドルを上回った。純利益は193.1億ドルとなった。
なお、第4四半期の売上高は375億ドル(プラスマイナス2%)になると予想した。
第3四半期決算を発表した米半導体大手エヌビディアは時間外取引で急落。一時6%超下げる場面があった。
なお、同社の決算では調整後の1株利益が0.81ドルとなり予想の0.74ドルを上回ったほか、純利益が193.1億ドルとなった。また、第4四半期の売上高見通しは375億ドル(プラスマイナス2%)となった。
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○14:10頃 ◎ 植田和男日銀総裁、講演(パリ・ユーロプラス ファイナンシャル・フォーラム2024)
<海外>
○14:25 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○16:00 ◎ 7-9月期ノルウェー国内総生産(GDP)
○16:45 ◇ 11月仏企業景況感指数(予想:97)
○17:00 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、講演
○17:00 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演
○17:30 ◎ 10月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比1.7%)
○17:30 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○17:30 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、議会証言
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表(予想:50.00%で据え置き)
○20:25 ◎ パツァリデス・キプロス中銀総裁、エルダーソンECB専務理事、講演
○未定 ☆ 南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:7.75%に引き下げ)
○22:30 ◇ 10月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.9%)
○22:30 ◇ 10月カナダ原料価格指数(予想:前月比2.5%)
○22:30 ◎ 11月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:8.0)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.0万件/187.3万人)
○22:45 ◎ ハマック米クリーブランド連銀総裁、あいさつ
○23:00 ◎ マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○24:00 ◎ 11月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲12.4)
○24:00 ◎ 10月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.3%)
○24:00 ◎ 10月米中古住宅販売件数(予想:前月比2.9%/年率換算395万件)
○21日00:30 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、パネルディスカッションに参加
○21日01:00 ◎ カジミール・スロバキア中銀総裁、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○21日02:25 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、質疑応答
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
20日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、「ウクライナ軍はロシア領内の軍事目標に対し、英国製の長距離ミサイルを初めて発射した」という報道を受けて155.89円から一時155.06円付近まで失速した。ユーロドルは、米10年債利回りが4.43%台まで上昇し、ウクライナの地政学リスク警戒から1.0507ドルまで値を下げた。ユーロ円は一時163.17円まで下落するも、ドル円の上昇を支えに前日とほぼ同水準の163円後半で引けた。
本日の東京外国為替市場のドル円は、ウクライナ情勢を巡る関連ヘッドラインに警戒しながら、植田日銀総裁の講演に注目する展開が予想される。
ウクライナ軍は19日に米国製地対地ミサイル「ATACMS」でロシア領を攻撃したが、昨日は英国製長距離ミサイル「ストームシャドー」でロシア領内の軍事施設を攻撃したと報じられている。プーチン露大統領が「核ドクトリン」を修正して、戦術核使用のハードルを下げているため、本日も関連ヘッドラインに警戒しておきたい。これまでは、核兵器を保有する国から攻撃された場合にのみ核兵器で対抗するとしていたが、ウクライナが核保有国である欧米諸国から供与されたミサイルをロシアに対して使用した場合、共同攻撃と見なして核攻撃の引き金となる可能性があると警告している。
本日は14時過ぎから植田日銀総裁が、パリ・ユーロプラス「ファイナンシャル・フォーラム」で講演することが予定されており、内容や質疑応答に注目することになる。18日の金融経済懇談会での講演や記者会見では、12月18-19日の日銀金融政策決定会合での追加利上げに関する明確な言及はなく「各会合で適切な判断をする」という曖昧な表現に留まった。本日の講演や質疑応答では18日と同様の曖昧な内容をメインシナリオにして、過去の植田ショックの再現をリスクシナリオとして警戒しておきたい。
植田総裁によるこれまでの相場変動要因となった発言は以下の通りとなる。
・2023年12月7日「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」※円高
・2024年4月26日「足元の円安が物価に与える影響は従来ほどには大きくない」※円安
・2024年7月31日「0.5%が壁になるとは認識していない」※円高
・2024年10月2日「時間は十分ある」※円安
・2024年10月31日「『時間的な余裕がある』は今後使わない」※円高
12月会合での利上げには言及していないが、可能性を示唆する見解は以下の通りとなる。植田総裁は「経済・物価が足元で見通し通りに進捗して見通しが実現する確度がある程度高まるという自信が得られれば次のステップに移る」と述べていた。そして、段階的な利上げが長期的な経済成長を支え、物価安定目標を持続的かつ安定的に実現していくうえで有効と述べ、実質金利水準のマイナス幅に言及し、ビハインド・ザ・カーブに陥らないように判断するとも述べていた。
植田総裁が判断材料に挙げている「経済・物価・金融情勢」も確認しておきたい。現在のドル円の水準(※155円台)は、7月31日の利上げの時の高値153.88円を上回っている。植田総裁が「第1の力」と注視する10月輸入物価指数は前月比+3.0%で、22年9月(+5.3%)以来の高い伸びを記録していた。国内総生産(GDP)は2四半期連続でプラス成長を記録している。
スワップ市場のOIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場における追加利上げの確率は50%程度になっている。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38280 -160(-0.41%)
TOPIX先物 2694.5 -11.5(-0.42%)
シカゴ日経平均先物 38280 -160
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
20日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。NYダウは5日ぶりに反発した。ウクライナ軍は前日に米国が供与した長距離ミサイルでロシア西部の軍事施設を攻撃。この日は英国製の巡航ミサイルをロシア領内に向け発射したと伝わったほか、ウクライナの首都キーウにある米大使館は大規模な空爆に備え、閉館した。ウクライナとロシアを巡る緊張が高まるなか、NYダウは一時200ドル近く下落する場面もみられた。
ただし、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>やアムジェン<AMGN>などディフェンシブ株の一角が買われ、終盤にかけて切り返す形となった。
また、エヌビディア<NVDA>の決算を控えていたことが、他の半導体株への持ち高調整の売りや様子見姿勢に向かわせたことで、ナスダック指数は3日ぶりに反落。なお、四半期決算を発表したエヌビディアは、第3四半期(2024年8~10月)実績、第4四半期(24年11月~25年1月)見通しとも市場の予想を上回ったが、時間外取引で売られており、下落率は一時6%を超えた。
S&P500業種別指数は医薬品・バイオテクノロジー、ヘルスケア機器・サービス、エネルギーが上昇した半面、食品・生活必需品小売、自動車・同部品、半導体・同製造装置が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比160円安の3万8280円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比50円高の3万8490円で始まり、直後に付けた3万8520円を高値に軟化し下落に転じると、3万8310円~3万8420円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後から下へのバイアスが強まり、一時3万7860円まで下落幅を広げる場面もみられた。売り一巡後は下げ渋る動きとなり、3万8000円辺りでの推移を継続。終盤にかけてショートカバーが入る形で下げ幅を縮め、3万8280円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになりそうだ。地政学リスクへの警戒からナイトセッションで一時3万7860円まで売られたが、前日同様、75日移動平均線(3万7800円)が支持線として機能する形となり、その後は200日線(3万8320円)水準まで回復している。200日線を挟んだもみ合いが続きそうであるほか、3万8000円を下回る局面においては、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
また、エヌビディアは決算発表直後に時間外で大きく売られたが、決算説明会が開催された東部時間17時(日本時間7時)以降は下落幅を縮めている。懸念されている次世代の人工知能(AI)向け半導体「ブラックウェル」の動向が明らかになるとみられ、過度な警戒感は後退しそうだ。決算内容自体はポジティブであることから、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への影響は限られそうである。
もっとも、地政学リスクへの警戒からロングポジションは積み上がりにくいだろう。日経225先物は3万8500円辺りでは戻り待ち狙いのショートが入りやすいほか、スキャルピング中心のトレードのなか、ロングにおいても早めの利食いに向かわせそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万8000円から3万8500円でのレンジを想定する。
下へのバイアスが強まる局面では、上向きで推移する52週線(3万7470円)が支持線として意識される。現在は13週(3万8320円)、26週線(3万8340円)辺りで推移しており、日足、週足いずれも3万8300円近辺での底堅さを見極めたいところである。
20日の米VIX指数は17.16(前日は16.35)に上昇した。地政学的リスクの高まりが意識されるなか、一時18.79まで切り上がり、25日線(17.96)、75日線(18.03)を上回る場面もみられた。不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を下回っている状況であるが、25日、75日線を一時上回ってきたこともあり、やや慎重姿勢に向かわせると考えられる。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.20倍に上昇した。ただし、前日の値幅内での推移であり、一時14.14倍まで低下する場面もみられた。エヌビディアの決算を受けた値がさハイテク株の動向次第の面はあるが、地政学リスクへの警戒からNTショートを巻き戻す動きは強まりにくいだろう。
昨日の海外市場では、ドル円は底堅い動きとなりました。欧州時間は米長期金利の上昇につれて買戻しが先行。週明け18日の高値155.36円を上抜けると一時155.89円まで値を上げました。NY時間に入ると、前日に引き続きリスクオフの動きに。「ウクライナが英国製の長距離ミサイルを初めて発射した」ことが報じられると一時155.06円まで下押ししたものの、その後はすぐにも155.60円まで買戻されるなど、ロシアの核ドクトリンネタによる行き過ぎたリスクオフからは、結局のところショートの踏み上げ相場の下地を作ってしまったという市場自身の反省からか、かかる反応は一時的に終わると、155.40円を挟んだもみ合いとなってNY市場を終えることになりました。
アジア市場に入ってからは、小高く寄付いた日経平均が一転して下落に転じたことから戻り売り。一時154.89円まで値を下げているといったところです。目先は一目転換線の位置する154.70円や昨日安値の154.53円付近がサポートレベルとして意識されています。
いずれにしても、本日は、目先材料不足のなかにあって「目立ったドル円のフローが全く出ていない」状況が続いていますが、市場としては唯一のネタとして14時05分頃から始まる予定の植田日銀総裁の講演を待っているといったところ。あまり緊張感の感じられない相場展開となっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比390円安の3万8050円(-1.01%)前後で推移。寄り付きは3万8250円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8280円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。その後は押し目狙いのロングとみられる動きにより、現物の寄り付き時には3万8380円まで下げ幅を縮めた。ただし、積極的なロングは限られるなかでショート優勢の流れとなり、中盤にかけて一時3万8000円まで売られた。売り一巡後は3万8150円辺りまで持ち直す場面もみられたが戻りは鈍く、3万8000円近辺での推移となった。
日経平均株価は小動きで始まった後に下へのバイアスが強まり、一時節目の3万8000円を割り込む場面もみられた。ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]の3社で日経平均株価を200円超押し下げており、日経平均型のインデックス売りが入ったようである。地政学リスクへの警戒から米国市場ではディフェンシブ株の一角が買われていたこともあり、東京市場においても相対的にTOPIX型優位の形である。ランチタイムで3万8000円を下回ってきたが、75日移動平均線に接近する局面では、その後のカバー狙いのスタンスになろう。
NT倍率は先物中心限月で14.14倍に低下した。朝方は一時14.21倍と上昇に転じる場面もみられたが、その後は指数インパクトの大きい値がさ株の一角が弱い値動きとなるなかで、NTショートに振れる形だった。下向きのトレンドが継続するなか、地政学リスクへの警戒から9月上旬以来の14.00倍割れが意識されやすい。
「迫り来る米国の選挙は市場の債券自警団の復活を予兆している可能性がある」
(エド・ヤルデニ氏)
1. 債券自警団(bond vigilantes)
1984年、ヤルデニ・リサーチの社長兼投資戦略責任者エド・ヤルデニ氏は、レーガン第40代米大統領のインフレを招くような金融財政政策に対して財政健全化を要求しながら、債券売りで抗議する投資家を「債券自警団(bond vigilantes)」と命名した。
2024年10月、11月5日の米国大統領選挙を控えて、エド・ヤルデニ氏は、「債務に対処するために、また政府の純利払い費用に対処するために財政赤字削減策を講じるという議論は、いずれの候補者からも一切聞かれていない」と述べ、迫り来る米国の選挙は市場の債券自警団の復活を予兆している可能性があると警告した。そして、「債券利回りが5%に上昇することに私が過度な期待感を抱くことはないだろうが、数週間前よりも現実味を帯びてきているのは確かだ」と述べた。
一方、第2次トランプ米政権での長期金利低下を予想しているソロス・ファンドは、下落している米国債を買い漁っているらしい。
2. 2024会計年度(23年10月-24年9月)財政赤字:1兆8970.79億ドル
2024会計年度の財政赤字は過去3番目の規模となる1兆8328.16億ドル(対GDP比6.4%)となり、前年の1兆6952.4億ドルから1375.76億ドル(8.1%)増加した。
国債利回りの上昇を受けて、政府のコスト負担が大きく膨らんでおり、2024年度の連邦政府の公的債務利子が累計で初めて1兆ドルを超えた。
3.2024年10月末債務残高:35兆9516億ドル(※米国債:28兆ドル)
米国の2024年10月末時点での債務残高は35.9516兆ドルで、2024年第3四半期国内総生産(GDP)29.35兆ドルの約122%となっている。
第2次トランプ米政権では、減税と財政出動の公約により、米国の財政赤字が最大の問題になることが警戒されており、高水準の政府債務が米国債のイールドカーブをスティープ化することが見込まれている。米格付け会社ムーディーズは「米国の財政状況は弱体化する可能性が高い」と指摘して、大統領選後に米国の信用格付けを引き下げることを示唆している。
超党派の米シンクタンク「責任ある連邦予算委員会」は、第2次トランプ米政権では、2026~35年度の10年間で財政赤字が7兆5千億ドル拡大するとのことである。25年末に期限を迎える減税策の恒久化が5兆3500億ドル、残業代への課税撤廃は2兆ドルの財政悪化が見込まれている。全ての輸入品に10%、中国に60%の関税を課す方針では、2兆7千億ドルの税収増となる。
4. 債務上限(debt ceiling)
2025年1月2日に債務上限(31兆4000億ドル)の適用が再開する。しかし、第2次トランプ米政権では、議会上下両院を共和党が多数派(トリプルレッド)となっているため、市場を混乱させてきた連邦債務上限を巡る政治的対立はなくなると思われる。
これまで、フィッチは、最高水準だった米国債の格付けを1段階引き下げ、ムーディーズは格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更している。しかし、米国債の最高格付けを維持するムーディーズは、米国の財政健全性に対するリスクが増大していると警告している。
本日のロンドン為替市場でも、このところ相場を右往左往させているウクライナ・ロシア戦争の行方に注意は必要だろう。ほか、ユーロ圏からは金融当局者の講演が多数予定されており、それぞれのスタンスを見定めながらユーロ相場は上下しそうだ。
