DJゼッドの1stアルバム「Clarity」では、「If our love’s insanity, why are you my clarity?」(この愛が狂気なら、なぜあなたといると心が落ち着く(clarity)の?)と詠われた。 パウエルFRB議長は、トランプ関税の「不確実性(uncertainty)」からの「鎮静化(clarity)」を待つことを表明した。
5月7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、トランプ関税による「不確実性(uncertainty)」を理由に、3会合連続での政策金利の据え置き(4.25-50%)を全員一致で決定した。そして、関税スタグフレーション(higher unemployment and higher inflation)への警戒感を明記した。
DJゼッドの1stアルバム「Clarity」では、「If our love’s insanity, why are you my clarity?」(この愛が狂気なら、なぜあなたといると心が落ち着く(clarity)の?)と詠われた。 パウエルFRB議長は、トランプ関税の「不確実性(uncertainty)」からの「鎮静化(clarity)」を待つことを表明した。
5月7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、トランプ関税による「不確実性(uncertainty)」を理由に、3会合連続での政策金利の据え置き(4.25-50%)を全員一致で決定した。そして、関税スタグフレーション(higher unemployment and higher inflation)への警戒感を明記した。
日経225先物オプション実況スレ2
https://talk.jp/boards/market/1741125467
ドル円は、先週23日にベッセント米財務長官が思惑だけが先行していた日米財務相会談での「為替議論」に対して、異例の事前通達を行ったほか、トランプ米大統領にも「パウエルFRB議長解任の意図はない」と発言させたところで、下サイドの動きに終わりを告げていたわけで、チャート上でも一目転換線を完全に上抜けるといった状態。先週末も米中関税の最高潮までに到達した緊張感は、もう既にこれ以上締める余裕はなく、後はお互いのメンツをつぶさないように、その紐をゆっくりとほどいていく動きしか選択肢はなくなったような状況に。日経平均の下げ止まりもまた、市場センチメントの転換を示しているといえます。
ドル円については、週末に一部大手新聞社が日米財務相会談についての明らかな「飛ばし記事」に対して、その直後から加藤財務相のSNS上での苦言や、先ほどの三村財務官による「100%事実無根」との飛ばしの事実を公表するなどの尻ぬぐいを余儀なくされるなか、目立った反応もなかったところをみても、市場が既に材料視していないことは明らか。そんな非生産的な話よりも、GW中とあって、本邦実需の買いが出た後は、仲値に向けては輸出の売りが持ち込まれるといった単純な需給のフローでレンジ相場となっているといったところです。
目先はNY時間安値の143.22円が下値の目処として意識されている一方、上値は先週末高値の144.03円や14日の高値144.31円、11日の高値144.64円が戻りの目処となっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比150円高の3万5930円(+0.41%)前後で推移。寄り付きは3万5950円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万6000円)にサヤ寄せする形で、買い先行から始まった。開始直後につけた3万5900円を安値にリバウンドの動きが強まり、一時3万6100円まで買われた。買い一巡後は3万5900円~3万6040円辺りでの保ち合いが続き、終盤にかけて3万5890円まで上げ幅を縮める場面もみられた。
日経225先物は3万6100円まで買われた後に上げ幅を縮めている。買い気配から始まったアドバンテスト<6857.T>[東証P]が寄り付き直後に軟化したことで、短期筋のロング解消に向かわせた形だろう。ただし、3万5900円接近では底堅さがみられており、ショートは仕掛けづらい。底堅さを見極めつつ、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で13.51倍に低下。朝方に13.58倍をつける場面もみられたが、その後は25日移動平均線(13.54倍)を割り込んでの推移をみせている。アドバンテストの下げが日経平均型の重荷になった反面、メガバンクなど金融株や電力株、ガス株が買われており、相対的にTOPIX型の優位な状況である。
本日のロンドン為替市場では、ユーロ圏で主だった経済指標の発表が予定されていないこともあり、引き続きトランプ関税を意識した動きが見込まれる。前週末は米中貿易摩擦の緩和期待が高まると共にリスク回避ムードが和らいだことから、ドル買いが進んでユーロドルの上値を抑えた。
注意すべきは、期待が先行している点である。25日に中国外務省報道官が「中国と米国は関税に関する協議や交渉を行っていない」としたほか、トランプ米大統領からは「対中関税は何らかの譲歩がない限り引き下げない」「再度、関税を一時停止することはないだろう」などの発言が伝わっている。この日の市場の反応は限定的であったとはいえ、今後材料視されることがあればドル主導でユーロドル相場に影響が波及しそうだ。引き続き、関連報道には注意したい。
テクニカル面では、ユーロドルは23日に日足・一目均衡表の転換線を下抜けた後は1.13ドル台でのもみ合いとなっている。目先は1.13ドルを上下どちらにブレイクするか、レンジ内で方向感を模索する動きも想定される。
要人発言については、NY序盤になるが、共に中立派とされるレーン・フィンランド中銀総裁やデギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁の発言機会が予定されている。市場ではECBが年内に2-3回の利下げをすると見られており、今後の金融政策に関する発言があれば確認しておきたい。ただ、30日に1-3月期国内総生産(GDP)・速報値、5月2日に4月消費者物価指数(HICP)速報値の発表を控えていることもあり、材料視されにくいかもしれない。
想定レンジ上限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の転換線1.1427ドル。
想定レンジ下限
・ユーロドル:15日安値1.1264ドル。
ドル円:1ドル=143.49円(前営業日NY終値比▲0.18円)
ユーロ円:1ユーロ=163.21円(▲0.09円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1374ドル(△0.0009ドル)
日経平均株価:35839.99円(前営業日比△134.25円)
東証株価指数(TOPIX):2650.61(△22.58)
債券先物6月物:140.63円(△0.20円)
新発10年物国債利回り:1.310%(▲0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は神経質な値動き。米中貿易摩擦の緩和期待を手掛かりに朝方143.88円まで上昇する場面があったが、その後は時間外の米株先物などの下落を材料に上値が重くなった。14時過ぎには一時143.30円まで下押し。もっとも、一巡後は時間外の米10年債利回りが上昇に転じたことで下げ止まるなど、143円台半ばを挟んだ水準で方向感を欠いた。
・ユーロドルはもみ合い。1.1350ドル前後でのもみ合いから対円などでドル売りが進んだ場面では1.1380ドル台まで上昇したものの、早朝の高値1.1384ドル手前では買いも一服した。
・ユーロ円ももみ合い。163円台前半を中心としたレンジ内推移に終始した。
・日経平均株価は4日続伸。前週末の米国株式市場でハイテク株が上昇した流れを引き継いで、週明けの国内市場でも買いが先行。指数は一時3万6000円を上回る場面も見られた。もっとも、大台超え水準では戻り待ちの売りも入り、その後は伸び悩む展開に。今週に2回目の日米通商協議が控えていることも上値を抑制する要因となった。
・債券先物相場は反発。国内勢はすでに大型連休に入っている向きも多く、市場参加者の減少する中の取引となったが、後場に入ってやや債券買いが進んだ。
大和証券では為替に関するリポートの中で、足元のドル円が139円台をつけた後に反発したことに注目している。トランプ大統領の発言を受けて市場はFRBの独立性を疑いドル円は一時1ドル=139.89円まで下落したが、その後はパウエルFRB議長解任の可能性が低下したことなどから切り返した。昨年9月も139.58円でドル円の下落が止まっているとのこと。市場は139円台を下値として強く意識していそうで、テクニカル的には反発サインのダブルボトムを形成したように見えると大和ではコメントしている。
「ブレトンウッズ体制の再編が起きつつある。国際経済政策を私は生涯かけて研究してきたし、その再編に関与したい」(ベッセント氏:2014年講演)
ベッセント米財務長官の野望は、1944年のブレトンウッズ体制の再編であるらしいので、1985年の「プラザ合意」のような貿易赤字削減のためのドル安誘導としての「マールアラーゴ合意」が警戒されている。しかし、債務削減のための「ブレイディ債」のような「ベッセント債」にも警戒しておくべきかもしれない。
1.ミラン米CEA委員長(2024年11月)
「国際貿易システム再構築のためのユーザーガイド」では、貿易赤字と財政赤字削減のための方策が主張されている。
貿易赤字削減のために、各国が保有する米国債に課税することで売却を促してドル安に誘導する策(マールアラーゴ合意)、財政赤字削減のために、債務の金利上昇を抑えるべく各国の保有米国債を100年程度の超長期割引債に切り替える策(ミラン&ベッセント債)が提示されている。最大の米国債保有国の日本の場合、約15兆円の損失となるらしい。
2.ベッセント米財務長官の野望(4月23日)
ベッセント米財務長官は、4月23日の講演で、国際金融システムの枠組み変更を目指すと表明した。ブレトンウッズ体制で設立された国際通貨基金(IMF)や世界銀行が気候変動などに傾斜したと批判し、国際金融機関は支援の対象を絞り込み、経常収支の不均衡是正に集中するべきだと主張した。
米国は、ブレトンウッズ体制の下で率先して自国市場を開放し、民主主義陣営の経済発展を後押ししてきたが、強いドルと安全保障の傘の代償として巨額の貿易赤字と財政赤字を抱え続けており、機能不全に陥りつつある。
3.日米財務相会談(4月24日)
■米国財務省
「為替に関する問題について両者が緊密な協議を続ける意向を再確認した」
※ベッセント米財務長官「ドル安・円高が望ましい」
■日本財務省
・G-7声明の確認「為替レートは市場で決定され、過度な変動や無秩序な動きは経済や金融の安定に悪影響を与える」
・為替に関する問題について引き続き緊密かつ建設的に協議する
※加藤財務相「米国から為替水準の目標や枠組みの話は全くなかった」
大阪6月限
日経225先物 35910 +130 (+0.36%)
TOPIX先物 2653.5 +17.5 (+0.66%)
日経225先物(6月限)は前日比130円高の3万5910円で取引を終了。寄り付きは3万5950円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万6000円)にサヤ寄せする形で、買い先行で始まった。開始直後につけた3万5900円を安値にリバウンドが強まり、前場中盤にかけて一時3万6100円まで買われた。買い一巡後は3万5900円~3万6040円辺りで保ち合い、前場終盤にかけて3万5900円を割り込んだ。
ランチタイムで3万5850円まで上げ幅を縮めると、後場は3万5850円~3万5910円辺りの狭いレンジで推移。終盤にかけて3万5800円まで売られる場面もみられたが、後場のレンジ上限で終えた。
日経225先物は3万6100円まで買われた後に上げ幅を縮め、その後は3万5800円~3万5900円辺りでの推移が続いた。買い気配から始まったアドバンテスト<6857.T>[東証P]が寄り付き直後に軟化したことで、短期筋のロング解消を誘ったほか、日東電工<6988.T>[東証P]の下げも日経平均型の重荷となった。
だが、センチメントを大きく冷ます流れにはならなかった。30日に赤沢亮正経済再生担当相が訪米し、ベッセント米財務長官らと関税を巡る2回目の協議が予定されており、関税交渉の進展期待が高まっている。トランプ米大統領は就任からまもなく100日を迎えるが、トランプ氏の支持率が低下しているなかで、強硬姿勢は取りにくいとの見方も出てきそうだ。
為替市場では円相場が1ドル=143円後半と円安に振れて推移していたこともあり、輸出関連株の強い値動きが目立っていた。そのほか、建設、銀行、小売、海運などが買われており、相対的にTOPIX型が優位な状況であった。東証プライムの値上がり銘柄数は7割近くを占め、売買高は4月11日以来となる20億株超だった。ハイテク株の一角が重荷となったものの、リバランスに伴うカバーが入りやすい状況のようである。
祝日に入ることでナイトセッションの商いは限られるだろうが、トレンドとしてはボリンジャーバンドの+1σ(3万6310円)および75日移動平均線(3万7070円)が意識されるなかで、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で13.53倍に低下。朝方に13.58倍をつける場面もみられたが、その後は25日線(13.54倍)を割り込んで推移している。ただし、一時13.49倍まで低下した後は25日線水準まで下げ渋る動きをみせており、TOPIX型へのシフトを想定したNTショートは見極めが必要だろう。
手口面(6月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3589枚、ソシエテジェネラル証券が1万0977枚、サスケハナ・ホンコンが3844枚、バークレイズ証券が2053枚、JPモルガン証券が1945枚、ゴールドマン証券が1002枚、日産証券が987枚、モルガンMUFG証券が986枚、ビーオブエー証券が885枚、SBI証券が875枚だった。
TOPIX先物は、ソシエテジェネラル証券が1万9737枚、ABNクリアリン証券が1万9169枚、バークレイズ証券が5818枚、ゴールドマン証券が5554枚、JPモルガン証券が4825枚、モルガンMUFG証券が4797枚、サスケハナ・ホンコンが3191枚、BNPパリバ証券が1945枚、野村証券が1573枚、シティグループ証券が1244枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、重要な経済指標や要人発言の予定がないことから、トランプ米大統領やベッセント米財務長官による円相場への見解に警戒する展開が予想される。
先週24日に行われた日米財務相会談の後、加藤財務相は「米国からは為替に関して目標やそれに対する枠組みの話は全くなかった」「具体的な為替レートについての話はなかったとした」と述べた。しかし、米財務省は「為替に関する問題について両者が緊密な協議を続ける意向を再確認した」と表明し、ベッセント米財務長官も「ドル安・円高が望ましい」と述べた、と報じられていた。しかし、三村財務官は、報道は100%事実無根、米側から円高ドル安が望ましいとの話はなかった、と否定しており、今後の関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
今週に開催予定の第2回日米通商交渉に向けて、トランプ米政権によるドル安・円高への圧力が高まる可能性に警戒しておきたい。
第1回日米通商交渉の後の記者会見で、赤沢経済再生相は、「今回の協議で通貨政策が議題に上ったのか」との質問に対しては、「為替については出ませんでした」とわざわざ2回も否定していた。一部の市場筋は、赤沢経済再生相が為替協議を2回否定し、加藤財務相が為替協議を「建設的に続ける」と表明していたことで、なんらかの課題が俎上に上がったのではないか、と深読みする向きもあり、今後の交渉の進展に要注目となる。
IMM通貨先物の非商業(投機)部門取組の円のネット買い持ちポジションは、140円を割り込んだ22日の時点で+177,814枚(前週比+5,959枚)と過去最大を更新していた。
シカゴ筋は、ドル円が155円付近で円の売り持ちから買い持ちに転換し、152円付近で過去最大規模となり、140円割れでも円の買い持ちポジションを堅持していることになる。
ドル円が日米財務相会談の後に144円台まで買い戻された局面で、一部手仕舞われた可能性はあるものの、トランプ米政権の円安への対応策とともに、投機筋の動向にも注目しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、144.31円(4/14高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、142.28円(4/24安値)
中国の国家統計局が27日に発表した統計によると、2025年1-3月の工業企業(年間売上高2000万元以上の企業)の税引き前利益は前年同期比0.8%増の1兆5093億6000万元だった。
業種別では、農産物加工が40.3%増、非鉄金属精錬・圧延加工が33.6%増、専用設備製造が14.2%増、汎用設備製造が9.5%増、電気機械・器材製造が7.5%増、紡織が7.1%増、電力・熱供給が6.1%増、コンピューター・通信・その他の電子設備製造が3.2%増となった。一方、化学原料・化学製品製造が0.4%減、石油・天然ガス採掘が3.1%減、自動車製造が6.2%減、非金属鉱物製品製造が14.2%減、石炭採掘・選炭が47.7%減、石油・石炭・その他の燃料加工は赤字縮小、鉄金属精錬・圧延加工は黒字転換した。
3月単月の税引き前利益は前年同月比2.6%増だった。
今週のNY市場はメガキャップの決算と経済指標に注目。先週はダウ平均が2.48%高、S&P500が4.59%高、ナスダック総合が6.73%高とそろって大幅反発した。週初21日は、トランプ米大統領がパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長を批判し、FRBの独立性への疑念が高まったことで「アメリカ売り」が強まり、大幅安でスタートしたが、スコット・べッセント財務長官が米中貿易戦争の緩和の可能性に言及したことで22日に大幅反発すると、トランプ大統領がパウエルFRB議長を解任するつもりはない、中国に対してより穏健な姿勢で臨む用意があるとしたことが好感され週末25日まで4日続伸した。貿易摩擦問題が最悪期を脱したとの見方から足もとで売られたハイテク・ジャイアントに買い戻しが強まったほか、アルファベットが予想を上回る決算を発表したこともセンチメントの改善につながった。投資家の不安心理を示すVIX指数は前週末の29.65ポイントから21日に一時35.75ポイントまで上昇したが、週末25日は24.84ポイントで終了した。
今週は発表がピークを迎える第1四半期決算と4月雇用統計などの経済指標に注目が集まる。決算発表はS&P500採用の180社以上が発表予定で、マイクロソフト、メタ(30日引け後)、アップル、アマゾン・ドット・コム(5月1日引け後)のほか、コカ・コーラ、ファイザー、ビザ、キャタピラー、クアルコム、イーライ・リリー、CVSヘルス、シェブロン、エクソン・モービルなどの決算結果やガイダンスに要注目となる。経済指標では金曜日の4月雇用統計のほか、火曜日に3月JOLTS 求人件数、水曜日に4月ADP民間部門雇用者数、1-3月期国内総生産(GDP)速報値、3月個人消費支出(PCE)価格指数、木曜日に4月ISM製造業購買担当者景気指数(PMI)など注目の経済指標の発表が続く。トランプ関税による景気減速懸念が強まっており、経済指標が予想以上に悪化すれば、リセッション懸念が高まることが警戒される。
今晩の米経済指標・イベントは4月ダラス連銀製造業景況指数など。企業決算は寄り前にスーパー・マイクロ、ドミノ・ピザ、引け後に NXPセミコンなどが発表予定。
日経平均株価は4日続伸。36000円の心理的節目や3/11安値(35987円)付近を意識して伸び悩む展開となった。一方、終値で36000円台を回復することはできなかったが、終日マイナス圏に沈むこともなく底堅く推移した。
RSI(9日)は前日の75.0%→73.9%(4/28)に低下。祝日明けは上昇しやすいタイミングとなり、短期的な相場の見方に大きな変化はない。直近高値更新が続いており、4/7安値(30792円)を起点とした目先波動は上昇継続の判断となる。次は50日移動平均線(36347円 4/28)や3/31の下落で形成したマド埋め(36864円 同)がターゲットになる。
一方、25日移動平均線(34860円 同)は依然として下向きが続いており、上方向には伸び悩む動きにつながりやすいほか、36000円の心理的節目を前に揺り戻しの調整シナリオも想定できる。
上値メドは、50日移動平均線、3/28安値(36864円)、心理的節目の37000円、75日移動平均線(37278円 同)、100日移動平均線(37770円 同)などがある。下値メドは、5日移動平均線(35134円 同)、25日移動平均線、心理的節目の34500円、4/22高値(34340円)、心理的節目の34000円、4/16安値(33658円)などがある。
(28日終値:29日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=142.36円(28日15時時点比▲1.13円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.31円(▲0.90円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1401ドル(△0.0027ドル)
FTSE100種総合株価指数:8417.34(前営業日比△2.09)
ドイツ株式指数(DAX):22271.67(△29.22)
10年物英国債利回り:4.509%(△0.030%)
10年物独国債利回り:2.521%(△0.052%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。日本時間夕刻に一時143.89円と日通し高値を付けたものの、前週末の高値144.03円が目先レジスタンスとして意識されると徐々に上値が重くなった。一時は4.29%台まで上昇した米10年債利回りが4.21%台まで低下したこともドル売りを促した。
4月米ダラス連銀製造業景況感指数が▲35.8と前月の▲16.3から大幅に悪化し、2020年5月以来の低水準を記録すると全般ドル売りが活発化。前週末の安値142.59円を下抜けて一時142.13円まで値を下げた。
・ユーロドルは底堅い動き。アジア時間に一時1.1330ドルと日通し安値を付けたあとはじり高の展開に。米長期金利が低下に転じたことなどがユーロ買い・ドル売りを促し、前週末の高値1.1394ドルを上抜けると一時1.1422ドルまで上値を伸ばした。
なお、ベッセント米財務長官は「我々は強いドル政策を堅持している」と述べたほか、「欧州中央銀行(ECB)はユーロ押し下げのために利下げを行うだろう」と話し、足もとのユーロ高に言及した。
・ユーロ円は弱含み。ドル円の下落につれた円買い・ユーロ売りが入ると一時162.26円と日通し安値を付けた。一時は300ドル超上昇したダウ平均が失速し200ドル超下落したことも相場の重し。
・ロンドン株式相場は小幅ながら11日続伸。前週末の米国株相場の上昇を受けて、英株にも買いが先行した。ただ、足もとで相場上昇が続いているため、短期的な過熱感から利益確定目的の売りが出ると伸び悩んだ。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が買われた半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られた。
・フランクフルト株式相場は小幅ながら5日続伸。米政権が関税を巡り、対中強硬姿勢を緩めつつあるとの観測から投資家心理が改善。独株にも買いが入った。個別ではエアバス(2.63%高)やフレゼニウス・メディカル・ケア(2.26%高)、フレゼニウス(1.98%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落した。株高を受けた。
28日の日経平均は4日続伸。終値は134円高の35839円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1107/値下がり487。非公開化観測が報じられた豊田自動織機がストップ高比例配分。グループ再編期待からトヨタにも強い買いが入った。ファーストリテイリングが大幅上昇。1Q減益見通しも自己株取得が評価された信越化学が急伸した。トランプ政権が日本に軍民両用の造船を要請したとの観測を手がかりに、船舶用エンジンなどを手がける三井E&Sが人気化。良品計画、神戸物産、パルGHDなど先週大きく売られる場面があった小売株の一角に見直し買いが入った。
半面、今期の見通しが市場の期待に届かなかったアドバンテストが4.8%安。ディスコ、レーザーテック、SCREENなど半導体株の多くが連れ安した。フジクラや古河電工など電線株が軟調。今期の減収減益見通しを提示した日東電工や1Qが減益着地となった三菱鉛筆が急落した。第三者委員会の設置および1Q決算発表の延期を発表したオルツは、場中に値が付かずストップ安比例配分となった。
日経平均は4日続伸。上値は重かったが36000円を上回る場面があり、プライムでは多くの銘柄が上昇した。25日の米国ではナスダックが強かっただけにグロース優位になるかと思われたが、半導体株のほかリクルートやソニーGなども下落しており、日本のグロース株は案外。それでも指数は伸び悩む程度にとどまり、マイナス圏に沈むことはなかった。
東京市場はあすが休場で、休場明けの4月30日から5月1日の日程で日銀金融政策決定会合が開催される。本日の日本経済新聞1面でも据え置き観測が報じられており、今回は現状維持が濃厚。今回は植田総裁の会見が木曜の引け後だけに、会見で為替が大きく動いた場合でも4連休前に対処ができる。個別では好材料のあった銘柄には強い買いが入っており、通期見通し非開示で買われる銘柄もある。全体市場が大崩れするリスクは低下しており、4日続伸でもさほど過熱感は高まっていない。休場明けも良好な地合いが継続するだろう。
(28日終値)
ドル・円相場:1ドル=142.01円(前営業日比▲1.66円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.24円(▲1.06円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1420ドル(△0.0055ドル)
ダウ工業株30種平均:40227.59ドル(△114.09ドル)
ナスダック総合株価指数:17366.13(▲16.81)
10年物米国債利回り:4.21%(▲0.02%)
WTI原油先物6月限:1バレル=62.05ドル(▲0.97ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3347.7ドル(△49.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は反落。日本時間夕刻には一時143.89円まで値を上げたものの、前週末の高値144.03円が目先レジスタンスとして意識されると徐々に弱含んだ。一時は4.29%台まで上昇した米10年債利回りが4.20%台まで低下したこともドル売りを促した。4月米ダラス連銀製造業景況感指数が▲35.8と前月の▲16.3から大幅に悪化し、2020年5月以来の低水準を記録すると全般ドル売りが活発化し、前週末の安値142.59円を下抜けて一時141.99円まで値を下げた。
・ユーロドルは反発。米長期金利が低下に転じたことなどを手掛かりに全般ドル売りが優勢になると、前週末の高値1.1394ドルを上抜けて一時1.1425ドルまで上値を伸ばした。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時98.90まで低下した。
なお、ベッセント米財務長官は「我々は強いドル政策を堅持している」と述べたほか、「欧州中央銀行(ECB)はユーロ押し下げのために利下げを行うだろう」と話し、足もとのユーロ高に言及した。
・ユーロ円は4日ぶりに反落。ドル円の下落につれた円買い・ユーロ売りが入ったほか、一時300ドル超上昇したダウ平均が失速し200ドル超下落したことも相場の重しとなり、162.21円と日通し安値を付けた。もっとも、ダウ平均が再び上昇に転じると下げ止まった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日続伸。前週の地合いの強さを引き継いで買いが先行すると一時300ドル超上昇したものの、買い一巡後は徐々に上値を切り下げて200ドル超下落した。ただ、引けにかけては再び上昇に転じた。今週は主要ハイテク企業を含む四半期決算の発表がピークとなるほか、米重要指標の発表が相次ぐ。イベントを前に様子見ムードが広がり、大きな方向感は出なかった。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は5日ぶりに小反落。
・米国債券相場で長期ゾーンは5日続伸。欧州債相場が下落すると、米国債にも売りが先行したものの、今週予定されている米重要指標の発表を前に持ち高調整目的の買いが入ると持ち直した。
・原油先物相場は3日ぶりに反落。4月米ダラス連銀製造業景況感指数の大幅悪化を受けてエネルギー需要減少への懸念が広がると、ロングの投げを巻き込みながら売り圧力が強まった。61ドル半ばまで下落幅を広げ、先週安値を下回ったところで売りが一服。もっとも石油輸出国機構(OPEC)プラスの増産懸念が重しとなり、戻りは62ドル前半までだった。
・金先物相場は反発。欧州株の上昇を受けて時間外で下値を試すも、先週の安値圏である3270ドル台が支えとなった。4月米ダラス連銀製造業景況感指数が大幅に悪化したことが分かると、リスク回避ムードの高まりから安全資産とされる金に買いが入った。為替でドル安が進行したことも、ドル建て金の上昇を後押しした。引け後には3360ドル超えまで上値を伸ばしている。
28日06:59 トランプ米大統領
「ゼレンスキー・ウクライナ大統領は以前より落ち着いており、合意を望んでいるように見える」
「プーチン露大統領には攻撃をやめて、合意に達することを望む」
28日08:59 三村財務官
「米側から円高・ドル安が望ましいとの話はなかった」
「米財務長官の発言に関する報道は100%事実無根」
28日11:53 中国人民銀行(PBOC)副総裁
「一部の対外貿易企業は米国の関税により困難に直面しており、一部の雇用に影響が出ている」
「中国には雇用を支援するための十分な政策手段がある」
「適切な時期に預金準備率と金利を引き下げる」
28日12:25 国家発展改革委員会(NDRC)の趙副主任
「中国はエネルギーと食料の安定供給を保証する」
「米国は中国のエネルギー輸入において小さなシェアしか占めていない」
「米国からの穀物を購入しなくても中国の食料供給に影響はない」
28日14:54 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「フランスやヨーロッパで景気後退は見込んでいないと改めて強調する」
「欧州にはまだ利下げの余地がある」
「欧州において追加的なインフレは見られない」
「トランプ政権の政策はうまく機能していない」
「現在は非常に大きな経済的不確実性の時期にある」
28日15:23 クノット・オランダ中銀総裁
「トランプ関税によるリスクが不透明なため、次回のECB理事会は複雑なものになる」
「トランプ関税の影響は、短期的には需要ショックが優勢となり、インフレ率が低下するのは100%明らかだ」
「ECBは中長期的なインフレリスクを注視している。長期的には、インフレリスクは明らかに上下の二面性がある」
「日米会談の詳細は調整中」
「一連の関税措置撤廃を強く求めるポジションには変わりない」
「関税以外に投資や経済的措置で折り合えないか探る」
28日21:08 ベッセント米財務長官
「我々は強いドル政策を堅持している」
「多くの国が、有効な提案をしてきている」
「欧州中央銀行(ECB)は、ユーロを下落させるために利下げを行うだろう」
「中国との通商交渉の過程はコメントできない」
「中国は、貿易摩擦を激化させたくないだろう」
「日本との通商交渉は実体のあるものだった」
「出来るだけ早く通商合意を締結したい。インドが最初の締結国になる見込み」
28日22:10 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「入手しているデータは、2025年第1四半期の緩やかな成長を示唆している」
「インフレ率は、我々の目標付近で推移する見通し」
「会合毎のアプローチが適切な金融政策を導き出す」
※時間は日本時間
<国内>
○昭和の日で休場
<海外>
○15:00 ◇ 5月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲26.0)
○16:00 ◇ 3月トルコ失業率
○16:00 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:00 ◎ 4月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:94.5)
○18:00 ◎ 4月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲16.7)
○18:40 ◎ ラムスデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○21:30 ◇ 3月米卸売在庫(予想:前月比0.7%)
○22:00 ◇ 2月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○22:00 ◎ 2月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比4.7%)
○23:00 ◎ 3月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数(予想:748.0万件)
○23:00 ◎ 4月米消費者信頼感指数(予想:87.5)
○30日03:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、一時は4.29%台まで上昇した米10年債利回りが4.20%台まで低下したことがドル売りを促し、前週末の安値142.59円を下抜けて一時141.99円まで値を下げた。4月米ダラス連銀製造業景況感指数が▲35.8と前月の▲16.3から大幅に悪化し、2020年5月以来の低水準を記録したこともドル売り要因。ユーロドルは、1.1425ドルまで上値を伸ばした。
本日のアジア時間でドル円は、東京市場が昭和の日で休場ということもあり大きなトレンドを作るのは難しいだろうが、欧米時間で続いたドル売りの流れは変わらないか。ただ、二転三転とするトランプ米大統領の発言などで、相場が急転するリスクには常に注意をしておきたい。
米トリプル安の影響もあり、ハネムーン期間(大統領就任100日間)が終了したトランプ政権の支持率は下落している。ワシントン・ポスト、ABCニュース、イプソスが共同で行った世論調査では、米国成人の39%まで支持率は低下。他の支持率もCNN/SSRSの世論調査では米国成人の41%、NBCニュースのステイ・チューンド世論調査では米国成人の45%になるなど、70年以上ぶりの低水準となっている。支持率が下落基調をたどる中で、ベッセント米財務長官をはじめ、政権中枢要人がトリプル安を避けるように進言しているとのうわさもあり、関税圧力の緩和期待がドル買い・円売りの要因になる。
ただ、昨日ベッセント氏の2つの発言はドルの重しになりそうだ。1つ目は「貿易摩擦の緩和は中国次第だ」と発言したこと。中国政府は兼ねてから米国が圧力をかけている限りは交渉にも応じない姿勢を示していることで、米国が中国に対しての歩み寄りをみせない限りは両国間の交渉は前に進まないだろう。すでに中国は欧州連合(EU)、BRICS諸国などとの通商交渉を順調に進めるなど、関税問題に関して米国ほど焦りはない。先週に入り、あたかも中国が交渉に前向き姿勢を示したような発言をしていたトランプ米大統領だが、交渉に進展がないことが判明した場合は、先週のリスク回避の動きのメッキがすべてはげ落ちるリスクには警戒したい。
2つ目は、ベッセント氏が「欧州中央銀行(ECB)は、ユーロを下落させるために利下げを行うだろう」と昨日発言したこと。G7各国で金融政策を通貨政策に結び付けようとしている国はないと思われているが、トランプ政権は米国以外の国の低金利政策は、自国通貨安・ドル高に結び付けているとの認識を持っているようだ。この件に関しては低金利政策を長期間続けている日本に対しても当てはまる。明日から始まる日銀政策決定会合では、据え置き予想が多数を占めているが、先週の訪米時に植田日銀総裁や政府要人に、日本の低金利政策に対して米国が圧力をかけた可能性もある。表面上は「強いドル政策を堅持している」とのトランプ政権だが、前述のECBへの発言を含めドル高を危惧していることは明らかなことで、ドルの重しになるだろう。
なお、本日はカナダドルの値動きには要警戒となる。カナダの総選挙の投票が、日本時間10時半前後に終了する予定。その後の投票の結果次第で、カナダドルが動意づくことが予想される。
ウォールストリートジャーナル紙によると、トランプ米大統領は自動車関税の影響を和らげる方針だと関係者が明らかにした。具体的には、外国製自動車に課す関税が既に課されている他の関税と重複して課されることを防ぎ、米国内で自動車製造に使われる外国部品に対する関税も一部緩和する見込みだ。
この決定により、自動車メーカーはトランプ政権の自動車関税を支払っても、鉄鋼やアルミニウムに対する関税など他の関税を重ねて支払う必要がなくなる。さらに、この措置は遡及的に適用されるため、既に支払った関税についても返金される可能性があるという。
共和党のランド・ポール上院議員はトランプ大統領の関税措置を事実上阻止する決議案に十分な票が集まると見込んでいるという。しかし、ポール氏はこの決議案の採決を30日に予定している一方で、議長のジョンソン氏が決議案の阻止を図っていることを「不誠実」と批判している。一方で、トランプ大統領はこの決議に対して拒否権を行使する意向を示しており、関税問題を巡る米国内の政治的対立が続いている。
国産車で使用する外国製部品に課される関税の一部を緩和するほか、国外で製造された自動車に課す関税が他の関税に上乗せされないようにする。
2025年4月29日午前 9:02
トヨタとホンダは暴騰じゃないのか?
ダラス連銀の製造業調査コメントによると、米中関係悪化に伴う関税の影響で、複数の企業が中国向け売上の消滅や事業継続の危機を訴えている。「関税が続けば多くの中小企業が深刻な打撃を受け、米国回帰どころか産業が壊滅しかねない」との声や、「現状はコロナ禍以上にリスクが大きく不透明」との指摘もある。トランプ政権の予測不能な政策運営や、コスト転嫁による価格上昇、景気後退懸念、金利高など先行きへの不安が広がっている。
日本経済新聞が報じたところによると、日本の大手生命保険会社は2025年度に合計約1.3兆円(約91億ドル)分の日本国債(JGB)保有残高を削減する計画だという。新たな資本規制への対応を背景に、上位10社のうち4社が4月から始まった上期中にJGBの圧縮を予定。特に日本生命は、2016年度以来9年ぶりに日本国債の保有を減らす。これは低利回り債を売却し、より高利回りの債券への入れ替えを進める戦略転換の一環だ。
リーブス英財務相は6月の予算見直しで1000億ポンドの資本支出をインフラ整備と社会サービスの間で慎重に配分する必要があると一部通信社が伝えた。インフレや防衛費の増加、過去の投資不足を考慮すると、実際に使える資金は200億ポンド程度にとどまる可能性が高い。病床や刑務所の不足など喫緊の課題が山積する一方、学校や病院への投資は即効性があるものの、長期的な経済成長効果は限定的とされる。交通やエネルギーインフラへの投資はGDP成長を促進するが、社会的ニーズとのバランスが求められる。シンクタンクのリゾリューション財団は都市型住宅や成人医療など生産性向上に直結する社会投資を優先すべきだと提言している。
昨日の海外市場では、NY市場に入って米長期金利が大幅な低下。欧州時間にかけて4.2952%まで上昇していた米10年債利回りが4.2005%まで一転して大幅な低下に転じるにつれて、全般ドル安の流れとなっていきました。ドル円は欧州時間の高値143.89円から引けにかけては141.99円まで戻りらしい戻りもないなかでの下落。ただ、一目転換線の141.96円を前にして下げ止まると、東京勢不在のアジア市場では142.44円まで買戻されているといったところです。
いずれにしても、米長期金利の動きがドル全般の動きに影響するといった極めて正常な動きに戻ってきているともいえ、目先は再び一目転換線やNY時間の高値143.44円、昨日高値の143.89円が意識されています。
昨日もお伝えしたように、トランプ関税に対する市場の拒否感が米トリプル安を引き起こしたわけですが、方向性としては、既にその峠を越して、逆にどこまで緩和させることが出来るのかといった動きを追いかけているなか、ネタとしては恐らくポジティブな材料しか残っていないといった状況。市場は4月に入ってからの異常なリスクオフの状態から脱却して、ようやく正常な動きへと移行しつつあるのかもしれません。
本日の欧州時間のユーロドルは、トランプ政権の関税に関する報道と月末を控えた特殊玉、欧州の経済指標が相場を左右することになりそうだ。
先週23日から昨日にかけて、ユーロドルは1.13ドル前半から1.14ドル半ばで方向感なく上下している。先週21日に2021年11月以来の高値を更新して以後は、トランプ政権が中国に対する関税圧力緩和姿勢を見せたことで、ややドル売りの勢いが弱まった。ただ、昨日にベッセント米財務長官は「貿易摩擦の緩和は中国次第だ」と発言、一方で本日には中国も王毅・中国外相が「譲歩や後退はいじめる側をますます増長させるだけだ」と述べるなど、両国間の溝が埋まったようには見えない。脅せば多くの国がなびくと思っていたトランプ政権だが、相互関税は米国のトリプル安を招いただけになり、トランプ政権がより一層圧力の緩和姿勢を見せない限りは再び米国売りトレンドに戻る可能性が高そうだ。
また、昨日はニュース等がなかったのにも関わらず、月末が近づいていることもありポンドは対ドルで約3年2カ月ぶりの水準まで買われた。今日、明日もロンドンフィキシングを中心に、複数の通貨で月末玉が出る可能性が高いことで注意が必要になる。
経済指標では、ドイツやユーロ圏の消費者信頼感指数などが発表される。ここ最近は欧州の経済指標で市場が動意づくことは少ないが、昨日は米ダラス連銀製造業景況感指数が2020年5月以来の低水準になったことでドル売りが進んだ。通常は動意が薄い指標でも市場が予想以上に反応する可能性があるかもしれない。
・想定レンジ上限
ユーロドル:1.1440ドル近辺の日足一目均衡表・転換線を上抜ければ、4月22日高値1.1547ドル。
・想定レンジ下限
ユーロドル:4月28日安値1.1330ドル。
欧州連合(EU)の欧州委員会はこのほど、中国から輸入される一部の建設機械に最大66.7%の関税を課すと発表した。メーカーが不当な補助金を受け、人為的に低価格で販売しているとした。『信報』が29日、伝えた。
EUは域内のメーカーを保護するため、中国の移動アクセス設備(MAE)に対して20.6-66.7%の追加関税を課す方針で、EUのMAE市場規模は10億ユーロを超えている。中国メーカーは融資面での優遇措置や補助金を受け、市場価格を下回る価格で製品を投入し、シェアを伸ばしているとした。
EUは現在、ダンピング(不当廉売)や補助金などに関連し、80種類近い中国製品に関税を課している。
ドル円は、長期的には、「ドル高8年サイクル」により、2024年7月の高値161.95円から、2032年の高値175.50円に向けた過渡期に入りつつある。
中期的には、エリオット波動により、上昇第3波動(161.95円)の後の調整第4波動としての「三角保ち合い」(底辺:127.23円~161.95円)を形成しつつある。
短期的には、2024年7月の高値161.95円を頭とする「ヘッド・アンド・ショルダー」を形成中であり、月足ベースのネック・ライン(※140.25円~139.58円~4月:139.06円~5月138.98円)を窺う展開となっている。
1. ドル高8年サイクル
ドル・円相場は、8年サイクルで高値をつけている。
・1974年1月:304.90円
・1982年10月:278.50円(約8年10カ月)
・1990年4月:160.35円 (約7年6カ月)
・1998年8月:147.64円 約8年4カ月)
・2007年6月:124.14円 (約8年10カ月)
・2015年6月:125.86円 (約8年1カ月)
・2024年7月:161.95円 (約9年)
・2032年:175.50円??
■第1次トランプ米政権(2017年~2020年):2015年の高値からの下落途上
■第2次トランプ米政権(2025年~2028年):2024年の高値からの下落途上?
2.エリオット波動
・第1波動:75.32円-125.86円(+50.54円)
・第2波動:125.86円-101.19円(▲24.67円 半値押し)
・第3波動:101.19円~161.95円(+60.76円)
・第4波動:161.95円~126円(※第4波動と第1波動は重ならない)
※三角保ち合い(127.23円~161.95円)を形成中
A波動;161.95円~139.58円
B波動:139.58円~158.87円
C波動:158.87円~
・第5波動:126円~175.50円
■第1次トランプ米政権(2017年~2020年):第2調整波動
■第2次トランプ米政権(2025年~2028年):第4調整波動?
3.ヘッド・アンド・ショルダー
2024年7月の高値161.95円を頭とする「ヘッド・アンド・ショルダー」を形成中であり、月足ベースのネック・ライン(※140.25円~139.58円~4月:139.06円~5月138.98円)を窺う展開となっている。
ネック・ラインを下抜けてヘッド・アンド・ショルダーが完成した場合、三角保ち合いの起点である127.23円を目指す下落トレンドが予想される。
本日のNY為替市場のドル円は、米東部時間午前8時30分(日本時間21時30分)から予定されているベッセント米財務長官の記者会見を見極めた後は、4月米消費者信頼感指数や3月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数の発表を待つことになる。
ベッセント米財務長官の記者会見では、5月1日に予定されている第2回日米通商交渉や報道されている「ドル安・円高が望ましい」との発言への言及に注目しておきたい。
ベッセント米財務長官は、昨日、関税交渉で早ければ今週か、来週にも合意に達する国が出てくるという見通しを示し、交渉が進展すれば、トランプ米大統領が今週末にも最終的な判断を下す可能性がある、と述べていた。
また、「貿易摩擦の緩和は中国次第だ」と発言しており、交渉に進展がないことが判明した場合は、米中貿易戦争への警戒感が高まることになる。
そして、「欧州中央銀行(ECB)は、ユーロを下落させるために利下げを行うだろう」とも述べており、日銀金融政策決定会合への利上げ圧力を彷彿とさせていた。
23時に発表される4月米消費者信頼感指数は87.5と予想されており、4年ぶりの低水準に落ち込んだ3月の92.9からの悪化が見込まれている。3月の1年先のインフレ期待は、2年ぶりの高水準となる6.2%まで上昇しており、関税スタグフレーションへの警戒感を高めていた。
さらに、今後6カ月の見通しを示す期待指数は65.2と、12年ぶりの低水準となり、80以下のままでリセッション(景気後退)への警戒感を高めていた。
また、今週末発表される4月雇用統計に向けて労働市場格差(※3月:17.9)にも注目しておきたい。
3月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数は748.0万件と予想されており、2月の756.8万件からの減少が見込まれており、予想通りならば、トランプ関税への警戒感から労働需要の抑制が確認されることになる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、143.89円(4/28高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、141.49円(4/23安値)
今晩はもみ合いか。昨日は貿易問題で大きな進展が無いなか、週内のアップル、マイクロソフトなどのメガキャップの決算、及び4月雇用統計、1-3月期GDP、3月個人消費支出(PCE)価格指数などの注目の経済指標の発表を控えてもみ合った。ダウ平均が114.09ドル高(+0.28%)、S&P500も0.06%高とわずかながらプラス圏で終了し、ともに5営業日続伸した一方、ハイテク株主体のナスダック総合は0.10%安とわずかにマイナス圏で終了し、5営業日ぶりの反落となった。
今晩の取引でも水曜日のメタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、木曜日のアップル、アマゾン・ドット・コムの決算発表や、水曜日の1-3月期GDP速報値、3月個人消費支出 (PCE) 価格指数、木曜日の4月ISM製造業購買担当者景気指数 (PMI)、金曜日の4月雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均賃金)などの発表を前に、積極的な取引は控えられそうだ。貿易問題の進展や3月JOLTS求人件数などの経済指標、コカ・コーラ、ゼネラル・モーターズ(GM)、ファイザーなどの決算発表をにらんだ神経質な展開となりそうだ。
今晩の米経済指標は2月S&Pケースシラー住宅価格指数、4月消費者信頼感指数、3月JOLTS求人件数など。企業決算は寄り前にアメリカン・タワー、コカ・コーラ、GM、ファイザー、引け後にスターバックス、ビザなどなどが発表予定。
(29日終値:30日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=142.29円(29日15時時点比▲0.16円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.98円(▲0.19円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1385ドル(▲0.0001ドル)
FTSE100種総合株価指数:8463.46(前営業日比△46.12)
ドイツ株式指数(DAX):22425.83(△154.16)
10年物英国債利回り:4.480%(▲0.029%)
10年物独国債利回り:2.497%(▲0.024%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
5月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
▲20.6 ▲24.3・改
4月ユーロ圏消費者信頼感指数
(確定値) ▲16.7 ▲16.7
4月ユーロ圏経済信頼感指数
93.6 95.0・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.24%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。21時前に一時142.76円と日通し高値を更新した。
ただ、買い一巡後は上値が重くなった。3月米卸売在庫や2月米ケース・シラー住宅価格指数、3月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数、4月米消費者信頼感指数など、この日発表の米経済指標が軒並み予想を下回ると円買い・ドル売りが優勢となった。前日の安値141.99円を下抜けて一時141.97円まで値を下げた。米10年債利回りが4.16%台まで低下したことも相場の重し。
もっとも、一目均衡表転換線が位置する141.96円がサポートとして意識されると下げ渋った。ダウ平均が一時400ドル超上昇するなど、米国株相場が底堅く推移したことも相場を下支えした。
・ユーロドルは下値が堅かった。21時30分前に一時1.1370ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.1330ドルがサポートとして働くと徐々に下値を切り上げた。低調な米経済指標を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが進むと1.1419ドル付近まで持ち直した。ただ、オセアニア時間に付けた日通し高値1.1422ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
なお、チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事は「トランプ関税の不確実性は2025年国内総生産(GDP)の低下要因」「米ドルの世界貿易や金融市場での役割が弱まる恐れ」などと述べたと伝わった。
・ユーロ円はさえない。日本時間夕刻に一時162.55円と本日高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に弱含んだ。ドル円の下落につれた売りが出たほか、豪ドル円などオセアニアのクロス円が下落した影響を受けた。2時過ぎには一時161.89円と本日安値を更新した。
なお、ポンド円は一時190.40円、豪ドル円は90.59円、NZドル円は84.21円、カナダドル円は102.50円まで下落した。
・ロンドン株式相場は12日続伸。ベッセント米財務長官の発言を受けて、米関税政策を巡る協議が進展するとの期待が高まると買いが優勢となった。HSBCやバークレイズなど金融株が買われたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値上がりした。半面、原油先物相場の下落を背景にBPやシェルなどエネルギー株が売られた。
・フランクフルト株式相場は6日続伸。トランプ米政権の高関税政策を巡る各国との交渉が進展するとの期待から、独株にも買いが入った。個別ではラインメタル(8.51%高)やドイツ銀行(5.04%高)、コメルツ銀行(3.98%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇した。
(29日終値:30日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=142.29円(29日15時時点比▲0.16円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.98円(▲0.19円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1385ドル(▲0.0001ドル)
FTSE100種総合株価指数:8463.46(前営業日比△46.12)
ドイツ株式指数(DAX):22425.83(△154.16)
10年物英国債利回り:4.480%(▲0.029%)
10年物独国債利回り:2.497%(▲0.024%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
5月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
▲20.6 ▲24.3・改
4月ユーロ圏消費者信頼感指数
(確定値) ▲16.7 ▲16.7
4月ユーロ圏経済信頼感指数
93.6 95.0・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.24%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。21時前に一時142.76円と日通し高値を更新した。
ただ、買い一巡後は上値が重くなった。3月米卸売在庫や2月米ケース・シラー住宅価格指数、3月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数、4月米消費者信頼感指数など、この日発表の米経済指標が軒並み予想を下回ると円買い・ドル売りが優勢となった。前日の安値141.99円を下抜けて一時141.97円まで値を下げた。米10年債利回りが4.16%台まで低下したことも相場の重し。
もっとも、一目均衡表転換線が位置する141.96円がサポートとして意識されると下げ渋った。ダウ平均が一時400ドル超上昇するなど、米国株相場が底堅く推移したことも相場を下支えした。
・ユーロドルは下値が堅かった。21時30分前に一時1.1370ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.1330ドルがサポートとして働くと徐々に下値を切り上げた。低調な米経済指標を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが進むと1.1419ドル付近まで持ち直した。ただ、オセアニア時間に付けた日通し高値1.1422ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
なお、チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事は「トランプ関税の不確実性は2025年国内総生産(GDP)の低下要因」「米ドルの世界貿易や金融市場での役割が弱まる恐れ」などと述べたと伝わった。
・ユーロ円はさえない。日本時間夕刻に一時162.55円と本日高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に弱含んだ。ドル円の下落につれた売りが出たほか、豪ドル円などオセアニアのクロス円が下落した影響を受けた。2時過ぎには一時161.89円と本日安値を更新した。
なお、ポンド円は一時190.40円、豪ドル円は90.59円、NZドル円は84.21円、カナダドル円は102.50円まで下落した。
・ロンドン株式相場は12日続伸。ベッセント米財務長官の発言を受けて、米関税政策を巡る協議が進展するとの期待が高まると買いが優勢となった。HSBCやバークレイズなど金融株が買われたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値上がりした。半面、原油先物相場の下落を背景にBPやシェルなどエネルギー株が売られた。
・フランクフルト株式相場は6日続伸。トランプ米政権の高関税政策を巡る各国との交渉が進展するとの期待から、独株にも買いが入った。個別ではラインメタル(8.51%高)やドイツ銀行(5.04%高)、コメルツ銀行(3.98%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇した。
(29日終値)
ドル・円相場:1ドル=142.33円(前営業日比△0.32円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.08円(▲0.16円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1387ドル(▲0.0033ドル)
ダウ工業株30種平均:40527.62ドル(△300.03ドル)
ナスダック総合株価指数:17461.32(△95.19)
10年物米国債利回り:4.17%(▲0.04%)
WTI原油先物6月限:1バレル=60.42ドル(▲1.63ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3333.6ドル(▲14.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月米卸売在庫
(前月比) 0.5% 0.5%・改
2月米住宅価格指数
(前月比) 0.1% 0.3%・改
2月米ケース・シラー住宅価格指数
(前年比) 4.5% 4.7%
3月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
719.2万件 748.0万件・改
4月米消費者信頼感指数
86.0 93.9・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.24%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。21時前に一時142.76円と日通し高値を更新した。米関税交渉の進展期待もドル買いを誘った。
ただ、買い一巡後は上値が重くなった。3月米卸売在庫や2月米ケース・シラー住宅価格指数、3月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数、4月米消費者信頼感指数など、この日発表の米経済指標が軒並み予想を下回ると円買い・ドル売りが優勢に。前日の安値141.99円を下抜けて一時141.97円まで値を下げた。米10年債利回りが4.16%台まで低下したことも相場の重し。
もっとも、一目均衡表転換線が位置する141.96円付近がサポートとして意識されると持ち直した。ダウ平均が一時400ドル超上昇するなど、米国株相場が底堅く推移したことも相場を下支えした。
なお、ベッセント米財務長官は「貿易交渉を巡りインドとの取引成立が近づいている」「日本との交渉についても実質的な協議を進めている」と述べたほか、ラトニック米商務長官は「国名は明かさないが、承認待ちの貿易合意がある」と話した。
・ユーロドルは反落。21時30分前に一時1.1370ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.1330ドルがサポートとして働くと徐々に下値を切り上げた。低調な米経済指標を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが進むと1.1419ドル付近まで持ち直した。ただ、オセアニア時間に付けた日通し高値1.1422ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速。3時30分前には1.1376ドル付近まで押し戻された。
・ユーロ円は続落。ドル円の下落につれた売りが出たほか、豪ドル円などオセアニアのクロス円が下落した影響を受けた。ユーロドルの失速も相場の重しとなり、2時過ぎには一時161.89円と本日安値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は6日続伸。ベッセント米財務長官が「関税措置を巡る各国との交渉は順調に進んでいる」との認識を示したことを受けて、買いが優勢となった。なお、この日発表の米経済指標はいずれも低調な結果となったが、影響は限定的だった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは6日続伸。3月米JOLTS求人件数や4月米消費者信頼感指数など低調な米経済指標が相次いだことを受けて、相対的に安全資産とされる米国債が買われた。
・原油先物相場は続落。この日発表された米経済指標が軒並み市場予想を下回り、経済活動の停滞によるエネルギー需要減への警戒感が高まった。石油輸出国機構(OPEC)プラスの増産懸念も相場の重しとなり、約2週間ぶりの安値圏となる60.20ドル台まで売り込まれた。
・金先物相場は反落。「トランプ関税を巡る米国と各国との交渉進展」に対する期待が高まり、リスク回避の巻き戻しによる売り戻しが時間外から先行。弱い米経済指標が相次いだことで下値を切り上げるも、一巡後は再び伸び悩んだ。
(29日終値)
ドル・円相場:1ドル=142.33円(前営業日比△0.32円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.08円(▲0.16円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1387ドル(▲0.0033ドル)
ダウ工業株30種平均:40527.62ドル(△300.03ドル)
ナスダック総合株価指数:17461.32(△95.19)
10年物米国債利回り:4.17%(▲0.04%)
WTI原油先物6月限:1バレル=60.42ドル(▲1.63ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3333.6ドル(▲14.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月米卸売在庫
(前月比) 0.5% 0.5%・改
2月米住宅価格指数
(前月比) 0.1% 0.3%・改
2月米ケース・シラー住宅価格指数
(前年比) 4.5% 4.7%
3月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
719.2万件 748.0万件・改
4月米消費者信頼感指数
86.0 93.9・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.24%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。21時前に一時142.76円と日通し高値を更新した。米関税交渉の進展期待もドル買いを誘った。
ただ、買い一巡後は上値が重くなった。3月米卸売在庫や2月米ケース・シラー住宅価格指数、3月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数、4月米消費者信頼感指数など、この日発表の米経済指標が軒並み予想を下回ると円買い・ドル売りが優勢に。前日の安値141.99円を下抜けて一時141.97円まで値を下げた。米10年債利回りが4.16%台まで低下したことも相場の重し。
もっとも、一目均衡表転換線が位置する141.96円付近がサポートとして意識されると持ち直した。ダウ平均が一時400ドル超上昇するなど、米国株相場が底堅く推移したことも相場を下支えした。
なお、ベッセント米財務長官は「貿易交渉を巡りインドとの取引成立が近づいている」「日本との交渉についても実質的な協議を進めている」と述べたほか、ラトニック米商務長官は「国名は明かさないが、承認待ちの貿易合意がある」と話した。
・ユーロドルは反落。21時30分前に一時1.1370ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.1330ドルがサポートとして働くと徐々に下値を切り上げた。低調な米経済指標を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが進むと1.1419ドル付近まで持ち直した。ただ、オセアニア時間に付けた日通し高値1.1422ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速。3時30分前には1.1376ドル付近まで押し戻された。
・ユーロ円は続落。ドル円の下落につれた売りが出たほか、豪ドル円などオセアニアのクロス円が下落した影響を受けた。ユーロドルの失速も相場の重しとなり、2時過ぎには一時161.89円と本日安値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は6日続伸。ベッセント米財務長官が「関税措置を巡る各国との交渉は順調に進んでいる」との認識を示したことを受けて、買いが優勢となった。なお、この日発表の米経済指標はいずれも低調な結果となったが、影響は限定的だった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは6日続伸。3月米JOLTS求人件数や4月米消費者信頼感指数など低調な米経済指標が相次いだことを受けて、相対的に安全資産とされる米国債が買われた。
・原油先物相場は続落。この日発表された米経済指標が軒並み市場予想を下回り、経済活動の停滞によるエネルギー需要減への警戒感が高まった。石油輸出国機構(OPEC)プラスの増産懸念も相場の重しとなり、約2週間ぶりの安値圏となる60.20ドル台まで売り込まれた。
・金先物相場は反落。「トランプ関税を巡る米国と各国との交渉進展」に対する期待が高まり、リスク回避の巻き戻しによる売り戻しが時間外から先行。弱い米経済指標が相次いだことで下値を切り上げるも、一巡後は再び伸び悩んだ。
カナダの最大の民放テレビネットワークCTVによると、カーニー首相が率いる自由党が総選挙を勝利する見通しと報じている。
29日08:19 王毅・中国外相
「譲歩や後退はいじめる側をますます増長させるだけだ」
「対話こそが、意見の違いを解決する助けになる」
29日13:08 ザムラジロヴァ・チェコ中銀副総裁
「次回の利下げが最後になる可能性」
「チェコの金融政策は引き続き十分に厳格である必要がある」
29日14:39 カザークス・ラトビア中銀総裁
「世界経済には多くの不確実性が存在している」
「金利の動向はインフレに依存している」
29日16:20 チポローネECB専務理事
「トランプ関税の不確実性は、2025年の国内総生産(GDP)の低下要因」
「世界的な貿易の停滞は、投資意欲を低下させる」
「米ドルの世界貿易や金融市場での役割が弱まる恐れ」
「準備通貨としての米ドルの地位が脆弱化しつつある」
「トランプ関税は短期的にユーロ圏のデフレ圧力を強める」
29日21:49 ベッセント米財務長官
「今後数週間で17の貿易相手国と交渉する」
「トランプ関税は、中国にとって耐えられない重荷」
「トランプ関税は、中国の雇用を喪失させる」
「インドと韓国との通商合意の発表は近い」
「日本との通商交渉は有意義だった」
30日03:00 ラトニック米商務長官
「承認待ちの貿易ディールがある」
「合意間近の国名を明かさない」
「10%の関税は実質的に価格に影響を与えない」
「市場は関税の影響を誤解している」
30日03:28 トランプ米大統領
「国民の税負担を減らすつもりだ」
「豪首相と貿易について協議する予定」
「インドとの協議は順調に進んでいる」
※時間は日本時間
<国内>
○日銀金融政策決定会合(1日目)
○08:50 ◎ 3月鉱工業生産速報(予想:前月比▲0.4%/前年比0.8%)
○08:50 ◇ 3月商業販売統計速報(小売業販売額、予想:前年比3.5%)
○14:00 ◇ 3月新設住宅着工戸数(予想:前年比1.0%)
○14:00 ◇ 2月景気動向指数改定値
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○赤沢亮正経済再生相が訪米(2回目の日米関税協議)
<海外>
○10:00 ◇ 4月ANZ企業信頼感
○10:30 ◎ 3月豪消費者物価指数(CPI、予想:前年比2.2%)
○10:30 ◎ 1-3月期豪CPI(予想:前期比0.8%/前年同期比2.3%)
○10:30 ◎ 4月中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:49.7)
○10:45 ◎ 4月Caixin中国製造業PMI(予想:49.7)
○14:30 ◎ 1-3月期仏国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.1%)
○14:30 ◇ 3月仏消費支出(予想:前月比0.1%)
○15:00 ◇ 4月独輸入物価指数(予想:前月比▲0.8%/前年比2.5%)
○15:00 ◎ 4月独小売売上高(予想:前月比▲0.4%/前年比2.4%)
○15:00 ◇ 4月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.1%)
○15:30 ◎ ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○15:45 ◇ 4月仏CPI速報値(予想:前月比0.4%/前年比0.7%)
○15:45 ◇ 3月仏卸売物価指数(PPI)
○16:00 ◇ 4月スイスKOF景気先行指数(予想:101.9)
○16:00 ◇ 3月トルコ貿易収支(予想:73.0億ドルの赤字)
○16:55 ◎ 4月独雇用統計(予想:失業率6.3%/失業者数変化1.50万人)
○17:00 ☆ 1-3月期独GDP速報値(季節調整済、予想:前期比0.2%/前年同期比▲0.2%)
○17:00 ☆ 1-3月期独GDP速報値(季節調整前、予想:前年同期比▲0.4%)
○18:00 ☆ 1-3月期ユーロ圏GDP速報値(予想:前期比0.2%/前年比1.1%)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◎ 3月南アフリカ貿易収支(予想:149億ランドの黒字)
○21:00 ◎ 4月独CPI速報値(予想:前月比0.3%/前年比2.0%)
○21:00 ◎ 1-3月期メキシコGDP速報値(予想:前期比横ばい/前年比0.7%)
○21:15 ☆ 4月ADP全米雇用報告(予想:11.5万人)
○21:30 ☆ 2月カナダGDP(予想:前月比横ばい/前年比1.7%)
○21:30 ☆ 1-3月期米雇用コスト指数(予想:前期比0.9%)
○21:30 ☆ 1-3月期米GDP速報値(予想:前期比年率0.2%)
◎ 個人消費(速報値、予想:前期比年率1.2%)
◎ コアPCE(速報値、予想:前期比年率3.2%)
○22:45 ◎ 4月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:46.0)
○23:00 ◎ 3月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.6%)
◎ 3月米個人所得(予想:前月比0.4%)
☆ 3月米PCEデフレーター(予想:前年比2.2%)
☆ 3月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.1%/前年比2.6%)
○23:00 ◎ 3月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比1.0%/前年比▲5.7%)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○1日00:30 ◎ ロンバルデリ英中銀(BOE)副総裁、講演
○1日00:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○1日01:00 ◎ 3月ロシア失業率(予想:2.4%)
○1日02:00 ◎ マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、21時前に一時142.76円と日通し高値を更新したが、この日発表の米経済指標が軒並み予想を下回ると円買い・ドル売りが優勢になり141.97円まで値を下げた。米10年債利回りが4.16%台まで低下したことも相場の重し。ユーロドルは、ドル売りが進むと1.1419ドル付近まで持ち直したが、1.1376ドル付近まで押し戻された。
本日の東京時間でドル円は、引き続き米国の関税の進捗状況を見極めての取引となりそうだ。ただ、米中間の関税交渉が進まない恐れがあることはドルの上値を抑えることになるだろう。また、本日から始まる日銀政策決定会合の観測報道や豪中の経済指標の結果にも注目したい。
米国のトリプル安(債券安・株安・米ドル安)に対処するために、トランプ政権が対中関税圧力の緩和姿勢を見せ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の解任を打ち消したことでトリプル安の流れが一時休止となっている。昨日もベッセント米財務長官やラトニック米商務長官が、関税交渉が進展していることを述べたことで、米株主要3指数は上昇し、米債も買われるなど過度のリスク回避の動きは弱まっている。ただし、トランプ大統領の支持率が就任100日間の期間としては70年以上ぶりの低水準となる中、トランプ政権が関税交渉に弱気の姿勢を見せ始めていることで、関税対象国が敢えて交渉合意を急がない可能性もあるだろう。
ドルの上値を抑える要因としては、米中間の関税交渉が進まない可能性があることが一因。今週に入りベッセント財務長官が「貿易摩擦の緩和は中国次第だ」と発言した一方で、昨日BRICS会議で演説した中国の王毅外相は「譲歩や後退はいじめる側をますます増長させるだけだ」と述べた。また、王毅外相はBRICS諸国に米国の関税脅威に断固として対抗するよう促し、屈服すれば米国を勢いづかせるだけだと警告した。
過去のようにBRICSはブラジル、ロシア、インド、南アと中国の5カ国だけではなく、昨年までにイラン、エジプト、アラブ首長国連邦、エチオピア、インドネシアが加盟、今年に入りタイ、マレーシア、ウズベキスタン、カザフスタン、ベラルーシ、ウガンダ、ボリビア、キューバ、ナイジェリアの計9カ国がパートナー国として加わるなど、米国よりも巨大な経済圏を形成している。更に中国は親米だった欧州連合(EU)とも通商関係で交渉を進めるなど、中国の方が関税交渉で優位なことで強気姿勢を崩すことはないだろう。トランプ政権が中国に対する関税圧力を更に緩和をしない限りは、2大経済大国の貿易戦争がドルの重しとなりそうだ。
また、本日から始まる日銀政策決定会合の観測報道などには警戒したい。ベッセント氏は28日に「欧州中央銀行(ECB)は、ユーロを下落させるために利下げを行うだろう」と発言している。ECBをはじめG7各国で金融政策を通貨政策に結び付けようとしている国はないと思われているが、トランプ政権は米国以外の国の低金利政策は、自国通貨安・ドル高に結び付けているとの認識を持っているようだ。この件に関しては低金利政策を長期間続けている日本に対しても当てはまる。
今回の日銀政策決定会合では据え置き予想が多数を占めているが、先週の訪米時に植田日銀総裁や政府要人に、日本の低金利政策に対して米国が圧力をかけた可能性もある。表面上は「強いドル政策を堅持している」とするトランプ政権だが、前述のECBへの発言を含めドル高を危惧していることは確実なことも、ドルの重しになるだろう。
なお、本日は複数の国から注目経済指標が発表される。その中では豪州からの1-3月期消費者物価指数(CPI)、中国の4月購買担当者景気指数(PMI)は市場が動意づく可能性が高そうだ。市場予想は豪CPIが前年比で2.4%から2.3%への低下、中国のPMIは景気判断の分岐点とされる50を割り込むと見られている。ここ最近は相互関税の影響を見極めたいことで経済指標への反応は鈍いが、警戒を怠らないようにしておきたい。
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 36070 +160 (+0.44%)
TOPIX先物 2675.0 +21.5 (+0.81%)
シカゴ日経平均先物 36085 +175
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
29日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。貿易相手国との関税政策を巡り、ベッセント米財務長官が「交渉は順調に進んでいる」との認識を示したことで買い優勢の展開になった。トランプ米大統領は29日、自動車関税の負担を軽減する大統領令に署名した。トランプ政権の関税政策に関する強硬姿勢が和らいでいるとして、買い安心感につながった。4月の米消費者信頼感は86.0と前月(93.9)から悪化し、市場予想(88.0程度)を下回った。3月の米雇用動態調査(JOLTS)求人件数は719万2000件に減少し、昨年9月以来の低水準となったことが重荷になっている。
S&P500業種別指数は、自動車・同部品、各種金融、ソフトウエア・サービス、電気通信サービス、食品・生活必需品小売が上昇した一方で、エネルギー、半導体・同製造装置の2セクターが下落。NYダウ構成銘柄では、ハネウェル・インターナショナル<HON>、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>、アムジェン<AMGN>、メルク<MRK>が買われた。半面、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、マクドナルド<MCD>、シェブロン<CVX>が下落。
シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比175円高の3万6085円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッション(祝日取引を含む)は、日中比30円安の3万5880円で始まり、3万5710円まで売られた。その後はロング優勢となり一時3万6230円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は軟化し3万5860円と下落に転じ、米国市場の取引開始後は3万5920円~3万6080円辺りでの保ち合いを継続。3万6070円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションで3万6230円まで買われる場面もみられ、ボリンジャーバンドの+1σ(3万6320円)に接近してきた。同バンドを捉えてくると、13週移動平均線(3万6510円)や75日線(3万7070円)が意識されてくる。そのため、オプション権利行使価格の3万5750円から3万6500円のレンジを想定。
赤沢亮正経済財政再生相はきょうから3日間の日程で訪米し、ベッセント米財務長官らと関税を巡る2回目の協議が予定されている。関税交渉の進展期待によりショートを仕掛けづらくさせるとともに、ポジションをニュートラルに近づけてくることでショートカバーが入りやすいと考えられる。
ただし、中国当局は習近平国家主席が最近トランプ大統領と会談した事実はなく、両国が関税を巡る合意の締結を目指している事実もないと、トランプ大統領の発言を否定している。米中対立の不透明感は根強く、積極的なロングは限られることから、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。まずは3万6000円固めを意識した押し目を狙いたい。
29日の米VIX指数は24.17(28日は25.15)に低下した。20.00を上回っている状況であるが低下傾向が続いており、目先的には75日線が位置する22.25辺りが意識されている。楽観はできないものの、リスク選好に向かわせよう。
28日のNT倍率は先物中心限月で13.53倍に低下。13.58倍をつける場面もみられたが、その後は25日線(13.54倍)を割り込んで推移していた。ただし、一時13.49倍まで低下した後は25日線水準まで下げ渋る動きをみせており、同線が抵抗線として機能するようだと、NTショートに振れやすくなりそうだ。
東京市場は堅調か。休場の間の米国株は28日がまちまちで、29日は上昇した。ダウ平均は28日に114ドル高となり、29日は300ドル高の40527ドルで取引を終えた。28日は小動きでナスダックは小幅に下落したが、29日は関税交渉の進展期待を高めるニュースがいくつか出てきたことから、概ね堅調に推移した。ドル円は足元142円30銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて175円高の36085円、ドル建てが245円高の36155円で取引を終えた。
海外市場に特段の波乱はなく、ダウ平均とS&P500は6日続伸した。これらの動きを好感した買いが入ると予想する。週末には米雇用統計の発表があり、翌週には連休があることから、高くなれば目先の利益を確定させる売りが出てくるとみる。しかし、決算を材料に個別物色の盛り上がりが期待できる中、萎めば改めての買いが入りやすい。場中はプラス圏でしっかりした動きが続くと予想する。日経平均の予想レンジは35900円-36300円。
昨日の海外市場では、ドル円は米長期金利の動向に素直に左右される展開となりました。欧州時間は米10年債利回りが4.2428%まで上昇するにつれて前日からのショートカバーが先行。一時142.76円まで値を上げる場面もみられましたが、NY時間に入って3月米JOLTS求人件数や4月米消費者信頼感指数などが軒並み予想を下回る弱い数字となると米10年債利回りが4.1620%まで大幅な低下。つれるかたちで値を下げると前日28日の安値141.99円を下抜けて一時141.97円まで値を下げました。
ただ、一目転換線の141.96円が目先の下値目処として意識されるなか、株価が上げ幅をひろげたこともあり、引けにかけては142.45円まで買戻されるなど、あまり意志を持たない値動きを繰返すことになっています。流石に、月末のゴトー日でもある本日のアジア市場では、仲値に向けた本邦実需の買いが断続的に観測されており、一時142.51円まで買戻されているといったところです。
いずれにしても、市場が正常に戻ってきたことから、値動きは整合性のある分かり易い展開となっていますが、今後の連休を挟むイレギュラーな日程に惑わされることなく、市場としてはあくまでもレギュラーな展開がしばらく続いていくのかもしれません。
日経225先物は11時30分時点、前日比変わらずの3万5910円(±0.00%)前後で推移。寄り付きは3万6030円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万6085円)にサヤ寄せする形で、買い先行から始まった。開始直後につけた3万6040円を高値に軟化し、中盤にかけて3万5810円と、下落に転じる場面もみられた。ただし、下へのバイアスは強まらず、終盤にかけては3万5850円~3万5950円辺りでの、前日終値を挟んだ狭いレンジ推移を継続している。
日経225先物は小動きではあるが、朝高後に弱含む形となった。トランプ米政権による自動車関税の軽減措置発表で自動車株の動向に関心が集まるなか、トヨタ自動車 <7203.T> [東証P]は上昇で始まったものの、早い段階で下落に転じたことがロングを手控えさせた。一方で、赤沢亮正経済財政再生相はきょうから3日間の日程で訪米し、ベッセント米財務長官らと関税を巡る2回目の協議が予定されているため、交渉進展への期待からショートも仕掛けづらくさせた。
NT倍率は先物中心限月で13.50倍に低下。ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]の下げが日経平均型の重荷になっている。銀行や医薬品株が堅調であり、相対的にTOPIX型の優位な状況だった。25日移動平均線(13.54倍)への戻りの鈍さが意識されるようだと、NTショートに振れやすくなりそうである。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、仏・独・ユーロ圏の国内総生産(GDP)・速報値を確認しながら、方向感を探ることになるか。
ユーロ圏では多数の経済指標の発表が予定されており、その中でも注目が集まりそうなのは、仏・独・ユーロ圏の1-3月期GDP・速報値だろう。市場予想は、前期比で仏はわずかにプラス転となるも、ユーロ圏は前期並みの伸び率だが前年比ではわずかに伸びが鈍化、独は前期比はプラス転予想も、前年比ではマイナスが見込まれている。トランプ関税の影響がこれから顕在化してゆくことを考慮すると、弱い予想を下回る結果が相次いだ場合は、欧州景気への懸念からユーロ売りの材料視される可能性がある。
ユーロドルは23日に1.1308ドルの安値をつけた後は概ね1.13ドル台前半から1.14ドル台前半でのレンジを形成しており、レンジを下抜ける動きとなれば下値模索の動きが先行する展開も想定される。
トランプ関税について、米中貿易摩擦の激化が懸念される局面ではドル売りという形でユーロドルを押し上げると、今月21日には2021年11月以来の高値1.1573ドルを付けた。足もとでは貿易摩擦の激化懸念が和らいでドル売りは一服しているものの、関税問題が続いている点を踏まえると警戒はしておきたいところ。貿易摩擦の激化懸念を想起させる発言、特に米中間に関するものが伝われば、短期的にはドル売りに作用することが予想される。
そのほか、NY序盤には米国で4月ADP雇用統計や1-3月期四半期GDP・速報値、3月PCEデフレーターなど重要指標の発表が相次いで予定されている。月末日という需給面での要因もあり、気の抜けない一日となりそうだ。
想定レンジ上限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の転換線1.1441ドル。超えると心理的節目の1.1500ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル:23日安値1.1308ドル。割り込むと15日安値1.1264ドル。
ドル円:1ドル=142.50円(前営業日NY終値比△0.17円)
ユーロ円:1ユーロ=162.12円(△0.04円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1382ドル(▲0.0005ドル)
日経平均株価:36045.38円(前営業日比△205.39円)
東証株価指数(TOPIX):2667.29(△16.68)
債券先物6月物:140.65円(△0.02円)
新発10年物国債利回り:1.310%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月鉱工業生産・速報値
前月比 ▲1.1% 2.3%
前年同月比 ▲0.3% 0.1%
3月商業販売統計速報(小売業販売額)
前年同月比 3.1% 1.3%・改
3月新設住宅着工戸数
前年同月比 39.1% 2.4%
2月景気動向指数改定値
先行指数 107.9 107.9
一致指数 117.3 116.9
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は小高い。月末の5・10日(ゴトー日)ということもあって仲値にかけて本邦実需勢の買いが観測された。その後も日本株の底堅い動きを支えに上値を伸ばし、一時142.71円まで値を上げた。
・豪ドルは強含み。1-3月期豪消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことに豪ドル買いで反応した。対ドルでは0.6418ドル、対円でも91.53円まで買いが進んだ。
・ユーロドルは小安い。1.13ドル台後半のレンジ内推移が中心となったが、豪CPI後に対豪ドルなどでユーロ売りが進んだ場面では一時1.1355ドルまで下押しした。
・ユーロ円は下値が堅い。11時前に161.72円まで下落したものの、その後は株高やドル円の上昇などにつれて162.33円まで持ち直した。
・日経平均株価は5日続伸。前日の米国株式相場が堅調推移となった流れを引き継いだ。大型連休の谷間とあって積極的に買いを進める展開とはならなかったが、後場も底堅い地合いが継続。指数は210円超高まで上昇する場面も見られた。
・債券先物相場は小幅続伸。明日の日銀金融政策決定会合結果を見極めたいとの思惑から手控えムードが広がり、前営業日終値を挟んで方向感が出なかった。
ドル円:1ドル=142.50円(前営業日NY終値比△0.17円)
ユーロ円:1ユーロ=162.12円(△0.04円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1382ドル(▲0.0005ドル)
日経平均株価:36045.38円(前営業日比△205.39円)
東証株価指数(TOPIX):2667.29(△16.68)
債券先物6月物:140.65円(△0.02円)
新発10年物国債利回り:1.310%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月鉱工業生産・速報値
前月比 ▲1.1% 2.3%
前年同月比 ▲0.3% 0.1%
3月商業販売統計速報(小売業販売額)
前年同月比 3.1% 1.3%・改
3月新設住宅着工戸数
前年同月比 39.1% 2.4%
2月景気動向指数改定値
先行指数 107.9 107.9
一致指数 117.3 116.9
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は小高い。月末の5・10日(ゴトー日)ということもあって仲値にかけて本邦実需勢の買いが観測された。その後も日本株の底堅い動きを支えに上値を伸ばし、一時142.71円まで値を上げた。
・豪ドルは強含み。1-3月期豪消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことに豪ドル買いで反応した。対ドルでは0.6418ドル、対円でも91.53円まで買いが進んだ。
・ユーロドルは小安い。1.13ドル台後半のレンジ内推移が中心となったが、豪CPI後に対豪ドルなどでユーロ売りが進んだ場面では一時1.1355ドルまで下押しした。
・ユーロ円は下値が堅い。11時前に161.72円まで下落したものの、その後は株高やドル円の上昇などにつれて162.33円まで持ち直した。
・日経平均株価は5日続伸。前日の米国株式相場が堅調推移となった流れを引き継いだ。大型連休の谷間とあって積極的に買いを進める展開とはならなかったが、後場も底堅い地合いが継続。指数は210円超高まで上昇する場面も見られた。
・債券先物相場は小幅続伸。明日の日銀金融政策決定会合結果を見極めたいとの思惑から手控えムードが広がり、前営業日終値を挟んで方向感が出なかった。
中国の全国人民代表(国会に相当)大会常務委員会は4月30日、第15回会議で「民営経済促進法」を可決した。施行は2025年5月20日から。法律は全9章78条で、総則、公平競争、投資・融資促進、科学技術革新、経営規範、サービス保障、権益保護、法律責任、附則で構成される。『新華社』が同日伝えた。
民営経済に特化した初の基礎的な法律として、同法は発展環境の最適化、市場競争への公平な参加の保証、民営経済の健全な発展と関係者の成長支援を目指す。高度な社会主義市場経済体制の構築を促進し、民営経済が国民経済および社会発展で果たす重要な役割を一層強化する狙いがある。
SMBC日興証券では、2025年1-3月期の実質GDP成長率を前期比+0.0%、年率+0.1%と予想している。外需の寄与により高成長となった2024年10-12月期の前期比+0.6%、年率+2.2%からは大幅に減速するものの、辛うじてプラス成長を確保すると見込んでいる。これを踏まえて日本経済の見通しを見直しており、年度見通しは2025年度に+0.5%、2026年度に+0.4%、2027年度に+0.7%と、潜在ペースと考えられる+0.6%程度を幾分下回る拡大を想定している。
「日本は、夏の参院選前に米国との貿易協定の枠組みの策定を望んでいる」
(ベッセント米財務長官)
1.トランプ米大統領(4月20日)
トランプ米大統領は、4月20日午後(日本時間21日午前)、自身のソーシャルメディア・プラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」に非関税貿易障壁のごまかし(Non-Tariff cheating)と題した投稿を行った。
1)為替操作
2)関税および輸出補助金として作用する付加価値税(VAT)
3)コストを下回るダンピング(不当廉売)
4)輸出補助金および他の政府補助金
5)保護的な農業基準
6)保護的な技術規格(ボーリングのボールを使った日本の検査)
7)偽造、著作権侵害、知的財産の窃盗
8)関税逃れのための積み替え
2. 第1回日米通商交渉(4月16日)
赤沢経済再生相は、ベッセント米財務長官、ラトニック米商務長官、グリア通商代表部(USTR)代表らと第1回日米通商交渉を行い、以下の合意に達した。
1)今月中に閣僚レベルで次回協議を行う方向で調整する
2)日米双方が率直かつ建設的な姿勢で協議に臨み、可能な限り早期に合意し、首脳間で発表できるよう目指す
3)事務レベルでの協議も継続する
赤沢経済再生相は、「今回の協議で通貨政策が議題に上ったのか?」との質問に対しては「為替については出ませんでした」と、なぜか2度も繰り返し否定した。
3. 第2回日米通商交渉(5月1日)
想定される協議内容は以下の通りとなる。
■米国
・輸入車に対する25%追加関税は続ける
・負担軽減策として、この関税を支払った自動車メーカーに対しては他の関税を免除して「二重取り」をなくす可能性
■日本
・米国産のコメの輸入拡大を検討。年間77万トン程度を無関税で輸入するミニマムアクセス(最低輸入量)の枠内で、6万トン程度を実質的に米国からの輸入枠とする案
・日本独自の電気自動車(EV)急速充電規格「CHAdeMO(チャデモ)」の見直し案
・米北部アラスカ州の液化天然ガス(LNG)開発プロジェクトへの日本勢の参画案
大阪6月限
日経225先物 36030 +120 (+0.33%)
TOPIX先物 2664.5 +11.0 (+0.41%)
日経225先物(6月限)は前日比120円高の3万6030円で取引を終了。寄り付きは3万6030円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万6085円)にサヤ寄せする形で、買い先行から始まった。開始直後につけた3万6040円を高値に軟化し、前場中盤に3万5810円と下落に転じる場面もみられた。前場終盤にかけては3万5840円~3万5960円辺りで、前日終値を挟んだ狭いレンジ推移を継続。後場中盤辺りにレンジを上抜け、終盤にかけて上へのバイアスを強め、引け間際には3万6080円まで買われた。
日経225先物は朝高後に弱含む場面がみられた。トランプ米政権による自動車関税の軽減措置発表で自動車株の動向に関心が集まるなか、トヨタ自動車 <7203.T> [東証P]が上昇で始まったものの、早い段階で下落に転じたことがロングを手控えさせた。一方、赤沢亮正経済財政再生相がきょうから3日間の日程で訪米。ベッセント米財務長官らと関税を巡る2回目の協議が予定されており、交渉進展への期待からショートも仕掛けづらくさせた。
後場中盤以降は、年金とみられる月末のドレッシングの買いが観測された。ボリンジャーバンドの+1σに接近するなか、同バンドはナイトセッションで3万6140円辺りに下がってくる。バンドが収斂するなか、+1σ突破から75日移動平均線が位置する3万7030円辺りが次のターゲットになりそうだ。週足では13週線が3万6510円に位置しているが、同線を明確に上放れてくるとトレンドが出やすいだろう。
明日は日銀の金融政策決定会合の結果が判明する。トランプ関税の影響の見極めで利上げは見送られるとの見方が大勢であり、無難に通過しそうだ。イベント通過によってロングが強まる可能性もあり、ショートカバーを誘う動きが意識されそうである。引き続き3万6000円固めから押し目狙いのロング対応とし、+1σ突破から13週線辺りを狙ったスタンスになりそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万6000円から3万6500円のレンジを想定しておきたい。
NT倍率は先物中心限月で13.52倍に低下。ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]の下げが日経平均型の重荷になっている。銀行や医薬品株が堅調であり、相対的にTOPIX型優位の状況だった。ただし、一時13.46倍に低下した後は13.53倍と25日線(13.54倍)に接近する場面もみられた。今期大幅減益見通しを発表した商船三井<9104.T>[東証P]が急落し、他の海運株に売りが広がった影響と考えられ、NTショートによるスプレッド狙いも取りづらそうである。
手口面(6月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万4720枚、ソシエテジェネラル証券が1万1648枚、サスケハナ・ホンコンが3457枚、JPモルガン証券が2786枚、モルガンMUFG証券が2156枚、野村証券が1715枚、バークレイズ証券が1481枚、ドイツ証券が1348枚、ビーオブエー証券が1031枚、ゴールドマン証券が913枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万5590枚、ソシエテジェネラル証券が2万3142枚、バークレイズ証券が8195枚、ゴールドマン証券が7875枚、JPモルガン証券が5423枚、モルガンMUFG証券が4094枚、サスケハナ・ホンコンが2951枚、ビーオブエー証券が2812枚、BNPパリバ証券が2449枚、シティグループ証券が1704枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、1-3月期米GDP速報値、4月ADP全米雇用報告、3月米PCEデフレーターなどを見極める展開となる。
1-3月期米GDP速報値は、前期比年率+0.2%と予想されており、前期の同比+2.4%からの大幅減速が見込まれている。4月29日時点のアトランタ連銀の予測モデル「GDPナウ」は▲2.9%となっており、マイナス成長に落ち込むネガティブサプライズに警戒しておきたい。
もし、米国の1-3月期GDPがマイナスとなり、4-6月期もマイナスだった場合、関税スタグフレーションからリセッション(景気後退)へ陥る可能性が高まることで、米連邦公開市場委員会(FOMC)での早期利下げ観測が高まることになる。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している今年の追加利下げ時期は、6月米連邦公開市場委員会(FOMC)(▲0.25%=4.00-25%)と見込まれており、年内4回の利下げで12月のFF金利誘導目標は3.25-50%と見込まれている。
米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの3月分は、前年比+2.2%と予想されており、2月の同比+2.5%からの伸び率鈍化が見込まれている。
予想通りに米国のインフレ率の低下が確認された場合、FOMCでの早期利下げ観測が高まることになる。
4月ADP全米雇用報告は、週末に発表される4月雇用統計の前哨戦となるため、要注目となる。
昨日発表された4月の消費者信頼感指数での労働市場格差に関する指数は15.1となり、3月の17.5から縮小し、4月の労働市場の悪化が示唆された。
また、本日は、米財務省が国債発行計画を公表することで、6月の米国債の大量償還や政府効率化省(DOGE)による歳出削減計画の影響などに注目しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、143.89円(4/28高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、141.49円(4/23安値)
今晩は経済指標に注目。昨日はラトニック米商務長官やトランプ大統領などの発言を受けて貿易交渉進展期待が高まり主要3指数がそろって上昇。ダウ平均が300.03ドル高(+0.75%)、S&P500が0.58%高とともに6営業日続伸した。前日に5営業日ぶりに小幅反落したナスダック総合も0.55%高と反発した。4月2日にトランプ大統領が「相互関税」を発表して以来急落した米国株は足もとで下落幅を急速に縮小し、月初来ではダウ平均が3.51%安、S&P500が0.91%安となり、ナスダック総合は0.94%高とプラス圏となった。
