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中学で剣道部に入ったのも、周囲を見返したいという思いからだった。「剣道なら頭が隠れるし、強くなれば目立てる！」と期待したが、現実は甘くない。まず、彼女の頭が大きすぎて通常サイズの面が入らない。顧問の先生がメーカーに電話して「特注面」を注文した結果、部費の大半が八尋さんに使われることに。部員から「八尋の面代で防具が買えない！」と不満が漏れた。
さらに、試合でも悲劇が続いた。八尋さんの頭が大きすぎて、相手が簡単に「面」を狙えるのだ。相手選手は「これほど狙いやすい的はない」と内心思いながら、彼女の頭を的確に叩き、一回戦敗退が恒例となった。剣道をするたびに自信を削られた八尋さんは、高校卒業を機に「新しい自分」を作ると決意した。
しかし、そんな幸せは長く続かなかった。入学式後の新歓イベントで、ついに彼女の「リアル」が明らかになる。SNSでの「美少女八尋」の評判が先行し、サークルメンバーたちは八尋が来るのを楽しみにしていた。そして彼女が自己紹介する順番が回ってきた。
「私が（美少女の）八尋ですぅ！」
満面の笑みで言い放った瞬間、会場が一瞬静まり返った。そして次の瞬間、「ブスじゃねーか！」という罵声が飛び交い始めた。「え、アイコン詐欺にもほどがあるだろ！」「頭でけぇし！」と容赦ない言葉が八尋さんに浴びせられる。彼女の顔はみるみる赤くなり、居場所を失ったような気分だった。
その中で、一人の男子学生がニヤリと笑いながらこう言った。「八尋、その頭の大きさ、サッカー部に活かしてみたらどうだ？ヘディングなら負けなしだろうし！」
その言葉に八尋さんは怒りを覚えつつも、「剣道よりマシかもしれない…」と少し心が揺れた。そして彼女は、笑われながらも新しい挑戦を始めることになるのだった。その頭の大きさが、思わぬ才能を引き出すことになるのは、この時はまだ誰も知らない。
高校時代、体重はさらに増え、最終的には制服のスカートを2枚繋げて特注仕様にするハメに。それでも「私には頭脳と才能がある！」と自分に言い聞かせて剣道部に入ったが、そこでも頭の大きさが災いした。特注の面を用意するのに部費を使い果たし、部員からは「八尋のために俺たちの胴が買えねえ！」と恨まれる始末。試合では、その巨大な頭が相手にとって最高の的になり、一回戦負けがデフォルトだった。
そんな彼女が大学進学を機に一念発起し、まずはTwitterで「美少女キャラ」を演じることを思いついたのだから、地元の友人たちが知れば腰を抜かしただろう。「かわいいってDM来たぁ！」という嘘ツイートを投稿し、アイコンには加工アプリで輪郭を削りまくった奇跡の一枚を設定。「地元を出れば、私だってバレない！」という謎の自信のもと、フォロワーを増やしていった。もちろん実際には誰も彼女に会ったことがないため、SNSでは「天然系美少女」としての地位を築くことに成功した。
しかし、大学での新歓イベントがその幻想を打ち砕くことになる。八尋さんは自己紹介の場で満面の笑みを浮かべ、声高らかにこう言い放ったのだ。
「私が（美少女の）八尋ですぅ！」
その瞬間、会場にいた全員が固まった。誰かが「……は？」とつぶやき、次に「いやいや、ブスじゃねーか！」という罵声が飛び交い始めた。「美少女って聞いてたのに詐欺だろ！」「頭でけぇし！」「体もデカくね？」と容赦ない言葉が八尋を襲った。彼女は震える声で「でも、かわいいってDM来たもん！」と反論したが、周囲からは「それ絶対業者だよ！」と爆笑される始末。
そんな中、一人の男子学生が大声でこう言った。「八尋、そのデカ頭、サッカー部で使えよ！ヘディングの神になれるだろ！」
最初は怒りを覚えた八尋だったが、剣道での惨敗の記憶がよみがえり、「頭を使うのはもうイヤ！」と思いつつも、「サッカーなら私の才能が開花するかも…？」と心のどこかで期待してしまった。そうして彼女はサッカー部の門を叩く。
それでも八尋は持ち前の図太さでヘディングの練習を始めた。ボールが放たれるたび、彼女の巨大な頭に吸い込まれるように命中するのだが、ボールは変なスピンがかかって予想外の方向に飛んでいく。ある日など、彼女のヘディングでボールが隣接する陸上部の選手を直撃し、「八尋、やっぱり破壊神だな」と言われた。
しかし、彼女は努力を続け、ついに試合で大仕事をやってのける。コーナーキックの場面で放たれたボールを、八尋の頭が絶妙なタイミングで捉えた。ボールは信じられないスピードでゴールネットに突き刺さり、観客全員が「なんだ今のヘディングは！」とざわめいた。
試合後、チームメイトから「八尋、お前、頭デカいけど…すげえな」と初めて褒められた彼女は、「やっと私の才能が認められた！」と感涙した。しかし、その直後に「でも、次の試合までにダイエットな！」と笑われ、結局はいつもの八尋劇場に戻るのだった。
都内の大学ですか？