ウクライナは昨日、英国製ミサイルでロシア領内を攻撃。前日の米国製に続く長射程ミサイル使用で、市場ではリスク回避ムードが一時強まった。ロシア側がトランプ次期大統領との停戦協議に前向きな姿勢を見せるなか、話し合いが始まる前に優位な状況をウクライナは作りたいもよう。今後、ロシア領内に向けて西側供与の兵器を頻繁に使い続けるようだと、ロシアと北大西洋条約機構(NATO)との緊張の高まりは避けられそうにない。
ウクライナ情勢の悪化を受けて、ロシアと国境を接するフィンランドや地理的に近いスウェーデンでは(どちらもNATO加盟国)、戦争を生き延びるために医薬品や食糧の蓄えを呼びかける冊子が発行された。今日明日でロシアがNATOを相手に何か仕掛けることはないだろうが、欧州では戦火拡大への警戒感が確実に高まっているようだ。
欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーの講演はフランス中銀総裁から始まり、タカ派とされるオランダやオーストリアの中銀総裁、そしてハト派のチポローネECB専務理事や
スペインとキプロスの中銀総裁と続く。どちらかと言えばタカ派のエルダーソンECB専務理事も発言予定。それぞれの金融姿勢と方向性が違う発言がでれば、ユーロは敏感に反応するかもしれない。
ほか、トルコ中銀が日本時間20時に政策金利を公表予定。主要金利は50%で据え置きが大方の予想であり、こちらはサプライズなしだろう。足もとのインフレ率が48%台と減速ペースが落ちてきており、声明でフォワードガイダンスに変化があるか、またカラハン・トルコ中銀総裁の見解などがリラ相場の材料となるか。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0613ドル
・リラ円、15日高値4.55円
想定レンジ下限
・ユーロドル、2023年10月3日安値1.0448ドル
・リラ円、5日安値4.40円
ドル円:1ドル=155.17円(前営業日NY終値比▲0.27円)
ユーロ円:1ユーロ=163.65円(▲0.23円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0547ドル(△0.0003ドル)
日経平均株価:38026.17円(前営業日比▲326.17円)
東証株価指数(TOPIX):2682.81(▲15.48)
債券先物12月物:142.61円(▲0.28円)
新発10年物国債利回り:1.08%(△0.015)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.327%(△0.011)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
9669億円の処分超 1兆7246億円の所得超
対内株式
1276億円の取得超 5142億円の所得超・改
(各市場の動き)
・ドル円は軟調。早朝の商いの薄い時間帯にやや売りが散見されると、その後は日経平均の軟調推移もあり、上値の重い展開が続いた。日本株売りが一服すると下げ渋って155円前半まで回復する場面もあったが、15時過ぎにウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が「金利はさらに低下する可能性がある」「ディスインフレは続くだろう」などと発言したことが伝わると、154.56円まで下落した。
・ユーロ円も軟調。日経平均の軟調推移を眺め上値の重いなか、15時過ぎにドル円が下押した影響を受けて163.13円まで下値を広げた。
・ユーロドルは小動き。時間外の米10年債利回りが小幅に低下しているので、1.0555ドルまで上昇したが、本日これまでの値幅はわずか15Pips程度と小動きの域を出なかった。
・日経平均株価は軟調。前日NY市場引け後に発表された半導体大手エヌビディアが決算を発表、好業績ながら同株が売られた。このことが影響して日経平均は半導体株が下げた影響を受けて、下げ幅が400円超となる場面が見られた。
・債券先物相場は軟調。日本政府による経済対策の規模が膨らみ、国債の増発につながることが懸念され、需給が緩むとの観測から債券売りが優勢となった。なお、本日行われた20年債入札は投資家から一定の需要が確認され、「概ね無難な結果」との指摘があった。
大阪12月限
日経225先物 38040 -400 (-1.04%)
TOPIX先物 2685.0 -21.0 (-0.77%)
日経225先物(12月限)は前日比400円安の3万8040円で取引を終了。寄り付きは3万8250円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8280円)にサヤ寄せする形で売りが先行した。その後は押し目狙いのロングとみられる動きにより、現物の寄り付き時には3万8380円まで下げ幅を縮めた。ただし、積極的なロングは限られるなかでショート優勢となり、前場中盤にかけて節目の3万8000円まで売られた。
売り一巡後は3万8150円辺りまで持ち直す場面もみられたが戻りは鈍く、ランチタイムでは一時3万7950円まで下げ幅を広げた。もっとも、3万8000円処での底堅さが意識され、終盤にかけては3万7950円~3万8150円辺りでの推移が続いた。
日経平均株価は小動きで始まった後に下へのバイアスが強まった。エヌビディア<NVDA>が時間外取引で売られたほか、ロシア・ウクライナ情勢が新たな局面に突入したことで、地政学リスクの高まりも警戒されて積極的なポジションを取りづらくさせた。指数インパクトの大きいファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]の3社で日経平均株価を160円超押し下げており、相対的に日経平均型の弱さが目立った。
ただし、前場中盤以降は3万8000円を挟んだ狭いレンジでの推移だったこともあり、スキャルピング中心のトレードでは3万8000円割れでエントリーしても、早い段階で利益を確定させたことであろう。ショートについても3万8100円を上回る局面で戻りの鈍さがみられるようだと、3万8000円前半をターゲットとした短期的なトレードだったとみられる。
日経225先物は朝方に3万8380円まで持ち直したが、その直後にあっさり3万8300円を割り込んだため、200日移動平均線(3万8320円)、26週線(3万8320円)、13週線(3万8280円)を支持線とする展開とはならなかった。反対に抵抗線として意識されやすい状況であり、リバウンド狙いのトレードは限られただろう。
なお、決算を発表したエヌビディアは時間外で弱い値動きだったが、実績、見通しともに予想を上回っていた。また、新型AI半導体「ブラックウェル」について過熱の問題で供給が遅れる恐れがあると報じられていたが、決算説明会では設計変更で問題に対処しており、以前の想定よりも多くの量を出荷すると述べたようだ。米国市場でアク抜けの動きをみせてくるようだと、指数インパクトの大きい値がさハイテク株には安心感につながりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.16倍に低下した。朝方は一時14.21倍と上昇に転じる場面もみられたが、その後は指数インパクトの大きい値がさ株の一角が弱い値動きとなるなかで14.12倍まで下げた。エヌビディアの動向次第ではあるが、底堅さがみられると、週末要因もあって、いったんNTショートの巻き戻しが意識されそうだ。ただし、下向きのトレンドが継続するなかで、地政学リスクへの警戒が一段と高まってくる局面では、9月上旬以来の14.00倍割れが射程に入る。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万2977枚、ソシエテジェネラル証券が8896枚、サスケハナ・ホンコンが3440枚、JPモルガン証券が2375枚、バークレイズ証券が1614枚、野村証券が814枚、ゴールドマン証券が797枚、SBI証券が781枚、auカブコム証券が759枚、松井証券が704枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万3708枚、ソシエテジェネラル証券が1万0548枚、バークレイズ証券が3225枚、JPモルガン証券が2898枚、ゴールドマン証券が2426枚、ビーオブエー証券が1948枚、サスケハナ・ホンコンが1911枚、みずほ証券が1658枚、モルガンMUFG証券が1587枚、野村証券が1192枚だった。
本日のNY時間のドル円も引き続き神経質な動きとなるだろうが、下落局面での買い意欲は根強いか。
連日値幅を伴った値動きを繰り返しているが、アジア時間では日米中央銀行関係者の発言ではドル売り・円買いの要素が高かった。植田日銀総裁のパリ・ユーロプラス「ファイナンシャル・フォーラム」で講演では、12月までの指標結果次第では今後の政策金利の変更を示唆したことで、やや円買いと捉えられた。一方で、バロンズ社とのインタビューでウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は「金利はさらに低下する可能性がある」「ディスインフレは続くだろう」などの発言が伝わったことはドル売り要因となっている。昨日は155.89円までドル円は上昇し、市場がブル志向となっていたこともあり、これらの発言で154円割れ手前まで下落し、ロングポジションを振り落とした結果になっている。
日米の金融政策の発言ではドル円は売り要因ではあるが、市場の間ではトランプトレードによる米金利上昇・ドル買いというトレンドは変わらないとの意見が多く、下落局面では買い意欲はなかなか引かないとも思われる。
その中で本日は米国から雇用指標(前週分の米新規失業保険申請件数と失業保険継続受給者数)が発表されることで、同指標の結果には目を向けておきたい。昨日ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事は「経済は好調で、労働市場は完全雇用に近い」と述べたほか、クックFRB理事も「雇用市場が依然として堅調な場合は、利下げ一時停止のシナリオが考えられる」とも発言している。両理事の予想通りに雇用指標が好結果だった場合のほうが市場は反応しやすく、ドル円は買われやすくなりそうだ。
ウクライナ情勢についても引き続き注目をしておきたい。今週は19日には米国製地対地ミサイルATACMSでロシア領を攻撃したことで、ドル円は153.29円まで下落した。本日もロシアのICBM発射で円買いが強まっている。ただし、ATACMS攻撃の翌日にはドル円の下げ幅をすべて取り戻すなど、円買いの勢いは比較的に短時間で終わっている。核攻撃などの過激化した場合は市場も大きく反応すると思われるが、今後も攻撃の内容によりドル円への影響は強弱分かれそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、東京時間午後の高値155.26円近辺。その上は20日高値155.89円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、19日安値153.29円。
今晩は上値の重い展開か。昨日は引け後のエヌビディアの決算発表を控えた様子見が強まり主要3指数がそろって小動きとなった。ダウ平均は139.53ドル高(+0.32%)と5日ぶりに反発したが、S&P500は0.13%高(0.00%)とほぼ横ばいで終了し、ナスダック総合は0.11%安と3日ぶりの小幅反落となった。引け後の動きでは、エヌビディアが予想を上回る増収増益決算や強い見通しを発表したものの、株価は時間外で2.5%安となった。一方、ビッグデータ解析のスノーフレークは予想を上回る決算が好感され時間外で約20%高と急伸した。
今晩の取引ではエヌビディアの軟調が予想され、ハイテク株を中心に上値の重い展開となりそうだ。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が先週、FRBは利下げを急がないと発言し、利下げ期待が後退したことも足もとでの株価の重しとなっており、寄り前に発表される新規失業保険申請件数や寄り後発表の10月中古住宅販売件数などの経済指標や、グールズビー米シカゴ連銀総裁などのFRB高官の発言にも要注目か。
今晩の米経済指標・イベントは新規失業保険申請件数、10月中古住宅販売件数など。要人発言はグールズビー米シカゴ連銀総裁、ハマック米クリーブランド連銀総裁など。企業決算は寄り前にディア、引け後にコパート、ロス・ストアーズ、インテュイットなどが発表予定。
日経平均株価は続落。直近安値を下回る下値模索となり、一時は38000円を割り込む場面もあった。75日移動平均線(37897円 11/21)付近では下げ渋ったものの、11/1安値を終値ベースで下回る展開となった。
RSI(9日)は前日の23.4%→15.5%(11/21)まで低下。11/1安値を下回るややネガティブな動きとなり、一目均衡表でも終値で雲の中に入り込んだ。雲上限(38566円 11/22)や下向きの10日移動平均線(38732円 11/21)などが目先の上値抵抗となりやすく、調整が長引く要因となる。あすはようやく上向きに転じる可能性が高い75日移動平均線付近を支持に、雲上に急回復できるかが焦点となる。
依然として10月からのもみ合いの範ちゅうであり、当面は10/16の下げで開けたマド埋め(39910円)を通過点に4万円突破へ勢いづくかが焦点となる。8月安値(31156円)を起点とした上昇局面では高値圏を保っており、一段高となる前の揺り戻しが続いていると判断したい。
上値メドは、10日移動平均線、心理的節目の39000円や39500円、11/7高値(39884円)、10/15高値(40257円)などがある。下値メドは、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
(21日終値:22日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.44円(21日15時時点比▲0.73円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.96円(▲1.69円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0487ドル(▲0.0060ドル)
FTSE100種総合株価指数:8149.27(前営業日比△64.20)
ドイツ株式指数(DAX):19146.17(△141.39)
10年物英国債利回り:4.443%(▲0.026%)
10年物独国債利回り:2.318%(▲0.033%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月仏企業景況感指数
96 97
11月ユーロ圏消費者信頼感指数
(速報値) ▲13.7 ▲12.5
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調。「ロシアが大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した」と伝わると、ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの懸念からユーロ売り・ドル買いが優勢となった。ユーロ圏経済の先行き不透明感から欧州中央銀行(ECB)が12月に追加利下げを決めるとの見方も根強く、ユーロ売りが出やすい面もあった。前日の安値1.0507ドルや14日の安値1.0497ドルを下抜けると目先のストップロスを巻き込んで、一時1.0462ドルと昨年10月4日以来の安値を更新した。11月ユーロ圏消費者信頼感速報値が▲13.7と予想の▲12.4を下回ったことも相場の重し。
・ドル円は弱含み。ロシアが攻撃の一環としてICBMを使用したと伝わると、ウクライナとロシアの戦闘激化に対する警戒が高まった。高く始まった米国株相場が失速したタイミングでリスク・オフの円買い・ドル売りが強まったほか、米長期金利の低下に伴うドル売りが出ると一時153.91円と日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。米長期金利が上昇に転じたことなどを手掛かりに全般ドルを買い戻す動きが広がると、2時30分前に154.69円付近まで下値を切り上げた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時107.16と昨年10月4日以来の高値を更新した。
なお、この日発表の11月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や10月米景気先行指標総合指数は予想を下回った一方、前週分の米新規失業保険申請件数や10月米中古住宅販売件数は予想より強い内容となるなど、強弱入り混じる結果となった。
・ユーロ円はさえない展開。ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの警戒からリスク回避の円買い・ユーロ売りが優勢となった。2時過ぎに一時161.75円と日通し安値を更新した。なお、直近安値である19日の安値161.50円が下値の目途として意識される。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反発。前日までの続落を受けて自律反発狙いの買いが入ったものの、ウクライナとロシアの緊張の高まりが投資家心理の重しとなり上値は限定的となった。BPやシェルなどエネルギー株が買われたほか、ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが値上がりした。
・フランクフルト株式相場は5日ぶりに反発。足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いが入った。ただ、ウクライナとロシアの戦闘激化への警戒感が投資家心理の重しとなり、相場の上値を抑えた。個別ではシーメンス・エナジー(3.62%高)やキアゲン(3.55%高)、ハノーバー再保険(2.55%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。ロシアとウクライナを巡る地政学リスクの高まりを警戒し、相対的に安全資産とされる独国債が買われた。
21日の日経平均は大幅続落。終値は326円安の38026円。まちまちの米国株を受けて前日終値近辺で寄り付いたものの、すぐに下げ幅を3桁に拡大。米国で決算を発表したエヌビディアが時間外で下落したことを嫌気して、半導体株の多くが売り込まれた。節目の38000円を割り込んだところで売りは一巡。ただ、下に値幅が出たことで戻りは限られ、9時半以降は安値圏でのもみ合いが続いた。後場に入ると38000円近辺で動意自体が乏しくなったが、終値ではかろうじて38000円を上回った。大型株が弱い一方で新興銘柄は強く、グロース250指数は高く始まり、終日プラス圏で推移した。
東証プライムの売買代金は概算で3兆7200億円。業種別ではプラスは非鉄金属、銀行、繊維の3業種のみ。鉱業、精密機器、小売などの下げが大きかった。証券会社が投資判断を引き上げた太平洋セメント<5233.T>が大幅上昇。半面、直近で買収観測を材料に急騰したKADOKAWA<9468.T>が利益確定売りに押されて大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり731/値下がり851。電線株の古河電工と住友電工が大幅上昇。半導体株は売られるものが多かったが、ディスコは小幅ながらプラスで終えた。手掛かり難の中、前日急騰した東京ガスがきょうも買われて4.9%高。ビットコインに注力する姿勢を示しているメタプラネットのほか、ネクスグループやCAICAなど、暗号資産に関連する銘柄の多くが値を飛ばした。