今晩の取引では貿易問題で最悪期を脱したとの見方が引き続き支援となることが期待されるが、昨日までダウ平均とS&P500が6営業日続伸したことで、上値も重い展開か。トランプ関税による景気後退懸念が高まる中、昨日発表された4月消費者信頼感指数や3月JOLTS求人件数はともに前月から悪化し、市場予想も下回った。今晩は1-3月期GDP速報値が発表されるほか、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注視する3月個人消費支出 (PCE)価格指数も発表予定で、足もとの景気動向や物価動向が焦点となりそうだ。
今晩の米経済指標は1-3月期GDP速報値、3月個人消費支出 (PCE)価格指数のほか、4月ADP 民間部門雇用者数、4月シカゴ地区購買部協会景気指数、3月中古住宅販売仮契約指数、EIA週間原油在庫など。企業決算は寄り前にキャタピラー、ウエスタン・デジタル、引け後にメタ、マイクロソフト、クアルコムなどが発表予定。
日経平均株価は5日続伸。高値と安値のレンジは限定的だったが、底堅く推移し終値で36000円台を回復した。
RSI(9日)は前日の73.9%→83.7%(4/30)に上昇。あすは上昇継続のハードルが高くなるが、短期的な相場の見方に大きな変化はない。直近高値更新が続いており、4/7安値(30792円)を起点とした目先波動は上昇継続の判断となる。
次は50日移動平均線(36285円 4/30)や3/31の下落で形成したマド埋め(36864円 同)がターゲットになる。
一方、25日移動平均線(34790円 同)は依然として下向きが続いており、上方向には伸び悩む動きにつながりやすいほか、心理的節目36000円前後からの揺り戻しの調整シナリオも想定できる。
上値メドは、50日移動平均線、3/28安値(36864円)、心理的節目の37000円、75日移動平均線(37226円 同)、100日移動平均線(37747円 同)などがある。下値メドは、5日移動平均線(35499円 同)、心理的節目の35000円、25日移動平均線、心理的節目の34500円、4/22高値(34340円)、心理的節目の34000円などがある。
(30日終値:1日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=142.84円(30日15時時点比△0.34円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.98円(▲0.14円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1345ドル(▲0.0037ドル)
FTSE100種総合株価指数:8494.85(前営業日比△31.39)
ドイツ株式指数(DAX):22496.98(△71.15)
10年物英国債利回り:4.441%(▲0.039%)
10年物独国債利回り:2.444%(▲0.053%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1-3月期仏国内総生産(GDP)速報値
(前期比) 0.1% ▲0.1%
4月独輸入物価指数
(前月比) ▲1.0% 0.3%
4月独小売売上高
(前月比) ▲0.2% 0.2%・改
4月英ネーションワイド住宅価格
前月比 ▲0.6% 0.0%
4月仏消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) 0.5% 0.2%
1-3月期独国内総生産(GDP)速報値(季節調整済)
(前期比) 0.2% ▲0.2%
1-3月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値
(前期比) 0.4% 0.2%
(前年比) 1.2% 1.2%
4月独消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) 0.4% 0.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は伸び悩み。英FTSE100指数が13日続伸したほか、独DAX指数が7日続伸するなど、欧州株相場が底堅く推移するとリスク・オンの円売り・ドル買いが先行。前日の高値142.76円を上抜けて一時143.15円まで上値を伸ばした。
ただ、NYの取引時間帯に入ると上値が重くなった。4月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が6.2万人増と予想の11.5万人増を下回ったほか、1-3月期米国内総生産(GDP)速報値が年率換算で前期比0.3%減と予想の0.2%増を下回り、約3年ぶりにマイナス成長に陥ったことを受けた。月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されると一時142.52円付近まで下押しした。
なお、米経済活動の3分の2超を占める個人消費は前期比年率1.8%増と予想の1.2%増を上回り、米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目する食料とエネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)指数は前期比年率3.5%上昇と予想の3.2%上昇を上回った。
・ユーロドルは上値の重さが目立った。16時前に1.1399ドルまで上昇したものの、節目の1.1400ドル手前で上昇は一服。NY市場に入ると低調な米経済指標を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが入ったほか、ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されたものの、フィキシングを通過したあとは全般ユーロ売りが優勢となり、一時1.1324ドルと日通し安値を更新した
なお、ユーロ豪ドルは一時1.7708豪ドル、ユーロNZドルは1.9100NZドル、ユーロカナダドルは1.5646カナダドル、ユーロスイスフランは0.9330スイスフランまで下落した。
もっとも、24・25日の安値1.1316ドルがサポートとして働くと1.1365ドル付近まで下げ渋った。
・ユーロ円は頭が重かった。日本時間夕刻に一時162.65円と日通し高値を付けたものの、そのあとは弱含む展開に。ダウ平均が一時780ドル超下落するなど、米株式相場が軟調に推移するとリスク回避の円買い・ユーロ売りが先行。フィキシング通過後に全般ユーロ売りが強まると、一時161.71円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は13日続伸。好業績を発表したグラクソスミスクラインなど医薬品株を中心に買いが入った。ユニリーバやブリティッシュ・アメリカン・タバコなど生活必需品株も買われた。ただ、足もとで相場上昇が続いているだけに、短期的な過熱感から利益確定目的の売りが出ると下げに転じる場面もあった。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたことも相場の上値を抑えた。
・フランクフルト株式相場は7日続伸。米国株相場の下落につれた売りが出ると下げに転じる場面もあったが、月末を迎えて機関投資家のリバランス(資産配分の調整)に伴う買いが入ると持ち直した。個別ではドイツ証券取引所(3.73%高)やラインメタル(3.13%高)、ボノビア(2.81%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇した。
(30日終値:1日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=142.84円(30日15時時点比△0.34円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.98円(▲0.14円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1345ドル(▲0.0037ドル)
FTSE100種総合株価指数:8494.85(前営業日比△31.39)
ドイツ株式指数(DAX):22496.98(△71.15)
10年物英国債利回り:4.441%(▲0.039%)
10年物独国債利回り:2.444%(▲0.053%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1-3月期仏国内総生産(GDP)速報値
(前期比) 0.1% ▲0.1%
4月独輸入物価指数
(前月比) ▲1.0% 0.3%
4月独小売売上高
(前月比) ▲0.2% 0.2%・改
4月英ネーションワイド住宅価格
前月比 ▲0.6% 0.0%
4月仏消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) 0.5% 0.2%
1-3月期独国内総生産(GDP)速報値(季節調整済)
(前期比) 0.2% ▲0.2%
1-3月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値
(前期比) 0.4% 0.2%
(前年比) 1.2% 1.2%
4月独消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) 0.4% 0.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は伸び悩み。英FTSE100指数が13日続伸したほか、独DAX指数が7日続伸するなど、欧州株相場が底堅く推移するとリスク・オンの円売り・ドル買いが先行。前日の高値142.76円を上抜けて一時143.15円まで上値を伸ばした。
ただ、NYの取引時間帯に入ると上値が重くなった。4月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が6.2万人増と予想の11.5万人増を下回ったほか、1-3月期米国内総生産(GDP)速報値が年率換算で前期比0.3%減と予想の0.2%増を下回り、約3年ぶりにマイナス成長に陥ったことを受けた。月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されると一時142.52円付近まで下押しした。
なお、米経済活動の3分の2超を占める個人消費は前期比年率1.8%増と予想の1.2%増を上回り、米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目する食料とエネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)指数は前期比年率3.5%上昇と予想の3.2%上昇を上回った。
・ユーロドルは上値の重さが目立った。16時前に1.1399ドルまで上昇したものの、節目の1.1400ドル手前で上昇は一服。NY市場に入ると低調な米経済指標を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが入ったほか、ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されたものの、フィキシングを通過したあとは全般ユーロ売りが優勢となり、一時1.1324ドルと日通し安値を更新した
なお、ユーロ豪ドルは一時1.7708豪ドル、ユーロNZドルは1.9100NZドル、ユーロカナダドルは1.5646カナダドル、ユーロスイスフランは0.9330スイスフランまで下落した。
もっとも、24・25日の安値1.1316ドルがサポートとして働くと1.1365ドル付近まで下げ渋った。
・ユーロ円は頭が重かった。日本時間夕刻に一時162.65円と日通し高値を付けたものの、そのあとは弱含む展開に。ダウ平均が一時780ドル超下落するなど、米株式相場が軟調に推移するとリスク回避の円買い・ユーロ売りが先行。フィキシング通過後に全般ユーロ売りが強まると、一時161.71円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は13日続伸。好業績を発表したグラクソスミスクラインなど医薬品株を中心に買いが入った。ユニリーバやブリティッシュ・アメリカン・タバコなど生活必需品株も買われた。ただ、足もとで相場上昇が続いているだけに、短期的な過熱感から利益確定目的の売りが出ると下げに転じる場面もあった。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたことも相場の上値を抑えた。
・フランクフルト株式相場は7日続伸。米国株相場の下落につれた売りが出ると下げに転じる場面もあったが、月末を迎えて機関投資家のリバランス(資産配分の調整)に伴う買いが入ると持ち直した。個別ではドイツ証券取引所(3.73%高)やラインメタル(3.13%高)、ボノビア(2.81%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇した。
30日の日経平均は5日続伸。終値は205円高の36045円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり923/値下がり650。3Dインベストメントの大量保有が判明したスクエニHDや、半導体子会社のスピンオフ上場検討観測が報じられたソニーGが急騰。コナミG、バンナムHD、任天堂なども強く、ゲーム株が買いを集めた。NEC、TDK、TOTO、SMSなどが決算を材料に大幅高。決算と併せて株主還元方針の変更を発表した小松ウオール工業は、買いが殺到してストップ高比例配分となった。
半面、日立、東京メトロ、OLCなどが決算を材料に大幅安。前期の業績と期末配当の見通しを引き下げたニコンが急落した。前期の減配を決定し、今期も減配の見通しを提示した中国電力が後場に崩れて10%を超える下落。休場の間にドル円がやや円高に振れたことから、トヨタやマツダなど自動車株が軟調となった。
日経平均は5日続伸。場中は強弱感が交錯したが、後場に入ると買いに勢いがついた。節目近辺でもたつくと天井感が意識されるだけに、終値で36000円を上回ったことはポジティブ。13週線(36650円、30日時点)が射程圏内に入ってきており、これを早々に上回ることができるかが目先の焦点となる。
あすは日銀金融政策決定会合の結果を消化する。現状維持が濃厚とみられているが、それでも発表前後の指数の振れ幅が大きくなる可能性がある点には留意したい。今回の注目は引け後の植田総裁の会見となる。今の時点で利上げ打ち止めを示唆することはないだろうが、当分利上げが難しそうとの見方が強まれば、金融株以外の銘柄にはプラスの影響が見込まれる。会合の結果そのものには大きなサプライズはないと思われるだけに、6日続伸に期待したい。
(30日終値)
ドル・円相場:1ドル=143.07円(前営業日比△0.74円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.01円(▲0.07円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1328ドル(▲0.0059ドル)
ダウ工業株30種平均:40669.36ドル(△141.74ドル)
ナスダック総合株価指数:17446.34(▲14.98)
10年物米国債利回り:4.16%(▲0.01%)
WTI原油先物6月限:1バレル=58.21ドル(▲2.21ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3319.1ドル(▲14.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲4.2% ▲12.7%
4月ADP全米雇用報告
6.2万人 14.7万人・改
1-3月期米雇用コスト指数
(前期比) 0.9% 0.9%
1-3月期米国内総生産(GDP)速報値
(前期比年率)▲0.3% 2.4%
個人消費速報値
(前期比年率) 1.8% 4.0%
コアPCE速報値
(前期比年率) 3.5% 2.6%
4月米シカゴ購買部協会景気指数
44.6 47.6
3月米個人所得
(前月比) 0.5% 0.7%・改
3月米個人消費支出(PCE)
(前月比) 0.7% 0.5%・改
3月PCEデフレーター
(前年比) 2.3% 2.7%・改
3月PCEコアデフレーター
(前月比) 0.0% 0.5%・改
(前年比) 2.6% 3.0%・改
3月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
(前月比) 6.1% 2.1%・改
(前年比) ▲0.1% ▲7.0%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続伸。英・独株価指数が約1カ月ぶりの高値を更新するなど、欧州株相場が底堅く推移する中、欧州市場序盤に一時143.15円まで上昇した。
NYの取引時間帯に入ると、4月ADP全米雇用報告や1-3月期米国内総生産(GDP)速報値、4月米シカゴ購買部協会景気指数が予想を下回ったことを受けて円買い・ドル売りが先行。月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されると一時142.52円付近まで下押しした。
ただ、「米国は関税問題を巡る交渉を目指し、様々なルートを通じて中国側に積極的に接触を図っている」との中国メディアの報道が伝わると買い戻しが優勢に。一時780ドル超下落したダウ平均が上昇に転じ、200ドル超上昇したことも相場を下支えし、5時30分過ぎには143.19円と日通し高値を付けた。
・ユーロドルは続落。低調な米経済指標が相次いだことを受けてユーロ買い・ドル売りが入ったほか、ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りのフローが出たものの、上値は重かった。フィキシングを通過したあとは全般ユーロ売りが優勢となり、5時30分前に一時1.1317ドルと日通し安値を更新した。
なお、ユーロ豪ドルは一時1.7672豪ドル、ユーロNZドルは1.9060NZドル、ユーロカナダドルは1.5604カナダドル、ユーロスイスフランは0.9330スイスフランまで下落した。
・ユーロ円は小幅ながら3日続落。1-3月期米GDP速報値が約3年ぶりにマイナス成長に陥ったことを受けて米国株相場が下落するとリスク回避の円買い・ユーロ売りが先行。フィキシング通過後は全般ユーロ安が進んだ流れに沿って一時161.71円と日通し安値を更新した。ただ、ダウ平均が持ち直すなど、米国株相場が底堅く推移すると下げ止まった。
(30日終値)
ドル・円相場:1ドル=143.07円(前営業日比△0.74円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.01円(▲0.07円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1328ドル(▲0.0059ドル)
ダウ工業株30種平均:40669.36ドル(△141.74ドル)
ナスダック総合株価指数:17446.34(▲14.98)
10年物米国債利回り:4.16%(▲0.01%)
WTI原油先物6月限:1バレル=58.21ドル(▲2.21ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3319.1ドル(▲14.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲4.2% ▲12.7%
4月ADP全米雇用報告
6.2万人 14.7万人・改
1-3月期米雇用コスト指数
(前期比) 0.9% 0.9%
1-3月期米国内総生産(GDP)速報値
(前期比年率)▲0.3% 2.4%
個人消費速報値
(前期比年率) 1.8% 4.0%
コアPCE速報値
(前期比年率) 3.5% 2.6%
4月米シカゴ購買部協会景気指数
44.6 47.6
3月米個人所得
(前月比) 0.5% 0.7%・改
3月米個人消費支出(PCE)
(前月比) 0.7% 0.5%・改
3月PCEデフレーター
(前年比) 2.3% 2.7%・改
3月PCEコアデフレーター
(前月比) 0.0% 0.5%・改
(前年比) 2.6% 3.0%・改
3月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
(前月比) 6.1% 2.1%・改
(前年比) ▲0.1% ▲7.0%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続伸。英・独株価指数が約1カ月ぶりの高値を更新するなど、欧州株相場が底堅く推移する中、欧州市場序盤に一時143.15円まで上昇した。
NYの取引時間帯に入ると、4月ADP全米雇用報告や1-3月期米国内総生産(GDP)速報値、4月米シカゴ購買部協会景気指数が予想を下回ったことを受けて円買い・ドル売りが先行。月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されると一時142.52円付近まで下押しした。
ただ、「米国は関税問題を巡る交渉を目指し、様々なルートを通じて中国側に積極的に接触を図っている」との中国メディアの報道が伝わると買い戻しが優勢に。一時780ドル超下落したダウ平均が上昇に転じ、200ドル超上昇したことも相場を下支えし、5時30分過ぎには143.19円と日通し高値を付けた。
・ユーロドルは続落。低調な米経済指標が相次いだことを受けてユーロ買い・ドル売りが入ったほか、ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りのフローが出たものの、上値は重かった。フィキシングを通過したあとは全般ユーロ売りが優勢となり、5時30分前に一時1.1317ドルと日通し安値を更新した。
なお、ユーロ豪ドルは一時1.7672豪ドル、ユーロNZドルは1.9060NZドル、ユーロカナダドルは1.5604カナダドル、ユーロスイスフランは0.9330スイスフランまで下落した。
・ユーロ円は小幅ながら3日続落。1-3月期米GDP速報値が約3年ぶりにマイナス成長に陥ったことを受けて米国株相場が下落するとリスク回避の円買い・ユーロ売りが先行。フィキシング通過後は全般ユーロ安が進んだ流れに沿って一時161.71円と日通し安値を更新した。ただ、ダウ平均が持ち直すなど、米国株相場が底堅く推移すると下げ止まった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は7日続伸。4月ADP全米雇用報告や1-3月期米GDP速報値が予想を下回り、米経済の減速を懸念した売りが先行すると一時780ドル超下落した。ただ、米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測を背景に買いが入ると持ち直した。月末を迎えて機関投資家のリバランス(資産配分の調整)に伴う買いが入ると一時200ドル超上昇した。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは小幅ながら7日続伸。1-3月期米GDP速報値は予想を下回ったものの、食料とエネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)指数が予想を上回ると売買が交錯。結局、前日終値付近での方向感に乏しい展開が続いた。
・原油先物相場は大幅に3日続落。1-3月期米GDP速報値が前期比年率で約3年ぶりのマイナスに沈み、エネルギー需要減を危惧する見方が広がった。上値重く推移していたなかで一部通信社が、「主要産油国であるサウジアラビアは、さらなる減産による相場の下支えを望まない」と報じた。これをきっかけとして売りに勢いがつき、一時58ドルを割り込む場面もあった。引け水準は、期近限月として2021年3月以来の低い水準を記録した。
・金先物相場は続落。トランプ米政権の貿易政策に対する過度な警戒感が後退するなか、安全資産とされる金への売り圧力が強まり、時間外では3280ドルを割り込む場面があった。その後、米国の経済指標の弱さが目立つと買い戻しが入り、3300ドル台を回復。もっとも、為替でドルが対ユーロなどで強含み、ドル建て金の伸びを鈍らせた。
一部通信社が報じたところによると、「欧州連合(EU)は来週、米国に対して貿易に関する提案を提示する」ようだ。
日経新聞が報じたところによると、「日銀は30-1日に開く金融政策決定会合で、米国の関税政策の影響を踏まえて、2025年度と26年度の実質国内総生産(GDP)の成長率を1月の見通しから下方修正する公算が大きい」ようだ。なお、政策金利は0.50%に据え置く方針。
一部通信社が関係者の話として報じたところによると、「米国とウクライナは天然資源の協定に署名する」ようだ。
30日07:48 トランプ米大統領
「私はFRB議長よりも知識がある」
「FRB議長は良い仕事をしていない」
「通商交渉があまりにも長引けば対価を設定するだけ」
「メディアは物価が上がったと主張しようとしている」
「アメリカの安全を確保するという私の使命を妨げるものは何もない」
30日22:41
「これはバイデン氏の株式市場であり、トランプ市場ではない」
「関税はまもなく発動され、記録的な数の企業が米国に進出し始めている」
「我が国は活況を呈するだろう」
「ただ、バイデン氏の重荷を取り除かなければならない。これにはしばらく時間がかかる」
1日02:39
「カナダとは素晴らしい関係を築けると思う」
「カーニー加首相と昨日電話会談し、合意を結ぼうと言った」
「カーニー加首相は来週、ホワイトハウスを訪れる」
30日10:19 赤沢経済再生相
(日米関税交渉について)
「米国側も納得するものにしないといけない」
「詳細な時間が決まったとの報告は受けていない」
「一歩でも二歩でも前進したい」
※時間は日本時間
<国内>
○未定 ☆ 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表(予想:0.50%で据え置き)
○未定 ◎ 経済・物価情勢の展望(4月、基本的見解)
○14:00 ◇ 4月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯、予想:33.8)
○15:30 ☆ 植田和男日銀総裁、定例記者会見
<海外>
○10:30 ◇ 1-3月期豪輸入物価指数
○10:30 ◇ 3月豪貿易収支(予想:39.00億豪ドルの黒字)
○15:30 ◇ 3月スイス小売売上高
○17:30 ◎ 4月英製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:44.0)
○17:30 ◇ 3月英消費者信用残高(予想:12億ポンド)
○17:30 ◇ 3月英マネーサプライM4
○20:30 ◇ 4月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.4万件/186.4万人)
○22:45 ◎ 4月米製造業PMI改定値(予想:50.5)
○23:00 ☆ 4月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:48.0)
○23:00 ◇ 3月米建設支出(予想:前月比0.2%)
○英地方選
○2回目の日米関税協議
○中国(労働節)、香港、シンガポール、韓国、スイス、フランス、ドイツ、ノルウェー、スウェーデン、ポーランド、ロシア、トルコ、南アフリカ、ブラジル、メキシコ(レーバーデー)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、英・独株価指数が約1カ月ぶりの高値を更新するなど、欧州株相場が底堅く推移する中、欧州市場序盤に一時143.15円まで上昇した。ロンドンフィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されると一時142.52円付近まで下押ししたが、一時780ドル超下落したダウ平均が上昇に転じ、200ドル超上昇したことも相場を下支えし 143.19円まで上値を伸ばした。ユーロドルは、一時1.1317ドルまで弱含んだ。
本日のドル円は、日銀政策決定会合の結果発表と、第2回目となる日米関税交渉が行われる予定となっており、一日を通して大相場になる可能性がある。また、本日は中国、香港、シンガポールなどの主なアジア諸国と、独、仏などの欧州諸国が休場となることで、市場流動性がさらに低下しボラタイルな動きになりやすい。
昨日から行われている日銀政策決定会合について、市場では金融政策などは据え置き予想となっている。植田日銀総裁は世界経済が足もとで不確実性が高まっていることで「情勢を見極め適切な政策運営に努めていく」と述べるなど、早急に金融政策の変更を行う姿勢を見せてはいない。
予想通り据え置きになった場合でも、本日は「展望レポート」も発表し、2027年度までの経済・物価について最新の見通しを示すことで、レポート内容で市場が動意づく可能性もある。本日の日経新聞電子版には「米国の関税政策の影響をふまえ、2025年度と26年度の実質国内総生産(GDP)の前年度比成長率を1月の見通しから下方修正する公算が大きい」と記載されている。更に、「25年度のCPI(除く生鮮食品)の上昇率も2%程度に下方修正する可能性」と報じている。報道の通りの内容になった場合は、次の利上げ観測時期が後退し、円安が進むかもしれない。ただ、警戒しなくてはならないのは、レポート発表後に日米関税交渉が控えていることだ。
28日にベッセント米財務長官は「欧州中央銀行(ECB)は、ユーロを下落させるために利下げを行うだろう」と発言している。ECBをはじめG7各国で金融政策を通貨政策に結び付けようとしている国はないと思われているが、トランプ政権は米国以外の国の低金利政策は自国通貨安・ドル高誘導に結び付けている。低金利政策を継続している日銀についても同様の考えで、レポートが低金利を維持する内容で、ドル高・円安が関税交渉前に進んだ場合は、米政権が日本(日銀)の対応に苦言を呈し、為替についても言及する可能性が高まるか。
日米関税交渉は日本時間2日未明から行うとされているが、過度の進展を期待するのは難しい。先週から米国のトリプル安(株安・債券安・米ドル安)への対応として、トランプ政権が関税に対して柔軟な姿勢を見せ始めている。日本は7月までに参議院選挙が予定されている中で、自民党政権は更なる支持率低下を避けるために、関税交渉を早期に合意決定するのは得策とは思わないだろう。一部では今回の交渉を下地に、6月にカナダで開催されるG7サミットで石破首相とトランプ米大統領が合意を発表するとの予想もあるが、選挙日程を考えると先延ばしになる可能性もありそうだ。ただ、進展がない場合でも、前述のように日銀政策決定会合についての米政権の反応には注意したい。
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 36260 +230 (+0.63%)
TOPIX先物 2674.0 +9.5 (+0.35%)
シカゴ日経平均先物 36165 +135
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
30日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。2025年1~3月期の米実質国内総生産(GDP)速報値が3年ぶりにマイナス成長となったほか、4月のADP雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想を下回ったことから売りが先行した。だが、GDPの結果を受けて米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が高まったほか、月末のドレッシング買いが入り、NYダウは終盤にかけて切り返した。FRBがインフレ指標として重視する3月の米個人消費支出(PCE)物価指数は予想と一致し、2月から減速している。1-3月期の業績予想を下方修正したスーパー・マイクロ・コンピューター<SMCI>が急落し、ハイテク株の一角に売りが波及した。
S&P500業種別指数は、電気通信サービス、商業サービス・用品、医薬品・バイオテクノロジーが上昇。自動車・同部品、エネルギー、耐久消費財・アパレルの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、マクドナルド<MCD>、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>、ウォルマート<WMT>が買われた。半面、シェブロン<CVX>、ナイキ<NKE>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、ハネウェル・インターナショナル<HON>が下落。
シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比135円高の3万6165円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中比90円高の3万6120円で始まり、3万6050円~3万6160円辺りで保ち合いを継続。米国市場の開始直後に急落し、3万5630円まで売られる場面もみられた。その後は急速に切り返す形から中盤にかけてプラス圏を回復。終盤に上へのバイアスが強まり3万6310円まで上げ幅を広げ、3万6260円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションで3万5630円まで売られる場面もみられたが、その後の強い切り返しによりボリンジャーバンドの+1σ(3万6160円)を上抜いてきた。同バンドを捉えたことで、13週移動平均線(3万6520円)や75日線(3万7030円)が意識されてくる。買い一巡後は+1σ水準で強弱感が対立する可能性はあるが、3万6000円を支持線とした押し目狙いのロング対応に向かわせよう。そのため、オプション権利行使価格の3万6000円から3万6500円のレンジを想定。
米国では弱い経済指標の結果を受けて、FRBが早期に利下げを決めるとの観測が相場を支える形になった。日米の関税交渉の進展期待も高まりやすく、ショートを仕掛けづらくさせるとともに、ポジションをニュートラルに近づけてくることでショートカバーが入りやすいと考えられる。
ただし、決算発表が本格化するなか、商船三井 <9104.T> [東証P]が今期6割減益を見込むなど、トランプ関税による影響が表れてきた。三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306.T> [東証P]など上方修正を評価する流れとなればセンチメントを冷ますことはなさそうだが、決算に対する警戒感が高まってくるようだと、押し目狙いのロングも慎重にさせそうだ。
30日の米VIX指数は24.70(29日は24.17)に上昇した。一時28.17まで切り上がる場面もあったが、上ヒゲを残す形状になっている。目先的には75日線(22.35)と25日線(30.08)での推移が意識されよう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.52倍に低下。銀行や医薬品株の上昇が目立ち、相対的にTOPIX型の優位な状況だった。ただし、一時13.46倍に低下した後は13.53倍と25日線(13.54倍)に接近する場面もみられた。本日は銀行株のほか関税交渉に対する期待から自動車株を買い戻す動きがみられるようだと、ややNTショートに振れやすくなりそうだ。
東京市場はしっかりか。米国株はまちまち。ダウ平均とS&P500が上昇し、ナスダックが下落した。ダウ平均は141ドル高の40669ドルで取引を終えた。序盤に大きく下げた後は持ち直す展開。1-3月期国内総生産(GDP)速報値がマイナス成長となったことを受けて一時700ドル超下落したが、下値では買いが入って終盤にかけて大きく水準を切り上げた。ドル円は足元143円00銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて135円高の36165円、ドル建てが205円高の36235円で取引を終えた。
米国株は3指数とも小動きであったが、引け味は良かった。日本株は売り急ぎが抑制されることで、やや強めの推移を予想する。本日は日銀金融政策決定会合の結果が発表されるが、現状維持が確実視されており、波乱の可能性は低い。結果発表直後は指数の値動きが荒くなる可能性はあるものの、上でも下でも振れ幅が大きくなれば修正が入るとみる。終盤にかけては植田総裁の会見を前に動意が限られるだろう。日経平均の予想レンジは35950円-36250円。
1日の香港株式市場はメーデーにつき休場。取引は明日2日から再開される。
1日(木)の本土市場は労働節の連休につき休場。取引は5月2日(金)から再開される。
日経225先物は11時30分時点、前日比240円高の3万6270円(+0.66%)前後で推移。寄り付きは3万6230円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万6165円)を上回る形で、買い先行から始まった。現物の寄り付き直後には3万6350円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は利益確定に伴うロング解消や短期的なショートの動きが入り、中盤にかけて3万6070円まで上げ幅を縮める場面もみられた。ただし、3万6000円接近では押し目待ち狙いのロングが入るなか、終盤にかけてはショートカバーを誘う形によって切り返している。
日経225先物は一時3万6070円まで上げ幅を縮めたものの、その後の切り返しによりボリンジャーバンドの+1σ(3万6160円)を上回っての推移をみせているため、ショートを仕掛けづらくさせている。積極的なロングは限られるものの、朝方につけた3万6350円を捉えてくるようだと、ショートカバーを強めてくる可能性はありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で13.57倍に上昇。25日移動平均線(13.54倍)を上回ってきた。不安定な値動きが続いていたアドバンテスト<6857.T>[東証P]が6%を超える上昇で日経平均型を牽引。一方で、海運株が引き続き弱い値動きのほか、銀行株の下げがTOPIX型の重荷になっている。
日銀金融政策決定会合がほぼほぼ市場が予想していた12時過ぎという時間帯に、市場予想通りに政策の据置きを決定。その事実自身には、前回と違って発表時間への配慮という市場との対話への努力が見受けられた以外の成果は何も見受けられませんでしたが、一方で、展望レポートに記されていた物価予想は、1月のそれからは約1年の目標達成時期の後ろ倒しとあって、当然のごとく、ドル円の買い戻しを余儀なくされているといったところです。
1月の展望レポートでは「2024年度に前年比2%台後半、2025年度に2%台半ば、2026年度に概ね2%に達する見込み」としていた物価見通しが、今回は「2025年度に2%台前半、2026年度は1%台後半、2027年度は2%程度と予想」という内容。いわゆるトランプ関税の今後の展開や影響を巡る「不確実性が極めて高い」という理由でしたが、「あわよくば利上げも」と期待していた向きにとっては、かなりの失望感を与えることになっています。
いずれにしても、ドル円については、何度もお伝えしている通り、市場のショートポジションの持高が史上最高をまだまだ更新中といった状況のなか、アンワインディングの大きなきっかけとなる可能性もあって、かかる後ろ倒しの理由などを見極めるべく、植田日銀総裁の発言を待つことになっています。
東海東京インテリジェンス・ラボでは金に関して、中長期的な価格上昇が続くと予想している。「トランプ関税」に対する過度な懸念が後退した後も、世界的な景気への影響が遅れて深刻化し、米国や中国などが利下げ再開に踏み切る可能性があると指摘。その場合、利息の付かない金の投資需要が高まる可能性があるとみている。また、各国の中央銀行による金需要が旺盛なことも、金価格上昇のサポート要因になる可能性が高いと考えている。
本日のロンドン為替市場では、独・仏などが休場のため市場参加者の減少が予想される中、序盤は植田日銀総裁の会見を眺めながら円相場中心の値動きとなりそうだ。
日銀は昨日から今日にかけて開催した金融政策決定会合で、市場予想通り政策金利を据え置いた。しかし、同時に発表された展望リポートでは、2025年のCPIやGDP見通しが1月時点より引き下げられた。直後の市場は円売りでの反応を示すと、ドル円やクロス円は上昇。他方、ユーロドルやポンドドルはドル買いの影響を受けて弱含んだ。
まずは、15時30分から始まる植田総裁の定例会見に注目したい。声明では「わが国企業の収益なども下押しされるもとで成長ペースは鈍化」「(リスク要因)とくに各国の通商政策等の今後の展開やその影響を受けた海外の経済・物価動向を巡り不確実性」などが明らかとなるも、「経済・物価の見通し実現なら、引き続き金利引き上げ」「現在の実質金利、極めて低い水準にある」ともしている。トランプ関税を受けた景気・金利見通しについてどのような見解を示すか、利上げスタンスを維持するかなど、大いに気になるところだ。利上げ見通しが後ろ倒しになるとの印象が強まる会見となれば、ドル円主導で欧州通貨が振り回される展開もあるだろう。
日銀総裁の会見を消化した後、欧州時間に予定されている経済イベントは英4月製造業購買担当者景気指数(PMI)くらいと少なめ。今回は改定値ということもあり、市場に与える影響は限られる見通し。また、主だった要人発言も予定されていないため、様子見ムードが漂うことも想定される。
そうした中、関税関連の発言、特に米中の貿易摩擦を想起させる発言などが伝われば、市場は過敏に反応することが予想される点には注意が必要だろう。その場合、ドル主導で欧州通貨が上下させられることも考えられる。
他方、NY市場では4月チャレンジャー人員削減数や新規失業保険申請件数など雇用関連をはじめ、4月ISM製造業景況指数といった重要指標の発表が相次ぐ。対円の視点では、日本時間2日未明から行うとされている日米関税交渉の行方も見逃せない。これらへの反応に備えておきたい。
想定レンジ上限
・ポンドドル:4月28日高値1.3444ドル
・ポンド円:4月25日高値191.73円
想定レンジ下限
・ポンドドル:4月23日安値1.3234ドル。
・ポンド円:21日移動平均線189.34円
ドル円:1ドル=144.05円(前営業日NY終値比△0.98円)
ユーロ円:1ユーロ=162.79円(△0.78円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1299ドル(▲0.0029ドル)
日経平均株価:36452.30円(前営業日比△406.92円)
東証株価指数(TOPIX):2679.44(△12.15)
債券先物6月物:141.17円(△0.52円)
新発10年物国債利回り:1.270%(▲0.040%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
日銀金融政策決定会合(日銀金融市場調節目標)
政策金利 0.50% 0.50%
4月消費動向調査(消費者態度指数、一般世帯)
31.2 34.1
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は堅調。朝方から143.00円を挟んだ水準で底堅く推移していたが、日銀金融政策決定会合の結果公表後に買いが強まった。日銀は政策金利を予想通りに0.50%で据え置いたが、同時に公表した4月の展望レポートで経済成長率や物価見通しを前回(1月)から下方修正した。日銀が早期の利上げには動かないとの見方から円売りが進み、一時144.29円まで値を上げた。
・ユーロ円も堅調。日銀の金融政策公表後に円売りが強まった流れに沿って、一時163.17円まで上値を伸ばした。
・ユーロドルは弱含み。対円や対豪ドルなどでユーロ売りが進んだ影響を受けた。14時30分過ぎには1.1288ドルまで下押す場面も見られた。
・日経平均株価は6日続伸。前日のダウ平均とS&P500の上昇を好感した買いが先行した。日銀がこの日公表した展望レポートで経済・物価見通しを引き下げたため、追加利上げが遠のいたとの思惑が広がったことも相場を下支え。指数は500円近く上昇する場面もあった。
・債券先物相場は3日続伸。日銀の早期利上げ観測が後退したことを受けて債券買いが進んだ。新発10年物国債利回りは一時1.260%まで低下した。
ドル円:1ドル=144.05円(前営業日NY終値比△0.98円)
ユーロ円:1ユーロ=162.79円(△0.78円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1299ドル(▲0.0029ドル)
日経平均株価:36452.30円(前営業日比△406.92円)
東証株価指数(TOPIX):2679.44(△12.15)
債券先物6月物:141.17円(△0.52円)
新発10年物国債利回り:1.270%(▲0.040%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
日銀金融政策決定会合(日銀金融市場調節目標)
政策金利 0.50% 0.50%
4月消費動向調査(消費者態度指数、一般世帯)
31.2 34.1
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は堅調。朝方から143.00円を挟んだ水準で底堅く推移していたが、日銀金融政策決定会合の結果公表後に買いが強まった。日銀は政策金利を予想通りに0.50%で据え置いたが、同時に公表した4月の展望レポートで経済成長率や物価見通しを前回(1月)から下方修正した。日銀が早期の利上げには動かないとの見方から円売りが進み、一時144.29円まで値を上げた。
・ユーロ円も堅調。日銀の金融政策公表後に円売りが強まった流れに沿って、一時163.17円まで上値を伸ばした。
・ユーロドルは弱含み。対円や対豪ドルなどでユーロ売りが進んだ影響を受けた。14時30分過ぎには1.1288ドルまで下押す場面も見られた。
・日経平均株価は6日続伸。前日のダウ平均とS&P500の上昇を好感した買いが先行した。日銀がこの日公表した展望レポートで経済・物価見通しを引き下げたため、追加利上げが遠のいたとの思惑が広がったことも相場を下支え。指数は500円近く上昇する場面もあった。
・債券先物相場は3日続伸。日銀の早期利上げ観測が後退したことを受けて債券買いが進んだ。新発10年物国債利回りは一時1.260%まで低下した。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
市場は米中雪解け期待も、中国経済が直面するハードルは高い
市場は一段の内需喚起に期待するも、統計の信頼性や人民元相場を勘案すれば過度な期待は禁物
米トランプ政権の関税政策を巡る不透明感は世界経済と金融市場を揺るがすなか、米中間の貿易戦争は激化の様相をみせてきた。金融市場の混乱に加え、実体経済への悪影響が懸念されるなか、米国の対中姿勢に軟化の兆しがみられるほか、他国との個別協議が進展するとの期待も高まっている。こうした動きを受けて、足元の金融市場では最悪の事態が回避されるとの見方が広がりをみせている。
一方、足元の中国ではトランプ関税の影響が顕在化している。4月の製造業PMIは49.0に悪化しており、新規受注や生産の減少に加え、雇用調整の動きがみられる。財新製造業PMIは50.4と50を上回る水準を維持したが、内需下支え策が効果をみせるも、外需の悪化を完全に補うには至っていない。さらに、非製造業PMIも50.4と50を上回る水準を維持したが、内・外需ともに新規受注が大きく下振れしている。こうした状況を勘案すれば、足元の中国経済は総じて不透明感が急速に高まっていると捉えられる。
1-3月のGDPは堅調な動きが確認されたが、足元の企業マインドの悪化は景気への不透明感が急速に高まっていることを示唆している。金融市場は当局による景気下支え策を期待するも、統計の信頼性に対する懸念に加え、人民元相場の安定を目指すなかで大規模な金融緩和は期待しにくい。よって、中国経済の先行きに対して過度な期待を抱くことは難しいのが実情であろう。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
メキシコは景気後退回避も、トランプ関税に揺さぶられる展開は続く
製造業やサービス業を取り巻く環境は急速に悪化、ペソ相場の行方も見通しが立ちにくい展開
メキシコ経済は米国経済への依存度が高い特徴を有する。米トランプ政権は関税を材料に取引を持ち掛け、メキシコを標的に追加関税を課す姿勢をみせた。その後の両国の協議を通じてUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の対象財は追加関税の対象から除外されるなど、最悪の事態は回避されている。しかし、先月にはUSMCAの対象財以外や自動車、鉄鋼製品、アルミ製品に追加関税が課せられており、外需への悪影響は避けられない。
昨年末にかけてメキシコの景気にブレーキが掛かる動きがみられたが、1-3月の実質GDP成長率は前期比年率+0.63%となるなど景気後退局面入りは回避されている。しかし、トランプ関税の余波を受ける形で製造業の生産は低迷し、米国の雇用環境を巡る変化や金融環境の引き締まりも影響してサービス業の生産も頭打ちしている。結果、足元の景気は農林漁業や鉱業に支えられるなど不透明な状況にある。
先行きもトランプ関税が同国経済や物価に影響を与えることが懸念されるなか、中銀は難しい政策対応を迫られる展開が続くと見込まれる。足元のペソ相場は米ドル安を反映して底入れしているが、米ドル相場の動向に揺さぶられるとともに、円に対しては米ドル/円相場が上値を抑える可能性に注意が必要である。
「マイナス成長はバイデンのせいだ、トランプのせいではない。なぜなら私たちは1月に就任したばかりだからだ」(トランプ米大統領)
1.1-3月期国内総生産(GDP)速報値:前期比年率▲0.3%
米国の1-3月期GDP速報値は前期比年率▲0.3%となり、2022年以来のマイナス成長となった。
・個人消費:+1.8%(23年第2四半期以来の低い伸び)
・政府支出:-1.4%(連邦政府支出削減や国防支出8%減)
・貿易赤字:過去最大規模(GDP押し下げ効果4.83%)
・輸入:+41.3%(消費財と資本財の双方が増加)
・輸出:+1.8%
トランプ米大統領は、かつて「年内のリセッション入りを予想するのは嫌いだ。われわれが行っていることは非常に大きいので、過渡期がある」と述べ、米国経済が今年縮小してリセッション(景気後退)入りする可能性を排除しなかった。
2. 関税スタグフレーションのリスク
トランプ関税は、輸入品価格の高騰により、物価上昇圧力を高めることになる。
トランプ減税の延長は、購買力の高まりにより、物価上昇圧力を高めることになる。
米国のピーターソン国際経済研究所によれば、トランプ関税のコストは米国内総生産(GDP)の1.8%となり、第1次トランプ米政権での米中貿易戦争でのコスト0.4%を大幅に上回るとのことで、貿易戦争での勝者はいない。
米国の2025年1-3月期の国内総生産(GDP)は29.9776兆ドルだったので、コストは5400億ドル程度となる。
3.サーム・ルール(Sahm Rule)
米連邦準備理事会(FRB)の元エコノミストであるクローディア・サーム博士が提唱したもので、失業率の「3ヵ月移動平均」と「過去1年間の最低水準」の差が0.5%以上上昇した場合、1年以内にリセッション入りするとの説である。
1949年以来の12回のリセッションを的確に予告してきた。
2024年7月は0.53%へ上昇しており、景気後退入りの「炭鉱のカナリア」が鳴き止んだ。
サーム氏は7月雇用統計発表後に、「米国はリセッションに陥っていないが、良い方向には向かっていない」と述べた。しかし、2024年8月以降、0.50%を下回っている。
2024年7月から1年以内とは、2025年6月までのリセッション入りを警告していたことになる。
大阪6月限
日経225先物 36550 +520 (+1.44%)
TOPIX先物 2684.0 +19.5 (+0.73%)
日経225先物(6月限)は前日比520円高の3万6550円で取引を終了。寄り付きは3万6230円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万6165円)を上回る形で買い先行が先行し、現物の寄り付き直後には3万6350円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は利益確定に伴うロング解消や短期的なショートが入り、前場中盤に3万6070円まで上げ幅を縮める場面もみられた。ただし、3万6000円接近では押し目待ち狙いのロングが入るなか、前場終盤にかけてはショートカバーを誘う形によって切り返している。
日銀はランチタイムに金融政策決定会合の結果と展望レポートを公表。政策金利は0.5%程度を維持し市場予想通りだった。一方で、2025年度の実質国内総生産(GDP)と消費者物価(CPI)の上昇率を引き下げたことで、利上げ時期が遠のくとの見方に向かわせた。
これを受け、為替市場では円相場が1ドル=144円台と円安に振れるなか、日経225先物は現物の後場の取引開始時に朝方につけた高値に顔合わせした。さらに同水準を上抜けるとショートカバーとみられる動きが強まり、終盤にかけて3万6570円まで上げ幅を広げた。
日経225先物は13週移動平均線(3万6550円)を捉えてきた。連休前で積極的なロングは入りにくいが、同線を終値で上回ってくると、ショートカバーがさらに強まりやすいだろう。75日線が位置する3万7000円が射程に入ってくる。
米国では30日の取引終了後に決算を発表したマイクロソフト<MSFT>やメタ・プラットフォームズ<META>が時間外取引で急伸している。東京市場では織り込み済みではあるが、米国市場で好感した動きが他のハイテク株に広がるようだと、改めてセンチメントを明るくさせそうだ。
赤沢亮正経済財政再生相は日本時間2日午前、ベッセント米財務長官らと関税を巡る2回目の協議を行う予定である。楽観は禁物だが、前回の協議では両国の良好な関係を確認している。交渉の進展に関心が集まり、関連する報道がアルゴリズム発動のトリガーになる可能性もありそうだ。そのため、ショート筋はポジションを圧縮しておきたいところであろう。
NT倍率は先物中心限月で13.61倍に上昇。25日線(13.55倍)を明確に上回ってきた。不安定な値動きが続いていたアドバンテスト<6857.T>[東証P]が6%を超える上昇で日経平均型を牽引。一方で、海運株が引き続き弱い値動きのほか、日銀会合の結果判明後は銀行株の弱さが目立ち、TOPIX型の重荷になっている。東証プライムの値下がり数は6割を占めており、日経平均型のインデックス買いのインパクトが大きい。NTショートを巻き戻す流れが強まる可能性はありそうだ。
手口面(6月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万8619枚、ソシエテジェネラル証券が1万4342枚、モルガンMUFG証券が4566枚、サスケハナ・ホンコンが4074枚、ゴールドマン証券が2532枚、バークレイズ証券が2108枚、JPモルガン証券が2056枚、日産証券が1623枚、野村証券が1412枚、SBI証券が1393枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万2150枚、ソシエテジェネラル証券が1万9372枚、ゴールドマン証券が5969枚、バークレイズ証券が5117枚、モルガンMUFG証券が3865枚、JPモルガン証券が3048枚、ドイツ証券が2176枚、サスケハナ・ホンコンが1904枚、大和証券が1643枚、ビーオブエー証券が1586枚だった。
日銀は1日発表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、2025年度の消費者物価指数(CPI、除く生鮮食品)見通しを+2.2%(1月は+2.4%)、26年度を+1.7%(1月は+2.0%)、27年度を+1.9%とした。
また、2025年度の実質国内総生産(GDP)見通しを+0.5%(1月は+1.1%)、26年度を+0.7%(1月は+1.0%)、27年度を+1.0%とした。
当面の金融政策運営について
日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した (全員一致)。
無担保コールレート(オーバーナイト物) を、0.5%程度で推移するよう促す。
日銀HPより
【基本的見解】
●先行きのわが国経済を展望すると、各国の通商政策等の影響を受けて、海外経済が減速し、わが国企業の収益なども下押しされるもとで、緩和的な金融環境などが下支え要因として作用するものの、成長ペースは鈍化すると考えられる。その後については、海外経済が緩やかな成長経路に復していくもとで、成長率を高めていくと見込まれる。
●物価の先行きを展望すると、消費者物価 (除く生鮮食品) の前年比は、2025年度に2%台前半となったあと、2026年度は1%台後半、2027年度は2%程度となると予想される。これまで物価上昇率を押し上げてきた既往の輸入物価上昇やこのところの米などの食料品価格上昇の影響は減衰していくと考えられる。この間、消費者物価の基調的な上昇率は、成長ペース鈍化などの影響を受けて伸び悩むものの、その後は成長率が高まるもとで人手不足感が強まり、 中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想され、見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。
●2026年度までの見通しを前回の見通しと比べると、 成長率については、2024年度は幾分上振れているが、 2025年度と2026年度は、各国の通商政策等の影響を受けて下振れている。消費者物価 (除く生鮮食品) の前年比については、2025年度と2026年度は、原油価格の下落や今後の成長ペース下振れの影響などから下振れている。
●リスク要因としては様々なものがあるが、とくに、各国の通商政策等の今後の展開やその影響を受けた海外の経済・物価動向を巡る不確実性はきわめて高く、その金融・ 為替 市場やわが国経済・物価への影響については、十分注視する必要がある。
●リスクバランスをみると、 経済の見通しについては、2025年度と2026年度は下振れリスクの方が大きい。 物価の見通しについても、 2025年度と2026年度は下振れリスクの方が大きい。
(日銀HPより抜粋)
本日のNY為替市場のドル円は、米国の経済指標(新規失業保険申請件数、4月米製造業PMI改定値、4月米ISM製造業景気指数)などを見極めた後は、第2回日米貿易交渉を待つ展開となる。
4月米企業の人員削減数、前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数、4月米製造業PMI改定値、4月米ISM製造業景気指数などでは、1-3月期国内総生産(GDP)がマイナス成長に陥った後の米国の景況感、物価、雇用情勢を見極めることになる。
最近の米国の経済指標は、雇用、景況感の悪化と物価の上昇という関税スタグフレーションへの警戒感を高めており、本日の経済指標でも4-6月期GDPが2期連続のマイナス成長となるのか否かを念頭に注視していくことになる。
関税スタグフレーションが確認された場合、2大責務を抱える米連邦準備理事会(FRB)は、インフレを抑制するのか、労働市場への影響を最小限に抑えるのか、トランプ米大統領による利下げ圧力の下での金融政策の舵取りが難しくなる。
第2回日米貿易交渉では、先日ベッセント米財務長官が「日本は、夏の参院選前に米国との貿易協定の枠組みの策定を望んでいる」と述べていたことで、7月9日に予定されている相互関税発動や7月20日に投開票が予定されている参議院選挙などの日程を睨んだ交渉が行われていくのかもしれない。
また、日銀に利上げを促していたベッセント米財務長官による、本日の据え置き決定へや円安基調への見解にも注目しておきたい。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している今年の追加利下げ時期は、6月米連邦公開市場委員会(FOMC)(▲0.25%=4.00-25%)と見込まれており、7月、9月、12月と年内4回の利下げで12月のFF金利誘導目標は3.25-50%と見込まれている。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、145.55円(日足一目均衡表・基準線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、141.96円(日足一目均衡表・転換線)
今晩はハイテク株を中心に堅調か。昨日は第1四半期の国内総生産(GDP)速報値が予想に反してマイナス成長となったことで景気後退懸念が強まり大幅安でスタートしたが、トランプ関税導入を前に輸入が急増したことがGDP減速の主因と捉えられたことで過度な警戒感が緩和し、取引終盤に買戻しが強まった。ダウ平均は2%近く急落後、141.74ドル高(+0.35%)で終了し、S&P500も2%超下落後、0.15%高で終了しともに、7営業日続伸となった。一方、ハイテク株主体のナスダック総合は2.87%安まで下落後、0.09%安とわずかにマイナス圏で終了した。4月月間ではダウ平均が1332.40ドル安(-3.17%)、S&P500が0.76%安とともに3カ月続落となった一方、ナスダック総合は0.85%高と3カ月ぶりに反落した。S&P500はトラン大統領が「相互関税」を発表した4月2日以降売りが強まり一時11%超下落し、2月に付けた史上最高値から20%近く下落したが、関税への過度な警戒感が後退し、下旬に下落幅を大幅に縮小した。引け後の動きでは、1-3月期の売上高と利益がともに市場予想を上回ったマイクロソフトが時間外で約7%上昇し、メタ・プラットフォームズも第1四半期決算が予想を上回ったほか、AI向けデータセンターのために通期の設備投資計画を引き上げたことも好感され時間外で5%超上昇した。メタの発表を受けてエヌビディアも時間外で約4%上昇した。
5月入りとなる今晩の取引ではマイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、エヌビディアの大幅高が見込まれ、ハイテク株を中心に堅調な展開か。貿易問題で進展が期待されることも追い風となりそうだ。経済指標では週間新規失業保険申請件数や4月ISM製造業購買担当者景気指数 (PMI)が発表予定で、足もとの雇用や景況感に要注目となる。
今晩の米経済指標は新規失業保険申請件数、4月ISM製造業PMIのほか、4月チャレンジャー企業人員削減数、4月S&Pグローバル製造業PMI確定値など。企業決算は寄り前にマクドナルド、イーライ・リリー、CVSヘルス、モデルナ、引け後にアップル、アマゾンなどが発表予定。
日経平均株価は6日続伸。買い先行から上値を試す展開となり、一時は36500円を上回る場面があった。終値ベースで50日移動平均線(36231円 5/1)を上回る陽線を形成した。
RSI(9日)は前日の83.7%→83.5%(5/1)に横ばい。あすも上昇のハードルは高くなるが、短期的な相場の見方に大きな変化はない。直近高値更新が続いており、4/7安値(30792円)を起点とした目先波動は上昇継続の判断となる。
次は3/31の下落で形成したマド埋め(36864円 同)や75日移動平均線(37184円 同)がターゲットになる。
一方、25日移動平均線(34727円 同)は依然として下向きが続いているほか、あすから目先的に基準線(34506円 同)が下向きに変化するタイミングにくることで、上方向には伸び悩む動きにつながりやすいほか、揺り戻しの調整シナリオも想定できる。
上値メドは、3/28安値(36864円)、心理的節目の37000円、75日移動平均線、心理的節目の37500円、100日移動平均線(37730円 同)などがある。下値メドは、5日移動平均線(35816円 同)、10日移動平均線(35155円 同)、心理的節目の35000円、25日移動平均線、心理的節目の34500円、4/22高値(34340円)などがある。
(1日終値:2日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.54円(1日15時時点比△1.49円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.21円(△1.42円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1282ドル(▲0.0017ドル)
FTSE100種総合株価指数:8496.80(前営業日比△1.95)
ドイツ株式指数(DAX):休場
10年物英国債利回り:4.481%(△0.040%)
10年物独国債利回り:休場
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月スイス小売売上高 (前年同月比)
2.2% 1.2%・改
4月英製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値
45.4 44.0
3月英消費者信用残高
9億ポンド 13億ポンド・改
3月英マネーサプライM4
(前月比) 0.3% 0.2%
(前年比) 3.4% 3.9%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円はしっかり。ドイツやフランスなど欧州各国がレーバーデーで休場となる中、しばらくは144円台前半でのもみ合いが続いた。ただ、NYの取引時間帯に入ると上値を試す展開に。日銀金融政策決定会合の結果や植田和男日銀総裁の記者会見の内容を受けて、日銀が追加利上げに慎重との見方が広がる中、全般円売りが出やすい地合いとなった。4月米ISM製造業景況指数が48.7と予想の48.0を上回るとドル買いも活発化し、一時145.73円と4月10日以来の高値を付けた。ダウ平均が一時430ドル超上昇するなど、米国株相場が堅調に推移していることも相場の支援材料。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比520円高の3万7070円まで上昇した。
・ユーロドルは上値が重かった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.11%台まで低下するとユーロ買い・ドル売りが先行。一時1.1341ドルと日通し高値を付けた。ただ、買い一巡後は徐々に弱含んだ。予想を上回る米ISM製造業景況指数をきっかけに全般ドル買いが進行すると一時1.1266ドルと日通し安値を更新した。米10年債利回りが4.23%台まで上昇したことも相場の重し。
ハセット米国家経済会議(NEC)委員長はこの日、「関税に関する何らかのニュースが本日中にあるだろう」と述べたほか、「中国との通商交渉は順調に進んでいる」などと発言。米国と貿易相手との関税を巡る交渉が進展するとの期待もドル買いを誘った。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.38まで上昇した。
・ユーロ円は堅調。日銀の早期利上げ観測の後退を背景に全般円売りが進行。関税を巡る交渉の進展期待や予想を上回る米指標などを受けて、日米株価指数が上昇したことも相場の押し上げ要因。3時過ぎには一時164.34円と本日高値を更新した。
ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時193.37円、豪ドル円は92.89円、NZドル円は85.98円、カナダドル円は105.19円、南アフリカランド円は7.85円、メキシコペソ円は7.43円まで値を上げた。
・ロンドン株式相場は小幅ながら14日続伸。ロールス・ロイス・ホールディングスなど好業績を発表した銘柄を中心に買いが入った。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株も値上がりした。ただ、足もとで相場上昇が続いているだけに、短期的な過熱感から利益確定目的の売りが出ると下げに転じる場面もあった。
・フランクフルト株式相場はレーバーデーのため休場となった。
・欧州債券相場で英国債は下落した。
(1日終値:2日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.54円(1日15時時点比△1.49円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.21円(△1.42円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1282ドル(▲0.0017ドル)
FTSE100種総合株価指数:8496.80(前営業日比△1.95)
ドイツ株式指数(DAX):休場
10年物英国債利回り:4.481%(△0.040%)
10年物独国債利回り:休場
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月スイス小売売上高 (前年同月比)
2.2% 1.2%・改
4月英製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値
45.4 44.0
3月英消費者信用残高
9億ポンド 13億ポンド・改
3月英マネーサプライM4
(前月比) 0.3% 0.2%
(前年比) 3.4% 3.9%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円はしっかり。ドイツやフランスなど欧州各国がレーバーデーで休場となる中、しばらくは144円台前半でのもみ合いが続いた。ただ、NYの取引時間帯に入ると上値を試す展開に。日銀金融政策決定会合の結果や植田和男日銀総裁の記者会見の内容を受けて、日銀が追加利上げに慎重との見方が広がる中、全般円売りが出やすい地合いとなった。4月米ISM製造業景況指数が48.7と予想の48.0を上回るとドル買いも活発化し、一時145.73円と4月10日以来の高値を付けた。ダウ平均が一時430ドル超上昇するなど、米国株相場が堅調に推移していることも相場の支援材料。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比520円高の3万7070円まで上昇した。
・ユーロドルは上値が重かった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.11%台まで低下するとユーロ買い・ドル売りが先行。一時1.1341ドルと日通し高値を付けた。ただ、買い一巡後は徐々に弱含んだ。予想を上回る米ISM製造業景況指数をきっかけに全般ドル買いが進行すると一時1.1266ドルと日通し安値を更新した。米10年債利回りが4.23%台まで上昇したことも相場の重し。
ハセット米国家経済会議(NEC)委員長はこの日、「関税に関する何らかのニュースが本日中にあるだろう」と述べたほか、「中国との通商交渉は順調に進んでいる」などと発言。米国と貿易相手との関税を巡る交渉が進展するとの期待もドル買いを誘った。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.38まで上昇した。
・ユーロ円は堅調。日銀の早期利上げ観測の後退を背景に全般円売りが進行。関税を巡る交渉の進展期待や予想を上回る米指標などを受けて、日米株価指数が上昇したことも相場の押し上げ要因。3時過ぎには一時164.34円と本日高値を更新した。
ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時193.37円、豪ドル円は92.89円、NZドル円は85.98円、カナダドル円は105.19円、南アフリカランド円は7.85円、メキシコペソ円は7.43円まで値を上げた。
・ロンドン株式相場は小幅ながら14日続伸。ロールス・ロイス・ホールディングスなど好業績を発表した銘柄を中心に買いが入った。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株も値上がりした。ただ、足もとで相場上昇が続いているだけに、短期的な過熱感から利益確定目的の売りが出ると下げに転じる場面もあった。
・フランクフルト株式相場はレーバーデーのため休場となった。
・欧州債券相場で英国債は下落した。
5月1日の日経平均は大幅に6日続伸。終値は406円高の36452円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり590/値下がり988。米国で決算を発表したマイクロソフトやメタが時間外で買われたことを手がかりに、アドバンテストやディスコなど半導体株の多くが大幅上昇。フジクラ、日立、リクルート、任天堂などグロース系の銘柄に強い買いが入った。業績関連のリリースを材料にJR東海やHOYAが急伸。北海道電力やBIPROGYはストップ高まで買われており、配当性向の引き上げなどを発表したストライクはストップ高比例配分となった。
半面、半導体株の多くが買われる中、決算を発表した東京エレクトロンは小幅な下落。日銀会合の結果発表後に三菱UFJや三井住友など銀行株が売りに押された。商船三井が連日の大幅安となっており、海運株が全般軟調。業績関連のリリースで関西電力や大塚商会が大きく売られており、今期が大幅減益見込みとなった村田製作所が12.8%安と急落した。
日経平均は日銀会合を消化して大幅高。6日続伸かつ、そのいずれも3桁の上昇と強い動きが続いた。あすは米4月雇用統計の発表前で、東京市場は来週月曜と火曜が休場となる。それでも、6日続伸する中で2000円超水準を切り上げているだけに、売り急ぎは抑制されるだろう。日銀会合の結果が出て以降、ドル円が円安に振れている。この流れが継続するなら大型外需には支援材料となる。本日の米国でマイクロソフトやメタが上昇するであろうことは織り込みが進んでいるが、先回りで買われた半導体株が反動売りに押されなければ、連休前にもう一段上を試す展開も期待できる。
(1日終値)
ドル・円相場:1ドル=145.39円(前営業日比△2.32円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.18円(△2.17円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1290ドル(▲0.0038ドル)
ダウ工業株30種平均:40752.96ドル(△83.60ドル)
ナスダック総合株価指数:17710.74(△264.40)
10年物米国債利回り:4.22%(△0.06%)
WTI原油先物6月限:1バレル=59.24ドル(△1.03ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3222.2ドル(▲96.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月米企業の人員削減数
(前年比) 62.7% 204.8%
前週分の米新規失業保険申請件数
24.1万件 22.3万件・改
4月米製造業PMI改定値
50.2 50.7
4月米ISM製造業景況指数
48.7 49.0
3月米建設支出
(前月比) ▲0.5% 0.6%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は大幅に3日続伸。日銀金融政策決定会合の結果や植田和男日銀総裁の記者会見の内容を受けて、日銀が追加利上げに慎重との見方が広がる中、NY市場に入っても円を売る動きが継続した。4月米ISM製造業景況指数が48.7と予想の48.0を上回ると全般ドル買いも優勢となり、一時145.73円と4月10日以来の高値を付けた。
ダウ平均が一時430ドル超上昇したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比520円高の3万7070円まで上昇したことも円売り・ドル買いを促した。
・ユーロドルは3日続落。20時30分前に一時1.1341ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。予想を上回る米ISM製造業景況指数をきっかけに全般ドル買いが進むと一時1.1266ドルと日通し安値を更新した。米10年債利回りが4.23%台まで上昇したことも相場の重し。
ハセット米国家経済会議(NEC)委員長はこの日、「関税に関する何らかのニュースが本日中にあるだろう」と述べたほか、「中国との通商交渉は順調に進んでいる」などと発言。米国と貿易相手との関税を巡る交渉が進展するとの期待もドル買いを誘った。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.38まで上昇した。
ただ、引けにかけては下げ渋った。ユーロ円の上昇につれた買いが入ったほか、4月15日の安値1.1264ドルが目先サポートとして意識された。
・ユーロ円は4日ぶりに大幅反発。日銀の早期利上げ観測の後退を背景に全般円売りが進行。米関税を巡る交渉の進展期待や予想を上回る米指標などを受けて、日米株価指数が上昇したことも相場の押し上げ要因。4時過ぎには一時164.46円と1月7日以来の高値を更新した。
ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時193.46円、豪ドル円は93.06円、NZドル円は86.10円、カナダドル円は105.28円、南アフリカランド円は7.85円、メキシコペソ円は7.43円まで値を上げた。
(1日終値)
ドル・円相場:1ドル=145.39円(前営業日比△2.32円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.18円(△2.17円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1290ドル(▲0.0038ドル)
ダウ工業株30種平均:40752.96ドル(△83.60ドル)
ナスダック総合株価指数:17710.74(△264.40)
10年物米国債利回り:4.22%(△0.06%)
WTI原油先物6月限:1バレル=59.24ドル(△1.03ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3222.2ドル(▲96.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月米企業の人員削減数
(前年比) 62.7% 204.8%
前週分の米新規失業保険申請件数
24.1万件 22.3万件・改
4月米製造業PMI改定値
50.2 50.7
4月米ISM製造業景況指数
48.7 49.0
3月米建設支出
(前月比) ▲0.5% 0.6%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は大幅に3日続伸。日銀金融政策決定会合の結果や植田和男日銀総裁の記者会見の内容を受けて、日銀が追加利上げに慎重との見方が広がる中、NY市場に入っても円を売る動きが継続した。4月米ISM製造業景況指数が48.7と予想の48.0を上回ると全般ドル買いも優勢となり、一時145.73円と4月10日以来の高値を付けた。
ダウ平均が一時430ドル超上昇したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比520円高の3万7070円まで上昇したことも円売り・ドル買いを促した。
・ユーロドルは3日続落。20時30分前に一時1.1341ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。予想を上回る米ISM製造業景況指数をきっかけに全般ドル買いが進むと一時1.1266ドルと日通し安値を更新した。米10年債利回りが4.23%台まで上昇したことも相場の重し。
ハセット米国家経済会議(NEC)委員長はこの日、「関税に関する何らかのニュースが本日中にあるだろう」と述べたほか、「中国との通商交渉は順調に進んでいる」などと発言。米国と貿易相手との関税を巡る交渉が進展するとの期待もドル買いを誘った。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.38まで上昇した。
ただ、引けにかけては下げ渋った。ユーロ円の上昇につれた買いが入ったほか、4月15日の安値1.1264ドルが目先サポートとして意識された。
・ユーロ円は4日ぶりに大幅反発。日銀の早期利上げ観測の後退を背景に全般円売りが進行。米関税を巡る交渉の進展期待や予想を上回る米指標などを受けて、日米株価指数が上昇したことも相場の押し上げ要因。4時過ぎには一時164.46円と1月7日以来の高値を更新した。
ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時193.46円、豪ドル円は93.06円、NZドル円は86.10円、カナダドル円は105.28円、南アフリカランド円は7.85円、メキシコペソ円は7.43円まで値を上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は8日続伸。四半期決算の内容が好感されたマイクロソフトやメタ・プラットフォームズなどが買われ、相場の押し上げ要因となった。4月米ISM製造業景況指数が予想を上回ったことも投資家心理の改善につながり、株買いを促した。指数は一時430ドル超上昇する場面があった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは8日ぶりに反落。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったことが分かると買いが先行したものの、その後発表の4月米ISM製造業景況指数が予想を上回ったことが伝わると一転売りが優勢となった。
・原油先物相場は4日ぶりに反発。昨日の「サウジアラビアは追加減産に否定的」という報道が時間外でも重しとなり、ロングの投げを巻き込みながら一時56ドル台で大きく下値を広げた。もっとも、ニューヨーク勢の本格参入後からは買い戻しが優勢に。足もとで下落が続いた反動や金融市場全般のリスクオン、またトランプ米大統領がイラン産石油の購入者に二次的な制裁を課す考えを示したことなどが相場を押し上げた。
・金先物相場は大幅に3日続落。トランプ関税を巡る米中協議が本格化するとの期待感、また米・ウクライナが鉱物資源協定に署名したことはロシアに対して一定の抑止力になるとの思惑、米ハイテク企業の好調な決算などリスク志向に繋がる材料は多かった。為替でドル高が進んだ影響もドル建て金の重しとなり、下げ幅は一時110ドル近くまで広がった。
1日06:42 トランプ米大統領
「金利は低下すべきだ」
「金利に関してパウエル議長より私の方が詳しい」
「FRB当局者のことはあまり好きではない」
1日07:48 グリア米通商代表部(USTR)代表
「一部の国との関税合意は数週間以内と見込む」
「中国とは正式な協議はしていない」
1日12:16 日本銀行声明
「各国の通商政策等の影響を受けて、海外経済が減速」
「わが国企業の収益なども下押しされるもとで成長ペースは鈍化」
「(リスク要因)とくに各国の通商政策等の今後の展開やその影響を受けた海外の経済・物価動向を巡り不確実性」
「その金融・為替市場やわが国経済・物価への影響につい十分注視する必要」
「消費者物価、伸び悩むものの、見通し期間後半には『物価安定の目標』と整合的な水準へ」
「経済・物価の見通し実現なら、引き続き金利引き上げ」
「現在の実質金利、極めて低い水準にある」
1日15:34 植田日銀総裁
「トランプ関税による不確実性は極めて高い」
「各国の通商政策の帰趨などで、経済・物価見通しは大きく変化しうる」
「中心的な見通しを巡る不確実性は従来以上に大きい」
「見通し実現なら政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整」
「見通しが実現していくか予断を持たずに判断していくことが重要」
「見通し期間内に基調物価が目標と整合的水準になるのは不変」
「基調的な物価は、いったん伸び悩んだ後に徐々に高まる」
「関税の影響で成長率は下振れ、物価も伸び悩みの状態に入る」
「賃金と物価の好循環は継続していく」
「基調物価2%推移の時期はやや後ずれしている姿」
「関税政策で大きな動きがあれば、中心的見通しは変わり得る」
「足元までは、経済と物価は概ねオントラック」
「金融政策としての対応は短期金利操作を中心に行う」
「どこで見通しの実現確度に自信が持てるか、何とも言いにくい」
「スタグフレーションへの対応、現時点で決め打ちするのは難しい」
「関税政策の見極めは、90日間の猶予期間が一つのポイント」
「関税の経済への影響は、これまでにない規模で不確実性大きい」
「次の利上げのタイミングは、見通し変更の有無などで前後する」
「2%到達時期と利上げのペースの後ずれ、必ずしも同じではない」
「基調的な物価上昇率は、これまでのところゆっくりとした上昇」
「政策維持の背景は、通商政策や内外経済を巡る不確実性が極めて高いこと」
「見通し期間内に物価目標到達が見通せるため、利上げ方針は維持する」
「日本のこれまでの経済指標は、堅調を維持している」
「関税の影響が一巡すれば、人手不足対応の設備投資が経済を牽引する」
「関税政策の影響は、現時点で過大評価することもあってはならない」
「去年半ば過ぎからの食料価格の上昇はやや誤算だった」
「実質賃金の上昇が個人消費を支える見通し」
「サービス価格への波及が思ったほどではない」
「関税90日の猶予期間で、ある程度不確実性が低下するとみている」
「関税の中立金利への影響は、言い難い」
「為替はファンダメンタルズに沿って安定推移することが望ましい」
「基調的物価が伸び悩んでいる時に無理に利上げはしない」
「中国との関税合戦では段階的な緩和が必要」
「中国がまず高関税を引き下げる必要がある」
「ウクライナとの鉱物資源協定はロシアへの強いシグナル」
「本日、日本との通商協議を行う」
「私は、欧州連合(EU)との通商協議には関与していない」
「第1四半期国内総生産(GDP)は改善されると予想している」
「我々の政策は、インフレを鎮静化させる」
1日21:22 ハセット米国家経済会議(NEC)委員長
「中国との通商交渉は順調に進んでいる」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◎ 3月完全失業率(予想:2.4%)
○08:30 ◎ 3月有効求人倍率(予想:1.25倍)
○08:50 ◇ 4月マネタリーベース
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
<海外>
○07:45 ◎ 3月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○10:30 ◎ 1-3月期豪卸売物価指数(PPI)
○10:30 ◎ 3月豪小売売上高(予想:前月比0.4%)
○16:00 ◇ 4月トルコ製造業購買担当者景気指数(PMI)
○16:30 ◇ 4月スイス製造業PMI(予想:48.6)
○16:50 ◎ 4月仏製造業PMI改定値(予想:48.2)
○16:55 ◎ 4月独製造業PMI改定値(予想:48.0)
○17:00 ◎ 4月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:48.7)
○17:30 ◎ 1-3月期香港域内総生産(GDP)速報値(予想:前期比1.3%/前年比2.0%)
○18:00 ☆ 4月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比2.1%)
○18:00 ☆ 4月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比2.5%)
○18:00 ◎ 3月ユーロ圏失業率(予想:6.1%)
○21:30 ☆ 4月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化13.0万人/失業率4.2%/平均時給、前月比0.3%/前年比3.9%)
○23:00 ◎ 3月米製造業新規受注(予想:前月比4.5%)
○24:00 ◇ 4月メキシコ製造業PMI
○中国(労働節)、ロシア(振替休日)、休場
○3日 豪総選挙
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、日銀金融政策決定会合の結果や植田和男日銀総裁の記者会見の内容を受けて、日銀が追加利上げに慎重との見方が広がる中、NY市場に入っても円を売る動きが継続した。4月米ISM製造業景況指数が48.7と予想の48.0を上回ると全般ドル買いも優勢となり、一時145.73円と4月10日以来の高値を付けた。ユーロドルは、一時1.1266ドルまで弱含んだ。
本日の東京時間でドル円は、現在進行形と思われる日米関税交渉の結果次第の動きになりそうだ。結果次第で日銀金融政策決定会合のドル円の上昇基調が続くのか、もしくは昨日の上げ幅を帳消しにするかになる。
支持率が急落しているトランプ政権にとっては、関税交渉で何某らかの前向きな結果を示したい。今回の交渉を下地に、6月にカナダで開催されるG7サミットで石破首相とトランプ米大統領が合意を発表する道筋を立てたいだろう。一方で、同じく支持率が低い石破政権は、7月までに行われる参議院選挙で国民の支持率の更なる低下につながるような同意は避けたく、合意結果は参議院選挙後に判明するようにしたいと思われる。
本邦の報道によると、交渉カードの1つ目は自動車に関する規制について、2つ目は農産物の輸入となっている。このこともあってか、昨日石破首相はトヨタ自動車の豊田会長と会談している。石破首相が高校・大学の同窓でもある豊田会長に、日本の自動車企業の米国への多額投資をさらに促すことを依頼した可能性もある。ただ、自動車や農産物だけでトランプ政権が満足できるとも思えず、交渉が前に進まないかもしれない。
更に、警戒しなくてはならないのは、昨日日銀が政策金利を据え置き、円安が進んでいることである。先月28日にベッセント米財務長官は「欧州中央銀行(ECB)は、ユーロを下落させるために利下げを行うだろう」と発言したように、トランプ政権は米国以外の国の低金利政策は「自国通貨安・ドル高に結び付けている」との認識を持っているようだ。早朝に加藤財務相は先の日米財務相会談で「為替の水準のあるべき議論は全くなかった」と改めて言及した。ただ、日本の交渉カードが少ない中で、為替がカードの1つになる可能性も依然としてあることは念頭に入れておきたい。
なお、本日は本邦からは3月の完全失業率等の経済指標が発表されるが、市場の注目はNY時間午前の4月の米雇用統計になる。東京時間では引き続きボラタイルな値動きになりそうだが、米雇用統計後には全く違った相場展開にもなりかねないことも注意したい。
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 36760 +210 (+0.57%)
TOPIX先物 2694.0 +10.0 (+0.37%)
シカゴ日経平均先物 36845 +295
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
1日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。前日夕に予想を上回る決算を発表したマイクロソフト<MSFT>が大幅高となり、NYダウを押し上げた。同じく決算評価からメタプラットフォームズ<META>も大幅に上昇するなか、他のハイテク株に買いが広がった。4月の米ISM製造業総合景況指数は0.3ポイント低下の48.7だった。5カ月ぶりの低水準となったものの、市場予想を上回ったことでセンチメントを支えた。
S&P500業種別指数は、ソフトウエア・サービス、メディア、小売、半導体・同製造装置が上昇。一方で医薬品・バイオテクノロジー、家庭用品・パーソナル用品、保険、食品・飲料・タバコの下げが目立った。NYダウ構成銘柄では、マイクロソフトのほか、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、エヌビディア<NVDA>、キャタピラー<CAT>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>が買われた。半面、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、アムジェン<AMGN>、メルク<MRK>が下落。
シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比295円高の3万6845円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中比50円高の3万6600円で始まり、上げ幅を広げ3万6670円~3万6860円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の開始後にレンジを上抜け、3万7070円まで買われる場面もみられた。終盤にかけてはロング解消の動きから上げ幅を縮め、3万6760円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。ナイトセッションで3万7070円まで買われる場面もみられ、75日移動平均線(3万7000円)を捉えてきたことで、ショートカバーの動きが強まりやすいだろう。節目の3万7000円回復でいったんは達成感が意識されやすい面はありそうだが、13週線(3万6560円)を支持線とした押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
米国ではマイクロソフトやメタプラットフォームズの上昇が好感された。これについては前日の時間外取引で急伸していたこともあり、織り込まれている。1日の取引終了後にはアップル<AAPL>とアマゾン・ドット・コムが決算を発表したが、いずれも時間外取引では弱い値動きで推移しているため、積極的なロングを手控えさせそうだ。
赤沢亮正経済財政再生相は日本時間朝、ベッセント米財務長官らと関税を巡る2回目の協議を始めた。楽観は禁物であるが、前回の協議では両国の良好な関係を確認している。関連する報道がアルゴリズム発動のトリガーになる可能性もあるため、ショートは避けておきたいところである。
為替市場では円相場が1ドル=145円台で推移している。日銀は前日の金融政策決定会合で、今年度の経済成長率の見通しを下方修正し、利上げは後ずれするとの見方が高まった。円安の動きもショートを仕掛けづらくさせるだろう。
そのため、オプション権利行使価格の3万6500円から3万7000円のレンジを想定する。75日線を明確に上抜けてくる局面においては、200日線が位置する3万7680円辺りにレンジ上限が切り上がる。
1日の米VIX指数は24.60(30日は24.70)に低下した。75日線(22.47)が支持線として意識されているなかで小動きでの推移だった。25日線(30.34)辺りを上抜けてくるまでは、リスク選好に向かわせそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.61倍に上昇。25日線(13.55倍)を明確に上回ってきた。アドバンテスト<6857.T>[東証P]が6%を超える上昇で日経平均型を牽引。一方で、日銀会合の結果判明後は銀行株の弱さが目立ち、TOPIX型の重荷になっていた。本日は連休前で手掛けづらいところだが、リバランスの動きからNTショートを巻き戻す流れが強まる可能性はありそうだ。
東京市場は堅調か。米国株は上昇。ダウ平均は83ドル高の40752ドルで取引を終えた。決算を発表したマイクロソフトとメタが大きく上昇したことで、全体でも買いが優勢となった。終盤には値を消したものの3指数がそろって上昇し、ダウ平均とS&P500は8日続伸している。ドル円は足元145円30銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて295円高の36845円、ドル建てが365円高の36915円で取引を終えた。
マイクロソフトとメタの上昇に関しては、東京市場ではきのうの時間外の動きで先んじて織り込んでいる。決算を発表したアップルとアマゾンが時間外で下落しており、日本のハイテク株への好影響は限られるだろう。それでも、米国株の上昇が続いている点は安心材料。ドル円の145円台乗せも日本株をサポートする。本日は米国で4月雇用統計が発表されるが、結果次第ではもう一段円安が進む可能性もある。連休前でも売りは手控えられ、高く始まって強い基調が続くと予想する。なお、日米で2回目の関税交渉が行われており、関連ニュースに振らされる可能性がある点には留意したい。日経平均の予想レンジは36550円-37050円。
昨日のドル円は、植田日銀総裁の定例記者会見中に144.74円まで上昇。会見後の利食い売りや米新規失業保険申請件数が予想を下回る弱い数字となったことを受けて米長期金利が低下幅をひろげたことから144.15円まで下押す場面もみられましたが、4月米ISM製造業景気指数が予想を上回る強い結果となると、米10年債利回りが一転して4.2388%まで急騰。つれるかたちで145.73円まで買い上げられました。
アジア時間に入ってからも、4連休前の週末とあって本邦実需の買いが断続的に観測されるなか、中国商務省が「米との通商協議の可能性を現在評価している」ことを表明。仲値にかけては一時145.92円まで高値を更新することになりました。昨日の安値からは3円以上の大幅な上昇となっていますが、4月からのトランプ関税相場における4円の乱高下を経験している市場にとっては、さもありなんといったところです。
ところで、昨日日銀が公表した展望レポートや植田日銀総裁の発言をみてもわかるように、今回のトランプ関税が引き起こしている「不確実性(uncertainty)」の影響の大きさは想像を絶するものがあります。あれだけ「目標実現の確度が高くなっている」との見解を繰り返していた植田総裁でさえも、実現時期を1年後ろ倒しせざるを得ない状況となっているわけで、パウエルFRB議長にしても、3月FOMCの会見で何度このuncertaintyとの言葉を繰り返していたか。日米の金融政策の方向性は違えど、その実現に向けた障壁という意味では、最大限の非関税障壁をトランプ政権自身が作り上げてしまっているといえます。
また、一昨日の4月末に公表された1-3月期米GDP速報値においても、トランプ米大統領は「バイデン政権のものだ」と我関せずといったところでしたが、この内訳をみれば一目瞭然。米国民が関税前に駆け込みで輸入車など高額の商品を買い漁っていたからでしょうか、輸入額の50%を超える急増に伴う貿易赤字。GDPへの寄与度が▲4.830%になったことが真の理由となっています。逆にコアPCEや個人所得といった部分は予想を超える上昇幅となっていたわけで、米10年債利回りがGDP発表直後に急騰したこととも無関係ではありません。
いずれにしても、何度もお伝えしている通り、市場は既にトランプ関税に対しての嫌悪感や拒否感を米トリプル安という最大限のリスクオフで示してしまっている以上、そしてトランプ政権がこのトリプル安を絶対阻止する姿勢を示している以上、残された道はそれらを緩和させていく方向しかないわけで、ドル円は個別に抱えてしまった史上最高水準の円ロングポジションの解消へと舵を切っているといえます。
日経225先物は11時30分時点、前日比200円高の3万6750円(+0.54%)前後で推移。寄り付きは3万6730円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万6845円)にサヤ寄せする形で、買い先行から始まった。現物の寄り付き直前につけた3万6650円を安値にロング優勢の動きが強まり、中盤にかけて3万7010円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は上げ幅を縮め、終盤にかけては3万6700円近辺での推移をみせている。
日経225先物は3万7000円を回復した後は上げ幅を縮めているが、13週移動平均線(3万6560円)が支持線として意識されている。赤沢亮正経済財政再生相はベッセント米財務長官らと関税を巡る2回目の協議を終え、貿易拡大などで具体的な議論を行ったとし、次回協議は5月中旬で調整すると述べた。詳細は明らかにされなかったこともあり、手掛かり材料難から中盤以降はロング解消の動きもあったようだ。ただし、中国商務省は米国との通商協議の可能性を検討しており、米中協議への期待から押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で13.67倍に上昇。前日に25日線突破からボリンジャーバンドの+1σ(13.63倍)を捉え、本日は+2σ(13.70倍)水準まで切り上がってきた。4月以降の-1σと+1σでのレンジを上抜けてきたことで、NTショートを巻き戻す動きが強まりそうだ。
本日のロンドン為替市場では、欧州で発表される経済指標を確認しつつ、NY序盤の米3月雇用統計を待つ展開となるか。
経済指標で気になるのは、ユーロ圏4月消費者物価指数(HICP)速報値だろう。市場予想は前年比が+2.1%、コア・前年比は+2.5%(3月は前年比+2.2%、コア・前年比+2.4%)となっている。先月30日に仏・独で発表された消費者物価指数(CPI)はいずれも前年比で予想を上回る伸びとなった。本日のHICPは、コアはともかく前年比で伸び鈍化予想となっており、予想外に上振れこともあり得る。
とはいえ、仮に上振れてもユーロ相場を大きく動かす動きにはつながりにくいかもしれない。なぜなら、市場では次回6月の欧州中銀(ECB)理事会での0.25%利下げが見込まれており、予想比で多少の上下程度ならば市場の金利見通しに与える影響は限定的となると予想されるため。また、市場の関心がトランプ関税の行方や日銀の利上げ後ずれ観測、米景気後退に集まりやすいこともあり、ユーロ主導の展開にはなりにくいとみる。
そのほか、仏・独・ユーロ圏で4月製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表予定。ただ、こちらは改定値のため、予想外の結果が相次がないとユーロ相場への影響は限られる見通し。なお、本日は主だった要人発言は予定されていない。
これらを消化すると、NY序盤に発表が予定されている米4月雇用統計を前に、結果を見極めたいとして相場全体に手控えムードが広がることが予想される。
想定レンジ上限
・ユーロドル:日足一目均衡表・転換線1.1407ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル:日足一目均衡表・基準線1.1169ドル
■各社予想 4月米非農業部門雇用者数
JPモルガン +12.5万人
第一生命経済研究所 +16.6万人
ドイツ証券 +12.5万人
バークレイズ・キャピタル +12.5万人
BNPパリバ +13.5万人
HSBC +7.5万人
モルガン・スタンレー +13.5万人
市場コンセンサス +13.0万人
前回 +22.8万人
■各社予想 4月米非農業部門雇用者数
JPモルガン +12.5万人
第一生命経済研究所 +16.6万人
ドイツ証券 +12.5万人
バークレイズ・キャピタル +12.5万人
BNPパリバ +13.5万人
HSBC +7.5万人
モルガン・スタンレー +13.5万人
市場コンセンサス +13.0万人
前回 +22.8万人
■各社予想 4月米失業率
JPモルガン 4.2%
第一生命経済研究所 4.2%
ドイツ証券 4.2%
バークレイズ・キャピタル 4.2%
BNPパリバ 4.2%
HSBC 4.2%
モルガン・スタンレー 4.2%
市場コンセンサス 4.2%
前回 4.2%
■各社予想 4月米失業率
JPモルガン 4.2%
