この曲の解釈の困難さは、母と子が再会することがどうしてそんなに悲しいのか、ということのようで、一般 に天国での再会を解釈するのが多いようです。これは全く妥当な解釈です。インターネット上で読んだことがあるのですが、この悲しみの原因は妊娠中絶を意味しているという解釈があります。しかし、ポールは彼の妻が先立たれたことを想像して書いた曲だと言っているし、また、歌詞の中で、“Oh, little darling of mine” と歌っているので、先に天国に逝ったのは、子供の方ではなく、母親の方だと思われます。(私は子供が先に死んで、母親の方が悲しみに暮れている、とずっと思っていました。)
この曲の歌詞で、最も重要なメッセージと思われるのは、タイトルが歌われているフレーズ “Mother and child reunion is only a motion away” だと思います。これは、基本的には「(天国での)母と子の再会はほんの一つの動作の差しかない・離れていない」という意味で、最終コーラスでは、少し変形させて、“only a moment away” (一瞬の差)とも歌っています。この箇所を解釈すると、語り手にあたる人(恐らく父親)が、母に先立たれて、悲しみに打ちひしがれている子供に対して、そんなに母親と再会したいのなら、手助けしてもいい、という気持ちを表した、自殺ほう助の歌だと思います。ポールは、S&G 時代に人間の死だけでなく、自殺を扱った詞を多く書いてきました(代表的な曲は、“A Most Peculiar Man” “Richard Cory” “Save the Life of My Child” 等) 特に自殺というテーマの関連性で重要だと思える曲は、アルバム『明日に架ける橋』に収録されている“Why Don't You Write Me?” です。この曲はスカ・サウンドを追求したが「本物らしさ( authenticity )に欠ける」ということでレコーディング上の失敗作と思われていた、と伝われています。その教訓からポールはジャマイカに飛ぶことを決意したようです。この歌詞の中で恋人(ポールにとっては、映画撮影のためにメキシコに滞在していたアーティ)を待つナレーターが曲の最後に “Friday woe is me / Gonna hang my body from the highest tree” (「金曜日(になってもまだ手紙が来ない)、ああ、悲しいかな・一番高い木に首をつろうか」)と歌われています。
あなたは、どんな煩悩をどのような菩提へと転換しましたか?
それまで苦しみでしかなかった世界が、意識・認識が変わる事で一変して喜びの世界へと変わります。その〝因〟を与えてくれるのが「仏教」です。
皆さんの修行の成果を是非お聞かせ下さい。