一方、三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社が大幅安。ファーストリテイリング、西松屋チェーン、しまむら、ユナイテッドアローズなど、小売株に大きく売られるものが散見された。九州電力や東北電力など電力株が全般軟調。中期経営計画を材料にフォスター電機が急落した。なお、全体のセンチメントを悪化させたアドバンテスト、東京エレクトロン、レーザーテックなど半導体株は、下落はしたものの、安値を早い時間につけて下げ渋る銘柄が多かった。
日経平均は大幅安。序盤で下げを主導した半導体株は多くが売り一巡後に持ち直したが、指数は終日さえない動きが続いた。また、その中で序盤では大幅高となっていたフジクラ<5803.T>がマイナス転換するなど、値持ちの良かった銘柄に売りが出た。エヌビディアは決算自体は良好で、時間外でも小幅に下落した程度。これを受けて300円を超える下げになるというのはかなり弱い。エヌビディア云々というよりも、日本株に対する期待値が大きく低下しているように思える。グロース250指数が上昇しているのだからリスクオフではなく、大型株が買いづらくなっている。
本日の米国市場でエヌビディアが下げたとしても、それはある程度織り込んでいる。国内半導体株も1日を通してみれば大きく崩れたわけではない。それだけに、あすは反発が期待される。38000円より下には75日線(37897円、21日時点、以下同じ)や52週線(37760円)が控えているが、一段安となってこれらを割り込んでしまうようだと、売りが売りを呼びやすくなるため注意したい。
(21日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.54円(前営業日比▲0.90円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.87円(▲2.01円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0474ドル(▲0.0070ドル)
ダウ工業株30種平均:43870.35ドル(△461.88ドル)
ナスダック総合株価指数:18972.42(△6.28)
10年物米国債利回り:4.42%(△0.01%)
WTI原油先物1月限:1バレル=70.10ドル(△1.35ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2674.9ドル(△23.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
▲5.5 10.3
前週分の米新規失業保険申請件数
21.3万件 21.9万件
10月米中古住宅販売件数
(前月比) 3.4% ▲1.3%・改
(年率換算件数)396万件 383万件・改
10月米景気先行指標総合指数
(前月比) ▲0.4% ▲0.3%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは3日続落。「ロシアが大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した」と伝わると、ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの懸念からユーロ売り・ドル買いが優勢となった。ユーロ圏経済の先行き不透明感から欧州中央銀行(ECB)が12月に追加利下げを決めるとの見方も根強く、ユーロ売りが出やすい面もあった。前日の安値1.0507ドルや14日の安値1.0497ドルを下抜けると目先のストップロスを巻き込んで、一時1.0462ドルと昨年10月4日以来の安値を更新した。11月ユーロ圏消費者信頼感速報値が予想を下回ったことも相場の重し。
なお、グールズビー米シカゴ連銀総裁はこの日、「米連邦準備理事会(FRB)は追加利下げを実施しなければならない」としながらも、「利下げは一段と緩やかなペースで行う必要がある」と改めて表明した。
・ドル円は反落。ロシアが攻撃の一環としてICBMを使用したと伝わると、ロシアとウクライナの戦闘激化に対する警戒が高まった。米国株相場が下げに転じたタイミングでリスク・オフの円買い・ドル売りが強まると一時153.91円と日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。米国株相場の持ち直しや米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが出ると、3時30分過ぎには154.70円付近まで下値を切り上げた。
なお、この日発表の11月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や10月米景気先行指標総合指数は予想を下回った一方、前週分の米新規失業保険申請件数や10月米中古住宅販売件数は予想より強い内容となるなど、強弱入り混じる結果となった。
・ユーロ円は下落。ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの警戒からリスク回避の円買いが先行。ユーロドルの下落につれた売りも出ると一時161.75円と日通し安値を更新した。その後の戻りも162.20円付近にとどまった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。ウクライナとロシアの戦闘激化への警戒から売りが強まると指数は下げに転じる場面もあった。ただ、米経済の底堅さを背景に景気敏感株に買いが集まると上げに転じた。市場では「米半導体大手エヌビディアが前日発表した四半期決算の内容をこなしたあとは幅広い銘柄に買いが広がった」との声が聞かれ、指数は一時610ドル超上昇した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小反発。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの警戒感から買いが先行したものの、米国株相場が底堅く推移すると失速した。このところ、FRB高官から利下げに慎重な発言が相次いでいることも相場の重し。
・原油先物相場は反発。「ロシアがICBMを発射」と報じられ、露・ウクライナ戦闘激化による地政学リスクの高まりが原油供給の流れを停滞させるとの懸念が押し上げ要因となった。
・金先物相場は大幅に4日続伸。「ロシアがICBMを発射」とのニュースが流れ、リスク回避資産である金は買われた。2700ドル付近と、11日以来の高値圏で推移した。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、海外の注目テーマに関するリポートの中で、暗号資産やその関連株が動意づいていることを指摘している。トランプ氏が大統領選で暗号資産業界に好意的な姿勢を見せており、「ビットコイン法案」成立にも一段と期待が高まっているとみている。今年米証券取引委員会によって上場承認されたビットコイン現物とイーサリアム現物のETFには、プロの機関投資家の投資資金が大きく流入しているとのこと。東海東京では、金融市場における暗号資産の存在感はこれまで以上に無視できなくなっていると考えている。
東海東京インテリジェンス・ラボでは日本の長期金利(10年国債利回り)に関して、一時1.08%台まで上昇したことに関しては、(1)米国で「トリプルレッド」が確実な情勢となる中、米長期金利の上昇に連動した、(2)日銀の追加利上げ観測が高まった―ことなどが背景にあったと考えている。円安進行で輸入物価が再び上昇すれば、日銀の追加利上げを求める声が強まりやすい。ただし、政治体制が流動的なことや日銀の「金融システムの安定」という責務を考慮すると、追加利上げのハードルは高く、慎重な利上げ判断が求められると東海東京では指摘。現行からの長期金利の上昇余地は限定的とみており、当面は1%前後での推移が続くと予想している。
21日06:16 コリンズ米ボストン連銀総裁
「政策は依然として制限的であるため、追加の利下げが必要」
「利下げを急ぎたくない」
「利下げが遅すぎると労働市場に悪影響を与える可能性がある」
「金融政策は経済見通しに対して適切な位置にある」
「金融政策は事前に設定されたコースではない」
「政策決定は会合ごとに行われる」
「見通しに対するリスクはほぼ均衡」
21日14:20 植田日銀総裁
「テクノロジーの進化、金融安定上の新たなリスクの源泉にもなり得る点に留意必要」
「中銀や金融当局、新しい金融仲介機能の実態把握し関係主体に新しいリスクに応じた管理体制設計するよう働きかけ必要」
「進化したテクノロジーに対応する適切な規制監督枠組みの策定も求められる」
「トランプ次期米政権の政策が発表された段階で状況を注視する」
「12月会合までに多くのデータが出る。12月会合の結果を予測するのは不可能」
「各会合ごとにデータを精査して判断」
「短期的な為替の動きにはコメントしない」
「現在の為替変動要因も含め、経済・インフレ見通しを立てる上で為替変動を考慮」
21日14:32 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「物価と成長のリスクは下方向」
「欧州中央銀行(ECB)は制約的な金融政策を解除し続けるべき」
「2025年のインフレ率は2%程度で継続する見通し」
「次期米政権の関税は、欧州のインフレ見通しに著しい打撃は与えない見込み」
「欧州ではインフレに対する勝利が視野に入っている」
「欧州中央銀行(ECB)は、今後の会合で完全で自由な選択が可能」
21日15:13 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁
「金利はさらに低下する可能性がある」
「ディスインフレは続くだろう」
「インフレは鎮静化しつつあっる」
「12月の0.25%利下げは正しい対応」
「中立金利は平均で約2%」
「2%に達するまで会合ごとに利下げすべき」
「ECBが中立金利を下回る必要があるか判断するのは時期尚早」
「第3四半期の賃金上昇は一時的」
21日20:05 トルコ中銀声明
「10月のインフレ基調は低下した」
「前四半期の指標は内需の減速が続き、ディスインフレ水準に達していることを示唆している」
「ディスインフレ・プロセスは力強さを増す」
「インフレ期待と価格決定行動は改善傾向にあるが、ディスインフレのプロセスには引き続きリスクがある」
「月次インフレ率の基調的な低下が顕著かつ持続的に観察され、インフレ期待が予想レンジに収束するまで、金融引き締めスタンスを維持する」
「政策金利の水準は、予想されるディスインフレ経路で必要とされる引き締めを確保する形で決定される」
21日22:39 クガニャゴ南ア準備銀行(SARB)総裁
「保護主義の高まりが貿易や物価に打撃を与える可能性」
「4.5%のインフレは低いインフレではない」
「インフレ目標の議論についてタイムラインは示せない」
「環境は不透明、注意が必要」
「ディスインフレのプロセスは困難に直面している」
「MPCは0.50%の利下げを議論しなかった」
「今回の決定は全会一致」
21日23:16 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「12月利下げの可能性は高いが、確実ではない」
「物価リスクがある中で政策は制限的であると言わざるを得ない」
「インフレが2%を下回るとの警告は根拠がない」
22日00:24 マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「BOEは持続性を評価するために金利を長く維持すべき」
「証拠によって正当化されれば、より大きな変更を行うことができる」
「基調的なインフレ動向の変化を待っている」
「1.00%の引き下げは、私にとっては積極的すぎる」
22日02:28 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「インフレは2%へ低下する道筋にある」
「労働市場は安定し、完全雇用の状態へ移行している」
「来年にかけ金利は現時点より低いところに終始しそう」
「金利の落ち着きどころに近づき、利下げが遅いぺースになることは正当」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ☆ 10月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合、予想:前年比2.2%)
○08:30 ☆ 10月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く、予想:前年比2.2%)
<海外>
○09:00 ◎ 7-9月期シンガポール国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比年率2.7%)
○09:01 ◇ 11月英消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲22)
○16:00 ◎ 10月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比▲0.3%/前年比3.4%)
○16:00 ◎ 10月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比▲0.4%/前年比3.3%)
○16:00 ☆ 7-9月期独GDP改定値(季節調整済、予想:前期比0.2%/前年同期比▲0.2%)
○16:00 ☆ 7-9月期独GDP改定値(季節調整前、予想:前年同期比0.2%)
○17:15 ◎ 11月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:44.5)
○17:15 ◎ 11月仏サービス部門PMI速報値(予想:49.0)
○17:30 ◎ ラガルド欧州中央銀銀行(ECB)総裁、講演
○17:30 ◎ 11月独製造業PMI速報値(予想:43.0)
○17:30 ◎ 11月独サービス部門PMI速報値(予想:51.6)
○17:40 ◎ デギンドスECB副総裁、講演
○18:00 ◎ 11月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:46.0)
○18:00 ◎ 11月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:51.6)
○18:30 ◎ 11月英製造業PMI速報値(予想:50.0)
○18:30 ◎ 11月英サービス部門PMI速報値(予想:52.0)
○21:00 ◎ 7-9月期メキシコGDP確定値(予想:前期比1.0%/前年比1.5%)
○22:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○22:30 ◎ 9月カナダ小売売上高(予想:前月比0.4%/自動車を除く前月比0.5%)
○23:45 ◎ 11月米製造業PMI速報値(予想:48.8)
○23:45 ◎ 11月米サービス部門PMI速報値(予想:55.2)
○23:45 ◎ 11月米総?⑰MI速報値(予想:54.3)
○24:00 ◎ 11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:73.7)
○23日00:45 ◎ シュナーベルECB専務理事、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
21日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、「ロシアが大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した」との報道を受けて153.91円まで下落後、米長期金利の上昇により154.70円付近まで下値を切り上げた。ユーロドルはロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの懸念からユーロ売り・ドル買いが優勢となり1.0462ドルまで下落した。ユーロ円は161.75円まで下落した後、162.20円付近まで戻した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、日本の10月のコア消費者物価指数(CPI)を見極めた後は、ウクライナ情勢を巡る関連ヘッドラインに警戒することになる。
植田日銀総裁は、昨日の「パリ・ユーロプラスファイナンシャル・フォーラム2024」での講演で、12月18-19日の日銀金融政策決定会合に関して、「現時点で会合の結果を予測するのは不可能だ」と述べた。そして、12月会合に向けて「まだ1カ月程度ある。それまでの期間に非常に多くのデータや情報が利用可能となるだろう」と述べており、本日は日本の10月のコアCPIを見極めることになる。
また、植田総裁は、「12月会合で利上げの是非を巡り活発な議論が行われるであろう。為替変動の要因も含め、経済・インフレ見通しを策定する際には為替レートの変動も考慮する」とも述べており、7月会合のような円安抑制のための追加利上げの可能性を示唆したのかもしれない。
8時30分に発表される10月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)は、前年比+2.2%と予想されており、9月の同比+2.4%からの伸び率鈍化が見込まれている。政府による電気・ガス代補助の再開によって、エネルギーの上昇幅が縮むことが背景にある。
石破政権は、総合経済対策において、10月使用分で終了する補助金を来年1月の使用分から再開させて3月まで実施することを示唆しており、当分の間は、日本のインフレ率は鈍化傾向が見込まれている。
植田総裁は、先日「経済・物価が足元で見通し通りに進捗して見通しが実現する確度がある程度高まるという自信が得られれば次のステップに移る」と述べていた。政府による補助金でインフレ率が抑えられている状況で、12月会合での追加利上げ、あるいは据え置きの判断を見極めていくことになる。
ウクライナ情勢に関しては、ウクライナ軍は19日に米国製地対地ミサイル「ATACMS」でロシア領を攻撃し(※下値153.29円)、20日には英国製長距離ミサイル「ストームシャドー」でロシア領内の軍事施設を攻撃した(※下値155.06円)。そして、昨日は、ロシアが初めて大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した(※下値153.91円)、と報じられている。
11月20日はバイデン米大統領の82歳の誕生日だったが、ウクライナにロシアへの長距離ミサイルでの攻撃を容認したことに対するプーチン露大統領からの誕生日プレゼントだったのかもしれない。プーチン露大統領は、21日に国営テレビで放送された国民向けの演説で、「ロシア・ウクライナ戦争は世界規模の紛争にエスカレートしつつある。ロシアは反撃する可能性がある」と警告した。
ウクライナとロシアは、「安全保障のジレンマ」という負のスパイラルに陥りつつあり、ロシアがウクライナ軍に対する限定的な戦術核の使用に踏み切る可能性に警戒しておくべきかもしれない。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38230 +190 (+0.49%)
TOPIX先物 2691.5 +6.5 (+0.24%)
シカゴ日経平均先物 38230 +190
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