第一生命経済研究所 4.2%
ドイツ証券 4.2%
バークレイズ・キャピタル 4.2%
BNPパリバ 4.2%
HSBC 4.2%
モルガン・スタンレー 4.2%
市場コンセンサス 4.2%
前回 4.2%
■各社予想 4月米平均時給(前月比)
JPモルガン +0.3%
第一生命経済研究所 +0.3%
ドイツ証券 +0.3%
バークレイズ・キャピタル +0.3%
BNPパリバ +0.3%
HSBC +0.3%
モルガン・スタンレー +0.3%
市場コンセンサス +0.3%
前回 +0.3%
■各社予想 4月米平均時給(前月比)
JPモルガン +0.3%
第一生命経済研究所 +0.3%
ドイツ証券 +0.3%
バークレイズ・キャピタル +0.3%
BNPパリバ +0.3%
HSBC +0.3%
モルガン・スタンレー +0.3%
市場コンセンサス +0.3%
前回 +0.3%
■各社予想 4月米平均時給(前年比)
JPモルガン +3.9%
第一生命経済研究所 +3.9%
バークレイズ・キャピタル +3.9%
BNPパリバ +3.9%
HSBC +3.9%
モルガン・スタンレー +3.9%
市場コンセンサス +3.9%
前回 +3.8%
■各社予想 4月米平均時給(前年比)
JPモルガン +3.9%
第一生命経済研究所 +3.9%
バークレイズ・キャピタル +3.9%
BNPパリバ +3.9%
HSBC +3.9%
モルガン・スタンレー +3.9%
市場コンセンサス +3.9%
前回 +3.8%
SMBC日興証券では、日銀会合で追加利上げが見送られたことを受けて、適正な政策金利の水準について考察している。現在の日本経済・物価の実力にあった政策金利は、自然利子率を-0.5%、基調的インフレ率を+1.4%とすると+0.9%となるとのこと。今後、基調的インフレ率が低下しなければ、1回の追加利上げが妥当になるとしている。日銀は年内の利上げを見送り、トランプ関税のショックが一服し、かつ、来年の春闘賃上げ率が引き続き良好であれば、来年3月頃に追加利上げを行うのでないかとSMBC日興ではコメントしている。
ドル円:1ドル=145.25円(前営業日NY終値比▲0.14円)
ユーロ円:1ユーロ=164.26円(△0.08円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1307ドル(△0.0017ドル)
日経平均株価:36830.69円(前営業日比△378.39円)
東証株価指数(TOPIX):2687.78(△8.34)
債券先物6月物:141.19円(△0.02円)
新発10年物国債利回り:1.265%(▲0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月完全失業率
2.5% 2.4%
3月有効求人倍率
1.26倍 1.24倍
4月マネタリーベース
前年同月比 ▲4.8% ▲3.1%
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
4352億円の取得超 2182億円の所得超・改
対内株式
2783億円の取得超 7056億円の所得超
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。中国商務省が「米国との貿易協議の可能性を検討する」との見解を示したことを受け、米中貿易摩擦を巡る懸念が緩和。赤沢経済再生相が「為替や安全保障については議論にならなかった」などと発言したことも相場の支えとなり、一時145.92円まで値を上げた。ただ、節目の146.00円手前で上値の重さが意識されると、今晩の米雇用統計などを見極めたいとの思惑もあり、一巡後は持ち高調整目的の売りが優勢に。東京午後には145.05円まで押し戻された。
・ユーロドルは小高い。特段の手掛かり材料は伝わらなかったが、昨日安値の1.1266ドル手前で下値の堅さを確認すると、対円などドル売りが進んだ流れに沿って1.1329ドルまで買い戻された。
・ユーロ円はもみ合い。日本株高やドル円の上昇につれて164.63円まで買われる場面があったものの、一巡後は164円台前半でのもみ合いに転じた。
・日経平均株価は7日続伸。前日の米国株式相場が上昇した流れを引き継いだ。外国為替市場で円安が進行したことを受けて自動車など輸出関連株を中心に買いが集まり、指数は一時520円超高まで上昇。ただ、連休前とあって節目の3万7000円手前では利益確定目的の売りが入り、上値を抑制した。
・債券先物相場は小幅に4日続伸。米中貿易摩擦の緩和期待から安全資産とされる債券には売りが出た。もっとも、本日実施された流動性供給入札が「強めの結果だった」と受け止められると買い戻しが入った。
ドル円:1ドル=145.25円(前営業日NY終値比▲0.14円)
ユーロ円:1ユーロ=164.26円(△0.08円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1307ドル(△0.0017ドル)
日経平均株価:36830.69円(前営業日比△378.39円)
東証株価指数(TOPIX):2687.78(△8.34)
債券先物6月物:141.19円(△0.02円)
新発10年物国債利回り:1.265%(▲0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月完全失業率
2.5% 2.4%
3月有効求人倍率
1.26倍 1.24倍
4月マネタリーベース
前年同月比 ▲4.8% ▲3.1%
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
4352億円の取得超 2182億円の所得超・改
対内株式
2783億円の取得超 7056億円の所得超
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。中国商務省が「米国との貿易協議の可能性を検討する」との見解を示したことを受け、米中貿易摩擦を巡る懸念が緩和。赤沢経済再生相が「為替や安全保障については議論にならなかった」などと発言したことも相場の支えとなり、一時145.92円まで値を上げた。ただ、節目の146.00円手前で上値の重さが意識されると、今晩の米雇用統計などを見極めたいとの思惑もあり、一巡後は持ち高調整目的の売りが優勢に。東京午後には145.05円まで押し戻された。
・ユーロドルは小高い。特段の手掛かり材料は伝わらなかったが、昨日安値の1.1266ドル手前で下値の堅さを確認すると、対円などドル売りが進んだ流れに沿って1.1329ドルまで買い戻された。
・ユーロ円はもみ合い。日本株高やドル円の上昇につれて164.63円まで買われる場面があったものの、一巡後は164円台前半でのもみ合いに転じた。
・日経平均株価は7日続伸。前日の米国株式相場が上昇した流れを引き継いだ。外国為替市場で円安が進行したことを受けて自動車など輸出関連株を中心に買いが集まり、指数は一時520円超高まで上昇。ただ、連休前とあって節目の3万7000円手前では利益確定目的の売りが入り、上値を抑制した。
・債券先物相場は小幅に4日続伸。米中貿易摩擦の緩和期待から安全資産とされる債券には売りが出た。もっとも、本日実施された流動性供給入札が「強めの結果だった」と受け止められると買い戻しが入った。
中国商務部は2日、中米経済貿易協議の進展に関し、記者会見の形式をとった談話をウェブサイト上で公表した。
―― 記者 最近、米国側は中国側と経済・貿易問題について交渉を行っており、合意に達するとの発言を繰り返している。これについて商務部として何か新たな情報やコメントはあるか。
報道官 中国側は、米国の高官が繰り返し、中国側と関税問題について交渉を望んでいるとの意向を示していることに留意している。同時に、米国側は最近、関係ルートを通じてたびたび中国側に意思を伝えており、交渉を望んできている。これに対して中国側は現在、評価を行っている。
中国側の立場は一貫しており、戦うのであれば、最後まで付き合う。話し合うのであれば、門は開かれている。関税戦争や貿易戦争は米国側が一方的に始めたものであり、米国側が交渉を望むならば、誠意を示すべきである。誤ったやり方の是正、そして一方的な追加関税の撤回といった問題に対し、準備と具体的な行動をとる必要がある。われわれは、米国側が最近、関税措置の調整に関する情報を流していることにも注目している。
中国側が強調したいのは、今後あり得るいかなる対話や会談においても、米国側が誤った一方的関税措置を是正しないのであれば、それは誠意がまったくないことを意味し、双方の相互信頼をさらに損なうことになるという点だ。言うこととやることが異なり、さらには対話を口実に脅迫や恐喝を行おうとするならば、それは中国側には通用しない。
「基調物価の2%目標達成の後ずれは、利上げ時期の後ずれを必ずしも意味しない」
(植田日銀総裁)
2024年7月の日銀金融政策決定会合で0.25%への利上げを決定した時、植田日銀総裁は「0.5%が壁になるとは認識していない」とタカ派宣言をした。
2025年5月の日銀金融政策決定会合では、植田日銀総裁はハト派的据え置きを決定し、市場では0.5%の壁での打ち止め観測が高まっている。
1.2025年7月の予定
・4日:トランプ減税成立期限(ベッセント米財務長官)
・9日:トランプ相互関税発動(90日間の猶予切れ)
・20日:参議院選挙投開票(予定)
・30-31:日銀金融政策決定会合
2.日銀金融政策決定会合(4/30-5/1):ハト派的据え置き
5月1日の日銀金融政策決定会合では、政策金利の無担保コール翌日物金利を0.5%程度に据え置くことを全員一致で決定された。そして、トランプ関税を受けて高まる世界経済の不確実性を踏まえて、2%の物価安定目標の実現時期を従来の想定よりも1年程度先送りした。しかし、日銀の経済・物価見通しが実現していけば、利上げで金融緩和度合いを調整するという従来の方針は維持した。
■経済・物価情勢の展望(展望リポート)
・基調的な物価上昇率が物価目標とおおむね整合的な水準で推移する時期を、2025-27年度の「見通し期間後半」と記述。1月リポートでは、2024-26年度だった。
【経済・物価見通し】25年度と26年度は下振れリスクの方が大きい
《実質国内総生産(GDP)》 《コアCPI(生鮮食品を除く)》
2025年度:+0.5%(前回+1.1%) +2.2%(前回+2.4%)
2026年度:+0.7%(前回+1.0%) +1.7%(前回+2.0%)
2027年度:+1.0% +1.9%
3.植田日銀総裁
■タカ派
・新たな見通しの実現に自信がかなり持てれば、利上げになる可能性は十分にある
・現在の実質金利は極めて低い水準にあり、日銀の見通しが実現していくとすれば経済・物価情勢の改善に応じて利上げしていくことになる
・基調的な物価上昇率が2%に到達する可能性が高いと判断すれば利上げする
■ハト派
・経済・物価の中心的見通しの確度はこれほどまでには高くない
・各国の通商政策を巡る不確実性は極めて高く、見通しが実現していくか予断を持たずに判断していく
「基調物価の2%目標達成の後ずれは、利上げ時期の後ずれを必ずしも意味しない」
(植田日銀総裁)
2024年7月の日銀金融政策決定会合で0.25%への利上げを決定した時、植田日銀総裁は「0.5%が壁になるとは認識していない」とタカ派宣言をした。
2025年5月の日銀金融政策決定会合では、植田日銀総裁はハト派的据え置きを決定し、市場では0.5%の壁での打ち止め観測が高まっている。
1.2025年7月の予定
・4日:トランプ減税成立期限(ベッセント米財務長官)
・9日:トランプ相互関税発動(90日間の猶予切れ)
・20日:参議院選挙投開票(予定)
・30-31:日銀金融政策決定会合
2.日銀金融政策決定会合(4/30-5/1):ハト派的据え置き
5月1日の日銀金融政策決定会合では、政策金利の無担保コール翌日物金利を0.5%程度に据え置くことを全員一致で決定された。そして、トランプ関税を受けて高まる世界経済の不確実性を踏まえて、2%の物価安定目標の実現時期を従来の想定よりも1年程度先送りした。しかし、日銀の経済・物価見通しが実現していけば、利上げで金融緩和度合いを調整するという従来の方針は維持した。
■経済・物価情勢の展望(展望リポート)
・基調的な物価上昇率が物価目標とおおむね整合的な水準で推移する時期を、2025-27年度の「見通し期間後半」と記述。1月リポートでは、2024-26年度だった。
【経済・物価見通し】25年度と26年度は下振れリスクの方が大きい
《実質国内総生産(GDP)》 《コアCPI(生鮮食品を除く)》
2025年度:+0.5%(前回+1.1%) +2.2%(前回+2.4%)
2026年度:+0.7%(前回+1.0%) +1.7%(前回+2.0%)
2027年度:+1.0% +1.9%
3.植田日銀総裁
■タカ派
・新たな見通しの実現に自信がかなり持てれば、利上げになる可能性は十分にある
・現在の実質金利は極めて低い水準にあり、日銀の見通しが実現していくとすれば経済・物価情勢の改善に応じて利上げしていくことになる
・基調的な物価上昇率が2%に到達する可能性が高いと判断すれば利上げする
■ハト派
・経済・物価の中心的見通しの確度はこれほどまでには高くない
・各国の通商政策を巡る不確実性は極めて高く、見通しが実現していくか予断を持たずに判断していく
大阪6月限
日経225先物 36810 +260 (+0.71%)
TOPIX先物 2687.0 +3.0 (+0.11%)
日経225先物(6月限)は前日比260円高の3万6810円で取引を終了。寄り付きは3万6730円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万6845円)にサヤ寄せする形で買いが先行した。現物の寄り付き直前につけた3万6650円を安値にロングが強まり、前場中盤に3万7010円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は上げ幅を縮め、前場終盤にかけては3万6650円~3万6750円処で推移。現物の後場開始後にレンジを上抜け、終盤に3万6950円まで切り返したが、3万7000円には届かず、引けにかけては持ち高調整のロング解消により上げ幅を縮めた。
日経225先物は3万7000円を回復した後は上げ幅を縮めているが、13週移動平均線(3万6570円)が支持線として意識された。同線を上回って終わるのは、1月3週(1月20日-24日)以来となる。赤沢亮正経済財政再生相はベッセント米財務長官らと関税を巡る2回目の協議を終えた。貿易拡大などで具体的な議論を行ったとし、次回協議は5月中旬で調整する。詳細は明らかにされなかったこともあり、報道が伝えられた後はロング解消の動きとなったようだ。ただし、中国商務省は米国との通商協議の可能性を検討しており、米中協議への期待からショートは仕掛けづらく、押し目狙いのロング対応に向かわせている。
日銀の利上げ時期が遠のくとの見方により、為替市場で円相場が1ドル=145円台と円安に振れて推移していたことも安心感につながったとみられる。13週線を下回ったとしても、ボリンジャーバンドの+1σ(3万6100円)と75日線(3万6990円)でのレンジが意識されやすいだろう。楽観は禁物だが、日本の連休期間中に米中対立が和らぐようだと、連休明け後に上のバイアスが強まる可能性がありそうだ。
昨年11月以降は3万8000円~4万円辺りのレンジでの推移が続いたが、トランプ政権による相互関税への警戒が強まり、2月下旬辺りからレンジを切り下げていた。3万8000円処が意識されてくるようだと、これまで積み上がっていたショートポジションを圧縮させる動きが加速するとみておきたい。
NT倍率は先物中心限月で13.69倍に上昇。前日に25日線突破からボリンジャーバンドの+1σ(13.63倍)を捉え、本日は+2σ(13.70倍)水準まで切り上がってきた。週足では1月下旬以降は13週線に上値を抑えられる形状である。同線は13.74倍辺りまで下がってきたため、同線を上抜いてくると、NTショートを巻き戻す動きが強まりそうだ。
手口面(6月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万0028枚、ソシエテジェネラル証券が1万4484枚、サスケハナ・ホンコンが4817枚、バークレイズ証券が2837枚、JPモルガン証券が2615枚、日産証券が1886枚、ゴールドマン証券が1864枚、モルガンMUFG証券が1797枚、SBI証券が1744枚、野村証券が1536枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万3040枚、ソシエテジェネラル証券が2万2538枚、モルガンMUFG証券が5373枚、バークレイズ証券が4572枚、JPモルガン証券が4523枚、ゴールドマン証券が3565枚、サスケハナ・ホンコンが2605枚、ビーオブエー証券が1449枚、みずほ証券が1214枚、野村証券が1022枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、米4月の雇用統計を見極めながら、トランプ米大統領の突発的な発言に警戒していく展開となる。
ドル円のテクニカル分析では、3/28の高値151.21円から4/22の安値139.89円までの下落幅の半値戻し145.55円(=日足一目均衡表・基準線)に到達しており、「半値戻しは全値戻し」を念頭に米4月雇用統計を見極めることになる。
米4月の雇用統計の予想は、失業率が4.2%で、3月と変わらず、非農業部門雇用者数は前月比+13.0万人で3月の+22.8万人からの増加幅の減少が見込まれている。
非農業部門雇用者数が最大予想の+16万人に近い数字だった場合は、ドル円は続伸が予想されることで、史上最大規模に膨れ上がっていたIMMシカゴ筋の円の買い持ちポジションが手仕舞われる可能性に警戒することになる。
最小予想の+8万人に近い数字だった場合は、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が高まることで、利下げを要請しているトランプ米大統領やベッセント米財務長官の発言に警戒することになる。
また、本日の加藤財務相の発言「日本が保有する米国債は、関税交渉のカードとしてはあるが、切るのか切らないのかは別の判断だ」に対するベッセント米財務長官の見解にも警戒しておきたい。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」は、来週のFOMCでは据え置きが予想されているが、6月FOMCでは利下げ再開(▲0.25%=4.00-25%)と見込まれており、9月、10月、12月と年内4回の利下げで12月のFF金利誘導目標は3.25-50%と見込まれている。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、146.54円(3/11安値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、143.89円(4/28高値)
日経新聞が報じたところによると、米国は関税で「合意枠組み案」を提示したようだ。車や鉄は交渉外の意向だという。これに対して日本側は反発していると伝わっている。
今晩は米中貿易交渉進展期待で堅調か。昨日は好決算を発表したマイクロソフトとメタ・プラットフォームズが大幅に上昇し、AIラリーが復活。ナスダック総合が一時2.73%高まで上昇後、1.52%高で終了し、S&P500が0.63%高、ダウ平均が83.6ドル高(+0.21%)とともに8営業日続伸した。引け後の動きでは、アップルが時間外で約4%下落。1-3月期決算で、投資家が注目するサービス収入が予想を下回ったことや、関税の影響で9億ドルのコスト増を見込むとしたことが嫌気された。アマゾン・ドット・コムも当四半期の営業利益見通しが予想を下回り、株価は時間外で3%超下落した。
今晩の取引ではアップルやアマゾンの下落が見込まれることが相場の重しとなることが懸念されるものの、アジア時間で中国が、米国が求める関税交渉について「評価中」と表明したことで米中貿易協議の進展期待が相場の支援となりそうだ。経済指標では4月雇用統計が注目される。非農業部門雇用者数(NFP)の市場予想は13.0万人増と、前月分の22.8万人増から減少が予想されており、失業率は4.2%と前月から横ばいが見込まれている。弱い雇用統計は利下げ期待を高める可能性があるものの、景気後退懸念が強まることも予想され、結果や市場の反応に要注目となる。
今晩の米経済指標は4月雇用統計のほか、3月耐久財受注改定値、3月製造業新規受注など。企業決算は寄り前にデュポン、シェブロン、エクソン・モービルなどが発表予定。
日経平均株価は7日続伸。マド開けを伴う買い先行から上値を伸ばす堅調な展開となった。心理的節目である37000円をつけることはできなかったが、連休前に大きくだれることなく陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の83.5%→83.6%(5/2)に横ばい。連休明けは上昇しやすいタイミングとなり、短期的な相場の見方に変化はない。直近高値更新が続いており、4/7安値(30792円)を起点とした目先波動は上昇継続の判断となる。
3/31の下落で形成したマド埋め(36864円)を達成し、次は75日移動平均線(37152円 5/2)や一目均衡表の雲下限(37592円 同)がターゲットになる。
一方、25日移動平均線(34688円 同)はまもなく下向きが横ばいに変化する可能性はあるが、同線との離れが株価の上値を抑える要因になるほか、基準線(34325円 同)の下向きが続くことで、揺り戻しの調整シナリオも想定できる。
上値メドは、心理的節目の37000円、75日移動平均線、心理的節目の37500円、100日移動平均線(37713円 同)、200日移動平均線(38003円 同)などがある。下値メドは、5日移動平均線(36174円 同)、10日移動平均線(35401円 同)、心理的節目の35000円、25日移動平均線、心理的節目の34500円、4/22高値(34340円)などがある。
(2日終値:3日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.71円(2日15時時点比▲0.54円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.61円(▲0.65円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1304ドル(▲0.0003ドル)
FTSE100種総合株価指数:8596.35(前営業日比△99.55)
ドイツ株式指数(DAX):23086.65(△589.67)
10年物英国債利回り:4.508%(△0.027%)
10年物独国債利回り:2.533%(△0.089%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月スイス製造業PMI
45.8 48.9
4月仏製造業PMI改定値
48.7 48.2
4月独製造業PMI改定値
48.4 48.0
4月ユーロ圏製造業PMI改定値
49.0 48.7
4月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
(前年比) 2.2% 2.2%
4月ユーロ圏HICPコア速報値
(前年比) 2.7% 2.4%
3月ユーロ圏失業率
6.2% 6.2%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。アジア時間に一時145.92円と4月10日以来の高値を更新したあとだけに、欧州勢参入後は短期的に膨らんだ円売りポジションを減らす動きが先行した。NY市場に入り、4月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比17.7万人増と予想の13.0万人増を上回ったことが分かるとドル買いが入ったものの、前月の数値が下方修正されたうえ、平均時給が予想を下回ったことから、ドル買いでの反応は一時的だった。市場では「日本や英国の連休を控えた週末のポジション調整目的の売りが出た」との声も聞かれ、23時過ぎに一時143.73円と日通し安値を更新した。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。「中国は米国との通商協議開始に向けてフェンタニルに関する提案を検討している」との報道が伝わり、米中の関税交渉が進展するとの見方からダウ平均が一時600ドル超上昇。投資家が運用リスクを取る姿勢を強め、円売り・ドル買いが進んだ。日銀の早期利上げ観測の後退を背景に円売り・ドル買いが出やすい面もあり、1時過ぎには144.79円付近まで下げ渋った。
・ユーロドルは上値が重かった。米雇用統計発表直後こそドル買いが入ったものの、そのあとは一転ドル売りが優勢に。23時前には一時1.1381ドルと日通し高値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時99.40まで低下した。
ただ、週末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングを通過すると、流動性が低下する中でドルを買う動きが再び優勢となった。米中貿易協議の進展期待がドル買いを後押しした面もあり、一時1.1299ドル付近まで下押しした。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.32%台まで上昇したことも相場の重し。
・ユーロ円は弱含み。アジア時間に一時164.63円と年初来高値を更新したあとだけに、欧米市場に入ると利益確定目的の売りが目立った。ドル円の下落につれた売りが出ると、22時30分過ぎに一時163.46円と日通し安値を付けた。ただ、ドル円の下げ渋りにつれた買いが入ると163.97円付近まで下げ幅を縮めた。
・ロンドン株式相場は15日続伸。米中貿易摩擦が緩和するとの期待感から投資家心理が改善し、買いが優勢となった。ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが値上がりしたほか、ロールス・ロイス・ホールディングスやBAEシステムズなど資本財サービス株が買われた。
・フランクフルト株式相場は8日続伸。米国の関税政策を巡って、米中間の協議が進むとの観測が投資家心理の改善につながり株買いを誘った。個別ではシーメンス・エナジー(7.49%高)やエアバス(5.33%高)などの上昇が目立ち、ミュンヘン再保険(3.72%安)などを除く37銘柄が上昇した。
・欧州債券相場で下落した。株高を受けた。
(2日終値:3日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.71円(2日15時時点比▲0.54円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.61円(▲0.65円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1304ドル(▲0.0003ドル)
FTSE100種総合株価指数:8596.35(前営業日比△99.55)
ドイツ株式指数(DAX):23086.65(△589.67)
10年物英国債利回り:4.508%(△0.027%)
10年物独国債利回り:2.533%(△0.089%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月スイス製造業PMI
45.8 48.9
4月仏製造業PMI改定値
48.7 48.2
4月独製造業PMI改定値
48.4 48.0
4月ユーロ圏製造業PMI改定値
49.0 48.7
4月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
(前年比) 2.2% 2.2%
4月ユーロ圏HICPコア速報値
(前年比) 2.7% 2.4%
3月ユーロ圏失業率
6.2% 6.2%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。アジア時間に一時145.92円と4月10日以来の高値を更新したあとだけに、欧州勢参入後は短期的に膨らんだ円売りポジションを減らす動きが先行した。NY市場に入り、4月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比17.7万人増と予想の13.0万人増を上回ったことが分かるとドル買いが入ったものの、前月の数値が下方修正されたうえ、平均時給が予想を下回ったことから、ドル買いでの反応は一時的だった。市場では「日本や英国の連休を控えた週末のポジション調整目的の売りが出た」との声も聞かれ、23時過ぎに一時143.73円と日通し安値を更新した。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。「中国は米国との通商協議開始に向けてフェンタニルに関する提案を検討している」との報道が伝わり、米中の関税交渉が進展するとの見方からダウ平均が一時600ドル超上昇。投資家が運用リスクを取る姿勢を強め、円売り・ドル買いが進んだ。日銀の早期利上げ観測の後退を背景に円売り・ドル買いが出やすい面もあり、1時過ぎには144.79円付近まで下げ渋った。
・ユーロドルは上値が重かった。米雇用統計発表直後こそドル買いが入ったものの、そのあとは一転ドル売りが優勢に。23時前には一時1.1381ドルと日通し高値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時99.40まで低下した。
ただ、週末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングを通過すると、流動性が低下する中でドルを買う動きが再び優勢となった。米中貿易協議の進展期待がドル買いを後押しした面もあり、一時1.1299ドル付近まで下押しした。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.32%台まで上昇したことも相場の重し。
・ユーロ円は弱含み。アジア時間に一時164.63円と年初来高値を更新したあとだけに、欧米市場に入ると利益確定目的の売りが目立った。ドル円の下落につれた売りが出ると、22時30分過ぎに一時163.46円と日通し安値を付けた。ただ、ドル円の下げ渋りにつれた買いが入ると163.97円付近まで下げ幅を縮めた。
・ロンドン株式相場は15日続伸。米中貿易摩擦が緩和するとの期待感から投資家心理が改善し、買いが優勢となった。ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが値上がりしたほか、ロールス・ロイス・ホールディングスやBAEシステムズなど資本財サービス株が買われた。
・フランクフルト株式相場は8日続伸。米国の関税政策を巡って、米中間の協議が進むとの観測が投資家心理の改善につながり株買いを誘った。個別ではシーメンス・エナジー(7.49%高)やエアバス(5.33%高)などの上昇が目立ち、ミュンヘン再保険(3.72%安)などを除く37銘柄が上昇した。
・欧州債券相場で下落した。株高を受けた。
米ウォールストリートジャーナル(WSJ)紙が報じたところによると、「中国は米国との通商協議開始に向けてフェンタニルに関する提案を検討している」ようだ。
一部通信社が報じたところによると、「カーニー加首相は来週6日にトランプ米大統領とホワイトハウスで会談する」ようだ。
(2日終値)
ドル・円相場:1ドル=144.96円(前営業日比▲0.43円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.80円(▲0.38円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1297ドル(△0.0007ドル)
ダウ工業株30種平均:41317.43ドル(△564.47ドル)
ナスダック総合株価指数:17977.73(△266.99)
10年物米国債利回り:4.31%(△0.09%)
WTI原油先物6月限:1バレル=58.29ドル(▲0.95ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3243.3ドル(△21.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月米雇用統計
失業率 4.2% 4.2%
非農業部門雇用者数変化
17.7万人 18.5万人・改
平均時給
(前月比) 0.2% 0.3%
(前年比) 3.8% 3.8%
3月米製造業新規受注
(前月比) 4.3% 0.5%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反落。米労働省が発表した4月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比17.7万人増と予想の13.0万人増を上回ったものの、前月の数値が下方修正されたうえ、平均時給が予想を下回った。指標発表直後はドル買いが入ったものの、反応は一時的。市場では「日本や英国の連休を控えた週末のポジション調整目的の売りが出た」との声も聞かれ、23時過ぎに一時143.73円と日通し安値を更新した。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。「中国は米国との通商協議開始に向けてフェンタニルに関する提案を検討している」との報道が伝わると、米中の関税交渉が進展するとの期待からダウ平均が一時630ドル超上昇。投資家が運用リスクを取る姿勢を強め、円売り・ドル買いが進んだ。日銀の早期利上げ観測の後退を背景とした円売り・ドル買いも出やすく、3時30分過ぎには145.08円付近まで下げ渋った。
・ユーロドルは4日ぶりに小反発。米雇用統計発表直後こそドル買いが入ったものの、そのあとは一転ドル売りが優勢に。23時前には一時1.1381ドルと日通し高値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時99.40まで低下した。
ただ、週末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングを通過すると、流動性が低下する中でドルを買う動きが再び優勢となった。米中貿易協議の進展期待がドル買いを後押しした面もあり、一時1.1293ドル付近まで下押しした。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.32%台まで上昇したことも相場の重し。
・ユーロ円は反落。アジア時間に一時164.63円と年初来高値を更新したあとだけに、欧米市場に入ると利益確定目的の売りが優勢となった。ドル円の下落につれた売りが出ると、22時30分過ぎに一時163.46円と日通し安値を付けた。ただ、ドル円の下げ渋りにつれた買いが入ると164.02円付近まで下値を切り上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は9日続伸。米関税政策を巡る米中協議が進展するとの期待から、買いが優勢となった。4月米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を上回ったことも投資家心理の改善につながり株買いを誘った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸。テスラやメタ・プラットフォームズが堅調だった。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。米関税政策を巡る米中協議が進み、米中貿易摩擦が緩和に向かうとの期待が高まると、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。4月米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を上回ったことも債券売りを促した。
・原油先物相場は反落。時間外に59ドル後半まで上昇したが、一巡後は売り圧力が再び強まると58ドルを割り込む場面もあった。サウジアラビアやUAE、ロシアなどを含む「石油輸出国機構(OPEC)プラス」の有志8カ国は、来月の産油量に関する会合を3日に開くことが伝わった。当初、会合開催は5日予定されていた。前回会合で8カ国は今月の生産拡大に合意しており、6月生産計画についても一部から増産の提案が出ることが予想されている。
・金先物相場は4日ぶりに反発。前日の大幅安の反動で買い戻しが時間外から強まると、一時3275ドル超えまで上昇。もっとも、ニューヨーク勢の参入後からは伸び悩む展開に。米中通商協議への期待感を背景にリスク志向の動きが広がり、安全資産とされる金の上値が圧迫された。米金利が大幅に上昇したことも、金利を生まない資産である金の魅力を薄めた。
(2日終値)
ドル・円相場:1ドル=144.96円(前営業日比▲0.43円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.80円(▲0.38円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1297ドル(△0.0007ドル)
ダウ工業株30種平均:41317.43ドル(△564.47ドル)
ナスダック総合株価指数:17977.73(△266.99)
10年物米国債利回り:4.31%(△0.09%)
WTI原油先物6月限:1バレル=58.29ドル(▲0.95ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3243.3ドル(△21.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月米雇用統計
失業率 4.2% 4.2%
非農業部門雇用者数変化
17.7万人 18.5万人・改
平均時給
(前月比) 0.2% 0.3%
(前年比) 3.8% 3.8%
3月米製造業新規受注
(前月比) 4.3% 0.5%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反落。米労働省が発表した4月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比17.7万人増と予想の13.0万人増を上回ったものの、前月の数値が下方修正されたうえ、平均時給が予想を下回った。指標発表直後はドル買いが入ったものの、反応は一時的。市場では「日本や英国の連休を控えた週末のポジション調整目的の売りが出た」との声も聞かれ、23時過ぎに一時143.73円と日通し安値を更新した。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。「中国は米国との通商協議開始に向けてフェンタニルに関する提案を検討している」との報道が伝わると、米中の関税交渉が進展するとの期待からダウ平均が一時630ドル超上昇。投資家が運用リスクを取る姿勢を強め、円売り・ドル買いが進んだ。日銀の早期利上げ観測の後退を背景とした円売り・ドル買いも出やすく、3時30分過ぎには145.08円付近まで下げ渋った。
・ユーロドルは4日ぶりに小反発。米雇用統計発表直後こそドル買いが入ったものの、そのあとは一転ドル売りが優勢に。23時前には一時1.1381ドルと日通し高値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時99.40まで低下した。
ただ、週末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングを通過すると、流動性が低下する中でドルを買う動きが再び優勢となった。米中貿易協議の進展期待がドル買いを後押しした面もあり、一時1.1293ドル付近まで下押しした。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.32%台まで上昇したことも相場の重し。
・ユーロ円は反落。アジア時間に一時164.63円と年初来高値を更新したあとだけに、欧米市場に入ると利益確定目的の売りが優勢となった。ドル円の下落につれた売りが出ると、22時30分過ぎに一時163.46円と日通し安値を付けた。ただ、ドル円の下げ渋りにつれた買いが入ると164.02円付近まで下値を切り上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は9日続伸。米関税政策を巡る米中協議が進展するとの期待から、買いが優勢となった。4月米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を上回ったことも投資家心理の改善につながり株買いを誘った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸。テスラやメタ・プラットフォームズが堅調だった。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。米関税政策を巡る米中協議が進み、米中貿易摩擦が緩和に向かうとの期待が高まると、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。4月米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を上回ったことも債券売りを促した。
・原油先物相場は反落。時間外に59ドル後半まで上昇したが、一巡後は売り圧力が再び強まると58ドルを割り込む場面もあった。サウジアラビアやUAE、ロシアなどを含む「石油輸出国機構(OPEC)プラス」の有志8カ国は、来月の産油量に関する会合を3日に開くことが伝わった。当初、会合開催は5日予定されていた。前回会合で8カ国は今月の生産拡大に合意しており、6月生産計画についても一部から増産の提案が出ることが予想されている。
・金先物相場は4日ぶりに反発。前日の大幅安の反動で買い戻しが時間外から強まると、一時3275ドル超えまで上昇。もっとも、ニューヨーク勢の参入後からは伸び悩む展開に。米中通商協議への期待感を背景にリスク志向の動きが広がり、安全資産とされる金の上値が圧迫された。米金利が大幅に上昇したことも、金利を生まない資産である金の魅力を薄めた。
2日06:29 加藤財務相
(先の日米財務相会談で)
「為替に関しては引き続きベッセント米財務長官との間で協議」
「為替は市場において決まるもの」
「(米債の売却について)交渉のカードとしてはあるが、切るかどうかは別の判断」
2日18:19
「第2プラザ合意の話は、米国との協議で出ていない」
「為替管理は日米通商協議の一部とはなっていない」
2日08:47 赤沢経済再生相
「日米関税協議は130分間、突っ込んだ話が出来た」
「日米関税協議、具体的な議論進めることが出来た」
「両国間の貿易拡大、非関税障壁、安保面の協力など具体的に議論」
「日米関税協議、閣僚間協議は5月中旬以降集中的に実施」
「為替や安全保障については議論にならなかった」
2日09:24 中国商務省
「米との通商協議の可能性を現在評価している」
2日21:49 トランプ米大統領
「米連邦準備理事会(FRB)は金利を引き下げるべき」
「我々は現在、過渡期にある」
「関税のお陰でたくさんのお金が入ってくる」
3日02:41 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「域内のインフレ率を目標の2%に戻すことに自信」
「不確実性は経済にとってマイナス」
※時間は日本時間
5日
○こどもの日の祝日で休場
6日
○みどりの日の振替休日で休場
8日
○08:50 ☆ 3月18-19日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
9日
○08:30 ◇ 3月家計調査(消費支出)
○08:30 ◇ 3月毎月勤労統計(現金給与総額)
○14:00 ◇ 3月景気動向指数速報値
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
3日
○豪総選挙
○シンガポール総選挙
5日
○15:30 ◎ 4月スイス消費者物価指数(CPI)
○16:00 ◎ 4月トルコCPI
○22:45 ◎ 4月米サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値
○22:45 ◎ 4月米総?⑰MI改定値
○23:00 ☆ 4月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数
○6日02:00 ◎ 米財務省、3年債入札
○中国(労働節)、香港、韓国(灌仏会)、英国(アーリーメイバンクホリデー)、休場
6日
○10:30 ◎ 3月豪住宅建設許可件数
○10:45 ◎ 4月Caixin中国サービス部門PMI
○14:45 ◇ 4月スイス失業率(季節調整前)
○15:45 ◇ 3月仏鉱工業生産
○16:50 ◎ 4月仏サービス部門PMI改定値
○16:55 ◎ 4月独サービス部門PMI改定値
○17:00 ◎ 4月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
○17:30 ◎ 4月英サービス部門PMI改定値
○18:00 ◎ 3月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
○21:30 ◇ 3月カナダ貿易収支
○21:30 ◎ 3月米貿易収支
○23:00 ◇ 4月カナダIvey購買部協会景気指数
○7日02:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○独首相指名選挙
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○韓国(こどもの日の振替休日)、休場
○07:45 ◎ 1-3月期ニュージーランド(NZ)失業率/就業者数増減
○15:00 ◎ 3月独製造業新規受注
○15:00 ◎ 4月スウェーデンCPI
○15:45 ◇ 3月仏貿易収支
○15:45 ◇ 3月仏経常収支
○17:30 ◎ 4月英建設業PMI
○18:00 ◎ 3月ユーロ圏小売売上高
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○8日03:00 ◎ 4月ブラジル貿易収支
○8日03:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
○8日03:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○8日04:00 ◇ 3月米消費者信用残高
○8日06:30 ☆ ブラジル中銀、政策金利発表
8日
○08:01 ◇ 4月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格
○15:00 ◎ 3月独鉱工業生産
○15:00 ◇ 3月独貿易収支
○16:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表
○17:00 ◎ ノルウェー中銀、政策金利発表
○20:00 ☆ 英中銀(BOE)、政策金利発表
○20:00 ☆ 英中銀MPC議事要旨
○21:00 ◎ 4月メキシコCPI
○21:30 ◇ 1-3月期米非農業部門労働生産性・速報値
○21:30 ◇ 1-3月期米単位労働コスト・速報値
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○23:00 ◇ 3月米卸売売上高
○9日02:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○ロシア(祖国防衛者の日の振替休日)、休場
9日
○未定 ◎ 4月中国貿易収支
○15:00 ◎ 4月ノルウェーCPI
○15:00 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○16:00 ◇ 3月トルコ鉱工業生産
○16:00 ◇ 4月スイスSECO消費者信頼感指数
○17:40 ◎ ベイリーBOE総裁、講演
○19:15 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○19:45 ◎ バー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○20:15 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○21:00 ◎ 4月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA)
○21:30 ☆ 4月カナダ雇用統計
○21:30 ◎ クーグラーFRB理事、講演
○22:10 ◎ シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
○23:00 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、あいさつ
○ロシア(戦勝記念日)、休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、週末の豪総選挙に注目
◆豪ドル、米中関税交渉の進展で上下も
◆ZAR、VAT引き上げ撤回で750億ZARの税収不足の解消策に注目
予想レンジ
豪ドル円 90.00-95.00円
南ア・ランド円 7.60-7.95円
5月5日週の展望
豪ドルは、国内要因では総選挙、国外要因では引き続き米国の関税政策に注目。明日3日に行われる豪州総選挙の世論調査では、アルバニージ首相率いる中道左派の与党・労働党の優位が伝わっている。3年にわたる持続的なインフレや高金利、住宅危機による生活費高騰への懸念が最大の争点となっている。ただ、野党を率いるダットン自由党党首が、トランプ米大統領寄りの姿勢を見せていることが自由党の支持率を押し下げる結果になっている。与党の優位は変わらないだろうが、2019年に行われた総選挙では劣勢が伝わっていた自由党が「奇跡」と言われる勝利を収めたこともあり予断は許さない。また、有権者が第3政党に分散するという混乱要因が起きる可能性もある。与党が勝利を収めた場合でも、単独過半数を獲得できるかに注目が集まる。
トランプ政権の関税については、引き続き二転三転していることで、来週も豪ドルをかく乱する要因だ。豪州は対米赤字を計上していることもあり、米国からの圧力は弱い。ただ、豪ドルはリスクセンチメントに敏感なことから、米中の関税交渉の動向に連れて動意づくことになりそうだ。トランプ米大統領がトリプル安を避け、対中関税引き下げを示唆しているが、中国は完全に追加関税が撤廃されるまでは交渉のテーブルにつかない可能性が高い。中国は欧州連合(EU)やBRICS諸国との通商交渉が進んでいるが、米国の交渉は難航している。チキンレースという意味では、米国が圧倒的な不利な状況下でトランプ政権がどのような対応をとるかが注目だろう。
来週は豪州国内では、6日に3月住宅許可件数が発表される。ニュージーランドからは7日に1-3月期雇用統計、8日にNZ政府による9カ月ファイナンシャルレポートが公表予定。
南アフリカ・ランド(ZAR)はレンジ取引になりそうだ。国内情勢では付加価値税(VAT)引き上げの撤回により生じた750億ZARの予算不足をどのように埋められるのかが注目。VAT引き上げ撤回で民主同盟(DA)の国民統一政府(GNU)脱退は回避されたが、予算不足を解決するのは容易ではない。ゴドンワナ南ア財務相は21日に新たな予算案を発表する予定だが、事前に詳細が出ることもあり、来週から注意が必要だ。国外要因では引き続き関税交渉に注目。南アと米国間では交渉が進展することはないだろうが、米中間の交渉進展次第ではZARも影響を受けるだろう。なお、王毅中国外相はBRICS諸国に対し、米国の関税脅威に断固として対抗するよう促し、屈服すれば米国を勢いづかせるだけだと警告している。
4月28日週の回顧
豪ドルは対円では堅調、対ドルでは横ばいだった。1-3月期の豪消費者物価指数(CPI)がトリム平均値を含め市場予想を上回ると豪ドルが支えられる場面もあった。ただ、米国の関税政策が不透明なこともあり、大きなトレンドを作る動きにはならなかった。ZARは月末を前に実需の動きでドル売り・ZAR買いが進行。週後半は日銀の低金利政策維持で対円では7.85円まで上昇した。
◆対円、円ロングポジション解消の加速に警戒
◆ポンド、8日の英中銀会合での利下げはほぼ織り込み済み
◆加ドル、米加首脳会談に注目
予想レンジ
ポンド円 191.00-196.00円
加ドル円 103.00-107.00円
5月5日週の展望
米関税の霧は晴れず、世界経済見通しも悲観的で警戒感は続くものの、関税に動揺する相場はひとまず落ち着いてきている。日銀は今週の金融政策決定会合で経済・物価の見通しを引き下げ、さらに「下振れリスクが大きい」と指摘した。市場では利上げ期待が後退し、円が急落したが、来週も膨らんでいる円ロングポジションの解消が一段と進む可能性はある。
8日にイングランド銀行(英中銀、BOE)の政策金利発表を控えているが、市場は0.25%の利下げをほぼ織り込んでいる。金融政策決定を控えるなか、国際通貨基金(IMF)はトランプ米大統領の関税・通商政策の影響で今年の世界と英国の成長率が急激に下振れるリスクを指摘し、ベイリーBOE総裁は「経済成長に対するリスクを極めて重大に受け止めなければならない」と述べた。
英国では4月から家計向けの光熱費と水道料金が値上がりした。加えて社会保障費の雇用主負担の増加、賃金上昇もインフレ押し上げ要因となる。インフレ高への警戒感が残されるなか、トランプ関税のインフレへの影響や不確実性も極めて高く、BOEは難しい舵取りを迫られている。今後、英政府と米国が関税合戦になればインフレの押上げ懸念が高まるが、他国からの輸入が米国からの輸入障壁回避のために再配分された場合は、逆にインフレが低下する可能性もある。
加ドルは上値の重い動きとなりそうだ。今週発表の2月GDPは前月比-0.2%、前年比1.6%と前月から予想以上に伸びが鈍化した。9日には4月雇用データの発表が予定されており、低調な結果となれば、カナダ中銀(BOC)が次回6月会合で利下げを再開し、0.50%の大幅利下げに踏み切るとの思惑が高まる可能性がある。BOCは関税による不透明感を要因に利下げを見送っているが、「景気悪化の懸念が強まれば素早く対応する」と強調している。
また、4月28日のカナダ総選挙で「反トランプ」を強調したカーニー首相が率いる与党・自由党が勝利し、米加の関税合戦がエスカレートする可能性も加ドルの重しとなる。総選挙ではカーニー政権の対米報復関税など「米国に屈しない」姿勢が評価されたこととなり、今後もトランプ関税との戦いに強気で向かっていきそうだ。来週、カーニー加首相は米国を訪問する予定で、米加首脳会談が注目される。トランプ米大統領は今週、「カナダとは素晴らしい関係を築けると思う」「カーニー加首相と昨日電話会談し、合意を結ぼうと言った」と述べたが、発言の信用性は低い。会談がうまくいかなかっ場合には、またすぐにも攻撃に走ると予想される。
4月28日週の回顧
関税不安を背景としたドル売りが一服し、ポンドドルは1.34ドル半ばを頭に1.32ドル台に押し戻された。加ドルは総選挙で与党の議席が過半数には届かないとの報道を受けてやや売りが入る場面もあったが、トランプ米大統領がカナダとのディールに前向きな発言をしたことを受けて買いが入り、ドル/加ドルは一時1.37加ドル台まで加ドル高が進んだ。対円では、日銀の金融政策イベント後に円が急落。ポンド円は193円台、加ドル円は105円台まで急伸した。
◆ドル円、FOMCやパウエルFRB議長会見に注目
◆ドル円、為替報告書、四半期定例入札にも注意
◆ユーロドル、難航している欧米貿易交渉に注目
予想レンジ
ドル円 142.00-148.00円
ユーロドル 1.1000-1.1500ドル
5月5日週の展望
ドル円は、米1-3月期国内総生産(GDP)速報値が前期比年率▲0.3%に落ち込んだことを受けた米連邦公開市場委員会(FOMC)での議論やパウエルFRB議長の見解に注目する展開となる。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、5月のFOMCは据え置きで、6月FOMCで0.25%の利下げ開始が予想されており、7月、9月、12月と年内4回の利下げで12月のFF金利誘導目標は3.25-50%と見込まれている。トランプ米大統領に加えてベッセント米財務長官もFRBに利下げを要請しており、関税スタグフレーションへの警戒感が高まる中で、6‐7日開催のFOMCの議論を確認したいところだ。
ドル円は、1日に公表された展望レポートにおける物価見通しの下方修正や植田日銀総裁がトランプ関税の不確実性を理由に追加利上げに慎重なスタンスを示したことで145円台後半まで急伸したが、投機筋の円のネットの買い持ちポジションが過去最大規模まで膨らんでおり、手仕舞いが続くことにも注意が必要だろう。
また、トランプ米政権の相互関税発動が米トリプル安を引き起こしたこともあり、米国債の四半期定例入札1250億ドル(5日:3年債580億ドル、6日:10年債420億ドル、8日:30年債250億ドル)にも警戒しておきたい。国債発行計画では、入札規模を今後数四半期にわたって据え置く見通しが示され、買い戻しプログラムの強化を検討していることが明らかにされている。
更に、毎年4月と10月頃に米財務省が公表している「為替報告書」にも注意。昨年は6月に公表され、日本は対米貿易黒字と経常黒字が基準に抵触したことで、為替操作の監視対象リストに追加された。トランプ米政権は、日米貿易不均衡是正に向けて、ドル安・円高の圧力を仄めかしながら日米通商交渉を行っており、対米貿易黒字への言及が予想される。
ユーロドルは、難航している欧米貿易交渉の行方に注目する展開となる。欧州連合(EU)は、米国との貿易協議を再始動させるための提案をまとめた文書をトランプ政権に提示する方針であり、文書には、貿易および非関税障壁の低減や対米投資の拡大、米国産の液化天然ガス(LNG)の購入などが盛り込まれる見通しとなっている。
4月28日週の回顧
ドル円は、週初から米長期金利の低下を受けて一時141.97円まで値を下げたものの、日銀が物価見通しの下方修正を伴うハト派的な金利据え置きを決定したことから、一気に145円後半まで急伸した。米国1-3月期GDP速報値は、前期比年率▲0.3%だったものの、トランプ関税に対する駆け込み輸入増によるものとして影響は限定的となっている。ユーロドルは、全般ドルの買い戻しが進むなか、1.1425ドルから1.1266ドルまで戻り売りに押されている。
2日の日経平均は大幅に7日続伸。終値は378円高の36830円。
日経平均は大幅上昇。米雇用統計の発表を控えた大型連休前で買いを手控える要素はあったが、きのうまでの動きがかなり強かったことから、売りは手控えられた。4月前半に全体市場が大きく崩れ、そこから立ち直るタイミングで決算発表を迎えることができた上に、ここにきてドル円が円安に傾斜しているだけに、日本株には資金が入りやすくなっている。
ダウ平均とS&P500が5月1日まで8日続伸と、米国株が強いことも大きな安心材料となっている。ただ、米国株に関しては、一足先に主力どころの決算発表がほぼ出そろう。来週は米企業の決算発表が少なくなるだけに、米国株の動向には注意を払っておきたい。仮に米国株の上昇にブレーキがかかったとしても、日本はまだ決算発表が多いだけに、ネガティブな影響は限定的と考える。ただし、国内も月前半で決算発表は概ね一巡することから、後半には調整が入る展開も想定される。決算発表が一巡した後の米国株が大崩れしなければ、日本株の失速に対する懸念も杞憂に終わると思われる。米国株の上昇基調が続く展開に期待したい。
【来週の見通し】
堅調か。月曜と火曜が休場で立ち合いは3日。国内では引き続き決算発表が多く、トヨタ、任天堂、IHIなど売買代金上位の常連銘柄が発表を予定している。個別物色が活況となることで、楽観ムードの強い地合いが続くだろう。イベントとしてはFOMC(5/6~5/7)が注目されるが、今回は政策金利の据え置きが濃厚とみられている。直近でトランプ大統領のFRB批判がトーンダウンしていることもあり、FOMCは大きな波乱なく通過する公算が大きい。日経平均は5月2日まで7日続伸しており、反動には一定の警戒を払う必要があるものの、下げたとしても初押しになるだけに、直近の上昇に乗り遅れた投資家からの買いが入りやすい。円安期待も高まる中、売りをこなしながらもう一段上を試す展開を予想する。
【今週を振り返る】 大幅高となった。米国株の動きが良くなり、日本株もこれと歩調を合わせて水準を切り上げた。週明けの4月28日の日経平均は前週末の米国株高を追い風に3桁の上昇。休場を挟んで30日も3桁の上昇となり、終値で36000円を上回った。5月に入り1日は上昇して始まった後、日銀金融政策決定会合の結果を受けて後場に入って一段高。追加利上げのハードルが高いとの見方が強まり、為替市場で円安が進んだことが株価を押し上げた。2日も米国株高や円安を好感して大幅上昇。5月2日まで7日続伸となり、この7日間全てで3桁の上昇となった。日経平均は週間では1124円の上昇となり、週足では4週連続で陽線を形成した。
3日投開票された豪総選挙でアルバニージー首相率いる与党・労働党が単独過半数を獲得し、政権を維持する見通しとなった。
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は3日、自主減産を実施しているサウジアラビアなど8カ国がオンライン会議を開き、減産規模の縮小を加速させる方針を決めた。
<国内>
○こどもの日の祝日で休場
<海外>
○15:30 ◎ 4月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%)
○16:00 ◎ 4月トルコCPI(予想:前月比3.10%/前年比38.00%)
○22:45 ◎ 4月米サービス部門PMI改定値(予想:51.0)
○22:45 ◎ 4月米総?⑰MI改定値
○23:00 ☆ 4月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:50.2)
○6日02:00 ◎ 米財務省、3年債入札
○中国(労働節)、香港、韓国(灌仏会)、英国(アーリーメイバンクホリデー)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
2日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、4月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比17.7万人増だったものの、前月の数値が下方修正されたうえ、平均時給が予想を下回ったことで143.73円まで下落した。しかし、「中国は米国との通商協議開始に向けてフェンタニルに関する提案を検討している」との報道で、ダウ平均が一時630ドル超上昇し、145.08円付近まで反発した。ユーロドルは1.1381ドルまで上昇した後、1.1293ドル付近まで下押しした。
本日のアジア外国為替市場のドル円は、東京・上海・香港市場が休場のため動きづらい展開の中、先週の日銀のハト派的据え置き、6月米連邦公開市場委員会(FOMC)での据え置き観測の台頭、米中関税交渉への期待感などから底堅い展開が予想される。
米中の関税交渉が進展するのではないかとの期待感が高まっている。
中国商務省報道官は2日、米国との通商協議の可能性を現在検討していると述べ、「誠意」を示すよう米国に促した。
また、中国は、約400億ドルの米国製品について、公式発表なしに関税の適用除外を開始した。
さらに、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、中国が通商交渉の開始に向けて、米国側に合成麻薬フェンタニルに関して提案を行うことを検討していると報じた。
本日は、トランプ米大統領による見解に注目しておきたい。
先週末に発表された米4月の雇用統計では、失業率は4.2%で3月と変わらずだったが、非農業部門雇用者数が前月比+17.7万人と予想を上回った。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、5月FOMCの据え置き見通しは変わらずだが、6月FOMCでの0.25%の追加利下げ見通しが据え置きに変わり、追加利下げの回数も、先週末の年4回から7月、9月、10月の3回となり、12月時点では3.50-75%と見込まれている。
注目されているIMM通貨先物の非商業(投機)部門取組の円のネット買い持ちポジションは、4月29日時点(※NY終値:142.33円)で179,212枚(前週比+1,398枚)で過去最大を更新していた。
その後、ドル円は、5月1日の日銀金融政策決定会合でのハト派的据え置きで、145円台後半まで上昇しており、一部手仕舞われた可能性があるため、今週末の商品先物取引委員会(CFTC)の発表を待ちたい。
加藤財務相は4日、日中韓ASEAN(東南アジア諸国連合)財務相・中央銀行総裁会議後に記者団の取材に応じ、日米関税交渉について「米国債の売却を日米(関税)交渉の手段とは考えていない」と述べた。財務相は2日のテレビで「交渉カードとしてはある」と発言していただけに、軌道修正した格好となっている。
米国が買えば儲かるし、安全保障が高まる
トランプ大統領はデンマーク自治領グリーンランドの支配獲得について「軍事力行使も排除しない」と明言し、同地が米国の国際安全保障上「非常に必要だ」と強調した。グリーンランドは北極圏の戦略拠点であり、米軍基地やミサイル警戒システムが存在するほか、レアアースなどの資源も豊富。デンマークやグリーンランド自治政府は強く反発しており、NATOやEU諸国との緊張が高まっている。
カーニー加首相は4日、自身SNSにて「EUとの自由貿易関係をさらに発展させる用意がある」「双方とも経済安全保障を強化し、防衛分野の改善に取り組む用意がある」などと投稿した。
トランプ政権は米陸軍の装備を約360億ドルをかけて大規模刷新し、次世代戦車やヘリなどを導入する「世代交代」を進めていると一部通信社が伝えた。陸軍の大規模近代化は1970-80年代の「ビッグファイブ」導入以来で、背景には中国の軍事的台頭への危機感がある。ペンタゴンは中国を「長期的な脅威」と位置づけ、米軍の影響力維持へ抜本的な装備更新を急いでいる。
ニュージーランド政府は老朽化した海軍ヘリコプターの更新に約12億ドルを2025年度予算で計上する。新型ヘリ導入によりフリゲート艦の監視・戦闘能力を強化し、インド太平洋での緊張や中国の海洋進出など安全保障環境の変化に対応。今後4年間で防衛費を約50億ドル増額し、2032-33年までにGDP比2%への引き上げも目指す。
5日の香港株式市場は灌仏会につき休場。
5日(月)の中国本土の株式市場は労働節につき休場。
先週末の海外市場では、ドル円は米雇用統計を前にポジション調整の売りが先行。4月米雇用統計はNFPが市場予想を上回ったものの、過去2カ月分の修正が▲5.8万人だったこともあり、反応も144.95円までの買戻しにとどまると、その後は143.73円まで値を下げることになりました。ただ、「中国が米国との交渉でフェンタニルに関する提案を用意している」と一部で報じられるとダウ平均が630ドルを超える上昇。つれるかたちで145.08円まで買戻されたといったところです。
週明けのアジア市場では、東京のほか、香港市場も休場とあって、早朝の145.00円を頭に調整売り。ダウ先物の下落につれた動きとなっています。
いずれにしても、先週から市場センチメントや前提が変わっているのは、日銀が物価目標達成の目処を1年も先送りさせたことによる、早期利上げ観測の大幅な後退と、強い米雇用統計を受けた米追加利下げ期待の明らかな後退。
Fedwatchによる6月FOMCでの据え置き観測の台頭から、市場の年内利下げ回数の認識も4回から3回へとドットチャートへのさや寄せが行われています。
米債券市場での前提の見直しによる全体的な利回りの急上昇をみても、その状況を確認することが出来ます。為替市場でも今後、この新たな前提をメインシナリオとしたポジション調整が進んでいくことになりそうです。
ベッセント米財務長官は週末のウォール・ストリート・ジャーナル紙で、アメリカの労働者階級復活を掲げた経済ビジョンを発表した。内容は1.関税による貿易再交渉、2.恒久的な減税、3.大規模な規制緩和の3本柱でトランプ政権の経済政策を正当化するもの。しかし、関税の消費者物価上昇や減税による財政赤字拡大、規制緩和だけで産業再興できる根拠の乏しさなど、具体的な課題や副作用には触れていない。「経済安全保障こそ国家安全保障」「エネルギー覇権」などスローガンは多いものの、実効性やデータの裏付けは弱く、2017年型のトリクルダウン政策の焼き直しとの批判も出ている。
ルーマニア大統領選が4日に行われ、極右・反EUのジョージ・シミオン氏が約40%の得票で首位となり、5月18日の決選投票進出を確実にした。中道のニクショル・ダン氏が20.9%で2位となり、伝統的与党候補アントネスク氏を抑えて決選進出を果たしました。シミオン氏はトランプ米大統領支持を公言し、ウクライナ支援やEU主導に批判的な立場。決選投票では、ナショナリズム路線と親欧米路線の対決となり、欧州やNATOの注目が集まっている。
フィナンシャル・タイムズ紙が報じたところによると、中国の輸出業者が米国のトランプ政権による高関税を回避するため、自国製品を第三国経由で「洗浄(ウォッシング)」し、原産地を隠して輸出する手法に光を当てている。この「第三国洗い」は以前から知られていたものの、近年ベトナムやメキシコ、マレーシアなどを経由するケースが増加し、米国当局も調査や摘発を強化。ただし、最新の研究では、この手法が広範囲に及んでいる証拠は限定的で、特定分野や一部企業で顕著に見られる傾向だと指摘されている。
「インフレはない。米連邦準備理事会(FRB)は金利を引き下げるべきだ!」
(トランプ米大統領)
2025年4月の米国の失業率は4.2%(※4.19%)となり、3月の4.2%(※4.15%)と変わらずとなり、就業者数は前月比43.6万人増加し、労働力に加わった51.8万人の大部分を吸収した。
非農業部門雇用者数は、前月比+17.7万人の増加となり、3月は速報値の+22.8万人から+18.5万人へ下方修正(▲4.3万人)され、2月は改定値の+11.7万人から+10.2万人へ下方修正(▲1.5万人)されたことから、合計で5.8万人の下方修正となった。
政府効率化省(DOGE)が連邦職員の削減計画を進めていることで、連邦政府職員は9000人減少して、2022年以降で初めて3カ月連続の減少(1月以降では2.6万人減少)となった。労働統計局は、有給で仕事を休んでいる職員や退職手当を受け取っている職員については雇用状態にあると見なしている。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、5月と6月FOMCでは据え置き見通しで、追加利下げの時期は7月、9月、10月の3回となり、12月時点では3.50-75%と見込まれている。
2021年の非農業部門雇用者数は723.3万人の増加となり、年間ベースで過去最大の伸びを記録し、月平均は60.3万人の増加だった。2022年平均は+38.0万人、2023年平均は+21.6万人、2024年平均は+16.8万人、2025年平均は+14.4万人と減少傾向が続いている。
1.家計調査(Household survey):失業率を算出(※6万世帯)
4月の失業率は4.2%(※4.19%)となり、3月の4.2%(※4.15%)から0.04%上昇した。労働参加率(就業者および求職者の合計である労働力人口の生産年齢人口に占める割合)は62.6%となり、3月の62.5%から上昇した。就業率は3月と変わらずの60.0%のままで、2024年11月以来の60%台を維持している。
失業者数は716.5万人となり、3月の708.3万人から8.2万人増加し、2020年2月の570万人を依然として上回ったままとなっている。労働力人口(1億7110万人)は、パンデミック(世界的大流行)前の水準(1億6458万人)を約652万人上回っている。
・不完全雇用率(U6):7.9%(3月8.0%、2月8.0%、1月7.5%:2020年5月21.1%)
(フルタイム雇用を望みながらパートタイム職に就いている労働者を含む広義の失業率)
・労働参加率:62.6%(3月62.5%、2月62.4%、1月62.6%:2020年2月:63.4%)
・長期失業者(27週以上):167.4万人(3月149.5万人:2020年2月112.1万人)
・黒人の失業率:6.3%(3月6.2%、2月6.0%、1月6.2%:2020年2月6.0%)
(※黒人の失業率は景気後退(リセッション)が近づく前に先行して上昇する傾向)
2.事業所調査(Establishment survey):非農業部門雇用者数(Non-Farm Payroll)(※12.2万の会社・政府機関)
4月の非農業部門雇用者数は、前月比+17.7万人の増加となり、52カ月連続での雇用拡大となった。平均時給は前月比+0.2%で、3月の+0.3%を下回り、前年同月比は+3.8%となり、3月から変わらずとなり、当面は消費支出と経済を支えるのに十分な水準となった。
民間部門の総賃金(雇用者数×週平均労働時間×時給)は前月比+0.2%で、3月の+0.7%を下回り、前年比は+5.3%となり、2024年3月以来の高い伸び率となった。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、ロンドン市場がアーリーメイバンクホリデーの休場で閑散取引が予想される中、欧米貿易交渉関連のヘッドラインに注目することになる。
今週、欧州連合(EU)は、米国との貿易協議を再始動させるための提案をまとめた文書をトランプ政権に提示する方針であり、文書には、貿易および非関税障壁の低減や対米投資の拡大、米国産の液化天然ガス(LNG)の購入などが盛り込まれる見通しとなっている。
EU側からの歩み寄りが窺える内容となっており、難航してきた欧米貿易交渉が合意に向けて前進するのか否か、関連ヘッドラインに注目しておきたい。
また、今週は、明日から欧州中央銀行(ECB)理事会の特別会合が開催される。通常の特別会合では、金融政策の協議は行われないが、ベッセント米財務長官がECBの追加利下げに言及していたことで、ECB高官の反応には警戒しておきたい。
市場では、年内2-3回程度の利下げが予想されている。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1353ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:164.63円(5/2高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1176ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:162.91円(日足一目均衡表・転換線)
一部報道が伝えたところによると、欧州連合(EU)は2027年末までにロシアからのガス輸入を禁止する提案を計画しているようだ。
本日のNY為替市場のドル円は、米国の貿易交渉に関する報道に注意しつつ、米指標に注目することになろう。
米国では複数の指標発表が予定されているが、メインはやはり4月米ISM非製造業景況指数だろう。市場予想は50.2と前月50.8を下回る見通し。今後トランプ関税による景気への影響が懸念される中、好不況の分岐点とされる50を割り込むようならば、ドル売り材料となる可能性がある。反対に、前月を上回るなど予想外の結果となればドル買いでの反応も見込まれるが、トランプ関税による景気後退が懸念される中とあっては、前週2日の米4月雇用統計の様に一時的な反応に留まる恐れもあろう。
また、4月米サービス部門購買担当者景気指数(PMI)の発表もあるが、こちらは改定値のためよほど速報値から外れない限りインパクトは小さいと見る。そのほか主だった要人発言が予定されていない。
経済指標以外にも、米国の貿易交渉に関する報道にも、引き続き注意が必要である。先週は米中貿易摩擦の緩和期待を背景に、市場はリスクオンの流れとなった。現時点では両国間で何か合意に至ったわけではないため、発言一つでムードが変わる恐れがあることは念頭に置いた上で取引に臨みたい。
トランプ政権は3日に、輸入されるエンジンなど主要な自動車部品に対して25%の追加関税を課す措置を発動。日本や欧州などへの影響が懸念される。続いて4日にはトランプ大統領は「外国製作の映画に100%の関税課す方針」とするなど、火種は絶えない。米中に限らず、ひとたび関税戦争の激化を想起させる内容が伝われば、リスク回避ムードに戻される恐れがある点は注意したい。
想定レンジ上限
・ドル円は、現時点での本日高値145.00円
想定レンジ下限
・ドル円は、1日安値142.88円
今週のNY市場は貿易交渉の進捗に引き続き注目。先週はダウ平均が1203.93ドル高(+3.00%)、S&P500が2.92%高、ナスダック総合が3.42%高と主要3指数がそろって大幅に2週続伸した。マイクロソフトとメタ・プラットフォームズが好決算を発表し、AIラリーへの期待が再び高まったことに加え、関税問題について中国が米国との交渉のテーブルに戻る用意があることを示したことや、4月雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったことで景気後退懸念が和らいだことが安心感につながった。S&P500は4月22日から週末2日まで9営業日続伸し、2004年11月以来、20年ぶりの長期連騰を記録。トランプ米大統領が4月2日に「相互関税」を発表して以来の下落幅を全て回復し、木曜日に全値戻しとなったナスダック総合に続いた。
今週は主要国との貿易交渉の進展具合が引き続き焦点となりそうだ。中国の動向が最大の注目点となるほか、カナダ、メキシコ、日本、EUなどとの貿易交渉での進展の有無がセンチメントに影響しそうだ。経済イベントでは、水曜日に結果が公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)が注目される。FOMCでは政策金利の据え置きが確実視されているが、年内の利下げ見通しを巡り、声明文やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見が注目される。このほかの経済指標は4月ISM非製造業PMI、3月貿易収支、新規失業保険申請件数など。第1四半期決算はS&P500採用の約100銘柄が発表予定で、フォード、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、ウォルト・ディズニー、オキシデンタル・ペトロリアムなどの結果やガイダンスに酔注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは4月ISM非製造業PMIなど。企業決算は寄り前にオン・セミコンダクター、タイソン・フーズ、引け後にバーテックス・ファーマシューティカルズ、パランティア・テクノロジーズ、フォード・モーターなどが発表予定。
米財務省によると、3年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが3.824%、応札倍率(カバー)が2.56倍となった。
(5日終値:6日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.09円(5日15時時点比▲0.09円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.83円(▲0.58円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1299ドル(▲0.0034ドル)
FTSE100種総合株価指数:休場
ドイツ株式指数(DAX):23344.54(前営業日比△257.89)
10年物英国債利回り:休場
10年物独国債利回り:2.517%(▲0.016%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月スイス消費者物価指数(CPI)
前月比 0.0% 0.0%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。トランプ米大統領が海外製作の映画に100%の関税を課すと表明したことが嫌気されると、時間外のダウ先物が下落。欧州勢参入後もドル売りの流れが続いた。NY市場に入ってもドル売りが継続し、前週末の安値143.73円を下抜けると一時143.54円まで値を下げた。
ただ、一目均衡表転換線が位置する143.71円がサポートとして意識されると下げ渋った。23時発表の4月米ISM非製造業指数が51.6と予想の50.2を上回るとドルを買い戻す動きが活発化し、一時144.24円付近まで値を戻した。一時250ドル超下落したダウ平均が上げに転じたことも相場を下支えした。
・ユーロドルは上値が重かった。英国がアーリーメイバンクホリデーで休場のため、市場参加者が少ない中、全般ドル売りが先行。22時過ぎに一時1.1365ドルと日通し高値を付けた。ただ、前週末の高値1.1381ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。予想を上回る米ISM非製造業指数も相場の重しとなり、3時過ぎには1.1297ドル付近まで下押しした。
なお、ベッセント米財務長官は「関税、減税、規制緩和は長期投資を促進する鍵」「(中国との交渉について)今後数週間で進展が見られる可能性」「貿易に関するいくつかの取引成立が非常に近い」などと述べたと伝わったが、相場の反応は限られた。
・ユーロ円は弱含み。ドル絡みの取引が中心となったこともあり、しばらくは163円台前半でのもみ合いが続いたものの、24時過ぎには一時162.78円と日通し安値を更新した。ドル円の下げ渋りにつれた買いが入った半面、ユーロドルの失速に伴う売りが出た。
・ロンドン株式相場はアーリーメイバンクホリデーのため休場となった。
・フランクフルト株式相場は9日続伸。米関税政策を巡る協議が進展するとの期待から独株にも買いが入った。2日発表された米雇用統計を受けて米経済の下振れ懸念が後退したことも投資家心理の改善につながった。個別ではラインメタル(3.24%高)やコメルツ銀行(2.92%高)、ミュンヘン再保険(2.73%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場で独国債が上昇した。
(5日終値:6日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.09円(5日15時時点比▲0.09円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.83円(▲0.58円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1299ドル(▲0.0034ドル)
FTSE100種総合株価指数:休場
ドイツ株式指数(DAX):23344.54(前営業日比△257.89)
10年物英国債利回り:休場
10年物独国債利回り:2.517%(▲0.016%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月スイス消費者物価指数(CPI)
前月比 0.0% 0.0%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。トランプ米大統領が海外製作の映画に100%の関税を課すと表明したことが嫌気されると、時間外のダウ先物が下落。欧州勢参入後もドル売りの流れが続いた。NY市場に入ってもドル売りが継続し、前週末の安値143.73円を下抜けると一時143.54円まで値を下げた。
ただ、一目均衡表転換線が位置する143.71円がサポートとして意識されると下げ渋った。23時発表の4月米ISM非製造業指数が51.6と予想の50.2を上回るとドルを買い戻す動きが活発化し、一時144.24円付近まで値を戻した。一時250ドル超下落したダウ平均が上げに転じたことも相場を下支えした。
・ユーロドルは上値が重かった。英国がアーリーメイバンクホリデーで休場のため、市場参加者が少ない中、全般ドル売りが先行。22時過ぎに一時1.1365ドルと日通し高値を付けた。ただ、前週末の高値1.1381ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。予想を上回る米ISM非製造業指数も相場の重しとなり、3時過ぎには1.1297ドル付近まで下押しした。
なお、ベッセント米財務長官は「関税、減税、規制緩和は長期投資を促進する鍵」「(中国との交渉について)今後数週間で進展が見られる可能性」「貿易に関するいくつかの取引成立が非常に近い」などと述べたと伝わったが、相場の反応は限られた。
・ユーロ円は弱含み。ドル絡みの取引が中心となったこともあり、しばらくは163円台前半でのもみ合いが続いたものの、24時過ぎには一時162.78円と日通し安値を更新した。ドル円の下げ渋りにつれた買いが入った半面、ユーロドルの失速に伴う売りが出た。
・ロンドン株式相場はアーリーメイバンクホリデーのため休場となった。
・フランクフルト株式相場は9日続伸。米関税政策を巡る協議が進展するとの期待から独株にも買いが入った。2日発表された米雇用統計を受けて米経済の下振れ懸念が後退したことも投資家心理の改善につながった。個別ではラインメタル(3.24%高)やコメルツ銀行(2.92%高)、ミュンヘン再保険(2.73%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場で独国債が上昇した。
(5日終値)
ドル・円相場:1ドル=143.70円(前営業日比▲1.26円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.61円(▲1.19円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1315ドル(△0.0018ドル)
ダウ工業株30種平均:41218.83ドル(▲98.60ドル)
ナスダック総合株価指数:17844.24(▲133.49)
10年物米国債利回り:4.34%(△0.03%)
WTI原油先物6月限:1バレル=57.13ドル(▲1.16ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3322.3ドル(△79.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月米サービス部門PMI改定値
50.8 51.4
4月米総?⑰MI改定値
50.6 51.2
4月米ISM非製造業指数
51.6 50.8
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続落。NY勢参入後もドル売りが継続し、前週末の安値143.73円を下抜けると一時143.54円まで値を下げた。
ただ、23時発表の4月米ISM非製造業指数が51.6と予想の50.2を上回るとドルを買い戻す動きが活発化し、1時30分過ぎに144.24円付近まで下げ幅を縮めた。一時250ドル超下落したダウ平均が上げに転じたことも相場を下支えした。
もっとも、ダウ平均が再び下げに転じるとドル円も頭が重くなった。5時過ぎには143.66円付近まで押し戻された。
・ユーロドルは小幅ながら続伸。英国市場が休場で市場参加者が少ない中、全般ドル売りが先行。22時過ぎに一時1.1365ドルと日通し高値を付けた。ただ、前週末の高値1.1381ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。予想を上回る米ISM非製造業指数も相場の重しとなり、3時過ぎには1.1297ドル付近まで下押しした。
もっとも、週明け早朝取引で付けた日通し安値1.1295ドルが目先サポートとして働くと1.13ドル台前半まで持ち直した。
なお、ベッセント米財務長官は「関税、減税、規制緩和は長期投資を促進する鍵」「(中国との交渉について)今後数週間で進展が見られる可能性」「貿易に関するいくつかの取引成立が非常に近い」などと述べたと伝わったが、相場の反応は限られた。
・ユーロ円は続落。ドル円の下落につれた売りが出たほか、米国株安に伴う売りが出た。取引終了間際には一時162.58円と日通し安値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は10日ぶりに反落。トランプ米大統領が「海外製作の映画に100%の関税を課す」と表明したことが嫌気されて売りが先行すると一時250ドル超下落した。ただ、4月米ISM非製造業指数が予想を上回ると買い戻しが優勢となり、指数は上げに転じる場面もあった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。4月米ISM非製造業指数が予想を上回ると債券売りが優勢となった。
・原油先物相場は続落。OPECと非加盟国のサウジアラビアなどが3日に、6月に日量41万1000バレルの追加増産を行うことで合意したことが報じられたことで、55ドル台まで下がるなど大幅安で始まった。ただ、ドル安により割安感で買い戻しも入り、下げ幅を縮めて引けている。
・金先物相場は続伸。対円を中心にドル安が進行すると、ドルで取引される金先物はアジア時間から割安感で買いが集まった。9日続伸していたダウ平均やS&P500が反落して始まると、更に上値を広げる場面もあったが、ダウ平均がプラス圏を回復したこともあり伸び悩んだ。
(5日終値)
ドル・円相場:1ドル=143.70円(前営業日比▲1.26円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.61円(▲1.19円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1315ドル(△0.0018ドル)
ダウ工業株30種平均:41218.83ドル(▲98.60ドル)
ナスダック総合株価指数:17844.24(▲133.49)
10年物米国債利回り:4.34%(△0.03%)
WTI原油先物6月限:1バレル=57.13ドル(▲1.16ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3322.3ドル(△79.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月米サービス部門PMI改定値
50.8 51.4
4月米総?⑰MI改定値
50.6 51.2
4月米ISM非製造業指数
51.6 50.8
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続落。NY勢参入後もドル売りが継続し、前週末の安値143.73円を下抜けると一時143.54円まで値を下げた。
ただ、23時発表の4月米ISM非製造業指数が51.6と予想の50.2を上回るとドルを買い戻す動きが活発化し、1時30分過ぎに144.24円付近まで下げ幅を縮めた。一時250ドル超下落したダウ平均が上げに転じたことも相場を下支えした。
もっとも、ダウ平均が再び下げに転じるとドル円も頭が重くなった。5時過ぎには143.66円付近まで押し戻された。
・ユーロドルは小幅ながら続伸。英国市場が休場で市場参加者が少ない中、全般ドル売りが先行。22時過ぎに一時1.1365ドルと日通し高値を付けた。ただ、前週末の高値1.1381ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。予想を上回る米ISM非製造業指数も相場の重しとなり、3時過ぎには1.1297ドル付近まで下押しした。
もっとも、週明け早朝取引で付けた日通し安値1.1295ドルが目先サポートとして働くと1.13ドル台前半まで持ち直した。
なお、ベッセント米財務長官は「関税、減税、規制緩和は長期投資を促進する鍵」「(中国との交渉について)今後数週間で進展が見られる可能性」「貿易に関するいくつかの取引成立が非常に近い」などと述べたと伝わったが、相場の反応は限られた。
・ユーロ円は続落。ドル円の下落につれた売りが出たほか、米国株安に伴う売りが出た。取引終了間際には一時162.58円と日通し安値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は10日ぶりに反落。トランプ米大統領が「海外製作の映画に100%の関税を課す」と表明したことが嫌気されて売りが先行すると一時250ドル超下落した。ただ、4月米ISM非製造業指数が予想を上回ると買い戻しが優勢となり、指数は上げに転じる場面もあった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。4月米ISM非製造業指数が予想を上回ると債券売りが優勢となった。
・原油先物相場は続落。OPECと非加盟国のサウジアラビアなどが3日に、6月に日量41万1000バレルの追加増産を行うことで合意したことが報じられたことで、55ドル台まで下がるなど大幅安で始まった。ただ、ドル安により割安感で買い戻しも入り、下げ幅を縮めて引けている。
・金先物相場は続伸。対円を中心にドル安が進行すると、ドルで取引される金先物はアジア時間から割安感で買いが集まった。9日続伸していたダウ平均やS&P500が反落して始まると、更に上値を広げる場面もあったが、ダウ平均がプラス圏を回復したこともあり伸び悩んだ。
5日08:24 トランプ米大統領
「海外で製作された全ての映画に100%の関税を計画」
「今週、習主席と話す予定はない」
「中国と米国当局は異なることについて協議中」
「(今週の貿易協議について):成立する可能性は十分にある」
「今週にも貿易合意が成立する可能性がある」
「中国と公正な取引を望むが、中国は米国を食い物にしている」
5日17:48 台湾中央銀行
「台湾は為替レートを操作していない」
「米国は台湾ドルの切り上げを求めていない」
「近年、台湾の対米貿易黒字は拡大しているが、これは為替レート要因よりもむしろ、主に台湾の情報通信技術に対する米国の需要増加によるもの」
5日18:00 パネッタ伊中銀総裁
「保護主義によって景気が弱まる可能性がある」
6日00:07 ベッセント米財務長官
「関税、減税、規制緩和は長期投資を促進する鍵」
「税制改革により、中小企業向け減税が恒久化され、メインストリートの増税が阻止される」
「米国は世界資本の帰結点としての地位を固める」
「(中国との交渉について)今後数週間で進展が見られる可能性がある」
「貿易に関するいくつかの取引が非常に近い」
※時間は日本時間
<国内>
○みどりの日の振替休日で休場
<海外>
○10:30 ◎ 3月豪住宅建設許可件数(予想:前月比▲1.5%)
○10:45 ◎ 4月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:51.8)
○14:45 ◇ 4月スイス失業率(季節調整前、予想:2.9%)
○15:45 ◇ 3月仏鉱工業生産(予想:前月比0.3%)
○16:00 ◎ パネッタ伊中銀総裁、講演
○16:50 ◎ 4月仏サービス部門PMI改定値(予想:46.8)
○16:55 ◎ 4月独サービス部門PMI改定値(予想:48.8)
○17:00 ◎ 4月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:49.7)
○17:30 ◎ 4月英サービス部門PMI改定値(予想:48.9)
○18:00 ◎ 3月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲1.4%/前年比2.5%)
○21:30 ◇ 3月カナダ貿易収支(予想:16.0億カナダドルの赤字)
○21:30 ◎ 3月米貿易収支(予想:1369億ドルの赤字)
○23:00 ◇ 4月カナダIvey購買部協会景気指数
○7日02:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○独首相指名選挙
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○韓国(こどもの日の振替休日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
5日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、143.54円まで続落した後、4月米ISM非製造業指数が51.6と予想の50.2を上回ったことで144.24円付近まで下げ幅を縮めた。ユーロドルは1.1365ドルまで上昇した後、予想を上回る4月米ISM非製造業指数を受けて1.1297ドル付近まで下押しした。
本日のアジア外国為替市場のドル円は、東京市場が休場のため動きづらい展開の中、昨日同様に台湾ドル(TWD)の動向を注視しながら、今夜からの米連邦公開市場委員会(FOMC)を待つ展開が予想される。
昨日は、東京、中国、香港市場が休場で閑散取引の中、台湾ドル(TWD)が米国との通商交渉での通貨協定(米ドル安・台湾ドル高)への警戒感から5%強上昇し、円買いに波及したことで本日も警戒しておきたい。
FOMCでは、米4月雇用統計(非農業部門雇用者数+17.7万人、失業率4.2%)を受けて、ほぼ政策金利の据え置きが見込まれ、さらに、6月のFOMCでも雇用統計発表前の利下げ観測が後退している。
IMMシカゴ筋は、今年1月にドル円が155円付近で推移していた頃、円の売り持ちポジションから買い持ちポジションに転換し、152円付近では過去最大規模に拡大して、先週4月29日時点(※NY終値:142.33円)では179,212枚まで過去最大を更新していた。その後、ドル円は、5月1日の日銀金融政策決定会合でのハト派的据え置きで、145円台後半まで上昇しており、一部手仕舞われた可能性があるため、今週末の商品先物取引委員会(CFTC)の発表を待ちたい。
シカゴ筋がドル売り・円買いのポジションに傾いた背景は以下の通りと思われるが、現状は、材料としてはやや弱まっている。
1)日銀の追加利上げ観測
2)FOMCでの追加利下げ観測
3)トランプ米政権によるドル安・円高誘導策(プラザ合意II、マールアラーゴ合意)
1)は、先週の日銀金融政策決定会合で、物価見通しが下方修正され、「賃金と物価の好循環」という文言が削除というハト派的な据え置きとなったことで、後退している。
2)は、米4月雇用統計を受けて、年4回の利下げ見通しが3回程度まで減っていることで、やや後退している。
3)は、トランプ米大統領やベッセント米財務長官は円安を牽制する発言を繰り返しているものの、7月8日に90日間の猶予期間が切れる相互関税交渉の結果待ちとなっている。
また、米中の関税交渉が進展するのではないかとの期待感も円安要因となっており、本日も関連ヘッドラインに警戒しておきたい。
5月2日の時点では、中国商務省報道官が、米国との通商協議の可能性を現在検討している、と述べ、「誠意」を示すよう米国に促した。また、中国は、約400億ドルの米国製品について、公式発表なしに関税の適用除外を開始した。さらに、米紙ウォールストリート・ジャーナルは、中国が通商交渉の開始に向けて、米国側に合成麻薬フェンタニルに関して提案を行うことを検討していると報じた。
しかし、昨日は、トランプ米大統領が「中国に関する最優先事項は公正な取引を確保すること」と述べつつも、「中国は米国を食い物にしている」と述べたことで、中国側が求めていた「誠意」が示されなかったことが米中関税交渉への警戒感を高めた。
昨日のドル円は週明け早朝の145.00円からポジション調整の売りが先行。アジア時間では、東京や香港、中国が休場となるなか、台湾ドルが対ドルで5%の急騰となるなど、流動性のないなかで全般ドル安が進むことになりました。
欧州時間は144円台半ばまで買戻される場面もみられましたが、その後はダウ先物が下落するにつれて先週末の安値143.73円を下抜けて一時143.54円まで値を下げました。NY時間に入ってからは4月米ISM非製造業指数が予想を上回る強い数字となると144.24円まで買戻されたものの、引けにかけてはダウ平均が下落に転じたこともあり143.66円まで再び戻り売りに押されたといったところです。
GW最終日のアジア市場では、東京勢不在のなか下値を試しましたが、昨日安値を下抜けることが出来ず買戻されていますが、いずれにしても、大きな方向感は出ないままとなっています。
昨日は、トランプ米大統領が「外国で制作された映画に100%関税をかける」と表明したり、「中国は米国を食い物にしている」などと誠意を示さない態度をとったことから、トランプ関税絡みでは市場としてはネガティブな反応が多かったわけですが、今後も発言に一喜一憂しながらも、最悪のリスクオフからの緩和を見守っていくことになります。
それよりも、今週は本日予定されている米10年債入札や明日のFOMCを経て、8日には米30年債入札が実施されるわけで、ただでさえ大型の起債が相次ぐなかで需給関係の緩みが意識されることになりそうです。ドル円は目先、一目転換線が位置する143.95円を意識する展開となっています。
香港金融管理局(HKMA)は3日、465億3900万HKドルの香港ドル売り・米ドル買いを実施したと発表した。為替相場がペッグ制の上限(1米ドル=7.75HKドル)に達したため、香港ドル高の進行を抑える為替介入を実施した。『香港経済日報』によると香港ドル売り介入は2020月10月以来およそ4年半ぶり。HKMAは5日にも95億3200万HKドル規模の香港ドル売り介入を行った。
2度の介入により計560億7100万HKドルが市場に供給され、民間銀行がHKMAに保有する決済性預金口座残高は7日に1008億4100万HKドルへ増加する。
香港ドルはペッグ制を採用しており、1米ドル=7.75-7.85香港ドルの範囲で米ドルに連動する。外国為替市場で香港ドル相場が下限か上限に達すると、香港の中央銀行にあたるHKMAが市場介入する。
1997年、橋本首相(当時)は米通商代表部(USTR)との自動車交渉が難航していた時、
「何回か財務省証券を売りたいという誘惑にかられたことがある」と述べた。
2025年5月2日、加藤財務相は、米国との関税交渉が難航している時、日本が保有する米国債について、「関税交渉のカードとしてはある」と述べた。しかし、5月4日には、「米国債の売却を日米関税交渉の手段とは考えていない」と撤回している。
1. 橋本首相の米国債売却発言(1997年6月23日)
橋本首相(当時)は、アメリカのコロンビア大学での講演を終えた後の質疑応答で、米国債のショートポジションで苦しんでいたヘッジファンド筋による誘導質問「米国債を売る誘惑にかられたことはありませんか?」に対して、「本当のことを申し上げれば、大量の米国債を売却しようという誘惑にかられたことは、幾度かあります」と述べた。
ドル円は115円台から114円台へ下落、ダウ平均は190ドル超の下落、米国債も下落し、米国債の売り持ちポジションで苦しんでいたヘッジファンドは、手仕舞うことができた。
橋本氏「この場には、アメリカ連邦政府の職員の方はいらっしゃいませんでしょうね。
本当のことを申し上げれば、われわれは、大量の米国債を売却しようとする気になったことは、幾度かあります。たとえば、ミッキー・カンターさんとやりあった時とか、アメリカが国際準備通貨としてのドルの役割を維持しようとしなかった時とかですね。米国債を保有することは、われわれにとって唯一の選択肢ではないのです。むしろ、米国債を売却して、金を購入することも、もうひとつの選択肢なのです。でも、日本がいったんそのようなことをしようとなれば、アメリカ経済に計り知れない衝撃を与えることになりますよね。そうじゃないですか?
多くの国が、米国債を、外貨準備高として、保有しています。 これらの国は、ドルが下落しても、米国債を買い続けるでしょうし、そのことは、アメリカ経済にとって、かなりの支えになるはずです。私は、そうなることを願っているのですが、アメリカが為替レートの安定性の維持に努力し、協力するであろうことは、かなり、明白なはずです。 ですから、われわれは、米国債を売却し、外貨準備を金に変えようとしたい誘惑に、屈服することはないでしょう。」
2.加藤財務相(2025年5月2日)
加藤財務相は、テレビの報道番組で、今後の関税交渉の中で米国債を安易に売らないと明言することは日本の手段の一つになり得るかどうかを問われ、「日本が保有する米国債は関税交渉のカードとしてはあるが、切るのか切らないのかは別の判断だ。日本政府による保有は米国を支援するために持っているわけではない」と述べた。
また、国会で米関税措置などに対応する財源として米国債を売却してはどうかと問われ、「外貨準備を取り崩して円貨に変えるのは円買い・外貨売りの介入と実質的に変わらず、慎重に考えていかなければならない。外貨資産は将来の為替介入に備えて十分な流動性確保が目的で、米国との関係で売却できないということはない」と述べた。
5月4日、加藤財務相は、日中韓ASEAN財務相・中央銀行総裁会議後に、日米関税交渉について「米国債の売却を日米関税交渉の手段とは考えていない」と述べている。
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日本の方がずっと移民がひどい。
東京大学の大学院の4割が中国人なので、2030年までに日本の官僚や議員や裁判官や医師などの日本の上級国民の4割が中国人になってるよ。
テレビ新聞は報道しない自由を使ってきたので、日本人は中国人に侵略支配されてきたことに何も気づいていないけど。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、欧米貿易交渉関連のヘッドラインに警戒しながら、パネッタ伊中銀総裁の講演や4月の欧独仏のサービス部門PMI改定値を見極めていく展開が予想される。
本日から明日にかけて欧州中央銀行(ECB)理事会の特別会合が開催される。通常の特別会合では、金融政策の協議は行われないが、ベッセント米財務長官がECBの追加利下げに言及していたことで、パネッタ伊中銀総裁の講演には注目しておきたい。
また、今週、欧州連合(EU)は、米国との貿易協議を再始動させるための提案をまとめた文書をトランプ政権に提示する方針であり、文書には、貿易および非関税障壁の低減や対米投資の拡大、米国産の液化天然ガス(LNG)の購入などが盛り込まれる見通しとなっている。
EU側からの歩み寄りが窺える内容となっており、難航してきた欧米貿易交渉が合意に向けて前進するのか否か、関連ヘッドラインに注目しておきたい。
4月のユーロ圏、独、仏のサービス部門PMI改定値では、トランプ関税による景況感の悪化が警戒される中、下方修正には警戒しておきたい。
4月の英サービス部門PMI改定値に関しても、8日のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)を控えて、下方修正には警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1399ドル(4/30高値)
・ユーロ円:164.63円(5/2高値)
・ポンドドル:1.3444ドル(4/29高値)
・ポンド円:192.92円(日足一目均衡表・雲の上限)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1176ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:161.47円(日足一目均衡表・基準線)
・ポンドドル:1.3077ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:190.00円(4/30安値)
今週の日経225先物はトランプ関税の影響は警戒されるが、順調なリバウンドを継続するなかでショートカバーが入りやすい需給状況が見込まれる。5月2日に一時3万7000円を回復し、同水準に位置する75日移動平均線(3万7000円)を捉えた。祝日取引では3万7350円まで上昇する場面もみられ、同線を上抜いてきた。75日線での攻防を意識しつつも、ボリンジャーバンドの+2σ(3万7550円)と200日線(3万7660円)を射程に捉えてきた。3月26日につけた戻り高値の3万7970円が次第に意識されてくるとみられ、カバーの動きが強まりやすい。
日経平均株価は4月23日から5月2日まで7営業日続伸し、2600円あまり上昇した。その間、東証プライムの出来高が20億株を上回ったのは4月28日と30日の2日間のみであり、この両日は月末のドレッシング買いの影響であろう。それ以外はロングが指数を押し上げたというよりは、積極的な売買が手控えられるなかでショーカバーが中心だったことが窺える。
日経225先物は先週の上昇で13週線(3万6570円)を突破し、2日の取引終了後のナイトセッションで3万6670円まで売られる場面はあったものの、同線が支持線として機能していた。13週線と26週線(3万7670円)によるレンジが意識され、26週線を捉えてくるようだと52週線(3万7880円)が射程に入ってくる。2月第4週(25~28日)に26週、52週線を割り込んだ後は両線に上値を抑えられていただけに、これらを捉えてくるとショートカバーが本格化するとともに、新たなロングの動きが強まることになりそうだ。
トランプ米大統領は4日、製品の大半に145%の関税を課している対中関税について「どこかの時点で引き下げるだろう」と述べていた。一方で、自身のSNSで米国外で製作する全ての映画に100%の関税を課す方針を示しており、関税の影響がエンタメ市場にも広がりをみせてきた。5日の米国市場では、ネットフリックス<NFLX>やウォルト・ディズニー<DIS>、パラマウント・グローバル<PARA>、ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー<WBD>が売られ、NYダウ、S&P500指数は10営業日ぶりに下落した。トランプ大統領によるSNS投稿はアルゴリズム発動のトリガーになる可能性がある点には注意しておきたい。
6~7日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。政策金利は据え置きがコンセンサスであるが、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の記者会見などを見極めたいとするムードも強く、積極的なロングは入りにくいだろう。国内では8日にトヨタ自動車<7203.T>[東証P]、任天堂<7974.T>[東証P]、コナミグループ<9766.T>[東証P]、9日にリクルートホールディングス<6098.T>[東証P]、三井不動産<8801.T>[東証P]などの決算発表が予定されている。今週末から来週に決算発表のピークを迎えることから、様子見姿勢が強まると、利益確定に伴うロング解消の動きが勢いを増す可能性もある。
そのため、日経225先物は75日線水準での攻防を意識しつつ、200日線とのレンジになりそうだ。オプション権利行使価格では3万6625円から3万7625円のレンジを想定する。3万7000円処での底堅さが意識される局面では、52週線を意識した3万7000円から3万8000円へとレンジが引き上げられよう。
先週末のNT倍率は先物中心限月で13.69倍(1日は13.61倍)に上昇した。ボリンジャーバンドの+1σ突破から+2σ(13.70倍)水準まで切り上がってきている。週足では1月下旬以降、上値を抑えられていた13週線(13.74倍)に接近してきた。同線を上抜けてくるようだと、NTショートを巻き戻す動きが強まりそうだ。
4月第4週(4月21日-25日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続の買い越しであり、買い越し額は5242億円(4月第3週は3452億円の買い越し)だった。なお、現物は2881億円の買い越し(同1503億円の買い越し)と4週連続の買い越しであり、先物は2360億円の買い越し(同1948億円の買い越し)と2週連続の買い越し。個人は現物と先物の合算で4710億円の売り越しと3週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で1865億円の売り越しとなり、3週ぶりの売り越しだった。
主要スケジュールでは、6日に中国4月財新サービス業PMI、米国3月貿易収支、7日にFOMC終了後に政策金利、パウエルFRB議長記者会見、8日に日銀金融政策決定会合議事要旨(3月18・19日開催分)、イングランド銀行政策金利、米国1-3月期非農業部門労働生産性指数、9日にオプションSQ、3月全世帯家計調査、3月景気動向指数、中国4月貿易収支などが予定されている。
本日のニューヨーク為替市場では、トランプ関税を巡る市場全般のリスクセンチメントを測りながらの取引か。またカナダドルは、ホワイトハウスで行われる予定の米加首脳会談が注目される。
昨日もベッセント米財務長官が、中国との貿易協議について「今後数週間で進展が見られる可能性」と言及したものの相場の反応は限られた。それよりも、米中首脳会談を否定したトランプ米大統領が「中国は米国を食い物にしている」と述べたことが嫌気されたもよう。一時高まった米中貿易摩擦の緩和期待がしぼみ、先週進んだリスク志向の動きが後退した。
トランプ大統領の発言はこれまでも二転三転しているため、さすがに相場もその都度反応することに疲れてきたもよう。このところ通商合意に期待を持たせる言葉も多かったため、逆に梯子を外されたときの失望は大きいかもしれない。なお同大統領は昨日、海外で製作された映画に100%関税を課すと述べ、こちらも相場を困惑させている。
ドル円は欧州前半に1日安値142.88円に迫る水準まで下落した。同日は日銀会合の結果公表や植田日銀総裁の会見を経て早期利上げ観測が後退し、ドル高円安が大きく進んだ日だ。その上げ幅をほぼ吐き出したことになる。
円高が進行した要因の1つは、台湾ドルを始めとするアジア通貨高にもありそうだ。本日は台湾ドル買いが一服したものの、月初来では対ドルで5%超上昇した水準にいる。香港ドルも香港金融管理局(HKMA)の大規模な香港ドル売り介入にもかかわらず、許容変動幅の上限付近から脱出できていない。暫くはアジア通貨に絡んだニュースを注視する必要があるだろう。
本日はカーニー加首相がホワイトハウスを訪れて、トランプ米大統領と会談する。先のカナダ総選挙でカーニー首相率いる自由党が勝利した大きな要因は、米大統領に対する加首相の断固たる態度とされている。そのため、両首脳が簡単に歩みよることはなさそうであり、本日の大きな進展は期待できそうにない。しかしながら、同盟国・隣国、重要な貿易相手国として新たな関係を構築すべきという考えもあるだろう。関係改善の兆しが見えれば、ひとまずカナダドルにとってポジティブと受けとめられるのではないか。
想定レンジ上限
・ドル円、本日高値144.28円
・カナダドル円、ピボット・レジスタンス1の104.65円
想定レンジ下限
・ドル円、4月29日安値141.97円
・カナダドル円、4月29日安値102.50円
ドイツ議会は、2回目の投票でメルツ氏を首相に選出した。
日経平均株価は7日続伸。マド開けを伴う買い先行から上値を伸ばす堅調な展開となった。心理的節目である37000円をつけることはできなかったが、連休前に大きくだれることなく陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の83.5%→83.6%(5/2)に横ばい。連休明けは上昇しやすいタイミングとなり、短期的な相場の見方に変化はない。直近高値更新が続いており、4/7安値(30792円)を起点とした目先波動は上昇継続の判断となる。
3/31の下落で形成したマド埋め(36864円)を達成し、次は75日移動平均線(37152円 5/2)や一目均衡表の雲下限(37592円 同)がターゲットになる。
一方、25日移動平均線(34688円 同)はまもなく下向きが横ばいに変化する可能性はあるが、同線との離れが株価の上値を抑える要因になるほか、基準線(34325円 同)の下向きが続くことで、揺り戻しの調整シナリオも想定できる。
上値メドは、心理的節目の37000円、75日移動平均線、心理的節目の37500円、100日移動平均線(37713円 同)、200日移動平均線(38003円 同)などがある。下値メドは、5日移動平均線(36174円 同)、10日移動平均線(35401円 同)、心理的節目の35000円、25日移動平均線、心理的節目の34500円、4/22高値(34340円)などがある。
米財務省によると、10年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.342%、応札倍率(カバー)が2.60倍となった。
(6日終値:7日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=142.51円(6日15時時点比▲1.28円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.95円(▲0.79円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1364ドル(△0.0046ドル)
FTSE100種総合株価指数:8597.42(前営業日比△1.07)
ドイツ株式指数(DAX):23249.65(前営業日比▲94.89)
10年物英国債利回り:4.514%(△0.006%)
10年物独国債利回り:2.540%(△0.023%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月スイス失業率
2.8% 2.9%
3月仏鉱工業生産
(前月比) 0.2% 1.0%・改
4月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値
47.3 46.8
4月独サービス部門PMI改定値
49.0 48.8
4月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
50.1 49.7
4月英サービス部門PMI改定値
49.0 48.9
3月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
(前月比) ▲1.6% 0.2%
(前年比) 1.9% 3.0%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。ドイツ連邦議会ではこの日、首相就任を目指していた「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」のメルツ氏が1回目の投票で選ばれない異例の事態となった。独政治の先行き不透明感が意識されて、一時1.1305ドル付近まで下押しする場面があった。
ただ、2回目の投票でメルツ氏が首相に選出されたことが伝わると、独政局不安が後退しユーロ買いで反応。カナダドルやメキシコペソなど北米の2通貨に対してドル安が進んだ影響も受けて、一時1.1370ドルと日通し高値を更新した。
・カナダドルやメキシコペソは強含み。トランプ米大統領がカーニー加首相との会談後に開いた記者会見で「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の再交渉が始まる可能性」「カナダと友好関係を築くだろう」などと述べたことを受けた。カナダドルは対米ドルで一時1.3751カナダドルまで買われ、昨年10月中旬以来の高値を更新。また、メキシコペソは対ドルで一時19.6219ペソまで買われた。
・ドル円は下げ渋り。米関税政策への警戒感が根強い中、欧州株相場や時間外のダウ先物が下落するとリスク・オフの円買い・ドル売りが先行。現物のダウ平均が一時450ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移したことも相場の重しとなり、23時前に一時142.36円と日通し安値を更新した。
ただ、4月30日の安値142.17円が目先サポートとして意識されると下げ渋った。ダウ平均が50ドル安程度まで下げ幅を縮めたことも相場を下支えした。
・ユーロ円は弱含み。ドル円の下落につれた円買い・ユーロ売りが先行すると、22時過ぎに一時161.60円と本日安値を付けた。ただ、ドル円の下げ渋りにつれた買いが入ると162.14円付近まで下げ幅を縮めた。
・ロンドン株式相場は小幅ながら16日続伸。7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や8日の英中銀金融政策委員会(MPC)を控えて様子見ムードが強く、大きな方向感は出なかった。コンパス・グループやネクストなど一般消費財サービスが買われたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は10日ぶりに反落。米関税政策への警戒感が根強い中、売りが優勢となった。足もとで相場上昇が続いていただけに、利益確定目的の売りも出やすかった。個別ではバイヤスドルフ(4.14%安)やザランド(3.35%安)、インフィニオン・テクノロジーズ(2.46%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落した。
(6日終値:7日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=142.51円(6日15時時点比▲1.28円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.95円(▲0.79円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1364ドル(△0.0046ドル)
FTSE100種総合株価指数:8597.42(前営業日比△1.07)
ドイツ株式指数(DAX):23249.65(前営業日比▲94.89)
10年物英国債利回り:4.514%(△0.006%)
10年物独国債利回り:2.540%(△0.023%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月スイス失業率
2.8% 2.9%
3月仏鉱工業生産
(前月比) 0.2% 1.0%・改
4月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値
47.3 46.8
4月独サービス部門PMI改定値
49.0 48.8
4月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
50.1 49.7
4月英サービス部門PMI改定値
49.0 48.9
3月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
(前月比) ▲1.6% 0.2%
(前年比) 1.9% 3.0%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。ドイツ連邦議会ではこの日、首相就任を目指していた「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」のメルツ氏が1回目の投票で選ばれない異例の事態となった。独政治の先行き不透明感が意識されて、一時1.1305ドル付近まで下押しする場面があった。
ただ、2回目の投票でメルツ氏が首相に選出されたことが伝わると、独政局不安が後退しユーロ買いで反応。カナダドルやメキシコペソなど北米の2通貨に対してドル安が進んだ影響も受けて、一時1.1370ドルと日通し高値を更新した。
・カナダドルやメキシコペソは強含み。トランプ米大統領がカーニー加首相との会談後に開いた記者会見で「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の再交渉が始まる可能性」「カナダと友好関係を築くだろう」などと述べたことを受けた。カナダドルは対米ドルで一時1.3751カナダドルまで買われ、昨年10月中旬以来の高値を更新。また、メキシコペソは対ドルで一時19.6219ペソまで買われた。
・ドル円は下げ渋り。米関税政策への警戒感が根強い中、欧州株相場や時間外のダウ先物が下落するとリスク・オフの円買い・ドル売りが先行。現物のダウ平均が一時450ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移したことも相場の重しとなり、23時前に一時142.36円と日通し安値を更新した。
ただ、4月30日の安値142.17円が目先サポートとして意識されると下げ渋った。ダウ平均が50ドル安程度まで下げ幅を縮めたことも相場を下支えした。
・ユーロ円は弱含み。ドル円の下落につれた円買い・ユーロ売りが先行すると、22時過ぎに一時161.60円と本日安値を付けた。ただ、ドル円の下げ渋りにつれた買いが入ると162.14円付近まで下げ幅を縮めた。
・ロンドン株式相場は小幅ながら16日続伸。7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や8日の英中銀金融政策委員会(MPC)を控えて様子見ムードが強く、大きな方向感は出なかった。コンパス・グループやネクストなど一般消費財サービスが買われたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は10日ぶりに反落。米関税政策への警戒感が根強い中、売りが優勢となった。足もとで相場上昇が続いていただけに、利益確定目的の売りも出やすかった。個別ではバイヤスドルフ(4.14%安)やザランド(3.35%安)、インフィニオン・テクノロジーズ(2.46%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落した。
【来週の見通し】
堅調か。月曜と火曜が休場で立ち合いは3日。国内では引き続き決算発表が多く、トヨタ、任天堂、IHIなど売買代金上位の常連銘柄が発表を予定している。個別物色が活況となることで、楽観ムードの強い地合いが続くだろう。イベントとしてはFOMC(5/6~5/7)が注目されるが、今回は政策金利の据え置きが濃厚とみられている。直近でトランプ大統領のFRB批判がトーンダウンしていることもあり、FOMCは大きな波乱なく通過する公算が大きい。日経平均は5月2日まで7日続伸しており、反動には一定の警戒を払う必要があるものの、下げたとしても初押しになるだけに、直近の上昇に乗り遅れた投資家からの買いが入りやすい。円安期待も高まる中、売りをこなしながらもう一段上を試す展開を予想する。
【今週を振り返る】 大幅高となった。米国株の動きが良くなり、日本株もこれと歩調を合わせて水準を切り上げた。週明けの4月28日の日経平均は前週末の米国株高を追い風に3桁の上昇。休場を挟んで30日も3桁の上昇となり、終値で36000円を上回った。5月に入り1日は上昇して始まった後、日銀金融政策決定会合の結果を受けて後場に入って一段高。追加利上げのハードルが高いとの見方が強まり、為替市場で円安が進んだことが株価を押し上げた。2日も米国株高や円安を好感して大幅上昇。5月2日まで7日続伸となり、この7日間全てで3桁の上昇となった。日経平均は週間では1124円の上昇となり、週足では4週連続で陽線を形成した。
(6日終値)
ドル・円相場:1ドル=142.45円(前営業日比▲1.25円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.98円(▲0.63円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1370ドル(△0.0055ドル)
ダウ工業株30種平均:40829.00ドル(▲389.83ドル)
ナスダック総合株価指数:17689.66(▲154.58)
10年物米国債利回り:4.29%(▲0.05%)
WTI原油先物6月限:1バレル=59.09ドル(△1.96ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3422.8ドル(△100.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月米貿易収支
1405億ドルの赤字 1232億ドルの赤字・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日続落。米関税政策への警戒感が根強い中、ダウ平均が一時450ドル超下落するとリスク回避の円買い・ドル売りが先行。23時前に一時142.36円と日通し安値を更新した。
ただ、4月30日の安値142.17円が目先サポートとして意識されると下げ渋った。ダウ平均が50ドル安程度まで下げ幅を縮めたことも相場を下支えし、一時143.03円付近まで値を戻した。
もっとも、ダウ平均が再び弱含むとドル円の上値も重くなった。好調な米10年債入札をきっかけに米長期金利が低下に転じたことも相場の重しとなり、4時30分過ぎには142.36円付近まで押し戻された。
・ユーロドルは3日続伸。ドイツ議会の第2回首相指名投票で「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」のメルツ氏が首相に選出されると、独政局不安が後退しユーロ買いが先行。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、一時1.1381ドルと日通し高値を更新した。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時99.17まで低下した。
・カナダドルやメキシコペソは上昇。トランプ米大統領がカーニー加首相との会談後に開いた記者会見で「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の再交渉が始まる可能性」「カナダと友好関係を築くだろう」と発言したことなどを受けた。カナダドルは対米ドルで一時1.3751カナダドルまで買われ、昨年10月中旬以来の高値を更新。また、メキシコペソは対ドルで一時19.6219ペソまで買われた。
・ユーロ円は3日続落。ドル円の下落につれた売りが出ると、22時過ぎに一時161.60円と本日安値を付けた。ただ、そのあとはドル相場となったことで162.00円を挟んだもみ合いに終始した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。トランプ米政権の高関税政策への懸念が根強い中、売りが優勢となった。明日7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に持ち高調整目的の売りも出た。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続落。決算発表をきっかけに売りが強まったパランティア・テクノロジーズが12%超の急落となった。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日ぶりに反発。しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、10年債入札が「堅調」だったことが分かると買いが優勢となった。
・原油先物相場は3日ぶり反発。OPECプラスの追加増産で大幅に続落した後だったこともあり、本日は調整の買い戻しが優勢となった。また、多くの通貨でドル売りが進んだことで、ドルで取引される原油先物は割安感からも買いが集まりやすかった。
・金先物相場は大幅に3日続伸。遅々として進まない米中通商協議への不安感や、明日結果が発表されるFOMCを前にリスク回避の動きで金先物は3日続伸した。ドルが多くの通貨で軟調な動きをみせたことで、ドルで取引される金先物に割安感が出たことも相場を支えた。
(6日終値)
ドル・円相場:1ドル=142.45円(前営業日比▲1.25円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.98円(▲0.63円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1370ドル(△0.0055ドル)
ダウ工業株30種平均:40829.00ドル(▲389.83ドル)
ナスダック総合株価指数:17689.66(▲154.58)
10年物米国債利回り:4.29%(▲0.05%)
WTI原油先物6月限:1バレル=59.09ドル(△1.96ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3422.8ドル(△100.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月米貿易収支
1405億ドルの赤字 1232億ドルの赤字・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日続落。米関税政策への警戒感が根強い中、ダウ平均が一時450ドル超下落するとリスク回避の円買い・ドル売りが先行。23時前に一時142.36円と日通し安値を更新した。
ただ、4月30日の安値142.17円が目先サポートとして意識されると下げ渋った。ダウ平均が50ドル安程度まで下げ幅を縮めたことも相場を下支えし、一時143.03円付近まで値を戻した。
もっとも、ダウ平均が再び弱含むとドル円の上値も重くなった。好調な米10年債入札をきっかけに米長期金利が低下に転じたことも相場の重しとなり、4時30分過ぎには142.36円付近まで押し戻された。
・ユーロドルは3日続伸。ドイツ議会の第2回首相指名投票で「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」のメルツ氏が首相に選出されると、独政局不安が後退しユーロ買いが先行。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、一時1.1381ドルと日通し高値を更新した。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時99.17まで低下した。
・カナダドルやメキシコペソは上昇。トランプ米大統領がカーニー加首相との会談後に開いた記者会見で「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の再交渉が始まる可能性」「カナダと友好関係を築くだろう」と発言したことなどを受けた。カナダドルは対米ドルで一時1.3751カナダドルまで買われ、昨年10月中旬以来の高値を更新。また、メキシコペソは対ドルで一時19.6219ペソまで買われた。
・ユーロ円は3日続落。ドル円の下落につれた売りが出ると、22時過ぎに一時161.60円と本日安値を付けた。ただ、そのあとはドル相場となったことで162.00円を挟んだもみ合いに終始した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。トランプ米政権の高関税政策への懸念が根強い中、売りが優勢となった。明日7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に持ち高調整目的の売りも出た。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続落。決算発表をきっかけに売りが強まったパランティア・テクノロジーズが12%超の急落となった。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日ぶりに反発。しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、10年債入札が「堅調」だったことが分かると買いが優勢となった。
・原油先物相場は3日ぶり反発。OPECプラスの追加増産で大幅に続落した後だったこともあり、本日は調整の買い戻しが優勢となった。また、多くの通貨でドル売りが進んだことで、ドルで取引される原油先物は割安感からも買いが集まりやすかった。
・金先物相場は大幅に3日続伸。遅々として進まない米中通商協議への不安感や、明日結果が発表されるFOMCを前にリスク回避の動きで金先物は3日続伸した。ドルが多くの通貨で軟調な動きをみせたことで、ドルで取引される金先物に割安感が出たことも相場を支えた。
一部通信社が報じたところによると、「インドはパキスタンのテロ組織キャンプへの攻撃を実施した」ようだ。
6日08:28 ジョンソン米下院議長
「トランプ米大統領の税制改革法案の26日前後の可決を目指す」
6日16:47 シュレーゲル・スイス国立銀行(スイス中銀、SNB)総裁
「現在の最大の課題は不確実性」
「物価安定という我々の使命に引き続きコミットしている」
「必要であれば為替市場に介入する準備はできている」
「マイナス金利を排除せず」
「誰もマイナス金利を好まないが、もし必要であれば再び実施する用意がある」
「不確実性のため、スイス成長が鈍化する可能性」
「暗号資産は、外貨準備としては価格変動が大きすぎる」
6日16:59 香港金融管理局(HKMA)
「米国債保有のデュレーション(期間)を縮小している」
「香港の為替基金は、米ドル以外の資産への分散を進めている」
「投資ポートフォリオにおける通貨エクスポージャーの分散を進め、リスク管理を行っている」
6日23:20 ベッセント米財務長官
「中国との交渉はまだ、多数国から良いオファーがある」
「貿易協定は早ければ今週中に締結される可能性がある」
「データには米国が景気後退に陥っていることを示すものは何もない」
7日01:12 トランプ米大統領
「月曜の(中東への)出発前に重大発表 を行う」
「発表はこの上なく大きなものだ」
「中国経済は米国との貿易停滞で苦しんでいる」
「米国の対中赤字は関税で変わりつつある」
「中国は交渉を望んでおり、我々は適切な時期に会うことになるだろう」
「自動車産業のビジネスを守りたい」
「膨大な数の企業が米国に進出している」
「USMCAは依然として非常に効果的」
「USMCAは移行措置だった」
「カナダが51番目の州になれば、大幅な減税と軍事費の免除が実現するだろう。カナダにとって、はるかに良いことだと思う」
「今後数日間の発表は必ずしも貿易に関するものではない」
※時間は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○07:45 ◎ 1-3月期ニュージーランド(NZ)失業率(予想:5.3%)
◎ 就業者数増減(予想:前期比0.1%/前年比▲0.5%)
○15:00 ◎ 3月独製造業新規受注(予想:前月比1.3%/前年同月比1.2%)
○15:00 ◎ 4月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比0.5%)
コア指数(予想:前月比0.4%/前年比2.5%)
○15:45 ◇ 3月仏貿易収支
○15:45 ◇ 3月仏経常収支
○17:30 ◎ 4月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:45.8)
○18:00 ◎ 3月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比横ばい/前年比1.6%)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:5.25%に引き下げ)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○8日03:00 ◎ 4月ブラジル貿易収支(予想:82.96億ドルの黒字)
○8日03:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:4.25-4.50%で据え置き)
○8日03:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○8日04:00 ◇ 3月米消費者信用残高(予想:95.0億ドル)
○8日06:30 ☆ ブラジル中銀、政策金利発表(予想:14.75%に引き上げ)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
<国内>
特になし
<海外>
○07:45 ◎ 1-3月期ニュージーランド(NZ)失業率(予想:5.3%)
◎ 就業者数増減(予想:前期比0.1%/前年比▲0.5%)
○15:00 ◎ 3月独製造業新規受注(予想:前月比1.3%/前年同月比1.2%)
○15:00 ◎ 4月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比0.5%)
コア指数(予想:前月比0.4%/前年比2.5%)
○15:45 ◇ 3月仏貿易収支
○15:45 ◇ 3月仏経常収支
○17:30 ◎ 4月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:45.8)
○18:00 ◎ 3月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比横ばい/前年比1.6%)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:5.25%に引き下げ)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○8日03:00 ◎ 4月ブラジル貿易収支(予想:82.96億ドルの黒字)
○8日03:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:4.25-4.50%で据え置き)
○8日03:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○8日04:00 ◇ 3月米消費者信用残高(予想:95.0億ドル)
○8日06:30 ☆ ブラジル中銀、政策金利発表(予想:14.75%に引き上げ)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
一部報道によると、ベッセント米財務長官とグリア米通商代表部(USTR)代表は貿易交渉開始に向け中国当局者と会談すると報じられた。
昨日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続落した。ダウ平均が一時450ドル超下落するとリスク回避の円買い・ドル売りが先行し一時142.36円と日通し安値を更新した。ユーロドルはドイツ議会の第2回首相指名投票で「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」のメルツ氏が首相に選出されると、独政局不安が後退しユーロ買いが先行した。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、一時1.1381ドルと日通し高値を更新した。ユーロ円はドル円の下げにつられ161.60円まで下押した。
東京タイムでは主な指標発表や注目のイベントは予定されておらず、ドル円は連休明けの日本株の動向を睨んだ動きになりそうだ。連休中に米株は続落し、ドル安・円高に振れたこともあり、日本株の軟調な動きが見込まれる。また、週明けから不安定な推移になっているアジア通貨の動きにも注目。市場では中国が米国との貿易交渉の一環として人民元相場の上昇を容認するとの臆測や、米国が2カ国間の貿易協議で東アジアでの通貨高を促す可能性があるとの観測も出ている。本日の東京早朝には一部報道で、ベッセント米財務長官とグリア米通商代表部(USTR)代表は貿易交渉開始に向け中国当局者と会談すると報じられ、中国外務省も中国の何副首相がベッセント米財務長官と会談すると明らかにし、いよいよ米中交渉が本格的に始まりそうだ。
4月末に日銀の金融政策決定会合や植田日銀総裁の会見を受けて日銀の利上げ期待は大きく後退し、これまで円高を支えた大きな要因が薄れたが、ドル円の下方向への圧力が強く、どれだけドル売り圧力が強いかを示唆している。米債・米株売りは一巡するも、ドル安地合いは続いており、ドルの信認が低下していることが示されている。金融市場全体を動かしている最大の要因は引き続き「関税の不確実性」であり、トランプ関税関連の短期的なニュースや推測によって神経質な動きは続くだろう。関税関連のヘッドラインに左右される相場が続いているが、一部ではトランプ米政権が7日にも半導体関税を発表するとの観測も出ている。
本日の注目イベントは米連邦公開市場委員会(FOMC)である。「相互関税」発動後初のFOMCとなるが、トランプ米政権の高関税政策が雇用や物価に与える影響を慎重に見極めるため、3会合連続で政策金利を据え置くことが見込まれている。米景気の先行きに対する不透明感は強まっているものの、4月の米雇用統計で非農業部門の就業者数は前月比17.7万人増と市場予想を上回り、失業率も4.2%と低水準を維持するなど、現時点で利下げを急ぐ材料は乏しい。トランプ米大統領は米連邦準備理事会(FRB)に繰り返し利下げを求め、パウエルFRB議長を「遅すぎる男」と痛烈に批判しており、FOMCの結果やパウエルFRB議長の会見内容次第では再び解任をちらつかせることもあり得るか。
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 36710 -100 (-0.27%)
TOPIX先物 2682.5 -4.5 (-0.16%)
シカゴ日経平均先物 36750 -60
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
6日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。トランプ米大統領が5日、医薬品の関税に関し2週間以内に発表すると述べた。また、中国との貿易交渉に具体的な進展がみられないほか、カナダとの首脳会談では関税については何も決定されなかったと明らかにするなど、米国の貿易政策を巡る不透明感が重荷になった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を翌日に控えていることも、持ち高調整の売りに向かわせた。
S&P500業種別指数は、電気通信サービス、公益事業、保険が上昇した一方で、医薬品・バイオテクノロジー、耐久消費財・アパレル、自動車・同部品の下げが目立った。NYダウ構成銘柄では、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、マクドナルド<MCD>、セールスフォース<CRM>が買われた。半面、メルク<MRK>、アムジェン<AMGN>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>、ハネウェル・インターナショナル<HON>が下落。
シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比60円安の3万6750円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比50円高の3万6860円で始まり、上げ幅を広げ3万7350円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は3万7050円~3万7200円処で保ち合いを継続。その後、レンジを切り下げ、3万6750円~3万7020円辺りで推移したが、終盤にかけて3万6640円まで売られ、3万6710円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まりそうだ。祝日取引で3万7350円まで買われ、75日移動平均線(3万6990円)を上回ったが、同線をキープできなかった。75日線が抵抗線として意識される可能性があり、3万7000円辺りでは戻り待ち狙いのショートが入りやすいだろう。
ただし、週足では前週の上昇で13週線を突破しており、同線が位置する3万6420円辺りが支持線として機能することが見込まれる。そのため、オプション権利行使価格の3万6500円から3万7000円のレンジを想定。トランプ関税を巡る不確実性により積極的なロングは手控えられるものの、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。75日線を捉えてくる局面ではショートカバーの動きが強まりやすいと考えられる。
3万7000円を捉えてくると、200日線(3万7660円)とのレンジに移行する可能性もありそうだ。週足では13週線と26週線(3万7670円)によるレンジが意識され、26週線クリアを試すようだと52週線(3万7880円)が射程に入ってくるとみておきたい。
6日の米VIX指数は24.76(5日は23.64)に上昇した。ただし、2日に一時22.34まで下げており、75日線(22.55)を下回る場面もみられていたため、いったんはリバウンドが意識されやすいところだろう。トランプ関税の影響を警戒しつつも、同線を明確に割り込んでくると、25日線(19.59)が射程に入ってくるとみられ、リスク後退にはつながらない。
先週末のNT倍率は先物中心限月で13.69倍(1日は13.61倍)に上昇した。ボリンジャーバンドの+1σ突破から+2σ(13.70倍)水準まで切り上がってきている。週足では1月下旬以降、上値を抑えられていた13週線(13.74倍)に接近してきた。同線を上抜けてくると、NTショートの巻き戻しが強まりそうである。
東京市場は堅調か。休場の間の米国株は、2日は大幅高となった一方、5日と6日は下落した。ダウ平均は2日に564ドル高、5日に98ドル安となり、6日は389ドル安の40829ドルで取引を終えた。2日は市場予想を上回る4月雇用統計を受けて景気後退懸念が和らぎ、強い買いが入った。一方、関税交渉を巡る不透明感から、5日と6日は売りが優勢となった。ドル円は足元143円10銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて60円安の36750円、ドル建てが10円高の36820円で取引を終えた。
ダウ平均は1日の終値40752ドルとの比較ではややプラス。6日の下げの度合いは大きいものの、休場前の水準から大きく変化しておらず、ネガティブな影響は限定的とみる。ドル円は先週末との比較では円高に振れているが、本日の朝方にはベッセント米財務長官とグリア米通商代表部(USTR)代表が中国当局者と会談するとの報道が出てきており、142円台で推移していたところからは円安に傾斜している。休場前の日経平均は7日続伸と強い動きが続いており、米中交渉進展期待を好感した買いが入るだろう。引き続き決算を材料に個別物色の活況が見込まれる中、場中も売り急ぎが手控えられて、しっかりとした動きになると予想する。日経平均の予想レンジは36700円-37300円。
昨日の海外市場では、ドル円は欧州株やダウ先物の下落につれて戻り売りが先行。欧州時間に入って143.35円まで買戻される場面もみられましたが、現物のダウ平均が450ドルを超える下落となると1日の安値142.88円を下抜けて一時142.36円まで下落。株価が下げ幅を消す動きとなるにつれて143.03円まで値を戻したものの、NY時間午後に入って米10年債入札が海外勢の引き合いが非常に強く、結局1.2bpのストップスルーとなると米10年債利回りが4.2946%まで急低下。引けにかけては再び142.36円の安値まで値を下げました。
GW明けの東京市場では、早朝に米中の貿易協議が週末のスイスで開催されることが判明。一気に143.31円まで買い上げられることになりましたが、仲値以降は目立ったフローも観測されないなか143.00円を挟んだもみ合いに終始しているといったところです。
いずれにしても、昨日もお伝えしたように、トランプ関税にかかる市場の反応は、米トリプル安という最大限の拒否反応を既に示しているわけで、これらの再現を最も恐れているトランプ政権にあっては、市場が予想している以上に緊張緩和方向に舵を切っている可能性が高く、市場としてもいたずらにリスクオフを煽ったところで、あくまでも超短期的な反応を除いては、既にその合理性を見いだせないでいるのかもしれません。ドル円は目先、欧州時間の高値143.35円を意識しつつ、一目転換線の位置する143.95円がポイントとなっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比30円高の3万6840円(+0.08%)前後で推移。寄り付きは3万7100円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万6750円)を上回り、買い先行から始まった。ただし、寄り付きを高値に軟化し、中盤にかけて3万6760円まで売られる場面もみられた。売り一巡後は再びプラス圏を回復するなど、終盤にかけては3万6800円~3万6850円辺りでの推移をみせている。
ベッセント米財務長官とグリア通商代表が10日と11日にスイスで中国側の代表と貿易問題について協議すると報じられるなか、ロング優勢で始まった。ただし、トランプ米大統領は外国で制作される映画に100%の関税を課す方針を示したほか、今後2週間以内に医薬品への関税について発表すると述べており、関税を巡る不透明感から積極的なロングは限られている。
日経225先物は寄り付きで75日移動平均線(3万6990円)を上回ったが、同線をキープできず、3万7000円近辺で短期的なショートが入りやすい。もっとも、ショートを仕掛けてくる動きも限定的であり、米中協議への期待から押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で13.47倍に低下。13.70倍と小幅に上昇して始まったが、その後は前週末の安値水準まで下げてきた。ボリンジャーバンドの+1σ(13.64倍)と+2σ(13.71倍)でのレンジで推移しており、+1σまで下げたことで、NTショートを巻き戻す動きが意識されそうだ。
「日本は、夏の参院選前に米国との貿易協定の枠組みの策定を望んでいる」
(ベッセント米財務長官)
1.トランプ米大統領(4月20日)
トランプ米大統領は、4月20日午後(日本時間21日午前)、自身のソーシャルメディア・プラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」に非関税貿易障壁のごまかし(Non-Tariff cheating)と題した投稿を行った。
1)為替操作
2)関税および輸出補助金として作用する付加価値税(VAT)
3)コストを下回るダンピング(不当廉売)
4)輸出補助金および他の政府補助金
5)保護的な農業基準
6)保護的な技術規格(ボーリングのボールを使った日本の検査)
7)偽造、著作権侵害、知的財産の窃盗
8)関税逃れのための積み替え
2. 第1回日米通商交渉(4月16日)
赤沢経済再生相は、ベッセント米財務長官、ラトニック米商務長官、グリア通商代表部(USTR)代表らと第1回日米通商交渉を行い、以下の合意に達した。
1)今月中に閣僚レベルで次回協議を行う方向で調整する
2)日米双方が率直かつ建設的な姿勢で協議に臨み、可能な限り早期に合意し、首脳間で発表できるよう目指す
3)事務レベルでの協議も継続する
赤沢経済再生相は、「今回の協議で通貨政策が議題に上ったのか?」との質問に対しては「為替については出ませんでした」と、なぜか2度も繰り返し否定した。
3. 第2回日米通商交渉(5月1日)
赤沢経済再生相は、米国との2回目の関税協議後に記者会見し、「両国間の貿易拡大、非関税措置、経済安全保障面の協力など具体的な議論を進めた」と語った。3日から事務レベルの協議を始め、5月中旬以降に次回の閣僚協議を開くとの見通しを示した。
・自動車、自動車部品、鉄鋼、アルミニウムに対する追加関税措置の撤廃を求めた
・日米両国とも守るべき国益があり、事務方で詰める、積み上げることがある
米国は、交渉対象は相互関税(日本24%)のうち一律適用(10%)を除いた追加分の14%で、関税で「合意枠組み案」を提示し、自動車や鉄鋼は交渉外の意向、と報じられている。
ロンドンタイムは、序盤の3月独製造業新規受注ほか欧州経済指標の発表はいくつかあるものの、動意材料になりにくいだろう。市場の視線はNYタイムに控える米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表に向きがちとみる。
中国人民銀行(PBOC)が7日物リバースレポ金利を1.5%から1.4%に引き下げ、預金準備率の0.5ポイント引き下げると発表したため、中国の流動性拡大策が参入してくる欧州勢の動き出しへどのように影響するかには一応留意したい。中国経済の行方に影響を受けやすい欧州、特に中国への輸出依存度が大きいとされる独製造業の輸出動向に関する思惑を刺激する可能性がある。
独経済の動向はユーロ圏の全体的な成長の行方を見定める際の重要な要素となる。欧州勢を中心とした市場参加者の連想がどこまで通貨ユーロなど欧州関連資産の動向に波及するかは不確かだが、FOMCを控えて手控え感もある市場で、欧州通貨買いで参入する向きのフローが強まる展開などの有無を確認したい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:4月23日高値1.1440ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル:4月11日安値1.1191ドル。
ドル円:1ドル=143.05円(前営業日NY終値比△0.60円)
ユーロ円:1ユーロ=162.58円(△0.60円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1365ドル(▲0.0005ドル)
日経平均株価:36779.66円(前営業日比▲51.03円)
東証株価指数(TOPIX):2696.16(△8.38)
債券先物6月物:140.81円(▲0.38円)
新発10年物国債利回り:1.295%(△0.035%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。米中が週末に貿易問題を巡ってスイスで閣僚級会議を開くとの発表を受け、米中貿易摩擦が緩和に向かうとの期待から143.31円まで買いが先行した。その後は143.00円を挟んだ水準でのもみ合いとなっていたが、14時前には143.33円までわずかに本日高値を更新。もっとも、今晩の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて積極的に上値を試す動きにはならなかった。
・ユーロ円も強含み。朝方からドル円の上昇につれて円売り・ユーロ買いが入った。その後もドル円の高止まりにくわえ、次第にユーロドルが下値を切り上げた影響から底堅い地合いを維持し、一時162.63円まで上値を伸ばした。
・ユーロドルは下げ渋り。朝方に米中通商協議への期待感からドル買いが強まった場面では1.1326ドルまで下振れた。ただ、1.13ドル台前半で下値の堅さを確認すると徐々に買い戻しが入り、15時過ぎには1.1373ドル前後まで下値を切り上げた。
・日経平均株価は8営業日ぶりに小反落。前日の米国株式相場が下落した影響を受けたほか、連休中の外国為替市場が円高方向に振れたことで輸出関連株に買いが入りづらかったことも相場を重くした。一方で、米中貿易摩擦の緩和期待が投資家心理の改善に寄与。結果的に指数は前週末終値を挟んだ水準で方向感が出にくかった。
・債券先物相場は5営業日ぶりに反落。米中貿易摩擦の緩和期待から安全資産とされる債券には売りが出た。また、日銀の国債買い入れオペでは超長期債の需給の緩みが示され、長期債にも売り圧力が波及した。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
オーストラリア総選挙、与党・労働党勝利でアルバニージー政権継続
保守連合の「トランプ流」への反発も追い風、経済や安全保障で政策継続もエネルギー政策に課題
オーストラリアでは3日に総選挙が行われ、アルバニージー政権を支える与党・労働党が勝利を収めた。今回の総選挙では、物価高や住宅価格の高騰など経済政策が争点となるなか、当初は労働党の苦戦が予想されていた。しかし、最大野党の保守連合は当初米トランプ政権と類似した公約を掲げるも撤回を余儀なくされ、その後も「トランプ流」が反発を招くなど逆風に晒された。結果、保守連合は最終盤で支持を大きく落とし、総選挙で議席を減らすとともに、連合を率いる保守党のダットン党首も落選するなど惨敗を喫した。アルバニージー政権は経済政策の継続や安全保障面では太平洋島諸国での影響力向上を目指す中国への対抗を目的とする米英との軍事同盟のAUKUS(オーカス)や日米豪印4ヶ国による枠組みのQuad(クアッド)の取り組みを維持すると見込まれる。他方、エネルギー政策面では課題も浮上しており、政権2期目には克服が求められる。豪ドル相場は米ドル相場の影響を受ける展開が続くほか、日本円に対しては米ドル/円相場の行方に注意が必要と言える。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
英地方選で右派ポピュリストが大躍進 英国の二大政党制は曲がり角に
5月1日に行われた英国の地方選挙では、右派ポピュリスト政党・リフォームUKが大幅に躍進。昨年の総選挙で14年振りに政権を奪還した与党・労働党、最大野党・保守党の二大政党を遥かに上回る議席を獲得した。長年の保守党政権からの変化を求めて誕生した労働党政権だが、政権発足後の経済低迷、増税、福祉予算削減、移民流入増加などで失望が広がっている。次の選挙は2029年とまだ先だが、このままの勢いを保てば、リフォームUKの政権奪取も視野に入る
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
シンガポール総選挙、与党得票率上昇でウォン政権は信任を得たか
政治的安定を確保し、外的環境による経済的課題が山積するなか、これからが正念場に
シンガポールで3日に実施された総選挙は、独立以来政権を担ったリー一族が政治の表舞台を去るとともに、昨年発足したウォン政権の下で初めて行われた。同国の選挙制度は与党PAPに有利な一方、ここ数年は党勢の衰えがみられるなか、ウォン政権の下で党勢回復が喫緊の課題となっている。今回の総選挙でPAPは87議席を獲得して圧勝するとともに、得票率も上昇した。しかし、野党の候補者擁立が限られていたこともPAPの得票率向上を促した可能性もある。足下の経済情勢は極めて不透明ななか、実績と安定感がPAPの得票率向上に寄与した可能性はあるが、ウォン政権の生活費高騰や住宅不足などの課題への対応は未知数である。リー一族不在というなか、政治的な安定を維持しつつ、経済を巡る不透明感の高まりに立ち向かえるか、ウォン政権にとってはこれからが本当の意味で正念場になると捉えることができる。
中国政府は7日、米中貿易交渉に関して「貿易を巡る会談は米国側の要請で行われる」「米国との対話には常にオープンな姿勢をとってきた」「米国との協議では自国の利益を守る方針」などの見解を示した。
大阪6月限
日経225先物 36780 -30 (-0.08%)
TOPIX先物 2692.0 +5.0 (+0.18%)
日経225先物(6月限)は前日比30円安の3万6780円で取引を終了。寄り付きは3万7100円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万6750円)を上回り、買いが先行した。ただし、寄り付きを高値に軟化し、前場中盤にかけて3万6760円まで売られる場面もみられた。売り一巡後は再びプラス圏を回復するなど、前場終盤にかけては3万6800円~3万6850円辺りで推移。後場の取引時間帯でリバウンドの動きをみせ、3万6860円~3万6930円処のレンジに切り上がった。終盤にかけては持ち高調整に伴うロング解消が入り、3万6750円まで売られる場面もみられた。
ベッセント米財務長官とグリア通商代表が10日と11日にスイスで中国側の代表と貿易問題について協議すると報じられるなか、ロング優勢で始まった。しかし、トランプ米大統領が外国で制作される映画に100%の関税を課す方針を示したほか、2週間以内に医薬品の関税について発表すると述べており、関税を巡る不透明感が警戒されて積極的なロングは限られた。為替市場で円相場が1ドル=142円台と連休前の水準から円高に振れて推移していたことも、重荷になったのだろう。
日経225先物は寄り付きで75日移動平均線(3万6990円)を上回ったが、同線をキープできず、現物の寄り付き時には3万7000円を割り込んでいた。売り一巡後にリバウンドをみせたが、75日線を上回ることができなかったことで、短期的なショートが入りやすい状況。もっとも、ショートを仕掛けてくる動きも限定的であり、米中協議への期待から押し目狙いのロング対応に向かわせていた。
ナイトセッションで75日線は、3万6970円近辺で推移している。同線を突破してくるようだと、200日線とボリンジャーバンドの+2σが位置する3万7630円辺りを試す動きになるだろう。一方で、75日線が抵抗線として機能すると、13週線が位置する3万6430円辺りまでの調整は想定しておきたい。
国内では今週末から決算発表がピークを迎えるため、ロングは積み上がっていないと考えられる。7日の米国では米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が判明する。政策金利の据え置きがコンセンサスであり、無難に通過してくるようだと、ややロング優勢になりそうだ。週末には米中協議を見極めたいとのムードが強まりやすいが、ショート筋がポジションをニュートラルに近づけてくるとみられ、押し目狙いのロング対応となろう。
NT倍率は先物中心限月で13.66倍に低下。13.70倍と小幅に上昇して始まったが、+2σ(13.71倍)に抑えられた。前場終盤にかけて13.62倍まで低下する場面もあったが、+1σ(13.64倍)を下回ったことで、後場はNTショートを巻き戻す動きが入っており、+1σと+2σによるレンジを継続している。
手口面(6月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万7778枚、ソシエテジェネラル証券が1万2266枚、サスケハナ・ホンコンが4397枚、バークレイズ証券が1900枚、日産証券が1680枚、モルガンMUFG証券が1542枚、シティグループ証券が1375枚、野村証券が1225枚、JPモルガン証券が1112枚、ゴールドマン証券が895枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万3996枚、ソシエテジェネラル証券が1万8959枚、バークレイズ証券が6341枚、JPモルガン証券が4551枚、ゴールドマン証券が3768枚、モルガンMUFG証券が3501枚、サスケハナ・ホンコンが2879枚、ビーオブエー証券が2284枚、シティグループ証券が1506枚、UBS証券が1139枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)を念頭に置いた動きが予想される。トランプ米政権の高関税政策が雇用や物価に与える影響を慎重に見極めるため、市場予想は政策金利の据え置きがコンセンサスとなっている。
市場の関心はその際に出される声明や、その後に行われるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見に集まっている。声明では前回3月に「経済活動が引き続き堅調なペースで拡大している」としたが、直近で発表された1-3月期米国内総生産(GDP)速報値が前期比年率で2022年以来のマイナスとなっており、変化があるか確認しておきたいところ。
また、トランプ米大統領に加えてベッセント米財務長官もFRBに利下げを要請しており、関税スタグフレーションへの警戒感が高まる中、パウエルFRB議長が会見でどのような見解を示すか注目される。
金利先物市場では次回6月FOMCでの利下げ確率が8割弱となるも、内訳は0.25%の利下げ確率が6割弱に達し、0.50%利下げ確率は2割に留まっている。前週の0.50%利下げ確率が6割弱だった時点と比べ、金利先安観はやや後退。前週の4月米雇用統計が強めの結果となったことで大幅利下げ観測が後退している。そうした中、FRB議長は会見で利下げを急がない姿勢を保ち続けることも考えられる。その場合、トランプ米大統領がFRB議長の解任を再びちらつかせる恐れがある点には注意したい。
他方、米中の貿易摩擦の緩和期待が続くかも注目したい。朝方に、「ベッセント米財務長官とグリア米通商代表部(USTR)代表は、貿易交渉開始に向け中国当局者と会談する」との一部報道を受けてリスク回避の動きが和らぐと、ドル円は安値から約1円上昇した。FOMC前であっても、関連報道が伝われば株価を始めとして過敏に反応することも考えられる。
想定レンジ上限
・ドル円は、日足・一目均衡表の転換線143.95円。超えると基準線145.19円
想定レンジ下限
・ドル円は、6日安値142.36円。割り込むと心理的節目の141.00円
①3会議連続で政策金利を据え置き
②FRBはインフレ率が「やや高水準」にとどまっていると指摘
③見通しに関する不確実性が「さらに高まった」
④失業率とインフレ率の上昇リスクが高まっている
⑤FRBは雇用の最大化と物価の安定におけるリスクに注意を払っている
⑥FRBはスタグフレーションのリスクが今後高まると見ている
今晩は貿易交渉進展期待で堅調か。昨日はトランプ米大統領がカナダのカーニー首相と会談したが、「必ずしも合意に至る必要はない」としたことで貿易交渉の不透明感が強まり主要3指数がそろって下落。ダウ平均が389.83ドル安(-0.95%)、S&P500が0.77%安、ナスダック総合が0.87%安とそろって2日続落した。引け後の動きではベッセント米財務長官とグリア米通商代表部(USTR)代表が今週スイスで中国側と貿易問題で協議をすると発表された。
今晩の取引では米中が今週スイスで貿易協議を正式に開始することで、貿易問題の進展期待が相場の支援となりそうだ。米中協議開始のニュースを受けてアジア時間ではダウ平均先物など指数先物がそろって上昇しており、3日ぶりの反発が期待できそうだ。取引時間午後には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が公表される。今FOMCでは政策金利の据え置きがほほ確実視されているが、会合後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見で、利下げや経済動向を巡るパウエルFRB議長発言に要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントはFOMC結果公表、パウエルFRB議長記者会見のほか、MBA住宅ローン申請指数、EIA週間原油在庫、3月消費者信用残高など。企業決算は寄り前にウォルト・ディズニー、ウーバー・テクノロジーズ、引け後にオキシデンタル・ペトロリアム、スカイワークス・ソリューションズなどが発表予定。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
綱渡りのドイツ新政権誕生 初回の首相指名投票はまさかの否決
ドイツでメルツ首相が率いる二大政党による連立政権が誕生した。二大政党内からの造反により、初回の首相指名投票がまさかの否決となったが、直後に二回目の投票を行い、政権発足に漕ぎ着けた。政権発足の遅れや政治混乱の長期化は回避されたが、新政権は一枚岩でないことを露呈し、政策遂行能力に早くも疑問符が付いた。2月の前倒し連邦議会選挙後、極右政党の支持が一段と高まり、一部の世論調査で最多の支持を集める。新政権を取り巻く政治環境は極めて不透明だ。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
OPECプラス、有志8ヶ国は6月も大幅増産、原油価格は一段調整も
「調整役」であるサウジが「自国中心主義」の様相を強めるなかで原油価格の行方に不透明感も
主要産油国の枠組みであるOPECプラスの有志8ヶ国は3日にオンライン会合を開催し、6月の自主減産枠を日量41.1万バレル縮小する事実上の増産を決定した。有志8ヶ国は5月にも自主減産枠を日量41.1万バレル縮小させており、当初は18ヶ月かけて段階的な縮小を計画していたが、わずか3ヶ月で4割超が回復する格好となる。この決定についてOPECは市場の基礎的条件の健全さや前向きな見通しを反映したとするが、足元では米中貿易摩擦などによる世界経済の減速懸念を理由に原油価格は頭打ちの動きを強めている。こうした状況にもかかわらず、有志8ヶ国は一段の大幅増産を決定し、先行きも上値の重い手買いが続く可能性は高い。
一方、OPECは加盟国による生産割り当て枠の適合の徹底を求める考えを強調しており、サウジアラビアなどが減産目標を遵守しないカザフスタンやイラクなどへの不満を強めているとみられる。他方、これまでサウジアラビアは「調整役」として価格維持や市場安定を重視する動きをみせてきたが、脱原油を目指すなかでそうした役割を甘受することが困難になっているとみられる。結果、サウジは自国の経済改革と市場支配の両立を図る「自国中心主義」の様相を強めている可能性がある。こうした状況は、OPECプラスの枠組み維持や原油価格の行方を巡る不安定要因とみられ、今後の動向にはより注意が必要になっている。
連休明け7日の日経平均は8日ぶり反落。終値は51円安の36779円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1035/値下がり550。丸紅、三菱商事、住友商事など商社株が大幅上昇。ウォーレン・バフェット氏がバークシャー・ハザウェイのCEOを2025年末に退任する意向を示したが、日本の商社株については超長期の投資であるとのコメントがあったことから、目先の売却リスクが大きく後退した。決算や自己株取得・消却が好感されたJR西日本が買いを集めた。今期が大幅営業増益見込みとなったTOAや、累進配当の導入などを発表した矢作建設が急騰。塩野義製薬による買収観測が報じられた鳥居薬品が、後場に急伸して売買停止となった。
半面、塩野義製薬は4%を超える下落。薬品株が全般弱く、エーザイ、住友ファーマ、小野薬品なども大きく売られた。円高を嫌気してトヨタやホンダなど自動車株が全般軟調。トランプ米大統領が外国で製作された映画に100%の関税を課す方針を表明したことから、ソニーGや東映アニメなどが警戒売りに押された。
日経平均は8日ぶり反落。5月2日と同様に37000円近辺では買いが続かなかったことから、上値追いには慎重姿勢が見られた。ただ、個別を見るとプライムでは値上がり銘柄が1000を超えている。2桁の下落率となっている銘柄はプライムではゼロで、全市場でも2銘柄のみとなっており、今は売りを出しづらい地合いが醸成されている。
本日の米国ではFOMCの結果が発表される。政策金利は据え置きが濃厚とみられているが、パウエルFRB議長の会見などから今後についての新たな手がかりが得られるかどうかが注目される。なお、トランプ大統領は利下げを強く望んでいるため、据え置きの場合には再びFRBやパウエル議長を強く非難してくる可能性がある。その際に米債券市場が不安定になるようだと、株式市場にもネガティブな影響が及びかねない点には注意を要する。
国内ではあすの取引時間中にトヨタの決算を消化する予定。見通しを出すか出さないか、株主還元などプラスアルファの材料が出てくるかといった点が注目される。FOMCの結果発表直後だけにドル円にも動きが出てくると思われるが、円安+好材料の多い決算であれば全体にもプラスの影響が見込まれる一方、円高+失望決算であれば逆の反応も想定される。日経平均が37000円を通過点とするには、あすは上を試しにいってほしいところ。トヨタの決算が投資家心理を強気に傾ける展開に期待したい。
(7日終値:8日2時時点)
ドル・円相場:1ドル=143.41円(7日15時時点比△0.36円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.76円(△0.18円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1349ドル(▲0.0016ドル)
FTSE100種総合株価指数:8559.33(前営業日比▲38.09)
ドイツ株式指数(DAX):23115.96(前営業日比▲133.69)
10年物英国債利回り:4.460%(▲0.054%)
10年物独国債利回り:2.475%(▲0.065%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月独製造業新規受注
(前月比) 3.6% 0.0%
(前年比) 3.8% ▲0.2%
4月スウェーデン消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.1% ▲0.7%
(前年同月比) 0.3% 0.5%
CPIコア指数
(前月比) 0.2% ▲0.5%
(前年同月比) 2.3% 2.3%
3月仏貿易収支
62.48億ユーロの赤字 77.00億ユーロの赤字・改
3月仏経常収支
14億ユーロの黒字 16億ユーロの赤字・改
4月英建設業購買担当者景気指数(PMI)
46.6 46.4
3月ユーロ圏小売売上高
(前月比) ▲0.1% 0.2%・改
(前年比) 1.5% 1.9%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。「ベッセント米財務長官とグリア米通商代表部(USTR)代表は今週末、中国と貿易問題を巡る協議を行う」と伝わると、米中の関税交渉が進展するとの期待が高まった。時間外のダウ先物の上昇を背景に、投資家のリスク志向が改善すると円売り・ドル買いがじわりと強まった。1時30分前には一時143.59円と日通し高値を更新した。
ただ、本日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に様子見ムードも強く、一本調子で上昇する展開にはならなかった。
・ユーロドルは小安い。米中の貿易協議進展への期待を背景にユーロ売り・ドル買いが出ると一時1.1337ドル付近まで値を下げた。ただ、東京時間に付けた日通し安値1.1326ドルが目先サポートとして意識されたため、下押しは限定的だった。本日予定されている米重要イベントを控えて様子見ムードも広がっており、方向感が出にくい面もあった。
・ユーロ円は買い先行後、もみ合い。17時30分過ぎに一時163.02円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は162円台後半でのもみ合いに転じた。
・ロンドン株式相場は17日ぶりに反落。米関税政策を巡る先行き不透明感が根強い中、売りが優勢となった。前日までに16日続伸したあとだけに利益確定目的の売りも出やすかった。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は続落。米関税政策への警戒感が根強い中、売りが優勢となった。足もとで相場上昇が続いていただけに、利益確定目的の売りも出やすかった。個別ではザルトリウス(3.46%安)やザランド(3.31%安)、シーメンス・エナジー(2.66%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇した。
(7日終値:8日2時時点)
ドル・円相場:1ドル=143.41円(7日15時時点比△0.36円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.76円(△0.18円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1349ドル(▲0.0016ドル)
FTSE100種総合株価指数:8559.33(前営業日比▲38.09)
ドイツ株式指数(DAX):23115.96(前営業日比▲133.69)
10年物英国債利回り:4.460%(▲0.054%)
10年物独国債利回り:2.475%(▲0.065%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月独製造業新規受注
(前月比) 3.6% 0.0%
(前年比) 3.8% ▲0.2%
4月スウェーデン消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.1% ▲0.7%
(前年同月比) 0.3% 0.5%
CPIコア指数
(前月比) 0.2% ▲0.5%
(前年同月比) 2.3% 2.3%
3月仏貿易収支
62.48億ユーロの赤字 77.00億ユーロの赤字・改
3月仏経常収支
14億ユーロの黒字 16億ユーロの赤字・改
4月英建設業購買担当者景気指数(PMI)
46.6 46.4
3月ユーロ圏小売売上高
(前月比) ▲0.1% 0.2%・改
(前年比) 1.5% 1.9%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。「ベッセント米財務長官とグリア米通商代表部(USTR)代表は今週末、中国と貿易問題を巡る協議を行う」と伝わると、米中の関税交渉が進展するとの期待が高まった。時間外のダウ先物の上昇を背景に、投資家のリスク志向が改善すると円売り・ドル買いがじわりと強まった。1時30分前には一時143.59円と日通し高値を更新した。
ただ、本日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に様子見ムードも強く、一本調子で上昇する展開にはならなかった。
・ユーロドルは小安い。米中の貿易協議進展への期待を背景にユーロ売り・ドル買いが出ると一時1.1337ドル付近まで値を下げた。ただ、東京時間に付けた日通し安値1.1326ドルが目先サポートとして意識されたため、下押しは限定的だった。本日予定されている米重要イベントを控えて様子見ムードも広がっており、方向感が出にくい面もあった。
・ユーロ円は買い先行後、もみ合い。17時30分過ぎに一時163.02円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は162円台後半でのもみ合いに転じた。
・ロンドン株式相場は17日ぶりに反落。米関税政策を巡る先行き不透明感が根強い中、売りが優勢となった。前日までに16日続伸したあとだけに利益確定目的の売りも出やすかった。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は続落。米関税政策への警戒感が根強い中、売りが優勢となった。足もとで相場上昇が続いていただけに、利益確定目的の売りも出やすかった。個別ではザルトリウス(3.46%安)やザランド(3.31%安)、シーメンス・エナジー(2.66%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇した。
(7日終値)
ドル・円相場:1ドル=143.83円(前営業日比△1.38円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.55円(△0.57円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1301ドル(▲0.0069ドル)
ダウ工業株30種平均:41113.97ドル(△284.97ドル)
ナスダック総合株価指数:17738.16(△48.50)
10年物米国債利回り:4.27%(▲0.03%)
WTI原油先物6月限:1バレル=58.07ドル(▲1.02ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3391.9ドル(▲30.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) 11.0% ▲4.2%
米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利
4.25-4.50%で据え置き 4.25-4.50%
3月米消費者信用残高
101.7億ドル ▲6.1億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反発。米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に、しばらくは方向感に乏しい展開が続いた。ただ、FOMC公表直前にトランプ米大統領が「中国を交渉のテーブルにつかせるために関税を引き下げることはない」と述べたと伝わると、株価の失速とともに売りが優勢となり一時142.91円付近まで下押しした。
ただ、そのあとはドルを買い戻す動きが広がった。米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いたFOMCで市場予想通り政策金利を4.25-4.50%で据え置くことを決めたと発表。声明では「経済の見通しを巡る不確実性はさらに増した」と強調し、「失業率とインフレ率の上昇リスクが高まった」と指摘した。また、パウエルFRB議長は会見で「経済は依然として堅調」「当面は明確化を待つのに有利な立場にある」「金利調整を急ぐ必要がない」と述べ、改めて早期利下げに慎重な見方を示した。パウエル氏の発言をきっかけに全般ドル買いが活発化すると、5時30分前に一時144.00円と日通し高値を更新した。FOMCを無難に通過したことで、株価が持ち直したことも相場を下支えした。
・ユーロドルは4日ぶりに反落。米重要イベントを控えてしばらくはもみ合いの展開が続いていたが、パウエルFRB議長が早期利下げに慎重な姿勢を示すと全般ドル買いが優勢となった。5時30分前に一時1.1292ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は4日ぶりに反発。ただ、NY市場に限ればもみ合いの展開になった。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発。米中関税交渉が進展するとの期待が高まる中、買いが先行。「トランプ米大統領は中国を交渉の場に引き出すための関税引き下げに消極的」と伝わると伸び悩む場面もあったが、終盤持ち直した。FOMCを無難に通過したことで、買い安心感が広がった面もあった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに反発。「トランプ米大統領はバイデン政権時代のAI半導体輸出規制を撤廃する」との一部報道が伝わると買いが強まった。
・米国債券相場で長期ゾーンは上昇。「トランプ米大統領は中国を交渉の場に引き出すための関税引き下げに消極的」と伝わると買いが入った。ただ、パウエルFRB議長が早期利下げに慎重な姿勢を示すと売りが出たため上値は限定的だった。
・原油先物相場は反落。週末に行われるとされる米中通商協議への期待で強含む場面もあった。ただ、トランプ米大統領が「中国を交渉のテーブルにつかせるために関税を引き下げることはない」と発言したことや、この日発表された米エネルギー省(EIA)週間石油在庫のガソリン在庫が、予想外の積み増しとなったことで反落して引けた。
・金先物相場は4日ぶりに反落。連日大幅に続伸したこともあり、ポジション調整の売りが入り4日ぶりに反落した。為替市場でドルが小高く推移したことで、ドルで取引される金先物に割高感が出たことも上値を抑えた。
(7日終値)
ドル・円相場:1ドル=143.83円(前営業日比△1.38円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.55円(△0.57円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1301ドル(▲0.0069ドル)
ダウ工業株30種平均:41113.97ドル(△284.97ドル)
ナスダック総合株価指数:17738.16(△48.50)
10年物米国債利回り:4.27%(▲0.03%)
WTI原油先物6月限:1バレル=58.07ドル(▲1.02ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3391.9ドル(▲30.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) 11.0% ▲4.2%
米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利
4.25-4.50%で据え置き 4.25-4.50%
3月米消費者信用残高
101.7億ドル ▲6.1億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反発。米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に、しばらくは方向感に乏しい展開が続いた。ただ、FOMC公表直前にトランプ米大統領が「中国を交渉のテーブルにつかせるために関税を引き下げることはない」と述べたと伝わると、株価の失速とともに売りが優勢となり一時142.91円付近まで下押しした。
ただ、そのあとはドルを買い戻す動きが広がった。米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いたFOMCで市場予想通り政策金利を4.25-4.50%で据え置くことを決めたと発表。声明では「経済の見通しを巡る不確実性はさらに増した」と強調し、「失業率とインフレ率の上昇リスクが高まった」と指摘した。また、パウエルFRB議長は会見で「経済は依然として堅調」「当面は明確化を待つのに有利な立場にある」「金利調整を急ぐ必要がない」と述べ、改めて早期利下げに慎重な見方を示した。パウエル氏の発言をきっかけに全般ドル買いが活発化すると、5時30分前に一時144.00円と日通し高値を更新した。FOMCを無難に通過したことで、株価が持ち直したことも相場を下支えした。
・ユーロドルは4日ぶりに反落。米重要イベントを控えてしばらくはもみ合いの展開が続いていたが、パウエルFRB議長が早期利下げに慎重な姿勢を示すと全般ドル買いが優勢となった。5時30分前に一時1.1292ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は4日ぶりに反発。ただ、NY市場に限ればもみ合いの展開になった。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発。米中関税交渉が進展するとの期待が高まる中、買いが先行。「トランプ米大統領は中国を交渉の場に引き出すための関税引き下げに消極的」と伝わると伸び悩む場面もあったが、終盤持ち直した。FOMCを無難に通過したことで、買い安心感が広がった面もあった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに反発。「トランプ米大統領はバイデン政権時代のAI半導体輸出規制を撤廃する」との一部報道が伝わると買いが強まった。
・米国債券相場で長期ゾーンは上昇。「トランプ米大統領は中国を交渉の場に引き出すための関税引き下げに消極的」と伝わると買いが入った。ただ、パウエルFRB議長が早期利下げに慎重な姿勢を示すと売りが出たため上値は限定的だった。
・原油先物相場は反落。週末に行われるとされる米中通商協議への期待で強含む場面もあった。ただ、トランプ米大統領が「中国を交渉のテーブルにつかせるために関税を引き下げることはない」と発言したことや、この日発表された米エネルギー省(EIA)週間石油在庫のガソリン在庫が、予想外の積み増しとなったことで反落して引けた。
・金先物相場は4日ぶりに反落。連日大幅に続伸したこともあり、ポジション調整の売りが入り4日ぶりに反落した。為替市場でドルが小高く推移したことで、ドルで取引される金先物に割高感が出たことも上値を抑えた。
一部通信社が報じたところによると、「トランプ米大統領はバイデン政権時代のAI半導体輸出規制を撤廃する」ようだ。
7日07:23 中国商務省
「米国と合意のために原則的な立場を犠牲にするつもりはない」
7日08:09 ベッセント米財務長官
「中国側と10・11日に会談予定」
「中国との現行の関税は持続不可能」
「全てが議題に上る」
「前進するにはまず緊張の緩和が必要」
「可能な限り最良の貿易協定を締結するよう努める」
7日23:48
「中国との協議は10日に開始」
「米財務省は国債に関して非常に大規模な政策手段を保有している」
「FRBは国債に関しても大規模な政策手段を保有している」
7日10:14 潘功勝・中国人民銀行(PBOC)総裁
「7日物リバースレポ金利を1.5%から1.4%に引き下げ」
「預金準備率を0.5ポイント引き下げ」
8日02:56 トランプ米大統領
「中国への関税撤回の可能性を否定」
「(中東における停戦の可能性)今後24時間以内に分かる」
8日03:03 米連邦公開市場委員会(FOMC)声明
「純輸出の変動がデータに影響を与えているものの、最近の指標は経済活動が引き続き堅調なペースで拡大していることを示している」
「失業率はここ数カ月間、低水準で安定しており、労働市場の状況は引き続き堅調だ」
「インフレ率は依然やや高止まりしている」
「委員会は雇用最大化と長期的な2%のインフレ率の達成を目指す」
「経済の見通しを巡る不確実性はさらに増している」
「委員会は2つの使命の両面に対するリスクを注視しており、失業率の上昇とインフレ率の上昇のリスクが高まっていると判断」
「目標を支援するため、委員会はFF金利の目標誘導レンジを4.25-4.50%に維持することを決定した」
「FF金利の目標誘導レンジに対する追加調整の程度と時期を検討するに当たり、委員会は今後もたらされるデータ、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に評価する」
「委員会は引き続き国債、政府機関債、およびエージェンシーローン担保証券の削減を続ける」
「委員会は雇用最大化を支援し、インフレ率を2%の目標に戻すことに強く取り組む」
「金融政策の適切な姿勢を評価するに当たり、委員会は今後もたらされる経済見通しに関する情報の意味を引き続き監視する」
「もしも委員会の目標の達成を妨げる可能性があるリスクが生じた場合、委員会は金融政策の姿勢を適切に調整する準備がある」
「委員会の評価は、労働市場の状況、インフレ圧力、インフレ期待、金融と世界の動向を含む幅広い情報を考慮する」
「今回の金融政策決定は全会一致」
「カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は今回代理で投票」
「労働市場は最大雇用、もしくはそれに近い水準」
「経済は依然として堅調」
「インフレ率は大幅に低下」
「失業率上昇とインフレ率上昇のリスクが高まっている」
「現在のスタンスで良好な状況を維持」
「賃金上昇は引き続き緩やか」
「労働市場の状況は依然として堅調」
「第1四半期のGDPの落ち込みは貿易の異例の変動を反映」
「指標は労働市場が概ね均衡していることを示唆」
「短期的なインフレ期待は上昇」
「指標は関税がインフレ期待を押し上げていることを示唆」
「FRBの2つの使命の目標が逼迫する可能性」
「関税の継続はインフレ率の上昇を招く可能性が高い」
「当面は明確化を待つのに有利な立場にある」
「政策金利は最終的に適切な水準にあると考えている」
「物価安定なしには、長期にわたる力強い労働市場は実現できない」
「関税については、この状況がどのような方向へ転じるかは予測できない」
「金利調整を急ぐ必要はないと考えている」
「政策は適度に引き締め的」
「関税が維持されれば、今年は目標への進展はないだろう」
「今は予防的になれる状況ではない」
「経済軌道の不確実性は極端に高まっている」
「トランプ氏発言は我々の仕事に何ら影響しない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ☆ 3月18-19日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
<海外>
○08:01 ◇ 4月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格(予想:▲4)
○15:00 ◎ 3月独鉱工業生産(予想:前月比1.0%/前年同月比▲2.7%)
○15:00 ◇ 3月独貿易収支(予想:191億ユーロの黒字)
○16:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:2.25%で据え置き)
○17:00 ◎ ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:4.50%で据え置き)
○20:02 ☆ 英中銀(BOE)、政策金利発表(予想:4.25%に引き下げ)
○20:02 ☆ 英中銀MPC議事要旨
○21:00 ◎ 4月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前年比3.90%)
○21:30 ◇ 1-3月期米非農業部門労働生産性・速報値(予想:前期比▲0.7%)
○21:30 ◇ 1-3月期米単位労働コスト・速報値(予想:前期比5.1%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.0万件/188.6万人)
○23:00 ◇ 3月米卸売売上高(予想:前月比1.9%)
○24:00 ◎ マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、記者会見
○9日02:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○ロシア(祖国防衛の日の振替休日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
7日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、トランプ米大統領の発言「中国を交渉のテーブルにつかせるために関税を引き下げることはない」で142.91円付近まで下押しした後、パウエルFRB議長の発言「金利調整を急ぐ必要がない」で144.00円まで上昇した。ユーロドルは、パウエルFRB議長が早期利下げに慎重な姿勢を示したことで1.1292ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、今週末に開催される米中貿易交渉への期待感から底堅い展開が予想される。
ドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)での予想通りの政策金利据え置きと週末の米中貿易交渉を控えて、過去9日間の中心値である日足一目均衡表・転換線の143.95円付近で推移しており、米中貿易交渉の結果待ちとなっている。
今週末10-11日にスイスで開催予定の米中貿易交渉の米国側の代表であるベッセント米財務長官は、「今回は大きな貿易合意についてではなく、緊張緩和に関するものになるだろう。前進する前に緊張を緩和しなければならない」と述べている。
中国側の代表は、何立峰副首相で、中国商務省報道官は「世界的な期待、中国の利益、米国の産業界と消費者の訴えを十分に考慮した上で、中国は米国と改めて関与することを決定した。もし米国の言動と行動が違ったり、あるいは協議を口実に威圧と脅迫を続けようとしたりすれば、中国は決して同意しない」と述べている。
トランプ米大統領は、先日「中国はこれまで米国経済を搾取してきた」と主張し、昨日は「中国を交渉のテーブルにつかせるために関税を引き下げることはない」と述べており、米中貿易交渉の難航が警戒されている。
FOMCでは、トランプ米大統領やベッセント米財務長官による利下げ圧力にも関わらず、トランプ関税の不確実性(uncertainty)を理由に、3会合連続で全員一致での政策金利の据え置きが決定された。声明では、「失業率とインフレ率の上昇のリスクが高まっていると判断した」と関税スタグフレーションが明記され、政策担当者らは、経済成長の減速と最終的なインフレの低下を背景に、年内の50ベーシスポイント(=2回×0.25%)の利下げ見通しを依然として示した。
パウエルFRB議長は、記者会見で「関税について大きな不確実性があり、大規模な関税が継続すれば、インフレ高進と雇用減につながる見通し」と関税スタグフレーションへの警戒感に言及し、年内2回の利下げ予測に関しては、「現時点では予測できないため6月まで待つ。トランプ大統領の利下げ要求はわれわれの仕事に全く影響しない」などと述べている。
ミラン米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長は、FOMC声明での米国のインフレ率が再び上昇するという懸念について、トランプ政権はそのような事態にはならないと考えている、と反論している。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、利下げ開始時期は6月FOMCの据え置きの後の7月FOMCと予想されており、9月、10月の3回の利下げにより、12月時点では3.50-75%と見込まれている。
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 36960 +180 (+0.48%)
TOPIX先物 2694.5 +2.5 (+0.09%)
シカゴ日経平均先物 36960 +180
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
7日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。ベッセント米財務長官とグリア通商代表が10日と11日にスイスで中国側の代表と貿易問題で協議すると報じられ、米中関税交渉の進展への期待が高まった。トランプ大統領が対中交渉のために関税を引き下げる用意はないとの考えを示し伸び悩む場面はあったが、バイデン政権時代のAI(人工知能)半導体輸出規制を撤廃するとの報道が伝わると、エヌビディア<NVDA>などの半導体株に買いが強まった。
米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置いた。パウエルFRB議長は会見で利下げに慎重な見方を改めて示したが、ほぼ予想通りの内容であり、FOMCを無難に通過したことで買い安心感が広がった。
S&P500業種別指数は、半導体・同製造装置、耐久消費財・アパレル、小売が上昇。一方でメディア、テクノロジー・ハード・機器、電気通信サービスの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、ウォルト・ディズニー<DIS>やエヌビディア、ナイキ<NKE>、ハネウェル・インターナショナル<HON>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が買われた。半面、アップル<AAPL>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>が下落。
シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比180円高の3万6960円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中比60円高の3万6840円で始まり、3万6930円まで買われた後はショート優勢となり、米国市場の取引開始直後には3万6630円まで売られた。その後3万6880円まで切り返したが中盤にかけて軟化し、3万6590円まで下げ幅を広げる場面もみられた。ただし、終盤にかけて切り返すと3万7070円まで買われ、3万6960円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、買い先行で始まりそうだ。FOMCを無難に通過したほか、バイデン前政権が導入したAI向け半導体の輸出規制案を、トランプ大統領が撤廃を検討しているとの報道が支援材料になりそうである。指数インパクトの大きい値がさハイテクが日経平均型を牽引する展開が期待されよう。
日経225先物はナイトセッションで一時3万7070円まで買われ、75日移動平均線(3万6970円)を上回る場面もみられた。3万7000円処では強弱感が対立するとみられるが、ハイテク株主導の上昇が見込まれ押し目待ち狙いのロング対応となりそうである。米中協議を週末に控えてショートポジションを圧縮する動きも入りやすく、75日線を明確に上抜けてくるとショートカバーが強まりそうだ。
そのため、3万7000円を中心としたオプション権利行使価格の3万6500円から3万7500円のレンジを想定。75日線突破から同線が支持線として機能するようだと、200日線(3万7640円)や26週線(3万7660円)、52週線(3万7870円)などが次のターゲットとして意識されてくる可能性がある。
7日の米VIX指数は23.55(6日は24.76)に低下した。一時25.62まで上昇する場面もあったが、その後の下げで75日線(22.88)に接近している。トランプ関税の影響を警戒しつつも、同線を明確に割り込んでくると200日線(19.66)が射程に入り、リスク選好に向かわせよう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.66倍に低下。13.70倍と小幅に上昇して始まったが、ボリンジャーバンドの+2σ(13.71倍)に抑えられた。その後13.62倍まで低下する場面もあったが、+1σ(13.64倍)を下回った水準ではNTショートを巻き戻す動きが入っていた。ナイトセッションでも+1σを下回る局面ではNTショートの巻き戻しがみられている。ハイテク株主導の上昇が見込まれるなか、+2σを意識してのNTロングに振れやすくなりそうだ。
東京市場は堅調か。米国株は上昇。ダウ平均は284ドル高の41113ドルで取引を終えた。FOMCでは大方の予想通り政策金利は据え置きとなった。発表後にやや振れ幅が大きくなったものの、プラスを確保。マイナス圏で推移する場面があったS&P500やナスダックもプラスで終えた。ドル円は足元143円80銭近辺と円安(ドル高)に振れている。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて180円高の36960円、ドル建てが250円高の37030円で取引を終えた。
FOMCを消化して米3指数がそろって上昇したことから、日本株も連れ高すると予想する。円安が進んだことも好材料。本日は取引時間中にトヨタ<7203.T>が決算発表を予定しており、反応が良ければ全体にも好影響が見込まれる。日経平均はここ数日37000円近辺では上値が重くなっており、高くなれば利益確定売りは出てくるとみる。それでも、国内では個別物色の活況が続く中、プラス圏でしっかりとした動きが続くだろう。日経平均の予想レンジは36850円-37150円。
フィナンシャル・タイムズ(FT)紙によると、中国の習近平国家主席はロシアのプーチン大統領との首脳会談を前に米国の「覇権主義」を厳しく批判したという。
トランプ米大統領は8日に英国との貿易合意を発表する見通しであるとニューヨークタイムズ紙が報じた。
日経225先物は11時30分時点、前日比220円高の3万7000円(+0.59%)前後で推移。寄り付きは3万6840円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万6960円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。現物の寄り付き時に3万7020円まで買われたが、中盤にかけて軟化し、3万6700円まで下げる場面もみられた。ただし、終盤にかけて再びロング優勢のなかでショートカバーが強まり、終盤には3万7030円まで上げ幅を広げた。
日経225先物は75日移動平均線(3万6970円)での攻防のなか、終盤にかけて再び強含みの展開をみせており、ショートカバーを誘うことになりそうだ。トランプ米大統領は8日(日本時間午後11時)に貿易合意を巡り記者会見を行うと、自身のSNSに投稿した。相手国の詳細は明らかにしていないが、英国とみられている。ショートポジションを圧縮する動きが意識されよう。
NT倍率は先物中心限月で13.73倍に上昇。NTT<9432.T>[東証P]が完全子会社化すると発表したNTTデータグループ<9613.T>[東証P]がストップ高となったほか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]の強い動きが日経平均型を押し上げた。ボリンジャーバンドの+2σ(13.73倍)を捉えており、同バンドを上回ってくるようだと、NTショートを巻き戻す動きが強まりそうだ。
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昨日のNY市場では、FOMCが予想通りにFF金利の誘導目標を据置き。全くのノーイベントとなったわけですが、声明文では「失業率の上昇とインフレ率の上昇リスクが高まっている」ことに言及したほか、先の1-3月期米GDP速報値がマイナスに転じたことに対して「純輸出の変動がデータに影響を与えているが、最近の経済活動は引き続き堅調なペースで拡大していることを示している」と一蹴。
更には、パウエルFRB議長が定例記者会見において「金利調整を急ぐ必要がない」ことを改めて強調したほか、その理由として「関税が維持されれば今年は目標への進展がない。今は予防的な状況ではない。当面は明確化(clarity)を待つ立場にある」と、トランプ関税が及ぼす不確実性(uncertainty)を克服できない限り、利下げへの道が遠ざかっていることを示唆しました。市場では「かなり頑固なタカ派的見解」であるとの声も聞かれています。
市場には、まるで世界的アーティストであるZEDDのデビュー曲「clarity」が日本時間3時30分からずっと繰返し流されているかのような雰囲気。
「if our rate is tragedy, why are you my clarity?」
いずれにしても、ドル円はFOMC直後の142.91円までの下押しを最後に買戻しの動き。一時144.00円まで値を上げています。アジア時間に入ってからは、トランプ米大統領の自作自演の誇大化されたアナウンスに付き合わされて上下に振らされているところですが、日米の金融政策の方向性は当面、かかる不確実性が意識されていくことがはっきりしたわけで、ポジションの巻き戻しの動きが続いていきそうです。
「台湾は、米国の半導体ビジネスを全て奪った。台湾は米国に何ももたらさない」
(トランプ米大統領)
台湾ドル(TWD)は、対ドルで5月2日に約3%、5日に約5%急騰し、台湾と米国との通商交渉で、ドル安・台湾ドル高の通貨協定「マールアラーゴ合意」が締結されたのではないか、との憶測が流れた。楊金龍・台湾中銀総裁は、「米国が台湾ドル高を要請した事実はない」と否定している。
2024年の米国の貿易赤字国は、台湾が739億ドル(6位)で相互関税は32%、日本は685億ドル(7位)で相互関税は24%となっている。そして、日本と台湾は、米財務省が公表している「為替報告書」で、為替操作監視対象リストに入っている。
2025年2月時点の米国債保有額は、日本は1位で1兆1259億ドル、台湾は10位で2948億ドルとなっている。
1985年、レーガン政権は、対米貿易黒字が世界最大の日本に対して、「プラザ合意」というドル安・円高誘導を打ち出し、日本の輸出産業を叩きのめし、世界シェア50%を占めていた日本に対して、「日米半導体協定」を打ち出して、半導体産業を叩きのめした。
2025年、トランプ政権は、対米貿易黒字国で半導体の世界シェア60%を占めている台湾に対して、ドル安・台湾ドル高を打ち出すのだろうか。
1.対米貿易黒字国(2024年:1兆2117億ドル)
1位:中国 :2954億ドル
2位:メキシコ:1718億ドル
3位:ベトナム:1235億ドル
4位:アイルランド:867億ドル
5位:ドイツ:848億ドル
6位:台湾:739億ドル(相互関税:32%)
7位:日本:685億ドル(相互関税:24%)
8位:韓国:660億ドル
9位:カナダ:633億ドル
2.為替報告書:「2015年貿易円滑化・貿易執行法」
2015年に、外国政府の為替政策に対する監視体制を強化するために成立した通商法である。米国財務省は、2016年から、「2015年貿易円滑化・貿易執行法」に依って、為替操作国認定のための数値基準を設定し、為替操作国に対する報復措置としての行動計画の策定等を義務付けた。為替操作国の認定を行うに当たり、3つの基準を満たした場合は、「為替操作国」と認定し、2つに抵触した場合、「監視対象国リスト」に認定している。
【為替操作国・監視対象国の判断基準】
1)財の対米貿易黒字:150億ドル以上
2)経常黒字額:対国内総生産(GDP)比3%以上
3)過去12カ月の外貨購入(介入):対GDP比2%以上
2024年秋の為替報告書での監視リスト(Monitoring List)には、7カ国・地域(日本、中国、ドイツ、韓国、シンガポール、台湾、ベトナム)が入っている。
本日のロンドン為替市場のポンドドルは、利下げが見込まれているイングランド銀行金融政策委員会(MPC)の議事要旨や英米貿易合意内容に注目し、ユーロドルは欧州連合(EU)による対米報復関税リストに対するトランプ米政権の反応に注目する展開となる。
イングランド銀行MPCに関しては、市場は、政策金利0.25%の利下げをほぼ織り込んでいるため、昨日の米連邦公開市場委員会(FOMC)のように「不確実性(uncertainty)」を理由に据え置きだった場合は、サプライズとなる。
英国では4月から家計向けの光熱費と水道料金が値上がりしており、社会保障費の雇用主負担の増加や賃金上昇もインフレ押し上げ要因となる。さらに、トランプ関税による物価上昇への警戒感もあり、BOEは難しい対応を迫られている。
しかし、国際通貨基金(IMF)が、トランプ関税の影響で今年の英国の成長率が急激に下振れるリスクを指摘し、ベイリーBOE総裁は「経済成長に対するリスクを極めて重大に受け止めなければならない」と述べていたことで、利下げはほぼ既定路線だと思われる。
MPC議事要旨やベイリーBOE総裁の会見で、今後のBOEの金融政策を見極めていくことになる。
また、ニューヨーク・タイムズ紙は、米国が英国との貿易協定を発表すると報じており、要注目となる。
欧州委員会は週内の協議再開を目指し、米側に貿易・非関税障壁の削減や米国への投資促進などが含まれた提案文書を提示する予定と報じられている。
EUは、米国との貿易摩擦緩和を目指す協議が失敗に終わった場合、米ボーイング製の航空機や米国製自動車に関税を課す提案を行う方針だが、本日、報復関税の対象となる物品のリストを公開する予定、と報じられている。
EUの報復関税リストの内容次第では、欧米通商協議が難航する可能性が高まるため、トランプ米政権の反応にも警戒しておきたい。
トランプ米大統領は、本日記者会見を開き、トレード・ディールに関する報告を予定している。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1399ドル(4/30高値)
・ユーロ円:163.12円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.3402ドル(5/6高値)
・ポンド円:192.70円(日足一目均衡表・雲の上限)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1189ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:161.47円(日足一目均衡表・基準線)
・ポンドドル:1.3077ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:190.00円(4/30安値)
ドル円:1ドル=143.92円(前営業日NY終値比△0.09円)
ユーロ円:1ユーロ=162.67円(△0.12円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1303ドル(△0.0002ドル)
日経平均株価:36928.63円(前営業日比△148.97円)
東証株価指数(TOPIX):2698.72(△2.56)
債券先物6月物:140.62円(▲0.19円)
新発10年物国債利回り:1.320%(△0.025%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。トランプ米大統領が「明日午前10時(日本時間8日23時)に大きな記者会見を行う」「非常に大きく、非常に高く評価されている国との主要な貿易協定について発表」などの見解を示すと買いが入ったが、反応は一時的だった。一部報道で「トランプ米大統領は8日に英国との貿易合意を発表する見通し」と報じると、対ポンドでドル売りが進んだ影響もあり、143.45円まで下押し。もっとも、一巡後は日経平均株価や米10年債利回りの上昇などを支えに再度買いが入り、昨日高値の144.00円を上抜けて144.35円まで値を上げた。
・ユーロドルは上値が重い。対ポンドを中心にドル売りが進んだ場面では1.1336ドルまで上昇する場面があったものの、その後は米長期金利の上昇などが重しとなって1.1281ドルまで押し戻された。ポンドドルも一時1.3356ドルまで上げた後、1.3285ドルまで失速している。
・ユーロ円はもみ合い。朝方からドル絡みの取引が中心となったこともあり、162円台後半でのレンジ内推移に終始した。
・日経平均株価は反発。前日の米国株高を受けて買いが先行した。その後は失速してマイナス圏に沈む場面も見られたが、米関税交渉を巡る期待感などから再びプラス圏に浮上。半導体関連株の上昇も指数を押し上げ、一時200円近く値を上げた。
・債券先物相場は続落。小幅安で始まった後、いったんはプラス圏に浮上する場面もあったが、10年物国債の入札後は再び売りに押された。この日実施された10年債入札では投資家からの需要の弱さが意識される低調な結果となった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
中国人民銀行が本格緩和、貿易協議を前に景気下支えを模索か
米中に「雪解け」の兆しはあるが過度な期待は禁物、こう着状態が長期化する可能性にも要注
中国人民銀行は、米中貿易摩擦の経済への悪影響に対応すべく、預金準備率や政策金利などを引き下げる全面的な金融緩和を発表した。これは、トランプ関税により中国経済の減速懸念が高まるなか、内需喚起の必要性が高まっていることを反映している。他方、過去の米ドル高に伴う人民元安局面では資本流出懸念を理由に、中銀は金融緩和に慎重な姿勢をみせてきた。しかし、足元では金融市場での「米国売り」を受けて人民元安への警戒感が低下しており、結果的に今回の緩和決定を後押しした可能性が考えられる。
米中摩擦は激化の一途を辿ってきたが、米国の対中姿勢に軟化の兆しが出ており、中国側にも変化の兆しがみられた。両国による貿易協議が予定されるなか、今回の金融緩和決定は中国が協議での安易な妥協をせず、国内経済の下支えに注力する姿勢を示している可能性がある。ただし、中国経済の根本的な問題は需要不足にあるなか、金融緩和の効果は未知数である。足元では雇用不安による個人消費の低迷に加え、不動産市況の低迷によるデフレ圧力も残る。今回の金融緩和は、米中協議の長期化を見据えた一時的な措置に過ぎず、中国経済の本格的な回復には繋がらない可能性があり、過度な期待は禁物である。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
ブラジル中銀、6連続利上げで政策金利は14.75%と約19年ぶり高水準に
レアル安一服で引き締め度合い後退も引き締めは長期化、ルラ政権には厳しい状況が続くか
ブラジル中銀は6会合連続の利上げを決定し、政策金利は2006年以来の高水準となる14.75%に達する。これは国内における根強いインフレ圧力に対応しており、直近のインフレ率は中銀目標を大きく上回る伸びが続く。世界的には金融緩和の動きが広がるが、ブラジル中銀は別の方向を向いていると捉えられる。
一方、トランプ関税が世界経済や国際金融市場に不透明感をもたらす展開が続き、米中間では報復の応酬がみられたものの、足元では直接協議が行われるなど事態悪化懸念はやや後退している。しかし、状況が早期に好転するとは見通しにくく、金融市場は引き続き不安定な展開が続くことは避けられない。