21日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。新規失業保険申請件数は前週比6000件減の21万3000件と予想(22万件程度)を下回り、4月以来の低水準となった。労働市場が底堅さを保っていると受け止められ、材料視された。また、前日取引終了後に四半期決算を発表したエヌビディア<NVDA>は小幅高となった。発表後の時間外取引では売られていたが、複数のアナリストが目標株価を引き上げたことが安心感につながり、一時高値を更新する場面もみられた。
トランプ次期政権による減税や規制緩和への期待から景気敏感株への買いも目立った。半面、米司法省がグーグルの「クローム」事業の売却を含む是正案を裁判所に提出したと伝えられたこと受けたアルファベット<GOOG>が大きく売られたほか、マイクロソフト<MSFT>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>など大型テック株の一角が軟調。S&P500業種別指数は食品・生活必需品小売、公益事業、保険が上昇した一方で、メディア、小売、自動車・同部品が下落した。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比190円高の3万8230円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比10円安の3万8030円で始まり、下へのバイアスが強まるなかで3万7700円まで売られた。ただし、その後はリバウンド基調が強まり、午後9時台にはプラス圏を回復した。米国市場の取引開始直後に再び3万7830円まで売られるなど荒い値動きをみせたが、中盤辺りからショートカバーが入る形で切り返しており、終盤には一時3万8340円まで買われ、3万8230円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになりそうだ。一時3万7700円まで売られたが、引き続き75日移動平均線(3万7830円)水準が支持線として意識される形であった。エヌビディアは荒い値動きとなったものの、小幅ながらプラス圏で終えたことは安心感につながると考えられ、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料になりそうである。
一方で、ボリンジャーバンドの-1σが3万8220円辺りで推移しているほか、200日線は3万8340円水準に位置しており、強弱感が対立しやすいと考えられる。3万8200円~3万8300円辺りでの攻防のなかで、明確に上回ってくるかを見極めたいところだろう。これらをクリアしてくるようだと、足もとで上値を抑えられている3万8500円水準や25日線が位置する3万8730円辺りが目先のターゲットとして意識されてくる可能性があろう。
もっとも、ロシア・ウクライナ情勢は新たな局面に突入しており、地政学リスクの高まりが重荷となる。オーバーウィークでのポジションは避けると考えられ、基本的にはスキャルピング中心のトレードになりそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万7875円から3万8375円でのレンジを想定する。3万8000円割れの場面があれば押し目待ち狙いのロング対応。-1σや200日線を上回る局面では短期的に3万8500円をターゲットとしたロングが強まりそうだ。
21日の米VIX指数は16.87(前日は17.16)に低下した。地政学的リスクの高まりが意識されるなか、15.73から17.99での荒い値動きだった。上値は25日、75日線が抵抗となる反面、下値は200日線が支持線として機能していた。不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を下回っている状況であるが、このところは値動きの荒さが目立っていることで、やや慎重姿勢に向かわせると考えられる。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.16倍に低下した。朝方は一時14.21倍と上昇に転じる場面もみられたが、その後は指数インパクトの大きい値がさ株の一角が弱い値動きとなるなかで14.12倍まで下げた。本日はエヌビディアの上昇を受けて、いったんNTショートを巻き戻す動きが意識されそうだ。ただし、NTロングへのシフトはしばらく見極めが必要になるだろう。地政学リスクへの警戒が一段と高まってくる局面では、9月上旬以来の14.00倍割れが射程に入る。
3日続けてのリスクオフ相場に、市場は少々食傷気味ではあるものの、トライするには「非常に分かりやすい」ユーロドルが相場の中心。ドル円は「よく分からない展開」が続いているといったところです。昨日も、ビットコインの急騰とあわせてユーロドルの売り浴びせ。米10年債利回りもNYに入ると一転して4.4375%まで上昇と、いわゆるトランプトレードを再び仕掛けている動きとなりました。ユーロドルは約2年続いたレンジ相場の下抜けといったビッグポイントである2023年10月3日の安値1.0448ドルを意識した展開となっています。
いずれにしても、ドル円は、こういった動きの陰に隠れて、目先ファンド勢が興味を示していないとはいえ、東京市場では淡々と本邦実需の買いが観測されています。NY時間の高値154.72円や連日上がってきている一目転換線の155.02円を意識しつつ、下押しを拾う動きが繰り返されています。
日経225先物は11時30分時点、前日比370円高の3万8410円(+0.97%)前後で推移。寄り付きは3万8250円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8230円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。その後は戻り待ちのショートから3万8090円まで軟化したが、3万8000円近辺では押し目狙いのロングとみられる動きにより、終盤にかけて上げ幅を広げ、現物の前引け直後には一時3万8520円まで買われた。
日経225先物は、寄り付き後に戻り売りに押される場面もあったが、その後の切り返しで200日移動平均線(3万8340円)を上回ると、ロングの動きに加え、ショートカバーを誘う形となったようだ。節目の3万8500円では利益確定に伴うロング解消の動きが意識されやすいだろうが、同水準を明確に上放れてくるようだと一段とショートカバーを強めてくる可能性があるため、短期的なショートでのエントリーは控えておきたいところだろう。ロングに傾ける動きは考えづらいものの、直近の弱い値動きでショートに傾いていた面もあり、持ち高調整に伴うリバランスの動きが意識されそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.20倍に上昇した。21日の米国市場でエヌビディア<NVDA>が買われたことで、指数インパクトの大きい値がさハイテク株にはリバウンドの動きがみられており、相対的に日経平均型優位の展開である。NTロングへの転換は見極めが必要だが、週末要因に伴うリバランスによって、若干ながらNTショートを巻き戻す動きであろう。
トランプ次期大統領はケビン・ウォーシュ氏を財務長官に起用し、後に連邦準備制度理事会(FRB)議長に指名する可能性を検討しているとWSJ紙が伝えた。この構想はパウエル現FRB議長の任期が2026年に終了することを見据えたもの。また、スコット・ベセント氏を国家経済会議委員長に任命し、後に財務長官に昇格させる案も浮上しているが、トランプ氏の意思決定は流動的で他の候補者も検討中という。
「私にとって辞書の中で最も美しい単語は『関税』だ」
(タリフマン:トランプ第47代大統領)
「アメリカ第一主義」を標榜するトランプ第47代米大統領の誕生と「トリプルレッド(共和党による上下両院支配)」により、中国からの輸入品に対する関税が10%から60%に引き上げられる可能性が高いことから第2次米中貿易戦争の可能性が高まりつつある。
1. 第2次米中貿易戦争(2024年~)
2024年1-10月の中国の貿易黒字は7853億ドルを記録し、年間ベースでは1兆ドルを超えることが見込まれている。1-10月の対米貿易黒字は2913.8億ドルとなっている。
陣頭指揮を執る通商代表には、第1次トランプ米政権と同様に、対外強硬派のライトハイザー氏が就任する予定、と報じられている。また、国務長官には、対中強硬派のルビオ上院議員が起用される見通し、と報じられている。
中国経済は、不動産バブルの崩壊により、景気減速、ディスインフレ懸念に襲われており、関税が60%に引き上げられた場合、成長率が半減する可能性が警戒されている。
中国共産党指導部は、低調な内需をカバーするため、輸出に依存する産業政策に一段と注力する方針を示しており、トランプ関税リスクに対して脆弱性をさらすことが警戒される。
また、トランプ氏はメキシコから入ってくる輸入車に対する関税を200%に引き上げると示唆しており、メキシコを迂回する中国車や日本車の関所となる。
2. 第1次米中貿易戦争(2017年~2020年)
2017年8月1日、トランプ政権は、中国に対し不公正な貿易慣行がないかアメリカ通商法スーパー301条に基づく調査を始める検討に入った。
9月18日、ライトハイザー米通商代表は、外国企業が中国に進出する際に技術移転を強要し、その上で不公正な補助金で輸出を促進する中国が国際的な貿易体制に対する脅威になっていると主張した。
2019年8月5日、人民元が2008年以来11年ぶりに対ドルで7元台まで下落したことを受けて、米財務省は1994年7月以来初となる為替操作国認定を中国に行った。
2020年1月13日、第1段階の合意文書で通貨の競争的な切り下げを回避するとしたG20のコミットメントが確認されたことで、中国への為替操作国認定が解除された。
■中国の対米貿易黒字
・2020年:3169億ドル
・2019年:2958億ドル
・2018年:3233億ドル
・2017年:2758億ドル
■対中関税
・第1弾(2018年7月6日)340億ドル 25%
・第2弾(2018年8月23日)160億ドル 25%
・第3弾(2018年9月24日)2000億ドル 10~25%
・第4弾(2019年9月1日)1200億ドル 15%
本日のロンドン為替市場では、複数の経済指標を受けた英欧の景気動向を見定めながらの取引か。また、今週相場の波乱要因となっているウクライナ・ロシア戦争の行方も引き続き注意しておきたい。
欧州序盤には英国の10月小売売上高が発表される。前月比では総合・除く自動車ともに前回プラスからマイナスに下振れが見込まれている。このマイナス幅がどこまで深掘りされるかがポイントか。もっとも過去2カ月は予想比で上振れる結果が出ており、ポジティブサプライズもあり得ることは念頭に入れておきたい。
英国からはまた、製造業とサービス部門の11月購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表予定。こちら製造業PMIの市場予想は50.0と前回から僅かながら改善が期待されている。もし景況判断の境目となる50を少しでも上回ることができれば、ポンドドルの底打ち感に繋がるかもしれない。
同じく、フランスやドイツそしてユーロ圏からも11月製造業・サービス部門PMI速報値が発表される。製造業についてはここ数カ月下げ止まったとはいえ、水準的には低調なまま。回復の兆しが見えるのか確認したい。サービス部門では、10月速報値で予想を大きく下回ったフランスの結果が注目ポイントの1つだろう。
また、欧州中央銀銀行(ECB)のラガルド総裁やデギンドス副総裁の講演も行われる。欧州金利先安観が根強く残るなか、ECBの中心メンバーである両氏の先行き見通しには市場の目が集まるだろう。2022年10月以来の水準まで低下してきたユーロドルに関するコメントも出るかもしれない。
昨日のロシアからウクライナに発射されたミサイルについては、プーチン露大統領は新開発の中距離弾道ミサイルと言い、ウクライナ側は大陸間弾道ミサイル(ICBM)だと主張している。いずれにせよ、週末にかけても両国の戦闘は激しさを増す可能性が高い。地政学リスクへの警戒感が一層高まるようだと、ユーロやポンドの上値は重いままだろう。
想定レンジ上限
・ポンドドル、20日高値1.2715ドル
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0563(21日安値1.0462ドルを下回ると水準切り下げ)
想定レンジ下限
・ポンドドル、5月9日安値円1.2446ドル
・ユーロドル、2022年12月1日安値1.0394ドル
ドル円:1ドル=154.70円(前営業日NY終値比△0.16円)
ユーロ円:1ユーロ=161.88円(△0.01円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0464ドル(▲0.0010ドル)
日経平均株価:38283.85円(前営業日比△257.68円)
東証株価指数(TOPIX):2696.53(△13.72)
債券先物12月物:142.72円(△0.11円)
新発10年物国債利回り:1.080%(▲0.015)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.327%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
前年同月比 2.3% 2.4%
10月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)
前年同月比 2.3% 2.1%
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。10月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)が前年比で予想より強かったことで12月に日銀が利上げするのではとの思惑が高まり、円買いが強まると153.97円まで下落。ただ、昨日安値153.91円が目先の支持として意識されると下げ渋る動きとなり、その後は日経平均の堅調推移もあり15時過ぎに154.92円まで切り返した。
・ユーロ円も底堅い。本邦CPIを受けて円買いが優勢になる中で161.20円まで下落するも、その後は本邦株高を手がかりに切り返すと、15時過ぎに162.17円まで上値を広げた。ドル円の上昇も追い風となった。
・ユーロドルは軟調。ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの懸念から上値の重い展開が継続。一時1.0462ドルまで下落して前日安値に面合わせとなった。
・日経平均株価は3営業日ぶり反発。前日の米株式市場で主要3指数がそろって上昇した流れを引き継ぎ、高く始まった後も買いの勢いが続いた。直近の下落を受け、自律反発を狙った買いが入ったとの声も聞かれた。
・債券先物相場は堅調。本邦CPI後に日銀の利上げ期待が高まる中で債券売りが優勢となる場面が見られるも、一時的。その後は利回りが1.1%の心理的節目に近付き、利回りの高さに着目した買いが優勢となると、142円77銭まで上値を伸ばした。
大阪12月限
日経225先物 38340 +300 (+0.78%)
TOPIX先物 2698.5 +13.5 (+0.50%)
日経225先物(12月限)は前日比300円高の3万8340円で取引を終了。寄り付きは3万8250円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8230円)にサヤ寄せする形で買いが先行した。その後は戻り待ちのショートにより現物の寄り付き直後に3万8090円まで軟化したが、3万8000円近辺では押し目狙いのロングとみられる動きが入り、前場終盤にかけて上げ幅を広げ、現物の前引け直後には一時3万8520円まで買われた。
ただし、3万8500円水準では上値の重さが意識される状況が続いており、ランチタイムで軟化すると、後場は3万8300円~3万8430円処での保ち合いが続いた。
日経225先物は、寄り付き後に戻り売りに押される場面もあったが、その後の切り返しで200日移動平均線(3万8330円)を上回ると、ロングに加え、ショートカバーを誘う形となったようだ。節目の3万8500円近辺では利益確定に伴うロングの解消が意識されたが、後場は200日線のほか、同水準に位置する13週線を上回っての推移だったことで、ショートを仕掛けづらくさせたのだろう。
楽観視はできないものの、足もとでは75日線が支持線として機能しているため、引き続き3万8000円を下回る局面では、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。一方で、上値は3万8500円処が心理的な抵抗となるが、200日線水準での底堅さがみられるようだと、次第に煮詰まり感からトレンドが出やすくなると考えられる。3万8500円をクリアしてくる局面では、ショートカバーが入りやすく、25日線が位置する3万8700円辺りがターゲットになりそうだ。
当面はロシア・ウクライナ情勢など地政学リスクが警戒されて、積極的にポジションを傾けにくい需給状況が続くとみられるが、現在はショートに傾いていると考えられる。上向きで推移している52週線(3万7570円)が支持線として機能する状況のなか、同線を明確に割り込んでくるようだとショートが強まろうが、反対に支持線として機能している状況のなかでは積極的なショートは避けたいところだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.20倍に上昇した。21日の米国市場でエヌビディア<NVDA>が買われたことで、指数インパクトの大きい値がさハイテク株にはリバウンドの動きがみられており、相対的に日経平均型優位の展開である。ただし、26週線、52週線を割り込んできており、両線が位置する14.22~14.25倍辺りが抵抗となる可能性がある。そのため、NTロングへの転換は見極めが必要であり、方向性としてはNTショートでのスプレッド狙いが有効とみておきたい。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3609枚、ソシエテジェネラル証券が9185枚、サスケハナ・ホンコンが3082枚、JPモルガン証券が1775枚、バークレイズ証券が1614枚、ゴールドマン証券が1331枚、SBI証券が1112枚、auカブコム証券が859枚、野村証券が831枚、楽天証券が776枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万8480枚、ソシエテジェネラル証券が1万3234枚、バークレイズ証券が5258枚、JPモルガン証券が4219枚、サスケハナ・ホンコンが2510枚、モルガンMUFG証券が1915枚、ゴールドマン証券が1814枚、ビーオブエー証券が1534枚、みずほ証券が904枚、野村証券が682枚だった。
本日のNY市場でのドル円は、ウクライナ情勢に注意しつつ、発表される米指標を通して、欧米の景況感格差を確認してゆくことになるか。
まず米国では、11月の製造業・サービス業購買担当者景気指数(PMI)速報値や、11月ミシガン大学消費者態度指数・確報値の発表が予定されている。市場予想は製造業が48.8、サービス業は55.2と前月(48.5、55.0)から小幅上昇が見込まれているほか、ミシガンは73.7と速報値(73.0)を上回ると見られている。予想より強い結果が相次げばドルが一段と買われる展開も考えられる。その場合、ドル円はアジアから欧州市場にかけて上値を抑えた155円に乗せられるか注目することになろう。ただし、ユーロ圏に続いて米国のPMIも弱い内容となるようだとドル売りが強まり、19日に付けた直近安値153.29円割れを試すこともあり得る。結果を確認してゆきたい。