米国の相互関税によるブラジル経済への直接的影響は限定的と見込まれるが、鉄鋼やアルミへの追加関税や中国経済への依存度の高さを勘案すれば、様々な形で影響は免れない。中銀は景気減速やインフレの高止まりを指摘した上で、今後の金融政策には慎重な対応が必要としている。今後も引き締め政策は続くと見込まれるが、効果発現に時間を要するほか、ルラ政権にとっても厳しい状況が続くと見込まれる。
大阪6月限
日経225先物 37140 +360 (+0.97%)
TOPIX先物 2703.5 +11.5 (+0.42%)
日経225先物(6月限)は前日比360円高の3万7140円で取引を終了。寄り付きは3万6840円とシカゴ日経平均先物清算値(3万6960円)にサヤ寄せする形で買いが先行した。現物の寄り付き時に3万7020円まで買われたが、前場中盤に軟化し3万6700円まで下げる場面もみられた。ただし、前場終盤にかけてショートカバーが強まり3万7000円台を回復。ランチタイムで3万7120円まで上げ幅を広げた後は3万6990円~3万7090円処で保ち合い、引けでレンジを上抜け、3万7140円と本日の高値をつけた。
日経225先物は75日移動平均線(3万6970円)処での攻防のなか、前場終盤にかけて再び強含み、後場は同線を上回っての推移となった。トランプ米大統領は8日午前10時(日本時間午後11時)に貿易合意を巡り記者会見を行うと、自身のSNSに投稿した。相手国の詳細は明らかにしていないが、英国とみられている。この報道をきっかけに、為替市場では円相場が1ドル=144円台と円安に振れており、ショートカバーに向かわせたようである。
3万7000円処では強弱感が対立するとみられるが、75日線が支持線として機能するようであれば、200日線(3万7620円)とボリンジャーバンドの+2σ(3万7880円)が目先のターゲットになりそうだ。週足では13週線(3万6460円)を上回って週末の取引を終える可能性が高まったとみられ、週足の+1σ(3万8010円)が意識されてくるだろう。
トランプ大統領の貿易合意に関する記者会見のほか、週末には貿易摩擦を巡って米中協議が行われる。トランプ大統領は通商交渉のために対中関税率を引き下げることはないとの姿勢を示しており、貿易合意への期待は高まっていないだろう。しかし、貿易交渉のテーブルにつくことが貿易戦争の解決に向けた第一歩であり、今後も協議を続けていくことが確認できれば、ショートポジションを圧縮する動きにつながりやすい。
積極的なロングは入れにくいだろうが、3万7000円固めから200日線や+2σ辺りを意識した押し目狙いのロングに向かわせよう。ボリンジャーバンドは拡大をみせており、バンドに沿ったリバウンド基調を継続することで、3月27日の戻り高値である3万7970円も射程に入る。
NT倍率は先物中心限月で13.73倍に上昇。NTT<9432.T>[東証P]が完全子会社化すると発表したNTTデータグループ<9613.T>[東証P]がストップ高となったほか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]など、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の強い動きが日経平均型を押し上げた。+1σ(13.65倍)と+2σ(13.73倍)によるレンジだが、+2σを上回ってくると、NTショートを巻き戻す動きが強まり、NTロングによるスプレッド狙いに向かわせよう。
手口面(6月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万0736枚、ソシエテジェネラル証券が1万3728枚、サスケハナ・ホンコンが3896枚、バークレイズ証券が2050枚、SBI証券が1814枚、日産証券が1645枚、JPモルガン証券が1443枚、モルガンMUFG証券が1365枚、みずほ証券が1129枚、野村証券が1050枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万7160枚、ソシエテジェネラル証券が1万9060枚、バークレイズ証券が6265枚、JPモルガン証券が3934枚、モルガンMUFG証券が3500枚、ゴールドマン証券が3450枚、サスケハナ・ホンコンが2153枚、ビーオブエー証券が1747枚、みずほ証券が1300枚、日産証券が945枚だった。
本日のニューヨーク為替市場では、依然として米国を中心とした貿易関連のニュースに注意しながらの値動きか。経済指標は1-3月期米単位労働コストや新規失業保険申請件数などが予定されている。また、米30年国債の入札もNY午後に行われる。
トランプ米大統領は昨日7日、明日10時(日本時間8日23時)に重要な貿易協定を発表することを明らかにした。米ニューヨークタイムズ紙によれば、この相手国は英国のもよう。既に今週初に英フィナンシャル・タイムズ紙が、英国側はIT大手に課す非関税障壁から米国を除外し、引き換えに米国はアルミニウムや自動車などに課す25%関税を軽減または免除する可能性を報じていた。
トランプ大統領は今日の発表を「第1弾」と述べていることからも、今後も別な国との通商合意が期待される。米国と交渉が始まっている国「インド、韓国、そして日本」などにも適用できる内容なのか、本日の発表を見極めることになるだろう。また、昨日NY市場の終盤に伝わった「トランプ政権がAI半導体の輸出規制を撤廃する方針」についても、続報を気にしておきたい。
NY序盤に発表される1-3月期米単位労働コスト・速報値は前期比5.1%と前回から上振れし、約2年ぶりの水準が予想されている。賃金の上昇が主な要因だとしたら(生産性の低下という場合もある)、早期利下げに慎重なパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のスタンスを後押しすることになるだろう。他、前週分の米新規失業保険申請件数は、前回から1万件ほど改善した23万件が市場予想。この辺りはドルにとってポジティブとなりそうだ。
6日実施された米10年債入札は好調な結果となり、米国債への需要が依然として旺盛であることが示された。本日の30年債への期待も高そうだが、逆に梯子を外されるようだと相場の波乱要因となりそうだ。
想定レンジ上限
・ドル円、5日高値145円を超えると2日高値145.92円
想定レンジ下限
・ドル円、本日安値143.45円
今晩は貿易交渉進展期待で引き続き堅調か。昨日は米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利が予想通り据え置かれ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が関税によるスタグフレーションの可能性に言及したものの、今週行われる米中貿易交渉への期待や、トランプ政権がAI半導体の輸出規制を撤廃することを検討しているとの報道が好感され主要3指数がそろって上昇。ダウ平均が284.97ドル高(+0.70%)、S&P500が0.43%高、ナスダック総合が0.27%高と、そろって3日ぶりに反発した。
今晩の取引では週末にスイスで行われる米中貿易協議や、米政権のAI半導体の輸出規制を撤廃検討報道を追い風に引き続き堅調な展開か。昨日のFOMCではパウエルFRB議長がスタグフレーションの可能性に言及したものの、足もとの米経済は堅調だとの見方を示した。今晩は寄り前に新規失業保険申請件数が発表予定で、前週発表分の24.1万件から23.0万件に減少が見込まれている。予想通りの強い内容となれば安心感が広がりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは新規失業保険申請件数のほか、3月卸売在庫、米30年債入札など。企業決算は寄り前にケンビュー、タペストリー、コノコ・フィリップス、ワーナー・ブロス・ディスカバリー、引け後にパラマウント・グローバル、ニューズ・コーポレーション、アカマイ・テクノロジーズなどが発表予定。
日経平均株価は反発。75日移動平均線(37109円 5/8)を前に伸び悩む展開となったが、5日移動平均線(36607円 同)上で底堅く陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の95.9%→98.1%(5/8)に上昇。あすは上昇のハードルは高くなるが、短期的な相場の見方に変化はない。4/7安値(30792円)を起点とした目先波動は上昇継続の判断となる。
次は75日移動平均線や100日移動平均線(37665円 同)、200日移動平均線(37960円 同)がターゲットになる。75日移動平均線は一目均衡表の雲下限の水準にも近く、強い上値抵抗になる。終値で上回れば一段高に期待できそうだ。
一方、4/7安値から20日が経過した。昨年8月安値から20日経過した後に反落調整に入っており、日柄面では変化日に近いと判断できる。あすは基準線(33885円 同)が下向きから横ばいに転じるが、目先の調整入りのシナリオも想定できる。
上値メドは、75日移動平均線、100日移動平均線、200日移動平均線、心理的節目の38500円などがある。下値メドは、5日移動平均線、心理的節目の36000円、10日移動平均線(35871円 同)、心理的節目の35000円、25日移動平均線(34727円 同)などがある。
米財務省によると、30年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.819%、応札倍率(カバー)が2.31倍となった。
(8日終値:9日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.71円(8日15時時点比△1.79円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.58円(△0.91円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1226ドル(▲0.0077ドル)
FTSE100種総合株価指数:8531.61(前営業日比▲27.72)
ドイツ株式指数(DAX):23352.69(前営業日比△236.73)
10年物英国債利回り:4.546%(△0.086%)
10年物独国債利回り:2.535%(△0.060%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月独鉱工業生産
(前月比) 3.0% ▲1.3%
(前年比) ▲0.2% ▲4.1%・改
3月独貿易収支
211億ユーロの黒字 180億ユーロの黒字・改
スウェーデン中銀、政策金利
2.25%で据え置き 2.25%
ノルウェー中銀、政策金利
4.50%で据え置き 4.50%
英中銀(BOE)、政策金利
4.25%に引き下げ 4.50%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円はしっかり。トランプ米大統領はこの日、英国との貿易協定で合意したと発表。米関税措置を巡る貿易相手国との交渉で初の合意が好感されると、ダウ平均は一時650ドル超上昇。米国株高によるリスク・オンの円売り・ドル買いが優勢になると、一時145.95円まで値を上げた。市場では「米英貿易合意が今後の貿易相手国との協定について指針となる可能性があり、注目が集まっていた。週末にスイスで開かれる予定の米中貿易協議への期待も高まった」との声が聞かれた。なお、トランプ大統領は「交渉がうまくいけば、対中関税を引き下げる可能性」「今すぐ株を買った方がいい」とも発言した。
また、前日にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で早期利下げに慎重な姿勢を示唆。米早期利下げ観測が後退する中、米長期金利の上昇とともにドル買いが入りやすい面もあった。
・ポンドは荒い値動き。20時頃に一時1.3243ドルと日通し安値を付けたものの、23時過ぎには1.3345ドル付近まで上昇。ただ、2時30分前には1.3252ドル付近まで押し戻された。
英中銀(BOE)はこの日、市場予想通り0.25%の利下げを発表したものの、同時に公表された議事要旨で2人が据え置きを主張していたことが明らかに。市場が見込んでいたほど利下げに前向きではないことが意識されるとポンド買い・ドル売りが入った。ただ、NY市場では米金利上昇に伴うドル買いが優勢となったため、戻りは鈍かった。
・ユーロドルは頭が重かった。21時30分過ぎに一時1.1320ドル付近まで値を戻したものの、アジア時間に付けた日通し高値1.1336ドルが目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。トランプ米大統領が英貿易合意を発表し、米株買いを促すと米国株相場の上昇とともにドル買いが活発化。米長期金利の上昇も相場の重しとなり、一時1.1213ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は堅調。米国株相場や日経平均先物の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが優勢となった。一時163.73円と本日高値を更新した。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比530円高の3万7670円まで上昇した。
・ロンドン株式相場は続落。関税交渉の進展を期待する買いが先行したものの、英中銀金融政策委員会(MPC)結果公表後に失速した。
BOEはこの日、市場予想通り0.25%の利下げを発表したものの、同時に公表された議事要旨で2人が据え置きを主張していたことが明らかになると、追加利下げ観測が後退。英長期金利の上昇とともに株売りが優勢となった。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発。米関税政策を巡る協議が進展するとの期待から独株にも買いが広がった。個別ではハイデルベルク・マテリアルズ(4.80%高)やザランド(4.49%高)、ラインメタル(4.13%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。BOEが利下げを慎重に進めるとの見方が英国債の売りを促した。
(8日終値:9日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.71円(8日15時時点比△1.79円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.58円(△0.91円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1226ドル(▲0.0077ドル)
FTSE100種総合株価指数:8531.61(前営業日比▲27.72)
ドイツ株式指数(DAX):23352.69(前営業日比△236.73)
10年物英国債利回り:4.546%(△0.086%)
10年物独国債利回り:2.535%(△0.060%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月独鉱工業生産
(前月比) 3.0% ▲1.3%
(前年比) ▲0.2% ▲4.1%・改
3月独貿易収支
211億ユーロの黒字 180億ユーロの黒字・改
スウェーデン中銀、政策金利
2.25%で据え置き 2.25%
ノルウェー中銀、政策金利
4.50%で据え置き 4.50%
英中銀(BOE)、政策金利
4.25%に引き下げ 4.50%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円はしっかり。トランプ米大統領はこの日、英国との貿易協定で合意したと発表。米関税措置を巡る貿易相手国との交渉で初の合意が好感されると、ダウ平均は一時650ドル超上昇。米国株高によるリスク・オンの円売り・ドル買いが優勢になると、一時145.95円まで値を上げた。市場では「米英貿易合意が今後の貿易相手国との協定について指針となる可能性があり、注目が集まっていた。週末にスイスで開かれる予定の米中貿易協議への期待も高まった」との声が聞かれた。なお、トランプ大統領は「交渉がうまくいけば、対中関税を引き下げる可能性」「今すぐ株を買った方がいい」とも発言した。
また、前日にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で早期利下げに慎重な姿勢を示唆。米早期利下げ観測が後退する中、米長期金利の上昇とともにドル買いが入りやすい面もあった。
・ポンドは荒い値動き。20時頃に一時1.3243ドルと日通し安値を付けたものの、23時過ぎには1.3345ドル付近まで上昇。ただ、2時30分前には1.3252ドル付近まで押し戻された。
英中銀(BOE)はこの日、市場予想通り0.25%の利下げを発表したものの、同時に公表された議事要旨で2人が据え置きを主張していたことが明らかに。市場が見込んでいたほど利下げに前向きではないことが意識されるとポンド買い・ドル売りが入った。ただ、NY市場では米金利上昇に伴うドル買いが優勢となったため、戻りは鈍かった。
・ユーロドルは頭が重かった。21時30分過ぎに一時1.1320ドル付近まで値を戻したものの、アジア時間に付けた日通し高値1.1336ドルが目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。トランプ米大統領が英貿易合意を発表し、米株買いを促すと米国株相場の上昇とともにドル買いが活発化。米長期金利の上昇も相場の重しとなり、一時1.1213ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は堅調。米国株相場や日経平均先物の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが優勢となった。一時163.73円と本日高値を更新した。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比530円高の3万7670円まで上昇した。
・ロンドン株式相場は続落。関税交渉の進展を期待する買いが先行したものの、英中銀金融政策委員会(MPC)結果公表後に失速した。
BOEはこの日、市場予想通り0.25%の利下げを発表したものの、同時に公表された議事要旨で2人が据え置きを主張していたことが明らかになると、追加利下げ観測が後退。英長期金利の上昇とともに株売りが優勢となった。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発。米関税政策を巡る協議が進展するとの期待から独株にも買いが広がった。個別ではハイデルベルク・マテリアルズ(4.80%高)やザランド(4.49%高)、ラインメタル(4.13%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。BOEが利下げを慎重に進めるとの見方が英国債の売りを促した。
8日の日経平均は反発。終値は148円高の36928円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり875/値下がり688。米国で半導体株が買われた流れを受けて、ディスコ、アドバンテスト、レーザーテックなどが人気化した。海運大手の日本郵船と川崎汽船が大幅上昇。いずれも今期は大幅減益見通しであったが、株主還元を強化する姿勢が評価された。決算を材料にメルカリや横河電機が大幅高となり、OKIがストップ高。NTTによる完全子会社化観測が報じられたNTTデータGがストップ高比例配分となった。
一方、NTTは2%を超える下落。今期の減収減益見通しを提示したバンナムHDが後場に入って大きく値を崩しており、任天堂やコナミGなど引け後に決算発表を控えたゲーム株に警戒売りが広がった。一部メディアで金融庁の行政処分観測が報じられたネクステージとFPパートナーが大幅安。HENNGEは上方修正や自己株取得を発表して高く始まったものの、買いが続かず急失速して10%を超える下落となった。
日経平均は反発。前場は方向感が定まらなかったが、後場はプラス圏で値動きが落ち着いた。トヨタの決算反応は案外となったものの、それで全体が大きく崩れることはなかった。ただ、後場にポジティブな動きが見られたにもかかわらず、高値は36977円までで、37000円には届かなかった。
37000円に迫りながら超えられない日が3日続いており、あすの動きが大きく注目される。ここで大きく下げてしまうようだと、4月7日の安値30792円からの戻りに一服感が出てくる。まだ決算発表は多いものの、来週には概ね出そろう。月後半の市場エネルギーの低下を見越して、この辺りで上値が重くなっても不思議はない。
一方、そういった警戒も強まっているだけに、難なく37000円を超えられるようなら、売り方の買い戻しを巻き込んだ踏み上げ的な上昇も期待できる。このケースでは大型株が上昇の先導役になると思われる。あすは売買代金上位銘柄に強い動きが見られるかどうかを注視しておきたい。
(8日終値)
ドル・円相場:1ドル=145.91円(前営業日比△2.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.82円(△1.27円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1228ドル(▲0.0073ドル)
ダウ工業株30種平均:41368.45ドル(△254.48ドル)
ナスダック総合株価指数:17928.14(△189.98)
10年物米国債利回り:4.38%(△0.11%)
WTI原油先物6月限:1バレル=59.91ドル(△1.84ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3306.0ドル(▲85.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1-3月期米非農業部門労働生産性速報値
(前期比年率)▲0.8% 1.7%・改
1-3月期米単位労働コスト・速報値
(前期比年率) 5.7% 2.0%・改
前週分の米新規失業保険申請件数
22.8万件 24.1万件
3月米卸売売上高
(前月比) 0.6% 2.0%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続伸。米英両政府はこの日、貿易協定を締結することで合意したと発表。週末に米中高官による通商協議を控える中、中国との交渉進展への期待もあり、ダウ平均は一時650ドル超上昇した。米国株高によるリスク・オンの円売り・ドル買いが優勢になると、4時30分前に一時146.18円まで値を上げた。トランプ大統領が「今すぐ株を買った方がいい」と発言したことも株高とドル高につながった。
また、前日にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で早期利下げに慎重な姿勢を示唆。米早期利下げ観測が後退する中、米長期金利が大幅に上昇したこともドル買いを促した。
・ユーロドルは続落。21時30分過ぎに一時1.1320ドル付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値1.1336ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。米英間の貿易協定が締結したことや週末に予定されている米中通商交渉への期待から、米国株相場が上昇したこともドル買いを促した。米長期金利の大幅上昇も相場の重しとなり、4時30分過ぎには一時1.1212ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は続伸。米関税政策を巡る協議が進展するとの期待から米国株相場が上昇すると、投資家のリスク志向が改善し円売り・ユーロ買いが広がった。4時30分前には一時163.91円と本日高値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。米英貿易協定が締結したことや米中関税交渉が進展するとの期待感から買いが先行。トランプ大統領が「今すぐ株を買った方がいい」と発言すると一時650ドル超上昇した。ただ、「トランプ米大統領は所得250万ドル以上の富裕層に増税を求める」との一部報道が伝わると、急速に伸び悩んだ。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは大幅反落。米英貿易協定が締結したことや米中関税交渉が進展するとの期待感から米国株相場が上昇すると、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。30年債入札が「低調」と受け止められたことも相場の重し。
・原油先物相場は大幅反発。米英間の貿易協定が締結したことや、週末に予定されている米中通商交渉への期待感から原油先物に買いが集まり大幅に反発した。
・金先物相場は大幅続落。米英間の貿易協定が締結したことや、週末に予定されている米中通商交渉への期待感から過度のリスク回避の動きが和らぎ金先物は大幅に続落した。また、対円でドルが2円50銭上昇するなど、ドルが多くの通貨でドル買いが進み、ドルで取引される金先物の割高感も上値を抑えた。
(8日終値)
ドル・円相場:1ドル=145.91円(前営業日比△2.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.82円(△1.27円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1228ドル(▲0.0073ドル)
ダウ工業株30種平均:41368.45ドル(△254.48ドル)
ナスダック総合株価指数:17928.14(△189.98)
10年物米国債利回り:4.38%(△0.11%)
WTI原油先物6月限:1バレル=59.91ドル(△1.84ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3306.0ドル(▲85.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1-3月期米非農業部門労働生産性速報値
(前期比年率)▲0.8% 1.7%・改
1-3月期米単位労働コスト・速報値
(前期比年率) 5.7% 2.0%・改
前週分の米新規失業保険申請件数
22.8万件 24.1万件
3月米卸売売上高
(前月比) 0.6% 2.0%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続伸。米英両政府はこの日、貿易協定を締結することで合意したと発表。週末に米中高官による通商協議を控える中、中国との交渉進展への期待もあり、ダウ平均は一時650ドル超上昇した。米国株高によるリスク・オンの円売り・ドル買いが優勢になると、4時30分前に一時146.18円まで値を上げた。トランプ大統領が「今すぐ株を買った方がいい」と発言したことも株高とドル高につながった。
また、前日にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で早期利下げに慎重な姿勢を示唆。米早期利下げ観測が後退する中、米長期金利が大幅に上昇したこともドル買いを促した。
・ユーロドルは続落。21時30分過ぎに一時1.1320ドル付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値1.1336ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。米英間の貿易協定が締結したことや週末に予定されている米中通商交渉への期待から、米国株相場が上昇したこともドル買いを促した。米長期金利の大幅上昇も相場の重しとなり、4時30分過ぎには一時1.1212ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は続伸。米関税政策を巡る協議が進展するとの期待から米国株相場が上昇すると、投資家のリスク志向が改善し円売り・ユーロ買いが広がった。4時30分前には一時163.91円と本日高値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。米英貿易協定が締結したことや米中関税交渉が進展するとの期待感から買いが先行。トランプ大統領が「今すぐ株を買った方がいい」と発言すると一時650ドル超上昇した。ただ、「トランプ米大統領は所得250万ドル以上の富裕層に増税を求める」との一部報道が伝わると、急速に伸び悩んだ。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは大幅反落。米英貿易協定が締結したことや米中関税交渉が進展するとの期待感から米国株相場が上昇すると、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。30年債入札が「低調」と受け止められたことも相場の重し。
・原油先物相場は大幅反発。米英間の貿易協定が締結したことや、週末に予定されている米中通商交渉への期待感から原油先物に買いが集まり大幅に反発した。
・金先物相場は大幅続落。米英間の貿易協定が締結したことや、週末に予定されている米中通商交渉への期待感から過度のリスク回避の動きが和らぎ金先物は大幅に続落した。また、対円でドルが2円50銭上昇するなど、ドルが多くの通貨でドル買いが進み、ドルで取引される金先物の割高感も上値を抑えた。
一部報道が伝えたところによると、米英の貿易合意では米国の一律関税(10%)は残る見通しだという。
欧州連合(EU)は8日、950億ユーロ規模の対米関税リストを公表した。航空機や自動車、バーボンなどが対象となり、対米交渉が決裂した場合に賦課されるという。
8日08:26 ハセット米国家経済会議(NEC)委員長
「政策についてFRB議長に常に同意するとは限らない」
「米連邦準備制度の独立性を尊重する」
8日10:00 トランプ米大統領
「明日午前10時(日本時間8日23時)に大きな記者会見を行う」
「非常に大きく、非常に高く評価されている国との主要な貿易協定について発表」
8日19:14
「英国との合意は完全かつ包括的」
8日23:53
「英国と素晴らしい合意に達した」
「米英合意により、米国産輸出品の市場アクセスが拡大」
9日00:24
「中国と非常に良好な関係を築けると期待」
「交渉がうまくいけば、対中関税を引き下げる可能性」
「パウエルFRB議長は非常に遅い」
「今すぐ株を買った方がいい」
8日10:30 楊金龍・台湾中銀総裁
「米国が台湾ドル高を要請した事実はない」
8日10:33 植田日銀総裁
「物価2%超え継続、国民生活にマイナスの影響」
「基調的物価、見通し期間後半に2%に向けて歩み再開」
「経済動向は不確実性が高く、丁寧にみていきたい」
「食料価格上昇、基調的インフレ率への影響を注視」
「デフレ脱却、政府が総合的に判断」
8日10:50 中村日銀審議委員
「緩和環境を維持し、引き続き経済活動をサポート」
「経済見通しが達成されれば利上げを行う」
8日16:36 リクスバンク(スウェーデン中銀)声明
「スウェーデンの経済見通しは3月の予測よりも若干弱まった」
「経済見通しの弱さは短期的にインフレ率が低下することを示唆」
「金融政策は現在バランスが取れており、経済活動とインフレの見通しをより明確にするためには、更なる情報を待つことが賢明である」
「インフレ率が3月の予測より高くなる可能性よりも、低くなる可能性の方がやや高いと評価。これは今後、金融政策が若干緩和されることを示唆している可能性がある」
「現在の見通しでは政策金利は今年中に引き下げられる可能性が高い」
「見通しをめぐる不確実性は通常よりも大きく、政策金利の今後の動向は経済情勢に左右される」
「インフレ率はピークから大幅に低下したが依然として目標の2%を上回っている」
8日20:38 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
「MPCは5人が0.25%引き下げ支持、2人は0.50%引き下げ、2人が据え置き主張」
「インフレの持続リスクと、経済における総需給のバランスについて引き続き注意深く監視」
「中期的にインフレが2%の目標に持続的に戻るリスクがさらに解消されるまで、金融政策は十分に長く抑制的な状態を維持する必要がある」
「インフレの中期的見通しに関する見解が変化している」
「更なる引き締め解除に向けては、段階的かつ慎重なアプローチが引き続き適切」
「ディングラ委員とテイラー委員が0.50%引き下げを支持」
「マン委員とピル委員が据え置きを主張」
「国内の物価・賃金圧力のデフレーションは概ね継続」
「英国の基調的なGDP成長は24年半ばから鈍化し、労働市場は緩和を続けている」
「世界経済の成長見通しは弱まっているが、英経済成長とインフレに対するマイナスの影響は小さくなる可能性」
「1年後のCPI予測は+2.4%(前回は2.6%)」
「2年後のCPIは+1.9%(前回は2.2%)」
「3年後のCPIは+1.9%」
「2026年GDP予測は+1.3%(前回は+1.5%)」
「2027年GDP予測は+1.5%(前回は+1.4%)」
8日20:38 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「英国のディスインフレは継続している」
「政策金利は自動操縦ではない」
「インフレ圧力は徐々に緩和する見込み」
9日00:06 ラトニック米商務長官
「英国に対する10%関税は残る」
「英国との合意は米農産物と機械にアクセス解放」
9日00:33 マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁
「米加貿易協定が締結すれば経済への最も直接的なリスクを取り除くだろう」
「関税は撤廃されたとしても、永続的な影響をもたらす」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 3月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比2.5%)
○08:30 ◇ 3月家計調査(消費支出、予想:前年比0.2%)
○08:50 ◇ 4月外貨準備高
○14:00 ◇ 3月景気動向指数速報値(予想:先行107.5/一致115.9)
<海外>
○未定 ◎ 4月中国貿易収支(予想:890.0億ドルの黒字)
○15:00 ◎ 4月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.6%/前年比2.5%)
○15:00 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○16:00 ◇ 4月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲33.0)
○16:00 ◇ 3月トルコ鉱工業生産
○17:40 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○18:55 ◎ バー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○19:45 ◎ クーグラーFRB理事、講演
○20:15 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○21:00 ◎ 4月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比5.52%)
○21:30 ☆ 4月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化0.50万人/失業率6.8%)
○21:30 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○21:30 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、イベントに参加
○22:10 ◎ シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
○23:00 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、あいさつ
○10日00:30 ◎ ウォラーFRB理事、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○ロシア(戦勝記念日)、休場
○10日 米中高官、貿易問題を巡る協議(スイス)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
8日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米英貿易協定の締結合意や週末に予定されている米中通商交渉への期待感、トランプ大統領の発言「今すぐ株を買った方がいい」などを受けて146.18円まで上昇した。ユーロドルは米英貿易協定の締結や米長期金利の大幅上昇を受けて1.1212ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、3月の実質賃金を見極めた後は、今週末に開催される米中通商交渉への期待感から堅調推移が予想される。
トランプ米大統領が英国との貿易協定合意を発表し、対中関税が引き下げられる可能性にも言及したことで、10-11日に開催される米中通商交渉への期待感が高まっている。
ニューヨーク市場のドル円は146.18円まで上昇したが、IMMシカゴ筋の過去最大規模の円のネット買い持ちポジションが手仕舞われるタイミングに警戒しておきたい。
IMMシカゴ筋は、今年1月にドル円が155円付近で推移していた頃、円の売り持ちポジションから買い持ちポジションに転換し、152円付近では過去最大規模に拡大して、先週4月29日時点(※NY終値:142.33円)では179,212枚まで過去最大を更新していた。
シカゴ筋がドル売り・円買いのポジションに傾いた背景には、日銀の追加利上げ観測、米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げ観測、米国の貿易赤字削減に向けたトランプ関税によるドル下落観測などがあったと思われる。
しかし、日銀金融政策決定会合では、トランプ関税の「不確実性」を理由にハト派的な据え置きとなり、米連邦公開市場委員会(FOMC)でも「不確実性」を理由に、タカ派的な据え置きとなっており、米英貿易協定の締結合意や米中通商交渉への期待感などから、ドル売り・円買いのベクトルが後退しつつある。
米中通商交渉では、ベッセント米財務長官の発言「今回は大きな貿易合意についてではなく、緊張緩和に関するものになるだろう。前進する前に緊張を緩和しなければならない」のように米中間の緊張が緩和される内容だった場合は、来週のドル円は、雲の下限147.91円や200日移動平均線149.68円に向けた上昇基調が予想される。
逆に、米中間の緊張が緩和されなければ、ドル円は失速することになる。
8時30分に発表される3月毎月勤労統計(現金給与総額)では、実質賃金に注目することになる。2月の現金給与総額は、前の年の同じ月と比べて3.1%増えたものの、物価の上昇に賃金の伸びが追いつかず、実質賃金は1.2%減少し、2カ月連続のマイナスだった。
日銀は1日の金融政策決定会合で現状の金融政策の維持を決定し、トランプ関税によって世界経済の不確実性が一段の増す中で、経済・物価見通しを下方修正するとともに、2%の物価安定目標の実現時期を1年程度先送りした。そして、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の中核である基本的見解から、日銀の利上げ路線の根幹を成してきた「賃金と物価の好循環」という文言が消滅した。
3月の実質賃金が3カ月連続のマイナスだった場合は、日銀のハト派的な据え置きを裏付けることになる。
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 37490 +350 (+0.94%)
TOPIX先物 2731.0 +27.5 (+1.01%)
シカゴ日経平均先物 37470 +330
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
8日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。トランプ米大統領は、関税措置をめぐる交渉で英国と合意したと発表した。米国と各国の交渉で初めての合意となり、買いが先行した。ベッセント米財務長官らと中国高官が週末にスイスで行う協議についても、交渉が進展するとの期待が高まった。さらにトランプ大統領が「今すぐ株を買った方がいい」と発言すると、NYダウの上げ幅は一時650ドルを超える場面もあった。ただ、トランプ大統領は「所得250万ドル以上の富裕層に増税を求める」との一部報道を受け、終盤にかけて急速に伸び悩んだ。
S&P500業種別指数は、自動車・自動車部品、耐久消費財・アパレル、銀行が上昇した一方で、電気通信サービス、医薬品・バイオテク、公益事業が下げた。NYダウ構成銘柄では、ボーイング<BA>、ウォルト・ディズニー・カンパニー<DIS>、アメリカン・エキスプレス<AXP>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、スリーエム<MMM>が買われた。半面、メルク<MRK>、コカ・コーラ<KO>、マクドナルド<MCD>が下落。
シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比330円高の3万7470円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中比20円高の3万7160円で始まり、直後につけた3万7140円を安値にロング優勢の流れとなり、3万7450円まで上昇。買い一巡後は3万7180円まで上げ幅を縮めたが、米国市場の取引開始後に上へのバイアスが強まり、3万7680円まで上げ幅を広げた。終盤にかけてはロング解消の動きがみられ、3万7490円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。米国と英国が貿易交渉で合意したことで、協議を進めている日本においても期待が高まりやすい。為替市場では1ドル=145円後半と円安に振れて推移しており、リスク選好の流れに向かわせよう。
日経225先物はナイトセッションで3万7680円まで買われ、200日移動平均線(3万7620円)を上回る場面もあった。同線では強弱感が対立する可能性はありそうだが、米中協議を控えるなか、ショートポジションをニュートラルに近づける動きが入りやすいと考えられる。上向きで推移するボリンジャーバンドの+2σ(3万7930円)に沿ったトレンドが意識されやすいほか、52週線(3万7880円)が射程に入ってきており、ショートカバーが強まることになりそうだ。
そのため、オプション権利行使価格3万7500円を中心とした3万7250円から3万7750円辺りでのレンジを想定。200日線を支持線に変えてくる局面においては、3万7500円から3万8000円のレンジに切り上がることになろう。
8日の米VIX指数は22.48(7日は23.55)に低下した。支持線として機能していた75日線(22.98)を割り込んでおり、200日線(19.69)が射程に入ってきた。週末の米中協議で進展がみられるようだと大きく低下する可能性もあるなかで、リスク選好に向かわせよう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.73倍に上昇。NTTデータグループ<9613.T>[東証P]がストップ高となったほか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の強い動きが日経平均型を押し上げた。+1σ(13.65倍)と+2σ(13.73倍)でのレンジであるが、NTTデータグループはTOB価格にサヤ寄せすることで日経平均型優位になるとみられ、NTロングによるスプレッド狙いに向かわせそうだ。
東京市場は堅調か。米国株は上昇。ダウ平均は254ドル高の41368ドルで取引を終えた。米国と英国で貿易交渉が大枠で合意に至ったほか、トランプ大統領から米中の交渉に関しても楽観的な見方が示されたことが好感された。ドル円は足元145円80銭近辺と大きく円安(ドル高)に傾いている。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて330円高の37470円、ドル建てが395円高の37535円で取引を終えた。
米国株高や円安進行を好感した買いが入ると予想する。CME225先物からは節目の37000円を大きく上回るスタートが想定される。ここ数日の日経平均は37000円近辺では上値が重くなっていただけに、同水準を明確に超えてくれば買いに勢いがつきやすい。米中交渉でも進展が見られれば、さらなる株高も期待できる。円安に大型外需株が好反応を示して、下げづらく上げやすい地合いが続くだろう。日経平均の予想レンジは37200円-37700円。
昨日はNY市場に入ってドル全面高となったわけですが、トランプ米大統領が米英の貿易合意を発表した後、週末の中国代表団との通商協議が「実質的な交渉となり、上手くいけば対中関税を引き下げる可能性がある」ことに言及。加えて「今すぐに株を買った方がいい」とのかなりダイレクトな発言となると、株価の急伸と米長期金利の急騰とともにドル買いが加速することになりました。
ドル円は、アジア時間には「重大な発表」の相手国が英国だと判明すると、逆に拍子抜けしたことから143.45円の安値まで下押ししたわけですが、市場では、東京時間ランチタイムから観測されたHF勢による日経先物へのまとまった買いが観測されたことをきっかけに、ドル円もじりじりと下値を切り上げる展開に。日銀金融政策決定会合を経て、FOMCではパウエルFRB議長が「明確化(clarity)を待つ立場」を強調したことによるメインシナリオの変更を余儀なくされたわけで、その決断が昨日のランチタイムから明確化したのであれば、昨日の踏み上げ相場もかなり整合性の取れる動きだったと言えます。
いずれにしても、週末の米中通商協議を見極めることになりますが、昨日のNYポストでは「対中関税を145%から50%まで引き下げる」ことが報じられているほか、WSJでは既に2週間前に「50-65%への引き下げを検討している」との記事も掲載されています。ドル円は目先、NYレンジのフィボナッチ61.8%水準である145.52円手前で調整も終わり、下げ止まっているところですが、上値は50日MAの位置する146.35円や一目雲下限の147.91円を意識した動きとなっていきそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比360円高の3万7500円(+0.96%)前後で推移。寄り付きは3万7400円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7470円)にサヤ寄せする形から、買い先行から始まった。現物の寄り付き時に3万7540円まで買われたが、中盤にかけて利益確定に伴うロング解消の動きもあり、3万7290円まで上げ幅を縮める場面もみられた。ただし、終盤にかけて再びロング優勢のなかでショートカバーを誘う形から3万7500円を回復している。
日経225先物は200日移動平均線(3万7620円)が心理的な抵抗線として意識されており、買い一巡後は利食いに向かわせた。為替市場では朝方に1ドル=146円台に乗せた後は、やや円高に振れる場面もみられたことで、ロング解消が入りやすかったと考えられる。米中協議を週末に控えるなかで持ち高調整に伴うショートカバーが入りやすい需給状況のなか、押し目待ち狙いの買い意欲は強い。5月のSQ値(3万7572.13円)を下回って推移しているが、日経平均株価がSQ値に接近する局面をみせてくるようだと、ショートカバーを強めてきそうだ。
NT倍率は先物中心限月で13.68倍に低下。買い先行で始まったアドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株は、買い一巡後に上げ幅を縮めたこともあり、ボリンジャーバンドの+2σ(13.72倍)に抑えられる形になった。
「当面は『鎮静化(clarity)』を待つことになる」(パウエルFRB議長)
DJゼッドの1stアルバム「Clarity」では、「If our love’s insanity, why are you my clarity?」(この愛が狂気なら、なぜあなたといると心が落ち着く(clarity)の?)と詠われた。
パウエルFRB議長は、トランプ関税の「不確実性(uncertainty)」からの「鎮静化(clarity)」を待つことを表明した。
5月7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、トランプ関税による「不確実性(uncertainty)」を理由に、3会合連続での政策金利の据え置き(4.25-50%)を全員一致で決定した。そして、関税スタグフレーション(higher unemployment and higher inflation)への警戒感を明記した。
1. FOMCの金融緩和(2024年~)
【FF金利誘導目標】 【CPI】 【PCE】
・2024年9月:4.75%~5.00%(第1次利下げ)▲0.50% +2.5% +2.5%
・2024年11月:4.50%~4.75%(第2次利下げ)▲0.25% +2.4% +2.1%
・2024年12月:4.25%~4.50%(第3次利下げ)▲0.25% +2.7% +2.3%
・2025年1月:4.25%~4.50%(据え置き)
・2025年3月:4.25%~4.50%(据え置き)
・2025年5月:4.25%~4.50%(据え置き)
2. FOMC声明:関税スタグフレーションへの警戒感
・「失業増加とインフレ加速のリスクは高まった」(higher unemployment and inflation)
・「トランプ政権の関税の影響に対応する中で、経済見通しが一段と不透明になっている」
・「目標達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、必要に応じて金融政策スタンスを調整する用意がある」
・「労働市場の状況、インフレ圧力やインフレ期待を示す各指標のほか、金融・国際情勢などを幅広く考慮して判断する」
3.パウエルFRB議長:利下げ急ぐ必要ない(wait-and-see approach)
「金融政策スタンスが景気を抑制する度合いは以前より大幅に弱まっており、経済は強さを維持していることから、政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」
「経済の動向次第で、見通しには利下げまたは金利据え置きが含まれる可能性がある」
「貿易政策が依然として不確実性の源であり、FRBが様子見姿勢(wait-and-see approach)を取る必要があることを裏付けている」
「発表された大規模な関税が継続すれば、インフレ高進と雇用減につながる」
「関税について大きな不確実性(uncertainty)がある。当面は鎮静化(clarity)を待つ立場にある」
4.トランプ米政権
・トランプ米大統領「FRBは利下げをするべきだ」
・ベッセント米財務長官
「2年債利回りは現在FF金利を下回っている。これは市場がFOMCに対し、利下げを促すシグナルを送っているということだ」
・ミラン米大統領経済諮問委員会CEA委員長
FOMC声明での米国のインフレ率が再び上昇するという懸念について、「トランプ政権はそのような事態にはならないと考えている」
・ハセット米国家経済会議(NEC)委員長
「トランプ政権の関税措置が経済に悪影響を与えるというモデルをFRBが示したことに落胆している」
「当面は『鎮静化(clarity)』を待つことになる」(パウエルFRB議長)
DJゼッドの1stアルバム「Clarity」では、「If our love’s insanity, why are you my clarity?」(この愛が狂気なら、なぜあなたといると心が落ち着く(clarity)の?)と詠われた。
パウエルFRB議長は、トランプ関税の「不確実性(uncertainty)」からの「鎮静化(clarity)」を待つことを表明した。
5月7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、トランプ関税による「不確実性(uncertainty)」を理由に、3会合連続での政策金利の据え置き(4.25-50%)を全員一致で決定した。そして、関税スタグフレーション(higher unemployment and higher inflation)への警戒感を明記した。
1. FOMCの金融緩和(2024年~)
【FF金利誘導目標】 【CPI】 【PCE】
・2024年9月:4.75%~5.00%(第1次利下げ)▲0.50% +2.5% +2.5%
・2024年11月:4.50%~4.75%(第2次利下げ)▲0.25% +2.4% +2.1%
・2024年12月:4.25%~4.50%(第3次利下げ)▲0.25% +2.7% +2.3%
・2025年1月:4.25%~4.50%(据え置き)
・2025年3月:4.25%~4.50%(据え置き)
・2025年5月:4.25%~4.50%(据え置き)
2. FOMC声明:関税スタグフレーションへの警戒感
・「失業増加とインフレ加速のリスクは高まった」(higher unemployment and inflation)
・「トランプ政権の関税の影響に対応する中で、経済見通しが一段と不透明になっている」
・「目標達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、必要に応じて金融政策スタンスを調整する用意がある」
・「労働市場の状況、インフレ圧力やインフレ期待を示す各指標のほか、金融・国際情勢などを幅広く考慮して判断する」
3.パウエルFRB議長:利下げ急ぐ必要ない(wait-and-see approach)
「金融政策スタンスが景気を抑制する度合いは以前より大幅に弱まっており、経済は強さを維持していることから、政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」
「経済の動向次第で、見通しには利下げまたは金利据え置きが含まれる可能性がある」
「貿易政策が依然として不確実性の源であり、FRBが様子見姿勢(wait-and-see approach)を取る必要があることを裏付けている」
「発表された大規模な関税が継続すれば、インフレ高進と雇用減につながる」
「関税について大きな不確実性(uncertainty)がある。当面は鎮静化(clarity)を待つ立場にある」
4.トランプ米政権
・トランプ米大統領「FRBは利下げをするべきだ」
・ベッセント米財務長官
「2年債利回りは現在FF金利を下回っている。これは市場がFOMCに対し、利下げを促すシグナルを送っているということだ」
・ミラン米大統領経済諮問委員会CEA委員長
FOMC声明での米国のインフレ率が再び上昇するという懸念について、「トランプ政権はそのような事態にはならないと考えている」
・ハセット米国家経済会議(NEC)委員長
「トランプ政権の関税措置が経済に悪影響を与えるというモデルをFRBが示したことに落胆している」
本日のロンドン為替市場のポンドドルは、米英貿易協定の締結合意発表前に0.25%の利下げを決定していたイングランド銀行金融政策委員会(MPC)のベイリー英中銀(BOE)総裁とピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員の講演に注目する展開となる。
イングランド銀行MPCでは、8日の金融政策発表の前日に投票が行われるが、英国にとって最大のリスクは米国のトランプ関税がもたらす影響だとの見解により、5名が0.25%の利下げ、2名が0.50%の利下げ、2名が据え置きに投じた。
8日には、トランプ米大統領が英国との貿易協定合意を発表している。
本日は、0.25%の利下げに投じたベイリーBOE総裁と、据え置きに投じたピル英中銀MPC委員の講演で、英米貿易協定合意を受けての見解に注目することになる。
金融政策報告に盛り込まれた経済見通しは、年末までに3回の追加利下げが行われ、金利が3.5%(※ターミナルレート)に達するという市場の予測を事実上追認している。
ピル委員は、据え置きに理由として、3月以降、金融市場の借り入れコストが40bp低下するなど、金融環境が緩やかになっていること、英国の構造的な供給制約によるインフレ持続リスクなどを挙げている。
ユーロドルは、欧州と米国との通商協議に関するヘッドラインに警戒しておきたい。欧州連合(EU)は、今週、米側に貿易・非関税障壁の削減や米国への投資促進などが含まれた提案文書を提示する予定と報じられていた。
EUは8日、航空機や自動車、バーボンなどを対象に950億ユーロ規模の対米関税リストを公表しており、米政権との貿易交渉に失敗した場合に発動される。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1317ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:164.63円(5/2高値)
・ポンドドル:1.3341ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:194.12円(4/3高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1095ドル(4/9高値)
・ユーロ円:163.12円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.3077ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:191.87円(日足一目均衡表・転換線)
ドル円:1ドル=145.42円(前営業日NY終値比▲0.49円)
ユーロ円:1ユーロ=163.38円(▲0.44円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1234ドル(△0.0006ドル)
日経平均株価:37503.33円(前営業日比△574.70円)
東証株価指数(TOPIX):2733.49(△34.77)
債券先物6月物:140.35円(▲0.27円)
新発10年物国債利回り:1.355%(△0.035%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月家計調査(消費支出)
前年同月比 2.1% ▲0.5%
3月毎月勤労統計(現金給与総額)
前年同月比 2.1% 2.7%・改
4月外貨準備高
1兆2982億ドル 1兆2725億ドル
3月景気動向指数速報値
先行指数 107.7 107.9
一致指数 116.0 117.3
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。日経平均株価の上昇などを手掛かりにした買いが先行し、昨日高値の146.18円をわずかに上抜けて、一時146.19円まで値を上げた。ただ、その後は伸び悩む展開に。昨日からの大幅上昇の反動もあり、146円台で上値の重さを確認すると145.33円まで反落した。
・ユーロドルは売りが一服。ドル円に一時買い戻しが入った局面では1.1197ドルと4月11日以来の安値をつけたものの、その後は1.1242ドルまで反発。対円などでドルの売り戻しが進んだ影響を受けた。
・ユーロ円は上値が重い。朝方に163.94円の高値をつけた後はドル円の下げにつれて徐々に上値を切り下げた。日本株の上昇も支えとはならず、14時過ぎには163.31円まで失速した。
・日経平均株価は大幅続伸。米中関税交渉の進展期待などによって投資家心理が改善した。外国為替市場で円安・ドル高が進んだことを手掛かりに自動車など輸出関連株が買われ、指数は一時630円近く上昇した。
・債券先物相場は3日続落。米関税交渉を巡る過度な警戒感が後退するなか、昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで売りが出た。一時140円15銭まで下落する場面があった。
ドル円:1ドル=145.42円(前営業日NY終値比▲0.49円)
ユーロ円:1ユーロ=163.38円(▲0.44円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1234ドル(△0.0006ドル)
日経平均株価:37503.33円(前営業日比△574.70円)
東証株価指数(TOPIX):2733.49(△34.77)
債券先物6月物:140.35円(▲0.27円)
新発10年物国債利回り:1.355%(△0.035%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月家計調査(消費支出)
前年同月比 2.1% ▲0.5%
3月毎月勤労統計(現金給与総額)
前年同月比 2.1% 2.7%・改
4月外貨準備高
1兆2982億ドル 1兆2725億ドル
3月景気動向指数速報値
先行指数 107.7 107.9
一致指数 116.0 117.3
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。日経平均株価の上昇などを手掛かりにした買いが先行し、昨日高値の146.18円をわずかに上抜けて、一時146.19円まで値を上げた。ただ、その後は伸び悩む展開に。昨日からの大幅上昇の反動もあり、146円台で上値の重さを確認すると145.33円まで反落した。
・ユーロドルは売りが一服。ドル円に一時買い戻しが入った局面では1.1197ドルと4月11日以来の安値をつけたものの、その後は1.1242ドルまで反発。対円などでドルの売り戻しが進んだ影響を受けた。
・ユーロ円は上値が重い。朝方に163.94円の高値をつけた後はドル円の下げにつれて徐々に上値を切り下げた。日本株の上昇も支えとはならず、14時過ぎには163.31円まで失速した。
・日経平均株価は大幅続伸。米中関税交渉の進展期待などによって投資家心理が改善した。外国為替市場で円安・ドル高が進んだことを手掛かりに自動車など輸出関連株が買われ、指数は一時630円近く上昇した。
・債券先物相場は3日続落。米関税交渉を巡る過度な警戒感が後退するなか、昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで売りが出た。一時140円15銭まで下落する場面があった。
大阪6月限
日経225先物 37520 +380 (+1.02%)
TOPIX先物 2736.0 +32.5 (+1.20%)
日経225先物(6月限)は前日比380円高の3万7520円で取引を終了。寄り付きは3万7400円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7470円)にサヤ寄せする形で買いが先行した。現物の寄り付き時に3万7540円まで買われたが、前場中盤にかけて利益確定に伴うロングの解消もあり、3万7290円まで上げ幅を縮める場面もみられた。だが、前場終盤に再びロング優勢となりショートカバーを誘う形から3万7500円を回復。後場は3万7410円~3万7550円辺りで保ち合い、終盤にかけて3万7590円まで買われる場面もみられた。
日経225先物は200日移動平均線(3万7620円)が心理的な抵抗線として意識されており、買い一巡後は利食いが入ったものの、下値の堅さもみられていた。75日線(3万6960円)と200日線によるレンジ推移であり、200日線に接近する形で終えた点はセンチメントを明るくさせよう。週末要因で仕掛け的なトレードは限られ、米中協議を週末に控えて持ち高調整に伴うショートカバーが入りやすい需給状況だった。
週足では13週線(3万6480円)が支持線として機能するなかで、26週線(3万7680円)に接近してきた。26週線や52週線(3万7880円)が抵抗線として意識されそうだが、同線を上抜いてくると、ショートカバーが一段と強まる可能性があり、ピーク感によるショートへのシフトは避けておきたい。
米国と各国の貿易交渉は90日の期限とされる7月上旬まで続くため、今後も合意が成立する国が表れよう。そのため、200日線や26週線、52週線といった節目では強弱感が対立するとみられるが、押し目狙いのロングで対応したいところであろう。
NT倍率は先物中心限月で13.71倍に低下。ボリンジャーバンドの+2σ(13.72倍)に抑えられる形になった。ただし、一時13.67倍まで下げる場面もみられたが、+1σ(13.66倍)が支持線として機能しており、+1σと+2σによるレンジが続いている。バンドが緩やかながら上向きで推移していることもあり、NTロングに振れやすいとみておきたい。
手口面(6月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万7729枚、ソシエテジェネラル証券が1万2342枚、サスケハナ・ホンコンが4292枚、JPモルガン証券が2470枚、SBI証券が2450枚、バークレイズ証券が2086枚、野村証券が1928枚、モルガンMUFG証券が1721枚、日産証券が1463枚、みずほ証券が1386枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万8425枚、ソシエテジェネラル証券が1万7177枚、JPモルガン証券が5899枚、バークレイズ証券が4398枚、ビーオブエー証券が2687枚、モルガンMUFG証券が2502枚、ゴールドマン証券が2422枚、サスケハナ・ホンコンが1930枚、大和証券が1458枚、みずほ証券が855枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、週末の米中通商交渉を前に、複数の米金融当局者の発言内容を確認しつつ、貿易関連の報道に注意する展開が見込まれる。
NY市場では主だった米経済指標の発表は予定されていないが、複数の米要人発言が予定されている。NY午前にウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁とバーキン米リッチモンド連銀総裁、グールズビー米シカゴ連銀総裁が、NY午後にはウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事とウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の発言機会が予定されている。グールズビー総裁は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を有している。
7日のFOMC後、パウエルFRB議長は会見で利下げを急がない姿勢を示したことで、米金利先安観は後退。金利先物市場での利下げ開始時期は7月に後退している。トランプ政権の関税政策に対する不透明感が高まると共に、米経済に「スタグフレーション」の影がちらつく中、今後の景気や金利見通しについて言及があれば材料視される可能性がある。
本日に限った事ではないが、米貿易関連の報道に対する備えも怠らないようにしたい。週末に米中通商交渉を控える中、交渉への期待が高まる発言が伝わればリスクオンの流れを後押しすることが予想される反面、会談に対する悲観的発言が伝わるとリスク回避ムードに傾く展開もあり得る。交渉前ではあるが発言一つで市場のセンチメントが変わる恐れがある局面だけに、関係者からの発言には注意したい。
そのほか引き続き、トランプ米大統領の発言にも警戒が必要だ。昨日は「今すぐ株を買った方がいい」と発言したことで、米株が上昇してリスクオンの地合いになると、ドル円は146円台に上昇した。週末に米中通商交渉を控えていることもあり、ひとたび発言が伝わると相場かく乱要因となる恐れは十分にあるといえる。
他方、カナダでは4月雇用統計が発表される。市場予想は失業率が前月より0.1%悪化して6.8%、新規雇用者数は前月の減少に反して0.50万人増となっている。普段は同時刻に米経済指標と重複することが多く、ドルの動きも注視する必要があるが、今回は同時刻に米指標の発表が予定されていないため、指標結果に対して素直な反応が見込まれる。
想定レンジ上限
・ドル円は、現時点での本日高値146.19円。超えると1月10日から4月22日の下落幅に対する38.2%戻し147.14円
・カナダドル円は、90日移動平均線105.33円
想定レンジ下限
・ドル円は、日足・一目均衡表の転換線・基準線144.08円。割り込むと21日移動平均線143.20円
・カナダドル円は、日足・一目均衡表の基準線103.34円
今晩は底堅い展開か。昨日は週末に行われる米中の貿易協議への期待が続く中、米国と英国の貿易交渉が大枠で合意に至り、初めて貿易協議の具体的進展が見られたことで主要3指数がそろって続伸。週末の米中協議を巡っては、トランプ米大統領が「良い週末」を迎えると予想すると述べたことも貿易交渉進展期待を高めた。ダウ平均はトランプ発言を好感し、一時659ドル高まで上昇し、254.48ドル高(+0.62%)で終了。S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.58%高1.07%高で終了した。週初来ではS&P500が0.40%安、ナスダック総合が0.28%安とともに3週ぶりの反落ペースとなった一方、ダウ平均は0.12%高と小幅に3週続伸ペースとなった。
今晩は週末の取引となるが、週末にスイスで行われる米中貿易交渉の進展期待を背景に底堅い展開か。トランプ米大統領は4月2日に発表した「相互関税」をその後90日間延期するとしたが、中国に対しては145%の関税を据え置いた。トランプ米大統領は米中協議について「良い週末」になるだろうと楽観を示しており、関税率の大幅引き下げ期待などが引き続き米株の支援となりそうだ。
今晩は重要な米経済指標や企業決算の発表はないが、バー米連邦準備理事会(FRB)理事、クーグラーFRB理事、ウォラーFRB理事、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、バーキン米リッチモンド連銀総裁、グールズビー米シカゴ連銀総裁、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁などFRB高官の講演などが多数予定されている。
日経平均株価は続伸。75日移動平均線(37095円 5/9)を上回り、100日移動平均線(37646円 同)に接近する陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の98.1%→98.1%(5/9)と横ばい。週明けも上昇のハードルは高くなるが、短期的な相場の見方に変化はない。4/7安値(30792円)を起点とした目先波動は上昇継続の判断となる。
75日移動平均線と一目均衡表の雲下限が重複するフシを上回り、100日移動平均線や200日移動平均線(37938円 同)、終値ベースで3/26につけた急落前の戻り高値(38027円)なども射程圏に入ってきた。
一方、4/7安値から20営業日目が5/7に経過した。昨年8月安値から20日経過した後に反落調整に入っており、日柄面では変化日に近いと判断できる。来週は一目均衡表の雲の水準が急速に切り下がるタイミングに入ることで、目先の調整入りのシナリオも想定できる。
上値メドは、100日移動平均線、200日移動平均線、心理的節目の38500円や39000円などがある。下値メドは、5日移動平均線(36898円 同)、10日移動平均線(36199円 同)、心理的節目の36000円や35500円、25日移動平均線(34802円 同)などがある。
(9日終値:10日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.23円(9日15時時点比▲0.19円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.56円(△0.18円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1262ドル(△0.0028ドル)
FTSE100種総合株価指数:8554.80(前営業日比△23.19)
ドイツ株式指数(DAX):23499.32(前営業日比△146.63)
10年物英国債利回り:4.567%(△0.021%)
10年物独国債利回り:2.562%(△0.027%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月ノルウェー消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.7% ▲0.7%
(前年比) 2.5% 2.6%
4月スイスSECO消費者信頼感指数
▲42.4 ▲34.8
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。東京午後からの持ち高調整と見られるドル売りの流れが欧州市場でも継続した。心理的節目の145.00円が目先サポートとして意識されると下げ渋る場面もあったが、トランプ米大統領が「中国に対しては80%の関税が適切」などと発言すると再び弱含む展開となった。NY市場に入ると、米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りが進行。高く始まった米国株相場が下げに転じたことも相場の重しとなり、23時30分前に一時144.83円と日通し安値を更新した。
ただ、売りはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。2時30分前には145.35円付近まで下値を切り上げた。
・ユーロドルは強含み。米長期金利の低下を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行。23時30分前に一時1.1293ドルと日通し高値を更新した。ただ、売り一巡後は伸び悩む展開に。2時30分前には1.1253ドル付近まで上値を切り下げた。
なお、クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事は「現在の政策は中程度に引き締め的」「労働市場は安定しており、底堅い動きを見せている」と述べたほか、バーFRB理事は「様子見の姿勢が必要」「関税をめぐる不確実性がインフレ上昇と成長低下のリスクを高めていると言っても過言ではない」などと発言。また、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は「政策は良い状況にあり、FRBには時間的余裕がある」「金融政策は現在、やや引き締め的である」などと話した。
・ユーロ円は小高い。20時30分前に一時163.16円と日通し安値を付けたものの、1時前には163.64円付近までじり高となった。ドル円の下落につれた売りが出た半面、ユーロドルの上昇につれた買いが入った。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反発。米関税を巡る協議が進展するとの期待が相場を押し上げた。市場では「米政権の関税政策が世界経済の大幅な下振れにつながるとの警戒感が薄れている」との声が聞かれた。
・フランクフルト株式相場は続伸。米関税政策を巡る協議が進展するとの期待から独株にも買いが広がった。個別ではコメルツ銀行(4.36%高)やバイエル(2.67%高)、ダイムラー・トラック・ホールディング(2.49%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。貿易問題を巡る米国と相手国との協議が進展するとの期待から欧州株相場が上昇すると、相対的に安全資産とされる国債に売りが出た。
(9日終値:10日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.23円(9日15時時点比▲0.19円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.56円(△0.18円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1262ドル(△0.0028ドル)
FTSE100種総合株価指数:8554.80(前営業日比△23.19)
ドイツ株式指数(DAX):23499.32(前営業日比△146.63)
10年物英国債利回り:4.567%(△0.021%)
10年物独国債利回り:2.562%(△0.027%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月ノルウェー消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.7% ▲0.7%
(前年比) 2.5% 2.6%
4月スイスSECO消費者信頼感指数
▲42.4 ▲34.8
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。東京午後からの持ち高調整と見られるドル売りの流れが欧州市場でも継続した。心理的節目の145.00円が目先サポートとして意識されると下げ渋る場面もあったが、トランプ米大統領が「中国に対しては80%の関税が適切」などと発言すると再び弱含む展開となった。NY市場に入ると、米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りが進行。高く始まった米国株相場が下げに転じたことも相場の重しとなり、23時30分前に一時144.83円と日通し安値を更新した。
ただ、売りはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。2時30分前には145.35円付近まで下値を切り上げた。
・ユーロドルは強含み。米長期金利の低下を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行。23時30分前に一時1.1293ドルと日通し高値を更新した。ただ、売り一巡後は伸び悩む展開に。2時30分前には1.1253ドル付近まで上値を切り下げた。
なお、クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事は「現在の政策は中程度に引き締め的」「労働市場は安定しており、底堅い動きを見せている」と述べたほか、バーFRB理事は「様子見の姿勢が必要」「関税をめぐる不確実性がインフレ上昇と成長低下のリスクを高めていると言っても過言ではない」などと発言。また、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は「政策は良い状況にあり、FRBには時間的余裕がある」「金融政策は現在、やや引き締め的である」などと話した。
・ユーロ円は小高い。20時30分前に一時163.16円と日通し安値を付けたものの、1時前には163.64円付近までじり高となった。ドル円の下落につれた売りが出た半面、ユーロドルの上昇につれた買いが入った。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反発。米関税を巡る協議が進展するとの期待が相場を押し上げた。市場では「米政権の関税政策が世界経済の大幅な下振れにつながるとの警戒感が薄れている」との声が聞かれた。
・フランクフルト株式相場は続伸。米関税政策を巡る協議が進展するとの期待から独株にも買いが広がった。個別ではコメルツ銀行(4.36%高)やバイエル(2.67%高)、ダイムラー・トラック・ホールディング(2.49%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。貿易問題を巡る米国と相手国との協議が進展するとの期待から欧州株相場が上昇すると、相対的に安全資産とされる国債に売りが出た。
(9日終値)
ドル・円相場:1ドル=145.37円(前営業日比▲0.54円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.53円(▲0.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1250ドル(△0.0022ドル)
ダウ工業株30種平均:41249.38ドル(▲119.07ドル)
ナスダック総合株価指数:17928.92(△0.78)
10年物米国債利回り:4.38%(横ばい)
WTI原油先物6月限:1バレル=61.02ドル(△1.11ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3344.0ドル(△38.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反落。アジア時間に一時146.19円と4月10日以来約1カ月ぶりの高値を付けたあとだけに、海外市場では週末を控えたポジション調整目的の売りが出た。トランプ米大統領が「中国に対しては80%の関税が適切」と発言したことや、米10年債利回りが4.34%台まで低下したことも相場の重しとなり、23時30分前に一時144.83円と日通し安値を更新した。
ただ、売りはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。米10年債利回りが4.38%台まで上昇したことも相場を下支えし、5時30分過ぎには145.38円付近まで下値を切り上げた。市場では「日銀の早期利上げ観測は後退している一方、米早期利下げ観測は後退しており、円売り・ドル買いが出やすい地合いだ」との声も聞かれた。
・ユーロドルは3日ぶりに反発。米長期金利の低下を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.1293ドルと日通し高値を付けたものの、米長期金利が上昇に転じると伸び悩んだ。取引終了間際には1.1247ドル付近まで下押しした。
・ユーロ円は3日ぶりに反落。アジア市場では一時163.94円まで値を上げたものの、欧州市場では163.16円まで下落した。ただ、NY市場に限ればもみ合いの展開に。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。米関税を巡る協議が進展するとの期待から買いが先行したものの、10日から始まる米中貿易協議を前に持ち高調整目的の売りが出ると下げに転じた。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら3日続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。10日から始まる米中貿易協議を前に様子見ムードが強く、相場は方向感に乏しい展開となった。
・原油先物相場は続伸。週末に予定されている米中通商交渉で両国間の摩擦が緩和し、エネルギー需要が高まるとの期待感が引き続き下値を支えた。また、ドルがほぼ全面安となったことで、ドルで取引される原油先物は割安感からも買いが集まった。
・金先物相場は3日ぶりに反発。週末に予定されている米中通商交渉への期待感から、過度なリスク選好の動きが和らぎ金先物は弱含む場面があった。ただ、週末を前に為替市場でドル高の調整が入り、ドル売りが進むとドルで取引される金先物は割安感から3日ぶりに反発して引けた。
9日06:13 ラトニック米商務長官
「日本と韓国との交渉締結は早くはないだろう」
「最初の取引は他国の雛形となりうる」
9日08:46 加藤財務相
「政府は新たな経済対策を検討していない」
「消費税の引き下げは適切ではない」
「財政余力を確保することが重要」
9日09:42 赤沢経済再生相
「一連の関税措置見直し求める日本のポジションに変わりはない」
「政府一丸となって最優先勝つ全力で対米交渉に取り組む」
9日10:02 アマドール・メキシコ財務相
「メキシコ経済は依然として堅調であり、企業にとって投資環境は良好」
9日10:40 シェインバウム・メキシコ大統領
「メキシコ経済は世界情勢にうまく対応している」
「メキシコのGDP成長率はもっと高くしたい」
「メキシコのインフレ率は制御下にある」
「最低賃金の引き上げが経済の発展に寄与した」
「メキシコは今年、福祉プログラムに400億ドルを投じる」
9日15:54 レーン・フィンランド中央銀行総裁
「ディスインフレは軌道に乗っている」
「成長見通しは弱まっている」
「3月に定めたリスクは大きく顕在化した」
「予測が裏付けられれば6月の利下げは正しい動きとなる」
「レアアースやガリウムの輸出規制を強化」
「戦略鉱物の密輸や輸出を取り締まるための特別作戦を展開する」
9日17:29 シムカス・リトアニア中銀総裁
「ECBは6月に金利を引き下げる必要がある」
「6月の利下げ後、次の利下げが7月になるか9月になるかは不明」
「ECBの金利に関する中心的なシナリオは存在しない」
9日17:53 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「2%のインフレ目標へのコミットメントは揺るぎない」
「MPCについて多様な見解があるのは良いこと」
「スタッフの提案に基づき、MPCの大多数が合理的な基準と認めるベースライン予測を維持」
「ベースラインを取り巻くリスクを探り、委員会内の意見の相違に対応するために、シナリオを手段として用いる」
「BOEの最新のシナリオの選択は、インフレリスクが一方向に偏っていることを意味しない」
「シナリオは金融政策の軌道の歪みを示唆するものではない」
「世界経済の環境は、過去と比較して、引き続き困難で予測が難しくなる可能性が高い」
9日19:42 バー米連邦準備理事会(FRB)理事
「様子見の姿勢が必要」
「関税をめぐる不確実性がインフレ上昇と成長低下のリスクを高めていると言っても過言ではない」
「これまでのデータは、米国経済が好調で失業率が低いことを示している」
「第1四半期のGDPには異常なデータがあった」
9日19:55 クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「労働市場は安定し、最大雇用に近い状態」
「現在の政策は中程度に引き締め的」
「労働市場は安定しており、底堅い動きを見せている」
「第1四半期のGDPは経済の実体面が底堅いことを示した」
9日20:30 トランプ米大統領
「中国に対しては80%の関税が適切」
「対中関税はベッセント財務長官次第」
9日20:50 ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト
「慎重な利下げは、将来の経済変化に警戒し、機敏に対応することを意味すると理解されるべき」
「関税発表後も英国経済に劇的な変化は見られない」
「関税への経済的反応が限定的なのは、部分的にはBOEの金融緩和政策への期待を反映」
「賃金上昇による長期的なインフレ圧力を無視すべきではない」
9日21:37 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁
「現在は大きな不確実性と変化の時期」
「中央銀行の独立性はより良い結果をもたらす」
「政策は良い状況にあり、FRBには時間的余裕がある」
「労働市場は底堅いことが証明されている」
「関税政策がどうなるか見極めたい」
「経済が予想以上に弱体化すれば、利下げが必要となる」
「金融政策は現在、やや引き締め的である」
10日02:25 レビット米ホワイトハウス報道官
「トランプ大統領は10%の基本関税導入を約束している」
「中国への80%関税はトランプ大統領が提示した数字」
「米国は中国から譲歩を得る必要がある」
「対中関税の一方的な引き下げはしない」
※時間は日本時間
12日
○08:50 ◎ 3月国際収支速報
○14:00 ◇ 4月景気ウオッチャー調査
13日
○08:50 ◇ 4月マネーストックM2
○08:50 ◇ 日銀金融政策決定会合における主な意見(4月30-5月1日分)
14日
○08:50 ◇ 4月企業物価指数
15日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース、2週分)
16日
○08:50 ☆ 1-3月期実質国内総生産(GDP)速報値
○13:00 ◇ 中村豊明日銀審議委員、講演
○13:30 ◇ 3月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 3月設備稼働率
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
10日
○米中高官、貿易問題を巡る協議(スイス)
12日
○17:00 ◎ ロンバルデリ英中銀(BOE)副総裁、講演
○19:30 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○21:00 ◇ 3月メキシコ鉱工業生産
○21:50 ◎ マン英中銀MPC委員、講演
○23:25 ◎ クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○13日03:00 ◎ 4月米月次財政収支
○シンガポール(べサックデー)、インド(釈迦生誕日)、休場
13日
○08:01 ◇ 4月英小売連合(BRC)小売売上高調査
○09:30 ◇ 5月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○10:30 ◇ 4月豪NAB企業景況感指数
○15:00 ◎ 4月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○15:00 ◎ 1-3月英失業率(ILO方式)
○16:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○16:00 ◇ 3月トルコ経常収支
○17:00 ◎ マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
○17:45 ◎ ピル英中銀MPC委員兼チーフエコノミスト、講演
○18:00 ◎ 5月独ZEW景況感指数
○18:00 ◎ 5月ユーロ圏ZEW景況感指数
○18:30 ◎ 1-3月期南アフリカ失業率
○19:30 ◎ 4月インド消費者物価指数(CPI)
○21:30 ☆ 4月米CPI
☆ エネルギーと食品を除くコア指数
○24:00 ◎ ベイリーBOE総裁、クノット・オランダ中銀総裁、講演
○トランプ米大統領、中東歴訪
14日
○10:30 ◎ 1-3月期豪賃金指数
○15:00 ◎ 4月独CPI改定値
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:30 ◇ 3月カナダ住宅建設許可件数
○23:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○06:40 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○10:30 ◎ 4月豪雇用統計(失業率/新規雇用者数)
○15:00 ☆ 3月英国内総生産(GDP)
○15:00 ☆ 1-3月期英GDP速報値
○15:00 ◎ 3月英鉱工業生産/製造業生産高
○15:00 ◇ 3月英商品貿易収支/英貿易収支
○15:00 ◎ 1-3月期ノルウェーGDP
○15:30 ◇ 4月スイス生産者輸入価格
○15:45 ◇ 4月仏CPI改定値
○16:05 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:00 ☆ 1-3月期ユーロ圏GDP改定値
○18:00 ◎ 3月ユーロ圏鉱工業生産
○19:15 ◎ デギンドスECB副総裁、講演
○21:00 ◎ 3月ブラジル小売売上高
○21:15 ◇ 4月カナダ住宅着工件数
○21:30 ◇ 3月カナダ製造業出荷
○21:30 ◇ 3月カナダ卸売売上高
○21:30 ◎ 4月米卸売物価指数(PPI)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数
○21:30 ☆ 4月米小売売上高
○21:30 ◎ 5月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
○21:30 ◎ 5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○21:40 ☆ パウエルFRB議長、あいさつ
○22:15 ◎ 4月米鉱工業生産
◇ 設備稼働率
○23:00 ◎ ディングラ英中銀MPC委員、講演
○23:00 ◇ 3月米企業在庫
○23:00 ◎ 5月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
○16日04:00 ◎ メキシコ中銀、政策金利発表
16日
○17:30 ◎ 1-3月期香港GDP確定値
○18:00 ◇ 3月ユーロ圏貿易収支
○21:30 ◇ 3月対カナダ証券投資
○21:30 ◎ 4月米住宅着工件数
◎ 建設許可件数
○21:30 ◇ 4月米輸入物価指数
○23:00 ◎ 5月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
○24:00 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、ロンバルデリBOE副総裁、講演
○17日01:00 ☆ 1-3月期ロシアGDP速報値
○17日01:00 ◎ 4月ロシアCPI
○17日05:00 ◎ 3月対米証券投資動向
18日
○ポルトガル総選挙
○ポーランド大統領選
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、米中貿易交渉の行方に注意
◆豪ドル、与党の単独過半数確保で豪政局は安定へ
◆ZAR、21日公表の2025年度第3次予算に注目
予想レンジ
豪ドル円 91.00-96.00円
南ア・ランド円 7.70-8.20円
5月12日週の展望
豪ドルは下値の堅い動きが予想される。豪州を巡る内外の状況は好転しつつあり、目先の豪ドル相場を下支えすることになりそうだ。なお、来週は1-3月期賃金指数や4月雇用統計の発表が予定されており、豪経済の状況を改めて確認するとともに相場の反応にも注目しておきたい。
豪州では3日に総選挙が実施され、アルバニージ首相率いる中道左派の与党・労働党が勝利。下院150議席のうち86議席を獲得し、労働党単独での過半数を確保した。事前の世論調査でも労働党の優勢は伝わっていたが、単独での過半数獲得は微妙との声もあったため、市場が懸念していた「ハング・パーラメント」を避けられたことが好感されている。
また、国外情勢でも豪ドルをサポートする内容が目立った。今週7日には週末10・11日にスイスで米中の閣僚級会議が開催され、貿易問題について議論されることが明らかになった。また、7日には中国準備銀行(中央銀行)が政策金利や預金準備率の引き下げなど金融緩和策を発表。市場では米中貿易摩擦の緩和期待が高まっているほか、中銀の金融緩和措置によって中国景気の下押し懸念も和らいでおり、中国が最大の貿易相手国である豪州経済にもプラスに働くとの思惑が広がっている。
もっとも、米中貿易協議の行方については先行き不透明感も根強い。トランプ米政権としては中国側からの譲歩を引き出したいところだが、中国政府は貿易協議の開催が明らかになった後も「貿易を巡る会談は米国側の要請で行われる」「米国との協議では自国の利益を守る方針」と強硬な姿勢を示している。面子を守りたい両国の協議で妥協案などが提示されなければ、現在の市場がリスクオンムードへと傾いているだけに失望が広がることも考えられる。交渉決裂には至らないとしても、週明けから為替相場が急変動するリスクがあることは留意しておきたい。
南アフリカ・ランド(ZAR)は国内情勢や米関税政策の行方などをにらんだ動きとなりそうだ。南ア国内では付加価値税(VAT)引き上げ撤回によって、国民統一政府(GNU)から民主同盟(DA)の脱退は回避されたが、依然として対立の火種はくすぶっており、前週末には「100人以上の国会議員がGNUに対してDAを排除するように要求した」との報道も伝わっている。また、VAT引き上げの撤回によって生じる750億ZARの歳入不足についても懸念材料。南アフリカ財務省は21日に2025年度の第3次予算を提出する予定となっているが、内容次第では南ア経済およびZAR相場の重しとして意識される可能性もありそうだ。
5月5日週の回顧
豪ドルは対円で横ばい。対ドルでは買い先行となっていたが、米連邦準備理事会(FRB)が改めて早期の利下げに慎重な姿勢を示すとやや売りに押された。ZARは対ドル・対円でともに底堅く推移。国営電力会社であるエスコムが「今年の冬(今後4カ月)は停電を回避できる見込み」との見解を示したことを好感した買いが入った。
◆ポンド、英米通商合意の影響を見定め、詳細は今後も交渉
◆ポンド、英中銀は予想通り利下げも、MPCメンバーの意見分かれる
◆加ドル、米加関係の行方を注視
予想レンジ
ポンド円 191.00-196.00円
加ドル円 102.50-106.50円
5月12日週の展望
英国と米国は8日、貿易協定の合意を発表した。10%の基準関税は維持されるものの、英自動車メーカーはトランプ米大統領が他国に課した税率25%よりも低い関税で米国に輸出できる。協定の詳細については交渉が続くとされ、今後も内容を見定めながらの取引となるだろう。
イングランド銀行(英中銀、BOE)は8日、政策金利の4.5%から4.25%に引き下げを公表。2会合ぶりの利下げや下げ幅は市場の予想通りであり、声明内容にも大きな変更はなかった。ただ、金融政策委員会(MPC)メンバー内で意見が分かれたのは予想外だった。ディングラ委員とテイラー委員の0.50%引き下げ主張は想定内としても、マン委員とピル委員(中銀チーフエコノミスト)が据え置きを主張したのはサプライズ。英中銀が緩和ペースを加速する可能性も高まっていただけに、この時点で2人も利下げ慎重派がいることはベイリーBOE総裁の舵取りを難しくさせそうだ。なおマン委員は、0.25%利下げした2月会合では0.50%の大幅利下げを主張していた。
英米の貿易関係は最悪な展開が避けられたため、英中銀の次の一手を探るうえでは経済データを1つずつ確認していく必要があるだろう。来週13日の雇用データでは賃金上昇圧力の強さを注視。15日には1-3月期国内総生産(GDP)速報値や3月鉱工業生産が発表予定となっている。
加ドルは、米加関係の行方に左右されそうだ。カーニー加首相は6日、ホワイトハウスでトランプ米大統領と会談した。その後の記者会見でトランプ米大統領が「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の再交渉が始まる可能性」と述べ、これが好感されて加ドル買いが強まる場面もあった。もっとも米大統領は、カナダに課した関税について撤回する考えはないことを強調。さらに、カナダ国民を怒らせている「カナダは米国の51番目の州になるべき」という持論を改めて示した。米加首脳会談は、重要な貿易問題についても平行線のまま終了。しかしながら、両首脳ともに「話し合いは建設的だった」と述べており、協議継続にも前向きな姿勢を見せた。
米国にとって、カナダはメキシコに次ぐ第2の貿易相手国であり、米製品にとっては最大の輸出市場。さすがにトランプ大統領も、強気一辺倒では交渉が進まないことに気付き始めている。カナダにとっても貿易戦争の長期化は同国経済にとって脅威であり、カーニー加首相もなるべく早いうちに落ち着き処を見つけたいだろう。米加首脳は今後、6月中旬にカナダ西部カナナスキスで開かれる主要7カ国(G7)首脳会議で再会する。
5月5日週の回顧
週前半に全般円高が進み、対円でポンドは190円前半、加ドルは103円前半まで下落した。ただ、その後は米中貿易摩擦の緩和期待や英米通商合意の報道を背景にリスク志向ムードが広がると、ポンド円は193円半ばまで反発。加ドル円も105円手前まで切り返した。また、ポンドドルは買い先行も1.34ドル付近では上値を抑えられ、1.32ドル前半まで戻り売りに押された。加ドルは対ドルで1.37加ドル半ばから1.39加ドル前半まで売りが強まった。
◆ドル円、米利下げ観測後退で下値堅いも米関税政策の行方に引き続き注目
◆ドル円、米CPIなど重要指標が発表予定
◆ユーロドル、欧米関税政策の行方に警戒
予想レンジ
ドル円 143.00-148.50円
ユーロドル 1.0900-1.1400ドル
5月12日週の展望
ドル円は、6-7日に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「利下げを急いでいない」姿勢を示したことを受けて早期利下げ観測が後退。ドルはしばらく底堅く推移しそうだ。米関税政策を巡る不確実性が拭えない限り利下げを見送る格好となったが、これに対してトランプ米大統領が圧力を掛けてくるかどうかが警戒される。米大統領がFRB議長解任を否定したため、中銀の独立性は保たれたが、二転三転する米大統領の発言に引き続き振り回されることになるだろう。
また、米国と各国との通商交渉の行方にも注目だ。週末の10-11日にはスイスに訪問中の何立峰・中国副首相とベッセント米財務長官が会談を行うことになっており、米中交渉の進展期待が高まっている。ただ、中国側は「いかなる協議も相互尊重の下、対等で互恵的な前提で実施されなくてはならない」と一貫した態度を示しており、米国が誠意を示したうえで中国側と向き合うことが必要であることを訴えている。トランプ米大統領は「交渉がうまくいけば、対中関税を引き下げる可能性」と柔軟な姿勢を示してはいるが、楽観視することは出来ない。
米国の経済指標としては、13日に4月消費者物価指数(CPI)、15日に4月卸売物価指数(PPI)や4月小売売上高、5月NY連銀およびフィラデルフィア連銀製造業景気指数、16日に5月ミシガン大消費者態度指数・速報値など、重要指標が多く発表される。
ユーロドルは、欧州連合(EU)と米国との関税交渉の行方次第となりそうだ。英国が一足先に米国との貿易合意に至ったが、もともと厳しい関税を課していない英国との交渉は容易であった一方、対米輸出品のうち現時点で関税の対象が70%を占めるEUは交渉が難航している。なお、EUは8日、航空機や自動車、バーボンなどを対象に950億ユーロ規模の対米関税リストを公表。米政権との貿易交渉に失敗した場合に発動される。
5月5日週の回顧
ドル円は底堅い動きとなった。米関税政策に対する先行き不透明感を背景に週明けから売られる展開となった。米国株安や米長期金利の低下とともに一時142.36円まで売り込まれた。ただ、米中交渉に関する報道が伝わると反発。FOMC後にパウエルFRB議長がタカ派的発言を繰返したほか、米英貿易協定合意で買いが加速すると146.18円まで買い上げられた。
ユーロドルは上値の重い展開。良好な米ISM非製造業指数を受けて週明けは売りが強まり、一時1.1280ドルまで値を下げた。独首相にメルツ氏が選出されたことが伝わると1.1381ドルまで反発したが、その後はドル全面高となるなか1.1212ドルまで再び値を下げている。
9日の日経平均は大幅続伸。終値は574円高の37503円。
日経平均は500円を超える上昇。前場も後場も後半の動きが良く、37000円や37500円の節目を上回った。きのうまで37000円を前に足踏みが続いていただけに、これを明確に超えてきたことは力強い。75日線(37095円、9日時点、以下同じ)も上回っており、目先は同水準や5日線(36898円)がサポートになると期待できる。
今週は、(1)ウォーレン・バフェット氏の発言から、日本の大手商社株が改めて強く買われる場面があったこと、(2)NTTによるNTTデータG完全子会社化など「親子上場解消」が改めて株式市場のテーマとして意識されたこと、(3)自社株買いの発表、減益見通しでも増配計画など、株主還元を意識したリリースが多く見られたこと―など、日本株の再評価機運を高める材料が多かった。決算発表が一巡した後も、日本株からは資金が逃げない可能性がある。来週以降は、高水準の売買代金が続くかどうかと日経平均が陽線で終える日が多いかどうかに注意を払っておきたい。
【来週の見通し】
堅調か。決算発表は終盤戦となるが、ソフトバンクGやメガバンクなど注目度の高い企業の発表はまだまだ多い。日本株はここまで多くの企業の本決算を確認しながら強い基調が続いており、買いが入りやすい地合いを予想する。米国では4月の消費者物価指数(CPI)や小売売上高など、注目の指標がいくつか出てくる。ただ、FOMCを消化したばかりで次回の利下げ期待も高まっていないだけに、結果に対する反応はそれほど大きくならないと思われる。日米ともに好材料には強く反応し、弱材料には耐性を示すことで、しっかりとした動きが続くだろう。
【今週を振り返る】
堅調となった。月曜と火曜が休場で立ち合いは3日。連休明け7日の日経平均はプラス圏とマイナス圏を行き来する不安定な動きとなり、小幅に下落した。FOMCは大方の予想通り政策金利が据え置きとなり、結果を消化した米国株がプラスで終えたことから、これを受けた8日は上昇した。9日は500円を超える大幅上昇。米国と英国が貿易交渉で大枠合意に至り、米中交渉に対する期待が高まったことや、為替市場で円安(ドル高)が進行したことが支援材料となった。日経平均は週間では672円の上昇となり、週足では5週連続で陽線を形成した。
2025年5月9日
中国共産党は歴史歪曲している。
第二次世界大戦の抗日戦に勝利したのは「蒋介石率いる中華民国(=現在の台湾の中華民国)」であり、「中国共産党の中華人民共和国」はまだ建国されていない。
だから、
国連憲章に記載されている戦勝国は、中華人民共和国ではなく「中華民国」になっている。
htt○ps://jp.reuters.com/world/taiwan/BQ3COAMWBBIDTHFDKRR3QP5QOI-2025-05-09
htt○ps://i.imgur.com/XlbymC9.jpeg
今週の日経225先物は、10日、11日にスイスで行われた関税を巡る米中閣僚級協議の初動反応として、ボラティリティの高まりが想定される。週初は協議内容がアルゴリズム発動のトリガーとなる可能性があろう。
先週の東京市場は、大型連休明けで3日間の立ち合いだった。8日には、トランプ米政権がすべての貿易相手国を対象に行う「相互関税」において、米英が貿易協定を結ぶことで合意した。これにより米中貿易交渉への期待が高まり、9日の日経平均株価は3月27日以来となる3万7500円を回復。75日移動平均線(3万6950円)で攻防をみせていた日経225先物は同線を突破し、200日線(3万7620円)を捉えてきた。
9日の取引終了後のナイトセッションでは、米中協議の結果を見極めたいとのムードが強まったことで、3万7600円に下がった200日線での攻防となり、持ち高調整に伴うロングの解消が優勢だった。米中協議で進展がみられるようだと同線をクリアし、ショートカバーを中心に3月26日につけた戻り高値3万7970円の突破が意識されやすい。一方で、物別れに終わると、改めてショートポジションを積み増す動きが強まり、75日線までの調整が警戒されやすい。
ボリンジャーバンドでは、上向きで推移する+1σ(3万6530円)と+2σ(3万8150円)によるレンジ内で推移している。5月1日に+1σを突破した後は、+2σに沿ったリバウンドを継続。米中協議が失望を招けば、75日線から+1σ水準までの調整を警戒しておきたい。ただし、米英間の関税合意によって、5月中旬以降に3回目の閣僚級協議を調整している日米交渉についても進展期待が高まりやすい。75日線や+1σ水準までの調整があるようならば、押し目狙いのロングで対応したいところである。
先週はトランプ大統領の発言が大きく市場に影響を与えた。「中国側に譲歩する意向がある」「今すぐ株を買った方がいい」「所得250万ドル以上の富裕層に増税を求める」「対中関税は80%が適切だろう」などと自身のSNSに投稿し、これら発言がアルゴリズム発動のトリガーになっている。米中協議を受けたSNSでの発言が一段と活発化する可能性もあるため、スキャルピング中心のトレードに向かわせやすい面はありそうだ。
今週は決算発表がピークを迎え、週を通じて2000社ほどの企業の発表が予定されている。決算内容を見極めたいとするムードが強まりやすいほか、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさ株の影響を受けやすい点には注意が必要だ。
米中協議を受けた週初以降は、決算の影響を受けやすいほか、米国では13日に4月消費者物価指数(CPI)、15日に4月生産者物価指数(PPI)が発表される。米連邦準備制度理事会(FRB)は当面様子見の姿勢を保っているが、注意を要することになろう。
9日の米VIX指数は21.90(8日は22.48)に低下した。直近で支持線として意識されていた25日線を割り込んでいる。200日線が位置する19.71が射程に入っており、判断の分かれ目となる20.00割れが射程に入ってきたことで、リスク選好に向かわせそうだ。米中協議が進展するようなら、3月26日の直近安値である16.97辺りが意識されそうであり、ショートカバーが強まりやすいだろう。
先週末のNT倍率は先物中心限月で13.71倍に低下しており、+2σ(13.72倍)に抑えられる形になった。ただし、一時13.67倍まで下げる場面もみられたが、+1σ(13.66倍)が支持線として機能しているため、+1σと+2σによるレンジを継続。バンドが緩やかながら上向きで推移していることもあり、NTロングに振れやすいとみておきたい。
5月第1週(4月28日-5月2日)の投資部門別売買動向は12日の引け後に発表され、5月第2週(7日- 9日)については15日に発表される。4月第4週時点で海外投資家は現物と先物の合算では2週連続で買い越している。日経平均株価は4月25日の3万5705円から5月9日には3万7503円と1800円近く上昇しているため、海外投資家の買い越し基調が継続しているとみられる。現物、先物いずれも3月26日の戻り高値が射程に入るなか、ショートカバーが本格化する可能性があろう。
主要スケジュールでは、12日に3月国際収支、4月景気ウォッチャー調査、米国4月月次財政収支、13日に金融政策決定会合の主な意見(4月30日~5月1日分)、米国4月消費者物価指数、トランプ米大統領・中東歴訪(~16日)、14日に4月国内企業物価、15日に米国4月小売売上高、米国4月生産者物価指数、米国4月鉱工業生産指数、16日に1-3月期GDP、米国4月住宅着工件数、米国4月輸出入物価指数などが予定されている。
9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、トランプ米大統領が「中国に対しては80%の関税が適切」と発言したことや米10年債利回りが4.34%台まで低下したことなどで144.83円まで下落後、145.38円付近まで買い戻された。ユーロドルは米長期金利の低下を受けて1.1293ドルまで上昇した後、1.1247ドル付近まで下押しした。
本日の東京外国為替市場のドル円は、週末にスイスで開催された米中貿易協議で米中の貿易戦争の緩和に向けて「著しい進展(substantial progress)」があったと報じられていることで堅調推移が予想される。
週明けオセアニア市場でドル円は146円台に上昇しており、目先の上値の目処としては「雲の下限147.91円」や「200日移動平均線149.69円」などが挙げられる。
米国側代表のベッセント米財務長官は「非常に重要な貿易協議において『著しい進展』があったことを報告できて嬉しい」と述べ、トランプ米大統領に協議の進捗状況を報告し、12日に詳細を説明すると述べた。
中国側代表の何立峰副首相は「『著しい進展』があり、今後の協議に向けた枠組みを設けることで両国が一致した」と述べ、共同声明の発表を約束した。
英米貿易協定合意や米中貿易協議の進展を受けて、IMMシカゴ筋の過去最大規模の円のネット買い持ちポジションに代表されるドル円のショートポジションが手仕舞われる可能性が高まりつつある。
IMMシカゴ筋は、今年1月にドル円が155円付近で推移していた頃、円の売り持ちポジションから買い持ちポジションに転換し、152円付近では過去最大規模に拡大して、4月29日時点(※NY終値:142.33円)では179,212枚まで過去最大を更新していた。5月6日時点(※NY終値:142.45円)では、若干減って176,859枚(-2,353枚)となっていたが、先週末の146円台までの上昇でどの程度減っているのかは、今週末の発表待ちとなる。
シカゴ筋がドル売り・円買いのポジションに傾いた背景には、日銀の追加利上げ観測、米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げ観測、トランプ関税を巡るドル下落観測などがあったと思われる。
しかし、日銀金融政策決定会合では、トランプ関税の「不確実性」を理由にハト派的な据え置きとなり、米連邦公開市場委員会(FOMC)でも「不確実性」を理由に、タカ派的な据え置きとなっており、米英貿易協定の締結合意や米中貿易協議での進展を受けて、ドル売り・円買いのベクトルが後退しつつある。
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 37460 -60 (-0.15%)
TOPIX先物 2729.0 -7.0 (-0.25%)
シカゴ日経平均先物 37470 -50
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
9日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が下落した一方で、ナスダックは上昇。関税交渉の進展期待から買いが先行したものの、10日から始まる米中貿易協議を前に持ち高調整の売りが出て下落に転じた。トランプ米大統領が中国からの輸入品にかける累計145%の追加関税について「対中関税は80%が適切だろう」と自身のSNSに投稿したことも重荷になった。
S&P500業種別指数は、自動車・同部品、エネルギー、不動産が上昇した半面、医薬品・バイオテクノロジー、耐久消費財・アパレル、食品・飲料・タバコが下げた。NYダウ構成銘柄では、ボーイング<BA>、シェブロン<CVX>、スリーエム<MMM>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、アップル<AAPL>が買われた。一方でアムジェン<AMGN>、メルク<MRK>、IBM<IBM>、セールスフォース<CRM>が下落。
シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比50円安の3万7470円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比30円高の3万7550円で始まり、3万7380円まで売られた後にロング優勢の流れとなり、3万7670円まで上昇。買い一巡後は軟化し中盤にかけて3万7310円まで売られる場面もみられた。ただし、終盤にかけて持ち直し3万7400円~3万7500円辺りでの保ち合いを継続。3万7460円でナイトセッションの取引を終えた。
10日、11日にスイスで行われた米中閣僚級協議では、貿易協議の枠組みを設置することで合意したと明らかにした。両国とも具体的な点を明らかにしていないが、12日に共同声明を発表するとしており、東京市場が初動反応として注目される。為替市場ではドル円が一時1ドル=146円台と急速に円安に振れており、日経225先物は買い先行で始まることが期待される。
日経225先物は先週の上昇で75日移動平均線を突破し、200日線(3万7600円)を捉えてきた。9日の取引終了後のナイトセッションでは同線に上値を抑えられる形だったが、米中協議の進展を受け、200日線突破から3月26日の戻り高値である3万7970円を意識したスタンスに向かわせそうだ。
トランプ大統領は11日、「まもなく重大発表」と自信のSNSで予告した。具体的な発表の内容には触れておらず、貿易に関する話ではなさそうだが、ショートカバーを誘う可能性がある。足もとで海外勢は買い越し基調が継続しているとみられ、3月の戻り高値を捉えてくるトレンド形成をみせてくるようだと、ショートカバーが本格化しそうである。そのため、200日線水準での攻防が続く局面では、押し目狙いのロングで対応したい。
一方で、トランプ政権は海外から輸入する航空機やエンジン、部品などを対象に追加関税の導入に向け、国家安全保障に与える影響について調査を始めたことを明らかにした。三菱重工業<7011.T>[東証P]など関連する企業が不安定な値動きをみせてくるようだと、慎重姿勢が強まる可能性はありそうだ。国内企業の決算発表がピークを迎え、結果を見極めたいとするムードも強まりやすく、買い一巡後は次第に膠着感が強まる展開も意識されよう。
そのため、オプション権利行使価格の3万7500から3万8000円のレンジを想定する。200日線での底堅さがみられる局面では、ボリンジャーバンドの+2σ(3万8150円)が射程に入ってくる。週足では26週線(3万7640円)、52週線(3万7870円)、+1σ(3万7820円)を明確に突破してくると、次のターゲットは+2σの3万9260円になるとみておきたい。
9日の米VIX指数は21.90(8日は22.48)に低下した。直近で支持線として機能していた25日線を割り込んだことで、200日線が位置する19.71が射程に入ってきている。判断の分かれ目となる20.00割れが意識されてきたことで、リスク選好に向かわせそうだ。
先週末のNT倍率は先物中心限月で13.71倍に低下しており、+2σ(13.72倍)に抑えられる形になった。ただし、一時13.67倍まで下げる場面もみられたが、+1σ(13.66倍)が支持線として機能しているため、+1σと+2σによるレンジを継続。バンドが緩やかながら上向きで推移していることもあり、NTロングに振れやすいとみておきたい。
東京市場は一進一退か。先週末の米国株はまちまち。ダウ平均とS&P500が下落し、ナスダックが上昇した。ダウ平均は119ドル安の41249ドルで取引を終えた。3指数とも小高く始まったが、場中の上値は重かった。ドル円は足元145円80銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて50円安の37470円、ドル建てが10円高の37530円で取引を終えた。
米国株は方向感なく、3指数とも小動きであった。週末に米中協議が開催されており、具体的な内容は現時点では伝わっていないものの、中国側からは進展があった旨のアナウンスが出てきている。トランプ大統領も自身のSNSで大きな進展があったと投稿した。続報が出てくれば、ヘッドラインに指数が大きく反応する可能性がある。ただ、先週の時点で進展を期待した買いは入っているだけに、高くなれば利益確定売りは出てきやすい。一方、進展があったのであれば、下値は堅いだろう。本日の米国株の反応を見極めたい状況でもあり、振れ幅が大きくなればそれを修正する動きが出てきて、終値ベースでは水準はそれほど変化しないと予想する。日経平均の予想レンジは37300円-37700円。
米国は対中関税を145%→30%に
中国は対米関税を125%→10%に
2025年5月12日16:09
日経225先物は11時30分時点、前日比40円高の3万7560円(+0.10%)前後で推移。寄り付きは3万7760円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7470円)を大きく上回る形から、買い先行で始まった。直後に3万7840円まで上げ幅を広げた後は持ち高調整とみられるロング解消とみられる動きが優勢となり、終盤にかけて3万7550円まで上げ幅を縮めた。
米中両政府がスイスで開いた閣僚級協議で一定の進展があったとの見方からショートカバーの動きが強まり、日経225先物は200日移動平均線(3万7600円)を上回って始まった。ただし、買い一巡後はロング解消の動きが優勢となり、200日線を挟んでの攻防をみせている。
トランプ大統領は、「まもなく重大発表」と自身のSNSで予告していたが、米国での医薬品価格を大幅に引き下げる大統領令に署名すると明らかにした。これを受けて武田薬品<4502.T>[東証P]やアステラス製薬<4503.T>[東証P]が下落したことも、ややセンチメントを冷ます形になったようだ。ただし、グローベックスの米株先物は強含みで推移しており、週明けの米国市場の上昇が期待されるため、200日線を下回る局面では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で13.75倍に上昇。医薬品株や鉄鋼株の弱い値動きがTOPIX型の重荷になっており、相対的に日経平均型が優位の状況である。ボリンジャーバンドの+2σ(13.74倍)水準まで上昇してきたことで、同バンドを上回ってくるかを見極めたいところだ。
先週末の海外市場では、米中通商協議を控えて神経質な展開。米長期金利の低下につれてドル円は144.83円まで下押す場面もみられましたが、NY時間に入ってからは米10年債利回りが低下幅を消す動きとなると145.38円まで買戻されて取引を終えました。
そして、この週末にスイスのジュネーブで開催された米中協議は「著しい進展があった」ことをベッセント米財務長官やグリア米USTR代表が表明。中国の交渉団からも前向きな発言が聞かれているなか、週明け早朝のオセアニア市場から窓を空けて上昇。先週末の高値146.19円を上抜けて一時146.27円まで値を上げました。東京勢参入と同時に利食い売りから145.70円まで下押ししたものの、その後は仲値に向けた本邦実需の買いが観測されたほか、米長期金利の上昇などにつれて再び146.28円まで値を上げています。ただ、日経平均が上げ幅を消す動きとなると再び145.72円まで下押すなど、米中共同声明を待つなかで、神経質な展開が繰り返されています。
いずれにしても、米株の指数はともかく、週明けの日経平均だけが「素直にリスクオンとして買っていけない」状況となっていますが、週末の米中協議に対しては、米国サイドからだけではなく、中国サイドからも同様のポジティブな表明となっているわけで、現在事務方が作成中の米中共同声明についても、結果としてはトランプ関税がもたらす極度の緊張感を緩める方向しか選択肢はないといったところ。
日米の金融政策が、uncertaintyとclarityの2つのワードによって説明できるように、かかるトランプ関税もまた、アジア時間の不確実性への不安は、ある種の希望を持ち備えた光へと変わっていくのかもしれません。ドル円は目先、早朝の安値145.70円やNY時間の高値145.38円が下押しの目処となっていますが、上値は50日MAの146.27円や一目雲下限が位置する147.91円、更には4月9日の高値148.27円がレジスタンスレベルとして意識されています。
「今後6週間かそのくらいの期間に多くのことが起こるだろう。全ての会合に自分は極めてオープンな姿勢で、全ての会合がライブだ」(ベイリーBOE総裁)
5月8日に英米貿易協定合意が発表される前日の7日に行われたイングランド銀行金融政策委員会(MPC)の投票では、英国にとっての最大のリスクは、米国の関税がもたらす世界的影響だとの見方から、5名が0.25%の利下げ、2名が0.50%の利下げ、そして2名が据え置きに投じた。金融政策報告に盛り込まれた経済見通しは、年末までに3回の追加利下げが行われ、金利が3.5%(※ターミナルレート)に達するという市場の予測を追認した。
1.イングランド銀行金融政策委員会(MPC)
MPCの9名の委員の棲み分けは、タカ派2名、中立派3名、ハト派4名に分類できる。
【MPC】 【2024/9/18】【11/7】【12/19】【2025/2/6】【3/20】【5/8】
■ハト派
・ベイリー総裁:5.00% 4.75% 4.75% 4.50% 4.50% 4.25%
・ラムスデン副総裁:5.00% 4.75% 4.50% 4.50% 4.50% 4.25%
・ディングラ委員: 4.75% 4.75% 4.50% 4.25% 4.25% 4.00%
・マン委員: 5.00% 5.00% 4.75% 4.25% 4.50% 4.50%
■中立派
・ロンバルデリ副総裁:5.00% 4.75% 4.75% 4.50% 4.50% 4.25%
・ブリーデン副総裁:5.00% 4.75% 4.75% 4.50% 4.50% 4.25%
・テイラー委員: 5.00% 4.75% 4.50% 4.50% 4.50% 4.00%
■タカ派
・ピル委員: 5.00% 4.75% 4.75% 4.50% 4.50% 4.50%
・グリーン委員:5.00% 4.75% 4.75% 4.50% 4.50% 4.25%
2.2024年8月1日MPC(5対4):5.25%から5.00%に引き下げ
利下げに賛成した5人「インフレが持続するリスクの緩和に一定の進展があった」
利下げに反対した4人「基調的なインフレが予想より根強く、成長率も予想以上」
3.2024年9月18日MPC(8対1)5.00%に据え置き
ディングラ委員が4.75%への追加利下げを主張した。
4.2024年11月7日MPC(8対1)4.75%に引き下げ
マン委員が5.00%での据え置きを主張した。
ベイリーBOE総裁は、予算はBOEの利下げパスに大きな影響を与えないだろう。インフレ率はBOEが利下げした際の予想より低い。サービスインフレは依然として目標と一致していない」と述べた。
5.2024年12月19日MPC(6対3)4.75%に据え置き
議事要旨では、弱い成長シグナルと根強い国内物価上昇圧力を挙げ、両方向のインフレリスクを指摘した。第4四半期の成長率予測は11月時点の+0.3%成長からゼロ成長に引き下げられ、スタグフレーションへの警戒感が示された。
6.2025年2月6日MPC(7対2)4.50%に引き下げ
2名(マン委員&ディングラ委員)は4.25%への引き下げを主張した。タカ派寄りからハト派寄りへと見解を変えたマン委員は、その理由として、消費者が支出を抑える中で企業は価格引き上げに苦戦すると考えたからだと述べた。
金融政策報告は、経済予測の前提となる金利軌道では向こう3年間に2回の追加利下げしか想定されず、今年についてはあと1回しか想定していないことで、タカ派的だった。
タカ派のグリーン委員は、利下げに慎重な姿勢で臨むべきだと主張した。
7. 2025年3月20日MPC(8対1)4.50%で据え置き
4名のハト派の内、ラムズデン副総裁、テイラー委員、マン委員は据え置きに票を投じた。
最もハト派的なディングラ委員は、0.25ポイント利下げを主張した。
8. 2025年5月8日MPC(5対2対2)4.25%に引き下げ
・5名:▲0.25%
・2名:▲0.50%(ディングラ委員・テイラー委員)
・2名:据え置き(ピル委員・マン委員)
本日のロンドン為替市場では、週末にスイスで行われた閣僚級の米中貿易協議を受けたリスクセンチメントを眺めながらの取引か。また、ロシアとウクライナの和平交渉に関する報道にも注目しておきたい。ポンドは、複数の金融当局者の講演内容を見極めることになる。
米中交渉の終了後、ベッセント米財務長官は「確かな進展があった」と述べ、グリア米通商代表部(USTR)代表も「2日間の協議は非常に建設的だった」と語った。中国側も何副首相が「重要なコンセンサスに達した」と発言している。合意内容の詳細は本日12日に公表され、それまでは市場の期待が膨らみ続けそうだ。しかしながらその期待が行き過ぎてしまうと、内容次第では材料出尽くし感という動きもあり得る。
プーチン露大統領は11日、ウクライナとの停戦交渉について、露ウの大統領がトルコで直接協議することをウクライナ側に提案。これに対し、ゼレンスキー大統領は「15日にトルコで待つ」と応じる姿勢を見せた。早朝に緩んだユーロスイスフランも、交渉開始を評価してか0.93フラン後半と先週高値圏まで持ち直している。ただし、プーチン大統領はウクライナ側が要求する無条件の停戦に後ろ向きであり、和平への楽観論は高まりづらいかもしれない。
イングランド銀行(英中銀、BOE)金融政策委員会(MPC)メンバーの講演は、ロンバルデリ副総裁とグリーン委員が欧州午前、マン委員とテイラー委員が欧州午後に予定されている。前者2人は、先週の英MPCで決定された0.25%利下げを支持、後者はそれぞれ据え置きと0.50%利下げを主張した。このなかではタカ派とされるグリーン氏や、2月は決定以上の利下げ幅に投票し、今回は逆に利下げに反対したマン氏の見解が注目されそうだ。
グリーン氏は先月の講演で、トランプ関税はディスインフレリスクを示唆と述べた。英国は米国に対して追加関税を課さなかったことで、アジアや欧州から安価な製品が流れこんでくるというのがその理由だ。英米貿易協定が結ばれた後でもあり、新たな見解が同氏から示されるかに注視したい。マン氏は、同じく据え置きに投票したピルMPC委員と同様に「賃金上昇率への警戒感」を示すかがポイントの1つか。
想定レンジ上限
・ユーロドル、9日高値であり日足一目均衡表・転換線も位置する1.1293ドル
・ユーロスイスフラン、4月25日高値0.9447フラン
・ポンドドル、6日高値1.3402ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、ピボット・サポート2の1.1151ドル
・ユーロスイスフラン、6日安値0.9297フラン
・ポンドドル、4月17日安値1.3203ドル
クルド人武装組織「クルディスタン労働者党(PKK)」はトルコとの40年にわたる武力闘争を終結させるべく、即時停戦と武装解除に向けた意思を表明したと一部通信社が伝えた。
ドル円:1ドル=146.01円(前営業日NY終値比△0.64円)
ユーロ円:1ユーロ=163.86円(△0.33円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1222ドル(▲0.0028ドル)
日経平均株価:37644.26円(前営業日比△140.93円)
東証株価指数(TOPIX):2742.08(△8.59)
債券先物6月物:140.03円(▲0.32円)
新発10年物国債利回り:1.390%(△0.040%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月国際収支速報
経常収支(季節調整済)
2兆7231億円の黒字 2兆9062億円の黒字・改
経常収支(季節調整前)
3兆6781億円の黒字 4兆607億円の黒字
貿易収支
5165億円の黒字 7129億円の黒字
4月景気ウオッチャー調査
現状判断指数 42.6 45.1
先行き判断指数 42.7 45.2
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。週末に開催された閣僚級の米中貿易協議では双方から「著しい進展があった」との発表があったほか、「12日に共同声明を発表する予定」との報道が伝わると米中貿易摩擦の緩和期待から買いが先行。先週末高値の146.19円を上抜けて146.27円まで値を上げた。その後は145.70円台まで戻り売りに押されたものの、ダウ先物などの堅調地合いを支えに146.28円まで再び強含んだ。一方、一本調子で上昇する動きにもならず、その後は146円挟みで推移した。
なお、日本時間16時からベッセント米財務長官が米中貿易協議の合意内容が発表される予定となっている。
・ユーロ円も強含み。米中協議の進展期待から円安が進むと一時164.21円まで買い上げられた。もっとも、ドル円の買いが一服したためユーロ円も164円を割り込んだ。
・ユーロドルは下げ渋り。ドル円が早朝に大きく上昇した影響から1.1186ドルまで下げたが、ユーロ円が底堅く推移したためすぐに1.1240ドル台まで切り返すなど下値は堅かった。
・日経平均株価は3日続伸。米中協議の進展期待から200円超上昇した後、戻り待ちの売りに押される形で次第に伸び悩み。マイナス圏に沈む場面もあったが、引けにかけては再び強含んだ。なお、東証株価指数(TOPIX)は12日続伸し、2017年10月に記録した12日続伸に並んだ。
・債券先物相場は4日続落。米中貿易摩擦の緩和期待を背景に、相対的に安全資産とされる債券は売りが優勢となった。
一部報道が伝えたところによると、ベッセント米財務長官が対中協議を巡りジュネーブ時間の午前9時(日本時間午後4時)に説明すると報じられた。
週末に行われた米中通商協議の内容が公表され、米国は中国製品への関税を90日間145%から30%へ引き下げ、中国は同期間125%から10%へ引き下げると公表された。
大阪6月限
日経225先物 37700 +180 (+0.47%)
TOPIX先物 2745.0 +9.0 (+0.32%)
日経225先物(6月限)は前日比180円高の3万7700円で取引を終了。米中両政府がスイスで開いた閣僚級協議で一定の進展があったとの見方からショートカバーが強まり、寄り付きは3万7760円とシカゴ日経平均先物清算値(3万7470円)を大きく上回る形から、買い先行で始まった。直後に3万7840円まで上げ幅を広げた後は持ち高調整とみられるロングの解消が優勢となり、前場終盤にかけて上げ幅を縮め、現物の後場開始直後に3万7440円と下落に転じる場面もみられた。
ただし、米中の共同声明の発表を控えるほか、グローベックスの米株先物が強含みで推移するなかでショートは仕掛けづらく、売り一巡後は200日移動平均線(3万7600円)水準での攻防を継続。引けにかけては、同線を上回っての推移となった。
米中両国は日本時間12日午後4時に共同声明を発表した。米国は中国に対する関税率を145%から30%に引き下げる。中国は米国産品に対する関税率を125%から10%に引き下げ、90日間の交渉期間に入ることで合意したことを明らかにした。
この発表を受けて為替市場では1ドル=148円台に円安が進んでおり、日経225先物のナイトセッションは、日中比500円高の3万8200円で始まった。一気に3月26日の戻り高値3万7970円を突破してきたことで、ショートカバーが一段と強まりやすくなったと考えられる。
ボリンジャーバンドの+2σは上向きで推移しており、現時点で3万8570円まで切り上がってきた。短期的な過熱感が警戒されてくる可能性はあるものの、バンドに沿ったトレンド形成が意識されるなかでは、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
グローベックスのナスダック100先物の上昇率は3%を超えて推移している。週明けの米国市場がハイテク株主導による上昇をみせてくるようだと、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引する展開が期待されそうだ。
NT倍率は先物中心限月で13.73倍に上昇。医薬品株や鉄鋼株の弱い値動きがTOPIX型の重荷になっており、相対的に日経平均型が優位の状況だった。ただし、一時13.75倍をつける場面もみられたが、+2σ(13.74倍)水準では上値を抑えられる形だった。同バンドを上回ってくるかを見極めたいところであろう。
手口面(6月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万4894枚、ソシエテジェネラル証券が1万2423枚、サスケハナ・ホンコンが3927枚、SBI証券が1862枚、JPモルガン証券が1807枚、バークレイズ証券が1572枚、野村証券が1517枚、日産証券が1391枚、ドイツ証券が1294枚、モルガンMUFG証券が1226枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万6577枚、ソシエテジェネラル証券が1万6047枚、バークレイズ証券が6734枚、ゴールドマン証券が4335枚、JPモルガン証券が3602枚、モルガンMUFG証券が2639枚、サスケハナ・ホンコンが1618枚、BNPパリバ証券が1597枚、ビーオブエー証券が1172枚、日産証券が1114枚だった。
米中両国がお互いに関税を大幅に引き下げたことを受けてリスク選好の動きが強まり、ドル円は一時4月9日以来の148円台を回復した。二大経済大国の貿易戦争の激化懸念が後退したことはいったん市場に安心感を与えることになったのは確かだ。
スイスで10・11日の米中閣僚級の協議を終えて、米国は中国製品への関税を90日間145%から30%へ、中国は米製品への関税を125%から10%へ大幅に引き下げると合意した。この協議に当たり、トランプ米大統領は「中国への関税は80%が妥当」と述べていたが、それを大きく下回ることになった。正直、関税のどの水準が妥当なのかはトランプ氏本人も知らないだろう。世界経済に大きな影響を与える二大国の緊張感の緩和は喜ばしいことだが、トランプ政権が発足して以来関税の乱発と修正を繰り返しており、世間にトランプ氏の「軽挙妄動」の印象を一層強めている。
これからまだトランプ米大統領の自画自賛の発言が伝わりそうだが、結局は中国に大きく譲歩したことになる。トランプ氏が政権を発足した後、対中関税の引き上げは中国からの譲歩を引き出すための脅しであったが、得られたものは何もない。関税の引き下げはすんなり行ったが、米国と中国は過去数十年に労働基準やダンピング(不当廉売)、環境規制、資本管理を含む多種多様な非関税障壁を巡って対立を続けており、トランプ米大統領はこの問題を解決しようとしているが、極めて難しいことである。中国の徹底抗戦、4月中旬の「米国売り」がトランプ政権に脅威を与え対中方針を修正したが、これからも両国の貿易摩擦は続くことになる。米国とほかの国との交渉も残されており、関税をめぐる不確実性は払しょくされていない。
米中両国の貿易摩擦への過度な警戒感が緩んだだけであり、払しょくされたわけではない。この材料でドル円のトレンドが変わるほどではない。この先も関税関連のヘッドラインに神経質な動きが続きそうだ。本日のNYタイムでは注目の指標発表は予定されておらず、ドル円は米株・米金利の動向や要人発言などを眺めながらの動きとなるも、本日これまで大きく上昇し、その反動が見られる可能性がある。
・想定レンジ上限
ドル円、4月9日高値148.27円や4月3日高値149.28円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、節目の147.00円や先週末9日の高値146.19円が下値めど。
2025年5月12日21:12
SMBC日興証券では賃金に関するリポートの中で、連合が5月8日に公表した平均賃上げ率が+5.32%と、昨年同時期の結果を+0.15ppt上回ったことを指摘している。春闘による影響は統計上、5月から8月頃にかけて現れることから、7月公表の5月分の賃金がどの程度の伸びになるかに注目している。一方で、労働組合が組織されていない中小企業を中心に、賃上げの動きが弱まっている可能性があるとコメント。統計上は昨年度は5月以降の平均で名目賃金が前年同月比+2.9%となっていたが、今年度はこれが+2.5%程度にとどまる可能性があるとみている。
今週のNY市場は米中貿易協議の詳細と物価指標に注目。先週はダウ平均が68.05ドル安(-0.16%)、S&P500が0.47%安、ナスダック総合が0.27%安とそろって3週ぶりに反落した。前週まで大幅に2週続伸した米国株は、週前半は貿易交渉を巡る不透明感を嫌気され軟調に推移したが、水曜日に結果が公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)がおおむね想定内の内容だったことや、トランプ政権がバイデン政権時代のAI半導体の輸出規制を撤廃することを検討しているとの報道や、米国と英国の貿易交渉が大枠で合意に至り、初めて貿易協議の具体的進展が見られたことが好感されたことが相場の下支えとなった。週末にスイスで行われる米中貿易交渉への期待も続いたが、トランプ米大統領が「対中関税は80%が適切だろう」とSNSに投稿し、事前に報道された60%以下を上回る関税率を示したことが重しとなった。
今週は週末に行われた米中貿易交渉の詳細に注目が集まる。10日、11日に行われた米中閣僚級協議では米国側がベッセント財務長官とグリア米通商代表部(USTR)代表が、中国からは経済政策担当の何立峰副首相が出席した。ベッセント米財務長官は「確かな進展があった。協議は生産的だった」と語ったが、詳細はNY時間月曜日の朝(日本時間月曜日夜)に発表されるとした。米国株は貿易交渉の進展期待を相当程度織り込んでいるため、米中協議で具体的なポジティブ・サプライズの有無が焦点となりそうだ。経済指標では火曜日の4月消費者物価指数のほか、木曜日に4月生産者物価指数と4月小売売上高が発表され、足もとのインフレ動向や消費動向への関税の影響が注目される。
今晩の米経済指標・イベントは4月財政収支など。企業決算はフォックス、NRGエナジー、引け後にサイモン・プロパティーなどが発表予定。
日経平均株価は3日続伸。終日伸び悩む動きが目立ったが、終値で100日移動平均線(37631円 5/12)を上回って終えた。
RSI(9日)は前日の98.1%→98.1%(5/12)に横ばい。あすも上昇のハードルは高くなるが、短期的な相場の見方に変化はない。4/7安値(30792円)を起点とした目先波動は上昇継続の判断となる。
100日移動平均線を上回り、200日移動平均線(37915円 同)や終値ベースで3/26につけた急落前の戻り高値(38027円)などが射程圏に入った。
一方、今週は一目均衡表の雲の水準が急速に切り下がるタイミングに入ることで、目先の調整入りのシナリオも想定できる。
上値メドは、200日移動平均線、心理的節目の38500円や38500円、39000円などがある。下値メドは、5日移動平均線(37137円 同)、10日移動平均線(36476円 同)、心理的節目の36000円や35500円、25日移動平均線(34879円 同)などがある。
(12日終値:13日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.49円(12日15時時点比△2.48円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.52円(△0.66円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1079ドル(▲0.0143ドル)
FTSE100種総合株価指数:8604.98(前営業日比△50.18)
ドイツ株式指数(DAX):23566.54(前営業日比△67.22)
10年物英国債利回り:4.643%(△0.076%)
10年物独国債利回り:2.648%(△0.086%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は急伸。米中両国が関税の大幅な引き下げで合意したことを受けて、貿易摩擦が世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念が後退すると、時間外のダウ先物や日経平均先物が急伸。投資家のリスク志向が改善し、円売り・ドル買いが優勢となった。米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いも出て、2時30分過ぎに一時148.63円と4月3日以来の高値を更新した。市場では「今回の米中協議で決まった関税率の引き下げ幅は予想よりも大きかった」との声が聞かれた。
なお、米株式市場でダウ平均は一時1100ドル超上昇したほか、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1090円高の3万8790円まで上げた。
・ユーロドルは軟調。米中両政府はこの日、互いに課した高関税を90日間大幅に引き下げることで合意したと発表。市場の期待を上回る内容との見方が広がり、幅広い通貨に対してドル高が進んだ。20時前には一時1.1072ドルまで値を下げた。
急ピッチで下落した反動で22時30分過ぎには1.1135ドル付近まで下げ渋る場面もあったが戻りは鈍く、買い戻しが一巡すると再び弱含む展開に。3時過ぎには一時1.1070ドルと4月10日以来の安値を更新した。
なお、トランプ米大統領は「中国は非金融障壁の全面撤廃に同意した」「対中関税を145%に戻すことはない」などと述べた。
・ユーロ円はしっかり。米中貿易戦争激化に対する懸念が緩和すると、欧米株相場や日経平均先物が大幅に上昇。リスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢となり、23時過ぎに一時164.92円と昨年11月15日以来約半年ぶりの高値を付けた。
・ロンドン株式相場は続伸。米中両国が関税の大幅な引き下げで合意したことを受けて、貿易摩擦が世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念が後退。米国株相場が急伸すると英株にも買いが波及した。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は3日続伸。貿易を巡る米中対立が緩和に向かうとの期待や米株価指数先物の上昇を背景に、独株にも買いが広がった。個別ではインフィニオン・テクノロジーズ(8.19%高)やダイムラー・トラック・ホールディング(5.17%高)、DHLグループ(4.75%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。米中の貿易摩擦を巡る懸念が後退すると、株式などリスク資産に買いが入る一方、相対的に安全資産とされる国債に売りが出た。
12日の日経平均は3日続伸。終値は140円高の37644円。前週末の米国株は3指数がまちまちかつ小動きであったが、米中協議終了後に双方から進展があった旨のアナウンスがあったことを好感して、3桁上昇スタート。開始直後には上げ幅を200円超に広げた。
高く始まった後は伸び悩み、しばらく値を消す流れが続いた。上げ幅を2桁に縮めると、前場は安値引け。後場はマイナス圏からのスタートとなった。ただ、深押しすることはなく、下値の堅さを確認するとほどなくプラス転換。再び上げ幅を3桁に広げると、14時以降は37600円近辺で値動きが落ち着いた。前引けでは下落していたTOPIXも後場には持ち直してプラスで終了。12日続伸となった。
東証プライムの売買代金は概算で4兆8500億円。業種別では倉庫・運輸、証券・商品先物、海運などが上昇した一方、医薬品、サービス、その他製品などが下落した。株主還元の方針を変更し、今期の大幅増配計画を提示した秋田銀行<8343.T>が、後場に買いを集めてストップ高。半面、今期の減益見通しを提示したツムラ<4540.T>が、後場に入って一時ストップ安となるなど急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1116/値下がり476。アドバンテスト、ディスコ、レーザーテックなど半導体株の多くが大幅上昇。川崎重工が4.6%高と人気化し、売買代金は全市場でトップとなった。株主還元方針の変更を発表したマツキヨココカラが急騰。今期減益見通しながら大幅増配見通しを提示したアネスト岩田がストップ高と、株主還元拡充に関するリリースがあった銘柄に強い買いが入った。
一方、第一三共、武田、塩野義製薬など薬品株の多くが大幅下落。トランプ大統領が処方薬の価格引き下げに関する大統領令に署名すると自身のSNSで投稿したことが警戒材料となっており、中外製薬は2桁の下落率となった。前期は大幅営業黒字を達成したものの、高い市場の期待には届かなかったDeNAが商いを伴って急落。今期の減益・減配見通しが嫌気された日本製鉄が売りに押された。1Qが大幅減益となった日本ホスピスは、場中に値が付かずストップ安比例配分となった。
日経平均は3日続伸。マイナス圏に沈む場面もあったが、下げたところで大崩れしなかったことから、足元の地合いの良さが改めて印象づけられた。TOPIXがきょうで12日続伸と息の長い上昇となっているだけに、今は場中に上値が重くなることは仕方ない。さえない動きが出てきた時に下げ渋るかが重要で、きょうはまさに安くなったところで押し目買い意欲の強さが確認できた。きょうの終値は37644円。上に控えた26週線(37825円、12日時点、以下同じ)や52週線(38153円)を早々に上回ることができるかが目先の焦点となる。
(12日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.46円(前営業日比△3.09円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.59円(△1.06円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1087ドル(▲0.0163ドル)
ダウ工業株30種平均:42410.10ドル(△1160.72ドル)
ナスダック総合株価指数:18708.34(△779.42)
10年物米国債利回り:4.47%(△0.09%)
WTI原油先物6月限:1バレル=61.95ドル(△0.93ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3228.0ドル(▲116.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月米財政収支
2584億ドルの黒字 1605億ドルの赤字
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は大幅に反発。米中両国が関税の大幅な引き下げで合意したことを受けて、貿易摩擦が世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念が後退すると、ダウ平均が1100ドル超上昇するなど、米国株相場が堅調に推移。投資家のリスク志向が改善し、円売り・ドル買いが優勢となった。米長期金利の上昇に伴うドル買いも入り、3時30分前に一時148.65円と4月3日以来の高値を更新した。市場では「今回の米中協議で決まった関税率の引き下げ幅は予想よりも大きかった」との声が聞かれた。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.98と4月10日以来の高値を付けた。
・ユーロドルは反落。米中両政府はこの日、互いに課した高関税を90日間大幅に引き下げることで合意したと発表。市場の期待を上回る内容との見方が広がり、幅広い通貨に対してドル高が進んだ。急ピッチで下落した反動などが出て、22時30分過ぎには1.1135ドル付近まで下げ渋る場面もあったが戻りは鈍く、3時30分過ぎに一時1.1065ドルと4月10日以来の安値を付けた。
なお、トランプ米大統領は「中国は非金融障壁の全面撤廃に同意した」「対中関税を145%に戻すことはない」などと述べた。
・ユーロ円は反発。米中貿易戦争激化に対する懸念が緩和すると、日米株価指数が大幅に上昇。リスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢となり、23時過ぎに一時164.92円と昨年11月15日以来約半年ぶりの高値を付けた。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1090円高の3万8790円まで上昇した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に反発。米中両政府はこの日、互いに課した追加関税を大幅に引き下げることで合意したと発表。貿易摩擦の激化で経済が急速に悪化するとの懸念が後退すると、幅広い銘柄に買いが広がった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に4日続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは下落。米中の貿易摩擦を巡る懸念が後退すると、米株式などリスク資産に買いが入った一方、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。
・原油先物相場は3日続伸。米中の関税大幅引き下げ合意により貿易戦争激化の懸念が薄れ、エネルギー需要が弱まるとの観測が後退。4月28日以来の高値63.61ドルまで上振れた。ただ、ドル高がドル建て原油相場の換算値押し下げに効き、上昇幅を縮小した。
・金先物相場は大幅に反落。米中の関税大幅引き下げ合意を受け、貿易紛争悪化の懸念が後退。リスク回避資産とされる金を売る動きが進んだ。株高によるリスク回避姿勢後退も金の売りを後押し。米金利上昇・ドル高が、金利の付かない資産である金の相対的な投資妙味低下や、ドル建て金相場の押し下げ要因になった面もあった。
(12日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.46円(前営業日比△3.09円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.59円(△1.06円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1087ドル(▲0.0163ドル)
ダウ工業株30種平均:42410.10ドル(△1160.72ドル)
ナスダック総合株価指数:18708.34(△779.42)
10年物米国債利回り:4.47%(△0.09%)
WTI原油先物6月限:1バレル=61.95ドル(△0.93ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3228.0ドル(▲116.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月米財政収支
2584億ドルの黒字 1605億ドルの赤字
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は大幅に反発。米中両国が関税の大幅な引き下げで合意したことを受けて、貿易摩擦が世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念が後退すると、ダウ平均が1100ドル超上昇するなど、米国株相場が堅調に推移。投資家のリスク志向が改善し、円売り・ドル買いが優勢となった。米長期金利の上昇に伴うドル買いも入り、3時30分前に一時148.65円と4月3日以来の高値を更新した。市場では「今回の米中協議で決まった関税率の引き下げ幅は予想よりも大きかった」との声が聞かれた。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.98と4月10日以来の高値を付けた。
・ユーロドルは反落。米中両政府はこの日、互いに課した高関税を90日間大幅に引き下げることで合意したと発表。市場の期待を上回る内容との見方が広がり、幅広い通貨に対してドル高が進んだ。急ピッチで下落した反動などが出て、22時30分過ぎには1.1135ドル付近まで下げ渋る場面もあったが戻りは鈍く、3時30分過ぎに一時1.1065ドルと4月10日以来の安値を付けた。
なお、トランプ米大統領は「中国は非金融障壁の全面撤廃に同意した」「対中関税を145%に戻すことはない」などと述べた。
・ユーロ円は反発。米中貿易戦争激化に対する懸念が緩和すると、日米株価指数が大幅に上昇。リスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢となり、23時過ぎに一時164.92円と昨年11月15日以来約半年ぶりの高値を付けた。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1090円高の3万8790円まで上昇した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に反発。米中両政府はこの日、互いに課した追加関税を大幅に引き下げることで合意したと発表。貿易摩擦の激化で経済が急速に悪化するとの懸念が後退すると、幅広い銘柄に買いが広がった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に4日続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは下落。米中の貿易摩擦を巡る懸念が後退すると、米株式などリスク資産に買いが入った一方、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。
・原油先物相場は3日続伸。米中の関税大幅引き下げ合意により貿易戦争激化の懸念が薄れ、エネルギー需要が弱まるとの観測が後退。4月28日以来の高値63.61ドルまで上振れた。ただ、ドル高がドル建て原油相場の換算値押し下げに効き、上昇幅を縮小した。
・金先物相場は大幅に反落。米中の関税大幅引き下げ合意を受け、貿易紛争悪化の懸念が後退。リスク回避資産とされる金を売る動きが進んだ。株高によるリスク回避姿勢後退も金の売りを後押し。米金利上昇・ドル高が、金利の付かない資産である金の相対的な投資妙味低下や、ドル建て金相場の押し下げ要因になった面もあった。
中国商務部の報道官は12日、スイス・ジュネーブで行われた中米高官のよる関税協議を受けて談話を発表し、「実質的な進展があった」と評価した。中国側の何立峰副首相、米国側のベッセント財務長官と米通商代表部(USTR)のグリア代表が10-11日にかけて対面協議を行い、共同声明を発表。双方は対立の原因となっていた関税の大幅な引き下げで合意した。
談話では、米国が2025年4月以降、一方的に中国製品に対する追加関税を強化し、「相互関税」と称して税率を最大125%まで引き上げたことを改めて批判。これに対し中国は正当な対抗措置を講じたとし、米側の高関税政策は「両国間の正常な貿易往来と国際経済秩序を著しく損なう」と主張した。
今回の合意では、米国が2025年4月8日と9日に発出した第14259号および第14266号の大統領令に基づき課していた関税のうち91%を撤廃し、4月2日の第14257号大統領令に基づく34%の相互関税のうち24%を90日間停止、10%を維持するとした。これに対応して中国も、同等の報復関税を撤廃・停止し、非関税措置も一部解除する。
また両国は、新たに中米経済貿易協議メカニズムを設け、今後も定期・不定期に協議を継続する。開催地は中国、米国、または合意による第三国とし、必要に応じて実務レベルの協議も行う方針。
報道官は、今回の措置が「両国の生産者・消費者の期待に応えるものであり、世界経済にも安定と確実性をもたらす」と強調。米国側に対し、今回の合意を機に一方的な追加課税を是正し、互恵協力を強化していくよう期待を示した。
12日10:21 石破首相
「(対米関税交渉について)自動車関税除いた合意のめない」
12日16:19 ベッセント米財務長官
「中国が米国製品にもっと開放的になることを望んでいる」
「どちらの側もデカップリング(経済分断)は望んでいない」
「5-6つのサプライチェーン上の脆弱性を特定した」
「買い付け契約の可能性も想定している」
「今回の協議では為替についての議論はなかった」
「関税の引き下げにはセクター別の関税は含まれない」
「国々が前向きに関与すれば、我々は前進可能」
「夏半ばまでに大きくて素晴らしい法案を可決する予定」
12日20:58
「対中関税が10%未満になるのは考え難い」
12日16:25 グリア米通商代表部(USTR)代表
「この合意の本質は相互関税に関するものだ」
「中国とのフェンタニル関税協議は前向きな進展」
12日17:10 ロンバルデリ・イングランド銀行(英中銀、BOE)副総裁
「賃金上昇率は目標インフレ率を達成するには依然として高すぎる 」
「現在の政策スタンスはバランスしている」
「緩やかで慎重な利下げアプローチを継続するのが賢明 」
「デフレーションを見るとき、賃金に注目する」
「緩やかなデフレの進展と貿易動向により、25ベーシスポイントの利下げが適切となった」
12日19:45 グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「中期的なインフレ期待が上昇し始めていることをやや懸念している」
「ディスインフレが進行中」
12日23:01 トランプ米大統領
「中国は非金融障壁の全面撤廃に同意した」
「中国はフェンタニルの流通を阻止することに同意」
「中国の言葉をそのまま信じる」
「対中関税を145%に戻すことはない」
「関税は依然として経済に著しく影響しそうだ」
「関税は成長鈍化とインフレ率上昇につながる可能性が高い」
「政策スタンスはやや抑制的だが、適切な位置にある」
「関税をめぐる不確実性はすでに経済に影響を与えている」
13日01:41 テイラー英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「貿易問題が進展すれば利下げを再考する可能性」
13日02:50 カザークス・ラトビア中銀総裁
「CPIが2%に収束すれば、段階的な利下げを予想」
「追加利下げの根拠はあるものの、慎重な対応が必要」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 4月マネーストックM2
○08:50 ◇ 日銀金融政策決定会合における主な意見(4月30-5月1日分)
<海外>
○08:01 ◇ 4月英小売連合(BRC)小売売上高調査(予想:前年同月比2.3%)
○09:30 ◇ 5月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○10:30 ◇ 4月豪NAB企業景況感指数
○15:00 ◎ 4月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○15:00 ◎ 1-3月英失業率(ILO方式、予想:4.5%)
○16:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○16:00 ◇ 3月トルコ経常収支(予想:40.0億ドルの赤字)
○17:00 ◎ マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
○17:45 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○18:00 ◎ 5月独ZEW景況感指数(予想:11.9)
○18:00 ◎ 5月ユーロ圏ZEW景況感指数
○18:30 ◎ 1-3月期南アフリカ失業率
○19:30 ◎ 4月インド消費者物価指数(CPI、予想:前年比3.27%)
○21:30 ☆ 4月米CPI(予想:前月比0.3%/前年比2.4%)
☆ エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比2.8%)
○23:10 ◎ ベイリーBOE総裁、クノット・オランダ中銀総裁、講演
○トランプ米大統領、中東歴訪
〇中国・中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)閣僚級会議(北京)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 38730 +1030 (+2.73%)
TOPIX先物 2813.0 +68.0 (+2.47%)
シカゴ日経平均先物 38760 +1060
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
12日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が大幅に上昇。米中両政府が互いに課した追加関税を大幅に引き下げることで合意したと発表。米国は中国に対する関税率を145%から30%に、中国は米国産品に対する関税率を125%から10%に引き下げ、90日間の交渉期間に入る。米中貿易摩擦の緩和に向けた動きを好感した買いが幅広い銘柄に広がった。
トランプ米大統領は今回の合意を受け、今週中に習近平国家主席と話す可能性が高いとの認識を示した。今後90日間で合意できなかったとしても、関税を再び145%に引き上げることはないと述べたことも好感された。
S&P500業種別指数は、自動車・同部品、小売、運輸、半導体・同製造装置が上昇した一方で、電気通信サービス、食品・飲料・タバコ、公益事業が下げた。NYダウ構成銘柄では、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、ナイキ<NKE>、アップル<AAPL>、メルク<MRK>、エヌビディア<NVDA>が買われた半面、コカ・コーラ<KO>、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、トラベラーズ<TRV>が下落。
シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比1060円高の3万8760円だった。米中の共同声明は日本時間12日午後4時に発表されたことで、日経225先物(6月限)のナイトセッションはギャップアップとなり、日中比500円高の3万8200円で始まった。直後につけた3万8150円を安値にショートカバーが強まり、一気に3万8600円台を回復。その後は3万8370円まで上げ幅を縮めたものの、米国市場の取引開始後に上へのバイアスが強まった。終盤にかけて3万8790円まで上げ幅を広げる場面もみられ、3万8730円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はナイトセッションで200日移動平均線(3万7590円)、3月26日の戻り高値3万7970円を上抜けた。ボリンジャーバンドの+2σ(3万8670円)を上回ってきており、短期的な過熱感が警戒されやすいが、バンドが上向きで推移しているため、買い一巡後の戻り待ち狙いのショートは避けておきたい。週足では26週線(3万7680円)、52週線(3万7890円)、+1σ(3万8030円)を明確に突破している。週足の+1σが支持線として意識されやすく、+2σ(3万9580円)とのレンジに移行することになろう。
3月の戻り高値を上抜いてきたことで、次のターゲットは1月27日につけた4万0380円になる。5月第1週(4月28日-5月2日)の投資部門別売買動向では、海外投資家が現物と先物合計で3週連続の買い越しだった。海外投資家の買い戻しが一段と強まると考えられ、買い一巡後に過熱を冷ます動きがあれば、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
12日の米VIX指数は18.39(9日は21.90)に低下した。200日線(19.72)を下抜け、判断の分かれ目となる20.00を割り込んできたことで、リスク選好に向かわせそうだ。3月26日につけた16.97が射程に入ってきている。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.73倍に上昇。医薬品株や鉄鋼株の弱い値動きがTOPIX型の重荷になっており、相対的に日経平均型が優位の状況。ただし、+2σ(13.74倍)水準では上値を抑えられる形だった。本日は全面高のなかで指数インパクトの大きい値がさハイテク株のインパクトが強まりやすく、同バンドを上回ってくることが見込まれる。
12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米中両国が関税の大幅な引き下げで合意したことを受けて、貿易摩擦が世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念が後退し、ダウ平均が1100ドル超上昇したことなどで148.65円まで上昇した。ユーロドルは1.1065ドルまで下落した。ユーロ円は米中貿易戦争激化に対する懸念が緩和し、日米株価指数が大幅に上昇したことで164.92円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米中貿易協定を受けて底堅い展開が予想される。
ドル円の上値の注目水準は、1月10日高値158.87円から4月22日安値139.89円までの下落幅の半値戻し149.38円や、200日移動平均線の149.72円となる。
ベッセント米財務長官と中国の何立峰副首相は、10-11日の米中貿易協議の後の12日に90日間の米中貿易協定を締結し、115%の関税引き下げを決定した。米国と中国は、今後90日間の猶予期間を設けて、米国は中国に対する関税率を145%から30%に引き下げ、中国は米国産品に対する関税率を125%から10%に引き下げることで合意した。
第1次トランプ米政権では、2018年に貿易交渉後に対立を一時停止することで合意したものの、米国が合意から離脱し、1年半余りにわたって関税賦課と協議が続き、最終的に2020年1月の第1段階米中貿易合意の署名に至った。第2次トランプ米政権でも、2025年5月に90日間の米中貿易協定で合意したが、3カ月後に、対中貿易赤字を削減できる最終的な合意に至れるのかは、依然として不明ではある。
今後の注目ポイントは、週末に予定されている米中首脳会談や第1次トランプ米政権の二の舞になる可能性などとなる。
ドル円が148円台まで上昇していることで、過去最大規模に拡大していたIMMシカゴ筋の円の買い持ちポジションに代表されるドル円のショートポジションが、手仕舞われつつあるのかもしれない。
シカゴ筋がドル売り・円買いのポジションに傾いた背景には、日銀の追加利上げ観測、米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げ観測、トランプ関税を巡るドル下落観測などがあったと思われる。しかし、日銀金融政策決定会合では、トランプ関税の「不確実性」を理由にハト派的な据え置きとなり、米連邦公開市場委員会(FOMC)でも「不確実性」を理由に、タカ派的な据え置きとなっており、米英貿易協定の締結合意や米中貿易協定を受けて、手仕舞いを余儀なくされつつある。
4月30日-5月1日開催の日銀金融政策決定会合における『主な意見』では、ハト派的な据え置きの背景を見極めることになる。
日銀金融政策決定会合では、トランプ関税によって世界経済の不確実性が一段と増す中で、経済・物価見通しを下方修正するとともに、2%の物価安定目標の実現時期を1年程度先送りした。そして、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の中核である基本的見解から、日銀の利上げ路線の根幹を成してきた「賃金と物価の好循環」という文言が消滅した。『主な意見』の順序は、多数派である植田日銀総裁、内田日銀副総裁、氷見野日銀副総裁、そして少数派となっており、ハト派とタカ派の多少を見極めることになる。
また、今回の米中貿易協定により、不確実性が減退したことで、6月日銀金融政策決定会合に向けた利上げ観測が高まることには警戒しておきたい。
東京市場は大幅高か。米国株は上昇。ダウ平均は1160ドル高の42410ドルと4桁の上昇となった。米中貿易協議では双方が「相互関税」を115%引き下げ、米国の対中関税を30%に、中国の対米関税を10%に引き下げることで合意。一部に関しては90日間停止することでも合意に至った。これらを受けてリスクオンの様相が強まる展開。ナスダックは4%を超える上昇となった。為替市場では円安(ドル高)が進行しており、ドル円は足元148円30銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて1060円高の38760円、ドル建てが1120円高の38820円で取引を終えた。
きのうの日本株も米中協議の進展を材料に上昇してはいるが、中身に関しては伝わっていなかった。かなり踏み込んだ内容であったことや、米国株に著しく強い反応が見られたことはポジティブサプライズ。CME225先物は大幅な上振れを示唆しており、全面高の展開が想定される。一気に水準を切り上げると思われる分、買い一巡後は早い時間に値動きが落ち着くとみるが、売りを出しづらい地合いの中、終日高い位置を維持するだろう。日経平均の予想レンジは38200円-38900円。
日経225先物は11時30分時点、前日比580円高の3万8280円(+1.53%)前後で推移。寄り付きは3万8600円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8760円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。ただし、短期的な過熱感が警戒される中、直後につけた3万8660円を高値に、利益確定に伴うロング解消の動きが優勢となった。終盤にかけて3万8250円まで上げ幅を縮めている。
日経225先物はボリンジャーバンドの+2σ(3万8590円)を突破して始まったが、現物の寄り付き後には同バンドを下回っての推移となり、ロング解消に向かわせたようである。ナイトセッションで1000円を超える上昇で一気に3月26日の戻り高値を上抜けたことで、利食いは入りやすいところであろう。ただし、ピーク感はなく、上向きで推移するバンドに沿った上昇が意識されやすいため、押し目狙いのロングでの対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で13.80倍に上昇。+2σ(13.76倍)を上回り、75日移動平均線(13.81倍)に接近してきた。同線を突破してくるようだと、上向きで推移する+2σと+3σ(13.84倍)に沿ったトレンドが意識されやすいと考えられ、NTロングに振れやすい。
昨日の海外市場では、サプライズの米中共同声明を受けてドル全面高。株価の急騰や米長期金利の急騰を伴う、いわゆるリスクオンの動きとなりました。先週末の協議を受けて、米国側の一方的な見解ではなく、中国側からも「世界経済にとって大きなものとなる」との表明があった時点で、既にその内容の方向性は決定的だったわけで、昨日のドル円の踏み上げ相場は、このところ難しい相場が続いているなかにあって、稀に見るイージーな相場展開だったと言えます。
一部のHF勢は既に先週までの日米中銀によるメインシナリオの変更をきっかけに、かかるリスクオフポジションをアンワインディングし始めていたのは明白。市場では、米国の解放の日に公表された中国への課税率54%(相互関税34%+フェンタニル関税20%)前後への引き戻しとの認識だったなかでの、90日間の限定とは言え、一気に両国ともに115%の引き下げが合意されるという予想外の結果は、ドル円を一目雲の中に突入させる3円の急騰を引き起こすには十分過ぎる数字となりました。
ベッセント米財務長官が言っていたように、実質的な貿易封鎖状態を解除させて、両国ともデカップリングを避けたいという、極めてコモンセンスな対応。現在のトランプ米政権でのキーパーソンとしての力量を証明することになっています。
いずれにしても、ドル円は東京時間はポジション調整が中心。目先は147.76円まで下押ししていますが、一目雲下限の147.89円やNY時間の安値147.82円、更には欧州時間の急伸後の下押しレベルである147.63円や明日以降の一目雲下限のレベルである147.61円付近が意識されて下値を確認したようなかたち。解放の日の高値149.28円や200日MAの149.72円、一目雲上限の150.40円や4月2日の高値150.49円などが現実的な戻りの目処として意識されています。
「連邦政府の現金と特別措置が、議会が休会を予定している8月に枯渇する可能性が十分にある。米国の十分な信頼と信用を守るため、予定されている休会前の7月半ばまでに債務上限を引き上げるか、適用を停止すべき。債務上限撤廃案は微妙な問題だが、トランプ大統領が望むなら議会と協力して撤廃する」(ベッセント米財務長官)
1. 2025会計年度(24年10月-25年9月)財政赤字:1兆487.30億ドル
米財務省は、2025会計年度(24年10月~25年9月)の4月の財政収支が、2584.00億ドルの黒字だったと発表した。2024年4月は2095.29億ドルの黒字だったことで、黒字幅は488.71億ドル(+23%)増加した。歳出は5917.69億ドル、歳入は好調な税収と関税徴収額の急増で8501.69億ドルだった。
2025会計年度(24年10月-25年9月)累計の財政赤字は、前年同期比23%増(2420億ドル)の1兆487.30億ドル、歳入は3兆1104.72億ドル、歳出は4兆1592.02億ドルとなり、4月としては過去最高を記録した。
国債利回りの上昇を受けて、政府のコスト負担が大きく膨らんでおり、2024年度の連邦政府の公的債務利子が累計で初めて1兆ドルを超え、1.2兆ドルとなった。
2025年の借り換え債は9.2兆ドル、今後3年間で発行されている国債の50%が満期を迎えるため、現状の米中長期債利回りの高止まりが続いた場合、利払い額は、2倍の2兆ドルに達することが警戒されている。
ベッセント米財務長官は、米中長期債利回りの抑制を最重要課題に掲げている。
【財政赤字と対GDP比】
・2020会計年度:3兆1319億ドル(対GDP比15.0%)※過去最大
・2021会計年度:2兆7721.79億ドル(対GDP比12.4%)※過去2番目
・2022会計年度:1兆3754.81億ドル
・2023会計年度:1兆6952.40億ドル(対GDP比6.2%)
・2024会計年度:1兆8328.16億ドル(対GDP比6.4%)
2.2025年4月末債務残高:36兆2143億ドル(※米国債:29兆ドル)
米国の2025年4月末時点での債務残高は36.2143兆ドルで、2025年第1四半期国内総生産(GDP) 29.9776兆ドルの約123%となっている。
純関税歳入は、1月が73.4億ドル、2月は72.5億ドル、3月は87.5億ドル、4月は過去最高の160億ドル、2025会計年度では630億ドルと前年同期の480億ドルから増加した。トランプ米大統領は、関税によって1日当たり20億ドルの収入を得ていると述べていたが、4月は5億ドルに過ぎず、誇張であることも示唆された。
米財務省に国債発行について助言する借り入れ諮問委員会(TBAC)は連邦債務上限の撤廃を提言した。国債返済コストを増加させて市場の変動を高め、ドルの基軸通貨としての地位を損ないかねないためだとしている。そして、債務上限は「財政規律を向上させるどころか米国の信用格付けを損なっており、米国の準備資産という地位に影響しかねない」として、「政府の義務を果たすのに必要なだけの資金を借り入れる幅広い権限を、議会は政権に委ねる」のが望ましいとの意見を表明した。
ウォーレン・バフェット氏は、「アメリカの財政赤字は長期的には持続不可能だ。長期というのが2年か20年かは分からないが」と警鐘を鳴らしている。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、5月の独・ユーロ圏ZEW景況感指数を見極めつつ、欧州連合(EU)と米国の貿易交渉に関するヘッドラインに警戒する展開となる。
ユーロドルは、米英貿易協定や米中貿易協定の合意を受けたドル買い戻しで、一時1.10ドル台まで下落している。5月独ZEW景況感指数(予想:11.9)や5月ユーロ圏ZEW景況感指数(前回:-18.5)では、ユーロ下落基調の中で、予想や前回を下回るネガティブサプライズに警戒しておきたい。
また、エスクリバ・スペイン中銀総裁やマクルーフ・アイルランド中銀総裁の講演では、6月の欧州中央銀行(ECB)理事会に向けた金融政策への言及に注目しておきたい。
現在、米国はEUからの輸入品の大部分に20%の関税をかけ、鉄鋼とアルミニウム、自動車・部品には25%の関税を課すと表明しており、7月8日を交渉期限にしてEU側と貿易交渉を進めている。そして欧州委員会は、米国による関税強化が交渉で撤廃されない場合、最大で950億ユーロ(1070億ドル)相当の米国からの輸入品に報復関税を課すことを提案しており、欧米の貿易交渉に関するヘッドラインに警戒していくことになる。
ポンドドルは、4月英雇用統計や1-3月英失業率を見極めることになるが、5月8日に米英貿易協定が締結合意され、イングランド銀行金融政策委員会(MPC)では、ターミナルレート3.5%に向けた追加利下げの見通しが示されたことで、予想の範囲内ならば、ポンドへの影響は軽微だと思われる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1223ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:165.43円(2024/11/8高値)
・ポンドドル:1.3271ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:197.48円(ピボット・レジスタンス2)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0943ドル(4/10安値)
・ユーロ円:163.26円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.3083ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:193.06円(日足一目均衡表・転換線)
ドル円:1ドル=147.81円(前営業日NY終値比▲0.65円)
ユーロ円:1ユーロ=164.24円(▲0.35円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1111ドル(△0.0024ドル)
日経平均株価:38183.26円(前営業日比△539.00円)
東証株価指数(TOPIX):2772.14(△30.06)
債券先物6月物:139.39円(▲0.64円)
新発10年物国債利回り:1.445%(△0.060%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月マネーストックM2
前年同月比 0.5% 0.8%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は軟調。前日に約3円急騰した後とあって持ち高調整目的の売りが強まった。時間外の米10年債利回りが低下したほか、加藤財務相が「ベッセント米財務長官と来週のG7会合の場で為替協議を検討」と発言したことも重しとなった面があり、一時147.65円まで下落。一巡後はやや下げ渋ったが、戻りは鈍い。
・ユーロ円も弱含み。ドル円の下落につれる形で売られる展開となった。ユーロ円は一時164.13円まで値を下げる場面があった。
・ユーロドルは小高い。昨日の大幅下落に対する反動から調整買いが散見され、一時1.1120ドルまで値を上げた。
・日経平均株価は4日続伸。終値で3万8000円を上回るのは3月26日以来、約1か月半ぶり。米中関税引き下げにより米中対立を巡る警戒感が後退し株式市場には買い安心感が広がった。なお、東証株価指数(TOPIX)は2009年8月以来の13連騰を記録した。
・債券先物相場は5日続落。米中貿易摩擦の緩和期待を背景に、相対的に安全資産とされる債券は売りが先行し、一時139.08円まで値を下げた。
中国商務部の王文濤部長は12日、貿易会社や輸出入業界団体、専門家らと円卓会議を開き、貿易を巡る状況や支援策について意見を交わした。商務部国際貿易交渉副代表の李詠ソウ氏も同席した。
王氏は、党中央が輸出入政策を重視していると強調。今年に入り外部環境の不確実性が増すなかでも、中国の対外貿易は全体として安定を維持し、強靱(きょうじん)性を示していると述べた。
米国が中国製品に対して一方的に高関税を課したことに対しては、中国側が断固とした対抗措置を講じ、自国の利益と国際的な公正を守ったと説明。こうした対応が国際社会からの評価を得たとした。中米間の経済・貿易分野の高官協議では、重要な共通認識に達し、実質的な進展もあったと明かし、「協力の深化に向けた土台が築かれた」との認識を示した。
今後は党中央の方針に沿って、国内経済の運営と対外経済関係を一体的に進めるとし、商務部が3つの重要任務(内需拡大、対外開放、経済安全保障)を軸に、関係部門と連携して輸出企業の経営課題に対応し、支援を強化するとした。
会合には財政部や人力資源社会保障部、市場監督管理総局、金融監督総局の代表も出席し、企業側からの要望や提案に対して回答した。出席した企業や業界団体の代表は、外部環境の変化に柔軟に対応し、事業の安定成長を目指す姿勢を示した。
中国政府がレアアース(希土類)を含む戦略鉱物の輸出規制について、米中貿易摩擦の一時的な緩和を受けて一部の米企業に対する手続きを柔軟に運用する可能性が出てきた。ただ、規制自体を全面的に撤廃する考えは乏しいもようだ。ロイター通信が13日、事情に詳しい複数の関係者の話として伝えた。
報道によれば、中国の商務部は理論上45日かかる審査プロセスを加速させ、一部の米国企業に対し早期に輸出許可を発行する可能性がある。ただ、中国は戦略的鉱物の管理を強化する一環として輸出規制を維持する方針であり、この措置は今後も続くとみられる。
中国は世界の戦略的鉱物供給において主要な役割を果たしており、2023年以降、半導体製造やエネルギー転換、防衛関連産業に不可欠な鉱物の輸出制限を導入してきた。今年4月には、米国の関税措置への対抗策として、7種類のレアアース関連物資を新たに輸出規制リストに加えた。この決定により、輸出業者は国外販売に当たり許可申請が必要となった。規制はすべての国に適用されるが、貿易戦争下では、米国側が許可を得る可能性は極めて低いとされていた。
第一生命経済研究所では、16日に公表される2025年1-3月期の実質GDP成長率を前期比年率-1.1%(前期比-0.3%)と予測している。4月30日の段階では前期比年率-0.7%(前期比-0.2%)と予想していたが、その後に公表された経済指標の結果を反映して、予測値を下方修正している。輸出が足踏みとなる中、輸入が大きく増加したことで外需寄与度が大幅マイナスとなり、成長率を押し下げたと予想している。
大阪6月限
日経225先物 38200 +500 (+1.32%)
TOPIX先物 2773.5 +28.5 (+1.03%)
日経225先物(6月限)は前日比500円高の3万8200円で取引を終了。寄り付きは3万8600円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8760円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。ただし、短期的な過熱感が警戒され、直後につけた3万8660円を高値に、利益確定に伴うロング解消が優勢となった。前場終盤にかけて3万8250円まで上げ幅を縮め、その後は3万8250円~3万8400円辺りで保ち合いを継続。取引終了間際にレンジを割り込み、3万8200円と本日の安値で終えた。
日経225先物はボリンジャーバンドの+2σ(3万8590円)を突破して始まったが、現物の寄り付き後には同バンドを下回っての推移となり、ロング解消に向かわせたようである。ナイトセッションで1000円を超える上昇で一気に3月26日の戻り高値を上抜けたことで、利食いが入りやすいところだったと考えられる。
目先的には3万8000円固めが意識されそうであり、3月の戻り高値水準が支持線として機能するかを見極めたい。同水準を下回ってくるようだと、200日移動平均線(3万7570円)辺りまでの調整はありそうだが、結果的には窓埋めとともに過熱感を冷ます形であろう。+2σはナイトセッションで3万8900円まで切り上がってきており、同バンドに沿ったトレンドを形成するなかでは、押し目狙いのロングスタンスに向かわせよう。
決算発表がピークを迎えており、14日、15日は連日で600社ほどの発表が予定されている。決算発表がピークを通過するまでは機関投資家も積極的には動けず、ロングの動きも限られるだろう。そのため、ショートカバーにより買い先行で始まったとしても、その後は短期的なロング筋の利益確定に伴うロング解消が優勢になりやすいとみられる。
NT倍率は先物中心限月で13.77倍に上昇。一時13.81倍まで切り上がり、+2σ(13.76倍)を上回って75日線(13.81倍)を捉えてきた。同線を突破してくると、上向きで推移する+2σと+3σ(13.83倍)に沿ったトレンドが意識され、NTロングに振れやすい。
手口面(6月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万7700枚、ソシエテジェネラル証券が1万5179枚、サスケハナ・ホンコンが4209枚、JPモルガン証券が2471枚、バークレイズ証券が2273枚、モルガンMUFG証券が1935枚、野村証券が1799枚、ビーオブエー証券が1522枚、みずほ証券が1391枚、SBI証券が1029枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万9870枚、ソシエテジェネラル証券が1万8609枚、JPモルガン証券が5070枚、バークレイズ証券が4610枚、モルガンMUFG証券が3755枚、ゴールドマン証券が3146枚、ビーオブエー証券が3103枚、サスケハナ・ホンコンが2547枚、シティグループ証券が1577枚、野村証券が1384枚だった。
本日のNY時間では、引き続き関税に関する報道や発言で上下することになりそうだ。また、経済指標では4月の消費者物価指数(CPI)に注目が集まる。
昨日の日本時間16時に、米中の共同声明で両国が大幅な関税引き下げ(米国は中国製品への関税を90日間145%から30%へ、中国は米製品への関税を125%から10%へ)に合意したことが伝わって以後、ドルは堅調に推移している。米国にとって本丸と言われる巨額貿易赤字を記録している中国に対して、いとも簡単に関税を大幅に引き下げたことは市場にとってはサプライズだったことで、ドルの買い遅れている市場参加者が下落局面では買い支えることになるだろう。
この関税引き下げについて、中国ソーシャルメディアは「大勝利」と報じているが、ホワイトハウスも声明で「この貿易協定は米国にとっての勝利であり、米国民に利益をもたらす協定を確保する上でトランプ大統領の比類のない専門知識を証明するものだ」と述べた。
ただ、今回の合意では米国の対中赤字減少や、トランプ大統領が目指す「米国への製造業回帰」などの目標は達成することはできず、トランプ大統領がこの結果を納得しているのかは懐疑的だ。米トリプル安を懸念したベッセント米財務長官などの政権良識派が手打ちにしただけの可能性もあり、大統領の今後の見解が注目される。また、関税の圧力よりも為替による貿易不均衡解消を狙うとの予想もあり、その場合は本日加藤財務相が「来週のG7会合の場で為替協議を検討」と発言したことで、20日から22日に行われるカナダでのG7がより注目されることになりそうだ。
経済指標では、4月の米CPIに注目。3月はヘッドラインCPIは前年比で昨年9月以来となる2.4%へ、前月比では-0.1%となり2020年5月以来の低い水準となった。4月はそれぞれ+2.4%と+0.3%予想となっている。低位安定した結果になった場合はトランプ大統領から再び米連邦準備理事会(FRB)へ利下げを催促するような発言が出てくる可能性がありそうだ。なお、コア指数は前年比+2.8%と前月比+0.3%予想になっている。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、12日高値148.65円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、昨日の米中関税引き下げ発表前の高値146.28円。
米国はサウジアラビアや新興AI企業Humain社など湾岸諸国への米国製AIチップのアクセス拡大について協議を進めているとワシントンポスト紙が伝えた。トランプ大統領の中東歴訪に合わせて、鉱物や半導体分野での大型取引を目指す動きの一環とのこと。
南アフリカの国営電力会社エスコムは発電設備の故障や復旧の遅れにより、15日夜まで段階的な計画停電(ロードシェディング)を行うと発表した。今回の措置は3,120メガワット分の発電ユニットの復旧遅延や新たな故障による発電能力の低下が背景。
今晩は物価指標に注目。昨日は週末の米中貿易交渉で、双方が関税の90日間の一時停止と「相互関税」の大幅引き下げで合意したことがポジティブ・サプライズとなり、主要3指数がそろって急伸した。ダウ平均が1160.72ドル高(+2.81%)、S&P500が3.26%高、ナスダック総合が4.35%高となり、ともに「相互関税」の90日間停止が発表された4月9日以来の急騰となった。年初来ではダウ平均が0.32%安、S&P500が0.64%安と昨年末水準に接近し、ナスダック総合は3.12%安と下落率を大きく縮小した。
今晩の取引で昨日の急騰の反動で上値の重い展開が予想されるが、年内の利下げ見通しを巡って寄り前に発表される米4月消費者物価指数(CPI)が焦点となりそうだ。4月CPIの市場予想は前年比+2.4%と3月から横ばいが見込まれ、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIも+2.8%と前月から横ばいが予想されている。市場では年内3~4回(0.75-1.00%)だった利下げ見通しが、足もとでは2回(0.50%)程度まで低下しており、4月CPIが強い結果となれば利下げ期待の一段の後退が相場の重しとなることが警戒される。
今晩の米経済指標・イベントは4月CPIのほか、4月NFIB中小企業楽観度指数、4月クリーブランド連銀CPIなど。主要な企業の決算発表はなし。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
トランプ大統領の次の標的はEU EUは交渉を優先するも、報復の準備を進める
米国と中国が高関税の引き下げで合意した直後、トランプ大統領は欧州連合(EU)への攻撃を強めている。EUは米国にとって中国に次ぐ貿易赤字相手先。米国との交渉妥結を目指すが、米国が関税引き下げに応じない場合、報復措置も辞さない姿勢を示唆している。EUの米国向け輸出品目の上位には、トランプ大統領が問題視する医薬品や自動車などが並ぶ。EUが先に合意した英国同様の軽減措置を勝ち取ることは容易でない。
日経平均株価は4日続伸。マドを開けて強い寄り付きとなり上値を伸ばす場面があった。一方、38500円水準を前に伸び悩む展開となり、日足ローソク足は短い陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の98.1%→98.0%(5/13)に横ばい。あすも上昇のハードルは高くなるが、短期的な相場の見方に変化はない。4/7安値(30792円)を起点とした目先波動は上昇継続の判断となる。
200日移動平均線(37900円 5/13)を上回り、終値ベースで3/26につけた急落前の戻り高値(38027円)を更新した。パターン分析では4月前半の安値を先端に「スパイクボトム(V字)」を確認した。短期的な下押し場面も想定されるが、当面は意外高の想定も必要になってくる。
今週は一目均衡表の雲の水準が急速に切り下がるタイミングに入っており、目先の調整にいつ入っても不思議ではない。
上値メドは、心理的節目の38500円や39000円、2/13高値(39581円)、心理的節目の4万円、1/24高値(40279円)などがある。下値メドは、200日移動平均線、5日移動平均線(37407円 同)、心理的節目の37000円、10日移動平均線(36791円 同)、心理的節目の36000円や35500円、25日移動平均線(35017円 同)などがある。
(13日終値:14日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.61円(13日15時時点比▲0.20円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.98円(△0.74円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1176ドル(△0.0065ドル)
FTSE100種総合株価指数:8602.92(前営業日比▲2.06)
ドイツ株式指数(DAX):23638.56(前営業日比△72.02)
10年物英国債利回り:4.670%(△0.027%)
10年物独国債利回り:2.680%(△0.032%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月英雇用統計
失業率 4.5% 4.5%・改
失業保険申請件数
0.52万件 ▲1.69万件・改
1-3月英失業率
(ILO方式) 4.5% 4.4%
5月独ZEW景況感指数
25.2 ▲14.0
5月ユーロ圏ZEW景況感指数
11.6 ▲18.5
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは堅調。しばらくは1.11ドル台前半でのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入り4月米消費者物価指数(CPI)が予想より弱い内容となったことが分かると、ユーロ買い・ドル売りが優勢になった。1時30分過ぎに一時1.1182ドルと日通し高値を付けた。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.04まで低下した。
・ドル円は頭が重かった。米CPIの発表を前に買い戻しが先行すると一時148.27円付近までじり高となった。ただ、米インフレの落ち着きを示す経済指標の発表を受けて全般ドル売りが優勢になると、アジア時間に付けた147.65円を下抜けて一時147.46円まで値を下げた。
加藤勝信財務相はこの日、「ベッセント米財務長官と引き続き為替を議論する」などと発言。市場では「米国側から円安是正が要請されるとの警戒感がくすぶる」との声も聞かれた。
・ユーロ円はしっかり。ナスダック総合が1.7%超上昇するなど米国株相場が底堅く推移するとリスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢となった。0時30分前に一時165.21円と昨年11月8日以来約半年ぶりの高値を付けた。
・南アフリカランドは下落。南ア国営電力会社エスコムが「15日まで計画停電を実施する」と発表したことが嫌気された。対ドルでは一時18.4698ランド、対円では8.01円までランド安に振れた。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに小反落。米中貿易戦争激化に対する懸念が緩和する中、この日も買いが入ったものの、前日までに上昇した反動から利益確定目的の売りも出たため上値は重かった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は4日続伸。貿易を巡る米中対立が緩和に向かうとの期待や米ハイテク株の上昇を背景に、独株にも買いが入った。個別ではフォルクスワーゲン(3.76%高)やアディダス(3.09%高)、BMW(3.02%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。米中の貿易摩擦を巡る懸念が後退する中、株式などリスク資産に買いが入った一方、相対的に安全資産とされる国債に売りが出た。
(13日終値:14日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.61円(13日15時時点比▲0.20円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.98円(△0.74円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1176ドル(△0.0065ドル)
FTSE100種総合株価指数:8602.92(前営業日比▲2.06)
ドイツ株式指数(DAX):23638.56(前営業日比△72.02)
10年物英国債利回り:4.670%(△0.027%)
10年物独国債利回り:2.680%(△0.032%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月英雇用統計
失業率 4.5% 4.5%・改
失業保険申請件数
0.52万件 ▲1.69万件・改
1-3月英失業率
(ILO方式) 4.5% 4.4%
5月独ZEW景況感指数
25.2 ▲14.0
5月ユーロ圏ZEW景況感指数
11.6 ▲18.5
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは堅調。しばらくは1.11ドル台前半でのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入り4月米消費者物価指数(CPI)が予想より弱い内容となったことが分かると、ユーロ買い・ドル売りが優勢になった。1時30分過ぎに一時1.1182ドルと日通し高値を付けた。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.04まで低下した。
・ドル円は頭が重かった。米CPIの発表を前に買い戻しが先行すると一時148.27円付近までじり高となった。ただ、米インフレの落ち着きを示す経済指標の発表を受けて全般ドル売りが優勢になると、アジア時間に付けた147.65円を下抜けて一時147.46円まで値を下げた。
加藤勝信財務相はこの日、「ベッセント米財務長官と引き続き為替を議論する」などと発言。市場では「米国側から円安是正が要請されるとの警戒感がくすぶる」との声も聞かれた。
・ユーロ円はしっかり。ナスダック総合が1.7%超上昇するなど米国株相場が底堅く推移するとリスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢となった。0時30分前に一時165.21円と昨年11月8日以来約半年ぶりの高値を付けた。
・南アフリカランドは下落。南ア国営電力会社エスコムが「15日まで計画停電を実施する」と発表したことが嫌気された。対ドルでは一時18.4698ランド、対円では8.01円までランド安に振れた。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに小反落。米中貿易戦争激化に対する懸念が緩和する中、この日も買いが入ったものの、前日までに上昇した反動から利益確定目的の売りも出たため上値は重かった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は4日続伸。貿易を巡る米中対立が緩和に向かうとの期待や米ハイテク株の上昇を背景に、独株にも買いが入った。個別ではフォルクスワーゲン(3.76%高)やアディダス(3.09%高)、BMW(3.02%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。米中の貿易摩擦を巡る懸念が後退する中、株式などリスク資産に買いが入った一方、相対的に安全資産とされる国債に売りが出た。
13日の日経平均は大幅に4日続伸。終値は539円高の38183円。貿易協議で米国と中国に歩み寄りが見られたことから、12日の米国市場ではダウ平均が4桁の上昇。為替市場で円安(ドル高)が進んだことも支援材料となり、寄り付きから500円を超える上昇となった。
38100円台からスタートして、38400円台までは一気に駆け上がった。38500円は超えられず、買い一巡後は上げ幅を縮小。38200円辺りでは値動きが落ち着き、10時以降は動意が乏しくなった。後場もこう着感の強い地合いが続いたが、終盤にかけてはやや上げ幅を縮小。500円を超える上昇となったものの、大引けが後場の安値となった。
東証プライムの売買代金は概算で6兆0100億円。大きな動きが出てくる中で商いは膨らんだ。業種別では海運、医薬品、倉庫・運輸などが上昇した一方、水産・農林、建設、石油・石炭などが下落した。前期の大幅増益着地や今期の2桁営業増益計画が好感された古河電気工業<5801.T>が後場急騰。ストップ高まで買われる場面もあった。半面、今期の減収減益見通しが嫌気されたフジクラ<5803.T>が、後場に入って大きく売られた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり734/値下がり849と、日経平均は大幅高となったものの下落銘柄は多かった。円安進行を追い風にトヨタ、日産自、三菱自など自動車株が軒並み大幅高。米中の歩み寄りを受けて、商船三井など海運株や安川電機などFA関連に見直し買いが入った。日米で長期金利が上昇したことから、三菱UFJや三井住友など銀行株が全般堅調。決算が好感された楽天銀行はストップ高となった。ほか、前期の利益が計画を上振れた三井E&Sやミマキエンジニアリングが急騰した。
一方、アドバンテストや三菱重工は上昇して始まったものの、買いが続かずマイナス圏に沈んだ。前日に決算を材料に急落したDeNAは売りが止まらず大幅安。住友ファーマは前場では薬品株に見直し買いが入る中で大幅高となったが、後場には自身の決算が売り材料となり、5%を超える下落となった。今期の減収減益計画を提示した大成建設と大林組が大幅安となっており、同業の鹿島や清水建設も連れ安。今期は大幅な最終減益を見込むシャープが急落した。
日経平均は大幅高。グローバル市場の懸念材料であった米中対立に対する過度な警戒が後退したことから、難なく38000円の節目を超えてきた。プライムでは値下がり銘柄が多く、そろそろ買い疲れ感が出てくるタイミングではある。ただ、米国株の動きも良くなっている上に為替も株高を後押ししており、売りを出す理由に乏しい。きょうは相場の主役になるかと思われた半導体株は案外であったが、銀行株が大きく上昇した。今の日本株は特定の銘柄や業種に依存することなく水準を切り上げているだけに、まだしばらくは強い基調が続く公算が大きい。
(13日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.48円(前営業日比▲0.98円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.96円(△0.37円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1185ドル(△0.0098ドル)
ダウ工業株30種平均:42140.43ドル(▲269.67ドル)
ナスダック総合株価指数:19010.09(△301.75)
10年物米国債利回り:4.46%(▲0.01%)
WTI原油先物6月限:1バレル=63.67ドル(△1.72ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3247.8ドル(△19.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月米消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.2% ▲0.1%
(前年同月比) 2.3% 2.4%
エネルギーと食品を除くコア指数
(前月比) 0.2% 0.1%
(前年同月比) 2.8% 2.8%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは反発。米労働省が発表した4月米消費者物価指数(CPI)が予想より弱い内容となったことが分かると全般ドル売りが先行。5時30分過ぎに一時1.1195ドルと日通し高値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.91まで低下した。
ただ、市場では「関税の影響を背景にインフレ見通しは引き続き不透明。米連邦準備理事会(FRB)が夏終盤まで利下げを再開しないという見通しを変えるには至らない」との声が聞かれた。
なお、クノット・オランダ中銀総裁は「不確実性は短期的にインフレと成長の両方にとってマイナス」と述べたほか、ビルロワドガロー仏中銀総裁は「夏までに追加利下げの可能性」「トランプ関税は欧州ではなく米国のインフレを加速させる」などと語った。
・ドル円は反落。米CPIの発表を前に買い戻しが先行すると148.27円付近までじり高となったが、アジア時間に付けた日通し高値148.48円を上抜けることは出来なった。米CPIの下振れを受けて全般ドル売りが優勢になると、アジア時間に付けた147.65円を下抜けて一時147.38円まで値を下げた。
なお、トランプ米大統領は自身のSNSに「インフレはなく、ガソリンやエネルギー、食料品、ほぼすべての価格は下落している。FRBは欧州や中国のように利下げをするべき」と投稿した。
・ユーロ円は続伸。ナスダック総合が1.6%超上昇するなど米国株相場が底堅く推移するとリスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢となった。0時30分前に一時165.21円と昨年11月8日以来約半年ぶりの高値を付けた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。前日に米中両国が大幅な関税引き下げで合意したことを受けて、この日も買いが続いた。ただ、最高経営責任者(CEO)交代とあわせて、4月中旬に公表した利益見通しを取り下げたユナイテッドヘルス・グループが急落し、1銘柄でダウ平均を340ドルほど押し下げたため、ダウ平均はマイナス圏で推移した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は5日続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは小反発。4月米CPIはヘッドラインが予想を下回ったものの、変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年比で2.8%上昇と市場予想に一致。相場は方向感に乏しい展開となった。利回りは一時4.5026%前後と4月11日以来の高水準を付ける場面もあった。市場では「パウエルFRB議長が述べたように米経済は良い位置にあり、FRBが利下げを急ぐ必要はないとの見方が確認できた」との声も聞かれた。
・原油先物相場は4日続伸。米中の関税大幅引き下げ合意が世界経済の懸念を後退させ、エネルギー需要に好影響を与えるとの見方からの買いが続いた。63.90ドルまで4月28日以来の高値を更新したところで上昇は一服も、プラス圏を維持して引けた。
・金先物相場は反発。前日に米中の関税引き下げ合意を好感して急激に進んだドル高が一服するなか、4月米CPIが予想より弱かったことも重しとなりドルが軟化。ドル建て金相場の割安感につながり、金が買われた。米金利が上昇したことは金利がつかない資産である金の上値を重くしたものの、前日比プラスの水準を維持して引けた。
(13日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.48円(前営業日比▲0.98円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.96円(△0.37円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1185ドル(△0.0098ドル)
ダウ工業株30種平均:42140.43ドル(▲269.67ドル)
ナスダック総合株価指数:19010.09(△301.75)
10年物米国債利回り:4.46%(▲0.01%)
WTI原油先物6月限:1バレル=63.67ドル(△1.72ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3247.8ドル(△19.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月米消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.2% ▲0.1%
(前年同月比) 2.3% 2.4%
エネルギーと食品を除くコア指数
(前月比) 0.2% 0.1%
(前年同月比) 2.8% 2.8%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは反発。米労働省が発表した4月米消費者物価指数(CPI)が予想より弱い内容となったことが分かると全般ドル売りが先行。5時30分過ぎに一時1.1195ドルと日通し高値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.91まで低下した。
ただ、市場では「関税の影響を背景にインフレ見通しは引き続き不透明。米連邦準備理事会(FRB)が夏終盤まで利下げを再開しないという見通しを変えるには至らない」との声が聞かれた。
なお、クノット・オランダ中銀総裁は「不確実性は短期的にインフレと成長の両方にとってマイナス」と述べたほか、ビルロワドガロー仏中銀総裁は「夏までに追加利下げの可能性」「トランプ関税は欧州ではなく米国のインフレを加速させる」などと語った。
・ドル円は反落。米CPIの発表を前に買い戻しが先行すると148.27円付近までじり高となったが、アジア時間に付けた日通し高値148.48円を上抜けることは出来なった。米CPIの下振れを受けて全般ドル売りが優勢になると、アジア時間に付けた147.65円を下抜けて一時147.38円まで値を下げた。
なお、トランプ米大統領は自身のSNSに「インフレはなく、ガソリンやエネルギー、食料品、ほぼすべての価格は下落している。FRBは欧州や中国のように利下げをするべき」と投稿した。
・ユーロ円は続伸。ナスダック総合が1.6%超上昇するなど米国株相場が底堅く推移するとリスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢となった。0時30分前に一時165.21円と昨年11月8日以来約半年ぶりの高値を付けた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。前日に米中両国が大幅な関税引き下げで合意したことを受けて、この日も買いが続いた。ただ、最高経営責任者(CEO)交代とあわせて、4月中旬に公表した利益見通しを取り下げたユナイテッドヘルス・グループが急落し、1銘柄でダウ平均を340ドルほど押し下げたため、ダウ平均はマイナス圏で推移した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は5日続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは小反発。4月米CPIはヘッドラインが予想を下回ったものの、変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年比で2.8%上昇と市場予想に一致。相場は方向感に乏しい展開となった。利回りは一時4.5026%前後と4月11日以来の高水準を付ける場面もあった。市場では「パウエルFRB議長が述べたように米経済は良い位置にあり、FRBが利下げを急ぐ必要はないとの見方が確認できた」との声も聞かれた。
・原油先物相場は4日続伸。米中の関税大幅引き下げ合意が世界経済の懸念を後退させ、エネルギー需要に好影響を与えるとの見方からの買いが続いた。63.90ドルまで4月28日以来の高値を更新したところで上昇は一服も、プラス圏を維持して引けた。
・金先物相場は反発。前日に米中の関税引き下げ合意を好感して急激に進んだドル高が一服するなか、4月米CPIが予想より弱かったことも重しとなりドルが軟化。ドル建て金相場の割安感につながり、金が買われた。米金利が上昇したことは金利がつかない資産である金の上値を重くしたものの、前日比プラスの水準を維持して引けた。
中国外交部は13日に開かれた記者会見で国内外の記者の質問に答えた。
―― AFP通信記者 中米貿易交渉の次の段階について詳しく説明してもらいたい。どのような議題が話し合われるのか。米国側がフェンタニル問題を理由に対中関税として20%を維持していることを踏まえ、双方はこの問題についてどのように交渉する計画か。
報道官 中米間の経済・貿易に関する高官会談については、中国側の主管部門がすでに情報を発表している。
フェンタニル問題については、中国側は繰り返し表明してきたように、フェンタニルは米国自身の問題であり、中国の問題ではない。責任は米国にある。米側は中国の善意を顧みず、一方的に中国に対してフェンタニル関連の関税を課しており、これは中米間の違法薬物対策分野における対話と協力を著しく損ない、中国側の利益にも深刻な損害を与えている。米側が本気で中国側と協力したいのであれば、中国を中傷したり責任転嫁したりするのをやめ、平等・尊重・互恵の姿勢で中国側と対話すべきだ。
サウジアラビアは対米投資を1兆ドルに増強する方向で取り組んでいると表明した。
中国国務院関税税則委員会は13日、米国産輸入品に対する追加関税の引き下げを正式発表した。現地時間5月14日午後0時1分から適用する。
今回の措置は、中国と米国の経済・貿易高官協議での重要な共通認識を実行に移すもので、関税法や税関法、対外貿易法などの国内法および国際法の基本原則に基づき、国務院の承認を得て実施される。
第4号公告で定められた追加関税率は、従来の34%から10%に引き下げられる。また、今後90日間にわたり、対米追加関税率24%の適用が一時停止される。あわせて、第5号および第6号公告で定めた追加関税措置も停止される。
関税税則委員会は今回の措置について、中米両国の生産者と消費者の期待に応えるもので、両国の経済・貿易関係の促進や世界経済にも資するとしている。
13日08:50 日銀金融政策決定会合における主な意見(4月30-5月1日分)
「これまでの見通しは、米国の関税政策によって、大きく揺るがされている。米国の関税引き上げは、わが国の経済と物価を下押しする」
「米国の関税政策の着地とそれへの企業の対応は二重の意味で流動的であり、現時点での見通しは仮置きに止まる。今後の推移次第で、見通しには大きな修正があり得る」
「米国の関税政策の展開がある程度落ち着くまでは様子見モードを続けざるを得ない」
「米国経済減速から利上げの一時休止局面となるが、米国の政策転換次第で追加的な利上げを行うなど、過度な悲観に陥ることなく、自由度を高めた柔軟かつ機動的な金融政策運営が求められる」
13日09:41 加藤財務相
「ベッセント米財務長官と来週のG7会合の場で為替協議を検討」
「為替動向について具体的なコメントは控える」
「G-7会合にあわせて、日米財務相会談を実施することも検討」
13日10:46 内田日銀副総裁
「米関税は日本経済の下押し要因になる」
「米関税政策の物価への影響は上下両方ある」
「需給ギャップは2027年度までの見通し期間終盤にかけて再び改善」
「各国通商政策の為替への影響は不確実性が高い」
「基調的物価は関税政策の影響でいったん伸び悩む」
「見通しが実現すれば政策金利の引き上げで緩和を調整」
13日11:51 習・中国国家主席
「関税戦争や貿易戦争に勝者はいない」
「中国は多国間貿易体制を支持する」
「いじめや覇権主義は孤立を招くだけだ」
13日20:20 グリア米通商代表部(USTR)代表
「中国との非関税障壁の解消には時間がかかる」
「米国は中国以外の主要貿易相手国とも並行して様々な取引や合意の可能性を探っている」
「米国は重要物資について、いかなる貿易相手国にも依存していない」
「世界共通の10%関税は貿易赤字削減への強力なインセンティブとなる」
13日23:48 クノット・オランダ中銀総裁
「不確実性は短期的にインフレと成長の両方にとってマイナス」
14日02:06 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「夏までに追加利下げの可能性」
「トランプ関税は欧州ではなく米国のインフレを加速させる」
14日02:53 トランプ米大統領
「FRBは欧州や中国のように利下げをする必要ある」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 4月企業物価指数(予想:前月比0.3%/前年比4.0%)
<海外>
○10:30 ◎ 1-3月期豪賃金指数(予想:前期比0.8%)
○15:00 ◎ 4月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.4%/前年比2.1%)
○16:15 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○17:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、ナーゲル独連銀総裁、講演
○18:15 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:30 ◇ 3月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比▲1.2%)
○22:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○22:10 ◎ ジェファーソンFRB理事、講演
○23:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
〇NATO非公式外相会合(トルコ、15日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
13日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米4月消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことで、148.27円付近から147.38円まで値を下げた。ユーロドルは4月CPIを受けて1.1195ドルまで上昇した。ユーロ円は米国株相場が底堅く推移したことで165.21円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、週末に予定されている米中首脳会談や来週の日米財務相会談への警戒感から伸び悩む展開が予想される。
ドル円は、12日に米中貿易協定を受けて148.65円まで上昇して一目均衡表・雲の中へ入ったものの、現状は、今週末に予定されている米中首脳会談や来週の日米財務相会談での為替協議への警戒感から、雲の下限147.61円付近で伸び悩む展開となっている。
米4月消費者物価指数(CPI)は前年比+2.3%だったものの、トランプ関税の不確実性は払拭されず、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している今年の利下げ回数は9月と12月の2回となっている。
明日発表される米4月卸売物価指数(PPI)では、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの手掛かりを確認できるため、30日発表の4月PCEデフレーターに向けて、4月の米国の物価動向を見極めて行くことになる。
8時50分に発表される4月企業物価指数は前年比+4.0%と予想されており、5カ月連続での4.0%台が見込まれている。また、輸入物価指数は2月、3月と2カ月連続で前年比マイナスに落ち込んでおり、ドル円相場が昨年同期比で円高気味に推移していることが下押し要因となっている。
昨日公表された日銀金融政策決定会合(4/30-5/1)の「主な意見」の冒頭には、「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる。こうした見通しが実現していくかは、不確実性がきわめて高いことを踏まえ、予断を持たずに判断していくことが重要である」との意見が示された。
今後は6月16-17日の日銀金融政策決定会合に向けて、英米貿易協定や米中貿易協定の合意を受けて、「不確実性」がどの程度減退しているのかを見極めていくことになる。
また、加藤財務相は、来週20-22日にカナダで開催予定のG-7財務相・中央銀行総裁会議で、日米財務相会談をセッティングして、ベッセント米財務長官と為替協議を行う、と述べている。米国と英国、及び中国との通商協議では為替協議への言及がなかったため、注目しておきたい。
ベッセント米財務長官のドル円相場に関する発言は以下の通りとなっている。
4月9日「最近の円高ドル安傾向について懸念していない」
4月26日「加藤財務相との会談は建設的であり、為替協議も継続していきたい」
米中貿易協定の締結を受けて、トランプ米大統領は、今週末に習中国国家主席との会談の可能性を示唆している。トランプ米大統領は「ジュネーブで生産的な交渉が行われ、中国との関係は完全にリセットされた。今週末に習主席と話をすることになるかもしれない」と述べた。習・中国国家主席は、「関税戦争や貿易戦争に勝者はいない。いじめや覇権主義は孤立を招くだけだ」と述べている。
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 38300 +100 (+0.26%)
TOPIX先物 2770.5 -3.0 (-0.10%)
シカゴ日経平均先物 38370 +170
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
13日の米国市場はNYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>が18%近く急落し、NYダウはマイナス圏での推移になった。最高経営責任者(CEO)の交代と、医療費支払いが想定以上に増えているとして2025年12月期通期の利益見通しを撤回したことが嫌気された。その他は米中両国が大幅な関税引き下げで合意したことを受けた買いが継続した。
S&P500業種別指数は、半導体・同製造装置、自動車・同部品、メディアが上昇した半面、ヘルスケア機器・サービス、医薬品・バイオテクノロジー、食品・生活必需品小売の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、エヌビディア<NVDA>、キャタピラー<CAT>、ボーイング<BA>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、IBM<IBM>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が買われた。一方で、ユナイテッドヘルス・グループのほか、メルク<MRK>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、アムジェン<AMGN>が下落。
シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比170円高の3万8370円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比10円安の3万8190円で始まった。直後につけた3万8020円を安値にショートカバーが強まり、米国市場の取引開始時にはプラス圏を回復。その後も上げ幅を広げ、3万8510円まで買われる場面もみられた。終盤にかけてはロング解消とみられる動きにより上げ幅を縮めており、3万8300円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。NYダウは下落したものの、ユナイテッドヘルス・グループの影響が大きかった。エヌビディアなど半導体株の一角は買われているため、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への資金流入が日経平均型を支える形になりそうだ。昨夕に決算を発表したソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が、ADR(米預託証券)で4%超上昇していることも支援材料になろう。
昨日の日経225先物はボリンジャーバンドの+2σ(3万8570円)を突破して始まったが、現物の寄り付き後には同バンドを下回っての推移となり、ロング解消に向かわせた。もっとも、一気に3月26日の戻り高値を上抜いたことで、利食いは入りやすいところだったと考えられる。
国内でも決算発表がピークを迎えているため、膠着感が強まりやすいだろう。ただし、上向きで推移する+2σに沿ったトレンドを形成するなか、同バンドは3万8930円まで上昇してきている。ナイトセッションで3万8000円処での底堅さがみられており、押し目狙いのロングで対応したいところだ。
そのため、オプション権利行使価格の3万8000円から3万8500円のレンジを想定。レンジ上限を上回ってくる局面では3万8500円から3万9000円のレンジに切り上がりそうである。
13日の米VIX指数は18.22(12日は18.39)に低下した。200日線(19.72)を下回っての推移を継続しており、3月26日につけた16.97を射程に入れるなかでリスク選好に傾きそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.77倍に上昇。一時13.81倍まで切り上がり、+2σ(13.76倍)を上回って、75日線(13.81倍)を捉えてきた。同線を突破してくると、上向きで推移する+2σと+3σ(13.83倍)に沿ったトレンドが意識されて、NTロングに振れやすいとみておきたい。
東京市場は堅調か。米国株はまちまち。ダウ平均が下落した一方、S&P500とナスダックは上昇した。ダウ平均は269ドル安の42140ドルで取引を終えた。4月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、早期の利下げ期待が台頭。グロース株を中心に買いが入った。ダウ平均に関しては、構成銘柄のユナイテッドヘルスが通期見通しの取り下げを受けて急落した影響を大きく受けた。ドル円は足元147円40銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて170円高の38370円、ドル建てが210円高の38410円で取引を終えた。
ダウ平均は個社要因が大きく、米国株は全体としては概ね堅調であった。日本株はナスダックやS&P500の上昇を好感した買いが入ると予想する。サウジアラビアがAIチップを大量に購入するとのニュースが伝わったことでエヌビディアが大幅高となっており、マイクロンやAMDなど多くの半導体株に買いが入った。ナスダックが1.6%高と相対的に強く、ハイテク向きの地合いが想定される。外需大型株がしっかりとした動きを見せることで、場中はプラス圏で落ち着いた動きが続くだろう。日経平均の予想レンジは38200円-38600円。
日経225先物は11時30分時点、前日比240円安の3万7960円(-0.62%)前後で推移。寄り付きは3万8300円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8370円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。直後に3万8400円まで買われた後は持ち高調整とみられる動きから軟化し、中盤にかけて3万7890円まで売られる場面もみられた。
ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が決算評価から買われたほか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]が強い動きで日経平均株価を支えたものの、東証プライムの8割超の銘柄が下げるなかで、ショートが入りやすいようである。3月26日の戻り高値3万7970円を下回ってきたことも、ショートを誘う形だろう。ただし、過熱を冷ます調整であり、前日の上昇で空けた窓埋めとなる3万7840円辺りまで下げてくるようだと、その後のリバウンド狙いのロングが入りそうである。
NT倍率は先物中心限月で13.83倍に上昇。75日移動平均線(13.80倍)を上回ってきた。上向きで推移するボリンジャーバンドの+2σ(13.79倍)と+3σ(13.87倍)に沿ったトレンドが意識されやすいと考えられ、NTロングでのスプレッド狙いに向かわせよう。
昨日の海外市場では、全般にポジション調整が中心。欧州時間はアジア時間安値からの買い戻しが先行したものの、4月米CPI直前に148.27円までの戻りに止まると、予想を下回る弱い数字に反応して下落。米10年債利回りは指標直後に4.4197%まで低下した後、一転して4.5026%まで上昇に転じる場面もみられましたが、ドル円は3円急騰後の調整売りが強まることに。引けにかけては147.38円まで値を下げてNY市場を終えています。
アジア時間に入ってからは、昨日安値の147.38円を下抜けて一時147.31円まで下落。その後は147.67円まで買い戻されたものの、仲値にかけては輸出の売りが散見されたほか、日経平均が軟調な展開となるなか147.01円まで再び下値を試す動きとなりました。その後は147円台前半でのもみ合いが続いています。
いずれにしても、市場では「大きなイベントが終わり、目先は全く材料がない」との声も聞かれるなか、「東京ではほとんどやる事がない」状況。仲値を処理した後の凪相場が続いています。ただ、今月に入ってからの市場のメインシナリオの変更は明らかなわけで、方向性としてはしっかりとした展開が続いていきそうです。目先は50日MAの146.24円と一目雲下限の147.61円を両サイドで意識しながらの材料待ちとなっています。
「関税戦争や貿易戦争に勝者はいない」(習・中国国家主席)