一方、ウクライナ情勢の行方には引き続き注意したい。19日には情勢悪化を嫌気して市場はリスク回避的動きとなり、米国債が買われてドル円は153.29円まで下落している。万一、核戦争の脅威が間近に迫るなど、情勢が一段と緊迫化する場合はリスク回避の動きに備える必要も出てくるだろう。関連報道には引き続き注意したい。
他方、ユーロドルは、仏・ユーロ圏の11月製造業・サービス業PMI・速報値が予想を下回り、独サービス業PMIも予想を下振れる結果となったことで、欧州の景気悪化が懸念されて一時1.0335ドルまで下落した。売り一巡後は1.04ドル前半まで買い戻しが入ったとはいえ、NY市場でも欧州の景気悪化が懸念されるようならば、ユーロが再び売り込まれることも考えられるので注意したい。要人講演では、ナーゲル独連銀総裁やビルロワドガロー仏中銀総裁、シュナーベルECB専務理事の講演が予定されている。景気や金利などについて発言があれば材料視されるかもしれない。
想定レンジ上限
・ドル円は21日高値155.45円
・ユーロドルは本日高値1.0498ドル
想定レンジ下限
・ドル円は19日安値153.29円。
・ユーロドルは本日安値1.0335ドル
今晩は上値の重い展開か。昨日はアルファベットが独占禁止法問題で大幅安なったものの、前日引け後に決算を発表したエヌビディアが一時大幅安となった後、プラス圏で終了したことや、トランプ次期政権の政策の恩恵が期待されるゴールドマン・サックスなどの金融株やキャタピラーなどの景気敏感株が上昇し、相場をけん引した。また、トランプ次期大統領が規制緩和に前向きとされるビットコイン価格は初めて99000ドルを突破し、大台の10万ドルに迫った。ダウ平均は461.88ドル高(+1.06%)と大幅に2日続落し、S&P500も0.53%高と4日続伸。ナスダック総合はアルファベットの下落が重しとなったが、0.03%高とわずかにプラス圏で終了した。週初来ではダウ平均が0.98%高、S&P500が1.33%高、ナスダック総合が1.56%高とそろって反発ペースとなった。
今晩の取引では重要イベントがない中、週末の取引となることや、主要3指数が週から上昇したことで上値の重い展開か。ビットコイン価格の動向や、11月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値などの経済指標をにらんでもい合う展開となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは11月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値、11月ミシガン大消費者信頼感指数確報値、同1年先・5年先期待インフレ率確報値など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は反発。概ね前日の陰線レンジ内で小さな陽線を形成し、前日の75日移動平均線(37929円 11/22)付近までの下落から反発する格好となった。
RSI(9日)は前日の15.5%→23.6%(11/22)に上昇。一目均衡表では雲の中に入り込んだ状態だが、5日移動平均線(38259円 同)上を回復した。雲上限(38646円 11/25)や下向きの10日移動平均線(38610円 11/22)などが目先の上値抵抗となりやすいが、上向きに転じた75日移動平均線を支持に雲上に回復できるかが焦点となる。
依然として10月からのもみ合いの範ちゅうであり、当面は10/16の下げで開けたマド埋め(39910円)を通過点に4万円突破へ勢いづくかが焦点となる。8月安値(31156円)を起点とした上昇局面では高値圏を保っており、一段高となる前のもみ合いが続いていると判断したい。
上値メドは、10日移動平均線、心理的節目の39000円や39500円、11/7高値(39884円)、10/15高値(40257円)などがある。下値メドは、75日移動平均線、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
(22日終値:23日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.75円(22日15時時点比△0.05円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.23円(▲0.65円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0418ドル(▲0.0046ドル)
FTSE100種総合株価指数:8262.08(前営業日比△112.81)
ドイツ株式指数(DAX):19322.59(△176.42)
10年物英国債利回り:4.386%(▲0.057%)
10年物独国債利回り:2.242%(▲0.076%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10月英小売売上高(自動車燃料含む)
(前月比) ▲0.7% 0.1%・改
(前年比) 2.4% 3.2%・改
7-9月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整済)
(前期比) 0.1% 0.2%
(前年同期比) ▲0.3% ▲0.2%
11月独製造業PMI速報値
43.2 43.0
11月独サービス部門PMI速報値
49.4 51.6
11月ユーロ圏製造業PMI速報値
45.2 46.0
11月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
49.2 51.6
11月英製造業PMI速報値
48.6 49.9
11月英サービス部門PMI速報値
50.0 52.0
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは一転下落した。日本時間夕刻に一時1.0498ドルと日通し高値を付けたものの、この日発表の仏・独・ユーロ圏の購買担当者景気指数(PMI)が低調な内容となり、ユーロ圏の景況感悪化が示されるとユーロ売りが広がった。重要なサポートとして意識されていた昨年10月3日の安値1.0448ドルを下抜けると断続的にストップロスを巻き込んで、一時1.0335ドルと2022年11月以来2年ぶりの安値を更新した。市場では「ウクライナ情勢の緊迫化にユーロ圏景気の失速懸念が重なり、独長期金利の低下とともにユーロ売りが膨らんだ」との声が聞かれた。
もっとも、そのあとは急ピッチで下落した反動が出て1.0438ドル付近まで下げ渋ったが、戻りも限定的だった。NYの取引時間帯に入ると1.0400ドルを挟んだもみ合いに終始した。
・ポンドドルは一時1.2487ドルと5月9日以来の安値を更新した。本日発表の10月英小売売上高や11月英製造業・サービス部門PMI速報値が予想を下回ると、ポンド売り・ドル買いが優勢となった。
・ドル円は下値が堅かった。ユーロ円などクロス円の下落につれた円買い・ドル売りが先行。米長期金利の低下に伴うドル売りも出ると一時154.19円付近まで値を下げた。ただ、アジア時間に付けた日通し安値153.97円が目先サポートとして働くとじりじりと下値を切り上げた。11月米製造業PMI速報値が市場予想と一致し、11月米サービス部門PMI速報値が予想を上回ると買い戻しが加速し、24時前に155.02円と日通し高値を付けた。
もっとも、その後発表された11月米ミシガン大学消費者態度指数確報値が予想を下回ると上昇は一服。154円台後半で徐々に値動きが鈍った。
・ユーロ円は下落。この日発表されたユーロ圏の景況感を示す指標が総じて弱い内容だったことから、全般ユーロ売りが先行。節目の160.00円を下抜けて一時159.93円と10月2日以来の安値を更新した。もっとも、そのあとはユーロドルと同様に、急ピッチで下落した反動が出て161円台前半まで下げ渋った。
・ロンドン株式相場は続伸。前日の米国株や本日の日本株の上昇を背景に投資家心理が上向くと買いが優勢となった。外国為替市場でポンド安が進むと、ポンド安の恩恵を受けやすい銘柄などに買いが集まった。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値上がりしたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が底堅く推移した。
・フランクフルト株式相場は続伸。前日の米国株や本日の日本株の上昇を受けて投資家心理が改善すると、独株にも買いが波及した。個別ではザランド(6.36%高)やボノビア(4.76%高)、ブレンターク(4.41%高)などの上昇が目立ち、ドイツ銀行(2.86%安)などを除く36銘柄が上昇した。
・欧州債券相場は上昇。ウクライナ情勢の緊迫化にユーロ圏景気の失速懸念が重なり、相対的に安全資産とされる独国債に買いが入った。
(22日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.78円(前営業日比△0.24円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.24円(▲0.63円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0418ドル(▲0.0056ドル)
ダウ工業株30種平均:44296.51ドル(△426.16ドル)
ナスダック総合株価指数:19003.65(△31.23)
10年物米国債利回り:4.40%(▲0.02%)
WTI原油先物1月限:1バレル=71.24ドル(△1.14ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2712.2ドル(△37.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月米製造業PMI速報値
48.8 48.5
11月米サービス部門PMI速報値
57.0 55.0
11月米総?⑰MI速報値
55.3 54.1
11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
71.8 73.0
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは4日続落。欧州時間発表の仏・独・ユーロ圏の購買担当者景気指数(PMI)が低調な内容となり、ユーロ圏の景況感悪化が示されると全般ユーロ売りが進行。重要なサポートとして意識されていた昨年10月3日の安値1.0448ドルを下抜けて一時1.0335ドルと2022年11月以来2年ぶりの安値を更新した。市場では「ウクライナ情勢の緊迫化にユーロ圏景気の失速懸念が重なり、独長期金利の低下とともにユーロ売りが膨らんだ」との声が聞かれた。
ただ、NY市場では急ピッチで下落した反動などが出たため下げ渋った。週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りも入り、1.04ドル台前半でのもみ合いに終始した。
なお、センテノ・ポルトガル中銀総裁は「インフレは目標通りだが経済は苦戦している」「下方リスクのシナリオでは、より大きな利下げが議論される可能性」と述べたほか、ナーゲル独連銀総裁は「インフレ目標は遅くとも2025年半ばまでに達成されるだろう」「今後数カ月でさらなる利下げが行われる可能性」などと語った。
・ドル円は反発。22時30分過ぎに一時154.19円付近まで値を下げたものの、アジア時間に付けた日通し安値153.97円が目先サポートとして働くとじりじりと下値を切り上げた。
本日発表の11月米製造業PMI速報値は市場予想と一致し、サービス部門と総合は予想を上回った。米景気の底堅さが示されたことも相場の支援材料となり、24時前に一時155.02円と日通し高値を付けた。
ただ、その後発表された11月米ミシガン大学消費者態度指数確報値が予想を下回ると上昇は一服。154円台後半で徐々に値動きが鈍った。
・ユーロ円は続落。この日発表されたユーロ圏の景況感を示す指標が総じて弱い内容だったことから、欧州市場では一時159.93円と10月2日以来の安値を付けた。ただ、NY市場ではユーロドルと同様に、急ピッチで下落した反動などが出て161円台前半で下げ渋った。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、史上最高値を更新した。11月米製造業PMI速報値が市場予想と一致し、11月米サービス部門PMI速報値が予想を上回ったことが好感されて、買いが広がった。市場では「米指標が景気の底堅さを示したことで、景気敏感株や消費関連株などに買いが入った」との声が聞かれた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら続伸。電気自動車(EV)のテスラが3%超上昇した一方、半導体大手のエヌビディアが3%超下落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反発。良好な米経済指標を受けて売りが出たものの、週末を控えたポジション調整目的の買いが入ると持ち直した。
・原油先物相場は続伸。今週は、米国がウクライナへ供与した長距離射程ミサイルの使用を許可し、ウクライナが同ミサイルでロシアを攻撃した一方、ロシアが大陸間弾道ミサイル(ICBM)を実戦で初使用して報復に出るなど露・ウクライナ情勢が緊迫化。中東リスクもくすぶるほか、石油輸出国機構(OPEC)加盟国ほかの主要産油国で構成するOPECプラスが12月にも開始とみられいた増産を先送りする観測も浮上した。買い基調が続いて8日以来、2週間ぶりの高値71ドル台まで上昇が進んだ。
・金先物相場は大幅に5日続伸。今週は中東や露・ウクライナ情勢をにらんだ地政学リスクを意識した動きが週を通して続いた。リスク回避資産である金を買う動きが根強く8日以来、2週間ぶりの高値2713ドル台まで上伸した。
JPモルガン証券では米国株に関して、来週28日に感謝祭祝日を控えて、徐々に休暇モードに入りつつあると指摘している。今年はロング・ショートファンド含めて株式投資家の成績も良好なため、休暇前に過度なリスクを取るような取引が手控えられやすいもよう。CTAなどのアルゴ系プレーヤーも通常は感謝祭前10営業日ほどからアクティビティが落ちる傾向にあるとのことで、足元で米株の先物追随買いもペースダウンしている様子とコメントしている。
大和証券では、米経済がソフトランディング、日本経済がゼロインフレ脱却を実現する中で、TOPIXのEPSは増加すると見込んでいる。日本株にとってトランプ新政権の政策が最大のリスクではあるが、大和では極端なポジティブ、ネガティブになりにくいとみており、2025年度末にかけて日本株の上昇傾向継続をメーンシナリオとしている。業種では、ゼロインフレの脱却を背景に国債利回り上昇が見込まれること、トランプ新政権の政策影響を相対的に受けにくいことなどから、金融セクターのアウトパフォーム継続を予想している。
BNPパリバ証券では、10月の全国消費者物価(CPI)に関して、ベース効果のせいで「前年比」は一見パッとしないものの、「前月比(季節調整値)」で見た10月のエネルギーを除くCPIコアは0.4%もの高い伸びを示していると指摘している。6月以降の平均では0.3%、年率換算では3.7%で、極めて強い数字と捉えている。BNPパリバでは、インフレのモメンタムは明らかに強まる方向にあるとみており、今回の結果は日銀の12月利上げをデータ面から正当化する内容であったと考えている。
22日09:13 石破首相
「政府の総合経済対策、事業規模は39兆円程度 国の一般会計13.9兆円」
「今後補正予算を速やかに編成し、早期成立を目指す」
22日11:38 王・中国商務次官
「尊重を基礎とした米国との協力に意欲」
「米国との対話と相違点の管理に意欲」
「他国が課す関税による消費者物価の上昇を警告」
「中国は外部からの影響に耐えられる」
「中国経済は耐久性と大きな潜在力を示している」
22日14:37 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「欧州中央銀行(ECB)の政策は景気抑制的であり続ける必要」
22日18:09 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「金融政策の軌道は明確」
「利下げ幅が0.25%か0.50%かはあまり重要ではない」
22日21:45 センテノ・ポルトガル中銀総裁
「インフレは目標通りだが経済は苦戦している」
「2%を下回ることを防ぐために、強い経済が必要」
「下方リスクのシナリオでは、より大きな利下げが議論される可能性」
「インフレが目標を下回らないように注力する必要」
22日21:51 シュレーゲル・スイス国立銀行(スイス中銀、SNB)総裁
「スイスは現在のように柔軟なインフレ目標を必要としている」
「インフレ目標により中央銀行はショックに柔軟に対応できる」
「主な手段は政策金利と為替介入」
「中央銀行は物価安定の確保に努める」
「スイスフランの安全通貨としての性質を認識」
「世界経済の低迷は通貨高によりスイスにさらに大きな打撃を与える」
22日22:56 ナーゲル独連銀総裁
「インフレ率を2%に戻す正しい軌道に乗っている」
「インフレ目標は遅くとも2025年半ばまでに達成されるだろう」
「今後数カ月でさらなる利下げが行われる可能性」
「PMIはドイツの停滞を裏付けている」
「PMIの数字は驚きではなかった」
22日23:11 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「ECBはソフトランディングを達成中」
「成長の回復力の継続性を確認」
23日01:43 プーチン露大統領
「ロシアは新兵器の試験を続ける」
※時間は日本時間
25日
○14:00 ◇ 9月景気動向指数改定値
26日
○08:50 ◇ 10月企業向けサービス価格指数
28日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
29日
○08:30 ◎ 10月完全失業率
○08:30 ◎ 10月有効求人倍率
○08:30 ◎ 11月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
○08:50 ◎ 10月鉱工業生産速報
○08:50 ◇ 10月商業販売統計速報(小売業販売額)
○14:00 ◇ 10月新設住宅着工戸数
○14:00 ◇ 11月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯)
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
25日
○06:45 ◎ 7-9月期ニュージーランド(NZ)小売売上高
○06:45 ◎ 10月NZ貿易収支
○14:00 ◎ 10月シンガポール消費者物価指数(CPI)
○18:00 ◎ 11月独Ifo企業景況感指数
○19:30 ◎ ディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○26日01:30 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○26日02:30 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○26日03:00 ◎ 米財務省、2年債入札
○26日04:00 ◎ マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
26日
○17:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○18:00 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○23:00 ◇ 9月米住宅価格指数