第1次トランプ米政権では、2018年に貿易交渉後に対立を一時停止することで合意したものの、米国が合意から離脱し、1年半余りにわたって関税賦課と協議が続き、最終的に2020年1月の第1段階米中貿易合意の署名に至った。
しかし、2020年に世界を席巻したコロナ禍が雲散霧消させた。
第2次トランプ米政権でも、2025年5月10-11日に90日間の米中貿易協定(Trade Deal)で合意したが、3カ月後に、対中貿易赤字を削減できる最終的な合意に至れるのかは、依然として不明ではある。
1.第1次米中貿易戦争(トランプ第1次政権)
【米対象金額・関税率】 【中国対象金額・関税率】
・対中関税第1弾(2018年7月6日)340億ドル(25%) 340億ドル(25%)
・対中関税第2弾(2018年8月23日)160億ドル(25%) 160億ドル(25%)
・対中関税第3弾(2018年9月24日)2000億ドル(10%~25%) 600億ドル(25%)
・対中関税第4弾(2019年9月1日)1200億ドル(15%) 750億ドル(10%~30%)
2. 第2次米中貿易戦争(トランプ第2次政権)
・2025年2月4日:対中追加関税10%
中国:報復関税(石炭と液化天然ガス:15%、原油:10%)
・3月4日:対中追加関税10%上乗せ=20%
中国:報復関税(大豆・牛肉・豚肉:10%、小麦・トウモロコシ:15%)
・4月3日:対中相互関税34%上乗せ=54%
中国:報復関税34%
・4月9日:対中相互関税50%上乗せ=104%
中国:報復関税50%上乗せ=84%
・4月10日:対中相互関税=145%(他国分は90日間停止)
中国:報復関税=125%(※これ以上の関税引き上げは意味がないとして行わない)
・4月10日:電子機器20品目を適用除外して「半導体関税」へ
・4月15日:特定品目に245%の課税
・5月10-11日:米中貿易協定(Trade Deal)・・関税率115%引き下げ
米国:145%⇒30%
中国:125%⇒10%
※自動車、鉄鋼、アルミニウムなどの分野別関税は含まれていない
本日のロンドン為替市場では、経済指標は4月独消費者物価指数(CPI)の改定値が発表される程度。独インフレを確認した後は、週前半に相場を動かした材料「米中貿易協議」に関する続報には注意しながら、複数の金融当局者の講演内容を見定めて取引することになるだろう。
4月独CPI改定値は速報値と同じ前年比2.1%上昇というのが大方の見込み。予想通りであれば、6カ月ぶりの低い水準が確定する。欧州では依然としてトランプ関税による不確実性が懸念されており、インフレよりも景気減速を懸念する声は根強い。
独CPI発表の約2時間後にはナーゲル独連銀総裁が講演予定。欧州中央銀行(ECB)の追加利下げ観測が燻るなか、足もとのインフレを含めた同総裁の見解が注目される。タカ派として知られるナーゲル氏が利下げ休止に言及してもサプライズではなく、逆に緩和スタンスを容認するようであればユーロにとって重しとなりそうだ。なお、独連銀総裁と同じ頃にエスクリバ・スペイン中銀総裁の講演も予定されている。
日本時間16時過ぎには、前回のイングランド銀行(英中銀、BOE)会合で決定された「0.25%利下げ」を支持したブリーデンBOE副総裁が講演する。なお12日には、ロンバルデリ副総裁が「金融政策スタンスは均衡がとれている」と述べながらも、「目標インフレ率の達成には現状の賃金上昇率は高過ぎる」との懸念を示した。
昨日発表された英雇用データでは、1-3月週平均賃金は5%台で高止まりしていた。先週の金融政策委員会(MPC)で据え置き主張のピル委員(中銀のチーフ・アナリスト)も、賃金上昇率を警戒している。一方、英失業率(ILO方式)は改善には至らず、そのため短期金融市場は年末まで2回の利下げを織り込んだ状態だ。ブリーデン副総裁が、市場の思惑についてどのような見解を示すかにも注目したい。
想定レンジ上限
・ユーロドル、12日高値で日足一目均衡表・基準線も位置する1.1244ドル
・ポンドドル、6日高値1.3402ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、ピボット・サポート1の1.1115ドル
・ポンドドル、ピボット・サポート1の1.3212ドル
ドル円:1ドル=147.07円(前営業日NY終値比▲0.41円)
ユーロ円:1ユーロ=164.50円(▲0.46円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1186ドル(△0.0001ドル)
日経平均株価:38128.13円(前営業日比▲55.13円)
東証株価指数(TOPIX):2763.29(▲8.85)
債券先物6月物:139.46円(△0.07円)
新発10年物国債利回り:1.450%(△0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月企業物価指数
前月比 0.2% 0.4%
前年同月比 4.0% 4.3%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。本邦勢が参入すると147.67円まで上昇したものの、東京仲値にかけては本邦輸出企業の売りが観測され失速。日経平均株価の下落も売りを後押しする形で一時146.84円まで下げ、その後の戻りも鈍かった。
・ユーロ円も頭が重い。朝方に165.16円まで上昇した後はドル円と同様に一転して売られる展開に。一時164.31円まで下値を広げた。
・ユーロドルは小幅高。昨日高値の1.1195ドルを上抜けて1.1200ドルまで値を上げているが、値幅は21pipsと狭い。
・日経平均株価は5営業日ぶりに反落。前日の米ハイテク株高を受けて小高く始まったが、足もとの続伸に対する持ち高調整の売りが優勢に。外国為替市場の円高でトヨタなど自動車株の売りが目立った。
・債券先物相場は6営業日ぶりに反発。米中の貿易摩擦懸念が後退し、リスク回避ムードが和らいでいることが債券相場の重しとなる一方、日経平均の軟調推移が債券相場を下支えするなど、前日終値付近で方向感が定まらなかった。
ドル円:1ドル=147.07円(前営業日NY終値比▲0.41円)
ユーロ円:1ユーロ=164.50円(▲0.46円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1186ドル(△0.0001ドル)
日経平均株価:38128.13円(前営業日比▲55.13円)
東証株価指数(TOPIX):2763.29(▲8.85)
債券先物6月物:139.46円(△0.07円)
新発10年物国債利回り:1.450%(△0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月企業物価指数
前月比 0.2% 0.4%
前年同月比 4.0% 4.3%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。本邦勢が参入すると147.67円まで上昇したものの、東京仲値にかけては本邦輸出企業の売りが観測され失速。日経平均株価の下落も売りを後押しする形で一時146.84円まで下げ、その後の戻りも鈍かった。
・ユーロ円も頭が重い。朝方に165.16円まで上昇した後はドル円と同様に一転して売られる展開に。一時164.31円まで下値を広げた。
・ユーロドルは小幅高。昨日高値の1.1195ドルを上抜けて1.1200ドルまで値を上げているが、値幅は21pipsと狭い。
・日経平均株価は5営業日ぶりに反落。前日の米ハイテク株高を受けて小高く始まったが、足もとの続伸に対する持ち高調整の売りが優勢に。外国為替市場の円高でトヨタなど自動車株の売りが目立った。
・債券先物相場は6営業日ぶりに反発。米中の貿易摩擦懸念が後退し、リスク回避ムードが和らいでいることが債券相場の重しとなる一方、日経平均の軟調推移が債券相場を下支えするなど、前日終値付近で方向感が定まらなかった。
SMBC日興証券では物価に関するリポートの中で、過去には輸入物価と企業物価は連動して推移する傾向があったが、ここ数年はその関係性に変化が見られると指摘している。輸入物価は2022年半ばをピークに頭打ちとなっている一方、その間に企業物価は4%程度上昇し、CPI財(除く生鮮食品)は8%程度上昇しているとのこと。企業は輸入コストが落ち着いているにも関わらず価格転嫁を進めており、過剰な値上げは家計を直撃していると言えるとSMBC日興では指摘している。
中国国務院関税税則委員会は13日、米国産輸入品に対する追加関税の引き下げを正式発表した。現地時間5月14日午後0時1分から適用する。
今回の措置は、中国と米国の経済・貿易高官協議での重要な共通認識を実行に移すもので、関税法や税関法、対外貿易法などの国内法および国際法の基本原則に基づき、国務院の承認を得て実施される。
第4号公告で定められた追加関税率は、従来の34%から10%に引き下げられる。また、今後90日間にわたり、対米追加関税率24%の適用が一時停止される。あわせて、第5号および第6号公告で定めた追加関税措置も停止される。
関税税則委員会は今回の措置について、中米両国の生産者と消費者の期待に応えるもので、両国の経済・貿易関係の促進や世界経済にも資するとしている。
第一生命経済研究所では、米国と中国が高関税の引き下げで合意した直後に、トランプ大統領がEUへの攻撃を強めていることを指摘している。EUは米国との交渉妥結を目指すが、米国が関税引下げに応じない場合には、報復措置も辞さない姿勢を示唆している。EUは米国にとって中国に次ぐ貿易赤字の相手先で、EUの米国向け輸出品目の上位には、トランプ大統領が問題視する医薬品や自動車などが並ぶ。第一生命では、EUが先に合意した英国同様の軽減措置を勝ち取ることは容易でないと考えている。
大阪6月限
日経225先物 38140 -60 (-0.15%)
TOPIX先物 2761.5 -12.0 (-0.43%)
日経225先物(6月限)は前日比60円安の3万8140円で取引を終了。寄り付きは3万8300円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8370円)にサヤ寄せする形から、買いが先行した。直後に3万8400円まで買われた後は、持ち高調整により軟化。前場中盤にかけて3万8000円を割り込み、ランチタイムで3万7860円まで下げ幅を広げる場面もあった。ただし、52週移動平均線(3万7880円)水準での底堅さがみられ、終盤にかけてショートカバーが優勢となり、3万8000円を上回って終えている。
ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が決算評価により買われたほか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]が強い動きで日経平均株価を支えたが、東証プライムの6割超の銘柄が下げるなかで、ショートが入りやすかったとみられる。3月26日の戻り高値3万7970円を下回ったことでショートを仕掛けやすくさせたほか、為替市場では円相場が1ドル=146円台前半と円高に振れて推移していたことも影響したのだろう。
ただし、過熱を冷ます形での調整であり、前日の上昇で空けた窓埋めとなる3万7840円辺りまで下げてきたことで、リバウンド狙いのロングが入りやすくなった。200日線(3万7560円)辺りを試してくる可能性はありそうだが、目先的には3万8000円処での底堅さを見極めつつ、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
ボリンジャーバンドの+1σ(3万7210円)と+2σ(3万8910円)によるレンジ内で推移しているが、3万8000円辺りで膠着が続くようだと、バンドが次第に収斂してくる可能性がある。200日線近辺まで下げてくるようだと、パラボリックはSAR値にタッチすることで、陰転シグナルを発生させてくるだろう。一目均衡表では転換線を支持線としたトレンドのなかで「雲」を上抜いており、+1σ水準に位置する転換線を下抜けてくると、ショートが強まりやすいとみておきたい。
もっとも、+1σ水準までの調整があれば、値幅調整は一巡との見方も浮上しそうだ。決算発表は明日でピークを通過するため、来週からは機関投資家も動きやすくなるとみられ、ショートに傾けてのオーバーウィークは避けたいところだろう。
NT倍率は先物中心限月で13.81倍に上昇。75日線(13.80倍)を突破し、一時13.86倍まで切り上がってきた。上向きで推移する+2σ(13.79倍)と+3σ(13.87倍)に沿ったトレンドが意識されている。4月7日の戻り高値13.91倍も射程に入ってきたことで、NTロングでのスプレッド狙いに向かわせよう。
手口面(6月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万4804枚、ソシエテジェネラル証券が1万0112枚、サスケハナ・ホンコンが3643枚、バークレイズ証券が2196枚、SBI証券が2102枚、JPモルガン証券が1318枚、日産証券が1307枚、モルガンMUFG証券が1084枚、野村証券が1037枚、松井証券が794枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万9986枚、ソシエテジェネラル証券が1万7487枚、モルガンMUFG証券が6563枚、JPモルガン証券が4490枚、バークレイズ証券が4305枚、ゴールドマン証券が3777枚、SMBC日興證券が2207枚、サスケハナ・ホンコン証券が1949枚、ビーオブエー証券が1738枚、シティグループ証券が1594枚だった。
欧州勢参入後にドル売りが見られ、ドル円は146円割れまで下げ足を強めた。米韓通商交渉で為替について協議したことが明らかになり、日米協議でも円安是正が議題に上ることへの警戒感が高まっていることもドル円の重し。
来週に日米財務相会談を控えているが、これまでの日米協議では為替についての話は出なかった。ただ、自動車関税などで日米の交渉は難航が見込まれる。トランプ米大統領は中国との合意を自画自賛しているが、世間では「中国に完敗」との見方が強く心は穏やかではないだろう。トランプ米大統領が貿易赤字国に対しての関税政策の成果をアピールするために「話がしやすい」日本に強気で当たる可能性がある。関税の協議がうまくいかないと、為替を議題に上げる可能性は十分あり得る。
このほかにドル円の上値圧迫要因となるのは、米中貿易摩擦の激化懸念が後退したことで日銀の利上げ期待が再燃していることや、根強い米景気減速懸念とトランプ米大統領のしつこい利下げ要求などが取り上げられる。一方で、トランプ米政権の関税政策への過度な警戒感が緩んでいることや、連邦準備制度理事会(FRB)が追加利下げに慎重姿勢を示していることが下支えとなる。
結局は「関税次第」の相場に変化はない。今後の日米金融政策、米中関係の一段の改善などは引き続きトランプ米政権の関税方針に関わっているが、その関税の先行きに対する不確実性は依然として払しょくされていない。関税関連のヘッドラインに一喜一憂する相場は続きそうだ。
本日のNY市場では注目の指標発表はなく、ジェファーソンFRB理事の講演が予定されている。同理事を含めた、要人らの発言に注目も突発的な材料がなければ、ドル円は上値が重いも145円台で下げが一服し、146円台に持ち直しての動きを見込む。
・想定レンジ上限
ドル円、5日移動平均線146.62円近辺や、節目の147.00円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、日足一目均衡表・転換線145.51円近辺や節目の145.00円が下値めど。
中国商務部は14日、戦略鉱物資源の輸出管理強化に関し、記者会見の形式をとった談話をウェブサイト上で公表した。
―― 記者 国家輸出管理業務協調機制弁公室が、戦略鉱物資源の輸出管理強化に向けた取り組みを展開していると報じられている。管理強化の狙いは何か、また今後重点的に進める取り組みについて聞きたい。
報道官 戦略鉱物資源の輸出管理は国家の安全と発展利益に関わるものであり、違法な国外流出を防ぐには、生産供給チェーンのあらゆる段階での管理強化が必要だ。国家輸出管理業務協調機制弁公室は5月12日、湖南省長沙市で会議を開き、商務部、工業情報化部など10部門および内モンゴル自治区や江西省など7つの地方主管部門に対し、包括的な業務配置を行った。
戦略鉱物資源の管理は、採掘、精錬、加工、輸送、製造、販売、輸出といった全工程にわたり強化する必要があり、これにより違法な国外流出を効果的に防止できる。各部門は役割分担の下で協力し、日常的な監督管理を徹底し、リスクや潜在的危険を早期に発見する必要がある。無謀な行為やあからさまな違反については、発見次第厳正に取り締まる。各地方は、地域ごとの監督責任を果たし、関連する事業者の実態把握と流通状況の精査を進め、企業のコンプライアンス意識と能力向上を図るよう指導し、戦略鉱物資源管理措置が確実に実施されるようにする。
各部門は、戦略鉱物資源に対する全工程管理が極めて重要との認識を共有しており、それぞれの職責に基づき監督と法執行の責任を果たし、情報追跡と常態化管理の仕組みを整備していく。各段階での管理に抜けや漏れが生じないよう徹底し、違法行為に対しては厳正に処罰し、監督と法執行の威嚇力を強化し続ける。関係する地方主管部門は、地域内の戦略鉱物資源関連企業の登録・台帳作成を加速させるほか、管理政策の周知、輸出リスクの注意喚起、監督検査などの取り組みを継続的に展開し、管理措置の確実な履行を通じて、国家の安全と発展利益の確保に努めていくつもりだ。
今晩は引き続き堅調か。昨日はユナイテッドヘルスが急落したことでダウ平均が269.67ドル安(-0.64%)と反落したものの、サウジアラビア企業がエヌビディアの最先端AIチップを大量に購入するとのニュースを受けてエヌビディアが5.63%高となりハイテク株の上昇をけん引。S&P500が0.72%高と2日続伸し、ハイテク株主体のナスダック総合は1.61%高と大幅に5営業日続伸した。S&P500は年初来で0.08%高とプラス圏を回復した。先週末に米中が関税の90日間停止などで合意したことでセンチメントは改善。投資家の不安心理を示すVIX指数は18.22ポイントと3月25日以来の水準に低下した。
今晩の取引では貿易問題での米中の緊張緩和やセンチメントの改善を背景に引き続き堅調な展開が期待できそうだ。ただ、ナスダック総合が5営業日続伸し、週初来でも6.03%高となったほか、アップルが4日続伸、アマゾン・ドット・コムとゴールドマン・サックスが5日続伸、ウォルト・ディズニーは6日続伸となっており、上値では利益確定売り圧力も高まりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントはMBA住宅ローン申請指数、EIA週間原油在庫など。企業決算は引け後にコパート、シスコ・システムズなど発表予定。
日経平均株価は反落。38500円付近を上値で意識し、前日同様に伸び悩む展開が続いた。一方、下値は200日移動平均線(37884円 5/14)をサポートに底堅く推移し、13日の上昇で形成したマドを完全に埋め戻すことはなかった。
RSI(9日)は前日の98.0%→95.7%(5/14)に低下。あすも上昇のハードルは高くなるが、短期的な相場の見方に変化はない。4/7安値(30792円)を起点とした目先波動は上昇継続の判断となる。
前日は終値ベースで3/26につけた急落前の戻り高値(38027円)を更新。パターン分析では4月前半の安値を先端に「スパイクボトム(V字)」を確認した。
きょうは5日ぶりの下落となったものの200日移動平均線上を保った。短期的な下押し場面も想定されるが、意外高の想定も必要になってくる。
上値メドは、心理的節目の38500円や39000円、2/13高値(39581円)、心理的節目の4万円、1/24高値(40279円)などがある。下値メドは、200日移動平均線、5日移動平均線(37407円 同)、10日移動平均線(37033円 同)、心理的節目の36500円や36000円、25日移動平均線(35191円 同)などがある。
(14日終値:15日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=146.57円(14日15時時点比▲0.50円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.00円(▲0.50円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1189ドル(△0.0003ドル)
FTSE100種総合株価指数:8585.01(前営業日比▲17.91)
ドイツ株式指数(DAX):23527.01(前営業日比▲111.55)
10年物英国債利回り:4.713%(△0.043%)
10年物独国債利回り:2.699%(△0.019%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月独消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) 0.4% 0.4%
(前年同月比) 2.1% 2.1%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。韓国政府当局者はこの日、「同国の企画財政省次官が米財務省のロバート・カプロス次官補と5日に会談し、ウォン相場について協議した」と明らかにした。米韓高官が為替について協議したと伝わったことを受けて、関税政策に関連して米国が日本の通貨安に是正を求める可能性が意識されると円買い・ドル売りが優勢となった。18時30分過ぎに一時145.61円と日通し安値を更新した。
ただ、一目均衡表転換線が位置する145.51円がサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いも相場を下支えした。「米政府は貿易交渉の一部としてドル安を模索してはいない」との一部報道が伝わるとドルを買い戻すが動きが広がり、1時30分過ぎには147.11円付近まで持ち直した。
・ユーロドルは頭が重かった。欧州勢がドル売りで参入したほか、ドル円の下落をきっかけに対ユーロでもドル安が進行。19時前に一時1.1266ドルと日通し高値を更新した。
ただ、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出ると徐々に上値が重くなった。「米当局者は世界各国と貿易交渉を行っているが、その一部に通貨政策の約束を盛り込もうとはしていない」との一部報道を手掛かりにドル買い戻しが加速すると、一時1.1176ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円はさえない。「米韓政府高官は今月5日に為替について協議した」との報道が伝わると、日米交渉での円安是正議論への思惑につながり、全般円買いが優勢となった。23時過ぎに一時163.74円と本日安値を付けた。また、ポンド円は194.25円、豪ドル円は94.19円、NZドル円は86.53円、カナダドル円は104.49円まで値を下げた。
ただ、「米政府は貿易交渉の一部としてドル安を模索せず」との報道が伝わると、ドル円の持ち直しとともにユーロ円も164.43円付近まで下げ渋った。
・ロンドン株式相場は続落。足もとで相場上昇が続いたあとだけに利益確定目的の売りが出やすかった。アストラゼネカやヘイリオンなど医薬品株が売られたほか、コンパス・グループやパーシモンなど一般消費財サービスが値下がりした。
・フランクフルト株式相場は5日ぶりに反落。米中の貿易協議が進展するとの期待から買いが継続し、前日には史上最高値を更新した。ただ、本日は利食い売りなどが優勢となったため、反落した。個別ではバイエル(10.39%安)やキアゲン(2.62%安)、ザランド(2.11%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
(14日終値:15日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=146.57円(14日15時時点比▲0.50円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.00円(▲0.50円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1189ドル(△0.0003ドル)
FTSE100種総合株価指数:8585.01(前営業日比▲17.91)
ドイツ株式指数(DAX):23527.01(前営業日比▲111.55)
10年物英国債利回り:4.713%(△0.043%)
10年物独国債利回り:2.699%(△0.019%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月独消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) 0.4% 0.4%
(前年同月比) 2.1% 2.1%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。韓国政府当局者はこの日、「同国の企画財政省次官が米財務省のロバート・カプロス次官補と5日に会談し、ウォン相場について協議した」と明らかにした。米韓高官が為替について協議したと伝わったことを受けて、関税政策に関連して米国が日本の通貨安に是正を求める可能性が意識されると円買い・ドル売りが優勢となった。18時30分過ぎに一時145.61円と日通し安値を更新した。
ただ、一目均衡表転換線が位置する145.51円がサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いも相場を下支えした。「米政府は貿易交渉の一部としてドル安を模索してはいない」との一部報道が伝わるとドルを買い戻すが動きが広がり、1時30分過ぎには147.11円付近まで持ち直した。
・ユーロドルは頭が重かった。欧州勢がドル売りで参入したほか、ドル円の下落をきっかけに対ユーロでもドル安が進行。19時前に一時1.1266ドルと日通し高値を更新した。
ただ、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出ると徐々に上値が重くなった。「米当局者は世界各国と貿易交渉を行っているが、その一部に通貨政策の約束を盛り込もうとはしていない」との一部報道を手掛かりにドル買い戻しが加速すると、一時1.1176ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円はさえない。「米韓政府高官は今月5日に為替について協議した」との報道が伝わると、日米交渉での円安是正議論への思惑につながり、全般円買いが優勢となった。23時過ぎに一時163.74円と本日安値を付けた。また、ポンド円は194.25円、豪ドル円は94.19円、NZドル円は86.53円、カナダドル円は104.49円まで値を下げた。
ただ、「米政府は貿易交渉の一部としてドル安を模索せず」との報道が伝わると、ドル円の持ち直しとともにユーロ円も164.43円付近まで下げ渋った。
・ロンドン株式相場は続落。足もとで相場上昇が続いたあとだけに利益確定目的の売りが出やすかった。アストラゼネカやヘイリオンなど医薬品株が売られたほか、コンパス・グループやパーシモンなど一般消費財サービスが値下がりした。
・フランクフルト株式相場は5日ぶりに反落。米中の貿易協議が進展するとの期待から買いが継続し、前日には史上最高値を更新した。ただ、本日は利食い売りなどが優勢となったため、反落した。個別ではバイエル(10.39%安)やキアゲン(2.62%安)、ザランド(2.11%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
14日の日経平均は5日ぶり反落。終値は55円安の38128円。まちまちの米国株を受けて小高く始まり、一時上げ幅を3桁に広げたものの、早々に失速してマイナス転換。半導体株を中心に大型グロース株は強かった一方、それ以外の多くの銘柄は弱く、しばらく下値模索が続いた。300円超下げて37800円台に入ったところで売りは一巡。後場に入って13時を過ぎた辺りからは下げ幅を縮めた。終盤には前日終値近辺まで値を戻す場面もあり、38000円を上回って取引を終了。TOPIXは14日ぶりに反落した。
東証プライムの売買代金は概算で5兆4400億円。業種別では銀行、証券・商品先物、鉱業などが上昇した一方、輸送用機器、医薬品、精密機器などが下落した。決算と併せて株主還元方針の変更や中期経営計画を発表したグンゼ<3002.T>が後場に買いを集めてストップ高。半面、今期の大幅減収減益計画を提示した西武ホールディングス<9024.T>が、後場に入って急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり570/値下がり1033。米半導体株の大幅高を手がかりに、ディスコ、アドバンテスト、レーザーテックなどが人気化。決算を材料に前日は大きく売られたフジクラに見直し買いが入った。前期は大幅最終黒字となったソフトバンクGが3.9%高。決算と併せて自己株取得・消却を発表した丸井Gや三越伊勢丹が買いを集めた。12時に決算を発表したソニーGは、前引け時点では3%を超える下落であったが、後場は一転して買いが入り、3%を超える上昇で取引を終えた。
一方、トヨタなど自動車株が軒並み安。ドル円が円高に振れたことが嫌気された上に、SUBARUやホンダなどは自身の決算も売り材料となった。川崎重工や三菱重工など防衛関連の一角が軟調。カバー、メイコー、メニコンなどが決算を受けて急落した。MSCIの構成銘柄から除外されたエプソンや安川電機が下落。サンリオは採用が決まったものの、自身の決算が市場の期待に届かず下落した。
日経平均は5日ぶりに反落。ただ、後場には値を戻しており、引け味は悪くなかった。一時300円超下げたものの、安値(37851円)でも5日線(37677円、14日時点)は割り込んでいない。全市場の売買代金トップとなったディスコ<6146.T>は、全体が下を試した際にも崩れるどころか上げ幅を広げており、11.1%高と急騰した。米国では4月に15000pを割り込んだナスダックが、きのう13日には19000p台を回復しており、グロース株に流れがきている。きょうは半導体株が買われても全体への好影響は限られたが、強い動きが継続するようなら日経平均は上昇しやすくなるだろう。
(14日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.75円(前営業日比▲0.73円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.99円(▲0.97円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1175ドル(▲0.0010ドル)
ダウ工業株30種平均:42051.06ドル(▲89.37ドル)
ナスダック総合株価指数:19146.81(△136.73)
10年物米国債利回り:4.54%(△0.07%)
WTI原油先物6月限:1バレル=63.15ドル(▲0.52ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3188.3ドル(▲59.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) 1.1% 11.0%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続落。米韓高官が為替について協議したとの報道を受けて、日米貿易交渉での円安是正議論への思惑が高まる中、欧州市場では一時145.61円まで下落した。
ただ、NY市場では下値の堅さが目立った。一目均衡表転換線が位置する145.51円がサポートとして意識されたほか、米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが出て相場を下支えした。「米政府は貿易交渉の一部としてドル安を模索してはいない」との一部報道が伝わるとドルを買い戻すが動きが広がり、1時30分過ぎには147.11円付近まで値を戻した。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは4.5443%前後と4月11日以来約1カ月ぶりの高水準を付けた。
・ユーロドルは小反落。欧州市場では一時1.1266ドルと日通し高値を付けたものの、NY市場では米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出たため軟調に推移した。「米当局者は世界各国と貿易交渉を行っているが、その一部に通貨政策の約束を盛り込もうとはしていない」との一部報道を手掛かりにドル買いが活発化すると、5時過ぎに一時1.1165ドルと日通し安値を更新した。
なお、ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長は「最近のインフレ指標は2%目標に向けて継続的に進展している」との認識を示した一方、「米関税措置が物価を押し上げる可能性があり、見通しは不透明」との見方を示した。
・ユーロ円は3日ぶりに反落。「米韓政府高官は今月5日に為替について協議した」との報道が伝わると、日米交渉での円安是正議論への思惑につながり、全般円買いが優勢となった。23時過ぎに一時163.74円と本日安値を付けた。
ただ、「米国は各国との関税交渉でドル安を模索していない」との報道が伝わると、ドル円の持ち直しとともにユーロ円も164.43円付近まで下げ渋った。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。投資判断が引き下げられたメルクを始め、アムジェンやスリーエム、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどが売られ、相場の重しとなった。半面、半導体やハイテク株の一角が買われ、相場を下支えした。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6日続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。新規材料に乏しい中、米政権の関税措置によるインフレ再燃への懸念が債券売りにつながった。ジェファーソンFRB副議長は「関税引き上げは今年のインフレ率上昇につながる可能性」などと発言した。なお、利回りは一時4.5443%前後と4月11日以来約1カ月ぶりの高水準を付けた。
・原油先物相場は5日ぶりに小幅な反落。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫(5/9時点)で原油在庫が+345.4万バレル(前週 -203.2万バレル)と積み増しに転じた。発表直後の反応は鈍かったが原油相場は重く推移。ただ、原油受け渡し地点オクラホマ州クッシングの在庫は-106.9万バレル (前週 -74.0万バレル)と取り崩しが続き、ガソリン在庫は-102.2万バレル(前週 +18.8万バレル)と取り崩しへ転じるなど内容は様々。原油相場に強い方向感は出なかった。
・金先物相場は大幅に反落。米中貿易戦争回避の見方へ傾くなか、市場のリスクセンチメント改善を受けて安全資産である金への買いが強まりにくかった。金利上昇もあって、金利がつかない資産である金の相対的な投資妙味低下が重しに。ドル高で、ドル建て金相場に割高感が生じたいことも売り材料となり4月10日以来、1カ月ぶり以上となる安値をつけた。
(14日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.75円(前営業日比▲0.73円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.99円(▲0.97円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1175ドル(▲0.0010ドル)
ダウ工業株30種平均:42051.06ドル(▲89.37ドル)
ナスダック総合株価指数:19146.81(△136.73)
10年物米国債利回り:4.54%(△0.07%)
WTI原油先物6月限:1バレル=63.15ドル(▲0.52ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3188.3ドル(▲59.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) 1.1% 11.0%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続落。米韓高官が為替について協議したとの報道を受けて、日米貿易交渉での円安是正議論への思惑が高まる中、欧州市場では一時145.61円まで下落した。
ただ、NY市場では下値の堅さが目立った。一目均衡表転換線が位置する145.51円がサポートとして意識されたほか、米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが出て相場を下支えした。「米政府は貿易交渉の一部としてドル安を模索してはいない」との一部報道が伝わるとドルを買い戻すが動きが広がり、1時30分過ぎには147.11円付近まで値を戻した。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは4.5443%前後と4月11日以来約1カ月ぶりの高水準を付けた。
・ユーロドルは小反落。欧州市場では一時1.1266ドルと日通し高値を付けたものの、NY市場では米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出たため軟調に推移した。「米当局者は世界各国と貿易交渉を行っているが、その一部に通貨政策の約束を盛り込もうとはしていない」との一部報道を手掛かりにドル買いが活発化すると、5時過ぎに一時1.1165ドルと日通し安値を更新した。
なお、ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長は「最近のインフレ指標は2%目標に向けて継続的に進展している」との認識を示した一方、「米関税措置が物価を押し上げる可能性があり、見通しは不透明」との見方を示した。
・ユーロ円は3日ぶりに反落。「米韓政府高官は今月5日に為替について協議した」との報道が伝わると、日米交渉での円安是正議論への思惑につながり、全般円買いが優勢となった。23時過ぎに一時163.74円と本日安値を付けた。
ただ、「米国は各国との関税交渉でドル安を模索していない」との報道が伝わると、ドル円の持ち直しとともにユーロ円も164.43円付近まで下げ渋った。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。投資判断が引き下げられたメルクを始め、アムジェンやスリーエム、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどが売られ、相場の重しとなった。半面、半導体やハイテク株の一角が買われ、相場を下支えした。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6日続伸した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。新規材料に乏しい中、米政権の関税措置によるインフレ再燃への懸念が債券売りにつながった。ジェファーソンFRB副議長は「関税引き上げは今年のインフレ率上昇につながる可能性」などと発言した。なお、利回りは一時4.5443%前後と4月11日以来約1カ月ぶりの高水準を付けた。
・原油先物相場は5日ぶりに小幅な反落。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫(5/9時点)で原油在庫が+345.4万バレル(前週 -203.2万バレル)と積み増しに転じた。発表直後の反応は鈍かったが原油相場は重く推移。ただ、原油受け渡し地点オクラホマ州クッシングの在庫は-106.9万バレル (前週 -74.0万バレル)と取り崩しが続き、ガソリン在庫は-102.2万バレル(前週 +18.8万バレル)と取り崩しへ転じるなど内容は様々。原油相場に強い方向感は出なかった。
・金先物相場は大幅に反落。米中貿易戦争回避の見方へ傾くなか、市場のリスクセンチメント改善を受けて安全資産である金への買いが強まりにくかった。金利上昇もあって、金利がつかない資産である金の相対的な投資妙味低下が重しに。ドル高で、ドル建て金相場に割高感が生じたいことも売り材料となり4月10日以来、1カ月ぶり以上となる安値をつけた。
一部通信社が報じたところによると、「世界各国で貿易協定の交渉を進めている米国当局者は、協定に通貨政策の公約を盛り込む作業を行っていない」ようだ。
14日10:18 トランプ米大統領
「我々は中国の門戸開放に努めている」
「対中関係は非常に良好」
14日17:18
「私はイランと合意したい」
「イランがテロ支援をやめ、核兵器を保有しないことが条件」
「私は平和で繁栄した中東を望んでいる」
「シリア新政権との関係正常化を模索中」
「対シリア制裁を解除するつもり」
15日04:07
「ベッセント米財務長官とラトニック米商務長官は素晴らしい」
「ベッセント氏がテレビに出るとすべてが上がる」
「ベッセント氏は市場を理解している」
「(カタール首長に対して)我々を頼りにしてほしい」
「イラン情勢について協力してほしい」
「カタールの支援に報いる」
14日15:59 マン英MPC(金融政策委員会)委員
「英国の労働市場が予想以上に底堅く推移している」
「家計のインフレ期待が上昇していることに強い懸念」
14日17:14 独経済省
「今年後半もインフレ率が2%前後で推移する見通し」
「年内に再び経済が弱含む可能性は否定できない」
「輸出主導型の製造業分野では、企業の業況見通しが依然として厳しい状況が続いている」
14日17:22 シムシェキ・トルコ財務相
「米国との関係が改善しており大きな成長余地がある」
「経済構造改革プログラムは順調に進んでいる」
「インフレは想定通りの軌道にある」
14日17:26 ナーゲル独連銀総裁
「2%のインフレ目標に到達する十分な確率がある」
「依然として不確実性が高いことから、過度な楽観視には注意が必要」
14日18:04
「今後数年でユーロは準備通貨としての役割を強めるだろう」
「米ドルが依然として世界金融システムにとって非常に重要」
「米国との為替協議が行われたことを確認」
14日22:12 ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長
「関税引き上げは今年のインフレ率上昇につながる可能性」
「2025年の成長率予測は引き下げたものの、依然として景気拡大を予測」
「政府の政策効果はしばらく不透明になる可能性が高い」
「インフレ率が今年上昇するかどうかは不透明」
「FRBの責務の両面におけるリスクの増大を認識」
「FRBの政策はタイムリーに対応できる態勢」
14日23:13 米ホワイトハウス
「カタールはボーイング160機の購入に同意」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース、2週分)
<海外>
○06:40 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○10:30 ◎ 4月豪雇用統計(予想:失業率4.1%/新規雇用者数2.25万人)
○15:00 ◇ 4月独卸売物価指数(WPI)
○15:00 ☆ 3月英国内総生産(GDP、予想:前月比横ばい)
○15:00 ☆ 1-3月期英GDP速報値(予想:前期比0.6%/前年比1.2%)
○15:00 ◎ 3月英鉱工業生産(予想:前月比▲0.5%/前年比▲0.8%)
○15:00 ◎ 3月英製造業生産高(予想:前月比▲0.7%)
○15:00 ◇ 3月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:190.00億ポンドの赤字/19.50億ポンドの赤字)
○15:00 ◎ 1-3月期ノルウェーGDP
○15:30 ◇ 4月スイス生産者輸入価格
○15:45 ◇ 4月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.5%/前年比0.8%)
○16:00 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:00 ☆ 1-3月期ユーロ圏GDP改定値(予想:前期比0.4%/前年比1.2%)
○18:00 ◎ 3月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比2.0%/前年比2.5%)
○19:15 ◎ デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○21:00 ◎ 3月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比▲0.7%)
○21:15 ◇ 4月カナダ住宅着工件数(予想:22.62万件)
○21:30 ◇ 3月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲1.9%)
○21:30 ◇ 3月カナダ卸売売上高(予想:前月比▲0.3%)
○21:30 ◎ 4月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比2.5%)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比3.1%)
○21:30 ☆ 4月米小売売上高(予想:前月比横ばい/自動車を除く前月比0.3%)
○21:30 ◎ 5月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:▲8.0)
○21:30 ◎ 5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:▲11.2)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.8万件/189.0万人)
○21:40 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、講演
○22:15 ◎ 4月米鉱工業生産(予想:前月比0.1%)
◇ 設備稼働率(予想:77.8%)
○23:00 ◎ ディングラ英中銀MPC委員、講演
○23:00 ◇ 3月米企業在庫(予想:前月比0.2%)
○23:00 ◎ 5月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:40)
○16日03:05 ◎ バーFRB理事、あいさつ
○16日04:00 ◎ メキシコ中銀、政策金利発表(予想:8.50%に引き下げ)
〇NATO非公式外相会合(トルコ、最終日)
〇ウクライナとロシアが直接協議(トルコ)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
14日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、欧州市場でつけた145.61円を下値に一時147.11円付近まで買い戻された。「米政府は貿易交渉の一部としてドル安を模索してはいない」との報道を受けてドル買い戻しが強まった。ユーロドルは、欧州市場の高値1.1266ドルから1.1165ドルまで下落した。ユーロ円は欧州市場の安値163.74円から164.43円付近まで下げ渋った。
本日の東京外国為替市場のドル円は、来週の日米財務相会談での為替協議への警戒感から上値が重い展開が予想される。
昨日は、「米韓政府高官は今月5日に為替について協議した」との報道を受けて韓国ウォンが対ドルで急騰し、ドル円は145.61円まで下落した。5月5日には「米国と台湾が為替協議をした」との噂から台湾ドルが対ドルで急騰し、ドル円も143.54円まで下落した。
加藤財務相は、来週20-22日にカナダで開催されるG-7財務相・中央銀行総裁会議で、日米財務相会談をセッティングして、ベッセント米財務長官と為替協議を行う、と述べている。
先月開催された日米財務相会談では、為替に関する協議はなかった、とのことだが、新聞報道では、ベッセント財務長官が「ドル安・円高が望ましい」と述べ、トランプ米大統領の意向に沿って為替水準への強い懸念を表明した模様、と報じられた。加藤財務相と三村財務官は新聞報道を否定したものの、ベッセント米財務長官は「加藤財務相との会談は建設的であり、為替協議も継続していきたい」と述べていた。
関係者によると、トランプ政権の経済チームで為替問題への対応を担っているのはベッセント財務長官ただ1人で、貿易相手国・地域との通貨政策の協議を他の政権高官に委ねることはしていない。為替問題はベッセント氏が出席する場でのみ交渉される、とのことである。来週の日米財務相会談では、加藤財務相がベッセント米財務長官と為替協議を示唆していることで、今後の関連ヘッドラインに警戒しておきたい。
10時30分に発表される4月豪雇用統計では、失業率は予想4.1%で3月から変わらず、新規雇用者数は+2.25万人で3月+3.22万人から減少が見込み。なお、昨日発表された1-3月期豪賃金指数は前期比0.9%の上昇だった。
先週までは、5月19-20日の豪準備銀行(RBA)理事会での0.25%の利下げが織り込まれ、年内には5-6回の利下げが見込まれていたが、先週末に米中貿易合意が締結されたことで、現時点では2-3回程度に留まっている。
RBA理事会議事要旨(3月31-4月1日開催分)では、「5月の会合はインフレや賃金、労働市場、経済活動の動向に関する追加データ、最新の経済予測、そして世界貿易政策の今後の展開に関する追加情報を得た上で、金融政策設定を見直す適切なタイミング」と言及されていた。
この「世界貿易政策の今後の展開に関する追加情報」である米中貿易合意を受けて、豪準備銀行は、本日の4月雇用統計などに集中できることになった。
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 37640 -500 (-1.31%)
TOPIX先物 2727.5 -34.0 (-1.23%)
シカゴ日経平均先物 37720 -420
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
14日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。米長期金利が約1カ月ぶりの高水準をつける場面があり、持ち高調整の売りが優勢だった。投資判断の引き下げが伝わったメルク<MRK>の下げが目立ったほか、アムジェン<AMGN>、スリーエム<MMM>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>などが売られ、相場の重荷になった。半面、サウジアラビアの政府系ファンドの傘下企業にAI(人工知能)向け画像処理半導体(GPU)を提供すると13日に発表したエヌビディア<NVDA>は、この日も上昇するなどハイテク株の一角への買いが相場を支えた。
S&P500業種別指数は、自動車・同部品、半導体・同製造装置、メディアが上昇。医薬品・バイオテクノロジー、耐久消費財・アパレル、保険の下げが目立った。NYダウ構成銘柄ではエヌビディアのほか、ウォルトディズニー<DIS>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>、マクロソフト<MSFT>が買われた。なお、取引終了後に決算を発表したシスコシステムズ<CSCO>は、予想を上回る見通しが好感され、時間外取引で上昇している。
シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比420円安の3万7720円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比30円高の3万8170円で始まった。直後につけた3万8200円を高値にショートが優勢となり、米国市場の取引開始時には節目の3万8000円を割り込んだ。その後も下げ幅を広げ、3万7600円まで売られる場面もみられた。終盤にかけては3万7640円~3万7740円辺りで保ち合い、3万7640円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。ただし、200日移動平均線(3万7560円)水準まで下げてきたことで、過熱を冷ます調整としては一巡感が出てきそうだ。上向きで推移するボリンジャーバンドの+1σ(3万7170円)と+2σ(3万8840円)によるレンジ内で推移しており、押し目待ち狙いのロングが入りやすいだろう。
決算発表は本日で一巡する。明日以降は積極的な売買を手控えていた国内機関投資家も動きやすくなるため、足もとの調整局面ではロングに向かわせそうだ。そのため、200日線を挟んだオプション権利行使価格の3万7250円から3万8250円のレンジを想定する。
14日の米VIX指数は18.62(13日は18.22)に上昇した。ただし、判断の分かれ目となる20.00のほか、200日線(19.69)を下回っての推移を継続している。3月26日につけた16.97が射程に入るなかで、リスク選好に傾きそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.81倍に上昇。75日線(13.80倍)を突破し、一時13.86倍まで切り上がってきた。上向きで推移する+2σ(13.79倍)と+3σ(13.87倍)に沿ったトレンドが意識されている。75日線突破でいったんはNTロングを巻き戻す動きもあろうが、米国市場ではエヌビディアなどハイテク株が買われており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の底堅い値動きが日経平均型を支えよう。膠着感が強まる局面では、ヘッジを考慮したNTロングでのスプレッド狙いが入りやすいとみられる。
東京市場は軟調か。米国株はまちまち。ダウ平均が下落した一方、S&P500とナスダックは上昇した。ダウ平均は89ドル安の42051ドルで取引を終えた。前日に続いてエヌビディアやAMDなど半導体株には買いが入ったが、他の業態には売られるものも多く、ダウ平均やS&P500は上値が重かった。ドル円は足元146円60銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて420円安の37720円、ドル建てが375円安の37765円で取引を終えた。
きのうの日経平均は半導体株にかなり強い動きが見られたものの、下落で終えた。円高が嫌気されたと思われるが、ドル円はきのうの取引時間中と比べて一段と円高に振れており、日本株にはネガティブな影響が及ぶと予想する。CME225先物は大幅な下振れスタートを示唆しており、きょうは半導体株もきのうほど買われるような流れにはならないかもしれない。4月中旬以降の上昇に対する利益確定の売りに押され、下押し圧力の強い地合いが続くだろう。日経平均の予想レンジは37600円-37900円。
日経225先物は11時30分時点、前日比430円安の3万7710円(-1.12%)前後で推移。寄り付きは3万7680円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7720円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。現物の寄り付き直後には3万7880円まで下げ幅を縮める場面もあったが、為替市場ではドル円が1ドル=146円台前半と円高に振れて推移するなか、持ち高調整の動きが優勢だった。終盤にかけては3万7660円まで下げている。
日経225先物はナイトセッションで一時3万7600円まで売られる場面もみられたが、200日移動平均線(3万7560円)が支持線として意識されている。下値の堅さがみられるなか、200日線までの下げで調整一巡との見方に向かうようだと、短期的なリバウンドを狙ったロングが入りやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で13.78倍に低下。前日の上昇で75日線(13.80倍)を上抜けてきたことで、リバランスの動きとみられる。ボリンジャーバンドの+2σ(13.80倍)を下回ったことも、NTロングを巻き戻す動きに向かわせたようだ。ただし、トレンドは上向きで推移しているため、押し目ではNTロングでのスプレッド狙いに向かわせよう。
昨日は欧州時間入り際、147円台前半でのもみ合いが続いていたドル円がいきなり急落。12日の安値145.70円を下抜けて一時145.61円まで売り込まれたわけですが、韓国企画財政省報道官が「5日に米財務次官補とウォン相場について協議した」と発言したことがきっかけ。前日には加藤財務相が「来週のG7で米国と為替議論する予定」との見解を示していただけに、先月のG20前同様に「ドル安誘導」への思惑が台頭した模様。
ただ、NY時間に入って「米政府は貿易交渉の一部としてドル安を模索しておらず、貿易協定に通貨政策の公約などを盛込む作業は行っていない」との関係筋の話が伝わると、結局、行って来いとなって慌ただしい1日を終えています。市場はまさに、先月のG20時での「為替議論」騒動を再現してしまったわけですが、何度もお伝えしている通り、G7で為替議論があるのは当然の話であって、特別な議題ではなく、かかる議論というのは2017年5月のコミットメント
「為替レートは市場において決定されること、そして為替市場における行動に関して緊密に協議することという我々の既存の為替相場のコミットメントを再確認する。我々は、我々の財政・金融政策が、国内の手段を用いてそれぞれの国内目的を達成することに向けられてきていること、今後もそうしていくこと、そして我々は競争力のために為替レートを目標にはしないことを再確認する。我々は、全ての国が通貨の競争的な切下げを回避することの重要性を強調する。我々は、為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得ることを再確認する」であることは明らか。
いずれにしても、ドル円はアジアでは日経平均の異様な弱さにつれて戻り売りとなっていますが、昨日の海外市場では「一目転換線を前にした整合性を伴う買い場を与えた」に過ぎないわけで、この後は4.5%を超えて上昇している米10年債利回りなどを慎重に見極めていくことになりそうです。
「英国と進歩的な貿易合意に達することができ、うれしく思う。この協定で、米国の輸出品の市場アクセスが数十億ドル拡大する。特に農業分野は、米国の牛肉、エタノールなど、優れた米国農家が生産するほぼすべての製品のアクセスが、劇的に拡大する」(トランプ米大統領)
5月8日、トランプ米大統領とスターマー英首相は、電話会談で、関税を巡る交渉で「画期的な合意」に到達した。米国の追加関税措置を受けた貿易相手国・地域と、米国との一連の関税交渉の中で、最初の合意案件となった。
米国が英国から輸入する自動車と鉄鋼に対する関税を引き下げ、双方が農業市場へのアクセスを改善することなどで合意した。
しかし、内容は、第1次トランプ米政権で目指した(第1次)米英自由貿易協定に劣る米英自由貿易協定となった。トランプ関税は、米国の貿易赤字の削減を目論んだものだが、英国との貿易収支は黒字であり、米英貿易協定は玉虫色に染められている。
英国は、最大の貿易相手国である米国との関係において、従来よりも経済的に不利な立場に置かれる可能性が高くなっており、スターマー英首相にとっては、野党勢力などから攻撃材料にされる恐れがある。
1. 米英貿易協定
■自動車関税:27.5%⇒10%
米国が英国から輸入する年間10万台の乗用車への関税は、2.5%の関税分と25%の追加関税分を合わせた27.5%から、10%に下がる。
一方、メキシコやカナダ、その他ほとんどの国からの輸入には25%の関税が課されている。
※米自動車政策評議会(AAPC)の批判
米国部品をほとんど含まない英国車の方が、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)に準拠し半分が米国製部品で構成されるメキシコやカナダからの車両よりも安く輸入できるようになるため、米国の自動車メーカー、部品供給業者、自動車労働者に損害を与える、と批判している。
■鉄鋼・アルミニウムの関税:25%⇒ゼロ
■牛肉などの農産物:米英両国が互いに関税を引き下げる。
■相互関税:今後も交渉を続けるとしている。
2.米国と英国の貿易不均衡
【対英貿易黒字】 【対日貿易赤字】 【米国の貿易赤字】
・2024年:150億ドル ▲642億ドル ▲9178億ドル
・2023年:144億ドル ▲661億ドル ▲7848億ドル
・2022年:193億ドル ▲689億ドル ▲9447億ドル
・2021年:98億ドル ▲554億ドル ▲8415億ドル
・2020年:148億ドル ▲504億ドル ▲6539億ドル
新規雇用者数増減
2025/04 +8.90万人
2025/03 +3.64万人 (前月発表値 +3.22万人)
失業率
2025/04 4.1%
2025/03 4.1% (前月発表値 4.1%)
常勤雇用者数
2025/04 +5.95万人
2025/03 +1.22万人 (前月発表値 +1.50万人)
非常勤雇用者数
2025/04 +2.95万人
2025/03 +2.42万人 (前月発表値 +1.72万人)
労働参加率
2025/04 67.1%
2025/03 66.8% (前月発表値 66.8%)
本日のロンドン為替市場では、序盤は英国の経済指標を受けたポンド相場が中心の動きか。ユーロについては、欧州金融当局者の講演や3月ユーロ圏鉱工業生産で上下する場面があるかもしれない。また、トルコで予定されているウクライナとロシアの協議内容にも目を向けておきたい。
英国からは、1-3月期や3月の国内総生産(GDP)速報値や3月鉱工業生産が発表予定。(評価は分かれるものの)英米貿易協定が結ばれたことで、英経済に対する悲観的な見方は後退しつつある。本日のデータに対する予測はまちまちだが、前回から上振れ予想の1-3月期GDP(前期比)のプラス幅や、下振れ見込みの3月鉱工業生産のマイナス幅がポイントとなりそうだ。
ポンド相場では、対ユーロの動きに注目。今週に入りユーロポンドは4月初旬以来の安値を更新したものの、0.84ポンド手前では下げ止まっている。0.8410ポンド台には90日移動平均線が位置し、0.8390ポンド付近には200日移動平均線も控えており、長期線を巡る攻防が暫く続きそうだ。
ユーロ圏からも1-3月期GDPが発表されるがこちらは改定値であり、相場インパクトは弱いだろう。3月鉱工業生産については、前月比・前年比ともに2%台の上昇が見込まれている。ほか、欧州中央銀行(ECB)のチポローネ専務理事とデギンドス副総裁が講演予定。前者は、これまでのスタンス通りにハト派を維持しそうだ。どちらかというとハト派と捉えられる後者の発言内容を確かめたい。
トルコのイスタンブールで開催予定のウクライナとロシアの協議には、最初に言い出したプーチン露大統領は欠席するもよう。後ろ盾となることを期待されたトランプ米大統領も不参加が報じられた。和平の向けての進展はそれほど望めない状況で、両者の要求内容がまずは注目となる。なお、ゼレンスキー・ウクライナ大統領はトルコに向かっているが、イスタンブールではなく首都アンカラとされている。
想定レンジ上限
・ユーロドル、昨日高値1.1266ドル
・ポンドドル、昨日高値1.3360ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、ピボット・サポート2の1.1101ドル
・ポンドドル、12日安値1.3140ドル
ドル円:1ドル=145.98円(前営業日NY終値比▲0.77円)
ユーロ円:1ユーロ=163.40円(▲0.59円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1193ドル(△0.0018ドル)
日経平均株価:37755.51円(前営業日比▲372.62円)
東証株価指数(TOPIX):2738.96(▲24.33)
債券先物6月物:139.18円(▲0.28円)
新発10年物国債利回り:1.475%(△0.025%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
1兆9232億円の取得超 5412億円の処分超
対内株式
4390億円の取得超 9680億円の取得超
対外対内証券売買契約等の状況(前々週)
対外中長期債
5412億円の処分超 4384億円の取得超・改
対内株式
9680億円の取得超 2808億円の取得超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。日経平均株価が軟調推移となったこともあり、リスク回避目的の売りに押された。来週に開催見込みの日米財務相会談で円安是正が議論されるとの思惑も相場の重しとして意識され、一時145.72円まで値を下げた。
・ユーロ円はさえない。ドル円や日本株の下落につれて円買い・ユーロ売りが進んだ。昨日安値の163.74円を下抜けて、一時163.34円まで売りに押される場面があった。
・ユーロドルは小高い。対円などでドル売りが進んだ影響もあり、1.1214ドルまでやや値を上げた。
・日経平均株価は続落。外国為替市場で円高が進んだことに伴い、海外短期筋などからの売りが観測された株価指数先物主導で下げ幅を拡大した。円高を手掛かりに自動車株が軒並み安となるなか、利益確定目的の売りなども重なり、指数は一時500円近く下落した。
・債券先物相場は反落。昨日の米国債券相場が下落し、本日の国内債にも売りが波及した。日経平均株価が下落したことで安全資産としての債券需要が意識され、いったんは買い戻しが入る場面もあったが、5年債入札が「弱め」の結果に終わると再び売りが出た。
ドル円:1ドル=145.98円(前営業日NY終値比▲0.77円)
ユーロ円:1ユーロ=163.40円(▲0.59円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1193ドル(△0.0018ドル)
日経平均株価:37755.51円(前営業日比▲372.62円)
東証株価指数(TOPIX):2738.96(▲24.33)
債券先物6月物:139.18円(▲0.28円)
新発10年物国債利回り:1.475%(△0.025%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
1兆9232億円の取得超 5412億円の処分超
対内株式
4390億円の取得超 9680億円の取得超
対外対内証券売買契約等の状況(前々週)
対外中長期債
5412億円の処分超 4384億円の取得超・改
対内株式
9680億円の取得超 2808億円の取得超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。日経平均株価が軟調推移となったこともあり、リスク回避目的の売りに押された。来週に開催見込みの日米財務相会談で円安是正が議論されるとの思惑も相場の重しとして意識され、一時145.72円まで値を下げた。
・ユーロ円はさえない。ドル円や日本株の下落につれて円買い・ユーロ売りが進んだ。昨日安値の163.74円を下抜けて、一時163.34円まで売りに押される場面があった。
・ユーロドルは小高い。対円などでドル売りが進んだ影響もあり、1.1214ドルまでやや値を上げた。
・日経平均株価は続落。外国為替市場で円高が進んだことに伴い、海外短期筋などからの売りが観測された株価指数先物主導で下げ幅を拡大した。円高を手掛かりに自動車株が軒並み安となるなか、利益確定目的の売りなども重なり、指数は一時500円近く下落した。
・債券先物相場は反落。昨日の米国債券相場が下落し、本日の国内債にも売りが波及した。日経平均株価が下落したことで安全資産としての債券需要が意識され、いったんは買い戻しが入る場面もあったが、5年債入札が「弱め」の結果に終わると再び売りが出た。
米中が互いに課した相互関税の大幅な引き下げで合意した後、中国から米国向けのコンテナ輸送予約が急増している。米貨物追跡サービスのビジョンによると、14日までの1週間の20フィート標準コンテナの平均予約数は2万1530個に達し、前週の5709個の3.77倍に達した。『信報』が15日伝えた。
また、ドイツの物流会社ハパックロイドは、今週前半の米中間の輸送予約が前週比で50%増えたと明らかにし、今後さらなる増加を見込むとしている。
米国は4月以降、各国からの輸入品に対して相互関税を上乗せし、中国製品には最大145%の関税を課していた。これを受けて米輸入業者による発注が急減していたが、12日に米中両国が90日間の関税引き下げで合意したと発表したことを受け、米国の輸入貿易が再び動き始めた。
中国人民銀行(中央銀行)が14日発表した金融統計によると、2025年1-4月の社会融資総量は16兆3400億元で、前年同期比3兆6100億元増えた。1-3月の社会融資総量(15兆1800億元)を差し引くと4月は1兆1600億元となり、市場予想(1兆2180億元)から下振れした。1-4月の社会融資総量のうち、実体経済向けの人民元建て貸付は9兆7800億元で、前年同月比3397億元増えた。
社会融資総量は実体経済が一定期間に金融システムから得た資金額を指し、流動性の目安とされている。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、足元で日銀の追加利上げ期待が再燃しつつあるものの、日本の長期金利(10年国債利回り)の上昇は限定的になると考えている。16日発表の1-3月期実質GDP成長率は4半期ぶりにマイナス成長が見込まれるだけに、日銀の利上げは仮にあったとしても年内1回と考えている。日銀の継続利上げに賭けた長期金利上昇の持続性は疑問視されるとみており、長期金利は当面1.2~1.6%を中心としたレンジ取引が続くと予想している。
大阪6月限
日経225先物 37710 -430 (-1.12%)
TOPIX先物 2733.0 -28.5 (-1.03%)
日経225先物(6月限)は前日比430円安の3万7710円で取引を終了。寄り付きは3万7680円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7720円)にサヤ寄せする形で売りが先行した。現物の寄り付き直後には3万7880円まで下げ幅を縮める場面もあったが、為替市場で円相場が一時1ドル=145円台と円高に振れて推移するなか、持ち高調整の動きが優勢だった。
前場終盤にかけて下げ幅を広げ、現物の後場の取引開始時には3万7640円まで売られた。ただし、下へのバイアスは強まらず、中盤に3万7840円まで持ち直し、終盤にかけては3万7720円~3万7820円辺りで保ち合いを継続。
日経225先物は続落したものの、200日移動平均線(3万7560円)が支持線として意識されていた。下値の堅さがみられるなか、同線が支持線として機能してくるようだと、調整一巡との見方につながりそうである。ただし、トヨタ自動車<7203.T>[東証P]など輸出関連株の弱い値動きが目立っており、ショートが入っているとみられる。
為替市場では、米国と韓国が為替政策を協議したことを受け、日本に対しても円安是正観測が高まったことがショートに向かわせていた。来週に加藤勝信財務相とベッセント米財務長官との会談が予定されており、無難に通過するかを見極めたいところでもあろう。
日経225先物は200日線での底堅さを見極める形になるが、一方で週足では52週線(3万7870円)を下回ってきており、26週線(3万7640円)辺りで攻防をみせている。週末の終値で26週線を明確に割り込んでくると、両線が抵抗線として意識されてくる可能性がある。一方で、26週、52週線を明確に上回ってくると、ショートカバーを誘う形となるだろう。決算発表がピークを通過したことで、国内の機関投資家は動きやすくなると考えられる。
5月第2週(5月7日-9日)の投資部門別売買動向では、海外投資家が現物、先物合算で4週連続の買い越しだった。海外投資家の買い戻しが継続するなか、短期的な調整局面では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で13.79倍に低下。前日の上昇で75日線(13.80倍)を上抜けてきたことで、リバランスの動きとみられる。ボリンジャーバンドの+2σ(13.80倍)を下回ったことも、NTロングの巻き戻しを誘ったようだ。ただし、トレンドは上向きで推移しているため、+2σを挟んだ+1σ(13.71倍)と+3σ(13.89倍)辺りでのレンジを想定、押し目ではNTロングでのスプレッド狙いとなりそうだ。
手口面(6月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3001枚、ソシエテジェネラル証券が8888枚、サスケハナ・ホンコンが3307枚、バークレイズ証券が1907枚、JPモルガン証券が1502枚、SBI証券が1449枚、野村証券が1433枚、ドイツ証券が1342枚、モルガンMUFG証券が1256枚、みずほ証券が964枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万5572枚、ソシエテジェネラル証券が1万4218枚、バークレイズ証券が5349枚、JPモルガン証券が3864枚、ゴールドマン証券が3216枚、モルガンMUFG証券が2591枚、シティグループ証券が1775枚、サスケハナ・ホンコンが1684枚、ビーオブエー証券が1471枚、野村証券が827枚だった。
来週に日米財務相協議を控えるなか円安是正への警戒感が再燃し、ドル円の重い動きが続いている。トランプ米政権がアジア諸国を中心に対米貿易黒字国への為替是正を求めるのではないかとの懸念が根強いなか、昨日は「米国と韓国が5月初めに為替政策について協議を実施」したことが明らかになり、円買い圧力が高まっている。
ドル円に売り圧力が強いなか、本日はNYタイムで4月米卸売物価指数(PPI)や4月米小売売上高など複数の注目指標の発表が予定されている。ドル円はいったん日足一目均衡表・転換線(本日 145.51円)近辺で下げ渋っているが、結果次第ではドル円が下げ基調を加速させる可能性がある。PPIと小売売上高は低調な内容になると見込まれているが、予想以上に弱い結果となれば、米景気減速への警戒感が強まりそうだ。米中合意で市場の悲観的見方は緩んだが、トランプ米政権の関税策は成長の減速、インフレの上昇につながると消費者や企業の警戒感は強い。
なお、NYタイムではパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長やバーFRB理事らに発言機会があり、その内容にも注目したい。トランプ米大統領による利下げ要請のトーンが強まっているなか、パウエルFRB議長が追加利下げに慎重な姿勢を改めて示すかどうかに注目。
本日もトランプ米大統領の「インドは米国に関税ゼロの取引を提案した」との発言が伝わったが、市場の反応は鈍い。成果をアピールしようとしているが、市場は冷静で関税の不確実性への警戒感は根強い。また、トランプ氏の発言の信憑性が低く、市場は半信半疑の目線で見ている。前日も同氏の「中国は完全に市場を開放した」との発言が伝わっているが、そんな話を誰も信用しないだろう。トランプ大統領は関税方針を簡単に諦めることはないと想定され、関税をめぐる不確実性が続く限り市場のリスクオンムードが一気に高まることは望めないか。
・想定レンジ上限
ドル円、本日これまでの高値146.75円や昨日NYタイムでの戻り高値147.11円近辺が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、本日これまでの安値145.49円や9日の安値144.83円が下値めど。
今晩は上値の重い展開か。昨日はコミュニケーション、IT株などが上昇した一方、ヘルスケア株が大幅に続落したほか、素材、不動産、エネルギーなども下落。S&P500採用の503銘柄は148銘柄が上昇し、352銘柄が下落した。ナスダック総合が0.72%高と6営業日続伸し、S&P500も0.10%高と小幅ながら3日続伸した一方、ダウ平均は89.37ドル安(-0.21%)と2日続落した。
今晩の取引では貿易問題での米中の緊張緩和や、ハイテク株のモメンタムが復活したことが支援となることが期待される一方、ナスダック総合が6日続伸したことや、足もとで米10年債利回りが上昇していることなどで上値の重い展開か。経済指標では寄り前に新規失業保険申請件数や4月生産者物価指数(PPI)が発表予定で、足もとの労働市場や物価動向、それを受けた米10年債利回りの動向が焦点となりそうだ。消費動向を巡っては、寄り前に発表されるウォルマートの決算やガイダンスにも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは新規失業保険申請件数、4月生産者物価指数(PPI)のほか、5月NY連銀製造業業況指数、5月フィラデルフィア連銀業況指数、4月鉱工業生産、5月NAHB住宅市場指数など。企業決算は寄り前にディア、ウォルマート、引け後にアプライド・マテリアルズ、テイクツー・インタラクティブが発表予定。
日経平均株価は続落。売り先行となったが下値は限定的となり、100日移動平均線(37593円 5/15)付近を意識して底堅い展開となった。
RSI(9日)は前日の95.7%→82.0%(5/15)に低下。あすも上昇のハードルは高くなるが、短期的な相場の見方に変化はない。4/7安値(30792円)を起点とした目先波動は上昇継続の判断となる。終値ベースで3/26につけた急落前の戻り高値(38027円)を更新したことで、パターン分析では4月前半の安値を先端に「スパイクボトム(V字)」を確認した。短期的な下押しは想定内としながらも、意外高の想定も必要になってくる。
足元は伸び悩む格好となっているが、短期の10日移動平均線(37225円 同)上を維持しており、ドテン売りシグナルの発生はみられない。
上値メドは、心理的節目の38500円や39000円、2/13高値(39581円)、心理的節目の4万円、1/24高値(40279円)などがある。下値メドは、100日移動平均線、10日移動平均線、75日移動平均線(37038円 同)、心理的節目の36500円や36000円、25日移動平均線(35456円 同)などがある。
(15日終値:16日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.75円(15日15時時点比▲0.23円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.82円(▲0.58円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1171ドル(▲0.0022ドル)
FTSE100種総合株価指数:8633.75(前営業日比△48.74)
ドイツ株式指数(DAX):23695.59(前営業日比△168.58)
10年物英国債利回り:4.660%(▲0.053%)
10年物独国債利回り:2.622%(▲0.077%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月独卸売物価指数(WPI)
(前月比) ▲0.1% ▲0.2%
3月英国内総生産(GDP)
(前月比) 0.2% 0.5%
1-3月期英GDP速報値
(前期比) 0.7% 0.1%
(前年同期比) 1.3% 1.5%
3月英鉱工業生産
(前月比) ▲0.7% 1.7%・改
(前年同月比) ▲0.7% 0.4%・改
3月英製造業生産指数
(前月比) ▲0.8% 2.4%・改
3月英商品貿易収支
198.69億ポンドの赤字 209.64億ポンドの赤字・改
3月英貿易収支
36.96億ポンドの赤字 48.56億ポンドの赤字・改
4月仏消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) 0.6% 0.5%
(前年同月比) 0.8% 0.8%
1-3月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値
(前期比) 0.3% 0.4%
(前年比) 1.2% 1.2%
3月ユーロ圏鉱工業生産
(前月比) 2.6% 1.1%
(前年比) 3.6% 1.0%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は一進一退。欧州勢が本格参入すると円買い・ドル売りが進行。前日の安値145.61円を下抜けると目先のストップロスを巻き込みながら一時145.49円まで値を下げた。来週予定されている日米貿易交渉での円安是正議論への思惑も相場の重し。なお、米関税措置を巡る3回目の日米交渉に向けて、赤沢経済再生相は来週後半にも訪米する方向で調整していると伝わった。
NY市場に入ると、売買が交錯した。5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や4月米小売売上高が予想を上回ると一時146.25円付近まで値を上げたものの、すぐに失速。4月米卸売物価指数(PPI)が予想より弱い結果となり、米長期金利が低下したことが相場の重し。23時過ぎに一時145.42円と日通し安値を更新した。
ただ、一目均衡表転換線が位置する145.51円がサポートとして意識されると146円台前半まで持ち直すなど、相場は大きな方向感が出なかった。
・ユーロドルは頭が重かった。市場の関心が高い米関税政策に関する目新しい材料が出ていないこともあり、しばらくは狭い範囲でのもみ合いが続いた。NY市場に入ると、4月米PPIや4月米鉱工業生産が予想より弱い内容だったことが伝わり一時1.1224ドル付近まで値を上げたものの、日本時間夕刻に付けた日通し高値1.1228ドルが目先レジスタンスとして働くと失速した。2時30分過ぎには一時1.1170ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は軟調。日米交渉での円安是正議論への思惑から円買い・ユーロ売りが先行。安く始まった米国株相場が持ち直したことも支えにならず、ユーロドルのさえない動きが相場の重しにとなった。1時30分前に一時162.75円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反発し、4月1日以来約1カ月半ぶりの高値で取引を終えた。売り先行で始まったものの、1-3月期英GDP速報値が予想を上回ったことなどが好感されると徐々に買い戻しが優勢となり上げに転じた。ナショナル・グリッドやSSEなど公共事業株が買われたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は反発し、史上最高値を更新した。続落して始まったものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。個別ではラインメタル(5.65%高)やバイエル(3.13%高)、シーメンス・エナジー(2.92%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
(15日終値:16日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.75円(15日15時時点比▲0.23円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.82円(▲0.58円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1171ドル(▲0.0022ドル)
FTSE100種総合株価指数:8633.75(前営業日比△48.74)
ドイツ株式指数(DAX):23695.59(前営業日比△168.58)
10年物英国債利回り:4.660%(▲0.053%)
10年物独国債利回り:2.622%(▲0.077%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月独卸売物価指数(WPI)
(前月比) ▲0.1% ▲0.2%
3月英国内総生産(GDP)
(前月比) 0.2% 0.5%
1-3月期英GDP速報値
(前期比) 0.7% 0.1%
(前年同期比) 1.3% 1.5%
3月英鉱工業生産
(前月比) ▲0.7% 1.7%・改
(前年同月比) ▲0.7% 0.4%・改
3月英製造業生産指数
(前月比) ▲0.8% 2.4%・改
3月英商品貿易収支
198.69億ポンドの赤字 209.64億ポンドの赤字・改
3月英貿易収支
36.96億ポンドの赤字 48.56億ポンドの赤字・改
4月仏消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) 0.6% 0.5%
(前年同月比) 0.8% 0.8%
1-3月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値
(前期比) 0.3% 0.4%
(前年比) 1.2% 1.2%
3月ユーロ圏鉱工業生産
(前月比) 2.6% 1.1%
(前年比) 3.6% 1.0%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は一進一退。欧州勢が本格参入すると円買い・ドル売りが進行。前日の安値145.61円を下抜けると目先のストップロスを巻き込みながら一時145.49円まで値を下げた。来週予定されている日米貿易交渉での円安是正議論への思惑も相場の重し。なお、米関税措置を巡る3回目の日米交渉に向けて、赤沢経済再生相は来週後半にも訪米する方向で調整していると伝わった。
NY市場に入ると、売買が交錯した。5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や4月米小売売上高が予想を上回ると一時146.25円付近まで値を上げたものの、すぐに失速。4月米卸売物価指数(PPI)が予想より弱い結果となり、米長期金利が低下したことが相場の重し。23時過ぎに一時145.42円と日通し安値を更新した。
ただ、一目均衡表転換線が位置する145.51円がサポートとして意識されると146円台前半まで持ち直すなど、相場は大きな方向感が出なかった。
・ユーロドルは頭が重かった。市場の関心が高い米関税政策に関する目新しい材料が出ていないこともあり、しばらくは狭い範囲でのもみ合いが続いた。NY市場に入ると、4月米PPIや4月米鉱工業生産が予想より弱い内容だったことが伝わり一時1.1224ドル付近まで値を上げたものの、日本時間夕刻に付けた日通し高値1.1228ドルが目先レジスタンスとして働くと失速した。2時30分過ぎには一時1.1170ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は軟調。日米交渉での円安是正議論への思惑から円買い・ユーロ売りが先行。安く始まった米国株相場が持ち直したことも支えにならず、ユーロドルのさえない動きが相場の重しにとなった。1時30分前に一時162.75円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反発し、4月1日以来約1カ月半ぶりの高値で取引を終えた。売り先行で始まったものの、1-3月期英GDP速報値が予想を上回ったことなどが好感されると徐々に買い戻しが優勢となり上げに転じた。ナショナル・グリッドやSSEなど公共事業株が買われたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は反発し、史上最高値を更新した。続落して始まったものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。個別ではラインメタル(5.65%高)やバイエル(3.13%高)、シーメンス・エナジー(2.92%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
15日の日経平均は大幅続落。終値は372円安の37755円。米国株はまちまちも円高進行を嫌気して、寄り付きから300円近い下落。主力大型株が弱く、前場では安く始まった後も下押し圧力の強い地合いが続いた。後場のスタート直後に500円近く下げたところで売り圧力は和らいだ。しかし、下げ止まっても戻りは緩慢。300円を超える下落で取引を終えた。大型株が嫌われた一方で、新興銘柄には資金が向かった。グロース250指数は小幅安スタートから早々にプラス転換すると、後場に入って上げ幅を拡大。1%を超える上昇となり、高値圏で終了した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆7700億円。業種別では海運、繊維、陸運などが上昇した一方、輸送用機器、その他製品、証券・商品先物などが下落した。1Q決算や自己株取得の発表が好感されたマネジメントソリューションズ<7033.T>が後場急騰。ストップ高まで買われる場面もあった。半面、アシックス<7936.T>は1Qが前年同期比で大幅増益となったものの、好感した買いは一時的にとどまり、発表後に下げ幅を拡大。8%を超える下落となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり489/値下がり1098。商船三井、日本郵船、川崎汽船の海運大手3社がそろって上昇。すかいらーく、力の源、パンパシHDなど小売株に決算で強く買われるものが散見された。1:3の株式分割を発表したスクエニHDが2.4%高。グロース銘柄の注目度が高まる中、決算を材料にRettyやSynspectiveがストップ高となった。
一方、円高進行を受けて、トヨタ、ホンダ、日産自など自動車株が軒並み大幅安。フジクラ、ソニーG、リクルートなどグロース系の銘柄が弱かった。三井住友は決算を受けて前日と同値からスタートしたものの、次第に下方向に勢いがつき、3%を超える下落。1Qが大幅最終赤字となった楽天Gが急落した。今期の減益見通しが嫌気されたシンクロフードはストップ安となった。
日経平均は大幅安。後場は下げ幅拡大とはならなかったものの、きのうのように大きく戻すことはできなかった。円高くらいしか売り材料がない割には値幅を伴った下げとなっており、楽観ムードが急速に冷え込んでいる。グロース250指数が強いだけにリスクオフではないが、今週で決算発表がほぼ一巡するだけに、大型株を敬遠して中小型株にシフトする動きはこれまで以上に強まるかもしれない。
本日の米国では4月の小売売上高や生産者物価指数(PPI)など注目度の高い指標を消化する。米長期金利やドル円にも大きな動きが出てくる可能性がある。15日16時時点でドル円は145円60銭近辺で推移している。現状では円高に振れてしまうと日本株は買いづらくなるだけに、145円割れを回避できるかに注目したい。
(15日終値)
ドル・円相場:1ドル=145.67円(前営業日比▲1.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.97円(▲1.02円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1187ドル(△0.0012ドル)
ダウ工業株30種平均:42322.75ドル(△271.69ドル)
ナスダック総合株価指数:19112.32(▲34.49)
10年物米国債利回り:4.43%(▲0.11%)
WTI原油先物6月限:1バレル=61.62ドル(▲1.53ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3226.6ドル(△38.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月米卸売物価指数(PPI)
(前月比) ▲0.5% 0.0%・改
(前年比) 2.4% 3.4%
食品とエネルギーを除くコア指数
(前月比) ▲0.4% 0.4%・改
(前年比) 3.1% 4.0%・改
4月米小売売上高
(前月比) 0.1% 1.7%・改
(除く自動車) 0.1% 0.8%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日続落。5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や4月米小売売上高が予想を上回ると一時146.25円付近まで値を上げたものの、戻りは鈍かった。4月米卸売物価指数(PPI)が予想より弱い結果となり、米長期金利が低下したことがドル売りを誘った。23時過ぎに一時145.42円と日通し安値を更新した。来週予定されている日米貿易交渉での円安是正議論への思惑も相場の重し。
なお、米関税措置を巡る3回目の日米交渉に向けて、赤沢経済再生相は来週後半にも訪米する方向で調整していると伝わった。
一目均衡表転換線が位置する145.51円がサポートとして意識されると146円台前半まで下げ渋る場面もあったが、引けにかけては145円台半ばまで再び押し戻された。
・ユーロドルは小反発。4月米PPIや4月米鉱工業生産が予想より弱い内容だったことが伝わり一時1.1224ドル付近まで値を上げたものの、日本時間夕刻に付けた日通し高値1.1228ドルが目先レジスタンスとして働くと失速。2時30分過ぎには一時1.1170ドルと日通し安値を更新した。ただ、米金利低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ったため、下押しは限定的だった。
・ユーロ円は続落。日米交渉での円安是正議論への思惑から円買い・ユーロ売りが出たほか、ユーロドルのさえない動きが相場の重しとなった。1時30分前には162.75円と日通し安値を更新した。
・メキシコペソは軟調。ドルペソは一時19.5183ペソ、ペソ円は7.46円までペソ安に振れた。WTI原油先物価格が一時4%超下落したことを背景に産油国通貨とされるメキシコの通貨ペソに売りが出た。
なお、メキシコ中銀はこの日、市場予想通り政策金利を現行の9.00%から8.50%へ引き下げることを決めたと発表。声明では「今後も金融政策のスタンスを継続し、同様の規模の調整を検討する可能性がある」「物価環境は利下げサイクル継続を許容」と指摘し、追加利下げの可能性を示唆した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発。米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が薄れたことが相場の支援材料となった。なお、不正行為の疑いで米当局の捜査対象になっていると報じられたユナイテッドヘルス・グループは11%近く急落し、1銘柄でダウ平均を184ドルほど押し下げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は7日ぶりに反落。足もとで相場上昇が続いたあとだけに利益確定目的の売りなどが出た。
・米国債券相場で長期ゾーンは大幅反発。4月米PPIが予想より弱い内容となったことを受け、債券買いが優勢となった。
・原油先物相場は続落。米・イラン核合意へとの観測が中東の緊張緩和を意識させ、同地域からの原油供給が活発化するとの期待を高めた。原油の需給改善を想定した売りが入った。
・金先物相場は反発。前日の大幅反落に続き、本日も時間外取引で3123.3ドルまで下値を広げる動きになった。しかし4月10日以来の安値水準から折り返した。米金利低下が、金利の付かない資産である金の投資妙味改善を意識させた。ドル軟化もドル建て金相場の換算値押し上げに寄与。ドル安は、ドルの代替資産とされる側面もある金の相対的な価値を高める方向にも作用し、金の支援材料となった。
(15日終値)
ドル・円相場:1ドル=145.67円(前営業日比▲1.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.97円(▲1.02円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1187ドル(△0.0012ドル)
ダウ工業株30種平均:42322.75ドル(△271.69ドル)
ナスダック総合株価指数:19112.32(▲34.49)
10年物米国債利回り:4.43%(▲0.11%)
WTI原油先物6月限:1バレル=61.62ドル(▲1.53ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3226.6ドル(△38.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月米卸売物価指数(PPI)
(前月比) ▲0.5% 0.0%・改
(前年比) 2.4% 3.4%
食品とエネルギーを除くコア指数
(前月比) ▲0.4% 0.4%・改
(前年比) 3.1% 4.0%・改
4月米小売売上高
(前月比) 0.1% 1.7%・改
(除く自動車) 0.1% 0.8%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日続落。5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や4月米小売売上高が予想を上回ると一時146.25円付近まで値を上げたものの、戻りは鈍かった。4月米卸売物価指数(PPI)が予想より弱い結果となり、米長期金利が低下したことがドル売りを誘った。23時過ぎに一時145.42円と日通し安値を更新した。来週予定されている日米貿易交渉での円安是正議論への思惑も相場の重し。
なお、米関税措置を巡る3回目の日米交渉に向けて、赤沢経済再生相は来週後半にも訪米する方向で調整していると伝わった。
一目均衡表転換線が位置する145.51円がサポートとして意識されると146円台前半まで下げ渋る場面もあったが、引けにかけては145円台半ばまで再び押し戻された。
・ユーロドルは小反発。4月米PPIや4月米鉱工業生産が予想より弱い内容だったことが伝わり一時1.1224ドル付近まで値を上げたものの、日本時間夕刻に付けた日通し高値1.1228ドルが目先レジスタンスとして働くと失速。2時30分過ぎには一時1.1170ドルと日通し安値を更新した。ただ、米金利低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ったため、下押しは限定的だった。
・ユーロ円は続落。日米交渉での円安是正議論への思惑から円買い・ユーロ売りが出たほか、ユーロドルのさえない動きが相場の重しとなった。1時30分前には162.75円と日通し安値を更新した。
・メキシコペソは軟調。ドルペソは一時19.5183ペソ、ペソ円は7.46円までペソ安に振れた。WTI原油先物価格が一時4%超下落したことを背景に産油国通貨とされるメキシコの通貨ペソに売りが出た。
なお、メキシコ中銀はこの日、市場予想通り政策金利を現行の9.00%から8.50%へ引き下げることを決めたと発表。声明では「今後も金融政策のスタンスを継続し、同様の規模の調整を検討する可能性がある」「物価環境は利下げサイクル継続を許容」と指摘し、追加利下げの可能性を示唆した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発。米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が薄れたことが相場の支援材料となった。なお、不正行為の疑いで米当局の捜査対象になっていると報じられたユナイテッドヘルス・グループは11%近く急落し、1銘柄でダウ平均を184ドルほど押し下げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は7日ぶりに反落。足もとで相場上昇が続いたあとだけに利益確定目的の売りなどが出た。
・米国債券相場で長期ゾーンは大幅反発。4月米PPIが予想より弱い内容となったことを受け、債券買いが優勢となった。
・原油先物相場は続落。米・イラン核合意へとの観測が中東の緊張緩和を意識させ、同地域からの原油供給が活発化するとの期待を高めた。原油の需給改善を想定した売りが入った。
・金先物相場は反発。前日の大幅反落に続き、本日も時間外取引で3123.3ドルまで下値を広げる動きになった。しかし4月10日以来の安値水準から折り返した。米金利低下が、金利の付かない資産である金の投資妙味改善を意識させた。ドル軟化もドル建て金相場の換算値押し上げに寄与。ドル安は、ドルの代替資産とされる側面もある金の相対的な価値を高める方向にも作用し、金の支援材料となった。
15日12:13 台湾財政部長
「米国との協議で為替には触れず」
15日16:09 トランプ米大統領
「インドは米国に関税ゼロの取引を提案した」
15日16:23 ベッセント米財務長官
「今後90日間で、我々(米国と中国)は多くのことを成し遂げることができる」
16日04:00 メキシコ中銀声明
「インフレ率は2026年第3四半期に目標の3%に収束すると予測」
「今後、同様の規模の調整を行う可能性」
「メキシコ経済は2025年第1四半期に弱さを示した」
「物価環境は利下げサイクル継続を許容」
「不確実性と貿易摩擦は経済の下振れリスクを示唆」
「貿易摩擦は重大な下振れリスク」
「CPI予測は短期的に上方修正」
「インフレリスクは引き続き上向き」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ☆ 1-3月期実質国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比▲0.1%/前期比年率▲0.3%)
○13:00 ◇ 中村豊明日銀審議委員、講演
○13:30 ◇ 3月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 3月設備稼働率
<海外>
○15:30 ◇ 1-3月期スイス鉱工業生産
○17:30 ◎ 1-3月期香港域内総生産(GDP)確定値(予想:前期比2.0%/前年比3.1%)
○18:00 ◇ 3月ユーロ圏貿易収支
○21:30 ◇ 3月対カナダ証券投資
○21:30 ◎ 4月米住宅着工件数(予想:136.5万件、前月比3.1%)
◎ 建設許可件数(予想:145.0万件、前月比▲1.2%)
○21:30 ◇ 4月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.3%)
○23:00 ◎ 5月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:53.4)
○24:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、ロンバルデリ英中銀(BOE)副総裁、講演
○17日01:00 ☆ 1-3月期ロシア国内総生産(GDP)速報値(予想:前年比1.7%)
○17日01:00 ◎ 4月ロシア消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.5%)
○17日05:00 ◎ 3月対米証券投資動向
○18日 ポルトガル総選挙
○18日 ポーランド大統領選
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、予想を上回った5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や4月米小売売上高を受けて146.25円付近まで上昇した後、弱い4月米卸売物価指数(PPI)で米長期金利が低下したことで145.42円まで反落した。ユーロドルは1.1224ドル付近から1.1170ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、1-3月期実質国内総生産(GDP)速報値が予想通りにマイナス成長だった場合は、日銀のハト派的据え置きが裏付けられることで下げ渋る展開が予想される。しかしながら、ドル円の上値は、来週の日米財務相会談での為替協議や第3回日米通商交渉への警戒感から限定的ではないか。
昨日発表された米4月卸売物価指数(PPI)は、前月比-0.5%だった。月末に発表される米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターに反映されるPPI項目も低迷していたことで、4月のインフレ鈍化による米連邦公開市場委員会(FOMC)への影響に注目することになる。
8時50分に発表される1-3月期GDP速報値は、前期比-0.1%、前期比年率-0.3%と予想されており、4四半期ぶりにマイナス成長に陥った可能性が見込まれている。背景には、個人消費の低迷や前期に成長を牽引した外需が押し下げ方向、すなわち輸入の反動増が見込まれている。
植田日銀総裁は5月1日のハト派的据え置きを決定した日銀金融政策決定会合の後の記者会見で「海外経済・物価を巡る不確実性は極めて高い」と指摘した。そして、2%の物価安定目標の実現時期を1年程度先送りし、2025年度の実質GDP見通しを1.1%から0.5%に引き下げた。さらに、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の中核である基本的見解から、日銀の利上げ路線の旗印だった「賃金と物価の好循環」という文言が消滅した。
4-6月期は内需が力強さを欠き、輸出や国内生産の減少が成長を下押しすることが警戒されている。2四半期連続でのマイナス成長によるリセッション(景気後退)入りへの可能性が高まった場合、日銀は利上げではなく、利下げを余儀なくされる可能性に警戒しておきたい。
本日は植田日銀総裁が9時30分から衆院財務金融委員会に出席し、13時から最もハト派と見なされている中村日銀審議委員の講演が予定されている。来月の任期満了を控えて、最後の日銀金融政策決定会合でハト派的据え置きが決定されたことに対する総括が予想される中、利下げに言及する可能性には警戒しておきたい。
来週20-22日にカナダで開催されるG-7財務相・中央銀行総裁会議にあわせて予定されている日米財務相会談では、加藤財務相は、ベッセント米財務長官と為替協議を行うと述べている。また、赤沢経済再生相は、22日に渡米して、ベッセント米財務長官と第3回日米通商交渉を行う予定だが、自動車関税の撤廃に向けて、米国で生産された日本ブランド車の逆輸入案を提案すると報じられている。
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 37800 +90 (+0.23%)
TOPIX先物 2748.0 +15.0 (+0.54%)
シカゴ日経平均先物 37755 +45
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
15日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。4月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.5%低下となり、市場予想(0.2%上昇)に反して落ち込んだ。食品とエネルギーを除くベースでは、2015年以来の大幅な低下だった。この結果を受けて利下げ観測が強まり、米長期金利の低下が材料視された。
S&P500業種別指数は、電気通信サービス、食品・飲料・タバコ、家庭用品・パーソナル用品が上昇した半面、自動車・同部品、小売、メディアが下げた。NYダウ構成銘柄では、前日に予想を上回る決算を発表したシスコシステムズ<CSCO>の上昇率が4%を超えたほか、アムジェン<AMGN>、コカ・コーラ<KO>、IBM<IBM>、トラベラーズ<TRV>が買われた。一方で、米当局が不正の疑いで捜査をしているとの報道を受けてユナイテッドヘルス・グループ<UNH>が大幅に下落したほか、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、ウォルトディズニー<DIS>、ウォルマート<WMT>が売られた。
シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比45円高の3万7755円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比30円安の3万7680円で始まった。直後につけた3万7590円を安値に持ち直しており、3万7640円~3万7750円辺りでの保ち合いを継続し、中盤にかけて3万7840円まで買われた。終盤にかけて軟化する場面もあったが、3万7800円とプラス圏でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションの開始直後に3万7590円まで下げたが、200日移動平均線(3万7550円)が支持線として機能している。上向きで推移するボリンジャーバンドの+1σ(3万7350円)と+2σ(3万9010円)とのレンジ内での推移を継続しており、200日線近辺では押し目待ち狙いのロングが入りやすいだろう。
週足では26週線(3万7650円)が支持線として意識されやすく、+1σと52週線が位置する3万7870円辺りでは強弱感が対立しそうである。ただし、3万7870円処を明確に上回ってくるようだと、ショートカバーを誘う動きが強まる展開が期待されよう。来週以降、+1σと+2σ(3万9330円)とのレンジに移行する可能性も出てきそうだ。
決算発表がピークを通過したことで、積極的な売買を手控えていた国内機関投資家においても動きやすくなるため、足もとの調整局面ではロングに向かわせよう。そのため、オプション権利行使価格の3万7625円から3万8375円でのレンジを想定する。
15日の米VIX指数は17.83(14日は18.62)に低下した。判断の分かれ目となる20.00のほか、200日線(19.59)を下回っての推移を継続している。3月26日につけた16.97を射程に入れるなかで、リスク選好に向かわせそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.79倍に低下。前日の上昇で75日線(13.80倍)を上抜けてきたことで、リバランスの動きが入ったとみられる。ボリンジャーバンドの+2σ(13.80倍)を下回ったことも、NTロングを巻き戻す形になったようだ。ただし、+2σを挟んだ+1σ(13.71倍)と+3σ(13.89倍)辺りでのレンジを想定し、+1σに接近する局面では、その後のリバウンドを狙ったNTロングでのスプレッド狙いに向かわせよう。
東京市場は小動きか。米国株はまちまち。ダウ平均とS&P500が上昇した一方、ナスダックは下落した。ダウ平均は271ドル高の42322ドルで取引を終えた。4月の生産者物価指数(PPI)が市場予想を下回り、10年債利回りが低下したことで株式には資金が向かった。ただ、直近で買われていたグロース株は利益確定売りに押されており、ナスダックは小幅ながら下落した。ドル円は足元145円50銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて45円高の37755円、ドル建てが100円高の37810円で取引を終えた。
まちまちの米国株を受けて、日本株は方向感に欠ける展開を予想する。ダウ平均が3日ぶりに反発した点は相場を下支えするとみる。米10年債利回りが低下してもドル円が大きくドル安(円高)に振れなかった点は安心材料。ただ、日経平均は連日で下落して、きのうは372円安(37755円)とやや大きめの下げとなったことから、上値追いには慎重となるだろう。場中は強気にも弱気にも傾きづらい中、前日終値近辺での一進一退が続くと予想する。日経平均の予想レンジは37550円-37950円。
中国製の太陽光パネルから情報が盗まれる。送電網カットのリスクも。
立憲・原口議員「政府はガラクタのオスプレイとかを買い込むんじゃなく、内なる安全保障をやっていただきたい」
5/16(金)16:46
「中国は今年までにソーラーパネルの世界のシェア95%。日本では大規模ソーラーがあちこちに出ており、今日も長崎の人と話をしたが、なんとそのソーラーの中にですね、不正通信が入っている。不正通信になるとどういうことになるかというと、我が国グリッドに繋がってる場合は送電網をカットされてしまう。もしくはそこから情報を盗まれてしまう。様々なことがあるわけで、政府は、ガラクタのオスプレイとかを買い込むんじゃなく、内なる安全保障をやっていただきたいと心から願う」
https://news.yahoo.co.jp/articles/21ae0c96576b065dd5c9bd0baa812306b67a0c2b
https://i.imgur.com/hmQAB4m.jpeg
日経225先物は11時30分時点、前日比60円安の3万7650円(-0.15%)前後で推移。寄り付きは3万7790円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7755円)を上回る形から、買い先行で始まった。直後につけた3万7820円を高値に軟化し、中盤にかけて3万7490円まで下落幅を広げる場面もあった。ただし、終盤にかけては押し目待ち狙いのロングがショートカバーを誘う流れとなり、下げ幅を縮めている。
東京エレクトロン<8035.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が下落したほか、為替市場では円相場が1ドル=145円台前半と円高に振れて推移していることが重荷になった。ただし、日経225先物は一時3万7490円まで下げたものの、その後は切り返しており、200日移動平均線(3万7550円)を上回って推移している。同水準のほかボリンジャーバンドの+1σ(3万7340円)が支持線として意識されやすい。
NT倍率は先物中心限月で13.78倍に低下。一時13.72倍に低下する場面もあったが、+1σ(13.72倍)まで下げた後に切り返す動きになった。+2σ(13.82倍)を中心とした+1σと+3σ(13.91倍)とのレンジが意識されるなか、押し目ではNTロングでのスプレッド狙いに向かわせている。
昨日のドル円は、NY時にこれでもかと言うほどまとめて公表された米経済指標に上下の反応となったわけですが、米10年債利回りが結局、10bpの低下となるにつれて戻りの鈍い動きとなりました。そしてアジア市場に入ってからは、昨日安値の145.42円を下抜けたところで目先のSLを付ける動きとなると下げ足を速め一時144.97円まで値を下げました。ただ、その後は一転して買戻しの動きとなっています。
台湾政府が「米国との貿易協議には為替は含まれていない」との発言が伝わっているわけですが、今月に入ってからの「為替議論」騒動のきっかけを作ったのも台湾ドルの暴騰。GW真っ只中の5日のアジア市場でのドル台湾ドルの暴落は尋常ではなく、ドル円に対しての売り圧力につながったのは記憶に新しいところです。そして、この為替議論騒動に更に油を注いだのが韓国の「5日に為替を協議」との発言。時間軸に整合性を与えることになっています。
ただ、実際には、恐らく、来週20‐22日のカナダG7でも行われる日米財務相会談しかり、G7自身の会議しかり、「為替誘導」なるフロート通貨としての資格を根本的に失うような議論が予定されているはずもなく、あくまでもこれまでのG7コミットメントに沿った為替議論が取り交わされるはず。
メインシナリオとしては、一連の貿易協議において、「為替事項が盛り込まれることはない」とのベースラインがあれば、市場で台頭する様々な思惑がいかに恣意的なものであるのかが分かるというもの。ドル円は週末のポジション調整を中心に、一目転換線の145.51円や50日MAの位置する146.13円などを意識した動きとなっていきそうです。
「トランプ政権の経済チームで為替問題への対応を担っているのはベッセント財務長官ただ1人で、貿易相手国・地域との通貨政策の協議を他の政権高官に委ねることはしていない。為替問題はベッセント氏が出席する場でのみ交渉される」(トランプ政権関係者)
1.アジアの監視リスト
2024年秋の為替報告書での監視リスト(Monitoring List)には、7カ国・地域(日本、中国、ドイツ、韓国、シンガポール、台湾、ベトナム)が入っている。
■対米貿易黒字国(2024年:1兆2117億ドル)
1位:中国 :2954億ドル
6位:台湾:739億ドル(相互関税:32%)
7位:日本:685億ドル(相互関税:24%)
8位:韓国:660億ドル(相互関税:25%)
2.台湾・韓国との通貨協定?
■台湾ドル(TWD)
対ドルで5月2日に約3%、5日に約5%急騰し、ドル円も143円台まで下落した。
背景には、台湾と米国との通商交渉で、ドル安・台湾ドル高の通貨協定「マールアラーゴ合意」が締結されたのではないか、すなわち、「米国との関税交渉で台湾当局が通貨切り上げに合意した」のではないかとの憶測が流れた。頼清徳・台湾総統は「台湾と米国の貿易赤字の原因は為替レートとは全く関係がなく、交渉で為替レート問題が取り上げられることは当然ない」と事態鎮静化に向けて緊急の声明を公表した。
楊金龍・台湾中銀総裁も「米国が台湾ドル高を要請した事実はない外国為替市場について無責任な投機を行わないよう厳粛に要請する」と否定している。
■韓国ウォン
5月14日、「米韓政府高官は今月5日に為替について協議した」との報道を受けて、対ドルで急騰し、ドル円も145円台まで下落した。
5月5日、企画財政部のチェ・ジヨン国際経済管理官(次官補)が、アジア開発銀行(ADB)年次総会が開かれたイタリアのミラノで、カプロス米財務次官補と、為替相場関連の実務交渉を進めた、と報じられている。米政府は「貿易不均衡を解消するために対ドルのウォン相場を切り上げるべき」という趣旨の主張をしたという。
3.為替報告書:「2015年貿易円滑化・貿易執行法」
2015年に、外国政府の為替政策に対する監視体制を強化するために成立した通商法である。米国財務省は、2016年から、「2015年貿易円滑化・貿易執行法」に依って、為替操作国認定のための数値基準を設定し、為替操作国に対する報復措置としての行動計画の策定等を義務付けた。為替操作国の認定を行うに当たり、3つの基準を満たした場合は、「為替操作国」と認定し、2つに抵触した場合、「監視対象国リスト」に認定している。
【為替操作国・監視対象国の判断基準】
1)財の対米貿易黒字:150億ドル以上
2)経常黒字額:対国内総生産(GDP)比3%以上
3)過去12カ月の外貨購入(介入):対GDP比2%以上
本日はユーロ圏から3月貿易収支が発表される程度であり、ロンドン市場でもユーロドルは、昨日ニューヨーク市場でも見られた米長期金利の動向に上下させられそうだ。なお欧州夕刻には、レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストの講演が予定されている。またトルコ・イスタンブールでは、延期されたウクライナとロシアの直接協議が始まる予定。
昨日は4月米卸売物価指数(PPI)の弱い結果を受けて、週明けから4.4%台に乗せて上昇基調を強めてきた米10年債利回りが大幅に低下。本日はNY前半に5月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)の発表を控えているため、もう暫く金利低下方向に調整が続いてもおかしくはない。そうなると、ユーロドルが強含む場面もありそうだ。
レーンECB専務理事の講演は、日本時間24時から開始予定。ECBのチーフ・エコノミストでもあり、利下げについて言及したとしても「データを見極めながら」という言葉は付いてくるだろう。もしインフレが目標を上回って定着するリスクを指摘するようであれば、流動性が薄くなる時間帯でユーロ相場が神経質に上下するかもしれない。
戦争中のウクライナとロシアは、それぞれ交渉団をイスタンブールに送り、予定より1日遅れで直接協議が行われるもよう。しかしながら、期待された両国トップ会談は実現せず、停戦に向けて大きな進展はそれほど望めないとの見方が広がっている。交渉決裂となれば、地政学リスクの高まりが意識されることになる。
なお18日には、ポルトガルで総選挙、ポーランドで大統領選が実施される。ポルトガルでは、中道右派連合が支持率でリードしているものの「過半数には届かず」との予想。いずれにせよ、政情不安は続くと見られている。ポーランドではどの候補も50%の得票率に届かず、上位2名による決選投票に進む可能性が高い。ただ、リベラル派(国会で多数派)の候補が優勢のもよう。結果は、欧州連合(EU)との関係性や対ウクライナ政策にも影響してきそうだ。
想定レンジ上限
・ユーロドル、14日高値1.1266ドルを超えると日足一目均衡表・基準線1.1319ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、14日安値1.1165ドルを割り込むと13日安値1.1085ドル
ドル円:1ドル=145.21円(前営業日NY終値比▲0.46円)
ユーロ円:1ユーロ=162.87円(▲0.10円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1215ドル(△0.0028ドル)
日経平均株価:37753.72円(前営業日比▲1.79円)
東証株価指数(TOPIX):2740.45(△1.49)
債券先物6月物:139.53円(△0.35円)
新発10年物国債利回り:1.450%(▲0.025%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1-3月期実質国内総生産(GDP)速報値
前期比 ▲0.2% 0.6%
前期比年率 ▲0.7% 2.4%・改
3月鉱工業生産・確報値
前月比 0.2% ▲1.1%
前年同月比 1.0% ▲0.3%
3月設備稼働率
前月比 ▲2.4% ▲1.1%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。昨日安値145.42円の下抜けを狙った仕掛け的な売りが先行。時間外の米10年債利回りが低下したことも嫌気され、一時144.97円まで値を下げた。145円割れでは押し目買いが入ったほか、台湾政府高官が「米国との貿易協議には、為替は含まれていない」と発言したことも支えに145.46円まで持ち直したが、戻りも限定的。その後は145円台前半での推移となった。
・ユーロドルは強含み。ドル円の下落や米長期金利の低下に伴ってユーロ買い・ドル売りが先行。一時1.1220ドルまでじり高となった。
・ユーロ円は下げ渋り。ドル円が下落した場面では162.46円まで下げたが、ユーロドルが底堅く推移したこともあり下値は限られた。
・日経平均株価は3日続落。昨日の米ハイテク株が下落した影響から半導体関連株に売りが広がった。外国為替市場での円高も重しに一時250円超下落した。ただ、下値では押し目買いが入り後場には上昇に転じる場面も見られた。
・債券先物相場は反発。昨日の米債券相場が上昇した影響から総じて底堅く推移し、一時139.55円まで値を上げた。
ドル円:1ドル=145.21円(前営業日NY終値比▲0.46円)
ユーロ円:1ユーロ=162.87円(▲0.10円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1215ドル(△0.0028ドル)
日経平均株価:37753.72円(前営業日比▲1.79円)
東証株価指数(TOPIX):2740.45(△1.49)
債券先物6月物:139.53円(△0.35円)
新発10年物国債利回り:1.450%(▲0.025%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1-3月期実質国内総生産(GDP)速報値
前期比 ▲0.2% 0.6%
前期比年率 ▲0.7% 2.4%・改
3月鉱工業生産・確報値
前月比 0.2% ▲1.1%
前年同月比 1.0% ▲0.3%
3月設備稼働率
前月比 ▲2.4% ▲1.1%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。昨日安値145.42円の下抜けを狙った仕掛け的な売りが先行。時間外の米10年債利回りが低下したことも嫌気され、一時144.97円まで値を下げた。145円割れでは押し目買いが入ったほか、台湾政府高官が「米国との貿易協議には、為替は含まれていない」と発言したことも支えに145.46円まで持ち直したが、戻りも限定的。その後は145円台前半での推移となった。
・ユーロドルは強含み。ドル円の下落や米長期金利の低下に伴ってユーロ買い・ドル売りが先行。一時1.1220ドルまでじり高となった。
・ユーロ円は下げ渋り。ドル円が下落した場面では162.46円まで下げたが、ユーロドルが底堅く推移したこともあり下値は限られた。
・日経平均株価は3日続落。昨日の米ハイテク株が下落した影響から半導体関連株に売りが広がった。外国為替市場での円高も重しに一時250円超下落した。ただ、下値では押し目買いが入り後場には上昇に転じる場面も見られた。
・債券先物相場は反発。昨日の米債券相場が上昇した影響から総じて底堅く推移し、一時139.55円まで値を上げた。
大和証券では、22日に各国のS&PグローバルPMIの5月速報値が発表されることに注目している。回答期間から8日の米英合意をフルに、かつ、12日の米中合意をほぼ反映した回答になるとみている。ドイツのZEW景気期待指数が急回復しており、PMIも改善する可能性があると大和では考えている。また、こうした統計の改善が各国に拡大していくことで、株価の支えにもなると考えている。
ロイター通信は16日、事情に詳しい関係者の話として、米商務省が事実上の禁輸リストである「エンティティーリスト」に中国企業を追加することを検討中だと伝えた。収載対象として、DRAM大手の長キン存儲技術(CXMT)などが挙がっているほか、すでにリスト入りしている半導体製造受託のSMIC(00981)、NAND型フラッシュメモリーの長江存儲科技(YMTC)の子会社も追加される可能性があるという。
英紙『フィナンシャル・タイムズ』によると、米商務省が同リストに入れる中国半導体メーカーを拡大する時期を見定めるのは難しくなっている。米国と中国が前週末、互いに課している高率の関税を90日間停止した上で、貿易協議の枠組みを設けることに合意したためだ。トランプ米政権の高官は先ごろ、エンティティーリストを使った輸出規制を実施すれば、進行中の米中協議に悪影響が及びかねないとの懸念を示した。
大阪6月限
日経225先物 37770 +60 (+0.15%)
TOPIX先物 2743.5 +10.5 (+0.38%)
日経225先物(6月限)は前日比60円高の3万7770円で取引を終了。寄り付きは3万7790円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7755円)を上回る形から、買い先行で始まった。直後につけた3万7820円を高値に軟化し、前場中盤にかけて3万7490円まで下落幅を広げる場面もあった。ただし、その後は200日移動平均線(3万7550円)を上回っての推移を継続。
同線のほかボリンジャーバンドの+1σ(3万7340円)が支持線として意識されるなかで、押し目待ち狙いのロングが入りやすく、後場は利食いを交えながらのリバウンド基調が続き、中盤にかけて3万7800円まで切り返す場面もみられた。
週間形状では52週線(3万7870円)は超えられなかったものの、26週線(3万7650円)を上回って終えた。下値の堅さが意識されるなかでショートを仕掛けづらくさせそうだ。52週線突破を試す展開が見込まれるなかで、押し目待ち狙いのロングにおいてもエントリータイミングを引き上げてくる可能性はあるだろう。
4月7日に3万0650円まで急落し、その後は5週連続で陽線を形成している。これといった調整がないままでの上昇によりショートカバーが強まりやすいほか、決算発表シーズンのなかで積極的な売買を手控えていたため、ロングも積み上がっていないと考えられ、52週線突破からの一段高が意識されやすいと考えられる。
週足の+1σ(3万7740円)を上回ってきたことで、+2σ(3万9140円)とのレンジに移行する可能性が高まってきただろう。
NT倍率は先物中心限月で13.76倍に低下。一時13.72倍に低下する場面もあったが、+1σ(13.72倍)まで下げた後に切り返す動きになった。上値は75日線(13.79倍)に抑えられる形だったが、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が下落するなかでも、それほどNTショートには傾かなかったようである。バンドは上向きで推移しており、+1σ水準に接近する局面においては、NTロングでのスプレッド狙いに向かわせよう。
手口面(6月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万0720枚、ソシエテジェネラル証券が7832枚、サスケハナ・ホンコンが2579枚、SBI証券が2414枚、バークレイズ証券が1207枚、JPモルガン証券が1110枚、ゴールドマン証券が847枚、シティグループ証券が807枚、日産証券が685枚、松井証券が632枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万2473枚、ソシエテジェネラル証券が1万1198枚、バークレイズ証券が4304枚、JPモルガン証券が3811枚、ゴールドマン証券が3260枚、モルガンMUFG証券が1837枚、ビーオブエー証券が1416枚、サスケハナ・ホンコンが1054枚、SMBC日興証券が752枚、みずほ証券が546枚だった。
ドル円は来週の日米協議での円安是正への警戒感がから3日連続で下値を広げる動きとなっている。米中の関税の大幅引き下げを好感した上昇幅を全部吐き出し、週末の本日は下げが一段落する可能性はあるが、戻りの鈍い動きが見込まれる。
来週の20-22日にカナダで主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議を開く予定で、個別会談があるとすれば 22日以降になりそうだ。それまでは円買い圧力がかかりやすい。加藤財務相はG7でベッセント財務長官との個別会談実施で調整していることを明らかにし、為替について協議する意向を示している。
今週、前半米中協議の進展を好感する動きとなるも、ドル高に振れる動きは限られた。米中協議の進展から米国のスタグフレーション懸念はやや和らぎ、早期の利下げ期待も後退したが、米景気減速への懸念が根強いことも一因か。今週、米国では4月の消費者物価指数(CPI)、卸売物価指数(PPI)、小売売上高などが発表された。一部の関税が発動され、インフレ加速の兆候が現れることも予想されたが、物価統計はともにインフレ減速が確認された。また、消費も駆け込みがあった自動車や、ガソリンを除いたものでは伸び悩みが確認され、低調な製造業景況感や雇用情勢が示された。本日のNYタイムでは4月の住宅データや5月ミシガン大学消費者態度指数・速報値などの発表が予定されている。さえない結果となれば、米経済の先行きへの不安でドルに売り圧力が強まる可能性がある。
・想定レンジ上限
ドル円、日足一目均衡表・雲の下限146.46円近辺が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、9日安値144.83円や日足一目均衡表・基準線144.27円近辺が下値めど。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、25年1-3月期GDP1次速報を受けてリポートしている。実質GDPは前期比年率-0.7%と4四半期ぶりに減少した。三菱UFJMSでは、前四半期の反動などによる輸入増加が主な背景と指摘。輸入の低下が目立った前期24年4Q、そして今回25年1QのGDP成長率を均すと年率でおよそ+0.9%となり、潜在成長率をやや上回る程度の成長と解釈可能と捉えている。また、日銀の利上げストーリーが今回のデータで追加的に後退するわけではないと考えている。
今晩は底堅い展開か。昨日は先週末に米中が関税を90日間停止することで合意したことを好感する流れが続く中、米4月生産者物価指数(PPI)が予想に反して前月比で低下したことを受けて米10年債利回りが低下したことも追い風となりS&P500が0.41%高と4日続伸し、ダウ平均も271.69ドル高(+0.65%)と3日ぶりに反発した。一方、足もとで大きく上昇したハイテク株の一角が利益確定売りに押されナスダック総合が0.18%安と7営業日ぶりに反落した。
今晩の取引では貿易問題での米中の緊張緩和や、インフレ低下を受けた米10年債利回りの低下を背景に引き続き底堅い展開が期待されるが、ダウ平均が週初から1073.37ドル高(+2.60%)、S&P500が4.54%高、ナスダック総合が6.60%高とそろって大幅に上昇したことで、週末を控えた持ち高調整の動きが上値の圧迫要因となりそうだ。経済指標では4月住宅着工件数、5月ミシガン大消費者信頼感指数速報値が発表され、足もとの景気動向が注目されるほか、インフレ見通しを巡ってはミシガン大が併せて発表する1年先・5年先期待インフレ率速報値にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは4月建設許可件数、4月住宅着工件数、4月輸入物価、5月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・5年先期待インフレ率速報値など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は小幅安。売り優勢の時間帯が続いたが前場終盤から下げ幅を縮小する展開となり、ほぼ横ばいで終える格好となった。前日同様、100日移動平均線(37572円 5/16)をサポートに底堅い動きが続いた。
RSI(9日)は前日の82.0%→78.7%(5/16)に低下。来週初も上昇のハードルは高くなるが、短期的な相場の見方に変化はない。短期の10日移動平均線(37395円 同)上を維持しながら微調整の範ちゅうにとどまっており、4/7安値(30792円)を起点とした目先波動は上昇継続の判断となる。
終値ベースで3/26につけた急落前の戻り高値(38027円)を更新したことで、パターン分析では4月前半の安値を先端に「スパイクボトム(V字)」を確認した。短期的な下押しは想定内としながらも、意外高の想定も必要になってくる。
上値メドは、心理的節目の38500円や39000円、2/13高値(39581円)、心理的節目の4万円、1/24高値(40279円)などがある。下値メドは、100日移動平均線、10日移動平均線、75日移動平均線(37008円 同)、心理的節目の36500円や36000円、25日移動平均線(35645円 同)などがある。
(16日終値:17日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.91円(16日15時時点比△0.70円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.62円(▲0.25円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1145ドル(▲0.0070ドル)
FTSE100種総合株価指数:8684.56(前営業日比△50.81)
ドイツ株式指数(DAX):23767.43(前営業日比△71.84)
10年物英国債利回り:4.649%(▲0.011%)
10年物独国債利回り:2.590%(▲0.032%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1-3月期スイス鉱工業生産
(前年同期比) 8.5% 2.1%・改
3月ユーロ圏貿易収支
(季調済)279億ユーロの黒字 227億ユーロの黒字・改
(季調前)368億ユーロの黒字 240億ユーロの黒字
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。米関税措置を巡る3回目の日米交渉を来週に控え、円安是正議論への思惑が広がる中、欧州勢が円買い・ドル売りで参入すると一時144.92円と日通し安値を付けた。ただ、9日の安値144.83円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。独DAXが史上最高値を更新するなど、欧州株相場が堅調に推移したことも相場を下支えした。
NYの取引時間帯に入ると一段と買いが強まった。23時発表の5月米ミシガン大学消費者態度指数速報値は50.8と予想の53.4を下回ったものの、同時に発表された1年先の期待インフレ率が7.3%、5-10年先が4.6%といずれも予想を上回ると全般ドル買いが活発化。アジア時間に付けた145.72円を上抜けて、1時過ぎに一時146.10円まで上値を伸ばした。
なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.26まで上昇した。
・ユーロドルはさえない。市場の関心が高い米関税政策に関する目新しい材料が出ていないこともあり、しばらくは狭い範囲でのもみ合いが続いた。NY市場に入ると、米ミシガン大学が発表した期待インフレ率が予想を上回ったことを受けて全般ドル買いが優勢に。米長期金利が上昇に転じたこともドル買いを促し、前日の安値1.1170ドルを下抜けて一時1.1131ドルまで値を下げた。
・ユーロ円は上値が重かった。欧州株相場の上昇を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いが出ると一時163.11円と日通し高値を付けたものの、ユーロドルの下落につれた売りが出ると162.55円付近まで下押しした。
・ロンドン株式相場は続伸し、3月26日以来の高値で取引を終えた。前日の米長期金利の低下などを受け、英株にも買い安心感が広がった。このところ株価水準が切り下がっていたアストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株に値ごろ感からの買いが入った。ユニリーバやブリティッシュ・アメリカン・タバコなど生活必需品株も値上がりした。
・フランクフルト株式相場は続伸し、史上最高値を更新した。前日の米長期金利の低下などが好感されて買いが優勢となった。英国やフランスなど欧州の他の主要な株式相場が上昇したことも相場の支援材料。個別ではラインメタル(2.44%高)やドイツ証券取引所(1.50%高)、ボノビア(1.44%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。
(16日終値:17日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.91円(16日15時時点比△0.70円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.62円(▲0.25円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1145ドル(▲0.0070ドル)
FTSE100種総合株価指数:8684.56(前営業日比△50.81)
ドイツ株式指数(DAX):23767.43(前営業日比△71.84)
10年物英国債利回り:4.649%(▲0.011%)
10年物独国債利回り:2.590%(▲0.032%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1-3月期スイス鉱工業生産
(前年同期比) 8.5% 2.1%・改
3月ユーロ圏貿易収支
(季調済)279億ユーロの黒字 227億ユーロの黒字・改
(季調前)368億ユーロの黒字 240億ユーロの黒字
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。米関税措置を巡る3回目の日米交渉を来週に控え、円安是正議論への思惑が広がる中、欧州勢が円買い・ドル売りで参入すると一時144.92円と日通し安値を付けた。ただ、9日の安値144.83円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。独DAXが史上最高値を更新するなど、欧州株相場が堅調に推移したことも相場を下支えした。
NYの取引時間帯に入ると一段と買いが強まった。23時発表の5月米ミシガン大学消費者態度指数速報値は50.8と予想の53.4を下回ったものの、同時に発表された1年先の期待インフレ率が7.3%、5-10年先が4.6%といずれも予想を上回ると全般ドル買いが活発化。アジア時間に付けた145.72円を上抜けて、1時過ぎに一時146.10円まで上値を伸ばした。
なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.26まで上昇した。
・ユーロドルはさえない。市場の関心が高い米関税政策に関する目新しい材料が出ていないこともあり、しばらくは狭い範囲でのもみ合いが続いた。NY市場に入ると、米ミシガン大学が発表した期待インフレ率が予想を上回ったことを受けて全般ドル買いが優勢に。米長期金利が上昇に転じたこともドル買いを促し、前日の安値1.1170ドルを下抜けて一時1.1131ドルまで値を下げた。
・ユーロ円は上値が重かった。欧州株相場の上昇を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いが出ると一時163.11円と日通し高値を付けたものの、ユーロドルの下落につれた売りが出ると162.55円付近まで下押しした。
・ロンドン株式相場は続伸し、3月26日以来の高値で取引を終えた。前日の米長期金利の低下などを受け、英株にも買い安心感が広がった。このところ株価水準が切り下がっていたアストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株に値ごろ感からの買いが入った。ユニリーバやブリティッシュ・アメリカン・タバコなど生活必需品株も値上がりした。
・フランクフルト株式相場は続伸し、史上最高値を更新した。前日の米長期金利の低下などが好感されて買いが優勢となった。英国やフランスなど欧州の他の主要な株式相場が上昇したことも相場の支援材料。個別ではラインメタル(2.44%高)やドイツ証券取引所(1.50%高)、ボノビア(1.44%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。
(16日終値)
ドル・円相場:1ドル=145.70円(前営業日比△0.03円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.64円(▲0.33円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1163ドル(▲0.0024ドル)
ダウ工業株30種平均:42654.74ドル(△331.99ドル)
ナスダック総合株価指数:19211.10(△98.78)
10年物米国債利回り:4.48%(△0.05%)
WTI原油先物6月限:1バレル=62.49ドル(△0.87ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3187.2ドル(▲39.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月米住宅着工件数
136.1万件 133.9万件・改
建設許可件数
141.2万件 148.1万件・改
4月米輸入物価指数
(前月比) 0.1% ▲0.4%・改
5月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
50.8 52.2
3月対米証券投資動向
短期債を含む 2543億ドル 2489億ドル・改
短期債を除く 1618億ドル 1129億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに小反発。5月米ミシガン大学消費者態度指数速報値は50.8と予想の53.4を下回ったものの、同時に発表された1年先の期待インフレ率が7.3%上昇、5-10年先が4.6%上昇といずれも予想を上回ったことから全般ドル買いが先行した。アジア時間に付けた145.72円を上抜けると、1時過ぎに一時146.10円まで上値を伸ばした。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.26まで上昇した。
ただ、引けにかけては伸び悩む展開に。米関税措置を巡る3回目の日米交渉を来週に控えて、円安是正議論への思惑が広がる中、146円台では戻り売りなどが出たようだ。米格付け会社ムーディーズが米国の信用格付けを「AAA」から「AA1」に引き下げたことも相場の重し。
・ユーロドルは反落。米ミシガン大学が発表した期待インフレ率が予想を上回ったことを受けて全般ドル買いが優勢となった。米長期金利が上昇に転じたこともドル買いを促し、前日の安値1.1170ドルを下抜けて一時1.1131ドルまで値を下げた。
ただ、引けにかけては1.1166ドル付近まで下げ渋った。ムーディーズによる米国格下げがドル売りを促した。
・ユーロ円は続落。独DAXが史上最高値を更新するなど、欧州株相場が堅調に推移したことを受けて、欧州市場では一時163.11円と日通し高値を付けた。ただ、NY市場に入るとユーロドルの下落につれた売りが出たため、162.53円付近まで下押しした。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。米関税を巡る交渉が進展し、世界経済が悪化するとの懸念が後退する中、買いが優勢となった。足もとで急落していたユナイテッドヘルス・グループが反発し、1銘柄でダウ平均を100ドル超押し上げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。米ミシガン大学が発表した期待インフレ率が予想を上回ったことを受けて売りが先行。米格付け会社ムーディーズが米国の信用格付けを「AAA」から「AA1」に引き下げたことが伝わると売りが加速した。
・原油先物相場は3日ぶりに反発。昨日は米・イラン核合意の観測が中東の緊張緩和を意識させ、同地域からの原油供給活発の期待を高めた。しかし米・イランの関係性に依然として不透明感があり、週引けを前に昨日の下落に対する見直しの動きが小幅に進んだ。
・金先物相場は反落。貿易摩擦激化への懸念が緩和するなか、安全資産とされる金は売られやすかった。米金利上昇・ドル買いの動きも、金利がつかない資産である金の相対的な投資妙味低下や、ドル建て金相場の換算値押し下げにつながった。
(16日終値)
ドル・円相場:1ドル=145.70円(前営業日比△0.03円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.64円(▲0.33円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1163ドル(▲0.0024ドル)
ダウ工業株30種平均:42654.74ドル(△331.99ドル)
ナスダック総合株価指数:19211.10(△98.78)
10年物米国債利回り:4.48%(△0.05%)
WTI原油先物6月限:1バレル=62.49ドル(△0.87ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3187.2ドル(▲39.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
4月米住宅着工件数
136.1万件 133.9万件・改
建設許可件数
141.2万件 148.1万件・改
4月米輸入物価指数
(前月比) 0.1% ▲0.4%・改
5月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
50.8 52.2
3月対米証券投資動向
短期債を含む 2543億ドル 2489億ドル・改
短期債を除く 1618億ドル 1129億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに小反発。5月米ミシガン大学消費者態度指数速報値は50.8と予想の53.4を下回ったものの、同時に発表された1年先の期待インフレ率が7.3%上昇、5-10年先が4.6%上昇といずれも予想を上回ったことから全般ドル買いが先行した。アジア時間に付けた145.72円を上抜けると、1時過ぎに一時146.10円まで上値を伸ばした。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.26まで上昇した。
ただ、引けにかけては伸び悩む展開に。米関税措置を巡る3回目の日米交渉を来週に控えて、円安是正議論への思惑が広がる中、146円台では戻り売りなどが出たようだ。米格付け会社ムーディーズが米国の信用格付けを「AAA」から「AA1」に引き下げたことも相場の重し。
・ユーロドルは反落。米ミシガン大学が発表した期待インフレ率が予想を上回ったことを受けて全般ドル買いが優勢となった。米長期金利が上昇に転じたこともドル買いを促し、前日の安値1.1170ドルを下抜けて一時1.1131ドルまで値を下げた。
ただ、引けにかけては1.1166ドル付近まで下げ渋った。ムーディーズによる米国格下げがドル売りを促した。
・ユーロ円は続落。独DAXが史上最高値を更新するなど、欧州株相場が堅調に推移したことを受けて、欧州市場では一時163.11円と日通し高値を付けた。ただ、NY市場に入るとユーロドルの下落につれた売りが出たため、162.53円付近まで下押しした。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。米関税を巡る交渉が進展し、世界経済が悪化するとの懸念が後退する中、買いが優勢となった。足もとで急落していたユナイテッドヘルス・グループが反発し、1銘柄でダウ平均を100ドル超押し上げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。米ミシガン大学が発表した期待インフレ率が予想を上回ったことを受けて売りが先行。米格付け会社ムーディーズが米国の信用格付けを「AAA」から「AA1」に引き下げたことが伝わると売りが加速した。
・原油先物相場は3日ぶりに反発。昨日は米・イラン核合意の観測が中東の緊張緩和を意識させ、同地域からの原油供給活発の期待を高めた。しかし米・イランの関係性に依然として不透明感があり、週引けを前に昨日の下落に対する見直しの動きが小幅に進んだ。
・金先物相場は反落。貿易摩擦激化への懸念が緩和するなか、安全資産とされる金は売られやすかった。米金利上昇・ドル買いの動きも、金利がつかない資産である金の相対的な投資妙味低下や、ドル建て金相場の換算値押し下げにつながった。
SMBC日興証券では、日本工作機械工業会が発表した4月の工作機械受注速報を受けてリポートしている。内需は5カ月連続で前年同月比プラスであったが4月にマイナスに転じており、自動車を中心に再度需要が弱含んでいるとSMBC日興では考えている。外需は7カ月連続で前年同月比プラス。
(1)中国では引き続き更新投資への補助金効果で需要が押し上がっていること、
(2)米国は引き続き航空機中心に改善傾向であること、
(3)欧州は力強さに欠けるもボトム圏であること
―の3点が背景にあるとSMBC日興では推測している。
米格付け会社ムーディーズは16日、米国の信用格付けを「AAA」から「AA1」に引き下げたと発表した。なお、見通しは「安定的」とした。
16日08:44 加藤財務相
「米韓協議についてはノーコメント」
「前回の協議で合意した点に基づき、ベッセント米財務相と為替問題について協議」
16日09:45 植田日銀総裁
「中央銀行の独立性は、物価安定実現のため重要」
「利上げ過程で赤字が発生しても、長期的には収益が出てくる」
16日10:39 赤沢経済再生相
「米国との次回閣僚協議の準備を進めている」
「昨日の関税タスクフォース会合では今後の交渉進め方を議論した」
「農業を犠牲にした米国との通商合意はあり得ない」
「米関税措置、今後も新しいもの出てくること想定される状況」
「1-3月期個人消費には米関税措置の影響出ているようにはみえない、今後統計など幅広く注意していく」
「米の日米貿易協定見直し報道、承知しているがコメントしない」
「米関税措置、日米貿易協定との整合性に重大な懸念があるとは従来から申し上げている」
16日11:43 台湾行政院副院長
「米国との貿易協議には、為替は含まれていない」
16日13:07 中村日銀審議委員
「金融政策については、当面は現状維持が適当」
「現時点では米国の関税政策の影響が広く懸念され、企業業績や設備投資、賃上げの状況等を丁寧に把握していく必要がある」
「不確実性が極めて高くなっているので、経済の回復状況に応じた慎重な金融政策運営が適当である」
16日14:16 カザークス・ラトビア中銀総裁
「利下げを急ぐ必要はない」
「次回会合を巡る市場の織り込みは比較的適切」
「見通し通りならば、中立金利に接近していく」
「貿易を巡る緊張度合いは、緩和していく見通し」
「浅く短いリセッション(景気後退)に陥るリスクは残されている」
16日15:02 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「通貨戦争に陥っているとは思わない」
16日15:17 鄭仁教・韓国通商交渉本部長
「グリア米通商代表部(USTR)代表との協議で為替は取り上げられなかった」
16日16:21 ベッセント米財務長官
「対米直接投資誘致で異例の成果」
16日20:23 シュレーゲル・スイス国立銀行(SNB)総裁
「スイスでリセッションは予想していない」
「我々は物価の安定を脅かすフランの過大評価を抑えるためだけに行動した」
「スイスは為替操作国ではない」
16日21:51 トランプ米大統領
「今後数週間で関税率を設定する」
※時間は日本時間
19日
○13:30 ◇ 3月第三次産業活動指数
21日
○08:50 ◎ 4月貿易統計(通関ベース)
22日
○08:50 ◎ 3月機械受注
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○10:30 ◇ 野口旭日銀審議委員、あいさつ
23日
○08:30 ☆ 4月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)
○08:30 ☆ 4月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
18日
○ポルトガル総選挙
○ポーランド大統領選
19日
○06:20 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○07:45 ◎ 1-3月期ニュージーランド(NZ)卸売物価指数(PPI)
○11:00 ◎ 4月中国鉱工業生産
○11:00 ◎ 4月中国小売売上高
○18:00 ☆ 4月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
○18:00 ☆ 4月ユーロ圏HICPコア改定値
○21:30 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、あいさつ
○21:45 ◎ ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長、討論会に参加
○23:00 ◎ 4月米景気先行指標総合指数
○20日02:15 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、討論会に参加
○トルコ(青年とスポーツの日)、カナダ(ビクトリア・デー)、休場
20日
○13:30 ☆ 豪準備銀行(RBA)政策金利発表
○15:00 ◇ 4月独生産者物価指数(PPI)
○15:55 ◎ ウンシュ・ベルギー中銀総裁、講演
○17:00 ◇ 3月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○17:00 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○18:00 ◇ 3月ユーロ圏建設支出
○21:30 ◎ 4月カナダ消費者物価指数(CPI)
○23:00 ◎ 5月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
○21日02:00 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議(カナダ・バンフ、22日まで)
○07:45 ◎ 4月NZ貿易収支
○08:00 ◎ ハマック米クリーブランド連銀総裁、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○15:00 ◎ 4月英CPI
○15:00 ◎ CPIコア指数
◇ 小売物価指数(RPI)
○17:00 ◎ 4月南アフリカCPI
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○20:00 ◇ 3月南アフリカ小売売上高
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○22日01:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○22日02:00 ◎ 米財務省、20年債入札
22日
○09:00 ◎ 1-3月期シンガポール国内総生産(GDP)確定値
○15:45 ◇ 5月仏企業景況感指数
○16:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○16:15 ◎ 5月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
○16:15 ◎ 5月仏サービス部門PMI速報値
○16:30 ◎ 5月独製造業PMI速報値
○16:30 ◎ 5月独サービス部門PMI速報値
○17:00 ◎ 5月独Ifo企業景況感指数
○17:00 ◎ 5月ユーロ圏製造業PMI速報値
○17:00 ◎ 5月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
○17:20 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○17:30 ◎ 4月香港CPI
○17:30 ◎ 5月英製造業PMI速報値
○17:30 ◎ 5月英サービス部門PMI速報値
○19:50 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○20:00 ◎ ディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○20:30 ☆ ECB理事会議事要旨(4月17日分)
○21:00 ◎ 1-3月期メキシコGDP確定値
○21:30 ◇ 4月カナダ鉱工業製品価格
○21:30 ◇ 4月カナダ原料価格指数
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○22:45 ◎ 5月米製造業PMI速報値
○22:45 ◎ 5月米サービス部門PMI速報値
○22:45 ◎ 5月米総?⑰MI速報値
○23:00 ◎ 4月米中古住宅販売件数
○23日03:30 ◎ マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、会見
23日
○07:45 ◎ 1-3月期NZ小売売上高
○08:01 ◇ 5月英消費者信頼感指数(Gfk調査)
○14:00 ◎ 4月シンガポールCPI
○15:00 ☆ 1-3月期独GDP改定値
○15:00 ◎ 4月英小売売上高
○15:45 ◇ 5月仏消費者信頼感指数
○21:00 ◇ 4月メキシコ貿易収支
○21:30 ◎ 3月カナダ小売売上高
○23:00 ☆ 4月米新築住宅販売件数
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、RBAの金融政策に注目
◆豪ドル、金利先物市場では金利先安観が後退
◆ZAR、米・南ア首脳会談に注意
予想レンジ
豪ドル円 91.00-96.00円
南ア・ランド円 7.80-8.30円
5月19日週の展望
豪ドルは神経質な動きが予想される。来週の注目イベントは19-20日に予定されている豪準備銀行(RBA)の政策決定理事会。直近で発表された1-3月期消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%と市場予想(2.3%)をわずかに上回ったものの、RBAのインフレ目標(2-3%)内には収まった。コア指数も前年比2.9%と同じくインフレ目標内で落ち着いており、市場では2月以来の0.25%利下げが実施されるとの見方が優勢となっている。
注目となるのは今後の金融政策方針。金利先物市場では今回も含めて年内に計3回程度の利下げ(合計0.75%分)を織り込んでいる状況だが、前週までは計4回以上の利下げを織り込んでいた。これまでは米中貿易摩擦の影響で豪経済が減速するとの思惑が広がっていたが、米中貿易協議で90日間の関税大幅引き下げが合意に至ったため、金利先物市場でもシナリオの修正を迫られた格好だ。こうした外部環境の変化や国内のインフレ見通しなどに関して、RBAがどのような見解を示すか注意してみていく必要があるだろう。
また、豪ドル円も含めたクロス円全般の動向を左右する材料として、日米財務相会談にも注意が必要だ。今週は韓国が「米国との為替協議が行われたことを確認」と言及したことから、日米交渉での円安是正議論への思惑が高まり、円買いへとつながる場面があった。ここまでの流れから考慮すると、米国側がはっきりと円安ドル高の是正を求める可能性は決して高くないと思われるが、思惑的な動きも含めて円相場全般が振らされるリスクには警戒しておきたい。
隣国のニュージーランド(NZ)では19日に1-3月期卸売物価指数(PPI)、21日に4月貿易収支、23日に1-3月期小売売上高の発表が予定されている。いずれもNZドル相場への影響は限られる見込みだが、翌週(28日)にNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策公表が控えていることもあり、1-3月期 PPIで直前のインフレ動向は確認しておきたい。
また、南アフリカ・ランド(ZAR)は荒い値動きに注意。来週は米ワシントンでラマポーザ南ア大統領とトランプ米大統領による首脳会談が予定されており、注目を集めそうだ。南アと米国間では現在、南ア国内の白人農業者の扱いを巡って対立が深まっている。米国による関税問題も絡んだ会談は今後の南ア政治・経済状況にも大きな影響を及ぼす可能性が高く、成功裏に終わらなければZAR売り材料となる可能性が高いだろう。なお、来週は南アから21日に4月CPIや3月小売売上高などの発表も予定されている。
5月12日週の回顧
豪ドルは対円で買いが先行。13日には3月中旬以来の高値を更新する場面があったが、その後はドル円の失速に伴って上値が重くなった。ZARは底堅く推移。国営電力会社エスコムが発電所の故障で計画停電を実施したことから弱含む場面も見られたが、南ア準備銀行(SARB)と財務省がインフレ目標フレームの変更を近々行うと報じられると買い戻しが入った。
◆ポンド、英インフレや景気指標に注目
◆加ドル、CPIと小売売上高が相場の材料に
◆日米財務相会談、「円安是正」についての議論されるかに注視
予想レンジ
ポンド円 191.00-196.00円
加ドル円 102.50-106.50円
5月19日週の展望
来週は20日から22日までカナダ西部バンフで先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が開催される。そこで加藤財務相がベッセント米財務長官と会談する見込みとされ、市場に思惑が燻る「円安是正についての議論」が実際に行われるのかが、クロス円にも影響するだろう。
英国内からは、週半ば以降に発表されるインフレデータや景気指標が材料視されそうだ。英消費者物価指数(CPI)は前年比2%台で減速基調が続いていたが、21日発表の4月分は「電気・ガス・水道料金の値上げと雇用主への増税」で加速が見込まれている。今週発表された英雇用データでは1-3月の週平均賃金が減速したものの、伸び率は5%台で高止まりしていた。5月の英中銀会合後、複数の当局者から「賃金上昇率の高止まり」を指摘する声が聞かれている。インフレ期待の上昇も警戒されつつあるなか、今回のCPIが想定以上に上振れすれば、「年末までに英中銀は2回の追加利下げ」という市場の織り込み度が後退するだろう。
22日には英製造業とサービス部門の5月購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表予定。前月分の製造業PMIは改定値で上方修正され、底打ち感が出始めた。4月サービス部門改定値も景況判断の境目50に迫っている。今回で、英米貿易協定を受けたセンチメント改善の流れが強化されるか注目したい。また週末には、前回強かった英小売売上高の4月分が発表される。
カナダでは、カーニー首相が先月の総選挙勝利を受けて新内閣を立ち上げた。閣僚の半数以上が初入閣だったものの、重要ポストである財務相はシャンパーニュが続投、国際貿易相として対米交渉を担っていたルブラン氏は、カナダ・米国貿易担当相に就任した。新内閣が今後、トランプ政権とどのような関係性を構築していくのかが注視される。カナダ経済が、隣国であり世界最大の経済大国である米国への依存から脱却できるか、カーニー首相の手腕が問われている。
カナダは来週、19日がビクトリアデーで祝日、経済指標は20日に4月CPI、23日には3月小売売上高が発表予定。前月のCPIは前年比で予想を下回り、2.3%まで減速した。もっとも、カナダ中銀が注視するCPI中央値やトリムは高止まり傾向。市場は、来月の中銀会合で0.25%利下げを見込んでいるが、コア指数の結果次第では市場の気迷いに繋がるかもしれない。3月小売売上高は、総合で2カ月続いた前月比マイナスから抜け出せるかがポイントとなるだろう。
5月12日週の回顧
ポンドや加ドルは対円で買い先行。スイスで行われた閣僚級の米中貿易交渉が合意に達し、リスク志向ムードが広がった。ポンド円は1月初旬以来の高値196.41円、加ドル円が106円前半まで値を上げた。もっとも、一巡後はドル円の失速につれて売り戻しが優勢となり、それぞれ193円半ばと104円前後まで週の上げ幅を消す動きとなった。
一方で対ドルでは売り優勢で始まり、ポンドは1.31ドル半ば、加ドルが1.40加ドル前半までドル高に傾いた。ただ一巡後に切り返すと、それぞれ1.33ドル半ば、1.39加ドル付近まで値を戻す場面があった。
◆ドル円、日米財務相会談での円安是正議論への思惑高まる
◆ドル円、日米貿易協定の見直しにも警戒
◆ユーロドル、欧米交渉の続報やユーロ圏指標に注目
予想レンジ
ドル円 143.00-148.50円
ユーロドル 1.0900-1.1300ドル
5月19日週の展望
ドル円は、日米通商交渉を控えて神経質な展開となるだろう。「第3回目となる日米関税交渉を行うため、赤沢経済再生相が来週後半にも訪米を検討している」との報道が伝わっており、同時に加藤財務相もベッセント財務長官と会談する予定となっている。「5日に米財務次官補とウォン相場について協議した」と韓国企画財政省報道官が14日に明らかにしたことで、日米財務相会談で「円安是正について議論されるのでは」との思惑が広がっている。そのため、週後半までドル円は上値が重くなることが想定される。ただ、思惑が先行しているだけに、踏み込んだ議論がされていないことが分かれば、逆に大きく買い戻されるリスクがあることには十分警戒すべきだろう。
為替についての議論の他にも注意すべき点としては、米国側が日米貿易協定の見直しを視野に入れている可能性があることだろう。第1次トランプ政権時だった2020年1月に牛肉など米国産農産品の関税が引き下げられたが、米国側はこの点について見直しを要求する必要性を示しているという。現時点で日本側は協定見直しについては想定しておらず、事実ならば協議が難航しそうだ。
来週は米国では22日に5月購買担当者景気指数(PMI)速報値や4月中古住宅販売件数、23日に4月新築住宅販売件数と指標自体は少ないが、PMI速報値については直近の景況指数の為、予想と乖離すればドルは反応しやすいだろう。
ユーロドルは今週、欧米関税交渉に関する新たな情報は伝わっておらず、新規の手掛かり材料に乏しいことから方向感が定まらなかった。欧米交渉に絡んだ続報を待ちつつ、経済指標としては、22日に各国の5月PMI速報値や5月IFO企業景況感指数の結果を見極めたい。足元ではユーロ圏の成長鈍化が指摘されており、指標内容次第では6月・7月会合での利下げ観測が一段と高まりそうだ。
5月12日週の回顧
ドル円は上値が重い。週末に開催された閣僚級の米中貿易協議で進展があったことを受けて買いが先行。「米中両国が関税の大幅な引き下げで合意」との共同声明が明らかになると148.65円まで急伸した。ただ、一巡後は戻り売りが優勢に。日米交渉で円安是正議論への思惑が浮上したことも嫌気され一時145.26円まで売り込まれた。
ユーロドルは一進一退。ドル円の急騰に伴って1.1065ドルまで下げたが、ドル円が反落すると1.1266ドルまで反発。一方で、一段と買い上げる材料にも乏しく、上値は限られるなど方向感が定まらなかった。
16日の日経平均は小幅に3日続落。終値は1円安の37753円。まちまちの米国株を受けて、寄り付きは1桁の下落。大型グロース株が弱く、序盤は下を試しにいった。下げ幅を200円超に広げて37500円を割り込んだところで売りが一巡。10時以降は緩やかに値を戻し、前場は2桁の下落で終えた。下値不安が和らいだことで、後場にはプラス圏に浮上する場面もあった。ただ、戻し切った後にさらに上を追う動きにはならなかった。終盤にかけては前日終値近辺でのもみ合いが続き、ほぼ横ばいながら下落で終えた。TOPIX、グロース250指数は上昇した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆4700億円。業種別では繊維、海運、金属製品などが上昇した一方、サービス、鉱業、電気機器などが下落した。前期は営業黒字を達成し、今期は大幅増益を見込んでいるコンヴァノ<6574.T>に買いが殺到。場中は値が付かずストップ高比例配分となった。半面、株主優待の廃止を決定したラックランド<9612.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり858/値下がり705。サンリオが商いを伴って急伸。決算を発表した三菱UFJが高寄り後は伸び悩んだもののプラスで終え、売買代金は全市場でトップとなった。中期経営計画の数値を引き上げた東和薬品や、上期が大幅増益となったサイバーエージェントが急騰。Jフロント、松屋、高島屋など百貨店株に非常に強い動きが見られた。
一方、レーザーテック、東京エレクトロン、ディスコなど半導体株の多くが下落。米国で決算を発表したアプライド・マテリアルズが時間外で大幅安となったことが嫌気されたもよう。ナスダック安を受けて、リクルートやソニーGなどグロース系の銘柄が弱かった。決算が失望材料となった野村マイクロやチェンジHDが急落。通期の見通しを大幅に引き下げたSchooがストップ安比例配分となった。
今週、日経平均は週間で0.7%高、TOPIXは0.3%高となった。それに対して、グロース250指数は4.3%高と大幅上昇。年初来高値を更新し、今週は負けなしで16日まで6日続伸した。16日の終値は713.84p。700pを突破した後に上昇に弾みがついている。TOPIXの連続上昇は14日に途切れたが、受け継ぐかのようにグロース250指数の動きが良くなってきた。サイバーセキュリティ、ドローン、生成AI、宇宙関連などテーマ性のある新興銘柄は、きっかけ一つでいつ人気化しても不思議はない。東証スタンダード指数も1300p台を回復して、3月につけた上場来高値の1319.68pに接近してきた。目先はこれらの指数の動きに注目しておきたい。
【来週の見通し】
不安定な展開か。決算発表が概ね出そろい、個別の材料は少なくなる。20~22日にカナダでG7財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されるが、これ以降に日米の3回目の協議が調整されていると伝わっており、大型株は手がけづらくなると思われる。ドル円動向にも神経質となりそうで、関連ニュースに振らされながら強弱感が交錯した状態が続くと予想する。
今週の日経225先物は、目先は過熱を冷ます調整が意識されやすいが、押し目待ち狙いのロングが入りやすく、底堅い相場展開が見込まれる。先週は週初に米国と中国が互いの追加関税引き下げで合意し、米中貿易摩擦に対する警戒感が後退。トランプ米大統領は今後90日間の交渉期間で合意できなかったとしても、関税を再び145%に引き上げることはないと述べた。今後の協議進展への期待が高まり、日経225先物は5月13日には3万8790円(ナイトセッションを含む)まで買われる場面があった。
ただし、3月26日につけた直近の戻り高値(3万7970円)をギャップアップで一気に突破し、2月下旬以来の水準を回復してきたことで短期的な過熱感も強まった。為替市場で円相場が一時1ドル=144円台と円高に振れて推移していたことも重荷となり、週半ば以降は利益確定に伴うロング解消の動きが優勢だった。
日経225先物は週後半にかけての調整で3万8000円を割り込んだが、200日移動平均線(3万7440円)が支持線として意識されている。ボリンジャーバンドは上向きで推移しているが、5月に入ってからは+1σと+2σによるレンジに沿った形でリバウンドをみせていた。13日に+2σを突破した後の調整で+1σ(3万7430円)水準まで下げてきたが、+1σと200日線が支持線となるため、押し目待ち狙いのロングを誘う可能性がある。
一方、米格付け会社ムーディーズ・レーティングスは16日、米国の信用格付けを最上位の「Aaa」から「Aa1」に1段階引き下げたと発表。また、同日発表された5月の米ミシガン大学消費者信頼感指数は50.8と市場予想(53.4程度)を下回り、2022年6月以来の低水準だった。1年先の予想インフレ率は7.3%と4月(6.5%)から上昇するなど、トランプ政権の関税政策やインフレ圧力の高まりが警戒されやすい。
トランプ大統領は、今後2~3週間のうちに貿易相手国に対し新たな関税率を一方的に通知する考えを示したと報じられている。多くの国が合意締結を望んでおり、全ての国と協議するだけの時間がないことを理由に挙げている。日本は協議を進めることで合意しているため問題はないものの、積極的な売買を手控えさせる一因となる可能性がある。どの国が対象となるかは不明であり、トランプ氏のSNS投稿などを受けたアルゴリズム発動によるショートには注意しておく必要があろう。
もっとも、先週で決算発表が一巡したことにより、売買を手控えていた国内の機関投資家も動きやすくなったとみられる。決算発表が本格化した4月半ば以降、日経225先物は3万4200円水準から5月13日の3万8790円へと、これといった押し目を作らずに上昇してきた。週間形状では5週連続で陽線を形成し、52週線を一時突破してきたため、買い遅れている機関投資家による押し目狙いのロングが意識される。
週後半には、赤沢亮正経済再生担当大臣が米関税措置を巡り、ワシントンで3回目の閣僚協議を行う予定である。前週に米国と英国が貿易協定の締結で合意したことで、協議進展への期待が高まっている。交渉に進展がみられるようだと、ロングの動きが強まる可能性がある。そのほか、22日には米国や欧州各国では5月の製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)の発表が予定されており、結果を受けた為替動向には注意しておきたい。
16日の米VIX指数は17.24(15日は17.83)に低下した。先週は米中関税合意を受けて、9日の21.90から週明け12日には200日線を下抜け、18.39と判断の分かれ目となる20.00を一気に割り込んだ。その後も200日線が抵抗線として機能する形での推移を継続。3月26日の直近安値である16.97が射程に入るなかで、リスク選好の状況が続きそうだ。
先週末のNT倍率は先物中心限月で13.76倍(15日は13.79倍)に低下。14日に一時13.86倍まで上昇し、75日線を突破する場面もみられた。その後は短期的な過熱感から東京エレクトロン<8035.T>[東証P]やアドバンテスト<6857.T>[東証P]など、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が利食いに押され、低下傾向となった。+2σ(13.82倍)を挟んだ+1σ(13.72倍)と+3σ(13.91倍)とのレンジのなかで、週末に一時13.72倍と+1σ水準まで下げてきたことで、リバランスを想定したNTロングでのスプレッド狙いが入りやすいところだろう。
5月第2週(5月7日-9日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では4週連続の買い越しであり、買い越し額は5830億円(5月第1週は2192億円の買い越し)だった。なお、現物は3570億円の買い越し(同3946億円の買い越し)と6週連続の買い越しであり、先物は2259億円の買い越し(同1753億円の売り越し)と2週ぶりの買い越し。個人は現物と先物の合算で4089億円の売り越しと5週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で3505億円の売り越しとなり、3週連続の売り越しだった。
主要スケジュールでは、19日に中国4月鉱工業生産指数、中国4月小売売上高、米国4月コンファレンス・ボード景気先行指数、エヌビディアのジェンスン・フアンCEOが「COMPUTEX 2025」基調講演、20日にG7財務相・中央銀行総裁会議(~22日)、21日に4月貿易収支、国会で党首討論、22日に3月機械受注、米国5月製造業PMI、23日に4月全国消費者物価指数、米国4月新築住宅販売件数などが予定されている。
<国内>
○13:30 ◇ 3月第三次産業活動指数(予想:前月比▲0.2%)
<海外>
○07:45 ◎ 1-3月期ニュージーランド(NZ)卸売物価指数(PPI)
○11:00 ◎ 4月中国鉱工業生産(予想:前年比5.7%)
○11:00 ◎ 4月中国小売売上高(予想:前年比5.9%)
○18:00 ☆ 4月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比2.2%)
○18:00 ☆ 4月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比2.7%)
○18:30 ◎ ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○21:30 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、あいさつ
○21:45 ◎ ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長、討論会に参加
○21:45 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○23:00 ◎ 4月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲1.0%)
○20日02:15 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、討論会に参加
○20日02:30 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、質疑応答
○トルコ(青年とスポーツの日)、カナダ(ビクトリア・デー)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 37800 +30 (+0.07%)
TOPIX先物 2747.0 +3.5 (+0.12%)
シカゴ日経平均先物 37995 +225
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
16日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。足もとで下落基調が続いていたユナイテッドヘルス・グループ<UNH>が9日ぶりに買われ、NYダウを押し上げる形になった。米国と欧州連合(EU)が関税交渉で膠着状態から脱却したとの一部報道が材料視された。ただし、5月の米ミシガン大学消費者信頼感指数は50.8と市場予想(53.4程度)を下回り、2022年6月以来の低水準だった。1年先の予想インフレ率は7.3%と4月(6.5%)から上昇するなど、トランプ政権の関税政策やインフレ圧力の高まりが警戒され、上値の重さも意識された。
S&P500業種別指数は、ヘルスケア機器・サービス、自動車・同部品、医薬品・バイオテクノロジー、食品・生活必需品小売、公益事業が上昇。一方で、エネルギー、半導体・同製造装置の2セクターが小幅に下落した。NYダウ構成銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループのほか、スリーエム<MMM>、ウォルマート<WMT>、メルク<MRK>、マクドナルド<MCD>、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>が買われた。半面、シスコシステムズ<CSCO>、ボーイング<BA>、シェブロン<CVX>、アップル<AAPL>が弱い。
シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比225円高の3万7995円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比60円高の3万7830円で始まった。3万7940円まで買われた後は軟化し、米国市場の取引開始直後には3万7740円まで売られる場面もあった。その後はロング優勢の流れとなり、終盤にかけて3万8000円まで上昇。引け間際に弱含み、3万7800円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まりそうだ。米格付け会社ムーディーズ・レーティングスは16日、米国の信用格付けを最上位の「Aaa」から「Aa1」に1段階引き下げたと発表。また、トランプ米大統領は、今後2~3週間のうちに貿易相手国に対し新たな関税率を一方的に通知する考えを示したと報じられている。日本は協議を進めることで合意しているため問題はないものの、積極的な売買を手控えさせる一因となろう。
ただし、週後半には、赤沢亮正経済再生担当大臣が米関税措置を巡り、ワシントンで3回目の閣僚協議を行う予定である。前週に米国と英国が貿易協定の締結で合意したことで、協議進展への期待が高まっているため、押し目待ち狙いのロングは入りやすい。先週で決算発表が一巡したことにより、売買を手控えていた国内の機関投資家も動きやすくなったとみられる。
日経225先物は200日移動平均線(3万7440円)が支持線として意識されている。ボリンジャーバンドは上向きで推移しているが、5月に入ってからは+1σと+2σによるレンジに沿った形でリバウンドを継続。13日に+2σを突破した後の調整で+1σ(3万7430円)水準まで下げてきたが、+1σと200日線が支持線となるため、押し目待ち狙いのロングを誘う可能性があるだろう。
そのため、オプション権利行使価格の3万7500円から3万8000円でのレンジを想定。200日線までの調整を経てリバウンド機運が高まる局面では、3万7750円から3万8250円辺りのレンジに移行するとみておきたい。
16日の米VIX指数は17.24(15日は17.83)に低下した。200日線が抵抗線として機能する形での推移を継続し、判断の分かれ目となる20.00を割り込んでの推移が続いている。3月26日の直近安値である16.97が射程に入るなかで、リスク選好の状況が続きそうだ。
先週末のNT倍率は先物中心限月で13.76倍(15日は13.79倍)に低下。短期的な過熱感から指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が利食いに押され、14日の13.86倍を戻り高値に低下傾向となった。+2σ(13.82倍)を挟んだ+1σ(13.72倍)と+3σ(13.91倍)とのレンジのなかで、週末に一時13.72倍と+1σ水準まで下げてきたことで、リバランスを想定したNTロングでのスプレッド狙いが入りやすいところだろう。
先週末の海外市場でドル円は、5月米ミシガン大学消費者態度指数速報値の期待インフレ率が予想を上回ったことから全般ドル買いが先行し、146.10円まで上値を伸ばした。ただ、円安是正議論への思惑が広がる中、米格付け会社ムーディーズが米国の信用格付けを引き下げたことも相場の重しになり上値が抑えられた。ユーロドルは、一時1.1131ドルまで弱含んだ後は下げ渋った。
本日の東京時間でドル円は、引き続き上値が重い展開になると予想される。先週は、ドル高・円安是正議論への思惑が高まると、ドル円の上値が重くなった。その後、「米政府は貿易交渉の一部としてドル安を模索してはいない」との一部報道が伝わると、ドルを買い戻すが動きがあったものの値動きは限定的だった。更に16日には、台湾政府高官が「米国との貿易協議には、為替は含まれていない」と発言、鄭仁教・韓国通商交渉本部長も「グリア米通商代表部(USTR)代表との協議で為替は取り上げられなかった」と述べた。日本とともにドル高・自国通貨安是正が考えられる台湾・韓国両国が、為替協議を否定したのにもかかわらず、ドル円は買いで反応することもほぼなく、上値の重いセンチメントが示されている。
今週市場が注目するのは、20-22日にカナダのバンフで開かれる主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議。加藤財務相が「ベッセント米財務長官と来週のG7会合の場で為替協議を検討」と発言したことで、より注目度が増している。ただ、仮にドル高是正などについて話し合いが持たれた場合でも、日米両財務相が公式にドル高是正を発表するのは時期尚早か。
先週に韓国企画財政部の報道官が「米韓通商交渉で為替について協議した」とも発言したが、前述のように韓国通商交渉本部長はUSTR代表との為替についての協議は否定した。基軸通貨としてのドルの権威が失墜しないように、ドル高是正が行われる場合も慎重に期す必要がある。ドル高是正を公表する場合は、日米両国間だけでの発表ではなく、他国とも歩調を合わせて発表される可能性が高そうだ。なお、本日から日経新聞ではプラザ合意40年の特集記事がはじまっている。同紙の特集がドル高是正への地ならしという側面があるとの憶測もあり、今週のG7財務相・中央銀行総裁会議だけでなく、6月15-17日にカナダ・カナナスキスで予定されているG7サミットへ向けて、ドル高是正への思惑は拭えないだろう。
他の注目点としては、先週末のNY引けを前に米格付け会社ムーディーズが米国の信用格付けを「AAA」から「AA1」に引き下げたことの影響を見定める必要がある。格付け会社の発表は、これまでも金曜日のNY引け間際ということもあり、発表された時間はサプライズではなかった。ただ、週末を前に流動性が枯渇していることで、パニック的な動きにならないように、敢えて反応を控えた債券市場参加者もいることが予想される。為替市場は早朝のオセアニア市場で小幅にドル安が進んだが、本日の時間外相場で米債を売ることになるのかを確認する必要がありそうだ。
円以外では、ユーロの値動きにも注目。週末に行われた東欧ルーマニアでの、やり直しとなった大統領選の決選投票では、親EU、親北大西洋条約機構(NATO)路線のダン候補の当選が確実になりつつある。第1回投票では1位だった野党の極右政党、ルーマニア人統一同盟のシミオン党首が敗北を認めれば、欧州圏の安定につながることでユーロの支えになりそうだ。
東京市場は堅調か。先週末の米国株は上昇。ダウ平均は331ドル高の42654ドルで取引を終えた。小高く始まり序盤にはマイナス圏に沈む場面もあったが、中盤以降は強く、終盤に上げ幅を広げて高値圏で終了。直近で売り込まれていたユナイテッドヘルスが大きく上昇し、指数の押し上げにも貢献した。ドル円は足元145円10銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて225円高の37995円、ドル建てが265円高の38035円で取引を終えた。
米国株の引け味が良く、日本株も連れ高すると予想する。ただ、国内は決算発表が先週までで概ね一巡しており、上値を追いには慎重になるだろう。米国ではムーディーズが米国債の格付けを引き下げており、グローバルマーケットの不安要素も出てきている。日経平均は16日まで3日続落しており値ごろ感が出てきている分、買いが優勢になるとみるものの、場中は様子見姿勢の強い動きが続くと予想する。日経平均の予想レンジは37700円-38000円。
米紙『ニューヨーク・タイムズ』は17日、米アップルがアリババ集団(09988)と共同開発した人工知能(AI)を中国市場用のスマートフォン「iPhone」に搭載する計画について、米ホワイトハウスや米議会が数カ月前から調査しているようだと報じた。事情に詳しい関係者によると、両社の提携を通じて中国企業がAI能力を向上させ、中国の検閲を受ける生成AIの利用が拡大する一方、アップルが中国の検閲・データ共有のルールに縛られるリスクを米側は警戒している。
アップルにとって中国市場は売上高の約5分の1を占めるだけに、仮にアリババ集団との提携が破談になれば痛手は大きい見通し。世界で最も規制と競争が厳しい市場である中国でAI機能をiPhoneに組み込むには、中国テック企業の協力が欠かせない状況にある。『ニューヨーク・タイムズ』は、アリババとの提携がなければiPhoneは華為技術(ファーウェイ)や小米集団(01810)の競合機種に後れを取る見通しだと伝えた。
関係者によれば、米ホワイトハウスと米下院中国特別委員会はワシントンでアップル幹部との会合を開き、アリババ集団との提携条件や共有するデータの範囲、中国当局に対する責務の有無などについて問い質した、3月に行われた中国特別委員会でアップルの幹部はほとんどの質問に答えられなかったという。
日経225先物は11時30分時点、前日比140円安の3万7630円(-0.37%)前後で推移。寄り付きは3万7610円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7995円)を下回る形から、売り先行で始まった。直後につけた3万7670円を高値にショート優勢となり、現物の寄り付き直後には3万7510円まで下落幅を広げる場面もあった。ただし、その後は3万7550円~3万7650円辺りでの保ち合いを継続している。
米格付け会社ムーディーズ・レーティングスが米国の信用格付けを引き下げたほか、為替市場ではシカゴ日経平均先物が1ドル=145円台前半と円高に振れて推移していることが重荷となり、ショートが先行した。グローベックスのナスダック100先物が1.0%超の下落で推移していることも神経質にさせたようである。ただし、200日移動平均線(3万7540円)やボリンジャーバンドの+1σ(3万7420円)が支持線として意識されており、底堅さがみられてくる局面においては、押し目待ち狙いのロングを誘う動きが入りやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で13.70倍に低下。一時13.77倍に上昇する場面もあったが、下向きで推移する75日線(13.77倍)に抑えられる形となるなかで、NTショートに振れている。+1σ(13.73倍)を割り込んでおり、25日線(13.63倍)辺りまでの下げが意識されてきそうだ。
中国の国家統計局が19日発表した2025年4月の住宅価格統計によると、主要70都市のうち、新築分譲住宅価格(保障性住宅を除く)が前月比で下落したのは45都市となり、前月から4都市増えた。上昇は22都市で2都市減少。横ばいは3都市だった(前月は5都市)。前年同月比では、下落は67都市と前月から1都市減った。上昇は3都市で前月から1都市増加。横ばいの都市はなかった(前月もなし)。
中国国家統計局の統計に基づいてロイターが算出した4月の主要70都市の新築住宅価格指数は前年同月比4.0%下落し、下げ幅は6カ月連続で縮小した。前月比では同指数は変わらずだった。
規模別では、「一線都市」(北京、上海、広州、深セン)の新築分譲住宅価格は前月比0.1%上昇した(前月も0.1%上昇)。これに次ぐ規模の「二線都市」(31都市)は前月比横ばい(前月も横ばい)。「三線都市」(35都市)は0.2%下落した(前月も0.2%下落)。前年同月比では、一線都市が2.1%下落(前月は2.8%下落)。二線都市は3.9%下落(前月は4.4%下落)、三線都市は5.4%下落(前月は5.7%下落)となった。
先週末のドル円は、アジアと欧州時間に2度145.00円割れをトライしたものの、実需のビッドが厚かったほか、株価の堅調な推移につれて次第に下値を切り上げる展開に。一時145.69円まで買戻されました。アジア時間の高値145.72円が目先の目処として意識されたほか、NY時間に入って5月米ミシガン大消費者態度指数速報値が予想を下回る弱い数字となると145.40円まで下押ししたものの、同時に公表された消費者の期待インフレ率が1年先で7.3%、5‐10年先で4.6%と、あまり目にしたことがないほどの高い数字だったことから、一転して米長期金利が上昇。つれるかたちで146.10円まで値を上げることになりました。ただ、週末の取引が終わる直前になってMDYが米国の格下げを発表。145.57円まで下押ししてNY市場を終えています。
週明け早朝のオセアニア市場では145.55円を高値に下落。仲値にかけて輸出の売りが目立つことになると先週末安値の144.92円や9日の安値144.83円を下抜けて一時144.81円まで売り込まれたわけですが、その後はすぐにも145.30円まで買戻されるなど、神経質な動きが続いています。
いずれにしても、米国格下げについては、市場では「早朝の売り仕掛けだけで大した材料になっていない」との声も聞かれているわけで、現在のトランプ米政権で鍵を握るベッセント米財務長官が「遅行指標である」との見解を示して「全く問題視していない様子」だったところをみても、ダウ平均が先週末の上げ幅を先物で消している以外、目立った反応は見られていないといったところ。米10年債利回りもアジア時間に4.51%台まで上昇してはいるものの、トリプル安というまでの動きとはいえず、あくまでも週明けの需給関係を反映した動きと認識したいところです。目先は一目転換線の位置する145.54円や早朝の高値145.55円がポイントとして意識されています。
週明け早朝から、先週末のNY引けを前に米格付け会社ムーディーズが米国の信用格付けを「AAA」から「AA1」に引き下げたことを背景としたドル売りが先行した。欧州勢参入後もこの動きが蒸し返されるかどうかに注目。米中の関税合戦が緩み、市場の過度な警戒感は緩んだものの、トランプ米政権の関税政策の先行き不透明感が払しょくされていないことや、トランプ関税に市場の悲観的な見方が強いことを鑑みると、「米国売り」再燃の警戒感は残されている。
欧州タイムでは、4月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)の発表が予定されているが、改定値の発表であり、反応は限られそうだ。同速報値は前年比+2.2%と低下予想に反して伸び率は3月と同じとなり、同コアは+2.7%と3月の+2.4%から予想以上に伸びが加速した。関税が今後のインフレ率に大きく影響を与えるだけに、欧州連合(EU)と米政権との通商交渉が注目されるが、交渉に関してEUが米国への提案内容をより具体化する方向で見直しているとの報道もあり、協議関連の報道に注意を払いたい。
また、ミュラー・エストニア中銀総裁の講演が予定されているが、4月に同総裁は貿易を巡る不確実性が経済成長に一段と深刻な影響をもたらすことが判明した場合、景気を刺激する水準まで金利を引き下げる必要があるとの認識を示した一方で、次回6月の政策決定会合では関税交渉やその時点のデータに基づいて判断するとした。関税の不確実性から欧州中央銀行(ECB)理事会で追加利下げをめぐり見解が分かれている。
・想定レンジ上限
ユーロドルの上値めどは、日足一目均衡表・転換線1.1222ドルや同基準線1.1319ドル。ユーロ円は日足一目均衡表・基準線163.10円や15日高値164.07円。
・想定レンジ下限
ユーロドルの下値めどは、先週末16日の安値1.1131ドルや13日安値1.1085ドル。ユーロ円は7日安値161.94円や日足一目均衡表・雲の上限161.24円。
ドル円:1ドル=145.17円(前営業日NY終値比▲0.53円)
ユーロ円:1ユーロ=162.36円(▲0.28円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1184ドル(△0.0021ドル)
日経平均株価:37498.63円(前営業日比▲255.09円)
東証株価指数(TOPIX):2738.39(▲2.06)
債券先物6月物:139.25円(▲0.28円)
新発10年物国債利回り:1.480%(△0.030%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月第三次産業活動指数
前月比 ▲0.3% 0.0%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。前週末に米格付け会社ムーディーズが米格付けを引き下げたことを受け、週明けから時間外のダウ先物が下落。ドル円もつれる形で売りが先行した。日経平均株価の下げも売りを促し、先週末安値の144.92円を下抜けて144.81円まで値を下げた。一巡後は145.30円台まで下げ渋る場面も見られたが、戻りは限られた。
・ユーロドルは強含み。ムーディーズによる米格下げを受けてドル安が進んだ流れに沿った。ユーロドルは1.1212ドルまで上昇したほか、ポンドドルは1.3321ドルまでつれ高となっている。
・ユーロ円は方向感がない。ドル円が下落したことにつれる形で一時162.15円まで値を下げた。ただ、ユーロドルが上昇した影響も受けたため下値も堅く162円台半ばまで持ち直した。
・日経平均株価は4日続落。米国格下げにより米株先物が下落したことが投資家心理の悪化につながった。アジア株安も重しとなり、下げ幅は一時300円を超えた。
・債券先物相場は反落。前週末の米国債格下げ報道などを受けて米国債が売られた流れを引き継いで売りが優勢となった。
ドル円:1ドル=145.17円(前営業日NY終値比▲0.53円)
ユーロ円:1ユーロ=162.36円(▲0.28円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1184ドル(△0.0021ドル)
日経平均株価:37498.63円(前営業日比▲255.09円)
東証株価指数(TOPIX):2738.39(▲2.06)
債券先物6月物:139.25円(▲0.28円)
新発10年物国債利回り:1.480%(△0.030%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月第三次産業活動指数
前月比 ▲0.3% 0.0%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。前週末に米格付け会社ムーディーズが米格付けを引き下げたことを受け、週明けから時間外のダウ先物が下落。ドル円もつれる形で売りが先行した。日経平均株価の下げも売りを促し、先週末安値の144.92円を下抜けて144.81円まで値を下げた。一巡後は145.30円台まで下げ渋る場面も見られたが、戻りは限られた。
・ユーロドルは強含み。ムーディーズによる米格下げを受けてドル安が進んだ流れに沿った。ユーロドルは1.1212ドルまで上昇したほか、ポンドドルは1.3321ドルまでつれ高となっている。
・ユーロ円は方向感がない。ドル円が下落したことにつれる形で一時162.15円まで値を下げた。ただ、ユーロドルが上昇した影響も受けたため下値も堅く162円台半ばまで持ち直した。
・日経平均株価は4日続落。米国格下げにより米株先物が下落したことが投資家心理の悪化につながった。アジア株安も重しとなり、下げ幅は一時300円を超えた。
・債券先物相場は反落。前週末の米国債格下げ報道などを受けて米国債が売られた流れを引き継いで売りが優勢となった。
ポーランド大統領選の第1回投票で、中道与党「市民プラットフォーム(PO)」を支持基盤とするラファウ・トシャコフスキ ワルシャワ氏が31.36%の得票率で首位となり、民族主義野党「法と正義(PiS)」系のカロル・ナヴロツキ氏が29.54%で続いた。いずれも過半数には届かなかったため、6月1日に決選投票(決選ラウンド)が行われる。
「私は、米政府の債務の状況が引き返せない地点に近づいていると判断している」
(レイ・ダリオ氏)
トランプ米政権は、2つの赤字、貿易赤字と財政赤字の削減を標榜している。対外的赤字の貿易赤字は、関税の引き上げ、そしてドル安誘導による削減が目論まれている。対内的赤字の財政赤字は、関税による歳入増加、政府効率化省(DOGE)による歳出削減が目論まれ、利払い抑制のための米国債利回りの抑制が目論まれている。
しかし、米国債が最上位「トリプルA」の格付けを失ったことは、米国債売りによる米国離れ、金利上昇に繋がる可能性が高まったことになる。
トランプ米大統領とベッセント米財務長官は、10年物国債の金利を重要視する、と言い続けている。
1. 格付け会社ムーディーズ(Aa1)2025年 トランプ米政権
2025年5月16日、米格付け会社ムーディーズ・レーティングスは、米国の長期発行体格付けと無担保優先債格付けを、最上位の「Aaa(トリプルA相当)」から「Aa1(ダブルAクラス)」に1段階引き下げたと発表した。世界で最も信用力の高い国債発行国の信認に一石を投じる象徴的な動きとなり、米国は、フィッチ・レーティングスとS&Pグローバル・レーティングに続き、「トリプルA格付け」を失った。
米国の債務と財政赤字の急増により、国際資本の投資先としての優位が損なわれ、政府の借り入れコストが増大するとの不安が格下げの動きに反映された。
格下げの理由について「歴代の米政権と議会は、巨額の年間財政赤字と金利負担の増加傾向を反転させる措置で合意できなかった。米国が持つ経済・財政の著しい強さは認識しているが、これらの強みだけで財政指標の悪化をもはや完全に埋め合わせることはできない」との認識が示された。
ベッセント米財務長官は「ムーディーズは遅行指標だ。 それが格付け会社に対する一般的な見方だ」と一蹴している。
2. フィッチ・レーティングス(AA+)2023年 バイデン政権
2023年8月1日、大手格付け会社のフィッチ・レーティングスは、米国債の格付け〔長期外貨建て発行体デフォルト格付け(IDR)〕を最上位の「AAA」から「AA+」に1段階引き下げると発表した。格下げ理由として、以下の3点を挙げた。
1)今後3年間に予想される財政悪化:2022年3.7%、23年6.3%、24年6.6%、25年6.9%
2)高水準かつ増大する一般政府債務残高(※「AAA」格付けの他国=39.3%)
3)度重なる債務上限問題での膠着と土壇場での解決に反映されている、過去20年間の「AAA」格付けの他国と比較したガバナンスの低下
3. スタンダード&プアーズ(AA+)2011年 オバマ政権
2011年8月5日、格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は、米国の財政赤字削減計画が債務の安定化には不十分との見方から、米国の長期発行体格付けを「AAA」から「AA+」に引き下げた。
5月、債務残高が上限(14兆2900億ドル)に到達したことで、米財務省は8月2日までの「異例の措置」を採用した。オバマケア(公的医療保険)の見直しや歳出の削減を求める共和党議会とオバマ大統領との交渉が難航したものの、7月31日に米議会は債務上限引き上げを承認したことで、米国のデフォルトは回避された。
しかし、8月5日の米国債格下げショックが市場を襲った。
・ダウ平均株価:8日は前日比634.76ドル安の10809.85ドルへ下落
・日経平均株価:9500円台から9000円割れへ下落
・ドル円相場:79円台から76円台へ下落
欧州委員会は19日、ユーロ圏の2025年実質GDP成長率を+0.9%(前回予測+1.1%)、2026年を+1.2%(同+1.3%)に下方修正した。主因は米中貿易戦争の波及効果と気候変動関連災害の頻発とのこと。
一部報道によると、米上院は今夜、ドルなど資産に連動した暗号資産「ステーブルコイン」の規制枠組みを定める法案の採決を再び行う予定だという。これは、前回の採決が失敗に終わったことを受けた再挑戦となる。
大阪6月限
日経225先物 37390 -380 (-1.00%)
TOPIX先物 2732.5 -11.0 (-0.40%)
日経225先物(6月限)は前日比380円安の3万7390円で取引を終了。寄り付きは3万7610円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7995円)を下回る形から、売り先行で始まった。直後につけた3万7670円を高値にショート優勢となり、現物の寄り付き直後には3万7510円まで下落幅を広げた。売り一巡後は3万7550円~3万7650円辺りでの保ち合いを継続したが、現物の後場取引開始直後にレンジを割り込むと、3万7460円~3万7540円辺りでの推移になった。終盤はロング解消の動きが強まり、3万7390円と本日の安値で終えた。
米格付け会社ムーディーズ・レーティングスが米国の信用格付けを引き下げたほか、為替市場では円相場が1ドル=144円台と円高に振れて推移していることが重荷となった。売り一巡後は200日移動平均線(3万7540円)を支持線とした底堅さがみられたものの、午後の取引で同線を割り込んだことで、ロング解消に向かわせたようである。
ただし、東証プライムの売買高は16億7000万株となり、4月下旬以来の低水準だった。グローベックスの米株先物が弱含みで推移するなかで、改めて週明けの米国市場の反応を見極めたいとする様子見姿勢に向かわせた。そのため、日経225先物は200日線を下回ったものの、積極的なショートの動きも限られ、狭いレンジでの推移が目立った。
200日線のほか上向きで推移しているボリンジャーバンドの+1σは3万7510円に切り上がっており、早い段階で突破できないと抵抗線に変わり、75日線(3万6830円)水準が意識されてくる可能性がある。週足では52週線(3万7850円)、26週線(3万7630円)、+1σ(3万7670円)が抵抗線に変わるようだと、13週線(3万7310円)が射程に入ってくるだろう。
NT倍率は先物中心限月で13.68倍に低下。13.77倍に上昇する場面もあったが、下向きで推移する75日線(13.77倍)に抑えられる形となるなかで、NTショートに振れている。+1σ(13.73倍)を割り込んできたことで、25日線(13.63倍)辺りまでの低下が意識されよう。同線を下抜けてくると、-1σ(13.54倍)に向けてNTショートによるスプレッド狙いの動きが強まりそうだ。
手口面(6月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3020枚、ソシエテジェネラル証券が9249枚、サスケハナ・ホンコンが2948枚、SBI証券が1756枚、バークレイズ証券が1680枚、みずほ証券が1588枚、JPモルガン証券が1362枚、日産証券が1346枚、野村証券が1304枚、モルガンMUFG証券が1053枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万2628枚、ソシエテジェネラル証券が1万1769枚、バークレイズ証券が4216枚、JPモルガン証券が2908枚、モルガンMUFG証券が2151枚、ゴールドマン証券が1566枚、BNPパリバ証券が1481枚、ビーオブエー証券が1083枚、サスケハナ・ホンコンが1054枚、みずほ証券が1004枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、米国債格下げを受けたトリプル安に警戒しながら、米4月の米景気先行指標総合指数や複数の米連邦準備理事会(FRB)高官による「不確実性」や米国債格下げに関する見解に注目していく展開となる。
4月米景気先行指標総合指数は前月比-1.0%と予想されており、3月の同比-0.7%からの悪化が見込まれている。トランプ関税への警戒感から景気の先行きに対する見通しが悪化することが見込まれており、ネガティブサプライズに警戒しておきたい。
米国と中国による貿易協定の締結により、「不確実性(uncertainty)」がやや後退したものの、米国債の格下げという不透明要因が加わったことで、ボスティック米アトランタ連銀総裁、ジェファーソンFRB副議長、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、ローガン米ダラス連銀総裁、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁などによる利下げへの言及には注目しておきたい。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での利下げ時期は、9月FOMC(▲0.25%=4.00-25%)と予想されており、12月FOMCの年内2回の利下げで12月時点のFF金利誘導目標は3.75-00%と見込まれている。
また、先週末の米格付け会社ムーディーズ・レーティングスによる、米国債格付下げによる米国債市場への影響やトリプル安となるにか否かにも注目しておきたい。
トランプ米政権は、2つの赤字、貿易赤字と財政赤字の削減を標榜している。対外的赤字の貿易赤字は、関税の引き上げ、そしてドル安誘導による削減が目論まれている。対内的赤字の財政赤字は、関税による歳入増加、政府効率化省(DOGE)による歳出削減が目論まれ、利払い抑制のための米国債利回りの抑制が目論まれている。
しかし、米国債が最上位「トリプルA」の格付けを失ったことは、米国債売りによる米国離れ、金利上昇に繋がる可能性が高まったことになる。
トランプ米大統領とベッセント米財務長官は、10年物国債の金利を重要視する、と述べており、米国債の売り材料への見解にも注目しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、146.46円(日足一目均衡表・雲の下限)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、144.27円(日足一目均衡表・基準線)