◇ 7-9月期米住宅価格指数
○23:00 ◎ 9月米ケース・シラー住宅価格指数
○24:00 ◎ 11月米消費者信頼感指数
○24:00 ☆ 10月米新築住宅販売件数
○24:00 ◎ 11月米リッチモンド連銀製造業景気指数
○27日03:00 ◎ 米財務省、5年債入札
○27日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(11月6日-7日分)
27日
○09:30 ◎ 10月豪CPI
○10:00 ☆ ニュージーランド準備銀行(RBNZ)、政策金利発表
○11:00 ◎ オアRBNZ総裁、記者会見
○16:00 ◇ 12月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
○16:45 ◇ 11月仏消費者信頼感指数
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◇ 10月メキシコ貿易収支
○22:30 ☆ 7-9月期米国内総生産(GDP)改定値
◎ 米個人消費/コアPCE改定値
○22:30 ◇ 10月米卸売在庫
○22:30 ◎ 10月米耐久財受注額
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○23:45 ◎ 11月米シカゴ購買部協会景気指数
○24:00 ◎ 10月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
○24:00 ◎ 10月米個人消費支出(PCE)
◎ 10月米個人所得
☆ 10月米PCEデフレーター
☆ 10月米PCEコアデフレーター
○28日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○28日01:00 ◎ 10月ロシア失業率
○28日03:00 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○28日03:00 ◎ 米財務省、7年債入札
○09:00 ◇ 11月ANZ企業信頼感
○09:30 ◇ 7-9月期豪民間設備投資
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表
○16:00 ◇ 10月トルコ貿易収支
○17:55 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、講演
○18:30 ◇ 10月南アフリカ卸売物価指数(PPI)
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏経済信頼感指数
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値)
○22:00 ◎ 11月独CPI速報値
○22:30 ◇ 7-9月期カナダ経常収支
○米国(感謝祭)、休場
29日
○16:00 ◎ 7-9月期スウェーデンGDP
○16:00 ◎ 7-9月期トルコGDP
○16:00 ◇ 10月独輸入物価指数
○16:00 ◎ 10月独小売売上高
○16:45 ◇ 10月仏消費支出
○16:45 ◇ 11月仏CPI速報値
○16:45 ◇ 10月仏PPI
○16:45 ◎ 7-9月期仏GDP改定値
○17:00 ◇ 11月スイスKOF景気先行指数
○17:00 ◎ 7-9月期スイスGDP
○17:55 ◎ 11月独雇用統計
○18:30 ◇ 10月英消費者信用残高
○18:30 ◇ 10月英マネーサプライM4
○19:00 ☆ 11月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
○19:00 ☆ 11月ユーロ圏HICPコア速報値
○19:30 ☆ 7-9月期インドGDP
○21:00 ◎ 10月南アフリカ貿易収支
○22:30 ☆ 9月カナダGDP
☆ 7-9月期カナダGDP
○感謝祭翌日で米債券・株式・商品市場は短縮取引
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、月次のCPIに注目
◆NZドル、市場はRBNZの先月に続く大幅利下げを予想
◆ZAR、SARBの金融政策発表を通過して一服感
予想レンジ
豪ドル円 99.00-102.00円
南ア・ランド円 8.35-8.70円
11月25日週の展望
豪ドルは25日の10月消費者物価指数(CPI)に注目したい。月次のCPIはヘッドライン・トリム平均値共に夏頃から伸び鈍化の傾向となっており、前回9月はヘッドラインが前年比+2.1%、トリム平均値は同+3.2%であった。伸び鈍化傾向が続く場合は豪ドル相場の重しとなりそうだ。
また、28日には豪準備銀行(RBA)のブロック総裁の講演も予定されている。19日に公表されたRBA理事会議事録(5日開催)では、現時点で政策金利変更の緊急的な必要性については否定した一方で「消費の弱さなど、利下げが正当化されるシナリオを検討」とも指摘。直後の豪ドル円は一時的に弱含んだ。これまで2025年第2四半期とされる利下げ開始時期の見通しについて言及があれば材料視されそうだ。
なお、28日は米国が感謝祭のため、市場参加者の減少で動意薄の展開が見込まれる反面、ウクライナ関連など突発的な報道が出ると薄商いのなかで値が飛ぶ事態も想定されるので要注意。
そのほか、引き続き「トランプ・トレード」によるドル高・株高の流れが続くかにも、注目しておきたい。その場合、豪ドル円は、ドル高による豪ドル/米ドルの下押しと株高の、どちらの影響をより強く受けるか見極めることになろう。
隣国のニュージーランド(NZ)では、27日に年内最後となるNZ準備銀行(RBNZ)金融政策決定会合が控えている。18日に発表された7-9月期卸売物価指数(PPI)は予想を上回る伸びになったとはいえ、市場では50bpの大幅利下げがコンセンサスとなっている。6日に発表された7-9月失業率は4.8%と4年ぶりの水準に悪化するなど、雇用環境の急速な悪化などが重しとなっている様子である。前回10月は50bpの大幅利下げを受けてNZドル売りが優勢となった。今回も大幅利下げとなれば、前回同様にNZドル円に下落圧力が掛かる可能性がある。声明では今後の金利や経済状況などの見通しについても確認しておきたい。そのほか、25日に7-9月期小売売上高が予定されている。
南アフリカ・ランド(ZAR)は方向感模索の展開が続くか。南ア国内では21日に南アフリカ準備銀行(SARB)の利下げ幅が25bpと市場予想通りだったため、材料出尽くし感が漂う。米国では28日に感謝祭を控えており、週後半は市場参加者が減少して動意薄の展開となりやすい。そうした中では、「トランプ・トレード」が出ても本格的な動きは翌月に持ち越しとなるかもしれない。
11月18日週の回顧
豪ドルは対ドルで下げ渋り。0.64ドル半ばでの底堅さを確認すると0.65ドル台半ばまでやや値を戻した。対円では99円半ばから101円台後半に切り返すも、ドル円が伸び悩んだためやや上値が重かった。
ZARは対ドルで18ZARを挟んで小動きとなる中、対円では8.60円台では上値が重く、8.40円台では底堅さを見せるなど、方向感模索の動きとなった。
◆ポンド、インフレが想定以上に加速で追加利下げ先送り観測高まる
◆ポンド、高まる欧州地政学リスクを警戒、ウ・露戦争の行方を見定め
◆加ドル、金利先安観の後退が支えに
予想レンジ
ポンド円 192.00-198.00円
加ドル円 108.50-112.50円
11月25日週の展望
ポンドは、追加利下げ先送り観測の高まりが意識されそうだ。ただ、ウクライナ・ロシア戦争激化を受けて欧州地政学リスクへの警戒感が強まっており、積極的な上値追いもしづらい。
20日に発表された10月消費者物価指数(CPI)は前年比2.3%上昇とイングランド銀行(英中銀、BOE)のインフレ目標2.0%を再び上回り、前月比でも予想を上回った。英金融政策委員会(MPC)が注視していたサービス部門CPIも前年比5.0%上昇と、2022年春以来の5%割れを実現した前回値から上振れた。これを受けて市場では、英中銀が早期の追加利下げについて慎重な姿勢を強めるとの見方が広まっている。12月の英MPC前に最新の雇用データやインフレ指標が発表されるものの、来月は利下げなしが既定路線だ。来年2月会合についても、利下げ見込みは優勢だが0.25%引き下げを完全に織り込むまでには至っていない。暫くは金利見通しに波及する英指標もなく、今回のCPIをベースとした動きが続きそうだ。
また、ウクライナ情勢の悪化でロシアと北大西洋条約機構(NATO)との緊張感が高まり、NATOの中心国でもある英国への影響も懸念される。ウクライナは今週、米国製に続き英国製の長距離ミサイルをロシア領内に向けて発射した。トランプ次期米大統領が戦争の早期終結を目指すなか、ロシア側も現状の前線維持を条件に停戦協議に前向きとの報道もある。ウクライナが協議開始前に優位性を強めたいと考えているのならば、今後も西側が供与した兵器でロシア領内への攻撃が続くかもしれない。ロシアの出方次第で戦火が拡大すると、リスク回避ムードが強まるだろう。
加ドルは、カナダ金利先安観の後退が支えとなりそうだ。19日発表の10月カナダCPIは前年比2.0%上昇と、前回値1.6%だけでなく市場予想も0.1ポイント上回った。政策決定で中銀が重視するCPI中央値やトリム値も前年比それぞれ2.5%と2.6%上昇と9月分から加速した。ヘッドラインはカナダ中銀のインフレ目標に沿った結果ではあるものの、全体的にインフレ圧力が強まったことで、12月会合で0.50%の大幅利下げの観測は後退している。
月末にカナダ国内総生産(GDP)の発表はあるものの、それまでは加ドル相場を動意付ける材料はない。一方、米国では感謝祭の前にインフレ指標を含めた複数の経済データが明らかとなる。結果を受けたドル相場の動向や市場センチメントの強弱に左右されそうだ。
11月18日週の回顧
ポンド円は196円台まで買いが先行も、ロシアが核使用基準を緩和させたことでリスク回避ムードが強まると一時193円半ばまで急落。その後、英CPIの上振れも後押しに197円後半まで切り返すも、地政学リスクが嫌気されて194円台まで再び下落した。ポンドドルは1.27ドル前半まで上昇後に1.25ドル後半まで売られた。
加ドルは対円で109円前半を下値に111円半ばまで上昇。加インフレ加速が支えとなった。ただ、その後は110円前半まで下押した。対ドルでは加金利先安観の後退を受け、1.41加ドル付近から1.39加ドル前半まで加ドル高が進行した。
◆ドル円、ロシア・ウクライナを巡る地政学リスクを警戒
◆ドル円、週後半の感謝祭を控え市場の流動性が低下
◆ユーロドル、ECB利下げ観測で下落リスク高まる
予想レンジ
ドル円 153.00-157.00円
ユーロドル 1.0000-1.0600ドル
11月25日週の展望
ドル円は、米大統領選でのトランプ前大統領および共和党の圧勝により、財政拡張政策が順調に進むとの思惑から米金利の先高観は根強く、引き続き下値は堅いだろう。ただ、ロシア・ウクライナ情勢を巡る地政学リスクが高まっており、情勢次第では不安定な動きにもなりそうだ。
今週はウクライナ軍がロシア西部を攻撃した後、プーチン露大統領が核兵器の使用条件を示した核ドクトリンの改定を承認したことで核戦争への思惑が広がった。ラブロフ露外相が否定したことからいったんは落ち着いたものの、「ロシア軍が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した」との報道で再び緊張感が高まっている。ロシアのICBMは射程が最長1万km以上で核弾頭も搭載可能であり、今回1000km離れた地点を攻撃するのにICBMを使う必要はなく、市場では「核攻撃の為の実験なのでは」との思惑が浮上したが、露大統領は事実上否定している。
通常、地政学リスクによる相場変動は短期的に終わることがほとんどであり、核攻撃などに進展しない限り影響は限定的となりそうだ。ただ、来週は28日に感謝祭を迎える為、週後半にかけて市場参加者が減少する点には注意が必要だ。感謝祭からクリスマスまで長期休暇を取る参加者も多く、年末にかけて市場の流動性が極端に悪化するため、突発的なニュースに対して通常以上に値が振れる可能性がある。ヘッドラインリスクには十分警戒したほうがよいだろう。
なお、来週は27日に10月耐久財受注や7-9月期国内総生産(GDP、改定値)、前週分の新規失業保険申請件数、10月PCEコアデフレータと指標が集中するため、米金利の動きにも注意したい。
ユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測の高まりから軟調な地合いが続きそうだ。足元で弱い経済指標が目立っているほか、トランプ次期米大統領が公約に掲げる一律10%の関税の欧州経済に与える悪影響が懸念されている。米国は欧州連合(EU)にとって最大の貿易相手国で、輸出品の約25%が米国向けであり、関税が実現されればGDPが大きく押し下げられる見通しだ。ECBメンバーからも12月利下げを支持する声が相次いでおり、追加緩和期待を背景とした売りが続く可能性が高い。また、チャートを見ても昨年10月3日安値1.0448ドルに接近しているが、割り込むと約2年間続いたレンジを下抜けるためテクニカル的な売りも出やすそうだ。
11月18日週の回顧
ドル円は方向感が定まらなかった。週明けは155.36円まで値を上げた後、ウクライナ情勢の悪化で153.29円まで下落。その後、ロシア外相が核戦争を否定すると一転して155.89円まで反発した。一方で、「ロシア側がICBM発射」と伝わると再び上値が重くなっている。
ユーロドルは1.06ドル台を回復する場面があったが、地政学リスクの高まりやECBの利下げ観測から上値は重かった。週後半には一時1.0462ドルと昨年10月4日以来の安値を更新した。
22日の日経平均は3日ぶり大幅反発。終値は257円高の38283円。米国株高を受けて3桁上昇スタート。いったん上げ幅を広げた後、急速に萎んだが、2桁高となったところで改めての買いが入り、しばらくじり高基調が続いた。38400円台に乗せたところで買いは一巡。前引け間際に高値をつけると、後場は伸び悩んだ。ただ、大きく失速することはなく、38300円近辺でもみ合う時間が長かった。38357円でクロージング・オークションに入り、そこからやや水準を切り下げて取引を終了。大引けが後場の安値となった。
東証プライムの売買代金は概算で3兆7900億円。業種別では石油・石炭、非鉄金属、繊維などが上昇した一方、海運、医薬品、電気・ガスなどが下落した。配当方針を見直し、初配実施の見通しを公表したフィードフォースグループ<7068.T>がストップ高。半面、新株予約権の発行を発表したオルトプラス<3672.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1116/値下がり470。東京エレクトロンが2%を超える上昇。主力どころではリクルートやフジクラの動きが良かった。証券会社のリポートを材料に大林組や長谷工が大幅上昇。さくらネットが9.9%高と騰勢を強め、売買代金は全市場でトップ10入りするなど商いも盛り上がった。ビットコインの上昇が続く中で関連銘柄には引き続き強い買いが入っており、リミックスポイントがストップ高となった。
一方、個別にIHI、トヨタ、みずほが軟調。全体と逆の動きをすることが時にある海運株が株高の中で敬遠されており、日本郵船、商船三井、川崎汽船の大手3社がそろって下落した。楽観ムードの強い地合いでディフェンシブセクターが弱く、九州電力、中国電力など電力株や、中外製薬、アステラスなど薬品株が売りに押された。
本日、スタンダード市場に新規上場したガーデンは、公開価格割れからのスタートとなり、終値も初値を下回った。
今週は米エヌビディアの決算が大きな注目を集めたが、出てきた内容に対する株価の反応はおとなしいものとなった。市場予想を上回る結果がそこまで好感されなかったことには物足りなさもあるが、少なくとも今回の決算でエヌビディアや生成AIに対する成長期待が崩壊することはなかった。日本の半導体株も時間外の結果を消化した21日は弱かったが、多くの銘柄がそろって急落するような動きにはならなかった。発表前後で大きくトレンドが変わったように見える銘柄もない。今後もスケジュールの関係でエヌビディアの決算は注目を集めるイベントにはなるだろうが、市場全体に与えるインパクトは小さくなってくる可能性がある。
【来週の見通し】
堅調か。米国は28日が感謝祭で休場。29日はブラックフライデーで年末商戦に突入する。米3指数はそろって11月に史上最高値を更新しており、株高の中での年末商戦は活況が見込まれる。高値圏にある米国株が感謝祭を前に利益確定売りに押されたとしても、リスクオフには傾きづらい。年末商戦が米国株の上昇を後押しするとの期待から、日本株は下げづらい地合いが続くだろう。日米で経済指標の発表が多く、基本的にはドル円や長期金利をにらみながらの一進一退が続くイメージ。好材料の方に強めに反応することで、週間ではやや水準を切り上げると予想する。
今週の日経225先物は、引き続き米国など外部要因の影響を受けやすい需給状況になりそうだ。今週の米国では28日がサンクスギビング(感謝祭)で休場となり、翌29日は短縮取引になるため、週後半にかけて商いが細るとみられる。26日には米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が、27日には10月の個人消費支出(PCEデフレーター)が発表される。また、感謝祭の翌日がブラックフライデーとなる。
12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利下げが実施されるとの見方が強いが、直近発表された米消費者物価指数(CPI)や米卸売物価指数(PPI)は市場予想を上回っており、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は今後の政策運営について、利下げを急がないスタンスを明確に示している。PCEデフレーターなどの結果を受けた思惑的な動きが意識されやすいところである。
22日に発表された11月の米総合購買担当者景気指数(PMI)は55.3と、2年7カ月ぶりの高水準だった。景気の底堅さを示したことが材料視されて、同日の米国市場では景気敏感株や消費関連株などに買いが広がり、NYダウは3日続伸し、終値での最高値を更新した。また、トランプ次期政権が打ち出す減税や規制緩和が景気を支えるとの期待も買い意欲の強さにつながっている。
ただし、次期政権の政策については、諸外国では大幅な関税引き上げなどが警戒されており、東京市場でも指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱さが目立つ。また、ロシア・ウクライナ情勢は新たな局面に突入しており、地政学リスクの高まりが重荷となる。情勢を見極めたいところであり、積極的にポジションを積み上げる動きは手控えられよう。
下値は75日線(3万7930円)が支持線として意識されやすいなか、200日線を上回っていることから、先週までの調整に対する自律反発の展開が期待される。週足ベースでは13週線(3万8320円)、26週線(3万8350円)が支持線として機能している。また、上向きで推移する52週線が支持線として意識されているため、先週の3万7700円処までの調整によりいったんはリバウンドに向かわせそうである。
積極的な上値追いには慎重とみられるが、いったんは200日線を支持線とした値動きにより、25日線(3万8720円)が射程に入る。ボリンジャーバンドでは-1σ(3万8210円)が支持線として意識され、まずはオプション権利行使価格の3万8250円から3万8750円のレンジを想定する。3万8000円~3万8250円のレンジでは押し目狙いのロング対応に向かわせよう。一方で、200日線水準で底堅さがみられるようだと、25日線突破から+1σ(3万9230円)とのレンジに移行するとみておきたい。
22日の米VIX指数は15.24に低下した。先週は20日に一時18.79まで上昇し、抵抗線として意識されていた25日線(17.96)、75日線(18.03)を上回る場面もみられたが、週末には大きく低下し、200日線(15.89)を下回ってきた。米国では良好な経済指標、次期政権の政策への期待感などで市場が強い動きをみせるなか、再び200日線を下回ってきたことでリスク選好へ傾こう。
先週のNT倍率は先物中心限月で14.20倍に上昇した。21日の米国市場でエヌビディア<NVDA>が買われたことで、指数インパクトの大きい値がさハイテク株にはリバウンドの動きがみられており、相対的に日経平均型優位の展開だった。ただし22日はエヌビディアが3%を超える下落となっており、NTロングへの転換には見極めが必要と考えられ、方向性としてはNTショートでのスプレッド狙いが有効とみておきたい。
11月第2週(11月11日-15日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続の買い越しであり、買い越し額は491億円(11月第1週は7661億円の買い越し)だった。なお、現物は1521億円の買い越し(同1938億円の買い越し)と2週連続の買い越しであり、先物は1029億円の売り越し(同5723億円の買い越し)と2週ぶりの売り越し。個人は現物と先物の合算で1246億円の買い越しで2週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で252億円の売り越しとなり、3週ぶりの売り越しだった。
主要スケジュールでは、25日に9月景気動向指数改定値、26日に10月企業向けサービス価格指数、米国9月S&Pケースシラー住宅価格、米国11月コンファレンスボード消費者信頼感指数、米国10月新築住宅販売件数、FOMC(11月6日~7日開催分)議事要旨、27日に1-10月中国工業企業利益、米国7-9月期GDP改定値、米国10月個人所得、米国10月個人消費支出、28日に臨時国会召集、29日に10月完全失業率、10月有効求人倍率、10月鉱工業生産、石破首相所信表明演説、ブラックフライデーなどが予定されている。
<国内>
○14:00 ◇ 9月景気動向指数改定値
<海外>
○06:45 ◎ 7-9月期ニュージーランド(NZ)小売売上高(予想:前期比▲0.5%)
○06:45 ◎ 10月NZ貿易収支
○14:00 ◎ 10月シンガポール消費者物価指数(CPI、予想:前年比1.8%)
○18:00 ◎ 11月独Ifo企業景況感指数(予想:86.0)
○19:30 ◎ ディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○26日01:05 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○26日01:30 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○26日02:30 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○26日03:00 ◎ 米財務省、2年債入札
○26日04:00 ◎ マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
先週末の海外市場でドル円は、11月米製造業PMI速報値は市場予想と一致したが、サービス部門と総合は予想を上回ったことで一時155.02円と日通し高値を付けた。ただ、その後発表された11月米ミシガン大学消費者態度指数確報値が予想を下回ると上昇は一服した。ユーロドルは仏・独・ユーロ圏のPMIが低調な内容となり、一時1.0335ドルと2022年11月以来2年ぶりの安値を更新した。
本日の東京時間のドル円は154円台を中心に一進一退か。日銀の12月の政策決定会合への注目度は高いが、先週末から相場の注目が欧州通貨に移りつつある。先週発表された仏・ユーロ圏・英の製造業購買担当者景気指数(PMI)が市場予想から下振れ、サービス部門については独も含めて弱い結果となった。また、ロシアとウクライナの戦火拡大、トランプ大統領の返り咲きによる財政負担増や通商摩擦再燃、ドイツの総選挙への不安など、ユーロ圏からはポジティブ要素を探すのが難しい状況だ。引き続き今週もユーロを中心とした相場展開となるだろう。
円相場に関しては、12月日銀政策決定会合で昨年のデジャヴを期待する声が強まっていることが円買い要因。先週21日の「パリ・ユーロプラスファイナンシャル・フォーラム2024」での講演で植田日銀総裁は、「今後1カ月間に発表される多くのデータや情報が政策決定会合の決定要因」と言及。先月初旬には石破自民党総裁が首相の就任直後に「経済物価が見通し通り動けば緩和の度合いを調整するが、本当にそうか見極める時間があるので丁寧にやる」という発言と比較すると、大きく見解が変わったといえる。
その間に発表された本邦の主な指標は下記の通り。
・全国CPI(コア)・・・(植田総裁の「時間がある発言」前に発表された8月分2.8%)、9月2.4%、10月2.3%。
・全国CPI(コアコア)・・・(8月2.0%)、9月2.1%、10月2.3%
・実質賃金・・・(7月0.3%)、8月-0.8%、9月-0.4%(注:9月は先週22日に-0.1%から下方修正)
・実質GDP前期比年率・・・(4-6月期2.2%)、7-9月期0.9%、(注:4-6月期分は15日に2.2%へ下方修正)となっている。
全国CPIのコアコアはやや上昇傾向にあるが、ほかの指標をみると決して利上げできる環境とは思えない。しかしながら、これらの指標にかかわらず植田日銀総裁が10月末に「時間的な余裕がある」という言葉を今後は使わないと述べたことは、ここ最近の傾向として日銀が政権の意向に忠実なことで、石破政権の意向を含め12月は利上げもしくはタカ派声明は決定事項に近いとの声もある。
結果ありきでの植田総裁発言であれば、今週29日の東京都区部CPIが少しでも強い数字となった場合は、12月にかけて本邦中長期金利が上昇過程を辿りそうだ。一方で上述のように欧州圏の景気が低迷していることが顕著で追加利下げの思惑が高まり、今週行われるNZ準備銀行(RBNZ)の理事会では大幅利下げが確定的なことを考えると、日銀と他中銀との方向性の違いがドル円の頭を抑えるだろう。
もっともドル円が円買いに一方的に傾けないのは、トランプ次期政権の主要閣僚メンバーが保守路線となることが引き続き明らかになっていること。先週22日には投資家のスコット・ベセント氏を財務長官に、23日にはアメリカファースト政策研究所CEOブルック・ロリンズ氏を農務長官に任命することを発表している。いずれも、超保守派ということもあり、根強いトランプトレードにより米金利上昇、ドル高予想が変わらないか。
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38580 +240 (+0.62%)
TOPIX先物 2716.0 +17.5 (+0.64%)
シカゴ日経平均先物 38595 +255
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
22日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。11月の米総合購買担当者指数(PMI)は55.3と2年7カ月ぶりの高水準だった。景気の底堅さを示したことが材料視されて、景気敏感株や消費関連株などに買いが広がった。また、ユーロ圏の景況感は落ち込んでおり、欧州株から米国株に資金をシフトさせる動きが出やすいとの見方もあった。
ボーイング<BA>やナイキ<NKE>、セールスフォース<CRM>、アメリカン・エキスプレス<AXP>が買われ、NYダウを牽引した一方で、アナリストが投資判断を引き下げたエヌビディア<NVDA>が売られた。S&P500業種別指数は自動車・同部品、耐久消費財・アパレル、運輸が上昇した半面、半導体・同製造装置、メディア、公益事業が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比255円高の3万8595円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比10円高の3万8350円で始まり、3万8490円まで買われた後に軟化し下落に転じると、3万8050円まで売られた。ただし、3万8000円接近では下値の堅さが意識され、その後は持ち直しており、米国市場の取引開始時にはプラスに転じた。中盤にかけて心理的な抵抗となる3万8500円処での攻防をみせ、終盤にレンジを上放れ3万8490円から3万8580円でのレンジでの推移が続き、3万8580円とナイトセッションの高値で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションの開始直後に節目の3万8500円水準に上値を抑えられる形で3万8050円まで売られたが、75日移動平均線(3万7930円)が支持線として機能する形で切り返した。米国市場の取引開始時には200日線(3万8350円)を回復し、終盤にかけては上値を抑えられていた3万8500円水準を上回ってきた。
心理的な抵抗線を突破してきたことにより、25日線(3万8720円)が意識されてくる可能性はあるだろう。そのため、オプション権利行使価格の3万8250円から3万8750円のレンジを想定する。エヌビディアが弱い値動きだったほか、半導体SOX指数も小幅ながら下げていることもあり、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷となる可能性はあるが、200日線を下回る局面では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせそうである。
NYダウは終値での最高値を更新し、S&P500指数は25日線から上放れ、高値を窺う展開。ナスダックも25日線が支持線として機能しているなか、米国市場の先高期待は強いとみられ、支援材料になりそうだ。米国では今週、28日がサンクスギビング・デー(感謝祭)で休場、翌29日は短縮取引になるため、週後半にかけて商いが細るとみられる。27日には10月の個人消費支出(PCEデフレーター)が発表され、感謝祭の翌日がブラックフライデーとなる。個人消費に関心が集まりやすく、堅調な消費動向が確認されるようだと、米景気に対する楽観的な見方が強まりそうだ。
トランプ次期政権の中国に対する関税引き上げが警戒されて半導体株などは不安定な状況が続きそうなほか、ロシア・ウクライナ情勢が新たな局面に突入しており、地政学リスクの高まりが重荷となるものの、ショートからのエントリーは控えておきたいところだろう。
22日の米VIX指数は15.24(前日は16.87)に低下した。20日に一時18.79まで上昇し、抵抗線として意識されていた25日線(17.96)、75日線(18.03)を上回る場面もみられたが、週末には大きく低下し、200日線(15.89)を下回ってきた。再び200日線を下回ってきたことで、リスク選好に傾きそうだ。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.20倍に上昇した。21日の米国市場でエヌビディアが買われたことで、指数インパクトの大きい値がさハイテク株にはリバウンドの動きがみられており、相対的に日経平均型優位の展開だった。ただし、22日はエヌビディアが売られており、NTロングへの転換には見極めが必要とみられる。バリュー株への物色に向かわせやすく、相対的にTOPIX型優位と考えられ、方向性としてはNTショートでのスプレッド狙いが有効とみておきたい。
日経225先物は11時30分時点、前日比540円高の3万8880円(+1.40%)前後で推移。寄り付きは3万8730円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8595円)を上回る形で、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後に付けた3万8680円を安値にショートカバーを交えたロングの動きが強まり、中盤にかけて一時3万9080円まで上げ幅を広げた。節目の3万9000円回復後は上げ幅を縮めたものの、朝方に突破した25日移動平均線(3万8730円)を上回っての推移を継続。
日経225先物は、ナイトセッションで付けた高値(3万8580円)を上回り、25日線水準から始まった。同線を明確に上放れてきたことから、ショートカバーが入ったほか、カバーを狙った短期的なロングの動きもあっただろう。また、エヌビディア<NVDA>の下落の影響が警戒されていた値がさ半導体株だったが、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]やレーザーテック <6920.T> [東証P]などが買われたことも安心感につながったとみられる。
日経225先物は3万9000円回復で短期的な達成感が意識されるなか、まずは25日線水準での底堅さを見極めたいところだろう。同線を上回っての推移を継続するようだと、再び3万9000円突破を狙ったロングに向かわせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.26倍に上昇した。一時14.30倍まで上げており、200日線(14.28倍)を突破し、75日線(14.30倍)を捉える場面もみられた。東エレクのほか、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]が日経平均型を牽引している。75日線を明確に上放れてくるようだと、NTショートを巻き戻す動きが強まりそうである。
先週末の海外市場で市場の視線は一点に。ユーロドルの約2年間に及ぶレンジ相場の下抜けでした。欧州時間に次々と発表された仏、独、ユーロ圏の11月PMI速報値でしたが、独製造業を除いて、その他の数字が軒並み予想を下回る弱い数字となると、重要なサポートレベルとして意識されていた2023年10月3日の安値1.0448ドルを下抜けて一気に1.0335ドルまで急落。その後は1.0438ドルまで買戻されたものの、NY時間は1.0420ドルを挟んだもみ合いとなって週末の取引を終えています。
ドル円は、その間、米金利の低下につれて154.19円まで下押す場面もみられましたが、11月米PMI速報値が欧州とは違い軒並み強い結果となると155.02円まで高値を更新。その後は11月米ミシガン大消費者態度指数確報値が予想を下回ったこともあり、154.80円を挟んだ様子見で取引を終えています。
そして、週明けのアジア市場。トランプ次期米大統領が、超保守派で財政規律などには厳しいとされているスコットべッセント氏を次期米財務長官に指名したことを囃すドル売りが先行。米10年利回りも5bpの低下となるなか、先週末安値の153.97円を下抜けて一時153.55円まで売り込まれることになりました。ただ、その後はしっかりとした実需の買いなどを伴い154.16円まで値を戻しているといったところです。
いずれにしても、市場は既に米感謝祭ウィーク入り。既に流動性が減少するなか、少しの思惑などで値が振れやすくなっていることは確か。ただ、次期米財務長官のインタビュー記事が既に流れてきているように、「大型減税などが一番のプライオリティである」との言及や「ドルは世界の基軸通貨としての地位を維持していく」などの見解をみるに、市場が早朝から囃した「財政規律に厳しい」や「ドル安志向」との憶測は既に関係なくなっているような状況。流されやすい相場が続いています。
次期米財務長官に指名されたスコット・ベッセント氏は一部経済誌とのインタビューで、自身の政策上の優先事項はトランプ大統領のさまざまな減税公約を実行することだとの見解を示した。また、トランプ前政権時代の減税を恒久化するとしたほか、関税の導入や世界の準備通貨としてのドルの地位を維持することなども焦点になると述べた。
本日のロンドン為替市場では、地政学リスクの強弱に繋がるニュースには気を付けながらも、まずは11月独Ifo企業景況感指数の結果に対するユーロの反応を見極めたい。また、次期米財務長官に対する反応も再度確認する必要がありそうだ。
11月独Ifo企業景況感指数の市場予想は86.0と、改善した前回値を下回る見込み。先週末に発表されたドイツ経済指標はさえないものが目立った。7-9月期国内総生産(GDP)改定値は前期比・前年比ともに速報値から下振れた。また11月購買担当者景気指数(PMI)速報値は、予想より弱かったサービス部門が8カ月ぶりに景況判断の境目50を下回った。製造業PMIは予想や前回値を上回ったものの、43台と水準的には低いままだ。
先週末のユーロドルは、弱い欧州PMIを受けて1.03ドル台まで急落する場面があった。既に下値を試した後なだけに、独Ifoが景況感の悪さを再確認する程度に留まった場合、本日は意外と底堅いかもしれない。先週レンジ(高値1.0610ドル-安値1.0335ドル)の下限から61.8%戻しが1.0505ドルであり、その辺りを超えていくようだと調整幅を広げるか。
次の米財務長官に対する欧州勢の反応も見定める必要がありそうだ。トランプ次期米大統領は22日、次期財務長官に投資ファンドを経営するスコット・ベッセント氏を指名した。同氏は極端なドル安支持者ではないものの、米通貨政策の再調整が必要との考えとされている。週明けからドルが売られた要因の1つとの見方も一部ではあり、欧州勢が先週末にどの程度まで消化しているかが注目される。
なお一部報道では、イスラエルとレバノンは、イスラエルとヒズボラの紛争終了に向けた停戦合意に近づいていると報じている。市場インパクトはそれほど大きくなかったものの、続報には気を付けておきたい。ほか、ウクライナ・ロシア戦争に関して、特に長距離ミサイルによる攻撃の有無には注意が必要だろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、前述した61.8%戻し1.0505ドルを超えると21日高値1.0555ドル。
想定レンジ下限
・ユーロドル、22日引け水準1.0418ドル付近を下抜けると同日安値1.0335ドル。
(25日15時時点)
ドル円:1ドル=154.26円(前営業日NY終値比▲0.52円)
ユーロ円:1ユーロ=161.65円(△0.41円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0479ドル(△0.0061ドル)
日経平均株価:38780.14円(前営業日比△496.29円)
東証株価指数(TOPIX):2715.60(△19.07)
債券先物12月物:142.85円(△0.13円)
新発10年物国債利回り:1.070%(▲0.010%)
ユーロ円TIBOR3カ月物:0.32600%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月景気動向指数改定値
一致指数 115.3 115.7
9月景気先行指数改定値
先行指数 109.1 109.4
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。トランプ次期米大統領が次期財務長官に財政規律を重視するスコットベッセント氏を指名したことを受けて、週明け早朝は下方向に窓を開けてスタート。ゴトー日(5・10日)の東京仲値にかけて下げ渋る場面もあったが、時間外の米10年債利回りが低下したこともあり、売りが再開すると153.55円まで売り込まれた。
ただ、次期米財務長官に指名されたベッセント氏がインタビューで「優先事項はトランプ大統領のさまざまな減税公約を実行することだ」「ドルの準備通貨としての世界での地位を維持する」と発言したことで一転してショートカバーが優勢に。一時154.51円まで買い上げられた。
・ユーロドルは強含み。週明け早朝からショートカバーが優勢となり、先週末高値の1.0498ドルを上抜けて1.0501ドルまで値を上げた。その後は欧州勢の本格参入を前に1.04ドル台後半でのもみ合いとなった。
・ユーロ円は底堅い。ユーロドルが上昇したことにつれて161.93円まで上昇。ドル円が売られた影響から160.99円まで失速する場面も見られたが、ドル円が買い戻されると高値圏まで持ち直した。
・日経平均株価は続伸。先週末のダウ平均が史上最高値を更新したことを好感して週明けの日本株も買いが優勢となった。国内企業の中間配当の再投資による買いなども追い風となった。
・債券先物相場は続伸。前週末の米国債券相場が上昇した流れを引き継いで買いが先行。一時142.91円まで上値を伸ばし、その後の下値も堅かった。
オーストラリアの銀行規制当局であるAPRAは家庭の高い負債、生活費の圧力、信用成長の増加、雇用市場の弱体化を理由に、住宅ローンの審査時に顧客の返済能力を確認する上で適用される上乗せ金利を3%で維持することを発表した。APRAはインフレが緩和し金利上昇のリスクが低下しているものの、労働市場の鈍化による「家計収入へのショック」の可能性を指摘。この措置により、新規借り手が現在の住宅ローン金利に3%上乗せした利率で返済能力を評価されることになる。
12月12日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、ラガルドECB総裁は0.25%の追加利下げを目論んでいる。市場では、0.25%ではなく、0.50%、あるいは0.75%の大幅利下げを見込む向きがある。
ユーロの売り材料としては、ECBの大幅利下げ観測、米国との貿易戦争、中国との貿易摩擦、ドイツの政局混迷、ウクライナ戦争の激化、などが挙げられる。
1.ユーロドル「ダブル・トップ」完成で目標値0.9682ドルが点灯
ユーロドルは、ネック・ライン1.0448ドルを下抜けたことで、ダブル・トップ(1.1276ドル・1.1214ドル)が完成し、目標値0.9682ドルが点灯した。
2022年の安値0.9536ドルから2023年の高値1.1276ドルまで上昇していたが、2025年にはパリティー(1ユーロ=1ドル)を割り込むことが見込まれている。
2.欧州中央銀行(ECB)理事会(12月12日)
12月12日のECB理事会では、ユーロ圏の景況感悪化やインフレ率鈍化を受けて、ラガルドECB総裁は0.25%の追加利下げを目論んでいる。市場では、0.25%ではなく、0.50%、あるいは0.75%の大幅利下げを見込む向きがある。
10月のECB理事会の議事要旨によれば、理事会メンバーの間で経済見通しの悪化が焦点となっただけでなく、インフレ率が2025年に目標2.0%を下回るリスクまでも議論されたことが明らかになった。
ECBは、中立金利水準まで政策金利を引き下げる点で止まるのではなく、金融緩和の水準(ゼロ金利?)にまで政策金利を引き下げる必要に迫られつつあるのかもしれない。
3.欧米貿易戦争:第2次トランプ米政権
トランプ第47代米大統領がウクライナ戦争の終結を目指していることは、欧州の地政学リスクの緩和とロシア産エネルギー価格の低下期待から、ラガルドECB総裁にとってプラス要因となる。
しかし、トランプ関税による欧米貿易戦争の可能性は、中国との貿易戦争が激化しつつある中で、欧州の景況感やインフレ見通しには、マイナス要因となる。
プーチン露大統領がウクライナへの攻勢を強めつつあることは、欧州の地政学リスクの高まりとロシア産エネルギー価格の上昇懸念から、ラガルドECB総裁にとってプラス要因マイナス要因となる。
4.中欧貿易摩擦
中国が不動産市場の崩壊により景況感が悪化し、消費低迷に喘いでいるため、電気自動車の貿易における欧州と中国との貿易摩擦が深刻化しつつある。
中国メーカーは、政府による莫大な補助金による過剰生産能力を背景に安価な製品を輸出してきたが、トランプ関税による貿易戦争で対米輸出が遮断され、欧州とも貿易摩擦が激化しつつある。
フランスの極右リーダーであるルペン氏は25日、政府が予算案を改善するための時間が限られていると警告した。ルペン氏は基本的な生活必需品(衣食住など)の平均費用の懸念が反映されなければ、政府を不信任に追い込む可能性があると述べている。ルペン氏は家庭や企業、年金受給者への税負担を増やすことに反対しており、これらの要求が2025年の予算に反映されていないと指摘。「フランス国民の購買力にさらなる影響を与えることは受け入れられない」と強調し、もしこの赤線が越えられれば、不信任投票を行うと述べた。
大阪12月限
日経225先物 38740 +400 (+1.04%)
TOPIX先物 2711.0 +12.5 (+0.46%)
日経225先物(12月限)は前日比400円高の3万8740円で取引を終了。寄り付きは3万8730円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8595円)を上回る形で買いが先行した。現物の寄り付き直後に付けた3万8680円を安値にショートカバーを交えたロングの動きが強まり、前場中盤にかけて3万9080円まで上げ幅を広げた。節目の3万9000円回復後は達成感が意識され、前場終盤にかけては25日移動平均線(3万8730円)水準での推移となった。
ランチタイムでは25日線での底堅さがみられたものの、後場の時間帯にこれを割り込み、一時3万8690円と朝方に付けた安値水準に接近した。ただし、下値を売り込む流れにもならず、底堅さが意識されるなかで終盤にかけて3万8980円まで切り返す場面もみられた。もっとも、節目の3万9000円を再度付けることはできず、引けにかけては25日線水準での推移だった。
日経225先物は、ナイトセッションで付けた高値(3万8580円)を上回り、ギャップアップで始まったことでショートカバーを誘ったほか、カバーを狙った短期的なロングの動きもあったとみられる。また、エヌビディア<NVDA>の下落の影響が警戒されていた値がさ半導体株だったが、アドバンテスト <6857.T> [東証P]は利食い優勢だったものの、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]やレーザーテック <6920.T> [東証P]などが買われたことが安心感につながったようだ。
日経225先物は3万9000円回復で短期的な達成感が意識され、上値追いは慎重にさせたものの、25日線水準での底堅さは意識されていた。同線での下値の堅さがみられたことで、再び3万9000円突破を狙ったロングに向かわせそうだ。25日線が支持線として機能してくると、ボリンジャーバンドの+1σが位置する3万9230円とのレンジに移行する。そのため、オプション権利行使価格の3万8750円から3万9250円のレンジになろう。
また、パラボリックでは陰転シグナルを継続している状況であるが、SAR値は3万9230円辺りまで下がってきた。+1σを捉えてくる局面において、パラボリックではSAR値にタッチすることで、陽転シグナルを発生させてくる。テクニカル面も改善傾向にあり、押し目待ち狙いのロング対応が強まりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.28倍に上昇した。一時14.31倍まで上げており、200日線(14.28倍)を突破し、75日線(14.30倍)を捉える場面もみられた。東エレクのほか、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]が日経平均型を牽引している。75日線を明確に上放れてくると、25日線が位置する14.37倍辺りを意識した形での、NTショートを巻き戻す動きが勢いを増しそうである。
手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万8848枚、ソシエテジェネラル証券が1万2635枚、サスケハナ・ホンコンが3742枚、モルガンMUFG証券が2345枚、JPモルガン証券が2333枚、バークレイズ証券が1784枚、BNPパリバ証券が1319枚、ビーオブエー証券が1287枚、日産証券が1108枚、auカブコム証券が1086枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万2407枚、ソシエテジェネラル証券が1万6545枚、バークレイズ証券が7759枚、モルガンMUFG証券が5436枚、サスケハナ・ホンコンが3782枚、JPモルガン証券が3343枚、ゴールドマン証券が2757枚、ビーオブエー証券が2343枚、BNPパリバ証券が1860枚、野村証券が1201枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、重要な米経済指標の発表や主要な要人発言の予定がないことから、次期財務長官に指名されたベッセント氏の発言やウクライナ情勢に関するヘッドラインに警戒していくことになる。
米経済紙がベッセント米次期財務長官の発言として、「自身の政策上の優先事項はトランプ大統領のさまざまな減税公約を実行すること。任期1年目の減税を恒久化する」「関税の導入や世界の準備通貨としてのドルの地位を維持することなども焦点になる」と報じている。
今後も、財政、金融、通貨政策に関する見解には注視しておきたい。
これまでのベッセント米次期財務長官の言動からは、財政政策では財政規律重視派のタカ派、金融政策でもタカ派、ドル政策では、米通貨政策の再調整を支持しているが、あからさまなドル安戦略を打ち出しているわけではない。ドル安は経済の一部にとって良いことだが、トランプノミクス2.0の政策の中にはドルの価値を押し上げるものもあると認めている。
また、バイデン政権の「デットファイナンス管理」を批判し、貿易相手国の間に階層化システムを構築するため「フレンドショアリング(friend-shoring)」政策の拡大に言及していた。
そして、「3-3-3」と呼ぶ政策を推進するようにトランプ次期大統領に提言したとのことである。すなわち、2028年までに財政赤字を国内総生産(GDP)比3%に削減し、日量300万バレル相当の原油増産と規制緩和を通じて、GDP成長率3%の実現を促す政策とのことである。
ウクライナ情勢に関しては、先週、ウクライナ軍が19日に米国製地対地ミサイル「ATACMS」でロシア領を攻撃し、20日には英国製長距離ミサイル「ストームシャドー」でロシア領内の軍事施設を攻撃し、21日にはロシアが新型ミサイル「オレシュニク」を発射した、と報じられている。
今後も、ウクライナ戦争を巡る関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、155.02円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、152.92円(日足一目均衡表・基準線)
トランプ次期米大統領は国際エネルギー機関(IEA)が石油やガスに再び注力しない場合、米国の資金提供を保留する可能性があると一部通信社が伝えた。トランプ氏と共和党の連携により、IEAの役割や資金提供が厳しく見直される見込み。特に、IEAが発表した「ネットゼロ」目標や需要ピーク予測に対する不満が背景にあり、トランプ政権はIEAの方針を変更させる意向を示している。
今週のNY市場はインフレ指標に注目。先週はダウ平均が1.96%高、S&P500が1.68%高、ナスダック総合が1.73%高と、主要3指数がそろって反発した。予想を上回る決算や強い見通しを発表したエヌビディアが上値の重い展開となったほか、独占禁止法問題でグーグルの親会社のアルファベットが大きく下落したことが重しとなった一方、トランプ次期政権の政策期待を背景に景気敏感株などへの資金流入が強まった。S&P500の11セクターはコミュニケーションが0.30%安と唯一週間で下落した一方、生活必需品が3.10%高となったほか、素材、不動産、公益、資本財、エネルギーが2%超上昇した。
今週は木曜日が感謝祭の祝日で株式市場が休場で、金曜日も午後1時までの短縮取引となる。参加者の減少で薄商いが予想されるものの、利下げ見通しをめぐって水曜日に発表される10月個人消費支出(PCE)価格指数が焦点となりそうだ。10月の消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)が強い結果となったほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長も米国経済の堅調を理由に利下げを急ぐ必要がなくなったとしたことで足もとでの利下げ期待が後退しており、CMEのフェドウォッチ・ツールの12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率は1カ月前の72%から51%に低下した。FRBがインフレ指標として注視する10月PCE価格指数は前月比+0.2%、前年比+2.3%とそれぞれ前月分の+0.18%、+2.1%から伸びの増加が見込まれている。変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPCE価格指数も前月比+0.3%、前年比+2.8%とそれぞれ前月分の+0.25%、+2.7%から上昇が予想されている。PCE価格指数が強い結果となれば利下げ期待の一段の低下が相場の重しとなりそうだ。このほかの経済指標・イベントは11月消費者信頼感指数、10月新築住宅販売件数、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、7-9月期GDP改定値など。
今晩の米経済指標・イベントは10月シカゴ連銀全米活動指数、11月ダラス連銀製造業景況指数など。企業決算は引け後にアジレント・テクノロジーなどが発表予定。
イスラエルのネタニヤフ首相がレバノンとの停戦合意を原則的に承認したとCNNが伝えた。この合意は、イスラエルとレバノンの武装組織ヒズボラとの間で進行中の停戦交渉の一環として進められており、60日間の敵対行為停止を目指している。
ドイツの社会民主党(SPD)はショルツ氏を次期首相候補として正式に指名した。選挙は2025年2月23日に行われる予定。なお、21日には国民の人気が高いピストリウス国防相が首相候補に立候補しないことを表明していた。
中国の国務院(内閣に相当)は22日の常務会議で、プラットフォーム経済の振興策を検討した。会議は、プラットフォーム経済の発展が内需拡大や、雇用の安定、民生の向上につながり、実体経済を支え、新質生産力の発展にも関連すると位置付けた。その上で、プラットフォーム経済の健全な発展に向けた指導をさらに強化し、政策支援を強化する必要があるとした。産業用インターネットプラットフォームの体系を拡充し、消費インターネットプラットフォーム企業が市場の潜在力を掘り起こすことを支持し、プラットフォーム経済分野でのデータ要素供給を強化する。また、データの合法的で秩序あるクロスボーダー流動を促進し、プラットフォーム経済分野の政策とマクロ政策の方向性をいっそう一致させていく。
市場競争の秩序を保つ必要も強調した。監督制度を整備し、プラットフォーム企業が規範に沿って運営し、秩序を守って競争し、質を高めることで、各方面が利益を共有できるようにする。また、消費者と労働者の合法的な権益を保護し、オンライン消費の苦情公表や消費後の評価などの制度を整備する。プラットフォーム企業に対して、法に基づいて労働環境を規範化するよう指導し、プラットフォーム経済が雇用促進に果たす重要な作用をより発揮させる。
日経平均株価は大幅続伸。前日の陽線からマドを開けて陽線が続く格好となり、一時は39000円台に乗せる場面があった。終値ベースでは上げ幅を縮小したが、25日移動平均線(38687円 11/25)上を回復して終えた。
RSI(9日)は前日の23.6%→38.9%(11/25)に上昇。75日移動平均線(38027円 同)を支持に一目均衡表では雲上に抜け出す展開となった。目先は下向きで推移している10日移動平均線(38535円 同)まで押し戻される可能性もあるが、同線上で底堅く推移できるかがポイント。8月安値(31156円)を起点とした上昇局面では高値圏を保っており、一段高となる前のもみ合いが続いている。
上値メドは、心理的節目の39000円や39500円、11/7高値(39884円)、10/15高値(40257円)などがある。下値メドは、10日移動平均線、75日移動平均線、10/2安値(37651円)、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
米財務省によると、2年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.274%、応札倍率(カバー)が2.77倍となった。
25日の日経平均は大幅続伸。終値は496円高の38780円。米国株高を好感して300円超上昇して始まり、序盤は騰勢を強める展開。10時近辺では上げ幅を700円超に広げ、39000円を上回った。節目乗せでいったんの到達感が出てきたことから、10時以降はしばらく値を消す流れが続いた。後場に入って寄り付きを下回ったところで盛り返し、13時から15時辺りまでは再び上を試しに行った。ただ、15時付近で鋭角的に上げ幅を縮めると、その後の上値は抑えられた。それでも1日を通しては500円近い上昇と、大きく水準を切り上げた。
東証プライムの売買代金は概算で6兆5000億円。MSCIのリバランス需要発生日で商いは高水準となった。業種別ではサービス、保険、医薬品などが上昇した一方、鉄鋼、非鉄金属、水産・農林などが下落した。上方修正を発表したミタチ産業<3321.T>が急騰。半面、株式の売り出しを発表した明治ホールディングス<2269.T>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり744/値下がり823。メディア記事で旧村上ファンド系による株式取得が報じられた京成電鉄と京浜急行がそろって2桁の上昇率となり、プライム値上がり率の1位と2位にランクイン。小田急や富士急行など他の鉄道株にも買いが波及した。ファーストリテイリング、ソフトバンクG、東京エレクトロンが3%台の上昇と、指数寄与度の大きい銘柄の動きが良かった。自己株取得を発表した三井化学が大幅上昇。証券会社が投資判断を引き上げた小林製薬やコンコルディアが買いを集めた。
一方、米エヌビディアの大幅安を嫌気して、アドバンテストが2.3%安。個別にフジクラやIHIが弱かった。メルカリが4%を超える下落。「メルカリ」サービスの顧客サポート体制強化などを発表したが、コスト上昇に対する警戒が強まった。公募・売り出しを発表したフジオフードが急落した。
日経平均は一時39000円を上回るなど、上に値幅が出た。買い一巡後は萎んだものの、終値(38780円)で25日線(38686円、25日時点)を上回っている。先週は38000円を割り込んだところで75日線をサポートに切り返した。あすは下げたとしても、きょうの反動と受け止められるため、警戒ムードはさほど高まらない。再び39000円台に乗せることができれば、踏み上げ的な上昇も期待できる。反動安がない方が、投資家心理は強気に傾きやすい。流れが良くなってきただけに、休息を入れることなく、再度39000円台を試す動きが見られるかに注目したい。
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